JP2020533599A - 車両ブレーキ性能管理方法、車両ブレーキ性能管理システム、データキャリアまたはコンピュータ記憶媒体、および車両ローラーブレーキ試験機 - Google Patents

車両ブレーキ性能管理方法、車両ブレーキ性能管理システム、データキャリアまたはコンピュータ記憶媒体、および車両ローラーブレーキ試験機 Download PDF

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Abstract

【課題】車両ブレーキ性能管理方法、車両ブレーキ性能管理システム、データキャリアまたはコンピュータ記憶媒体、および車両ローラーブレーキ試験機を開示する。【解決手段】本発明では、車両ブレーキ試験は、1つ以上の試験条件下でブレーキ性能の値を出力するために実行される。ブレーキ性能の値は、所定の使用条件に対する現在の車両ブレーキ有効性の値を生成するために使用される。現在の車両ブレーキ有効性の値に数学的モデルを適用し、車両使用に伴うブレーキ有効性の低下曲線を予測する。数学的モデルは、予測された低下曲線が車両ブレーキ有効性の閾値と交差する交差点を決定するために使用され、交差点に対応する車両使用範囲の指示値が出力される。本発明は、ブレーキ性能の規制の遵守状況を監視するため、および/またはブレーキ試験/メンテナンススケジュールを生成するために使用されてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は車両ブレーキをモニタリング、試験、および/またはメンテナンスするためのシステムおよび方法に関し、例えば、車両の減速のための法定要求事項を満たすために必要な減速力を発生させることができるレベルで、使用寿命全体を通して車両ブレーキ性能をメンテナンスすることを目的とする。
ブレーキ性能を改善するために多くの優れた研究がなされた結果、車両オペレータが現在対処しなければならない唯一の主要なブレーキ関連の問題は、ブレーキの摩擦表面上に低摩擦性の膜が形成されることである。業界で「グレーズ」として知られるこれらの膜は、摩擦材料内部に由来する熱可塑性成分と結合する環境汚染物質によって形成される。それらは、車両ブレーキが発生させ得る減速力を著しく低下させる可能性があるため、問題となる。
車両の法定年次路上移動適性試験はブレーキ性能試験を含むが、年次試験の間に車両ブレーキ性能に深刻な劣化があり得るため、車両オペレータはさらなる定期試験を実施する必要がある。これらの定期的な試験は年に4回以上実施する必要があり、車両オペレータにとって負担となる。
道路車両で現在使用されている2つのタイプのブレーキシステムは、ディスクブレーキとドラムブレーキである。ディスクブレーキには固定摩擦パッドと回転金属ディスクがあり、ドラムブレーキには固定摩擦ライニングと回転金属ドラムがある。各タイプのブレーキは、固定部材と回転部材の摩擦表面との間に摩擦力を発生させることによって作動し、それによって、固定部材が回転部材に減速トルクを加えることを可能にする。この減速トルクは、タイヤに伝達され、タイヤと路面との間の境界面に車両減速力を発生させる。
車両ブレーキシステムは通常、ブレーキの摩擦表面が良好な状態にあるときに、任意の荷重において、毎秒約6メートル(6m/s2)車両を減速させることができる減速力を提供するように設計されている。車両が使用されているときには、そのブレーキの摩擦表面上の光沢の蓄積が、ブレーキシステムが発生させ得る減速力を徐々に低下させる。法的な要求事項は、ブレーキシステムが毎秒最低5メートル(5m/s2)だけ車両を減速できなければならないことである。したがって、通常、ブレーキシステム性能にとって安全な作動レンジがあり、その中では、6m/s2〜5m/s2の加速度で車両を減速させることができる。
現在、ブレーキ性能をこの最低水準以上に維持できる唯一の方法は、グレーズによりブレーキシステムの減速能力が5m/s2に低下したとき、ブレーキの摩擦表面上の摩擦材料を交換することである。しかしその段階では、ブレーキシステムが摩耗に対する使用寿命全体の半分未満を使い切っている可能性がある。
商業的な観点からは、可能な最大使用寿命の終了前に摩擦材料を交換すると、これらの材料の販売が増加することが知られている。そのため、グレーズ形成に関連する問題を解決しようとする商業的な動機付けが、今日までほとんどなかった。
1つの特有の問題としては、現行規制では、車両ブレーキの試験時においてのみ規制遵守状況を評価するようになっていることがある。これは試験が前述の規則的間隔で行うことが要求されることを意味する。車両オペレータは、車両ブレーキ試験が行われる直前にブレーキ摩擦材料を変更すれば、ペナルティなしに、安全でないブレーキを使用して、車両を運転し続けることができる。
さらに、車両ブレーキ試験要件の遵守状況を監督する当局によって行われる抜き打ち検査は、非常に少ない割合の車両に対してしか行うことができない。
このような抜き打ち検査の結果でも、車両オペレータのうちのかなりの割合が、完全には規制を遵守していないことが明らかになっている。このことは、車両オペレータが現在、特に緊急事態のときに必要な減速力を生成することができないかもしれないブレーキでの路上走行を許容していることを意味する。
ブレーキ性能の低下による負傷または死亡の危険性を減少させなければならない。
本発明の目的は、前述の問題のうち1つ以上の問題を緩和するシステムを提供することである。車両ブレーキ性能を評価可能/モニタリング可能な方法を改善することを、追加的および/または代替的な本発明の目的と考えてもよい。
(第1態様)
本発明が提供する第1態様は、車両ブレーキ性能管理方法である。これは、ある車両について、1つ以上の試験条件下で、現在の車両ブレーキ効果の値を出力するために車両ブレーキ試験を行い、前記現在の車両ブレーキ効果の値を、車両使用に伴う車両ブレーキ効果の低下曲線を予測するための数学的モデルに適用し、前記数学的モデルにより予測された車両ブレーキ効果の低下曲線が、車両ブレーキ効果の閾値と交差する交差点を決定し、前記交差点に対応する車両使用範囲の指示値を出力するものである。
この車両ブレーキ性能管理方法は、さらなるブレーキ試験が必要となる前に、車両ブレーキ試験スケジューリング、例えば、車両使用のスケジューリングされた期間/範囲を出力することを含んでもよい。
車両使用に関するデータには、車両移動距離および/または車両使用の持続時間/期間を含むことができる。
この車両ブレーキ性能管理方法は、車両使用範囲が近づくか、一致するか、または超えるかしたときに、警告を出力することを含むことができる。この車両ブレーキ性能管理方法は、予測されたか、または測定された車両使用範囲に近づくか、一致するか、または超えるかしたときに、警告を出力することを含むことができる。
車両ブレーキ効果の低下曲線は、例えば数学的モデルを用い、曲線としてモデリングすることができる。数学的モデルは、曲線の数学的定義を含んでいても含んでいなくてもよい。曲線は、円または楕円の一部/円弧を含むことができる。
車両ブレーキ効果の低下曲線は、複数の車両ブレーキ試験結果に基づいてモデリングすることができる。
数学的モデルの1つ以上のパラメータは、例えば車両ブレーキ試験結果を使用して更新されてもよい。
1つ以上のパラメータ値を含む数学的モデルのログは、例えば、車両および/または各車両ブレーキ試験結果ごとに保持されてもよい。例えば、1つ以上のパラメータ値を含み、予測される車両ブレーキ効果の低下曲線を定義する方程式のログが保持可能にされてもよい。
車両ブレーキ試験結果のログは、車両ごとに保持されてもよい。中央のログは、複数の車両について保持され、複数の異なる場所における車両ブレーキ試験結果に基づいて更新されてもよい。
車両使用の指示値は、車両ブレーキ効果の閾値の範囲内に収まっている許容可能な車両使用の指示値を含んでもよい。この車両ブレーキ性能管理方法は、履歴的な車両ブレーキ効果の低下曲線、車両ブレーキ効果の低下曲線が車両ブレーキ効果の閾値と交差する過去の車両使用の時点、または過去の車両使用範囲を、レトロディクションすなわち遡及予測により予測するステップを含んでもよい。
(第2態様)
本発明が提供する第2態様は、車両ブレーキ性能管理システムであり、以下の装置を備える。
現在の車両ブレーキ効果の値を出力するように構成された1つ以上の車両ブレーキ試験システム。
(1)1つ以上の車両識別子と各前記車両識別子ごとの履歴的な車両ブレーキ試験結果のログとを有し、前記車両ブレーキ試験システムが行う各車両ブレーキ試験の結果によって更新されるように構成されたデータストア。
(2)前記車両ブレーキ試験結果を受信し、車両使用に伴う車両ブレーキ効果の低下曲線を予測するために、数学的モデルに従って前記車両ブレーキ試験結果を処理するように構成された車両ブレーキモニタリングシステム。
(3)前記車両ブレーキモニタリングシステムは、予測された車両ブレーキ効果の低下曲線が、車両ブレーキ効果の閾値と交差する交差点を決定し、前記交差点に対応する車両使用の指示値を出力する。
車両ブレーキ試験システムとデータストアとの間の通信は、車両ブレーキ試験の完了時/実施時に自動的に行うようにされてもよい。
例えば、本発明の車両ブレーキ性能管理方法/車両ブレーキ性能管理システムは、以下のいずれか、いずれかの組み合わせ、またはすべてを記録してもよい。
(a)比較的低い(例えば、ピーク車両ブレーキ性能よりかなり低い)ブレーキ圧力での車両ブレーキ性能。
(b)(例えば、低ブレーキ圧力におけるブレーキ性能からの外挿によって計算される)瞬間的せん断力印加前のピーク車両ブレーキ性能。
(c)瞬間的せん断力印加後のピーク車両ブレーキ性能。
(d)各瞬間的せん断力印加後の車両ブレーキ性能の低下度の予測値。
(e)瞬間的ブレーキライン圧力印加時の減速力の増加率。
(f)車両使用寿命全体を通しての各車両ブレーキ性能。
(第3態様)
本発明のデータキャリアまたはコンピュータ記憶媒体は、車両ブレーキモニタリングシステムコントローラの制御のための機械可読命令を含む。
1つ以上の車両ブレーキ試験システムから車両ブレーキ試験結果および前記車両ブレーキ試験結果に関連する車両識別子を受信する。
受信した前記車両識別子について、1つ以上のログされた車両ブレーキ試験結果をデータ記憶装置から取得する。
受信した前記車両ブレーキ試験結果および前記1つ以上のログされた車両ブレーキ試験結果を数学的モデルに従って処理し、車両使用に伴う車両ブレーキ効果の低下曲線を予測し、前記予測された車両ブレーキ効果の低下曲線が車両ブレーキ効果の閾値と交差する交差点を決定する。
(第4態様)
本発明の車両ローラーブレーキ試験機は、コントローラと、データキャリアまたはコンピュータ記憶媒体とを備える。
本発明の車両ブレーキ性能管理システム、車両ブレーキ性能管理システム、または、データキャリアまたはコンピュータ記憶媒体は、車両使用の指示値が、車両ブレーキ効果の閾値の範囲内にある許容可能な車両使用の指示値を含む。
(その他の実施例)
本発明のいくつかの実施例では、車両ブレーキの摩擦材料のグレーズ除去処理/デグレージング処理がスケジューリングされ、および/または行われてもよい。デグレージング処理は、車両ブレーキ試験の一部を含んでもよく、および/または車両ブレーキ試験リグ/システムを使用して行われてもよい。なお、本発明の出願人による先の特許出願であるPCT/GB2017/052750は、車両ブレーキ摩擦材料のデグレージングおよびモニタリングに関するものであるが、参考のため、その内容全体が本発明に組み込まれている。
本発明は、ただ単にブレーキ性能を測定することを目的とした日常試験/年次試験の一部として、車両オペレータによって行われるブレーキ性能試験について、何らの変更を必要とすることがなくてもよい。さらに、本発明による方法で行われる場合、中間試験は性能の劣化を引き起こしたグレーズの一部または全部を除去することによって、少なくとも部分的に、ブレーキ性能を回復するために使用されてもよい。
本発明は、重量物車両のような商用車両に特に適している。
線3は使用中の車両ブレーキ効果低下曲線の典型的なパターン、線4は車両ブレーキ効果、線5および線6は車両ブレーキ効果についての安全動作範囲。 線7〜9は異なる車両または異なる車両使用シナリオに対する車両ブレーキ効果の低下曲線の異なるパターン。 車両ブレーキ効果の低下曲線の数学的定義の例。 車両ブレーキ試験結果から導かれた、モデリングされた車両ブレーキ効果の低下曲線の例。 ハッチング領域4は安全動作領域、13は上側セクタ、線12は上側セクタ13内に維持されている車両ブレーキ効果の値。 線14は、デグレージング処理とその次のデグレージング処理の間に蓄積したグレーズを部分的に除去するだけのデグレージング処理でも車両ブレーキ効果が高められることを示す。 線17は、デグレージング処理後の車両ブレーキ効果の低下度の予測、車両移動距離18と車両移動距離19はそれぞれ、上部セクタ13内に車両ブレーキ効果を維持するため、さらにデグレージング処理後を要する車両移動距離の下限値と上限値。 車両ブレーキ効果のログの例。 アクスル32に取り付けられ、プルダウン固定具31に係合したせん断力アプリケータ33の概略を示す正面図。 シャフト24に取り付けられ、アクスル32に係合するせん断力アプリケータ33の側面図。 車両ブレーキの安全作動範囲4の部分拡大図。ブレーキライン圧力が6.5バールに近づくにつれて、デグレージング処理によって得られる減速力の増加率を示す。
以下、本発明の特定の実施形態を、図面を参照して説明する。
我々は、研究により、以下の事実を発見した。
(1)車両が使用されているときのブレーキの摩擦表面へのグレーズの蓄積は多くの要因に依存しているが、主な要因は、ブレーキパターン、および摩擦材料のグレーズ抵抗性である。
(2)図1に示すように、車両ブレーキ効果の低下曲線はS字曲線である。キロメートル当たりの車両移動距離における車両ブレーキ効果の低下度は、最初は低いが、車両ブレーキ効果が安全動作領域から逸脱するレベルまでグレーズが蓄積するにつれて、3倍以上増加する。ある車両のS字曲線が分かれば、車両ブレーキ効果の低下曲線の将来の経路を予測することができる。
(3)車両ブレーキ効果の低下曲線は、数学的アルゴリズムまたは数学的モデルを用いて、例えば、車両ブレーキ効果の低下曲線を、図1に示したタイプの所定の数学的プロットまたは数学的表現に当てはめることによって予測することができる。例えば、多項式を用いてブレーキ効果の低下曲線を定義することができる。
(4)すなわち、現在の/測定された車両ブレーキ効果は、数学的モデルへの入力値とすることができる。関連する曲線は、将来の車両ブレーキ効果のレベルを予測するために、利用可能な試験結果から外挿することにより、数学的にモデリングすることができる。
(5)S字曲線の下側部分をモデリングすることはより重要性が低く、数学的モデルは、許容できないレベルまでの車両ブレーキ効果の低下曲線を評価する目的で、曲線の上側部分を予測するために単純化することができる。
(6)車両ブレーキ効果の低下曲線を予測する数学的モデルは、例えば図5〜7に示されるように、デグレージング処理を予定に組み込むことができ、車両ブレーキ効果を維持するため、次のデグレージング処理が要求される車両移動距離を予測することができる。
(7)車両ブレーキ性能は、デグレージング処理のために瞬間的なせん断力を加える前後で測定することができる。ソフトウェアは、デグレージング処理後の車両ブレーキ効果の低下曲線の経路を予測するために使用され得る。車両ブレーキ効果の低下曲線の数学的モデリングは、必要であればデグレージング処理後に再実行することができ、デグレージング処理されたか否かにかかわらず、自動車の使用寿命全体を通して車両ブレーキ効果をモニタリングする手段を提供することができる。
(研究成果の実施)
従来のローラーブレーキ試験機を用いて、試験を行う際の電流遮断性能の結果を生成することができる。従来のシナリオでは、将来の車両ブレーキ性能の低下曲線は知ることができない。従来の車両ブレーキ試験が異なる時点で行われる場合、ブレーキ性能結果を、車両の移動距離に対して遡及的に記録することはできる。しかし、将来の低下曲線を予測する方法、または、いつ車両ブレーキの材料が変更されたかを確実に遡及予測する現在の方法はない。さらに、同じブレーキライン圧力および/またはブレーキライン圧力の増加率は、各試験に使用されない場合があるから、試験結果を、減速中の車両減速と法的要求事項とを有意義に比較することは困難である可能性がある。
本明細書に記載されるアプローチでは、車両試験データ結果、すなわち測定されたブレーキ性能データを処理し、ブレーキの動作寿命の全部または一部など、使用期間全体を通じての車両ブレーキ効果の低下曲線の連続的経路を生成するように、数学的モデルを適用する。
本実施例では、ローラーブレーキ試験機を使用して、車両ブレーキにより、各ホイールについて得られた減速力の値を使用する。試験時には、以下のものも記録される。
(1)試験中のホイールによって支持された重量。
(2)ホイール/車両が支持可能と認証された最大重量。
(3)および試験中に加えられたブレーキライン圧力。
ここで、ブレーキライン圧力の測定値は、試験中にどの程度ブレーキがかけられたかを示す値を提供する。
コンピュータプロセッサは、本発明の例に従って、ソフトウェアを用いて、この入力データを処理する。
(a)外挿により、所定のブレーキライン圧力、すなわち所定のブレーキライン圧力値が試験中のブレーキライン圧力の測定値と異なる場合にブレーキが提供可能な減速力を計算する。外挿は、ブレーキ力はブレーキライン圧力の増加に伴って予測可能に増加する、との仮定に基づいて行われてもよい。数学的モデルは、ブレーキライン圧力と車両ブレーキの減速力との間の関係を定義するアルゴリズム/数式表現を含むことができる。この例では、6.5バールのブレーキライン圧力において提供される減速力を決定するために、計算が行われる。
(b)ホイールが支持可能と認証された最大重量を支持している場合、所定のブレーキライン圧力で車両ブレーキにより得られる減速度を計算する。この計算は、試験された条件、すなわち減速の現在値を提供するために、ブレーキについて行われる。
(c)計算された減速度を用いて、数学的モデルに従って車両ブレーキ効果の低下曲線の経路を生成する。数学的モデルは、例えば以前にブレーキ試験において計算された減速度の結果、すなわち以前に計算された1つ以上の低下率の値をさらに使用することもできる。
数学的処理は、以下のように要約することもできる。
(i)車両ブレーキ効果の値を提供するために、生の試験データを車両減速データに変換すること。
(ii)車両ブレーキに対する車両ブレーキ効果の低下曲線の経路を生成または更新するため、数学的モデルにおいて決定された減速データを使用すること。
以下の説明は、車両使用に伴う車両ブレーキ効果の低下曲線を決定するための、適切な数学的モデルの定義に関連して進行する。
図1は、線3によって、車両が使用されているときのブレーキ効果の低下曲線パターンの例を示す。数学的モデルは、曲線の正確な形状に適合させることができる。これは、例示されたブレーキ摩擦材料とその使用モードについての車両ブレーキ効果の低下曲線を表す。
図1はまた、線5と、6m/s2だけ車両を減速させるのに必要な車両ブレーキ効果の値と、線6との間の安全動作レンジを示すハッチング領域4と、5m/s2だけ車両を減速させるのに必要な車両ブレーキ効果の値とを示す。線6は、ここでは車両減速値の特定の閾値を有するが、この特定値はブレーキ受容性に必要な所定のレベルに従って、本発明の範囲で変更可能であることがわかる。したがって車両ブレーキ効果の値が許容できないレベルまで低下曲線する点、例えば曲線3がハッチング領域4の最小閾値と交差する点を決定することが可能である。
異なる車両、摩擦材料、および車両オペレータによる挙動(例えばブレーキがどれだけ積極的に/頻繁に使用されるか)は、すべて、曲線3の形状に影響を与える。したがって、各車両は、自身の特定の低下曲線を有することになる。図2は、3つのこのような異なる経路7、8、9の例を示す。しかしながらどの経路も同様の形状を有するため、共通のアプローチを使用し、全経路を集合的にモデリングすることが可能である。
一連の曲線群は、例えばブレーキシステムの既知の、または予測可能な動作パラメータに従って、車両ブレーキ効果の低下曲線のいくつかの変動に適応するため、数学的モデルの1つ以上の変数を変更することにより、異なる摩擦材料および/または車両使用プロファイル/シナリオを表すことができる。
図3を参照すると、車両ブレーキ効果の低下曲線の経路を決定するために1つ以上の円弧を使用する数学的モデルの例が示されている。図3の数学的モデルでは、第1の円10が例えば閾値6より上の、低下曲線の初期部分を定義するために使用され、第2の円11は例えば閾値6より下の、低下曲線の後半部分を定義するために使用される。第1の円は、図3に示すように、車両使用範囲に対する減速度のグラフのy軸上に中心を有する。
円弧を使用するという概念は、次の点で非常に実用的であることが分かった。
(i)低下曲線の車両使用範囲は2つの接触円のセクタ、すなわち、(閾値+a)のブレーキ性能における上死点を有する半径「r」の第1の円10(ここで「a」は車両ブレーキ効果が閾値6(この例では5m/s2)を超える量である)と、車両ブレーキ効果の閾値水準で第1の円に接触し、「kr」の半径を有する第2の円11(ここで「k」は1に近い数値であるが必ずしも正確に1ではない)とによって記述することができる。
(ii)閾値6を超える経路はすべて、第1の円10由来であり得る。
(iii)閾値6を下回る経路はすべて、第2の円11由来であり得る。
(iv)各経路は、異なる半径を有するという点においてのみ、互いに異なる。
(v)車両またはそのブレーキに関する事前の知識がなくても、全経路とも3つの試験結果のみから、またはそれらのうちの1つが上死点の性能値を提供する場合には2つの試験結果のみから、生成することができる。
(vi)ブレーキ摩擦材料が変更され、以前のブレーキ材料に対する車両ブレーキ効果の低下曲線の結果が利用可能である場合、現在のブレーキ摩擦材料に対する低下曲線の経路は、1つの試験結果から生成することができる。
このようにして全低下曲線をモデリングすることが可能であるが、ブレーキの作動は使用時に閾値を超えるように維持されるべきであるため、閾値6と交差する前の低下曲線の経路の最初の部分は、ほとんどの用途にとって最重要である。したがって数学的モデルは、本発明のいくつかの例では、第1の円10によって画定される経路のみ含むことができる。
新型車の車両ブレーキ効果の低下曲線の経路を求める手順は、次のとおりである。ブレーキの初期摩擦材料は最良の状態にあるため、各車両ブレーキの最初の車両ブレーキ試験で上死点の値が決定される。これは、第2の試験結果と共に、車両ブレーキ効果における低下曲線の最初の経路、すなわち上死点から5m/s2の値まで、延びる経路が計算されることを可能にする。試験結果および低下曲線の経路は、車両ブレーキのログとして記録することができる。
その後、低下曲線の経路は後のブレーキ試験において計算され、少なくとも同じ摩擦材料についての次の試験結果から計算された経路に置き換えられるまで、車両ブレーキのログ上の所定の位置に留まる。第3の試験結果は、第1および第2の試験結果と共に、より正確な低下曲線の経路を、例えば3つの点を取り入れた最良適合の経路として、計算することを可能にする。4回目以降の試験からは、最良適合経路が、その時点で利用可能な全試験結果から計算される。初期摩擦材料の最終試験において測定された経路は永久ログとして保存され、そのコピーは任意の車両移動距離における初期摩擦材料の車両ブレーキ効果の値を提供するために持ち越される。
このようにして、数学的モデルは、各車両ブレーキ試験において、連続的で可能な限り正確な低下曲線の経路のモデルを提供することができる。
上の例では円弧が使用されているが、車両ブレーキシステム(この例では車両移動距離によって表される)の車両使用範囲に対する車両ブレーキ効果の低下曲線の経路または予測プロットを最も良く表す任意の数学的関係についての数学的モデルを定義することが可能であり、これは実際に測定された試験結果から導出された複数の利用可能点を含む。適切な多項式を生成し、利用可能なデータに最も一致させることが可能である。他の例では、低下曲線の経路の直線的定義を使用することができる。
図4では、ブレーキ試験結果から得られた利用可能な点P1、P2、およびP3を使用して、適切な曲線3Aが生成されている。
したがって、結果として得られる曲線3Aはブレーキの摩擦材料における性能/効果の予想される低下曲線(例えば、グレーズの蓄積による)を表す。車両ブレーキ効果の値が許容できなくなる点は、点P4、すなわち曲線3Aが最小閾値を示す線6と交差する点によって表される。これは、曲線3Aが許容可能なハッチング領域4を出る点として説明することもできる。
したがって、現在のブレーキ試験結果P3と予測閾値P4との間の車両使用範囲は、例えばP4における予測閾値までの移動距離からP3における車両の現在の移動距離を差し引くことによって、値D1として計算することができる。
この情報は、閾値に到達する前に、車両使用の残りの使用可能程度を示す、またはそれから導出される出力信号を生成するために使用され得る。この出力は、以下のいずれか、またはいずれかの組み合わせを生成するために使用されてもよい。
(1)次の車両ブレーキ試験を行わなければならない時の表示、例えば値D1に従って、次の試験を行わなければならない限界値として表される。その次のテストは値D1と一致するようにスケジューリングされてもよいし、D1のすぐ前にスケジューリングされてもよい。
(2)車両ブレーキテスト/車両ブレーキ検査またはメンテナンス作業がいつ行われなければならないかの指示。例えばD1と一致するようにスケジューリングされてもよいし、D1直前にスケジューリングされてもよい。
(3)車両ブレーキ摩擦材料がいつ変更されなければならないかの表示。例えばD1と一致するようにスケジューリングされてもよいし、またはD1直前にスケジューリングされてもよい。
本開示の主目的は、最小限の許容可能な車両ブレーキ性能のレベルを維持するための要件遵守を確実にするのを助けることであるから、S字曲線の形状全体のモデリングは必要とされず、代わりにS字曲線の上部のみ、例えばより単純な弧/曲線としての予測のみ必要となる場合があり得る。したがって、数学的モデルは、車両ブレーキ効果の低下度が加速している領域、例えば低下度が一定かまたは(図4の曲線の下半分に示すように)低下度が減速している点の前でのみ、曲線をモデリングするようにされてもよい。
一例として、曲線の関連部分が点P1、P2およびP3の間の三角関係に従ってモデリングされ、それらの点を通る部分/円弧または円または楕円、を画定することができる。この例は、説明を容易にするためにのみ使用されるものであり、車両ブレーキ性能の低下曲線をモデリングする数学的モデルの精度のレベルにより、他の数学的モデルを用いてもよいことがわかる。
この例における3つの点P1、P2およびP3の使用は、これらの点を含む単一の円/楕円を定義するのに十分である。3つの点の各々から等距離である(または可能な限り等距離に近い)点を選択することによって円の中心を定義することができる。それにより、円の半径はP1、P2またはP3のいずれかから等距離の点までの距離によって定義され得る。
上述したように、例えば新たな摩擦材料が車両ブレーキに取り付けられたとき、第1の点が最大値、すなわちy軸と整列した経路の上死点を表すように第1の試験が行われる場合、2つの点のみを使用して、予測低下曲線の経路を生成することができる可能性がある。
別の例では、ブレーキの摩擦材料が変更され、その車両ブレーキの以前の摩擦材料についての車両ブレーキ効果の履歴的な低下曲線が利用可能である場合、以前に記録された低下曲線を新しい材料に適用することが可能である。
新しい材料についての試験結果を使用し、新しい低下曲線の経路について1つの点を定義することができると考えられる。次に、以前の低下曲線を当該1つの点に重ね合わせ、現在の摩擦材料の新たな予測低下曲線の経路を提供することができる。同じ車両ブレーキシステム上の新しい摩擦材料の連続的低下曲線の経路は、以前の摩擦材料と非常に類似した経路をたどるため、この技術は最初の車両ブレーキ試験においてさえも、低下曲線の経路の正確な予測を提供することができることがわかった。
いずれの例においても、本明細書に記載される技術は、車両ブレーキ効果が許容不可/規制違反となる点を予測することができる、車両使用による車両ブレーキ効果の低下曲線について、非常に正確な近似を提供することがわかっている。
この技術の結果は、追加的/代替的に、車両オペレータの車両ブレーキ効果の最小閾値の遵守状況を監視するために使用されてもよい。
例えば、車両オペレータが図4に示される点P4の前に行われて記録された続きのブレーキ試験結果を有せず、代わりにP5で行われた試験のみ有する場合(すなわち摩擦材料が変更された後)、既存の従来のアプローチの下では、その車両ブレーキは現在のところ安全であるとみなされ、P3とP5との間の最小閾値に適合していないことを実証する方法はない。
しかし、新しいブレーキ摩擦材料が取り付けられた直後にP6で試験されモデリングされた車両ブレーキ低下曲線3Aを使用すれば、P3データと比較すると車両ブレーキ性能の値が予測結果のように低下していないため、ブレーキ摩擦材料が交換されたことと推論することができる。新しいブレーキ摩擦材料の試験結果が記録されていない場合であっても、P5とP3との比較により、期待値と実際値との間の不一致が直ちに示される。
さらに、車両使用範囲(すなわち車両移動距離)をP4で予測された許容範囲と比較することができ、その間の差D2を決定することができる。したがって、この差D2は、ブレーキ性能が最小閾値6を下回っている間の車両使用範囲の差D2の範囲を遡及的に示すために計算することができる。このように、数学的モデルは車両ブレーキ効果の連続的低下曲線の経路を決定するため、予測的または遡及的に用いることができる。
新しいブレーキ摩擦材料を取り付ける際に車両ブレーキ性能が試験されなくても(例えば悪質な車両オペレータが規制違反での摘発を回避しようと試みる場合)、後の日常試験(例えばP6)における車両ブレーキ試験結果を用いて、車両ブレーキが最小閾値6未満であったときの使用期間を推測することができる。例えばP4の前に生成された曲線は、P6が含まれるようにx軸方向に移動させることができる。次に、曲線は最大閾値(例えば、新しいブレーキ摩擦材料について記録された車両ブレーキ性能の最大値)に達するまで、遡及的に追跡することができる。したがってブレーキ摩擦材料が変更されたとき(すなわちP5とP6との間の車両使用範囲)を遡及的に決定することができ、D2の値を上述のように決定することができる。
これは、単純だが動作可能な数学的モデリング技術の例を提供するものであるが、検討が可能な数多くの詳細な例が存在する。例えば、数学的モデルは、正確なP4ではなく、車両ブレーキ性能が最小閾値を超えると予測される範囲またはゾーンを出力してもよい。例えば、P4周辺の可能な点に正規分布を適用することができ、関連範囲の適切な境界を選択することができる。
別の例では、異なるブレーキ使用シナリオが、例えば使用によるブレーキ摩擦材料の摩耗についての最良および最悪シナリオに従って、決定されたD1値に対する許容差のパーセンテージとして表現されてもよい。
さらに別の例では、利用可能なブレーキ試験結果(P1、P2、P3)に従って数学的アルゴリズムを変更することによって、またはパラメータ化により定義された一連の曲線のパラメータ値を変更することによって、最良および最悪シナリオについて異なる曲線定義を決定することができる。
別の例では、単純化されており多くの点で好まれる単純な公差が、(例えば通常の車両ブレーキ使用の範囲内にあると考えられるP4からのパーセンテージの不一致として表される)P4における予測に適用されてもよい。
このような例では、(車両ブレーキ効果の低下曲線が)閾値と交差すると予測される範囲を決定および/または記録することができる。
将来のブレーキ試験は、規制遵守のため、試験結果を予測点P4または車両試験が行われる点における低下曲線の経路3Aの値と比較することができる。許容可能な範囲に入る不一致は受け入れる可能だが、許容可能な範囲から出てしまった不一致は警報を発し得る。
同様の閾値/ゾーンは例えば、P6に関連して上述したように、以前の車両ブレーキ性能をモデリングする場合、遡及的に決定されてもよい。
上述のアプローチは、不安全かもしれない車両使用の限界ゾーンに意図せず侵入した可能性のある車両オペレータにペナルティを科すことを回避する目的で使用されてもよい。代わりに、車両使用の不安全期間および/または車両使用の懲戒期間は、決定点P4周辺の許容範囲外に位置するゾーンに関してのみ決定されてもよい。
低下曲線の経路の初期定義が生成された後、本明細書に記載の方法を使用する場合、後続の車両ブレーキ試験ごとに、グラフ上に車両ブレーキ効果の新しい点が作成される。既存の低下曲線の経路は、(例えば許容可能な範囲内に)該当点があるかどうかを決定するために、新しい点と比較されてもよい。
これに加え、またはこれに代えて、既存の低下曲線の経路を更新して、新しい点に対応することができる。低下曲線の経路は、試験結果からの全利用可能点を使用して、最も適するように調整されてもよいとわかる。こうして低下曲線の経路は、利用可能な試験データを使用して、将来の低下曲線の最適推定値を表すように更新される。これにより、数学的モデリング過程の進行中の精度が確保される。しかし、この更新過程がなかったとして、本明細書に記載されるモデリング技術は、車両使用中の車両ブレーキ効果の低下曲線の正確な予測を提供できることがわかった。
車両ブレーキ摩擦材料の寿命の終わりには、多くの中間車両ブレーキ試験があり、多数の点が低下曲線の経路にさらに記録されるため、利用可能な車両ブレーキ効果の低下曲線の完全な履歴がある。これは、車両ごとにログに記録することができ、潜在的に、新しい車両ブレーキ摩擦材料を使用して、その車両について将来の車両ブレーキ効果のモデリングを通知するために使用できる。さらに、複数の車両について蓄積されたデータを使用して、将来のモデリング過程を検証または更新することができる。異なる車両の製造/モデル、車両ブレーキ摩擦材料、および/または車両使用モードの間の傾向を識別し、検討に供することができる。
上述のスケジューリング/モニタリング手法を行うため、車両性能試験データの中央データベースが保持されることになる。上述の例のためのデータベース内エントリーは、少なくとも車両識別子(例えば従来の車両識別子/登録番号)、試験時における車両移動距離の記録、ブレーキ試験結果、および/または試験結果から算出された車両ブレーキ効果の指標を含む。
曲線3を生成するための試験結果の処理は、上述のように車両ブレーキ性能をモデリングするようにプログラムされた車両ブレーキ試験コントローラ/プロセッサによって行われてもよく、あるいは中央の機関(例えば中央データベースを管理する機関)によって行われてもよく、データの提供は車両ブレーキ試験システムまたは車両オペレータに直接伝達されてもよい。従来の通信技術および通信プロトコルを使用し、関連情報/警告を車両オペレータに通信することができる。さらに、従来のコンピューティングデバイス/リソースを使用して、数学的モデリングを実行することができる。
例えば図4〜図8のいずれか1つに示されるタイプの、車両ブレーキ性能の予測グラフまたはプロット結果は、出力され、表示され、および/または車両オペレータに伝達されてもよい。これは、付随する情報、例えばスケジューリングされた将来の車両ブレーキ試験/保守点検または警告のための背景事情を提供することができる。
この装置は、車両オペレータに、彼らが義務として履行すべき事象について通知され得るような、向上した車両ブレーキ性能の記録または手段を提供する。この装置はまた、例えば遡及的に車両オペレータの行動を評価可能な手段を提供する。本明細書ではさまざまな異なる数学的モデリング過程を説明しており、それぞれさまざまな精度の情報を提供し得るが、それらの過程はすべて、車両ブレーキ効果の連続的低下曲線の経路の予測および使用が不可能な従来の方法よりも優れている。
(グレーズ除去処理/デグレージング処理の実施)
上述の技術は、標準的な車両ブレーキ試験手順を用いて使用することができる。従来、車両ブレーキ性能は、ローラーブレーキ試験機により、ローラーの回転中、ブレーキライン圧力が1バール/s以下の速度でゆっくり加えられる手順を用いて測定される。この手順は緊急時、即座に利用可能な減速力を提供することはない。
ローラーブレーキ試験機を使用して、非常に迅速にせん断力を(例えば瞬間的に)加えることで、車両ブレーキが減速力を発生させ得る速度の測定手段を提供できることがわかっている。これは、減速力がトリガレベルからピークに達するレベル等のより高いレベルまで上昇するのに必要な時間を測定することによって達成できる。ブレーキが減速力を発生させ得る速度は非常に重要であり、すべての車両ブレーキ試験の不可欠な部分となるべきである。理由は以下の通りである。
(a)緊急事態では、価値ある唯一の減速力は、すぐに利用可能な減速力である。
(b)バランスのとれた車両ブレーキは、全ブレーキを同時に作動させる必要があり、これは同じ速度で全ブレーキに減速力を発生させることができる場合のみ可能である。
(c)減速力データは、圧力配管の流量制限、バルブの誤動作、スラックアジャスタの調整不良などの問題について早期に警告することができる。
また、車両ブレーキの摩擦表面上のグレーズは、現在車両ブレーキ試験に用いられているゆっくりとしたせん断力の印加とは異なり、瞬間的なせん断力の印加によって、車両に取り付けられているときの車両ブレーキの表面が磨滅して微粒子になることにより、重力または空気流によって除去できることがわかっている。対照的に、従来のブレーキ試験を行う際に用いられるゆっくりした減速力の印加は摩擦材料を温め、グレーズの耐摩耗性を低減するのに役立つ。
せん断力の印加によって除去できるグレーズの量は、多数の要因に依存するが、主要因は、せん断力の大きさ、せん断力が印加されたときの蓄積速度、印加されたときの温度、印加されたときのグレーズの厚さ、および駆動ロールの回転速度である。これらは、せん断力の大きさ、せん断力の蓄積速度および駆動ロールの回転速度の増加とともに増加し、温度およびグレーズの厚さの増加とともに低下する。
図5および図6は、グレーズ除去処理/デグレージング処理(以下でデグレージング処理という)の使用により延長される車両ブレーキの摩擦表面上のブレーキ摩擦材料の安全作動寿命のモニタリング/モデリングを示す。デグレージング処理は、以下に説明するように、車両ブレーキ試験システムを用いて行われる。これにより、デグレージング処理時の車両ブレーキ試験性能結果を得ることができる。
図5の線12は、1回のデグレージング処理によって蓄積されたグレーズを除去することができる場合に、軽くデグレージングするというデグレージング処理を用いることで安全動作領域4の上側セクタ13内に維持される摩擦材料のブレーキ性能を示す。ブレーキ性能が高いレベルにあるとき、グレーズ形成の初期にグレーズを除去することは、グレーズがゆっくり堆積中にグレーズ除去し、その結果、除去されたグレーズの各単位量が車両の安全な移動を最大距離に延長するという点で効果的である。
図6は、線14によって、以前のデグレージング処理以来の、例えば試験と試験の間に蓄積したグレーズを部分的にのみ除去するというデグレージング処理により、各車両ブレーキ試験においてブレーキ性能が高められていることを示す。部分的な除去は、車両ブレーキ性能の低下を防止することはないが、ブレーキ摩擦材料の安全作動寿命を、点15から点16まで延ばすことにより、車両使用のコストを大幅に低減することができる。
図5および図6の各シナリオについて、複数の車両ブレーキ試験がデグレージング処理の直前に行われてもよく、車両ブレーキ性能の低下曲線は以前からモデリングされていてもよい。したがって、現在の車両ブレーキ性能値を提供する車両ブレーキ試験結果により予測される車両ブレーキ効果の低下曲線は、現在の車両ブレーキ効果の値から開始して、車両ブレーキに既に利用可能なモデル/曲線を使用して外挿され得る。このため、デグレージング処理後の現在のブレーキ有効レベルが、この車両ブレーキ材料について以前に記録された最大レベル未満であっても、やはり将来の車両ブレーキ性能の低下曲線を推定できる。
車両ブレーキの摩擦材料上で行われるデグレージング処理の回数により、ブレーキ試験結果をログに記録してもよい。デグレージング処理の回数は、数学的モデルに提供することができる。例えば、デグレージング処理の回数は、モデリング処理結果が車両ブレーキ試験、デグレージング処理、またはブレーキ摩擦材料の変化をスケジューリングするかどうか、および関連事象の関連タイミングに影響を及ぼし得る。
図7の線17は、デグレージング処理後の車両ブレーキ効果の予測低下度を示す。これは、車両オペレータに、次のデグレージング処理が上部セクタ13内に維持することを要求される車両移動距離18と、安全運転領域4に車両ブレーキ効果を維持するために次のデグレージング処理が要求される車両移動距離19とに関するガイドを提供する。このアプローチを用いて、次のデグレージング処理および/または試験をその車両についてスケジューリングすることができる。点18はデグレージング処理の最適点を表し、点19は車両安全性を保証するために絶対にデグレージング処理しなければならない期限を表す。このような車両データのログを保持することによって、車両オペレータの行動履歴およびブレーキ性能履歴を後日検索できる。
図8は、瞬間的にせん断力を加えることで可能になる車両ブレーキのログの例を示している。線20により、3軸車両の6つのブレーキの各々について、各車両ブレーキ試験前後の車両ブレーキ効果を記録する。線21により、各試験間における車両ブレーキ効果の低下曲線予測結果を記録する。3ヶ月毎の試験データに関する40個のデータは、10年の車両動作寿命を通じての車両ブレーキ効果の記録を提供する。
上記の例では、車両移動距離が車両ブレーキ使用程度の値として使用されているが、他の値、例えば、時間または車両使用時間を、必要に応じ、代替的に使用することもできることがわかる。将来の事象のスケジューリングは、例えば関連期間を通じての通常の車両使用を仮定してスケジューリングされた日付をベースにしてもよい。車両/ブレーキ使用に関する他のデータも、その収集に必要なセンサが車両に搭載されていて利用可能であれば、検討されてもよい。
以下の説明は、車両ブレーキ試験システムの例に関連するものであり、ここではデグレージング処理も含む。しかし、他の例では、デグレージング処理は必ずしも用いる必要はない。
図9において、ホイール22のタイヤ34は、ローラーブレーキ試験機の駆動ロール23上の所定位置に示されている。コントローラ40は、駆動ロール23によるホイール22の回転を証明するための車両ブレーキ使用時に測定された減速力の値を含め、試験作業のためのセンサからのデータを受け取る。
図10はまた、アクスル32に取り付けられたプルダウン固定具31と係合したせん断力アプリケータ33の端面図を示す。せん断力アプリケータ33は、外側部材28と、内側部材27と、プルダウン装置30とからなる。アスクル32はブレーキ機構38(図9に点線で示す)を担持し、このブレーキ機構はブレーキの摩擦表面からグレーズを除去するため、デグレージング処理を受ける。
せん断力アプリケータ33はシャフト24に固定され、周知のコンピュータ制御された電気、油圧、または空気圧手段の適用によって、シャフトに沿って移動し、シャフトの周りを回転し、外側部材28に対する内側部材27のアスクル方向移動によって長さを調節することができるように、3軸方向に自由に移動できる。それにより、引っ込んだ位置29(点線で示す)から、プルダウン装置30がプルダウン固定具31と安全に係合する位置まで移動できる。
安全な係合状態が得られると、内側部材27が外側部材28内に後退し、それによりプルダウン装置30にプルダウン力が加わり、ホイール22にかかる荷重、駆動ロール23とタイヤ34との間の摩擦力を、ブレーキ機構の摩擦表面に所望のレベルのせん断力を加えるのに必要なレベルにする。
図10は、シャフト24に取り付けられ、軸32と係合する2つのせん断力アプリケータ33を示す。車両の各車軸上またはその近くに、1つまたは複数のプルダウン固定具31が取り付けられる。
図11は、安全動作範囲4の拡大されたセクション内に、ブレーキライン圧力が6.5バールに近づくにつれて、デグレージング処理によって達成される減速力の増加率を示す。これは、車両で通常利用可能な最大圧力である。これは点35まで上昇する減速力を示し、またデグレージング処理されなかった場合に利用可能であったであろうものより低い減速力36を示す。36から35への減速力37の増加は、例えば図5−7に示されたブレーキ性能の増加に対応するように、デグレージング処理によって改善されたブレーキ性能値の測定値を提供する。
デグレージング処理は、例えば1つ以上のソフトウェアアプリケーションまたはプログラムの形態で、機械可読コードの複数のモジュールを実行するコンピュータ/コントローラ40を有する可動または固定ローラーブレーキ試験機上で行われる。コントローラは任意選択で、標準ブレーキ試験プログラム、およびデグレージングと試験とを組み合わせたプログラムのいずれかを行うことができる。組み合わされたプログラムは、デグレージングを行うために瞬時にブレーキライン圧力を適用するようにオペレータに指示を出す。コントローラは、以下にさらに詳しく説明するように、この過程をモニタリングし、記録することができる。他のいくつかの例では、コントローラが処理の1つ以上の動作変数をコントロールすることができる。本発明の採用は、例えばコントローラが手動オペレータ実施の命令を出すように、既存のローラーブレーキ試験機器の使用に最初に依存することが想定される。
ローラーブレーキ試験機は(テスタ・メモリ内で、またはローカル・ネットワークまたはワイド・エリア・ネットワークを介してテスタ・メモリに接続されて)テストおよび/またはデグレージング処理されるブレーキを搭載する車両のすべての詳細な関連事項を含むデータ記憶装置にアクセスし、テスタが車両を識別し、車両のログに対する読み取り/書込み動作を実行することができるようにする。結果は、典型的には、本明細書に記載の方法で処理するために中央データストアおよびモニタリング設備に通信されることになる。しかし、コントローラ40は必要に応じ、関連データ処理ステップおよびブレーキ性能曲線のモデリングを同様に実行してもよい。
(潜在的な利点)
本発明は、事前予測または遡及予測のいずれかで、試験間の車両ブレーキ効果の値の外挿を可能にするのに有用であり得る。本発明は、車両ブレーキ効果がいつ許容不可となるかの将来予測を可能にできる。これは、次の車両ブレーキ試験、または車両ブレーキ摩擦材料の保守/交換スケジューリングのために使用できる。または、代替手段として、車両ブレーキが変更され、試験され、現在の車両ブレーキ効果が許容可能である場合、本発明は、車両ブレーキ効果が許容可能であったか、許容可能でなかったかのいずれかで、履歴的な車両使用のウィンドウの識別を可能にし得る。
通常の日常的車両ブレーキ試験サイクルの代わりに、本発明は、特定車両とその特定組のブレーキ試験結果に特有のダイナミック車両ブレーキ試験スケジュールを生成することを可能にできる。すなわち、試験または保守事象の間の車両使用の許容範囲は、すべての車両に共通の設定値/固定値ではなく、車両ごとに異なってもよい。
本発明は、車両オペレータのための頻繁なブレーキ試験の必要性を低減することができる。ブレーキ性能低下曲線の正確な予測は、いくつかのまたはすべての暫定的な試験の必要性を否定し得る。代わりに、車両ブレーキが規制不遵守になると予測される直前に、適切な試験事象をスケジューリングすることができる。
異なる車両についての低下曲線の経路は異なり得るが、ある車両についてのその次の低下曲線の経路は、先行する曲線に極めて類似していることがわかっている。よって、車両の第1の曲線が決定された(および/または後続の試験によって検証された)後、同じ数式または曲線の形状を後の曲線に使用することができる。デグレージング処理、ブレーキ摩擦材料の交換、または他のブレーキ保守作業の後に必要とされるのは、現在の最大ブレーキ性能を決定するための即時ブレーキ試験だけである。次に、先行する曲線を新しい/現在の車両ブレーキ効果の最大値に適応させることができる(たとえば、先行する曲線の新しい最大値以上のいずれかの部分を削除することにより)。
したがって、曲線は、既存のモデルに従って将来の低下曲線を予測するために現在の車両ブレーキ効果に置き換えることができる。すなわち車両の経路は一貫しており、摩擦材料の1つのセットの経路を安全に使用し、次のセットおよび/またはその後のセットの経路を予測できる。
安全な車両ブレーキ効果ゾーンのための経路は、所望であれば、様々な半径の円のセグメントとして簡単にモデリングすることができる。任意の特定の車両ブレーキのための関連する半径が決定されれば、低い車両移動距離の増加分で、2回または3回程度の試験により、車両ブレーキの長期性能を決定することができる。
本発明を用いて生成された結果は以下の通りである。
(a)摩擦材料の製造業者は、車両の各グレードに最適な材料配合を設計するために使用できる。
(b)車両オペレータは、車両の各グレードに最適な材料を決定するために使用することができる。本明細書に記載されるシステム/方法は、初期性能、性能の低下度、およびデグレージング処理の容易さに関して、それらの必要性を満たす最適な摩擦材料を定義し、選択するのを助ける際、車両オペレータにも有用であり得る。
(c)規制当局は、車両ブレーキの規制遵守状況をモニタリングするために使用することができる。
(d)新しい摩擦材料を取り付ける場合と、その摩擦材料を交換する必要がある直前にさらに取り付ける場合とで、必要とされる試験の数を減らすことができる。
(e)デグレージング処理と他のブレーキメンテナンス作業と組み合わせて使用することができる。
(f)摩擦材料を必要以上に早期に除去する必要がないよう、不確実性を少なくし、摩擦材料の最大量の安全な使用を実現できる。
本明細書に開示されるモニタリング方法およびシステムは、短期的には耐グレーズ性があり、長期的にはグレーズフリーであることが望まれる摩擦材料組成物を設計する際に有用であり得る。現在、摩擦材料製造業者にとっては、耐グレーズ性材料の開発を促す商業的インセンティブは存在しない。利用可能な種々の摩擦材料に対する安全な車両移動距離を予測するための手段を車両オペレータに提供することは、摩擦材料供給業者間の競争を活性化する可能性がある。
車両ブレーキ効果を継続的に試験と試験の間で測定することで、試験結果を連動させることは、いわゆる悪質車両オペレータ問題を解決することになる。いずれかの車両が安全でない状態で運転した期間の永久ログが、(運転許可証を発行する)交通規制当局から、保険会社、警察、裁判所にいたるまで利用できる記録として存在することを知ることは、そのような車両オペレータに対し、非常に説得力のある抑止力となるだろう。
本発明の特長には、直接的な車両ブレーキの安全上の懸念解消やモニタリングに留まらない大きな潜在的な可能性があり、さらに/代替として、業界にさらなる発明を奨励する非常に強力な道具として機能し得る。
3、3A 車両ブレーキ効果の低下曲線
4 安全動作範囲、ハッチング領域
5 車両ブレーキ効果の最小閾値
6 車両ブレーキ効果の最大閾値

Claims (29)

  1. ある車両について、
    1つ以上の試験条件下で、ブレーキ性能の値を出力するための車両ブレーキ試験を行い、
    前記ブレーキ性能の値を用いて、所定の使用条件に対する現在の車両ブレーキ効果の値を生成し、
    車両使用に伴う車両ブレーキ効果の低下曲線の予測をするために、前記現在の車両ブレーキ効果の値に数学的モデルを適用し、
    前記数学的モデルにより予測された車両ブレーキ効果の低下曲線が、車両ブレーキ効果の閾値と交差する交差点を決定し、前記交差点に対応する車両使用範囲の指示値を出力する、車両ブレーキ性能管理方法。
  2. 前記1つ以上の試験条件は、車両重量値、および/または、適用されたブレーキライン圧力値を含む、請求項1に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  3. 前記所定の使用条件は、最大許容車両重量、および/または、固定ブレーキライン圧力を含む、請求項2に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  4. 試験されたブレーキライン圧力における、車両ブレーキによって達成される減速力の測定値を受信し、外挿によって所定のブレーキライン圧力に対応する減速力を計算することにより、現在の前記車両ブレーキ効果の値を生成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  5. 前記現在の車両ブレーキ効果の値は、前記車両が達成可能な減速値を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  6. 前記車両ブレーキ試験が、ローラーブレーキ試験機を使用して行われ、前記現在の車両ブレーキ効果の値を生成するステップを含む車両ブレーキ性能管理方法であって、
    前記ステップには、
    (1)前記車両の走行距離の値、
    (2)前記車両ブレーキ試験中の車輪によって運ばれる重量の値、
    (3)前記車両ブレーキ試験中の前記車輪または前記車両の最大許容重量の値、
    (4)前記車両ブレーキ試験中に加えられたブレーキライン圧力の値、
    (5)前記車両ブレーキ試験中に達成された減速力の値、
    のいずれか、いずれかの組み合わせ、または全てを受信することが含まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  7. 前記車両使用範囲の指示値は、さらなる車両ブレーキ試験を行うための車両使用の値または車両使用の限界値を含み、
    前記車両使用の値は、前記交差点として決定され、または、前記交差点に至る前に、所定の量に決定される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  8. 前記予測された車両ブレーキ効果の低下曲線が、前記車両ブレーキ効果の閾値と以前交差した交差点を遡及的に決定すること、および/または、ブレーキ性能が前記車両ブレーキ効果の閾値を下回ったときの前記車両使用範囲を遡及的に決定することを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  9. 前記車両使用範囲は、車両移動距離、および/または、車両移動期間を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  10. 前記数学的モデルが、車両使用に伴う連続的な前記車両ブレーキ効果の低下曲線の経路を提供する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  11. 前記数学的モデルは、一次多項式および二次多項式を含む前記車両ブレーキ効果の低下曲線の多項式的定義を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  12. 前記車両ブレーキ効果の低下曲線は、曲線または直線としてモデル化される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  13. 前記車両ブレーキ効果の低下曲線は、円錐断面としてモデル化される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  14. 前記車両ブレーキ効果の低下曲線は、円または楕円の周の一部としてモデル化される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  15. 前記車両ブレーキ効果の低下曲線は、対応する複数の異なる車両ブレーキ試験からの複数のブレーキ効果の値を用いて決定され、また、前記数学的モデルによって、前記複数のブレーキ効果の値を組み込んだ最良適合曲線として定義される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  16. 前記数学的モデル、および/または、前記車両ブレーキ効果の低下曲線の経路は、さらなる車両ブレーキ試験からのさらなる車両ブレーキ効果の値を用いて更新される、請求項1〜15のいずれかに記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  17. 前記数学的モデル、および/または、前記車両ブレーキ効果の低下曲線の経路は、さらなる車両ブレーキ試験からのさらなる車両ブレーキ効果の値を用いて更新され、
    前記車両ブレーキ効果の低下の経路は、前記さらなる車両ブレーキ効果の値を組み込んだ最良適合曲線によって定義されるように更新される、請求項15に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  18. 前記数学的モデルは適応的であり、かつ/または、前記車両ブレーキ効果の低下曲線の経路を自動的に更新して、受信したさらなる車両ブレーキ効果の値に適応する、請求項16または17に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  19. 前記予測された車両ブレーキ効果の低下曲線と、前記さらなる車両ブレーキ効果の値との間の、不整合の程度を決定するステップを含み、
    前記不整合の程度が所定の閾値を超えていると決定されると、警告信号が生成される、請求項16〜18のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  20. 前記警告信号には、前記不整合の程度が前記所定の閾値を超えているとの検査結果または再検査の必要性の表示と、ブレーキ摩擦材料のメンテナンスまたは交換必要性の表示とが含まれる、請求項19に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  21. 前記数学的モデルの適用には、以前使用されたブレーキ摩擦材料について、以前生成されてログに記録された車両ブレーキ効果の低下曲線を適用することが含まれる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  22. 前記車両についての複数の車両ブレーキ試験の結果に前記数学的モデルを適用し、前記車両に固有の車両ブレーキ効果の低下曲線の予測を生成することを含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  23. 前記予測された車両ブレーキ効果の低下曲線、および/または、前記数学的モデルのログを、車両識別情報とともに、複数の車両ブレーキ試験施設から車両ブレーキ試験結果を受信するように構成された中央データベース内に保管し、メンテナンスすることを含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  24. 車両ブレーキ効果の改善のための車両ブレーキメンテナンスプロセスを行うことと、改善されたブレーキのための車両ブレーキ試験を行うこととを含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  25. 前記車両ブレーキメンテナンスプロセスによる前記車両ブレーキ効果の改善の大きさを決定することと、前記数学的モデルを再適用することによって、前記車両ブレーキ効果の低下曲線が前記車両ブレーキ効果の改善の大きさに等しくなる点を決定することとを含む、請求項24に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  26. 前記車両ブレーキメンテナンスプロセスには、ブレーキ摩擦材料のデグレージングプロセスを含む、請求項24または25に記載の車両ブレーキ性能管理方法。
  27. 現在の車両ブレーキ効果の値を出力するように構成された1つ以上の車両ブレーキ試験システムと、
    1つ以上の車両識別子と、各前記車両識別子ごとの履歴的な車両ブレーキ試験結果のログとを有し、前記車両ブレーキ試験システムが行う各車両ブレーキ試験の結果によって更新されるように構成されたデータストアと、
    前記車両ブレーキ試験結果を受信し、車両使用に伴う車両ブレーキ効果の低下曲線の予測をするために、数学的モデルに従って前記車両ブレーキ試験結果を処理するように構成された車両ブレーキモニタリングシステムとを含み、
    前記車両ブレーキモニタリングシステムは、予測された車両ブレーキ効果の低下曲線が、車両ブレーキ効果の閾値と交差する交差点を決定し、前記交差点に対応する車両使用範囲の指示値を出力する、車両ブレーキ性能管理システム。
  28. 車両ブレーキモニタリングシステムコントローラの制御のための機械可読命令を含み、
    1つ以上の車両ブレーキ試験システムから車両ブレーキ試験結果および前記車両ブレーキ試験結果に関連する車両識別子を受信し、
    受信した前記車両識別子について、1つ以上のログに記録された車両ブレーキ試験結果をデータ記憶装置から取得し、
    受信した前記車両ブレーキ試験結果および前記1つ以上のログに記録された車両ブレーキ試験結果を数学的モデルに従って処理し、車両使用に伴う車両ブレーキ効果の低下曲線を予測し、前記予測された車両ブレーキ効果の低下曲線が車両ブレーキ効果の閾値と交差する交差点を決定する、データキャリアまたはコンピュータ記憶媒体。
  29. コントローラと、請求項28に記載のデータキャリアまたはコンピュータ記憶媒体とを備える、車両ローラーブレーキ試験機。
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