JP2018080664A - 気水分離発電装置、地熱発電装置及び地熱発電方法 - Google Patents

気水分離発電装置、地熱発電装置及び地熱発電方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地熱帯から得られた熱量を地上で有効に利用して発電効率を高めることができる気水分離発電装置、地熱発電装置及び地熱発電方法を提供すること。
【解決手段】
媒体を回転体322に衝突させることにより、回転軸318を中心に回転する回転体と、加圧給水ポンプ3により媒体を噴出する圧力を制御し、制御された圧力で媒体を回転体322の側面に衝突させて回転体322の回転力により発電機G4を駆動し電力を得る発電装置と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図32

Description

本発明は、地熱帯を熱源として熱交換を行う地熱交換器に使用される気水分離発電装置、地熱帯を熱源として熱交換を行う地熱交換器を利用して発電を行う地熱発電装置及び地熱発電方法に関する。
従来から地熱発電装置では、地熱帯に存在する自然の蒸気を自然の圧力を利用して取り出し、気水分離して使用する方法であるため、取り出された蒸気には地熱帯特有の硫黄やその他の不純物が多量に含まれている。この不純物はスケールとなって、熱井戸や配管類、あるいはタービンの羽根等に付着する。スケールが付着すると、経年的に発電量が減少し、長期間の使用が困難となる。
上記のように、温泉水を汲み上げて利用する発電方法では、配管設備やタービン等の設備にスケールが付着して経年的には発電量が低下し、又はメンテナンスが必要である。環境面においても温泉水を汲み上げて利用するため、温泉水の吐出量等に影響することも考えられる。また、汲み上げて温泉水を発電に利用した後の水は、還元井から大地に戻すのであるが、スケールを除去するための化学物質等が含まれており環境に与える影響が少なからず発生する。
そのため、これら環境に影響を与えないシステムとして特許文献1では、高圧給水ポンプによって加圧された処理水が供給される加圧水注入管と、加圧水注入管中を地熱帯まで下降する処理水に対して、地熱帯から熱が供給されて生成される熱水が蒸気を含まない状態で上昇する熱水取出管とを有しており、熱水取出管から取出された熱水が蒸気発生器に送られて、蒸気発生器内のみで蒸気として取り出される。加圧水注入管は熱水取出管の外周側に配置されており、熱水は加圧水注水管の下部に設けられた導入穴を通って熱水取出管に移る構造を有した地熱発電装置が提案されている。
また、地下から汲み上げた温泉水の蒸気だけでなく、熱水の圧力を利用して発電する装置として、特許文献2では、源泉からの熱水であって熱水と水蒸気が混合した混合熱水を供給する混合熱水管路と、混合熱水によって回転する混合熱水タービンと、混合熱水タービンを経由して得られる水蒸気によって回転する水蒸気タービンと、混合熱水タービンおよび水蒸気タービンの少なくとも一方の回転によって電力を生じさせるローターと、混合熱水タービンおよび水蒸気タービンの少なくとも一方を経由した熱水および水蒸気の少なくとも一方を、熱水として還流させる温水還流路と、を備えた熱水蒸気発電装置が提案されている。
特開2013−164062号公報 特開2013−133705号公報
特許文献1に見られるように地下の熱だけを利用して発電を行う方法は、環境によく温泉水への湯量や化学物質等への懸念も考慮する必要がないため有効である。
しかしながら、地下で熱せられた熱水は、地熱帯の温度にもよるが必ずしも高温でない場合がある。そのため、高温を必要とする場合には、深度を深く掘削する必要があるがコストが掛かってしまうという問題がある。
また、発電量を増すシステムとして特許文献2では、大地から汲み上げた自然の温泉水を利用した混合熱水を用いているため汲み上げた混合熱水の圧力が一定とならず、混合熱水を羽根車に当接させ、羽根車に設けられた軸により発電するシステムは、一定の発電出力を得る制御を施すことは容易ではない。
そのため、過度の深度を必要とせず地中から得られた熱水を有効に利用する技術が必要になってきており、また熱水からの蒸気量を増大させる技術が必要になってきた。
本発明は、このような課題を鑑みされたものであり、地熱帯から得られた熱量を地上において有効に利用し、発電効率を高めることができる気水分離発電装置、地熱発電装置及び地熱発電方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
地熱帯により熱を吸収した高温の媒体を、加圧給水ポンプにより蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離発電装置まで移送し、前記気水分離発電装置にて減圧沸騰させることで蒸気を発生させ、前記蒸気及び前記媒体を分離する気水分離発電装置であって、前記媒体を回転体に衝突させることにより、回転軸を中心に回転する前記回転体と、前記加圧給水ポンプにより前記媒体を噴出する圧力を制御し、制御された圧力で前記媒体を前記回転体の側面に衝突させて前記回転体の回転力により発電機を駆動し電力を得る発電装置と、を備えたことを特徴とする。
以上の構成によって、加圧給水ポンプにより一定の圧力を制御することが可能となるため、回転体の回転を一定に保つことが可能となり、発電の出力を一定に保つことが可能となる。また、回転体の回転により媒体が飛散することにより、媒体が停留する時間を稼ぐことができるため、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り媒体が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
図1は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の構成を示す概要図である。 図2は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の地上接続部を現した斜視図である。 図3は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の気水分離器を切断し、内部を現した斜視図である。 図4は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の気水分離器を切断し、内部を現した側面図による気水を分離する様子を現した説明図である。 図5は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器に内蔵される分離装置の斜視図である。 図6は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器に内蔵されるノズルに装着した状態を示す分離装置の斜視図である。 図7は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器に内蔵されるノズルに装着した分離装置の隠線を現した斜視図である。 図8は、第1実施形態にかかる本発明の分離装置による気水を分離する様子を現した説明図である。 図9は、第1実施形態にかかる本発明の分離装置の変形例1を斜視図により示し、気水を分離する様子を現した説明図である。 図10は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンク内の気水の流れを現した説明図である。 図11は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンクの変形例における温水サービスタンク内の気水の流れを現した説明図である。 図12は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンクの変形例における温水サービスタンク内の気水の流れを現した説明図である。 図13は、第1実施形態にかかる本発明の水の状態変化の概要図である。 図14は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の媒体移送管の深度と熱水の温度分布の関係を示す関係図である。 図15は、第2実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の構成を示す概要図である。 図16は、第3実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の構成を示す概要図である。 図17は、第4実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の構成を示す概要図である。 図18は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器を正面から現した説明図である。 図19は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器の上部を分解して現した斜視図である。 図20は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器の旋回流機構部を現した斜視図である。 図21は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器の旋回流機構部及ぶ噴出機構部を現した斜視図である。 図22は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器の噴出機構部を現した斜視図である。 図23は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器の噴出機構部を現した平面図である。 図24は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の噴出機構部の図23のA−B部分の断面図である。 図25は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の噴出機構部の内部を通しした透視斜視図である。 図26は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器の外郭を縦方向に切断し内部を現した概要図である。 図27は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器の気水の分離の様子を現した説明図である。 図28は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器の熱水の分散の様子を現した説明図である。 図29は、第5実施形態にかかる本発明の地熱発電装置の構成を示す概要図である。 図30は、第5実施形態にかかる本発明の気水分離発電装置を正面から現した概要図である。 図31は、第5実施形態にかかる本発明の気水分離発電装置を現した斜視図である。 図32は、第5実施形態にかかる本発明の気水分離発電装置の内部及びロータ部の内部を現した斜視図である。 図33は、第5実施形態にかかる本発明の気水分離発電装置の内部及びロータ部の内部を現した斜視図である。 図34は、第5実施形態にかかる本発明の気水の分離の様子を現した説明図である。 図35は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部の回転の様子を現した説明図である。 図36は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置を正面から現した概要図である。 図37は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置を現した斜視図である。 図38は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置の内部及びロータ部の内部を現した斜視図である。 図39は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置の内部及びロータ部の内部を現した平面図である。 図40は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置の内部を現した平面図である。 図41は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水の分離の様子を現した説明図である。 図42は、第5実施形態にかかる本発明の変形例のロータ部の回転の様子を現した説明図である。 図43は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部の変形例を現した斜視図である。 図44は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部の変形例を現した正面図である。 図45は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部を回転筐体部に装着する様子を示す説明図である。 図46は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部を回転筐体部に装着した様子を示す斜視図である。
本発明にかかる地熱発電装置1、100、200、300、400の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかる地熱発電装置1を、図1乃至図14を参照して説明する。図1は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の構成を示す概要図である。図2は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の地上接続部30を現した斜視図である。図3は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の気水分離器Fを切断し、内部を現した斜視図である。図4は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の気水分離器Fを切断し、内部を現した側面図による気水を分離する様子を現した説明図である。図5は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器Fに内蔵される分離装置60の斜視図である。図6は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器Fに内蔵されるノズル51に装着した状態を示す分離装置60の斜視図である。図7は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器Fに内蔵されるノズル51に装着した分離装置60の隠線を現した斜視図である。図8は、第1実施形態にかかる本発明の分離装置60による気水を分離する様子を現した説明図である。図9は、第1実施形態にかかる本発明の分離装置60の変形例を斜視図により示し、気水を分離する様子を現した説明図である。図10は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンク4内の気水の流れを現した説明図である。図11は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンク4の変形例における温水サービスタンク4a内の気水の流れを現した説明図である。図12は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンク4の変形例における温水サービスタンク4b内の気水の流れを現した説明図である。図13は、第1実施形態にかかる本発明の水の状態変化の概要図である。図14は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の媒体移送管10の深度と熱水の温度分布の関係を示す関係図である。
地熱発電装置1は、主に加圧給水ポンプ3、媒体移送管10、温水サービスタンク4、復水ユニット17、給水ユニット18、気水分離器F、蒸気タービンT、発電機G及び受電設備TFとで構成されている。
地熱発電装置1は、蒸気タービンTに蒸気V1を供給することで、発電機Gを回転させて発電を行い、受電設備TFに電気を供給し送電網を介して電力会社等に電気を供給している。
蒸気タービンTは、タービン形式だけでなくスクリュー形式のもの等であってもよく、蒸気によって発電可能なものであればよい。蒸気タービンTに供給される蒸気V1は、熱水L3を減圧沸騰させて気水分離器Fにて生成される。
気水分離器Fに供給される熱水L3の全量は、蒸気V1とされることがないため、気水分離器Fから多量の熱水L4いわゆるドレンが温水サービスタンク4に送られる。また、蒸気タービンTで排気された蒸気V3は、復水ユニット17に送られ、復水ユニット17に送られた蒸気V4は、復水器6に接続される冷却塔15に送られる。送られた蒸気V4は、凝縮され水に戻され復水器6を経由し、復水タンク14に一旦蓄えられてから復水ポンプ5によって温水サービスタンク4に送られる。
温水サービスタンク4の温水L8は、加圧給水ポンプ3で温水L1として媒体移送管10へ移送される。加圧給水ポンプ3で移送される温水L1は、再度地熱帯Uのある深部で地中熱から熱を吸収し熱交換される。熱交換した熱水L2は、後述する媒体移送管10により加圧給水ポンプ3で移送される。
(媒体移送管)
次に、媒体移送管10を説明する。地表Sから地中深部にある熱源となる地熱帯Uまで媒体移送管10が埋設されている。媒体移送管10は、外側に円筒状の媒体注入管11が埋設され、その媒体注入管11の周囲は地表Sから地熱帯Uに至る領域の前まで、すなわち発電に必要な温度よりも低い温度の地中の領域は、地熱セメント等により固められており、崩落の危険がないように施されている。媒体移送管10は、媒体移送管10の媒体注入管11の最深部に位置する地熱帯Uの流体又は岩盤からの熱を吸収する。媒体移送管10の長さは、地熱帯Uの温度により全長が変化し、200℃前後を熱として吸収できる地熱帯まで伸びている。
媒体注入管11は、スチールやステンレス等の素材で形成されている。温度の高い地熱帯Uの領域において、媒体注入管11は、外周の表面積を多くし、地熱帯Uの熱を伝わりやくするために、断面が円形の円柱状のフィンが溶接されている。媒体注入管11は、地表Sに近い温度の低い領域では、温水サービスタンク4から加圧されて注入される温水L1の熱が奪われないように断熱材や空気層を設けた断熱構造がとられている。
媒体移送管10は、媒体注入管11の内側に、地熱帯Uで熱せられた水を移送する円筒状の媒体取出管12を設けている。媒体取出管12は、媒体注入管11の内側であって同軸上に円筒状に形成されている。媒体取出管12は、管の内側を熱水L3が通過可能な円筒状とし、その外側は垂直方向に沿って真空断熱構造又は断熱材を付設した構造としている。
地熱帯Uで熱せられた熱水L3は、気水分離器Fで減圧沸騰し蒸気が生成される。ここで、気水分離器Fは、蒸気を発生させる際のノズルは、自吸により微小気泡となるマイクロバブルやナノバブルを生成することができるノズルを使用しても良い。この構成により蒸気発生効率を向上させることができるので、水を移送する速度を落としても充分な蒸気量を確保できるため、地熱帯Uの熱吸収領域での水の滞在時間を多くとることができ、水が熱を吸収する時間が取れ高温の熱水とすることができる。
本実施例では地熱帯Uで熱交換する媒体として水を使用しているが、媒体としては、油、ガス(不活性ガス(窒素、二酸化炭素等))又はバイナリー発電で利用される水より沸点が低い媒体(水とアンモニアの混合物等)が考えられる。また、媒体として水又は不活性ガスを使用した場合において、媒体移送管10の破損等があり外部に流出したとしても、水又は不活性ガスであれば環境に害を与えることはなく、作業面においても安全に扱うことが可能である。
(地上接続部)
次に、媒体移送管10に接続され、地上側に突出した地上接続部30について図2を参照し説明する。
地上接続部30は、地下に埋設される媒体移送管10と地上側の気水分離器F及び加圧給水ポンプ3の設備とを接続する部分である。地上接続部30の上部に設けられている断熱された上部接続管35は、熱水L3を気水分離器Fまで移送するための接続部分である。上部接続管35は、フランジ36、37を介して媒体取出管12と連通している。
また、フランジ36、37を貫通したエアー配管34は、媒体注入管11内の空気を抜くために、図示しない弁が設けられている。エアー配管34の弁を操作し、空気を抜く作業は、媒体注入管11の上部にたまった空気により、加圧給水ポンプ3がエアー噛みを起こし、加圧給水ポンプ3が温水L1を送ることができなくなることを防いでいる。
媒体注入管11は、中間配管部33に加圧給水ポンプ3と接続される注入配管部41及びドレンを排出するためのドレン排出管42・43を備えている。ドレン排出管42・43は、緊急時や媒体取出管12の交換時等にいて、中間配管部33にある水を抜くための配管であり、通常運転時は図示しないバルブが閉じた状態である。
地上接続部30は、地下に埋設される媒体移送管10と地上側の気水分離器F及び加圧給水ポンプ3とを接続する部分である。地上接続部30は、下端の地下接続管32の内部にある媒体注入管11と接続されコンクリート31で固められている。コンクリート31は、媒体注入管11の外側から地下水が吹き上げてくるのを防止すると共に媒体移送管10を支えるための強度を保持している。
(気水分離器)
図3乃至図28を参照し、上部接続管30からの熱水L3を減圧沸騰させた熱水及び蒸気を分離する変形例を含め気水分離器F(F・Fa・Fb)について説明する。
先ず、図3乃至図8を参照し、上部接続管30からの熱水L3を減圧沸騰させた熱水及び蒸気を分離する気水分離器Fについて説明する。気水分離器Fは、円筒状の圧力容器となっており中間からやや下方の位置に、円形状の配管であるノズル51が設けられている。ノズル51は、先端から熱水L3を噴出し、容器内にて減圧沸騰させ蒸気を発生させている。また、気水分離器Fの内外のいずれかに圧力(蒸気発生量)を調整する図示しないコントロール弁が設けられている。
ノズル51は、先端の内部に三点の支持軸65により固定される分離装置60を設けている。また、分離装置60の下方は、板状の受け板54を設け、その受け板54の一部を切り欠き排出口55を設けている。受け板54は、排出口55に向かって緩やかに傾斜して設けられており熱水L3を誘導している。
受け板54の下方には、蒸気とならなかった所謂ドレンを温水サービスタンク4に移送する温水サービスタンク配管52が設けられている。
分離装置60は、蒸気量を増大させるために設けられており、特にノズル51からの蒸気量が充分確保できる場合には分離装置60を付けなくとも良いが、蒸気量を増大させる方法として最も良い。
分離装置60は、ノズル51から吹き出し方向に向かって円錐状に広がったホーン部61が形成されている。また、ホーン部61の円周上に沿って連続した誘導片62a、62b、62c、62dが円周方向に対して均等に4つ設けられている。誘導片62は、図8に示すように側面から見て約30度から60度程度の傾斜を伴った一定の長さの片が連続してホーン部61の円周を囲んでいる。誘導片62は、主に熱水L3を誘導片62に沿って螺旋状に旋回させている。
ホーン部61の先端66は、通し孔となる複数の蒸気取入孔68を設けている。この蒸気取入孔68は、熱水L3を僅かしか通さないので、熱水L3はホーン部61の内部に僅かしか侵入することなくホーン部61の外周を通過する。
分離装置60のホーン状に広がった径は、ノズル51の外形の1.5倍から3倍程度が適しており、分離装置60の全長は気水分離器Fの内径に合わせて設けても良い。
また、誘導片62と誘導片62との間のホーン部61は、通し孔となる誘導孔63が、誘導片62に沿って複数個設けられている。誘導孔63は、蒸気V1を分離装置60の外から内部に誘導する孔である。そのため、誘導孔63を設けることで、密度の小さい蒸気V1は誘導孔63を通り抜けるが、密度の大きな熱水L3は通り抜けることが困難となり、誘導片62に誘導されて放射状に散る。たとえ熱水L3が誘導孔63を通り抜けたとしても、流速は落とされ液滴状になることが期待され、さらに蒸気化する可能性がある。
次に、図4及び図8を使用して気水が分離する作用を説明する。ノズル51から気水分離器Fの内部に噴出した熱水L3は、減圧沸騰され蒸気V1が発生する。噴出した熱水L3は、上記した誘導片62に沿って螺旋状に旋回しながら周囲に飛散する。また、蒸気V1も熱水L3と同様に旋回するが、一部は上記した誘導孔63からホーン部61に内部に誘導され、前方に吹きだされる。吹き出された蒸気V1及び旋回した蒸気V1は密度が小さいため上方の蒸気取出管53に移送する。
しかし、蒸気V1とならなかった熱水L3は、重力により受け板54に落下する。ここで、受け板54に流れる途中であっても、熱水L3が蒸気V1となれば、蒸気V1は上昇し蒸気取出管53に移送される。
尚、蒸気とならなかった熱水L4は、受け板54の切り欠き口が形成された排出口55から温水サービスタンク4に移送される。
そして、分離装置60の誘導片62は、熱水L3を旋回させることで熱水が分散し、熱水L3が気水分離器F内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気V1に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り熱水L3が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
以上のように、本発明の分離装置60は、所謂フラッシュ率を向上させることで蒸気量を増やし、発電能力を高めるための構造となっている。
〈気水分離器Fにおける分離装置の変形例1〉
次に、別例となる気水分離器Faを、図9に沿って説明する。尚、上記した構造又は機能と同じ箇所には同じ符号が付してあり説明を省略し、異なる部分を説明する。
上記と主に異なる部分は、分離装置60の噴き出し方向が上方に向かっている点と、天板86が設けられている点である。
分離装置60自体は、上述した構造と同じであるが、上方に向けることによって蒸気V1の吸い込み量を増加させ、蒸気の全体の容量を増加させている。
また、気水分離器Faの上方に設けた天板86は、気水分離器Faの天井に支持棒83により吊り下げて設けられている。
天板86は、分離装置60の上方の位置し、蒸気取出管53を覆うように上方の全領域に亘った円錐状のステンレス材等により形成されている。天板86の至る所にパチングによって開けられた通し孔となる蒸気通過孔87が複数設けられ、熱水L3が接する接触面積を多くしている。
分離装置60自体は、上述と同じ作用効果を奏する。天板86は、接触面積を多くすることによって、分離装置60から噴出した熱水L3は、天板86に当接すると、蒸気通過孔87やそれ以外の板金に接し、落下する間に蒸気V1と変化する時間を稼いでいる。そのため、温水サービスタンク配管52に熱水L3が落下するまでの時間を多く稼げるかによって、蒸気量が変わってくる。
分離装置60及び天板86は、熱水L3が滞在する時間を稼ぐことで、蒸気V1に変化する時間を設けることが可能である。以上の構造によって、できる限り熱水L3が留まり易い構造であるため蒸気量を多く取り出すことができる。本発明の分離装置60及び天板86は、所謂フラッシュ率を向上させることで蒸気量を増やし、発電能力を高めるための構造となっている。
〈気水分離器における分離装置の変形例2〉
次に、別例となる気水分離器Fbを、図18乃至図28に沿って説明する。図19は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器Fbの上部を分解して現した斜視図である。図20は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器Fbの旋回流機構部240を現した斜視図である。図21は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器Fbの旋回流機構部240及ぶ噴出機構部230を現した斜視図である。図22は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器Fbの噴出機構部230を現した斜視図である。図23は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器Fbの噴出機構部230を現した平面図である。図24は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の噴出機構部230の図23のA−B部分の断面図である。図25は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の噴出機構部230の内部を通しした透視斜視図である。図26は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器Fbの外郭を縦方向に切断し内部を現した概要図である。図27は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器Fbの気水の分離の様子を現した説明図である。図28は、第1実施形態にかかる本発明の変形例2の気水分離器Fbの熱水の分散の様子を現した説明図である。
尚、上記した構造又は機能と同じ箇所には同じ符号が付してあり説明を省略し、異なる部分を説明する。
先ず、図18及び図19を参照し上部接続管30からの熱水L3を減圧沸騰させた熱水及び蒸気を分離する気水分離器Fbについて説明する。
気水分離器Fbは、ステンレス又は鉄等の金属材料で形成された圧力容器を3分割して構成されており、上部圧力容器210、中間圧力容器220及び下部圧力容器250を備えている。上部圧力容器210、中間圧力容器220及び下部圧力容器250は、各々にフランジ(215、223、224、252)が設けられている。フランジ(215、223、224、252)は、図示しないボルト等で上部圧力容器210、中間圧力容器220及び下部圧力容器250を連結し固定している。
また、後述する旋回流機構部240に設けられているフランジ247も、フランジ224及びフランジ252と共に図示しないボルト等で固定されている。
気水分離器Fbは、円筒状の圧力容器となっており中間からやや下方の位置に、矩形状の配管であるノズル222が設けられている。ノズル222は、蒸気発生量を制御する圧力制御弁PV3と接続されており、圧力制御弁PV3は、上部接続管35(図2)と接続される配管225を介して送られる熱水L3を、減圧沸騰することで気液2相流の熱水L3aを噴出し、蒸気の発生量を制御している。
また、ノズル222は、先端から熱水L3を噴出し、容器内にて減圧沸騰させ蒸気を発生させている。ノズル222は、約10度から20度の上り勾配を設け、中間圧力容器220の中間部分に接続されている。また、ノズル222は、図18に示すように右斜め上方へ熱水L3aを中間圧力容器220内に噴出している。
中間圧力容器220は、ノズル222の上方に後述する噴出機構部230と接続する気体搬送配管213を設けている。気体搬送配管213は、ナノバブルやマイクロバブル等の微小気泡を生成するために気体(不活性ガス等の窒素、酸素又は二酸化炭素)に圧力を掛けて搬送している。
気体搬送配管213は、気体の搬送量を制御する圧力制御弁PV2と接続されている。圧力制御弁PV2は、図示しないポンプにより圧力を掛けた気体を搬送する気体配管214と接続されている。
また、中間圧力容器220は、中間部分に気体搬送配管213を通すための孔として配管孔225が設けられている。
中間圧力容器220は、円筒状の圧力容器となる胴体部221を備えている。中間圧力容器220の上方に設けられる上部圧力容器210は、蒸気取出管212を接続した円錐状の圧力容器となる蒸気回収部211を設けている。中間圧力容器220は、胴体部221の内部に、後述する旋回流機構部240及ぶ噴出機構部230を備えている。
また、蒸気の噴出量を制御する圧力制御弁PV1が、蒸気取出管212の上方に設けられている。圧力制御弁PV1は、蒸気タービンTへ蒸気V1を搬送する蒸気配管216と接続されている。
下部圧力容器250は、お椀状に形成した圧力容器となるドレン回収部251を備えている。ドレン回収部251は、下方の中間の位置にドレンL4を回収する温水サービスタンク配管253を設けている。また、図26に示すようにドレン回収部251は、ドレン回収部251も上方に、下り勾配を設けた板状の受け板255を備えている。受け板255は、後述する噴出機構部230から噴出され、重力により落下した熱水L3aを受けるための板である。
温水サービスタンク配管253は、ドレンL4を排出する量を調整する排出量調整弁PV4と接続されている。排出量調整弁PV4は、ドレン注入管74(例えば、図10)を介して温水サービスタンク4にドレンL4を回収するドレン回収管254と接続されている。
次に、図19乃至図21及び図26を参照して旋回流機構部240について説明する。旋回流機構部240は、中間圧力容器220の胴体部221の内部に位置し、フランジ247を備え、円筒状であって内部が空洞の土台部248を備えている。旋回流機構部240は、中間圧力容器220の胴体部221に設けられた熱水取り入れ口226と接続される熱水受け部246が設けられている。熱水受け部246は、右斜め上方に傾斜を伴ったノズル222から噴出された熱水L3aを取り入れ、螺旋状に形成した螺旋通路245と連通している。土台部248の上部に設けられた螺旋通路245は、上方に10度から30度の勾配を伴った通路である。
また、旋回流機構部240は、土台部248の上方であって土台部248と同心円上に形成し、円筒状であって内部が空洞の螺旋胴体部241を設けている。土台部248及び螺旋胴体部241の接続部分の内径は、同じ大きさである。また、螺旋胴体部241の上方は、内径を僅かに大きくしている。
螺旋通路245の上方に、四枚の片となる螺旋誘導片242が螺旋胴体部241に設けられている。螺旋誘導片242は、上方に30度から60度の傾斜を伴い、螺旋胴体部241の同心円を中心に螺旋状に螺旋胴体部241に固定されている。
螺旋通路245及び螺旋誘導片242は、胴体部221の内部との間に殆ど隙間がない状態で形成されている。また、螺旋胴体部241は、螺旋通路245及び螺旋誘導片242との間に殆ど隙間がない状態で形成されている。そのため、熱水受け部246により受け入れた熱水L3aは、螺旋通路245及び螺旋誘導片242に従って誘導される。また旋回流機構部240は、ステンレス又は鉄等の金属材料で形成されている。
次に、図19及び図22乃至及び図25を参照して噴出機構部230について説明する。
噴出機構部230は、円環状に形成した円環胴体部231を備えている。円環胴体部231は、上述した旋回流機構部240と連結され、旋回流機構部240又は胴体部221の内側に固定される。円環胴体部231の内径は、螺旋胴体部241の内径と同じ大きさである。円環胴体部231の内径は、噴出機構部230の噴出孔232から噴出し散布され重力により落下した熱水L3aを回収する熱水回収口235となっている。
円環胴体部231は、上方に複数の円形状の孔となる噴出孔232及び下方に噴出孔232と連通する複数の円形状の孔となる取入孔234を円周状に配置している。
噴出孔232の中心と取入孔234の中心とを結んだ線は、水平方向に対して約30度から60度の傾斜を伴い、螺旋誘導片242の傾斜と同じ角度及び方向の傾斜が設けられている。この傾斜により、噴出孔232から噴出した熱水L3aは、胴体部221に向かって散布される。
旋回を伴った熱水L3aは、胴体部221に向かって散布されることから、熱水L3aが気水分離器Fb内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気V1に変化する時間を充分に得ることが可能となる。
特に噴出孔232は、円環胴体部231の内径に近接した位置に配置され、また可能な限り胴体部221から離れた位置に配置されることで、熱水L3aを胴体部221に向かって散布する距離を長く設けることが可能な位置に配置されている。
このように熱水L3aは胴体部221に向かって散布する距離を長く設けることによって、熱水L3aが気水分離器Fb内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気V1に変化する時間を充分に得ることが可能である。
また、胴体部221に向かって散布することで、胴体部221に当接した熱水L3aが更に分散し、その熱水L3aが気水分離器Fb内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気V1に変化する時間を充分に得ることが可能となる。
また、図24及び図25に示すように噴出孔232と取入孔234との間は徐々に狭まった形状になっており、その中間部分が最も狭くなっている。その中間部分に上述した気体を取り入れる気体供給孔237が連通している。
気体供給孔237は、円環胴体部231の上方にて金属製の配管となる気体供給管236と接続されている。気体供給管236は、円環胴体部231の上部に設けられた環状気体供給部233と連通しており気体搬送配管213から送られた気体を噴出孔232に供給している。
噴出孔232と取入孔234の中間部分は狭くなっているため、熱水L3aの噴出と共に自吸により、供給された気体が剪断され、熱水L3aに微小気泡が溶け込み噴出孔232から熱水L3aが噴出される。このように、噴出孔232は、微小気泡を伴った熱水L3aを胴体部221の内壁に散布することが可能である。
次に、図18、図27及び図28を参照して気水分離器Fbの作用について説明する。
先ず、加圧された熱水L3は、圧力制御弁PV3を通過し減圧沸騰される。圧力制御弁PV3を通過した熱水L3aは、気液2相流の状態でノズル222から熱水取り入れ口226を通過し、旋回流機構部240の熱水受け部246から、熱水L3aを搬送する第1の搬送通路としての螺旋通路245を旋回し、更に螺旋通路245の上方にある熱水L3aを搬送する第2の搬送通路としての螺旋誘導片242を旋回しながら上昇する。
上昇した熱水L3aは、噴出機構部230の下方にある取入孔234から取り込まれ、噴出孔232と取入孔234の中間部分にて微小気泡を伴って、胴体部221に向かって散布される。ここで、微小気泡を伴った熱水L3aは、蒸気発生効率を向上させることができる。
胴体部221の内壁に向かって散布された熱水L3aは、胴体部221に当接し、更に分散した後、熱水L3aは、蒸気V1となって蒸気回収部211の蒸気取出管212に回収される。
蒸気V1とならなかった熱水L3aは、重力により落下し熱水回収口235から取り込まれ、旋回流機構部240の内部を通過し、ドレン回収部251の受け板255に落下する。熱水L3aは、落下途中や受け板255で蒸気化した蒸気V1は密度が小さいため上昇する。
蒸気化できなかった熱水を熱水回収口235及び旋回流機構部240の内部を通過して回収することにより、回収機構を含めて気水分離器Fbをコンパクトに作成することが可能となる。また蒸気化した蒸気V1はドレンL4になるまでは、熱水回収口235及び旋回流機構部240の内部を通過して蒸気V1として、そのまま上方に回収することができる。
そして、蒸気化できなかった熱水はドレンL4として温水サービスタンク4に回収される。
このように、螺旋誘導片242や螺旋通路245は、熱水L3を旋回させることで熱水が分散し、熱水L3aが気水分離器F内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気V1に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り熱水L3が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
また、熱水L3aは胴体部221に向かって散布する距離を長く設けることによって、熱水L3aが気水分離器Fb内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気V1に変化する時間を充分に得ることが可能である。
また、胴体部221の内壁に向かって散布することで、胴体部221に当接した熱水L3aが更に分散し、その熱水L3aが気水分離器Fb内で停留する時間を稼ぐことができるため、蒸気V1に変化する時間を充分に得ることが可能となる。
以上のように、本発明の気水分離器Fbは、所謂フラッシュ率を向上させることで蒸気量を増やし、発電能力を高めるための構造となっている。
(温水サービスタンク)
次に、温水サービスタンク4について図1及び図10乃至図12を参照して説明する。温水サービスタンク4は、円筒状の圧力容器となっている。温水サービスタンク4に接続される主な配管は、復水ユニット17から送られる復水L6を取り入れる配管と、給水ユニットから補給される脱気水L7を取り入れる配管と、加圧給水ポンプ3に接続され温水サービスタンク4から温水L8を送るポンプ配管76と、気水分離器Fから送られるドレンL4を取り入れるドレン注入管74及び温水サービスタンク4にてプール沸騰により生成した蒸気V2を排出する蒸気排出管75とが設けられている。
図10に示すようにドレン注入管74と蒸気排出管75の間に、仕切り板71が設けられている。ドレン注入管74に近い仕切り板71aは、上端を温水サービスタンク4の上方に固定されており、また蒸気排出管75に近い仕切り板71bは、下端を温水サービスタンク4の底板に固定されている。また、蒸気排出管75に近い仕切り板71であってポンプ配管76に近い仕切り板71bは、ポンプ配管76側にも温水L8を導くために切り欠き溝となる通し溝73が形成されている。
温水サービスタンク4は、気水分離器Fから送られたドレンL4が、気液2相流で送られてくる。本発明では、温水サービスタンク4内に仕切り板71を設け、ドレンL4を一
度液体の界面を通過した後の温水L8を、ポンプ配管76に導くことで、気泡を含まない温水L8のみをポンプ配管76に導くことができる構造となっている。以上のような構造により、気泡をポンプ配管76に導くことがないため、加圧給水ポンプ3がキャビテーションを起こすことを防いでいる。
また、温水サービスタンク4は、高温のドレンL4が蒸気となり、温水サービスタンク4内で発生する蒸気V2を有効に利用できる構造にもなっており、発生した蒸気V2は、温水サービスタンク4から蒸気バイパスとしての蒸気排出管75を経由して気水分離器Fの蒸気側に再投入される。このように、温水サービスタンク4も、有効に蒸気量を増やし、発電能力を高めるための構造となっている。
〈温水サービスタンクの変形例1〉
次に、別例となる温水サービスタンク4を、図11に沿って説明する。
尚、上記した構造又は機能と同じ箇所には同じ符号が付してあり説明を省略し、異なる部分を説明する。
上記と主に異なる部分は、ドレン受け板79が設けられている点である。ドレン受け板79は、温水サービスタンク4の床板に固定される金属製の支持足81により平板状の金属製のドレン受け板79を支持している。ドレン受け板79は、ドレンL4を一旦受け、気泡と液体を分離させるための構造である。
本発明では、温水サービスタンク4内に設けたドレン受け板79でドレンL4を一旦受け、気泡と液体を分離させることにより、気泡を含まない温水L8のみをポンプ配管76に導くことができる構造となっている。以上のような構造により、気泡をポンプ配管76に導くことがないため、加圧給水ポンプ3がキャビテーションを起こすことを防いでいる。
〈温水サービスタンクの変形例2〉
次に、別例となる温水サービスタンク4を、図12に沿って説明する。尚、上記した構造又は機能と同じ箇所には同じ符号が付してあり説明を省略し、異なる部分を説明する。
上記と主に異なる部分は、ドレン受け板77が設けられている点である。ドレン受け板77は、温水サービスタンク4の天井に固定される金属製の支持足78により平板状の金属製のドレン受け板79を支持している。ドレン受け板77は、ドレンL4を一旦受け、気泡と液体を分離させるための構造である。
本発明では、温水サービスタンク4内に設けたドレン受け板77でドレンL4を一旦受け、気泡と液体を分離させることにより、気泡を含まない温水L8のみをポンプ配管76に導くことができる構造となっている。以上のような構造により、気泡をポンプ配管76に導くことがないため、加圧給水ポンプ3がキャビテーションを起こすことを防いでいる。
(給水ユニット)
次に、給水ユニット18について図1を参照して説明する。給水ユニット18は、川の水や水道水等の原水16から工業用の軟水生成装置9を使用して軟水を生成する。そして、生成された軟水は補給水タンク8に貯留される。貯留された軟水は、脱酸装置又は脱酸剤を使用することで溶存酸素を除去している。
酸素を除去した脱気水L7は、地熱発電装置1の初期の運転の際に、媒体移送管10の洗った後、運転用の水に入れ替える際に温泉サービスタンクからの経由を利用して送られる。そして、酸素を除去することにより、媒体移送管10内の錆止めとスケール発生を抑制することができる。特に媒体移送管10は全長が長いため加圧給水ポンプ3のスケールの抑制を行えば圧力損失の低減が可能となり、所内電力の省エネルギー化につなげることができる。
また、脱酸剤の代表的な例では、ヒドラジン、タンニン又は植物直物由来の製品等様々にある。また、不活性ガスを利用した脱酸装置もあり、化学反応を起こしにくい不活性ガスが採用されている。不活性ガスの例には、害の少ない窒素やアルゴン等が採用されている。特に本発明のように、熱交換する媒体を高温下で圧力コントロールする必要があるため、作動流体の物性の変化を起こさない脱酸剤や脱酸装置が好ましい。
窒素等はマイクロバブル発生装置を利用して水に溶存し易くした後、その溶水を注入することにより酸素との置換が起こりやすくなる。
通常運転時には、給水ユニット18は、脱気水L7の温度が低いため、温度の高い温水サービスタンク4には直接入れずに復水ユニット18を経由して不足した水を補給する。また、復水ユニット18を冷却するにも、原水16を利用してする冷却することも可能である。
(復水ユニット)
次に、復水ユニット17について説明する。復水ユニット17は、タービンTから排気された蒸気V3を凝縮させて水に戻す機能を持っており、主に復水器6、復水タンク14及び冷却塔CTから構成されている。復水器6で受けた蒸気V3は、冷却塔CTで冷やされ、凝縮し温水L10に戻り、復水器6を経由し復水タンク14に貯留される。貯留された温水L6は、復水ポンプ5により温水サービスタンク4に送られ、温水サービスタンク4に貯留される。
尚、冷却塔CTによる冷却方法は、空冷式、川の水や海水等を利用した水冷式又は地中にて熱交換を行う地中熱置換式等がある。
(上記装置を利用して発電する発電方法)
図1及び図13乃至図14を参照して発電方法を説明すると、200℃前後の熱を地中で得るためにボーリングにより開けられた穴の深度は、地中700mから2000m程度までの深さに達している。この深さは深ければ深いほど高い温度が得られると考えられるが、掘削費用との兼ね合いにより決められ、地熱帯Uは、150℃から300℃の温度があれば最もよく、地熱帯Uの最深部付近から得られる温度によって適宜以下の値も変化する。
先ず、加圧水発電装置1の発電方法について説明すると、地中には、媒体移送管10が埋設されており、媒体移送管10は、地中と接する外側に媒体注入管11が連結されて地中深くまで達している。また、媒体注入管11は、媒体注入管11の内側に媒体取出管12が連結されて媒体注入管11の底部まで達している。これら媒体移送管10を地熱帯Uから得られる熱を吸収する熱交換部として利用されている。この加圧水発電装置Aは、熱水を蒸発させて蒸気タービンTを介して発電を行っている。以下に加圧水発電装置Aによる発電方法について詳述する。
例えば、温水サービスタンク4の温水(L1)は、加圧給水ポンプ3により5MPaに加圧され媒体移送管10の媒体注入管11に流量55(ton(トン))/h(時間)で送られ、地中深くの地熱帯Uまで移送される。210℃の地熱帯Uまで移送された温水は、地熱帯Uからの熱を有効熱伝導率の高い媒体注入管11から吸収し、最終的に200℃の熱水(L2)となる。そして、媒体取出管12から取り出された熱水(L3)は、出口での温度が200℃で、圧力が2.0MPaで気水分離器Fに移送される。
気水分離器F(F・Fa・Fb)は、温度200℃の熱水(L3)を、圧力制御弁PV3(例えば、図18)圧力を解放し、約0.6MPaに減圧沸騰させてフラッシュ率約11%で生成された蒸気量6t/hの蒸気を発生させる。気水分離器F(F・Fa・Fb)は、その生成した蒸気(V1)を蒸気タービンTに送る。生成した蒸気(V1)は、温水サービスタンク4で生成された蒸気(V2)と気水分離器F(F・Fa・Fb)内で合流する。合流した蒸気は(V1+V2)は、蒸気タービンTの回転により発電機Gを駆動させ発電する。この蒸気(V1+V2)により発電される発電量は、効率を80%とすると約112kWhの出力が得られる。
また、温水サービスタンク4と配管で接続される気水分離器F(F・Fa・Fb)は、蒸気にならずに残った約89%の熱水(L4)を、温度160℃前後の温度を保ったまま圧力0.6MPaにより温水サービスタンク4へ流量49t/hで送る。
また、蒸気タービンTから排気された蒸気(V3)は、復水器6に送られる。復水器6に送られた蒸気(V4)は、空冷式や水冷式の冷却塔7に送られ、冷却塔7によって凝縮され圧力0.101MPaの100℃の温水(L10)に戻される。戻された温水(L10)は、流量6t/hで復水タンク14に貯留される。また、復水タンク14の温水(L6)は、復水ポンプ5により温水サービスタンク4に送られる。
そして、温水サービスタンク4の130℃前後の温水(L1)は、再び加圧給水ポンプ3により6MPaに加圧され媒体移送管10の媒体注入管11に流量55t/hで送られ、地中深くの地熱帯Uまで移送される。
図14は、加圧水発電装置1の媒体移送管10の深度と熱水の温度分布の関係図20である。破線は、地中の温度分布21を示しており、実線は、媒体注入管11及び媒体取出管12の熱水L1、L2、L3の温度分布を示している。
一点鎖線を境界とし、上方の断熱領域22は、媒体注入管11の有効熱伝導率が0.1W/m・K以下の材質を採用した断熱効果が優れた配管を使用している。また一点鎖線を境界とし、下方の吸収領域26は、媒体注入管11の有効熱伝導率が50W/m・K以上の材質を採用した熱吸収が優れた配管を使用している。
また、媒体取出管12は、断熱領域22及び吸熱領域26にかかわらず有効熱伝導率が0.1W/m・K以下の材質を採用した断熱効果が優れた配管を使用している。断熱効果により、媒体注入管11の途中の温度変化に影響されず、最深部の地熱帯Uの熱を吸収した熱水(L2)を気水分離器Fまで移送することができる。
図13は、水の状態変化の概要図である。図13には、水が固体・液体・気体と変化する際の温度と圧力が示されている。三重点から臨界点までの実線は蒸発曲線26を示している。大気圧での沸点は100℃であって0.101MPaを示している。線上のC点では200℃の温度の場合において、圧力が1.554MPaの圧力より少ない場合には、水の状態から気体すなわち蒸気へと変化する境界ラインである。
線上のD点では210℃の温度の場合において、圧力が1.907MPaより少ない場合には水の状態から気体すなわち蒸気へと変化する境界ラインとなる。
また、斜線で示す加圧領域23は、熱水L3が蒸気とならない圧力の領域を示しており、加圧給水ポンプ3は、圧力損失を考慮して圧力値を設定する。
温度分布21は、地熱帯Uの深部に近づくにつれて温度が上昇し220℃に達している。媒体注入管11及び媒体取出管12の有効熱伝導率は、50W/m・Kの材質を採用しているため、媒体注入管11に導かれる温水(L1)は、地中の温度分布21に沿って温度分布22が上昇する。
ここで、媒体取出管12の有効熱伝導率を0.1W/m・Kと小さく設定したとしても、媒体取出管12の出口の熱水L3の圧力がC点より低い場合には、温度分布は、蒸発曲線26よりも低くなっているため蒸気が発生し、沸点に近づくように温度低下が発生する。
媒体取出管12内で水から蒸気へと変化すると、所謂気液2 相流となり、水単相流の場合に比べて熱伝達率が数10倍になるため、媒体取出管12あるいは媒体注入管11を流れる低温下降流L1に熱が奪われやすくなる。その熱損失を防ぎエネルギーを蓄えたまま移送するためには、熱水を冷め難くする必要がある。
そして、地熱帯Uで熱せられた沸点以上の熱水は、冷めないように蒸気を含まない状態で気水分離器Fまで運ぶことにより熱損失が少なくなる。熱損失を少なくするには、上述したように図13の蒸発曲線26よりも高い圧力を保つ必要がある。
特に、熱交換器となる媒体移送管10内に温度差が生じ、これに伴って水の密度差に起因する浮力が発生する。加圧給水ポンプ3は、浮力だけの自然循環だけでは必要な流量を移送する圧力は足りず、媒体注入管11及び媒体取出管12の圧力損失等を考慮しなければならない。また、加圧給水ポンプ3は、蒸発曲線26よりも高い圧力を保つために加圧給水ポンプ3によって圧力を高い状態に保ち、媒体移送管10内で沸騰させない状態を保つことが重要である。地熱帯Uで吸収した熱量を保持した熱水L3の状態、所謂単相流の状態で気水分離器Fへ移送することが地下の熱を有効に利用することができる本発明の利点である。
以上のことから、本発明では図14の網掛けに示すように媒体注入管11及び媒体取出管12の断熱領域を、熱伝達係数を0.1W/m・K以下とする材料で形成した。最も良いのは0.05W/m・Kから0.001W/m・Kの断熱性能を有するものがよい。断熱性能を保つことによって、出口での温度低下を防ぎ、結果加圧給水ポンプ3の圧力を高く設定しなくとも良くなるという利点となる。図14において、破線は、地熱帯Uを含んだ地中の温度分布21を示しており、実線は、熱水の温度分布25を示している。
また、熱水L3の出口圧力は、媒体注入管11及び媒体取出管12の圧力損失を考慮して、加圧給水ポンプ3によって少なくとも図13の蒸発曲線26よりも大きい圧力範囲23が望ましく、温度が沸点以上である熱水のまま移送できるように蒸気を発生させない圧力とした。
更に、地中の温度分布の高い領域すなわち発電に必要な吸熱領域において媒体注入管11は、有効熱伝導率の高い50W/m・Kの材料で形成した。特に高ければ高い有効熱伝導率であればよいが、地中内での圧力や腐食を考慮すると金属製の材料で形成するのが望ましく、有効熱伝導率は、20W/m・K以上であればよい。
(第2実施形態)
第2実施形態にかかる地熱発電装置100を、図15を参照して説明する。図15は、第2実施形態にかかる本発明の地熱発電装置100の構成を示す概要図である。尚、第2実施形態と同じ箇所には同じ符号が付してあり、上述した記載については省略する。
バイナリー発電装置Bを、図15を参照して説明すると、バイナリー発電装置Bは、主に加圧水熱交換器1aと接続される熱交換部150と、蒸気タービンT2と、発電機G2、受電設備TF2、冷却器154及び循環ポンプ155とで構成されている。
本発明では、加圧水熱交換器1aに設けられる媒体移送管10から熱水L3を得られた地中熱を蒸気とせずに熱水L3のまま熱交換器151を通過する。このように気水分離器Fを設けていないため、地中熱を直接利用することで損出少なく地中熱を回収し発電に役立てることができる
この熱交換部150の部分で熱せられた作動媒体M1は、蒸発して蒸気タービンT2を回転させ、発電機G2により発電を行っている。
受電設備TFは、電気を供給し送電網を介して電力会社等に電気を供給するものである。ここで作動媒体M1、M2、M3は、可燃性や毒性のない不活不活性ガスのHFC−245fa、R245fa等や沸点の低い媒体(水とアンモニアの混合物等、炭化水素(ペンタン))等が使用される。
蒸気タービンT2は、膨張タービン等が使用されている。蒸気タービンT2を通過した作動媒体M2は、冷却器156の冷却水157a、158aによって冷却される。また、作動媒体M3を気体から液体等に凝縮させ循環ポンプ155によって再度、熱交換器152へ送られる。
冷却水157a、158aを、深度の浅い領域で加圧水熱交換器1aの媒体移送管10付近に配管することで、媒体移送管10の深度の浅い部分で地中を介して熱交換することができる。そのため、媒体移送管10は冷めることなく、また冷却水157a、158aを冷やすことができる。このように、同じ系内(地熱発電装置100)にて熱の有効利用が実現できる。
このような作動媒体(M1乃至M3)を利用する事によって、70℃から95℃の温水であっても9(ton(トン))/h(時間)から24t/hの流量が有れば発電が可能となる。このシステムにおいては、閉じられた系の中で作動媒体が熱交換を行うシステムとなっている。
また、加圧水熱交換器1aに設けられるサービスタンク4は、熱交換器152で冷やされた熱水が貯留されるが、加圧水熱交換器1aの全系の圧力を一定に保つための要素として、加圧給水ポンプ3と並び必要となる。特に、メンテナンス等で加圧給水ポンプ3が停止した場合には、全系容量の内、約2t分の水の容量の上げ下げが起こるため、水位を一定に保ち、スムーズに運転を再開するためには、サービスタンク4の圧力を制御して水位を一定に保つことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態にかかる地熱発電装置200を、図16を参照して説明する。図16は、第3実施形態にかかる本発明の地熱発電装置200の構成を示す概要図である。尚、第1実施形態及び第2実施形態と同じ箇所には同じ符号が付してあり、上述した記載については省略する。
バイナリー発電装置Bを、図16を参照して説明すると、バイナリー発電装置Bは、主に加圧水発電装置1bと接続される熱交換部150と、蒸気タービンT2と、発電機G2、受電設備TF2、冷却器154及び循環ポンプ155とで構成されている。
本発明では、加圧水発電装置1bに設けられる媒体移送管10から得られた熱水L3を気水分離器Fにて蒸気を生成し、蒸気とならなかったドレンL4を熱交換器151に通過させる。
この熱交換部150の部分で熱せられた作動媒体M1は、蒸発して蒸気タービンT2を回転させ、その回転により発電機G2が発電を行う。
受電設備TFは、電気を供給し、送電網を介して電力会社等に電気を供給するものである。ここで作動媒体Mは、可燃性や毒性のない不活不活性ガスのHFC−245fa、R245fa等や沸点の低い媒体(水とアンモニアの混合物等、炭化水素(ペンタン))等が使用される。
蒸気タービンT2は、膨張タービン等が使用されている。蒸気タービンT2を通過した作動媒体M2は、冷却器156の冷却水157a、158bによって冷却される。また、作動媒体M3を気体から液体等に凝縮させ循環ポンプ155によって再度、熱交換器152へ送られる。
冷却水157b、158bを、加圧水発電装置1bの給水ユニット18に設けられる原水16に配管し、熱交換することで、原水16は温められ冷却水157b、158bは冷やされるため地熱発電装置200の全系において熱の有効な置換が行われる。原水16は、暖められることで温水サービスタンク4に復水ユニット17を介さず直接投入することが可能となる。
このような作動媒体(M1乃至M3)を利用する事によって、70℃から95℃の温水であっても9(ton(トン))/h(時間)から24t/hの流量が有れば発電が可能となる。このシステムにおいては、媒体が閉じられた系の中で熱交換を行うシステムとなっている。作動媒体(M1乃至M3)は、熱交換する温度によって使用できる媒体が決まるため、バイナリー発電装置Bによって温度の制限が設けられる場合がある。その場合にも対応できるように加圧水発電装置1bは、復水ユニット17の空冷塔CTを利用した温度調整システム161が設けられている。特に、蒸気とならなかったドレンL4の温度が高い場合に、バイナリー発電装置Bの設定温度に合わせた領域まで温度を下げることが可能である。
(第4実施形態)
第4実施形態にかかる地熱発電装置300を、図17を参照して説明する。図17は、第4実施形態にかかる本発明の地熱発電装置300の構成を示す概要図である。尚、第1実施形態乃至第3施形態と同じ箇所には同じ符号が付してあり、上述した記載については省略する。
バイナリー発電装置Cを、図17を参照して説明すると、バイナリー発電装置Cは、加圧水発電装置1bと接続される第1熱交換部150c、第2熱交換部156c、蒸気タービンT2、蒸気タービンT3と、発電機G2、発電機G3、受電設備TF2、冷却器164c、第1循環ポンプ155c及び第2循環ポンプ165c、とで構成されている。
本発明では、加圧水発電装置1cに設けられる媒体移送管10から得られた熱水L3を気水分離器Fにて蒸気を生成し、蒸気とならなかったドレンL4を第1熱交換器151cに通過させる。
この第1熱交換部150cの部分で熱せられた作動媒体M1は、蒸発して蒸気タービンT2を回転させ、発電機G2により発電を行っている。
受電設備TF2は、電気を供給し、送電網を介して電力会社等に電気を供給するものである。ここで作動媒体M(M1乃至M23)は、可燃性や毒性のない不活不活性ガスのHFC−245fa、R245fa等や沸点の低い媒体(水とアンモニアの混合物等、炭化水素(ペンタン))等が使用される。また、本実施例では、バイナリー発電装置Cに使用される作動媒体(M1乃至M3)を高温の沸点領域を持つ作動媒体と、作動媒体(M1乃至M3)よりも沸点の低い作動媒体(M21乃至M23)の2種類の沸点領域を持つ作動媒体を使用することにより多段階における熱利用が可能となり、効率よく発電することができる。
蒸気タービンT2及びT3は、膨張タービン等が使用されている。蒸気タービンT2を通過した作動媒体M2は、第2熱交換部154cの第2熱交換器153cによって熱交換が行われ冷却される。また、作動媒体M3を気体から液体等に凝縮させ循環ポンプ155cによって再度、熱交換器152cへ送られる。
また、第2熱交換部154cの第2熱交換器153cによって熱交換が行われた第2熱交換器156cは、第2熱交換部164cで熱せられた作動媒体M21は、蒸発して蒸気タービンT3を回転させ、発電機G3により発電を行っている。
蒸気タービンT3を通過した作動媒体M21は、冷却器164cの冷却水157c、158cによって冷却される。また、作動媒体M23を気体から液体等に凝縮させ循環ポンプ165cによって再度、第2熱交換部154cへ送られる。
冷却水157c、158cを、加圧水発電装置1cの給水ユニット18に設けられる原水16に配管し、熱交換することで、原水16は温められ冷却水157c、158cは冷やされるため地熱発電装置300の全系において熱の有効な置換が行われる。原水16は、暖められることで温水サービスタンク4に復水ユニット17を介さず直接投入することが可能となる。
(第5実施形態)
第5実施形態にかかる地熱発電装置400を、図29乃至図46を参照して説明する。図29は、第5実施形態にかかる本発明の地熱発電装置400の構成を示す概要図である。尚、第1実施形態乃至第4実施形態と同じ箇所には同じ符号が付してあり、上述した同じ構成箇所の記載については省略する。
地熱発電装置400は、実施形態1に記載されている構成と異なる箇所は、気水分離発電装置Fc又は気水分離発電装置Fdが異なっている点である。
詳細に後述する気水分離発電装置(Fc・Fd)は、ロータ部(320・360)を蒸気V1又は熱水L3の圧力により回転軸318を回転させている。回転軸318は、発電機G4に接続され、発電機G4によって得られた電力は、変圧器TF4により加圧給水ポンプ3を駆動する電圧に変換され、加圧給水ポンプ3に供給されている。
発電機G4によって得られた電力は、加圧給水ポンプ3だけでなく、発電所の所内電力として使用することも可能である。発電機G4によって得られた電力は、例えば、所内に設けられた照明や防犯カメラの電力として使用しても良く、また他のポンプ(5・7)や空冷塔CTに使用しても良い。
本発明では、温泉水のように自然の圧力に頼ることなく、加圧給水ポンプ3又は圧力制御弁PV3により、一定の圧力に制御することが可能であるため、電力に変換する際に、一定の回転数を保持する制御が容易となる。また、本発明では閉ループ式に保った状態の水等の媒体を使用してロータ部(320・360)を回転させているため、温泉水のスケールにより回転部又は回転軸318が固着する心配もない。
<気水分離発電装置>
第5実施形態にかかる気水分離発電装置Fcを図30乃至図35及び図45並びに図46を参照して説明する。
図30は、第5実施形態にかかる本発明の気水分離発電装置Fcを正面から現した概要図である。図31は、第5実施形態にかかる本発明の気水分離発電装置Fcを現した斜視図である。図32は、第5実施形態にかかる本発明の気水分離発電装置Fcの内部及びロータ部320の内部を現した斜視図である。図33は、第5実施形態にかかる本発明の気水分離発電装置Fcの内部及びロータ部320の内部を現した斜視図である。図34は、第5実施形態にかかる本発明の気水の分離の様子を現した説明図である。図35は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部320の回転の様子を現した説明図である。図44は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部320を回転筐体部321に装着する様子を示す説明図である。図46は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部320を回転筐体部321に装着した様子を示す斜視図である。
先ず、図30乃至図32を参照し上部接続管30(図2)の熱水L3を減圧沸騰させた熱水及び蒸気を分離する気水分離発電装置Fcについて説明する。
気水分離発電装置Fcは、ステンレス又は鉄等の金属材料で形成された圧力容器300が2分割し構成されており、上部圧力容器301及び下部圧力容器303を備えている。圧力容器300は、2片の角を円弧状に面取りした箱状に形成したが、全体形状は円筒状であっても良い。
気水分離発電装置Fcは、圧力容器300の中間からやや上方の位置に、円筒状の配管であるノズル314が設けられている。ノズル314は、蒸気発生量を制御する圧力制御弁PV3と接続されており、圧力制御弁PV3は、上部接続管35(図2)と接続される配管315を介して送られる熱水L3を、減圧沸騰することで気液2相流の熱水L3aを上部圧力容器301内に噴出し、蒸気の発生量を制御している。
上部圧力容器301は、上部天板302を設けており、上部天板302に円筒状の蒸気取出管212を備えている。また、蒸気の噴出量を制御する圧力制御弁PV1が、蒸気取出管212の上方に設けられている。圧力制御弁PV1は、蒸気タービンTへ蒸気V1を搬送する蒸気配管316と接続されている。
また、上部圧力容器301は、内部に設けられるロータ部320の円柱状の回転軸318を背面に貫通し、回転軸318は上部圧力容器301の内部から外部へ伸びている。
下部圧力容器303は、錐状に形成した圧力容器となるドレン回収部333を備えている。ドレン回収部333は、下方にドレンL4を回収する温水サービスタンク配管313を設けている。また、ドレン回収部333は、下り勾配を設けた板状の受け板331を備えている。受け板331は、後述するロータ部320から重力により落下した熱水L3aを受けるための板である。
温水サービスタンク配管313は、ドレンL4を排出する量を調整する排出量調整弁PV4と接続されている。排出量調整弁PV4は、ドレン注入管74(例えば、図10)を介して温水サービスタンク4にドレンL4を回収するドレン回収管317と接続されている。
次に、気水分離発電装置Fcの内部構造について図32並びに図33及び図45並びに図46を参照して説明する。
図45及び図46に示すように金属製で形成された回転筐体部321は、内部の縁取りとなる曲線を、トロコイド曲線の形状で形成している。そして、回転筐体部321の内側に沿って、ロータ部320の先端の3片が内接しながら回転している。ロータ部320は、ステンレス又は鉄等の金属材料で形成され、外形が円弧状を伴った三角状に形成したロータ322を備えている。ロータ322の内部は、金属製の内部歯車324を有しており、その内側にはロータ322に対して偏芯した位置に回転軸318が設けられている。
回転軸318は、回転筐体部321の内部に設けられ、外部歯車325の内側に設けられた回転貫通孔323に挿入される。金属製の外部歯車325は、内部歯車324と噛み合い、ロータ322が回転する。
また、回転筐体部321の内部は、ロータ322の外部と回転筐体部321の内部との間に、主に熱水L3aが移動又は満たされる移動空間328が形成される。この移動空間328は、ロータ322の回転に伴い区画された領域の体積が変化する。
また、回転筐体部321の上方の内側に、ノズル314と連通する円状に貫通したノズル孔326が設けられている。ノズル孔326からロータ322の側面に向かって、気液2相流の状態となった蒸気V1及び熱水L3aが噴出され、ロータ322が回転する。
次に、図34及び図35を参照し、気水分離発電装置Fcにおけるロータ322の回転と、気水の分離について説明する。
加圧水ポンプ3により加圧された状態で熱水L3は、圧力制御弁PV3により減圧沸騰され、その減圧沸騰された蒸気V1及び熱水L3aがノズル孔326から噴出される。圧力が掛かった状態で蒸気V1及び熱水L3aが噴出されるため、運動エネルギーを保った蒸気V1及び熱水L3aは、ロータ322に当接する。ロータ322は、蒸気V1及び熱水L3aの運動エネルギーにより、トロコイド曲線状をした回転筐体部321の内側に沿って回転する。また、ノズル孔326から噴出された熱水L3aは、重力により下方に落下すべくロータ322を回転させる。落下した熱水L3aは、回転筐体部321から落下し、最終的には受け板331からドレン回収部333に落下し、熱水L3aはドレンL4となり温水サービスタンク4に回収される。
図35(A)、(B)、(C)、(D)と順に、偏芯した位置に設けられた回転軸318は、ロータ322の回転に伴い、移動空間328は領域を変化させながら熱水L3aを移動させる。そのため、熱水L3は様々な動きとなり、攪拌されより飛散しながら移動する。また、ロータ322は偏芯して回転することにより、より広い面積を移動するため、熱水L3aを広範囲に飛散させることが可能である。
ロータ322は回転を伴うため、熱水L3aは上部圧力容器301内にて飛散し蒸気V1となる。このように、ロータ322の回転により熱水L3aが飛散することで、熱水L3aが上部圧力容器301内にて停留する時間を稼ぐことができるため、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り熱水L3aが留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
更に、ロータ322の回転は、回転軸318と接続された発電機G4を直接回転させて電力を得ることが可能となり、所内電力等やポンプ(3・5・7)の電力に活用することが可能である。
<気水分離発電装置の変形例>
第5実施形態にかかる気水分離発電装置Fdの変形例について、図36乃至図42を参照して説明する。
図36は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置Fdを正面から現した概要図である。図37は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置Fdを現した斜視図である。図38は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置Fdの内部及びロータ部360の内部を現した斜視図である。図39は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置Fdの内部及びロータ部360の内部を現した平面図である。図40、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水分離発電装置Fdの内部を現した平面図である。図41は、第5実施形態にかかる本発明の変形例の気水の分離の様子を現した説明図である。図42は、第5実施形態にかかる本発明の変形例のロータ部360の回転の様子を現した説明図である。
先ず、図36乃至図38を参照し、上部接続管30(図2)の熱水L3を減圧沸騰させた熱水及び蒸気を分離する気水分離発電装置Fdについて説明する。
気水分離発電装置Fcは、ステンレス又は鉄等の金属材料で形成された圧力容器350を2分割に構成し、胴部圧力容器351及び上部圧力容器358を備えている。胴部圧力容器351は、4片の角を円弧状に面取りした箱状に形成したが、全体形状は円筒状であっても良い。
気水分離発電装置Fdは、圧力容器350の中間からやや下方の位置に、円筒状の配管であるノズル354が設けられている。ノズル354は、蒸気発生量を制御する圧力制御弁PV3と接続されており、圧力制御弁PV3は、上部接続管35(図2)と接続される配管355を介して送られる熱水L3を、減圧沸騰することで気液2相流の熱水L3aを胴部圧力容器351内に噴出し、蒸気の発生量を制御している。
胴部圧力容器351は、上方に円錐状の上部圧力容器358を設けており、その上部圧力容器358の上方に円筒状の蒸気取出管352を備えている。また、蒸気の噴出量を制御する圧力制御弁PV1が、蒸気取出管352の上方に設けられている。圧力制御弁PV1は、蒸気タービンTへ蒸気V1を搬送する蒸気配管356と接続されている。
また、胴部圧力容器351は、底面に内部に設けられるロータ部360の円柱状の回転軸318が貫通し、回転軸318は胴部圧力容器351の内部から外部へ伸びている。
胴部圧力容器351の下方に、円錐状に形成した圧力容器となるドレン回収部361を備えている。ドレン回収部361は、下方にドレンL4を回収する温水サービスタンク配管353を設けている。また、ドレン回収部333は、下り勾配を設けた板状の受け板371を備えている。受け板331は、後述する連絡通路372から重力により落下した熱水L3aを受けるための板である。
温水サービスタンク配管353は、ドレンL4を排出する量を調整する排出量調整弁PV4と接続されている。排出量調整弁PV4は、ドレン注入管74(例えば、図10)を介して温水サービスタンク4にドレンL4を回収するドレン回収管357と接続されている。
次に、気水分離発電装置Fdの内部構造について図37乃至図40を参照して説明する。
金属製で形成された回転筐体部359は、内部の縁取りとなる曲線を、トロコイド曲線の形状で形成している。ロータ部360は、ステンレス又は鉄等の金属材料で形成され、外形が円弧状を伴った三角状に形成したロータ361を備えている。ロータ361の内部は、金属製の内部歯車364を有しており、その内側にはロータ361に対し偏芯した位置に回転軸318が設けられている。そして、回転筐体部359の内部を、ロータ361の先端の3片が内接しながら回転している。
回転軸318は、回転筐体部359の内部に設けられ、外部歯車365の内側に設けられた回転貫通孔363に挿入される。金属製の外部歯車365は、内部歯車364と噛み合い、ロータ361が回転する。
また、回転筐体部359の内部は、ロータ361の外部と回転筐体部359の内部との間に、主に熱水L3aが移動又は満たされる移動空間368が形成される。この移動空間328は、ロータ322の回転に伴い区画された領域の体積が変化する。
また、回転筐体部321の内側に、ノズル354と連通する円状に貫通したノズル孔362が設けられている。ノズル孔362からロータ361の側面に向かって、気液2相流の状態となった蒸気V1及び熱水L3aが噴出され、熱水L3aがロータ361に当接することによりロータ361が回転する。
また、ノズル孔362から噴出された熱水L3aが最終的に回収される矩形状の貫通した孔として筐体回収孔367が設けられている。その筐体回収孔367の下方に、熱水L3aを回収する箱状の連絡通路372が設けられている。連絡通路372は、ドレン回収部373と連通し、熱水L3aをドレン回収部373に設けられる受け板371に排出している。
次に、図41及び図42を参照し、気水分離発電装置Fdにおけるロータ361の回転と、気水の分離について説明する。
加圧水ポンプ3により加圧された状態で熱水L3は、圧力制御弁PV3により減圧沸騰され、その減圧沸騰された蒸気V1及び熱水L3aがノズル孔354から噴出される。圧力が掛かった状態で蒸気V1及び熱水L3aが噴出されるため、運動エネルギーを保った蒸気V1及び熱水L3aは、ロータ361に当接する。ロータ361は、蒸気V1及び熱水L3aの運動エネルギーにより、トロコイド曲線を形成した回転筐体部359の内側に沿って回転する。図42(A)、(B)(C)(D)と順に、偏芯した位置に設けられた回転軸318は、ロータ361の回転に伴い、移動空間368は領域を変化させながら熱水L3aを移動させる。そのため、熱水L3は様々な動きとなり、攪拌されより飛散しながら移動する。また、ロータ361は偏芯して回転することにより、より広い面積を移動するため、熱水L3aを広範囲に飛散させることが可能である。
このように、ロータ361の回転により、熱水L3aは回転と攪拌を伴うため、熱水L3aは、胴部圧力容器351内にて飛散し蒸気V1となる。このように、ロータ361の回転により熱水L3aを飛散することで、熱水L3aが胴部圧力容器351内にて停留する時間を稼ぐことができるため、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り熱水L3aが留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
更に、ロータ361の回転は、回転軸318と接続された発電機G4を直接回転させて電力を得ることが可能となり所内電力等やポンプ(3・5・7)の電力に活用することが可能である。
筐体回収孔367に落下した熱水L3aは、連絡通路372から落下し、最終的には受け板371からドレン回収部373に落下し、熱水L3aはドレンL4となり温水サービスタンク4に回収される。
<ロータの変形例>
第5実施形態にかかる気水分離発電装置Fc・Fdのロータ322・361の変形例について、図43及び図44を参照して説明する。
図43は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部380の変形例を現した斜視図である。図44は、第5実施形態にかかる本発明のロータ部380の変形例を現した正面図である。
ロータ部380は、上述したロータ322・361と同様に、外形が円弧を伴った三角形状となっている。ロータ381の側面となる側面部382は、熱水L3a及び蒸気Vaを受ける面である。側面部382は、右斜め上方に向かい形成された溝となる誘導溝383が形成されている。誘導溝383は、2つの切り欠きにより形成されており、ロータ381に対して垂直に切り欠いて形成した垂直面385と、右斜めに30度から60度の間に傾斜して切り欠き、垂直翼面385と交わる線が最も深く徐々に側面部382と同じ高さとなる側面翼面384が形成されている。
誘導溝383は、ノズル孔326・354から噴出された熱水L3a及び蒸気V1を、回転方向とは逆方向に飛散させ、ロータ381の回転運動を助長さている。
また、誘導溝383は、熱水L3aをより遠くまで飛散させることが可能であり、熱水L3aが胴部圧力容器351内にて停留する時間を稼ぐことで、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り熱水L3aが留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
(上記装置を利用して発電する発電方法)
上記した気水分離発電装置(Fc・Fd)を利用した発電方法については実施形態1に記載した発電方法と同様である。
尚、上述した熱交換器や復水器に接続される作動媒体又は水等の媒体を冷却する方法は、これらに限定する必要はなく、ペルチェ素子を利用した熱の交換方法により冷却する方法等の様々な方法が考えられる。
本発明の実施形態全てにおいて、図示しない箇所においては熱水L又は蒸気Vを入排出する圧力容器の前又は後に、熱水L又は蒸気Vの圧力を制御する図示しない制御弁を設け圧力制御を行っている。
尚、蒸気の回収箇所においては、デミスターを装着することにより、水分を含まない乾燥した蒸気を回収することができるため、熱量を落とすことなく蒸気を回収することができる。
また、実施形態1乃至実施形態5で説明した地熱発電装置に、気水分離器F(F・Fa・Fb)及び気水分離発電装置(Fc・Fd)のいずれかを選択又は組合せて適用することも可能である。
(上記実施形態から考えられるその他の技術的特徴)
以下に本実施形態の技術的特徴点の一例を括弧内に示すが、特に限定するものでもなく例示しているものであり、これら特徴から考えられる効果についても記載する。
<第1の特徴点>
高温及び高圧の媒体(例えば、主に熱水(L3))を減圧沸騰させることで蒸気を発生させ、前記蒸気及び前記媒体を分離する気水分離装置(例えば、主に気水分離器F)であって、噴出された前記媒体を受け、噴出方向に向かって徐々に径を広げた円錐状の筐体部(例えば、主にホーン部61)と、前記筐体部の表面から突出して設け、前記媒体を旋回させる旋回誘導部(例えば、主に誘導片62)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、螺旋状に媒体が旋回し、散布されて媒体が落下するため媒体が分散されかつ蒸気化する時間を確保することができ、また媒体を微粒化することも可能であるので、蒸気量を増やすことが可能である。
<第2の特徴点>
前記旋回誘導部は、噴出された前記媒体を受ける先端から終端に亘って連続した螺旋状の複数の旋回誘導片(例えば、主に誘導片62a・誘導片62b・誘導片62c・誘導片62d)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、螺旋状に媒体が旋回し、散布されて媒体が落下するため媒体が分散されかつ蒸気化する時間を確保することができ、また媒体を微粒化することも可能であるので、蒸気量を増やすことが可能である。
<第3の特徴点>
前記筐体部は、複数の前記旋回誘導片との間に位置にし、貫通した孔を形成した複数の蒸気を誘導する誘導孔(例えば、主に誘導孔63)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、誘導孔から蒸気が取り込まれ、蒸気と媒体とを更に分離することができる。
<第4の特徴点>
前記気水分離装置に蒸気を取り出す蒸気取出管(例えば、温水サービスタンク配管52)を設け、前記蒸気取出管の全面を覆う大きさであって、且つ円錐状に形成した天板(例えば、主に天板86)を設け、前記天板は貫通した孔を形成した複数の蒸気を誘導する蒸気誘導孔(例えば、主に蒸気通過孔87)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、媒体が蒸気化する時間を確保する事ができるので、蒸気量を増やすことが可能である。蒸気誘導孔から蒸気が取り込まれ、蒸気と媒体とを更に分離することができる。
<第5の特徴点>
前記気水分離器は、減圧沸騰させると共に微小気泡を含んだ蒸気を発生させる蒸気発生ノズルを備えたことを特徴とする。
以上の特徴によりマイクロバブルやナノバブルを含んだ熱水を前記気水分離器にて蒸気化することにより蒸気量を増大させることが可能となり、発電量の増加に繋げることができる。
<第6の特徴点>
請求項1乃至請求項5記載の前記気水分離器(例えば、主に気水分離器F)を使用し、地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置100、地熱発電装置200、地熱発電装置300)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、を設け、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある前記気水分離器まで移送し、前記気水分離器にて減圧沸騰させることで蒸気を発生させ、前記蒸気によって発電を行うことを特徴とする。
以上の特徴により、地中から得られた熱を、水を媒体として熱変換するため、スケールによる熱の温度低下や管の詰まり等の機器への影響を考える必要もなく、またスケール除去等による汚染や地中からの有害物質による障害も考えることはない。
また、蒸気中の水滴が高速で回転するタービン動翼あるいは配管内壁に衝突することにより、エロージョンを受け、さらなる効率の低下のみならず機器損傷を引き起こす原因となる。
本発明では、地上の気水分離器(気水分離器)にて蒸気を生成するため、地中で蒸気を生成する場合に比較して熱効率よく地上に熱水を移送した後、減圧沸騰させ蒸気を発生させるため、エロージョンや効率低下という問題を解決することができる。
<第7の特徴点>
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電方法であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、を設け、
前記地熱発電装置を運転する最初に、前記媒体移送管を洗浄し、前記媒体の中に溶存する酸素を除去する酸素除去手段(例えば主に脱酸装置19又は脱酸剤)を作用させ、
前記酸素を除去した後、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離器まで移送し、前記気水分離器にて減圧沸騰させることで蒸気を発生させ、前記蒸気によって発電を行うことを特徴とする。
以上の特徴により、酸素を除去することにより、媒体移送管内の錆止めとスケール発生を抑制することができる。特に媒体移送管は全長が長いため加圧給水ポンプのスケールの抑制を行えば圧力損失の低減が可能となり、所内電力の省エネルギー化につなげることができる。
<第8の特徴点>
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置100、地熱発電装置200、地熱発電装置300)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離器まで移送し減圧沸騰させることで蒸気を発生させる前記気水分離器(例えば、主に気水分離器F)と、
前記気水分離器にて前記媒体のうち蒸気とならなかった前記媒体を貯留する貯留部(例えば、主に温水サービスタンク4)と、
前記貯留部から供給される前記媒体を前記地熱帯へ搬送及び加圧する加圧ポンプ(例えば、主に加圧給水ポンプ3)と、を備え、
前記貯留部の内部に、前記気水分離器から供給される前記媒体に含まれる気泡を分離し、前記加圧ポンプに前記媒体のみを供給する気泡分離部(例えば、主に仕切り板71、ドレン受け板77・79)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、気泡を含まない媒体をのみを加圧給水ポンプに導くことができる構造となっている。このように、気泡を加圧給水ポンプに導くことがないため、加圧給水ポンプはキャビテーションを起こすことを防ぐことができる。
<第9の特徴点>
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置100、地熱発電装置200、地熱発電装置300)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離器(例えば、主に気水分離器F)まで移送し減圧沸騰させることで蒸気を発生させる前記気水分離器と、
前記気水分離器にて前記媒体のうち蒸気とならなかった前記媒体を貯留する貯留部(例えば、主に温水サービスタンク4)と、
前記貯留部は、前記気水分離器から供給された前記媒体から生成される蒸気を前記気水分離器へ供給するバイパス経路(例えば、主に蒸気排出管75、蒸気V2の経路)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、貯留部内で発生する蒸気を有効に利用でき、発電能力を高めるための構造となっている。
<第10の特徴点>
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置200)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある熱交換器まで移送し、前記媒体を熱源として前記熱交換器にて使用し、前記媒体よりも沸点の低い作動媒体(例えば、主に作動媒体M1乃至M3)を蒸気化して発電を行うバイナリー発電装置(例えば、主にバイナリー発電装置B)と、
前記熱交換器で熱交換され冷やされた前記媒体の水位を系全体で一定に保つ貯留部(例えば)、主に温水サービスタンク4)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、全系の圧力を一定に保つための要素として、貯留部を有効に活用することで、加圧給水ポンプの負荷の低減や水位を一定に保つことができる。
<第11の特徴点>
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置100・200・300)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある熱交換器まで移送し、前記媒体を熱源として前記熱交換器にて使用し、前記媒体よりも沸点の低い作動媒体を蒸気化して発電を行うバイナリー発電装置(例えば、主にバイナリー発電装置B)と、を備え、
前記作動媒体を冷却するための冷却媒体を移送する作動媒体配管を前記媒体移送管の付近の地中に敷設し、地中熱と熱交換する前記作動媒体配管(例えば、主に冷却水157a、158aを冷やすための配管)と、を備えたことを特徴とする。
尚、上記1乃至11の特徴点については、方法の発明となる地熱発電方法であっても良く。また、上記1乃至5の特徴点は、方法の発明となる気水分離方法であっても良い。
<第12の特徴点>
高温及び高圧の媒体(例えば、主に熱水L3)を減圧沸騰させることで蒸気(例えば、主に蒸気V1)を発生させ、前記蒸気及び前記媒体(例えば、主に熱水L3a)を分離する気水分離装置(例えば、主に気水分離器Fb)であって、主に前記媒体(例えば、主に熱水L3a)旋回させて搬送する螺旋状の搬送通路(例えば、主に旋回流機構部240)と前記搬送通路から前記気水分離装置の内壁(例えば、主に胴体部221の内壁)に向けて前記媒体を散布する噴出孔(例えば、主に噴出孔232)を設けた噴出部(例えば、主に噴出機構部230)と、前記噴出部と前記搬送通路の内部を通過して蒸気とならなかった熱水を回収する熱水回収部(熱水回収口235、内部が空洞の螺旋胴体部241、空洞の土台部248)と、を備えたことを特徴とする。
以上の特徴点により、搬送通路は、媒体を旋回させることで媒体が分散し、媒体が気水分離器内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り媒体が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
また、蒸気化できなかった媒体を、噴出部と搬送通路の内部を通過して回収することにより、回収機構を含めて気水分離器をコンパクトに作成することが可能となる。また気水分離器の下方にて蒸気化した蒸気は噴出部と搬送通路の内部を通過して回収することができる。
<第13の特徴点>
前記搬送通路は、前記気水分離装置に前記媒体を取り入れる取入口(例えば、主に熱水受け部246)と連通し、上方に向かって螺旋状に形成した第1の搬送通路(例えば、主に螺旋通路245)と、上方に向かって螺旋状に形成した複数の螺旋片により前記第1の搬送通路を通った前記媒体を搬送する第2の搬送通路(例えば、主に螺旋誘導片242)と、を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、更に媒体を旋回させることで媒体が分散し、媒体が気水分離器F内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り媒体が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
<第14の特徴点>
前記噴出部は、前記第2の搬送通路を通過した前記媒体を取り入れる取入孔(例えば、主に取入孔234)を設け、前記噴出孔の中心と取入孔との中心とを結んだ線が水平方向に対して傾斜した位置に前記噴出孔及び前記取入孔を設けたことを特徴とする。
以上の特徴により、媒体が気水分離器内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能となる。
<第15の特徴点>
前記噴出孔は、前記噴出部の内径側に寄せて配置したことを特徴とする。
以上の特徴により、散布する距離を長くすることができるため、媒体が気水分離器内で停留する時間を稼ぐことで、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能となる。
<第16の特徴点>
前記噴出孔及び前記取入孔の間に、前記媒体に微小気泡を溶存させる微小気泡溶存部(例えば、主に噴出孔232と取入孔234の中間部分)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、微小気泡を伴った媒体は、蒸気発生効率を向上させることができる。
<第17の特徴点>
地熱帯(例えば、主に地熱帯U)により熱を吸収した高温の媒体(例えば、主に熱水L3)を、加圧給水ポンプ(例えば、主に加圧給水ポンプ3)により蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離発電装置(例えば、主に気水分離発電装置Fc・Fd)まで移送し、前記気水分離発電装置にて減圧沸騰させることで蒸気(例えば、主に蒸気V1)を発生させ、前記蒸気及び前記媒体を分離する気水分離発電装置であって、
前記媒体を回転体(例えば、主にロータ322・361)に衝突させることにより、回転軸(例えば、主に回転軸318)を中心に回転する前記回転体と、
前記加圧給水ポンプにより前記媒体を噴出する圧力を制御し、制御された圧力で前記媒体を前記回転体の側面に衝突させて前記回転体の回転力により発電機(例えば、主に発電機G4)を駆動し電力を得る発電装置(例えば、主に発電機G4、変圧器TF4)と、を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、加圧給水ポンプにより一定の圧力を制御することが可能となるため回転体の回転を一定に保つことが可能となり、発電の出力を一定に保つことが可能となる。また、回転体の回転により媒体が飛散することにより、媒体が停留する時間を稼ぐことができるため、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り媒体が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
<第18の特徴点>
前記回転体を筐体(例えば、主に回転筐体部321・359)の内部の側面に沿って前記回転体を回転させ、前記回転体の中心に対して偏芯して設けられた前記回転軸と、前記筐体内に設けられ、前記媒体を受ける領域が変化する空間(例えば、主に移動空間328・368)と、を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、回転体の回転により媒体が飛散することにより、媒体が停留する時間を稼ぐことで、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り媒体が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
<第19の特徴点>
前記回転体に衝突した前記媒体を前記回転体が回転する方向と逆方向に誘導する誘導溝(例えば、主に誘導溝383)を設けた前記回転体を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、誘導溝は回転体の回転運動を助長させると共に、回転体の回転により媒体が飛散する距離を伸ばすことができるため、媒体が停留する時間を稼ぐことで、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り媒体が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
<第20の特徴点>
前記筐体の内側に設けられ、前記回転体の上方に位置し、前記媒体の荷重により前記回転体を回転させる前記媒体を噴出する噴出孔(例えば、主にノズル孔362・362)えたことを特徴とする。
以上の特徴により、前記筐体の上方から媒体を噴出することにより、回転体の回転運動を助長させる効果があり、回転体の回転により媒体が飛散する距離を伸ばすことができるため、媒体が停留する時間を稼ぐことで、蒸気に変化する時間を充分に得ることが可能である。このようにできる限り媒体が留まりやすい構造とすることにより蒸気量を多く取り出すことができる。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した実施の形態で示すように、温泉が湧き出る地熱帯だけでなく、火山地帯や海中での火山地帯等にも利用することができる。
1・100・200・300…地熱発電装置、3…加圧給水ポンプ、
4…温水サービスタンク、5…復水ポンプ、6…復水器、10…媒体移送管、
11…媒体注入管、12…媒体取出管、26…蒸発曲線、60…分離装置、
150…熱交換部、151…熱交換器、155…循環ポンプ、230…噴出機構部、
232…噴出孔、234…取入孔、235…熱水回収口、240…旋回流機構部、
242…螺旋誘導片、245…螺旋通路、318…回転軸、320・360…ロータ部、321・359…回転筐体部、322・361…ロータ、328・368…移動空間、
362・362…ノズル孔、383…誘導溝、
T・T1・T2・T3…蒸気タービン、G…発電機、
1a…加圧水発電装置、B…バイナリー発電装置、CT…冷却塔、
F・Fa・Fb・Fc・Fd…気水分離器、TF…受電設備、S…地表、U…地熱帯。

Claims (6)

  1. 地熱帯により熱を吸収した高温の媒体を、加圧給水ポンプにより蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離発電装置まで移送し、前記気水分離発電装置にて減圧沸騰させることで蒸気を発生させ、前記蒸気及び前記媒体を分離する気水分離発電装置であって、
    前記媒体を回転体に衝突させることにより、回転軸を中心に回転する前記回転体と、
    前記加圧給水ポンプにより前記媒体を噴出する圧力を制御し、制御された圧力で前記媒体を前記回転体の側面に衝突させて前記回転体の回転力により発電機を駆動し電力を得る発電装置と、を備えたことを特徴とする気水分離発電装置。
  2. 前記回転体を筐体の内部の側面に沿って前記回転体を回転させ、前記回転体の中心に対して偏芯して設けられた前記回転軸と、前記筐体内に設けられ、前記媒体を受ける領域が変化する空間と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の気水分離発電装置。
  3. 前記回転体に衝突した前記媒体を前記回転体が回転する方向と逆方向に誘導する誘導溝を設けた前記回転体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の気水分離発電装置。
  4. 前記筐体の内側に設けられ、前記回転体の上方に位置し、前記媒体の荷重により前記回転体を回転させる前記媒体を噴出する噴出孔を備えたことを特徴とする請求項1に記載の気水分離発電装置。
  5. 請求項1乃至請求項4記載の前記気水分離発電装置を使用し、地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置。
  6. 請求項5に記載の地熱発電装置を使用した発電方法。

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