JP2020528110A - 羽口部の取出装置 - Google Patents

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Abstract

羽口部、特に羽口または羽口クーラーをシャフト炉から取り出すための取出装置であって、装置は、炉壁に対して装置を位置決めするように構成された位置決め要素を備えた支持枠を包含する。装置は、支持枠によって支持された運搬具も包含する。運搬具は炉壁に対して径方向に移動可能である。装置はさらに、運搬具に取り付けられた第1端部と、羽口部に接続するための第2端部を有する取出ロッドを包含し、取出ロッドの第1端部はストッパを包含する。装置は、取出ロッドのストッパに対し炉壁から離れる方向に作用する打撃システムを包含する。装置は、支持枠上のプリテンション機構を包含する。プリテンション機構は運搬具に炉壁から離れる方向において負荷を加えるように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、概して、高炉内のガス噴射システムの要素又は羽口部の除去装置に関する。本発明はとくに、高炉壁から羽口又は羽口クーラーを取り出すための取出装置に関する。
高炉の停止中に行われるメンテナンス作業は、一般的に羽口部の変更を包含する。羽口はガスが炉に吹き込まれるノズルを包含している。現代の高炉は、一般的に炉壁の全周に20以上のそのような羽口を包含している。羽口は通常冷却液のための回路を包含する羽口クーラーに挿入される。羽口と羽口クーラーは炉壁の開口部にしっかりと押し込まれる。
羽口胸部(breast)における状態が非常に過酷であるために、羽口および羽口クーラーはしばしばひどく損傷する可能性があり、交換が必要となることがある。羽口部はしばしば焼かれ又は変形し、炉の正常な機能を妨げることになる。また、それらの損傷は、炉外へのガスや水漏れを引き起こし、炉の周りの作業員の健康と安全に対するリスクを高めることになる。
羽口の寿命は数日から数ヶ月まで変動し、比較的短い時間間隔でメンテナンス作業が繰り返し必要となる。さらに、羽口部は約100kgから1000kgの重量の金属片であり、手動交換は複雑な作業になる。したがって、高炉における羽口部のより迅速かつ安全な交換のための解決策の開発が高炉自体の開発において重要である。
羽口部の除去を機械化し、簡素化するための解決策が開発されて来ている。それらのほとんどは、引っ張り機構又はハンマーのいずれかを包含している。当技術分野で知られている解決策の中で、DE1583205は、トロリーに調節可能な高さで設置された打撃ハンマー(percussion hammer)を含む装置を開示している。トロリーはボルトで炉壁に固定されている。ハンマーは羽口の先端部と係合するために把持する手段を備えている。ハンマーは、通常の振動電気ハンマーであってもよい。
別の解決策がEP0443126に開示されており、高炉へ羽口を取り付けたり解体したりする装置は、シャフトに接続された油圧ピストンを備える。シャフトは羽口に接続される操作要素(handling element)を備えている。ピストンは、炉に羽口を挿入するか、炉から羽口を除去するためにシャフトを2方向に動かすように構成されている。
また、WO2012177964もまた、高炉から羽口を除去する装置を開示している。装置は小型ショベル車両のブームによる運搬に適合している。装置は、車両のオペレータが作動するハンマーを包含している。ハンマーには羽口を引っ張るための部品の処理手段(handling means)も装備されている。
最後に、SU1289886A1は、高炉内の羽口ノズルを代える装置を開示している。装置は運搬具(carriage)と、古い羽口を除去し、新しいものを取り付けるために組み合わせた可動アームを包含している。装置は、羽口を保持するように構成された部材を包含している。羽口に部材を固定するために、技術者は専用の手動輪を回すことができる。部材は、さらに、羽口を除去するために作動させる振動ハンマーを包含している。
最先端の解決策はすべて同じ欠点を共有している。それらは、設定および設定解除に必要な多数の工程(ステップ)を備えた重たい据え付けシステムを含み、それによってメンテナンス作業が遅延する。それらはまた、機械の傍に居ざるを得ないオペレータによって操作される必要がある。オペレータは結果的に炉から放出され最終的には有毒になるガスに晒される。
また、羽口部を取り出す場合、羽口部とそのホルダーとの間の取付部分(fitting)は、炉内からの材料によって、または単に部品の状態が悪化したことで詰まることが多い。最先端の引き手の牽引力であっても、一般的にその円錐形の座部から羽口または羽口クーラーを取り出すのには十分ではない。500Jまでの打撃力を加える打撃ハンマーであっても、この問題を解決できない可能性がある。その結果、多くの場合、羽口部を健康と安全にとって危険な状態において手動で除去する必要がある。
したがって、高炉壁から羽口部を除去するための改良された解決策を提供することが望ましい。より詳細には、本発明の目的は、高い取出強度と使いやすさに優れた改良型取出装置を提供することである。
本発明は、シャフト炉から羽口部、とくに羽口または羽口クーラーを取り出すための取出装置を提供することにより、以上で論じた欠陥および欠点を克服する、その装置は、炉壁に対して装置を位置決めするように構成された位置決め要素を備えた支持枠を包含している。本発明は、羽口設備の詰まった部分を除去するために使用される場合にとくに有利である。また、装置は、支持枠によって支持された運搬具(carriage)も包含している。運搬具は炉壁に対して径方向に移動可能である。炉壁は一般に円形の壁であるため、運搬具は壁に垂直な方向に移動する。装置は、運搬具に取り付けられた取出ロッドの第1端部であってストッパを包含している第1端部と、羽口部に接続するための第2端部を有する取出ロッドを包含している。装置は、取出ロッドのストッパに対し炉壁から離れる方向に又は炉壁に対してその壁から離れる方向で径方向に作用する打撃システムをも包含している。打撃システムはストッパに鋭い打撃を与える。装置は支持枠上のプリテンション(予張力)機構を包含している。このプリテンション機構は、運搬具に炉壁から離れる方向において、負荷、即ち取出プロセス中に実質的に一定の負荷を加えるように構成されている。
プリテンション機構は運搬具を押して炉壁から離す。取出ロッドは運搬具に取り付けられているので、取出ロッドは押されて運搬具と一緒に炉壁から離れる。このプリテンション機構によって、取出ロッドに作用する力はさらに羽口部に伝達される。この力は、場合によっては、羽口部を壁から動かすのに十分であることもあるが、羽口部を炉壁から除去できない場合には、さらなる力を加えるために、打撃システムを使用しながら、プリテンション機構は実質的に一定のプリテンション力を維持することになる。
プリテンション機構と打撃システムは、オペレータが傍にいる必要のない自動機構である。
以下で詳細に説明するように、羽口部を除去するために、装置は、任意の適切な手段によって羽口の前面に最初に据え付けられ、伸長ロッドの第2端部が羽口部に接続され、次にプリテンション機構が作動して運搬具に実質的に一定の負荷を加える。プリテンション負荷が羽口を引っ張るのに十分でない場合は、打撃システムが作動してストッパに鋭い打撃を与える。羽口は鋭い打撃とプリテンション負荷を組み合わせた力によって除去される。
取出装置は、炉壁から羽口部を動かすために機械的な力を提供するように構成された2つの機構:プリテンション機構と打撃システムを提供するように構成されている。これら2つの機構によって得られる組み合わさった力は、従来技術の取出装置よりも大きな取出力を提供する。
本発明の利点は、取出装置が複雑な機械的要素を必要としないことである。取出装置のすべての要素は、ボルトやねじのような共通の機械的接続を介して一緒に接続することができる。したがって、取出装置は保守および修理が非常に容易である。本発明は、シャフト炉のメンテナンス時間とダウンタイム(休止時間)の短縮に資するものである。
さらに、異なる羽口部に対して装置を適応させるために、または取出力が多かれ少なかれ必要な場合に取出装置の性能を変更するために、各要素を素早く交換することができる。取出装置は羽口部の除去プロセスに柔軟性をもたらしている。
本発明による取出装置は、フォークリフトで動かしてもよいが、ハンドパレットトラックを用いて移動できるほどに軽量である。
有利にも、打撃システムは、取出ロッドのストッパに対して当接するように構成されたストライカー;ストライカーと運搬具の間に接続された少なくとも1つのスプリング;ローディング(負荷付与)機構及び解除機構を包含する。少なくとも1つのスプリングは、ストッパに対してストライカーをバイアス(偏倚)するように構成されている。ローディング機構は、スプリングのバイアスに抗してストライカーを動かすように構成されている。解除機構は、ストライカーとローディング機構を係合および係合解除するように構成されている。ローディング中は、解除機構はストライカーと係合され、スプリングにエネルギーを蓄積する。解除機構の作動時にストライカーはローディング機構から係合解除され、スプリングのエネルギーの蓄積が突然解放され、ストライカーは取出ロッドのストッパに向かって急速に動くことができる。ストライカーがストッパに当たると、取出ロッドに突然力が加わり、それが羽口部の取り出しを促進する。
打撃システムは、羽口部を除去するための鋭い打撃と羽口部に加えられる力の瞬間相のサージ(急増)(punctual surges)を提供する打撃によって作動する。その主な機能は、羽口部を動かすために振動効果を利用する典型的な振動ハンマーシステムとは異なっている。
それにもかかわらず、ローディングと解除機構は、ストライカーを取出ロッドのストッパに向かって投げつけるために交互に作動させることができる。これらの操作は、羽口部が炉壁から取出されるまで、必要に応じて何度も繰り返し行われる。スプリングの反力を利用した解除機構により高速加速と効率的な打撃効果が得られる。
ストライカーは取出ロッドの周囲に同軸状に配置したシリンダであり得る。このようなストッパは、例えば円形または矩形のベースを有することができる。しかし、他の形状も可能である。好ましくは、ストッパもまたシリンダである。これらの実施形態では、ストライカーはストッパに当たって、取出ロッドの端部に作用するバランスよく分布した力を提供する。取出ロッドは常に同じ直線方向に押し込まれ、それによって、制御されていない振動および取出装置への潜在的な損傷を制限する。これらの実施形態はまた、ロッドと羽口部との間の接続をより良く安定させるのに有利である。
ローディング機構は、有利にも、少なくとも1つのローディングアクチュエータを包含する。ローディングアクチュエータは、空気圧アクチュエータであってもよい。空気圧アクチュエータは、例えば油圧アクチュエータよりも安価で安全でメンテナンスが容易である。
好ましい実施形態において、解除機構はストライカーを係合または係合解除するように適合したフックを包含している。フックは、ロードディング機構をストライカーに迅速に接続し又は接続を断つための単純かつ信頼性の高い解決策である。修理も簡単である。
好ましくは、フックはストライカー上の径方向突起と係合する。この解決策はその機械的な単純さからここでも有利であり、迅速かつ容易なメンテナンスを提供する。
フックは、解除アクチュエータによって有利に作動する。解除アクチュエータは、空気圧アクチュエータであることが好ましい。空気圧アクチュエータは上述の利点を備えて十分に信頼できるものである。
好ましい実施形態において、プリテンション機構は、少なくとも1つのプリテンションアクチュエータを包含し、これは空気圧アクチュエータであってもよい。上述のように、空気圧アクチュエータには多くの利点がある。また、より高い機械的プリテンション(予張力)を与えるために複数のアクチュエータを使用することができる。
有利にも、取出ロッド上の打撃システムの衝撃力は1000Jと1500Jの間である。この衝撃力は、プリテンション機構と打撃システムに加えられる力の組み合わせから生じたものである。この衝撃力は、最先端の取出装置を用いて得られる力よりも優れ、羽口部が壁の内部で大幅に詰まっている場合でも、取出装置が羽口部を炉壁から取り出せるようにする。
取出装置は遠隔操作されてもよい。一度取出装置が炉壁に据え付けられると、オペレータが傍に居て行う必要がある行為は無くなる。これにより、羽口部の取出中のオペレータに対する健康および安全上のリスクは低減する。
実施形態では、取出ロッドの第2端部は、羽口部を係合するための係合ツール(係合具)を包含する。この係合ツールは交換可能なツールであってもよく、装置の適応性を向上させる。取出ツールは、羽口部の任意の表面または羽口部の設計時に特別に作成される補足的な部分に接続することができる。
また、本発明の別の目的は、羽口部、特に羽口または羽口クーラーをシャフト炉から取り出す方法を提供することである。この方法は、
上記のように取出装置を提供し;
炉壁に対して取出装置を位置決めし;
取出ロッドを羽口部に接続し;
羽口部に実質的に一定のプリテンション力を加えるために、プリテンション機構を作動し;
一定のプリテンション力を加えながら、ストッパに鋭い打撃を加えることによって、羽口部を除去するために打撃システムを作動する;
各工程を包含している。
この方法は、本発明の取出装置の全ての利点を保持する。羽口部の取り出しは迅速に行われ、取出装置の傍に居るオペレータの助けを必要としない。
実施形態では、この方法は、上述の、ストライカー;少なくとも1つのスプリング;ローディング機構;及び解除機構を包含する取出装置を用いて適用される。
これらの実施形態では、打撃システムを作動する工程は:
解除機構がストライカーをローディング機構に係合する、係合位置になるようにローディング機構を作動し;
ストライカーがローディング機構に係合する、閉止位置になるように解除機構を作動し;
ストライカーがストッパから離れる、解除位置になるようにローディング機構を作動し、
ストライカーがローディング機構から係合解除する、開放位置になるように解除機構を作動する;
各工程を包含している。
打撃システムを作動する工程は、必要に応じて、羽口部が炉壁から取り外され除去されるまで数回繰り返されてもよい。
本発明のさらなる細部および利点は、添付図面を参照して実施形態に限定するものではない以下の詳細な説明から明らかとなる。
本発明に係る取出装置の実施形態の斜視図である。 第1操作工程における図1の取出装置の断面で示す側面図である。 第1操作工程における図1の取出装置の断面で示す上面図である。 第2操作工程における図1の取出装置の断面で示す上面図である。 第3の操作工程における図1の取出装置の断面で示す上面図である。 第4の操作工程における図1の取出装置の断面で示す上面図である。
本発明の好ましい実施形態に係る取出装置10は図1〜3に示されている。高炉では、多くの羽口12は、一般的に炉に熱いガスを供給するために炉壁14の内側に配置されている。羽口12を除去するためには、まず、図示しない羽口12に接続する配管部分を除去する必要がある。これらの作業は本発明の内容の一部ではない。ここでは、羽口が既にアクセス可能であり、他の配管部分が前以て除去されているものと看做す。
取出装置10自体は、図1〜3を同時に参照して説明する。その後、使用中の取出装置10の作業工程を示すために図3〜6を用いる。
羽口12は炉壁14に配置され、通常は羽口クーラー16内に配置されている。羽口12と羽口クーラー16の両方が炉の内部の方向に狭く円錐形の座部にしっかりとくさび止めされている。
作業時には、取出装置10は、除去すべき羽口12にアクセスするために、炉壁14の外面17に対して位置決めされる。本説明は簡潔化のため羽口12の除去に限定しているが、取出装置が、一般に別の工程である羽口クーラー16を炉壁14から除去するのに同様に適合していることに留意されたい。
取出装置10は、炉壁14の外面17に接触するための位置決め要素20を備えた支持枠18を包含する。
取出装置10はまた、支持枠18によって支持された運搬具22を包含する。この運搬具22は、炉壁14に対して径方向に移動可能である。運搬具は、支持枠18上を転動するため図示しない車輪を含んでいてもよい。あるいは、運搬具22は、支持枠18上に滑動可能に配置されていてもよい。
取出装置10は、運搬具22に取り付けられた第1端部26と、羽口12に接続するために構成された第2端部28を有する取出ロッド24を包含している。取出ロッド24の第1端部26は、ストッパ30を包含し、一方、取出ロッド24の第2端部28は、除去すべき羽口12を把持する係合ツール32を包含している。
取出装置10は、さらに取出ロッド24のストッパ30上で、炉壁14から離れる方向に作用する打撃システム34を包含している。
最後に、取出装置10は、支持枠18上のプリテンション機構36を包含している。このプリテンション機構36は、運搬具22に炉壁14から離れる方向の機械的負荷を加えるよう設定されている。
支持枠18は、装置10の他の要素を支持するように適合された金属ケースであってもよい。支持枠18は、炉壁14の方向に向いた垂直前面38、それに接続された位置決め要素20を有する前面38、および運搬具22を搬送する上面44と包含している。
支持枠18の上面44は、運搬具22が移動可能に配置された本質的に水平な平面を包含している。運搬具22は、支持枠18の上面44に配置されたレール(図示せず)と係合する車輪(図示せず)を含んでもよい。
位置決め要素20は、支持枠18の前面38に固定され、炉壁14に接触するように適合した3本の金属足(feet)54を備える。図示した実施形態では、装置10が炉壁14上に位置決めされると、金属足54のうちの2本は装置10の両側と同じ水平面上にあり、かつ第3の足が他方の足の下側になってT字構成を形成する。位置決め要素20は動作中の装置10の回転または直線移動を阻止する。金属足の他の構成を想定することができる。実際、3本の金属足は等距離に配置されてもよい。3本以上の足を備えてもよい。
位置決め要素20は、例えばネジまたは同様の手段により、前面38に除去できるように固定されることが好ましい。位置決め要素20を、その後、別の炉壁の構成に適応するように交換して、装置をカスタマイズすることができる。
図示した実施形態において、プリテンション機構36は、2つのプリテンションアクチュエータ58を包含する。プリテンションアクチュエータ58は、プリテンションアクチュエータ58が伸長することで運搬具22を炉壁14から押し出すようにした、支持枠18と運搬具22の間に固定された2つの空気圧ピストンである。逆に、プリテンションアクチュエータ58を引き込むことで、運搬具22は炉壁14の方向に引き付けられる。
プリテンションアクチュエータ58と支持枠18との間の接続と、プリテンションアクチュエータ58と運搬具22との間の接続は、任意の適切な手段によって形成され得る。
好ましい実施形態では、プリテンションアクチュエータ58は、運搬具に1.2と2.0の間の機械的押込み負荷を加えるように寸法が決められている。
運搬具22はそれに接続された取出ロッド24の第1端部26を有している。したがって、プリテンションアクチュエータ58が運搬具22に対して炉壁14から離れる方向に力を加えるとき、羽口12に対してその第2端部で接続した取出ロッド24にも同じ力が加えられる。その結果、運搬具22に加えられる力もまた、取出ロッド24を介して羽口12に伝達される。
取出ロッド24は、例えばネジを用いて運搬具22に除去可能に接続され、それによって取出ロッド24を交換可能にしている。代替的には、取出ロッド24は、運搬具22に接続された第1ロッド部62と、コネクタ部64を介して第1ロッド部62に除去可能に接続された第2ロッド部63を包含してもよい。このようにして、第2ロッド部63は交換可能である。コネクタ部64は、例えばネジ止めまたは差し込み止め(bayonet fit)を用いて第2ロッド部63を第1ロッド部62に接続することができる。このようなコネクタ部64は、第2ロッド部63を迅速に交換することを可能にする。このことは、第2ロッド部63または係合ツール32が損傷した場合に重要である。例えば羽口クーラー16のような異なる羽口部を除去するためにより良好に適合する、別の係合ツールを有する第2ロッド部63に置き換えることが可能である。
以上で説明したように、取出ロッド24の第2端部28は、複数の係合アーム65を備えた係合ツール32を包含する。この係合アーム65は、羽口12の予備アームレシーバ(受容部)67に挿入されるように設計されている。このようにして、取出ロッド24の炉壁14から離れる方向への動きで羽口12の同じ方向への動きが生じる。
運搬具22はさらに、取出ロッド24のストッパ30に対して当接するように構成されたストライカー70を包含する打撃システム34を搬送する。打撃システム34は、ストッパ30から好ましくは少なくとも2つのスプリング80のバイアスに抗してストライカー70を動かすように構成されたローディング機構82を包含する。
この効果を得るため、ローディング機構82は、2つのローディングアクチュエータ84を包含する。ローディングアクチュエータ84は空気圧ピストンであってもよい。油圧ピストンまたは他のアクチュエータも使用することができる。
ローディングアクチュエータ84は、運搬具22及び共通のローディング棒86間に作動的に接続されている。
好ましい実施形態においては、ローディングアクチュエータ84は、ローディング棒86に2.0と3.5間の押し込み負荷を加える寸法にされている。
ストライカー70は、好ましくは取出ロッド24の周囲に同軸状に配置された打撃シリンダによって形成される。ストライカー70は、取出ロッド24に沿って移動するように構成されている。ストライカー70は、例えば40〜50kgの重量である。
2つのスプリング80がストライカー70と運搬具22の間に取り付けられている。スプリング80は、強力なヘリカルスプリング(コイルばね)であることが好ましい。スプリング80は、ストッパ30に対してストライカー70をバイアス(偏倚)するように構成されている。
好ましい実施形態においては、スプリングは、ストライカーに押し込む2.0と3.5間の機械的負荷を加える寸法にされている。
打撃システム34は、さらに、ストライカー70をローディング機構82に係合しかつ係合を解除するよう構成された解除機構92を包含している。
この解除機構92は、ローディング機構82のローディング棒86に搭載され、フック94と解除アクチュエータ96を包含している。フック94は、ストライカー70上の径方向突起100と係合又は係合解除するのに適合している。ストライカー70がフック94に対して取出ロッド24に沿って移動するのを阻止するため、フック94は突起100と係合する形状を備え、ローディング棒86の一側部のところで突出している。フック94は解除アクチュエータ96に接続され、ローディング棒86の他側でも突出している。
解除アクチュエータ96は、空気圧アクチュエータ、より具体的には空気圧ピストンであってもよい。
解除アクチュエータ96はフック94を接続しており、それにより、ピストン96の移動運動でフック96をレバーのように回転し、ストライカー70との係合又は係合解除を行う。
以下の説明では、取出装置10の機能について図3〜図6に関して説明する。
羽口クーラー16から羽口12を除去するために、取出装置10は、まず羽口12の前面に運び込まれる。取出装置10は、推定総重量約1300kgを有し、炉周囲で容易に操作できるようにフォークリフトまたはハンドパレットトラックで搬送される。一度取出装置10が円錐座部の前に至ると、取出ロッド24が炉壁14に挿入される。その工程中、ピストン58のプリテンション機構36は退却位置にある。
係合ツール32の係合アーム65は、羽口12のそれぞれのアームレシーバ67と接続されている。係合ツールを羽口に接続する工程は、係合ツール32の構成に応じて、より多く中間的な操作体(manoeuvers)を包含してもよい。
図3は第1操作工程における取出装置10を示し、ここでは、プリテンション機構36のピストン58は伸長位置にあり、取出ロッド24が羽口12に係合した状態で、位置決め要素20の3本の足54は炉壁14に対抗している。取出装置10の制御は、前述した空気圧アクチュエータを操作することによって行われる。取出装置10は、遠隔操作を行うためのコントローラを包含でき、かつ、取出装置10の周りにオペレータが必要とされず、人の健康と安全に対するリスクを低減することができる。
次に、プリテンションアクチュエータ58によって、実質的に一定のプリテンション力を加えて、運搬具22を炉壁14から離れるように押す。図3は、運搬具22、羽口12に作用するプリテンション力、および炉壁14に対する金属足54の反力を表す矢印PLを示す。我々は、2つのプリテンションアクチュエータ58が羽口12に対して1.2−2.0の合計力を適用して同時に作動することを確認している。
図中、力を表す全ての矢印は、取出装置10の機能の理解を深めるために単に模式的に表したものである。
得られたプリテンション力PLは、炉壁から羽口12を除去するのに十分な場合がある。しかしながら、図示したように、羽口の状態と炉内の過酷な条件のために、羽口12と羽口クーラー16の間の取付部分(fitting)がしばしば詰まっており、プリテンション機構で加える力だけでは羽口12を取り出すのに十分ではないことが経験上分かっている。
図4〜図6に示す以下の工程では、打撃システム34が作動する。連続した取出工程中において、プリテンション機構は運搬具に負荷PLを加え続ける。この工程の開始時には、ローディング機構82は係合位置にある。
図4に示すように、まず、ローディング機構82が作動する。打撃システム34は、閉止位置にある解除機構92で作動し、ここでは、フック94はストライカー70の径方向突起100に係合している。
このローディング機構82は、ローディングアクチュエータ84を伸長し、それによってローディング棒86を押してストッパ30から遠ざけるよう制御される。ローディング力は矢印Lで表されている。解除機構92が閉止位置にあるときは、ストライカー70は、スプリング80のバイアスに抗してストッパ30から離れるように駆動される。ここでも、2つのローディングアクチュエータ84は同時に動作する。
ローディング機構82が、例えばローディングアクチュエータ84の最大伸長または機械的ストッパによるスプリング80の最大許容圧縮によって規定されるその解除位置に一度達すると、ローディング機構82の動作が停止する。
解除機構92は、ここでストライカー70の径方向突起100から係合解除するように、フック94を開放位置に動かす解除アクチュエータ96を作動することによって動作する。フック94は径方向突起100から係合解除され、解除機構92とストライカー70との間の接続を解除する。スプリング80は、静止位置に戻ることができ、それによって、図5に示すように、ストライカー70をストッパ30に向けて押し込む。
ストライカー70が図6に示すように鋭い打撃でストッパ30に当たると、打撃力Pがストッパ30から取出ロッド24に、そして係合ツール32を介して羽口12に伝達される。鋭い打撃は、図6の矢印PL+Pで表され、プリテンション力と打撃力の組み合わせによって羽口12に加えられる引張力を急激かつ瞬時に増大させる。
得られた組み合わせ力PL+Pにより、羽口12に取出装置10の方向における小さな動きが生まれる。プリテンション力(pretensioning force)PLはプリテンションピストン58によって連続的に加えられるため、羽口12が羽口クーラー16から解除されたときは、プリテンションピストン58は運搬具22を炉壁14から離れるように移動し続け、このようにして羽口12を取り出す。羽口12が羽口クーラー16にくさび止めされたままになっている場合、打撃システム34を再び作動する。
打撃システム34を再び作動させるために、ローディング機構82のローディングアクチュエータ84を係合位置に後退させ、フック94をストライカー70の径方向突起100に接近させる。解除アクチュエータ96は、フック94を以上のように反対方向に回転して閉止位置にする。フック94はこのようにストライカー70の径方向突起100と係合する。装置10は、今や図3に示すものと同様の構成になっている。
打撃システム34を作動する工程は、羽口12が羽口クーラー16から完全に取出されるまで必要に応じて何度でも繰り返されてもよい。繰返し打撃により、ストライカー70の連続した解除の後に加えられる振動効果も生まれる。
例えば打撃の周波数は、4bar(g)の動作ピストン圧力で毎分約8安打、6bar(g)で毎分12安打である。
プリテンション機構58と打撃システム34の組み合わせを用いることで、取出装置10は、羽口または羽口クーラーに対して、現在当分野で知られている解決策よりも大きな取出力を得ることができる。
10 取出装置
12 羽口
14 炉壁
16 羽口クーラー
17 外面
18 支持枠
20 位置決め要素
22 運搬具
24 取出ロッド
26 第1端部
28 第2端部
30 ストッパ
32 係合ツール
34 打撃システム
36 プリテンション機構
38 前面
44 上面
54 金属足
58 プリテンションアクチュエータ
62 第1ロッド部
63 第2ロッド部
64 接続部
65 係合アーム
67 アーム受容部
70 ストライカー
80 スプリング
82 ローディング機構
84 ローディングアクチュエータ
86 ローディング棒
92 解除機構
94 フック
96 解除アクチュエータ
100 径方向突起
PL プリテンション力
L ローディング力
P 打撃力

Claims (15)

  1. 取出装置を炉壁に対して位置決めするように構成された位置決め要素を備えた支持枠;
    支持枠によって支持された運搬具であって、炉壁に対して径方向に移動可能である運搬具;
    運搬具に取り付けられた取出ロッドの第1端部であって、ストッパを包含している第1端部と、羽口部に接続するための第2端部を有する取出ロッド、;及び
    鋭い打撃を与えるために、取出ロッドのストッパに対し炉壁から離れる方向に作用する打撃システム、
    支持枠上のプリテンション機構であって、運搬具に炉壁から離れる方向において実質的に一定の負荷を加えるよう構成されたプリテンション機構を包含する、シャフト炉から羽口部、特に羽口または羽口クーラーを取り出すための取出装置。
  2. 打撃システムが運搬具に取り付けられている請求項1に記載された取出装置。
  3. 打撃システムが:
    取出ロッドのストッパに対して当接するように構成されたストライカー;
    ストライカーと運搬具の間に接続された少なくとも1つのスプリングであって、ストッパに対してストライカーをバイアスするように構成されている少なくとも1つのスプリング;
    スプリングのバイアスに抗してストライカーを動かすように構成されたローディング機構;及び
    ストライカーをローディング機構に係合および係合解除するように構成された解除機構;
    を包含する請求項1または2に記載された取出装置。
  4. ストライカーが取出ロッドの周囲に同軸状に配置したシリンダである請求項3に記載された取出装置。
  5. ローディング機構が少なくとも1つのローディングアクチュエータを包含し、ローディングアクチュエータが好ましくは空気圧アクチュエータである、請求項3または4に記載された取出装置。
  6. 解除機構がストライカーを係合または係合解除するように適合したフックを包含する請求項3乃至5のいずれか1項に記載された取出装置。
  7. フックがストライカー上の径方向突起と係合する請求項6に記載された取出装置。
  8. フックが解除アクチュエータによって作動し、解除アクチュエータが好ましくは空気圧アクチュエータである請求項6または7に記載された取出装置。
  9. プリテンション機構が少なくとも1つのプリテンションアクチュエータを包含し、プリテンションアクチュエータが好ましくは空気圧アクチュエータである請求項1乃至8のいずれかに記載された取出装置。
  10. 取出ロッド上の打撃システムの衝撃力が1000Jと1500Jの間である請求項1乃至9のいずれか1項に記載された取出装置。
  11. 取出装置を遠隔操作するためのコントローラを包含する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された取出装置。
  12. 取出ロッドの第2端部が羽口部を係合するための係合ツールを包含する請求項1乃至11のいずれか1項に記載された取出装置。
  13. 羽口部、特に羽口または羽口クーラーをシャフト炉から取り出す方法は、以下の工程を含む方法である。
    請求項1乃至12のいずれか1項に記載された取出装置を提供し;
    炉壁に対して取出装置を位置決めし;
    取出ロッドを羽口部に接続し;
    羽口部に実質的に一定のプリテンション力を加えるために、プリテンション機構を作動し;
    一定のプリテンション力を加えながら、ストッパに鋭い打撃を加えることによって、羽口部を除去するために打撃システムを作動する、
    各工程を包含する、羽口部、特に羽口又は羽口クーラーをシャフト炉から取り出すための方法。
  14. 打撃システムを作動する工程が、
    解除機構がストライカーをローディング機構に係合する、係合位置になるようにローディング機構を作動し、
    ストライカーがローディング機構に係合する、閉止位置になるように解除機構を作動し;
    ストライカーがストッパから離れる、解除位置になるようにローディング機構を作動し;
    ストライカーがローディング機構から係合解除する、開放位置になるように解除機構を作動する、
    各工程を包含する請求項13に記載された方法。
  15. 打撃システムを作動する工程を繰り返し行う請求項13または14に記載された方法。
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