JP2021003070A - 圃場作業機、作土深情報算出システム、作土深情報算出プログラム、及び、記憶媒体 - Google Patents

圃場作業機、作土深情報算出システム、作土深情報算出プログラム、及び、記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】圃場の作土深に基づいて作土深に関する情報収集が可能な圃場作業機及びシステムの提供。【解決手段】耕盤G1の上を作土が覆う圃場を走行可能な走行装置に支持された走行機体に設けられるとともに、作土の表面G2に対する走行機体の対地高さを検出可能な超音波センサ35と、超音波センサ35によって検出された検出対地高さH1と、走行装置に対する走行機体の高さ位置と、に基づいて作土の表面G2と耕盤G1とに亘る深さに関する情報である作土深情報Kを算出可能な作土深情報算出部60と、が備えられている。【選択図】図5

Description

本発明は、耕盤の上を作土が覆う圃場を走行可能な圃場作業機と、耕盤の上を作土が覆う圃場の作土深に関する情報を算出するシステムと、当該システムに関する機能をコンピュータに実行させるプログラムと、当該プログラムが記憶されてコンピュータで読み取り可能な記憶媒体と、に関する。
例えば特許文献1に開示された田植機に、符号(820)で示された圃場深度測定装置が備えられている。圃場深度測定装置は、超音波センサ等を利用することによって、圃場の作土深(文献では「深度」)を測定可能に構成されている。
特願2019−041590号公報
ところで圃場の作土深の度合いは、農作物の収量や品質に影響を及ぼすため、作土深から得られる情報が活用されれば、農作物の収量管理や品質管理の精度向上が可能となる。このため、本発明の目的は、圃場の作土深に基づいて作土深に関する情報収集が可能な圃場作業機を提供することにある。また、本発明の目的は、圃場の作土深に基づいて作土深に関する情報収集が可能なシステムを提供することにある。
本発明による圃場作業機は、耕盤の上を作土が覆う圃場を走行可能な走行装置と、前記走行装置に支持された走行機体と、前記走行機体に設けられるとともに、前記作土の表面に対する前記走行機体の対地高さを検出可能な超音波センサと、前記超音波センサによって検出された検出対地高さと、前記走行装置に対する前記走行機体の高さ位置と、に基づいて前記作土の表面と前記耕盤とに亘る深さに関する情報である作土深情報を算出可能な作土深情報算出部と、が備えられていることを特徴とする。
本発明によると、超音波センサによって、作土の表面に対する走行機体の対地高さが検出される。この超音波センサによって検出された対地高さに基づいて、作土深情報が作土深情報算出部によって算出されるため、作土深に関する情報収集が可能となる。これにより、農作物の収量管理や品質管理の精度向上が可能となる。即ち、本発明によって、圃場の作土深に基づいて作土深に関する情報収集が可能な圃場作業機が実現される。
また、本発明に係る圃場作業機の技術的特徴は、作土深情報算出システムや作土深情報算出プログラムにも適用可能である。そのため、本発明は、そのようなシステムやプログラムも権利の対象とすることができる。更に、作土深情報算出プログラムが記憶された光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体も権利の対象とすることができる。
その場合における作土深情報算出システムは、耕盤の上を作土が覆う圃場を走行可能な走行装置に支持された走行機体に設けられるとともに、前記作土の表面に対する前記走行機体の対地高さを検出可能な超音波センサと、前記超音波センサによって検出された検出対地高さと、前記走行装置に対する前記走行機体の高さ位置と、に基づいて前記作土の表面と前記耕盤とに亘る深さに関する情報である作土深情報を算出可能な作土深情報算出部と、が備えられていることを特徴とする。
また、その場合における作土深情報算出プログラムは、耕盤の上を作土が覆う圃場を走行可能な走行装置に支持された走行機体の前記作土の表面に対する対地高さを検出可能な対地高さ検出機能と、前記対地高さ検出機能によって検出された検出対地高さと、前記走行装置に対する前記走行機体の高さ位置と、に基づいて前記作土の表面と前記耕盤とに亘る深さに関する情報である作土深情報を算出可能な作土深情報算出機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明に係る圃場作業機において、前記超音波センサに、超音波の発信と受信とが可能なセンサ本体と、前記センサ本体を平面視で外周側から覆うとともに前記センサ本体よりも機体下側に延出する筒体と、前記センサ本体を平面視で外側から覆う前記筒体の内周壁に取り付けられた吸音材と、が備えられていると好適である。
超音波センサから発信される超音波が拡散すると、超音波の反射対象が多くなりがちであり、対地高さの検出にノイズが入り易くなる。本構成によると、筒体がセンサ本体を平面視で外周側から覆うとともにセンサ本体よりも機体下側に延出するため、超音波の発信方向が下側に限定されて超音波が拡散し難くなる。つまり、本構成によって、センサ本体から発信される超音波の指向性が、筒体によって高められ、超音波が作土の表面に向けて好適に発信される。また、筒体の内周壁に吸音材が取り付けられることによって、筒体の筒内空間における超音波の共鳴が抑制されて対地高さの検出が精度よく行われる。
本発明に係る圃場作業機において、前記超音波センサは、側面視において前記走行装置よりも前側に備えられ、かつ、前記走行機体の左右側部に設けられるとともに搭乗者が乗降可能な乗降ステップよりも機体左右中央側または機体左右外側に設けられ、前記超音波センサと前記走行装置との間に、前記超音波センサに対する泥除けのガード部材が設けられていると好適である。
耕盤の上を作土が覆う圃場を走行機体が走行すると、作土が走行装置によって跳ね上げられる場合が多い。作土は泥状になっている場合が多く、泥状の作土が超音波センサに付着すると、超音波センサによる対地高さの検出が好適に行われなくなる虞がある。本構成であれば、超音波センサが走行装置よりも前側に備えられるため、超音波センサと走行装置との離間距離を出来るだけ離間させることが可能となる。これにより、作土が走行装置によって跳ね上げられた場合であっても、作土が超音波センサに付着する虞が軽減される。
また、超音波センサは乗降ステップよりも機体左右中央側または機体左右外側に設けられる構成によって、超音波センサが乗降ステップの真下に位置しない。このため、乗降ステップにおいて搭乗者の足元から落ちる泥等が、超音波センサに付着する虞が軽減される。
更に、超音波センサと走行装置との間に泥除けのガード部材が設けられている構成によって、走行装置から泥状の作土が跳ね上げられる場合であって、作土はガード部材に受け止められる。これにより、超音波センサに作土が付着する虞が一層軽減される。
本発明に係る作土深情報算出システムにおいて、複数の前記超音波センサが前記走行機体に設けられ、前記作土深情報算出部は、前記複数の超音波センサによって検出された夫々の前記検出対地高さから平均値を算出して前記作土深情報を算出するように構成されていると好適である。
本構成であれば、複数の超音波センサによって夫々の対地高さが検出され、夫々の対地高さの平均値が算出されるため、超音波センサが一つだけの場合と比較して対地高さの検出精度が向上する。これにより、作土深情報算出部による作土深情報の算出精度が一層向上する。
本発明に係る作土深情報算出システムにおいて、前記複数の超音波センサのうち、少なくとも一つの前記超音波センサで検出された前記検出対地高さが、他の前記超音波センサで検出された前記検出対地高さと比較して予め設定された閾値よりも大きく乖離している場合、前記作土深情報算出部は、前記少なくとも一つの超音波センサで検出された前記検出対地高さを前記平均値の算出に用いないように構成されていると好適である。
例えば超音波センサに作土が付着すると、対地高さが好適に検出されずに、対地高さの検出値が異常値になる虞がある。このように異常値となっている対地高さの検出値は、他の正常な超音波センサによる対地高さの検出値から大きく乖離している場合が多い。本構成であれば、対地高さの検出値が異常値であることが閾値に基づいて判定可能であり、当該異常値が平均値の算出に用いられない。これにより、超音波センサによる対地高さの検出の信頼性が向上する。
本発明に係る作土深情報算出システムにおいて、前記走行機体に設けられるとともに前記走行機体の傾きを検出可能な慣性航法モジュールが備えられ、前記作土深情報算出部は、前記慣性航法モジュールによって検出された前記走行機体の傾きに基づいて前記検出対地高さを補正可能に構成されていると好適である。
走行機体が振動等によって傾くと、超音波センサによる超音波の発信方向も鉛直方向に対してピッチ方向やロール方向に変化する。この場合、超音波センサによって検出される対地高さは、鉛直方向において検出される対地高さに対して傾いた角度だけ余分に高く検出される。このため、超音波センサによって検出される対地高さは、出来るだけ鉛直方向に沿う方向であることが望ましい。本構成であれば、超音波センサによって検出された対地高さが、慣性航法モジュールによって検出された傾きに応じて補正される。つまり、走行機体が傾いている場合であっても、超音波センサによって検出された対地高さが、作土深情報算出部によって、鉛直成分のみを有する対地高さに補正される。これにより、超音波センサによる対地高さの検出精度が一層向上し、作土深情報算出部による作土深情報の算出精度が一層向上する。
本発明に係る作土深情報算出システムにおいて、前記走行機体に積載された農用資材の重量を検出可能な重量センサが備えられ、前記作土深情報算出部は、前記重量センサによって検出された前記農用資材の重量に基づいて前記検出対地高さを補正可能に構成されていると好適である。
圃場への農用資材の供給に伴って、走行機体に積載された農用資材の重量は変化する。圃場作業機の機体全体の重量が変化すると、作土層に対する走行装置の沈み込み度合いも変化する。このため、機体全体の重量の変化は、超音波センサによる対地高さの検出にも影響を及ぼす。本構成であれば、超音波センサによって検出された対地高さが、重量センサによって検出された農用資材の重量に応じて補正されるため、超音波センサによる対地高さの検出精度が一層向上する。これにより、作土深情報算出部による作土深情報の算出精度が一層向上する。
本発明に係る作土深情報算出システムにおいて、前記走行装置の速度を検出可能な速度センサが備えられ、前記作土深情報算出部は、前記速度センサによって検出された前記走行装置の速度に基づいて前記検出対地高さを補正可能に構成されていると好適である。
走行機体の速度が高速側に変化すると、走行機体の前部が走行機体の後部よりも高く位置する場合も考えられる。このような場合には走行機体が全体的に前上がりに傾斜しがちとなる。また、走行機体の速度が高速側に変化すると、作土層に対する走行装置全体の沈み込み度合いも浅めになる場合も考えられる。つまり、走行機体の速度は、超音波センサによる対地高さの検出に影響を及ぼす。本構成であれば、超音波センサによって検出された対地高さが、速度センサによって検出された走行機体の速度に応じて補正されるため、超音波センサによる対地高さの検出精度が一層向上する。これにより、作土深情報算出部による作土深情報の算出精度が一層向上する。
本発明に係る作土深情報算出システムにおいて、水が張られる前の前記圃場における前記作土の表面の高さ位置と、水が張られた後の前記圃場における水面の高さ位置と、の夫々を検出可能な高さ位置検出部と、前記高さ位置検出部によって検出された夫々の前記高さ位置の差分に基づいて、水が張られた後の前記圃場における水深を算出可能な水深算出部と、が備えられ、前記作土深情報算出部は、前記水深算出部によって算出された前記水深に基づいて前記検出対地高さを補正可能に構成されていると好適である。
圃場に水が張られている場合、作土の表面よりも上側の水面が超音波の反射対象となってしまう。このため、超音波センサが作土の表面に超音波を発信しても、水面に対する対地高さが超音波センサによって検出され、超音波センサによる作土の表面に対する対地高さの検出は困難となる。本構成であれば、高さ位置検出部が、水が張られる前の作土の表面の高さ位置と、水が張られた後の水面の高さ位置と、の夫々を検出することによって、水深の算出が可能なように構成されている。そして、作土深情報算出部は、超音波センサによって検出された対地高さを、水深の分だけ補正する。これにより、圃場に水が張られている場合であっても、作土深情報が精度よく算出される。
圃場作業機の全体側面図である。 圃場作業機の全体平面図である。 圃場作業機の作土深情報算出システムの構成を示すブロック図である。 超音波センサー及びガイド部の縦断側面図である。 作土深情報の算出と各部の連係状態を示す概略図である。 作土深情報算出部におけるデータの入出力を示す説明図である。 水張り前の圃場における作土の表面の高さ位置の計測を示す説明図である。 水張り後の圃場における水面の高さ位置の計測を示す説明図である。 水深の算出を示すブロック図である。 水張り状態の圃場における作土深情報の算出と各部の連係状態を示す概略図である。
〔植播系作業機の基本構成〕
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここでは、圃場作業機の一例として乗用型田植機を例に挙げて説明する。なお、図1において、矢印「F」が走行機体Cに対して機体前側、矢印「B」が走行機体Cに対して機体後側である。
図1及び図2に示されているように、乗用型田植機には、左右一対の操舵車輪10,10と、左右一対の後車輪11,11と、を有する走行機体Cが備えられている。左右一対の操舵車輪10,10と、左右一対の後車輪11,11と、によって本発明の『走行装置』が構成され、走行機体Cは走行装置に支持されている。本実施形態における圃場では、耕盤G1の上を泥状の作土が覆い、作土の表面が作土面G2で示される。
走行機体Cの後部に苗植付装置Wが上下昇降可能に連結され、苗植付装置Wは圃場に対する苗の移植作業を可能に構成されている。左右一対の操舵車輪10は、走行機体Cの機体前部に設けられて走行機体Cの向きを変更操作可能なように構成され、左右一対の後車輪11は、走行機体Cの機体後部に設けられている。苗植付装置Wは、リンク機構21を介して走行機体Cの後端に昇降可能に連結されている。リンク機構21は昇降用油圧シリンダ20の伸縮作動によって昇降作動する。これにより、苗植付装置Wは、圃場の作土面G2に降下して移植作業を行う作業状態と、圃場の作土面G2の上方に上昇して移植作業を行わない非作業状態と、に切換可能に構成されている。
走行機体Cの前部には、開閉式のボンネット12が備えられている。ボンネット12内には、エンジン13が備えられている。詳述はしないが、操舵車輪10若しくは後車輪11、またはその両方に、エンジン13の動力を伝達するための変速機構として、公知のHST(Hydraulic Static Transmission、不図示)が備えられている。エンジン13の動力が、機体に備えられた変速機構を介して操舵車輪10及び後車輪11に伝達され、変速後の動力が電動モータ駆動式の植付クラッチ(不図示)を介して苗植付装置Wに伝達される。走行機体Cには、前後方向に沿って延びる機体フレーム15が備えられ、機体フレーム15の前部には支持支柱フレーム16が立設されている。
走行機体Cにおけるボンネット12の左右側部には、複数(例えば四個)の通常予備苗台28が備えられている。通常予備苗台28は、苗植付装置Wに補給するための予備苗を載置可能なように構成されている。走行機体Cにおけるボンネット12の左右側部に左右一対の予備苗フレーム30が備えられ、左右の予備苗フレーム30の上部同士が連結フレーム31にて連結されている。予備苗フレーム30は各通常予備苗台28を支持する。連結フレーム31の上部に衛星航法モジュール8Aが取り付けられている。
衛星航法モジュール8Aは、地球の上空を周回する複数の航法衛星から発信される電波を受信することによって、走行機体Cの位置を検出可能に構成されている。即ち、衛星測位用システム(GNSS:グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)の一例として、周知の技術であるGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用することによって、衛星航法モジュール8Aの位置が測位される。本実施形態では、衛星航法モジュール8Aは、RTK−GPS(Real Time Kinematic GPS:干渉測位方式)を利用したものであるが、DGPS(Differential GPS:相対測位方式)を利用することも可能である。なお、衛星航法モジュール8Aは連結フレーム31に対して着脱可能に構成されていても良い。
衛星航法モジュール8Aの他に、走行機体Cの方位を検出する方位検出手段として、例えばIMU(Inertial Measurement Unit)を有する慣性航法モジュール8B(図3参照)が、走行機体Cに備えられている。図示はしないが、慣性航法モジュール8Bは、例えば、走行機体Cの横幅方向中央の低い位置に設けられ、走行機体Cの旋回角度の角速度、走行機体Cの左右傾斜角度の角速度、走行機体Cの前後傾斜角度の角速度、等を計測可能である。この角速度を積分することによって、機体の方位変化角の算出が可能である。なお、慣性航法モジュール8Bは、ジャイロセンサや加速度センサを有する構成であっても良い。本実施形態では、自機位置検出モジュール8として、衛星航法モジュール8Aと慣性航法モジュール8Bとが含まれる。
走行機体Cの中央部には、各種の運転操作が行われる搭乗部4が備えられている。搭乗部4には、運転座席41と、操向ハンドル43と、例えば主変速レバー44等の各種操作具と、が備えられている。運転座席41は、走行機体Cの中央部に備えられ、搭乗者が着席可能なように構成されている。操向ハンドル43は、人為操作によって操舵車輪10の操向操作を可能なように構成されている。走行機体Cの前後進の切換え操作や走行速度の変更操作が、例えば主変速レバー44等の操作によって可能であり、苗植付装置Wの昇降操作等が搭乗部4の各種操作具によって可能である。搭乗部4の左右両端部の夫々に乗降ステップ32,32が設けられている。
苗植付装置Wに、複数(例えば四個)の伝動ケース22と、複数(例えば八個)の回転ケース23と、整地フロート25と、苗載せ台26と、整地ロータ27と、が備えられている。回転ケース23は、各伝動ケース22の後部の左側部及び右側部に、夫々回転可能に支持されている。夫々の回転ケース23の両端部に、一対のロータリ式の植付アーム24が備えられている。整地フロート25は、圃場の田面を整地するものであって、苗植付装置Wに複数備えられている。苗載せ台26に、植え付け用のマット状苗が載置される。整地ロータ27は圃場の凹凸を整地可能に構成されている。
苗植付装置Wは、苗載せ台26を左右に往復横送り駆動しながら、伝動ケース22から伝達される動力により各回転ケース23を回転駆動して、苗載せ台26の下部から各植付アーム24により交互に苗を取り出して圃場の田面に植え付けるようになっている。図示はしないが、苗植付装置Wは、複数の回転ケース23に備えられた植付アーム24により苗を植え付けるように構成されている。回転ケース23が四個の場合は四条植え型式であり、回転ケース23が六個の場合は六条植え型式であり、回転ケース23が八個の場合は八条植え型式であり、回転ケース23が10個の場合は10条植え型式である。
苗植付装置Wの一部として施肥装置34が備えられ、施肥装置34は圃場に植え付けられた苗に肥料を供給する。施肥装置34に、ホッパー34Aと、繰り出し部34Bと、ホース34Cと、作溝器34Dと、ブロア34Eと、が設けられている。ホッパー34Aは肥料を貯留する。ホッパー34Aに貯留された肥料は、繰り出し部34Bによって繰り出され、ブロア34Eの送風によってホース34Cを介して作溝器34Dに送られる。作溝器34Dによって圃場の田面に溝が形成され、作溝器34Dに送られた肥料は、田面の溝に供給される。
図1及び図2に示されるように、機体フレーム15の前部における左右両端部の夫々に、超音波センサ35,35が下向きに取り付けられている。また、機体フレーム15のうちの後車輪11の回転軸芯近傍における左右の夫々にも、超音波センサ35,35が下向きに取り付けられている。即ち、機体フレーム15における四箇所に超音波センサ35,35,35,35が取り付けられている。機体前部における超音波センサ35,35の夫々は、機体の側面視において走行機体Cにおける操舵車輪10よりも前側に位置するとともに、左右一対の乗降ステップ32,32よりも機体左右中央側に設けられている。機体後部における超音波センサ35,35の夫々は、前後方向において、機体フレーム15の前端部と、苗植付装置Wの後端部と、の間の中間箇所に設けられている。走行機体Cの速度が速くなると、走行機体Cは前上がりに傾き易くなることも考えられるが、機体後部における超音波センサ35,35の夫々は、機体前部における超音波センサ35,35の夫々と比較して、検出時における走行機体Cの傾きの影響を受け難い。このように、複数の超音波センサ35が走行機体Cに設けられている。
図1及び図2に示されるように、機体前部における右側の超音波センサ35と、右側の操舵車輪10と、の間に泥除けのガード部材36が設けられている。また、機体前部における左側の超音波センサ35と、左側の操舵車輪10と、の間に泥除けのガード部材36が設けられている。左右のガード部材36,36の夫々は、機体フレーム15に支持されるとともに超音波センサ35よりも下側に延出する。これにより、例えば左右の操舵車輪10,10から跳ね上げられた泥が、機体前部における左右の超音波センサ35,35に付着し難くなるように、左右のガード部材36,36は構成されている。
〔作土深情報算出システム〕
図3に示されるように、圃場作業機の制御系は、制御ユニット5、及び、この制御ユニット5との間で車載LANなどの配線網を通じて信号通信(データ通信)を行う各種入出力機器から構成されている。この構成は、作土深情報算出システムの一例である。制御ユニット5は、この制御系の中核要素であり、多数のECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)と呼ばれる電子制御ユニットの集合体として示されている。制御ユニット5に、例えばEEPROM等の記憶媒体が備えられ、この記憶媒体に、後述する作土深情報算出プログラムが記憶されている。作土深情報算出プログラムは、作土深情報算出システムに関する機能をコンピュータに実行させるものである。衛星航法モジュール8Aや慣性航法モジュール8Bからの信号は、車載LANを通じて制御ユニット5に入力される。
制御ユニット5は通信部66と接続されている。通信部66は、制御ユニット5と、管理コンピュータ6と、の間でデータ交換するために用いられる。通信部66と管理コンピュータ6とはインターネット等のネットワーク(例えば図9に示される広域通信網WAN)によって接続されている。管理コンピュータ6は、例えば、上述したタブレットコンピュータであったり、監視者や作業計画決定者が携帯するスマートフォン等の携帯端末であったり、監視者や作業計画決定者の自宅や管理事務所に設置されているコンピュータであったりする。また、管理コンピュータ6は、走行機体C及び苗植付装置Wに対する遠隔操作手段を有する遠隔操作端末である。遠隔操作手段は、タッチパネルであっても良いし、コンピュータ用のキーボードやマウスであっても良いし、専用のパネルスイッチやロータリスイッチやシートキースイッチであっても良い。本発明の作土深情報算出システムは、圃場作業機の制御系内で完結する必要はなく、管理コンピュータ6や、他の作業機(例えば図7及び図8に示される無人航空機80等)の制御系も、本発明の作土深情報算出システムに含まれる。
制御ユニット5は、入出力インタフェースとして、出力処理部58と入力処理部57とを備えている。出力処理部58は、機器ドライバ65を介して種々の動作機器70と接続されている。動作機器70として、走行関係の機器である走行機器群71と、作業関係の機器である作業機器群72と、が含まれる。走行機器群71には、例えば、操舵車輪10,10の操舵モータ(不図示)、エンジン13の制御機器、上述したHSTの制御機器、不図示の制動機器などが含まれる。作業機器群72には、図1に示されるような苗植付装置W(不図示の各条クラッチも含まれる)や施肥装置34に対する制御機器などが含まれる。
入力処理部57には、走行状態センサ群63、作業状態センサ群64、監視者が操作可能な走行操作ユニット40、などが接続されている。走行状態センサ群63には、車速センサ63A、超音波センサ35の他に、障害物検知センサ、操向角センサ、エンジン回転数センサ、オーバーヒート検出センサ、ブレーキペダル位置検出センサ、変速位置検出センサ等も含まれる。車速センサ63Aは、例えば、後車輪11に対する伝動機構中の伝動軸の回転速度により車速を検出するように構成されている。作業状態センサ群64には、図1に示されるような苗植付装置Wの駆動状態を検出可能なセンサとして、高さセンサ64Aや、施肥装置34の駆動状態を検出可能なセンサ等が含まれる。
走行操作ユニット40は、搭乗者によって手動操作される操作具の総称である。走行操作ユニット40の手動操作に基づく操作信号が制御ユニット5に入力される。走行操作ユニット40には、操向ハンドル43、主変速レバー44、後述する植付設定部42等が含まれる。
制御ユニット5には、走行制御部51、作業制御部52、走行モード管理部53、経路設定部54、自機位置算出部55、報知部56、記憶部59、作土深情報算出部60、等が備えられている。
自機位置算出部55は、測位データと方位データと車速データとに基づいて、予め設定されている走行機体Cの特定箇所の地図座標(または圃場座標)である自機位置を算出する。測位データは衛星航法モジュール8Aによって経時的に取得される。方位データは慣性航法モジュール8Bによって経時的に取得される。車速データは車速センサ63Aによって経時的に取得される。自機位置として、走行機体Cの基準点(例えば車体中心、図1に示される苗植付装置Wの中心など)の位置を設定できる。
自機位置算出部55は、自機位置を、例えばRAM(ランダム・アクセス・メモリー)で構成された記憶部59に経時的に記憶する。詳細は後述するが、作土深情報算出部60は、超音波センサ35に基づく検出情報と、自機位置と、に基づいて作土深情報Kを算出可能に構成されている。記憶部59は、自機位置や作土深情報Kを経時的に記憶可能に構成されている。記憶部59に記憶された自機位置や作土深情報Kは、通信部66を介して管理コンピュータ6に転送可能に構成されている。
報知部56は、制御ユニット5の各機能部からの指令等に基づいて報知データを生成し、報知デバイス62に与える。報知デバイス62として、例えばブザーやスピーカやランプや計器等がある。例えば、圃場において凹凸の激しい領域を走行機体Cが走行した場合、慣性航法モジュール8Bによって走行機体Cの振動が検出される。このような場合に、報知部56が振動に関する報知情報を生成するとともに報知デバイス62を介して搭乗者に報知する構成であっても良い。なお、報知部56は、報知デバイス62以外にも、通信部66を介して管理コンピュータ6に報知データを伝送する構成であっても良い。
走行制御部51は、エンジン制御機能、操舵制御機能、車速制御機能などを有し、走行機器群71に制御信号を与える。作業制御部52は、図1に示される苗植付装置Wや施肥装置34の動きを制御するために、作業機器群72に制御信号を与える。制御信号を出力する制御手法として、例えば公知のPID制御が用いられる。
詳述はしないが、本実施形態における圃場作業機は、自動走行で移植作業を行う自動運転と、手動走行で移植作業を行う手動運転と、の両方で圃場を走行可能である。自動運転を行う際には、自動走行モードが設定され、手動運転を行うためには手動走行モードが設定される。走行モードの切換えは、走行モード管理部53によって管理される。つまり、走行モード管理部53は、制御ユニット5の走行モードを、自動走行を実行する自動走行モードと、手動走行を実行する手動走行モードと、に切換可能なように構成されている。
経路設定部54は、経路算出アルゴリズムによって自ら目標走行経路を生成する。なお、経路設定部54は自ら目標走行経路を生成せず、上述の管理コンピュータ6等で生成された目標走行経路を経路設定部54がダウンロードして用いる構成であっても良い。目標走行経路は、自動運転時の走行経路として用いられる。なお、経路設定部54によって算出された目標走行経路は、手動運転であっても、田植機が当該目標走行経路に沿って走行するためのガイダンス目的で利用できる。
〔超音波センサの指向性について〕
図4に示されるように、超音波センサ35は、センサ本体35Aと、断面丸型の筒体35Bと、吸音材35Cと、を有する。センサ本体35Aは、超音波の発信と受信とが可能に構成されている。筒体35Bの長手方向は上下方向に沿って延び、筒体35Bの内部上端にセンサ本体35Aが取り付けられる。換言すると、筒体35Bは、センサ本体35Aを平面視で外周側から覆うとともにセンサ本体35Aよりも機体下側に延出する。このように、筒体35Bがセンサ本体35Aから下向きに延出され、筒体35Bの下端部に開口部35hが形成されている。筒体35Bは金属によって構成されているが、例えばプラスチックによって構成されても良い。筒体35Bは泥除けのカバーとしても兼用されている。
吸音材35Cは、不織布や織布、軟らかいゴムシートや樹脂シート等によるシート状によって構成されている。センサ本体35Aの位置から筒体35Bの開口部35hに亘って、筒体35Bの内周壁の壁面に吸音材35Cが巻き付けられている。換言すると、吸音材35Cは、センサ本体35Aを平面視で外側から覆う筒体35Bの内周壁に取り付けられている。
センサ本体35Aと、断面丸型の筒体35Bと、吸音材35Cと、の夫々は分割可能に構成され、泥の拭き取り等のメンテナンスや部品の交換が容易なように、超音波センサ35は構成されている。例えば、筒体35Bはセンサ本体35Aに対してノブボルトで連結されても良いし、フック式やスライド式の連結機構によって連結されても良い。また、吸音材35Cは、例えば面ファスナーを介して筒体35Bに取り付けられても良い。
センサ本体35Aから発信された超音波は、筒体35Bの筒内空間を経由して作土面G2に放出される。そして、作土面G2からの反射波が、筒体35Bの内部を通ってセンサ本体35Aに達して、センサ本体35Aにより検出される。つまり、センサ本体35Aから下向きに発信される超音波の発信範囲が開口部35hの断面積の範囲に絞られて、超音波が拡散し難くなるように、筒体35Bは構成されている。このように、センサ本体35Aから発信される超音波の指向性が、筒体35Bによって高められる。また、筒体35Bの内周面に吸音材35Cが巻き付けられることによって、筒体35Bの筒内空間における超音波の共鳴が抑制され、作土面G2とセンサ本体35Aとの検出対地高さH1が精度よく検出される。検出対地高さH1に関しては後述する。
〔作土深情報の取得について〕
図5に示されるように、圃場は、操舵車輪10及び後車輪11が接地する硬い耕盤G1の上に泥が堆積して作土層が形成されている。そして、泥の表面である作土面G2が図5に示される。走行装置としての操舵車輪10及び後車輪11は、圃場を走行可能に構成されている。図5に操舵車輪10及び後車輪11が示されていないが、図5では、走行装置としての操舵車輪10及び後車輪11の夫々の下部が作土面G2よりも下側の作土層に沈み込みながら、走行機体Cが圃場を走行している。超音波センサ35は、走行機体Cに設けられるとともに、検出対地高さH1を検出可能に構成されている。検出対地高さH1は、作土の表面である作土面G2に対する走行機体Cの対地高さである。検出対地高さH1は、作土面G2と、走行機体Cにおける基準の高さ位置と、に亘る。走行機体Cにおける基準の高さ位置は、例えば走行機体Cのうちの超音波センサ35(図4に示されるセンサ本体35Aであっても良い)の位置する箇所であるが、この高さ位置は適宜変更可能である。この検出対地高さH1は入力処理部57を介して制御ユニット5に入力される。制御ユニット5によって実行される作土深情報算出プログラムは、耕盤G1の上を作土が覆う圃場を走行可能な走行装置に支持された走行機体Cの作土面G2に対する対地高さを検出可能な対地高さ検出機能を有する。もちろん、検出対地高さH1は作土深情報算出部60へ伝達される。
超音波センサ35が取り付けられる高さに基づいて、超音波センサ35と、操舵車輪10及び後車輪11の夫々の下端と、の上下の相対距離H6が予め決められている。田植機の自重によって、操舵車輪10及び後車輪11の夫々における下側箇所は作土面G2よりも下側の作土層に沈下する。そして通常では、操舵車輪10及び後車輪11の夫々の下端部が作土層よりも下側の耕盤G1と接地する。このため、検出対地高さH1は相対距離H6よりも短くなる。このことから、検出対地高さH1と相対距離H6との差分によって、作土面G2から耕盤G1までの沈込量A1が算出される。
つまり、作土深情報算出部60は、超音波センサ35によって検出された検出対地高さH1に基づいて、操舵車輪10及び後車輪11の夫々のうち、圃場の作土面G2よりも下側に位置する部分の高さを、沈込量A1として算出可能なように構成されている。また、作土深情報算出部60は、沈込量A1と、衛星航法モジュール8Aの測位データと、慣性航法モジュール8Bによって計測(検出)された走行機体Cの傾きの情報と、を単位時間ごとに紐付けて作土深情報Kを算出する。このように、作土深情報算出部60は、超音波センサ35によって検出された検出対地高さH1と、走行装置に対する走行機体Cの高さ位置と、に基づいて、作土面G2と耕盤G1とに亘る深さに関する情報である作土深情報Kを算出可能なように構成されている。
作土深情報算出部60は作土深情報算出プログラムによって構成され、作土深情報Kの算出を実行する機能として、作土深情報算出プログラムは作土深情報算出機能を有する。即ち、作土深情報算出機能は、対地高さ検出機能によって検出された検出対地高さH1と、走行装置に対する走行機体Cの高さ位置と、に基づいて作土面G2と耕盤G1とに亘る深さに関する情報である作土深情報Kを算出可能なように構成されている。
作土深情報Kは経時的に記憶部59(図3参照)に記憶される。そして、複数の作土深情報Kの集合によって、圃場における作土深情報Kの分布マップが生成される。また、この作土深情報Kの分布マップは通信部66(図3参照)を介して管理コンピュータ6(図3参照)に転送され、他の農作業のデータとしても共有される。作土深情報Kに検出対地高さH1も含まれ、作土深情報Kは作業制御部52にも伝達される。
〔苗植付装置の自動昇降制御について〕
図5に示されるように、苗植付装置Wの自動昇降制御に関して、作業機器群72の一部として制御弁72Aが走行機体Cに設けられている。制御ユニット5により制御弁72Aが操作され、制御弁72Aから昇降用油圧シリンダ20に作動油が給排操作されて、昇降用油圧シリンダ20によってリンク機構21が昇降操作される。
苗の設定植付深さを設定する植付設定部42が走行機体Cに設けられており、植付設定部42の設定植付深さが制御ユニット5に入力されている。植付設定部42は作業者によって手動で操作され、作業者は植付設定部42の操作によって設定植付深さを深側及び浅側に任意に設定できる。
高さセンサ64Aによってリンク機構21の揺動角度が検出されるとともに、回転ケース23の走行機体Cに対する高さ位置H2が検出される。また、回転ケース23の回転角度によって、回転ケース23の回転軸芯と植付アーム24の下端部とに亘る高さH5が検出される。
超音波センサ35と高さセンサ64Aとの高低差H3は予め決められている。このため、超音波センサ35により検出される検出対地高さH1と、前述の高低差H3とに基づいて、作土面G2から高さセンサ64Aまでの高さH4が検出される。そして、高さ位置H2と高さH5とを足し合わせた高さと、作土面G2から高さセンサ64Aまでの高さH4と、の差分から、植付アーム24における植付深さA2が算出される。
操舵車輪10及び後車輪11が耕盤G1に接地するため、耕盤G1の凹凸等によって沈込量A1が変化すると、作土面G2に対する走行機体Cの位置が上下に変化する。これにより、作土面G2から回転ケース23までの高さH5が変化して、苗の植付深さA2が変化する。
苗の植付深さA2が変化する場合に、苗の植付深さA2(作土面G2から回転ケース23までの高さH5)が、植付設定部42の設定植付深さに維持されるように、作業制御部52によって制御弁72Aが操作される。
これにより、昇降用油圧シリンダ20が作動し、走行機体Cに対して苗植付装置Wが自動的に昇降操作されて、作土面G2から回転ケース23までの高さH5が、植付設定部42の設定植付深さに対応する設定高さに維持される。その結果、苗の植付深さA2が植付設定部42の設定植付深さに維持される。
〔検出対地高さの平均値について〕
図1及び図2に基づいて上述したように、本実施形態では、四つの超音波センサ35,35,35,35が設けられている。このため、図3及び図6に示されるように、作土深情報算出部60に平均値算出部60Aが備えられ、これらの超音波センサ35,35,35,35の夫々の検出対地高さH1の平均値Haが、平均値算出部60Aによって算出される。つまり、作土深情報算出部60の平均値算出部60Aは、複数の超音波センサ35によって検出された夫々の検出対地高さH1から平均値Haを算出して作土深情報Kを算出可能なように構成されている。
ところで、超音波センサ35,35,35,35のうちの一つに泥状の作土が付着すると、この超音波センサ35の検出対地高さH1が、他の超音波センサ35,35,35の夫々の検出対地高さH1と比較して大きく乖離する場合が考えられる。この場合、平均値算出部60Aは、この大きく乖離した検出対地高さH1を平均値Haの算出に用いず、他の超音波センサ35,35,35の夫々の検出対地高さH1に基づいて平均値Haを算出する。例えば、超音波センサ35,35,35,35の夫々の検出対地高さH1から標準偏差が平均値算出部60Aによって算出され、夫々の検出対地高さH1のうち、標準偏差から予め設定された閾値以上よりも大きく乖離しているものは、平均値Haの算出に用いられない。即ち、複数の超音波センサ35のうち、少なくとも一つの超音波センサ35で検出された検出対地高さH1が、他の超音波センサ35で検出された検出対地高さH1と比較して予め設定された閾値よりも大きく乖離している場合、作土深情報算出部60の平均値算出部60Aは、当該少なくとも一つの超音波センサ35で検出された検出対地高さH1を平均値Haの算出に用いないように構成されている。これにより、超音波センサ35の一つに検出不良が発生しても、作土深情報算出部60は作土深情報Kの算出を継続できる。また、この大きく乖離した検出対地高さH1の情報は報知部56に伝達され、報知デバイス62によって、該当する超音波センサ35の異常情報が搭乗者や作業者に報知される。
〔作土深情報の誤差補正について〕
超音波センサ35に基づく作土深の検出では、走行機体Cや苗植付装置Wの重量が変化したり、走行機体Cの速度が変化したりすると、沈込量A1(図5参照、以下同じ)が変化するため、検出対地高さH1の検出に基づく作土深の検出精度も変化する虞がある。このため、本実施形態では、超音波センサ35による検出対地高さH1の検出の他に、走行機体C及び苗植付装置Wの重量と、走行機体Cの速度と、に基づいて沈込量A1や作土深情報Kを補正可能なように、作土深情報算出部60は構成されている。作土深情報算出部60に補正部60Bが備えられ、補正部60Bによる補正が図6に基づいて下記に示される。
走行機体C及び苗植付装置Wの重量は予め決められており、例えば制御ユニット5のEEPROM等に予め記憶されている。そして、苗や肥料の積載重量や、搭乗者の体重等が、例えばロードセル等の重量センサ63Bの検出情報に基づいて制御ユニット5に入力される。
走行機体Cに積載された農用資材の重量を検出可能な重量センサ63Bとして、重量センサ63o,63pが備えられている。重量センサ63oは、苗載せ台26に載置されたマット状苗の重量を検出可能に構成されている。重量センサ63pは、施肥装置34に積載された肥料の重量を検出可能に構成されている。更に、搭乗者の体重を検出可能なように、例えば運転座席41に重量センサ63qが設けられている。本実施形態では、重量センサ63Bとして、三つの重量センサ63o,63p,63qが含まれる。
なお、重量センサ63oは、各通常予備苗台28に載置されたマット状苗の重量を検出可能に構成されても良い。そして、重量センサ63oは、苗載せ台26と各通常予備苗台28に載置されたマット状苗の全重量を検出可能に構成されて良い。
苗や肥料の積載重量や搭乗者の体重等が軽いほど、沈込量A1が小さくなりがちであって、超音波センサ35による検出対地高さH1の検出量は大きくなる。重量センサ63o,63pの経時的な検出によって、苗や肥料の積載重量の変化が検出される。このため、補正部60Bは、苗や肥料の積載重量の変化に応じて検出対地高さH1(平均値Ha)及び沈込量A1を補正可能に構成されている。このように、作土深情報算出部60は、重量センサ63Bによって検出された農用資材の重量に基づいて検出対地高さH1(平均値Ha)を補正可能に構成されている。もちろん、補正部60Bは、搭乗者の体重に応じて検出対地高さH1(平均値Ha)及び沈込量A1を補正可能に構成されている。
なお、苗や肥料の積載重量や、搭乗者の体重等は、重量センサ63Bによって検出されなくても良い。例えば、搭乗者が苗や肥料の積載重量や搭乗者の体重等を手動操作で入力する構成であっても良く、苗や肥料の積載重量の変化が走行距離に基づいて算出される構成であっても良い。
衛星航法モジュール8Aによる測位情報から走行機体Cの速度が算出される。即ち、衛星航法モジュール8Aが、走行装置としての操舵車輪10及び後車輪11の速度を検出可能な速度センサとしても兼用されている。走行機体Cの速度が速いほど、耕盤G1の凹凸に操舵車輪10や後車輪11が追従し難くなって、沈込量A1が小さくなりがちである。このため、制御ユニット5は、走行機体Cの速度の変化に応じて超音波センサ35のセンシング感度を変更可能に構成されている。例えば、走行機体Cの速度が速いほど、超音波センサ35のセンシング感度が高く変更される構成であっても良い。また、走行機体Cの速度が速いほど、走行機体Cは前上がりに傾斜しがちとなって、特に操舵車輪10における沈込量A1が小さくなりがちである。このため、補正部60Bは、走行機体Cの速度が速いほど、検出対地高さH1(平均値Ha)を低めに補正し、沈込量A1を深めに補正する。そして、作土深情報算出部60は、補正された沈込量A1に基づいて作土深情報Kを算出する。このように、作土深情報算出部60は、速度センサによって検出された走行装置の速度に基づいて検出対地高さH1(平均値Ha)を補正可能に構成されている。
また、上述したように、機体後部における超音波センサ35,35の夫々は、前後方向において、機体前部における超音波センサ35,35の夫々よりも機体前後中央側に設けられている。このため、機体後部における超音波センサ35,35の夫々は、機体前部における超音波センサ35,35の夫々と比較して、検出時における走行機体Cの傾斜の影響を受け難い。このことから、走行機体Cの速度が予め設定された閾値以上に速くなると、作土深情報算出部60は、機体フレーム15の後部に設けられた超音波センサ35,35のみに基づいて作土深情報Kを算出する構成であっても良い。
走行機体Cが前後方向(ピッチ方向)や左右方向(ロール方向)に傾いている場合、超音波センサ35による超音波の発信方向も鉛直方向に対してピッチ方向やロール方向に変化する。この場合、超音波センサ35のセンサ本体35Aと作土面G2との距離も、鉛直方向に対して傾斜した角度だけ遠く離れるため、走行機体Cの傾きによって検出対地高さH1の検出に誤差が生じる虞がある。この傾きは、慣性航法モジュール8Bによって検出可能に構成されているため、補正部60Bは、慣性航法モジュール8Bによって検出された走行機体Cの傾き度合いに応じて、検出対地高さH1(平均値Ha)を補正する。これにより、走行機体Cの傾きに起因する検出対地高さH1の検出誤差が補正されて、検出対地高さH1の検出精度と、沈込量A1の精度と、が向上する。即ち、作土深情報算出部60は、慣性測位ユニットによって検出された走行機体Cの傾きに基づいて検出対地高さH1(平均値Ha)を補正可能に構成されている。
〔水張り後の圃場における圃場面の検出について〕
図5に基づいて上述したように、超音波センサ35によって作土面G2から走行機体Cの超音波センサ35の位置までの検出対地高さH1が検出され、検出対地高さH1と相対距離H6との差分によって沈込量A1が検出される。しかし、図8及び図10に示されるように、圃場に水が張られた後に田植えが行われる場合、泥の表面である作土面G2よりも上側に水面W1が位置する。この場合、超音波センサ35による検出対地高さH1の検出では、水面W1と超音波センサ35との離間距離が検出されてしまうため、水面W1よりも下側の作土面G2との離間距離の検出ができない。この状況で乗用田植機による田植えが行われると、例えば苗の植付けが浅くなって浮き苗が発生する虞がある。つまり、苗の植え付け深さは作土面G2を基準に決定されることが好ましい。なお、図10では、作土面G2の上方が水で覆われ、図5で示されていない水面W1が示されている。
図7及び図8に示されるように、圃場に水が張られる前の作土面G2の高さ位置(高度)と、圃場に水が張られた後の作土面G2の高さ位置と、の夫々が無人航空機80によって計測される。無人航空機80は、例えばドローンであるが、無人ヘリコプタ等であっても良い。無人航空機80に、衛星航法モジュール8Aと同様の衛星航法モジュールと、例えばLRF(Laser Range Finder)によって構成された高さ位置検出部80Aと、が備えられている。無人航空機80は、操縦者のリモコン操作によって遠隔操作可能に構成されても良いし、衛星航法モジュールの測位情報に基づいて圃場の上空を自動的に飛行可能に構成されても良い。また、特に図示はされていないが、無人航空機80は、図9に示される広域通信網WAN(Wide Area Network)にアクセス可能な通信手段を有する。図9に示されるように、無人航空機80と管理コンピュータ6と制御ユニット5とが広域通信網WAN(Wide Area Network)を介してデータ通信可能に構成されている。広域通信網WANは、有線通信であっても良いし、無線通信であっても良いし、有線通信と無線通信との両方を有しても良い。
図7に示されるように、例えば圃場に農道R1の高さ位置が基準高さ位置(基準高度)として最初に高さ位置検出部80Aによって計測される。農道R1はアスファルトやコンクリートの地面で構成されている。このことから、農道R1に路面の凹凸等が発生し難く、農道R1の絶対的な高さ位置が長期間に亘って一定に保たれ易い。このため、アスファルトやコンクリートの地面で構成された農道R1は、基準高さ位置の計測対象として好適である。そして、例えば代かき直後のタイミングにおいて、圃場に水が張られる前に、無人航空機80が圃場の上を水平飛行しながら圃場の全面に亘って作土面G2の高さ位置を計測する。具体的には、無人航空機80と農道R1との高低差H11と、無人航空機80と作土面G2との高低差H12と、の夫々が無人航空機80の高さ位置検出部80Aによって計測される。これにより、農道R1に対する作土面G2の相対的な高低差H13が算出される。無人航空機80は絶対的な高度が変化しないように水平飛行を保つが、無人航空機80が絶対的な高度を精度よく計測可能に構成されていれば、作土面G2の高さ位置を計測している最中であっても、無人航空機80は鉛直方向に移動可能である。作土面G2の高さ位置は、無人航空機80の位置情報毎に紐付けられ、圃場における作土面G2の高さ位置に関する分布マップが作成される。図9に示されるように、高低差H13の情報は広域通信網WANを介して管理コンピュータ6へ転送される。もちろん、作土面G2の高さ位置に関する分布マップの情報も、広域通信網WANを介して管理コンピュータ6へ転送される。
図8に示されるように、圃場に水が張られた後に、無人航空機80による水面W1の高さ位置の計測が行われる。当該農道等の高さ位置が基準高さ位置として再度計測され、水が張られた後の圃場の上を無人航空機80が水平飛行しながら水面W1の高さ位置を計測する。これにより、基準高さ位置に対する水面W1の相対的な高さ位置が算出される。具体的には、無人航空機80と農道R1との高低差H14と、無人航空機80と水面W1との高低差H15と、の夫々が無人航空機80の高さ位置検出部80Aによって計測される。これにより、農道R1に対する水面W1の相対的な高低差H16が算出される。このように、高さ位置検出部80Aは、水が張られる前の圃場における作土面G2の高さ位置と、水が張られた後の圃場における水面W1の高さ位置と、の夫々を検出可能なように構成されている。なお、高低差H14は高低差H11と同じでなくても良い。また、水面W1の高さ位置は圃場の全面に亘って一定であるため、無人航空機80が圃場の全面に亘って飛行する必要はない。図9に示されるように、高低差H16に関する情報は、広域通信網WANを介して管理コンピュータ6へ転送される。もちろん、水面W1の高さ位置に関する情報も、広域通信網WANを介して管理コンピュータ6へ転送される。
管理コンピュータ6に、例えばプログラムとして水深算出部6Aが備えられている。農道R1に対する作土面G2の相対的な高低差H13と、農道R1に対する水面W1の相対的な高低差H16と、の差分が水深算出部6Aによって算出される。この差分は水深Dであって、水面W1と作土面G2との間の水の深さである。水深Dは、無人航空機80の位置情報毎に紐付けられ、圃場における水深Dに関する分布マップが作成される。このように、水深算出部6Aは、高さ位置検出部80Aによって検出された夫々の高さ位置の差分に基づいて、水が張られた後の圃場における水深Dを算出可能なように構成されている。
水深Dは、広域通信網WANを介して管理コンピュータ6から制御ユニット5へ転送される。もちろん、水深Dに関する分布マップの情報も、広域通信網WANを介して管理コンピュータ6へ転送される。制御ユニット5は通信部66を介して水深Dと、水深Dに関する分布マップの情報と、を取得する。これにより、圃場に水が張られている場合であっても、制御ユニット5は、水面W1よりも下側における作土面G2の凹凸形状のデータを取得できる。そして、作土深情報算出部60は、超音波センサ35による検出対地高さH1の検出量に対して、当該位置情報毎に対応した水深Dだけ上乗せすることによって、作土面G2より下側の沈込量A1を算出する。これにより、水深Dの部分が取り除かれた作土深情報Kが精度よく得られる。即ち、作土深情報算出部60は、水深算出部6Aによって検出された水深Dに基づいて検出対地高さH1を補正可能に構成されている。
〔作土深情報の分布マップの用途について〕
図3に基づいて上述したように、作土深情報Kの分布マップは通信部66を介して管理コンピュータ6に転送され、他の農作業のデータとしても共有される。つまり、本実施形態では、乗用型田植機の制御ユニット5に搭載された作土深情報算出部60によって作土深情報Kが算出され、この作土深情報Kの分布マップが他の農作業機(例えばトラクタや管理機や収穫機)にも転送され、耕耘作業や施肥作業等に活用される。耕耘作業であれば作土深情報Kの分布マップに基づいて耕耘深さが調整され、施肥作業や散布作業であれば作土深情報Kの分布マップに基づいて施肥量や散布量が調整される。以下、作土深情報Kの分布マップの用途の例が、下記に記載される。
田植え後における施肥作業(いわゆる追肥)が管理機を用いて行われる場合に関して説明する。管理機は、例えばスプレッダやブーム施肥機であって、可変施肥機能を有する。圃場における作土深の違いは作物の育成ムラに影響を及ぼすため、作土深の違いに応じて施肥量を調整する必要がある。本発明の発明者の認識によると、追肥時における施肥量の違いは、田植え前の代かき時の基肥における施肥量の違いよりも、後々における作物の育成ムラに大きな影響を及ぼす。このため、代かき時の基肥において代かき作業機による可変施肥制御は行われず、追肥時に管理機による可変施肥制御が行われる。田植え後における追肥作業において、分布マップにおける作土深情報Kから、圃場内における作土深の分布状況が把握される。そして、管理機は、圃場内における作土深の違いに応じて可変施肥制御を可能に構成されている。作土深が深い領域であれば、施肥量は少なめに調整され、作土深が浅い領域であれば、施肥量は多めに調整される。
次に、耕盤G1の凹凸の度合いに着目した制御に関して説明する。上述したように、作土深情報Kに、超音波センサ35によって検出された検出対地高さH1や、検出対地高さH1に基づいて算出された沈込量A1や、慣性航法モジュール8Bによって計測された走行機体Cの傾きの情報が含まれる。このため、圃場のうち、走行機体Cの傾きの変化が激しい箇所や、検出対地高さH1や沈込量A1の変化が激しい箇所は、耕盤G1の凹凸の度合いが大きい箇所であると判断できる。このことから、管理機や収穫機、トラクタが、耕盤G1の凹凸の度合いが大きいと判断された箇所を通過する際に、通過速度が自動的に減速されたり、自動的に音声案内が流れる等によって搭乗者に報知されたりする構成であっても良い。また、田植機による田植え作業時にも、前年に作成された作土深情報Kの分布マップが用いられても良い。前年の分布マップ作成時に耕盤G1の凹凸の度合いが大きいと判断された箇所を田植機が通過する際に、田植機が揺れる虞がある。このため、この箇所の通過時に、走行制御部51によって通過速度が自動的に減速されたり、圃場の凹凸が激しい箇所である旨が報知部56を介して報知デバイス62から搭乗者に報知されたりする構成であっても良い。
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
(1)上述した実施形態に示された超音波センサ35は四箇所に設けられているが、超音波センサ35が田植機の植付け条ごとに横並びに設けられる構成であっても良い。そして、作土深情報Kが田植機の植付け条ごとに算出される構成であっても良い。更に、田植機の植付け条ごとに算出された作土深情報Kに基づいて、施肥装置34が田植機の植付け条ごとに可変施肥を可能なように構成されても良い。これにより、田植機の植付け条ごとの作土深に対応した精密な可変施肥が可能となる。
(2)上述した実施形態に示された超音波センサ35に筒体35Bが備えられ、筒体35Bの下端部に開口部35hが形成されているが、この実施形態に限定されない。例えば、筒体35Bに、開口部35hを開閉可能な蓋やシャッターが設けられても良い。そして、田植機の洗車時や保管時に開口部35hが蓋やシャッターによって閉塞され、洗車時や保管時に水や埃がセンサ本体35Aに付着しない構成が採用されても良い。
(3)超音波センサ35に、筒体35Bまたは吸音材35Cが設けられない構成であっても良い。また、超音波センサ35に、筒体35Bと吸音材35Cとの両方が設けられない構成であっても良い。例えば機体前部における超音波センサ35,35に、筒体35Bと吸音材35Cとの両方が設けられず、超音波センサ35,35が下方と前方とに亘って広範囲で検出対地高さH1を検出可能に構成されても良い。
(4)機体前部における超音波センサ35,35が、左右一対の乗降ステップ32,32よりも機体左右外側に設けられても良い。この場合、機体前部における超音波センサ35,35は、図1に示された支持支柱フレーム16の前部における機体横外端部に設けられても良い。また、機体後部における超音波センサ35,35が、左右一対の乗降ステップ32,32よりも機体左右外側に設けられても良い。要するに、超音波センサ35が、左右一対の乗降ステップ32,32よりも機体左右中央側または機体左右外側に設けられる構成であれば、乗降ステップ32,32において搭乗者の足元から落ちる泥等が、超音波センサ35に付着する虞が軽減される。
(5)上述した実施形態において、機体前部における左右の超音波センサ35,35と、超音波センサ35,35よりも左右外側の操舵車輪10,10と、の間に泥除けのガード部材36,36が設けられているが、この実施形態に限定されない。例えば、ガード部材36は機体フレーム15に支持されているが、泥除けのガード部材36は超音波センサ35の筒体35Bに支持されても良い。また、ガード部材36は機体フレーム15の縦フレームであっても良く、機体フレーム15の横フレームから下方向に延びる板状部材であっても良い。更に、ガード部材36は、機体後部における左右の超音波センサ35,35と、超音波センサ35,35よりも左右外側の後車輪11,11と、の間に夫々設けられても良い。この場合、ガード部材36の形状は適宜変更可能である。要するに、超音波センサ35と走行装置との間に、超音波センサ35に対する泥除けのガード部材36が設けられて良い。
(6)上述した実施形態において、代かき時の基肥において代かき作業機による可変施肥制御は行われず、追肥において管理機による可変施肥制御が行われるが、この実施形態に限定されない。例えば、代かき時の基肥において代かき作業機による可変施肥制御が行われても良い。追肥時に、基肥時の可変施肥量の把握が可能であれば、追肥時の可変施肥量の算出は可能である。本発明の発明者の認識によると、代かき時の基肥における施肥量の違いは、追肥における施肥量の違いよりも、後々における作物の育成ムラに及ぼす影響は小さい。作物の育成ムラに対する影響が小さくても、この実施形態であれば、基肥時における作物の育成のコントロールが可能であり、生長期や収穫期における作物の育成ムラの挽回量が減り、作物に対する育成負荷が軽減される。
(7)図9に示された実施形態では、高低差H13,H16の情報が広域通信網WANを介して無人航空機80から管理コンピュータ6へ転送され、管理コンピュータ6の水深算出部6Aによって水深Dが算出されているが、この実施形態に限定されない。水深Dは、作業者や管理者によって人為的に設定された値であっても良い。例えば水深Dは、監理者が管理コンピュータ6に手入力で設定した固定値であっても良いし、搭乗者が搭乗部4の操作具で設定した固定値であっても良い。
(8)上述した水深算出部6Aは、管理コンピュータ6だけでなく、例えば制御ユニット5の中に組み込まれても良い。図9に示された実施形態では、高低差H13,H16の情報が広域通信網WANを介して無人航空機80から管理コンピュータ6へ転送され、管理コンピュータ6の水深算出部6Aによって水深Dが算出されているが、この実施形態に限定されない。無人航空機80が、高低差H11,H12,H14,H15の情報を管理コンピュータ6へ転送し、管理コンピュータ6で高低差H13,H16が算出されるとともに水深Dが算出される構成であっても良い。また、無人航空機80が、高低差H13,H16(または高低差H11,H12,H14,H15)の情報を制御ユニット5へ直接転送し、制御ユニット5に組み込まれた水深算出部6Aによって水深Dが算出される構成であっても良い。この場合、水深算出部6Aは作土深情報算出プログラムの一構成として組み込まれたものであっても良い。
(9)図3に基づいて上述した圃場作業機の制御系は、作土深情報算出システムとして用いられても良い。このため、例えば図3に示された制御ユニット5は、必ずしも圃場作業機に搭載される必要はなく、例えば管理コンピュータ6に搭載されても良い。また、例えば制御ユニット5は、田植機と、播種機と、トラクタと、管理機と、収穫機と、の何れにも搭載されても良い。
(10)上述した作土深情報算出プログラムは、光ディスクや磁気ディスク(例えばハードディスク)、半導体メモリ(例えばフラッシュメモリ、EPROM、マスクROM、FeRAM、MRAM、ReRAM)等の記憶媒体に保存され、コンピュータによって読み出し可能であっても良い。
(11)上述した実施形態において、衛星航法モジュール8Aが、走行装置としての操舵車輪10及び後車輪11の速度を検出可能な速度センサとしても兼用されているが、この実施形態に限定されない。例えば、図3に示された車速センサ63Aが速度センサとして用いられても良いし、慣性航法モジュール8Bが速度センサとして用いられても良い。
なお、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変可能である。
本発明は、耕盤の上を作土が覆う圃場を走行可能な圃場作業機に適用できる。
6A :水深算出部
8A :衛星航法モジュール(速度センサ)
8B :慣性航法モジュール
10 :操舵車輪(走行装置)
11 :後車輪(走行装置)
32 :乗降ステップ
35 :超音波センサ
35A :センサ本体
35B :筒体
35C :吸音材
35h :開口部
36 :ガード部材
60 :作土深情報算出部
63B :重量センサ
63o :重量センサ
63p :重量センサ
80A :高さ位置検出部
C :走行機体
G1 :耕盤
G2 :作土面
W1 :水面
D :水深
H1 :検出対地高さ
Ha :平均値
H6 :相対距離(高さ位置)
K :作土深情報

Claims (12)

  1. 耕盤の上を作土が覆う圃場を走行可能な走行装置と、
    前記走行装置に支持された走行機体と、
    前記走行機体に設けられるとともに、前記作土の表面に対する前記走行機体の対地高さを検出可能な超音波センサと、
    前記超音波センサによって検出された検出対地高さと、前記走行装置に対する前記走行機体の高さ位置と、に基づいて前記作土の表面と前記耕盤とに亘る深さに関する情報である作土深情報を算出可能な作土深情報算出部と、が備えられている圃場作業機。
  2. 前記超音波センサに、超音波の発信と受信とが可能なセンサ本体と、前記センサ本体を平面視で外周側から覆うとともに前記センサ本体よりも機体下側に延出する筒体と、前記センサ本体を平面視で外側から覆う前記筒体の内周壁に取り付けられた吸音材と、が備えられている請求項1に記載の圃場作業機。
  3. 前記超音波センサは、側面視において前記走行装置よりも前側に備えられ、かつ、前記走行機体の左右側部に設けられるとともに搭乗者が乗降可能な乗降ステップよりも機体左右中央側または機体左右外側に設けられ、
    前記超音波センサと前記走行装置との間に、前記超音波センサに対する泥除けのガード部材が設けられている請求項1または2に記載の圃場作業機。
  4. 耕盤の上を作土が覆う圃場を走行可能な走行装置に支持された走行機体に設けられるとともに、前記作土の表面に対する前記走行機体の対地高さを検出可能な超音波センサと、
    前記超音波センサによって検出された検出対地高さと、前記走行装置に対する前記走行機体の高さ位置と、に基づいて前記作土の表面と前記耕盤とに亘る深さに関する情報である作土深情報を算出可能な作土深情報算出部と、が備えられている作土深情報算出システム。
  5. 複数の前記超音波センサが前記走行機体に設けられ、
    前記作土深情報算出部は、前記複数の超音波センサによって検出された夫々の前記検出対地高さから平均値を算出して前記作土深情報を算出するように構成されている請求項4に記載の作土深情報算出システム。
  6. 前記複数の超音波センサのうち、少なくとも一つの前記超音波センサで検出された前記検出対地高さが、他の前記超音波センサで検出された前記検出対地高さと比較して予め設定された閾値よりも大きく乖離している場合、前記作土深情報算出部は、前記少なくとも一つの超音波センサで検出された前記検出対地高さを前記平均値の算出に用いないように構成されている請求項5に記載の作土深情報算出システム。
  7. 前記走行機体に設けられるとともに前記走行機体の傾きを検出可能な慣性航法モジュールが備えられ、
    前記作土深情報算出部は、前記慣性航法モジュールによって検出された前記走行機体の傾きに基づいて前記検出対地高さを補正可能に構成されている請求項4から6の何れか一項に記載の作土深情報算出システム。
  8. 前記走行機体に積載された農用資材の重量を検出可能な重量センサが備えられ、
    前記作土深情報算出部は、前記重量センサによって検出された前記農用資材の重量に基づいて前記検出対地高さを補正可能に構成されている請求項4から7の何れか一項に記載の作土深情報算出システム。
  9. 前記走行装置の速度を検出可能な速度センサが備えられ、
    前記作土深情報算出部は、前記速度センサによって検出された前記走行装置の速度に基づいて前記検出対地高さを補正可能に構成されている請求項4から8の何れか一項に記載の作土深情報算出システム。
  10. 水が張られる前の前記圃場における前記作土の表面の高さ位置と、水が張られた後の前記圃場における水面の高さ位置と、の夫々を検出可能な高さ位置検出部と、
    前記高さ位置検出部によって検出された夫々の前記高さ位置の差分に基づいて、水が張られた後の前記圃場における水深を算出可能な水深算出部と、が備えられ、
    前記作土深情報算出部は、前記水深算出部によって算出された前記水深に基づいて前記検出対地高さを補正可能に構成されている請求項4から9の何れか一項に記載の作土深情報算出システム。
  11. 耕盤の上を作土が覆う圃場を走行可能な走行装置に支持された走行機体の前記作土の表面に対する対地高さを検出可能な対地高さ検出機能と、
    前記対地高さ検出機能によって検出された検出対地高さと、前記走行装置に対する前記走行機体の高さ位置と、に基づいて前記作土の表面と前記耕盤とに亘る深さに関する情報である作土深情報を算出可能な作土深情報算出機能と、をコンピュータに実行させる作土深情報算出プログラム。
  12. 請求項11に記載の作土深情報算出プログラムが記録されるとともに前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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