JP2005199183A - 温度差を利用した脱塩淡水化施設及び該施設における低真空状態を作る方法 - Google Patents

温度差を利用した脱塩淡水化施設及び該施設における低真空状態を作る方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化石燃料を使用せず、脱塩と同時に精製された淡水を内陸部へ輸送すること。
【解決手段】塩水等の原水5から夜間の気温低下が見込まれる内陸部7にかけて気密性の高いパイプを設置し、パイプ内部の水蒸気以外の気体をすべて抜き取る。すると蒸発部1で原水が蒸発(沸騰)し、パイプ内に水蒸気が充満する。特に夜間は放射冷却により蒸発部1よりも断熱輸送部2−1の方が低温となるため、管内の圧力差により放熱輸送部2−2に水蒸気が流入するが、飽和水蒸気量を超える分は気体として存在できないため、水蒸気の一部は放熱輸送部2−2で凝縮し淡水の水が精製される。ただし蒸発部1と放熱輸送部2−2との温度差がなくなると淡水の精製は止まる。そのため、蒸発部1では原水の循環により温度低下を抑え、放熱輸送部2−2では熱流束を減少させることで温度上昇を抑える構造とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、海水等を原水とした蒸留法による脱塩淡水化技術に係り、特に、蒸発部と取水部との距離をおいて切り離し、脱塩された水蒸気の状態で内陸部にまで淡水を輸送することが可能な脱塩淡水化施設及び該施設における低真空状態を作る方法に関するものである。
従来の脱塩淡水化施設は、例えば特許文献1にあるように、プラント形式であり、海水等の原水の取水地と精製水の供給地がほぼ同じ場所に設けられていた。
そのため、沿岸部付近に取水地と供給地とがある場合にあっては、生活用水としての利用を目的とした脱塩淡水化は実用化していたが、沿岸部が取水地で内陸部が供給地である場合にあっては、別途輸送コストがかかることから、実用化は非常に困難な状況となっていた。
また、例えば特許文献2にあるように、多くの大規模な脱塩淡水化施設のエネルギー源は化石燃料が主流であり、このため、地球温暖化の原因の一つとなる二酸化炭素を大量に排出してしまうため環境保全もされないままであった。
特開2003−126841 特表2003−519001
そこで、本発明の目的は、脱塩淡水化の際に化石燃料などを使用せず、しかも、トラックなどの輸送移動体或いは従来の送水パイプライン等に使用される動力源等を用いずに、脱塩淡水化と同時に内陸部への淡水の輸送が可能な脱塩淡水化施設及び該施設における低真空状態を作る方法を提供することである。
本発明者らは、前記した従来の問題を解決すべく様々の鋭意検討をした結果、大量の海水等の原水を脱塩淡水化して内陸部にまで運ぶ場合に、水蒸気の性質を上手く利用すれば、トラックなどの輸送移動体或いは従来の送水パイプライン等に使用される動力源等を用いなくとも簡単でしかも低コストに淡水の供給ができることを知見し、本発明を完成するに至った。
より具体的には、本発明者らは、脱塩技術の根本的な理論として、(イ)蒸気圧は温度により決まり、温度が高いほど高い、(ロ)蒸気圧よりも低い気圧下では液体は沸騰し、蒸発量が飛躍的に増す、(ハ)気圧の高いところから低いところに向かって風が流れる、(ニ)飽和水蒸気量(水蒸気の分圧が水の蒸気圧と一致したときの水蒸気量)より多量の水は気体として存在できない、という原理・法則に着目し、本発明を採用するに至った。
そこで、本発明に係る脱塩淡水化施設は、海水等の原水が蒸発する蒸発部と、該原水の水蒸気が凝縮した精製水を回収する取水部とを備え、前記蒸発部と取水部間が水蒸気の凝縮を防ぐ断熱輸送部と水蒸気を凝縮させる放熱輸送部とからなる低真空状態の輸送部で接続され、且つ前記蒸発部内部の原水温度が前記取水部の外気温よりも高いことを特徴とする。
そして、本発明に係る他の脱塩淡水化施設は、前記蒸発部を低位置に、前記取水部を高位置に、それぞれ設置し、且つ前記輸送部をこれらいずれよりも高い位置を通過させて前記蒸発部と取水部間を接続するように設置することを特徴とする。
また、本発明に係る脱塩淡水化施設のうち、前記断熱輸送部の少なくとも一部は、更に断熱材で覆われていることを特徴とする。
更に、本発明に係る脱塩淡水化施設のうち、前記蒸発部内部の原水温度は、前記取水部の外気温よりも15℃以上温度が高いことを特徴とする。
また、本発明に係る脱塩淡水化施設のうち、前記蒸発部は、流入口と流出口とを備え、好ましくは攪拌装置を備えて、海水等の原水を循環させることを特徴とし、前記蒸発部の流入口又は流出口の少なくとも一方には、更に空気混入防止手段が備えてあることを特徴とし、前記輸送部は、輸送部上部の少なくとも一カ所に注水部を備え、且つ輸送部端部にそれぞれ栓を備えていることを特徴とし、前記取水部は、水蒸気が凝縮した精製水を回収するための受け部と、該精製水を貯水部へ流すための小パイプ部と、該精製水を貯めるための貯水部とを備えたものであることを特徴とし、前記取水部は、前記小パイプ部内の水面の圧力と前記貯水部内の水面の圧力との差が1気圧以上であることを特徴とし、前記取水部の流出口には、更に空気混入防止手段が備えてあることを特徴とする。
そして、本発明に係る脱塩淡水化施設における低真空状態を作る方法としては、輸送部端部に栓をした状態で輸送部上部の注水部から注水し、該輸送部内部への注水が完了した後に、該注水部に栓をし、その後該輸送部端部の栓を抜くことを特徴とする。
本発明に係る脱塩淡水化施設によれば、従来脱塩プラント単独では沿岸部付近にしか供給できなかった精製水を、トラックなどの輸送移動体或いは従来の送水パイプライン等に使用される動力源等を用いずに内陸部にまで供給できるようになる。即ち、脱塩淡水化と同時に水蒸気による水の輸送を行うことにより、これまで精製水を供給することが困難であった内陸部にまで直接精製水を供給することが可能となる。
また、本発明に係る脱塩淡水化施設によれば、輸送部を低真空にすること(パイプ内の空気を抜くこと)により、蒸発部から取水部への水蒸気の輸送効率が高まる。
そして、本発明に係る脱塩淡水化施設によれば、蒸発、凝縮および水蒸気の輸送は、基本的に海水と内陸部との温度差を用いて行うので、淡水の精製時に化石燃料を使用する必要がなくなる。即ち、蒸発部内部の原水温度と取水部の外気温との温度差が脱塩淡水化に使用するエネルギー源となり、従来の施設のように化石燃料を使用する必要がなくなる。更に、本発明に係る脱塩淡水化施設の断熱輸送部に断熱材を用いて覆うことにより、水蒸気が放熱輸送部に到達する途中で凝縮が起こり、精製水が蒸発部へ逆流することを防ぐ、もしくはその量を減ずることが可能となる。
更に、本発明に係る脱塩淡水化施設の蒸発部によれば、蒸発部に海水等の原水の循環機能を備えることにより、海水等の原水の温度低下を防止して、海水等の原水の蒸発が阻害されるのを防止することが可能となる。
また、本発明に係る脱塩淡水化施設の輸送部の注水部によれば、低真空ポンプなどの大掛かりな装置を使用せずにパイプ内の水蒸気以外の気体を抜き取ることが可能となる。
そして、本発明に係る脱塩淡水化施設の取水部によれば、精製水の取水の際にポンプ等の別途エネルギーを必要としない。
本発明に係る脱塩淡水化施設における低真空状態を作る方法によれば、パイプ端部に栓をした状態でパイプ上部から注水し、パイプ内部への注水が完了してから注水口に栓をし、パイプ端部の栓を抜くことで、低真空ポンプ等を使用した場合よりも、極めて簡易にパイプ内の水蒸気以外の気体を抜き取ることが可能となる。
尚、本明細書中、低真空とは、JIS規格(JIS Z 8126)にもあるように、圧力が10Pa以上の状態をいう。
以下、本発明の実施例を図1〜4に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例を示す図で、図1(a)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例1の概略図、図1(b)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例2の概略図、図1(c)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例3の概略図、図2は、本発明に係る脱塩淡水化施設の蒸発部の概略図、図3は、本発明に係る脱塩淡水化施設の取水部の概略図、図4は、本発明に係る脱塩淡水化施設の注水部の概略図、図5は、本発明に係る脱塩淡水化施設の低真空状態を作るための一実施例を示す説明図、図6は、本発明に係る脱塩淡水化施設の小モデル実施例を示す説明図である。
図1(a)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例1の概略図であり、塩水等の原水5のある沿岸部6に蒸発部1を、夜間の気温低下が見込まれる(即ち、夜と昼の気温差が大きい)内陸部7に取水部3を、そして該蒸発部1と該取水部3との間にある山岳部8の頂上に注水部4をそれぞれ設置し、更に鞍部が出来ないように蒸発部1と取水部3との間を気密性の高いパイプで接続して輸送部2を設置したものである。
ここで、本明細書中における輸送部2とは、水蒸気の凝縮を防ぐ断熱輸送部2−1と水蒸気を凝縮させる放熱輸送部2−2とから構成されるものである。そして、本実施例においては、温度条件等を考慮すれば、注水部4より蒸発部1側に断熱輸送部2−1が、注水部4より取水部3側に放熱輸送部2−2がそれぞれ配置される。また、輸送部2を構成するパイプは、パイプ内部を低真空状態にすることを考えて最大1気圧程度の圧力差に耐えうるもので防錆効果のある材料、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタニュウム、繊維強化プラスティック等からなることが好ましい。
次に、図1(b)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例2の概略図であり、塩水等の原水5のある沿岸部6に蒸発部1を、夜間の気温低下が見込まれる山岳部8の頂上手前に注水部4を、そして該蒸発部1と該注水部4との間に取水部3をそれぞれ設置し、更に鞍部が出来ないように蒸発部1と注水部4との間を気密性の高いパイプで接続して輸送部2を設置したものである。そして、本実施例においては、温度条件等を考慮すれば、取水部3より蒸発部1側に断熱輸送部2−1が、取水部3より注水部4側に放熱輸送部2−2がそれぞれ配置される。
更に、図1(c)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例3の概略図であり、塩水等の原水5のある沿岸部6に蒸発部1を、夜間の気温低下が見込まれる内陸部7に取水部3をそれぞれ設置し、更に鞍部が出来ないように蒸発部1と取水部3との間を気密性の高いパイプで接続して輸送部2を設置したものである。そして、本実施例においては、注水部4から取水部3にかけてのパイプの大部分が取水部3側に傾斜しているので、あえて断熱輸送部2−1を設置する必要はなく、輸送部2全てを放熱輸送部2−2としても差し支えない。
尚、図1(a)〜(c)は、本発明の様々な組み合わせを記載したものであるが、結局のところ、蒸発部1内部の原水温度と取水部3の外気温との温度差を利用して所定の装置等を設置すれば、本発明は実施可能である。従って、本発明に属する技術的思想であれば、例えば、蒸発部1や取水部3などに他の動力機械装置等を更に設置してもよく、また、蒸発部1や取水部3などの高低位置にとらわれるものでもないことはいうまでもない。更に前記蒸発部1内部の原水温度は、前記取水部3の外気温よりも15℃以上温度が高いことが水蒸気の輸送効率の点から好ましい。
また、前記蒸発部1を低位置に、前記取水部3を高位置に、それぞれ設置し、且つ蒸発部1と取水部3との間をこれらいずれよりも高い位置で接続するように前記輸送部2を設置することが、本発明を比較的満たし易くなるため好ましい。
図2は、本発明に係る脱塩淡水化施設の蒸発部1の概略図であり、かかる蒸発部1は、塩水等の原水の流入口16と塩水等の原水の流出口17とを備え、且つ蒸発部内部33は塩水等の原水と低真空(水蒸気)とが併存している状態となっている。
ここで、該蒸発部1は、海の潮位変化に対応するために伸縮可能な壁を備えることが好ましい。
また、塩水等の原水の流出口17は、塩水等の原水の流入口16よりも深い位置に設置することが好ましい。というのも、かかる構成をとれば、蒸発熱を奪われ冷却された水は密度が大きくなるので流出側の管を通って流出口17から海等に戻り、流入口16から流入した蒸発前の原水は密度が小さいので流入側の管から上昇する(風呂がまの自然循環方式と似たような原理である)というメカニズムを生み出すことが可能だからである。
更に、上記メカニズムでも塩水等の原水の循環は可能であるが、塩水等の原水の流れを良くして蒸発効率を高めるために、蒸発部1内部水面付近に攪拌装置13を設けることも有効である。
また、蒸発部1内部に空気が流入するのを防止するために、空気混入防止手段として二股に分岐した塩水等の原水の流入口16の自由端部と、塩水等の原水の流出口17の自由端部とがそれぞれ上向きに彎曲又は屈曲していることが好ましい。
尚、図2において、矢印(実線)11は流入口16における塩水等の原水の流れ、矢印(点線)15は輸送部2における水蒸気の流れを示す。
図3は、本発明に係る脱塩淡水化施設の取水部3の概略図であり、かかる取水部3は、水蒸気が凝縮した精製水を回収するための受け部27と、該精製水を貯水部へ流すための小パイプ部26と、該精製水を貯めるための貯水部21とから構成されている。
ここで、輸送部(パイプ)2内部の気圧は大気圧に比べると真空に近いので、ポンプ等を使用せずに流出口25から水を流出させるためには、小パイプ部内の水面23と貯水部21内の水面24との間には、約1気圧に相当する10m以上の高低差があることが好ましい。また、取水口3における精製水の流出口25を下向きにすると、内部に空気が流入する可能性が高まるので、空気混入防止手段として流出口25が上向きに彎曲又は屈曲していることが好ましい。
尚、貯水部21に一旦貯蔵した精製水は、貯水部21から供給先への導水設備22へ供給される。
図4は、本発明に係る脱塩淡水化施設の注水部4の概略図であり、注水部4の注水口31を輸送部(パイプ)2の上部に設置したものである。例えば、図4の延長線上に、蒸発部1が一方側に、取水部3が他方側にあり、且つ山岳部8の頂上に注水部4を設けた場合にあっては、注水口31を境に、一方側の水蒸気状態から、他方側の水滴状態へと徐々に変化していく。尚、33は輸送部内部を表している。
その他、輸送部2として低真空状態に耐え得るほどの強度を備えたパイプを使用した場合には、蒸発部1と取水部3とを接続していく場合に、途中、パイプとパイプを結合しなければならないが、その場合には結合部全体を水で取り囲むことも有効である。本発明は、管内の気体の大部分が水蒸気で構成された低真空状態が担保されていれば良く、水が輸送部内部33に混入することに支障はないからである。
図5は、一例として図1(a)に示すに係る脱塩淡水化施設の低真空状態を作るための一実施例を示す図である。具体的には、図5(a)にあるように、図2に示す蒸発部1の流入口16、排水口17および図3に示す取水部3の流出口25に栓(図示せず)をした状態で、輸送部2であるパイプの最も標高の高い注水部4の注水口31から輸送部2であるパイプ内に注水口31が水没するまで注水する。このとき、蒸発部1側に注入する水は塩水でも全く問題ないが、取水部3側に注入する水はなるべくなら淡水の方が好ましい。次に、図5(b)にあるように、注水が完了したら注水口31が水没する状態を保ったまま注水口31に栓32をする。そして、図5(c)にあるように、図2に示す蒸発部1の流入口16、排水口17および図3に示す取水部3の流出口25の栓(図示せず)を抜く。この操作により輸送部2であるパイプ内の水蒸気以外の気体を抜くことが出来る。ここで、注水口31のわずかな隙間からの空気の流入を防ぐため、注水口31が常に水中となる状態を保つ。
上記の操作を終えた施設において、輸送部2であるパイプ内の気体の大部分は水蒸気である。温度が高いほど水蒸気圧は高いので、取水部3の外気温よりも蒸発部1内部の原水温度が高い状態を維持出来れば、常に蒸発部1から取水部3に向けて水蒸気の風が吹くことになる。さらに、蒸発部1から取水部3に吹き込まれた水蒸気は放熱輸送部2−2において飽和水蒸気量を超える分は気体として存在できないため、液体の水が精製することになる。つまり、取水部3の外気温より蒸発部1内部の原水温度が高い状態を維持できれば、常に液体の水を精製することが出来るのである。
しかし、実際には、蒸発部1では蒸発熱により温度が低下し、逆に放熱輸送部2−2では凝縮熱により温度が上昇するため、放っておくと両者の温度差は小さくなり、いつかは同じ温度となり淡水の精製が止まってしまう。
そこで、蒸発部1の温度低下については原水5を循環させることで防ぐことが可能であり、放熱輸送部2−2の温度上昇については、放熱輸送部2−2を延伸しパイプ内側の単位面積あたりに放出される熱量を減少させることで防ぐことが可能である。
また、断熱輸送部2−1で放熱が起こればそこで水蒸気の凝縮が生じて放熱輸送部2−2まで水蒸気が到達しない事態が想定される。これについては断熱輸送部2−1のパイプを断熱材14で覆うことにより回避できる。
図6は、本発明に係る脱塩淡水化施設の小モデル実施例であり、蒸発部1に代えて温度低下防止のための循環機能を備えた蒸発実験装置41を、輸送部2に代えてチューブ42を、そして取水部3に代えて減圧機46を備えた貯蓄部43をそれぞれ設置したものである。ここで、該蒸発実験装置41と該チューブ42の途中までは実験室44内部に配置し、かかる実験室44の温度を約30℃前後に設定した。また、該チューブ42の途中から貯蓄部43までは屋外45に配置し、かかる屋外45の温度は約5℃前後であった。
かかる実施例の結果を表1に示す。
Figure 2005199183

かかる表1を見ても分かるように、一定量の精製水を得ることができることが分かる。
なお、以上の条件を満たすものであれば、本発明と同様の作用効果が得られることは明らかであるから、本実施例に限定されるべきものではないことはいうまでもない。
本発明に係る脱塩淡水化施設の各実施例を示す図で、(a)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例1の概略図、(b)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例2の概略図、(c)は、本発明に係る脱塩淡水化施設の実施例3の概略図である。 本発明に係る脱塩淡水化施設の蒸発部の概略図である。 本発明に係る脱塩淡水化施設の取水部の概略図である。 本発明に係る脱塩淡水化施設の注水部の概略図である。 本発明に係る脱塩淡水化施設の低真空状態を作るための一実施例を示す説明図である。 本発明に係る脱塩淡水化施設の小モデル実施例を示す説明図である。
符号の説明
1.蒸発部
2.輸送部
2−1.断熱輸送部
2−2.放熱輸送部
3.取水部
4.注水部
5.塩水等の原水
6.沿岸部
7.内陸部
8.山岳部
11.塩水等の原水の流れ
12.潮位変化に対応して伸縮可能な壁
13.撹拌装置
14.断熱材
15.水蒸気の流れ
16.塩水等の原水の流入口
17.塩水等の原水の排水口
21.貯水部
22.貯水部から供給先への導水設備
23.小パイプ部内の水面
24.貯水部内の水面
25.精製水の流出口
26.小パイプ部
27.受け部
31.注水口
32.栓
33.輸送部内部
41.蒸発実験装置
42.チューブ
43.貯蓄部
44.実験室
45.屋外
46.減圧機

Claims (11)

  1. 海水等の原水が蒸発する蒸発部と、該原水の水蒸気が凝縮した精製水を回収する取水部とを備え、前記蒸発部と取水部間が水蒸気の凝縮を防ぐ断熱輸送部と水蒸気を凝縮させる放熱輸送部とからなる低真空状態の輸送部で接続され、且つ前記蒸発部内部の原水温度が前記取水部の外気温よりも高いことを特徴とする脱塩淡水化施設。
  2. 前記蒸発部を低位置に、前記取水部を高位置に、それぞれ設置し、且つ前記輸送部をこれらいずれよりも高い位置を通過させて前記蒸発部と取水部間を接続するように設置することを特徴とする請求項1記載の脱塩淡水化施設。
  3. 前記断熱輸送部の少なくとも一部は、更に断熱材で覆われていることを特徴とする請求項1又は2記載の脱塩淡水化施設。
  4. 前記蒸発部内部の原水温度は、前記取水部の外気温よりも15℃以上温度が高いことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の脱塩淡水化施設。
  5. 前記蒸発部は、流入口と流出口とを備え、好ましくは攪拌装置を備えて、海水等の原水を循環させることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の脱塩淡水化施設。
  6. 前記蒸発部の流入口又は流出口の少なくとも一方には、更に空気混入防止手段が備えてあることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の脱塩淡水化施設。
  7. 前記輸送部は、輸送部上部の少なくとも一カ所に注水部を備え、且つ輸送部端部にそれぞれ栓を備えていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の脱塩淡水化施設。
  8. 前記取水部は、水蒸気が凝縮した精製水を回収するための受け部と、該精製水を貯水部へ流すための小パイプ部と、該精製水を貯めるための貯水部とを備えたものであることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項記載の脱塩淡水化施設。
  9. 前記取水部は、前記小パイプ部内の水面の圧力と前記貯水部内の水面の圧力との差が1気圧以上であることを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項記載の脱塩淡水化施設。
  10. 前記取水部の流出口には、更に空気混入防止手段が備えてあることを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1項記載の脱塩淡水化施設。
  11. 輸送部端部に栓をした状態で輸送部上部の注水部から注水し、該輸送部内部への注水が完了した後に、該注水部に栓をし、その後該輸送部端部の栓を抜くことを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1項記載の脱塩淡水化施設における低真空状態を作る方法。

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