JP2020531532A - グルカゴン受容体シグナル伝達に干渉することによって尿素サイクル異常症を治療する方法 - Google Patents

グルカゴン受容体シグナル伝達に干渉することによって尿素サイクル異常症を治療する方法 Download PDF

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Abstract

高アンモニア血症または尿素サイクル異常症を有する対象を治療する方法が本明細書に提供される。本方法は、アンモニアレベルを低下させるように、またはアミノ酸代謝酵素が下方制御されるように、または高アンモニア血症によって特徴付けられる状態もしくは疾患が及ぼす影響を低減するように、またはその状態もしくは疾患に関連する症状もしくは合併症の少なくとも一つが重症度において緩和もしくは減少されるように、グルカゴンシグナル伝達経路阻害剤の治療量を、それを必要とする対象に投与することを含む。グルカゴンシグナル伝達経路阻害剤は、シグナル伝達経路の小分子阻害剤、シグナル伝達経路のアンチセンス阻害剤、shRNA、siRNA、GCG中和モノクローナル抗体、GCGR拮抗薬、シグナル伝達経路のペプチド阻害剤、DARPin、シュピーゲルマー、アプタマー、操作されたFn3型ドメインなどでありうる。治療方法は、高アンモニア血症または尿素サイクル異常症を患っているヒトを治療するために有用である。【選択図】なし

Description

本発明は、尿素サイクル異常症および/または高アンモニア血症を治療するために、グルカゴン(GCG)阻害剤またはグルカゴン受容体(GCGR)拮抗薬を使用する方法、ならびに/あるいはそれを必要とする対象におけるフェニル酪酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウムの治療用量を減少させる方法に関する。
配列表
配列表の公的な写しは、ASCIIフォーマットの配列表としてEFS−Webを介して電子的に本明細書と同時に提出された。当該写しのファイル名は「10366WO01_US_SEQ_LIST_ST25」、2018年8月21日が作成日であり、サイズはおよそ116KBである。このASCIIフォーマット書面に含まれる配列表は、本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
背景
グルカゴンは、インスリンと連携して血液中のグルコース量の恒常性調節を媒介する、29残基のポリペプチドホルモンである。グルカゴンは主に、血糖値が低下した際、正常な血糖値を維持するためにグルコースを放出するために、例えば肝細胞などの特定の細胞を刺激することによって作用する。グルカゴンの作用はインスリンの作用と反対であり、このインスリンの作用とは、血糖値が上昇するときにはいつでも、グルコースを取り込み蓄積するために細胞を刺激することである。グルカゴンは膵臓のアルファ細胞で産生されるが、インスリンは隣接するベータ細胞から分泌される。グルカゴン受容体は、クラスBのGタンパク質共役ファミリーの受容体のメンバーであり、グルカゴン結合によって活性化される。グルカゴン受容体は主に肝臓および腎臓で発現される。
グルカゴンの作用は、本明細書に記載されるように、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、GCG抗体、またはGCGR抗体などの拮抗薬を提供することによって抑制されうる。抗GCG抗体については、例えば、米国特許第4,206,199号、第4,221,777号、第4,423,034号、第4,272,433号、第4,407,965号、第5,712,105号、およびPCT公報WO2007/124463およびWO2013/081993に記載されている。抗GCGR抗体は、米国特許第5,770,445号、第7,947,809号、および第8,545,847号;欧州特許出願第EP2074149A2号;欧州特許第EP0658200B1号;米国特許公報2009/0041784;2009/0252727;および2011/0223160;およびPCT公報WO2008/036341に記載されている。GCGまたはGCGRの小分子阻害剤は、例えば、WO07/47676;WO06/86488;WO05/123688;WO05/121097;WO06/14618;WO08/42223;WO08/98244;WO2010/98948;US20110306624;WO2010/98994;WO2010/88061;WO2010/71750;WO2010/30722;WO06/104826;WO05/65680;WO06/102067;WO06/17055;WO2011/07722;またはWO09/140342に述べられている。グルカゴンの阻害は、GCG/GCGR下流シグナル伝達経路に影響し、cAMPおよびPKAを阻害する。
尿素サイクル異常症(UCD)は、遺伝子突然変異からの結果で、タンパク質の破壊およびその他の窒素含有化合物の破壊によって生成される窒素の代謝における欠損を引き起こす。N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ(NAGS)、カルバモイルリン酸シンテターゼI(CPSI)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、アルギニノコハク酸シンテターゼ(ASS、シトルリン血症Iとも呼称される)、シトリン(シトルリン血症II)、アルギニノコハク酸リアーゼ(アルギニノコハク酸尿症)、アルギナーゼ(高アルギニン血症)、およびオルニチントランスロカーゼ(HHH症候群)の欠損が、この疾患に関連するが、新生児が罹患する場合もあれば成人が罹患する場合もあるように、高アンモニア血症の急性発症の現れる時期に違いがあり、また例えばシトルリン血症IIなどの疾患などは、新生児または成人のどちらかに症状が現れうる。アミノ酸代謝酵素は尿素サイクルの上流にあり、アミノ酸の分解を通してアンモニア産生に関与する。関与する酵素には、シスタチオナーゼ(CTH)、セリンデヒドラターゼ(SDS)、オルニチンアミノトランスフェラーゼ(OAT)、およびグルタミナーゼ2(GLS−2)が含まれる。
尿素サイクル異常症および高アンモニア血症は多くの症状を引き起こすが、典型的には、治療なしでは、知的および発達的な障害を引き起こし、最終的に死亡する。利用可能な治療オプションには、フェニル酪酸を使用する食事タンパク質制限および窒素廃棄が含まれるが、最終的には高アンモニア血症および/または尿素サイクル異常症を有する多くの対象が肝臓移植を必要とする。
治療のための、または重度の高アンモニア血症および/または尿素サイクル異常症の進行を遅らせるための、すなわち、高アンモニア血症および/または尿素サイクル異常症を有する対象の延命および/または生活の質を改善するための、効果的な療法がない場合、これらの疾患を治療するためのその他の薬剤、例えば、本明細書に記載されるような、グルカゴンシグナル伝達経路阻害剤および拮抗薬などの使用を特定および探索する必要がある。
概要
高アンモニア血症により特徴付けられる状態または疾患を有する対象を、例えばGCG阻害剤またはGCGR拮抗薬などの、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬、あるいはGCG阻害剤またはGCGR拮抗薬を含む医薬組成物を投与することによって治療する方法が本明細書に提供される。GCG阻害剤またはGCGR拮抗薬は、グルカゴン受容体シグナル伝達経路を遮断または阻害する能力を有する化合物である。拮抗薬は、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、ペプチド阻害剤、CRISPR技術(Clustered regularly interspaced short palindromic repeats(クラスター化された規則的に間隔を置いて配置された短い回文配列の繰り返し);CRISPR技術はGCGRノックダウン、またはGCGR活性に影響を及ぼす調節配列の欠失を生成しうる)、アンチセンス阻害剤、DARPin、およびGCGまたはGCGR中和モノクローナル抗体の形態をとりうる。グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は単独で、医薬組成物中で、あるいは一つ以上の治療剤と、サプリメントと、または高アンモニア血症に関連する状態または疾患の治療に有用な、もしくは尿素サイクル異常症に関連する一つ以上の症状の治療に有用な、もしくは尿素サイクル異常症に関連する状態または疾患を有する対象の血液アンモニアレベルを低下させることにおいて有用な治療的手順と併せて、投与することができる。
いくつかの実施形態では、当該方法は、血清アンモニアレベルを低下させるか、または状態もしくは疾患の及ぼす影響を低減するか、または状態もしくは疾患と関連する少なくとも一つの症状もしくは合併症が重症度において緩和または減少されるように、高アンモニア血症を有する対象に対し、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含有する組成物の治療有効量を投与することを含む。一部の態様では、高アンモニア血症は先天性高アンモニア血症である。例えば、先天性高アンモニア血症は、カルバミルリン酸シンテターゼ(CPS1)、N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ(NAGS)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、アルギニノコハク酸シンテターゼ(ASS)、アルギニノコハク酸リアーゼ(ASL)、およびアルギナーゼ(AR1)からなる群から選択される尿素サイクル酵素の欠損、または、例えばオルニチントランスロカーゼ(ORNT1)およびシトリンなどの尿素サイクルトランスポーターの欠損に起因する可能性がある。先天性高アンモニア血症は、メチルマロン酸尿症、プロピオン酸尿症、またはイソ吉草酸尿症によって引き起こされうる。先天性高アンモニア血症は、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、多種アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII欠損症、カルニチン−アシルカルニチントランスロカーゼ、リジン尿性タンパク質不耐症、ピロリン‐5−カルボン酸シンテターゼ欠損症、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症、オルニチンアミノトランスフェラーゼ欠損症、炭酸脱水素酵素Va欠損、高インスリン−高アンモニア血症症候群、ミトコンドリア障害、およびグルタミンシンテターゼ欠損症によって引き起こされうる。一部の態様では、高アンモニア血症は後天性である。例えば、高アンモニア血症は、肝臓疾患およびその合併症によって、治療剤(L−アスパラギナーゼまたはペグアスパラガーゼ)、5−ペンタン酸、バルプロ酸、コルチコステロイド、またはシクロホスファミドを用いた治療によって引き起こされうる。
一部の態様では、高アンモニア血症は、単純ヘルペス感染症、B型肝炎感染症、またはウレアーゼ生産生物の感染によって引き起こされる。
一部の態様では、高アンモニア血症は、完全非経口栄養法(相対的アルギニン欠乏を有する)、L−アスパラギナーゼ治療、栄養カルニチン欠乏、グリシン含有溶液による膀胱鏡検査、肺/骨髄移植後、血管の先天性異常、または新生児の一時的な高アンモニア血症によって引き起こされる。
尿素サイクル異常症を有する対象を治療するための方法が本明細書に提供され、この場合において対象はアンモニアのレベルの上昇を示す。いくつかの実施形態では、方法は、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物の治療有効量を対象に投与することを含む。
尿素サイクル異常症を有する対象を治療するための方法が本明細書に提供されており、ここで対象はアンモニアのレベルの上昇を示していない。いくつかの実施形態では、方法は、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物の治療有効量を対象に投与することを含む。
血液アンモニアレベルを低下させるための方法、あるいは高アンモニア血症に関連する、または部分的に高アンモニア血症に特徴づけられる状態もしくは疾患を治療するための、あるいは状態もしくは疾患に関連する少なくとも一つの症状または合併症を治療するための方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、当該方法は、血液アンモニアレベルを低下させるか、あるいは状態または疾患の及ぼす影響を低減するか、あるいは状態または疾患と関連する少なくとも一つの症状または合併症が重症度において緩和または減少されるように、対象に対し、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含有する組成物の治療有効量を投与することを含む。
一部の態様では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、ペプチド阻害剤、CRISPR技術(Clustered regularly interspaced short palindromic repeats、CRISPR技術はGCGRノックダウン、またはGCGR活性に影響を及ぼす調節配列の欠失を生成しうる)、アンチセンス阻害剤、DARPin、およびGCG阻害剤またはGCGR拮抗薬(例えば中和モノクローナル抗体)から選択される。
一部の態様では、GCGR拮抗薬は、抗GCGR抗体でありうる。抗GCGR抗体は、GCGRを阻害または拮抗することができる。抗GCGR抗体は、GCGRシグナル伝達経路を阻害または遮断することができる。一部の態様では、GCG阻害剤は、抗GCG抗体でありうる。抗GCG抗体は、GCGRへのGCGの結合を阻害することができる。
特定の実施形態では、抗体または抗原結合断片はhGCGRに特異的に結合し、配列番号2/10、18/26、34/42、50/58、66/68、70/78、86/88、90/98、106/108、110/118、126/128、130/138および146/148からなる群から選択される重鎖および軽鎖の配列ペア内に含有される重鎖および軽鎖のCDRドメインを含む。
特定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、配列番号86/88のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペア内に含有される重鎖および軽鎖のCDRドメインを含む。
特定の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、配列番号86/88のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む。
一実施形態では、hGCGRに結合するヒト抗体またはヒト抗体の抗原結合断片は、配列番号2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する実質的にそれに類似した配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)を含む。
一実施形態では、hGCGRに結合するヒト抗体またはヒト抗体の抗原結合断片は、配列番号10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する実質的にそれに類似した配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)を含む。
特定の実施形態では、hGCGRに結合するヒト抗体またはその断片は、配列番号2/10、18/26、34/42、50/58、66/68、70/78、86/88、90/98、106/108、110/118、126/128、130/138、および146/148からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む。特定の実施形態では、HCVR/LCVRアミノ酸配列ペアは、配列番号34/42、70/78、86/88、110/118、および126/128からなる群から選択される。
特定の実施形態では、hGCGRに特異的に結合する単離ヒト抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130および146からなる群から選択されるHCVR配列内に含有される三つの重鎖CDR(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3)を含むHCVRを含む、および/または、配列番号10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138および148からなる群から選択されるLCVR配列内に含有される三つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3)を含むLCVRを含む。
特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、配列番号8、24、40、56、76、96、116および136、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するそれと実質的に類似した配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR3ドメイン、および/または配列番号16、32、48、64、84、104、124および144、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するそれと実質的に類似した配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR3ドメインを含むhGCGRを結合する単離ヒト抗体またはその抗原結合断片の使用を企図する。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、配列番号4、20、36、52、72、92、112および132、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するそれと実質的に類似した配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR1ドメイン、配列番号6、22、38、54、74、94、114および134、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するそれと実質的に類似した配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR2ドメイン、配列番号12、28、44、60、80、100、120および140、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するそれと実質的に類似した配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR1ドメイン、および配列番号14、30、46、62、82、102、122および142、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するそれと実質的に類似した配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR2ドメインをさらに含む抗体またはその断片の使用を企図する。
一実施形態では、抗体または抗体の抗原結合断片は、
(a)配列番号8、24、40、56、76、96、116および136からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR3ドメイン;および
(b)配列番号16、32、48、64、84、104、124および144からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR3ドメイン
を含む。
関連する実施形態では、抗体または抗体の抗原結合断片はさらに、
(c)配列番号4、20、36、52、72、92、112および132からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR1ドメイン;
(d)配列番号6、22、38、54、74、94、114および134からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR2ドメイン;
(e)配列番号12、28、44、60、80、100、120および140からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR1ドメイン;および
(f)配列番号14、30、46、62、82、102、122および142からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR2ドメイン
を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号4、20、36、52、72、92、112および132のうちの一つから選択されるアミノ酸配列を有するHCDR1ドメイン、配列番号6、22、38、54、74、94、114および134のうちの一つから選択されるアミノ酸配列を有するHCDR2ドメイン、配列番号8、24、40、56、76、96、116、および136のうちの一つから選択されるアミノ酸配列を有するHCDR3ドメインを含むHCVRと、配列番号12、28、44、60、80、100、120、および140のうちの一つから選択されるアミノ酸配列を有するLCDR1ドメイン、配列番号14、30、46、62、82、102、122、および142のうちの一つから選択されるアミノ酸配列を有するLCDR2ドメイン、および配列番号16、32、48、64、84、104、124、および144のうちの一つから選択されるアミノ酸配列を有するLCDR3ドメインを含むLCVRと、を含む。
特定の実施形態では、ヒトGCGRに結合するヒト抗体またはヒト抗体の抗原結合断片は、配列番号8/16、24/32、40/48、56/64、76/84、86/88、96/104、116/124および136/144からなる群から選択されるHCDR3/LCDR3アミノ酸配列ペアを含む。これらのHCDR3/LCDR3ペアを有する抗GCGR抗体の非限定的な例は、それぞれH4H1345N、H4H1617N、H4H1765N、H4H1321BおよびH4H1321P、H4H1327BおよびH4H1327P、H4H1328BおよびH4H1328P、H4H1331BおよびH4H1331P、H4H1339BおよびH4H1339Pと指定された抗体である。
一実施形態では、特異的にGCGに結合し、GCGに関連する少なくとも一つの活性を中和する本明細書に提供される方法による有用な単離抗体またはその抗原結合断片は、(a)配列番号150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択される重鎖可変領域(HCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3)と、(b)配列番号158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択される軽鎖可変領域(LCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3)と、を含む。
いくつかの実施形態では、特異的にGCGに結合し、GCGと関連する少なくとも一つの活性を中和する単離抗体またはその抗原結合断片は、配列番号150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCVR、および配列番号158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
いくつかの実施形態では、特異的にGCGに結合し、GCGと関連する少なくとも一つの活性を中和する単離抗体またはその抗原結合断片は、配列番号150/158;166/174;182/190;198/206;214/222;230/238;246/254;262/270;278/286;および294/302からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む。
いくつかの実施形態では、HCVR/LCVRアミノ酸配列ペアは、配列番号166/174を含む。
いくつかの実施形態では、HCVR/LCVRアミノ酸配列ペアは、配列番号182/190を含む。
一実施形態では、本明細書に提供される方法に従って有用な単離抗体またはその抗原結合断片は、
(a)配列番号152、168、184、200、216、232、248、264、280、および296からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR1ドメイン;
(b)配列番号154、170、186、202、218、234、250、266、282、および298からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR2ドメイン;
(c)配列番号156、172、188、204、220、236、252、268、284、および300からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR3ドメイン;
(d)配列番号160、176、192、208、224、240、256、272、288、および304からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR1ドメイン;
(e)配列番号162、178、194、210、226、242、258、274、290、および306からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR2ドメイン;および
(f)配列番号164、180、196、212、228、244、260、276、292および308からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR3ドメイン
を含む。
一実施形態では、本明細書に提供される方法に従って有用な単離抗体またはその抗原結合断片は、
(a)配列番号168のアミノ酸配列を含むHCDR1ドメイン、
(b)配列番号170のアミノ酸配列を含むHCDR2ドメイン、
(c)配列番号172のアミノ酸配列を含むHCDR3ドメイン、
(d)配列番号176のアミノ酸配列を含むLCDR1ドメイン、
(e)配列番号178のアミノ酸配列を含むLCDR2ドメイン、および
(f)配列番号180のアミノ酸配列を含むLCDR3ドメイン
を含む。
一実施形態では、本明細書に提供される方法に従って有用な単離抗体またはその抗原結合断片は、
(a)配列番号184のアミノ酸配列を含むHCDR1ドメイン、
(b)配列番号186のアミノ酸配列を含むHCDR2ドメイン、
(c)配列番号188のアミノ酸配列を含むHCDR3ドメイン、
(d)配列番号192のアミノ酸配列を含むLCDR1ドメイン、
(e)配列番号194のアミノ酸配列を含むLCDR2ドメイン、および
(f)配列番号196のアミノ酸配列を含むLCDR3ドメイン
を含む。
本明細書に提供されるHCDR1アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1(HCDR1)、またはそれらと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含む、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片もまた、本明細書に提供される方法に従って有用である。
本明細書に提供されるHCDR2アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2(HCDR2)、またはそれらと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含む、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片もまた、本明細書に提供される方法に従って有用である。
本明細書に提供されるHCDR3アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3(HCDR3)、またはそれらと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含む、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片もまた、本明細書に提供される方法に従って有用である。
本明細書に提供されるLCDR1アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1(LCDR1)、またはそれらと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含む、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片もまた、本明細書に提供される方法に従って有用である。
本明細書に提供されるLCDR2アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2(LCDR2)、またはそれらと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含む、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片もまた、本明細書に提供される方法に従って有用である。
本明細書に列挙されるLCDR3アミノ酸配列のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3(LCDR3)、またはそれらと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する実質的に類似の配列を含む、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片もまた、本明細書に提供される方法に従って有用である。
HCDR3と、本明細書に提供されるLCDR3アミノ酸配列のいずれかとペアリングされた本明細書において提供されるHCDR3アミノ酸のいずれかを含むLCDR3アミノ酸配列ペア(HCDR3/LCDR3)とを含む、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片もまた、本明細書に提供される方法に従って有用である。特定の実施形態によれば、抗体またはその抗原結合断片は、本明細書に提供される例示的な抗GCG抗体のいずれかの中に含有されるHCDR3/LCDR3アミノ酸配列ペアを含む。特定の実施形態では、HCDR3/LCDR3アミノ酸配列ペアは、配列番号172/180を含む。
本明細書に提供される例示的抗GCG抗体のいずれかの中に含有される6個のCDRのセット(すなわち、HCDR1−HCDR2−HCDR3−LCDR1−LCDR2−LCDR3)を含む、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片もまた、本明細書に提供される方法に従って有用である。ある特定の実施形態では、HCDR1/HCDR2/HCDR3/LCDR1/LCDR2/LCDR3のアミノ酸配列のセットは、配列番号168/170/172/176/178/180を含む。ある特定の実施形態では、HCDR1/HCDR2/HCDR3/LCDR1/LCDR2/LCDR3のアミノ酸配列のセットは、配列番号 184/186/188/192/194/196を含む。
関連の実施形態では、GCGと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、本明細書に提供される例示的な抗GCG抗体のいずれかにより定義されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペア内に含有される6個のCDRのセット(すなわち、HCDR1/HCDR2/HCDR3/LCDR1/LCDR2/LCDR3)を含む。例えば、GCGに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、166/174;182/190;198/206;214/222;230/238;246/254;262/270;278/286および294/302からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペア内に含有されたHCDR1/HCDR2/HCDR3/LCDR1/LCDR2/LCDR3アミノ酸配列のセットを含む。
GCGに特異的に結合し、上記に提供されるCDR配列を含む抗体の非限定的な例には、HIH059P、H4H10223P、H4H10231P、H4H10232P、H4H10236P、H4H10237P、H4H10238P、H4H10250P、H4H10256P、およびH4H10270Pが含まれる。
HCVRおよびLCVRアミノ酸配列内のCDRを同定するための方法および技法は当該技術分野で周知であり、本明細書に開示の特定のHCVRおよび/またはLCVRアミノ酸配列内のCDRを同定するために使用することができる。CDRの境界を同定するために使用することができる例示的な慣習としては、例えば、Kabat定義、Chothia定義、およびAbM定義が挙げられる。一般的な条件では、Kabat定義は配列変動性に基づき、Chothia定義は構造ループ領域の位置に基づき、AbM定義はKabatとChothia手法との間の折衷物である。例えば、Kabat,(1991)「Sequences of Proteins of Immunological Interest」,National Institutes of Health,Bethesda,Md.;Al−Lazikani et al.,(1997)J.Mol.Biol.273:927−948、およびMartin et al.,(1989)Proc. Natl.Acad.Sci.米国86:9268−9272を参照のこと。パブリックデータベースもまた、抗体内のCDR配列を同定するために利用可能である。
いくつかの実施形態では、高アンモニア血症を有する対象が、以下から選択される状態または疾患の一つを患う場合がある:尿素サイクル異常症、肝性脳症および肝性口臭などの肝臓病に関連する肝臓病および状態、ならびに尿素サイクル異常症に関連する、または高アンモニア血症を引き起こすと報告された酵素欠損の存在と関連する状態または疾患。いくつかの実施形態では、アンモニアレベルの上昇は、対象血清で検出される。いくつかの実施形態では、グルタミンレベルの上昇は、対象血清で検出される。
一部の態様では、尿素サイクル異常症に関連する酵素欠損は、カルバミルリン酸シンテターゼ(CPS1)、N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ(NAGS)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、アルギニノコハク酸シンテターゼ(ASS)、アルギニノコハク酸リアーゼ(ASL)、およびアルギナーゼ(AR1)から選択される。一部の態様では、尿素サイクル異常症は、以下から選択されるトランスポーター欠損に関連する:オルニチントランスロカーゼ(ORNT1;オルニチン/シトルリン担体;溶質輸送体ファミリー25、メンバー15)およびシトリン(アスパラギン酸/グルタミン酸輸送体;溶質輸送体ファミリー25、メンバー13)。
一部の態様では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、Cyclinex(例えは、Cyclinex−1または−2)、EAA(必須アミノ酸)、UCD IまたはII(尿素サイクル異常症−1または−II)、および個々の分岐鎖アミノ酸から選択されるものなどのアミノ酸製剤で投与される。
一部の態様では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、酸化防止剤または電解質で投与される。
一部の態様では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、L−シトルリンまたはL−アルギニン遊離塩基で投与される。
一部の態様では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、血液透析または連続的な腎置換と共に投与される。
一部の態様では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物は、少なくとも一つの追加的治療剤と組み合わせて対象に投与される。追加的治療剤は、高アンモニア血症および/または尿素サイクル異常症に関連する症状および兆候を緩和または減少させる任意の薬剤とすることができる。いくつかの実施形態では、以下から少なくとも一つの追加的治療剤が選択されている:非吸収性抗生物質(リファキシミンまたはラクツロース)、フェニル酪酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、グリセロールフェニルブチラート、カルバミルグルタミン酸(カーバグル(登録商標))、第二のGCG阻害剤、および第二のGCGR拮抗薬。
高アンモニア血症を持つ対象を治療するために必要なフェニル酪酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウムの量および/または用量を減少させる方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、方法は、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物の治療有効量を対象に投与することを含む。一部の態様では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、フェニル酪酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウムと併用して投与される。
他の目的および利点は、次の発明を実施するための形態の検討から明らかになるであろう。
図1は、表3をグラフで表したものであり、マウスの四つの群に対する非絶食時の血糖値の平均±SEMを示す。 図2は、表4をグラフで表したものであり、マウスの四つの群のベースラインからの体重変化の平均±SEMを示す。 図3は、表5をグラフで表したものであり、ベースラインでの、および2週目、3週目、4週目、6週目、7週目、および8週目のマウスの4群に対する平均±SEM血漿アンモニアレベルを示す。 図4は、マウスの4群の生存曲線を示す。 図5は、アイソタイプ対照またはH4H1327P抗体で処置した30%タンパク質食の野生型およびOtc突然変異のマウスの時間毎の血漿アンモニアレベルを示す。**:Otc突然変異マウスにおける二つの処置の間でp<0.01、***:Otc突然変異マウスにおける二つの処置の間でp<0.001、****:Otc突然変異マウスにおける二つの処置の間でp<0.0001。 図6は、アイソタイプ対照またはH4H1327P抗体で処置した30%タンパク質食の野生型およびOtc突然変異のマウスの生存曲線を示す。 図7は、アイソタイプ対照またはH4H1327P抗体で処置した30%タンパク質食の野生型およびOtc突然変異のマウスのベースラインから時間毎の体重変化を示す。*:Otc突然変異マウスにおける二つの処置の間でp<0.05、****:Otc突然変異マウスにおける二つの処置の間でp<0.0001。 図8は、アイソタイプ対照またはH4H1327P抗体で処置した30%タンパク質食の野生型およびOtc突然変異のマウスの時間毎の血糖値(mg/dL)を示す。*:Otc突然変異マウスにおける二つの処置の間でp<0.05、***:Otc突然変異マウスにおける二つの処置の間でp<0.001、****:Otc突然変異マウスにおける二つの処置の間でp<0.0001、^^^^:野生型マウスにおける二つの処置の間でp<0.0001。
説明
本方法について記述する前に、本発明が本明細書に記述された特定の方法および実験条件に限定されず、それはこのような方法および条件が変化する場合があるからであることが理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって制限されるので、本明細書に使用される用語は、特定の実施形態のみを記述する目的で使用されており、制限することを意図しないことも理解されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈がこれに反すると明らかに述べていない限り、単数形「a(一つの)」、「an(一つの)」、および「the(その)」は複数の言及を含む。したがって例えば、「一つの方法」への言及は一つ以上の方法、および/または本明細書に記述され、かつ/もしくは当業者には本開示などを読むと明らかになるタイプの工程、を含む。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記述したものと類似または同等な任意の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料をこれから記述する。本明細書にて言及される全ての特許、特許出願、および非特許出版物は、参照によりそれらの全体が本発明に組み込まれる。
概要
アミノ酸代謝酵素はアミノ酸の分解を通してアンモニア産生に関与する。関与する酵素には、シスタチオナーゼ(CTH)、セリンデヒドラターゼ(SDS)、オルニチンアミノトランスフェラーゼ(OAT)、およびグルタミナーゼ2(GLS−2)が含まれる。アミノ酸代謝から得られたアンモニア、ならびに腸から吸収された、または運動中に骨格筋によって生成された、または腎臓によるアンモニウム生成によって生成されたアンモニアは、肝細胞の尿素サイクルによって尿素に変換される。尿素サイクルは、タンパク質の代謝回転から生じるアンモニアのクリアランスのための、およびアンモニアを尿素に変換することによる、アデノシン一リン酸などの他の窒素代謝化合物の代謝のための主たる機構である。次いで、尿素は尿を通して排泄される。グルタミンシンテターゼ活性はまた、血漿アンモニアレベルを低下させるために必要である。GCGR抗体などのグルカゴンシグナル伝達経路阻害剤は、肝細胞へのアミノ酸取り込みを減少させるためのアミノ酸トランスポーターを標的とする。
尿素サイクル異常症は、尿素サイクル中の酵素、アンモニアの尿素への変換に関与する酵素の一つをコードする遺伝子内の遺伝子突然変異から生じる。典型的には、尿素サイクル酵素またはトランスポーター欠損を通しての、または代謝物の蓄積を通しての、または基質の欠損による尿素サイクルの破壊は、アンモニアの形態での窒素の蓄積、高アンモニア血症と呼ばれる状態をもたらす。血液中のアンモニアの上昇は、不可逆的な脳損傷、昏睡、および死亡を引き起こす。痙攣は急性高アンモニア血症で一般的であり、脳損傷に起因する可能性がある。潜在性発作は、急性高アンモニア血症エピソード、特に新生児では一般的であり、アンモニアレベルが最大である前でさえもグルタミン上昇の間に見られうる。アンモニアは、様々な機構を通して脳損傷を引き起こす可能性があり、その主要コンポーネントは、グルタミンの増加を通した脳浮腫であるが、脳浮腫におけるアンモニア、グルタミン酸、およびグルタミンの特定の役割はまだ解明されていない。さらに、一酸化窒素産生システムに対する有害作用はまた、ASL欠損に起因してアルギニン欠乏の可能性があるため、傷害に寄与しうる。
血漿アンモニアレベルの増加に加えて、以下のような血漿および/または尿レベルの変化が、尿素サイクル異常症の一つ以上の形態で見られる場合がある:
・ 血漿シトルリンの増加または減少;
・ アルギニノコハク酸(ASA)の血漿および/または尿レベルの増加;
・ 血漿アルギニンの増加または減少;
・ 血漿オルニチンの増加;
・ 血漿グルタミンの増加;
・ 血漿アラニンの増加;
・ 血漿アスパラギンの増加;
・ 尿オロチン酸の増加;または
・ 尿ホモシトルリンの増加。
一部の対象では、尿素サイクル異常症は、尿素合成の先天異常、または尿素サイクル酵素欠損の存在と関連付けられる:カルバミルリン酸シンテターゼ(CPS1)、N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ(NAGS)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC欠損症)、アルギニノコハク酸シンテターゼ(ASS、シトルリン血症)、アルギニノコハク酸リアーゼ(ALまたはASAリアーゼ、アルギニノコハク酸尿症)、およびアルギナーゼ(AR1)。
代謝の他の先天異常も高アンモニア血症を引き起こす可能性がある:オルニチンアミノトランスフェラーゼ(OAT)欠損症(新生児で)、チロシン血症1型、ガラクトース血症、ミトコンドリア障害、シトルリン血症2型(CTLN2)につながるシトリン欠損症、およびシトリン欠損症(NICCD)によって引き起こされた新生児肝内性胆汁鬱滞。CTLN2は遅発性障害であり、肝臓機能不全が存在しないが、対象は再発性高アンモニア血症、譫妄状態、過敏および脂肪肝浸潤を経験する。シトリン欠損症は、遺伝子SLC25A13の突然変異から生じる。シトリンは、ミトコンドリア膜を通ってアスパラギン酸/グルタミン酸を細胞質へ輸送するように機能するため、シトリンの欠損は、酵素アルギニノコハク酸シンターゼの活性を制限する細胞質アスパラギン酸の減少をもたらす。ミトコンドリアへのオルニチン輸送の減少が結果としてオロチン酸尿症および尿素合成の欠乏を生じるので、別のトランスポーター、オルニチントランスロカーゼの機能不全は、高オルニチン血症、ホモシトルリンヌイア(homocitrullinuia)、および高アンモニア血症を引き起こす。
その他の高アンモニア血症を引き起こすその他の先天性障害には、プロピオン酸血症、単離メチルマロン酸血症(Isolated methylmalonic acidemia)、イソ吉草酸血症、炭酸脱水素酵素Va欠損、リジン尿性タンパク質不耐症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII欠損症、カルニチン−アシルカルニチントランスロカーゼ、ピロリン−5−カルボン酸シンテターゼ欠損症、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症、炭酸脱水素酵素Va欠損、高インスリン−高アンモニア血症症候群、ミトコンドリア障害、グルタミンシンテターゼ欠損症、脂肪酸酸化障害(例えば、短鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、中鎖アシルコエンザイムAデヒドロゲナーゼ欠損症、多種アシルコエンザイムAデヒドロゲナーゼ欠損症、超長鎖アシルコエンザイムAデヒドロゲナーゼ欠損症)、および高インスリン−高アンモニア血症症候群(家族性高インスリン症)が含まれる。Haberle、Archives of Biochemistry and Biophysics、536:101〜108、2013を参照のこと。
酵素またはトランスポーター機能不全の程度に応じて、尿素サイクル異常症の発症および重症度は非常に可変である。経路(CPS1、OTC、ASS1、およびASL)またはco因子プロデューサー(NAGS)の最初の四つの酵素のいずれかの重大な欠損または全体的な活性の欠如は、生命の最初の数日間のアンモニアおよび他の前駆体代謝物の蓄積をもたらす。重度の尿素サイクルの機能不全を有する新生児は、誕生後数日以内に壊滅的な疾患を起こす。症状には、過敏、摂食不良、嘔吐、および嗜眠、その後の痙攣発作、筋緊張低下、呼吸困難、および昏睡が含まれる。
小児および成人を含めた部分的な尿素サイクル機能不全を有する者は、潜行性の症状を有し、症状が一般的に認識されないことを考えると、しばしば診断が困難である。軽度または中程度の尿素サイクル機能不全を持つ子供は、成長障害、慰めようのない泣き、興奮または異常に活発な挙動、および高いタンパク質を含む食品に対する嫌悪を含む早期症状を持ちうる。後の症状には、頻繁な嘔吐、嗜眠、譫妄状態、および未治療の場合、高アンモニア血症性昏睡、および死亡が含まれる。
成人の遅発性は、ウイルス感染、過剰な運動またはダイエット、産後ストレス、高タンパク質の投与による非経口栄養法、胃腸出血、バルプロ酸の投与、プレドニゾンまたはその他のコルチコステロイドの投与、感染、および術後ストレスを含む代謝ストレス因子によって、高アンモニア血症の急性発症が引き起こされたとき、特定される。症状としては一般的に、見当識障害、混乱、不明瞭な発語、戦闘的または興奮、脳卒中様の症状、嗜眠および譫妄状態のエピソードを含む。対象は、診断前に精神科的症状のために治療されることが多い。治療なしに、高アンモニア血症の急性発症を経験する対象は、永久的な脳損傷、昏睡、および死亡のリスクがある。
例示的な遅発性の対象は、高タンパク質食摂取のボディービルダーでありうる。かかる対象は、高タンパク質食と組み合わせられたとき、高アンモニア血症の急性発症を引き起こす診断未確定の尿素サイクル異常症を有し、高リスクである。そのような対象は、それ以外の点では非常に健康な個人であると見なされるため、不適切に診断されることがある。診断の遅れは昏睡および死亡をもたらす。
高アンモニア血症、すなわち、後天性高アンモニア血症の追加的原因は、例えば、進行肝疾患を有する対象における肝性脳症、肝性口臭(肝不全の後期の兆候)、肝臓の血管バイパス、および胆管閉鎖症などの肝疾患およびその合併症、バルプロ酸(バルプロ酸阻害NAGSの代謝物、また枯渇カルニチン)、コルチコステロイド、またはシクロホスファミドの有毒レベルの投与、単純ヘルペス感染症、および胃腸細菌異常増殖などを含む。高アンモニア血症はまた、ウレアーゼ生産生物による感染によって引き起こされうる(腸または尿路におけるアンモニア産生の増加)。
さらに、高アンモニア血症は、完全非経口栄養法(相対的アルギニン欠乏を有する)、L−アスパラギナーゼによる治療(アスパラギンの加水分解に起因する増加したアンモニア産生)、栄養カルニチン欠乏(脂肪酸酸化が損なわれてアセチルCoAの欠乏を引き起こす)、グリシン含有溶液による膀胱鏡検査(窒素過剰からもたらされる増加したアンモニア産生)、肺/骨髄移植後(グルタミンシンテターゼ活性を減少させる)、血管の先天性異常、または新生児の一時的な高アンモニア血症によって引き起こされる可能性がある。Haberle、Archives of Biochemistry and Biophysics、536:101〜108、2013を参照のこと。
治療オプションには、最初は、対象が高アンモニア血症の急性発症を経験していることが明らかになったと同時に血液透析または連続的な腎置換療法(RRT)が含まれる。血液透析またはRTTは、血漿アンモニアレベルが80μmol/L未満に落下する場合、または120μmol/L未満の場合に停止される場合がある。加えて、経口または非経口タンパク質投与が中断される一方で、グルコースからのカロリーおよび脂肪の投与が過剰な異化状態を防止するのに役立つ。UCDの診断が終わったら、急性の症状発現の治療を開始することができ、治療を特定の尿素サイクル異常症に合わせる。フェニル酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酪酸ナトリウム、またはグリセロールフェニルブチラートの静脈内投与または経口投与などの治療は、アンモニアを除去し、および尿素サイクルから窒素を腎臓を通した排出に向ける。フェニル酢酸ナトリウムはグルタミンと組み合わされ、腎臓によって排泄されるフェニルアセチルグルタミンを産生する。安息香酸ナトリウムはグリシンとコンジュゲートして、馬尿酸ナトリウムを産生し、これもまた腎臓によって排泄される。残念ながら、再発性高アンモニア血症または従来的治療に対して抵抗性の対象に対しては、肝臓移植が最善の治療選択肢である。
理論によって保持されることは望まないが、GCGRの拮抗薬は、マウスおよびサルの肝臓内のアミノ酸代謝酵素の発現を減少させることが判明している。そのため、グルカゴンシグナル伝達経路を遮断することで、尿素サイクルに入るアンモニアの量を減少させることによって、高アンモニア血症および尿素サイクル異常症を治療する方法が提供される。
今日までに、高アンモニア血症に関連する尿素サイクル異常症または状態または疾患に対するグルカゴンシグナル伝達経路を拮抗する効果を検討する研究はない。実施例に記載される研究は、GCGRの拮抗薬を尿素サイクル異常症のマウスモデルのグルカゴンシグナル伝達経路の例示的阻害剤として使用して、数週間の治療にわたる高アンモニア血症および死亡への効果を示す。
定義
「GCGR」とも呼称される「グルカゴン受容体」は、Gタンパク質共役受容体クラス2ファミリーに属し、長アミノ末端細胞外ドメイン、7つの膜貫通セグメント、および細胞内C末端ドメインからなる。グルカゴン受容体は、肝細胞の表面上に特に発現され、ここでグルカゴンに結合し、それによって提供されるシグナルを細胞に形質導入する。したがって、「グルカゴン受容体」という用語は、生物学的シグナルを生じさせるためにグルカゴンと特異的に相互作用する一つ以上の受容体も指す。ラットおよびヒト由来のグルカゴン受容体をコードするDNA配列が単離され、当該技術分野で開示されている(EP0658200B1)。マウスおよびカニクイザルのホモログも単離され、配列決定された(Burcelin、et al.、(1995)Gene 164:305−310);McNally et al.,(2004)Peptides 25:1171−1178)。本明細書で使用される場合、「グルカゴン受容体」および「GCGR」は互換的に使用される。本明細書において使用される場合、「GCGR」、「hGCGR」またはその断片という表現は、非ヒト種、例えば「マウスGCGR」、「ラットGCGR」、または「サルGCGR」からのものであるとして指定されている場合を除き、ヒトGCGRタンパク質またはその断片を指す。
「GCGR拮抗薬」という語句は、GCGRシグナル伝達経路の阻害剤、拮抗薬、または逆作動薬を指す。「GCG阻害剤」は、受容体に対するグルカゴンの結合を防止しうる。GCGR阻害剤もまた、受容体に対するグルカゴンの結合を防止しうる。しかしながら、双方は受容体の活性化を効果的に遮断または減弱し、あるいはGCGR活性化の下流のシグナル伝達カスケードを妨げる場合があり、また集合的に「グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬」と呼ばれる。
「阻害剤」または「拮抗薬」という用語には、化学的なまたは生理学的な反応または応答を遅延または阻止する物質、例えば、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬が含まれる。
GCGR拮抗薬は、グルカゴン受容体に結合し、それによって、GCGRに媒介されるGCGの活性を拮抗することができる。GCGRにおけるGCGの結合と活性を拮抗することによって、GCGの活性を阻害することは、アミノ酸代謝に関与する酵素の発現を減少させる。グルカゴン受容体を用いた想定される拮抗薬の結合を決定するための方法は、当該技術分野で公知であり、グルカゴン受容体でのグルカゴン活性に対する干渉を決定するための手段は一般的に公開されている。例えば、S.E.de Laszlo et al.、(1999) Bioorg.Med.Chem.Lett.9:641〜646を参照のこと。
本明細書で有用と考えられるのは、GCGR拮抗薬、または自らの機能的コンポーネントとして小分子化合物、もしくは言い換えると低分子量有機化合物を有するGCG阻害剤である。小分子は、典型的には800ダルトン未満である。さらに、CRISPR技術を使用して、GCGまたはGCGR発現をノックダウンすることができる。このように、いくつかの実施形態では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、ペプチド阻害剤、CRISPR技術(Clustered regularly interspaced short palindromic repeats、CRISPR技術はGCGRノックダウン、またはGCGR活性に影響を及ぼす調節配列の欠失を生成しうる)、アンチセンス阻害剤、DARPin、シュピーゲルマー、アプタマー、操作されたFn3型ドメイン、GCG、もしくはGCGR中和モノクローナル抗体、およびそれらの誘導体から選択されうる。
グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬の例としては、GCGRシグナル伝達経路の活性を遮断または阻害する、GCGまたはGCGRに対する抗体(ヒトまたはヒト化)、あるいはその抗原結合部分があるが、それらに限定されない。本明細書に記載される方法で使用されうる例示的なGCGR拮抗薬には、(a)配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCVR、および/または、(b)配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCVRを含む単離ヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合断片が含まれる。本明細書に記載される方法で使用されうる例示的なGCG阻害剤には、(a)配列番号:150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCVR、および/または、(b)配列番号:158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCVRを含む単離ヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合断片が含まれる。
「治療有効用量」は、投与されるために所望の効果を生じる用量である。正確な用量は、治療の目的によることになっており、既知の技術を用いて当業者によって確認できることになっている(例えば、Lloyd(1999)The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compoundingを参照されたい)。
「実質的に同一」という語句は、配列番号2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCVR、および/または(b)配列番号10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCVRと少なくとも95%の同一性を有し、GCGRと結合して、GCGRの生物学的活性を阻害することができるタンパク質配列を意味する。「実質的に同一」という語句は、アミノ酸配列の配列番号150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCVR、および/または(b)配列番号158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLCVRと少なくとも95%の同一性を有し、GCGと結合して、GCGの生物学的活性を阻害することができるタンパク質配列を意味する。
「同一性」または「相同性」という用語は、配列全体に対する最大パーセント同一性を達成するために必要な場合、そして配列同一性の一部として保存的置換を全く考慮しない場合、配列を整列させ、ギャップを導入した後、比較される対応する配列の残基と同一である候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージを意味すると解釈される。N末端またはC末端の延長も挿入も、同一性または相同性の低下と解釈されることはない。アライメントのための方法およびコンピュータプログラムは当該技術分野で周知である。配列同一性は、配列解析ソフトウェア(例えば、配列解析ソフトウェアパッケージ、Genetics Computer Group、University of Wisconsin Biotechnology Center、1710 University Ave.、Madison、Wis. 53705)を使用して測定されてもよい。このソフトウェアは、様々な置換、欠失、およびその他の改変に相同性の度合いを割り当てることにより、類似の配列を一致させる。
「治療する」(または「治療する」または「治療」)という用語は、既存の症状、障害、状態、または疾患の進行、期間、または重症度を遅らせること、中断させること、阻害すること、阻止すること、抑制すること、停止すること、減少させること、改善すること、または逆転させることを含むプロセスを指すが、本明細書に記載されるGCG阻害剤またはGCGR拮抗薬の使用を通してすべての疾患に関連する症状、状態、または障害の総合的な除去は必ずしも含まない。さらに、「治療する」、「治療」、または「治療する」とは、限定されるものではないが、以下の一つ以上を含む臨床結果を含む有益なまたは望ましい結果を得るためのアプローチを指す:高アンモニア血症、および/または尿サイクル異常症の進行を阻害、遅延、または防止すること;高アンモニア血症に関連する疾患、または慢性肝臓病、もしくはバルプロ酸の有毒な投与などにおける血漿アンモニアレベルの上昇に特徴づけられる疾患、または尿素サイクル異常症を引き起こすと報告されている遺伝子バリアントの存在に関連する状態または疾患の進行を阻害、遅延、または防止すること;または、高アンモニア血症に関連する疾患に関連する少なくとも一つの症状を阻害、防止、または改善すること;または高アンモニア血症に関連する状態または疾患が及ぼす影響を低減するように、またはその状態または疾患に関連する少なくとも一つの症状または合併症を重症度において緩和または減少するように、血液アンモニアレベルを低下させること。「治療」または「治療する」は、本明細書において使用される場合、疾患を治療するため、および/または対象を延命させるために必要なその他の薬剤の用量を減少させ、疾患を患っている対象の生活の質を増加させることをもまた指す。例えば、「治療」または「治療する」は、高アンモニア血症を持つ対象を治療するために必要なフェニル酪酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウムの量および/または用量を減少させることを含みうる。
「高アンモニア血症」という用語は、血漿アンモニアレベルが正常値を超える、例えば30μmol/L、または50μmol/L、または80μmol/L、または100μmol/L、または120μmol/Lを超える状態である。重篤な高アンモニア血症における血漿アンモニアレベルは、1000μmol/Lを超える。
グルカゴンシグナル伝達経路阻害剤
高アンモニア血症により特徴付けられる状態または疾患の治療のために、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬、例えば、GCG阻害剤およびGCGR拮抗薬、が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、拮抗薬は、例えば、アミリンおよびプラムリンチドなどのグルカゴンの阻害剤である。いくつかの実施形態では、拮抗薬はGCGRの阻害剤である。いくつかの実施形態では、GCGR拮抗薬は、MK−0893、PF−06291874、LGD−6972、またはLY2409021である。
いくつかの実施形態では、拮抗薬は、GCGまたはGCGR、またはその断片を結合することができる抗体を含む。いくつかの実施形態では、シグナル伝達経路は、例えば、CRISPR技術もしくはアンチセンスを使用することによる、またはCaMKIIなどの下流酵素を標的化することによる、GCGまたはGCGR発現の中断によって阻害される。
いくつかの実施形態では、GCG阻害剤またはGCGR拮抗薬は、アンチセンス分子(GR−ASO)、抗体、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、ペプチド阻害剤(アミリン、プラムリンチド)、DARPin、シュピーゲルマー、アプタマー、操作されたFn3型ドメイン、またはその誘導体である。
抗GCGR抗体、抗GCG抗体、および抗体断片
いくつかの実施形態では、GCGR拮抗薬は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,545,847号に開示される抗体または抗体断片である。その中に開示された抗体を表1に提供する。
(表1)
Figure 2020531532
本明細書に有用なものとして意図される追加のGCGR抗体または抗体断片には、米国特許出願公開第第5,770,445号、第7,947,809号;欧州特許出願第EP2074149A2号;欧州特許第EP0658200B1号;米国特許公報2009/0041784;2009/0252727;および2011/0223160;およびPCT公報WO2008/036341に開示されているものが含まれる。特許および出版物は参照することによりその全体を本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、GCG阻害剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国第2016/0075778号に開示されるように、抗体またはその抗体断片である。その中に開示された抗体を表2に提供する。
(表2)
Figure 2020531532
本明細書に有用なものとして意図される追加のGCG抗体または抗体断片には、米国特許出願公開第第4,206,199号、第4,221,777号、第4,423,034号、第4,272,433号、第4,407,965号、第5,712,105号、およびPCT公報WO2007/124463およびWO2013/081993に開示されているものが含まれる。
抗体断片としては、例えば、全ての抗体の改変によって生成された抗体断片(例えば、酵素消化)、または組み換えDNA法を使用したデノボ合成された抗体断片(scFv、単一ドメイン抗体、DVD(二重可変ドメインイムノグロブリン)、もしくはdAbs(単一可変ドメイン抗体))、あるいはヒトファージまたは酵母ディスプレイライブラリを使用して特定された抗体断片など、必要な標的特異性を有するあらゆる断片を含む(例えば、McCafferty et al.(1990)Nature 348:552−554を参照のこと)。あるいは抗体は、限定されないが、ハイブリドーマを作製することまたはSLAMなどのB細胞スクリーニング技術を使用することを含む、標準的な免疫化および抗体単離方法を使用して、ヒト、ヒトマウス、ヒトラット、およびヒトウサギキメラ抗体を産生するマウスから単離されうる。イムノグロブリン結合ドメインには、限定されないが、イムノグロブリンの重(V)鎖または軽(V)鎖の可変領域が含まれる。あるいは、ヒトを免疫化し、抗原陽性B細胞を単離し、重鎖および軽鎖をコードするcDNAをクローニングし、それらをCHOなどの細胞内で共発現させることによる。
「抗体」という用語は本明細書で使用される場合、抗原を特異的に結合および認識するイムノグロブリン遺伝子またはその断片からのフレームワーク領域を含むポリペプチドを指す。認識されたイムノグロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、およびミュー定常領域ならびに種々のイムノグロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖はカッパまたはラムダのいずれかとして分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類されるが、これは次にイムノグロブリンクラス、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEをそれぞれ定義する。各IgGクラス内では、異なるアイソタイプ(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)がある。典型的には、抗体の抗原結合領域は、結合の特異性および親和性を決定する上で最も重要である。
例示的なイムノグロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、二つの同一のペアのポリペプチド鎖から成り、各ペアは一つの軽鎖(約25kD)および一つの重鎖(約50〜70kD)を持つ。各鎖のN末端は、主に抗原認識に責任を持つ約100〜110個以上のアミノ酸の可変領域を定義する。「可変軽鎖」(V)、および可変重鎖(V)という用語は、それぞれこれらの軽鎖および重鎖を意味する。
抗体は、インタクトなイムノグロブリンとして、または様々なペプチダーゼを用いた消化によって生成される多くの良好に特徴付けられた断片として存在する。例えば、ペプシンは、ヒンジ領域におけるジスルフィド結合の下に抗体を消化し、それ自体がジスルフィド結合によってV−C1に結合された軽鎖であるFabの二量体、F(ab)’を生成する。F(ab)’は、軽度の条件下で減少し、ヒンジ領域においてジスルフィド結合を切断し、それによって、F(ab)’二量体をFab’モノマーに変換しうる。Fab’モノマーは、ヒンジ領域の一部を有する本質的にFabである。インタクトな抗体の消化に関して様々な抗体断片が定義されているが、当業者であれば、こうした断片は、化学的にまたは組み換えDNA方法論を使用してデノボ合成され得ることを理解するであろう。
本明細書の方法に従って有用な抗体を調製するための方法は、当該技術分野において公知である。例えば、Kohler&Milstein(1975)Nature 256:495−497;Harlow&Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,N.Y.)を参照のこと。対象の抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子を細胞からクローニングすることができ、例えば、モノクローナル抗体をコードする遺伝子は、ハイブリドーマからクローニングされ、組み換えモノクローナル抗体を生成するために使用され得る。モノクローナル抗体は、ヒト骨格内へのCDR領域の標準クローニングを使用してヒト化され得る。モノクローナル抗体のヒト重鎖および軽鎖をコードする遺伝子ライブラリも、ハイブリドーマまたは血漿細胞から作製することができる。重鎖遺伝子産物と軽鎖遺伝子産物とのランダムな組み合わせは、異なる抗原特異性を有する抗体の大きなプールを生成する。一本鎖抗体または組み換え抗体(米国特許第4,946,778号;米国特許第4,816,567号)の製造の技術は、本明細書に開示される方法で使用される抗体を製造するよう適合されうる。また、トランスジェニックマウス、または他の哺乳類などの他の生物体は、ヒト、ヒトマウスキメラ、ヒトラットキメラ、ヒトウサギキメラまたはヒト化抗体を発現するために使用されてもよい。あるいは、ファージディスプレイまたは酵母ディスプレイ技術を使用して、選択された抗原に特異的に結合するヒト抗体およびヘテロマー性Fab断片を特定することができる。
免疫コンジュゲート
本開示は、例えば血液アンモニアレベルを低下させる、または高アンモニア血症の別の症状に対する能力を有する薬剤のような治療用部分にコンジュゲートされる(「免疫コンジュゲート」)ヒト抗GCGRモノクローナル抗体(またはヒト抗GCGモノクローナル抗体)による高アンモニア血症の治療を包含する。抗GCGR抗体にコンジュゲートされうる治療用部分のタイプは、治療される状態および達成される望ましい治療効果を考慮する。例えば、血液アンモニアレベルを低下させ、および/または正常な血液アンモニアレベルを維持するために、グルカゴン受容体経路拮抗薬、または第二のGCGR阻害剤またはGCG阻害剤などの薬剤を、GCGR抗体にコンジュゲートしてもよい。あるいは、望ましい治療効果が、グルタミンまたは尿素サイクル異常症に関連する他のいかなる症状もしくは状態を減少させることである場合、抗GCGR抗体に適切な薬剤をコンジュゲートすることが有利でありうる。免疫コンジュゲートを形成するための適切な薬剤の例は、当該技術分野で公知である。
多重特異性抗体
本明細書に提供される方法に従って有用な抗体は、単一特異性、二特異性、または多特異性であってもよい。多特異性抗体は、一つの標的ポリペプチドの異なるエピトープに対して特異的であってもよく、または二つ以上の標的ポリペプチドに特異的な抗原結合ドメインを含有してもよい。例えば、Tutt et al.、(1991)J.Immunol.147:60〜69;Kufer et al.、(2004)Trends Biotechnol. 22:238〜244を参照のこと。抗GCGR抗体は、別の機能的分子、例えば、別のペプチドまたはタンパク質と連結または共発現させることができる。例えば、抗体またはその断片は、例えば別の抗体または抗体断片などの、一つ以上の他の分子実体に、(例えば、化学的カップリング、遺伝子融合、非共有会合、またはその他の方法により)機能的に連結して、第二の結合特異性を有する二特異性、または多特異性の抗体を産生することができる。例えば、イムノグロブリンの一つのアームがヒトGCGRまたはその断片に特異的である場合、二特異性抗体が意図されており、イムノグロブリンの他方のアームは第二の治療標的に特異的であるか、または治療用部分にコンジュゲートされている。特定の実施形態では、イムノグロブリンの一つのアームは、hGCGRのN末端ドメインまたはその断片のエピトープに特異的であり、イムノグロブリンの他方のアームは、hGCGRのECループのうちの一つ、またはその断片のエピトープに特異的である。特定の実施形態では、イムノグロブリンの一つのアームは、一つのECループ、またはその断片に特異的であり、第二のアームは第二のECループ、またはその断片に特異的である。特定の実施形態では、イムノグロブリンの一つのアームは、hGCGRの一つのECループの一つのエピトープに特異的であり、他方のアームはhGCGRの同じECループの第二のエピトープに特異的である。
本明細書に記載される方法に従って使用できる例示的な二特異性抗体フォーマットは、第一のイムノグロブリン(Ig)C3ドメインと第二のIgC3ドメインの使用を含み、ここにおいて、第一および第二のIgC3ドメインは、少なくとも一つのアミノ酸によって互いに異なり、またここにおいて、少なくとも一つのアミノ酸の差異は、アミノ酸の差異を欠いている二特異性抗体と比較して、二特異性抗体のタンパク質Aへの結合を減少させる。一実施形態では、第一のIg C3ドメインは、プロテインAに結合し、第二のIg C3ドメインは、H95R改変(IMGTエクソンナンバリングによる、EUナンバリングではH435R)などのプロテインA結合を減少または無効にする変異を含有する。第二のC3はさらに、Y96F改変(IMGTによる、EUではY436F)を含んでもよい。第二のC3に見出され得るさらなる改変としては、以下が挙げられる:IgG1抗体の場合、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGTによる、EUではD356E、L358M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)、IgG2抗体の場合、N44S、K52N、およびV821(IMGT、EUではN384S、K392N、およびV422I)、ならびにIgG4抗体の場合、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGTによる、EUではQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)。上述の二特異性抗体フォーマットの変形は、本開示の範囲内で意図されている。
抗体のスクリーニングおよび選択
本明細書に提供される方法に従って有用な好ましい抗体のスクリーニングおよび選択は、当該技術分野において公知の様々な方法によって実施することができる。標的抗原に特異的なモノクローナル抗体の存在の初期スクリーニングは、例えば、ELISAベースの方法の使用を通して行われてもよい。二次スクリーンは、抗体薬物コンジュゲートの構築に使用するための望ましいモノクローナル抗体を特定し、選択するために実施されることが好ましい。二次スクリーニングは、当該技術分野において公知の任意の適切な方法で実施されてもよい。「Biosensor Modification−Assisted Profiling」(「BiaMAP」)と呼ばれる一つの好ましい方法は、米国公開第2004/0101920号に記載されており、このことは参照によりその全体が特に組み込まれる。BiaMAPでは、望ましい特性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンの迅速な識別が可能になる。より具体的には、モノクローナル抗体は、抗体:抗原相互作用の評価に基づいて、別個のエピトープ関連群に分類される。リガンドまたは受容体のいずれかを遮断することができる抗体は、NFκB駆動プロモーターまたはcAMP応答駆動プロモーターの制御下でルシフェラーゼ遺伝子を利用したルシフェラーゼアッセイなどの細胞ベースのアッセイにより特定されうる。グルカゴンによるGCGRの刺激は、NFκB/cAMP/CREBを通したシグナルにつながり、こうして細胞中のルシフェラーゼレベルが増加する。遮断抗体は、ルシフェラーゼ活性のグルカゴン誘発を遮断する抗体として特定される。
治療群
本明細書に提供される治療方法は、尿素サイクル異常症または高アンモニア血症に関連する状態もしくは疾患を有する個体を治療するために有用である。いくつかの実施形態では、対象は、例えばカルバミルリン酸シンテターゼ(CPS1)、N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ(NAGS)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、アルギニノコハク酸シンテターゼ(ASS)、アルギニノコハク酸リアーゼ(ASL)、およびアルギナーゼ(AR1)からなる群から選択される尿素サイクル酵素の欠損、または、オルニチントランスロカーゼ(ORNT1)およびシトリンから選択される尿素サイクルトランスポーターの欠損などの、先天性高アンモニア血症を患っている。その他の高アンモニア血症を引き起こすその他の先天性障害には、プロピオン酸血症、単離メチルマロン酸血症(isolated methylmalonic acidemia)、イソ吉草酸血症、炭酸脱水素酵素Va欠損、リジン尿性タンパク質不耐症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII欠損症、カルニチン−アシルカルニチントランスロカーゼ、ピロリン−5−カルボン酸シンテターゼ欠損症、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症、オルニチンアミノトランスフェラーゼ欠損症、炭酸脱水素酵素Va欠損、高インスリン−高アンモニア血症症候群、ミトコンドリア障害、グルタミンシンテターゼ欠損症、脂肪酸酸化障害(例えば、短鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、中鎖アシルコエンザイムAデヒドロゲナーゼ欠損症、多種アシルコエンザイムAデヒドロゲナーゼ欠損症、超長鎖アシルコエンザイムAデヒドロゲナーゼ欠損症)、および高インスリン−高アンモニア血症症候群(家族性高インスリン症)が含まれる。
いくつかの実施形態では、高アンモニア血症は後天性であり、例えば肝臓疾患およびその合併症によって引き起こされる、治療剤(L−アスパラギナーゼまたはペグアスパラガーゼ)、5−ペンタン酸、バルプロ酸、コルチコステロイド、またはシクロホスファミドを用いた治療によって引き起こされる、または、単純ヘルペス感染症もしくはB型肝炎感染症によって引き起こされる。高アンモニア血症、すなわち、後天性高アンモニア血症の追加的原因は、例えば、進行肝疾患を有する対象における肝性脳症、肝性口臭(肝不全の後期の兆候)、肝臓の血管バイパス、および胆管閉鎖症などの肝疾患およびその合併症、バルプロ酸、コルチコステロイド、またはシクロホスファミドの有毒レベルの投与、単純ヘルペス感染症、および胃腸細菌異常増殖などを含む。高アンモニア血症はまた、ウレアーゼ生産生物による感染によって引き起こされうる。
さらに、高アンモニア血症は、完全非経口栄養法(相対的アルギニン欠乏を有する)、栄養カルニチン欠乏、グリシン含有溶液による膀胱鏡検査、肺/骨髄移植後、血管の先天性異常、または新生児の一時的な高アンモニア血症によって引き起こされうる。
いくつかの実施形態では、アンモニアレベルの上昇は、対象の血清中で検出される。いくつかの実施形態では、過剰なグルタミンは、対象の血清中で検出される。
治療用の投与および製剤
例えば、抗GCGR抗体などのグルカゴン/GCGR拮抗薬を含む治療組成物が、本明細書において提供される方法に従って有用である。本明細書に記載された方法による治療用組成物の投与は、改善された移動、送達、耐性などを提供するために、製剤へと組み込まれた好適な輸送体、賦形剤、および他の薬剤とともに、静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内、脳内、脳室内、鼻孔内、または経口が挙げられるが、これらに限定されない好適な経路を介して投与されるであろう。多数の適切な製剤は、全ての薬学的化学において既知の処方集、Remington′s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,PAにおいて見出され得る。これらの製剤としては、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質、小胞を含有する脂質(カチオン性またはアニオン性)(LIPOFECTIN(商標)など)、DNA共役体、無水吸収ペースト、水中油および油中水乳剤、乳剤カルボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、ならびにカルボワックスを含有する半固体混合物が挙げられる。Powell et al.“Compendium of excipients for parenteral formulations”PDA(1998)J Pharm Sci Technol 52:238−311も参照されたい。
抗体の用量は、投与されることになっている対象の年齢およびサイズ、標的疾患、容態、投与経路などによって変わり得る。抗体が、対象において、高アンモニア血症の治療に、または尿素サイクル異常症に関連する血液アンモニアレベルの低下のために使用される場合、通常、体重1kgあたり約0.01〜約30mgの用量で抗体を静脈内投与することが有利であり、体重1kgあたり約0.02〜約7、約0.03〜約5、または約0.05〜約3mgであることがより好ましい。状態の重症度および治療に対する応答に応じて、治療の頻度および期間を調節できる。特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも約0.1mg〜約800mg、約1〜約500mg、約5〜約300mg、または約10〜約200mg、〜約100mg、または〜約50mgの初回用量として投与されうる。
特定の実施形態では、初回用量の後に、当初の用量とおよそ同量か、または当初の用量より少ない用量でありうる量の抗体またはその抗原結合断片の第二または複数回のその後の用量の投与が続いてもよく、ここにおいて、その後の用量は、少なくとも1日〜3日に;少なくとも1週間に、少なくとも2週間に、少なくとも3週間に;少なくとも4週間に;少なくとも5週間に;少なくとも6週間に;少なくとも7週間に;少なくとも8週間に;少なくとも9週間に;少なくとも10週間に;少なくとも12週間に;または少なくとも14週間に;または高アンモニア血症が解消されるまで分離されうる。
様々な送達系が既知であり、抗体を含む薬学的組成物を投与するために使用され得、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、突然変異ウイルスを発現することができる組み換え細胞内へのカプセル化、受容体媒介性エンドサイトーシスなどである(例えば、Wu et al.(1987)J.Biol.Chem.262:4429−4432を参照されたい)。導入方法には、デポ製剤、エアロゾル、皮内経路、経皮経路、筋肉内経路、腹腔内経路、静脈内経路、皮下経路、鼻内経路、硬膜外経路、髄腔内経路、心室内経路および経口経路が含まれるが、これらに限定されない。組成物は、任意の好都合な経路によって、例えば、注入もしくはボーラス注射によって、上皮もしくは粘膜皮膚内層(linings)(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜および腸粘膜など)を介した吸収によって投与することができ、かつ他の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与することができる。投与は全身性または局所性であってもよい。
薬学的組成物は、ベシクル、特にリポソーム中で送達され得る(例えば、Langer(1990)Science 249:1527−1533を参照されたい)。
ある特定の状況では、薬学的組成物は、制御放出系で送達され得る。一実施形態では、ポンプを使用することができる。別の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる。さらに別の実施形態では、徐放系を組成物の標的の近傍に配置することができ、したがって全身用量のほんの一部しか必要としない。
注入可能な調製物は、静脈内、皮下、皮内、および筋肉内注射、点滴などの投与形態を含み得る。これらの注射可能な調製物は、公知の方法によって調製されてもよい。例えば、注入可能な調製物は、例えば、注入に従来使用される無菌水性媒体または油性媒体に、上述される抗体またはその塩を溶解、懸濁、または乳化させることによって調製され得る。注射用水性媒体としては、例えば、生理食塩水、グルコースを含有する等張液、および他の助剤などがあり、これらは、アルコール(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤[例えば、ポリソルベート80、HCO−50(水素化ヒマシ油のポリオキシエチレン(50モル)付加物)]などの適切な可溶化剤と併用され得る。油性媒体としては、例えば、ゴマ油、ダイズ油などが採用され、これらは安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどの可溶化剤と併用され得る。このようにして調製した注射液は、好ましくは、適切なアンプル中に充填される。
本開示で有用な薬学的組成物は、標準的な針およびシリンジで皮下または静脈内に送達され得る。加えて、皮下送達に関して、ペン型送達デバイスは、本明細書に記載される方法で有用な薬学的組成物の送達において、容易に用途を見出す。そのようなペン型送達デバイスは、再利用可能であるか、または使い捨てであり得る。再利用可能なペン型送達デバイスは、概して、薬学的組成物を含有する交換可能なカートリッジを利用する。カートリッジ内部の薬学的組成物の全てが投与され、カートリッジが空になると、空のカートリッジは、容易に廃棄され得、薬学的組成物を含有する新しいカートリッジと交換され得る。次に、ペン型送達デバイスは再利用することができる。使い捨てペン型送達デバイスでは、交換可能なカートリッジはない。むしろ、使い捨てペン型送達デバイスは、薬学的組成物がデバイス内部のリザーバ内に保持された事前に充填された状態で販売される。いったんリザーバの薬学的組成物が空になると、デバイス全体が廃棄される。
多数の再利用可能なペン型および自動注入装置送達デバイスは、本明細書に記載される方法に従って有用な薬学的組成物の皮下送達において用途を見出す。例としては、ほんの数例を挙げると、AUTOPEN(商標)(Owen Mumford、Inc.、ウッドストック、イギリス)、DISETRONIC(商標)ペン(Disetronic Medical Systems、ブルグドルフ、スイス)、HUMALOG MIX 75/25(商標)ペン、HUMALOG(商標)ペン、HUMALIN 70/30(商標)ペン(Eli Lilly and Co.、インディアナポリス、インディアナ州)、NOVOPEN(商標)I、II、およびIII(Novo Nordisk、コペンハーゲン、デンマーク)、NOVOPEN JUNIOR(商標)(Novo Nordisk、コペンハーゲン、デンマーク)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson、フランクリンレイクス、ニュージャージー州)、OPTIPEN(商標)、OPTIPEN PRO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、およびOPTICLIK(商標)(Sanofi−Aventis、フランクフルト、ドイツ)が挙げられるが、決してこれらに限定されない。本明細書に記載される方法に従って有用な薬学的組成物の皮下送達において用途を見出す使い捨てペン型送達デバイスの例としては、ほんの数例を挙げると、SOLOSTAR(商標)ペン(sanofi−aventis)、FLEXPEN(商標)(Novo Nordisk)、およびKWIKPEN(商標)(Eli Lilly)、SURECLICK(商標)Autoinjector(Amgen、サウザンドオークス、カリフォルニア州)、PENLET(商標)(Haselmeier、シュトゥットガルト、ドイツ)、EPIPEN(Dey,L.P.)およびHUMIRA(商標)Pen(Abbott Labs,Abbott Park,Ill.)が挙げられるが、決してこれらに限定されない。
有利に、上述の経口または非経口使用のための薬学的組成物は、活性成分の用量を適合させるのに適した単位用量で剤形に調製される。単位用量におけるこのような剤形には、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル剤)、坐剤などが含まれる。含有される前述の抗体の量は、一般的に単位用量で剤形あたり約5〜約750mgであり、特に注射の形態では、上記の抗体は約5〜約100mgで含有されることが好ましく、およびその他の剤形に対しては約10〜約250mgで含有されることが好ましい。
併用療法
多くの実施形態では、本明細書に有用なGCG阻害剤またはGCGR拮抗薬は、一つ以上の追加的化合物、治療剤、または療法と組み合わせて投与されてもよい。併用療法は、同時に(または付随して)または逐次的であってもよい。一部の態様では、追加的化合物(または治療剤)は、GCG阻害剤またはGCGR拮抗薬と同じ医薬組成物中に製剤化される。一部の態様では、追加的化合物は、GCG阻害剤またはGCGR拮抗薬の投与前、後、単独で、または併用して投与される。
いくつかの実施形態では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、以下から選択される少なくとも一つの追加的治療剤とともに投与される:インスリン、非吸収性抗生物質(リファキシミンまたはラクツロース)、フェニル酪酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、グリセロールフェニルブチラート、カルバミルグルタミン酸(カーバグル(登録商標))、第二のGCG阻害剤、および第二のGCGR拮抗薬。いくつかの実施形態では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、血液透析または連続的な腎置換と共に投与される。いくつかの実施形態では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、L−シトルリンまたはL−アルギニン遊離塩基で投与される。いくつかの実施形態では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、酸化防止剤または電解質で投与される。いくつかの実施形態では、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬は、Cyclinex、EAA、UCD I&II、および個々の分岐鎖アミノ酸から選択されるアミノ酸製剤で投与される。
追加的な治療上活性な成分(複数可)を、GCG阻害剤またはGCGR拮抗薬などのグルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬の投与前、同時に、または投与後に投与してもよい。本開示の目的のために、このような投与レジメンは、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬の、第二の治療上活性な成分と「組み合わせた」投与とみなされる。
投与レジメン
本明細書に記載される特定の実施形態によると、グルカゴン/GCGRシグナル伝達経路拮抗薬の複数用量が、定義された時間コースにわたって対象に投与されてもよい。本方法は、グルカゴン/GCGRシグナル伝達経路拮抗薬の複数用量を対象に逐次的に投与することを含む。本明細書で使用される場合、「逐次的に投与する」とは、拮抗薬の各用量が、異なる時点で、例えば所定の間隔(例えば、時間、日、週または月)によって分離された異なる日に、対象に投与されることを意味する。本明細書に記載される方法は、対象に対し、グルカゴン/GCGRシグナル伝達経路拮抗薬の単回初回用量を、その後に、グルカゴン/GCGRシグナル伝達経路拮抗薬の一回以上の二次用量を、および任意選択的に、その後にグルカゴン/GCGRシグナル伝達経路拮抗薬の1回以上の三次用量を投与することを含む。
「初回用量」、「二次用量」、および「三次用量」という用語は、本明細書に有用なグルカゴン/GCGRシグナル伝達経路拮抗薬の投与の時系列を指す。したがって、「初回用量」は、治療レジメンの開始時に投与される用量であり(また「ベースライン用量」とも呼称される)、「二次用量」は初回用量の後に投与される用量であり、「三次用量」は二次用量の後に投与される用量である。初回用量および二次用量および三次用量はすべて、同じ量のグルカゴン/GCGRシグナル伝達経路拮抗薬を含有するが、通常、投与頻度に関しては互いに異なっていてもよい。しかしながら、特定の実施形態では、初回用量、二次用量および/または三次用量に含有されるグルカゴン/GCGRシグナル伝達経路拮抗薬の量は、治療過程の間、互いに異なる(例えば、適宜調整して加減する)。特定の実施形態では、2回以上(例えば、2、3、4、または5)の用量は、治療レジメンの開始時に「負荷用量」として投与され、その後に続く用量が、より低い頻度ベースで投与される(例えば、「維持用量」)。
医薬組成物
本明細書に開示される方法は、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬などの、高アンモニア血症または尿素サイクル異常症の治療に有用な活性薬剤、および薬学的に許容可能な輸送体の少なくとも治療有効量を含む医薬組成物の使用を企図する。「薬学的に許容可能」という用語は、連邦政府または州政府の規制当局によって承認されるか、または米国薬局方に、もしくは動物で、より具体的にはヒトにおいて使用するためのその他の一般的に認識されている薬局方に列挙されていることを意味する。「輸送体」という用語は、治療剤とともに投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。こうした医薬輸送体は、例えば水および油(ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油など、石油、動物、野菜、または合成起源のものを含む)など、滅菌液でありうる。適切な医薬賦形剤には、澱粉、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが含まれる。希望に応じて、組成物は、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤も含有することができる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、ピル、カプセル、粉末、徐放性製剤などの形態をとりうる。組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリドなどの輸送体とともに、座薬として製剤化されうる。経口製剤は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な輸送体を含み得る。適切な医薬輸送体の例は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。
一実施形態では、組成物は、ヒトへの静脈内投与のために適合された医薬組成物として日常的な手順に従い製剤化される。必要に応じて、組成物は、注射部位での痛みを軽減するためのリドカインなどの可溶化剤および局所麻酔も含みうる。組成物が注入によって投与される場合、滅菌医薬グレードの水または生理食塩水を含む注入瓶で分注することができる。組成物が注射によって投与される場合、注射または生理食塩水のための滅菌水のアンプルが、成分が投与前に混合されうるように提供されうる。
本明細書に記載の方法に従って有用な活性薬剤は、中性形態または塩形態として製剤化されうる。薬学的に許容可能な塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するものなどの遊離アミノ基で形成されるもの、ならびにナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなど由来するものなどの遊離カルボキシル基で形成されるものが含まれる。
高アンモニア血症の治療に有効であろう活性薬剤の量は、本記載に基づいて標準的な臨床技術によって決定されうる。さらに、インビトロアッセイは、最適な用量範囲を特定するのに役立つように、任意選択で用いられうる。製剤に用いられる正確な用量はまた、投与経路、および状態の重大性に依存し、実行者の判断および各対象の状況に従って決定すべきである。しかし、静脈内投与のための適切な用量範囲は、一般的に、体重1キログラム当たり約20マイクログラム〜2グラムの活性化合物である。鼻内投与の適切な用量範囲は、一般的に体重1キログラムあたり約0.01pg〜1mgである。効果的な用量は、インビトロまたは動物モデル試験システムに由来する用量反応曲線から外挿されうる。
全身投与については、治療上有効な用量は、最初は、インビトロアッセイから推定することができる。例えば、用量は、細胞培養で決定されたとおりのIC50を含む循環濃度範囲を達成するために、動物モデルで製剤化されうる。こうした情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。初回用量は、当技術分野で周知の技術を使用して、インビボデータ、例えば動物モデルからも推定されうる。当業者であれば、動物データに基づいてヒトへの投与を容易に最適化することができる。
投与量および間隔は、治療効果を維持するのに十分な化合物の血漿レベルを提供するために個別に調節されうる。局所投与または選択的取り込みの場合、化合物の有効な局所濃度は血漿濃度に関連しない場合がある。当業者であれば、治療上有効な局所用量を、過度の実験なしに最適化することができるであろう。
投与される化合物の量は、当然ながら、治療される対象に依存し、対象の体重、苦痛の深刻さ、投与の様式、および処方医師の判断に依存する。療法は、症状が検出可能であっても検出可能でない時でさえも、断続的に繰り返されうる。療法は、単独でまたは他の薬剤と組み合わせて提供されうる。
キット
また、包装材料および包装材料内に含まれる医薬品を含む製造物品が本明細書に提供されており、ここにおいて医薬品は、本明細書に開示される方法に従って有用な少なくとも一つのグルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含み、およびここにおいて、包装材料は、尿素サイクル異常症、または高アンモニア血症によって特徴付けられる状態または疾患を治療するために使用できるグルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を示すラベルまたはパッケージインサートを含む。
本発明は、多数の実施形態を参照して具体的に示され、記載されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示の様々な実施形態に対して、形式および詳細が変更され得、本明細書に開示の様々な実施形態は、特許請求の範囲を限定するように機能することを意図しないことを当業者は理解するであろう。
当業者が、本明細書に開示される方法を実施する方法の完全な開示および説明を有するように、以下の実施例が提供される。使用した数字(例えば、量、温度等)に対する正確さを確保するために努力がなされているが、一部の実験誤差および偏差を考慮に入れるべきである。別途示さない限り、部は重量により、分子量は平均分子量であり、温度は大気圧でまたは大気圧付近での℃(摂氏)である。
実施例1:尿素サイクル異常症のマウスモデルでのGCGR拮抗薬の評価(H4H1327P)
配列番号86/88(H4H1327P)のHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを有するGCGRモノクローナル抗体であるmAb1の、体重、生存率、血漿アンモニアレベル、および血糖値に対する効果が、尿素サイクル異常症のマウスモデルであるオルニチントランスカルバミラーゼ突然変異(Otcspf−ash)マウスで判定された。Otcspf−ash突然変異は、マウスOtc遺伝子におけるエクソン4の最後のヌクレオチドのGからAへのミスセンス転移である。突然変異は、アルギニンをヒスチジン(R129H)に変化させ、この部位での非効率的なmRNAスプライシングをもたらし、隣接イントロン内に48個の塩基が位置する部位をもたらす。対立遺伝子は低次形態であり、野生型肝オルニチントランスカルバミラーゼ酵素活性の5〜10%の保持につながる。Otc突然変異マウスは生育可能であり、繁殖可能であり、明白な病気を示さないが、野生型マウスよりも小さい。Otc突然変異マウスにおける高タンパク質食(通常の食餌の21%に対して40%)は、1週間で高アンモニア血症および30%の致死率を引き起こすことが示されている(Yang et al.,A dual AAV system enables the Cas9−mediated correction of a metabolic liver disease in newborn mice.Nat Biotechnol.2016 34:334−8)。この実験では、Otc突然変異マウスに30%タンパク質の食餌を与え、9週間で軽度の高アンモニア血症および60%の致死率を誘発した。
41個体の野生型マウスおよび34個体のOtc突然変異マウスをこの調査で使用した。血糖測定に対するベースラインを確立するために、ACCU−CHEK(登録商標)コンパクトプラス(Roche)を使用して、0日目の午前9時に各マウスの尾部から採取した血液中で非絶食血糖を検証した。野生型およびOtc突然変異はそれぞれ、治療群間の平均グルコースレベルがほぼ等しくなるように、それらの血糖値に基づき二つの治療群に分類された。0日目から調査終了まで、半数の野生型(n=21)およびOtc突然変異(n=17)マウスは、10mg/kgでmAb1の週1回皮下注射を受けた。一方でもう一方の半数の野生型(n=20)およびOtc突然変異(n=17)マウスは、10mg/kgでhIgG4アイソタイプ対照の週1回皮下注射を受けた。すべてのマウスは、調査期間中、10日目から高タンパク質食(30重量%タンパク質)を摂取した。非絶食時血糖および体重を毎週測定した。各時点における血糖値の平均±SEMを各群に対し計算し、表3および図1に示した。表4および図2に示す各群について、各時点でのベースライン(0日目)からの体重変化の平均±SEMが計算された。ベースラインおよび2週目、3週目、4週目、6週目、7週目および8週目で血漿を採取し、アンモニアレベルを判定した。各時点における血漿アンモニアレベルの平均±SEMを各群に対し計算し、表5および図3に示した。動物の死亡を毎日記録した。各群の生存曲線を図4に示す。血糖、体重、および血漿アンモニアについては、各遺伝子型内の各治療群を比較する二元配置ANOVAによって、次にボンフェローニポストテスト(Bonferroni post−tests)によって、統計分析を実施した。
結果と結論:
mAb1治療野生型マウスおよびOtc突然変異マウスは、mAb1投与後のアイソタイプ対照投与動物と比較して血糖の減少を示し(1週目と9週目の間)、mAb1のグルコース低下有効性を確認した(表3および図1)。高タンパク質食は、アイソタイプ対照投与Otc突然変異マウスで約15%の体重減少を誘発した一方、mAb1投与Otc突然変異マウスは、体重減少を誘発する食餌から保護された(表4および図2)。アイソタイプ対照投与Otc突然変異マウスと比較して、mAb1治療Otc突然変異マウスでは、高タンパク質食が誘発する血漿アンモニアレベルの上昇がより小さかった(表5および図3)。野生型マウスのいずれも、治療に関わらず、調査中に死亡することはなかった。調査終了時、mAb1治療Otc突然変異マウスの88%(17匹のうちの15匹)が生存しており、アイソタイプ対照投与Otc突然変異マウスの47%(17匹のうちの8匹)が生存していた(図4)。
これらのデータは、尿素サイクル異常症のマウスモデルにおいて、mAb1が、高アンモニア血症、過度の体重減少、および高タンパク質食のOtc突然変異マウスの死亡に対して防御することを示唆している。
(表3)血糖値
Figure 2020531532
(表4)ベースラインからの体重変化
Figure 2020531532
(表5)血漿アンモニアレベル
Figure 2020531532
以下のように、第二の異なった設計の調査を実施し、尿素サイクル異常症を有するマウスに対するH4H1327Pの効果を判定した。
血漿アンモニアレベル、生存率、体重および血糖値に対するH4H1327Pの効果は、尿素サイクル異常症のマウスモデルである、オルニチントランスカルバミラーゼ突然変異(Otcspf−ash)マウスで判定された。オルニチントランスカルバミラーゼ突然変異(Otcspf−ash)マウスに高タンパク質食(通常の食餌の21%に対して30%)を最初に与えた。食餌開始の2日後、抗体投与開始前のOtc突然変異マウスに、軽度の高アンモニア血症の発生が確認された。
20匹の野生型マウスおよび20匹のOtc突然変異マウスをこの調査で使用した。血漿アンモニア測定のベースラインを確立するために、ADVIA(登録商標)1800血液化学分析計(Bayer、レバークーゼン、ドイツ)を使用して、0日目の午前9時に各マウスの下顎腺から採取した血漿中で、非絶食アンモニアレベルを試験した。すべてのマウスは、調査期間中、0日目から高タンパク質食(30重量%タンパク質)を摂取した。野生型、およびOtc突然変異はそれぞれ、各遺伝子型の各治療群の平均アンモニアレベルがほぼ等しくなるように、2日目にそれらの血漿アンモニアレベルに基づき二つの治療群に分類された。2日目から調査終了まで、半数の野生型(n=10)および、Otc突然変異(n=10)マウスは、10mg/kgでH4H1327Pの週1回皮下注射を受けた。一方でもう一方の半数の野生型(n=10)およびOtc突然変異(n=10)マウスは、10mg/kgでhIgG4アイソタイプ対照の週1回皮下注射を受けた。ベースライン、2日目、およびその後5〜12日ごとに血漿を採取し、アンモニアレベルを判定した。各時点における血漿アンモニアレベルの平均±SEMを各群に対し計算し、表6および図5に示した。動物の死亡を毎日記録した。各群の生存曲線を図6に示す。体重および非絶食時血糖を、毎週測定した。各時点でのベースライン(0日目)からの体重変化の平均±SEMを計算し、表7および図8に示した。各時点における血糖値の平均±SEMを各群に対し計算し、表8および図8に示した。血糖、体重、および血漿アンモニアについては、各遺伝子型内の各治療群を比較する二元配置ANOVAによって、次にボンフェローニポストテスト(Bonferroni post−tests)によって、統計分析を実施した。
高タンパク質食は、Otc突然変異マウスにおいて、血漿アンモニアレベルを2日で65.2から129.4μmol/Lに増加させた。調査期間中、アイソタイプ対照を投与されたOtc突然変異マウスは、271〜359μmol/Lというさらに上昇した平均血漿アンモニアレベルを示し、一方で、H4H1327P投与Otc突然変異マウスにおける平均血漿アンモニアレベルは、105〜232μmol/L以内にとどまった。(表6および図5)。調査終了時、H4H1327P治療Otc突然変異マウスの80%(10匹のうちの8匹)が生存しており、アイソタイプ対照投与Otc突然変異マウスの40%(10匹のうちの4匹)が生存していた(図6)。野生型マウスのいずれも、治療に関わらず、調査中に死亡することはなかった。高タンパク質食は、アイソタイプ対照投与Otc突然変異マウスの18.5%体重減少を誘発し、一方で、H4H1327P投与Otc突然変異マウスは、調査終了時に体重の20.9%増加を示した(表7および図7)。H4H1327P治療野生型マウスおよびOtc突然変異マウスは、H4H1327P投与後のアイソタイプ対照投与動物と比較して血糖の減少を示し、H4H1327Pのグルコース低下有効性を確認した(表8および図8)。
まとめると、H4H1327Pは、Otc突然変異マウスにおける高タンパク質食によって引き起こされる高アンモニア血症、過度の体重減少、および死亡を改善することができた。これらのデータは、H4H1327Pが尿素サイクル異常症を有する患者にとって有用な選択肢であることを示す。
(表6)血漿アンモニアレベル
Figure 2020531532
(表7)ベースラインからの体重変化
Figure 2020531532
(表8)血糖値
Figure 2020531532

Claims (21)

  1. 対象における、高アンモニア血症に関連するかまたは高アンモニア血症に部分的に特徴付けられる状態または疾患を、あるいは、前記状態または疾患に関連する少なくとも一つの症状または合併症を治療するための方法であって、
    前記対象に対し、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物の治療有効量を、
    血清アンモニアレベルを低下させるか、または
    前記状態または疾患の及ぼす影響を低減するか、または
    前記状態または疾患に関連する少なくとも一つの症状または合併症が重症度において緩和または減少される
    ように、投与することを含む、方法。
  2. 前記高アンモニア血症が後天性である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記高アンモニア血症が先天性高アンモニア血症である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記先天性高アンモニア血症が、
    (i)カルバミルリン酸シンテターゼ(CPS1)、N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ(NAGS)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、アルギニノコハク酸シンテターゼ(ASS)、アルギニノコハク酸リアーゼ(ASL)、およびアルギナーゼ(AR1)からなる群から選択される一つ以上の尿素サイクル酵素における欠損、
    (ii)オルニチントランスロカーゼ(ORNT1)およびシトリンから選択される一つ以上の尿素サイクルトランスポーターにおける欠損、
    (iii)メチルマロン酸尿症、プロピオン酸尿症、および/またはイソ吉草酸尿症、
    (iv)中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、多種アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII欠損症、カルニチン−アシルカルニチントランスロカーゼ、リジン尿性タンパク質不耐症、ピロリン−5−カルボン酸シンテターゼ欠損症、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症、オルニチンアミノトランスフェラーゼ欠損症、炭酸脱水素酵素Va欠損、高インスリン−高アンモニア血症症候群、ミトコンドリア障害、および/またはグルタミンシンテターゼ欠損症、
    (v)急性または慢性肝不全およびその合併症、
    (vi)治療剤、L−アスパラギナーゼ、ペグアスパラガーゼ、5−ペンタン酸、バルプロ酸、コルチコステロイド、および/またはシクロホスファミドを用いた治療、
    (vii)単純ヘルペス感染症、B型肝炎感染症、および/またはウレアーゼ生産生物による感染症、ならびに/あるいは
    (viii)相対的アルギニン欠乏を有する完全非経口栄養法、L−アスパラギナーゼ治療、栄養カルニチン欠乏、グリシン含有溶液による膀胱鏡検査、肺/骨髄移植後、血管の先天性異常、および/または新生児である対象における一時的な高アンモニア血症
    によって引き起こされる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬が、グルカゴン(GCG)阻害剤またはグルカゴン受容体(GCGR)拮抗薬である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記GCG阻害剤またはGCGR拮抗薬が、
    (i)アンチセンス分子、抗GCGR抗体、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、ペプチド阻害剤、DARPin、シュピーゲルマー、アプタマー、操作されたFn3型ドメイン、抗GCG抗体、およびその誘導体からなる群から選択される一つ以上、
    (ii)単離ヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合断片、
    (iii)重鎖可変領域(HCVR)の相補性決定領域(CDR)であって、前記HCVRが配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域(HCVR)の相補性決定領域(CDR)、および/または、軽鎖可変領域(LCVR)のCDRであって、前記LCVRが配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域(LCVR)のCDR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (iv)(a)配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVR、および/または
    (b)配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (v)配列番号2/10、18/26、34/42、50/58、66/68、70/78、86/88、90/98、106/108、110/118、126/128、130/138、および146/148からなる群から選択されるHCVR/LCVR配列ペアを含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (vi)(a)配列番号150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択される重鎖可変領域(HCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3)、および/または
    (b)配列番号158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択される軽鎖可変領域(LCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3)
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤、
    (vii)配列番号:150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVR、および/または、配列番号:158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤、ならびに/あるいは、
    (viii)配列番号150/158、166/174、182/190、198/206、214/222、230/238、246/254、262/270、278/286、および294/302からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤
    である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記組成物が、少なくとも一つの追加的治療剤またはサプリメントと組み合わせて前記対象に投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬が、
    (i)Cyclinex、EAA、UCD−I、UCD−II、および個々の分岐鎖アミノ酸から選択される一つ以上のアミノ酸製剤、
    (ii)酸化防止剤および/または電解質、
    (iii)L−シトルリンおよび/またはL−アルギニン遊離塩基、
    (iv)血液透析および/または連続的な腎置換、ならびに/あるいは、
    (v)非吸収性抗生物質、リファキシミン、ラクツロース、フェニル酪酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、グリセロールフェニルブチラート、カルバミルグルタミン酸、第二のGCG阻害剤、および/または第二のGCGR拮抗薬
    と併用して投与される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 尿素サイクル異常症を有する対象を治療する方法であって、前記対象が、アンモニアのレベルの上昇を示し、前記方法が、前記対象に対しグルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  10. 尿素サイクル異常症を有する前記対象が、
    (i)カルバミルリン酸シンテターゼ(CPS1)、N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ(NAGS)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、アルギニノコハク酸シンテターゼ(ASS)、アルギニノコハク酸リアーゼ(ASL)、およびアルギナーゼ(AR1)からなる群から選択される尿素サイクル酵素における一つ以上の欠損、ならびに/あるいは、
    (ii)オルニチントランスロカーゼ(ORNT1)およびシトリンから選択される尿素サイクルトランスポーターにおける一つ以上の欠損
    を患っている、請求項9に記載の方法。
  11. 前記GCG阻害剤またはGCGR拮抗薬が、
    (i)アンチセンス分子、抗GCGR抗体、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、ペプチド阻害剤、DARPin、シュピーゲルマー、アプタマー、操作されたFn3型ドメイン、抗GCG抗体、およびその誘導体からなる群から選択される一つ以上、
    (ii)単離ヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合断片、
    (iii)HCVRのCDRであって、前記HCVRが配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、HCVRのCDR、および/または、LCVRのCDRであって、前記LCVRが配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、LCVRのCDR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (iv)(a)配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVR、および/または
    (b)配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (v)配列番号:2/10、18/26、34/42、50/58、66/68、70/78、86/88、90/98、106/108、110/118、126/128、130/138、および146/148からなる群から選択されるHCVR/LCVR配列ペアを含む単離抗体または抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (vi)(a)配列番号:150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択される重鎖可変領域(HCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3)、および/または
    (b)配列番号:158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択される軽鎖可変領域(LCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3)
    を含む単離ヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤、
    (vii)配列番号:150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVR、および/または、配列番号:158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤、ならびに/あるいは、
    (viii)配列番号:150/158、166/174、182/190、198/206、214/222、230/238、246/254、262/270、278/286、および294/302からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤
    である、請求項9〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記組成物が、少なくとも一つの追加的治療剤またはサプリメントと組み合わせて前記対象に投与される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬が、
    (i)Cyclinex、EAA、UCD−I、UCD−II、および個々の分岐鎖アミノ酸から選択される一つ以上のアミノ酸製剤、
    (ii)酸化防止剤および/または電解質、
    (iii)L−シトルリンおよび/またはL−アルギニン遊離塩基、
    (iv)血液透析および/または連続的な腎置換、ならびに/あるいは、
    (v)非吸収性抗生物質、リファキシミン、ラクツロース、フェニル酪酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、グリセロールフェニルブチラート、カルバミルグルタミン酸、第二のGCG阻害剤、および/または第二のGCGR拮抗薬
    と併用して投与される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 高アンモニア血症を有する対象を治療するために必要なフェニル酪酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウムの量および/または用量を減少させる方法であって、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
  15. 前記グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬が、フェニル酪酸ナトリウムおよび/または安息香酸ナトリウムと併用して投与される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬が、GCGR拮抗薬および/またはGCG阻害剤である、請求項14〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬が、
    (i)アンチセンス分子、抗GCGR抗体、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、ペプチド阻害剤、DARPin、シュピーゲルマー、アプタマー、操作されたFn3型ドメイン、抗GCG抗体、およびその誘導体からなる群から選択される一つ以上、
    (ii)単離ヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合断片、
    (iii)HCVRのCDRであって、前記HCVRが配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、HCVRのCDR、および/または、LCVRのCDRであって、前記LCVRが配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、LCVRのCDR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (iv)(a)配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVR、および/または
    (b)配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (v)配列番号:2/10、18/26、34/42、50/58、66/68、70/78、86/88、90/98、106/108、110/118、126/128、130/138、および146/148からなる群から選択されるHCVR/LCVR配列ペアを含む単離抗体または抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (vi)(a)配列番号:150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択される重鎖可変領域(HCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3)、および/または
    (b)配列番号:158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択される軽鎖可変領域(LCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3)
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤、
    (vii)配列番号:150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVR、および/または、配列番号:158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤、ならびに/あるいは、
    (viii)配列番号:150/158、166/174、182/190、198/206、214/222、230/238、246/254、262/270、278/286、および294/302からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤
    である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 対象における、血液アンモニアレベルを低下させるための、あるいは高アンモニア血症に関連するかもしくは高アンモニア血症に部分的に特徴付けられる状態もしくは疾患を、または前記状態もしくは疾患に関連する少なくとも一つの症状もしくは合併症を治療するための方法であって、
    血液アンモニアレベルが低下されるように、または前記状態もしくは疾患が及ぼす影響を低減するように、または前記状態もしくは疾患に関連する少なくとも一つの症状もしくは合併症が重症度において緩和もしくは減少されるように、前記対象に、グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物の治療有効量を投与すること
    を含む、方法。
  19. 前記グルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬が、
    (i)アンチセンス分子、抗GCGR抗体、小分子阻害剤、shRNA、siRNA、ペプチド阻害剤、DARPin、シュピーゲルマー、アプタマー、操作されたFn3型ドメイン、抗GCG抗体、およびその誘導体からなる群から選択される一つ以上、
    (ii)単離ヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合断片、
    (iii)HCVRのCDRであって、前記HCVRが配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、HCVRのCDR、および/または、LCVRのCDRであって、前記LCVRが配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、LCVRのCDR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (iv)(a)配列番号:2、18、34、50、66、70、86、90、106、110、126、130、および146からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVR、および/または
    (b)配列番号:10、26、42、58、68、78、88、98、108、118、128、138、および148からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (v)配列番号:2/10、18/26、34/42、50/58、66/68、70/78、86/88、90/98、106/108、110/118、126/128、130/138、および146/148からなる群から選択されるHCVR/LCVR配列ペアを含む単離抗体または抗原結合断片である、GCGR拮抗薬、
    (vi)(a)配列番号:150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択される重鎖可変領域(HCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3)、および/または
    (b)配列番号:158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択される軽鎖可変領域(LCVR)アミノ酸配列内に含有された三つの軽鎖CDR(LCDR1、LCDR2、およびLCDR3)
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤、
    (vii)配列番号:150、166、182、198、214、230、246、262、278、および294からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVR、および/または、配列番号:158、174、190、206、222、238、254、270、286、および302からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVR
    を含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤、ならびに/あるいは、
    (viii)配列番号:150/158、166/174、182/190、198/206、214/222、230/238、246/254、262/270、278/286、および294/302からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列ペアを含む単離抗体またはその抗原結合断片である、GCG阻害剤
    である、請求項18に記載の方法。
  20. 尿素サイクル異常症を有する対象において、死亡率を低下させるための、過度の体重減少を軽減するための、および/または血糖を低下させるための方法であって、前記対象にグルカゴンシグナル伝達経路拮抗薬を含む組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  21. 前記対象が高タンパク質食を摂取している、請求項20に記載の方法。
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