JP2021000627A - 被膜形成方法 - Google Patents

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朋幸 村辻
Tomoyuki Muratsuji
朋幸 村辻
岳志 五味
Takashi Gomi
岳志 五味
啓吾 岡本
Keigo Okamoto
啓吾 岡本
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Abstract

【課題】弾性被膜上に適用可能であって、耐候性、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等において優れた性能が発揮できる被膜形成方法を提供する。【解決手段】本発明では上塗材として、第1上塗材及び第2上塗材を使用する。第1上塗材及び第2上塗材は、それぞれ水性樹脂を含み、上記第1上塗材中の水性樹脂は、当該水性樹脂を構成するモノマーのうち、硬質モノマーとして少なくとも芳香族モノマーを含有し、上記第1上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率は、上記第2上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率よりも大であり、上記第1上塗材は、−10℃時の伸び率20%以上の被膜を形成するものであり、上記第2上塗材は、−10℃時の伸び率が、上記第1上塗材の−10℃時の伸び率よりも小である被膜を形成するものであることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な被膜形成方法に関するものである。
建築物、土木構造物等の躯体を構成する基材のうち、コンクリート、モルタル等のセメント系基材は、基材自体の収縮、基材への荷重等の影響により、経時的にひび割れを生じる場合がある。また、軽量コンクリート板、気泡コンクリート板、サイディングボード板等の建材では、建材どうしの継目部分が温度、湿度等の変化によって変位しやすい性質を有している。このような基材を有する下地に対しては、弾性被膜を形成させることが有効である。弾性被膜は、下地の変位に追従することができ、基材内部への水、二酸化炭素等の浸入を防止する効果、基材の中性化を抑制する効果等を発揮することもできる。このような弾性被膜は各種の弾性被覆材によって形成することができる。代表的な弾性被覆材としては、例えば、JIS A6909に規定されている防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)等が挙げられる。
一方、建築物や土木構造物に使用する上塗材においては、有機溶剤を溶媒とする溶剤型から、水を溶媒とする水性への転換が図られつつある。これは、塗装作業者や居住者の健康被害を低減させる目的や、大気環境汚染を低減させる目的等で行われているものである。上述のような弾性被覆材に関しても、上塗材の水性化が進められている。例えば、特開平11−35876号公報には、弾性被覆材上に適用可能な水性上塗材として、耐候性、耐割れ性等を考慮したものが記載されている。
特開平11−35846号公報
しかしながら、上記特許文献のように、弾性被膜上に水性上塗材を積層した場合、弾性被膜への追従性等を示す反面、上塗材被膜に膨れ、汚れ等が生じてしまい、当初の美観性が損なわれるおそれがある。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、弾性被膜上に適用可能であって、耐候性、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等において優れた性能が発揮できる被膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、弾性被膜に対し、特定2種の上塗材を塗付して上塗材被膜を形成することに想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.弾性被膜に対し上塗材を塗付して上塗材被膜を形成する被膜形成方法であって、
上記上塗材として、第1上塗材及び第2上塗材を使用し、
上記第1上塗材及び第2上塗材は、それぞれ、水性樹脂を含み、
上記第1上塗材中の水性樹脂は、当該水性樹脂を構成するモノマーのうち、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上である硬質モノマーとして、少なくとも芳香族モノマーを含有し、
上記第1上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率は、上記第2上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率よりも大であり、
上記第1上塗材は、−10℃時の伸び率20%以上の被膜を形成するものであり、
上記第2上塗材は、−10℃時の伸び率が、上記第1上塗材の−10℃時の伸び率よりも小である被膜を形成するものである
ことを特徴とする被膜形成方法。
2.弾性被膜に対して上塗材被膜を形成するための上塗材セットであって、
上記上塗材セットは、第1上塗材及び第2上塗材からなり、
上記第1上塗材及び第2上塗材は、それぞれ、水性樹脂を含み、
上記第1上塗材中の水性樹脂は、当該水性樹脂を構成するモノマーのうち、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上である硬質モノマーとして、少なくとも芳香族モノマーを含有し、
上記第1上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率は、上記第2上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率よりも大であり、
上記第1上塗材は、−10℃時の伸び率20%以上の被膜を形成するものであり、
上記第2上塗材は、−10℃時の伸び率が、上記第1上塗材の−10℃時の伸び率よりも小である被膜を形成するものである
ことを特徴とする上塗材セット。
本発明は、弾性被膜上に適用可能な被膜形成方法であり、耐候性、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等において優れた性能を示す被膜を形成することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、弾性被膜に対し、特定2種の上塗材(第1上塗材及び第2上塗材)を塗付して被膜を形成する被膜形成方法である。
<下地面>
本発明では、下地面に設けられた弾性被膜を塗装対象とする。下地面としては、例えば、建築物、土木構造物等の外装面(例えば、外壁、屋根等)等が挙げられる。このような下地面を構成する基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、板状基材等が挙げられる。このうち、板状基材としては、例えば、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金属系サイディングボード、窯業系サイディングボード、セラミック板、珪酸カルシウム板、プラスチックボード、硬質木片セメント板、塩ビ押出サイディングボード、合板等が挙げられる。下地面が複数の板状基材で構成される場合、板状基材どうしの継ぎ目は、シーリング材、乾式目地材等の目地材等が充填されたものであってもよい。
下地面は、既存被膜を有するものであってもよい。このような既存被膜は、例えば、1種または2種以上のコーティング剤によって形成される。コーティング剤としては、着色ないし無着色、あるいは不透明ないし透明等の種々のものが使用でき、例えば、酢酸ビニル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等から選ばれる1種以上の樹脂を含むもの等が挙げられる。既存被膜は、1層または2層以上の被膜であり、例えば、弾性タイプ、硬質タイプ等のいずれであってもよい。
<弾性被膜>
弾性被膜は、上述のような下地面に弾性被覆材を塗装することによって形成することができる。弾性被覆材としては、例えば、JIS A6909:2014に規定されている建築用仕上塗材のうち、可とう性または防水性を示すもの、JIS A6021:2011に規定されている建築用塗膜防水材等が挙げられる。具体的に、弾性被覆材としては、例えば、可とう形外装けい酸質系薄付け仕上げ塗材(可とう形外装薄塗材Si)、可とう形外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上げ塗材(可とう形外装薄塗材E)、防水形外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上げ塗材(防水形外装薄塗材E)、可とう形ポリマーセメント系複層仕上塗材(可とう形複層塗材CE)、防水形ポリマーセメント系複層仕上塗材(防水形複層塗材CE)、防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)、防水形反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材RE)、防水形合成樹脂溶液系複層仕上塗材(防水形複層塗材RS)、可とう形合成樹脂エマルション系改修用仕上塗材(可とう形改修塗材E)、可とう形反応硬化形合成樹脂エマルション系改修用仕上塗材(可とう形改修塗材RE)、可とう形ポリマーセメント系改修用仕上塗材(可とう形改修塗材CE)、アクリルゴム系屋根用塗膜防水材、ウレタンゴム系屋根用塗膜防水材、アクリルゴム系外壁用塗膜防水材、ウレタンゴム系外壁用塗膜防止材等が挙げられる。
弾性被覆材の塗装方法としては、特に限定されず、各材料に応じた塗装方法を採用することができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、コテ、刷毛等を用いることができる。弾性被覆材の塗付け量は、好ましくは0.2〜5kg/m、より好ましくは0.3〜4kg/mである。塗装時には、弾性被覆材を必要に応じ適宜希釈することもできる。弾性被覆材塗装後の乾燥は、常温(好ましくは0〜50℃、より好ましくは5〜45℃)で行えばよく、必要に応じ加熱することもできる。
弾性被覆材は、下地面に直接塗装することもできるし、下地面を下塗材や下地調整塗材(例えば、シーラー、プライマー、サーフェーサ、フィラー、パテ等)で処理した後に塗装することもできる。
弾性被膜は、その単体被膜が、−10℃時の伸び率20%以上の被膜を形成するものが望ましい。このような弾性被膜は、例えば、下地の変位に対する追従性、下地内部への水、二酸化炭素等の浸入防止等の点で有利な効果を発揮することができる。なお、本発明において、−10℃時の伸び率は、JIS A6909:2014の「伸び試験」に規定されている方法に従って測定される値である。弾性被膜の単体被膜については、その乾燥膜厚が1mmのものを伸び試験に供する。
<上塗材>
本発明では、弾性被膜に対し、第1上塗材及び第2上塗材を順に塗付して被膜を形成する。本発明における第1上塗材及び第2上塗材は、いずれも、樹脂成分として水性樹脂を含む所謂水性被覆材である。このような第1上塗材及び第2上塗材(以下、両方を総称して単に「上塗材」ともいう)の共通事項について、まず説明する。
上塗材中の水性樹脂は、その水性樹脂を構成するモノマーのうち、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上である硬質モノマー(以下単に「硬質モノマー」ともいう)として、芳香族モノマー(s)(以下「(s)成分」ともいう)を含有することができる。
本発明では、このような(s)成分について特定の条件を備えた水性樹脂の使用により、耐候性、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等において、有利な効果を得ることが可能となる。このような効果は、上塗材被膜の強度向上化等の作用によって奏されるものと考えられる。なお、本発明において、モノマーとは、重合性不飽和二重結合を有する化合物である。ホモポリマーのガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定装置)によって測定可能である。ガラス転移温度は、以下単に「Tg」とも表記する。
(s)成分としては、例えば、スチレン(Tg:100℃)、α−メチルスチレン(Tg:168℃)、ベンジルメタクリレート(Tg:54℃)、フェノキシエチルメタクリレート(Tg:54℃)等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。この中でも特に、スチレンが好適である。
上塗材中の水性樹脂は、その水性樹脂を構成する硬質モノマーとして、(s)成分の他に、環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(t)(以下「(t)成分」ともいう)、及び/または分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(u)(以下「(u)成分」ともいう)を含有することができる。本発明では、このような(t)成分及び/または(u)成分を構成成分とする水性樹脂の使用により、耐候性、耐膨れ性、耐汚染性等において、より一層有利な効果を得ることが可能となる。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとを併せて(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記している。
(t)成分としては、例えば、シクロヘキシルメタクリレート(Tg:83℃)、イソボルニルアクリレート(Tg:94℃)、イソボルニルメタクリレート(Tg:155℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(Tg:120℃)、ジシクロペンタニルメタクリレート(Tg:175℃)、ジシクロペンテニルアクリレート(Tg:120℃)等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。この中でも特に、シクロヘキシルメタクリレートが好適である。
(u)成分としては、例えば、tert−ブチルメタクリレート(Tg:107℃)、iso−ブチルメタクリレート(Tg:53℃)、iso−プロピルメタクリレート(Tg:81℃)等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。この中でも特に、tert−ブチルメタクリレートが好適である。
水性樹脂を構成するモノマーとしては、その他の硬質モノマー{上記(s)成分、(t)成分、及び(u)成分を除く硬質モノマー}、及び/またはホモポリマーのガラス転移温度が50℃未満である軟質モノマー(以下単に「軟質モノマー」ともいう)等を含むことができる。
このようなモノマー(その他の硬質モノマー、及び/または軟質モノマー)としては、例えば、上記以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、水酸基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、フッ素含有モノマー、紫外線吸収性基含有モノマー、光安定性基含有モノマー等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
その他の硬質モノマーの具体例としては、例えば、メチルメタクリレート(Tg:105℃)、エチルメタクリレート(Tg:65℃)、アクリル酸(Tg:106℃)、メタクリル酸(Tg:185℃)、イタコン酸(Tg:100℃)、マレイン酸(Tg:130℃)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg:55℃)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(Tg:134℃)、アクリルアミド(Tg:179℃)、アクリロニトリル(Tg:125℃)、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(Tg:70℃)、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン(Tg:100℃)、2−[2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(Tg:100℃)、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン(Tg:130℃)等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
軟質モノマーの具体例としては、例えば、メチルアクリレート(Tg:8℃)、エチルアクリレート(Tg:−20℃)、プロピルアクリレート(Tg:3℃)、プロピルメタクリレート(Tg:35℃)、iso−プロピルアクリレート(Tg:−3℃)、n−ブチルアクリレート(Tg:−54℃)、n−ブチルメタクリレート(Tg:20℃)、イソブチルアクリレート(Tg:−26℃)、tert−ブチルアクリレート(Tg:43℃)、イソアミルアクリレート(Tg:−45℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(Tg:−70℃)、2−エチルヘキシルメタクリレート(Tg:−10℃)、オクチルアクリレート(Tg:−65℃)、iso−オクチルメタクリレート(Tg:−45℃)、iso−オクチルアクリレート(Tg:−70℃)、シクロヘキシルアクリレート(Tg:15℃)、ラウリルアクリレート(Tg:10℃)、ラウリルメタクリレート(Tg:−65℃)、ステアリルアクリレート(Tg:35℃)、ヘキサデシルアクリレート(Tg:35℃)、ヘキサデシルメタクリレート(Tg:15℃)、ヘキシルアクリレート(Tg:−57℃)、ヘキシルメタクリレート(Tg:−5℃)、テトラデシルアクリレート(Tg:24℃)、テトラデシルメタクリレート(Tg:−72℃)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(Tg:−15℃)、2−ヒドロキシブチルアクリレート(Tg:−7℃)、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(Tg:26℃)、2−メトキシエチルアクリレート(Tg:−50℃)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(Tg:−80℃)、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート(Tg:20℃)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(Tg:18℃)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(Tg:18℃)、エチルカルビトールアクリレート(Tg:−67℃)、エトキシエチルアクリレート(Tg:−50℃)、エトキシエチルメタクリレート(Tg:15℃)、エトキシジエチレングリコールアクリレート(Tg:−70℃)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(Tg:−12℃)、フェノキシエチルアクリレート(Tg:−22℃)、ベンジルアクリレート(Tg:6℃)、ペンチルアクリレート(Tg:22℃)、ペンチルメタクリレート(Tg:−5℃)、カルボキシエチルアクリレート(Tg:37℃)、メトキシエチルアクリレート(Tg:−50℃)、メトキシメタクリレート(Tg:−16℃)、酢酸ビニル(Tg:32℃)等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
水性樹脂は、例えば、(s)成分と、必要に応じ(s)成分以外のモノマーを含有するモノマー群を重合すること等によって製造できる。水性樹脂の形態としては、例えば、水溶性樹脂、水分散性樹脂等が挙げられ、特に水分散性樹脂(樹脂エマルション)が好適である。水分散性樹脂は、例えば、1段ないし多段(2段、または3段以上)の乳化重合法等によって製造することができる。これらは架橋反応性を有するものであってもよく、また1液型、2液型等のいずれであってもよい。
水性樹脂における芳香族モノマー(s)の構成比率は、水性樹脂を構成する全モノマー中に、好ましくは40重量%以下、より好ましくは1〜38重量%、さらに好ましくは3〜35重量%である。(s)成分がこのような構成比率であれば、耐候性等を確保しつつ、上塗材被膜の強度向上化、耐割れ性、耐膨れ性の向上化等を図ることができる。なお、本発明において、「α〜β」は「α以上β以下」と同義である。
水性樹脂における(t)成分、(u)成分の構成比率は、水性樹脂を構成する全モノマー中に、(t)成分と(u)成分とを併せて、好ましくは2〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。(t)成分、(u)成分がこのような構成比率であれば、耐候性、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等の点において有利に作用する。
水性樹脂のTgは、好ましくは−30〜60℃、より好ましくは−20〜50℃である。本発明では、水性樹脂のTgがこのような値を満たすように、上記モノマーの種類、比率等を選定することができる。なお、水性樹脂のTgは、FOXの計算式により求められる値である。
上塗材は、1種または2種以上の水性樹脂を含むことができ、例えば、組成等が異なる2種以上の水性樹脂を混合して用いることができる。2種以上の水性樹脂を含む場合は、全ての水性樹脂を基準として、上記条件{(s)成分等の構成比率等}を満たすように、水性樹脂の種類や比率等を調整することが望ましい。具体的に、2種以上の水性樹脂を含む場合の態様としては、例えば、モノマー組成が異なる水性樹脂を2種以上含む態様、Tgが異なる水性樹脂を2種以上含む態様、粒子径が異なる水性樹脂を2種以上含む態様、樹脂骨格が異なる水性樹脂(例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等)を2種以上含む態様、架橋形態が異なる水性樹脂(例えば、架橋反応性、非架橋性等)を2種以上含む態様、重合方法が異なる水性樹脂(例えば、1段乳化重合、多段乳化重合等)を2種以上含む態様、分子量が異なる水性樹脂を2種以上含む態様、水分散性樹脂及び水溶性樹脂を含む態様等が挙げられる。
上塗材は、水性樹脂以外の成分、例えば、着色顔料、体質顔料、染料、骨材、色粒、艶消し剤、増粘剤、湿潤剤、レベリング剤、凍結防止剤、造膜助剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、低汚染化剤、親水化剤、撥水剤、架橋剤、硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、カップリング剤、吸着剤、pH調整剤、触媒、水、溶剤等を含むものであってもよい。
上塗材は、着色顔料を含むことが望ましい。着色顔料としては、例えば公知の無機着色顔料、有機着色顔料等が使用できる。これら着色顔料の1種または2種以上を適宜使用することにより、上塗材を所望の色調に設定することができ、つや有合成樹脂エマルションペイント(JIS K5660)、合成樹脂エマルションペイント(JIS K5663)等に該当するような単一色を呈する上塗材を得ることもできる。さらに、着色顔料の使用により、上塗材被膜の強度向上化、耐割れ性、耐膨れ性の向上化等を図ることもできる。着色顔料の混合比率は、上記水性樹脂の固形分100重量部に対し、好ましくは1〜500重量部、より好ましくは5〜200重量部、さらに好ましくは10〜100重量部である。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、鉄‐マンガン複合酸化物、鉄‐銅‐マンガン複合酸化物、鉄‐クロム‐コバルト複合酸化物、銅‐クロム複合酸化物、銅‐マンガン‐クロム複合酸化物、酸化第二鉄(弁柄)、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。着色顔料の平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.01〜0.9μmである。このような平均粒子径の着色顔料の使用により、上述の効果が得られやすくなる。なお、着色顔料の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定される値である。
上塗材が着色顔料を含む場合、その顔料体積濃度は、好ましくは1〜50%、より好ましくは2〜30%、さらに好ましくは3〜25%である。顔料体積濃度が上記範囲内であることにより、上塗材被膜の強度向上化、耐割れ性、耐膨れ性の向上化等の点において有利な効果を得ることができる。なお、本発明における顔料体積濃度は、乾燥被膜中に含まれる着色顔料の体積百分率であり、上塗材を構成する樹脂成分と顔料の重量部数及び比重から計算により求められる値である。なお、樹脂成分の比重は1とする。
<第1上塗材>
本発明において、第1上塗材としては、上述の条件に加え、−10℃時の伸び率20%以上(好ましくは25〜100%、より好ましくは25〜75%)の被膜を形成するものを使用する。これにより、耐割れ性、耐膨れ性等において優れた性能を示す被膜を形成することができる。なお、第1上塗材の−10℃時の伸び率は、JIS A6909:2014の「伸び試験」に規定されている方法に従って測定される値である。伸び試験に供する試験体は、乾燥膜厚1mmの防水形複層塗材E主材(その単体被膜が、JIS A6909:2014に規定される−10℃時の伸び率規定を満たすもの)の表面に、乾燥膜厚80μmにて第1上塗材被膜が塗付積層されたものである。
第1上塗材中の水性樹脂は、硬質モノマーとして、少なくとも芳香族モノマー(s)を含む。そして、第1上塗材中の水性樹脂における(s)成分の構成比率は、第2上塗材中の水性樹脂における(s)成分の構成比率よりも大であり、第2上塗材中の水性樹脂における(s)成分の構成比率よりも5重量%以上大であることが望ましい。このような態様により、耐候性等を確保しつつ、上塗材被膜の強度、耐割れ性、耐膨れ性等の点において、安定した効果を発揮することができる。(s)成分の構成比率は、第1上塗材中の水性樹脂を構成する全モノマー中に、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは5〜38重量%、さらに好ましくは10〜35重量%である。
第1上塗材中の水性樹脂は、(s)成分以外の硬質モノマーとして、(t)成分及び/または(u)成分を含むことができ、とりわけ(u)成分を含むことが望ましい。(u)成分の構成比率は、水性樹脂を構成する全モノマー中に、好ましくは2〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%である。このような態様により、耐候性、耐割れ性等を確保しつつ、耐膨れ性等をいっそう高めることができる。
第1上塗材中の水性樹脂のTgは、好ましくは−30〜50℃、より好ましくは−20〜40℃、さらに好ましくは−15〜30℃、特に好ましくは−10〜25℃である。
第1上塗材が着色顔料を含む場合、その顔料体積濃度は、好ましくは2〜50%、より好ましくは3〜30%、さらに好ましくは4〜25%である。また、第1上塗材の顔料体積濃度は、第2上塗材の顔料体積濃度より大にすることができる。第1上塗材における着色顔料の顔料体積濃度がこのような条件を満たすことにより、上塗材被膜の強度向上化、耐割れ性、耐膨れ性の向上化等の点においてより一層有利な効果を得ることができる。
<第2上塗材>
本発明において、第2上塗材としては、上述の条件に加え、−10℃時の伸び率が、上記第1上塗材の−10℃時の伸び率よりも小である被膜を形成するものを用いる。第2上塗材の−10℃時の伸び率は、好ましくは30%以下、より好ましくは1〜20%、さらに好ましくは2〜19%、特に好ましくは3〜18%である。本発明では、このような第2上塗材を用いることにより、耐膨れ性、耐汚染性等において優れた性能を示す被膜を形成することができる。なお、第2上塗材の−10℃時の伸び率は、JIS A6909:2014の「伸び試験」に規定されている方法に従って測定される値である。伸び試験に供する試験体は、乾燥膜厚1mmの防水形複層塗材E主材(その単体被膜が、JIS A6909:2014に規定される−10℃時の伸び率規定を満たすもの)の表面に、乾燥膜厚80μmにて第2上塗材被膜が塗付積層されたものである。
第2上塗材中の水性樹脂は、硬質モノマーとして、芳香族モノマー(s)を含むことができる。(s)成分の構成比率は、第2上塗材中の水性樹脂を構成する全モノマー中に、好ましくは40重量%以下、より好ましくは1〜35重量%、さらに好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは5〜25重量%である。また、第2上塗材中の水性樹脂における(s)成分の構成比率は、第1上塗材中の水性樹脂における(s)成分の構成比率よりも小であり、第1上塗材中の水性樹脂における(s)成分の構成比率よりも5重量%以上小であることが望ましい。このような態様により、耐候性等を確保しつつ、上塗材被膜の強度、耐割れ性、耐膨れ性等の点において、より一層安定した効果を発揮することができる。
第2上塗材中の水性樹脂は、(s)成分以外の硬質モノマーとして、(t)成分及び/または(u)成分を含むことができ、とりわけ(t)成分を含むことが望ましい。(t)成分の構成比率は、水性樹脂を構成する全モノマー中に、好ましくは2〜60重量%、より好ましくは10〜55重量%、さらに好ましくは15〜50重量%である。このような態様により、耐汚染性、耐割れ性等を確保しつつ、耐候性、耐膨れ性等をいっそう高めることができる。
第2上塗材中の水性樹脂のTgは、好ましくは−10〜60℃、より好ましくは0〜50℃、さらに好ましくは10〜40℃である。また、第2上塗材中の水性樹脂のTgは、第1上塗材中の水性樹脂のTgよりも高いことが望ましく、第1上塗材中の水性樹脂のTgよりも3℃以上高い(さらには5℃以上高い)ことがより望ましい。このような態様により、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等の点において、より一層安定した効果を発揮することができる。
第2上塗材が着色顔料を含む場合、その顔料体積濃度は、好ましくは1〜30%、より好ましくは2〜25%、さらに好ましくは3〜20%である。また、第2上塗材の顔料体積濃度は、第1上塗材の顔料体積濃度より小にすることができる。第2上塗材における着色顔料の顔料体積濃度が上記条件を満たすことにより、上塗材被膜の強度向上化、耐割れ性、耐膨れ性の向上化等の点においてより一層有利な効果を得ることができる。
第2上塗材としては、水に対する接触角(以下単に「接触角」ともいう)が70°以下となる被膜を形成するものが使用できる。これにより、第2上塗材被膜が親水性を示し、耐汚染性等をいっそう高めることができる。なお、接触角の測定には、予めエポキシ樹脂系シーラーが塗装されたアルミニウム板の表面に、乾燥膜厚80μmとなるように第2上塗材を塗付し、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)にて7日間乾燥して得られる試験体を供する。接触角は、接触角計にて測定される。
<被膜形成方法>
本発明では、弾性被膜に対し、上塗材(第1上塗材及び第2上塗材)を塗付(塗装)することにより、上塗材被膜を形成する。すなわち、弾性被膜に対し、第1上塗材と第2上塗材を順に塗付して上塗材被膜を形成する。弾性被膜は、既存被膜であってもよいし、新設被膜であってもよい。
本発明では、第1上塗材を塗付し、その被膜を乾燥させた後に、第2上塗材を塗付することが望ましい。第1上塗材、第2上塗材としては、上述のものが使用できる。本発明では、このような特定2種の上塗材を使用して積層被膜を形成することにより、耐候性、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等において優れた性能を発揮することができる。
各上塗材の塗付においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等を使用することができる。塗装時には、各上塗材を必要に応じ適宜希釈することもできる。各上塗材塗装後の乾燥は、常温(好ましくは0〜50℃、より好ましくは5〜45℃)で行えばよく、必要に応じ加熱することもできる。
第1上塗材、第2上塗材の塗付け量は、それぞれ、好ましくは0.05〜0.4kg/m、より好ましくは0.08〜0.3kg/mである。また、第1上塗材、第2上塗材の乾燥膜厚は、それぞれ、好ましくは20〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。これにより、弾性被膜のテクスチャ等を活かしつつ、耐候性、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等において優れた性能を示す被膜を形成することができる。
第1上塗材被膜と第2上塗材被膜との膜厚比{(第1上塗材被膜の乾燥膜厚):(第2上塗材被膜の乾燥膜厚)}は、好ましくは80:20〜20:80、より好ましくは70:30〜30:70、さらに好ましくは65:35〜35:65である。このような態様であることにより、耐候性、耐割れ性、耐膨れ性、耐汚染性等において、より優れた性能を安定的に得ることができる。
本発明の被膜形成方法では、例えば、下地面に対し、まず弾性被覆材を塗付して弾性被膜を形成し、次いで第1上塗材、第2上塗材を塗付することができる。この場合、下地面に対し、弾性被覆材、第1上塗材、及び第2上塗材を用いて新設被膜を形成することができる。第1上塗材は、弾性被覆材の被膜を乾燥させた後(好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間〜10日間乾燥させた後)に塗付することが望ましく、第2上塗材は、第1上塗材の被膜を乾燥させた後(好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上乾燥させた後)に塗付することが望ましい。
<上塗材セット>
本発明において、上述の第1上塗材と第2上塗材は、これら2種を一組とする上塗材セットとして使用することができる。すなわち、弾性被膜に対して上塗材被膜を形成するための上塗材セットとして、上述の第1上塗材及び第2上塗材からなるものを使用することができる。
<被覆材セット>
さらに、本発明において、上述の弾性被覆材と第1上塗材と第2上塗材は、これら3種を一組とする被覆材セットとして使用することができる。すなわち、下地面に対して複層被膜(積層被膜)を形成するための被覆材セットとして、上述の弾性被覆材、第1上塗材及び第2上塗材からなるものを使用することができる。
このような場合、弾性被覆材と第1上塗材とによって形成される積層被膜(i)は、−10℃時の伸び率20%以上(好ましくは25〜100%、より好ましくは25〜75%)を満足するものであり、かつ、弾性被覆材と第2上塗材とによって形成される積層被膜(ii)は、−10℃時の伸び率が上記積層被膜(i)の伸び率よりも小である(さらに−10℃時の伸び率が、好ましくは30%以下、より好ましくは1〜20%、さらに好ましくは2〜19%、特に好ましくは3〜18%である)ことを満足する3種の材料の組み合わせ(弾性被覆材、第1上塗材、及び第2上塗材の組み合わせ)を用いることが望ましい。これにより、本発明の効果を十分に発揮することができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
弾性被覆材、上塗材として、以下に示すものを用意した。
・弾性被覆材a
JIS A6909:2014に該当する防水形複層塗材E主材{アクリル樹脂エマルション(Tg−28℃、固形分50重量%)、酸化チタン(平均粒子径0.3μm、比重4.2)、重質炭酸カルシウム(平均粒子径12μm、比重2.6)等の混合物}、単体被膜の−10℃時の伸び率38%。
・上塗材a
水性樹脂a{スチレン・tert−ブチルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比25:20:15:38:2)の乳化重合体、Tg12℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(平均粒子径0.3μm、比重4.2)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。顔料体積濃度(以下「PVC」という)14%。
−10℃時の伸び率36%。
・上塗材b
水性樹脂b{スチレン・シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比10:38:22:28:2)の乳化重合体、Tg26℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率14%。
・上塗材c
水性樹脂c{スチレン・tert−ブチルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比8:20:32:38:2)の乳化重合体、Tg13℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率33%。
・上塗材d
水性樹脂d{シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比38:32:28:2)の乳化重合体、Tg27℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率15%。
・上塗材e
水性樹脂e{スチレン・シクロヘキシルメタクリレート・tert−ブチルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比25:20:4:13:36:2)の乳化重合体、Tg13℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率33%。
・上塗材f
水性樹脂f{スチレン・tert−ブチルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比18:25:15:40:2)の乳化重合体、Tg9℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率38%。
・上塗材g
水性樹脂g{スチレン・tert−ブチルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比32:20:8:38:2)の乳化重合体、Tg12℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率35%。
・上塗材h
水性樹脂h{スチレン・シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比5:30:33:30:2)の乳化重合体、Tg24℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率15%。
・上塗材i
水性樹脂i{スチレン・シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比13:38:20:27:2)の乳化重合体、Tg28℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率13%。
・上塗材j
水性樹脂b(同上)200重量部、酸化チタン(同上)53重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC11%。
−10℃時の伸び率16%。
・上塗材k
水性樹脂b(同上)180重量部、水性樹脂a(同上)20重量部、酸化チタン(同上)53重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC11%。
−10℃時の伸び率18%。
・上塗材l
水性樹脂l{スチレン・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比30:30:38:2)の乳化重合体、Tg12℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率35%。
・上塗材m
水性樹脂m{シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・メタクリル酸(重量比38:25:35:2)の乳化重合体、Tg13℃、固形分50重量%}200重量部、酸化チタン(同上)70重量部、及びその他添加剤(造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、水)の混合物。PVC14%。
−10℃時の伸び率33%。
なお、各上塗材における−10℃時の伸び率は、上記弾性被覆材a(乾燥膜厚1mm)と各上塗材(乾燥膜厚80μm)との積層被膜についての測定値である。
(実施例1)
予めアクリル樹脂系シーラーが塗装されたスレート板に対し、弾性被覆材aを吹付け塗装し、24時間乾燥させて弾性被膜(乾燥膜厚1.5mm)を形成した。次いで、この弾性被膜の表面に対し、第1上塗材として上塗材aをスプレー塗装し、2時間乾燥後、第2上塗材として上塗材bをスプレー塗装し、168時間乾燥・養生した。なお、第1上塗材被膜、第2上塗材被膜の乾燥膜厚は、それぞれ80μmとなるように塗装した。塗装、乾燥、養生は、全て標準状態(温度23℃、相対湿度50%)にて行った。
以上の方法で得られた試験体について、以下の試験を行った。
・試験1
上記方法で得られた試験体について、水浸漬18時間・−20℃3時間静置・50℃3時間静置を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計5サイクル行った後、被膜外観を確認し、不具合(膨れ、剥れ、割れ等)の発生の状態を評価した。評価は、不具合発生が認められなかったものを「A」、明らかに不具合発生が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
・試験2
上記方法で得られた試験体について、3か月間屋外曝露を行い、試験体表面の汚れによる外観変化を観察し、汚れの程度が軽微であったものを「A」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で評価した。
(実施例2)
第1上塗材として上塗材cを用い、第2上塗材として上塗材dを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例3)
第1上塗材として上塗材eを用い、第2上塗材として上塗材bを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例4)
第1上塗材(上塗材a)の乾燥膜厚を15μmとした以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例5)
第1上塗材として上塗材fを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例6)
第1上塗材として上塗材gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例7)
第2上塗材として上塗材hを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例8)
第2上塗材として上塗材iを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例9)
第2上塗材として上塗材jを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例10)
第2上塗材として上塗材kを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(実施例11)
第1上塗材として上塗材lを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(比較例1)
第1上塗材として上塗材mを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(比較例2)
第1上塗材、第2被覆材として、いずれも上塗材bを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
(比較例3)
第1上塗材、第2被覆材として、いずれも上塗材mを用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、各試験を行った。
以上の試験結果を表1に示す。実施例は、各試験において優れた性能を示した。
Figure 2021000627
次いで、実施例1〜10については、以下の試験を行った。試験結果を表2に示す。
・試験3
上記方法で得られた試験体について、水浸漬18時間・−20℃3時間静置・50℃3時間静置を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、被膜外観を確認し、不具合(膨れ、剥れ、割れ等)の発生の状態を評価した。評価は、不具合発生が認められなかったものを「A」、明らかに不具合発生が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
・試験4
上記方法で得られた試験体について、促進耐候性試験機としてアイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)を用い、光照射6時間・結露2時間(計8時間)を1サイクルとして30サイクル促進試験を行った後、被膜外観を確認し、不具合(膨れ、剥れ、割れ等)の発生の状態を評価した。評価は、不具合発生が認められなかったものを「A」、明らかに不具合発生が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
・試験5
上記試験4において、促進試験前後の光沢値から、光沢保持率を算出した。評価は、光沢保持率が90%以上を「A」、80%以上90%未満を「B」、70%以上80%未満を「C」、70%未満を「D」とした。
Figure 2021000627

Claims (2)

  1. 弾性被膜に対し上塗材を塗付して上塗材被膜を形成する被膜形成方法であって、
    上記上塗材として、第1上塗材及び第2上塗材を使用し、
    上記第1上塗材及び第2上塗材は、それぞれ、水性樹脂を含み、
    上記第1上塗材中の水性樹脂は、当該水性樹脂を構成するモノマーのうち、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上である硬質モノマーとして、少なくとも芳香族モノマーを含有し、
    上記第1上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率は、上記第2上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率よりも大であり、
    上記第1上塗材は、−10℃時の伸び率20%以上の被膜を形成するものであり、
    上記第2上塗材は、−10℃時の伸び率が、上記第1上塗材の−10℃時の伸び率よりも小である被膜を形成するものである
    ことを特徴とする被膜形成方法。
  2. 弾性被膜に対して上塗材被膜を形成するための上塗材セットであって、
    上記上塗材セットは、第1上塗材及び第2上塗材からなり、
    上記第1上塗材及び第2上塗材は、それぞれ、水性樹脂を含み、
    上記第1上塗材中の水性樹脂は、当該水性樹脂を構成するモノマーのうち、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上である硬質モノマーとして、少なくとも芳香族モノマーを含有し、
    上記第1上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率は、上記第2上塗材中の水性樹脂における芳香族モノマーの構成比率よりも大であり、
    上記第1上塗材は、−10℃時の伸び率20%以上の被膜を形成するものであり、
    上記第2上塗材は、−10℃時の伸び率が、上記第1上塗材の−10℃時の伸び率よりも小である被膜を形成するものである
    ことを特徴とする上塗材セット。
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