JP2020529466A - ピペリジニルインドール誘導体の新規な使用 - Google Patents

ピペリジニルインドール誘導体の新規な使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、腎疾患又は障害に罹患している患者の処置における、特にC3G(C3糸球体症)及びIgAN(IgA腎症)に罹患している患者の処置のための、特定のピペリジニル−インドール誘導体の新規な使用に関する。

Description

本発明は、腎疾患等の補体代替経路活性化に関連する状態及び疾患に罹患している患者の処置における、特にC3G(C3糸球体症)及びIgAN(免疫グロブリンA腎症)に罹患している患者の処置のための、特定のピペリジニル−インドール誘導体の使用に関する。
補体系は、先天性免疫系の重要な成分であり、通常不活性状態で存在するプロテアーゼのカスケードを含む。これらのプロテアーゼは、3つの活性化経路:古典的経路、レクチン経路、並びに全てがC3及びC5切断に収束する代替経路、並びに共通の末端経路において組織化される(V.M.Holers,In Clinical Immunology:Principles and Practice,ed.R.R.Rich,Mosby Press;1996,363−391)。微生物、抗体又は細胞成分由来の分子は、これらの経路を活性化し得、C3−コンバターゼ及びC5−コンバターゼとして知られるプロテアーゼ複合体の形成を生じる。古典的経路は、カルシウム/マグネシウム依存性カスケードであり、これは通常、抗原−抗体複合体の形成によって活性化される。それはまた、リガンドに複合体化したC反応性タンパク質の結合によって、及びグラム陰性細菌を含む多くの病原体によって、抗体非依存的な様式で活性化され得る。レクチン経路はまた、カルシウム及びマグネシウム依存性であり、通常、レクチンによって刺激される。代替経路は、マグネシウム依存性カスケードであり、これは、特定の感受性表面(例えば、酵母及び細菌の細胞壁多糖類、並びに特定の生体高分子材料)上のC3の沈着及び活性化によって活性化される。代替経路特異的刺激に加えて、代替経路は、他の補体経路の増幅ループとしても働く。
B因子は、代替経路の重要なプロテアーゼであり、代替経路の阻害及び他の補体経路の増幅のための適切な標的であり得る。そのヒト中での血漿濃度は、一般に約300μg/ml(又は約3μM)であり、代替補体経路の活性化に決定的な酵素であることが示されている(P.H.Lesavre and H.J.Mueller−Eberhard.J.Exp.Med.,1978;148:1498−1510;J.E.Volanakis et al.,New Eng.J.Med.,1985;312:395−401)。
国際公開第2017/109208号パンフレットは、補体活性化を阻害するための特定のポリペプチド、並びに非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、C3G及びIgA腎症等の障害におけるそれらの使用を開示している。それは、天然に存在する補体レギュレーター(補体因子H(FH)及び補体FH関連タンパク質1(FHR1))由来の複数の活性ドメインが単一の分子に組み合わされた融合構築物を記載する。分子のFH部分は、APのC3コンバターゼを解離し、同時に、補体因子Iの補因子として作用し、これはC3bをより小さな不活性フラグメントに切断する。さらに、融合構築物はまた、C5に結合し、(AP)C5コンバターゼを阻害する。最後に、構築物のFHR1部分は、古典的経路活性についてのWieslabアッセイに示されるように、古典的補体経路(CP)を阻害する。従って、これは、古典的経路及び代替経路/増幅ループの二重阻害をもたらすはずである。
国際公開第2015/009616号パンフレットは、ピペリジニル−インドール誘導体の合成及びいくつかの有用性を記載している。前記化合物は強力なB因子阻害剤であり、活性化の初期メカニズム(例えば、古典的、レクチン又は代替経路の活性化を含む)にかかわらず、C3活性化によって引き起こされる補体系の増幅を抑制する。国際公開第2015/009616号パンフレットは、腎疾患の非定型溶血性尿毒症症候群(atypicaly hemolytic uremic syndrome)(aHUS)及び膜増殖性糸球体腎炎を含む糸球体腎炎を含む多種多様な適応症を開示している。上記とは明らかに異なる因果関係を有する別個の状態である他の腎疾患におけるピペリジニル−インドール誘導体の使用については記載されておらず、特に古典的HUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)及び膜性腎症における使用については記載されていない。国際公開第2017/109208号パンフレットによるポリペプチド構築物とは対照的に、国際公開第2015/009616号パンフレットに開示されている低分子量化合物は、APのC3及びC5の切断に関与するプロテアーゼ補体因子Bを特異的に阻害する。これにより、古典経路を介したC3a、C5a及びC5b−9の直接的な生成が回避される。2017年に、Konar及びDranoff(Konar M and Granoff DM 2017.Eculizumab treatment and impaired opsonophagocytic killing of meningococci by whole blood from immunized adults.Blood.130(7):891−899)は、FBを活性化するプロテアーゼであるD因子の選択的阻害が、ワクチン接種した個体における髄膜炎菌(N.meningitidis)に対する防御免疫応答を損なわなかった一方、C5レベルでの阻害は損なうことを見事に示した。
驚くべきことに、本発明は、式(I)の化合物を、補体駆動性腎疾患C3G(C3糸球体症)及びIgAN(免疫グロブリンA腎症)、並びにMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症から選択される腎疾患又は障害に罹患している患者に投与することからなる、B因子媒介疾患を処置又は予防する方法をここに提供する。
第1の実施形態では、本発明は、補体駆動性腎疾患C3G(C3糸球体症)、IgAN(免疫グロブリンA腎症)、並びにMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症の処置における使用のための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下の構造で表される:

式中
Rは、水素、C−Cアルキル、又はC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、C−Cアルコキシ;C−Cアルキル;又はヒドロキシルであり;
は、−C(O)Rで場合により置換されたフェニルであり、
は、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、又はアミノである。
第2の実施形態では、本発明は、第1の実施形態に従って使用するための化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供し、ここで
Rは、水素;又はC−Cアルキルであり;
は、C−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、C−Cアルコキシ;又はC−Cアルキルであり;
は、−C(O)Rで場合により置換されたフェニルであり、
は、ヒドロキシル又はC−Cアルコキシである。
第3の実施形態では、本発明は、第1の実施形態に従って使用するための化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供し、ここで
Rは、水素であり;
は、C−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、C−Cアルコキシであり;
は、−C(O)Rで場合により置換されたフェニルであり、
は、ヒドロキシである。
第4の実施形態では、本発明は、第1の実施形態に従って使用するための化合物を提供し、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、以下からなる群から選択される:
4−(1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)−4−メチルピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−(4−メトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−(4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−(5−メトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−(5−ヒドロキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−エチル−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル−安息香酸;
4−(エチル−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−((2S,4R)−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)−4−メチルピペリジン−2−イル)安息香酸エチル;及び
4−((2S,4S)−4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸エチル。
第5の実施形態では、本発明は、第1の実施形態に従って使用するための化合物を提供し、化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、4−((2S,4S)−4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸である。
第6の実施形態では、本発明は、C3G(C3糸球体症)、IgAN(免疫グロブリンA腎症)、又はMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症を、それらに罹患している患者において処置又は予防する方法であって、それらに罹患している患者に、実施形態1、2、3、4又は5の定義のいずれかに従って、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を投与することからなる方法に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、使用がC3G(C3糸球体症)の処置におけるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、使用がIgAN(免疫グロブリンA腎症)の処置におけるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、使用がMN(膜性腎症)の処置におけるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、使用がHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)の処置におけるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、C3G(C3糸球体症)、IgAN(免疫グロブリンA腎症)、並びにMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症から選択される疾患又は障害の処置において使用するための、治療有効量の実施形態1の定義に従った式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び1つ以上の薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物に関する。
本明細書を解釈するために、以下の定義が適用され、適切な場合はいつでも、単数形で使用される用語は複数形も含み、その逆も同様である。
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、20個までの炭素原子を有する完全に飽和した分枝状又は非分枝状炭化水素部分を指す。特に断らない限り、アルキルは、1〜16個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素部分を指す。アルキルの代表的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、アルキル−O−を指し、ここで、アルキルは、本明細書で上記に定義されている。アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ−、シクロヘキシルオキシ−等が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、アルコキシ基は、約1〜7個、より好ましくは、約1〜4個の炭素を有する。
薬学的に許容され得る酸付加塩は、無機酸及び有機酸で形成され得る。
薬学的に許容され得る塩基付加塩は、無機及び有機塩基で形成され得る。
式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩の代表的な例は、国際公開第2015/009616号パンフレットに既に記載されており、同様に本発明に適している。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容され得る担体」は、当業者に公知であるように、任意の及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、染料等、及びこれらの組み合わせを含む(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990、pp.1289−1329を参照のこと)。任意の従来の担体が活性成分と不適合である限りを除いて、治療又は医薬組成物におけるその使用が意図される。
本発明の化合物の「治療有効量」という用語は、対象の生物学的又は医学的応答、例えば、酵素若しくはタンパク質活性の減少若しくは阻害、症状の寛解、状態の緩和、疾患の進行の緩慢化若しくは遅延、又は疾患の予防等を引き起こす、本発明の化合物の量を指す。1つの非限定的な実施形態では、「治療有効量」という用語は、対象に投与された場合、(1)(i)因子Bによって媒介される、若しくは(ii)因子B活性に関連する、若しくは(iii)補体代替経路の活性(正常又は異常)によって特徴付けられる、状態若しくは障害若しくは疾患若しくは生物学的プロセス(例えば、組織再生及び生殖)を、少なくとも部分的に緩和、阻害、予防し及び/又は寛解させる;又は(2)因子Bの活性を減少若しくは阻害する;又は(3)因子Bの発現を減少若しくは阻害する;又は(4)補体系の活性化を減少若しくは阻害する、特に、補体代替経路の活性化によって生成されるC3a、iC3b、C5a若しくは膜攻撃複合体の生成を減少若しくは阻害するのに有効な、本発明の化合物の量を指す。別の非限定的な実施形態では、用語「治療有効量」は、細胞、又は組織、又は非細胞生物学的物質、又は培地に投与された場合、因子B及び/又は補体代替経路の活性を少なくとも部分的に減少又は阻害し、又は因子B及び/又は補体代替経路の発現を少なくとも部分的に減少又は阻害するのに有効な、本発明の化合物の量を指す。因子B及び/又は補体代替経路についての上記実施形態に例示されるような用語「治療有効量」の意味。
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、動物を指す。典型的には、動物は、哺乳動物である。対象はまた、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚、鳥等を指す。特定の実施形態では、対象は、霊長類である。さらに別の実施形態では、対象は、ヒトである。
本明細書で使用される場合、用語「阻害する」、「阻害」又は「阻害している」は、所与の状態、症状、若しくは障害、若しくは疾患の減少若しくは抑制、又は生物学的活性若しくはプロセスのベースライン活性の有意な減少を指す。
本明細書で使用される場合、任意の疾患又は障害の「処置する」、「処置している」又は「処置」という用語は、1つの実施形態では、疾患又は障害を寛解させること(即ち、疾患又はその臨床症状の少なくとも1つの発症を緩慢化又は停止又は減少させること)を指す。別の実施形態では、「処置する」、「処置している」又は「処置」は、患者によって認識され得ないものを含む少なくとも1つの身体的パラメータを緩和又は改善することを指す。さらに別の実施形態では、「処置する」、「処置している」又は「処置する」は、身体的に(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、身体的パラメータの安定化)、又はその両方で、疾患又は障害を調節することを指す。さらに別の実施形態では、「処置する」、「処置している」又は「処置」は、疾患又は障害の発生又は発症又は進行を予防し又は遅延させることを指す。
本明細書で使用される場合、対象は、そのような対象がそのような処置から生物学的に、医学的に、又は生活の質において利益を得る場合、処置を「必要とする」。
本明細書で使用される場合、用語「a」、「an」、「the」及び本発明の文脈(特に特許請求の範囲の文脈)で使用される同様の用語は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を含むと解釈されるべきである。
本明細書で記載した全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行され得る。本明細書で提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「〜等」)の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図したものであり、別様に特許請求される本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素等)は、ラセミ又はエナンチオマーに富む、例えば、(R)−、(S)−又は(R,S)立体配置で存在することができる。特定の実施形態では、各不斉原子は、(R)−又は(S)−立体配置における少なくとも50%のエナンチオマー過剰率、少なくとも60%のエナンチオマー過剰率、少なくとも70%のエナンチオマー過剰率、少なくとも80%のエナンチオマー過剰率、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率、又は少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を有する。不飽和結合を有する原子における置換基は、可能であれば、シス(Z)又はトランス(E)形態で存在し得る。
従って、本明細書で使用される場合、本発明の化合物の使用は、例えば、実質的に純粋な幾何(シス又はトランス)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(対掌体)、ラセミ体又はそれらの混合物としての、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体又はそれらの混合物等の可能な異性体のうちの1つの形態であってもよい。明確にするために、位置異性体は、上記に包含されない。
任意の得られた異性体の混合物は、成分の物理化学的差異に基づいて、純粋な又は実質的に純粋な幾何異性体又は光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に、例えばクロマトグラフィー及び/又は分別結晶化によって分離することができる。
最終生成物又は中間体の任意の得られたラセミ体は、公知の方法によって、例えば、光学活性な酸又は塩基で得られた、そのジアステレオマー塩の分離、及び光学活性な酸性又は塩基性化合物の遊離によって、光学対掌体に分離され得る。特に、塩基性部分は、例えば、光学活性な酸(例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸又はカンファー−10−スルホン酸)で形成された塩の分別結晶化によって、本発明の化合物をそれらの光学対掌体に分離するために使用され得る。ラセミ生成物はまた、キラルクロマトグラフィー(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又はキラル吸着剤を使用する超臨界流体クロマトグラフィー(SFC))によって分離され得る。
予防的及び治療的使用
別の実施形態では、本発明は、腎疾患又は障害を処置する方法を提供し、この方法は、実施形態1〜5のいずれか1つの定義に従って、有効量の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を、そのような処置を必要とする対象に投与することを含み、前記疾患又は障害は、C3G、IgAN、及び糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症から選択される。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、約50〜70kgの対象について、約0.1〜1000mgの活性成分、又は約0.1〜500mg、又は約0.1〜250mg、又は約0.1〜150mg、又は約0.5〜100mg、又は約0.5〜50mgの活性成分の単位用量で投与することができる。その治療有効量は、対象の種、体重、年齢及び個体の状態、障害若しくは疾患、又は処置されるその重症度に依存し得る。通常の技術を有する医師、臨床医又は獣医は、障害又は疾患の進行を予防、処置又は阻害するのに必要な活性成分の各々の有効量を容易に決定することができる。
実施形態1による化合物の効力は、以下の方法によって評価することができる:
1.補体駆動性腎疾患;特にIgANの臨床試験
患者は、以下の基準に従って募集される:
・2年以内に診断された成人IgAN患者
・高血圧及び/又は降圧治療、並びに>1g/日のタンパク尿等の急速進行の高リスクとしての診断基準を満たすこと
・腎生検=IgAN、血管炎を伴うIgANを含む
・eGFR(糸球体ろ過率)が>40及び<100ml/分/1.73m
・試験中維持するべき支持療法(利尿薬、ACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害剤、ARB(アンギオテンシン・レニン・ブロッカー)、スタチンを含む)。
・導入期間後の無作為化。
試験のために、患者をワクチン接種して、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、及びインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)を含む、カプセル化された生物によって引き起こされる感染症のリスクを排除する。ワクチン接種は、例えば、23価多糖類(PS)ワクチン、又は7価性タンパク質−多糖類結合(PCV−7)ワクチンで実施することができる。
ワクチン接種に従い、次いで、1日2回(BID)投与される25、50、100及び200mgの式(I)の化合物の1日用量で患者を処置する。血圧を標準的な実施に従って監視し、アルブミン及びグロブリンのような尿中の低分子量タンパク質を定期的に決定することによって、タンパク尿を決定する。
式(I)の化合物による処置期間は、少なくとも3ヶ月であり、有効な処置の一次エンドポイントは、尿タンパク質クレアチニン比(UPCR)の減少が25%以上で達成される。
二次エンドポイントとして、腎組織学が選択された患者において実施され、ここで、組織学的スコアにおいて、減少した補体活性化、より少ない炎症、減少したメサンギウム拡大が目的とされる。
2.補体駆動性腎疾患、特にC3Gに関する臨床試験:
患者は、以下の基準に従って募集される:
・C3Gと診断された成人患者
・C3Gを示す腎生検(3ヵ月以内に確認された結果)
・血清C3(コンバターゼ)又はFB(B因子)値が低く、GFR(糸球体ろ過率)値が任意の患者
・GFR≧40ml/分/1.73m
・試験中維持すべき支持療法(利尿薬、ACE阻害剤、ARB、スタチンを含む)。
・導入期間後の無作為化
試験のために、患者をワクチン接種して、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、及びインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)を含む、カプセル化された生物によって引き起こされる感染症のリスクを排除する。ワクチン接種は、例えば、23価多糖類(PS)ワクチン、又は7価性タンパク質−多糖類結合(PCV−7)ワクチンで実施することができる。
ワクチン接種に従い、次いで、1日2回(BID)投与される25、50、100及び200mgの式(I)の化合物の1日用量で患者を処置する。
式(I)の化合物による処置期間は、少なくとも2ヶ月である。
有効な処置の一次エンドポイントは、タンパク尿が25%を超えて減少した場合に達成される。
有効な処置の二次エンドポイントは、腎生検における改善されたeGFR及び改善された組織学、処置の3ヶ月後(可能であれば、処置の6ヶ月後)の組織における標的効果である。
実施形態1〜5に開示される式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、B因子の強力な阻害剤であり、上記の臨床試験(1)及び(2)において試験される。
1.補体調節不全の阻害を、免疫固定電気泳動によって測定した(Zhang et al.,Clin J Am Soc Nephrology 7,pp265−274(2012)により記載)。
このアッセイは、患者血清中の安定化されたC3コンバターゼに基づく。患者血清を正常血清と1:1で混合し、37℃で30分間インキュベートする。正常な血清は、患者のC3レベルが非常に低くなり得るので、C3の供給源として役立つ。結果は、切断されたC3対切断されていないC3の割合である。Mg2+EGTA−PBS中で血清をインキュベートすることにより最大切断を決定し、EDTA−PBS中で血清をインキュベートすることによりバックグラウンド切断を決定した。試験化合物による阻害は、以下の式によって計算した:
(試験化合物の存在下での切断−バックグラウンド切断)/(最大切断−バックグラウンド切断)
このアッセイは、代替経路(AP)調節不全について以下の原因を有するC3Gを有する9人の患者のサンプルにおいて実施された:
・3人の患者におけるC3Nef(C3コンバターゼを安定化させる自己抗体)
・2人の患者におけるFH(H因子)に対する自己抗体
・2人の患者における原因不明
・2人の患者におけるFB(B因子)に対する自己抗体。C3G(C3糸球体腎炎)及びDDD(デンスデポジット病)の両方を有する患者のサンプルを含めた。
このアッセイにおいて、本発明者らは、実施形態4の化合物を試験した。例えば、実施形態5の化合物は、3.3マイクロモルの濃度で>97%、1.1マイクロモルの存在下で63%、C3切断を阻害した。
2.C3Nef又はFB自己抗体によって安定化される予備形成されたC3コンバターゼの阻害
予備形成され安定化されたC3コンバターゼの阻害を、C3コンバターゼ安定化アッセイ(C3CSA)(Zhang et al.,Clin J Am Soc Nephrology 7,pp265−274(2012)により記載)によって測定した。このアッセイでは、C3コンバターゼは、ヒツジ赤血球の表面上に人工的に構築される。C3コンバターゼは、通常、37℃で90秒の半減期を有するが、患者から精製されたIgGの添加によって崩壊が遅延される。コンバターゼ安定化/コンバターゼ活性を阻害し、その崩壊を可能にするために、患者由来のIgGと同時に化合物を添加した。IgG(及び化合物)投与後、コンバターゼを30℃で15分間崩壊させた。次いで、EDTA中のラット血清を37℃で30分間添加して、安定化されたC3コンバターゼにより末端補体経路を活性化し、赤血球を溶解させた。赤血球溶解は、ヘモグロビン放出に関連し、従って、415nmでの上清における吸収を介して定量化された。最大溶血を、時間0での溶解によって決定し、バックグラウンドとして、EDTA緩衝液中の溶血(全ての補体経路の完全な阻害)を測定した。
安定化されたC3コンバターゼの阻害は、C3Gを有する15人の患者からのIgGを使用して測定され、7人の患者はDDDを有し、8人の患者はC3GNを有した。患者のうち4人は、FBに対する抗体を有し、11人の患者は、C3腎炎因子、即ちC3コンバターゼに対する抗体を有していた。実施形態5の化合物は、化合物濃度0.15マイクロモルでEDTA(補体活性なし)の存在下で観察されたレベルと比較して、C3コンバターゼ負荷赤血球の溶血を>99%阻害した。
3.志賀毒素産生大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群(STEC−HUS又は古典的HUS)を有する患者由来の血清で刺激されたヒト微小血管内皮細胞へのC3沈着の阻害
Morigi et al.,2011(Morigi M,Galbusera M,Gastoldi S,Locatelli,M,Buelli,S,Pezzotta A,Pagani C,Noris M,Gobbi M,Stravalaci M,Rottoli D,Tedesco F,Remuzzi G and Joja C:2011.Alternative pathway activation of complement by Shiga toxin promotes exuberant C3a formation that triggers microvascular thrombosis.J Immunol.187(1):172−80)に記載されているように、皮膚由来のヒト微小血管内皮細胞株(HMEC−1、ATCC CRL−3243)をスライドガラス上に蒔き、コンフルエント時に使用した。細胞を10μM ADPで10分間活性化し、次いで、2つの異なる濃度(1及び10マイクロM)の実施形態5のCFB阻害剤の存在下又は非存在下で、試験培地(0.5% BSAを含むHBSS)で1:2に希釈した血清(疾患の急性期中の3人のSTEC−HUS患者又は健康な対照から収集した)と共に4時間インキュベートした。インキュベーション工程の終わりに、HMEC−1を蛍光色素結合抗ヒトC3cで処理した。各実験において、健康な対照からの血清のプールを、患者血清と並行して試験した。内皮細胞表面の蛍光染色を得るために、共焦点倒立レーザー顕微鏡を使用した。
サンプル当たり15の視野を獲得し、蛍光染色によって占められた範囲を、ソフトウェアImage Jの組み込み特定関数を使用する自動エッジ検出によって評価し、分析した視野当たりのpixel2として表した。最高値及び最低値を廃棄し、残りの13視野について平均±SEを計算した。
結果:急性STEC−HUS患者からの血清は、健康な対照からの血清に関して、ADP活性化内皮細胞上に大量のC3沈着を誘導した(P<0.0001)。STEC−HUS患者の血清中の実施形態5のCFB阻害剤の存在は、ADP活性化HMEC.−1上のC3沈着の用量応答減少を誘導した(1マイクロMについて73%の減少及び10マイクロMについて89%の減少、両方についてp<0.0001)。特に、10マイクロMの濃度で実施形態5のCFB阻害剤を添加したSTEC−HUS血清に曝露された内皮細胞上のC3沈着物の量は、対照血清に曝露された細胞上で観察されたC3沈着物と有意に異ならなかった。
4.FB阻害剤は、ラットにおける受動的ヘイマン腎炎の発症及び進行を予防する
ラットにおける受動的ヘイマン腎炎は、膜性腎症の最も一般的な動物モデルである(Jefferson JA,Pippin JW and Shankland SJ 2010.Experimental Models of membranous nephropathy.Drug Discov Today Dis Models.7(1−2):27−33を参照のこと)。これは、ラットメガリンで免疫化されたウサギ由来のポリクローナル血清の移入によって誘導され、ヒト疾患を非常に思い出させる腎臓における炎症性変化を示す。抗体移入の4日後に有意なタンパク尿が観察され、移入の2週間後まで増加する。
実施形態5のB因子阻害剤による予防的処置(1日2回の強制経口投与、20又は60mg/kg/日)は、移入後14日目のタンパク尿を82%又は75%有意に減少させ(p<0.0001)、組織病理学的変化を有意に減少させた(組み合わせスコアは、ビヒクル、20及び60mg/kgの実施形態5のFB阻害剤について、各々2.2、0.3及び0.4である、p<0.005)。さらに、別の実験において、タンパク尿の発現(血清移入後6日)後に開始する60mg/kgの実施形態5のFB阻害剤(1日2回の強制経口投与)による治療的処置は、疾患のさらなる進行をブロックした。タンパク尿は、対照群では6日目の0.79から14日目の1.93に増加したが、実施例5のFB阻害剤で処置した群では安定したままであった(6日目及び14日目に、各々0.74及び0.81。組み合わせ組織病理学スコアは、ビヒクルで処置した群の2.7からFB阻害剤で処置した群の1.1に減少した、p<0.005)。
実施形態5のB因子阻害剤による予防的処置(1日2回の強制経口投与、20又は60mg/kg/日)は、移入後14日目のタンパク尿を82%又は75%有意に減少させ(p<0.0001)、組織病理学的変化を有意に減少させた(組み合わせスコアは、ビヒクル、20及び60mg/kgの実施形態5のFB阻害剤について、各々2.2、0.3及び0.4である、p<0.005)。さらに、別の実験において、タンパク尿の発現(血清移入後6日)後に開始する60mg/kgの実施形態5のFB阻害剤(1日2回の強制経口投与)による治療的処置は、疾患のさらなる進行をブロックした。タンパク尿は、対照群では6日目の0.79から14日目の1.93に増加したが、実施例5のFB阻害剤で処置した群では安定したままであった(6日目及び14日目に、各々0.74及び0.81。組み合わせ組織病理学スコアは、ビヒクルで処置した群の2.7からFB阻害剤で処置した群の1.1に減少した、p<0.005)。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
C3G(C3糸球体症)、IgAN(IgA腎症)、並びにMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症の処置における使用のための、式(I)
の化合物又はその薬学的に許容され得る塩(式中、
Rは、水素、C −C アルキル、又はC −C アルコキシであり;
は、C −C アルコキシであり;
は、C −C アルキルであり;
は、C −C アルコキシ;C −C アルキル;又はヒドロキシルであり;
は、−C(O)R で場合により置換されたフェニルであり、
は、ヒドロキシ、C −C アルコキシ、又はアミノである)。
[2]
Rが、水素;又はC −C アルキルであり;
が、C −C アルコキシであり;
が、C −C アルキルであり;
が、C −C アルコキシ;又はC −C アルキルであり;
が、−C(O)R で場合により置換されたフェニルであり、
が、ヒドロキシル又はC −C アルコキシである、
[1]に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
[3]
Rが、水素であり;
が、C −C アルコキシであり;
が、C −C アルキルであり;
が、C −C アルコキシであり;
が、−C(O)R で場合により置換されたフェニルであり、
が、ヒドロキシである、
[1]に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
[4]
前記化合物が:
4−(1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)−4−メチルピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−(4−メトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−(4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−(5−メトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−(5−ヒドロキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−エチル−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル−安息香酸;
4−(エチル−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
4−((2S,4R)−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)−4−メチルピペリジン−2−イル)安息香酸エチル;及び
4−((2S,4S)−4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸エチル
からなる群から選択される、[1]に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
[5]
前記化合物又はその薬学的に許容され得る塩が、4−((2S,4S)−4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸である、[1]に記載の使用のための化合物。
[6]
前記使用が、C3G(C3糸球体症)の処置におけるものである、[1]〜[5]のいずれかに記載の使用のための化合物。
[7]
前記使用が、IgAN(IgA腎症)の処置におけるものである、[1]〜[5]のいずれかに記載の使用のための化合物。
[8]
前記使用が、MN(膜性腎症)の処置におけるものである、[1]〜[5]のいずれかに記載の使用のための化合物。
[9]
前記使用が、HUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)の処置におけるものである、[1]〜[5]のいずれかに記載の使用のための化合物。
[10]
C3G(C3糸球体症)、IgAN(免疫グロブリンA腎症)、又はMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症を、それに罹患している患者において処置又は予防する方法であって、有効量の[1]、[2]、[3]、[4]又は[5]のいずれか1項の定義に従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を前記患者に投与することからなる方法。
[11]
C3G(C3糸球体症)、IgAN(IgA腎症)並びにMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症から選択される疾患又は障害の処置における使用のための、治療有効量の[1]〜[5]の定義に従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び1つ以上の薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。

Claims (11)

  1. C3G(C3糸球体症)、IgAN(IgA腎症)、並びにMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症の処置における使用のための、式(I)

    の化合物又はその薬学的に許容され得る塩(式中、
    Rは、水素、C−Cアルキル、又はC−Cアルコキシであり;
    は、C−Cアルコキシであり;
    は、C−Cアルキルであり;
    は、C−Cアルコキシ;C−Cアルキル;又はヒドロキシルであり;
    は、−C(O)Rで場合により置換されたフェニルであり、
    は、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、又はアミノである)。
  2. Rが、水素;又はC−Cアルキルであり;
    が、C−Cアルコキシであり;
    が、C−Cアルキルであり;
    が、C−Cアルコキシ;又はC−Cアルキルであり;
    が、−C(O)Rで場合により置換されたフェニルであり、
    が、ヒドロキシル又はC−Cアルコキシである、
    請求項1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  3. Rが、水素であり;
    が、C−Cアルコキシであり;
    が、C−Cアルキルであり;
    が、C−Cアルコキシであり;
    が、−C(O)Rで場合により置換されたフェニルであり、
    が、ヒドロキシである、
    請求項1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  4. 前記化合物が:
    4−(1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)−4−メチルピペリジン−2−イル)安息香酸;
    4−(4−メトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
    4−(4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
    4−(5−メトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
    4−(5−ヒドロキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
    4−エチル−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル−安息香酸;
    4−(エチル−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸;
    4−((2S,4R)−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)−4−メチルピペリジン−2−イル)安息香酸エチル;及び
    4−((2S,4S)−4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸エチル
    からなる群から選択される、請求項1に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  5. 前記化合物又はその薬学的に許容され得る塩が、4−((2S,4S)−4−エトキシ−1−((5−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−4−イル)メチル)ピペリジン−2−イル)安息香酸である、請求項1に記載の使用のための化合物。
  6. 前記使用が、C3G(C3糸球体症)の処置におけるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  7. 前記使用が、IgAN(IgA腎症)の処置におけるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  8. 前記使用が、MN(膜性腎症)の処置におけるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  9. 前記使用が、HUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)の処置におけるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  10. C3G(C3糸球体症)、IgAN(免疫グロブリンA腎症)、又はMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症を、それに罹患している患者において処置又は予防する方法であって、有効量の請求項1、2、3、4又は5のいずれか1項の定義に従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を前記患者に投与することからなる方法。
  11. C3G(C3糸球体症)、IgAN(IgA腎症)並びにMN(膜性腎症)及びHUS(大腸菌(E.coli)誘発性溶血性尿毒症症候群)等の糸球体C3沈着の証拠を有する他の腎症から選択される疾患又は障害の処置における使用のための、治療有効量の請求項1〜5の定義に従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び1つ以上の薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
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