JP2020526478A6 - 抗CD47x抗メソテリン抗体およびそれを使用する方法 - Google Patents

抗CD47x抗メソテリン抗体およびそれを使用する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、免疫グロブリン分子の各結合部位について異なる特異性を有する新規な二重特異性抗体にも関連し、ここで結合部位の1つはCD47に対して特異的であり、かつ2つ目はメソテリン(MSLN)に対して特異的である。

Description

関連出願
この出願は、2017年5月26日に出願された米国特許仮出願第62/511,669号、および2017年8月25日に出願された米国特許仮出願第62/550,387号の恩典を主張する。これらの出願のそれぞれの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
参照による配列表の組み入れ
2018年5月22日に作成され、かつ268 KBのサイズである、「NOVI-044_001US_SequenceListing_ST25」との名前のファイルの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の背景
CD47、すなわちインテグリン関連タンパク質(IAP)は、細胞−細胞間のコミュニケーションにおいて複数の機能を有する、50 kDaの遍在性の膜貫通糖タンパク質である。それは、インテグリン、SIRPα(シグナル制御タンパク質アルファ(Signal Regulatory Protein alpha))、SIRPγ、およびトロンボスポンジンなどの複数のリガンドと相互作用する(Oldenborg, P.A., CD47: A Cell Surface Glycoprotein Which Regulates Multiple Functions of Hematopoietic Cells in Health and Disease, ISRN Hematol. 2013; 2013:614619(非特許文献1); Soto-Pantoja DR, et al., Therapeutic opportunities for targeting the ubiquitous cell surface receptor CD47 (2012), Expert Opin Ther Targets. 2013 Jan;17(1):89-103(非特許文献2); Sick E, et al., CD47 Update: a multifaced actor in the tumor microenvironment of potential therapeutic interest, Br J Pharmacol. 2012 Dec;167(7):1415-30(非特許文献3))。
健康な組織でのCD47の広範囲な発現は、治療の安全性および有効性の問題を提起する:第一に、中和モノクローナル抗体(Mab)でのCD47のターゲティングは、健康な細胞に影響を及ぼし得、マウスおよびカニクイザルを用いた前臨床研究に示されるように、結果的に重大な毒性を生じ得る(Willingham SB, et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Apr 24;109(17):6662-7(非特許文献4); Weiskopf K, et al., Engineered SIRPα Variants as Immunotherapeutic Adjuvants to Anticancer Antibodies, Science. 2013 Jul 5;341(6141):88-91(非特許文献5))。第二に、もしも重大な毒性が、代替のフォーマットを用いることによって回避または軽減され得るとしても(Weiskopf K, et al., Science. 2013 Jul 5;341(6141):88-91(非特許文献5))、CD47の幅広い発現は、依然として、標的媒介性薬物消失(target-mediated drug disposition)を介して、CD47結合分子の急速な排除を引き起こし得、結果的に、不十分な薬物動態および低下した有効性をもたらし得る。
したがって、CD47のターゲティングを可能にし、かつこれらの障害を克服する抗体および治療法が必要とされている。
Oldenborg, P.A., CD47: A Cell Surface Glycoprotein Which Regulates Multiple Functions of Hematopoietic Cells in Health and Disease, ISRN Hematol. 2013; 2013:614619 Soto-Pantoja DR, et al., Therapeutic opportunities for targeting the ubiquitous cell surface receptor CD47 (2012), Expert Opin Ther Targets. 2013 Jan;17(1):89-103 Sick E, et al., CD47 Update: a multifaced actor in the tumor microenvironment of potential therapeutic interest, Br J Pharmacol. 2012 Dec;167(7):1415-30 Willingham SB, et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Apr 24;109(17):6662-7 Weiskopf K, et al., Engineered SIRPα Variants as Immunotherapeutic Adjuvants to Anticancer Antibodies, Science. 2013 Jul 5;341(6141):88-91
本発明はまた、CD47およびメソテリンを認識する二重特異性抗体を提供する。CD47(分化のクラスター(Cluster of Differentiation)47)は、食細胞に対する「私を食べないで(don't eat me)」シグナルとして機能し、かつ多くの腫瘍によって高発現されることが知られている(免疫回避)。CD47は、食細胞上に発現されるSIRPαと相互作用する。CD47は、食作用活性を下方制御する。CD47は、樹状細胞(DC)の成熟および活性化を阻害する。CD47はまた、例えば、アポトーシス、生存、増殖、接着、遊走や、血管新生、血圧、組織の灌流、および/または血小板の恒常性の制御などのプロセスに関係している。
CD47はまた、がんにも関係している。例えば、CD47は、様々な血液学的なおよび固形の悪性腫瘍において高発現される。CD47は、立証された、がん幹細胞/腫瘍開始細胞(tumor initiating cell)のマーカーである。CD47の高発現は、免疫監視および自然免疫細胞による死滅を腫瘍細胞が回避するのを、促進し得ると考えられる。高レベルのCD47はまた、例えば、白血病、リンパ腫、乳がん、結腸がん、卵巣がん、膀胱がん、前立腺がん、および/または神経膠腫などのがんにおける臨床転帰不良に関連する。したがって、CD47のターゲティングは、がんを治療する、がんの進行を遅延させる、またはさもなければがんの症状を改善するために有用であり得る。
メソテリン(MSLN)は、正常な組織においては比較的低いレベルで発現される。正常な組織とは対照的に、メソテリンは、子宮内膜がん、胆汁性胃がん(biliary gastric cancer)、および前立腺がんとともに、悪性中皮腫、卵巣がん、膵腺がん、肺腺がんなどの、いくつかの種類の固形腫瘍において高度に発現される。腫瘍でのメソテリンの発現は、腫瘍の増加した悪性度および臨床転帰不良と、しばしば相関している。したがって、メソテリンのターゲティングは、がんを治療する、がんの進行を遅延させる、またはさもなければがんの症状を改善するために有用であり得る。
本開示は、CD47に対して特異的な第一のアームを少なくとも含む二重特異性抗体をも提供する。ある態様において、第一のアームは、少なくともヒトCD47に対して特異的である。ある態様において、第一のアームは、ヒトCD47を認識し、かつ、非限定的な例として、非ヒト霊長類CD47、例えばカニクイザルCD47、および/または齧歯類CD47のような、少なくとも1種類の他の非ヒトCD47タンパク質に対して、交差反応性でもある。ある態様において、これらの抗CD47モノクローナル抗体は、CD47とシグナル制御タンパク質アルファ(SIRPα)との相互作用を阻害する。ある態様において、これらの二重特異性抗体は、ヒトCD47とヒトSIRPαとの相互作用を阻害する。本発明はまた、本明細書において開示される二重特異性抗体と同じエピトープに結合し、かつCD47とSIRPαとの、例えばヒトCD47とヒトSIRPαとの相互作用を阻害する抗体をも含む。
本開示はまた、CD47および第二の標的を認識する二重特異性抗体を提供する。標準的な抗体と配列が識別不能であり、一方の結合部位がCD47に対して特異的であってかつ第二の結合部位が別の標的、例えば腫瘍関連抗原(TAA)に対して特異的であるような二重特異性抗体の、同定、作製、および精製が、本開示によって可能になる。ある態様において、TAAはがん細胞の細胞表面上に発現される抗原である。ある態様において、がん細胞は、肺がん細胞、気管支がん細胞、前立腺がん細胞、乳がん細胞、大腸がん細胞、膵臓がん細胞、卵巣がん細胞、白血病がん細胞、リンパ腫がん細胞、食道がん細胞、肝臓がん細胞、泌尿器がんおよび/もしくは膀胱がん細胞、腎臓がん細胞、口腔がん細胞、咽頭がん細胞、子宮がん細胞、ならびに/またはメラノーマがん細胞から選択される。
少なくともCD47およびその断片に結合する本発明の二重特異性抗体は、CD47の機能活性を調節する、ブロックする、阻害する、低減する、アンタゴナイズする、中和する、またはさもなければ妨げる役割を担う。CD47の機能活性は、非限定的な例として、SIRPαとの相互作用を含む。本明細書に記載される抗体との結合の非存在下でのCD47−SIRPα相互作用のレベルと比較して、該抗体の存在下でのCD47−SIRPα相互作用のレベルが少なくとも95%、例えば96%、97%、98%、99%、または100%低下する場合に、該抗体は、CD47−SIRPα相互作用を完全に調節する、ブロックする、阻害する、低減する、アンタゴナイズする、中和する、またはさもなければ妨げるとみなされる。本明細書に記載される抗体との結合の非存在下でのCD47−SIRPα相互作用のレベルと比較して、該抗体の存在下でのCD47-SIRPα相互作用のレベルが95%未満、例えば10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、75%、80%、85%、または90%低下する場合に、該抗体は、CD47−SIRPα相互作用を部分的に調節する、ブロックする、阻害する、低減する、アンタゴナイズする、中和する、またはさもなければ妨げるとみなされる。
ある態様において、二重特異性抗体は、2つの標的の各々に対して「バランスの取れた」親和性を示す。他の態様において、二重特異性抗体は、2つの標的の各々に対して「アンバランスな」親和性を示す。例えば、抗CD47/MSLN二重特異性抗体において、抗MSLNアームの親和性は増加している。例えば、抗CD47/MSLN二重特異性抗体において、抗CD47アームの親和性は低下している。例えば、抗CD47/MSLN二重特異性抗体において、抗MSLNアームの親和性は増加しており、かつ抗CD47アームの親和性は低下している。これらのアンバランスな親和性の二重特異性抗体は、例えば、標的細胞または標的細胞の群に対する選択性を改善するために有用である。
ある態様において、抗MSLNアームの親和性は、親和性成熟の後で少なくとも100倍増加する。ある態様において、抗CD47アームの親和性は、親和性脱成熟(affinity dematuration)の後で少なくとも2倍低下する。例えば、ある態様において、抗CD47アームは、親和性脱成熟の後で約2倍〜100倍低い、CD47に対する親和性を示す。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225の可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 226の可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 227の可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 228〜241および262〜272から選択される可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 242〜245および273〜280から選択される可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 246〜261および281から選択される可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)アミノ酸配列を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114の可変重鎖アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、および206から選択される可変軽鎖アミノ酸配列を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2の重鎖アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110からなる群より選択される軽鎖アミノ酸配列を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114の可変重鎖アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 212、214、216、218、220、222、および224からなる群より選択される可変軽鎖アミノ酸配列を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225の可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 226の可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 227の可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 282〜287から選択される可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 288〜293から選択される可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)アミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 294〜300からなる群より選択される可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)アミノ酸配列を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 294のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 283のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 289のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 295のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 284のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 290のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 296のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 285のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 291のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 297のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 286のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 292のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 298のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 287のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 293のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 299のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 300のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、ならびにSEQ ID NO: 212、214、216、218、220、222、および224からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 212のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 214のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 216のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 218のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 220のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 222のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 224のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、ならびにSEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 98のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 100のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 102のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 104のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 106のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 108のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 110のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 282〜287から選択される可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 288〜293から選択される可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)アミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 294〜300からなる群より選択される可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)アミノ酸配列を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 294のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 283のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 289のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 295のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 284のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 290のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 296のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 285のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 291のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 297のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 286のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 292のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 298のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 287のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 293のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 299のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3、SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 300のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、ならびにSEQ ID NO: 212、214、216、218、220、222、および224からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 212のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 214のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 216のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 218のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 220のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 222のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 224のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、ならびにSEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 98のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 100のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 102のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 104のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 106のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 108のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、第一のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、かつ第二のアームのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 110のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、二重特異性抗体は、単一の重鎖ポリペプチドの2つのコピーならびに第一の軽鎖および第二の軽鎖を含み、ここで第一の軽鎖と第二の軽鎖とは異なる。
ある態様において、第一の軽鎖の少なくとも一部分はκ型であり、かつ第二の軽鎖の少なくとも一部分はλ型である。ある態様において、第一の軽鎖は少なくともκ定常領域を含む。ある態様において、第一の軽鎖は、κ可変領域をさらに含む。ある態様において、第一の軽鎖は、λ可変領域をさらに含む。ある態様において、第二の軽鎖は、少なくともλ定常領域を含む。ある態様において、第二の軽鎖は、λ可変領域をさらに含む。ある態様において、第二の軽鎖は、κ可変領域をさらに含む。ある態様において、第一の軽鎖は、κ定常領域、およびκ可変領域を含み、かつここで第二の軽鎖は、λ定常領域およびλ可変領域を含む。
ある態様において、定常領域および可変フレームワーク領域の配列は、ヒト型である。
本発明の二重特異性抗体は、非限定的な例として架橋断片、クアドローマ、および/または非限定的な例として連結型抗体断片、強制ヘテロ二量体のような様々な組換えフォーマット、および/またはシングルドメインに基づく組換えフォーマットの任意のものの使用のような、当技術分野において公知の任意の方法を用いて作製される。二重特異性フォーマットの例は、限定するものではないが、Fabアーム交換に基づく二重特異性IgG(Gramer et al., 2013 MAbs. 5(6));CrossMabフォーマット(Klein C et al., 2012 MAbs 4(6));SEED技術(Davis JH et al., 2010 Protein Eng Des Sel. 23(4):195-202)、エレクトロスタティック・ステアリング(electrostatic steering)(Gunasekaran K et al., J Biol Chem. 2010 285(25):19637-46.)、もしくはノブ・イントゥ・ホール(knob-into-hole)(Ridgway JB et al., Protein Eng. 1996 9(7):617-21.)、またはホモ二量体形成を妨げる他の変異のセット(Von Kreudenstein TS et al., 2013 MAbs. 5(5):646-54.)のような、強制ヘテロ二量体化アプローチに基づく複数のフォーマット;タンデムscFv(BiTEなど)のような、断片に基づく二重特異性フォーマット(Wolf E et al., 2005 Drug Discov. Today 10(18):1237-44.);二重特異性四価抗体(Portner LM et al., 2012 Cancer Immunol Immunother. 61(10):1869-75.);二重親和性再ターゲティング分子(Moore PA et al., 2011 Blood.117(17):4542-51)、ダイアボディ(Kontermann RE et al., Nat Biotechnol. 1997 15(7):629-31)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体は、組み合わされる各部位において異なる特異性を有しており、かつ単一の重鎖ポリペプチドの2つのコピーならびに第一の軽鎖および第二の軽鎖を含んでおり、ここで第一の軽鎖と第二の軽鎖とは異なる。ある態様において、第一の軽鎖の少なくとも第一の部分はκ型であり、かつ第二の軽鎖の少なくとも一部分はλ型である。ある態様において、第一の軽鎖は、少なくともκ定常領域を含む。ある態様において、第一の軽鎖は、κ可変領域をさらに含む。ある態様において、第一の軽鎖は、λ可変領域をさらに含む。ある態様において、第二の軽鎖は、少なくともλ定常領域を含む。ある態様において、第二の軽鎖は、λ可変領域をさらに含む。ある態様において、第二の軽鎖は、κ可変領域をさらに含む。ある態様において、第一の軽鎖は、κ定常領域、およびκ可変領域を含み、かつ第二の軽鎖は、λ定常領域およびλ可変領域を含む。ある態様において、定常領域および可変フレームワーク領域の配列は、ヒト型である。
本発明は、MSLNに結合するモノクローナル抗体を提供する。本明細書においてこれらの抗体は、まとめて抗MSLNモノクローナル抗体または抗MSLN mAbと呼ばれる。好ましくは、モノクローナル抗体は、少なくともヒトMSLNに対して特異的である。ある態様において、ヒトMSLNを認識するモノクローナル抗体は、非限定的な例として、非ヒト霊長類MSLN、例えばカニクイザルMSLN、および/または齧歯類MSLNのような、少なくとも1種類の他の非ヒトMSLNタンパク質に対して、交差反応性でもある。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 225の可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 226の可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 227の可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 282〜287から選択される可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 288〜293から選択される可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)アミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 294〜300からなる群より選択される可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)アミノ酸配列を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 294のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 283のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 289のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 295のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 284のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 290のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 296のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 285のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 291のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 297のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 286のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 292のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 298のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 287のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 293のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 299のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含む可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、およびSEQ ID NO: 300のアミノ酸配列を含む可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、ならびにSEQ ID NO: 212、214、216、218、220、222、および224からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 212のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 214のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 216のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 218のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 220のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 222のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 224のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、ならびにSEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 98のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 100のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 102のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 104のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 106のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 108のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 110のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一である可変重鎖アミノ酸配列を含む。ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110から選択されるアミノ酸配列の可変軽鎖部分に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一である可変軽鎖アミノ酸配列を含む。ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一である可変重鎖アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 212、214、216、218、220、222、および224から選択される可変軽鎖アミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一である可変軽鎖アミノ酸配列を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一である重鎖アミノ酸配列を含む。ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一である軽鎖アミノ酸配列を含む。ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一である重鎖アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一である軽鎖アミノ酸配列を含む。
ある態様において、抗MSLNモノクローナル抗体は、SEQ ID NO: 2の重鎖アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110から選択される軽鎖アミノ酸配列を含む。
本発明は、MSLNに結合する一価抗体も提供する。本明細書においてこれらの抗体は、まとめて抗MSLN一価抗体または抗MSLN monov mAbと呼ばれる。本発明の一価抗体は、MSLNを特異的に認識する1つのアームと、本明細書においてはダミーアームと呼ばれる第二のアームとを含む。ダミーアームは、ヒトタンパク質と結合しない、またはさもなければそれと交差反応しないアミノ酸配列を含む。ある態様において、ダミーアームは、全血中において認められるヒトタンパク質と結合しない、またはさもなければそれと交差反応しないアミノ酸配列を含む。ある態様において、ダミーアームは、固形組織において認められるヒトタンパク質と結合しない、またはさもなければそれと交差反応しないアミノ酸配列を含む。好ましくは、一価抗体は少なくともヒトMSLNに対して特異的である。ある態様において、ヒトMSLNを認識する一価抗体は、非限定的な例として、非ヒト霊長類MSLN、例えばカニクイザルMSLN、および/または齧歯類MSLNのような少なくとも1種類の他の非ヒトMSLNタンパク質に対して、交差反応性でもある。
本発明はまた、MSLNおよび第二の標的を認識する二重特異性抗体を提供する。
MSLNおよび第二の標的を認識する本発明の二重特異性抗体は、非限定的な例として架橋断片、クアドローマ、および/または非限定的な例として連結型抗体断片、強制ヘテロ二量体のような様々な組換えフォーマット、および/またはシングルドメインに基づく組換えフォーマットの任意のものの使用のような、当技術分野において公知の任意の方法を用いて作製される。標準的な抗体と配列が識別不能であり、かつ一方の結合部位がMSLNに対して特異的であってかつ第二の結合部位が別の標的、例えば腫瘍関連抗原(TAA)に対して特異的であるような二重特異性抗体の同定、作製、および精製が、本発明によって可能になる。本発明の抗体の未改変の性質は、標準的なモノクローナル抗体に類似した、好都合な、製造上のおよび生化学的な特徴を、それらにもたらす。
ある態様において、二重特異性抗体は、組み合わされる各部位において異なる特異性を有しており、かつ単一の重鎖ポリペプチドの2つのコピーならびに第一の軽鎖および第二の軽鎖を含んでおり、ここで第一の軽鎖と第二の軽鎖とは異なる。
ある態様において、第一の軽鎖の少なくとも第一の部分はκ型であり、かつ第二の軽鎖の少なくとも一部分はλ型である。ある態様において、第一の軽鎖は、少なくともκ定常領域を含む。ある態様において、第一の軽鎖は、κ可変領域をさらに含む。ある態様において、第一の軽鎖は、λ可変領域をさらに含む。ある態様において、第二の軽鎖は、少なくともλ定常領域を含む。ある態様において、第二の軽鎖は、λ可変領域をさらに含む。ある態様において、第二の軽鎖は、κ可変領域をさらに含む。ある態様において、第一の軽鎖は、κ定常領域およびκ可変領域を含み、かつ第二の軽鎖は、λ定常領域およびλ可変領域を含む。ある態様において、定常領域および可変フレームワーク領域の配列は、ヒト型である。
本発明のモノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、治療的介入のために、または研究もしくは診断のための試薬として使用することができる。例えば、本発明のモノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、そのような治療または予防が望ましい対象に本発明の抗体を投与することによって異常なCD47および/または異常なCD47-SIRPαの発現および/または活性に関連する病態を治療、予防、および/もしくはその進行を遅延させる方法に、または、そのような病態に関連する症状を緩和する方法に有用である。治療される対象は例えばヒトである。モノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、病態を治療、予防、その進行を遅延させるために、または病態と関連する症状を緩和するために十分な量で投与される。
ある態様において、本開示のモノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、そのような治療または予防が望ましい対象に本発明の抗体を投与することによって、がんもしくは他の新生物疾患を治療する、予防する、および/もしくはその進行を遅延させる、またはがんもしくは他の新生物疾患の症状を緩和する方法に有用である。例えば、本明細書に記載されるモノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、血液学的な悪性腫瘍および/または固形腫瘍を治療するために有用である。例えば、本明細書に記載されるモノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、CD47+腫瘍、メソテリン+腫瘍、およびそれらの組み合わせを治療するために有用である。非限定的な例として、本明細書に記載されるモノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、膀胱がん、メラノーマ、中皮腫、大腸がん、胆管がん(cholangiocarcinoma)、膵腺がんを含む膵臓がん、肺腺がんを含む肺がん、平滑筋腫、平滑筋肉腫、腎臓がん、神経膠腫、膠芽腫、子宮内膜がん、食道がん、胆汁性胃がん、および前立腺がんを治療するために有用である。固形腫瘍は、例えば、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、肺腫瘍、膵臓腫瘍、前立腺腫瘍、メラノーマ腫瘍、大腸腫瘍、肺腫瘍、頭頸部腫瘍、膀胱腫瘍、食道腫瘍、肝臓腫瘍、および腎臓腫瘍を含む。
ある態様において、本明細書に記載されるモノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、1つもしくは複数の付加的な作用物質と共に、または付加的な作用物質と組み合わせて使用される。好適な付加的作用物質は、例えばがん、炎症および/または自己免疫疾患のような、意図された適用のための現行の薬物療法および/または外科的治療を含む。ある態様において、モノクローナル、一価および/または二重特異性抗体は、リツキシマブと共に使用することができる。
ある態様において、モノクローナル、一価および/または二重特異性抗体ならびに付加的な作用物質は、単一の治療用組成物に製剤化され、モノクローナル、一価および/または二重特異性抗体ならびに付加的な作用物質が同時に投与される。または、モノクローナル、一価および/もしくは二重特異性抗体ならびに付加的な作用物質は互いに分けられ、例えば各々が別々の治療用組成物に製剤化され、モノクローナル、一価および/もしくは二重特異性抗体ならびに付加的な作用物質が同時に投与される、または、モノクローナル、一価および/もしくは二重特異性抗体ならびに付加的な作用物質が治療計画における異なる時点で投与される。例えばモノクローナル、一価および/もしくは二重特異性抗体が付加的な作用物質の投与以前に投与される、モノクローナル、一価および/もしくは二重特異性抗体が付加的な作用物質の投与に続いて投与される、または、モノクローナル、一価および/もしくは二重特異性抗体ならびに付加的な作用物質が交互に投与される。本明細書に記載されるように、モノクローナル、一価および/または二重特異性抗体ならびに付加的な作用物質は、単回投与または複数回投与で投与される。
本発明の抗体を用いて治療および/または予防される病態は、例えばがんまたは異常なCD47の発現および/もしくは活性に関連する任意の他の疾患もしくは障害を含む。
本発明に従った薬学的組成物は、本発明の抗体および担体を含み得る。これらの薬学的組成物は、例えば診断キットのようなキットに含めることができる。
図1A〜1Gは、CD47/MSLN κλボディの、対応するMSLN mAbと比べた結合実験を表す一連のグラフである。図1A〜1Gでは、biAb O25(図1A)、biAb O30(図1B)、biAb O32(図1C)、biAb O35(図1D)、biAb O37(図1E)、biAb O38(図1F)、およびbiAb O41(図1G)の、ヒトMSLNトランスフェクトCHO細胞への結合(CHO-huMSLN、左)、カニクイザルMSLNトランスフェクトCHO細胞への結合(CHO-cyMSLN、中央)、およびトランスフェクト無しのCHO細胞への結合(右)が、フローサイトメトリーによって用量反応において評価され、かつ平均蛍光強度として表される。CHO-huMSLNとCHO-cyMSLNとの結合プロファイルの比較は、本発明のCD47/MSLN κλボディおよびMSLN mAbがカニクイザルMSLNと交差反応性であること、およびそれらが両方の種のMSLNに同様の親和性で結合することを示す。 図1-1の説明を参照のこと。 図2A〜2Fは、CD47またはメソテリンを標的とするベンチマークmAbと比較した、CD47/MSLN κλボディによって誘導される抗体依存性細胞食作用(ADCP)を表す一連のグラフである。図2A〜2Fでは、誘導されるADCPのレベルが示されており、フローサイトメトリーによって評価された、二重特異性抗体(biAb)、CD47 mAb B6H12(ヒトIgG1部分を有する)、MSLN mAb アマツキシマブ、ならびに適合する抗MSLN一価抗体(すなわち、抗MSLN抗体アームおよび結合しない抗体アームを有するκλボディ)の濃度を増大させることによって誘導される食作用のパーセンテージとして、示される。食作用は、末梢血単球から分化したヒトマクロファージ、ならびに2種類の標的細胞株、NCI-N87(図2A〜2C)およびHPAC(図2Eおよび2F)を用いてなされた。NCI-N87細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ43,000および27,000であった。HPAC細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ105,000および13,000であった。 図2Aの説明を参照のこと。 図2Aの説明を参照のこと。 図2Aの説明を参照のこと。 図2Aの説明を参照のこと。 図2Aの説明を参照のこと。 図3A〜3Jは、適合する抗MSLN mAbおよび一価抗体と比較した、CD47/MSLN κλボディにより誘導されるADCP活性を表す一連のグラフである。2種類の標的細胞株、NCI-N87(図3A〜3E)およびCaov-3(図3F〜3J)のヒトマクロファージによる食作用は、CellInsight CX5 High Content Screening Platformを用いて、画像化されそして定量化された。図3A〜3Jは食細胞指数を表し、これは100個のマクロファージによって摂取された標的細胞の平均数に相当する。NCI-N87細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ43,000および27,000であった。Caov-3細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ220,000および38,000であった。 図3Aの説明を参照のこと。 図3Aの説明を参照のこと。 図3Aの説明を参照のこと。 図3Aの説明を参照のこと。 図3Aの説明を参照のこと。 図3Aの説明を参照のこと。 図3Aの説明を参照のこと。 図3Aの説明を参照のこと。 図3Aの説明を参照のこと。 図4A〜4Cは、CD47/MSLN κλボディをベンチマークMSLNモノクローナル抗体であるアマツキシマブと比較した用量反応ADCC実験を表す、一連のグラフである。ADCCアッセイは、エフェクター細胞としての全ヒトPBMC、ならびにCr51がロードされた3種類のMSLN陽性標的細胞株、NCI-N87(図4A)、NCI-H226(図4B)、およびHepG2-MSLN(図4C)を用いて実施された。標的細胞の死滅は、Cr51放出細胞に基づくアッセイを用いて評価された。ADCCのパーセンテージは、特異的Cr51放出として決定され、以下の式を用いて計算された:%ADCC = ((試料のcpm − 非特異的溶解の対照のcpm)/(全溶解の対照のcpm − 負の対照のcpm)) x 100%。CD47/MSLN κλボディは、標的細胞の用量依存的な死滅を誘導し、これはベンチマークMSLN mAbよりも有意に高かった。 図5Aおよび5Bは、対応するCD47一価抗体、ならびにベンチマークモノクローナル抗体であるCD47 Mab B6H12(ヒトIgG1バックグラウンド)およびMSLN mAb アマツキシマブと比べた、5種類のCD47/MSLN κλボディの抗腫瘍活性を示す。図5Aおよび5Bでは、HepG2-MSLN細胞が、NOD/SCIDマウスにおいて皮下に移植された。抗体での処置は15日後に開始した。(図5A)腫瘍成長の進行。腫瘍の成長は1週間に3回測定され、そして群あたりの平均腫瘍体積 +/- SEM (n = 7)として示される。統計学的な有意性は、終了点(第55日)において、一元配置ANOVAと、それに続く多重比較検定(Tukeyの多重比較)を用いて決定された、p値:* p < 0.05、** p < 0.01;ns、有意でない(図5B)腫瘍成長阻害(TGI)。アイソタイプ対照と比較した、TGIのパーセンテージは、終了点での腫瘍体積に基づき、以下の式を用いて決定された:%TGI = {1- [(Tt-T0)/(Vt-V0)]} x 100;ここで、Tt = 時間 t での、処置された腫瘍体積の中央値;T0 = 時間 0 での、処置された腫瘍体積の中央値;Vt = 時間 t での、対照の腫瘍体積の中央値、および V0 = 時間 0 での、対照の腫瘍体積の中央値。biAbでの処置は、対照と比べて、腫瘍の成長を有意に低減させた。さらに、試験された5種類のbiAbのうち4種類は、MSLNベンチマークmAb アマツキシマブよりも効果的であることが実証された。 図6Aおよび6Bは、MSLNを発現する2種類の卵巣がん細胞株に対する、biAbO38の抗腫瘍活性を示す。図6Aおよび6Bでは、腫瘍のOVCAR3細胞およびCaOV3細胞はそれぞれ、NOD/SCIDマウスにおいて皮下に移植された。抗体での処置は1日後に開始した。図6Aは、OVCAR3腫瘍の成長の進行を示す。図6Bは、CaOV3腫瘍の成長の進行を示す。腫瘍の成長は、1週間に3回測定され、そして群あたりの平均腫瘍体積 +/- SEM (n = 6または7)として示される。biAbO38での処置は、腫瘍の成長を防止した(対照IgGとは対照的)。
詳細な説明
CD47、すなわちインテグリン関連タンパク質(IAP)は、細胞−細胞間のコミュニケーションにおいて複数の機能を有する、50 kDaの遍在性の膜貫通糖タンパク質である。それは、複数のリガンド、例えばインテグリンおよび/またはSIRPαなどと、相互作用する。自然免疫系に関して、CD47は、マクロファージ、好中球、および樹状細胞などの骨髄系細胞によって発現されるSIRPαとの結合を通じて、抑制性の「私を殺さないで(don't kill me)」シグナルを伝達する、自己のマーカーとして機能する。生理学的な状態におけるCD47の広範囲な発現の役割は、したがって、自然免疫系による排除に対して健康な細胞を保護することである(Oldenborg PA, et al., CD47-Signal Regulatory Protein α (Sirpα) Regulates Fcγ and Complement Receptor-Mediated Phagocytosis, J Exp Med. 2001 Apr 2;193(7):855-62; Mattias Olsson, Role of the CD47/SIRPα-interaction in regulation of macrophage phagocytosis, Department of Integrative Medical Biology, Section for Histology and Cell Biology, Umea University, Umea, Sweden, Thesis; Oldenborg PA., Role of CD47 in erythroid cells and in autoimmunity, Leuk Lymphoma. 2004 Jul;45(7):1319-27; Oldenborg PA, et al., Role of CD47 as a Marker of Self on Red Blood Cells., Science. 2000 Jun 16;288(5473):2051-4; Brown EJ, Frazier WA., integrin-associated protein (CD47) and its ligands., Trends Cell Biol. 2001 Mar;11(3):130-5)。
腫瘍細胞は、免疫監視および自然免疫細胞による死滅を回避するのを効果的に促進するCD47を高発現することによって、この免疫抑制機構を乗っ取る。(Majeti R, Chet al., CD47 is an adverse prognostic factor and therapeutic antibody target on human acute myeloid leukemia stem cells, Cell. 2009 Jul 23;138(2):286-99; S. Jaiswal et al., CD47 is upregulated on circulating hematopoietic stem cells and leukemia cells to avoid phagocytosis., Cell. 2009 Jul 23;138(2):271-85)。CD47の発現は、大部分のヒトがん(例えばNHL、AML、乳がん、結腸がん、膠芽腫、神経膠腫、卵巣がん、膀胱がん、および前立腺がん)において上方制御されており、かつCD47発現の増加したレベルは、急速に進行する疾患および低い生存率と、明確に相関する。(Majeti R, et al., Cell. 2009 Jul 23;138(2):286-99; S. Jaiswal et al., Cell. 2009 Jul 23;138(2):271-85; Willingham SB, et al., The CD47-signal regulatory protein alpha (SIRPα) interaction is a therapeutic target for human solid tumors, Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Apr 24;109(17):6662-7; Chao MP, et al., Therapeutic antibody targeting of CD47 eliminates human acute lymphoblastic leukemia., Cancer Res. 2011 Feb 15;71(4):1374-84)。
健康な組織でのCD47の広範囲な発現は、治療の安全性および有効性の問題を提起する:第一に、中和モノクローナル抗体(Mab)でのCD47のターゲティングは、健康な細胞に影響を及ぼし得、マウスおよびカニクイザルを用いた前臨床研究に示されるように、結果的に重大な毒性を生じ得る(Willingham SB, et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Apr 24;109(17):6662-7; Weiskopf K, et al., Engineered SIRPα Variants as Immunotherapeutic Adjuvants to Anticancer Antibodies, Science. 2013 Jul 5;341(6141):88-91)。第二に、もしも重大な毒性が、代替のフォーマットを用いることによって回避または軽減され得るとしても(Weiskopf K, et al., Science. 2013 Jul 5;341(6141):88-91)、CD47の幅広い発現は、依然として、標的媒介性薬物消失を介して、CD47結合分子の急速な排除を引き起こし得、結果的に、不十分な薬物動態および低下した有効性をもたらし得る。
メソテリン(MSLN)は、タンパク質分解によって71 kDaの前駆体から産生される、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)に連結された、40 kDaの細胞表面糖タンパク質である。正常な組織において、メソテリンは、比較的低いレベルで、胸膜、腹膜、および心膜などの漿膜を覆う中皮細胞においてのみ、発現される。メソテリン欠損マウスは、正常に生育かつ繁殖し、そして明らかな異常を示さないので、メソテリンの正常な生理的機能は不明瞭なままであるものの、それは重要ではないようである。
正常な組織とは対照的に、メソテリンは、子宮内膜がん、胆汁性胃がん、および前立腺がんとともに、悪性中皮腫、卵巣がん、膵腺がん、肺腺がんなどの、いくつかの種類の固形腫瘍において高度に発現される。腫瘍でのメソテリンの発現は、腫瘍の増加した悪性度および臨床転帰不良と、しばしば相関している。メソテリンの、卵巣がん抗原であるMUC16(CA-125)への結合は、細胞−細胞間接着を媒介することが示されており、これは転移性播種に寄与する可能性がある。加えて、メソテリンが媒介する細胞内シグナル伝達は、化学療法への耐性およびアノイキス(正常な細胞−マトリックス間相互作用の喪失に起因するプログラム細胞死)への耐性とともに、腫瘍細胞の増殖も促進することが報告された。
GPIアンカー型の他の大部分のタンパク質と同様に、メソテリンは膜から切り離され、そして可溶性メソテリンは、腫瘍患者の血清中に存在することが報告されている。可溶性メソテリンは、したがって、メソテリン陽性腫瘍の診断用の、そしてまた疾患の進行および治療への応答をモニターするための、有用なバイオマーカーである。可溶性メソテリンはまた、卵巣がん、肺腺がんまたは膵腺がん、およびトリプルネガティブ乳がんを有する患者についての、負の予後バイオマーカーとしてみなされている。最後となるが重要な点は、血清メソテリンレベルは中皮腫の予測バイオマーカーであり、これはそれらが、メソテリンを標的とした療法に対する治療応答と、正に相関することが見出されているためである。
固形腫瘍を治療上の標的とするために使用される大部分の腫瘍関連抗原は、重要な正常組織においても発現される。対照的に、メソテリンの発現は一般的に低レベルであり、かつ中皮細胞に限定されている(重要ではないようである)。一方で、細胞表面でのメソテリンの発現は多くの固形腫瘍において高く、これはメソテリンを、特に興味を引く、治療的介入の標的にさせている。したがって、モノクローナル抗体、組み換え免疫毒素、抗体−薬剤コンジュゲート、がんワクチン、およびキメラ抗原受容体T細胞を用いる、メソテリンに指向化された数多の療法が現在開発中であり、それには、MPMおよび膵腺がんについての治験の後期における臨床評価が含まれる。
本発明はまた、CD47およびメソテリンを認識する二重特異性抗体を提供する。
本発明の二重特異性抗体によって、2つの抗体アームの、細胞の表面上の2つの抗原への同時の結合(同時結合(co-engagement)と称される)が可能になり、その結果、アビディティの作用による、親和性の相加的または相乗的な増大がもたらされる。結果として、同時結合は、単一の抗原のみを発現する細胞と比べて、双方の抗原を発現する細胞に対する高い選択性をもたらす。加えて、二重特異性抗体の2つのアームの、その各々の標的に対する親和性は、標的細胞への結合が抗体アームの1つによって主になされるような様式で、調整され得る。ある態様において、二重特異性抗体は、CD47に結合する第一のアーム、およびメソテリンに結合する第二のアームを含み、ここで第二のアームは、高い親和性でメソテリンに結合し、かつ第一のアームは低い親和性、すなわちメソテリンと同時結合しながらCD47/SIRPαを阻害するのに十分な親和性で、CD47に結合する。この設計は、本発明の二重特異性抗体が、正常な細胞と比べてがん細胞において優先的に、CD47を阻害することを可能にする。本明細書において提供される実施例において、低い親和性でCD47に結合する第一のアーム、および高い親和性でMSLNに結合する第二のアームを有する二重特異性抗体(CD47 x MSLN二重特異性と称される)は、正常な細胞と比べてがん細胞において優先的な、CD47の阻害を可能にする。CD47 x MSLN二重特異性抗体は、2つの抗原結合アームのほかにも、マクロファージおよび/または他の免疫エフェクター細胞を動員するための、機能的なFc部分を必要とする。完全ヒト型二重特異性IgGフォーマット(本明細書に記載されるκλボディフォーマットなど)は、二重ターゲティングCD47 x MSLN二重特異性抗体の作製のために好適である。本明細書において提供されるADCC実験およびADCP実験において証明されるように、CD47およびMSLNを同時結合する二重ターゲティング二重特異性抗体の能力は、CD47 x MSLN二重特異性抗体によって媒介される、効果的かつ選択的ながん細胞の死滅をもたらす。
少なくとも1つの結合部位がCD47に対して特異的であり、かつ第二の結合部位がメソテリンに対して特異的である、本発明の例示的な二重特異性抗体は、例えば、第一のアームが、5A3抗体、5A3M4抗体、5A3M3抗体、5A3M5抗体、KE8抗体、KE8-P6H5抗体(本明細書においてKE8H5とも呼ばれる)、KE8-P3B2抗体(本明細書においてKE8B2とも呼ばれる)、KE8-P2A2抗体(本明細書においてKE8A25とも呼ばれる)、KE8F2抗体、KE8G2抗体、KE84G9抗体、KE81G9抗体、KE81A3抗体、KE8E8抗体、KE8G6抗体、KE8H3抗体、KE8C7抗体、KE8A4抗体、KE8A8抗体、KE8G11抗体、KE8B7抗体、KE8F1抗体、KE8C4抗体、KE8A3抗体、KE86G9抗体、KE8H6抗体、KA3抗体、KA3-P5G2抗体(本明細書においてKA3G2とも呼ばれる)、KA3-P1A3抗体(本明細書においてKA3A3とも呼ばれる)、KA3-P5C5抗体(本明細書においてKA3C5とも呼ばれる)、KA3H8抗体、KA3B2抗体、KA3A2抗体、KA3D3抗体、KA3H3抗体、KC4抗体、KC4-P1G11KC4-P4C11抗体、KC4-P6B1KC4-P4F4抗体、およびKC4-P2E2抗体(本明細書においてKC4E2とも呼ばれる)、KC4抗体、KC4F4抗体、KC4A1抗体、KC4C11抗体、KC4E10抗体、KC4B1抗体、KC4C3抗体、KC4A4抗体、KC4G11抗体、またはKC4G9抗体、ならびにそれらの免疫活性断片および/または抗原結合断片を含み、かつ、第二のアームが、O25抗体、O30抗体、O32抗体、O35抗体、O37抗体、O38抗体、またはO41抗体、ならびにそれらの免疫活性断片および/または抗原結合断片を含む、二重特異性抗体を含む。
ある態様において、CD47に結合する第一のアームを少なくとも含む本発明の例示的な二重特異性抗体は、表1、2、および3に示される相補性決定領域(CDR)配列から選択される重鎖および軽鎖CDRの組み合わせを含み、ここで表1、2、および3に示されるCDRは、IMGT命名法に従って定義付けられる。
ある態様において、CD47に結合する第一のアームを少なくとも含む本発明の例示的な二重特異性抗体は、表1からの重鎖CDR配列と、表2および3に示されるCDRL1、CDRL2、およびCDRL3配列から選択される軽鎖CDRの2種類のセットとの組み合わせを含む。
ある態様において、CD47に結合する第一のアームを少なくとも含む本発明の例示的な二重特異性抗体は、表1からの重鎖CDR配列と、表2に示されるCDRL1、CDRL2、およびCDRL3配列から選択される軽鎖CDRの第一のセットと、表3に示されるCDRL1、CDRL2、およびCDRL3配列から選択される軽鎖CDRの第二のセットとの組み合わせを含む。
ある態様において、CD47に結合する第一のアーム、およびMSLNに結合する第二のアームを含む本発明の例示的な二重特異性抗体であって、ここで第一のアームは、表1に示される重鎖相補性決定領域(CDR)の組み合わせと、表2に示されるCDR配列から選択される軽鎖CDRの組み合わせとを含み、かつここで第二のアームは、表1に示される重鎖相補性決定領域(CDR)の組み合わせと、表4に示されるCDR配列から選択される軽鎖CDRの組み合わせとを含む。
(表1)共通の重鎖CDR
Figure 2020526478
(表2)抗CD47κ軽鎖CDR
Figure 2020526478
(表3)抗CD47λ軽鎖CDR
Figure 2020526478
(表4)抗CD47λ軽鎖CDR
Figure 2020526478
本明細書に記載される、例示的な抗CD47、抗MSLN、一価、および二重特異性抗体の各々は、下記に挙げられるアミノ酸配列および対応する核酸配列に示されるように、共通の重鎖(HC)と、抗CD47抗体および抗MSLN抗体については1種類のκ鎖または1種類のλ鎖とを、一価抗体および二重特異性抗体については1種類のκ軽鎖および1種類のλ軽鎖(LC)とを、含む。下記に記載される、例示的な抗CD47、抗MSLN、一価、および二重特異性抗体の各々は、下記に挙げられるアミノ酸配列および対応する核酸配列に示されるように、共通の可変重鎖ドメイン(VH)と、抗CD47抗体および抗MSLN抗体については1種類のκ可変軽鎖ドメインまたは1種類のλ可変軽鎖ドメインとを、一価抗体および二重特異性抗体については1種類のκ可変軽鎖ドメインおよび1種類のλ可変軽鎖ドメイン(VL)とを、含む。
本明細書においては例として下記の抗体配列が提供されるが、当技術分野において認識される様々な技術の任意のものを用いて二重特異性抗体を作製するためにこれらの配列を使用できることが理解されるべきである。二重特異性フォーマットの例は、限定するものではないが、Fabアーム交換に基づく二重特異性IgG(Gramer et al., 2013 MAbs. 5(6));CrossMabフォーマット(Klein C et al., 2012 MAbs 4(6)):SEED技術(Davis JH et al., 2010 Protein Eng Des Sel. 23(4):195-202)、エレクトロスタティック・ステアリング(Gunasekaran K et al., J Biol Chem. 2010 285(25):19637-46.)、もしくはノブ・イントゥ・ホール(Ridgway JB et al., Protein Eng. 1996 9(7):617-21.)、またはホモ二量体形成を妨げる他の変異のセット(Von Kreudenstein TS et al., 2013 MAbs. 5(5):646-54.)のような、強制ヘテロ二量体化アプローチに基づく複数のフォーマット;タンデムscFv(BiTEなど)のような、断片に基づく二重特異性フォーマット(Wolf E et al., 2005 Drug Discov. Today 10(18):1237-44.);二重特異性四価抗体(Portner LM et al., 2012 Cancer Immunol Immunother. 61(10):1869-75.);二重親和性再ターゲティング分子(Moore PA et al., 2011 Blood.117(17):4542-51)、ダイアボディ(Kontermann RE et al., Nat Biotechnol. 1997 15(7):629-31)を含む。
例示的な抗CD47、抗MSLN、一価、および二重特異性抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含む。
Figure 2020526478
抗CD47、抗MSLN、一価、および二重特異性抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含む。
Figure 2020526478
抗CD47抗体
5A3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 3に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 4)を含む。
Figure 2020526478
5A3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 115に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 116)を含む。
Figure 2020526478
5A3-M4抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 5に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 6)を含む。
Figure 2020526478
5A3-M4抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 117に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 118)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
5A3-M3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 7に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 8)を含む。
Figure 2020526478
5A3-M3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 119に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 120)を含む。
Figure 2020526478
5A3-M5抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 9に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 10)を含む。
Figure 2020526478
5A3-M5抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 121に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 122)を含む。
Figure 2020526478
Ke8抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 11に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 12)を含む。
Figure 2020526478
Ke8抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 123に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 124)を含む。
Figure 2020526478
Ke8H5抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 13に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 14)を含む。
Figure 2020526478
Ke8H5抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 125に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 126)を含む。
Figure 2020526478
Ke8B2抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 15に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 16)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
Ke8B2抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 127に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 128)を含む。
Figure 2020526478
Ke8A2抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 17に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 18)を含む。
Figure 2020526478
Ke8A2抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 129に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 130)を含む。
Figure 2020526478
Ke8E8抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 19に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 20)を含む。
Figure 2020526478
Ke8E8抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 131に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 132)を含む。
Figure 2020526478
Ke8H3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 21に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 22)を含む。
Figure 2020526478
Ke8H3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 133に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 134)を含む。
Figure 2020526478
Ke8G6抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 23に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 24)を含む。
Figure 2020526478
Ke8G6抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 135に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 136)を含む。
Figure 2020526478
Ke8A3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 25に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 26)を含む。
Figure 2020526478
Ke8A3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 137に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 138)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
Ke81A3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 27に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 28)を含む。
Figure 2020526478
Ke81A3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 139に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 140)を含む。
Figure 2020526478
Ke8A8抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 29に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 30)を含む。
Figure 2020526478
Ke8A8抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 141に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 142)を含む。
Figure 2020526478
Ke8C7抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 31に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 32)を含む。
Figure 2020526478
Ke8C7抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 143に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 144)を含む。
Figure 2020526478
Ke8G2抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 33に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 34)を含む。
Figure 2020526478
Ke8G2抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 145に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 146)を含む。
Figure 2020526478
Ke81G9抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 35に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 36)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
Ke81G9抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 147に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 148)を含む。
Figure 2020526478
Ke8F2抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 37に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 38)を含む。
Figure 2020526478
Ke8F2抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 149に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 150)を含む。
Figure 2020526478
Ke8B7抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 39に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 40)を含む。
Figure 2020526478
Ke8B7抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 151に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 152)を含む。
Figure 2020526478
Ke8C4抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 41に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 42)を含む。
Figure 2020526478
Ke8C4抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 153に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 154)を含む。
Figure 2020526478
Ke8F1抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 43に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 44)を含む。
Figure 2020526478
Ke8F1抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 155に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 156)を含む。
Figure 2020526478
Ke8G11抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 45に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 46)を含む。
Figure 2020526478
Ke8G11抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 157に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 158)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
Ke8H6抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 47に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 48)を含む。
Figure 2020526478
Ke8H6抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 159に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 160)を含む。
Figure 2020526478
Ke84G9抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 49に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 50)を含む。
Figure 2020526478
Ke84G9抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 161に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 162)を含む。
Figure 2020526478
Ke8A4抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 51に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 52)を含む。
Figure 2020526478
Ke8A4抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 163に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 164)を含む。
Figure 2020526478
Ke86G9抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 53に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 54)を含む。
Figure 2020526478
Ke86G9抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 165に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 166)を含む。
Figure 2020526478
Ka3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 55に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 56)を含む。
Figure 2020526478
Ka3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 167に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 168)を含む。
Figure 2020526478
Ka3A2抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 57に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 58)を含む。
Figure 2020526478
Ka3A2抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 169に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 170)を含む。
Figure 2020526478
Ka3H3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 59に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 60)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
Ka3H3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 171に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 172)を含む。
Figure 2020526478
Ka3A3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 61に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 62)を含む。
Figure 2020526478
Ka3A3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 173に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 174)を含む。
Figure 2020526478
Ka3H8抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 63に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 64)を含む。
Figure 2020526478
Ka3H8抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 175に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 176)を含む。
Figure 2020526478
Ka3B2抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 65に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 66)を含む。
Figure 2020526478
Ka3B2抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 177に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 178)を含む。
Figure 2020526478
Ka3C5抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 67に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 68)を含む。
Figure 2020526478
Ka3C5抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 179に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 180)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
Ka3G2抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 69に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 70)を含む。
Figure 2020526478
Ka3G2抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 181に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 182)を含む。
Figure 2020526478
Ka3D3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 71に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 72)を含む。
Figure 2020526478
Ka3D3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 183に示される核酸配列によってコードされるκ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 184)を含む。
Figure 2020526478
Kc4抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 73に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 74)を含む。
Figure 2020526478
Kc4抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 185に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 186)を含む。
Figure 2020526478
Kc4G11抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 75に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 76)を含む。
Figure 2020526478
Kc4G11抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 187に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 188)を含む。
Figure 2020526478
Kc4C11抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 77に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 78)を含む。
Figure 2020526478
Kc4C11抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 189に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 190)を含む。
Figure 2020526478
Kc4A1抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 79に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 80)を含む。
Figure 2020526478
Kc4A1抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 191に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 192)を含む。
Figure 2020526478
Kc4A4抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 81に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 82)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
Kc4A4抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 193に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 194)を含む。
Figure 2020526478
Kc4E10抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 83に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 84)を含む。
Figure 2020526478
Kc4E10抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 195に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 196)を含む。
Figure 2020526478
Kc4G9抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 85に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 86)を含む。
Figure 2020526478
Kc4G9抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 197に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 198)を含む。
Figure 2020526478
Kc4C3抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 87に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 88)を含む。
Figure 2020526478
Kc4C3抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 199に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 200)を含む。
Figure 2020526478
Kc4F4抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 89に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 90)を含む。
Figure 2020526478
Kc4F4抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 201に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 202)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
Kc4B1抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 91に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 92)を含む。
Figure 2020526478
Kc4B1抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 203に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 204)を含む。
Figure 2020526478
Kc4E2抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 93に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 94)を含む。
Figure 2020526478
Kc4E2抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 95に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 96)を含む。
Figure 2020526478
抗メソテリン(抗MSLN)抗体
O25抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 97に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 98)を含む。λ軽鎖の可変領域は、以下のアミノ酸配列において太字にされている。
Figure 2020526478
O25抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 211に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 212)を含む。
Figure 2020526478
O30抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 99に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 100)を含む。λ軽鎖の可変領域は、以下のアミノ酸配列において太字にされている。
Figure 2020526478
O30抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 213に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 214)を含む。
Figure 2020526478
O32抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 101に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 102)を含む。λ軽鎖の可変領域は、以下のアミノ酸配列において太字にされている。
Figure 2020526478
O32抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 215に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 216)を含む。
Figure 2020526478
O35抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 103に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 104)を含む。λ軽鎖の可変領域は、以下のアミノ酸配列において太字にされている。
Figure 2020526478
O35抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 217に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 218)を含む。
Figure 2020526478
O37抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 105に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 106)を含む。λ軽鎖の可変領域は、以下のアミノ酸配列において太字にされている。
Figure 2020526478
O37抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 219に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 220)を含む。
Figure 2020526478
O38抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 107に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 108)を含む。λ軽鎖の可変領域は、以下のアミノ酸配列において太字にされている。
Figure 2020526478
O38抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 221に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 222)を含む。
Figure 2020526478
Figure 2020526478
O41抗体は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)を含み、かつSEQ ID NO: 109に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 110)を含む。λ軽鎖の可変領域は、以下のアミノ酸配列において太字にされている。
Figure 2020526478
O41抗体は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の可変重鎖ドメイン(SEQ ID NO: 114)を含み、かつSEQ ID NO: 223に示される核酸配列によってコードされるλ可変軽鎖ドメイン(SEQ ID NO: 224)を含む。
Figure 2020526478
ダミー軽鎖
ダミー軽鎖1(SEQ ID NO: 112)は、SEQ ID NO: 111に示される核酸配列によってコードされる。
Figure 2020526478
ダミー可変軽鎖ドメイン1(SEQ ID NO: 206)は、SEQ ID NO: 205に示される核酸配列によってコードされる。
Figure 2020526478
ダミー軽鎖2(SEQ ID NO: 208)は、SEQ ID NO: 207に示される核酸配列によってコードされる。
Figure 2020526478
ダミー可変軽鎖ドメイン2(SEQ ID NO: 210)は、SEQ ID NO: 209に示される核酸配列によってコードされる。
Figure 2020526478
二重特異性抗体
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O25は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む共通の重鎖、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 283のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 289のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 295のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むλ軽鎖を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O25は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖可変領域(SEQ ID NO: 114)、SEQ ID NO: 167に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 168)、およびSEQ ID NO: 211に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 212)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O25は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)、SEQ ID NO: 55に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 56)、およびSEQ ID NO: 97に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 98)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O30は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む共通の重鎖、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 284のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 290のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 296のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むλ軽鎖を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O30は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖可変領域(SEQ ID NO: 114)、SEQ ID NO: 167に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 168)、およびSEQ ID NO: 213に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 214)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O30は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)、SEQ ID NO: 55に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 56)、およびSEQ ID NO: 99に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 100)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O32は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む共通の重鎖、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 294のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むλ軽鎖を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O32は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖可変領域(SEQ ID NO: 114)、SEQ ID NO: 167に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 168)、およびSEQ ID NO: 215に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 216)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O32は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)、SEQ ID NO: 55に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 56)、およびSEQ ID NO: 101に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 102)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O35は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む共通の重鎖、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 287のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 293のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 299のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むλ軽鎖を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O35は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖可変領域(SEQ ID NO: 114)、SEQ ID NO: 167に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 168)、およびSEQ ID NO: 217に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 218)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O35は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)、SEQ ID NO: 55に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 56)、およびSEQ ID NO: 103に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 104)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O37は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む共通の重鎖、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 285のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 291のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 297のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むλ軽鎖を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O37は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖可変領域(SEQ ID NO: 114)、SEQ ID NO: 167に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 168)、およびSEQ ID NO: 219に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 220)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O37は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)、SEQ ID NO: 55に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 56)、およびSEQ ID NO: 105に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 106)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O38は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む共通の重鎖、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 286のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 292のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 298のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むλ軽鎖を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O38は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖可変領域(SEQ ID NO: 114)、SEQ ID NO: 167に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 168)、およびSEQ ID NO: 221に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 222)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O38は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)、SEQ ID NO: 55に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 56)、およびSEQ ID NO: 109に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 108)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O41は、SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む共通の重鎖、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 300のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むλ軽鎖を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O41は、SEQ ID NO: 113に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖可変領域(SEQ ID NO: 114)、SEQ ID NO: 167に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 168)、およびSEQ ID NO: 223に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖可変領域(SEQ ID NO: 224)を含む。
ある態様において、二重特異性抗体Ka3 x O41は、SEQ ID NO: 1に示される核酸配列によってコードされる共通の重鎖(SEQ ID NO: 2)、SEQ ID NO: 55に示される核酸配列によってコードされるκ軽鎖(SEQ ID NO: 56)、およびSEQ ID NO: 111に示される核酸配列によってコードされるλ軽鎖(SEQ ID NO: 112)を含む。
定義
別様に定義されている場合を除き、本発明に関連して用いられる科学技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。さらに、本文がそれ以外であることを必要としている場合を除き、単数形は複数形を含み、複数形は単数形を含む。一般的に、本明細書に記載される細胞および組織培養、分子生物学、ならびにタンパク質およびオリゴまたはポリヌクレオチド化学およびハイブリダイゼーションに関連して用いられる名称、およびそれらの技術は、当技術分野において周知であり、一般的に用いられる。組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織培養および形質転換に関して、標準的な技術が用いられる(例えば、電気穿孔、リポフェクション)。酵素反応および精製技術は、製造元の仕様書に従って、または当技術分野において一般的に行われるように、または本明細書に記載されるように行われる。前述の技術および技法は一般的に、当技術分野において周知の通常の方法に従っておよび本明細書を通して引用および考察される様々な一般的なおよびより特異的な参考文献に記述されるように行われる。例えば、Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))を参照されたい。本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、ならびに医化学および薬化学に関連して用いられる名称、ならびにそれらの実験技法および技術は、当技術分野において周知であり、一般的に用いられる技法および技術である。化学合成、化学分析、薬剤調製、調合、ならびに患者への送達および処置に関して、標準的な技術が用いられる。
本開示に従って用いられるように、以下の用語は、それ以外であることを示している場合を除き、以下の意味を有すると理解される。
本明細書において用いられる「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫活性部分、すなわち抗原に特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子を意味する。「と特異的に結合する」、または「と免疫反応する」、または「免疫特異的に結合する」とは、抗体が所望の抗原の1つまたは複数の抗原性決定基と反応するが、他のポリペプチドとは反応しないか、またはかなり低い親和性(Kd>10-6)で結合することを意味する。抗体としては、例えば、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、dAb(ドメイン抗体)、一本鎖、Fab、Fab'、およびF(ab')2断片、scFv、ならびにFab発現ライブラリが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
抗体の基本構造単位は、四量体を含むことが知られている。各四量体は、各々の対が1つの「軽」鎖(約25 kDa)と1つの「重」鎖(約50〜70 kDa)とを有する、ポリペプチド鎖の2つの同一の対で構成される。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識を主に担う約100個から110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を定義する。一般的に、ヒトから得られる抗体分子は、分子に存在する重鎖の性質が互いに異なるIgG、IgM、IgA、IgE、およびIgDのクラスのいずれかに関連する。あるクラスは、IgG1、IgG2、およびその他などのサブクラスも同様に有する。さらに、ヒトでは、軽鎖はカッパ鎖またはラムダ鎖でありうる。
本明細書において用いられる「モノクローナル抗体」(MAb)、または「モノクローナル抗体組成物」という用語は、独自の軽鎖遺伝子産物と独自の重鎖遺伝子産物からなる抗体分子の1つの分子種のみを含む抗体分子集団を意味する。特に、モノクローナル抗体の相補性決定領域(CDR)は、その集団の全ての分子において同一である。MAbは、抗原に対する独自の結合親和性を特徴とする抗原の特定のエピトープと免疫反応することができる抗原結合部位を含む。
「抗原結合部位」または「結合部分」という用語は、抗原結合に関与する免疫グロブリン分子の部分を意味する。抗原結合部位は、重鎖(「H」)と軽鎖(「L」)のN末端可変(「V」)領域のアミノ酸残基によって形成される。「超可変領域」と呼ばれる、重鎖と軽鎖のV領域内の3つの高度に多様な伸長部が、「フレームワーク領域」または「FR」として知られるより保存された隣接伸長部のあいだに挿入される。このように、「FR」という用語は、免疫グロブリンの超可変領域のあいだに、超可変領域に隣接して天然に見いだされるアミノ酸配列を意味する。抗体分子において、軽鎖の3つの超可変領域および重鎖の3つの超可変領域は、三次元空間で互いに関連して配置されて抗原結合表面を形成する。抗原結合表面は、結合した抗原の三次元表面と相補的であり、重鎖および軽鎖の各々の3つの超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」と呼ばれる。各ドメインに対するアミノ酸の割付は、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1987 and 1991))、またはChothia & Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987), Chothia et al. Nature 342:878-883 (1989))の定義に従う。
本明細書において用いられる「エピトープ」という用語は、免疫グロブリン、scFv、またはT細胞受容体に特異的に結合することができる任意のタンパク質決定基を含む。「エピトープ」という用語は、免疫グロブリンまたはT細胞受容体に特異的に結合することができる任意のタンパク質決定基を含む。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面官能基からなり、通常、特異的三次元構造特徴ならびに特異的電荷特徴を有する。例えば、抗体は、ポリペプチドのN末端またはC末端ペプチドに対して作製されうる。抗体は、解離定数が≦1μM、例えば≦100 nM、好ましくは≦10 nM、および最も好ましくは≦1 nMである場合に、抗原に特異的に結合すると言われる。
本明細書において用いられる「免疫学的に結合する」および「免疫学的結合特性」という用語は、免疫グロブリン分子と、それに対して免疫グロブリン分子が特異的である抗原とのあいだに起こるタイプの非共有的相互作用を意味する。免疫学的結合相互作用の強度または親和性は、相互作用の解離定数(Kd)に関して表記することができ、Kdが小さいほど、親和性が大きいことを表す。選択されたポリペプチドの免疫学的結合特性は、当技術分野において周知の方法を用いて定量することができる。そのような1つの方法は、抗原結合部位/抗原複合体の形成および解離速度を測定する段階を伴い、それらの速度は、複合体パートナーの濃度、相互作用の親和性、および両方向の速度に等しく影響を及ぼす幾何学的パラメータに依存する。このように、濃度ならびに実際の結合速度および解離速度を計算することによって、「オン速度定数」(Kon)および「オフ速度定数」(Koff)の両方を決定することができる(Nature 361 : 186-87 (1993)を参照されたい)。Koff/Konの比率は、親和性に関連しない全てのパラメータの削除を可能にして、解離定数Kdに等しい(一般的に、Davies et al. (1990) Annual Rev Biochem 59:439-473を参照されたい)。本発明の抗体は、放射リガンド結合アッセイまたは当業者に公知の類似のアッセイなどのアッセイによって測定した場合に、平衡結合定数(Kd)が≦1μM、例えば≦100 nM、好ましくは≦10 nM、およびより好ましくは≦1 nMであれば、標的に特異的に結合すると言われる。
本明細書において用いられる「単離されたポリヌクレオチド」という用語は、ゲノム、cDNA、もしくは合成起源のポリヌクレオチド、またはそのいくつかの組み合わせを意味し、その起源のために、「単離されたポリヌクレオチド」は、(1)「単離されたポリヌクレオチド」が天然において見いだされるポリヌクレオチドの全てまたは一部に会合していない、(2)天然において結合していないポリヌクレオチドに機能的に結合している、または(3)より大きい配列の一部として天然において存在しない。本発明に従うポリヌクレオチドは、本明細書に記載される重鎖免疫グロブリン分子をコードする核酸分子および軽鎖免疫グロブリン分子をコードする核酸分子を含む。
「単離されたタンパク質」という用語は、cDNA、組み換え型RNA、もしくは合成起源のタンパク質、またはそのいくつかの組み合わせを意味し、その起源または由来源のために、「単離されたタンパク質」は、(1)天然において見いだされるタンパク質に会合していない、(2)同じ起源の他のタンパク質を含まない、例えば海洋タンパク質を含まない、(3)異なる種からの細胞によって発現される、または(4)天然において存在しない。
「ポリペプチド」という用語は、本明細書においてポリペプチド配列の本来のタンパク質、断片、またはアナログを意味するために、一般的な用語として用いられる。ゆえに、本来のタンパク質断片およびアナログは、ポリペプチドに属する種である。本発明に従うポリペプチドは、本明細書に記載される重鎖免疫グロブリン分子および軽鎖免疫グロブリン分子を含むとともに、重鎖免疫グロブリン分子にカッパ軽鎖免疫グロブリン分子などの軽鎖免疫グロブリン分子を組み合わせた、およびその逆によって形成される抗体分子、ならびにその断片およびアナログを含む。
本明細書において物体に適用される場合に用いられる「天然に存在する」という用語は、物体を天然において見いだすことができるという事実を意味する。例えば、天然の起源から単離することができる生物(ウイルスを含む)に存在して、研究室において人為的にまたはそれ以外の方法で意図的に改変されていないポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然に存在する。
本明細書において用いられる「機能的に連結した」という用語は、そのように記述された成分の位置がその意図される様式でそれらを機能させる関係にあることを意味する。コード配列に「機能的に連結された」制御配列は、コード配列の発現が、制御配列と適合性の条件下で達成されるようにライゲーションされる。
本明細書において用いられる「制御配列」という用語は、それらがライゲーションされるコード配列の発現およびプロセシングを行うために必要であるポリヌクレオチド配列を意味する。そのような制御配列の性質は、原核細胞中の宿主生物に応じて異なり、そのような制御配列は一般的に、真核細胞においてプロモーター、リボソーム結合部位、および転写終止配列を含み、一般的に、そのような制御配列はプロモーターおよび転写終止配列を含む。「制御配列」という用語は、少なくとも、その存在が発現およびプロセシングにとって必須である全ての成分を含むことを意図し、同様にその存在が有利である追加の成分、例えばリーダー配列、および融合パートナー配列を含むことができる。本明細書において言及される「ポリヌクレオチド」という用語は、長さが少なくとも10塩基のリボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドのいずれかであるヌクレオチドのポリマーホウ素、またはいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾型を意味する。この用語は、DNAの一本鎖および二本鎖型を含む。
本明細書において用いられる、20種類の通常アミノ酸およびその略語は、慣例的用法に従う。Immunology - A Synthesis (2nd Edition, E.S. Golub and D.R. Gren, Eds., Sinauer Associates, Sunderland7 Mass. (1991))を参照されたい。20種類の通常アミノ酸の立体異性体(例えば、D-アミノ酸)、α-、α-二置換アミノ酸などの非天然アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、乳酸、および他の非通常アミノ酸も同様に、本発明のポリペプチドにとって適した成分でありうる。非通常アミノ酸の例には、4-ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、ε-N,N,N-トリメチルリジン、ε-N-アセチルリジン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリン、N-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、σ-N-メチルアルギニン、および他の類似のアミノ酸およびイミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロリン)が挙げられる。本明細書において用いられるポリペプチドの表記において、標準的な用法および慣例に従って、左手方向はアミノ末端方向であり、右手方向はカルボキシ末端方向である。
ポリペプチドに適用される場合、「実質的な同一性」という用語は、2つのペプチド配列が、プログラムGAPまたはBESTFITなどによって、デフォルトのギャップの重みを用いて最適に整列させた場合に、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性、および最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を共有することを意味する。
好ましくは、同一でない残基の位置は、保存的アミノ酸置換によって異なる。
保存的アミノ酸置換は、類似の側鎖を有する残基の相互交換性を意味する。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシンであり、脂肪族ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の群は、セリンおよびトレオニンであり、アミド含有側鎖を有するアミノ酸の群は、アスパラギンおよびグルタミンであり、芳香族側鎖を有するアミノ酸の群は、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンであり、塩基性側鎖を有するアミノ酸の群は、リジン、アルギニン、およびヒスチジンであり、ならびにイオウ含有側鎖を有するアミノ酸の群は、システインおよびメチオニンである。好ましい保存的アミノ酸置換群は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、およびアスパラギン-グルタミンである。
本明細書において考察されるように、抗体または免疫グロブリン分子のアミノ酸配列における軽微な変化は、アミノ酸配列の変化が、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、および最も好ましくは99%を維持する限り、本発明に包含されると企図される。特に、保存的アミノ酸交換が企図される。保存的交換は、その側鎖が関連するアミノ酸のファミリー内で起こる交換である。遺伝子コードアミノ酸は一般的に、ファミリーに分けられる:(1)酸性アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸であり;(2)塩基性アミノ酸は、リジン、アルギニン、ヒスチジンであり;(3)非極性アミノ酸は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンであり、および(4)非荷電極性アミノ酸は、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシンである。親水性アミノ酸には、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、セリン、およびトレオニンが挙げられる。疎水性アミノ酸には、アラニン、システイン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン、およびバリンが挙げられる。他のアミノ酸ファミリーには、(i)脂肪族ヒドロキシファミリーであるセリンおよびトレオニン;(ii)アミド含有ファミリーであるアスパラギンおよびグルタミン;(iii)脂肪族ファミリーであるアラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン;ならびに(iv)芳香族ファミリーであるフェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンが挙げられる。例えば、ロイシンをイソロイシンまたはバリンに、アスパラギン酸をグルタミン酸に、トレオニンをセリンに単発的に交換しても、またはアミノ酸を構造的に関連するアミノ酸に類似の交換を行っても、特に交換がフレームワーク部位内でのアミノ酸を伴わない場合、得られた分子の結合または特性に対して主要な効果を有しないことは妥当に予想される。アミノ酸の変化によって、機能的ペプチドが得られるか否かは、ポリペプチド誘導体の比活性をアッセイすることによって容易に決定することができる。アッセイは、本明細書において詳細に記述される。抗体または免疫グロブリン分子の断片またはアナログは、当業者によって容易に調製することができる。断片またはアナログの好ましいアミノおよびカルボキシ末端は、機能的ドメインの境界付近に存在する。構造および機能的ドメインは、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列データを公共または固有の配列データベースと比較することによって同定することができる。好ましくは、コンピューター化比較法を用いて、公知の構造および/または機能の他のタンパク質に存在する配列モチーフまたは予想されるタンパク質コンフォメーションドメインを同定する。公知の三次元構造に折り畳まれるタンパク質配列を同定する方法は公知である。Bowie et al. Science 253: 164 (1991)。このように、前述の例は、当業者が、本発明に従って構造および機能的ドメインを定義するために用いられうる配列モチーフおよび構造コンフォメーションを認識できることを証明する。
好ましいアミノ酸置換は、(1)タンパク質分解に対する感受性を低減させる、(2)酸化に対する感受性を低減させる、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変化させる、(4)結合親和性を変化させる、および(4)そのようなアナログの他の物理化学的または機能的特性を付与または改変する置換である。アナログは、天然に存在するペプチド配列以外の配列の様々なムテインを含むことができる。例えば、1つまたは複数のアミノ酸置換(好ましくは、保存的アミノ酸置換)を、天然に存在する配列(好ましくは分子間接触を形成するドメイン外のポリペプチドの部分において)に行ってもよい。保存的アミノ酸置換は、親配列の構造的特徴を実質的に変化させてはならない(例えば、交換アミノ酸は、親配列に存在するらせんを切断するまたは親配列を特徴付けする他のタイプの二次構造を崩壊させる傾向があってはらなない)。当技術分野において認識されるポリペプチドの二次および三次構造の例は、Proteins, Structures and Molecular Principles (Creighton, Ed., W. H. Freeman and Company, New York (1984)); Introduction to Protein Structure (C. Branden and J. Tooze, eds., Garland Publishing, New York, N.Y. (1991)); and Thornton et at. Nature 354: 105 (1991)において記述される。
本明細書において用いられる、「標識」または「標識された」という用語は、例えば、印をつけたアビジン(例えば、光学または熱量測定法によって検出することができる蛍光マーカーまたは酵素活性を含むストレプトアビジン)によって検出することができる、ビオチニル部分のポリペプチドに、放射標識アミノ酸または連結部分を組み入れることによって検出可能なマーカーを組み入れることを意味する。ある状況において、標識またはマーカーはまた、治療的でありうる。ポリペプチドおよび糖タンパク質を標識する様々な方法が当技術分野において公知であり、用いられうる。ポリペプチドの標識の例には、以下が挙げられるがこれらに限定されるわけではない:放射性同位元素または放射性核種(例えば、3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド蛍光体)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、p-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光物質、ビオチニル基、二次レポーターによって認識される既定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)。いくつかの態様において、標識は、可能性がある立体妨害を低減させるために、様々な長さのスペーサーアームによって結合される。本明細書において用いられる「薬剤または薬物」という用語は、患者に適切に投与した場合に、所望の治療効果を誘導することができる化学化合物または組成物を意味する。
本明細書における他の化学用語は、The McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (Parker, S., Ed., McGraw-Hill, San Francisco (1985))によって例証されるように、当技術分野における慣例的用法に従って用いられる。
本明細書において用いられる「実質的に純粋な」とは、目的種が、存在する優勢な種であり(すなわち、モルに基づいて、組成物中の他の任意の個々の種より豊富に存在する)、好ましくは実質的に精製された分画は、目的種が、存在する全ての高分子種の少なくとも約50%(モルに基づいて)を含む組成物である。
一般的に、実質的に純粋な組成物は、組成物に存在する全ての高分子種が約80%を超えて、より好ましくは約85%、90%、95%、および99%を超えて含むであろう。最も好ましくは、目的種は、組成物が本質的に1つの高分子種からなる、本質的に均一になるまで精製される(通常の検出法によって組成物中に汚染種を検出することができない)。
患者という用語は、ヒトおよび獣医学的対象を含む。
抗体
当技術分野において公知の様々な技法を、例えば、CD47、腫瘍関連抗原、もしくは他の標的などの所定の標的に対する、またはその誘導体、断片、アナログ、ホモログ、もしくはオルソログに対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を産生するために用いてもよい(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow E, and Lane D, 1988, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NYを参照されたい)。
抗体は、免疫血清の主にIgG分画を提供するプロテインAまたはプロテインGを用いるアフィニティクロマトグラフィーなどの周知の技術によって精製される。次に、または代わりに、求める免疫グロブリンの標的である特異的抗原またはそのエピトープを、免疫アフィニティクロマトグラフィーによって免疫特異的抗体を精製するためにカラム上に固定してもよい。免疫グロブリンの精製は、例えばD. Wilkinson(The Scientist, published by The Scientist, Inc., Philadelphia PA, Vol. 14, No. 8 (April 17, 2000), pp. 25-28)によって考察される。
一部の態様において、本発明の抗体はモノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は、例えば本明細書において提供される実施例に記載される技法を用いることによって生成される。抗体はまた、例えばその表面上の所定の標的の高レベルを発現する細胞トランスフェクタントの組み合わせによってBALB/cマウスを免疫感作することによっても作製される。次に、骨髄腫/B細胞融合体から生じるハイブリドーマを、選択された標的に対する反応性に関してスクリーニングする。
モノクローナル抗体は、例えばKohler and Milstein, Nature, 256:495 (1975)に記述される方法などのハイブリドーマ法を用いて調製される。ハイブリドーマ法において、マウス、ハムスター、または他の適切な宿主動物を典型的に、免疫物質に特異的に結合する抗体を産生するまたは産生することができるリンパ球を誘発するために、免疫物質によって免疫感作する。または、リンパ球をインビトロで免疫感作することができる。
免疫物質は典型的に、タンパク質抗原、その断片、またはその融合タンパク質を含む。一般的に、ヒト起源の細胞が望ましい場合、末梢血リンパ球が用いられ、または非ヒト哺乳動物起源が望ましい場合には脾細胞もしくはリンパ節細胞が用いられる。リンパ球を、ポリエチレングリコールなどの適した融合物質を用いて不死化細胞株に融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59-103)。不死化細胞株は通常、形質転換された哺乳動物細胞であり、詳しくは齧歯類、ウシ、およびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウス骨髄腫細胞株が用いられる。融合していない不死化細胞の生育または生存を阻害する1つまたは複数の物質を好ましくは含む適した培養培地において、ハイブリドーマ細胞を培養することができる。例えば、親細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠如する場合、ハイブリドーマの培養培地は典型的に、HGPRT欠損細胞の生育を防止する物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含む(「HAT培地」)であろう。
好ましい不死化細胞株は、効率よく融合して、選択された抗体産生細胞による抗体の安定な高レベル発現を支持し、HAT培地などの培地に対して感受性である細胞株である。より好ましい不死化細胞株は、例としてSalk Institute Cell Distribution Center, San Diego, Californiaおよびthe American Type Culture Collection, Manassas, Virginiaから得ることができるマウス骨髄腫細胞株である。ヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株も同様にモノクローナル抗体を産生するために記述されている(Kozbor, J. Immunol, 133:3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987) pp. 51-63)を参照されたい)。
ハイブリドーマ細胞を培養した培養培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の存在に関してアッセイすることができる。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されたモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降またはラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素免疫測定法(ELISA)などのインビトロ結合アッセイによって決定する。そのような技術およびアッセイは当技術分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson and Pollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)のScatchard分析によって決定することができる。その上、モノクローナル抗体の治療応用では、標的抗原に対して高い程度の特異性および高い結合親和性を有する抗体を同定することが重要である。
所望のハイブリドーマ細胞を同定した後、クローンを限界希釈技法によってサブクローニングして、標準的な方法によって生育させることができる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59-103を参照されたい)。この目的のための適した培養培地は、例えばダルベッコ改変イーグル培地およびRPMI 1640培地を含む。または、ハイブリドーマ細胞を、インビボで哺乳動物の腹水として生育させることができる。
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体を、例えばプロテインA-セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティクロマトグラフィーなどの通常の免疫グロブリン精製技法によって培養培地または腹水から単離または精製することができる。
モノクローナル抗体はまた、米国特許第4,816,567号に記述される方法などの組み換えDNA法によっても作製することができる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、通常の技法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)容易に単離およびシークエンシングすることができる。本発明のハイブリドーマ細胞は、そのようなDNAの好ましい起源として役立つ。単離した後、DNAを発現ベクターの中に入れることができ、次に発現ベクターをサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはそれ以外では免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトして、組み換え型宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得る。DNAはまた、例えばヒト重鎖および軽鎖定常ドメインのコード配列を相同なマウス配列の代わりに置換することによって(米国特許第4,816,567号;Morrison, Nature 368, 812-13 (1994)を参照されたい)、または非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全てまたは一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合させることによって、改変することができる。そのような非免疫グロブリンポリペプチドを、本発明の抗体の定常ドメインの代わりに置換することができ、または本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインの代わりに置換して、キメラ二価抗体を作製することができる。
本発明のモノクローナル抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体を含む。これらの抗体は、投与される免疫グロブリンに対してヒトが免疫応答を生じることがなく、ヒトに投与するために適している。抗体のヒト化型は、ヒト免疫グロブリンの配列で主に構成され、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含む、キメラ免疫グロブリン、その免疫グロブリン鎖または断片(Fv、Fab、Fab'、F(ab')2、または抗体の他の抗原結合小配列など)である。ヒト化は、例えばWinterと共同研究者(Jones et al, Nature, 321 :522-525 (1986); Riechmann et al, Nature, 332:323-327 (1988); Verhoeyen et al, Science, 239: 1534-1536 (1988))の方法に従うことによって、齧歯類CDRまたはCDR配列をヒト抗体の対応する配列の代わりに置換することによって行われる。(同様に、米国特許第5,225,539号も参照されたい)。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基を、対応する非ヒト残基に交換する。ヒト化抗体はまた、例えばレシピエント抗体またはインポートされたCDRもしくはフレームワーク配列のいずれにおいても見いだされない残基を含む。一般的に、ヒト化抗体は、全てまたは実質的に全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンの領域に対応し、およびフレームワーク領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列の領域に対応する、少なくとも1つ、典型的に2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は最適には、免疫グロブリン定常領域、典型的にヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部(Fc)を含む(Jones et al., 1986; Riechmann et al, 1988; and Presta, Curr. Op. Struct. Biol, 2:593-596 (1992))。
完全ヒト型抗体は、CDRを含む軽鎖および重鎖の両方の全配列がヒト遺伝子から生じる抗体分子である。そのような抗体は、本明細書において「ヒト抗体」または「完全ヒト型抗体」と呼ばれる。モノクローナル抗体は、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor, et al, 1983 Immunol Today 4: 72を参照されたい)、およびモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Cole, et al, 1985 In: MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96を参照されたい)を用いることによって調製することができる。モノクローナル抗体は、ヒトハイブリドーマを用いることによって(Cote, et al, 1983. Proc Natl Acad Sci USA 80: 2026-2030を参照されたい)、またはエプスタイン-バーウイルスによってインビトロでヒトB細胞を形質転換することによって(Cole, et al., 1985 In: MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96を参照されたい)利用および産生されうる。
加えて、ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリを含むさらなる技術を用いて産生することもできる。(Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol, 227:381 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol., 222:581 (1991)を参照されたい)。同様に、ヒト抗体は、トランスジェニック動物、例えば内因性の免疫グロブリン座が部分的または完全に不活化されているマウスにヒト免疫グロブリン座を導入することによって作製されうる。チャレンジすると、遺伝子再配列、アセンブリ、および抗体レパートリーを含む全ての局面においてヒトにおいて認められるものと類似するヒト抗体産生が観察される。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;第5,545,806号;第5,569,825号;第5,625,126号;第5,633,425号;第5,661,016号、およびMarks et al, Bio/Technology 10, 779-783 (1992); Lonberg et al, Nature 368 856-859 (1994); Morrison, Nature 368, 812-13 (1994); Fishwild et al, Nature Biotechnology 14, 845-51 (1996); Neuberger, Nature Biotechnology 14, 826 (1996); and Lonberg and Huszar, Intern. Rev. Immunol. 13 65-93 (1995)において記述される。
加えて、ヒト抗体は、抗原によるチャレンジに応答して動物の内因性の抗体ではなく完全ヒト型抗体を産生するように改変されたトランスジェニック非ヒト動物を用いて産生されうる(PCT公報WO 94/02602を参照されたい)。非ヒト宿主における重鎖および軽鎖免疫グロブリン鎖をコードする内因性の遺伝子を、無能力化して、ヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードする活性な座を宿主ゲノムに挿入する。ヒト遺伝子を、例えば、必須のヒトDNAセグメントを含む酵母人工染色体を用いて組み入れる。次に、完全ではない修飾の相補物を含む中間のトランスジェニック動物を交雑することによって、所望の修飾の全てを提供する動物が子孫として得られる。そのような非ヒト動物の例は、PCT公報WO 96/33735およびWO 96/34096において開示されるXenomouse(商標)と呼ばれるマウスである。この動物は、完全ヒト型免疫グロブリンを分泌するB細胞を産生する。抗体を、動物から、関心対象の免疫原による免疫感作後に、例えばポリクローナル抗体調製物として、直接得ることができ、またはモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマなどの動物に由来する不死化B細胞から得ることができる。加えて、ヒト可変領域を有する免疫グロブリンをコードする遺伝子を回収して発現させて、抗体を直接得ることができ、またはさらに改変して、例えば一本鎖Fv(scFv)分子などの抗体のアナログを得ることができる。
マウスがその例である、内因性の免疫グロブリン重鎖の発現を欠如する非ヒト宿主を産生する方法の例は、米国特許第5,939,598号に開示される。これは、座の再配列を防止するためにおよび再配列した免疫グロブリン重鎖座の転写物の形成を防止するために、胚幹細胞における少なくとも1つの内因性の重鎖座からJセグメント遺伝子を欠失させる段階であって、欠失が選択可能マーカーをコードする遺伝子を含むターゲティングベクターによって行われる段階、ならびにその体細胞および生殖細胞が選択可能マーカーをコードする遺伝子を含むトランスジェニックマウスを胚幹細胞から産生する段階を含む方法によって得ることができる。
ヒト抗体などの関心対象の抗体を産生する1つの方法は、米国特許第5,916,771号に開示される。この方法は、ある培養哺乳動物宿主細胞に、重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを導入する段階、軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、別の哺乳動物宿主細胞に導入する段階、およびこれら2種類の細胞を融合させてハイブリッド細胞を形成する段階を含む。このハイブリッド細胞は、重鎖および軽鎖を含む抗体を発現する。
この技法をさらに改善するために、免疫原における臨床的に関連するエピトープを同定する方法、および関連するエピトープに高い親和性で特異的に結合する抗体を選択する相関法が、PCT公報WO 99/53049に開示される。
抗体は、上記の一本鎖抗体をコードするDNAセグメントを含むベクターによって発現されうる。
これらは、ベクター、リポソーム、裸のDNA、アジュバント補助DNA、遺伝子銃、カテーテル等を含みうる。ベクターは、WO 93/64701に記述されるコンジュゲートなどの、ターゲティング部分(例えば、細胞表面受容体に対するリガンド)と核酸結合部分(例えば、ポリリジン)とを有する化学コンジュゲート、ウイルスベクター(例えば、DNAまたはRNAウイルスベクター)、標的部分(例えば、標的細胞に対して特異的な抗体)と核酸結合部分(例えば、プロタミン)とを含む融合タンパク質であるPCT/US 95/02140(WO 95/22618)に記述されるタンパク質などの融合タンパク質、プラスミド、ファージ等を含む。ベクターは、染色体、非染色体、または合成ベクターでありうる。
好ましいベクターは、ウイルスベクター、融合タンパク質、および化学コンジュゲートを含む。レトロウイルスベクターは、モロニーマウス白血病ウイルスを含む。DNAウイルスベクターが好ましい。これらのベクターは、オルトポックスまたはアビポックスベクターなどのポックスベクター、I型単純ヘルペスウイルス(HSV)ベクターなどのヘルペスウイルスベクター(Geller, A. I. et al, J. Neurochem, 64:487 (1995); Lim, F., et al., in DNA Cloning: Mammalian Systems, D. Glover, Ed. (Oxford Univ. Press, Oxford England) (1995); Geller, A. I. et al, Proc Natl. Acad. Sci.: U.S.A. 90:7603 (1993); Geller, A. I., et al, Proc Natl. Acad. Sci USA 87: 1149 (1990)を参照されたい)、アデノウイルスベクター(LeGal LaSalle et al, Science, 259:988 (1993); Davidson, et al, Nat. Genet 3:219 (1993); Yang, et al, J. Virol. 69:2004 (1995)を参照されたい)、およびアデノ随伴ウイルスベクター(Kaplitt, M. G. et al, Nat. Genet. 8: 148 (1994)を参照されたい)を含む。
ポックスウイルスベクターは、細胞質に遺伝子を導入する。アビポックスウイルスベクターによって、核酸のごく短期間の発現が起こる。アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、および単純ヘルペスウイルス(HSV)ベクターは、神経細胞に核酸を導入するために好ましい。アデノウイルスベクターでは、核酸の発現は、アデノ随伴ウイルス(約4ヶ月間)より短期間(約2ヶ月間)であるが、アデノ随伴ウイルスでの発現は、HSVベクターより短期間である。選択される特定のベクターは、標的細胞および処置される状態に依存するであろう。導入は、標準的な技術によって、例えば、感染、トランスフェクション、形質導入、または形質転換によって行われうる。遺伝子移入様式の例には、例えば裸のDNA、CaPO4沈殿、DEAEデキストラン、電気穿孔、プロトプラスト融合、リポフェクション、細胞マイクロインジェクション、およびウイルスベクターが挙げられる。
ベクターは、本質的に任意の所望の標的細胞を標的とするために用いることができる。例えば、定位注射を用いてベクター(例えば、アデノウイルス、HSV)を所望の位置に向けることができる。加えて、SynchroMed Infusionシステムなどのミニポンプ注入システムを用いて脳室内(icv)注入によって、粒子を送達することができる。対流と呼ばれるバルクフローに基づく方法はまた、脳の広い領域に大きい分子を送達するために有効であることが証明されており、標的細胞にベクターを送達するために有用でありうる(Bobo et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91 :2076-2080 (1994); Morrison et al, Am. J. Physiol. 266:292-305 (1994)を参照されたい)。用いることができる他の方法は、カテーテル、静脈内、非経口、腹腔内および皮下注射、ならびに経口または他の公知の投与経路を含む。
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有する抗体である。本件の例において、結合特異性の1つは、CD47またはその任意の断片などの標的に対するものである。第二の結合標的は、任意の他の抗原であり、都合よくは、細胞表面タンパク質または受容体もしくは受容体サブユニットである。
二重特異性抗体を作製する方法は当技術分野において公知である。従来、二重特異性抗体の組み換えによる産生は、2つの重鎖が異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づいている(Milstein and Cuello, Nature, 305 :537-539 (1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖が無作為に組み合わさるために、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、そのうちの1つのみが正しい二重特異性構造を有する10個の異なる抗体分子の可能性がある混合物を生じる。正しい分子の精製は通常、アフィニティクロマトグラフィー段階によって行われる。類似の技法は、1993年5月13日に公表されたWO 93/08829、およびTraunecker et al, EMBO J., 10:3655-3659 (1991)に開示される。
本発明の二重特異性および/または一価抗体は、これによってその内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる2011年8月16日に出願された同時係属中の出願、PCT公報WO 2012/023053号において開示されるものを含む、本技術分野において認識される様々な技術のうち任意のものを用いて作製することができる。PCT公報WO 2012/023053号に記載される方法によって、構造においてはヒト免疫グロブリンと同一の二重特異性抗体が作製される。このタイプの分子はユニークな重鎖ポリペプチドの2つのコピー、定常κドメインに融合された第一の軽鎖可変領域、および定常λドメインに融合された第二の軽鎖可変領域からなる。各々の結合部位は重鎖および軽鎖の両方が寄与する異なる抗原特異性を表す。軽鎖可変領域はλファミリーまたはκファミリーのものであってよく、好ましくはλ定常ドメインおよびκ定常ドメインにそれぞれ融合される。これは、非天然型の接合ポリペプチドの生成を避けるために好ましい。しかし、第一の特異性のためにκ軽鎖可変ドメインを定常λドメインに融合し、第二の特異性のためにλ軽鎖可変ドメインを定常κドメインに融合することによって本発明の二重特異性抗体を得ることも可能である。PCT公報WO 2012/023053号に記載される二重特異性抗体は、IgGκλ抗体または「κλボディ」と呼ばれ、新規の完全ヒト型二重特異性IgGフォーマットである。このκλボディフォーマットにより、標準のモノクローナル抗体と識別不能な特徴を有する標準のIgG分子から識別不能な二重特異性抗体の親和性精製が可能になるため、本フォーマットは以前のフォーマットと比べて好都合である。
この方法において必須の段階は、同じ重鎖可変ドメインを共有し異なる抗原特異性を有する2つの抗体Fv領域(各々が可変軽鎖ドメインと可変重鎖ドメインとからなる)を同定することである。モノクローナル抗体およびその断片の作製については数多の方法が記載されている(例えば、参照により本明細書に組み入れられるAntibodies:A Laboratory Manual, Harlow E, and Lane D, 1988, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NYを参照のこと)。完全ヒト型抗体は、CDR1およびCDR2を含む軽鎖および重鎖の両方の配列がヒト遺伝子から生じるような抗体分子である。CDR3領域はヒト由来のものであってもよく、または、合成法によって設計されてもよい。本明細書においてそのような抗体は「ヒト抗体」または「完全ヒト型抗体」と称される。ヒトモノクローナル抗体は、トリオーマ技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor, et al., 1983 Immunol Today 4:72を参照のこと);およびヒトモノクローナル抗体を作製するEBVハイブリドーマ技術(Cole, et al., 1985 In:MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96 を参照のこと)を用いて調製することができる。ヒトモノクローナル抗体は、ヒトハイブリドーマを用いることによって(Cote, et al., 1983. Proc Natl Acad Sci USA 80:2026-2030を参照のこと)、またはインビトロにおいてエプスタイン・バーウイルスを用いてヒトB細胞を形質転換することによって(Cole, et al., 1985 In:MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96 を参照のこと)、利用することができ、作製することができる。
モノクローナル抗体は、例えば、標的抗原、またはその免疫原性断片、誘導体、もしくは変異体を用いて動物個体を免疫感作することによって作製される。あるいは、標的抗原をコードする核酸分子を含有するベクターでトランスフェクトした細胞を用いることによって、トランスフェクトされた細胞の表面で標的抗原が発現され結合されるようにして、動物個体を免疫感作する。当技術分野においては異種(xenogenic)非ヒト動物を作製するための様々な技術が周知である。例えば、これによってその全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,075,181号および第6,150,584号を参照のこと。
あるいは、抗体は、抗体配列もしくは抗原結合ドメイン配列を含有するライブラリを、標的抗原との結合についてスクリーニングすることによって得られる。このライブラリは、例えばバクテリオファージにおいて、構築されたファージ粒子の表面上において発現されるバクテリオファージコートタンパク質とのタンパク質またはペプチド融合体、およびファージ粒子内に含有されるコードDNA配列として(即ち「ファージディスプレイライブラリ」として)調製される。
次いで、ミエローマ/B細胞融合の結果生じたハイブリドーマを、標的抗原に対する反応性についてスクリーニングする。モノクローナル抗体は、例えば、Kohler and Milstein, Nature, 256:495(1975)によって記載されるようなハイブリドーマ法を用いて調製される。ハイブリドーマ法においては、免疫感作剤に特異的に結合する抗体を産生する、または産生できるリンパ球を誘発するために、典型的には、マウス、ハムスター、または他の適切な宿主動物を免疫感作剤を用いて免疫感作する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫感作することができる。
厳密には不可能ではないが、同じ重鎖可変ドメインを有するが異なる抗原に対して指向する異なる抗体が偶然に同定される可能性は非常に低い。実際、ほとんどの場合において、重鎖は抗原結合表面に大きく寄与しているとともに、配列が最も変わりやすい。特に、重鎖上のCDR3は、配列、長さ、および構造の最も多様なCDRである。したがって、異なる抗原に対して特異的な2つの抗体はほぼ常に、異なる重鎖可変ドメインを有する。
同時係属中の出願、PCT公報WO 2012/023053号において開示される方法は、この制限を克服するものであり、全てのライブラリメンバーについて重鎖可変ドメインが同じであり、それゆえに多様性が軽鎖可変ドメインに限定されるような抗体ライブラリを使用することによって、同じ重鎖可変ドメインを有する抗体の単離を大いに促進する。そのようなライブラリは、例えば、これによってその各々の全体が参照により本明細書に組み入れられる同時係属中の出願、PCT公報WO 2010/135558号およびPCT公報WO 2011/084255号に記載されている。しかし、重鎖可変ドメインと共に軽鎖可変ドメインが発現されるため、双方のドメインが抗原との結合に寄与し得る。過程をさらに容易にするため、異なる抗原に対する抗体のインビトロにおける選択のために、同じ重鎖可変ドメインおよび多様なλ可変軽鎖またはκ可変軽鎖のいずれかを含有する抗体ライブラリを並行して使用することができる。このアプローチでは、本発明の完全免疫グロブリンフォーマットにおいて二重特異性抗体を作製するための構成要素として使用できる、共通の重鎖を有するが、一方がλ軽鎖可変ドメインを有し、他方がκ軽鎖可変ドメインを有する2つの抗体の同定が可能になる。本発明の二重特異性抗体は、異なるアイソタイプのものであってよく、異なるFcレセプターへの結合特性を変えるために、ならびにこのような方法で抗体のエフェクター機能および薬物動態学的特性を改変するために、それらのFc部分は改変されてよい。Fc部分を改変するための数多の方法が記載されており、本発明の抗体に適用可能である(例えば、Strohl, WR Curr Opin Biotechnol 2009 (6):685-91;米国特許第6,528,624号;2009年1月9日に出願されたPCT/US2009/0191199を参照のこと)。本発明の方法は、Fc部分を欠くF(ab’)2 フォーマットでの二重特異性抗体および抗体混合物を作製するために使用することもできる。
共通の重鎖および2つの異なる軽鎖を単一の細胞において共発現させて、本発明の二重特異性抗体を構築する。全てのポリペプチドが同じレベルで発現され、免疫グロブリン分子を形成するのに十分に同等に構築された場合、単一特異性(同じ軽鎖)および二重特異性(2つの異なる軽鎖)の比率は50%となるはずである。しかし、異なる軽鎖が異なるレベルで発現される、および/または同じ効率では構築されない可能性がある。したがって、その固有の発現特性または異なる性質を補って共通の重鎖と構築させるために、異なるポリペプチドの相対的発現を調節する手段が用いられる。この調節は、プロモーターの強度によって、異なる効率を特徴とする配列内リボソーム進入部位(IRES)の使用、または、転写もしくは翻訳レベルにおいて作用できる、およびmRNA安定性に対して作用する他のタイプの調節エレメントの使用によって成すことができる。異なる強度の異なるプロモーターは、CMV(最初期サイトメガロウイルス・ウイルスプロモーター);EF1-1α(ヒト伸長因子1α-サブユニットプロモーター);Ubc(ヒトユビキチンCプロモーター);SV40(サルウイルス40プロモーター)を含み得る。哺乳動物起源およびウイルス起源の異なるIRESについても記述されている(例えば、Hellen CU and Sarnow P. Genes Dev 2001 15:1593-612を参照のこと)。これらのIRESはその長さおよびリボソーム動員効率において大きく異なる。さらに、IRESの複数のコピーを導入することによって活性をさらに調整することが可能である(Stephen et al.2000 Proc Natl Acad Sci USA 97:1536-1541)。発現の調節は細胞の複数の連続的なトランスフェクションを行ってどれか1つの軽鎖を発現する個々の遺伝子のコピー数を増加させ、それによりそれらの相対的な発現を改変することによって成すこともできる。本明細書において提供される例から、異なる鎖の相対的発現の調節が二重特異性抗体の構築および全収量を最大化するために重要であることが示される。
重鎖と2種類の軽鎖の共発現から、細胞培養上清中に3種類の異なる抗体の混合物が生じる:2種類の単一特異性二価抗体および1種類の二重特異性二価抗体である。後者は、混合物から精製して関心対象の分子を得なければならない。本明細書に記載される方法では、CaptureSelect Fab Kappa and CaptureSelect Fab Lambdaアフィニティマトリクス(BAC BV, Holland)のようなκまたはλ軽鎖定常ドメインと特異的に相互作用するアフィニティクロマトグラフィー媒体を使用することによって、この精製工程が大いに促進される。この多段階アフィニティクロマトグラフィー精製アプローチは効率的であり、本発明の抗体に一般に適用可能である。これは抗体混合物を発現するクアドローマまたは他の細胞株に由来する各々の二重特異性抗体について開発しなければならない、および最適化しなければならない特異的精製法とは著しく対照的である。実際に、混合物中の異なる抗体の生化学的特徴が類似している場合、イオン交換クロマトグラフィーのような標準のクロマトグラフィー技術を用いたそれらの分離は難しいか、または全く不可能であり得る。
他の好適な精製法には、これによってその内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる、2012年10月19日に出願され、PCT公報WO 2013/088259号として公開された同時係属中の出願PCT/IB2012/003028において開示されるものが含まれる。
二重特異性抗体製造の他の態様において、所望の結合特異性(抗体-抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインを、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合させることができる。融合は好ましくは、ヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのあいだで行う。融合体の少なくとも1つに存在する軽鎖結合にとって必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CHI)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体、および望ましければ免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを、異なる発現ベクターに挿入して、適した宿主生物に同時トランスフェクトする。二重特異性抗体を作製するさらなる詳細に関しては、例えば、Suresh et al, Methods in Enzymology, 121 :210 (1986)を参照されたい。
WO 96/27011に記述される別のアプローチに従って、抗体分子対のあいだの界面を、組み換え型細胞培養から回収されるヘテロ二量体のパーセンテージを最大限にするように操作することができる。好ましい界面は、抗体定常ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法において、第一の抗体分子の界面からの1つまたは複数の小さいアミノ酸側鎖を、より大きい側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)に交換する。大きいアミノ酸側鎖をより小さい側鎖(例えば、アラニンまたはトレオニン)に交換することによって、大きい側鎖と同一または類似のサイズの代償的「腔」が、第二の抗体分子の界面上に作製される。これは、ホモ二量体などの他の望ましくない最終産物に対してヘテロ二量体の収率を増加させる機序を提供する。
抗体断片から二重特異性抗体を作製する技術は、文献において記述されている。例えば、二重特異性抗体は、化学的連結を用いて調製することができる。産生された二重特異性抗体を、酵素の選択的固定のための物質として用いることができる。
組み換え型細胞培養から二重特異性抗体断片を直接作製および単離する様々な技術もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体は、ロイシンジッパーを用いて産生されている。Kostelny et al, J. Immunol. 148(5): 1547- 1553 (1992)。FosおよびJunタンパク質のロイシンジッパーペプチドを、遺伝子融合によって異なる2つの抗体のFab'部分に連結させた。抗体ホモ二量体をヒンジ領域で還元して単量体を形成し、その後再度酸化して抗体ヘテロ二量体を形成した。この方法はまた、抗体ホモ二量体を産生するためにも利用することができる。Hollinger et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448 (1993)によって記述される「ディアボディ」技術は、二重特異性抗体断片を作製するための代わりの機序を提供している。断片は、同じ鎖の2つのドメイン間で対を形成するには短すぎるリンカーによって軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。したがって、1つの断片のVHおよびVLドメインを、別の断片の相補的VLおよびVHドメインと対を形成させて、それによって2つの抗原結合部位を形成する。一本鎖Fv(sFv)二量体を用いることによって二重特異性抗体断片を作製するための別の戦略も同様に報告されている。Gruber et al, J. Immunol. 152:5368 (1994)を参照されたい。
2価を超える抗体が企図される。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt et al., J. Immunol. 147:60 (1991)。
例示的な二重特異性抗体は、異なる2つのエピトープに結合することができ、その少なくとも1つは、本発明のタンパク質抗原を起源とする。または、特定の抗原を発現する細胞に細胞防御機構を集中させるために、免疫グロブリン分子の抗抗原性アームを、T細胞受容体分子(例えば、CD2、CD3、CD28、またはB7)、またはFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、およびFcγRIII(CD16)などのIgGのFc受容体(FcγR)などの白血球上のトリガー分子に結合するアームと組み合わせることができる。二重特異性抗体を用いて、特定の抗原を発現する細胞に細胞傷害性物質を向けることもできる。これらの抗体は、抗原結合アームと、細胞傷害剤、またはEOTUBE、DPTA、DOTA、もしくはTETAなどの放射性核種キレート剤に結合するアームとを有する。別の関心対象の二重特異性抗体は、本明細書に記載されるタンパク質抗原に結合して、組織因子(TF)にさらに結合する。
ヘテロコンジュゲート抗体も同様に、本発明の範囲内である。ヘテロコンジュゲート抗体は、2つの共有結合抗体で構成される。そのような抗体は、例えば、免疫系の細胞を望ましくない細胞に向けるために(米国特許第4,676,980号を参照されたい)およびHIV感染症を処置するために(WO 91/00360;WO 92/200373;EP 03089を参照されたい)提唱されている。抗体は、架橋剤を含む化学を含む合成タンパク質化学における公知の方法を用いてインビトロで調製することができると企図される。例えば、ジスルフィド交換反応を用いて、またはチオエーテル結合を形成することによって、免疫毒素を構築することができる。この目的のための適した試薬の例には、イミノチオラートおよびメチル-4-メルカプトブチルイミダート、ならびに例えば米国特許第4,676,980号に開示される試薬が挙げられる。
がんならびに/または異常なCD47発現および/もしくは活性に関連する疾患および障害の処置において、例えば抗体の有効性を増強するために、エフェクター機能に関して本発明の抗体を修飾することが望ましい場合がある。例えば、システイン残基をFc領域に導入して、それによってこの領域において鎖間ジスルフィド結合を形成させることができる。このように作製されたホモ二量体抗体は、改善されたインターナリゼーション能および/または増加した補体依存性細胞傷害性および抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有しうる。(Caron et al, J. Exp Med., 176: 1191-1195 (1992) and Shopes, J. Immunol., 148: 2918-2922 (1992)を参照されたい)。または、二重のFc領域を有し、それによって増強された補体溶解およびADCC能を有しうる抗体を工学操作することができる。(Stevenson et al, Anti-Cancer Drug Design, 3: 219-230 (1989)を参照されたい)。
本発明はまた、毒素(例えば、細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素的に活性な毒素またはその断片)または放射活性同位元素(すなわち、ラジオコンジュゲート)などの細胞傷害剤にコンジュゲートされた抗体を含む、イムノコンジュゲートにも関する。
用いることができる酵素的に活性な毒素およびその断片は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデッシンA鎖、α-サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、アメリカヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP-S)、ツルレイシ(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、およびトリコテセンを含む。 ラジオコンジュゲート抗体を産生するために、多様な放射性核種を利用することができる。例には、212Bi、131I、131In、90Y、および186Reが挙げられる。
抗体と細胞傷害剤のコンジュゲートは、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオル)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(アジプイミド酸ジメチルHCLなど)、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミジルなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビスアジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トリエン2,6-ジイソシアネートなど)、およびビス活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンなど)などの多様な二官能タンパク質結合剤を用いて作製される。例えば、リシン免疫毒素を、Vitetta et al., Science 238: 1098 (1987)に記述されるように調製することができる。炭素-14標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性核種を抗体にコンジュゲートするための例示的なキレート剤である。(W094/11026を参照されたい)。
当業者は、非常に多様な可能性がある部分を本発明の得られた抗体に結合させることができると認識するであろう。(例えば、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、"Conjugate Vaccines", Contributions to Microbiology and Immunology, J. M. Cruse and R. E. Lewis, Jr (eds), Carger Press, New York, (1989)を参照されたい)。
結合は、抗体および他の部分がそのそれぞれの活性を保持する限り、2つの分子を結合させる任意の化学反応によって行われうる。この結合は、多くの化学的機序、例として共有結合、アフィニティ結合、インターカレーション、配位結合および錯体形成を含みうる。しかし、好ましい結合は共有結合である。共有結合は、既存の側鎖を直接縮合することによって、または外部架橋分子を組み入れることのいずれかによって行われうる。多くの二価または多価結合剤が本発明の抗体などのタンパク質分子を他の分子に結合させるために有用である。例えば、代表的な結合剤は、チオエステル、カルボジイミド、スクシンイミドエステル、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ジアゾベンゼン、およびヘキサメチレンジアミンなどの有機化合物を含みうる。この一覧は、当技術分野において公知の様々なクラスの結合剤を網羅したものではなく、むしろより一般的な結合剤の例であると意図される。(Killen and Lindstrom, Jour. Immun. 133: 1335-2549 (1984); Jansen et al, Immunological Reviews 62: 185-216 (1982); and Vitetta et al, Science 238: 1098 (1987)を参照されたい)。
好ましいリンカーは、文献に記述されている。(例えば、MBS(M-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)の使用を記述する、Ramakrishnan, S. et al, Cancer Res. 44:201-208 (1984)を参照されたい)。同様に、オリゴペプチドリンカーによって抗体に結合させたハロゲン化アセチルヒドラジド誘導体の使用を記述する米国特許第5,030,719号も参照されたい。特に好ましいリンカーは、(i)EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド塩酸塩);(ii)SMPT(4-スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジル-ジチオ)-トルエン)(Pierce Chem. Co., Cat. (21558G));(iii)SPDP(スクシンイミジル-6 [3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート(Pierce Chem. Co., カタログ番号21651G);(iv)スルホ-LC-SPDP(スルホスクシンイミジル6 [3-(2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサノエート(Pierce Chem. Co.カタログ番号2165-G);および(v)EDCにコンジュゲートしたスルホ-NHS (N-ヒドロキシスルホ-スクシンイミド:Pierce Chem. Co., カタログ番号24510)を含む。
上記のリンカーは、異なる属性を有する成分を含み、このため、異なる物理化学特性を有するコンジュゲートが得られる。例えば、アルキルカルボキシラートのスルホ-NHSエステルは、芳香族カルボキシラートのスルホ-NHSエステルより安定である。NHSエステル含有リンカーは、スルホNHSエステルより溶解度が低い。さらに、リンカーSMPTは、立体的に妨害されるジスルフィド結合を含み、安定性が増加したコンジュゲートを形成することができる。ジスルフィド結合はインビトロで切断されることから、ジスルフィド結合は一般的に、他の結合より安定性が低く、それによってコンジュゲートはより利用できにくくなる。特に、スルホ-NHSは、カルボジイミド結合の安定性を増強しうる。カルボジイミド結合(EDCなど)をスルホ-NHSと共に用いると、カルボジイミド結合反応単独より加水分解に対してより抵抗性であるエステルを形成する。
本明細書において開示される抗体はまた、イムノリポソームとして調合することができる。抗体を含むリポソームは、Epstein et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985); Hwang et al, Proc. Natl Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980);ならびに米国特許第4,485,045号および第4,544,545号において記述される方法などの当技術分野において公知の方法によって調製される。血液循環時間が改良されたリポソームは、米国特許第5,013,556号において開示される。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、およびPEG-誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物による逆相蒸発法によって作製されうる。所望の直径を有するリポソームを生じるために、既定の孔サイズのフィルターの中にリポソームを押し出す。本発明の抗体のFab'断片を、Martin et al., J. Biol. Chem., 257: 286-288 (1982)に記述されるように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームにコンジュゲートさせることができる。
抗CD47 x 抗MSLN抗体の使用
本発明に従う治療実体の投与は、移動、送達、認容性の改善、およびその他を提供するために製剤に組み入れられる、適した担体、賦形剤、および他の作用物質と共に投与されると認識されるであろう。多数の適当な製剤を、全ての製薬化学者に公知である処方集:Remington's Pharmaceutical Sciences (15th ed, Mack Publishing Company, Easton, PA (1975))、特にその中のBlaug, Seymourによる第87章において見いだすことができる。これらの製剤には、例えば、粉剤、パスタ剤、軟膏、ゼリー、ロウ、油、脂質、脂質(陽イオンまたは陰イオン性)含有小胞(Lipofectin(商標)など)、DNAコンジュゲート、無水吸収パスタ剤、水中油型および油中水型乳剤、乳剤カーボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、およびカーボワックスを含む半固体混合物が挙げられる。前述の混合物はいずれも、製剤中の活性成分が、製剤によって不活化されず、製剤が投与経路と生理学的に適合性で認容性である限り、本発明に従う処置および治療において適切であろう。同様に、製薬化学者にとって周知である製剤、賦形剤、および担体に関連する追加の情報に関して、Baldrick P. "Pharmaceutical excipient development: the need for preclinical guidance." Regul. Toxicol Pharmacol. 32(2):210-8 (2000), Wang W. "Lyophilization and development of solid protein pharmaceuticals." Int. J. Pharm. 203(1-2): 1-60 (2000), Charman WN "Lipids, lipophilic drugs, and oral drug delivery-some emerging concepts." J Pharm Sci.89(8):967-78 (2000), Powell et al. "Compendium of excipients for parenteral formulations" PDA J Pharm Sci Technol. 52:238-311 (1998)、ならびにその中での引用を参照されたい。
本発明の抗体を含む本発明の治療製剤は、非限定的な例として、白血病、リンパ腫、乳がん、結腸がん、卵巣がん、膀胱がん、前立腺がん、神経膠腫、肺および気管支がん、大腸がん、膵臓がん、食道がん、肝臓がん、膀胱がん、腎臓および腎盂腎がん、口腔がんおよび咽頭がん、子宮体がん、ならびに/またはメラノーマのようながんに関連する症状を治療または緩和するために使用される。本発明はまた、がんに関連する症状を治療または緩和する方法をも提供する。治療計画は、例えばがんを患っている(または発症リスクのある)ヒト患者のような対象を、標準法を用いて同定することによって実施される。
処置の有効性は、特定の免疫関連障害を診断または処置するための任意の公知の方法に関連して決定される。免疫関連障害の1つまたは複数の症状が軽減されれば、抗体が臨床上の恩典を付与することを示している。
所望の特異性を有する抗体をスクリーニングする方法は、酵素免疫測定法(ELISA)および当技術分野において公知の他の免疫学媒介技術を含むがこれらに限定されるわけではない。
CD47、メソテリン、もしくはそれらの組み合わせ(またはその断片)などの標的に対する抗体が、例えば適切な生理的試料中のこれらの標的のレベルを測定するために用いるために、診断法において用いるために、タンパク質のイメージングにおいて用いるために、およびその他のために、これらの標的の局在および/または定量に関連する当技術分野において公知の方法において用いられうる。所定の態様において、これらの標的のいずれかに対して特異的な抗体、または抗体由来抗原結合ドメインを含むその誘導体、断片、アナログ、もしくはホモログが、薬理活性化合物(本明細書において以降「治療物質」と呼ぶ)として利用される。
本発明の抗体は、免疫アフィニティクロマトグラフィーまたは免疫沈降などの標準的な技術を用いて特定の標的を単離するために用いられうる。本発明の抗体(またはその断片)を診断的に用いて、臨床試験技法の一部として組織中のタンパク質レベルをモニターする、例えば所定の処置治療計画の有効性を決定することができる。抗体を検出可能な物質に連結させる(すなわち、物理的に連結させる)ことによって、検出を容易にすることができる。検出可能な物質の例には、様々な酵素、補欠分子群、蛍光材料、発光材料、生物発光材料、および放射活性材料が挙げられる。適した酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる;適した補欠分子群の例には、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられる;適した蛍光材料の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、またはフィコエリスリンが挙げらる;発光材料の例には、ルミノールが挙げられる;生物発光材料の例にはルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられる;ならびに適した放射活性材料には125I、131I、35S、または3Hが挙げられる。
ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、および完全ヒト型抗体を含む本発明の抗体は、治療物質として用いられうる。そのような物質は一般的に、対象における所定の標的の異常な発現または活性化に関連する疾患または病態を処置または予防するために用いられるであろう。抗体調製物、好ましくはその標的抗原に対して高い特異性および高い親和性を有する調製物を対象に投与すると、一般的に、標的とのその結合により効果を有するであろう。抗体を投与することにより、標的のシグナル伝達機能が排除、阻害、または妨害されうる。抗体を投与することにより、それが本来結合する内因性のリガンドと標的との結合が排除、または阻害、または妨害されうる。例えば、抗体は、標的に結合し、CD47とSIRPαとの相互作用を中和するか、そうでなければ阻害する。
本発明の抗体の治療的有効量は一般的に、治療目的を達成するために必要な量に関する。先に述べたように、これは、ある例において、標的の機能を妨害する、抗体とその標的抗原との結合相互作用でありうる。投与するために必要な量は、さらにその特異的抗原に対する抗体の結合親和性に依存して、同様に、投与された抗体が、それが投与される対象の他の自由容量(free volume other subject)から枯渇する速度に依存するであろう。本発明の抗体または抗体断片の治療的に有効な投与の一般的範囲は、非制限的な例として、約0.1 mg/kg体重から約50 mg/kg体重でありうる。一般的な投与回数は、例えば1日2回から1週間に1回の範囲でありうる。
本発明の抗体またはその断片は、薬学的組成物の形状で様々な疾患および障害の治療のために投与されうる。そのような組成物の調製に関係する原理および検討、ならびに成分の選択における指針は、例えばRemington : The Science And Practice Of Pharmacy 19th ed. (Alfonso R. Gennaro, et al., editors) Mack Pub. Co., Easton, Pa. : 1995; Drug Absorption Enhancement : Concepts, Possibilities, Limitations, And Trends, Harwood Academic Publishers, Langhorne, Pa., 1994; and Peptide And Protein Drug Delivery (Advances In Parenteral Sciences, Vol. 4), 1991, M. Dekker, New Yorkにおいて提供される。
抗体断片を用いる場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小の阻害性断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列の結合能を保持するペプチド分子を設計することができる。そのようなペプチドは、化学合成することができ、および/または組み換えDNA技術によって産生することができる(例えば、Marasco et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 7889-7893 (1993)を参照されたい)。製剤はまた、処置される特定の適応にとって必要な1つより多くの活性化合物、好ましくは互いに有害な影響を及ぼさない補足的活性を有する化合物を含有することができる。またはもしくは加えて、組成物は、例えば細胞傷害物質、サイトカイン、化学療法剤、または増殖阻害剤などのその機能を増強する作用物質を含むことができる。そのような分子は、ふさわしくは、意図される目的にとって有効である量で併用して存在する。
活性成分はまた、例えばコアセルベーション技術によってまたは界面重合化によって調製されたマイクロカプセル、例えばコロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)において、またはマクロエマルジョンにおいて、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルに捕捉することができる。
インビボ投与のために用いられる製剤は無菌でなければならない。これは、滅菌濾過メンブレンを通して濾過することによって容易に達成される。
徐放性製剤を調製することができる。徐放性調製物の適した例には、マトリクスが、成型された製品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形状である、抗体を含む固体疎水性ポリマーの半透過性マトリクスが挙げられる。徐放性マトリクスの例には、ポリエステル、ハイドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)などの分解性の乳酸-グリコール酸コポリマー(乳酸-グリコール酸コポリマーおよび酢酸リュープロリドで構成される注射可能なミクロスフェア)、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。エチレン酢酸ビニルおよび乳酸-グリコール酸などのポリマーは、100日間のあいだ分子の放出を可能にするが、あるハイドロゲルは、タンパク質をより短い期間放出する。
本発明の抗体は、試料中の所与の標的(またはそのタンパク質断片)の存在を検出するための作用物質として用いることができる。いくつかの態様において、抗体は、検出可能な標識を含む。抗体は、ポリクローナル抗体であるか、またはより好ましくはモノクローナル抗体である。無傷の抗体またはその断片(例えば、Fab、scFv、またはF(ab)2)が用いられる。プローブまたは抗体に関して「標識された」という用語は、検出可能な物質をプローブまたは抗体にカップリングさせる(すなわち、物理的に連結させる)ことによるプローブまたは抗体の直接標識、ならびに直接標識される別の試薬との反応性によるプローブまたは抗体の間接的標識を包含すると意図される。間接的標識の例には、蛍光標識二次抗体を用いる一次抗体の検出、および蛍光標識ストレプトアビジンによって検出することができるようにビオチンによるDNAプローブの末端標識が挙げられる。「生物試料」という用語は、対象から単離された組織、細胞、および生体液、ならびに対象内に存在する組織、細胞、および液体を含むと意図される。それゆえ、血液、および血清、血漿、またはリンパを含む血液の分画または成分は「生物試料」という用語の用法内に含まれる。すなわち、本発明の検出法を用いて、インビトロならびにインビボで生物試料中の対象mRNA、タンパク質、またはゲノムDNAを検出することができる。例えば、分析対象mRNAを検出するためのインビトロ技術には、ノザンハイブリダイゼーションおよびインサイチューハイブリダイゼーションが挙げられる。分析対象タンパク質を検出するためのインビトロ技術には、酵素免疫測定法(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降、および免疫蛍光が挙げられる。分析対象ゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術にはサザンハイブリダイゼーションが挙げられる。イムノアッセイを行うための技法は、例えば"ELISA: Theory and Practice: Methods in Molecular Biology", Vol. 42, J. R. Crowther (Ed.) Human Press, Totowa, NJ, 1995; "Immunoassay", E. Diamandis and T. Christopoulus, Academic Press, Inc., San Diego, CA, 1996; and "Practice and Theory of Enzyme Immunoassays", P. Tijssen, Elsevier Science Publishers, Amsterdam, 1985において記述される。さらに、分析対象タンパク質を検出するためのインビボ技術は、標識した抗分析対象タンパク質抗体を対象に導入する段階を含む。例えば、対象におけるその存在および位置を標準的な撮像技術によって検出することができる放射活性マーカーによって、抗体を標識することができる。
薬学的組成物
本発明の抗体(本明細書において「活性化合物」と呼ばれる)、ならびにその誘導体、断片、アナログ、および相同体は、投与にとって適した薬学的組成物に組み入れることができる。そのような組成物は典型的に、抗体と、薬学的に許容される担体とを含む。本明細書において用いられる「薬学的に許容される担体」という用語は、薬学的投与と適合性の任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、ならびにその他を含むと意図される。適した担体は、参照により本明細書に組み入れられる、当技術分野において標準的な参考テキストであるRemington's Pharmaceutical Sciences最新版に記述される。そのような担体または希釈剤の好ましい例には、水、食塩水、リンゲル液、デキストロース液、および5%ヒト血清アルブミンが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。リポソームおよび固定油などの非水性媒体も同様に用いられうる。薬学的活性物質のためにそのような媒体および作用物質を用いることは、当技術分野において周知である。いかなる通常の媒体または作用物質も、活性化合物と不適合性である場合を除き、組成物におけるその使用が企図される。補助活性化合物も同様に、組成物に組み入れることができる。
本発明の薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように調合される。投与経路の例には、非経口、例えば静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(例えば、表面)、経粘膜、および直腸投与が挙げられる。非経口、皮内、または皮下適用のために用いられる溶液または懸濁液は、以下の成分を含むことができる:注射用水、食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などの緩衝剤;および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性調節剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基によって調節することができる。非経口調製物は、ガラスもしくはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または多用量バイアルに封入することができる。
注射での使用にとって適した薬学的組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および滅菌注射可能溶液または分散液の即時調製用滅菌粉末を含む。静脈内投与の場合、適した担体には、生理食塩液、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF, Parsippany, N.J.)、またはリン酸緩衝生理食塩液(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、無菌的でなければならず、容易なシリンジ操作性が存在する程度に流動性であるべきである。組成物は、製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール、およびその他)、およびその適した混合物を含む溶媒または分散媒体でありうる。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングを用いることによって、分散剤の場合には必要な粒子径を維持することによって、および界面活性剤を用いることによって維持することができる。微生物の作用の予防は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサル、およびその他によって達成することができる。多くの場合において、等張剤、例えば糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、塩化ナトリウムを組成物に含めることが好ましいであろう。注射可能な組成物の持続的な吸収は、吸収を遅らせる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物に含めることによってもたらすことができる。
滅菌注射用溶液は、活性化合物の必要量を、適切な溶媒において、先に列挙した成分の1つまたは組み合わせと共に組み入れて、必要に応じてその後濾過滅菌することによって調製することができる。一般的に、分散剤は、基本分散培地と、先に列挙した必要な他の成分とを含む滅菌媒体に活性化合物を組み入れることによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合、調製法は、予め濾過滅菌したその溶液から、活性成分と任意の追加の所望の成分とを含む粉末を生じる真空乾燥および凍結乾燥である。
経口組成物は一般的に、不活性希釈剤または食用担体を含む。それらを、ゼラチンカプセルに封入することができ、または錠剤に圧縮することができる。経口治療的投与の目的に関して、活性化合物を賦形剤と共に組み入れて、錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の剤形で用いることができる。経口組成物はまた、液体担体中の化合物が、口に適用される、すすいで吐き出される、または飲み込まれる、マウスウォッシュとして用いるための液体担体を用いて調製することができる。薬学的に適合性の結合剤および/または補助材料を、組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤およびその他は、以下の成分または類似の性質の化合物のいずれかを含むことができる:血漿セルロース、トラガカントゴム、またはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたは乳糖などの賦形剤;アルギン酸、Primogel、またはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤;蔗糖またはサッカリンなどの甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ香料などの香味料。
吸入投与の場合、化合物は、適した促進剤、例えば、二酸化炭素などのガスを含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからのエアロゾルスプレーの剤形で送達される。
全身投与も、経粘膜または経皮手段によって行うことができる。経粘膜または経皮投与の場合、浸透される障壁にとって適切な浸透剤を製剤に用いる。そのような浸透剤は一般的に当技術分野において公知であり、例えば経粘膜投与の場合、洗浄剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、点鼻スプレーまたは坐剤の使用を通して達成することができる。経皮投与の場合、活性化合物は、一般的に当技術分野において公知である軟膏、軟膏剤(salve)、ゲル、またはクリームに調合される。
化合物はまた、直腸送達のために坐剤(例えば、カカオバターおよび他のグリセリドなどの通常の坐剤基剤と共に)または浣腸の剤形で調製することができる。
1つの態様において、活性化合物は、インプラントおよび微小封入送達システムを含む、徐放性製剤などの、化合物が体から急速に消失しないよう保護する担体と共に調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリアンヒドリド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生体分解性で生体適合性のポリマーを用いることができる。そのような製剤を調製する方法は、当業者に明らかであろう。材料はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.からの購入によっても得ることができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体によって感染細胞を標的とするリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として用いることができる。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記述されるように当業者に公知の方法に従って調製することができる。
投与の容易さおよび用量の均一性のために、単位投与剤形で経口または非経口組成物を調合することが特に有利である。本明細書において用いられる単位投与剤形は、各単位が、必要な薬学的担体に関連して所望の治療効果を生じるように計算された既定量の活性化合物を含む、処置される対象にとって単位用量として適した物理的に個別の単位を意味する。本発明の単位投与剤形の仕様は、活性化合物の独自の特徴および達成される特定の治療効果、ならびに個体の処置のためにそのような活性化合物を作る技術分野における固有の制限によって左右され、それらに直接依存する。
薬学的組成物は、投与に関する説明書と共に、容器、パック、またはディスペンサーに含めることができる。
本発明を、以下の実施例においてさらに説明するが、これらは特許請求の範囲に記述される本発明の範囲を制限しない。
実施例1:親和性測定
MSLNアーム
本明細書においてMSLNアームと呼ばれる、様々な抗MSLN配列の親和性は、バイオレイヤー干渉(BLI)技術を用いて決定された。OctetRED96機器、およびプロテインAバイオセンサーが使用された(Pall, Basel, Switzerland)。水和、およびベースライン工程の後、バイオセンサーに、ランニング緩衝液(PBS、NaCl、Tween 20、BSA、ProClin00)中のIgGが1μg/mLで2分間ロードされた。対照IgGが、リファレンス用に、追加のバイオセンサー上にロードされた。次にバイオセンサーは、ヒトMSLNの連続希釈物中に浸漬された。MSLNの濃度は、各候補の予想されるKDに合わせた。バイオセンサーは、pH 1.7の10 mMグリシンを用いて再生された。親和性は、1:1グローバルフィッティングモデルを適用して、二重リファレンスが実施された曲線において測定された。結果は、以下の表5に示される。
(表5)MSLNアームの親和性の値(n=2)
Figure 2020526478
実施例2:カニクイザルメソテリン全長のクローニングおよび細胞表面での発現
クローニング
カニクイザルメソテリン(cMSLN)全長タンパク質に対応する配列は、Eurofinsにより、合成され、pEX-K4ベクターにおいて提供された。DNAが調製され、そして制限酵素HindIIIおよびEcoRIを用いて消化された。挿入物は2回ゲル精製され、そしてpEAK8 EF1哺乳類発現ベクター(Edge Biosystems, Gaithersburg, MD)中にクローニングされた。構築物は、DNA配列決定により確認された。
発現
プラスミドは次に、Lipofectamine 2000(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)などのリポソームに基づくトランスフェクション試薬を用いて、哺乳類細胞にトランスフェクトされた。トランスフェクション工程は、典型的には1ウェルにつき2μgのプラスミドDNAおよび細胞2 x 105個という、少量のDNAおよび細胞しか必要としないので、トランスフェクションは、6ウェルプレートにおいて実施された。異なる哺乳類細胞株が使用され得るが、以下に提供する実施例においては、形質転換されたヒト胎児腎臓単層上皮細胞(PEAK細胞)がトランスフェクトされた。エピソームの複製プロセスをさらに支えるEBNA-1遺伝子を安定的に発現するこれらの細胞は、半接着性であり、かつ細胞培養インキュベーターの標準的な条件下(5% CO2;10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地中で37℃)で増殖させることができる。24時間後、細胞は、0.5〜1μg/mLピューロマイシンを含む培地を添加することにより選択条件下におかれた。これは、エピソーマルベクターを保有する細胞が、この抗生物質に耐性であるためである。
細胞は、cMSLNを発現する半安定的な細胞株の作製のため、ピューロマイシン含有完全培地中で継代された。細胞株は、ファージディスプレイ選択のために、および蛍光活性化セルソーティング(Fluorescence Associated Cell Sorting)(FACS)などの細胞に基づくアッセイのために、使用された。
実施例3:λ軽鎖およびκ軽鎖を有する二重特異性抗体の発現および精製
同じ細胞中での1種類の重鎖および2種類の軽鎖の同時発現は、3種類の異なる抗体の構築をもたらすことができる。同時発現は、共発現されるべき鎖の1種を発現する複数のベクターのトランスフェクション、または複数種の遺伝子を発現させるベクターを用いることによるものなどの、異なる方法で達成され得る。それらの各々が参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられるUS 2012/0184716およびWO 2012/023053に記載されるように、ベクターpNovi κHλは、1種類の重鎖、1種類のκ軽鎖、および1種類のλ軽鎖の共発現を可能にするために、以前に作製された。3種類の遺伝子の発現は、ヒトサイトメガロウイルスプロモーター(hCMV)によってなされ、かつベクターはまた、安定的な細胞株の選択および確立を可能にするグルタミン合成酵素遺伝子(GS)をも含む。抗hMSLN IgGλまたは抗hCD47 IgGκのVL遺伝子は、哺乳類細胞における一過性の発現のため、pNovi κHλベクターにクローニングされた。Peak細胞は増殖させ、そしてT175フラスコにおいて、1フラスコあたり細胞8 x 106個の濃度で、ウシ胎児血清含有培養培地45 mL中で継代された。30μgのプラスミドDNAが、Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬を用いて、製造元の使用説明書に従って細胞中にトランスフェクトされた。トランスフェクトされた細胞の、血清含有上清中の抗体濃度は、バイオレイヤー干渉(BLI)技術を用いて、産生のあいだのいくつかの時点で測定された。OctetRED96機器、およびプロテインAバイオセンサーが、定量のために使用された(Pall, Basel, Switzerland)。200μLの上清が、IgG濃度を決定するために使用された;バイオセンサーは事前調整され、pH 1.7の10 mMグリシンを用いて再生され、そしてPEAK細胞馴化培地中で希釈された較正用IgGが標準曲線作成のために調製された。濃度は、用量反応5PL重み付けY標準曲線方程式、および初期勾配結合速度方程式を用いて決定された。抗体濃度に従って、上清は、トランスフェクションの7〜10日後に採取され、そして1300 gでの10分間の遠心分離によって清澄化された。精製プロセスは、3つのアフィニティ工程から構成された。最初に、CaptureSelect(商標)IgG-CH1 アフィニティマトリクス(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)が、PBSで洗浄され、そして次に清澄化された上清中に添加された。+4℃での一晩のインキュベーション後、上清は1000 gで10分間遠心分離され、フロースルーは保管され、そして樹脂はPBSで2回洗浄された。次に、樹脂はスピンカラム上に移され、そしてpH 2.7の、50 mMグリシン含有溶液が、溶出のために使用された。いくつかの溶出画分が、作製され、プールされ、そして50 kDaのAmicon(登録商標)Ultra Centrifugal filter unit(Merck KGaA, Darmstadt, Germany)を用いて、25 mMヒスチジン/125 mM NaCl pH6.0緩衝液に対して脱塩された。上清からの全ヒトIgGを含む最終産物は、Nanodrop分光光度計(NanoDrop Technologies, Wilmington, DE)を用いて定量化され、そして30分間、室温でおよび20 rpmで、適切な量のCaptureSelect(商標)LC-kappa (Hu) アフィニティマトリクス(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)とともにインキュベートされた。インキュベーション、樹脂の回収、溶出、および脱塩の工程は、以前に記載されたように実施された。最後のアフィニティ精製工程は、先の2つの精製のためのものと同じプロセスを適用して、CaptureSelect(商標)LC-lambda (Hu) アフィニティマトリクス(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)を用いて実施された。最終産物は、Nanodropを用いて定量化された。精製された二重特異性抗体は、変性条件および還元条件での電気泳動によって分析された。Agilent 2100 Bioanalyzerが、Protein 80 kitとともに、製造元(Agilent Technologies, Santa Clara, CA, USA)によって説明されるように使用された。4μLの精製された試料は、ジチオスレイトール(DTT; Sigma Aldrich, St. Louis, MO)が添加された試料緩衝液と混合された。試料は95℃で5分間加熱され、そして次にチップ上にロードされた。最初の精製工程からのアリコート(二重特異性抗体、および両方の単一特異性mAbを含む)、ならびに最終産物のアリコートは、精製された最終の二重特異性抗体の純度(mAb混入の非存在)を評価するために、等電点電気泳動(IEF)ゲル上にロードされた。総量のレベルが、SEC-HPLCによって決定された。最後に、両方の標的への二重特異性抗体の結合が、OctetRED96を用いて評価された。手短に述べると、ビオチン化標的(hMSLN、hCD47、および関連性のない標的)は、ストレプトアビジンバイオセンサー上にロードされた。次に、このバイオセンサーは、二重特異性抗体を含む溶液に浸漬され、そして結合が、リアルタイムでモニターされた。すべての試料は、エンドトキシンの混入に関して、Limulus Amebocyte Lysate試験(LAL; Charles River Laboratories, Wilmington, MA)を用いて試験された。
実施例4:ヒトメソテリンのクローニング、発現、および精製
クローニング
C末端においてAvitag(商標)(Avidity, Denver CO)およびヘキサヒスチジンタグがそれに続く、ヒトメソテリン(hMSLN)の細胞外ドメインであるアミノ酸296〜580に対応する配列が、Eurofinsにより、合成され、pEX-Kベクターにおいて提供された。タグは、単一の部位でのタンパク質のビオチン化、およびIMAC(固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー)による精製を、それぞれ可能にする。DNAが調製され、そして制限酵素HindIIIおよびEcoRIを用いて消化された。挿入物は2回ゲル精製され、そしてpEAK8 EF1哺乳類発現ベクター(Edge Biosystems, Gaithersburg, MD)中にクローニングされた。構築物は、DNA配列決定により確認された。
発現
プラスミドは次に、Lipofectamine 2000(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)などのリポソームに基づくトランスフェクション試薬を用いて、哺乳類細胞にトランスフェクトされた。トランスフェクション工程は、典型的には1ウェルにつき細胞2 x 105個および2μgのプラスミドDNAという、少量のDNAおよび細胞しか必要としないので、トランスフェクションは、6ウェルプレートにおいて実施された。異なる哺乳類細胞株が使用され得るが、以下に提供する実施例においては、形質転換されたヒト胎児腎臓単層上皮細胞(PEAK細胞)がトランスフェクトされた。エピソームの複製プロセスをさらに支えるEBNA-1遺伝子を安定的に発現するこれらの細胞は、半接着性であり、かつ細胞培養インキュベーターの標準的な条件下(5% CO2;10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地中で37℃)で増殖させることができる。24時間後、細胞は、0.5〜1μg/mLピューロマイシンを含む培地を添加することにより選択条件下におかれた。これは、エピソーマルベクターを保有する細胞が、この抗生物質に耐性であるためである。
トランスフェクションの2〜3週間後、細胞は、産生工程のため、使い捨てのCELLineバイオリアクターに播種するために使用された。インビボでビオチン化タンパク質を産生するため、50μMのビオチンが、培養培地中に添加された。CELLineは、標準的な細胞培養インキュベーター内で使用できる、2区画に分けられたバイオリアクターである。小さい区画(15 mL)は、無血清培地中に細胞を含み、かつ、完全培地を含んでいる大きい(1リットル)区画から、10 kDaのカットオフサイズを有する半透膜によって隔てられている(Bruce et al. 2002, McDonald et al. 2005)。このシステムは、栄養分、気体(gazes)、および代謝廃棄物の拡散を可能にする一方で、細胞および分泌タンパク質を、小さい区画に保持する。培養は、上清の採取の前の7〜10日間維持された。培地は血清を含むので、細胞は良好な生存率を維持し、かついくつかの産生ランが、同じ細胞および容器を用いて実施され得る。
精製
採取後、CELLineバイオリアクターの細胞区画から回収した上清は、濃縮された組み換えタンパク質、および低減したレベルの夾雑物を含む。これは、組み換えタンパク質が、リアクターの2つのチャンバーを隔てる10 kDaの膜を越えることができないからである。この増加した、組み換えタンパク質の夾雑物に対する比は、IMACを用いる精製の効率を大いに高める。この上清は、遠心分離によって清澄化され、そして0.22μmの膜を通してろ過された。濃縮された上清は、次に100 mMイミダゾールを添加され、そしてNi-NTA アフィニティクロマトグラフィー樹脂(Qiagen)上にロードされた。比較的高い濃度のイミダゾールは、樹脂への夾雑物の結合を最小限にする。カラムの洗浄後、タンパク質は、AKTA Primeクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare, Little Chalfont, UK)上で、30 mLのイミダゾール勾配(20〜400 mMイミダゾール)を用いて、2 mL/分の流速で溶出された。溶出画分は、組み換えタンパク質についてのそれらの含量を決定するために、SDS-PAGEまたはELISAによって分析されることができる。対象となる画分はプールされ、そしてリン酸緩衝生理食塩水または別の適切な緩衝液で平衡化されたPD-10カラム(GE Healthcare)において脱塩される。脱塩されたタンパク質は次に、様々な技術を用いて定量化されることができ、かつそれらの純度はSDS-PAGEによって分析されることができる。組み換えhMSLNは、製造元の使用説明書に従って、ビオチンリガーゼ(Avidity Denver CO)を用いてインビトロでビオチン化された。脱塩後、ビオチン化レベルは、ストレプトアビジン磁気ビーズおよびSDS-PAGE分析を用いるプルダウンアッセイによって評価された。
実施例5:確定したVH候補のIgGへの再構成、および哺乳類細胞での一過性の発現
スクリーニング後、hMSLNに対する、またはhCD47に対するscFv候補は、IgGへと再構成され、そしてPEAK細胞への一過性のトランスフェクションによって発現された。選択されたscFvのVL配列は、特異的なオリゴヌクレオチドを用いて増幅され、そして共通の重鎖および軽鎖定常領域を含む発現ベクター中にクローニングされた。構築物は、配列決定により確認された。哺乳類Peak細胞は、T75フラスコにおいて、1フラスコあたり細胞3 x 106個の濃度で、ウシ胎児血清含有培養培地25 mL中で、37℃および5% CO2で、加湿したインキュベーター内で、増殖させた。細胞の継代の1日後、発現ベクターは、製造元の使用説明書に従って、Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)を用いてトランスフェクトされた。トランスフェクトされた細胞の、血清含有上清中の抗体濃度は、バイオレイヤー干渉(BLI)技術を用いて、産生のあいだのいくつかの時点で測定された。OctetRED96機器、およびプロテインAバイオセンサーが、定量のために使用された(Pall, Basel, Switzerland)。200μLの上清が、IgG濃度を決定するために使用された;バイオセンサーは事前調整され、pH 1.7の10 mMグリシンを用いて再生され、そしてPeak細胞馴化培地中で希釈された較正用IgGが標準曲線作成のために調製された。濃度は、用量反応5PL重み付け無し標準曲線方程式、および初期勾配結合速度方程式を用いて決定された。6〜7日の培養期間の後、上清は、FcXLアフィニティクロマトグラフィー樹脂(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)上での、製造元の使用説明書に従ったIgG精製のために、採取された。手短に述べると、トランスフェクトされた細胞からの上清は、一晩、+4℃で、樹脂とともにインキュベートされた。試料は次に遠心分離され、そして樹脂は溶出のため、カラムのフィルター上に移された。溶出したIgG画分は次に、PBSに対して脱塩され、そしてIgG含量が、280 nmでの吸収によって定量化された。純度およびIgGの完全性は、電気泳動によって確認された。
実施例6:MSLNモノクローナル抗体およびMSLN/CD47二重特異性抗体の、ヒトおよびカニクイザルメソテリンへの結合
MSLNモノクローナル抗体、およびMSLN/CD47二重特異性抗体の、細胞表面で発現するヒトおよびカニクイザルメソテリンに結合する能力が、フローサイトメトリーによって試験された。ヒトMSLNを安定的に発現するCHO細胞(CHO-huMSLN細胞)、またはカニクイザルMSLNを安定的に発現するCHO細胞(CHO-huMSLN細胞)が、この目的のために使用され、これは、biAbの抗ヒトCD47抗体アームが、ハムスターのメソテリンオルソログを認識しないためである。手短に述べると、MSLN MabおよびbiAbは濃度を増大させながら、30分間、4℃で、CHO-huMSLN細胞またはCHO-cyMSLN細胞とともにインキュベートされた。2回の洗浄後、結合した抗体は、PEコンジュゲート抗ヒトFc二次抗体(Southern Biotech #9042-09)を用いて検出された。トランスフェクト無しのCHO細胞は、対照として使用された。図1は、MSLNモノクローナル抗体および二重特異性抗体の、メソテリントランスフェクトCHO細胞の表面で発現されたメソテリンへの、強固な結合を示す。ヒトMSLN発現CHO細胞とカニクイザルMSLN発現CHO細胞について得られたMFI/抗体濃度曲線は非常に似ているので、すべてのMSLN抗体は、高いレベルの種交差反応性を示す。
実施例7:MSLNおよびCD47を標的とする二重特異性抗体により誘導されるADCP
二重ターゲティングCD47/MSLN κλボディの、細胞表面上でCD47およびMSLNを同時結合する能力は、CD47−SIRPa相互作用の、MSLN依存性の中和を可能にする。これは、今度は、この実施例に記載されるADCP実験において証明されるように、CD47/MSLN κλボディによって媒介される、効果的かつ選択的ながん細胞の死滅へと、転換される。異なるレベルのCD47およびMSLNを発現する3種類の腫瘍細胞株のADCPが試験された:NCI-N87、HPAC、およびCaov-3。NCI-N87細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ43,000および27,000であった。HPAC細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ105,000および13,000であった。Caov-3細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ220,000および38,000であった。ADCP実験は、末梢血単球から分化したヒトマクロファージを用いて実施された。2種類の異なるアッセイフォーマットが、食作用を評価するために使用された。図2に示される実験では、マクロファージは、2.5時間、37℃で、増大する濃度の抗体の存在下で、CFSEで標識された標的細胞と、共インキュベートされた(エフェクター:標的比 3:1)。インキュベーション期間の終了時に、ビオチン化抗ヒトCD14抗体およびStrep-Cy5が、マクロファージを標識するために添加された。細胞は次に洗浄され、そしてFACS分析を受けた。食作用は、二重陽性の事象によって立証された。図3に示される実験では、マイクロプレートのウェルに接着しているマクロファージは、2.5時間、37℃で、増大する濃度の抗体の存在下で、カルセイン AMで標識された標的細胞と、共インキュベートされた(エフェクター:標的比 1:1)。インキュベーション期間の終了時に、上清は、完全培養培地によって置き換えられ、そしてマイクロプレートはCellInsight CX5 High Content Screening Platformを用いて画像化された。1ウェルにつき1500個のマクロファージが取得され、そして分析された。食作用は、二重陽性の事象として立証され、そして食作用指数は、ソフトウェアによって計算された。
CD47一価抗体(すなわち抗MSLNアームを欠くκλボディ)がはるかに効果的でないことを考慮すれば、図2における用量反応実験は、CD47/MSLN BsAbが、MSLN依存性の様式で、NCI-N87細胞およびHPAC細胞に対して食作用を有することを証明する。図2はまた、CD47/MSLN BsAbが、ベンチマーク抗体である、高親和性抗ヒトCD47モノクローナル抗体B6H12-huIgG1、またはモノクローナル抗MSLN抗体アマツキシマブ(KEGG ID: D09767, PubChem SID: 124490507)よりも強力なADCPを誘導することを示す。図3は、対応する抗CD47一価抗体および抗MSLN一価抗体、ならびに抗MSLN mAbと比較した、CD47/MSLN κλボディを用いたADCPを示す。CD47/MSLN κλボディは、有意により高いレベルのNCI-N87およびCaov-3標的細胞の食作用を誘導し、二重標的結合、およびMSLNが媒介するCD47の遮断が、インビトロでの有効性の鍵であることを実証する。
実施例8:MSLNおよびCD47を標的とする二重特異性抗体により誘導されるADCC
4種類のCD47/MSLN κλボディ(K2O25、K2O35、K2O38、およびK2O41)の抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)は、Cr51放出細胞に基づくアッセイを用いて評価された。異なるレベルのCD47およびMSLNを発現する3種類の腫瘍細胞株のADCCが試験された:NCI-N87、NCI-H226、およびHepG2-MSLN。NCI-N87細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ43,000および27,000であった。NCI-H226細胞についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ200,000および250,000であった。HepG2-MSLN細胞(ヒト肝臓の肝細胞がんの細胞株であるHepG2における、ヒトメソテリンの安定的なトランスフェクションによって得られる)についての、CD47およびメソテリンの細胞表面発現のレベルは、それぞれ22,000および120,000であった。ADCC実験は、エフェクター細胞としての全ヒトPBMC、およびCr51がロードされたMSLN陽性標的細胞株を用いて実施された。手短に述べると、標的細胞は、1時間、37℃で、Cr51をロードされた。洗浄後、細胞は、CD47/MSLN κλボディ、またはMSLNベンチマークmAb アマツキシマブによって、30分間、37℃でオプソニン化された。Cr51がロードされた5,000個の標的細胞は、次に、最終的な50:1のエフェクター細胞と標的細胞との比(E:T比 = 50)とするために、IL-2で活性化された250,000個のPBMCエフェクター細胞と混合され、そして4時間、37℃でインキュベートされた。短い遠心分離(10分、1500 rpmで)の後、無細胞上清は、γカウンターにより測定された。負の対照(自発的なCr51放出)は、エフェクター細胞無しの培地とともにインキュベートされた、Cr51がロードされた標的細胞からなっていた。全溶解の対照は、細胞溶解溶液(Triton X-100)とともにインキュベートされた、Cr51がロードされた標的細胞からなっていた。非特異的溶解対照(ベースライン)は、いかなる抗体も添加されずに、エフェクター細胞とともにインキュベートされた、Cr51がロードされた標的細胞からなっていた。ADCC反応は、3連でなされた。Ab特異的ADCCのパーセンテージは、以下の式を用いて計算された:%ADCC = ((試料のcpm − 非特異的溶解の対照のcpm)/(全溶解の対照のcpm − 負の対照のcpm)) x 100%。図4に示される実験は、4種類のCD47/MSLN κλボディの効果と、MSLNベンチマークmAb アマツキシマブの効果とを比較した。試験されたすべてのCD47/MSLN κλボディは、3種類の細胞株に関して、ほぼ類似のADCCの効果を示した。すべての事例において、CD47/MSLN κλボディによって誘導されたADCCは、アマツキシマブよりも有意に高度であった。
実施例9:二重特異性抗体のインビボでの抗腫瘍活性
5種類のCD47/MSLN κλボディ(biAb025、biAb030、biAb035、biAb038、およびbiAb041)の抗腫瘍活性が、異種移植モデルにおいて評価された。図5に示される実験では、3 x 106個のHepG2-MSLN細胞が、NOD/SCIDマウスにおいて皮下に移植され、そして15日間増殖させた。続いて、マウスは6つの群(1群につきマウス7匹)へと無作為化され、そして抗体での処置が開始された。抗体は、実験の終了(第55日)まで、1週間に1回静脈内注入された。図6Aに示される実験では、3 x 106個のOVCAR3細胞が、NOD/SCIDマウスにおいて皮下に移植された。その翌日、マウスは2つの群(1群につきマウス7匹)へと無作為化され、そして抗体での処置が開始された。抗体は、第56日まで、1週間に1回静脈内注入された。図6Bに示される実験では、3 x 106個のCAOV3細胞が、NOD/SCIDマウスにおいて皮下に移植された。その翌日、マウスは2つの群(1群につきマウス6匹または7匹)へと無作為化され、そして抗体での処置が開始された。抗体は、第18日まで、1週間に1回静脈内注入された。すべての抗体は、注入1回につき60 mg/kgで投与された。腫瘍の体積は、1週間につき2〜3回測定され、そして以下の式を用いて計算された:((長さ x 幅2)/2)。図5に示される実験は、CD47/MSLN κλボディの効果を、ベンチマークモノクローナル抗体である、CD47 mAb B6H12-hIgGlおよびMSLN mAb アマツキシマブの効果と比較した。終了点での統計学的分析に関して(図5A)、GraphPad Prismを用いて、一元配置ANOVAと、それに続く多重比較検定(Tukeyの多重比較)が実施された。p値:* p < 0.05、** p < 0.01;ns、有意でない。アイソタイプ対照群と比較した、腫瘍成長阻害(TGI)のパーセンテージもまた、以下の式を用いて決定された(図5b): %TGI = {1- [(Tt-TO)/(Vt-VO)]} x 100;ここで、Tt = 時間 t での、処置された腫瘍体積の中央値; TO = 時間 0 での、処置された腫瘍体積の中央値; Vt = 時間 t での、対照の腫瘍体積の中央値、および VO = 時間=Oでの、対照の腫瘍体積の中央値。図5に示されるように、5種類のCD47/MSLN κλボディ、およびアマツキシマブでの処置は、hlgG1対照と比べて、腫瘍成長を有意に低減させたが、CD47 mAb B6H12-hlgG1ではそうではなかった。さらに、試験された5種類のCD47/MSLN κλボディのうちの4種類(biAb030以外のすべて)の抗腫瘍効果は、アマツキシマブよりも優れており、3種類のbiAbはTGI > 90%を示した(biAb025、biAb038、およびbiAb041)。図6に示される実験は、biAbO38 CD47/MSLN κλボディが腫瘍の成長を防止したことを示す。
他の態様
本発明をその詳細な説明と関連して説明したが、前述の説明は例証を意図するものであり、添付の請求項の範囲によって定義付けられる本発明の範囲を限定することを意図しない。他の局面、利点、および改変は以下の請求項の範囲内にある。

Claims (30)

  1. CD47に結合する第一のアミノ酸配列を含む第一のアーム、および
    メソテリン(MSLN)に結合する第二のアミノ酸配列を含む第二のアーム
    を含み、
    CD47とシグナル制御タンパク質アルファ(signal-regulatory protein alpha, SIRPα)との相互作用を阻害する、
    単離された二重特異性抗体。
  2. ヒトCD47とヒトSIRPαとの相互作用を阻害する、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  3. 第一のアームが、SEQ ID NO: 225の可変重鎖相補性決定領域1(CDRH1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 226の可変重鎖相補性決定領域2(CDRH2)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 227の可変重鎖相補性決定領域3(CDRH3)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 228〜241および262〜272から選択される可変軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)アミノ酸配列、SEQ ID NO: 242〜245および273〜280から選択される可変軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 246〜261および281から選択される可変軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)アミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  4. 第一のアームが、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、ならびにSEQ ID NO: 116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、および206から選択される可変軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  5. 第一のアームが、SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、およびSEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  6. 第一のアームが、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、およびSEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  7. 第二のアームが、SEQ ID NO: 225のCDRH1アミノ酸配列、SEQ ID NO: 226のCDRH2アミノ酸配列、SEQ ID NO: 227のCDRH3アミノ酸配列、SEQ ID NO: 282〜287から選択されるCDRL1アミノ酸配列、SEQ ID NO: 288〜293から選択されるCDRL2アミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 294〜300からなる群より選択されるCDRL3アミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  8. 第二のアームが、
    SEQ ID NO: 225のCDRH1アミノ酸配列と、SEQ ID NO: 226のCDRH2アミノ酸配列と、SEQ ID NO: 227のCDRH3アミノ酸配列と、
    (a) SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 294のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (b) SEQ ID NO: 283のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 289のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 295のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (c) SEQ ID NO: 284のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 290のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 296のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (d) SEQ ID NO: 285のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 291のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 297のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (e) SEQ ID NO: 286のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 292のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 298のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (f) SEQ ID NO: 287のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 293のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 299のアミノ酸配列を含むCDRL3;ならびに
    (g) SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 300のアミノ酸配列を含むCDRL3
    からなる群より選択されるCDRL1アミノ酸配列、CDRL2アミノ酸配列、およびCDRL3アミノ酸配列の組み合わせと
    を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  9. 第二のアームが、SEQ ID NO: 114の可変重鎖アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 212、214、216、218、220、222、および224からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  10. 第二のアームが、SEQ ID NO: 2の重鎖アミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110からなる群より選択される軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  11. SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む重鎖、SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 282〜287から選択されるCDRL1アミノ酸配列、SEQ ID NO: 288〜293から選択されるCDRL2アミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 294〜300からなる群より選択されるCDRL3アミノ酸配列を含むλ軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  12. SEQ ID NO: 225のアミノ酸配列を含むCDRH1、SEQ ID NO: 226のアミノ酸配列を含むCDRH2、SEQ ID NO: 227のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む、重鎖と、
    SEQ ID NO: 240のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 242のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 254のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む、κ軽鎖と、
    (a) SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 294のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (b) SEQ ID NO: 283のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 289のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 295のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (c) SEQ ID NO: 284のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 290のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 296のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (d) SEQ ID NO: 285のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 291のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 297のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (e) SEQ ID NO: 286のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 292のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 298のアミノ酸配列を含むCDRL3;
    (f) SEQ ID NO: 287のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 293のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 299のアミノ酸配列を含むCDRL3;ならびに
    (g) SEQ ID NO: 282のアミノ酸配列を含むCDRL1、SEQ ID NO: 288のアミノ酸配列を含むCDRL2、およびSEQ ID NO: 300のアミノ酸配列を含むCDRL3
    からなる群より選択されるCDRL1アミノ酸配列、CDRL2アミノ酸配列、およびCDRL3アミノ酸配列の組み合わせを含む、λ軽鎖と
    を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  13. SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖、SEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含むκ可変軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 212、214、216、218、220、222、および224からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むλ可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  14. SEQ ID NO: 114のアミノ酸配列を含む可変重鎖と、
    (a) SEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含むκ可変軽鎖、およびSEQ ID NO: 212のアミノ酸配列を含むλ可変軽鎖;
    (b) SEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含むκ可変軽鎖、およびSEQ ID NO: 214のアミノ酸配列を含むλ可変軽鎖;
    (c) SEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含むκ可変軽鎖、およびSEQ ID NO: 216のアミノ酸配列を含むλ可変軽鎖;
    (d) SEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含むκ可変軽鎖、およびSEQ ID NO: 218のアミノ酸配列を含むλ可変軽鎖;
    (e) SEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含むκ可変軽鎖、およびSEQ ID NO: 220のアミノ酸配列を含むλ可変軽鎖;
    (f) SEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含むκ可変軽鎖、およびSEQ ID NO: 222のアミノ酸配列を含むλ可変軽鎖;ならびに
    (g) SEQ ID NO: 168のアミノ酸配列を含むκ可変軽鎖、およびSEQ ID NO: 224のアミノ酸配列を含むλ可変軽鎖
    からなる群より選択されるκ可変軽鎖およびλ軽鎖の組み合わせと
    を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  15. SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖、SEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含むκ軽鎖、ならびにSEQ ID NO: 98、100、102、104、106、108、および110からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むλ軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  16. SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む重鎖と、
    (a) SEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含むκ軽鎖、およびSEQ ID NO: 98のアミノ酸配列を含むλ軽鎖;
    (b) SEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含むκ軽鎖、およびSEQ ID NO: 100のアミノ酸配列を含むλ軽鎖;
    (c) SEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含むκ軽鎖、およびSEQ ID NO: 102のアミノ酸配列を含むλ軽鎖;
    (d) SEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含むκ軽鎖、およびSEQ ID NO: 104のアミノ酸配列を含むλ軽鎖;
    (e) SEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含むκ軽鎖、およびSEQ ID NO: 106のアミノ酸配列を含むλ軽鎖;
    (f) SEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含むκ軽鎖、およびSEQ ID NO: 108のアミノ酸配列を含むλ軽鎖;ならびに
    (g) SEQ ID NO: 56のアミノ酸配列を含むκ軽鎖、およびSEQ ID NO: 110のアミノ酸配列を含むλ軽鎖
    からなる群より選択されるκ軽鎖およびλ軽鎖の組み合わせと
    を含む、請求項1に記載の単離された二重特異性抗体。
  17. 二重特異性抗体が、単一の重鎖ポリペプチドの2つのコピーならびに第一の軽鎖および第二の軽鎖を含み、第一の軽鎖と第二の軽鎖とが異なる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗体。
  18. 第一の軽鎖の少なくとも一部分がκ型であり、かつ第二の軽鎖の少なくとも一部分がλ型である、請求項17に記載の単離された二重特異性抗体。
  19. 第一の軽鎖が少なくともκ定常領域を含む、請求項18に記載の単離された二重特異性抗体。
  20. 第一の軽鎖がκ可変領域をさらに含む、請求項19に記載の単離された二重特異性抗体。
  21. 第一の軽鎖がλ可変領域をさらに含む、請求項19に記載の単離された二重特異性抗体。
  22. 第二の軽鎖が少なくともλ定常領域を含む、請求項18に記載の単離された二重特異性抗体。
  23. 第二の軽鎖がλ可変領域をさらに含む、請求項22に記載の単離された二重特異性抗体。
  24. 第二の軽鎖がκ可変領域をさらに含む、請求項22に記載の単離された二重特異性抗体。
  25. 第一の軽鎖がκ定常領域およびκ可変領域を含み、かつ第二の軽鎖がλ定常領域およびλ可変領域を含む、請求項18に記載の単離された二重特異性抗体。
  26. 定常領域および可変フレームワーク領域の配列がヒト型である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗体。
  27. 異常なCD47の発現もしくは活性に関連する病態または異常なCD47−SIRPαの発現もしくは活性に関連する病態を治療する、予防する、またはその進行を遅延させるための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の単離された二重特異性抗体の使用。
  28. 病態ががんである、請求項27に記載の使用。
  29. がんが固形腫瘍である、請求項28に記載の使用。
  30. 固形腫瘍が、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、膀胱がん、メラノーマ、中皮腫、大腸がん、胆管がん(cholangiocarcinoma)、膵臓がん、肺がん、平滑筋腫、平滑筋肉腫、腎臓がん、神経膠腫、膠芽腫、子宮内膜がん、食道がん、胆汁性胃がん(biliary gastric cancer)、前立腺がん、もしくはそれらの組み合わせである、またはそれらに由来する、請求項29に記載の使用。
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