JP2021003859A - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形加工性が改善された多層フィルムとこれを用いた包装体の提供。【解決手段】第1の樹脂を含む第1フィルム層111と、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2フィルム層112と、を積層したバリア層11を備え、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂のいずれか一方又は両方がエラストマーである、多層フィルム1、及び前記多層フィルム1を備える、包装体。前記バリア層11において、前記第1フィルム層111と、前記第2フィルム層112と、は交互に繰り返し積層されていることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、多層フィルム及び包装体に関する。
食品や医薬品等は、販売の際に、包装袋や包装容器等の包装体によって包装されるのが一般的である。このような包装体には、内容物の保護等のため、様々な性能が要求されている。そのため、一部の包装体では、複合化(多層化)された多層フィルムが用いられている。
包装体に用いられる多層フィルムは、包装体に内容物の保護等の機能を付与するために、耐衝撃性やガスバリア性が要求される。例えば、特許文献1には、耐衝撃性やガスバリア性を向上させる手段として、高分子材料で構成される多層フィルムを延伸することで、多層フィルム中の結晶を配向させる方法が開示されている。
特開2007−283569号公報
しかしながら、特許文献1に開示された多層フィルムには、結晶性のフィルムが含まれるため、ガスバリア性には優れるが、フィルム全体の成形加工性に劣るといった問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、成形加工性が改善された多層フィルムと、これを用いた包装体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1] 第1の樹脂を含む第1フィルム層と、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2フィルム層と、を積層したバリア層を備え、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂のいずれか一方又は両方がエラストマーである、多層フィルム。
[2] 前記バリア層が、前記第1フィルム層と、前記第2フィルム層と、が交互に繰り返し積層されている、[1]に記載の多層フィルム。
[3] 前記第1フィルム層の1層の合計の厚さが10〜500μmである、[1]又は[2]に記載の多層フィルム。
[4] 前記第2フィルム層の1層の合計の厚さが10〜500μmである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[5] 前記バリア層中の前記第1フィルム層の積層数が、3〜5000の範囲である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[6] 前記第1の樹脂が結晶性樹脂であり、前記第2の樹脂がエラストマーである、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[7] 前記第1の樹脂が環状オレフィン系樹脂であり、前記第2の樹脂がエラストマーである、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[8] 前記第2の樹脂がスチレン系エラストマーである、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[9] 前記多層フィルムが、更に、前記バリア層を挟む一対の外層を備える、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の多層フィルムを備える、包装体。
本発明の多層フィルムは、第1の樹脂を含む第1フィルム層と、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2フィルム層と、を積層したバリア層を備え、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂のいずれか一方又は両方がエラストマーであるため、フィルム全体として、成形加工性に優れる。
また、本発明の多層フィルムは成形加工性に優れるため、本発明の包装体は、連続的な安定生産が可能であり、深絞り成形にも対応しやすい。
本発明の多層フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の包装体の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図2に示す包装体のI−I線における断面図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である多層フィルムおよびこれを用いた包装体について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<<多層フィルム>>
先ず、本実施形態の多層フィルムの特性について説明する。
本実施形態の多層フィルムは、第1の樹脂を含む第1フィルム層と、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2フィルム層と、を積層したバリア層を備え、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂のいずれか一方又は両方がエラストマーである、多層フィルムである。本実施形態の多層フィルムは、成形加工性に優れている。
続いて、本実施形態の多層フィルムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の多層フィルムの断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の多層フィルム1は、バリア層11を備えており、さらに、前記バリア層11を挟む一対の外層12を備えていてもよい。多層フィルム1は、バリア層11を備えていることにより、フィルム全体として、成形加工性が向上している。
<バリア層>
本実施形態の多層フィルム1において、バリア層11は、第1の樹脂を含む第1フィルム層111と、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2フィルム層112と、が積層した構成をとる。異なる樹脂を含むフィルム層を積層することにより、バリア層の成形加工性を向上させることができる。
バリア層11は、図1に示すように、前記第1フィルム層111と、前記第2フィルム層112とが、交互に繰り返して積層されていることが好ましい。異なる樹脂を含むフィルム層を交互に繰り返して積層することにより、バリア層の成形加工性をより向上させることができる。
また、製造の際に延伸工程を伴わないで結晶を配向する場合、よりガスバリア性に優れる。
<第1フィルム層>
第1フィルム層111は、後述する第2フィルム層112に積層されており、前記第2フィルム層112と交互に積層されていることが好ましい。第1フィルム層111が、前記第2フィルム層112に積層されていることにより、多層フィルム1に優れたガスバリア性及び成形加工性を付与する。第1フィルム層111は、第1の樹脂を含む。
第1フィルム層111は、第1の樹脂のみを含んでいてもよい(すなわち、第1の樹脂からなるものでもよい)し、第1の樹脂と、第1の樹脂以外の成分を含んでいてもよい(すなわち、第1の樹脂と、第1の樹脂以外の成分と、からなるものでもよい)。
第1フィルム層111中の第1の樹脂の含有量は、第1フィルム層111の総質量に対して、40〜100質量%の範囲であることが好ましく、50〜100質量%の範囲であることがより好ましく、60〜100質量%の範囲であることがより一層好ましい。第1フィルム層111における第1の樹脂の前記含有量が40〜100質量%の範囲であることにより、高いバリア性発現に寄与することができる。
本実施形態の多層フィルム1は、第1の樹脂と後述する第2の樹脂のいずれか一方又は両方がエラストマーである。すなわち、後述する第2の樹脂がエラストマーではないときは、第1の樹脂はエラストマーであり、第2の樹脂がエラストマーであるときは、第1の樹脂はエラストマーであっても、エラストマーでなくてもよい。第1の樹脂と後述する第2の樹脂のいずれか一方又は両方がエラストマーであることにより、多層フィルムに高い成形加工性を付与する。また、同時にバリア層の透明性を維持あるいは向上させることもできる。
前記エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、α−オレフィンコポリマー等が挙げられる。これらのうち、スチレン系エラストマーであることが好ましい。エラストマーとして、スチレン系エラストマーを用いることにより、水蒸気バリア性が向上する。
スチレン系エラストマーとしては、具体的には、例えば、具体的には、例えば、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−2−メチルブテン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらのうち、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。
前記エラストマー以外の第1の樹脂としては、結晶性樹脂及び環状オレフィン系樹脂等が挙げられ、結晶性樹脂が好ましい。第1の樹脂が結晶性樹脂であると、低コスト化が可能である。
結晶性樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66のようなポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリ乳酸樹脂;ポリグリコール酸樹脂;ポリカプロラクトン樹脂;上記樹脂を形成するモノマーを含む共重合体樹脂などが挙げられる。第1の樹脂には、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
第1の樹脂は、結晶性樹脂中では、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は他の材料に比べて柔らかいため、例えば、多層フィルム1を成形して、その厚さ方向に突出した錠剤収納部を設けた場合に、錠剤収納部を低荷重で十分押し込むことができ、容易に錠剤を取り出すことができる。また、柔軟性が高い第1フィルム層111を実現するために、フッ素や塩素などのハロゲンを使用しなくてもよいため、環境に優しいという利点がある。
第1の樹脂のポリオレフィン系樹脂の中では、ポリエチレン及びポリプロピレンが好ましく、ポリエチレンの中では高密度ポリエチレン(HDPE)がより一層好ましい。ポリエチレン及びポリプロピレンは、ポリオレフィン系樹脂の中でも汎用樹脂であるため、低コスト化が可能である。また、バリア層11に、より高い耐熱性及び成形性を付与することができる。
環状オレフィン系樹脂としては、例えば種々の環状オレフィンモノマーの単独重合体(COP:Cycloolefin Polymer);環状オレフィンモノマーとエチレンなどの他のモノマーとの共重合体(COC:Cycloolefin Co−Polymer);前記単独重合体又は共重合体の水素添加物などが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂は、他の材料に比べて非晶性であり、柔軟であるため、多層フィルムに高い成形加工性を付与することができる。
具体的に、前記環状オレフィンモノマーとしては、例えばノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂック酸無水物、ナヂック酸イミドなどの二環シクロオレフィン;ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンおよびそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの三環シクロオレフィン;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンおよびそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの四環シクロオレフィン;トリシクロペンタジエンなどの五環シクロオレフィン;ヘキサシクロヘプタデセンなどの六環シクロオレフィンなどが挙げられる。また、ジノルボルネン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖またはエステル基などで結合した化合物、これらのアルキル、アリール置換体などのノルボルネン環を含む化合物が挙げられる。
なお、環状オレフィン系樹脂のモノマーの重合方法および重合機構としては、開環重合であっても、付加重合であっても良い。また、複数種のモノマーを併用する場合、重合様式としては、ランダム共重合およびブロック共重合を問わない。
第1フィルム層111が含む、第1の樹脂は、1種のみでもよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第1フィルム層111が含む、第1の樹脂以外の成分は、樹脂成分であってもよいし、非樹脂成分であってもよいが、樹脂成分である場合、第2の樹脂以外の樹脂であることが好ましい。
第1の樹脂以外の成分のうち、非樹脂成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
第1フィルム層111が含む、第1の樹脂以外の成分は、1種のみでもよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
バリア層11中の第1フィルム層111の積層数は、1以上であればよく、3〜100であってもよいが、3〜5000であることが好ましく、例えば、50〜5000、250〜4500、300〜4000、450〜3500、600〜3000、750〜2500、及び750〜2000のいずれかであってもよい。
第1フィルム層111の層数は、例えば、ミクロトームを用いて多層フィルム1を切断し、この切断によって生じた多層フィルム1の断面を、電子顕微鏡を用いて観察することにより、確認できる。また、後述する多層フィルムの製造方法から、断面を観察することなく、第1フィルム層の層数を算出することも可能である。
第1フィルム層111の合計の厚さは、10〜500μmであることが好ましく、10μm以上400μm未満であることがより好ましく、10〜300μmであることがさらに好ましく、10〜200μmであることが特に好ましい。
なお、ここで「第1フィルム層111の合計の厚さ」とは、バリア層11中に存在するすべての第1フィルム層111の厚さの合計値を意味する。
<第2フィルム層>
第2フィルム層112は、第1の樹脂とは異なる種類の第2の樹脂を含む。
第2フィルム層112は、第2の樹脂のみを含んでいてもよい(すなわち、第2の樹脂からなるものでもよい)し、第2の樹脂と、第2の樹脂以外の成分を含んでいてもよい(すなわち、第2の樹脂と、第2の樹脂以外の成分と、からなるものでもよい)。
第2フィルム層112中の第2の樹脂の含有量は、第2フィルム層112の総質量に対して、60〜100質量%の範囲であることが好ましく、80〜100質量%の範囲であることがより好ましく、90〜100質量%の範囲であることがより一層好ましい。第2フィルム層112における第2の樹脂の前記含有量が60〜100質量%の範囲であることにより、高い成形加工性を付与させることができる。
第2の樹脂は、前記第1の樹脂がエラストマーではないときは、エラストマーである。前記第1の樹脂がエラストマーであるときは、第2の樹脂は、エラストマーであっても、エラストマー以外の樹脂であってもよい。
エラストマー以外の第2の樹脂としては、結晶性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66のようなポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリ乳酸樹脂;ポリグリコール酸樹脂;ポリカプロラクトン樹脂;上記樹脂を形成するモノマーを含む共重合体樹脂などが挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合せて用いることができる。
第2の樹脂が結晶性樹脂である場合は、第2の樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は他の材料に比べて柔らかいため、第2フィルム層112の柔軟性が高くなり、例えば、多層フィルム1を成形して、その厚さ方向に突出した錠剤収納部を設けた場合に、錠剤収納部を低荷重で十分押し込むことができ、容易に錠剤を取り出すことができる。また、柔軟性が高い第2フィルム層112を実現するために、フッ素や塩素などのハロゲンを使用しなくてもよいため、環境に優しいという利点がある。
第2の樹脂はエラストマーであることが好ましい。第2の樹脂がエラストマーであることにより、成形加工性がより向上する。
第2の樹脂がエラストマーである場合は、エラストマーとしては前記したものが挙げられ、スチレン系エラストマーであることが好ましい。これにより、バリア層11により高い成形性を付与することができる。
第2フィルム層112が含む第2の樹脂は、1種のみでもよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第2フィルム層112が含む第2の樹脂以外の成分は、樹脂成分であってもよいし、非樹脂成分であってもよいが、樹脂成分である場合、第1の樹脂以外の樹脂であることが好ましい。
第2の樹脂以外の成分のうち、非樹脂成分としては、第1の樹脂以外の成分としての前記添加剤が挙げられる。
第2フィルム層112が含んでいてもよい、第2の樹脂以外の成分は、1種のみでもよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
バリア層11中の第2フィルム層112の積層数は、1以上であればよく、2〜100であってもよいが、2〜5000であることが好ましく、例えば、50〜5000、250〜4500、300〜4000、450〜3500、600〜3000、750〜2500、及び750〜2000のいずれかであってもよい。
なお、第2フィルム層112の層数は、上述の第1フィルム層111の層数の場合と同じ方法で確認できる。
バリア層11において、第1フィルム層111の層数と、第2フィルム層112の層数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
例えば、バリア層11の層数は、100〜10000であることが好ましい。
第2フィルム層112の合計の厚さは、10〜500μmであることが好ましく、10μm以上500μm未満であることがより好ましく、10〜400μmであることがさらに好ましく、10〜300μmであることが特に好ましく、10〜200μmであることがさらに好ましい。
なお、ここで「第2フィルム層112の1層当りの合計の厚さ」とは、バリア層11中に存在するすべての第2フィルム層112の厚さの合計値を意味する。
多層フィルム1において併用する第1の樹脂と第2の樹脂との組み合わせとしては、結晶性樹脂とエラストマーとの組み合わせ、環状オレフィン系樹脂とエラストマーとの組み合わせが好ましい。結晶性樹脂とエラストマーの組み合わせとしては、例えば、ポリプロピレンとスチレン系エラストマーの組み合わせ、高密度ポリエチレンとスチレン系エラストマーとの組み合わせ等が挙げられる。環状オレフィン系樹脂とエラストマーとの組み合わせとしては、例えば、環状オレフィンモノマーの重合体(COP:Cycloolefin Polymer)とスチレン系エラストマーとの組み合わせ等が挙げられる。
バリア層11の厚さ、換言すると、第1フィルム層111の厚さの合計値と、第2フィルム層112の厚さの合計値との和は、20〜1000μmであることが好ましく、20〜800μmであることがより好ましく、20〜600μmであることがより一層好ましく、20〜400μmであることが特に好ましい。バリア層の厚さが20〜1000μmであることにより、樹脂を構成する結晶が特定方向に配向化し、高いバリア性を発現させることができる。
バリア層11は水蒸気透過性が低いため、多層フィルム1は、その製造時に延伸工程を行わなくても、優れた水蒸気バリア性を示す。これは、第1フィルム層111中では、第1の樹脂が第1フィルム層111の表面に対して平行な方向に配向し、第2フィルム層112中では、第2の樹脂が第2フィルム層112の表面に対して平行な方向に配向していることにより、第1フィルム層111及び第2フィルム層112をそれぞれ水蒸気が透過するためには、第1フィルム層111及び第2フィルム層112中の長い経路を通過する必要が生じるためであると推測される。
<外層>
外層12は、いずれも前記で示した非晶性樹脂または結晶性樹脂を使用してもよい。
外層12は、バリア層11の両面に積層されていてもよい。多層フィルム1においては、これら一対の樹脂層により、バリア層11が保護される。また、外層12は、多層フィルム1に優れた柔軟性を付与する。その結果、フィルム全体として、成形加工性に優れる。
一対の外層12の総厚は、5〜125μmの範囲であることが好ましく、10〜125μmの範囲であることがより好ましく、20〜125μmの範囲であることがより一層好ましい。これにより、多層フィルム1に優れた柔軟性を付与することができる。
多層フィルム1の総厚は、20〜750μmの範囲であることが好ましく、50〜600μmの範囲であることがより好ましく、100〜500μmの範囲であることがさらに好ましく、200〜400μmの範囲であることが特に好ましい。多層フィルム1の総厚が上記上限値以下であることで、包装体の錠剤収納部をより容易に形成することができる。また、多層フィルム1の総厚が上記下限値以上であることで、内容物を保護するためのより高いバリア性を付与することができる。
<他の層>
多層フィルム1は、本発明の効果を損なわない範囲内において、バリア層11及び外層12以外に、他の層を備えていてもよい。前記他の層は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。例えば、他の層として、外層12の両面に更に別の外層を備えていてもよい。
ただし、多層フィルム1は、例えば、図1に示すように、外層12がバリア層11に直接接触して設けられていることが好ましい。
<<多層フィルムの製造方法>>
本発明の多層フィルムは、例えば、以下の方法で製造できる。
すなわち、まず、最終的に第1フィルム層111と第2フィルム層112との積層構造を構成するための、複数層構造の第1積層フィルムを作製する。前記第1積層フィルムは、より具体的には、最終的に第1フィルム層111となる第1の樹脂含有層と、最終的に第2フィルム層112となる第2の樹脂含有層と、が交互に繰り返して積層された構成を有する。前記第1積層フィルムとしては、例えば、最外層の2層がいずれも第1の樹脂含有層であり、第2の樹脂含有層の層数が第1の樹脂含有層の層数よりも1だけ少ない複数層構造のものや、これとは逆に、最外層の2層がいずれも第2の樹脂含有層であり、第1の樹脂含有層の層数が第2の樹脂含有層の層数よりも1だけ少ない複数層構造のもの等が挙げられる。ただし、第1積層フィルムは、これらに限定されない。
次いで、この第1積層フィルムを、その表面に対して垂直な方向に切断した後、得られた2枚の第1積層フィルム同士を、さらにこれらの厚さ方向において積層して第2積層フィルムを作製する。
次いで、この第2積層フィルムを、その表面に対して平行な方向において引き伸ばして拡張した後、第1積層フィルムの場合と同じ方法で、この拡張後の第2積層フィルムを切断、積層して第3積層フィルムを作製する。
以降、このような積層フィルムの拡張、切断及び積層を繰り返し行うことで、バリア層11を作製する。例えば、前記第1積層フィルムとして、最外層の2層がいずれも第1の樹脂含有層であるものを用いた場合には、第1積層フィルム同士を積層して第2積層フィルムを作製したときに、重ね合わされた最外層の2層の第1の樹脂含有層は、第2積層フィルムにおいては見かけ上、1層の第1の樹脂含有層を形成する。これは、第2積層フィルム以降の積層フィルム及びバリア層11の作製時も同様である。ただし、ここに示すバリア層11は、本発明の多層フィルム1における一例に過ぎない。
前記第1積層フィルムは、例えば、数台の押出機を用いて、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、作製できる。
上述の製造方法における、これ以降の第1積層フィルムからの、目的とするバリア層の作製までは、マルチプライヤーを用いて行うことができる。
次に、例えば、第1の樹脂等の、外層12の構成成分を溶融し、上記とは異なる数台の押出機により、溶融状態の樹脂を別のフィードブロックに溶融押出し、フィルムを形成する。形成したフィルムを外層12として用いる。
次に、上述したバリア層11の両面に外層12を積層させる。
次に冷却ロールにより積層フィルムを冷却固化することで、多層フィルム1を作製する。
本実施形態により作製した多層フィルム1は、フィルムを延伸していないため、成形加工性に優れる。
<<包装体>>
本発明の包装体は、上述の本発明の多層フィルムを備えたものである。
本発明の包装体は、優れた成形加工性を有する本発明の多層フィルムを用いているため、容易に製造することができる。
また、この多層フィルムは、上述のとおりに容易に成形が可能であり、本発明の包装体は、このような多層フィルムを用いているため、連続的な安定生産が可能であり、深絞り成形にも対応しやすく、種々の用途の包装体を製造することができる。
本発明の包装体は、各種用途で用いるのに好適であり、例えば、食品や医薬品等を包装するための包装袋又は包装容器として好適である。
図2は、本発明の包装体の一実施形態を模式的に示す斜視図であり、図3は、図2に示す包装体のI−I線における断面図である。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す包装体10は、成形フィルム2と、カバーフィルム101と、を備えて構成されている。そして、成形フィルム2には、包装体10の収納部10aを構成する突出部2cが形成されている。成形フィルム2は、上述の多層フィルム(例えば、図1に示す多層フィルム1)の成形体である。
包装体10は、ブリスターパックとしてのPTPフィルム(包装容器)であり、収納部10aには、錠剤102を密封収納できる。
成形フィルム2の一方の表面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)2bは、カバーフィルム101の一方の表面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)101aに接着されている。ただし、成形フィルム2は、一部の領域において、その他方の表面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)2a側に突出しており、この突出部2cにおける第2面2bは、カバーフィルム101の第1面101aには接着されておらず、成形フィルム2の前記第2面2bと、カバーフィルム101の第1面101aと、によって、収納部10aが形成されている。
カバーフィルム101の材質としては、例えば、アルミニウム等が挙げられる。
成形フィルム2及びカバーフィルム101には、スリット10bが形成されている。スリット10bは任意の構成であり、必ずしも形成されていなくてもよいが、スリット10bが形成されていることで、錠剤102の収納部10aへの特定収容数ごとに、包装体10を容易に分割できるため、包装体10の利便性が向上する。
ここでは、包装体10として、収納部10aの外形が円錐台状であるものを示しているが、収納部10aの外形は、これに限定されず、収納対象物である錠剤102の形状に応じて、任意に選択できる。例えば、収納部10aの外形は、包装体10を成形フィルム2側から見下ろすようにして平面視したときに、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形状であってもよいし、長円形状等であってもよい。
また、ここでは、包装体10として、収納部10aを8個備えているものを示しているが、収納部10aの数はこれに限定されず、1個でもよいし、2個以上(ただし、8個である場合を除く)であってもよい。
<<包装体の製造方法>>
本発明の包装体は、前記多層フィルムを用い、目的とする収納部を形成するように、多層フィルム同士、又は多層フィルムと他のフィルム等とを貼り合わせることにより、製造できる。
例えば、図2及び3に示す包装体10は、公知のPTP包装機を用いて、製造できる。より具体的には、まず、真空成形、圧空成形又はプラグ成形等により、多層フィルム1に突出部を形成して、成形フィルム2を作製する。
次いで、成形フィルム2の突出部2cに、保存対象物である錠剤102を充填した後、カバーフィルム101を多層フィルム1と重ね合せて、成形フィルム2とカバーフィルム101とを接着する。
次いで、必要に応じて、成形フィルム2及びカバーフィルム101に、ミシン刃又はハーフカット刃等を用いて、スリット10bを形成する。
以上により、包装体10が得られる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<多層フィルムの製造>
[実施例1]
第1の樹脂として高密度ポリエチレン(旭化成社製「A260」、HDPEと称することがある)を、第2の樹脂としてスチレン系エラストマー(旭化成社製「タフテック(登録商標)H1221」、SEBSと称することがある)を、それぞれ用意した。そして、押出機(株式会社サン・エヌ・ティー社製、「SNT40−28型番」)を用いて、第1の樹脂及び第2の樹脂をそれぞれ250℃の溶融状態とし、フィードブロックを用いて、最終的に未延伸の第1フィルム層となる高密度ポリエチレン層と、最終的に未延伸の第2フィルム層となるスチレン系エラストマー層と、が交互に繰り返して積層された構成を有し、最外層の2層がいずれも高密度ポリエチレン層であり、3層の前記高密度ポリエチレン層と2層の前記スチレン系エラストマー層とからなる、5層の溶融積層体(上述の第1積層フィルム)を作製した。
次いで、マルチプライヤーを用いて、得られた5層の溶融積層体を2枚に切断し、切断後のこれら2枚の溶融積層体をさらに積層して、9層の溶融積層体(上述の第2積層フィルム)を作製した。
次いで、得られた9層の溶融積層体を、その表面に対して平行な方向において引き伸ばして拡張した後、5層の溶融積層体(第1積層フィルム)の場合と同じ方法で、この拡張後の9層の溶融積層体を切断、積層して、17層の溶融積層体(上述の第3積層フィルム)を作製した。
以降、同様の手順により、溶融積層体の拡張、切断及び積層を繰り返し行って、未延伸の第1フィルム層と未延伸の第2フィルム層とが交互に繰り返して積層された構成を有し、1025層の前記第1フィルム層と1024層の前記第2フィルム層とからなる、2049層のバリア層を作製した。
次に、ポリプロピレン(プライムポリマー社製「E122V」)を溶融し、上記とは異なる数台の押出機により、溶融状態の樹脂を別のフィードブロックに溶融押出し、ポリプロピレンからなるフィルム(外層)を形成した。
次いで、2051層のバリア層の両面に、上記で得られた外層を積層することで、2053層の溶融積層体を作製した。さらに、ダイを用いて、この溶融積層体を共押出することにより、図1に示す構造の実施例1の多層フィルムを作製した。
得られた多層フィルムの厚さは300μmであり、そのうち、1層の外層の厚さは30μmであり、バリア層の厚さは240μmであった。すなわち、第1フィルム層の層数は1025であり、第1フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。また、第2フィルム層の層数は1024であり、第2フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。
[実施例2]
第1の樹脂として、高密度ポリエチレン(旭化成社製「A260」、HDPEと称することがある)の代わりに、環状オレフィン系重合体(日本ゼオン社製「ゼオネックス5000」、COPと称することがある)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の多層フィルムを作製した。
得られた多層フィルムの厚さは300μmであり、そのうち、1層の外層の厚さは30μmであり、バリア層の厚さは240μmであった。すなわち、第1フィルム層の層数は1025であり、第1フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。また、第2フィルム層の層数は1024であり、第2フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。
[実施例3]
第2の樹脂としてスチレン系エラストマー(旭化成社製「タフテック(登録商標)H1221」、SEBSと称することがある)の代わりに、スチレン系エラストマー(カネカ社製「SIBSTAR(登録商標)062T−FD」、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、SIBSと称することがある)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の多層フィルムを作製した。
得られた多層フィルムの厚さは300μmであり、そのうち、1層の外層の厚さは30μmであり、バリア層の厚さは240μmであった。すなわち、第1フィルム層の層数は1025であり、第1フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。また、第2フィルム層の層数は1024であり、第2フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。
[実施例4]
第1の樹脂として、高密度ポリエチレン(旭化成社製「A260」、HDPEと称することがある)の代わりに、環状オレフィン系重合体(日本ゼオン社製「ゼオネックス5000」、COPと称することがある)を用い、第2の樹脂としてスチレン系エラストマー(旭化成社製「タフテック(登録商標)H1221」)の代わりに、スチレン系エラストマー(カネカ社製「SIBSTAR 062T−FD」、SIBSと称することがある)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の多層フィルムを作製した。
[実施例5]
第1の樹脂として、高密度ポリエチレン(旭化成社製「A260」、HDPEと称することがある)の代わりに、ポリプロピレン(プライムポリマー社製「E122V」、PPと称することがある)を用い、第2の樹脂としてスチレン系エラストマー(旭化成社製「タフテック(登録商標)H1221」、SEBSと称することがある)の代わりに、スチレン系エラストマー(カネカ社製「SIBSTAR(登録商標)062T−FD」、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、SIBSと称することがある)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の多層フィルムを作製した。
得られた多層フィルムの厚さは300μmであり、そのうち、1層の外層の厚さは30μmであり、バリア層の厚さは240μmであった。すなわち、第1フィルム層の層数は1025であり、第1フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。また、第2フィルム層の層数は1024であり、第2フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。
[実施例6]
第1の樹脂として高密度ポリエチレン(旭化成社製「A260」、HDPEと称することがある)を、第2の樹脂としてスチレン系エラストマー(カネカ社製「SIBSTAR(登録商標)062T−FD」、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、SIBSと称することがある)を、それぞれ用意した。そして、押出機(株式会社サン・エヌ・ティー社製、「SNT40−28型番」)を用いて、第1の樹脂及び第2の樹脂をそれぞれ250℃の溶融状態とし、フィードブロックを用いて、最終的に未延伸の第1フィルム層となる高密度ポリエチレン層と、最終的に未延伸の第2フィルム層となるスチレン系エラストマー層と、が交互に繰り返して積層された構成を有し、最外層の2層がいずれも高密度ポリエチレン層であり、2層の前記高密度ポリエチレン層と1層の前記スチレン系エラストマー層とからなる、3層のバリア層を作製した。
次に、第3の樹脂ポリプロピレン(プライムポリマー社製「E122V」)を溶融し、上記とは異なる数台の押出機により、溶融状態の樹脂を別のフィードブロックに溶融押出し、ポリプロピレンを含むフィルム(外層)を形成した。
次いで、3層のバリア層の両面に、上記で得られた外層を積層することで、5層の溶融積層体を作製した。さらに、ダイを用いて、この溶融積層体を共押出することにより、図1に示す構造の実施例6の多層フィルムを作製した。
得られた多層フィルムの厚さは300μmであり、そのうち、1層の外層の厚さは30μmであり、バリア層の厚さは240μmであった。すなわち、第1フィルム層の層数は2であり、第1フィルム層の1層当りの平均厚さは72μmであった。また、第2フィルム層の層数は1であり、第2フィルム層の1層当りの平均厚さは96μmであった。
[比較例1]
第2の樹脂として、スチレン系エラストマー(旭化成社製「タフテック(登録商標)H1221」、SEBSと称することがある)の代わりに、ポリプロピレン(プライムポリマー社製「E122V」、PPと称することがある)を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1の多層フィルムを作製した。
得られた多層フィルムの厚さは300μmであり、そのうち、1層の外層の厚さは30μmであり、バリア層の厚さは240μmであった。すなわち、第1フィルム層の層数は1025であり、第1フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。また、第2フィルム層の層数は1024であり、第2フィルム層の1層当りの平均厚さは0.12μmであった。
[比較例2]
第2の樹脂として、スチレン系エラストマー(カネカ社製「SIBSTAR(登録商標)062T−FD」、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、SIBSと称することがある)の代わりに、ポリプロピレン(プライムポリマー社製「E122V」、PPと称することがある)を用いる以外は、実施例6と同様にして、比較例2の多層フィルムを作製した。
得られた多層フィルムの厚さは300μmであり、そのうち、1層の外層の厚さは30μmであり、バリア層の厚さは240μmであった。すなわち、第1フィルム層の層数は2であり、第1フィルム層の1層当りの平均厚さは72μmであった。また、第2フィルム層の層数は1であり、第2フィルム層の1層当りの平均厚さは96μmであった。
<多層フィルムの評価>
上記で得られた多層フィルムについて、下記項目の評価を下記方法で行った。結果を表1に示す。
(シート透湿度)
各実施例および比較例で作製した多層フィルムの水蒸気透過量を測定することにより、シート透湿度を評価した。水蒸気透過量は、MOCON製のPERMATRAN−W(登録商標)3/33を用いて、JIS K7129(B法)に記載の方法に準拠して測定した(吸湿条件:40℃/90%RH)。
(成形温度幅)
各実施例および各比較例で作製した多層フィルムを備えた試験用シートを作製した。具体的には、先ず、幅103mmのロール状の多層フィルムを作製した。前記多層フィルムに、ブリスタ包装機(CKD社製、「FBP−300E」)を用いて、厚さ方向に突出した、1列あたり5個の錠剤収納部を2列形成した。そして、前記多層フィルムを、平面形状が37mm×94mmの大きさの長方形に打ち抜いて、試験用シートを作製した。前記錠剤収納部は、内径10.0mm、深さ4.0mmの凹部であった。
このフィルムのポケット厚さ(最薄層)が60μm以上であること、ポケットに白化(ポケット側部が無理に伸ばされて、部分的に白くなる現象)がないこと、ポケットの深さが3.7mm〜4.3mmであること、を成形可否の判断基準とした。これらを満たす、互いに異なる前記成形温度の差を成形温度幅とした。結果を表1に示す。
Figure 2021003859
第2の樹脂にエラストマーを用いた実施例1〜6の多層フィルムは、成形温度幅が10℃以上であり、良好な成形加工性を示した。それに対し、第1の樹脂及び第2の樹脂のいずれにもエラストマーを用いない比較例1及び2の多層フィルムは、成形温度幅が10℃未満であり、成形加工性において劣っていた。
本発明は、食品や医薬品等の保存時に用いる包装体に利用可能である。
1・・・多層フィルム
2・・・成形フィルム
2a・・・成形フィルムの第1面
2b・・・成形フィルムの第2面
2c・・・成形フィルムの突出部
11・・・バリア層
111・・・第1フィルム層
112・・・第2フィルム層
12・・・外層
10・・・包装体
10a・・・包装体の収納部
10b・・・包装体のスリット
101・・・カバーフィルム
101a・・・カバーフィルムの第1面
102・・・錠剤

Claims (10)

  1. 第1の樹脂を含む第1フィルム層と、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2フィルム層と、を積層したバリア層を備え、
    前記第1の樹脂と前記第2の樹脂のいずれか一方又は両方がエラストマーである、
    多層フィルム。
  2. 前記バリア層において、前記第1フィルム層と、前記第2フィルム層と、が交互に繰り返し積層されている、請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記第1フィルム層の合計の厚さが10〜500μmである、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
  4. 前記第2フィルム層の合計の厚さが10〜500μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  5. 前記バリア層中の前記第1フィルム層の積層数が、3〜5000の範囲である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  6. 前記第1の樹脂が結晶性樹脂であり、前記第2の樹脂がエラストマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  7. 前記第1の樹脂が環状オレフィン系樹脂であり、前記第2の樹脂がエラストマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  8. 前記第2の樹脂がスチレン系エラストマーである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  9. 前記多層フィルムが、更に、前記バリア層を挟む一対の外層を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の多層フィルムを備える、包装体。
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