JP2020533255A - 傾斜可能な第1のマスト上方部を伴う第1のマストを備えるクレーン - Google Patents

傾斜可能な第1のマスト上方部を伴う第1のマストを備えるクレーン Download PDF

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Abstract

少なくとも1つのマスト分割体を備える第1のマスト上方部と、少なくとも1つのマスト分割体を備える第1のマスト下方部と、第1のマスト傾斜部とを少なくとも一方が備えるメインブームおよび後マストを伴うクレーンが提供される。第1のマスト傾斜部材は、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部との間に配置され、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線である直線吊上状態と、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられる傾斜吊上状態とを有する。

Description

本発明は、吊上クレーンの分野に関し、好ましくは、第1のマストと第2のマストとを有するクレーンに関する。
野外において、重い荷重を吊り上げるための大形クレーンが、比較的小さい空間が利用可能である場所においてしばしば動作する。真っ直ぐなメインブームと真っ直ぐな後マストとを備えるクレーンは、組み立てのために比較的小さい空間しか必要とせず、重い荷重を吊り上げることができるため、このような用途に良く適している。例えば、特許文献1に開示されているクレーンは、鉛直方向に組み立てることができ、これは非常に小さい空間しか必要としない。
しかしながら、特定の現場における1つまたは複数の吊上業務について、このようなクレーンの水平方向の到達距離が不十分であることが起こり得る。これは、より大形のクレーンを選択することで、または、クレーンを別の位置で再建設することで解決できるが、これらはコストおよび/または時間の掛かる対策である。さらに、例えば建物といった構築物は、メインブームがさらに傾斜させられることを妨げる可能性もある。そのため、真っ直ぐなメインブームを備えるクレーンの水平方向の到達距離を拡大することへの要求が存在する。
クレーンの後マストは、通常はバラスト重量または釣合い重りと共に、吊り上げられる荷重の重量を平衡させるために使用される。バラスト重量からクレーンの中間への距離が遠くなるにつれて、荷重の重量はより大きくできる。概して、真っ直ぐな後マストが使用される。しかしながら、真っ直ぐな後マストで達成可能な距離は限られており、例えば、周囲の建物または他の構築物のため、後マストの水平との角度がその場所において限られてしまう場合には、さらにより限られてしまう。そのため、バラスト重量からクレーンの中間への距離を拡大することへの要求が存在する。
国際公開第2016/133389号パンフレット オランダ国特許第2018785号明細書(NL2018785)
前述された問題のうちの少なくとも1つに対処することが本発明の目的である。
そのため、
・ クレーン基部と、
・ クレーン基部に配置され、水平方向の枢動軸を有する第1の枢動部の周りで枢動可能である第1のマストであって、複数のマスト分割体を備え、メインブームである第1のマストと、
・後マストである第2のマストと
を備え、
第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備え、
・ 第1のマスト上方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、第1のマスト傾斜部材と第1のマストの上端との間に配置され、
・ 第1のマスト下方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、クレーン基部と第1のマスト傾斜部材との間に配置され、
・ 第1のマスト傾斜部材は、
・ 第1のマスト上方部に連結される上方連結部と、第1のマスト下方部に連結される下方連結部とを備え、
・ 第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線である直線吊上状態と、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、第2のマストから離される傾斜吊上状態とを有し、
・ 直線吊上状態と傾斜吊上状態との両方において、第1のマスト上方部から第1のマスト下方部へと力を伝達するように適合される、クレーンが提供される。
本発明は、
・ クレーン基部と、
・ 複数のマスト分割体を備え、後マストである第1のマストと、
・ クレーン基部に配置され、水平方向の枢動軸を有する第1の枢動部の周りで枢動可能である第2のマストであって、メインブームである第2のマストと
を備え、
第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備え、
・ 第1のマスト上方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、第1のマスト傾斜部材と第1のマストの上端との間に配置され、
・ 第1のマスト下方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、クレーン基部と第1のマスト傾斜部材との間に配置され、
・ 第1のマスト傾斜部材は、
・ 第1のマスト上方部に連結される上方連結部と、第1のマスト下方部に連結される下方連結部とを備え、
・ 第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線である直線吊上状態と、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、第2のマストから離される傾斜吊上状態とを有し、
・ 直線吊上状態と傾斜吊上状態との両方において、第1のマスト上方部から第1のマスト下方部へと力を伝達するように適合される、クレーンにも関する。
本発明によれば、クレーン基部を備えるクレーンが提供される。クレーン基部はクレーンを支持する。クレーン基部は、例えば、クローラクレーンのシャーシおよび/またはリンガークレーンの足組立体といった、任意の種類の知られているクレーン基部であり得る。クレーン基部は、船の一部であってもよい、または、船の上にあってもよい。クレーン基部は回転することができる。クレーン基部は作業領域の支持面に配置され得る。支持面は、例えば、より良好な一貫性のために、固定されていない鋼鉄板が設けられた地面の一部である。クレーン基部は、任意選択で、ローラおよび/またはスライドシューを備える。任意選択で、クレーン基部は、クレーンのマストからの押す力と引っ張る力との両方を吸収できる。任意選択で、クレーン基部は、例えば少なくとも3つのアウトリガで、任意選択で4つ以上のアウトリガといった、複数のアウトリガを備える。
クレーンは第1のマストをさらに備える。第1のマストは後マストまたはメインブームのいずれかである。第1のマストは複数のマスト分割体をさらに備える。任意選択で、各々のマスト分割体は、吊上場所における現場において、例えばピンホール連結によって互いに連結される別々の管および/またはビームから個別に組み立てられる。ビームは、例えば正方形、長方形、円形、三角形、または五角形といった、任意の適切な断面形状を有し得る。任意選択で、第1のマストはラチスマストである。任意選択で、第1のマストはA字形、H字形、またはY字形を有する。任意選択で、第1のマストは、例えば互いと平行である2つ以上のマストを備える。
クレーンは第2のマストをさらに備える。第2のマストは後マストおよびメインブームの他方である。したがって、第1のマストがメインブームである場合、第2のマストは後マストである。第1のマストが後マストである場合、第2のマストはメインブームである。
メインブームは、クレーン基部に配置され、水平方向の枢動軸を有する第1の枢動部の周りで枢動可能である。
任意選択で、後マストは、クレーン基部に配置され、水平方向の枢動軸を有する第2の枢動部の周りで枢動可能である。任意選択で、第1の枢動部と第2の枢動部とは同じである。
任意選択で、第2のマストはラチスマストである。任意選択で、第2のマストは伸縮式マストである。任意選択で、第2のマストはA字形、H字形、またはY字形を有する。任意選択で、第2のマストは、例えば互いと平行である2つ以上のマストを備える。
したがって、本発明によるクレーンはメインブームと後マストとを備える。クレーンはメインブームで荷重を吊り上げるために適合されており、そのために、メインブームは、例えば、荷重が取り付けられ得る主吊上ワイヤを伴う吊上機構を備え得る。後マストは、例えばバラスト重量で、メインブームおよび/または荷重を平衡させる機能を有する。メインブームは旋回可能であり、任意選択で、後マストも旋回可能であり、これは、メインブームおよび後マストを仮想的な水平軸との所望の角度に持って行くことができ、それによって荷重が吊り上げられる。さらに、少なくともメインブームは鉛直軸の周りに通常回転することができ、そのため荷重は別の場所へ移転させることができる。任意選択で、吊上機構の主吊上ワイヤはメインブームの上端にあり、メインブームは、荷重を吊り上げるために主吊上ワイヤだけを備え、これは補助的な吊上ワイヤがないことを意味する。
本発明の背景では、概して、「水平」は、本質的に地面との平行を意味しており、「鉛直」は、本質的に地面に対する垂直を意味している。しかしながら、クレーン基部が傾斜させられ得る、または、起伏のある地面にあり得ることが想定され、このような場合、水平および鉛直は上記の定義から外れる可能性がある。
本発明によれば、第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置される第1のマスト傾斜部材を備える。それによって、第1のマスト傾斜部材は、第1のマストを第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とに分割する。第1のマスト上方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、第1のマスト傾斜部材と第1のマストの上端との間に配置される。第1のマスト下方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、クレーン基部と第1のマスト傾斜部材との間に配置される。
第1のマスト上方部によって備えられる少なくとも1つのマスト分割体は、第1のマストがメインブームである場合、吊上機構を備えるマストの小さい部品であり得ることが、留意されている。したがって、第1のマストがラチスブームである場合、前記マスト分割体は、可能であったとしても、必ずしもラチス区域である必要はない。同様に、第1のマストが後マストである場合、前記マスト分割体は、例えば支線が取り付けられる上方部を備えることができ、その支線はメインブームと後マストとを連結する。
第1のマスト下方部によって備えられる少なくとも1つのマスト分割体がクレーン基部に連結されるように適合され、そのため、第1のマストの他のマスト分割体のほとんどと異なり、可及的により小さい可能性があり得ることが、さらに留意されている。
本発明の背景では、用語「上」および「下」は、特定のマストまたは他の構成部品がクレーン基部から始まって延びる方向の機能において意味されている。したがって、「下」はクレーン基部により近いことを意味し、「上」はクレーン基部からより遠いことを意味する。ほとんどの通常の作業条件では、「下」は地面により近いことに対応し、「上」は地面からより遠いことに対応するが、これは具体的なマストまたは構成部品の位置に依存する。
第1のマスト傾斜部材は、第1のマスト上方部に連結される上方連結部と、第1のマスト下方部に連結される下方連結部とを備える。したがって、第1のマスト傾斜部材は、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部との間に配置され、それら両方に連結される。第1のマスト傾斜部材と第1のマスト上方部および/または第1のマスト下方部との間の連結は、任意の適切な連結方法によって遂行され得る。任意選択で、連結方法は取り外し可能な機械的な連結部である。任意選択で、連結方法は、マスト分割体同士を互いと連結するために適用される方法と同じである。任意選択で、連結方法はピンホール連結を含む。好ましくは、第1のマスト下方部は、第1のマスト上方部と同じ方法を用いて第1のマスト傾斜部材に連結されるが、これは本発明にとって必須ではない。任意選択で、第1のマスト傾斜部材は、第1のマスト下方部および/または第1のマスト上方部において使用される管および/またはビームより強い輪郭または厚い輪郭から作られる管および/またはビームを備える。
本発明によれば、第1のマスト傾斜部材は2つの吊上構成を有し、第1のマスト下方部に対する第1のマスト上方部の配向が、第1の吊上構成において、第2の吊上構成に対して異なる。第1の吊上構成は直線吊上状態である。直線吊上状態において、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とは互いと本質的に一直線となる。したがって、本質的に真っ直ぐとなっている第1のマストは、従来のクレーンの第1のマストの作業状態と対応する。クレーンは、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあるときに荷重を吊り上げるように適合される。吊り上げの間、第1のマスト傾斜部材は、第1のマストによって吸収される力を、第1のマスト上方部から第1のマスト下方部へと伝達する。この背景において、互いと本質的に一直線とは、実際には、例えば吊り上げられている荷重によって発生させられる力のため、当然ながら小さな逸脱があり得るとしても、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが一直線になるように意図されていることを意味する。第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが一直線にある場合、それらの中心軸は平行となる。したがって、本質的に一直線とは、例えば、それらの中心軸が、15度以下、任意選択で10度以下、または任意選択で5度以下で、平行から逸脱することを意味し得る。
第2の吊上構成は傾斜吊上状態である。傾斜吊上状態では、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、第2のマストから離される。したがって、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とは本質的に一直線ではなく、第1のマストは本質的に真っ直ぐではない。第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して傾斜させることで、第1のマスト上方部は、第1のマスト下方部より水平になる方向に延びることができる。したがって、第1のマスト上方部は、直線吊上状態と比較してより水平に配置され得る。このようにして、第1のマストの水平方向の到達距離は、直線吊上状態においてよりも傾斜吊上状態において大きくなる。クレーンは、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるときに荷重を吊り上げるように適合される。直線吊上状態にあるように、第1のマスト傾斜部材は、吊り上げの間に第1のマストによって吸収される力を、第1のマスト上方部から第1のマスト下方部へと伝達する。
以上のように、第1のマスト傾斜部材は、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態へと移動されるとき、第1のマストの水平方向の到達距離を拡張させることを可能にする。第1のマストがメインブームである場合、これは、例えば完全なメインブームがより水平に傾斜させられるのを周囲の建物が妨げるとき、クレーン基部からさらに離れている場所で荷重を吊り上げるかまたは吊り下げることを可能にする。その場合、第1のマスト上方部が建物の上に延びるように、第1のマスト下方部は十分に上向きに遠くへ延びることができる。
第1のマストが後マストであるとき、バラスト重量はさらに離して配置され得る。これはバラスト重量の効果を増加させ、それによって、より重い荷重をメインブームで吊り上げることができる。
第1のマストが直線吊上状態において吊上動作を実施するために適合されてもよいことは留意されたい。このようにして、本発明によるクレーンは、使用者に吊上動作においてさらなる柔軟性を与え、クレーンを、従来は複数および/またはより大形のクレーンが必要とされていたより広範な吊上業務に適したものにする。したがって、本発明によるクレーンは、従来のクレーンと比較してコストおよび時間を節約する。また、本発明によるクレーンは、必要とされるときに、第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して傾斜させるだけである。
さらに、本発明によるクレーンは、第1のマストが本質的に真っ直ぐである間に第1のマストを組み立てることができ、第1のマストが鉛直の組立位置にあるとき、第1のマスト上方部を第1のマスト下方部へと傾けることができるだけである。これは、クレーンの構築物を単純化させ、利用可能な空間がほとんどなく、傾斜したマストの組み立てを可能にすることができないとき、特に有利である。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材は、荷重が取り付けられ、メインブームの吊上機構で持ち上げられている間、直線吊上状態から傾斜吊上状態へと持って行かれるように、および/または、傾斜吊上状態から直線吊上状態へと持って行かれるように適合される。
例えば、第1のマストがメインブームであるとき、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあり、メインブームが本質的に真っ直ぐである間、荷重が持ち上げられ得る。荷重が吊り上げられて空中にある間、第1のマスト傾斜部材は傾斜吊上状態へと持って行かれ得る。このような実施形態は、任意の荷重が吊り上げおよび吊り下げられ得る場所が相当に増えるため、クレーンの柔軟性を相当に高める。これは、例えば周囲の建物または他の構造物のため、吊上場所において操縦するための自由な空間が比較的少ないとき、特に有利である。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材に連結される第1のマスト上方部のマスト分割体の断面は、第1のマスト傾斜部材に連結される第1のマスト下方部のマスト分割体の断面と同じ寸法のものである。任意選択で、第1のマスト上方部のマスト分割体のすべてが、第1のマスト下方部のマスト分割体と、または、クレーン基部に連結されるマスト分割体、および/もしくは、第1のマストがメインブームであるときに吊上機構に連結されるマスト分割体を除くすべてのマスト分割体と、同じ寸法の断面を有する。任意選択で、前記マスト分割体同士は、同じ断面寸法を有するだけでなく、互いと同一である。
したがって、この実施形態では、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあるとき、第1のマストは、第1のマスト傾斜部材を備えていないため傾斜できない従来のクレーンとかなり似ている。したがって、第1のマストは、このような従来のクレーンと同様に機能することになり、直線吊上状態にあるときに従来のクレーンと同様に荷重を吊り上げることもできる。さらに、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部と同じ断面寸法のものであることは、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部と同じ大きさの度合いの力を吸収できることを意味する。第1のマストがメインブームである場合、これは、第1のマスト上方部の上端において主吊上ワイヤを有することを許容する。主吊上ワイヤは、最大重量の荷重を持ち上げることができるワイヤである。主吊上ワイヤはメインブームの上端に配置されるため、補助的な吊上ワイヤがもはや必要とされず、そのため任意選択で省略され得る。
可及的な実施形態では、第1のマストと第2のマストとの少なくとも一方がラチスマストである。
可及的な実施形態では、第1のマストと第2のマストとの両方がラチスマストである。
任意選択で、第1のマストおよび/または第2のマストは4つの隅管を備える1つまたは複数のマスト分割体を備え、それらの隅管はすべて八角形の断面を有する。代替で、別の数の隅管、または、他の断面を伴う隅管が使用されてもよい。
八角形の断面形は、曲げ剛性および座屈への耐性に関して有利である。八角形の断面形は、45°の相対角度にある平坦な外面のため、例えば2つの隅管を互いに連結する筋交いへの容易な連結を可能にもする。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマストの複数のマスト分割体のうちの複数と、第1のマスト傾斜部材の上方連結部および下方連結部とは、第1のマスト傾斜部材が関係しているマスト分割体のうちの任意の2つの間に配置され得るように適合される。例えば、関係しているマスト分割体のすべてが、第1のマスト傾斜部材の上方連結部および下方連結部とそれぞれ同様である同様の上方連結部および下方連結部を有してもよい。マスト分割体の上方連結部が下方連結部とも同様であり、第1のマスト傾斜部材の上方連結部が下方連結部と同様であることも可能である。しかしながら、第1のマスト傾斜部材の上方連結部および下方連結部は、それらが同一でない連結部によって複数の種類のマスト分割体に連結され得るように適合されてもよい。例えば、ピンホール連結が使用される場合、第1のマスト傾斜部材の上方連結部および下方連結部は、異なるマスト分割体との連結に適した孔の複数の配置を伴うアダプタ部品を備えてもよい。
この実施形態では、第1のマスト傾斜部材は第1のマストにおいて複数の場所に配置されてもよい。各々の異なる場所は、第1のマスト下方部および/または第1のマスト上方部の異なる長さをもたらす。選択された場所に依存して、第1のマストの水平の到達距離と鉛直の到達距離との両方が異なってもよく、クレーンにおける力の分散も異なり得る。したがって、構築の間、第1のマスト傾斜部材は、クレーンが実施すると仮定されている吊上業務に最も有利である場所に配置され得る。さらに、第1のマスト傾斜部材の別の場所がより適していることが第1のマストの引き渡しあるいは組み立ての後に判明した場合、これは同じ第1のマストおよび同じ第1のマスト傾斜部材でなおも達成できる。新たなクレーンをその場所に持って行くことはコストおよび時間の掛かる作業となるがその必要がない。したがって、この実施形態によるクレーンは柔軟性を高め、それによって時間およびコストを低減する。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材に連結される第1のマスト上方部のマスト分割体の断面は、第1のマスト傾斜部材に連結される第1のマスト下方部のマスト分割体の断面より小さい。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材に連結される第1のマスト上方部のマスト分割体の断面は、第1のマスト傾斜部材に連結される第1のマスト下方部のマスト分割体の断面より大きい。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材は、例えば、第1のマスト傾斜部材の部品が互いと接触し、そのためさらに移動することが妨げられるため、所定の角度よりさらに傾斜させることが防止されるように設計されてもよい。前記所定の角度は傾斜吊上状態と対応してもよいが、通常の動作の間に使用されることのないさらなる傾斜位置であってもよく、そのため、バックアップの安全機構として機能する。この実施形態は、危険な状況をもたらし得る第1のマスト上方部の過度な傾斜を防止する。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、クレーンは支柱をさらに備える。支柱は、第1のマストと接触している第1の支柱端を有する。第1のマストは、例えば、第1のマスト上方部、第1のマスト下方部、または第1のマスト傾斜部材であり得る。支柱は、第1の支柱支線に取り付けられる第2の支柱端をさらに有する。第1の支柱支線は次いで、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるときに第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して固定位置で維持するために、第1のマスト上方部の上端に取り付けられる。
したがって、支柱は、支線によって第1のマスト上方部の上端に取り付けられる。傾斜吊上状態において、第1の支柱支線はピンと張られる。ピンと張られた支線は、第1のマスト上端が支柱に対してさらに離れるように移動するのを防止する。したがって、第1のマスト上方部は第1のマスト下方部に対してさらに傾斜できず、第1のマスト上方部は傾斜位置で安全に維持される。通常、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部と一直線になる位置に向けて第1のマスト上方部が後ろに移動するのを重力が防止するため、支柱は第1のマスト上方部がさらに傾斜するのを防止するだけのはずである。
任意選択で、必要な場合、クレーンは、例えば2つまたは3つといった複数の支柱を備えてもよい。これは、荷重の吊り上げによる力の分散にとって有益であり得る。したがって、複数の支柱が第1のマストに配置されてもよい。任意選択で、複数の支柱は、第1のマストに配置される第1の端を各々有し、第1の端は、例えば第1のマスト傾斜部材においてといった、第1のマストにおいて互いの近辺にある。任意選択で、支柱のうちの1つの第2の端が、支線を用いて支柱のうちの別のものの第2の端に連結され、その別の支柱の第2の端が、第1の支柱支線によって第1のマスト上方部の上端に連結される。
この発明の状況において、支線の任意の種類のワイヤが記載されているとき、実際には、これは同じ経路に本質的に追従する複数の支線を実際は含み得ることが留意されている。
クレーンが支柱を備える本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、クレーンは第2の支柱支線をさらに備える。第2の支柱支線は、支柱の第2の端と、第1のマスト下方部またはクレーン基部とに取り付けられる。クレーンは、第1の支柱支線および第2の支柱支線の一方を巻き付けるための巻付機をさらに備える。巻付機は、例えば、第1のマスト上方部の上端に、または、クレーン基部もしくは地上もしくはその近くに位置させられ得る。巻付機がクレーン基部またはその近くに位置させられ、第1の支柱支線が、例えば第1のマストと平行に、第1のマスト上方部の上端からその位置まで延びることも可能である。つまり、第1の支柱支線は支柱から第1のマスト上方部の上端に向けて延び、その上端で、滑車が第1の支柱支線を保持し、第1の支柱支線が第1のマストと平衡にさらに下向きに延びるように第1の支柱支線の経路を調節する。
この実施形態では、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるとき、支柱の第2の端と第1のマスト上方部の上端との間の距離が第1の支柱支線によって決定され、第1の支柱支線は支柱の第2の端と第1のマスト上方部の上端との両方に連結される。さらに、支柱の第2の端とクレーンの第1のマスト下方部および/またはクレーン基部との間の距離が第2の支柱支線によって決定される。
そのため、第1のマスト上方部は、第1の支柱支線および第2の支柱支線の一方を巻付機に巻き付ける一方で、第1の支柱支線および第2の支柱支線の他方の長さを任意選択で一定に維持することで、第1のマスト傾斜部材を直線吊上状態に持って行くために第1のマスト下方部と一直線に移動させるように適合される。
例えば、第1の支柱支線は巻付機に巻き付けられ得る一方で、第2の支柱支線は、例えば、固定されるため、または、別の巻付機に巻き付くまたは巻き解れるのを防止することで、一定に保たれる長さを有する。第1の支柱支線は、第1のマスト下方部に対して固定位置で係止された第1のマスト上方部を吊り上げの間維持するために、支柱および第1のマスト上方部に取り付けられる。しかしながら、第1の支柱支線を巻付機に巻き付けることで、第1の支柱支線はより短くなる。支柱は第1のマスト下方部に対して固定されるため、第1のマスト上方部の上端は支柱のより近くに移動させられる。最終的に、第1のマスト上方部は第1のマスト下方部と一直線となる。この位置において、第1のマスト傾斜部材は直線吊上状態へと戻され得る。
第1の支柱支線は一定の長さを有し、第2の支柱支線は巻付機に巻き付けられることも可能である。この場合、支柱の第2の端から第1のマスト上方部の上端までの距離は一定に保たれる一方で、支柱の第2の端と第1のマスト下方部との間の距離は縮小させられ、それによって、第1のマスト上方部を第1のマスト下方部と一直線で移動させる。
第1の支柱支線と第2の支柱支線との両方が同時に別々の巻付機に巻き付けられ得ることも可能である。
クレーンが支柱を備える可及的な実施形態では、
・ 支柱は、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるときに第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して固定位置で維持するための機能位置と、支柱が第1のマスト下方部と本質的に平行であり、支柱の第1の端が第2の端の上方に位置させられる非機能位置とを有し、
・ クレーンは、支柱に取り付けられる支線を巻き付けるための巻付機を備え、支線を巻付機に巻き付けることで支柱を上向きに移動させるように適合され、前記支線は任意選択で第1の支柱支線であり、
・ 第1のマスト下方部は、上向きの移動の間に支柱を第1のマスト下方部と平行に案内するための支柱案内部を有し、
・ 第1のマストは支柱位置決め要素をさらに備え、支柱位置決め要素は、支柱が機能位置となるまで、支柱の上向きの移動を停止し、支柱を枢動させるように適合される。
支柱は機能位置と非機能位置とを有する。機能位置では、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるとき、支柱は、第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して固定位置で維持する。したがって、機能位置では、支柱の第1の端は第1のマストに連結され、第1の支柱支線はピンと張られる。非機能位置では、支柱は第1のマスト下方部と本質的に平行である。この位置において、支柱の第1の端は第2の端の上方にある。この状況において、上記のことは第1のマストが延びる方向において見られ、上記のことはクレーン基部からさらに離れることを意味する。したがって、支柱が非機能位置にある場合に第1の支柱支線が取り付けられるとき、それは、支柱の下方端、つまり、第2の端にされる。第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるときに支柱は必要とされるだけであるため、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあるとき、支柱は非機能位置にある。
この実施形態では、クレーンは、支柱に取り付けられる支線を巻き付けるための巻付機を備える。前記支線は、例えば、第1の支柱支線であり得るが、別の支線であり得ることも想定される。巻付機は、例えば、第1のマスト上方部の上端に位置させられ得る。巻付機がクレーン基部またはその近くに位置させられ、支線が、例えば第1のマストと平行に、第1のマスト上方部の上端からその位置まで延びることも可能である。支線は支柱を上向きに移動させるように適合される。この上向きの移動は、支線を巻付機に巻き付けることで達成される。この巻き付けによって、支柱に取り付けられた支線の一部は、第1のマスト上方部の上端の方向において上向きに引っ張られる。このようにして、支柱は引っ張り力を受け、上向きに引っ張られる。
第1のマスト下方部は支柱案内部を有する。支柱案内部はマスト分割体に配置され得るが、マスト分割体の外面がそれ自体で支柱案内部として機能することも可能である。支柱案内部は上向きの移動の間に支柱を案内し、そのため第1のマストは第1のマスト下方部と平行に移動する。
第1のマストは支柱位置決め要素をさらに備える。第1のマスト位置決め構成部品は、支柱の第1の端が支柱位置決め要素と接触するとき、支柱の上向きの移動を停止するように適合される。しかしながら、支柱位置決め要素は支柱の回転を許容するように適合される。支柱位置決め要素は支柱を機能位置に持って行くように適合される。
支柱位置決め要素は、第1のマスト下方部、第1のマスト傾斜部材、または第1のマスト上方部に位置させられ得る。支柱位置決め要素は、第1のマスト、または、第1のマストに取り付けられる構成部品から延びる突起であり得る。例えば、支柱位置決め要素は、第1の支柱要素の第1の端を捕らえるフォークであり得る。任意選択で、枢動する移動の前にピンが支柱の孔に挿入される。例えば、ピンは液圧シリンダによって制御され得る。
任意選択で、支柱位置決め要素は、支柱を機能位置で係止するための支柱係止構成部品を備える。
任意選択で、支線は、第1の端の下に位置させられる支柱の第2の端における引っ張り力を、支柱になおも受けさせる。引っ張り力と支柱位置決め要素との組み合わせは、支柱位置決め要素に位置させられる枢動位置の周りで支柱を枢動させる。最後に、支柱は機能位置に到達する。
したがって、この実施形態では、支線を巻付機に巻き付けることで、支柱が非機能位置から機能位置へと持って行かれる。支線の巻き付けが支柱への上向きの引っ張り力を遂行し、これは、支柱を第1のマスト下方部と平行な方向に移動させる一方で、支柱案内部によって案内させられる。支柱が支柱位置決め要素に当たるとき、支柱の上向きの移動は最終的に終わりになる。支柱位置決め要素は、支柱が上向きに移動すると言うより引っ張り力によって枢動するように適合される。このようにして、支柱は機能位置になる。
任意選択で、支柱位置決め要素はフォーク状の形を有する。フォーク状の形は、下向きに延びる2つの突起の間の開放部を有することができ、支柱はその開放部において受け入れられ得る。支柱の上向きの移動は、支柱が移動の上端に到達したときに停止される。支柱は開放部も備える。この開放部は、支柱が枢動するときに開放部がフォーク状の形の突起のうちの1つを包囲するように配置される。このようにすることで、支柱の枢動する移動が可能とされる。
任意選択で、支柱位置決め要素は、例えば液圧シリンダといった伸縮シリンダを備える。伸長および/または収縮によって、伸縮シリンダは、支柱を機能位置に持って行く力を支柱に受けさせる。
支柱に関する上記の実施形態が、支柱を伴う任意のクレーンのために使用でき、本発明によるクレーンに限定されないことは、当業者によって理解されるものである。この実施形態は、小さな空間しか利用可能でない場合に組み立てられる必要があるクレーンにとって特に有利である。従来のクレーンでは、支柱は、第1のマストから延びる位置において、しばしばより水平の方向またはより水平でない方向で組み立てられる。本実施形態によるクレーンは、支柱が支柱位置決め要素に到達するまで、支柱を第1のマストと平行にさせることができる。これは、より大きな空間が利用可能となる周囲の建物または他の構築物の上方となるように配置させることができる。さらに、この実施形態は、クレーンが組み立てられた後、必要とされるときだけ支柱を機能位置に持って行くことができるため、有利である。したがって、これは、支柱なしでのクレーンのより素早い組み立てと、さらなる柔軟性とを可能にする。また、支柱が必要とされることが組み立てのときに想定されていなかった場合、この実施形態は、第1のマストを分解する必要なく、支柱をなおも作業位置に持って行くことを可能にしている。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第2の支柱支線は固定された長さを有する。長さは、支柱を機能位置で維持するように適合される。
したがって、第2の支柱支線の長さは、支柱が機能位置で維持されるようになっている。例えば、長さは、第1の支柱支線によって支柱が受ける引っ張り力のため、支柱がさらに上向きに移動できないように、または、さらに枢動できないようになっている。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材は伸縮シリンダをさらに備え、伸縮シリンダは、第1のマスト傾斜部材を直線吊上状態から傾斜吊上状態へと移動させるように適合される。任意選択で、伸縮シリンダは、第1のマスト上方部の小さな移動を強いるように本質的に適合され、この移動は傾斜を開始させる。このようにすることで、伸縮シリンダは、第1のマスト上方部の傾斜を制御することを可能にする。傾斜が開始させられると、残りの傾斜は重力を用いて遂行できる。伸縮シリンダは、例えば液圧または空気圧のシリンダであり得る。
伸縮シリンダは、直線吊上状態において力を第1のマスト上方部から第1のマスト下方部へと伝達するように、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部との間に直接的に配置され得る。しかしながら、伸縮シリンダが、1つまたは複数の棒材が連結されるヒンジに連結されること、または、ヒンジに連結される棒材に連結されることも可能である。1つまたは複数の棒材は、次いで第1のマスト上方部および第1のマスト下方部に連結され、例えば第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあるとき、力を第1のマスト上方部から第1のマスト下方部へと伝達する。伸長または収縮によって、伸縮シリンダは1つまたは複数の棒材をヒンジに対して移動させ、これによって傾斜を開始する。
可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材は、伸縮シリンダが伸長させられているときに直線吊上状態にあり、伸縮シリンダが収縮させられているときに傾斜吊上状態にある。したがって、伸縮シリンダは、伸長させられているときに第1のマスト上方部が傾斜するのを防止する。伸縮シリンダを収縮することで、第1のマスト上方部は小さな引っ張り力を受け、これによって第1のマスト上方部は傾斜し始める。第1のマスト上方部は、重力のためさらに傾斜する。
可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材は、伸縮シリンダが収縮させられているときに直線吊上状態にあり、伸縮シリンダが伸長させられているときに傾斜吊上状態にある。したがって、この実施形態では、伸縮シリンダは、収縮状態から伸長状態へと伸長することで、本質的に第1のマスト上方部を小さく押して傾斜を開始させる。
任意選択で、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるとき、または、少なくとも、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるときに荷重がメインブームに取り付けられるとき、伸縮シリンダは任意選択で加圧解除される。つまり、シリンダにおいて内部の液圧が実質的にない。その結果として、非常に小さい力が伸縮シリンダを介して第1のマスト上方部から第1のマスト下方部へと伝達されるか、または力がまったく伝達されない。好ましくは、力は、例えばヒンジといった、第1のマストおよび/または第1のマスト傾斜部材の中立軸または中立平面に対して好ましくは対称である剛体の構成部品を通じて伝達される。伸縮シリンダが相当の力を伝達する場合、システム全体が、力の分散が分からず予測不可能となることを意味する不静定となる。
任意選択で、伸縮シリンダは、各々の位置が第1のマスト傾斜部材の異なる傾斜の角度と対応するように、伸縮シリンダが係止され得る複数の位置を伸長の範囲に沿って有する。
任意選択で、停止部品が提供される。伸縮シリンダが収縮位置にあるとき、停止部品は、第1のマスト上方部が本質的に伸縮シリンダではなく停止部に寄り掛かるように、伸縮シリンダの上方で延びる。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第2のマストは、第2のマスト支線によって第1のマストに連結される。第2のマスト支線を介して、荷重および/または第1のマストの重量の少なくとも一部は第2のマストによって支えられる。この実施形態では、第2のマスト支線は第1のマスト上方部の上端において第1のマストに連結される。したがって、第2のマストは荷重の重量の一部を第1のマスト上方部の上端から直接的に支え、これは、より小さい力が第1のマスト上方部、第1のマスト傾斜部材、および/または第1のマスト下方部によって支えられるはずであることを意味する。計算は、第2のマスト支線を含むマストのすべての部品によって支えられる力は、第2のマスト支線が第1のマスト傾斜部材の近辺において第1のマストに取り付けられるときと比較して、この実施形態では相当により低くなることを示している。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第2のマストの長さは第1のマスト下方部の長さより長い。これは、クレーンの平衡にとって有益である。より長い後マストはより大きな力を支えることができ、これは、より重い荷重がクレーンで持ち上げられることを意味する。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、後マストの長さはメインブームの長さの50%より長く、任意選択で、後マストの長さはメインブームの長さの75%より長く、任意選択で、後マストの長さはメインブームの長さとおおよそ等しい。
可及的な実施形態では、メインブームの長さは120メートルである。
可及的な実施形態では、後マストの長さは60メートルである。
可及的な実施形態では、後マストはメインブームより長い。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材は、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられる傾斜軸を有し、傾斜軸は、第1のマストの中立平面の近傍に位置させられる。
この実施形態では、傾斜部材は、傾斜が中立平面において行われるようになっており、これはメインブームにおける力の分配にとって有利であり、このようにすることで応力および歪みに対して有利である。中立平面は、メインブームの長さにおいて見た断面における仮想的な平面であり、その断面に沿って長手方向の応力または歪みがない。中立平面は第1のマストの構造に依存する。例えば、第1のマストの一方の側においてより強い構成部品が使用される場合、中立平面は中間においてよりもこちらの側のより近くに位置させられる。第1のマストが長方形である必要はなく、例えば三角形または五角形であってもよいことが、留意されている。理論的には、傾斜軸が中立平面に位置させられる、または、実質的に位置させられることが好ましいが、第1のマスト傾斜部品の形状および傾斜の能力に関する実際の検討により、これが常に達成可能とは限らないことは想定されている。
好ましくは、ヒンジが傾斜軸に設けられ、本質的に、すべての力が第1のマスト上方部からヒンジを介して第1のマスト下方部へと伝達される。したがって、力は中立平面において伝達され、中立平面は、力の分配にとって有益であり、第1のマストにおける曲げモーメントを低減もし、それによってメインブームの構成部品の応力および歪みを低減もする。
可及的な実施形態では、メインブームの中心軸は、例えばメインブームが対称的な断面を有するとき、中立平面に位置させられる。この場合、傾斜軸は、傾斜軸において垂直な方向において見たとき、第1のマスト傾斜部材の断面の中心に位置させられる。
この実施形態では、傾斜軸は本質的に第1のマスト傾斜部材の断面の中間に位置させられる。ここでも、好ましくは本質的にすべての力は、傾斜軸に位置させられるヒンジを介して伝達される。したがって、力が対称に分配され、これはメインブームの構成部品における応力および歪みに対して有益である。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、クレーンは、鉛直方向に組み立てられるように適合される種類のクレーンである。クレーンを鉛直方向に組み立てるための例および方法は、例えば、特許出願特許文献1において、または、まだ発行されていないオランダ特許出願特許文献2において見出すことができ、それらの両方が全体において本明細書において参照により組み込まれている。これらのクレーンは、例えば石油化学工場といった、非常に限られた空間を伴う場所で通常は使用される。これらのクレーンを組み立てるために適用される方法は、傾斜マストを構築することを許容できない可能性がある、または、すでに傾斜されているマストを構築するための十分な空間がない可能性がある。そのため、非常に限られた空間が利用可能であるときに鉛直に第1のマストを構築し、それを必要とされる限り鉛直に使用することを可能にするため、鉛直に組み立てるための方法を本発明によるクレーンと組み合わせることは特に有利である。さらなる水平方向の到達距離が必要とされるときのみ、第1のマスト上方部は傾斜されるはずである。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1のマスト傾斜部材は第1の上方部係止装置を備える。第1の上方部係止装置は、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあるとき、第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して固定位置で係止するために適合される。このようにすることで、第1の上方部係止装置は、第1のマスト上方部が吊り上げの間に第1のマスト下方部に対して移動することを防止し、それによって安全性を向上させる。第1の上方部係止装置は、例えば、機械的係止システムによって遂行され得る。例えば、第1のマスト傾斜部材は、一部少なくとも1つの孔を有するいくつかの棒材を備えてもよく、その場合、直線吊上状態では、棒材は、ピンが孔を通じて配置され、それによって第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して固定位置で係止できるように配置される。そのため、第1のマスト上方部は、荷重の吊り上げの間も、第1のマスト下方部と本質的に一直線に留まることになる。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第1の上方部係止装置は、例えば液圧または空気圧のシリンダといった伸縮シリンダを備える。第1の上方部係止装置は、液圧シリンダが伸長状態にあるときに第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して固定位置で係止され、液圧シリンダが収縮状態にあるときに第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して移動可能であるように、またはその逆であるように配置される。
例えば、伸縮シリンダは第1のマスト傾斜部材の孔へと延びることができ、本質的にピンをピンホール連結へと形成する。代替で、伸縮シリンダは、伸縮シリンダが伸長または収縮のいずれかをするときに係止位置へと持って行かれる、例えばピンホール連結のピンといった機械的な係止部品に取り付けられてもよい。任意選択で、伸縮シリンダは、例えば地上における操作者によって、遠くから伸長および収縮するように動作させられ得る。これは第1の上方部係止装置を地上から制御することを可能にし、これはより迅速である。さらに、第1の上方部係止装置を係止解除するために操作者が第1のマストを登ることは危険な作業となり得るが、これによりその必要がなくなる。
本発明によるクレーンの可及的な実施形態では、第2のマストは複数のマスト分割体も備え、その第2のマストは、
・ 少なくとも1つのマスト分割体を備える第2のマスト上方部と、
・ 少なくとも1つのマスト分割体を備える第2のマスト下方部と、
・ 第2のマスト上方部と第2のマスト下方部との間に配置され、第2のマスト上方部に連結される上方連結部、および、第2のマスト下方部に連結される下方連結部を備え、
・ 第2のマスト上方部と第2のマスト下方部とが互いと本質的に一直線である直線吊上状態、および、第2のマスト上方部が第2のマスト下方部に対して傾斜させられ、第1のマストから離される傾斜吊上状態を有し、
・ 直線吊上状態と傾斜吊上状態との両方において、第2のマスト上方部から第2のマスト下方部へと力を伝達するように適合される
・ 第2のマスト傾斜部材と
を備える。
この実施形態では、第2のマストは、第1のマストと同様に傾斜させられ得る。第2のマストの傾斜は、第1のマストの傾斜と同じ原理および実施形態に従って遂行され得る。したがって、第2のマストは、傾斜吊上状態において第2のマスト上方部を係止するための第1の支柱支線を伴う第2のマスト支柱を有してもよく、第2のマスト上方部および第2のマスト下方部において同じまたは異なる寸法とされた断面を有してもよく、伸縮シリンダを備えてもよく、第2の上方部係止装置を備えてもよいなどとなる。
この実施形態では、メインブームと後マストとの両方が傾斜させられてもよく、第1のマストから離れる方向に傾斜させられる。したがって、第1のマストと第2のマストとは反対方向で傾斜する。そのため、メインブームの水平方向の到達距離が伸長させられ、これは、荷重が、クレーン基部からより遠くの距離において、または、クレーン基部からより遠くの距離まで吊り上げられ得ることを意味している。荷重の距離がクレーン基部からより遠くになると、より大きなモーメントがそれによって発生させられる。後マストの水平方向の到達距離も増加させられ、これはバラスト重量のモーメントを増加させ、より重い荷重がメインブームの特定の位置において吊り上げられ得ることを意味する。バラスト重量の増加した梃子の作用が、荷重の増加した距離によって発生させられる増加したモーメントを平衡させるために用いられ得る。このようにすることで、メインブームが傾斜吊上状態において最大能力をなおも達成できることが確保され得る。
先に説明しているように、支柱を位置決めするための実施形態は、本発明による傾斜部を有していないクレーンに、または、後マストを伴わないクレーンに適用されてもよい。そのため、本発明は、支柱を伴うマストを備えるクレーンであって、
・ 支柱は、
・ 支柱の第1の端がマストに連結され、支柱の第2の端が、マストの上端に任意選択で取り付けられる支柱支線に連結される機能位置と、
・ 支柱がマストと本質的に平行であり、支柱の第1の端が第2の端の上方に位置させられる非機能位置と
を有し、
・ クレーンは、支柱支線を巻き付けるために支柱支線巻付機を備え、支柱支線巻付機は、支柱支線を支柱支線巻付機に巻き付けることで支柱を上向きに移動させるように適合され、
・ マストは、上向きの移動の間に支柱をマストと平行に案内するための支柱案内部を有し、
・ マストは支柱位置決め構成部品をさらに備え、支柱位置決め構成部品は、支柱が機能位置となるまで、支柱の上向きの移動を停止し、支柱を枢動させるように適合される、クレーンにさらに関する。
本発明は、クレーンを動作させるための方法にさらに関し、方法は、
・ クレーンを吊上場所に配置するステップであって、クレーンは、クレーン基部と、複数のマスト分割体を備え、後マストおよびメインブームの一方である第1のマストと、後マストおよびメインブームの他方である第2のマストとを備え、第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備える、ステップと、
・ 第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線となる直線吊上状態において、第1のマストを第1のマスト傾斜部材と組み立てるステップと、
・ 第1のマスト傾斜部材を、直線吊上状態から、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、第2のマストから離される傾斜吊上状態へと移動させるステップと
を含む。
本発明による方法が、クレーンを動作させるための方法である。任意選択で、これは本発明によるクレーンであるが、本発明による方法はそのクレーンに限定されない。しかしながら、方法を記載するために使用される、クレーンの構成部品を含む用語および定義は、他で明確に述べられていない場合、それらが本発明によるクレーンに関して本出願で先に有している意味と同じ意味を有する。
方法は、クレーンを吊上場所に配置するためのステップを含む。吊上場所は、例えば、石油化学工場などの産業現場にあり得る。本発明による方法で動作させられるように配置されるクレーンは、クレーン基部と、第1のマストと、第2のマストとを備える。第1のマストはメインブームと後マストとの一方であり、第2のマストは他方である。したがって、クレーンはメインブームと後マストとを備える。第1のマストは複数のマスト分割体を備える。2つのマスト分割体の間に、第1のマスト傾斜部材が配置される。それによって、第1のマストは第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とに分割される。任意選択で、第1のマストと第2のマストとの少なくとも一方がラチスマストである。
本発明による方法は、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあるときに第1のマストを組み立てるステップを含む。直線吊上状態において、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とは互いと本質的に一直線となる。
本発明による方法は、第1のマスト傾斜部材を直線吊上状態から傾斜吊上状態へと移動させるステップをさらに含む。傾斜吊上状態では、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられる。
したがって、本発明は、第1のマストが真っ直ぐであるときと、第1のマストが傾斜させられているときとに吊上が可能となるように、クレーンの第1のマストを傾斜させるための方法を提供する。方法は、第1のマストの水平方向の到達距離を拡張するための解決策を提供する。このようにすることで、方法はクレーンの柔軟性を高めることができる。
第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にある間にクレーンを組み立てることも可能である。そのため、本発明はクレーンを動作させるための方法にも関し、方法は、
・ クレーンを吊上場所に配置するステップであって、クレーンは、クレーン基部と、複数のマスト分割体を備え、後マストおよびメインブームの一方である第1のマストと、後マストおよびメインブームの他方である第2のマストとを備え、第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備える、ステップと、
・ 第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、第2のマストから離される傾斜吊上状態において、第1のマストを第1のマスト傾斜部材と組み立てるステップと、
・ 第1のマスト傾斜部材を、傾斜吊上状態から、第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線となる直線吊上状態へと移動させるステップと
を含む。
本発明による方法の可及的な実施形態では、方法は、第1のマスト傾斜部品を傾斜吊上状態へと移動させるステップの前に、第1の荷重を、メインブームの上端に配置される吊上機構に連結される吊上ワイヤに取り付けるステップと、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にある間に荷重をメインブームで吊り上げるステップとをさらに含む。方法は、第1のマスト傾斜部品を傾斜吊上状態へと移動させるステップの後に、第2の荷重を、メインブームの上端に配置される吊上機構に連結される吊上ワイヤに取り付けるステップと、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にある間に荷重をメインブームで吊り上げるステップとをさらに含む。
この実施形態では、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあるときと、傾斜吊上状態にあるときとにおいて、荷重はクレーンで吊り上げられる。
本発明による方法の可及的な実施形態では、方法は、第1のマスト傾斜部材を傾斜吊上状態へと移動させるステップの前に、第3の荷重を、メインブームの上端に配置される吊上機構に連結される吊上ワイヤに取り付けるステップと、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にある間に、例えば第3の荷重といった荷重をメインブームで持ち上げるステップとを含む。方法は、次に、第3の荷重が持ち上げられている間、第1のマスト傾斜部材を直線吊上状態から傾斜吊上状態へと移動させるステップと、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるとき、第3の荷重を地面へと持って行き、第3の荷重を吊上ワイヤから取り外すステップとを含む。
本発明による方法の可及的な実施形態では、方法は、第1のマスト傾斜部材を傾斜吊上状態へと移動させるとき、第4の荷重を、メインブームの上端に配置される吊上機構に連結される吊上ワイヤに取り付けるステップと、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にある間に、例えば第4の荷重といった荷重をメインブームで持ち上げるステップとを含む。方法は、次に、第4の荷重が持ち上げられている間、第1のマスト傾斜部材を傾斜吊上状態から直線吊上状態へと移動させるステップと、第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にあるとき、第4の荷重を地面へと持って行き、第4の荷重を吊上ワイヤから取り外すステップとを含む。
これらの実施形態では、荷重が持ち上げられている間、したがって、荷重が空中にあるとき、第1のマスト傾斜部材は、傾斜吊上状態から直線吊上状態へと持って行かれる、または、直線吊上状態から傾斜吊上状態へと持って行かれる。このようにすることで、任意の荷重が吊り上げおよび吊り下げられ得る場所が相当に増えるため、クレーンの柔軟性は相当に高められる。これは、例えば周囲の建物または他の構造物のため、吊上場所において操縦するための自由な空間が比較的少ないとき、特に有利である。
本発明による方法の可及的な実施形態では、方法は、第1のマスト傾斜部材を傾斜吊上状態へと移動させるステップの前に、
・ 支柱を、支柱に取り付けられる支線を巻付機に巻き付けることで、支柱が支柱位置決め要素に到達するまで、第1のマスト下方部によって備えられる支柱案内部に沿って、第1のマスト下方部と平行に上向きに引っ張るステップであって、支線は、任意選択で、支柱の第2の端に取り付けられ、第1のマスト上方部の上端に連結される第1の支柱支線である、ステップと、
・ 任意選択で支線を巻付機にさらに巻き付けることで、支柱が機能位置となるまで支柱を支柱位置決め要素の周りで枢動させるステップと、
・ 第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるとき、第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して固定位置で維持するために、第1の支柱支線がピンと張られるまで第1の支柱支線を巻付機に巻き付けるステップと
を含む。
この実施形態では、クレーンは、支線が取り付けられる支柱をさらに備える。例えば、支柱は、第1の支柱支線が取り付けられる第2の端を有する。方法によれば、支柱は、第1のマスト下方部と平行に上向きに引っ張られる。上向きの移動は、支線を巻付機に巻き付けることで遂行される。上向きの移動の間、支柱は、第1のマスト下方部によって備えられる支柱案内部によって案内される。支柱は支柱位置決め要素に到達するまで上向きに引っ張られ、支柱位置決め要素は上向きの移動を停止する。
方法は、次に、支柱位置決め要素に位置させられる枢動部の周りで支柱を枢動させるステップを含む。これは、例えば、支線を巻付機にさらに巻き付けることで遂行され得る。支柱位置決め要素は、さらなる上向きの移動が防止されるようになるが、枢動する移動は可能である。支柱は、機能位置に到達するまで枢動させられる。
方法は、次に、第1の支柱支線がピンと張られるまで第1の支柱支線を巻付機に巻き付けるステップを含む。第1の支柱支線がピンと張られる場合、第1の支柱支線は、第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にあるときに第1のマスト上方部を第1のマスト下方部に対して固定位置で維持するために使用され得る。
支柱を機能位置へと持って行くための方法が、本発明による方法の他のステップなしでも適用され得ることは、当業者には理解されるものである。
本発明による方法の可及的な実施形態では、方法は、第1のマストおよび/または第2のマストを本質的に鉛直の方向において組み立てるステップをさらに含む。これは、例えば、特許文献1において、または、まだ発行されていないオランダ特許出願特許文献2において開示されている方法のうちの1つとでき、それらの両方が全体において本明細書において参照により組み込まれている。
本発明による方法の可及的な実施形態では、方法は、支線を用いて第2のマストの上方端を第1のマストの上方端と連結するステップをさらに含む。
本発明による方法の可及的な実施形態では、クレーンを吊上場所に配置するステップは、第2のマストを配置することを含み、第2のマストは、複数のマスト分割体と、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって第2のマストの第2のマスト上方部と第2のマスト下方部とを定める第2のマスト傾斜部材とを備える。
この実施形態では、方法は、
・ 第2のマスト上方部と第2のマスト下方部とが互いと本質的に一直線となる直線吊上状態において、第2のマストを第2のマスト傾斜部材と組み立てるステップと、
・ 第2のマスト傾斜部材を、直線吊上状態から、第2のマスト上方部が第2のマスト下方部に対して傾斜させられ、第1のマストから離される傾斜吊上状態へと移動させるステップと
をさらに含む。
したがって、方法のこの実施形態では、メインブームと後マストとの両方が傾斜させられる。第1のマストは、このための第1のマスト傾斜部材を備え、第2のマストは第2のマスト傾斜部材を備える。
先に説明しているように、支柱を機能位置へと持って行くための方法は、本発明による方法の他のステップなしでも適用され得る。そのため、本発明は、支柱を機能位置へと持って行くための方法にさらに関する。この方法は、クレーンを動作させるための本発明による方法との組み合わせで、または、そのような方法なしで、適用され得る。クレーンは少なくともマストを備える。方法は、
・ マスト支柱を、マスト支柱に取り付けられるマスト支柱支線を例えばマスト支柱の第2の端においてマスト支柱支線巻付機に巻き付けることで、マスト支柱がマスト支柱位置決め構成部品に到達するまで、マストによって備えられるマスト支柱案内部に沿って、マストと平行に上向きに引っ張るステップと、
・ マスト支柱支線をマスト支柱支線巻付機にさらに巻き付けることで、マスト支柱が機能位置となるまでマスト支柱をマスト支柱位置決めシステムの周りで枢動させるステップと、
・ マスト支柱支線がピンと張られるまで、マスト支柱支線をマスト支柱支線巻付機にさらに巻き付けるステップと
を含む。
本発明はメインブームと後マストとを備えるクレーンに関して記載されているが、本発明が後マストのないクレーンに適用できることも想定されていることは留意されている。したがって、この場合、メインブームは第1のマスト傾斜部材を備える。そのため、本発明は、
・ クレーン基部と、
・ クレーン基部に配置され、水平方向の枢動軸を有する第1の枢動部の周りで枢動可能である第1のマストであって、複数のマスト分割体を備え、メインブームである第1のマストと
を備え、
第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備え、
・ 第1のマスト上方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、第1のマスト傾斜部材と第1のマストの上端との間に配置され、
・ 第1のマスト下方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、クレーン基部と第1のマスト傾斜部材との間に配置され、
・ 第1のマスト傾斜部材は、
・ 第1のマスト上方部に連結される上方連結部と、第1のマスト下方部に連結される下方連結部とを備え、
・ 第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線である直線吊上状態と、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられる傾斜吊上状態とを有し、
・ 直線吊上状態と傾斜吊上状態との両方において、第1のマスト上方部から第1のマスト下方部へと力を伝達するように適合される、クレーンにも関する。
本発明による方法が、後マストのないクレーンにも適用できる。そのため、本発明は、
・ クレーンを吊上場所に配置するステップであって、クレーンは、クレーン基部と、複数のマスト分割体を備える第1のマストとを備え、第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備える、ステップと、
・ 第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線となる直線吊上状態において、第1のマストを第1のマスト傾斜部材と組み立てるステップと、
・ 第1のマスト傾斜部材を、直線吊上状態から、第1のマスト上方部が第1のマスト下方部に対して傾斜させられる傾斜吊上状態へと移動させるステップと
を含む方法にも関する。
本発明は、本発明の例示の実施形態が非限定的な手法で示されている図を参照して、以下においてより詳細に記載されている。様々な図にわたって、同じ符号は同じ特徴を指示するために使用されている。
第1のマスト傾斜部材が直線吊上状態にある、本発明によるクレーンの可及的な実施形態の図である。 支柱が支柱位置決め要素まで引っ張られている、本発明によるクレーンの可及的な実施形態の図である。 支柱が機能位置へと枢動されている、本発明によるクレーンの可及的な実施形態の図である。 直線吊上状態における第1のマスト傾斜部材を示す図である。 傾斜吊上状態における第1のマスト傾斜部材を示す図である。 第1のマスト傾斜部材が傾斜吊上状態にある、本発明によるクレーンの可及的な実施形態の図である。 メインブームと後マストとの両方がそれぞれの傾斜部品を備える、本発明の可及的な実施形態の図である。 直線吊上状態における第1のマスト傾斜部材の可及的な実施形態を示す図である。 傾斜吊上状態における第1のマスト傾斜部材の別の可及的な実施形態を示す図である。
図1は、本発明によるクレーン1の可及的な実施形態を示している。クレーン1は、クレーン基部23によって両方とも支持される第1のマスト2および第2のマスト3を有する。図1の例では、第1のマスト2はメインブームであり、第2のマスト3は後マストであり、両方ともラチスマストである。第1のマスト2はラチスマストであり、複数のマスト分割体15.1〜15.8を備える。第1のマスト2は第1の枢動部17を有し、第2のマスト3は第2の枢動部18を有し、どちらの枢動部もクレーン基部23に位置させられている。両方の枢動部17、18は水平方向の枢動軸(図示せず)を有する。示されている例では、第2のマスト3も、複数のマスト分割体16.1〜16.8を備えるラチスマストである。
第1のマスト2は、マスト分割体15.2と15.3との間に配置される第1のマスト傾斜部材6を備える。第1のマスト傾斜部材6は、第1のマスト2を第1のマスト上方部4と第1のマスト下方部5とに分割している。第1のマスト上方部4は、2つのマスト分割体15.1、15.2を備え、第1のマスト傾斜部材6から第1のマスト2の上端13へと延びている。第1のマスト下方部5は、クレーン基部23と第1のマスト傾斜部材6との間に配置されている。第1のマスト下方部5は6つのマスト分割体15.3〜15.8を備える。マスト分割体15.1〜15.7は同様の断面寸法を有している。さらに、マスト分割体15.2はマスト分割体15.3と同一であり、マスト分割体15.1はマスト分割体15.3〜15.7と同一である。マスト分割体15.8だけは、クレーン基部23に連結されるように適合されているため、異なる断面寸法を有する。
第1のマスト傾斜部材6は、上方連結部7によって第1のマスト上方部4に連結されており、下方連結部8によって第1のマスト下方部5に連結されている。第1のマスト傾斜部材6は伸縮シリンダ32をさらに備える。図1に示された状況では、伸縮シリンダ32はその伸長位置にある。
図1では、第1のマスト傾斜部材6は直線吊上状態にある。直線吊上状態において、第1のマスト上方部4と第1のマスト下方部5とは互いと本質的に一直線になっている。図1において見られるように、直線吊上状態では、本発明によるクレーン1の第1のマスト2は、従来の第1のマストを伴う従来のクレーンと同様に見え、同様に機能もする。つまり、直線吊上状態では、クレーン1は、吊上ワイヤ22を備える吊上機構21によって荷重24を吊り上げることができる。吊上ワイヤ22は、第1のマスト2の上端13において第1のマスト2に連結されている。吊上ワイヤ22は、クレーン1が設計されている最大荷重を吊り上げるように適合されていることを意味する主吊上ワイヤである。クレーン1は補助的な吊上ワイヤを備えていない。
図示した例では、第1のマスト2は第2のマスト支線14によって第2のマスト3に連結されており、第2のマスト支線14はバラスト重量20にも連結されている。第1のマスト上方部4に存在している力は、第1のマスト傾斜部材6を介して第1のマスト下方部5に伝達される。荷重の場所に依存して、直線吊上状態で吊り上げる前に、第1のマスト2と第2のマスト3との両方がそれぞれの枢動部17、18の周りで枢動させられてもよく、そのため第1のマスト2および第2のマスト3はより鉛直でなくなる。また、バラスト重量20は、クレーン基部23からより遠くに離れた位置へと持って行かれてもよい。したがって、図1に示した状況は、第1のマスト2および第2のマスト3が吊り上げのために配置され得る最も水平の位置ではない。
クレーン1は、第1のマスト2および第2のマスト3のそれぞれのための第1のマスト停止部46および第2のマスト停止部47をさらに備える。第1のマスト停止部46および第2のマスト停止部47は、第1のマスト2および第2のマスト3が後方に倒れるのを防止するように適合されている。任意選択で、後マスト3が水平に対してさらに傾斜させられるとき、このような状況では第2のマスト停止部47への力が大きくなりすぎる可能性があるため、後マストが倒れるのを防止するために、追加の後マスト停止部(図示せず)がバラスト20の上方に設けられ得ることが想定されている。
本発明によれば、クレーン1の第1のマスト傾斜部材6は、第1のマスト上方部4が第1のマスト下方部5に対して傾斜させられる傾斜吊上状態も有する。これは、図4a〜図4bを参照してより詳細に説明されている。クレーン1は、第1のマスト傾斜部材6が前記傾斜吊上状態にあるとき、第1のマスト上方部4を第1のマスト下方部5に対して固定位置で維持するための支柱9を備える。
図1に示された状況では、支柱9は非機能位置にある。図示した例では、前記非機能位置は、支柱9が第1のマスト下方部5と平行であることを伴う。支柱9は、第1の支柱支線34に連結された第2の端10を有する。以上のように、第1の支柱支線34は、支柱の中心線に位置しない場所において支柱9に取り付けられている。第1の支柱支線34は、第1のマスト上方部4の上端13において束(図示せず)に連結されている。第1の支柱支線34は巻付機(図示せず)にさらに連結されている。図示した例における巻付機は上方部4に位置させられている。
第1の支柱支線34を巻付機に巻き付けることで、上向きの引っ張り力が支柱9に作り出され、これは支柱9を第1のマスト下方部5と平行に上向きに移動させる。この上向きの移動の間、支柱9は、支柱案内部35を有する第1のマスト下方部5によって案内される。図示した例では、第1のマスト下方部5の外側は支柱案内部35として機能する。上向きの移動は、支柱9の第1の端11が支柱位置決め要素30に到達するときに停止させられる。支柱位置決め要素30は支柱位置決め孔37を有する。支柱9は、その第1の端11において、支柱位置決め孔38も有する。支柱位置決め孔37、38は、支柱9が支柱位置決め要素30に到達するときに一列にされ、これは図2に示された状況である。
図2では、支柱9の第2の端11は支柱位置決め要素30と接触しており、支柱位置決め要素30は、支柱9が第1のマスト下方部5と平行にさらに上向きに移動するのを防止する。支柱位置決めピンが、一列にされた支柱位置決め孔37、38を通じて配置される。しかしながら、回転移動は防止されない。第2の端10は第1の支柱支線34に取り付けられている。第2の端10は第2の支柱支線36にも取り付けられており、第2の支柱支線36は、次いで第1のマスト下方部5の下部に取り付けられている。第2の支柱支線36は、第1の支柱支線34と異なる取り付け位置で取り付けられている。支柱9の第1の端10において第1の支柱支線34における引っ張り力を維持することで、支柱9は、支柱9が図3に示されている機能位置に到達するまで、支柱位置決め要素30の周りで枢動させられる。支柱9の枢動は、第1の支柱支線34が支柱9の中心線に位置しない場所において支柱9に取り付けられているため、遂行され得る。
図3では、支柱9が機能位置にある。機能位置では、支柱9の第1の端11は、支柱位置決め要素30を介して第1のマスト2に連結される。第2の支柱支線36は長さが限定されており、この長さはあらかじめ決定されている。第2の支柱支線36は、その完全な長さにおいてピンと張られると、支柱9がさらに上向きに移動することとさらに枢動することとを防止する。このようにして、支柱9は機能位置で維持される。支柱9が機能位置になると、第1のマスト傾斜部材6は傾斜吊上状態へと適合させられ得る。
図4aは、直線吊上状態における第1のマスト傾斜部材6の拡大図を示しており、図4bは傾斜吊上状態において示している。これらの図で同じく見られるのは、この例では第1のマスト傾斜部材6に取り付けられている支柱位置決め要素30と、機能位置へとすでに持って行かれている支柱9の第1の端11とである。
第1のマスト傾斜部材6は、2つの位置決め孔40、41とピン42とを備える第1の上方部係止装置を備える。図4aに示されている直線吊上状態では、2つの位置決め孔40、41が一列にされている。この位置において、ピン42が位置決め孔40、41へと挿入される。ピン42は液圧シリンダ(図示せず)に連結されており、液圧シリンダは地上における操作者によって操作可能である。このようにすることで、操作者はピン42を位置決め孔40、41に挿入できる、または、位置決め孔40、41から取り外しできる。このピン孔連結によって、第1のマスト傾斜部材6は傾斜吊上状態へと移動することが防止される。したがって、第1のマスト上方部4は第1のマスト下方部5に対して固定位置で係止させられる。
第1のマスト傾斜分割体はヒンジ43をさらに備える。ヒンジ43は、図4aにおいて左から右へと進む方向で見たとき、第1のマスト傾斜部材6の断面の中心に位置させられている。ヒンジ43の場所において、第1のマスト傾斜部材6は、図4a〜図4bにおいて紙面に対して垂直の方向において延びる第1の傾斜軸44を有する。したがって、第1の傾斜軸44は断面の中心にも位置させられている。第1のマスト2のマスト分割体が対称的であるため、第1のマスト2の中立平面45が第1のマスト2の中心軸に位置させられている。したがって、第1の傾斜軸44は、中立平面45に対して垂直に延び、交点を有する。これは、第1のマスト上方部4から来る第1のマスト下方部5への力の対称的な分散を高める。
図4aに示された直線吊上状態では、伸縮シリンダ32は伸長状態にある。伸縮シリンダ32も液圧シリンダであり、地上において操作者によって制御可能でもある。直線吊上状態では、伸縮シリンダ32は第1のマスト上方部4が第1のマスト下方部5に対して傾斜するのも防止する。第1のマスト傾斜部材6が直線吊上状態から傾斜吊上状態へと移動するためには、操作者は最初に、ピン42に取り付けられた液圧シリンダを動作させることでピン42を取り外す。その後、操作者は伸縮シリンダ32を収縮させるために伸縮シリンダ32を制御する。伸縮シリンダ32の収縮移動は、図4a〜図4bに示されているような右側において、第1のマスト上方部4に小さな引っ張り力をもたらし、これは第1のマスト上方部4に傾斜することを開始させる。傾斜が開始すると、第1のマスト傾斜部材6が図4bに示されているような傾斜吊上状態になるまで、傾斜は重力の影響の下で続けられる。傾斜吊上状態において、伸縮シリンダ32は内部の圧力がまったくない。さらに、本質的に、力が第1のマスト上方部4から第1のマスト下方部5へと伸縮シリンダ32を通じて伝達されない。したがって、本質的に、すべてのこのような力は中立平面45に位置させられるヒンジ43を通じて伝達させられる。
傾斜の間、つまり、直線吊上状態から傾斜吊上状態への移動の間、第1の支柱支線34の長さ(図3参照)は、傾斜が制御され得るように制御される。第1の支柱支線34の長さをゆっくりと増加させることで、第1のマスト上方部4は第1のマスト下方部5に対してゆっくりとさらに傾斜する。
図5は、第1のマスト傾斜部材6が傾斜吊上状態にあるときに荷重24を吊り上げている間のクレーン1を示している。図5に示されている例では、建物25がクレーン1の近辺にあり、クレーン1は荷重24を建物25へと吊り上げるために使用される。建物25がクレーン1にとても近いことで、第1のマスト2が比較的水平な位置になることを妨げている。直線吊上状態では、第1のマスト2は、建物25とぶつかるため、荷重24を建物25へと吊り上げることができない。第1のマスト傾斜部材6を備える本発明によるクレーン1は、第1のマスト上方部4を第1のマスト下方部5に対する傾斜位置へと持って行くことを可能にしている。このようにすることで、第1のマスト2の水平方向の到達距離は増加させられ、クレーン1の柔軟性および操縦性も増加させられる。
傾斜吊上状態における第1のマスト傾斜部材6での吊り上げの間、支柱9は機能位置にあり、第1の支柱支線34は第1のマスト上方部4を第1のマスト下方部5に対する固定位置で係止する。先に説明されているように、第1の支柱支線34は、支柱9を機能位置へ持って行くために巻付機(図示せず)に巻き付けられる。支柱9が機能位置になると、第2の支柱支線36は、支柱9がさらに上向きに移動または枢動するのを防止する。したがって、支柱9における第1の支柱支線34の端は本質的に固定位置にある。巻付機への巻き付けをより多くかまたはより少なくすることで遂行され得る第1の支柱支線34の長さの制御によって、第1のマスト上方部4の上端13と第1のマスト支柱9の第2の端10との間の距離も制御される。この距離を一定に維持することで、第1のマスト上方部4は第1のマスト下方部5に対して固定位置で係止させられる。
第1のマスト傾斜部材6を直線吊上状態へと戻すために、第1の支柱支線34が巻付機にさらに巻き付けられ得る。これを行うことで、支柱9と第1のマスト上方部4の上端13との間の距離が縮小される。支柱9が第2の支柱支線36によって上向きにさらに移動するのを防止されているため、上端13は支柱9のより近くへと移動するように強制される。最終的に、第1のマスト上方部4は第1のマスト下方部5と一直線となる。操作者は、第1のマスト傾斜部材をピン42で直線吊上状態において係止し、これは図4aにおいて示されている。
図5では、第2のマスト支線14は第1のマスト上方部4の上端13において第2のマスト3を第1のマスト2に連結している。第2のマスト支線14は上端13から第2のマスト3への直接的な力を吸収し、これは、第1のマスト上方部4がそれらの力を受けないことを意味する。これは、第1のマスト2におけるすべての力を相当に低減し、このようにすることで、モーメントおよび応力も低減する。
図6は、第2のマスト3が傾斜させられ得る本発明によるクレーン1の実施形態を示している。示されている例では、これは、第1のマスト2について非常に同様の方法で遂行される。しかしながら、本発明がこれらの図に示された例に限定されないため、2つの傾斜可能なマスト2、3の間に違いがあることも可能である。
図6における第2のマスト3は複数のマスト分割体16.1〜16.7を備える。第2のマスト傾斜部材106がマスト分割体16.2と16.3との間に配置される。第2のマスト傾斜部材106は第1のマスト傾斜部材6と非常に似通っており、伸縮シリンダ132も備える。第2のマスト傾斜部材106は直線吊上状態と傾斜吊上状態とを有する。第2のマスト3は、第2のマスト傾斜部材106によって、2つのマスト分割体16.1、16.2を備える第2のマスト上方部104と、6つのマスト分割体16.3〜16.8を備える第2のマスト下方部105とに分割される。マスト分割体16.2はマスト分割体16.3と同一であり、マスト分割体16.1はマスト分割体16.4〜16.7と同一である。第2のマスト傾斜部106は、第2のマスト上方部104に連結された上方連結部107と、第2のマスト下方部105に連結された下方連結部108と、第2のマスト傾斜部材106が直線吊上状態にあるとき、第2のマスト上方部104を第2のマスト下方部105に対して固定位置で係止するための2つの位置決め孔(図示せず)およびピン(図示せず)とをさらに備える。
第2のマスト3は第2のマスト支柱109をさらに備え、第2のマスト支柱109は、支柱9と同じ方法で機能位置へと持って行かれ得る。第1の支柱支線134と第2の支柱支線136とが、第1のマスト2におけるそれらの相手部品と同じ機能で設けられている。後マストを傾斜させることで、バラスト重量20の遠くに届く範囲が増加させられる。
以上のように、図示した例における第2のマスト3の傾斜は、第1のマスト2と非常に似通っている。第1のマスト2にとって可能であるすべての実施形態は、第2のマスト3についても同じである。さらに、後マストだけが傾斜でき、メインブームは傾斜できないことも可能である。
図7aおよび図7bは、第1のマスト傾斜部材206の別の可及的な実施形態を、直線吊上状態および傾斜吊上状態においてそれぞれ示している。第1のマスト傾斜部材206は伸縮シリンダ232も備える。しかしながら、この場合における伸縮シリンダ232は、第1のマスト上方部4と第1のマスト下方部5との間に直接的に配置されない。代わりに、伸縮シリンダ232は、第1のマスト2の中立軸45に対して本質的に垂直に配置され、ヒンジ209に連結されている。前記ヒンジ209には、ヒンジ210によって第1のマスト上方部4に連結されている第1の棒材208と、ヒンジ211によって第1のマスト下方部5に連結されている第2の棒材207とが同じく連結されている。
図7aに示されているような直線吊上状態では、伸縮シリンダ232は収縮状態にある。伸縮シリンダ232を伸長することで、ヒンジ209は、第1のマスト2から離れる方向に押され、図7a〜図7bでは右へと押される。したがって、第1の棒材207および第2の棒材208もその方向に押されることになり、それぞれヒンジ210および211の周りで枢動する。このようにすることで、第1のマスト上方部4を第1のマスト下方部5に対する傾斜が初期化される。ここでも、初期化されると、第1のマスト上方部4は重力の影響の下でさらに傾斜する。
図7bに示されているような傾斜吊上状態では、伸縮シリンダ232は伸長状態にある。第1のマスト傾斜部材206は、第1のマスト傾斜軸244に位置させられるヒンジ243も備え、第1のマスト傾斜軸244はここでも第1のマストの中立平面45にある。傾斜吊上状態では、すべての力が第1のマスト上方部4から第1のマスト下方部5へとヒンジ243を通じて伝達される。したがって、伸縮シリンダ232、第1の棒材207、および第2の棒材208は、本質的に力を受けない。
1 クレーン
2 第1のマスト
3 第2のマスト、後マスト
4 第1のマスト上方部
5 第1のマスト下方部
6 第1のマスト傾斜部材
7 上方連結部
8 下方連結部
9 第1のマスト支柱
10 第2の端
11 第1の端
13 上端
14 第2のマスト支線
15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8 マスト分割体
16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8 マスト分割体
17 第1の枢動部
18 第2の枢動部
20 バラスト重量
21 吊上機構
22 吊上ワイヤ
23 クレーン基部
24 荷重
25 建物
30 支柱位置決め要素
32 伸縮シリンダ
34 第1の支柱支線
35 支柱案内部
36 第2の支柱支線
37、38 支柱位置決め孔
40、41 位置決め孔
42 ピン
43 ヒンジ
44 第1の傾斜軸
45 中立平面、中立軸
46 第1のマスト停止部
47 第2のマスト停止部
104 第2のマスト上方部
105 第2のマスト下方部
106 第2のマスト傾斜部材
107 上方連結部
108 下方連結部
109 第2のマスト支柱
132 伸縮シリンダ
134 第1の支柱支線
136 第2の支柱支線
206 第1のマスト傾斜部材
207 第2の棒材
208 第1の棒材
209 ヒンジ
210 ヒンジ
211 ヒンジ
232 伸縮シリンダ
243 ヒンジ
244 第1のマスト傾斜軸

Claims (28)

  1. クレーン基部と、
    前記クレーン基部に配置され、水平方向の枢動軸を有する第1の枢動部の周りで枢動可能である第1のマストであって、複数のマスト分割体を備え、メインブームである第1のマストと、
    後マストである第2のマストと
    を備え、
    前記第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって前記第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備え、
    前記第1のマスト上方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、前記第1のマスト傾斜部材と前記第1のマストの上端との間に配置され、
    前記第1のマスト下方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、前記クレーン基部と前記第1のマスト傾斜部材との間に配置され、
    前記第1のマスト傾斜部材は、
    前記第1のマスト上方部に連結される上方連結部と、前記第1のマスト下方部に連結される下方連結部とを備え、
    前記第1のマスト上方部と前記第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線である直線吊上状態と、前記第1のマスト上方部が前記第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、前記第2のマストから離される傾斜吊上状態とを有し、
    前記直線吊上状態と前記傾斜吊上状態との両方において、前記第1のマスト上方部から前記第1のマスト下方部へと力を伝達するように適合される、クレーン。
  2. クレーン基部と、
    複数のマスト分割体を備え、後マストである第1のマストと、
    前記クレーン基部に配置され、水平方向の枢動軸を有する第1の枢動部の周りで枢動可能である第2のマストであって、メインブームである第2のマストと
    を備え、
    前記第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって前記第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備え、
    前記第1のマスト上方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、前記第1のマスト傾斜部材と前記第1のマストの上端との間に配置され、
    前記第1のマスト下方部は、少なくとも1つのマスト分割体を備え、前記クレーン基部と前記第1のマスト傾斜部材との間に配置され、
    前記第1のマスト傾斜部材は、
    前記第1のマスト上方部に連結される上方連結部と、前記第1のマスト下方部に連結される下方連結部とを備え、
    前記第1のマスト上方部と前記第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線である直線吊上状態と、前記第1のマスト上方部が前記第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、前記第2のマストから離される傾斜吊上状態とを有し、
    前記直線吊上状態と前記傾斜吊上状態との両方において、前記第1のマスト上方部から前記第1のマスト下方部へと力を伝達するように適合される、クレーン。
  3. 前記第1のマスト傾斜部材に連結される前記第1のマスト上方部の前記マスト分割体の断面は、前記第1のマスト傾斜部材に連結される前記第1のマスト下方部の前記マスト分割体の断面と同じ寸法のものである、請求項1または2に記載のクレーン。
  4. 前記第1のマストの前記複数のマスト分割体のうちの複数と、前記第1のマスト傾斜部材の前記上方連結部および前記下方連結部とは、前記第1のマスト傾斜部材を前記複数のマスト分割体のうちの任意の2つの間に配置可能なように適合される、請求項1から3のいずれか一項に記載のクレーン。
  5. 前記クレーンは、前記第1のマストに連結される第1の支柱端と、第1の支柱支線に取り付けられる第2の支柱端とを伴う支柱をさらに備え、前記第1の支柱支線は、前記第1のマスト傾斜部材が前記傾斜吊上状態にあるときに前記第1のマスト上方部を前記第1のマスト下方部に対して固定位置で維持するために、前記第1のマスト上方部の前記上端に取り付けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載のクレーン。
  6. 前記クレーンは第2の支柱支線をさらに備え、前記第2の支柱支線は、前記支柱の第2の端と、前記第1のマスト下方部または前記クレーン基部とに取り付けられ、
    前記クレーンは、前記第1の支柱支線および前記第2の支柱支線の一方を巻き付けるための巻付機をさらに備え、
    前記第1のマスト傾斜部材が前記傾斜吊上状態にあるとき、
    前記支柱の前記第2の端と前記第1のマスト上方部の前記上端との間の距離が前記第1の支柱支線によって決定され、
    前記支柱の前記第2の端と前記第1のマスト下方部および/または前記クレーン基部との間の距離が前記第2の支柱支線によって決定され、
    前記第1のマスト上方部は、前記第1の支柱支線および前記第2の支柱支線の一方を前記巻付機に巻き付ける一方で、前記第1の支柱支線および前記第2の支柱支線の他方の長さを任意選択で一定に維持することで、前記第1のマスト傾斜部材を前記直線吊上状態に持って行くために前記第1のマスト下方部と一直線に移動させられるように適合される、請求項5に記載にクレーン。
  7. 前記支柱は、前記第1のマスト傾斜部材が前記傾斜吊上状態にあるときに前記第1のマスト上方部を前記第1のマスト下方部に対して固定位置で維持するための機能位置と、前記支柱が前記第1のマスト下方部と本質的に平行であり、前記支柱の第1の端が第2の端の上方に位置させられる非機能位置とを有し、
    前記クレーンは、前記支柱に取り付けられる支線を巻き付けるための巻付機を備え、前記支線を前記巻付機に巻き付けることで前記支柱を上向きに移動させるように適合され、前記支線は任意選択で前記第1の支柱支線であり、
    前記第1のマスト下方部は、前記上向きの移動の間に前記支柱を前記第1のマスト下方部と平行に案内するための支柱案内部を有し、
    前記第1のマストは支柱位置決め要素をさらに備え、前記支柱位置決め要素は、前記支柱が前記機能位置となるまで、前記支柱の前記上向きの移動を停止し、前記支柱を枢動させるように適合される、請求項5または6に記載にクレーン。
  8. 前記支柱の前記第2の端は第2の支柱支線にさらに取り付けられ、前記第2の支柱支線は前記第1のマスト下方部または前記クレーン基部にも取り付けられ、前記第2の支柱支線は、前記支柱を前記機能位置において維持するように適合される長さを有する、請求項7に記載にクレーン。
  9. 前記第1のマスト傾斜部材は伸縮シリンダをさらに備え、前記伸縮シリンダは、前記第1のマスト傾斜部材を前記直線吊上状態から前記傾斜吊上状態へと移動させるように適合される、請求項1から8のいずれか一項に記載にクレーン。
  10. 前記第1のマスト傾斜部材は、前記伸縮シリンダが伸長させられているときに前記直線吊上状態にあり、前記伸縮シリンダが収縮させられているときに前記傾斜吊上状態にある、請求項9に記載にクレーン。
  11. 前記第2のマストは第2のマスト支線によって前記第1のマストに連結され、前記第2のマスト支線は前記第1のマスト上方部の上端において前記第1のマストに連結される、請求項1から10のいずれか一項に記載にクレーン。
  12. 前記第2のマストの長さは前記第1のマスト下方部の長さより長い、請求項1から11のいずれか一項に記載にクレーン。
  13. 前記後マストの長さは前記メインブームの長さの50%より長く、任意選択で、前記後マストの長さは前記メインブームの長さの75%より長く、任意選択で、前記後マストの長さは前記メインブームの長さとおおよそ等しい、請求項1から12のいずれか一項に記載にクレーン。
  14. 前記第1のマスト傾斜部材は、前記第1のマスト上方部が前記第1のマスト下方部に対して傾斜させられる傾斜軸を有し、前記傾斜軸は、前記第1のマスト傾斜部材の中立平面の近傍に位置させられる、請求項1から13のいずれか一項に記載にクレーン。
  15. 前記クレーンは、鉛直方向に組み立てられるように適合される種類のクレーンである、請求項1から14のいずれか一項に記載にクレーン。
  16. 前記第1のマスト傾斜部材は第1の上方部係止装置を備え、前記第1の上方部係止装置は、前記第1のマスト傾斜部材が前記直線吊上状態にあるとき、前記第1のマスト上方部を前記第1のマスト下方部に対して固定位置で係止するように適合される、請求項1から15のいずれか一項に記載にクレーン。
  17. 前記第1の上方部係止装置は伸縮性の液圧シリンダを備え、前記第1のマスト上方部は、前記液圧シリンダが伸長状態にあるときに前記第1のマスト下方部に対して固定位置で係止され、前記第1のマスト上方部は、前記液圧シリンダが収縮状態にあるときに前記第1のマスト下方部に対して移動可能であり、または、その逆である、請求項16に記載にクレーン。
  18. 前記第2のマストは複数のマスト分割体を備え、前記第2のマストは、
    少なくとも1つのマスト分割体を備える第2のマスト上方部と、
    少なくとも1つのマスト分割体を備える第2のマスト下方部と、
    前記第2のマスト上方部と前記第2のマスト下方部との間に配置され、前記第2のマスト上方部に連結される上方連結部、および、前記第2のマスト下方部に連結される下方連結部を備え、
    前記第2のマスト上方部と前記第2のマスト下方部とが互いと本質的に一直線である直線吊上状態、および、前記第2のマスト上方部が前記第2のマスト下方部に対して傾斜させられる傾斜吊上状態を有し、
    前記直線吊上状態と前記傾斜吊上状態との両方において、前記第2のマスト上方部から前記第2のマスト下方部へと力を伝達するように適合される
    第2のマスト傾斜部材と
    を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載にクレーン。
  19. 前記第1のマストと前記第2のマストとの少なくとも一方がラチスマストである、請求項1から18のいずれか一項に記載にクレーン。
  20. クレーンを吊上場所に配置するステップであって、前記クレーンは、クレーン基部と、複数のマスト分割体を備え、後マストおよびメインブームの一方である第1のマストと、後マストおよびメインブームの他方である第2のマストとを備え、前記第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって前記第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備える、ステップと、
    前記第1のマスト上方部と前記第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線となる直線吊上状態において、前記第1のマストを前記第1のマスト傾斜部材と組み立てるステップと、
    前記第1のマスト傾斜部材を、前記直線吊上状態から、前記第1のマスト上方部が前記第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、前記第2のマストから離される傾斜吊上状態へと移動させるステップと
    を含む、クレーンを動作させるための方法。
  21. クレーンを吊上場所に配置するステップであって、前記クレーンは、クレーン基部と、複数のマスト分割体を備え、後マストおよびメインブームの一方である第1のマストと、後マストおよびメインブームの他方である第2のマストとを備え、前記第1のマストは、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって前記第1のマストの第1のマスト上方部と第1のマスト下方部とを定める第1のマスト傾斜部材を備える、ステップと、
    前記第1のマスト上方部が前記第1のマスト下方部に対して傾斜させられ、前記第2のマストから離される傾斜吊上状態において、前記第1のマストを前記第1のマスト傾斜部材と組み立てるステップと、
    前記第1のマスト傾斜部材を、前記傾斜吊上状態から、前記第1のマスト上方部と前記第1のマスト下方部とが互いと本質的に一直線となる直線吊上状態へと移動させるステップと
    を含む、クレーンを動作させるための方法。
  22. 前記第1のマスト傾斜部材を前記傾斜吊上状態へと移動させる前記ステップの前に、
    第1の荷重を、前記メインブームの上端に配置される吊上機構に連結される吊上ワイヤに取り付けるステップと、
    前記第1のマスト傾斜部材が前記直線吊上状態にある間に前記第1の荷重を前記メインブームで吊り上げるステップと
    をさらに含み、
    前記第1のマスト傾斜部材を前記傾斜吊上状態へと移動させる前記ステップの後に、
    第2の荷重を、前記メインブームの前記上端に配置される前記吊上機構に連結される前記吊上ワイヤに取り付けるステップと、
    前記第1のマスト傾斜部材が前記傾斜吊上状態にある間に前記第2の荷重を前記メインブームで吊り上げるステップと
    をさらに含む、請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記第1のマスト傾斜部材を前記傾斜吊上状態へと移動させる前記ステップの前に、
    第3の荷重を、前記メインブームの上端に配置される吊上機構に連結される吊上ワイヤに取り付けるステップと、
    前記第1のマスト傾斜部材が前記直線吊上状態にある間に前記第3の荷重を前記メインブームで持ち上げるステップと
    を含み、
    前記第3の荷重が持ち上げられている間に、前記第1のマスト傾斜部材を前記直線吊上状態から前記傾斜吊上状態へと移動させるステップを含み、
    前記第1のマスト傾斜部材が前記傾斜吊上状態にあるとき、
    前記第3の荷重を地面に持って行くステップと、
    前記第3の荷重を前記吊上ワイヤから取り外すステップと
    を含む、請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記第1のマスト傾斜部材が前記傾斜吊上状態にあるとき、
    第4の荷重を、前記メインブームの上端に配置される吊上機構に連結される吊上ワイヤに取り付けるステップと、
    前記第1のマスト傾斜部材が前記傾斜吊上状態にある間に前記第4の荷重を前記メインブームで持ち上げるステップと
    をさらに含み、
    前記第4の荷重が持ち上げられている間に、前記第1のマスト傾斜部材を前記傾斜吊上状態から前記直線吊上状態へと移動させるステップをさらに含み、
    前記第1のマスト傾斜部材が前記直線吊上状態にあるとき、
    前記第4の荷重を地面に持って行くステップと、
    前記第4の荷重を前記吊上ワイヤから取り外すステップと
    をさらに含む、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 第1のマスト傾斜部材を前記傾斜吊上状態へと移動させる前記ステップの前に、
    支柱を、前記支柱に取り付けられる支線を巻付機に巻き付けることで、前記支柱が支柱位置決め要素に到達するまで、前記第1のマスト下方部によって備えられる支柱案内部に沿って、前記第1のマスト下方部と平行に上向きに引っ張るステップであって、前記支線は、任意選択で、前記支柱の第2の端に取り付けられ、前記第1のマスト上方部の上端に連結される第1の支柱支線である、ステップと、
    任意選択で前記支線を前記巻付機にさらに巻き付けることで、前記支柱が機能位置となるまで前記支柱を前記支柱位置決め要素の周りで枢動させるステップと、
    前記第1のマスト傾斜部材が前記傾斜吊上状態にあるとき、前記第1のマスト上方部を前記第1のマスト下方部に対して固定位置で維持するために、前記第1の支柱支線がピンと張られるまで前記第1の支柱支線を巻付機に巻き付けるステップと
    を含む、請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記第1のマストおよび/または第2のマストを本質的に鉛直の方向において組み立てるステップをさらに含む、請求項20から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 支線を用いて前記第2のマストの上方端を前記第1のマストの上方端と連結するステップをさらに含む、請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記クレーンを前記吊上場所に配置する前記ステップは、前記第2のマストを配置することを含み、前記第2のマストは、複数のマスト分割体と、2つのマスト分割体の間に配置され、それによって前記第2のマストの第2のマスト上方部と第2のマスト下方部とを定める第2のマスト傾斜部材とを備え、
    前記方法は、
    前記第2のマスト上方部と前記第2のマスト下方部とが互いと本質的に一直線となる直線吊上状態において、前記第2のマストを前記第2のマスト傾斜部材と組み立てるステップと、
    前記第2のマスト傾斜部材を、前記直線吊上状態から、前記第2のマスト上方部が前記第2のマスト下方部に対して傾斜させられ、前記第1のマストから離される傾斜吊上状態へと移動させるステップと
    をさらに含む、請求項20から27のいずれか一項に記載の方法。
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