JP2020525050A - 老化細胞を検出するための新規バイオマーカー - Google Patents

老化細胞を検出するための新規バイオマーカー Download PDF

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Abstract

本発明は、被験体において、老化細胞を検出するかまたは細胞性老化を診断する方法であって、前記被験体由来の試料において、1つまたはそれより多い選択したmiRNAのレベルを定量化する、前記方法を提供する。

Description

本発明は、被験体において、老化細胞を検出するかまたは細胞性老化を診断する方法、特にin vitro法であって、1つまたはそれより多い選択されたmiRNAのレベルを、前記被験体由来の試料において定量化する、前記方法を提供する。
細胞性老化は細胞周期停止の安定な型であり、細胞の増殖可能性を制限する機構である。老化反応は、多様な細胞性ストレス因子に反応して、多くの細胞タイプで誘発されうる。これは、腫瘍形成に対する強力なバリアであり、そして特定の抗癌剤の細胞傷害性に寄与する。老化は、細胞自律方式で、腫瘍形成および組織損傷を制限する一方、老化細胞は、細胞非自律方式で、炎症、組織加齢および破壊を誘導可能であり、そして腫瘍形成および転移を促進しうる。
老化細胞は、身体機能低下に寄与し、そして老化関連分泌表現型(SASP)と称される炎症促進性分泌活性によって、複製可能性の喪失およびしたがって再生能の喪失によって、そして脱分化または分化転換を含む組織および細胞タイプ特異的機能性の喪失によって、加齢関連疾患の開始を促進する。p16プロモーターに駆動される自殺遺伝子による、または老化細胞を特異的に殺すであろう化合物による、老化細胞の除去は、マウスモデルの健康寿命に有益な効果を有し、腎不全、骨粗鬆症および他の加齢関連疾患の開始を遅延させる。
近年の研究は、細胞性老化を、加齢の検出可能な細胞培養モデルと見なすことから、加齢関連疾患への寄与因子および潜在的薬剤ターゲットとして受け止めるように移行してきている。今日までに、老化細胞は、in vivoで、皮膚、心臓血管系、腎臓、肝臓、免疫系、骨、白色脂肪組織および肺を含む、多様なヒト組織において、ならびにアルツハイマー病または神経膠芽腫に関連する脳において、そしてまたマウスにおいて、特に、肺、脾臓、真皮、肝臓および腸上皮において、生じることが明らかになっている。
こうした老化細胞が、p16プロモーターによって制御される組換え自殺遺伝子の活性化によって除去されうる、遺伝子改変されたマウスモデルにおいて、老化細胞のマーカーおよびその後の加齢関連疾患の開始が観察された(Bakerら 2001、2016)。このモデル系において特に試験された加齢関連疾患の中に、腎疾患がある(Bakerら 2016)が、老化細胞はまた、骨粗鬆症、変形性関節症、アテローム性動脈硬化症および心筋線維化にも関与する。
組織に集積した老化細胞のこの負の影響は、主に、老化関連分泌表現型(SASP)によって引き起こされると考えられている。SASPは、炎症促進性因子の増加によって特徴づけられるが、正常および腫瘍細胞増殖を促進する細胞外マトリックスリモデリング因子によっても特徴づけられる。しかし、細胞はまた、負の影響も有する可能性もあり、老化細胞自体の生理変化または分化状態変化自体が、加齢プロセスに寄与する可能性もある。
それでもなお、老化細胞の一過性の存在は、創傷治癒、肝線維症の制限および胚発生の微調整に有益であることが見出されてきている。
老化細胞を特異的に殺す化学的化合物の検索が始まっており、そしてすでに、ケルセチン、ダサチニブ(Zhuら 2015)、ナビトクラックス(Zhuら 2016)、ABT263(Changら 2016)およびFOXO4阻害ペプチド(Baarら 2017)を含むいくつかのこうした化合物が同定されてきている。これらの薬理学的化合物は、加齢関連疾患の治療に、ならびにストレス誘導性細胞性老化を生じる療法、例えば化学療法の副作用を軽減するために意図される。
老化細胞除去(senolytic)療法を開発するため、新規バイオマーカーが必要である。バイオマーカーは、特定の生物学的状態の測定可能な指標と定義され、特に疾患の存在のリスクまたは疾患の病期に関連するものである。老化細胞除去療法の背景において、バイオマーカーは、療法前に存在し、そして療法後には失われ、老化細胞の存在そして次いで非存在を反映するであろう。いくつかの意見論文は、この目的のため、循環内に分泌されうるいくつかのSASPタンパク質の使用を主張する(Matjusaitisら 2016)。
バイオマーカーは、しばしば、コンパニオン(CDx)または相補診断試験の形で臨床的有用性を見出す。CDxは、対応する薬剤または生物学的産物の安全でそして有効な使用のために必要とされる情報を提供する診断試験である。老化細胞除去療法の背景において、こうしたバイオマーカー(またはCDx試験)は、多様な組織における老化細胞の存在または非存在に感受性であり、そして特異的でなければならない。
今日まで、細胞不含(循環)miRNAは、細胞性老化の潜在的なバイオマーカーとして論じられてこなかった。細胞不含血液において、miRNAは、タンパク質複合体に結合するか、または細胞外小胞内にパッケージングされるかのいずれかとして同定されてきている(Turchinovichら 2013)。これらはまた、癌(Mitchellら 2008a)、骨粗鬆症、変形性関節症(Beyerら 2015)および心臓血管疾患(Zampetakiら 2010、2012)を含む、いくつかの疾患の潜在的な診断または予後指標として示唆されてきている(SchramlおよびGrillari 2012;Hacklら 2015)。しかし、細胞不含循環マイクロRNAが、in vivoの老化細胞の存在または除去を検出するために使用可能であるかは不明である。
現在、野生型動物およびヒトにおける老化細胞除去の監視は、老化細胞の同定が組織生検などの侵襲性技術を必要とするため、困難である。これは、分析が特定の組織に局所的に限定され、他の組織で進行中である影響を潜在的に見逃すために、大きな欠点である。さらに、ヒト組織において、非老化細胞から老化細胞を特異的に区別するためのバイオマーカーの使用は、なお、議論の余地がある。したがって、老化細胞の存在を検出する、最小限に侵襲性の新規バイオマーカーおよび診断法に関する、満たされていない要求がある。
本発明の目的は、被験体において、細胞性老化を診断し、そして老化関連疾患のリスクを診断する背景において、老化細胞の存在を決定し、そして老化細胞除去薬剤の有効性を監視するため、老化細胞の存在ならびに集積を検出し、そして監視するための、老化細胞除去(senolytic)バイオマーカーを提供することである。
この目的は、本発明の主題によって解決される。
本発明の態様において、細胞不含循環マイクロRNAを用いて、被験体において、老化細胞の存在または除去を検出可能であることが示されてきている。
細胞不含生体液、例えば血清、血漿、尿および唾液中で検出可能な細胞不含(循環)miRNAを用いて、老化細胞の存在、集積および除去を同定可能であり、該miRNAは、老化細胞除去療法のためのコンパニオンまたは相補的診断法として、高レベルの老化細胞を持つ個体を同定し、老化細胞除去薬剤を投薬設定し、ならびに治療反応を監視するために必要であると主張する。
本発明は、被験体において、老化細胞を検出し、または細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視する方法であって:
a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
b)前記試料における、表1に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
c)随意に、b)のレベルを、参照試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である
工程を含む、前記方法を提供する。
本発明の1つの態様において、前記の1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを測定し、そして参照レベルに比較する、ここで、レベル比較の相違の度合いが、老化細胞の存在の指標であるかまたは細胞性老化の指標である。
本発明はまた、被験体において、老化細胞を検出し、または細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するin vitro法であって:
a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
b)表1に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを測定し、そして
c)前記miRNAのレベルを、参照試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAのレベルと比較する、
ここで、それぞれのmiRNAレベルを比較した際、相違の度合いは、老化細胞の存在の指標または細胞性老化の指標である
工程を含む、前記方法も含む。参照試料中のmiRNAのレベルは参照レベルである。
さらなる態様において、(i)miR−34a−5p、(ii)miR−27a−3p、および(iii)表1に列挙する1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。さらなる態様にしたがって、miR−137、miR−766−3p、miR−424−5pまたはその任意の組み合わせのさらなるレベルを定量化する。
さらなる態様において、本明細書において、被験体において、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するin vitro法であって:
a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
b)前記試料における、表19に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
c)随意に、b)のレベルを、参照試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である
工程を含む、前記方法を提供する。
特定の態様において、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、およびmiR−125a−5pからなる群より選択されるmiRNAの1つまたはそれより多くのレベルを定量化する。
さらなる態様において、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する。
さらにさらなる態様において、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表2に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表3に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表4に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表5に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表6に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表7に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表8に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表9に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表10に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表11に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表12に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表13に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表14に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表15に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、任意の組み合わせの、表2〜15のいずれか1つに列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、表2〜15および表19〜22の任意の1つに列挙するような少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19の異なる群由来の2つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、少なくとも3つ、または少なくとも4つ、または少なくとも5つ、特に最大30のmiRNAまたはそれより多くのレベルを定量化する。
別の態様において、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24またはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、参照レベルは、健康な被験体の試料における対応するmiRNAのレベル、または健康な被験体由来の試料のプールのmiRNAレベル、ならびに/あるいは薬理学的、例えば老化細胞除去性、食餌的またはライフスタイル干渉の前の被験体におけるそれぞれのmiRNAのレベル、あるいは薬理学的、食餌的またはライフスタイル干渉の前の被験体由来の試料のプールのmiRNAレベル、あるいは試料のプールにおける前記miRNAの平均レベルである。
さらなる態様にしたがって、レベル比較の1標準偏差より大きい相違は、老化細胞の存在の指標または細胞性老化の指標である。
さらなる態様にしたがって、本明細書において、被験体において、老化細胞除去治療反応を監視するためのin vitro法であって
a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
b)前記試料における、表1に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
c)b)のレベルを、前記被験体由来のより早期の試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の1.5倍より大きい相違が、老化細胞除去治療に対する反応の指標である
工程を含む、前記方法を提供する。
さらなる態様にしたがって、本明細書において、被験体において、老化細胞除去治療反応を監視するためのin vitro法であって
a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
b)前記試料における、表19、21または22に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
c)b)のレベルを、前記被験体由来のより早期の試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する
工程を含む、前記方法を提供する。特に、前記レベル間の1.5倍より大きい相違が、老化細胞除去治療に対する反応の指標である。
さらなる態様にしたがって、miRNAレベルの相違は、定量的またはデジタルPCR、シーケンシング、マイクロアレイ、Luminexに基づく核酸アッセイ、または他のハイブリダイゼーションに基づく技術によって決定される。
さらなる態様にしたがって、さらに、老化細胞によって分泌される1つまたはそれより多いタンパク質のレベルを測定し、そしてタンパク質参照レベルに比較する、ここで、タンパク質参照レベルに比較した際の前記タンパク質レベルの相違の度合いが、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である。特定の態様にしたがって、それぞれのmiRNAバイオマーカー測定値と組み合わせたタンパク質レベル比較の1標準偏差より大きい相違は、老化細胞の存在の指標であるか、または細胞性老化の指標である。
さらなる態様にしたがって、被験体は、年齢少なくとも30、40、50、60、70、80または90歳であり、特に、加齢関連疾患のリスクがあるおよび/またはSASPのリスクがある被験体である。
さらなる態様にしたがって、細胞不含試料は、細胞不含血液試料、特に血清または血漿試料である。
さらなる態様にしたがって、細胞不含試料は、尿または唾液試料である。
本発明のさらなる態様は、老化細胞の低下または細胞性老化の減少を検出するための本明細書記載の方法の使用であって、前記miRNAのレベルを、老化細胞除去剤、抗加齢剤または任意の抗加齢介入での治療の前の対応するmiRNAのレベルと比較する、前記方法に関する。
さらなる態様にしたがって、本明細書において、miR−34a−5p、miR−7f−5p、miR−7a−5p、miR−143−3p、miR−27a−3p、miR−143−5p、miR−144−5p、miR−3058−3p、miR−30b−5p、miR−339−5p、miR−423−3p、miR−6395、miR−652−3p、miR−18b−5p、miR−92a−3pからなる群より選択されるmiRNAを含み、そして随意に、表2〜15および19〜22に列挙するmiRNAの1つまたはそれより多くをさらに含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイスを提供する。
さらなる態様にしたがって、本明細書において、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、miR−125a−5pからなる群より選択されるmiRNAを含み、そして随意に、表19、20および/または21に列挙するmiRNAの1つまたはそれより多くをさらに含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイスを提供する。
さらなる態様にしたがって、本明細書において、表19、20および/または21に列挙するmiRNAの1つまたはそれより多くを含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイスを提供する。
別の態様にしたがって、本明細書において、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pからなる群より選択されるmiRNAを含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイスを提供する。
別の態様にしたがって、本明細書において、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pからなる群より選択されるmiRNAを含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイスを提供する。
さらなる態様にしたがって、本明細書に記載するような方法はまた、細胞培養由来のまたはin vitroで培養した単離細胞由来の試料において、老化細胞を検出するために用いてもよい。特に、本明細書において、細胞培養由来の試料において、老化細胞を検出するin vitro法であって:
a)前記細胞培養から試料を提供し、
b)前記試料における、表1または表19に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
c)随意に、b)のレベルを、参照試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である
工程を含む、前記方法を提供する。
さらなる態様において、参照試料または参照レベルを伴う上述のようなmiRNAのパネル、ならびにデータ規準化および解釈、特に、古典的モデルを用いた、前記被験体における老化の負荷を定量的に反映する、単一指標スコアの計算のためのソフトウェアを含む、部分のキットもまた提供する。
随意にソフトウェアプロトコルを用いて、本明細書に記載するような本発明の方法を実施すために設計された装置。
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載する方法およびバイオマーカーを用いて、老化細胞を検出するかまたは細胞性老化を診断するための、そしてソフトウェアプロトコルを用いて設定された、装置を提供する。
A)実験概観。 B)シーケンシング結果:総読み取りおよび注釈。 主成分分析。13すべての試料に渡って最高の変動を持つ50のマイクロRNAを分析に用いた。最初の2つの主成分が、変動の66.7%を説明する。 老化の誘導(dox対pbs)およびガンシクロビルを用いた老化のレスキュー(dox/gcv対dox)後の示差的に制御されたmiRNAのベン・オーバーラップ。ベン図に含有されるマイクロRNAのリスト: dox対pbs: mmu−letf−5p、mmu−miR143−3p、mmu−miR−27a−3p、mmu−miR−144−5p、mmu−miR−34a−5p、mmu−miR−200a−3p、mmu−miR−98−5p、mmu−let−7a−5p、mmu−miR−194−5p、mmu−miR−215−3p dox/gcv対dox: mmu−miR−34a−5p、mmu−miR−206−3p、mmu−miR−345−3p オーバーラップゾーン: mmu−miR−34a−5p 対照(pbs)、ガンシクロビル(gcv)、ドキソルビシン(dox)およびdоx+gcv処置動物における、p16−3MRマウス血清中の示差的に制御されたマイクロRNAの規準化読み取りカウント(TPM)のスキャッタープロット。有意差を強調する()。p<0.05、両側t検定。 対照(pbs)、ガンシクロビル(gcv)、ドキソルビシン(dox)およびdоx+gcv処置動物における、p16−3MRマウス血清中の示差的に制御されたマイクロRNAの規準化読み取りカウント(TPM)のスキャッタープロット。有意差を強調する()。p<0.05、両側t検定。 オスおよびメスマウス両方を含む、マウス血清試料(群あたりn=8)の独立のセットにおける、RT−qPCRに基づくNGS結果の検証から得られた、規準化デルタCq値(dCq)のボックスプロット。明確にするため、24のマイクロRNAに関するデータを2つのグラフA)およびB)に分けた。事後検定を伴う一方向ANOVAを行って、群間の統計的に有意な変化を同定した(<0.05)。 オスおよびメスマウス両方を含む、マウス血清試料(群あたりn=8)の独立のセットにおける、RT−qPCRに基づくNGS結果の検証から得られた、規準化デルタCq値(dCq)のボックスプロット。明確にするため、24のマイクロRNAに関するデータを2つのグラフA)およびB)に分けた。事後検定を伴う一方向ANOVAを行って、群間の統計的に有意な変化を同定した(<0.05)。 A)細胞性老化を診断し、そしてB)老化細胞除去治療を監視するための、非関連マイクロRNAの組み合わせ(miR−221−3p、miR−222−3p、miR−22−3p、miR−378a−3p、miR−582−5p)に対する、含まれるマイクロRNAの組み合わせ(let−7a−5p、miR−125a−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p)の診断性能の直接比較。ROC曲線から計算したAUC値をプロットレジェンドに示す。
本明細書全体で用いるような特定の用語は、以下の意味を有する。
用語「含む(comprise)」、「含有する(contain)」、「有する(have)」および「含まれる(include)」は、本明細書において、同義的に使用可能であり、そしてさらなるメンバーまたは部分または要素を許容する、開いた定義として理解されるべきである。「からなる(consisting)」は、構成する定義の特徴のさらなる要素を伴わない、最も閉じた定義と見なされる。したがって、「含む(comprising)」はより広く、そして「からなる」定義を含有する。
本明細書および付随する請求項で用いる際、単数形「a」、「an」および「the」には、背景が明らかに別に指示しない限り、複数の指示対象が含まれる。
用語「約」は、本明細書において、同じ値、または所定の値の+/−10%まで異なる値を指す。
細胞性老化は、細胞外または細胞内ストレスに対する反応として、培養中でおよびin vivoで起こる。老化反応は、細胞を細胞周期停止に固定し、これは損傷を受けた細胞の増殖を防止し、そして潜在的な悪性形質転換を排除する。
老化は、長期に起こる一連の変化を指す。参照細胞または試料または被験体(例えば、非老化であることが知られる同じタイプまたは年齢の細胞または試料)に比較して、老化細胞、試料または被験体は、以下の特徴:細胞増殖能の減少;リポフスチンの集積(例えばリポフスチン集積の増加);ベータ−ガラクトシダーゼ活性の増加;ミトコンドリア由来活性酸素種の増加;核DNA損傷巣の増加;テロメアの短縮;p16またはp21の発現の増加あるいはその任意の組み合わせのいずれかの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多くまたはすべてを示す細胞または被験体と定義されるか;あるいは細胞または被験体は、上記のものを引き起こすプロセスを示す。
老化細胞または被験体は、オートファジー活性の減少またはミトコンドリア膜電位の減少をさらに示す可能性もあり、あるいは上記のものを引き起こすプロセスを示す。既知の老化細胞または被験体などの細胞または被験体と比較して、非老化細胞または被験体は、細胞増殖能の増加、リポフスチン集積の減少、β−ガラクトシダーゼ活性の減少、またはその組み合わせを示しうる。ヒトの場合、約30歳またはそれより高齢、約40歳またはそれより高齢、約50歳またはそれより高齢、約60歳またはそれより高齢、約70歳またはそれより高齢、約80歳またはそれより高齢、約90歳またはそれより高齢のヒトから採取した細胞または試料を、老化細胞または試料と定義してもよい。
用語「細胞性老化」および「老化細胞」は、したがって、分裂可能な細胞が、決定的に短いテロメア、発癌ストレスまたはDNA損傷に出会うか、あるいは強い分裂促進シグナル、例えば限定されるわけではないが、癌遺伝子または高発現される増殖促進遺伝子を経験した際に起こる、本質的に不可逆的な増殖停止、ならびに代謝的に活性であり、そしてタンパク質発現および分泌の広範囲の変化を経験し、最終的にSASPを発展させる、潜在的に持続性の細胞である老化細胞を指す。この表現型はまた、老化伝達性(senescence−messaging)セクレトームとも称されてきており、これは、多くの異なるタンパク質が、静止細胞によるよりも、より豊富に分泌されていると同定されていることを意味する。これまでに、IL6、IL8(CXCL8)、IGFBP、またはメタロプロテイナーゼ(MMP1、2、3、10、12、13)を含む>89のタンパク質が、SASP因子として記載されてきている。
特に、前記タンパク質は、限定されるわけではないが、アディポネクチン(ADIPOQ)、アンジオゲニン(ANG)、アンフィレギュリン(AREG)、受容体チロシンキナーゼAXL、プロベータセルリン(BTC)、C−Cモチーフケモカイン1(CCL1)、エオタキシン(C−Cモチーフケモカイン11)(CCL11)、C−Cモチーフケモカイン13(CCL13)、C−Cモチーフケモカイン16(CCL16)、C−Cモチーフケモカイン2(CCL2)、C−Cモチーフケモカイン20(CCL20)、C−Cモチーフケモカイン25(CCL25)、C−Cモチーフケモカイン26(CCL26)、C−Cモチーフケモカイン27(CCL27)、C−Cモチーフケモカイン3(CCL3)、C−Cモチーフケモカイン5(CCL5)、C−Cモチーフケモカイン8(CCL8)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(CSF2)、カテプシンB(CTSB)、増殖制御性アルファタンパク質(C−X−Cモチーフケモカイン1)(CXCL1)、C−X−Cモチーフケモカイン11(CXCL11)、間質細胞由来因子1(C−X−Cモチーフケモカイン12)(CXCL12)、C−X−Cモチーフケモカイン13(CXCL13)、C−X−Cモチーフケモカイン5(CXCL5)、インターロイキン8(C−X−Cモチーフケモカイン8)(CXCL8)、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、エピレギュリン(EREG)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー6(FAS)、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞間接着分子1(ICAM1)、細胞間接着分子3(ICAM3)、インターフェロンガンマ(IFNG)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)、インスリン様増殖因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(IGFBP6)、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)、インターロイキン11(IL11)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン1アルファ(IL1A)、インターロイキン1ベータ(IL1B)、1型インターロイキン1受容体(IL1R1)、インターロイキン2受容体サブユニットアルファ(IL2RA)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン6受容体サブユニットベータ(IL6ST)、インターロイキン7(IL7)、インヒビンベータA鎖(INHBA)、Kitリガンド(KITLG)、レプチン(LEP)、白血病阻害因子(LIF)、マクロファージ遊走阻害因子(MIF)、間質性コラゲナーゼ(MMP1)、ストロメリシン2(MMP10)、マクロファージメタロエラスターゼ(MMP12)、コラゲナーゼ3(MMP13)、マトリックスメタロプロテイナーゼ14(MMP14)、72kDa IV型コラゲナーゼ(MMP2)、ストロメリシン1(MMP3)、ヌクレオソーム集合タンパク質1様4(NAP1L4)、ベータ−神経増殖因子(NGF)、ニューレグリン1(NRG1)、オンコスタチンM(OSM)、血小板由来増殖因子サブユニットB(PDGFB)、ホスファチジルイノシトール・グリカン生合成クラスFタンパク質(PIGF)、組織型プラスミノーゲン活性化因子(PLAT)、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(PLAU)、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子表面受容体(PLAUR)、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤2(SERPINB2)、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤1(SERPINE1)、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ4(STK4)、トロンボポエチン(THPO)、メタロプロテイナーゼ阻害剤1(TIMP1)、メタロプロテイナーゼ阻害剤2(TIMP2)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー10C(TNFRSF10C)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー11B(TNFRSF11B)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、ガンマ・チューブリン複合体構成要素2(TUBGCP2)、血管内皮増殖因子A(VEGFA)であってもよい。
上に列挙するタンパク質の1つまたはそれより多くの発現速度または分泌の測定は、本明細書に記載するような方法のさらなる要素であってもよく、したがって、タンパク質発現および分泌の増加または減少は、老化細胞、細胞性老化または老化細胞除去治療に対する反応の存在に関する指標となりうる。
用語「老化細胞」は、特に、老化に特徴的であるマーカーまたはマーカーの組み合わせを発現する細胞を指す。こうしたマーカーには、限定されるわけではないが、p16INK4a腫瘍抑制因子タンパク質、ならびにDNA損傷反応(DDR)マーカーのレベル、53BP1またはガンマH2AXのようなDNA損傷タンパク質とテロメアの共局在、ならびに細胞周期阻害剤p16INK4A、p15INK4B、p21CIP1、およびp53の、参照、例えば非老化細胞に比較した発現増加が含まれる。DEC1、DCR2、およびPAI1もまた、老化バイオマーカーとして用いてもよい。1つの態様において、老化細胞は、X−Galでの染色が、「陽性染色」とも称される青色を生じる度合いまで、SA−ベータ−Gal(老化関連ベータガラクトシダーゼ)を発現する。
「培養ストレス」は、その天然およびin vivoの同等物が不明であり、有意なテロメア浸食を伴わずに、老化停止を引き起こす。これらのストレスには、不適切な支持体、例えば組織培養プラスチック、血清(大部分の細胞は、in vivoで血漿を経験するが、血清は経験しない)、および酸化ストレス、例えば超生理的(hyperphysiologocal)である大気O中での培養が含まれうる。細胞はまた、増殖促進性/生存促進性キナーゼと対抗するホスファターゼである、PTEN腫瘍抑制因子の喪失に際して老化する。さらに、通常は、老化増殖停止を強制するサイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDKis)、特にp21WAF1および/またはp16INK4aの異所性発現は、老化を引き起こしうる。
本発明記載の「加齢」は、生物の発生期間に続く悪化のプロセスの組み合わせである。加齢は、一般的に、ストレスに対する適応可能性の低下、ホメオスタシス不均衡の増加、老化細胞の増加、および疾患リスクの増加によって特徴づけられる。このため、加齢の最終的な結論は死である。
加齢速度の加速は、限定されるわけではないが、化学的、物理的、および生物学的ストレスを含むストレス条件によって誘導されうる。例えば、加齢の加速は、UVおよびIR照射、薬剤および他の化学薬品、化学療法、中毒性物質、例えば、限定されるわけではないが、DNA挿入および/または損傷剤、酸化ストレス因子等;分裂促進刺激、発癌刺激、毒性化合物、低酸素、オキシダント、カロリー制限、環境汚染物質、例えばシリカに対する曝露、職業性汚染物質、例えば塵、煙、アスベスト、または煙霧に対する曝露によって引き起こされるストレスによって誘導されうる。いくつかの態様において、被験体は喫煙経験がある。すべてのこれらのストレス要因もまた、単独でまたは組み合わされて、細胞性老化を引き起こしうる。
細胞性老化はまた、細胞分裂反復から生じるテロメア機能不全(テロメア・アンキャッピング)(複製性老化と称される)、ミトコンドリア変質、酸化ストレス、重度または回復不能DNA損傷およびクロマチン破壊(遺伝毒性ストレス)、および特定の癌遺伝子の発現(癌遺伝子誘導性老化)によっても引き起こされうる。細胞性老化を引き起こすストレスは、寿命の経過中、療法的介入(例えばX線照射または化学療法)中、または内因性プロセス、例えば酸化呼吸および分裂促進シグナルの結果として遭遇する、外部または内部化学的および物理的傷害によって誘導されうる。外部分裂刺激シグナル、例えば、正常細胞にごく近接した腫瘍細胞による増殖関連癌遺伝子アルファ(GROα)分泌、または循環アンギオテンシンIIもまた、細胞性老化を誘導することが示されてきている。分裂能を有するすべての体細胞は、老化を経験しうる。老化誘導ストレスの別個の機構に関わらず、ひとたび細胞が決定的なレベルの損傷または機能不全を感知したら、老化プログラムが活性化される。これまでに、老化増殖停止は、p16INK4aおよびpRB(網膜芽細胞腫タンパク質)によって、ならびにp53によって制御される、主要腫瘍抑制因子経路の活性に依存することが示されてきている。老化関連表現型の上流および下流の経路に関与する分子のいくつかが、培養中、およびin vivoで、老化細胞を検出するマーカーとして用いられてきている。
化学療法剤の限定されない例には、アントラサイクリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、タキソール、パクリタキセル、ゲムシタビン、ポマリドミド、およびレナリドミドが含まれる。
本発明のいくつかの側面において、老化は、ストレスの組み合わせ、例えば2つまたはそれより多い化学的および物理的ストレス;2つまたはそれより多い化学的および生物学的ストレス;2つまたはそれより多い物理的および生物学的ストレス;化学的、物理的、および生物学的ストレスの組み合わせ等によって誘導される。
細胞不含血液、例えば血清または血漿中の循環マイクロRNAは、最小限の侵襲性検出、およびしたがって、診療所および研究レポジトリーにおける広い適用可能性を可能にする、最小限の侵襲性または非侵襲性のバイオマーカー供給源である。
用語「老化細胞除去治療」は、細胞または被験体の老化細胞除去薬剤または剤への曝露を指し、これは、老化細胞の溶解を誘導し、そしてそれによって、加齢関連またはストレス誘導性疾患を遅延させるか、防止するか、軽減するか、または逆転させることも可能である。
老化細胞除去剤または薬剤は、老化細胞を殺すことによって、老化細胞のアポトーシスを選択的に誘導する剤である。言い換えると、老化細胞除去剤は、非老化細胞を破壊するかまたは殺す能力と比較して、生物学的、臨床的、および/または統計的に有意な方式で、老化細胞を破壊するかまたは殺す。特定の態様において、老化細胞除去剤は、老化細胞の死を誘導し(開始し、刺激し、誘発し、活性化し、促進し)、そして死を生じる(すなわち引き起こす、導く)方式で、少なくとも1つのシグナル伝達経路を改変する。老化細胞除去剤は、例えば老化細胞における細胞生存および/または炎症経路内のタンパク質と拮抗することによって、例えば、細胞生存シグナル伝達経路(例えばAkt経路)または炎症経路のいずれかまたは両方を改変しうる。老化細胞除去剤は、細胞の老化プロセス中に活性化される1つまたはそれより多い細胞経路を改変する(すなわちこれに干渉する、これに影響を及ぼす)。老化細胞除去剤は、老化細胞において、細胞生存シグナル伝達経路(例えばAkt経路)または炎症経路のいずれかを改変するか、あるいは、細胞生存シグナル伝達経路および炎症経路の両方を改変することも可能である。老化中の特定の細胞経路の活性化は、細胞がアポトーシスを誘導し、そして最終的にアポトーシスを経る能力を減少させるかまたは阻害する。
こうした剤は、限定されるわけではないが、小分子、HSP90阻害剤、抗アポトーシス因子のBcl−2ファミリーをターゲティングする剤、例えばナビトクラックスおよびTW−37、ネズミ二重微小染色体2(MDM2)阻害剤、例えばシス−イミダゾリン化合物、スピロ−オキシインドール化合物、ベンゾジアゼピン化合物、ピペリジノン化合物、トリプタミン化合物、およびCGM097、ならびに関連類似体であってもよい。特定の態様において、MDM2阻害剤はまた、MDMX(ネズミ二重微小染色体X、ヒトにおいてはHDMXとしても知られる)に結合し、そしてその活性を阻害することも可能である。MDM2のヒト相同体は、当該技術分野において、HDM2(ヒト二重微小染色体2)と称される。他のプロテインキナーゼに比較して、Akt(プロテインキナーゼB、PkB)キナーゼ阻害剤、例えばその3つのアイソフォームAkt1、Akt2、およびAkt3を選択的に阻害する化合物。Akt阻害剤は、アデノシン三リン酸(ATP)競合剤から、触媒ドメインにおけるAktアイソフォーム間の高い度合いの構造的類似性、およびAGCキナーゼファミリーに対するかなりの構造的相似性を克服するために、アロステリック部位を使用した代替アプローチに発展し、特異性がより高く、副作用が減少し、そして毒性がより低い阻害剤、例えばユプロセルチブ、アフュレセルチブ、MK−2206、およびイパタセルチブを生じてきた。他の剤、例えばガンシクロビル(GCV)またはAP20187もまた、老化細胞除去剤として作用する可能性もあり、そして本明細書に含まれる。他の態様において、老化細胞除去剤は、ポリペプチド、ペプチド、抗体、抗原結合断片(すなわち少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含むペプチドおよびポリペプチド)、ペプチボディ、組換えウイルスベクター、または核酸であってもよい。特定の態様において、老化細胞除去剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、またはペプチドである。例えば、老化細胞除去剤、例えばポリペプチド、抗体、核酸等には、例えば、MDM2阻害剤、BCL−2ファミリー阻害剤、またはAktキナーゼ阻害剤が含まれる。他の態様において、本明細書に記載する小分子老化細胞除去剤のリガンドまたはターゲットタンパク質に特異的に結合するポリペプチド、ペプチド、抗体(その抗原結合断片を含む)を、小分子老化細胞除去剤の使用を特徴づけるかまたは監視するためのアッセイおよび方法において、用いてもよい。
用語「試料」は、一般的に、組織または臓器試料、血液、細胞不含血液、例えば血清および血漿、尿、唾液、ならびに脳脊髄液試料を指す。
用語「細胞不含」は、本明細書において、90%またはそれより多い度合いまで、いかなる細胞も欠く試料を指す。
元来の試料が細胞含有試料である場合、前記試料を、当該技術分野に知られるように実行可能な細胞枯渇法に供してもよく、したがってこうした枯渇法は限定されるわけではないが、フェレーシス、遠心分離、沈降、濾過、FACSまたは磁気活性化細胞ソーティング(MACS)による細胞除去、クロマトグラフィ等であってもよい。
本明細書において、用語「血液試料」は、血清、血漿、細胞不含血液、全血およびその構成要素、血液由来産物または調製物を指す。血漿および血清は、実施例に示すように非常に有用である。特に、血液試料は、細胞不含血液試料である。
本明細書において、用語「被験体」または「個体」または「患者」は、温血哺乳動物、特にヒトを指すものとする。あるいは、これはまた、動物、例えばマウス、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、または非ヒト霊長類であってもよい。
用語「患者」には、予防的または療法的治療のいずれかを受けているか、あるいは細胞性老化または老化関連疾患と診断されたヒトおよび他の哺乳動物被験体が含まれる。
本明細書において、用語「被験体のプール」は、健康な個体群を指すものとし、そして前記個体から得られる試料を特に指してもよい。プールの個体の数は、多様であってもよく、すなわち、2、3、4、5、6、7またそれより多い個体を含んでもよいが、また、被験体のより大きな群、例えば限定されるわけではないが、10、50、100またはそれより多い個体であってもよい。本発明の態様にしたがって、プールはまた、500またはそれより多い個体の大きなコホートを含んでもよい。
本明細書において、用語「コンパニオン診断」は、対応する薬剤または医学的製品の安全でそして有効な使用に必要である、本明細書に記載するような1つまたはそれより多いバイオマーカーの分析から得られる結果を生じる診断法を指すものとする。
本明細書において、用語「相補的診断」は、薬剤または医学的製品の安全でそして有効な使用に関する重大な情報を提供する、本明細書に記載するような1つまたはそれより多いバイオマーカーの分析から得られる結果を生じる診断法を指すものとする。
したがって、本明細書記載の方法は、コンパニオン診断および相補的診断ツールとして有用である。
本明細書において、本発明は、被験体において、老化細胞を検出するかまたは細胞性老化を診断するin vitro法であって、前記被験体由来の試料において、表1および/または表19に列挙するmiRNAあるいはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを、随意に、表2〜15に列挙するmiRNAのいずれかと組み合わせて、定量化する工程を含む、前記方法を提供する。
本明細書において、用語「マイクロRNA」または「miRNA」または「miR」は、コーディングメッセンジャーRNAにハイブリダイズし、そしてその発現を制御する、約17〜25ヌクレオチドの長さを有する、特に17、18、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチドの長さを有する、非コーディングRNA分子を指す。
用語「miRNA分子」は、天然miRNA分子、すなわち成熟miRNA、プレmiRNA、プリmiRNAを含む、miRNAに相当する任意の核酸分子を指す。
「miR前駆体」、「プレmiRNA」または「プレmiR」は、miRNAを含有する、ヘアピン構造を有する非コーディングRNAを指す。プレmiRNAは、一次miRNA転写物または「プリmiR」の、Droshaとして知られる二本鎖RNA特異的リボヌクレアーゼ(RNアーゼIII)による切断産物である。前駆体は、それぞれのポリヌクレオチドの成熟中に生じるため、それぞれのポリヌクレオチドの型でありうる。
成熟miRNAおよびそのそれぞれの前駆体のヌクレオチド配列は、当該技術分野に知られ、そしてhttp://www.mirbase.org/index.shtmlでデータベースmiRBaseから、またはhttp://microrna.sanger.ac.uk/sequences/ftp.shtmlでSangerデータベースから入手可能である。
本明細書に記載するような方法によって検出しようとするポリヌクレオチドの背景において、本明細書において、同一ポリヌクレオチドは、配列番号1〜92のいずれか1つのヌクレオチド配列を含むかまたは該配列からなるポリヌクレオチドに比較して、少なくとも90%、95%、97%、98%または99%の同一性を持つか、あるいは3または2未満の単一ヌクレオチド修飾を含む、核酸配列を有してもよい。
さらに、本明細書に記載するような方法によって検出しようとするポリヌクレオチドの背景において、同一ポリヌクレオチドは、本明細書において、それぞれのシード配列の5’端および/または3’端の対応するプレmiRNA配列の1つ、2つ、3つまたはそれより多いヌクレオチドを含めて、配列番号1〜92のいずれか1つのヌクレオチド配列を含むかまたは該配列からなるポリヌクレオチドに、少なくとも90%、95%、97%、98%または99%の同一性を持つ核酸配列を有してもよい。
本発明にしたがって用いられる、明記するmiRNAのすべてはまた、そのアイソフォームおよび変異体も含む。
表1〜15および19〜22に列挙する、明記するmiRNAは、ヒト起源であるが、記載する本発明の方法に関する任意の他の供給源由来の対応するmiRNAの使用が本明細書に含まれるものとする。したがって、典型的には、任意の起源由来のmiRNA miR−34a−5pが含まれ、ここでhsa−miR−34a−5pが、明確に表1に言及される。同じことが、任意の起源であってもよい、let−7f−5p、let−7a−5p、miR−143−3p、miR−27a−3p、miR−143−5p、miR−144−5p、miR−3058−3p、miR−30b−5p、miR−339−5p、miR−423−3p、miR−6395、miR−652−3p、miR−18b−5p、miR−92a−3p、miR−10a−3p、miR−151a−5p、miR−191−5p、miR−223−3p、miR−23a−3p、miR−24−3p、miR−29a−3p、miR−20b−5p、miR−93−5p、miR−106a−5p、miR−106b−5p、miR−18a−5p、miR−19a、miR−19b、miR−17−3p、miR−20a−3p、miR−20a−5p、miR−15a−5p、miR−15b−3p、miR−16−5p、miR−16−1−3p、let−7b−5p、let−7c−5p、let−7c−5p、let−7d−5p、let−7d−3p、let−7f、let−7g−3p、let−7i−3p、miR−23a−5p、miR−23b−3p、miR−24−1−5p、miR−27b−3p、miR−29b−3p、miR−29c−3p、miR−30a−3p、miR−30a−5p、miR−30c、miR−30d、miR−30e−3p、miR−34b−5p、miR−34c、miR−34a−3p、miR−34a−5p、miR−146a−5p、miR−146b−5p、miR−376a−3p、miR−376b−3p、miR−376c−3p、miR−663a、miR−663b、miR−181a−3p、miR−181a−5p、miR−181b−5p、miR−181c−5p、miR−21−5p、miR−21−3p、miR−137、miR−766−3p、miR−424−5p、miR−193a−3p、miR−193b−3p、miR−214−3p、miR−155−5p、miR−199b−5p、miR−345−5p、MIR181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−3p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、miR−150−5pに関して読み取れる。
本発明の目的のため、用語、参照miRNAの「アイソフォームおよび変異体」(アイソmir(isomir)ともまた称される)には、トリミング変異体(5’ダイシング部位が参照miRNA配列の上流または下流である5’トリミング変異体;3’トリミング変異体:3’ダイシング部位が参照miRNA配列の上流または下流である)、あるいは1つまたはそれより多いヌクレオチド修飾を有する変異体(参照miRNAの3’端に対する3’ヌクレオチド付加;miRNA前駆体からヌクレオチドを変化させることによるヌクレオチド置換)、あるいはそのアイソフォームおよび変異体を含む相補的成熟マイクロRNA(例えば所定の5’成熟マイクロRNAに関して、相補的3’成熟マイクロRNAおよびその逆)が含まれる。ヌクレオチド修飾に関しては、RNA/RNA結合に適したヌクレオチド、すなわち5’シード領域および切断/アンカー側のヌクレオチドは、修飾から排除される。
以下において、別に言及しない限り、用語「miRNA」は、3pおよび5p鎖を含み、そしてまたそのアイソフォームおよび変異体を含む。
特に、用語「miR−各番号−3p」は、本明細書において、また、その相補的5p miRNAも含み、そして逆も当てはまる。
特定の態様において、関心対象のmiRNAと、好ましくはストリンジェントな条件下で、ハイブリダイズする核酸配列を用いて、そしてハイブリダイゼーションシグナルを測定して、関心対象の前記miRNAを検出する。
細胞不含血液、例えば血清または血漿中の循環マイクロRNAは、最小限の侵襲性の検出、およびしたがって、診療所および研究レポジトリーにおける広い適用可能性を可能にする、最小限の侵襲性または非侵襲性の供給源である。これは、生検のために容易にアクセス可能ではない組織が罹患する疾患に関して、特に好適である。Mitchellらは、同じ採血により、同じ健康な個体から収集した血清および血漿におけるmiRNA測定が、非常に相関することを立証した(Chenら 2008;Mitchellら 2008b)。しかし、ヘパリンは、PCRに基づくアッセイにおいて、酵素活性に干渉する(Garciaら 2002;Boeckelら 2013)ため、抗凝固剤(ヘパリン、EDTA、クエン酸ナトリウムまたはフッ化ナトリウム/シュウ酸カリウム(NaF/KOx))の選択が重要である。ヘパリン同様、クエン酸塩もまた、qPCRに対して阻害性の影響を示し、そしてしたがって、どちらも、qPCRによるmiRNA定量化には推奨されない。ヘパリンとは異なり、EDTAはPCRマスターミックスから除去可能であり、そしてしたがって、PCRに基づくmiRNAプロファイリングに関して選択される抗凝固剤と見なされる(Zampetaki & Mayr、2012)。抗凝固剤としてのNaF/KOxの使用は、miRNA検出率の増加を生じ、そして血清またはEDTA血液が使用不能である場合には、適切な代替物になりうる(Kimら 2012)。遠心分離の時間ならびに遠心分離速度は、血小板由来miRNAの混入に影響を及ぼすため、EDTA血漿試料におけるmiRNAの検出に決定的な影響を及ぼすことが示されてきている(Chengら、2013)。対照的に、血清におけるmiRNA検出は、プレプロセシング変動に対してより感受性でないことが示された。技術水準を考慮すると、miRNA診断に関する適切な状態の選択は、過度の負荷を伴わずに、当業者によって実行されうる。
用語「定量化する」または「定量化」は、本明細書において、絶対定量化、すなわちそれぞれのmiRNA量の決定を指すが、また、それぞれのmiRNAのレベルを測定し、そして前記レベルを参照または対照miRNAと比較する工程も含む。本明細書の表に列挙するようなそれぞれのmiRNAの定量化は、老化細胞の発現プロファイリングを可能にし、そしてしたがって、老化と関連するシグネチャーの同定、ならびに治療に対する予後および反応と関連するシグネチャーの同定も可能にする。miRNAの量またはmiRNAレベルの相違を、本明細書記載の方法のいずれによって決定してもよい。
特定の態様において、関心対象のmiRNAのレベルを、次世代シーケンシングによって決定する。用語「次世代シーケンシング(NGS)」は、合成によるいわゆる平行化シーケンシングまたは連結プラットホームによるシーケンシングを指し、現在、Illumina、Life Technologies、Pacific Biosciences、Oxford Nanopores、およびRoche等によって使用されている。次世代シーケンシング法にはまた、ナノポアシーケンシング法または電子検出に基づく方法、例えばLife Technologiesによって市販されているイオントレント技術も含まれうる。
特に、NGSは、平行して数千から数百万のシーケンシング反応を実行する、ハイスループットシーケンシング技術を指す。異なるNGSプラットホームは、多様なアッセイ化学反応を使用するが、これらはすべて、多数のテンプレート上で同時に行われる、多数のシーケンシング反応からの配列データを生成する。典型的には、配列データは、スキャナを用いて収集され、そして次いでバイオインフォマティクス的に組み立てられ、そして分析される。したがって、シーケンシング反応は、平行して実行され、読み取られ、組み立てられ、そして分析される;例えば、Behjati SおよびTarpey, P., 2013 (Arch.Di.Child Educ Pract Ed 2013, 98, 236−238); Head S.ら, 2015 (Biotechniques, 56(2), 61−各所)を参照されたい。
テンプレート増幅を必要とするNGS法もあり、そして必要としないNGS法もある。増幅を必要とする方法には、ピロシーケンシング(例えば米国特許第6,258,568号;Rocheによって市販); Solexa/Illuminaプラットホーム(例えば米国特許第号6,833,246号、第7,115,400号、および第6,969,488号);ならびに支持オリゴヌクレオチド連結および検出(SOLiD)プラットホーム(Applied Biosystems;例えば米国特許第5,912,148号および第6,130,073号)が含まれる。増幅を必要としない方法、例えば一分子シーケンシング法には、ナノポアシーケンシング、HeliScope(米国特許第号7,169,560号;第7,282,337号;第7,482,120号;第7,501,245号;第6,818,395号;第6,911,345号;および第7,501,245号);合成によるリアルタイムシーケンシング(例えば、米国特許第7,329,492号);ゼロモード導波(ZMW)を用いる一分子リアルタイム(SMRT)DNAシーケンシング法;ならびに、米国特許第号7,170,050号;第7,302,146号;第7,313,308号;および第7,476,503号、US 20130274147; US20140038831;ならびにMetzker, Nat Rev Genet 11(1): 31−46 (2010)に記載されるものを含む他の方法が含まれる。あるいは、ハイブリダイゼーションに基づく配列法または他のハイスループット法、例えばマイクロアレイ分析、NANOSTRING、ILLUMINA、または他のシーケンシングプラットホームもまた、用いてもよい。
さらなる特定の態様において、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、関心対象のmiRNAのレベルを決定する。多様な態様において、核酸を増幅する。当該技術分野に知られる、任意の増幅法を用いてもよい。用いてもよい増幅技術の例には、限定されるわけではないが、PCR、定量的PCR、定量的蛍光PCR(GF−PCR)、多重蛍光PCR(MF−PCR)、リアルタイムPCR(RT−PCR)、一細胞PCR、制限断片長多型PCR(PCR−RFLP)、ホットスタートPCR、入れ子PCR、in situポロニーPCR、in situローリングサークル増幅(RCA)、架橋PCR、ピコタイターPCR、およびエマルジョンPCRが含まれる。他の適切な増幅法には、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写増幅、自己持続性配列複製、ターゲットポリヌクレオチド配列の選択的増幅、コンセンサス配列にプライミングされるポリメラーゼ連鎖反応(CP−PCR)、恣意的にプライミングされるポリメラーゼ連鎖反応(AP−PCR)、縮重オリゴヌクレオチドにプライミングされるPCR(DOP−PCR)、および核酸に基づく配列増幅(NABSA)が含まれる。
本発明で有用なPCR法において、プライマーは通常、成熟miRNA分子に基づくが、ハイブリダイゼーションの振る舞いを最適化するため、化学修飾が含まれてもよい。
qRT−PCR法は、miRNAの発現の絶対レベルを決定してもよい。あるいは、qRT−PCR法は、miRNAの相対量を決定してもよい。miRNAの相対量は、miRNAのレベルを、1つまたはそれより多い内部標準核酸配列のレベル(参照miRNA値)に対して規準化することによって決定してもよい。一般的に、こうした内部標準核酸配列は、分析される血液または血清試料において、一定のレベルを有するべきである。例えば、内部標準核酸配列は、恒常的に転写されるRNA核酸配列、例えばグリセロアルデヒド−3−リン酸−デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、ベータ−アクチン(ACTB)のようなmRNA、または非コーディングRNA、例えば5Sおよび18SリボソームRNA、RNU48、RNU44、およびRNU6であってもよい。さらに、RNA単離またはcDNA合成中に等モル量で添加される合成RNA配列を、特定のmiRNAの相対量に関する参照として用いてもよい。
本発明で有用なリアルタイムPCR定量化法の概観は、Schmittgenら, 2008, Methods. January; 44(1): 31−38によって提供される。
miRNA検出のためのプライマーは、例えばExiqonからマイクロRNA LNATM PCRプライマーセットとして、商業的に入手可能である。
miRNAは比較的短い分子であるため、例えばWO201114476Aに示唆されるように、逆転写および増幅前に、鎖にアデノシン単量体を付加すること(ポリアデニル化として知られる技術)によって、これらを長くすることが有用でありうる。簡潔には、適切な試薬(例えばTrizol試薬)によって、試料からRNAを抽出し、ATPおよびポリ(A)ポリメラーゼの存在下でポリアデニル化し、ポリ(T)アダプターおよび5’RACE配列を用いて、cDNAに逆転写し、そしてmiRNAの3’端由来の順方向プライマーおよび逆方向RACEプライマーを用いて増幅してもよい。この技術の改善には、3’端でヌクレオチド(ポリA配列上のいずれかへのプライミングを排除し、そしてmiRNA配列上でのプライミングを強制するため、A、C、またはGからなるが、Tからならない)を含むRACEプライマー、あるいは化学的修飾を伴いまたは伴わずに、2つ、3つ、4つまたはそれより多いヌクレオチドを用いた、特定のマイクロRNAの3’cDNA端に係留されるRACEプライマーの設計が含まれる。
miRNAの検出はまた、ディープシーケンシング法、ビーズに基づく定量化、例えばIlluminaビーズアレイ、ヒドロゲル粒子に基づく定量化、例えばマイクロアレイ技術によるFireflyTM、例えばInvitrogenより入手可能なNcodeTMヒトmiRNAアレイ、Affymetrix、Agilentより入手可能なチップアレイ、あるいは例えばExiqonのLNA主鎖捕捉プローブを使用するマイクロアレイ(miRCURY LNATMアレイ)によるような、WO20111476Aに記載されるものなどの、当該技術分野に知られる他の方法によって達成されてもよい。
miRNAレベルの相違はまた、多重化学発光に基づく核酸アッセイ、例えばPanomics、またはマイクロRNA相補的制御部位を含むレポータータンパク質を含有するレポータープラスミドアッセイ(「バイオセンサー」)、または当該技術分野に知られる他のハイブリダイゼーションに基づく技術を用いて、決定されてもよい。
バイオマーカーは、一般的に、体液、例えば血液、または組織中に見られる、正常なまたは異常なプロセスの、あるいは状態または疾患の徴候である、生物学的分子と定義される。バイオマーカーの臨床的有用性は、特に、しばしば、健康、疾患および治療被験体の群を含む、2つまたはそれより多い群を区別する能力に依存する。いくつかの方法、もっとも一般的には、分散分析(ANOVA)または受信者動作特性分析(ROC)を用いて、バイオマーカーが2つまたはそれより多い群を区別する能力を評価してもよい。ANOVAは、各群が少なくとも3つの独立の複製物からなる場合、3つまたはそれより多い群間のバイオマーカーレベルにおける相違の統計的な有意味性を評価する。<0.20のp値は、群間のバイオマーカーレベルにおける推定上の相違を示す傾向と見なされうる。<0.05のp値は、群間のバイオマーカーレベルにおける有意な変化を示すと一般的に見なされる。ROC分析は、2つの特定の群、例えば健康および疾患、または疾患および治療の相違に関して、バイオマーカーレベルの感度および特異度を調べるために実行され、ここで、感度は、疾患を有する被験体において、陽性試験結果を得る確率を意味し、そして特異度は、疾患を持たない被験体において、陰性試験結果を得る確率を意味する。ROC曲線は、陽性試験結果に関する連続して増加する閾値に関連する、バイオマーカー試験の感度および特異度の間の関連を示す。バイオマーカーの識別力は、このROC曲線下面積(AUC)によって定義され、ここで、AUC<0.6は低い、0.6〜0.7の範囲は中程度の、0.7〜0.8の範囲は優れた、そして>0.8は非常に優れた識別力を示す。さらに、0.5のAUC値は、ランダムな分類力を示し、一方、1.0の面積は、いかなる誤りも伴わない、完全な分類を示す。
「対照」、「対照試料」または「参照値」または「参照レベル」は、本明細書において交換可能に使用可能な用語であり、そして実験試料との比較のために用いる試料または標準と理解されるものとする。対照には、健康な被験体、あるいは老化のリスクにないかもしくは老化に苦しんでいないか、または老化を誘導するストレス条件に曝露されていないか、または老化細胞除去剤での治療に曝露されている被験体から得た試料が含まれてもよい。参照レベルは、特に、健康な被験体由来の、老化のリスクにないかもしくは老化に苦しんでいないか、または老化を誘導するストレス条件に曝露されていない被験体由来の試料において定量化されたmiRNAまたはmiRNA発現レベルを指すか、あるいは老化細胞除去治療監視の場合、前記レベルはまた、老化細胞除去治療開始前の、または老化細胞除去治療の経過中の被験体の試料から得られていてもよい。
特に、より早い時点の被験体の試料と比較した、老化細胞除去治療中のまたは治療後の同じ被験体の試料から得た、本明細書に定義するような1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベル間の1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0倍より大きい相違(個体内比較または個体内相違)は、老化細胞除去治療に対する反応の指標である。
さらに、対照はまた、標準参照値または値の範囲、すなわち、例えば、試料中で安定に発現されるmiRNA、例えば内因性対照U6 snRNAであってもよい。
参照レベルはまた、健康な被験体および/または薬理学的、食餌的またはライフスタイル介入前の被験体の試料における、対応するmiRNAの平均レベルとして決定されてもよい。あるいは、やはり、1またはそれより多い被験体由来の試料プール、あるいは文献中に開示される参照を用いてもよい。
該態様にしたがって、レベル比較の1より大きい標準偏差の相違は、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である。
特定の態様において、本明細書に記載するmiRNAレベルの測定値に加えて、老化細胞によって分泌される1つまたはそれより多いタンパク質のレベルを測定し、そしてタンパク質参照レベルに比較し、ここで、タンパク質参照レベルおよびRNA参照レベルに比較した際のタンパク質およびmiRNAレベルの相違の度合いは、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である。
本明細書記載の方法によって定量化すべきmiRNAを以下の表1に列挙する:
表1:
本明細書記載の方法によって定量化すべきmiRNAを、以下の表19に列挙する。特に、表19のmiRNAの発現レベルは、老化に相関し、そして試料において、老化細胞を検出するか、または老化もしくはストレス誘導性老化を決定するために有意であり、そして/または老化細胞除去治療に相関し、そして試料における老化細胞除去治療の成功を監視するために有意である。
表19:
本明細書記載の方法によって定量化すべきmiRNAを、以下の表20に列挙する。特に、表20のmiRNAの発現レベルは、老化に有意に相関し、そして試料において、老化細胞を検出するか、あるいは老化またはストレス誘導性老化を決定するために有用である。
表20:
本明細書記載の方法によって定量化すべきmiRNAを、以下の表21に列挙する。特に、表21のmiRNAの発現レベルは、老化細胞除去治療に有意に相関し、そして試料において、老化細胞除去療法の成功を監視するために有用である。
表21
本明細書記載の方法によって定量化すべき老化miRNAの選択した識別子のパネルを、以下の表22に列挙する。識別子は、その発現が、老化と、そして老化細胞除去治療の成功と相関するmiRNAを含む。
表22
特定の態様にしたがって、(i)miR−34a−5p、(ii)miR−27a−3p、および(iii)表1に列挙する1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
さらなる態様にしたがって、以下の表2に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表2
さらなる態様にしたがって、以下の表3に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表3
さらなる態様にしたがって、以下の表4に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表4
さらなる態様にしたがって、以下の表5に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表5
さらなる態様にしたがって、以下の表6に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表6
さらなる態様にしたがって、以下の表7に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表7
さらなる態様にしたがって、以下の表8に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表8
さらなる態様にしたがって、以下の表9に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表9
さらなる態様にしたがって、以下の表10に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表10
さらなる態様にしたがって、以下の表11に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表11
さらなる態様にしたがって、以下の表12に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表12
さらなる態様にしたがって、以下の表13に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表13
さらなる態様にしたがって、以下の表14に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表14
さらなる態様にしたがって、以下の表15に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する。
表15
特定の態様にしたがって、表1由来の1つまたはそれより多くのmiRNAのレベルを、表2〜15のいずれか由来の1つまたはそれより多い異なるmiRNAと組み合わせて定量化する。
特に、miR−34a−5pおよび/またはmiR−27a−3pのレベルを、表2〜15由来の1つまたはそれより多いmiRNA、例えば、miR−93−5p、miR−19a、miR−17、miR−23a−5p、miR−30a−3p、またはmiR−376aと組み合わせて定量化する。
特に、miR−137、miR−766−3pおよび/またはmiR−424−5pのレベルを、表2〜15のいずれか由来の1つまたはそれより多い異なるmiRNAと組み合わせて定量化する。
さらなる特定の態様にしたがって、表1または表19由来の1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを、表2〜15および表19〜22のいずれか1つに列挙する、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、または18の異なる群由来の2つまたはそれより多いmiRNAと組み合わせて定量化する。
特に、miR−34a−5pおよび/またはmiR−27a−3pのレベルを、表2〜15のいずれか1つに列挙する、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13または14の異なるmiRNA由来の2つまたはそれより多いmiRNAと組み合わせて定量化する。
特に、miRNA let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、およびmiR−125a−5pを、本明細書記載の方法にしたがって定量化する。特に、let−7a−5pを、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、およびmiR−125a−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、let−7b−5pを、let−7a−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、およびmiR−125a−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−199a−5pを、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、およびmiR−125a−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−345−5pを、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−423−3p、およびmiR−125a−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−423−3pを、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、およびmiR−125a−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−125a−5pを、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、およびmiR−423−3pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。前記miRNAはまた、表20または21のmiRNAの1つまたはそれより多くと組み合わせて定量化されてもよい。
特に、miRNA let−7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pを、本明細書記載の方法にしたがって定量化する。特に、let−7a−5pを、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、let−7b−5pを、let−7a−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−34a−5pを、let 7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−34a−3pを、let 7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−151−5pを、let 7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−155−5pを、let 7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−199a−5pを、let 7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−199b−5pを、let 7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、およびmiR−345−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−345−5pを、let 7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5pおよびmiR−199b−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてと組み合わせて定量化する。前記miRNAはまた、表21または22のmiRNAの1つまたはそれより多くと組み合わせて定量化されてもよい。
特に、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、およびmiR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pを、本明細書記載の方法にしたがって定量化する。特に、miR−23a−3pを、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、およびmiR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−23b−3pを、miR−23a−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−24−3pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−27a−3pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−146a−5pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−423−3pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−181b−5pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、およびmiR−146a−5p、miR−423−3p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−183−3pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−215−5pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−31−5pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−375−5pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−409−3pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−125a−5pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−483−5pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、およびmiR−150−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。特に、miR−150−5pを、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、およびmiR−483−5pの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、またはすべてと組み合わせて定量化する。前記miRNAはまた、表20または22のmiRNAの1つまたはそれより多くと組み合わせて定量化されてもよい。
特に、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する。
本発明は、診断シグネチャーまたは発現パターンを示すmiRNAセットを提供し、診断シグネチャーまたは発現パターンの両方は、特に、限定されるわけではないが、線維芽細胞、内皮細胞、腎臓上皮細胞、肝細胞、神経細胞、皮膚細胞、肺上皮細胞、または結腸上皮細胞を含む、多様な細胞タイプの広い範囲に亘るの老化に適用可能である。特に、若い被験体または老化を誘導するストレス条件に曝露されていない被験体、および高齢被験体または老化を誘導するストレス条件に曝露されている被験体の血液または血清において、示差的に制御されているmiRNAの検出は、初期診断、長期予後、および細胞性老化を伴う患者のスクリーニングに、より高い有意性を有する、診断および予測ツールを提供する。本明細書に記載するような方法はまた、老化細胞除去剤での治療を監視するための診断ツールも提供する。
被験体において、老化細胞を検出するかまたは細胞性老化を診断する方法を、特に、被験体において、老化関連疾患を診断するかまたは老化関連疾患のリスクを診断する背景において、老化細胞の存在を決定するために用いてもよい。
老化細胞関連状態は、限定されるわけではないが、アンギナ、不整脈、アテローム性動脈硬化症、心筋症、鬱血性心不全、冠動脈疾患(CAD)、頸動脈疾患、心内膜炎、冠動脈血栓症、頸動脈血栓症、心筋梗塞(MI)、血圧上昇/高血圧、大動脈瘤、脳動脈瘤、心筋線維化、心臓拡張期機能不全、高コレステロール血症/高脂血症、僧帽弁逸脱、末梢血管疾患、末梢動脈疾患(PAD)、心臓ストレス耐性、および脳卒中を含む、心臓血管状態であってもよい。
老化細胞関連状態は、神経学的状態であってもよい。神経学的状態には、限定されるわけではないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症、筋委縮性側索硬化症(ALS)、球麻痺、仮性球麻痺、原発性側索硬化症、運動ニューロン機能不全(MND)、軽度認知障害(MCI)、ハンチントン病、眼疾患、黄斑変性症(湿性および乾性)、緑内障、視力喪失、老視、白内障、進行性筋萎縮症、下位運動ニューロン疾患、脊髄筋萎縮症(SMA)、ウェルドニッヒ・ホフマン病(SMA1)、SMA2、クーベルベルク・ヴェランダー病(SM3)、ケネディ病、ポリオ後症候群、遺伝性痙性対麻痺、加齢性記憶減退、ならびに抑鬱および気分障害が含まれる。
老化細胞関連状態は、炎症性状態であってもよい。炎症性状態には、限定されるわけではないが、筋骨格疾患、変形性関節症、骨粗鬆症、筋肉減少症、ループス、間質性膀胱炎、強皮症、脱毛症、口腔粘膜炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、円背、椎間板ヘルニア、潰瘍性結腸炎、クローン病、潰瘍性喘息、移植後腎線維症を含む腎線維症、肝線維症、膵線維症、心筋線維化、糖尿病関連創傷治癒を含む皮膚創傷治癒、および口腔粘膜下線維症が含まれる。
老化細胞関連状態は、黄斑変性症、乾性(非血管新生)または湿性(血管新生)黄斑変性症であってもよい。
老化細胞関連状態は、肺状態であってもよい。肺状態には、限定されるわけではないが、特発性肺線維症(TPF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、嚢胞性線維症、気管支拡張症、肺気腫、肺機能の加齢性喪失、および加齢性睡眠時無呼吸が含まれる。
老化細胞関連状態は、皮膚科学的状態であってもよい。皮膚科学的状態には、限定されるわけではないが、乾癬、湿疹、皺(rhytides)、掻痒症、異常感覚、丘疹鱗屑性障害、紅皮症、扁平苔癬、苔癬様皮膚病、アトピー性皮膚炎、湿疹性発疹、好酸球性皮膚病、発疹、光線感受性および光老化関連疾患および障害、反応性好中球性皮膚病、天疱瘡、類天疱瘡、免疫水疱性皮膚病、皮膚の線維組織球性(fibrohistocytic)増殖、皮膚母斑、蕁麻疹、色素増加症、皮膚リンパ腫、乾癬、および皮膚エリテマトーデスが含まれる。
本発明の態様はまた、移植臓器機能を予測するかまたは臓器移植の失敗を予測するための、本明細書に記載する方法の使用も含む。
本発明の方法を単一の測定として実行してもよいが、また、反復決定によって実行してもよい。
また、本明細書記載の方法を、老化細胞減退または細胞性老化減少を検出するために用いてもよく、ここで、前記miRNAのレベルを、老化細胞除去剤での治療、抗加齢剤または任意の抗加齢介入の前の対応するmiRNAのレベルと比較する。具体的には、シグネチャーは、例えば老化細胞除去剤、抗加齢剤(例えばラパマイシン、スペルミジン、メトフォルミン)、または食餌、運動等の任意の他の抗加齢介入の使用中の、老化細胞除去の指標となりうる。このシグネチャーはまた、任意の老化細胞除去介入から利益を受けるであろう被験体を同定するためにも使用可能である。
特に、方法は、特に老化細胞除去治療に対する被験体の反応を測定するために、被験体を監視するために有用である。したがって、発現シグネチャーをまた、効率的な薬剤用量の指標として用いてもよい(例えば、任意のタイプの介入の発展中に、あるいは個別化治療オプションまたは投薬の同定に関する、用量決定)。
本明細書記載の方法を、療法および治療の成功を監視するか、または老化誘導剤(酸化ストレス要因、DNA損傷剤等を含む、中毒性物質)に対する曝露を監視するために用いてもよい。
本明細書に含む表記載のmiRNAのシグネチャーは、例えば、加齢、加齢関連疾患、早老性症候群、化学療法中、中毒、または老化細胞の量を増加させる任意の他の治療/事故において、任意の哺乳動物種において、老化細胞の存在を示しうる。
さらなる項目が本明細書に含まれる:
1. 被験体において、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するin vitro法であって:
a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
b)前記試料における、表1に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
c)随意に、b)のレベルを、参照試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である
工程を含む、前記方法。
2. (i)miR−34a−5p、(ii)miR−27a−3p、および(iii)表1に列挙する1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する、項目1の方法。
3. 被験体において、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するin vitro法であって:
a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
b)前記試料における、表19に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
c)随意に、b)のレベルを、参照試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である
工程を含む、前記方法。
4. let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、およびmiR−125a−5pからなる群より選択されるmiRNAの1つまたはそれより多くのレベルを定量化する、項目3の方法。
5. 老化細胞を検出するかまたは細胞性老化を診断するための項目3または4の方法であって、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する、前記方法。
6. 老化細胞除去治療を監視するための項目3または4の方法であって、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する、前記方法。
7. 表2に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する、項目1〜6のいずれか一項の方法。
8. 表3〜15の任意の1つに列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する、項目1〜7のいずれか一項の方法。
9. 表2〜15および19〜22の任意の1つに列挙する少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10および最大15の異なる群由来の2つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する、項目1〜8のいずれか一項の方法。
10. 2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24またはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する、項目1〜9のいずれか一項の方法。
11. 参照レベルが、健康な被験体の、あるいは薬理学的、食餌的またはライフスタイル干渉またはその群に供された被験体の試料における対応する1つまたはそれより多いmiRNAのレベルである、項目1〜10のいずれか一項記載の方法。
12. レベル比較の1標準偏差より大きい相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である、項目1〜11のいずれか一項記載の方法。
13. 項目1〜11のいずれか一項記載の、被験体において、老化細胞除去治療反応を監視するための方法であって
a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
b)前記試料における、表1、19または21に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
c)b)のレベルを、前記被験体由来のより早期の試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の1.5倍より大きい相違が、老化細胞除去治療に対する反応の指標である
工程を含む、前記方法。
14. miRNAレベルが、定量的またはデジタルPCR、シーケンシング、マイクロアレイ、Luminex核酸アッセイ、または他のハイブリダイゼーションに基づく技術によって決定される、項目1〜13のいずれか一項の方法。
15. 被験体が、年齢少なくとも30、40、50、60、70、80または90歳であり、特に、加齢関連疾患のリスクがあるおよび/またはSASPのリスクがある被験体である、項目1〜14のいずれか一項の方法。
16. 試料が血液試料、特に細胞不含血液試料である、項目1〜15のいずれか一項の方法。
17. 老化細胞の低下または細胞性老化の減少を検出するための、項目1〜16のいずれか一項の方法であって、前記miRNAのレベルを、老化細胞除去剤、抗加齢剤または任意の抗加齢介入での治療の前の対応するmiRNAのレベルと比較する、前記方法。
18. 老化細胞によって分泌される1つまたはそれより多いタンパク質のさらなるレベルをさらに測定し、そしてタンパク質参照レベルに比較する、項目1〜17のいずれか一項の方法であって、タンパク質参照レベルに比較した際の前記タンパク質レベルの相違の度合いが、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である、前記方法。
19. miRNA let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、miR−125a−5pを含み、そして随意に、表19、20および/または21に列挙するmiRNAの1つまたはそれより多くをさらに含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイス。
20. 表19、20および/または21に列挙するmiRNAの1つまたはそれより多くを含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイス。
以下の実施例は、本発明の理解を補助するために示されるが、いかなる意味でも本発明の範囲を限定するとは意図されず、そしてそのように見なしてはならない。実施例には、慣用法の詳細な説明は含まれない。こうした方法は、一般の当業者には周知である。
本発明者らは、SASPの一部として分泌miRNAを同定し、そしてしたがって、細胞不含血液由来の循環miRNAが、老化細胞除去の非侵襲性の特異的バイオマーカーの基礎となりうると仮定した。こうしたバイオマーカーを同定するため、本発明者らは、p16−3MRマウス(Demariaら, 2014, Developmental Cell 31:722−733)を用い、老化ならびに老化細胞除去を誘導し、そして次世代シーケンシング(実施例1を参照されたい)ならびに逆転写定量的PCR(RT−qPCR、実施例2を参照されたい)分析のため、血清から小分子RNAを単離した。
実際、本発明者らは、老化細胞の誘導およびそれに続く除去後に、示差的に循環するものとして、マウスおよびヒト細胞性老化において上方制御されることが周知である、miR−34a−5pを含めて、いくつかのmiRNAを同定した。
本発明者らのデータは、循環miRNAが、老化細胞の存在レベルを概算し、老化細胞殺傷を監視するための価値あるツールであり、そしてしたがって、診療所に対して、老化細胞除去物質の解釈のための不可欠のツールになりうることを示唆する。さらに、これらのmiRNAは、SASP因子が不活性化される必要がある場合は常に、療法ターゲットとして使用されうる。
実施例1
1. 材料および方法
1.1. マウス研究および血清試料採取
p16−3MR(Demariaら, 2014, Developmental Cell 31:722−733)マウスを社内で育種し、そしてAALAC公認のBuck Institute for Research on Aging(カリフォルニア州ノバート)動物施設で維持した。10〜12週齢のp16−3MRオスマウスを実験に用いた。マウスを4群に分け、そして各群は3匹の動物からなった。群Aでは、対照マウスにPBSを注射した。群Bでは、マウスを、PBS中に溶解したガンシクロビル(GCV)(Sigma−Aldrich)で連続5日間処置した。群Cでは、マウスを、PBS中に溶解した1用量のドキソルビシン塩酸塩(Sigma−Aldrich)で処置した。群Dでは、マウスをまず、ドキソルビシンで処置し、そして次いで、10日後、GCVで処置した。マウスに、1用量の10mg/kgのドキソルビシン塩酸塩を腹腔内注射し、そしてGCVを、PBS中、25mg/kgの濃度で、連続5日間、腹腔内注射によって毎日投与した。最後のGCV投与の4日後、動物をCO2で安楽死させ、そして直ちに血液を抜き取った。次いで、血液を室温で30分間インキュベーションし、そして3400xgで10分間遠心分離した。細胞ペレットを乱さずに、血清を注意深く無菌チューブに収集し、そしてさらなる実験のため、−80℃で保存した。
1.2. 次世代シーケンシング
Qiagen miRNeasy抽出キット(Qiagen、ドイツ)を用いて、200μlの血清から、総RNA抽出を行った。RNA収集物(yield)を、スパイクインのqPCR増幅ならびに溶血反応性RNA(Blondalら)に基づいて、均一抽出効率および溶血に関して品質チェックした。総量2μlにおいて、アダプター自己連結を防止するため、化学的に修飾されたアダプターを用いる、CleanTagライブラリー調製プロトコル(Trilink Biotechnologies、USA)を用いて、ライブラリー調製のため、総RNAを用いた。Bioanalyzer DNA−1000チップを用いて、ライブラリー品質および収量を調節した。高純度であったため、50bp単一端読み取りでIllumina NextSeq500上でのシーケンシングの前に、ライブラリーを精製しなかった。
1.3. バイオインフォマティクス
Exiqon(デンマーク)で、次世代シーケンシングを行った。生の読み取りを、30またはそれより高いQ−スコアに関して品質フィルタリングした。アダプター配列をトリミングし、そして残りの読み取りをマウスゲノム、miRBase、非コーディングRNAデータベースに対してマッピングし、そしてマイクロRNA、小分子RNA、ゲノムマッピングRNAまたはアウトマッピングRNA配列のいずれかとして分類した。読み取りカウントをすべてのマイクロRNAアイソフォーム(isomiR)に関して付加し、そしてマイクロRNA読み取りカウントを、マッピングされた読み取りの総数で割り、そして100万を乗じることによって規準化した(100万あたりのタグ)。ウェブツール、clustvis(MetsaluおよびVilo 2015)を用いて、100万あたりのタグをデータマイニング(PCAおよび階層的クラスタリング)に用いた。
示差発現分析のため、EdgeR統計ソフトウェアパッケージを用いた。規準化のため、試料間の発現レベルにおいて、対数倍率および絶対遺伝子関連変化に基づいて、M値法のトリミング平均を用いた(TMM規準化)。この規準化は、主に、試料特異的影響(一般的に、試料間のシーケンシング深度の変動によって引き起こされる)を補償する。さらに、規準化工程は、マイクロRNAの大部分に渡って、試料間の対数倍率変化を最小限にするスケーリング要因を同定することによって、低試料採取効果(読み取りセットを支配する高発現マイクロRNAによる)を相殺する。<0.05のp値を持つマイクロRNAを、有意に制御されていると見なした。
2. 結果
2.1. 特徴づけ
老化細胞の誘導または除去後の、示差的な循環RNAを同定するため、実験概観に概略するように、動物を処置し、そして最後の処置の4日後に血清を試料採取した(図1A)。
発現分析のため、全マイクロRNA読み取りカウント(すべてのisomiRの総計)を、ライブラリーあたりの総マッピング読み取りに対して規準化した(「100万あたりのタグ、TPM」)。本発明者らは、13の試料の各々において、1またはそれより多いTPMで、179のmiRNAを同定し、このうち94は、13の試料各々において、少なくとも10 TPMで存在した。これらの94のmiRNAをさらなる分析に含めた。
2.2. 循環miRNAが群間を区別する
説明的データ分析のため、本発明者らは、変動係数にしたがって、50の最も可変性であるマイクロRNAのデータセットに対して、主成分分析(PCA)を適用した。PCAプロットは、PBS処置対照動物に比較して、p16−3MRマウスにおいて、循環マイクロRNAレベルに対するドキシサイクリン(dox)処置の影響を明らかに示す(図2)。これは、循環miRNAレベルが、ドキシサイクリン処置を用いた老化の誘導に際して、有意に変化することを示す。示差的な循環miRNAの分析は、老化の誘導によって調節されるmiRNAを同定するために、dox処置対対照(PBS)の間の変化に、ならびに老化細胞の除去後に変化するmiRNAを同定するために、dox−GCV対doxの間の変化に焦点を当てた。多重試験のため、補正なしに、<0.05のp値閾値を用いた。それによって、本発明者らは、dox対対照に関して、10の有意に制御されたmiRNAを(表17)、そしてdox−GCV対Doxに関して、3つのmiRNAを(表18)同定し、1つのmiRNA、miR−34a−5pが、ベン図によって視覚化されるように、重複と示された(図3AおよびB)。単一の示差的に発現されるmiRNA各々の血清レベルを、100万あたりのタグとして、図4に示す。興味深いことに、ガンシクロビル処置(GCV)は、PBS処置動物に比較して、血清miRNAの一貫した減少を生じた。GCV処置動物は、強制されたアポトーシスのため、PBSに比較して、老化細胞の数が減少していると仮定される。miR−34a−5p、miR−27a−3pおよびmiR−345−3pの場合、dоx処置動物におけるレベルは、PBS対照に比較してより高いが、dоx+GCVでのレスキュー後には減少している。結果を図2、主成分分析に示す。13すべての試料に渡って、最も高い変動を有する50のマイクロRNAを分析に用いた。最初の2つの主成分が、変動の66.7%を説明する。
表16:老化活性化剤での処置後、示差的に分泌されるマイクロRNA(dоx対pbs)
表17:老化活性化剤のレスキュー後、示差的に分泌されるマイクロRNA(dоx+gcv対gcv)
これらのデータは、これらの12のmiRNAの循環レベルが、老化細胞殺傷のシグネチャーと見なされうることを示唆する。
これらの知見を、潜在的なさらなるmiRNAに拡張するため、本発明者らは、miR−34a−5pおよびmiR−27a−3pに対するピアソン相関を行い、さらなる潜在的なバイオマーカーを生じた(表18)。
表18−miR−34a−5pおよびmiR−27aに対する高いピアソン相関(>0.7)を有するマイクロRNA
考察
ここで、本発明者らは、NGSによって同定された、マウスモデルにおける、老化細胞の増加に対して、そして老化細胞の減少に対して反応する循環miRNAを記載する。循環miRNAは、EVにパッケージングされることによって、あるいはタンパク質またはリポタンパク質粒子により保護されることによってのいずれかで、血清および血漿中に存在するRNアーゼから保護され、そしてしたがって血液試料採取および−80℃での貯蔵の数十年後であっても、生体液中で安定して検出可能であることから、近年、バイオマーカーとして注目を集めてきている(Hacklら 2015)。マウス血清試料が少量であるため、本発明者らはここで、細胞不含血液から総RNAを単離し、そしてしたがって小胞パッケージングされたまたはタンパク質が結合したmiRNAの間を区別することは不可能である。しかし、いくつかのmiRNAは、in vivoでの老化細胞の誘導または除去後に、示差的なレベルを明らかに示す。本発明者らは、増加することが見出されたmiR−27a−3pおよびmiR−34a−5pを除き、老化誘導剤への曝露後にマイクロRNAの大部分は減少することを観察した。したがって、老化細胞の除去後、マウス血清におけるmiR−34aのレベルの有意な低下が観察され、これは、miR−34a−5pの血清レベルおよび全身細胞性老化の間に関連があることを示唆する。
このmiRNAは、ヒト線維芽細胞(Tazawaら 2007)、(Heら 2007)、(Maesら 2009)、内皮細胞(Itoら 2010)および近位尿細管上皮細胞(Hacklら 2010)において、p53誘導による細胞性老化において上方制御され、そしてまた、老化様増殖停止を誘導するために十分であることが同定された最初のものであった。該miRNAはまた、マウス腎臓加齢(Baiら 2011)中、ならびに若いドナーに対して高齢のドナー由来の骨髄由来間葉系幹細胞および皮膚(Hacklら、2010)においても上方制御される。該miRNAは、アポトーシスの振る舞いを調節し(Tarasovら 2007)、(Yamakuchiら 2008)、また、p53からは独立である(Christoffersenら 2009)。p53制御ネットワーク内の機能と一致して、該miRNAは、多くの癌細胞タイプで示差的に発現され、そして癌細胞増殖、化学耐性またはアポトーシスの制御に機能的に関与する。最後に、いくつかのタイプの癌は、miR−34を欠くことが同定されてきているため、該miRNAは、マウスモデル中の腫瘍において、アポトーシスの誘導に用いられてきており(Xueら 2014)、そして今日までに、固形腫瘍に対する第I相臨床試験に到達してきている(Adamsら 2016)。
加齢の背景において、miR−34ファミリーメンバーは、2型糖尿病(Kongら 2011)、聴覚喪失(Pangら 2016)、非アルコール性脂肪肝疾患(Salvozaら 2016)、(Yamadaら 2013)、(Cermelliら 2011)、アルツハイマー病(Bhatnagarら 2014)を含む、加齢関連疾患における循環において、そして冠動脈心臓疾患の患者(Hanら 2015)において、または心筋梗塞後の左心室リモデリング中(Lvら 2014)に、増加することが見出された。この背景において、該miRNAは、心筋細胞アポトーシスの促進に、機能的に関与しているようである(Fanら 2013)。該miRNAはまた、肥満においても上昇しており、この場合、該miRNAは、FGF21およびklotho軸に作用することが見出されており(FuおよびKemper 2016)、そしてまたinflammamiRとして分類されている(Rippoら 2014)、(de Gonzalo−Calvoら 2015)。興味深いことに、ワイン抽出物およびレスベラトロールを伴うT2Dの栄養補助は、血清におけるmiR−34aレベルを減少させる(Tome−Carneiroら 2013)。変形性関節症におけるmiR−34−5pの高い組織レベルは、少なくともラットモデルにおける軟骨細胞の喪失に寄与している可能性があり(GrillariおよびGrillari−Voglander 2010)、(Abouheifら 2010)、一方、miR−34過剰発現トランスジェニックマウスにおいて、骨粗鬆症は減少する(Krzeszinskiら 2014)。さらに、腎線維症モデルにおいて、腎線維芽細胞は、in vitroでmiR−34a−5pを分泌し(Zhouら 2014)、そして本発明者らはまた、老化ヒト皮膚線維芽細胞によって、miR−34ファミリーのメンバーが分泌されることも見出している(本発明者らの未公表結果)。
慢性HIV感染および高活性抗レトロウイルス剤療法(HAART)は、最近、未成熟加齢とある程度の類似性を持つことが推測されてきており(Gustafsonら 2016)、そして実際、miR−34−5pは、T細胞数が減少した患者において、増加していることが観察されてきている(Reynosoら 2014)。
これらの状態すべてにおいて、最近概説されるように、それぞれの組織において、老化細胞の増加が観察されてきている(Munoz−EspinおよびSerrano 2014)。したがって、組織微小環境および循環に、miR−34a−5pが分泌された結果である、miR−34ファミリーメンバー、特にmiR−34a−5pの増加は、in vivoでの老化細胞の増加によって引き起こされる可能性が高い。それによって、miR−34a−5pは、いくつかの研究において、EV中に見られるように、細胞外小胞内にパッケージングされる可能性が高い(Corcoranら 2014)。
miR−27a−3pもまた、老化内皮細胞において(Dellagoら 2013)ならびにT細胞の複製老化において(Hacklら 2010)、細胞内上方制御されているため、これもまた循環中の有望なマーカーである。
本発明者らは、健康な高齢個体対若年個体由来のT細胞において、miR−34−5pまたは本明細書で検出する他のmiRNAを観察せず、さらにこれらは血清(Noren Hootenら 2013)中でも、またB細胞(Gombarら 2012)または単核細胞(Sernaら 2012)中でも、加齢のシグネチャー中に見られていないため、ここで同定するmiRNAは、経時的なT細胞老化から得られていないようではない。
最後に、本発明者らのマウスモデルにおいて、老化の誘導は、in vitroおよびin vivoで、老化を誘導することが示されているいくつかの化学療法剤の1つであるドキソルビシンに基づき、そして実際、特にmiR−34ファミリーメンバーは、in vivoでシスプラチン、ペメトレキセド(Franchinaら 2014)を含む多様な化学療法剤に際して、またはネオアジュバント療法で、そしてin vitroでドキソルビシンによって、誘導される。
総合すると、本発明者らは、ここで同定した血清に基づくmiRNAが、老化細胞の存在に関するとともに、その除去に関するバイオマーカーとして作用すると提唱する。これは、老化細胞除去剤開発において、コンパニオン診断として特に価値があるであろう。
実施例2
1. 材料および方法
1.1. マウス研究および血清試料採取
p16−3MR(Demariaら, 2014, Developmental Cell 31:722−733)マウスを社内で育種し、そしてAALAC公認のBuck Institute for Research on Aging(カリフォルニア州ノバート)動物施設で維持した。10〜12週齢のp16−3MRオスマウスを実験に用いた。マウスを4群に分け、そして各群は、それぞれ5匹のメスおよび3匹のオスの8匹の動物からなった。群Aでは、対照マウスにPBSを注射した。群Bでは、マウスを、PBS中に溶解したガンシクロビル(GCV)(Sigma−Aldrich)で連続5日間処置した。群Cでは、マウスを、PBS中に溶解した1用量のドキソルビシン塩酸塩(Sigma−Aldrich)で処置した。群Dでは、マウスをまず、ドキソルビシンで処置し、そして次いで、10日後、GCVで処置した。マウスに、1用量の10mg/kgのドキソルビシン塩酸塩を腹腔内注射し、そしてGCVを、PBS中、25mg/kgの濃度で、連続5日間、腹腔内注射によって毎日投与した。最後のGCV投与の4日後、動物をCOで安楽死させ、そして直ちに血液を抜き取った。次いで、血液を室温で30分間インキュベーションし、そして3400xgで10分間遠心分離した。細胞ペレットを乱さずに、血清を注意深く無菌チューブに収集し、そしてさらなる実験のため、−80℃で保存した。
1.2. RT−qPCR分析
Qiagen miRNeasy抽出キット(Qiagen、ドイツ)を用いて、200μlの血清から、総RNA抽出を行った。RNA収集物(yield)を、スパイクインのqPCR増幅ならびに溶血反応性RNA(Blondalら)に基づいて、均一抽出効率および溶血に関して品質チェックした。総量2μlにおいて、Exiqon Universal RTキットII(Exiqon、デンマーク)を用いた逆転写のため、総RNAを用いた。得たcDNA試料を、あらかじめ1:40に希釈し、そして続いてSYBR Green(登録商標)混合物(Exiqon、デンマーク)と混合して、1:100希釈を達成した。96の選択したマイクロRNAまたは品質管理アッセイ用の乾燥プライマー対を含有する、プライマーコーティングされた384ウェルプレートに、混合物を分配した。Roche LightCycler 480II上で、アニーリング、伸長および変性に関する製造者の推奨を用いて、QPCR増幅を行った。
1.3. バイオインフォマティクス
二次導関数法を用いて、生Cq値を計算した。ピークに関して融解曲線をチェックして、増幅反応の特異性を確実にした。続いて、参照としてスパイクイン対照を用いて、Cq値を規準化して、データ中の技術的ノイズを減少させた。
Medcalc(バージョン18.2.1)を用いて統計分析を行った。ダゴスティーノ・ピアソン検定を用いて正規分布を評価し、この場合、p>0.05で正規性が認められた。すべての対比較(事後検定)に、一方向ANOVAをスチューデント・ニューマン・クールズ検定とともに用いて、群間の有意変化を同定した(p<0.05)。個々のマイクロRNAの識別力を評価するため、受信者操作特性(ROC)分析を適用した。感度(y軸)および1−特異度(x軸)を用いてROC曲線をプロットし、そしてROC曲線下面積(AUC)を計算した。>0.7のAUC値を持つマイクロRNAを優れた識別子/バイオマーカーと見なした。AUC値>0.8を持つマイクロRNAを、非常に優れた識別子/バイオマーカーと見なした。
2. 結果
2.1. 老化誘導および老化細胞除去治療後の血清循環マイクロRNA変化のRT−qPCR検証
上述の統計分析を用いて、本発明者らは、以下のマイクロRNAが、実際に、性別からは独立に、陰性対照(PBS)と比較して、老化誘導剤(DOX)に曝露された動物血清において、有意に制御されていることを立証する:let−7a、let−7b、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pは、DOXへの曝露後、動物血清において、有意である(有意に上方または下方制御される)ことが見出された(表23)。
逆に、GCV治療を通じて老化を不活性化(DOX/GCV)し、そしてストレスを掛けた対照動物(DOX)と比較した後、メスおよびオスマウス由来の血清試料の分析によって、以下のマイクロRNAバイオマーカーの上方または下方制御が確認された(p<0.05):miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、およびmiR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pは、老化細胞除去治療後、有意に変化する(上方または下方制御される)ことが見出された。
図5Aは、4つすべての群に渡る、確証されたマイクロRNA(let−7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p)の血清レベルを示す。図5Bは、4つすべての群に渡る、マイクロRNA、miR−199a−5p、miR−199b−5p、miR−345−5p、miR−181b−5p、miR−183−5p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−3p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、miR−150−5pの血清レベルを示す。
2.2. 老化診断および老化細胞除去治療に関する、循環マイクロRNAの識別力を評価するROC分析
老化誘導物質(DOX)への曝露ならびに老化細胞除去治療の有効性に関して、循環マイクロRNAの診断力を評価するため、ROC分析を行い、そして曲線下面積(AUC)を計算した。一般的に、>0.8のAUC値を持つバイオマーカーは、非常に優れた診断性能を示すと見なされる一方、AUC>0.7を持つバイオマーカーは、優れた診断性能を有すると見なされる。以下の表23は、24の選択された循環マイクロRNAに関する、AUC値ならびに95%信頼区間を要約する。
表23
2.3. 特定のマイクロRNAの組み合わせは、個々のマイクロRNAまたは非関連マイクロRNAに比較して、増加した診断性能を示す
本発明者らは、多重ロジスティック回帰分析およびROC分析を行って、個々の含まれるマイクロRNAのもの(表23)ならびに老化関連マイクロRNAと関連しないマイクロRNAの組み合わせ(「非関連マイクロRNA」)に対して、含まれるマイクロRNAの組み合わせの性能を比較した。
図6Aは、老化の診断に関して、非関連マイクロRNA(miR−221−3p、miR−222−3p、miR−22−3p、miR−378a−3p、miR−582−5p)のものに対する、表23に含まれるマイクロRNA(let−7a−5p、miR−125a−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p)の診断性能の相違を明らかに示す:0.719のAUCに比較して、0.953のAUC(p=0.1)。
図6Bは、老化細胞除去治療の有効性に関して、非関連マイクロRNA(miR−221−3p、miR−222−3p、miR−22−3p、miR−378a−3p、miR−582−5p)のものに対する、含まれる同じマイクロRNA(let−7a−5p、miR−125a−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p)の診断性能の相違を明らかに示す:0.578のAUCに比較して、0.938のAUC(p=0.015)。
個々のマイクロRNAはいずれも、細胞老化および老化細胞除去治療監視の診断両方に関して、AUC>0.9に到達しなかったため、細胞老化の診断ならびに老化細胞除去治療の監視のための特定のマイクロRNAの組み合わせのAUC値(どちらもAUC>0.9)は、明らかに、マイクロRNAの個々の性能より優れている(表23)。
3. 考察
循環マイクロRNAの検出および定量化のための分析技術は、生得的なバイアスを有し、これは最終的に、偽陽性または偽陰性バイオマーカー候補の選択を生じうる。この落とし穴を回避するため、本発明者らは、元来のNGSに基づく発見研究におけるものと同じ4つの群に由来する、オスおよびメス動物の拡大されたセットに対して、RT−qPCR分析を適用して、結果の比較可能性、そしてしたがって、本発明者らの知見における信頼の増加を評価した。
本発明者らの分析は、24のマイクロRNAが、老化細胞および老化細胞除去治療後の細胞において、有意に制御されていることを示す。特に、let−7a、let−7b、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pは、老化誘導化合物への曝露後、動物血清において、有意に上方または下方制御されていることが見出された。
逆に、老化の不活性化、すなわち老化細胞除去治療の結果としてのものは、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、およびmiR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pの有意な上方または下方制御を生じた。
本発明者らはまた、それぞれ、老化および老化細胞除去治療両方の状態において、有意な制御(p<0.05)、または少なくとも制御に関する傾向(p<0.20)を示すいくつかのマイクロRNAも見出した。したがって、これらのマイクロRNAは、老化の非常に優れた識別子と見なされる(AUC>0.8):let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、miR−125a−5p。
最後に、本発明者らは、多重回帰モデルの形で、これらのマイクロRNAの組み合わせが、老化細胞の存在(図6A)、ならびに老化細胞除去療法の有効性(図6B)に関して、非常に高感度でそして特異的であるスコアを生じ、そして個々の含まれるマイクロRNAならびに非関連マイクロRNAの組み合わせよりも性能が優れていると立証する。
引用参考文献

Claims (20)

  1. 被験体において、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するin vitro法であって:
    a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
    b)前記試料における、表19に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
    c)随意に、b)のレベルを、参照試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である
    工程を含む、前記方法。
  2. let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、およびmiR−125a−5pからなる群より選択されるmiRNAの1つまたはそれより多くのレベルを定量化する、請求項1の方法。
  3. 老化細胞を検出するかまたは細胞性老化を診断するための請求項1または2の方法であって、let−7a−5p、let−7b−5p、miR−34a−5p、miR−34a−3p、miR−151−5p、miR−155−5p、miR−199a−5p、miR−199b−5pおよびmiR−345−5pからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する、前記方法。
  4. 老化細胞除去治療を監視するための請求項1または2の方法であって、miR−23a−3p、miR−23b−3p、miR−24−3p、miR−27a−3p、miR−146a−5p、miR−423−3p、miR−181b−5p、miR−183−3p、miR−215−5p、miR−31−5p、miR−375−5p、miR−409−3p、miR−125a−5p、miR−483−5p、およびmiR−150−5pからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する、前記方法。
  5. 被験体において、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するin vitro法であって:
    a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
    b)前記試料における、表1に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
    c)随意に、b)のレベルを、参照試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である
    工程を含む、前記方法。
  6. (i)miR−34a−5p、(ii)miR−27a−3p、および(iii)表1に列挙する1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する、請求項5の方法。
  7. 表2に列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する、請求項1〜6のいずれか一項の方法。
  8. 表3〜15の任意の1つに列挙するmiRNAからなる群より選択される1つまたはそれより多いさらなるmiRNAのレベルを定量化する、請求項1〜7のいずれか一項の方法。
  9. 表2〜15および19〜22の任意の1つに列挙する少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10および最大15の異なる群由来の2つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する、請求項1〜8のいずれか一項の方法。
  10. 2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24またはそれより多いmiRNAのレベルを定量化する、請求項1〜9のいずれか一項の方法。
  11. 参照レベルが、健康な被験体の、あるいは薬理学的、食餌的またはライフスタイル干渉またはその群に供された被験体の試料における、対応する1つまたはそれより多いmiRNAのレベルである、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. レベル比較の1標準偏差より大きい相違が、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項記載の、被験体において、老化細胞除去治療反応を監視するための方法であって
    a)前記被験体から細胞不含試料を提供し、
    b)前記試料における、表1、19または21に列挙するmiRNAまたはそのアイソフォームからなる群より選択される1つまたはそれより多いmiRNAのレベルを定量化し、そして
    c)b)のレベルを、前記被験体由来のより早期の試料中の前記の1つまたはそれより多いmiRNAの参照レベルと比較する、ここで前記レベル間の1.5倍より大きい相違が、老化細胞除去治療に対する反応の指標である
    工程を含む、前記方法。
  14. miRNAレベルが、定量的またはデジタルPCR、シーケンシング、マイクロアレイ、Luminex核酸アッセイ、または他のハイブリダイゼーションに基づく技術によって決定される、請求項1〜13のいずれか一項の方法。
  15. 被験体が、年齢少なくとも30、40、50、60、70、80または90歳であり、特に、加齢関連疾患のリスクがあるおよび/またはSASPのリスクがある被験体である、請求項1〜14のいずれか一項の方法。
  16. 試料が血液試料、特に細胞不含血液試料である、請求項1〜15のいずれか一項の方法。
  17. 老化細胞の低下または細胞性老化の減少を検出するための、請求項1〜16のいずれか一項の方法であって、前記miRNAのレベルを、老化細胞除去剤、抗加齢剤または任意の抗加齢介入での治療の前の対応するmiRNAのレベルと比較する、前記方法。
  18. 老化細胞によって分泌される1つまたはそれより多いタンパク質のさらなるレベルを測定し、そしてタンパク質参照レベルに比較する、請求項1〜17のいずれか一項の方法であって、タンパク質参照レベルに比較した際の前記タンパク質レベルの相違の度合いが、老化細胞または細胞性老化の存在の指標である、前記方法。
  19. miRNA let−7a−5p、let−7b−5p、miR−199a−5p、miR−345−5p、miR−423−3p、miR−125a−5pを含み、そして随意に、表19、20および/または21に列挙するmiRNAの1つまたはそれより多くをさらに含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイス。
  20. 表19、20および/または21に列挙するmiRNAの1つまたはそれより多くを含む、老化細胞を検出し、細胞性老化を診断し、そして/または老化細胞除去治療の成功を監視するための、miRNAのパネルを含む、診断デバイス。
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