JP2021003913A - 車両の制動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の旋回性能を向上させることができる車両の制動制御装置に関する。【解決手段】制動制御装置60は、旋回時目標横加速度を設定する目標横加速度設定部62と、車両10がカーブの手前に位置するときに、旋回時目標横加速度が大きいほど前輪接地荷重が大きくなるように車両10の制動力を増大させる旋回前制動処理を実行する旋回前処理部63と、旋回前制動処理の実行によって制動力が付与された車両10がカーブに沿って旋回するときに、車両10の制動力を「0」まで減少させる旋回中制動処理を実行する旋回中処理部65とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、車両の制動力を制御する車両の制動制御装置に関する。
制動力が付与された状態で車両が旋回する場合、車輪の制動力が大きいほど、当該車輪の前後方向のグリップ力である縦グリップ力が大きくなる分、当該車輪の横方向のグリップ力である横グリップ力の限界値が小さくなる。横グリップ力の限界値が大きいほど、車輪が横すべりしにくい。そのため、特許文献1に記載の装置にあっては、制動力が付与された状態で車両が旋回する場合、旋回余裕度が低いほど、車両の制動力を大きくしないようにすることにより、横グリップ力の限界値が小さくならないようにしている。
車両旋回時にあっては、車両の前輪の横グリップ力の限界値が大きいほど、前輪の横すべりが発生しにくくなるため、車両の旋回性能を向上させることができる。近年では、車両の旋回性能の向上が求められている。
上記課題を解決するための車両の制動制御装置は、車両がカーブに沿って旋回する際における当該車両の横加速度の目標である旋回時目標横加速度を設定する目標横加速度設定部と、前記車両の前輪から路面に対して垂直方向に入力される荷重を前輪接地荷重とした場合、前記車両が前記カーブの手前に位置するときに、前記旋回時目標横加速度が大きいほど前記前輪接地荷重が大きくなるように前記車両の制動力を増大させる旋回前制動処理を実行する旋回前処理部と、前記旋回前制動処理の実行によって制動力が付与された前記車両が前記カーブに沿って旋回するときに、当該車両の制動力を「0」まで減少させる旋回中制動処理を実行する旋回中処理部と、を備える。
上記構成によれば、旋回前制動処理の実行によって、カーブに進入する前に車両に対して制動力が付与される。制動力の付与によって車両重心が前方に移動し、ピッチングモーメントが発生するため、前輪接地荷重が大きくなる。旋回時目標横加速度が大きいほど前輪接地荷重が大きくなるように、車両に制動力が付与される。これにより、旋回時目標横加速度が大きいほど前輪に装着されているタイヤの摩擦円を拡大させ、摩擦円を拡大させた状態で車両をカーブに進入させることができる。車両がカーブに沿って旋回するときに、旋回中制動処理の実行によって車両の制動力が減少される。すなわち、前輪の制動力が減少される。こうした制動力の減少によって前輪に装着されているタイヤの縦グリップ力が減少する分、当該タイヤの横グリップ力の限界値が大きくなる。すなわち、タイヤの摩擦円を拡大した状態で車両がカーブに進入するため、前輪の制動力の減少に伴ってタイヤの横グリップ力の限界値をより大きくすることができる。その結果、車両旋回中に車両の横加速度の絶対値が大きくなっても前輪の横すべりの発生を抑制できる。したがって、車両の旋回性能を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、車両の制動制御装置の第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1には、本実施形態の制動制御装置60を備える車両10が図示されている。車両10は、運転者によるステアリングホイール11の操作に応じて転舵する2つの前輪FL,FRと、前輪FL,FRよりも車両後方に位置する2つの後輪RL,RRとを備えている。車両10には、各車輪FL,FR,RL,RRと同数の制動機構15が設けられている。各制動機構15は、ホイールシリンダ18内の液圧が高いほど、対応する車輪FL,FR,RL,RRと一体回転する回転体16に対して摩擦材17を強く押し付ける。このように摩擦材17を回転体16に押し付けることにより、車輪FL,FR,RL,RRに制動力が付与される。
以下、車両の制動制御装置の第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1には、本実施形態の制動制御装置60を備える車両10が図示されている。車両10は、運転者によるステアリングホイール11の操作に応じて転舵する2つの前輪FL,FRと、前輪FL,FRよりも車両後方に位置する2つの後輪RL,RRとを備えている。車両10には、各車輪FL,FR,RL,RRと同数の制動機構15が設けられている。各制動機構15は、ホイールシリンダ18内の液圧が高いほど、対応する車輪FL,FR,RL,RRと一体回転する回転体16に対して摩擦材17を強く押し付ける。このように摩擦材17を回転体16に押し付けることにより、車輪FL,FR,RL,RRに制動力が付与される。
車両10の制動装置20は、運転者のブレーキペダル22の操作量に応じた液圧を発生させる液圧発生装置21と、制動アクチュエータ25とを備えている。運転者が制動操作を行う場合には、液圧発生装置21で発生した液圧に応じた量のブレーキ液が各ホイールシリンダ18内に供給される。これにより、各車輪FL,FR,RL,RRに制動力が付与される。制動アクチュエータ25は、制動操作が行われていない場合であっても各ホイールシリンダ18内の液圧を制御することにより、各車輪FL,FR,RL,RRの制動力、ひいては車両10の制動力を調整することができる。
制動制御装置60は、車両10の前方の道路に関する情報である前方道路情報を前方撮像装置31から受信する。前方撮像装置31は、車両10の前方を撮像する1つ又は複数のカメラを備えている。前方道路情報としては、例えば、車両10の前方にカーブが存在するか否か、及び、車両10がカーブに進入するまでの予想走行距離を挙げることができる。
制動制御装置60は、車両10の周辺の地図に関する情報である地図情報をナビゲーション装置32から受信する。地図情報としては、例えば、車両10周辺の道路に関する情報、及び、地図上での車両10の現在位置を特定する情報などを挙げることができる。
制動制御装置60には、車載の各種のセンサから検出信号が入力される。センサとしては、例えば、操舵角センサ41、ブレーキセンサ42、前後加速度センサ43、横加速度センサ44、ヨーレートセンサ45及び車輪速度センサ46を挙げることができる。操舵角センサ41は、ステアリングホイール11の操舵角Strを検出し、操舵角Strに応じた信号を検出信号として出力する。ブレーキセンサ42は、運転者によるブレーキペダル22の操作量である制動操作量BIPを検出し、制動操作量BIPに応じた信号を検出信号として出力する。前後加速度センサ43は、車両10の前後加速度Gxを検出し、前後加速度Gxに応じた信号を検出信号として出力する。横加速度センサ44は、車両10の横加速度Gyを検出し、横加速度Gyに応じた信号を検出信号として出力する。車輪速度センサ46は、車輪FL,FR,RL,RR毎に設けられている。各車輪速度センサ46は、対応する車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWに応じた信号を検出信号として出力する。そして、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度VWを基に、車両10の車体速度VSが導出される。
なお、車両10には、旋回アシストスイッチ51が設けられている。旋回アシストスイッチ51は、運転者によってオン・オフが操作される操作部である。旋回アシストスイッチ51がオンである場合、制動制御装置60は、旋回時における車両10の制動力BPCの自動調整を運転者が要求していると判断する。
制動制御装置60は、旋回アシストスイッチ51がオンであるときに車両10の制動力BPCを自動調整するための機能部として、カーブ情報取得部61、目標横加速度設定部62、旋回前処理部63、進入判定部64及び旋回中処理部65を有している。
カーブ情報取得部61は、前方撮像装置31から受信した前方道路情報、及び、ナビゲーション装置32から受信した地図情報を、車両10がこれから進入するカーブに関する情報であるカーブ情報として取得する。そして、カーブ情報取得部61は、取得したカーブ情報を基に、車両10がカーブに進入する手前であるか否かを判定するカーブ検知判定処理を実行する。例えば、カーブ検知判定処理では、車両10の現在位置から車両10の前方に存在するカーブの入口までの距離がカーブ前距離LCとして取得され、カーブ前距離LCが判定カーブ前距離LCTh以下であるときに車両10がカーブに進入する手前であるとの判定がなされる。判定カーブ前距離LCThとして、後述する旋回前制動処理の実行によって車両10の制動力BPCを目標まで増大させるのに十分な車両10の走行距離が設定されている。
そして、カーブ情報取得部61は、カーブ検知判定処理で車両10がカーブに進入する手前であるとの判定をなしたときには、車両10がこれから進入するカーブの形状を取得する。カーブの形状としては、例えば、カーブの曲率がどのように変化するのかを挙げることができる。
目標横加速度設定部62は、車両10がカーブに沿って旋回する際における横加速度Gyの目標である旋回時目標横加速度GyTThを設定する処理を設定する。当該処理の具体的な内容については後述する。
旋回前処理部63は、車両10がカーブの手前に位置するときに、旋回時目標横加速度GyTThが大きいほど前輪接地荷重が大きくなるように車両10の制動力BPCを増大させる旋回前制動処理を実行する。前輪接地荷重とは、前輪FL,FRから路面に対して垂直方向から入力される荷重のことである。旋回前制動処理の具体的な内容については後述する。
進入判定部64は、旋回前制動処理の実行によって制動力BPCが付与されている車両10がカーブに進入したか否かの判定を行う。当該判定の具体的な内容については後述する。
旋回中処理部65は、旋回前制動処理の実行によって制動力BPCが付与された車両10がカーブに沿って旋回するときに、車両10の制動力BPCを「0」まで減少させる旋回中制動処理を実行する。旋回中制動処理の具体的な内容については後述する。
次に、図2を参照し、制動制御装置60によって実行される処理ルーチンについて説明する。なお、本処理ルーチンは、車両10の走行中において旋回アシストスイッチ51がオンであるときには繰り返し実行される。
本処理ルーチンにおいて、ステップS11では、目標横加速度設定部62によって、旋回時目標横加速度GyTThの設定処理が実行される。この設定処理では、例えば、基準横加速度GyBと補正係数αとの積が旋回時目標横加速度GyTThとして設定される。基準横加速度GyBThとしては、公道を車両10が走行するときの第1基準横加速度GyB1と、サーキット場のコースを車両10が走行するときの第2基準横加速度GyB2とが用意されている。第2基準横加速度GyB2は、第1基準横加速度GyB1よりも大きい。
目標横加速度設定部62は、制動制御装置60が受信する各種の情報を基に、車両10が公道を走行していると判断できるときには基準横加速度GyBとして第1基準横加速度GyB1を選択する。一方、目標横加速度設定部62は、車両10がサーキット場のコースを走行していると判断できるときには基準横加速度GyBとして第2基準横加速度GyB2を選択する。
また、目標横加速度設定部62は、車両10の走行する路面のμ値、又は路面のμ値と相関するパラメータを取得する。そして、目標横加速度設定部62は、路面のμ値が低いと推定されるときには、μ値が高いと推定されるときよりも補正係数αを小さくする。これにより、旋回時目標横加速度GyTThを、路面のμ値が低いほど小さくすることができる。
旋回時目標横加速度GyTThの設定処理が終了すると、処理が次のステップS12に移行される。ステップS12において、カーブ情報取得部61によって、車両10がカーブに進入する手前であるか否かの判定が行われる。車両10がカーブに進入する手前であるとの判定がなされていない場合(S12:NO)、本処理ルーチンが一旦終了される。一方、車両10がカーブに進入する手前であるとの判定がなされている場合(S12:YES)、旋回前処理部63によって、旋回前制動処理が実行される。
旋回前制動処理において、はじめのステップS13では、車両10の制動力BPCの目標である目標車両制動力BPCTrが設定される。上記ステップS11で設定された旋回時目標横加速度GyTThが大きいほど大きい値が、目標車両制動力BPCTrとして設定される。次のステップS14では、車両10の制動力BPCが目標車両制動力BPCTrとなるように制動アクチュエータ25が制御される。本実施形態では、各車輪FL,FR,RL,RRに制動力が付与される。左前輪FLの制動力を左前輪制動力BPFLとし、右前輪FRの制動力を右前輪制動力BPFRとし、左後輪RLの制動力を左後輪制動力BPRLとし、右後輪RRの制動力を右後輪制動力BPRRとする。この場合、各車輪制動力BPFL,BPFR,BPRL,BPRRの和が目標車両制動力BPCTrとなるように、制動アクチュエータ25が制御される。このように旋回前制動処理が実行されると、処理が次のステップS15に移行される。
ステップS15において、進入判定部64によって、車両10がカーブに進入したか否かの判定が行われる。本実施形態では、運転者の操舵に関する情報を基に判定が行われる。すなわち、検知されているカーブに応じてステアリングホイール11が操作された場合、車両10がカーブに進入したとの判定がなされる。例えば、車両10を右旋回させるようなカーブが検知されているときにステアリングホイール11の右回転が検知された場合、車両10がカーブに進入したとの判定がなされる。
ステップS15において、車両10がカーブに進入したとの判定がなされていない場合(NO)、処理がステップS14に移行される。すなわち、旋回前制動処理の実行が継続される。一方、車両10がカーブに進入したとの判定がなされている場合(S15:YES)、旋回中処理部65によって、旋回中制動処理が実行される。すなわち、車両10がカーブに進入したとの判定がなされると、車両10の制動力BPCの減少が開始される。
旋回中制動処理において、はじめのステップS16では、車両10が進入したカーブのうち、曲率が最大となる位置が曲率最大位置PRmaxとして取得される。すなわち、旋回中処理部65は、カーブ情報取得部61によって取得されたカーブ情報を基に、車両10が進入したカーブでは曲率がどのように変化しているのかを取得する。そして、旋回中処理部65は、カーブのうち、曲率が最大となる位置を曲率最大位置PRmaxとして取得する。
続いて、ステップS17において、車両10の制動力BPCを「0」まで減少させるための制動力の減少プロファイルPR1が作成される。減少プロファイルPR1とは、車両10がカーブに進入した時点からの経過時間と、車両10の制動力BPCとの関係を表すものである。旋回中処理部65は、上記ステップS13で設定された目標車両制動力BPCTrと、ステップS16で取得した曲率最大位置PRmaxと、車両10がカーブに進入した時点での車体速度VS及び前後加速度Gxとを基に、制動力の減少プロファイルPR1を作成する。すなわち、旋回中処理部65は、車両10がカーブに進入した時点では、車両10の制動力BPCが上記ステップS13で設定された目標車両制動力BPCTrと等しいと見なす。そして、旋回中処理部65は、車両10が曲率最大位置PRmaxに到達するときに車両10の制動力BPCを「0」とする減少プロファイルPR1を作成する。
そして、次のステップS18において、車両10がカーブに進入した時点からの経過時間と、ステップS17で作成した減少プロファイルPR1とを基に、目標車両制動力BPCTrが設定される。すなわち、当該経過時間に応じた車両10の制動力BPCが減少プロファイルPR1から抽出され、抽出された制動力BPCが目標車両制動力BPCTrとして設定される。
次のステップS19では、要求ヨーレートYRQからヨーレートYRを引いた値がヨーレート偏差ΔYRとして算出される。要求ヨーレートYRQとは、運転者が要求しているヨーレートのことであり、ステアリングホイール11の操舵角Strと、車体速度VSとを基に導出される。操舵角Strと車体速度VSとを基に要求ヨーレートYRQを算出する方法として、例えば、「特開2013−174176号公報」に開示されている方法を挙げることができる。ヨーレート偏差ΔYRの絶対値が大きいほど、運転者が要求している車両10の旋回態様と、車両10の実際の旋回態様との乖離が大きいと推測できる。
続いて、ステップS20では、ステップS18で設定した目標車両制動力BPCTrと、ステップS19で算出したヨーレート偏差ΔYRとを基に、各車輪制動力BPFL,BPFR,BPRL,BPRRが導出される。すなわち、各車輪制動力BPFL,BPFR,BPRL,BPRRの和が目標車両制動力BPCTrと等しくなるように、各車輪制動力BPFL,BPFR,BPRL,BPRRが導出される。また、左後輪制動力BPRLと右後輪制動力BPRRとが互いに等しくなるように、左後輪制動力BPRL及び右後輪制動力BPRRが導出される。また、左前輪制動力BPFLと右前輪制動力BPFRとの差がヨーレート偏差ΔYRに応じた値となるように、左前輪制動力BPFL及び右前輪制動力BPFRが導出される。例えば車両10が右旋回する場合において車両10がアンダステア傾向を示しているときには、右前輪制動力BPFRとして左前輪制動力BPFLよりも大きい値が導出される。
次のステップS21において、ステップS20で導出した各車輪制動力BPFL,BPFR,BPRL,BPRRを基に、制動アクチュエータ25が制御される。これにより、旋回中制動処理では、車両10の制動力BPCを減少させつつ、右輪の一例である右前輪FRと左輪の一例である左前輪FLとの制動力差が調整される。旋回中制動処理が実行されると、処理が次のステップS22に移行される。
ステップS22において、旋回中処理部65によって、ステップS18で設定した目標車両制動力BPCTrが「0」であるか否かの判定が行われる。目標車両制動力BPCTrとして「0」が設定されている場合、車両10に制動力BPCが付与されていないと判断できる。目標車両制動力BPCTrが「0」よりも大きい場合(S22:NO)、処理が前述したステップS18に移行される。すなわち、旋回中制動処理の実行による車両10の制動力BPCの減少が継続される。一方、目標車両制動力BPCTrが「0」である場合(S22:YES)、本処理ルーチンが一旦終了される。すなわち、旋回中制動処理が終了される。
次に、図3及び図4を参照し、本実施形態の作用及び効果について説明する。なお、図4(a)〜(d)に示す円は、前輪FL,FRに装着されているタイヤの摩擦円である。
図3に示すように、カーブではない道路101を車両10が走行している場合、カーブの手前を車両10が走行しているとの判定がなされていないときには、旋回前制動処理が未だ実行されない。この場合、車両10の前輪FL,FRには、車両10の動力源から出力された駆動力が付与されている。このため、図4(a)に示すように、前輪FL,FRに装着されているタイヤでは、前輪FL,FRに付与される駆動力に応じた縦グリップ力GPVが発生する。
図3に示すように、カーブではない道路101を車両10が走行している場合、カーブの手前を車両10が走行しているとの判定がなされていないときには、旋回前制動処理が未だ実行されない。この場合、車両10の前輪FL,FRには、車両10の動力源から出力された駆動力が付与されている。このため、図4(a)に示すように、前輪FL,FRに装着されているタイヤでは、前輪FL,FRに付与される駆動力に応じた縦グリップ力GPVが発生する。
そして、道路101を車両10が走行すると、車両10がカーブ102の手前を走行しているとの判定がなされるようになる。すると、旋回前制動処理の実行によって、車両10に制動力BPCが付与される。これにより、車両10に減速度が発生するため、車両10の重心が前側に移動する分、前輪接地荷重が増大する。その結果、図4(b)に示すように、前輪FL,FRに装着されているタイヤの摩擦円が拡大される。なお、図4(b)において、破線は旋回前制動処理の実行前における摩擦円を表しており、実線は、旋回前制動処理の実行によって拡大された摩擦円を表している。
本実施形態では、車両10がカーブ102に進入する前に、旋回時目標横加速度GyTThが設定される。旋回時目標横加速度GyTThは、車両10をカーブ102に沿って旋回させる際における車両10の横加速度Gyの目標である。そして、旋回前制動処理では、旋回時目標横加速度GyTThが大きいほど前輪接地荷重が大きくなるように、車両10の制動力BPCが制御される。これにより、旋回時目標横加速度GyTThが大きい場合には、旋回時目標横加速度GyTThが小さい場合よりも、前輪FL,FRに装着されているタイヤの摩擦円を広くした状態で車両10をカーブ102に進入させることができる。
なお、車両10の走行する路面のμ値が低いほど、車両制動時に車輪FL,FR,RL,RRで減速スリップが発生しやすい。そのため、本実施形態では、路面のμ値が低いほど旋回時目標横加速度GyTThが小さくなるように、旋回時目標横加速度GyTThが設定される。その結果、路面のμ値が低いほど、旋回前制動処理の実行によって車両10に付与される制動力BPCが小さくなる。これにより、旋回前制動処理の実行によって車輪FL,FR,RL,RRに減速スリップが発生しない範囲で前輪接地荷重を大きくできる。
旋回前制動処理の実行によって前輪FL、FRに制動力BPFL,BPFRが付与されている場合、前輪FL,FRに装着されているタイヤでは、前輪制動力BPFL,BPFRに応じた縦グリップ力GPVが発生する。このように縦グリップ力GPVが大きい状態で車両10を旋回させる場合、摩擦円の関係上、タイヤの横グリップ力GPSの限界値GPSLmが小さい。その結果、前輪制動力BPFL,BPFRを減少させないまま車両10を旋回させると、車両10の旋回時に前輪FL,FRの横すべりが発生しやすい。
本実施形態では、旋回前制動処理の実行によって車両10に制動力BPCが付与された状態で車両10がカーブ102に進入すると、旋回中制動処理の実行によって、制動力BPCが減少される。すると、前輪制動力BPFL,BPFRが減少されるため、図4(c)に示すように、前輪FL,FRに装着されているタイヤの横グリップ力GPSの限界値GPSLmが大きくなる。すなわち、旋回前制動処理の実行によって図4(c)に実線で示すように摩擦円を拡大した状態で前輪制動力BPFL,BPFRが減少されるため、カーブ102に沿って車両10を旋回させる際における前輪FL,FRに装着されているタイヤの横グリップ力GPSの限界値GPSLmを大きくできる。これにより、車両10の旋回中に前輪FL,FRの横すべりの抑制効果を高めることができる。したがって、車両10の旋回性能を高くできる。
なお、車両10をカーブ102に沿って旋回させる場合、カーブ102の曲率最大位置PRmaxで車両10の横加速度Gyの絶対値が最大となることが予測される。車両10の横加速度Gyの絶対値が大きいほど、前輪FL,FRの横すべりを抑制するために必要な横グリップ力GPSが大きい。本実施形態では、旋回中制動処理の実行によって、車両10が曲率最大位置PRmaxに到達したときに制動力BPCが「0」となるように制動力BPCが減少される。これにより、図4(d)に示すように、車両10が曲率最大位置PRmaxに到達した時点では、タイヤの横グリップ力の限界値GPSLmを最大とすることができる。したがって、前輪FL,FRの横すべりの発生を抑制しつつ、カーブ102に沿って車両10を旋回させることができる。
本実施形態で実行される旋回中制動処理では、ヨーレート偏差ΔYRを基に、左前輪FLと右前輪FRとの制動力差を調整することによって、ヨーレート偏差ΔYRの絶対値の減少を図っている。これにより、車両10の実際の旋回態様と、操舵を行う運転者の要求する旋回態様とのずれを抑制できる。
なお、車両10がカーブ102に進入したら、直ぐに制動力BPCを「0」とする場合を考える。この場合、制動力BPCが急減することになるため、車両10の旋回中に前後加速度Gxが急変することとなり、運転者が不快に感じるおそれがある。この点、本実施形態で実行される旋回中制動処理では、車両10が曲率最大位置PRmaxに到達したときに制動力BPCが「0」となるように、制動力BPCが減少される。すなわち、制動力BPCの減少に起因する前後加速度Gxの急変を抑制できる。したがって、車両10の旋回中に不快を運転者が感じにくくなる。
(第2実施形態)
次に、車両の制動制御装置の第2実施形態を図5〜図7に従って説明する。本実施形態では、車両の過去の走行情報を基に旋回中制動処理の内容を決める点などが第1実施形態と相違している。以下の説明においては、上記第1実施形態と相違している部分について主に説明するものとし、上記第1実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
次に、車両の制動制御装置の第2実施形態を図5〜図7に従って説明する。本実施形態では、車両の過去の走行情報を基に旋回中制動処理の内容を決める点などが第1実施形態と相違している。以下の説明においては、上記第1実施形態と相違している部分について主に説明するものとし、上記第1実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図5に示すように、本実施形態の制動制御装置60は、機能部として、目標横加速度設定部62、旋回前処理部63及び進入判定部64の他、走行情報取得部66及び旋回中処理部65Aを有している。
走行情報取得部66は、カーブに沿って車両10が旋回する際における車両10の走行情報を取得する。走行情報としては、カーブに沿って車両10が旋回した際における、操舵角Strの推移、及び、横加速度Gyの推移などを挙げることができる。
走行情報取得部66は、監視部661と、記憶部662とを含んでいる。監視部661は、車両10が走行するカーブの形状と、カーブに沿って車両10が旋回した際における、操舵角Strの推移、及び、横加速度Gyの推移の少なくとも一方とを監視する。
記憶部662は、車両10がカーブを退出した後に、監視部661によって監視された、車両10が走行するカーブの形状と、カーブに沿って車両10が旋回した際における、操舵角Strの推移、及び、横加速度Gyの推移の少なくとも一方とを関連付けて記憶する。すなわち、記憶部662は、車両10の過去の走行情報を記憶する。
旋回中処理部65Aは、旋回中制動処理では、記憶部662に記憶されている走行情報を基に、車両10が進入したカーブのうち、当該カーブを車両10が過去に走行した際に横加速度Gyの絶対値が最大となった位置を横加速度最大位置PGmaxとして取得する。そして、旋回中処理部65Aは、車両10が横加速度最大位置PGmaxに到達するときに車両10の制動力BPCが「0」となるように制動力BPCを減少させる。
ちなみに、車両10がこれから進入するカーブを車両10が今まで走行したことがない可能性もある。このような場合、旋回中処理部65Aは、上記曲率最大位置PRmaxを横加速度最大位置PGmaxとして設定する。
本実施形態の制動制御装置60は、サーキット走行時などのように同じコースを繰り返し車両10が走行する場合に特に有用である。図6には、サーキット走行時にカーブ102に沿って車両10を走行させる際の走行軌跡の一例が図示されている。この場合では、車両10の走行軌跡は、いわゆるアウトインアウトの走行ラインとなっている。このように車両10が旋回する場合、車両10の旋回中において、横加速度最大位置PGmaxが上記曲率最大位置PRmaxと同じ位置になるとは限らない。
次に、図7を参照し、制動制御装置60によって実行される処理ルーチンについて説明する。本処理ルーチンは、車両10の走行中において旋回アシストスイッチ51がオンであるときには繰り返し実行される。なお、図7には、本処理ルーチンのうち、図6のフローチャートと相違する部分が図示されている。
本処理ルーチンにおいて、旋回前制動処理の実行によって制動力BPCが付与されている車両がカーブに進入したとの判定がなされた場合(S15:YES)、旋回中処理部65Aによって、旋回中制動処理が実行される。旋回中制動処理において、はじめのステップS161では、車両10が進入したカーブを過去に走行した際の走行情報が記憶部662から読み出される。そして、読み出した走行情報を基に、横加速度最大位置PGmaxが設定される。横加速度最大位置PGmaxが設定されると、処理が次のステップS171に移行される。
ステップS171において、車両10の制動力BPCを「0」まで減少させるための制動力の減少プロファイルPR2が作成される。減少プロファイルPR2とは、車両10がカーブに進入した時点からの経過時間と、車両10の制動力BPCとの関係を表すものである。旋回中処理部65Aは、上記ステップS13で設定された目標車両制動力BPCTrと、ステップS161で取得した横加速度最大位置PGmaxと、車両10がカーブに進入した時点での車体速度VS及び前後加速度Gxとを基に、制動力の減少プロファイルPR2を作成する。すなわち、旋回中処理部65Aは、車両10がカーブに進入した時点では、車両10の制動力BPCが上記ステップS13で設定された目標車両制動力BPCTrと等しいと見なす。そして、旋回中処理部65Aは、車両10が横加速度最大位置PGmaxに到達するときに車両10の制動力BPCを「0」とする減少プロファイルPR2を作成する。減少プロファイルPR2が作成されると、処理が前述したステップS18に移行される。
次に、本実施形態の作用及び効果のうち、上記第1実施形態とは相違する点を中心に説明する。
車両10がカーブ102に進入する手前であるとの判定がなされるようになると、旋回前制動処理の実行によって車両10に制動力BPCが付与される。その結果、前輪接地荷重を大きくした状態で車両10をカーブ102に進入させることができる。このように制動力BPCが付与されている車両10がカーブ102に進入したとの判定がなされると、旋回中制動処理の実行によって、車両10の制動力BPCが減少される。
車両10がカーブ102に進入する手前であるとの判定がなされるようになると、旋回前制動処理の実行によって車両10に制動力BPCが付与される。その結果、前輪接地荷重を大きくした状態で車両10をカーブ102に進入させることができる。このように制動力BPCが付与されている車両10がカーブ102に進入したとの判定がなされると、旋回中制動処理の実行によって、車両10の制動力BPCが減少される。
本実施形態で実行される旋回中制動処理では、走行情報を基に、車両10が当該カーブ102を過去に走行した際に横加速度Gyの絶対値が最大となった位置が横加速度最大位置PGmaxとして取得される。そして、車両10が横加速度最大位置PGmaxに達したときに制動力BPCが「0」となるように制動力BPCが減少される。これにより、カーブ102を車両10が走行する場合、横加速度Gyの絶対値が最も大きくなるときにおいて、前輪FL,FRに装着されているタイヤの横グリップ力の限界値GPSLmを大きくすることができる。これにより、前輪FL,FRの横すべりの発生を抑制しつつ、カーブ102に沿って車両10を旋回させることができる。
(変更例)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態で用いられる減少プロファイルは、車両10がカーブに進入した時点からの経過時間と、車両10の制動力BPCとの関係を表すものである。しかし、経過時間とは異なる別のパラメータと、車両10の制動力BPCとの関係を表すものを減少プロファイルとして作成するようにしてもよい。例えば、車両10の旋回量と車両10の制動力BPCとの関係を表す減少プロファイルを作成するようにしてもよい。この場合、車両10の旋回量に応じた制動力BPCが目標車両制動力BPCTrとして設定されるようになる。
・上記各実施形態では、運転者の操舵に関する情報を基に車両10がカーブに進入したか否かを判定するようにしているが、操舵に関する情報とは別の情報を基に当該判定を行うようにしてもよい。例えば、地図情報と、車両10の現在位置とを走行情報として取得している場合、地図情報から得られるカーブの進入口の位置と車両10の位置とを基に、車両10がカーブに進入したか否かを判定するようにしてもよい。
・車両10がカーブに進入する手前で運転者が制動操作を行うことがある。この場合、車両10がカーブに進入する手前であるとの判定がなされていても、旋回時制動処理を実行しなくてもよい。さらに、車両10がカーブに進入しても旋回中制動処理を実行しなくてもよい。すなわち、制動力BPCの調整を運転者の制動操作に委ねるようにしてもよい。
・車両10がカーブに進入する手前で制動操作が行われる場合、旋回前制動処理では、以下のように目標車両制動力BPCTrを設定するようにしてもよい。例えば、旋回時目標横加速度GyTThに応じた制動力の目標値と、制動操作に基づく車両の制動力BPCの要求値とのうちの大きい方を目標車両制動力BPCTrとして選択するようにしてもよい。この場合、旋回時目標横加速度GyTThに応じた制動力の目標値よりも制動操作に基づく車両の制動力BPCの要求値が大きいときには、目標車両制動力BPCTrが、旋回時目標横加速度GyTThに応じた制動力の目標値よりも大きくなる。これにより、運転者の要求している車体速度まで車両10を減速させてから車両10をカーブに進入させることができる。
また、旋回時目標横加速度GyTThに応じた制動力の目標値よりも制動操作に基づく車両の制動力BPCの要求値が大きいときには、当該目標値と当該要求値との間の値を目標車両制動力BPCTrとして設定するようにしてもよい。
・旋回中制動処理では、左前輪FLと右前輪FRとの制動力差を調整しているが、左後輪RLと右後輪RRとの制動力差を調整するようにしてもよい。このように左後輪RLと右後輪RRとの制動力差を調整する場合、左前輪FLと右前輪FRとの制動力差を調整してもよいし、左前輪FLと右前輪FRとの制動力差を調整しなくてもよい。
・旋回中制動処理では、ヨーレート偏差ΔYRによらず、左前輪FLと右前輪FRとの制動力差を調整するようにしてもよい。例えば、車両10がアンダステアの発生しやすい車両である場合、左前輪FLと右前輪FRとのうち、旋回時に内側に位置する前輪の制動力を、旋回時に外側に位置する前輪の制動力よりも大きくするようにしてもよい。
・旋回中制動処理では、左輪と右輪との間に制動力差を発生させなくてもよい。
・旋回時目標横加速度GyTThの設定に際し、路面のμ値を考慮しなくてもよい。
・基準横加速度GyBとして第1基準横加速度GyB1を選択するのか、第2基準横加速度GyB2を選択するのかを、運転者の操作に委ねてもよい。
・旋回時目標横加速度GyTThの設定に際し、路面のμ値を考慮しなくてもよい。
・基準横加速度GyBとして第1基準横加速度GyB1を選択するのか、第2基準横加速度GyB2を選択するのかを、運転者の操作に委ねてもよい。
・旋回時目標横加速度GyTThを、過去の走行情報を基に設定するようにしてもよい。例えば、車両10がこれから進入するカーブを車両10が走行したことがある場合、当該カーブに沿って車両10が旋回した際における横加速度Gyの推移が取得されている。そこで、当該横加速度Gyの推移を基に横加速度Gyの絶対値の最大値を抽出し、抽出した最大値が大きいほど旋回時目標横加速度GyTThを大きくする。
・上記第2実施形態において、横加速度最大位置PGmaxと曲率最大位置PRmaxとのうち、車両10が先に到達する位置を所定位置とする。そして、旋回中制動処理では、車両10が所定位置に到達したときに制動力BPCが「0」となるように、制動力BPCを減少させるようにしてもよい。
・上記第1実施形態において、旋回中制動処理では、車両10が曲率最大位置PRmaxに到達するまでに制動力BPCを「0」とすることができるのであれば、車両10が曲率最大位置PRmaxに到達するよりも以前に制動力BPCが「0」となるように制動力BPCを減少させるようにしてもよい。
・上記第2実施形態において、旋回中制動処理では、車両10が横加速度最大位置PGmaxに到達するまでに制動力BPCを「0」とすることができるのであれば、車両10が横加速度最大位置PGmaxに到達するよりも以前に制動力BPCが「0」となるように制動力BPCを減少させるようにしてもよい。
・判定カーブ前距離LCThを、所定値で固定化してもよいし、何らかのパラメータを基に可変させるようにしてもよい。例えば、車体速度VSが高い場合ほど、判定カーブ前距離LCThを長くするようにしてもよい。また、路面のμ値が低い場合ほど、判定カーブ前距離LCThを長くするようにしてもよい。
・車両制動時にあっては、車両10の制動力BPCのうち、前輪制動力BPFL,BPFRが占める割合が多いほど、前輪接地荷重が大きくなりやすい。そこで、旋回時制動処理では、運転者の制動操作によって各車輪FL,FR,RL,RRに制動力を付与する場合よりも、車両10の制動力BPCのうち、前輪制動力BPFL,BPFRが占める割合が多くなるように制動アクチュエータ25を作動させるようにしてもよい。
次に、上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記走行情報を基に前記車両が前記カーブに進入したか否かを判定する進入判定部を備え、
前記旋回中処理部は、前記車両が前記カーブに進入したとの判定がなされたときに前記旋回中制動処理を開始する。
(イ)前記走行情報を基に前記車両が前記カーブに進入したか否かを判定する進入判定部を備え、
前記旋回中処理部は、前記車両が前記カーブに進入したとの判定がなされたときに前記旋回中制動処理を開始する。
(ロ)運転者の操舵に関する情報を基に前記車両が前記カーブに進入したか否かを判定する進入判定部を備え、
前記旋回中処理部は、前記車両が前記カーブに進入したとの判定がなされたときに前記旋回中制動処理を開始する。
前記旋回中処理部は、前記車両が前記カーブに進入したとの判定がなされたときに前記旋回中制動処理を開始する。
10…車両、60…制動制御装置、61…カーブ情報取得部、62…目標横加速度設定部、63…旋回前処理部、64…進入判定部、65,65A…旋回中処理部、66…走行情報取得部、FL,FR…前輪、RL,RR…後輪。
Claims (6)
- 車両がカーブに沿って旋回する際における車両の横加速度の目標である旋回時目標横加速度を設定する目標横加速度設定部と、
前記車両の前輪から路面に対して垂直方向に入力される荷重を前輪接地荷重とした場合、前記車両が前記カーブの手前に位置するときに、前記旋回時目標横加速度が大きいほど前記前輪接地荷重が大きくなるように前記車両の制動力を増大させる旋回前制動処理を実行する旋回前処理部と、
前記旋回前制動処理の実行によって制動力が付与された前記車両が前記カーブに沿って旋回するときに、当該車両の制動力を「0」まで減少させる旋回中制動処理を実行する旋回中処理部と、を備える
車両の制動制御装置。 - 前記車両が進入するカーブに関する情報であるカーブ情報を取得するカーブ情報取得部を備え、
前記旋回中処理部は、前記旋回中制動処理では、前記カーブ情報に基づいて前記カーブのうち、曲率が最大となる位置を曲率最大位置として取得し、前記車両が前記曲率最大位置に到達するまでに当該車両の制動力を「0」まで減少させる
請求項1に記載の車両の制動制御装置。 - 前記カーブに沿って前記車両が旋回する際における当該車両の走行情報を取得する走行情報取得部を備え、
前記旋回中処理部は、前記旋回中制動処理では、前記走行情報を基に、当該カーブを前記車両が過去に走行した際に横加速度の絶対値が最大となった位置を横加速度最大位置として取得し、前記車両が前記横加速度最大位置に到達するまでに当該車両の制動力を「0」まで減少させる
請求項1に記載の車両の制動制御装置。 - 前記目標横加速度設定部は、前記車両の走行する路面のμ値が低いほど前記旋回時目標横加速度が小さくなるように、当該旋回時目標横加速度を設定する
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。 - 前記旋回中処理部は、前記旋回中制動処理では、前記車両の制動力を減少させつつ、当該車両の右輪と左輪との制動力差を調整する
請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。 - 前記旋回前処理部は、前記旋回前制動処理では、前記旋回時目標横加速度から定まる前記車両の制動力の目標値よりも制動操作に基づく前記車両の制動力の要求値が大きい場合、
目標車両制動力を、前記旋回時目標横加速度から定まる前記車両の制動力の目標値よりも大きくし、当該目標車両制動力まで前記車両の制動力を増大させる
請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2019117162A JP2021003913A (ja) | 2019-06-25 | 2019-06-25 | 車両の制動制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024122244A1 (ja) * | 2022-12-06 | 2024-06-13 | 本田技研工業株式会社 | 運転支援装置 |
-
2019
- 2019-06-25 JP JP2019117162A patent/JP2021003913A/ja active Pending
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