本願の実施形態は通信技術の分野に関し、具体的には、無線リンク監視方法及び無線リンク監視装置に関する。
ロングタームエボリューション(英語表記:long term evolution、略してLTE)システムでは、接続モードにある端末が現在のサービングセルのダウンリンク品質を評価するのに、無線リンク監視(英語表記:radio link monitoring、略してRLM)が用いられる。接続モードにある端末が、ダウンリンク品質が端末の要件を満たすことができないと評価した場合、端末は、新たなセルを探索して選択し、無線リンクを再確立する。LTEシステムでは、無線リンク品質がセル固有の参照信号(英語表記:cell specific reference signal、略してCRS)に基づいて測定される。しかしながら、5G通信システムにはビーム伝送が導入され、各サブフレームで送信されるCRSは考慮されていない。したがって、LTEシステムにおけるRLM技術が、5G通信システムの展開に適合できない。したがって、新たな無線リンク監視方法が早急に必要とされる。
本願は、無線リンク監視方法及び無線リンク監視装置を提供し、5G通信システムに適用され得る。
第1の態様によれば、本願は、無線リンク監視方法及び無線リンク監視装置を提供する。
可能性のある設計例において、本方法は、端末の上位層がビーム検出結果メッセージを端末の下位層から受信する段階であって、ビーム検出結果メッセージはビーム監視の結果を示すのに用いられる、段階と、端末の上位層が無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御する段階とを含んでよい。この技術的解決手段では、無線リンク監視手順はビーム検出手順に関連している。詳細については、以下の説明を参照されたい。
可能性のある設計例において、端末の上位層がビーム検出結果メッセージを端末の下位層から受信する段階は具体的には、端末の上位層がビーム障害回復インジケーション情報を端末の下位層から受信する段階であって、ビーム障害回復インジケーション情報はビーム障害回復を示すのに用いられる、段階を含んでよい。この場合、任意選択で、端末の上位層が無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御する段階は、以下の方式1又は方式2で実装されてよい。
方式1:タイマが再始動する、且つ/又は、端末の上位層により受信される同期ISインジケーション情報の数が0に設定される。このようにして、無線リンクが回復したことを迅速に判定することができる。
方式2:タイマが停止する。このようにして、現在のセルにおいて無線リンクが回復したかどうかを端末が判定する時間が長くなるので、無線リンクが当該セルで回復できるかどうかがより正確に判定され得る。
任意選択で、端末の上位層は、ビーム障害回復インジケーション情報を端末の下位層からタイマの計時期間に受信する。
可能性のある設計例において、端末の上位層がビーム検出結果メッセージを端末の下位層から受信する段階は具体的には、端末の上位層がビーム障害インジケーション情報を端末の下位層から受信する段階であって、ビーム障害インジケーション情報はビーム障害を示すのに用いられる、段階を含んでよい。この場合、任意選択で、端末の上位層が無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御する段階は、以下の方式3又は方式4で実装されてよい。
方式3:タイマが始動する前に、ビーム障害インジケーション情報が受信された場合、端末の上位層はタイマを始動する。このようにして、無線リンク品質異常が迅速に判定され得るので、無線リンク回復が可能な限り迅速に達成され得る。
方式4:ビーム障害インジケーション情報がタイマの計時期間に受信された場合、端末の上位層は無線リンク障害が生じていると判定する。このようにして、セルの探索及び選択手順が可能な限り迅速に開始され得るので、無線リンク回復が可能な限り迅速に達成され得る。
上記に提供された任意の技術的解決手段におけるタイマは、無線リンクの回復時間を設定するように構成されてよい。具体的には、タイマは、無線リンクが切れる前に、無線リンクの回復時間を設定するように構成され得る。任意選択で、タイマは、無線リンクの最大回復時間を設定するように構成される。例えば、タイマはタイマT310であってよい。
同様に、本願は無線リンク監視装置を提供し、本装置は、第1の態様の無線リンク監視方法を実装してよい。例えば、本装置はチップ(ベースバンドチップ又は通信チップなど)であってもよく、又は端末であってもよく、また本装置は、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることにより、又は対応するソフトウェアをハードウェアで実行することにより、前述の方法を実装してよい。
可能性のある設計例において、本装置はプロセッサ及びメモリを含んでよい。プロセッサは、第1の態様の方法における対応する機能を実行する際に、本装置をサポートするように構成される。メモリはプロセッサに連結するように構成され、メモリは、本装置に必要なプログラム(命令)及びデータを格納する。さらに、本装置は、本装置と別のネットワークエレメントとの間の通信をサポートするように構成された通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは送受信機であってよい。
可能性のある設計例において、本装置は、下位層処理ユニット及び上位層処理ユニットを含んでよい。上位層処理ユニットは、ビーム検出結果メッセージを下位層処理ユニットから受信することであって、ビーム検出結果メッセージはビーム監視の結果を示すのに用いられる、受信することと、無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御することとを行うように構成される。
可能性のある設計例において、上位層処理ユニットは具体的には、ビーム障害回復インジケーション情報を下位層処理ユニットから受信するように構成されてよく、ビーム障害回復インジケーション情報はビーム障害回復を示すのに用いられる。この場合、任意選択で、上位層処理ユニットが無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御することは、上記の方式1又は方式2で実装されてよい。
可能性のある設計例において、上位層処理ユニットは具体的には、ビーム障害インジケーション情報を下位層処理ユニットから受信するように構成されてよく、ビーム障害インジケーション情報はビーム障害を示すのに用いられる。この場合、任意選択で、上位層処理ユニットが無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御することは、上記の方式3又は方式4で実装されてよい。
第2の態様によれば、本願はさらに、無線リンク監視方法及び無線リンク監視装置を提供する。
可能性のある設計例において、本方法は、端末の下位層が無線リンク品質の第1の値を検出する段階であって、第1の値は、チャネル状態情報−参照信号(英語表記:channel state information reference signal、略してCSI−RS)及び/又はダウンリンク同期信号ブロック(英語表記:synchronization signal block、略してSS block)の参照信号に基づいて取得される、段階と、第1の値が第1の閾値より小さい又はこれと等しいと判定された場合、端末の下位層が第1のインジケーション情報を端末の上位層に送信する段階であって、第1のインジケーション情報は無線リンクが同期していないことを示すのに用いられる、段階とを含んでよい。任意選択で、第1のインジケーション情報は非同期(英語表記:out−of−sync、略してOOS)インジケーション情報である。この技術的解決手段では、無線リンク品質はCSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得され、無線リンク監視が実行される。したがって、本方法は5G通信システムに適用され得る。
可能性のある設計例において、本方法はさらに、端末の下位層が無線リンク品質の第2の値を検出する段階であって、第2の値はCSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得される、段階と、第2の値が第2の閾値より小さい又はこれと等しいと判定された場合、端末の下位層が第2のインジケーション情報を端末の上位層に送信する段階であって、第2のインジケーション情報は無線リンクが同期を回復したことを示すのに用いられる、段階とを含む。任意選択で、第2のインジケーション情報は同期(英語表記:in−sync、略してIS)インジケーション情報である。
可能性のある設計例において、端末の下位層が無線リンク品質の第2の値を検出する段階は具体的には、端末の下位層が無線リンク品質の第2の値をタイマT310の計時期間に検出する段階を含んでよい。任意選択で、タイマT310の計時期間に、端末の下位層は、ある期間の間隔で無線リンク品質を検出し、第2の値を取得してよい。当該期間の関連説明については、以下の説明を参照されたい。詳細は、ここで説明しない。
同様に、本願は無線リンク監視装置を提供し、本装置は第2の態様の無線リンク監視方法を実装してよい。例えば、本装置はチップ(ベースバンドチップ又は通信チップなど)であってもよく、又は端末であってもよく、また本装置は、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることにより、又は対応するソフトウェアをハードウェアで実行することにより、前述の方法を実装してよい。
可能性のある設計例において、本装置はプロセッサ及びメモリを含んでよい。プロセッサは、第2の態様の方法における対応する機能を実行する際に、本装置をサポートするように構成される。メモリはプロセッサに連結するように構成され、メモリは、本装置に必要なプログラム(命令)及びデータを格納する。さらに、本装置は、本装置と別のネットワークエレメントとの間の通信をサポートするように構成された通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは送受信機であってよい。
可能性のある設計例において、本装置は、下位層処理ユニット及び上位層処理ユニットを含んでよい。下位層処理ユニットは、無線リンク品質の第1の値を検出することであって、第1の値はチャネル状態情報−参照信号CSI−RS及び/又はダウンリンク同期信号ブロックSS blockの参照信号に基づいて取得される、検出することと、第1の値が第1の閾値より小さい又はこれと等しいと判定された場合、第1のインジケーション情報を上位層処理ユニットに送信することであって、第1のインジケーション情報は無線リンクが同期していないことを示すのに用いられる、送信することとを行うように構成される。任意選択で、第1のインジケーション情報は非同期OOSインジケーション情報である。
可能性のある設計例において、下位層処理ユニットはさらに、無線リンク品質の第2の値を検出することであって、第2の値はCSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得される、検出することと、第2の値が第2の閾値より小さい又はこれと等しいと判定された場合、第2のインジケーション情報を上位層処理ユニットに送信することであって、第2のインジケーション情報は無線リンクが同期を回復したことを示すのに用いられる、送信することとを行うように構成される。任意選択で、第2のインジケーション情報は同期ISインジケーション情報である。
可能性のある設計例において、下位層処理ユニットは具体的には、無線リンク品質の第2の値をタイマT310の計時期間に検出するように構成される。
可能性のある設計例において、下位層処理ユニット及び上位層処理ユニットは、2つのチップに別々に配置されてもよく1つのチップに統合されてもよい。
可能性のある設計例において、下位層処理ユニット及び上位層処理ユニットは、2つのチップに別々に配置されてもよく、1つのチップに統合されてもよい。
第3の態様によれば、本願はさらに、インジケーション方法及びインジケーション装置を提供する。
可能性のある設計例において、本方法は、ネットワークデバイスが第1のメッセージを端末に送信する段階であって、第1のメッセージは、端末が無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する際の方式を示すのに用いられる、段階を含んでよい。この技術的解決手段では、ネットワークデバイスは、第1のメッセージを用いて無線リンク品質の値を取得する方式を示すので、無線リンク品質の値をどのように取得するかを端末が把握していないという技術的課題が解決される。
同様に、本願はインジケーション装置を提供し、本装置は第3の態様のインジケーション方法を実装してよい。例えば、本装置はネットワークデバイスであってよく、本装置は、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることにより、又は対応するソフトウェアをハードウェアで実行することにより、前述の方法を実装してよい。
可能性のある設計例において、本装置はプロセッサ及びメモリを含んでよい。プロセッサは、第3の態様の方法における対応する機能を実行する際に、本装置をサポートするように構成される。メモリはプロセッサに連結するように構成され、メモリは、本装置に必要なプログラム(命令)及びデータを格納する。さらに、本装置は、本装置と別のネットワークエレメントとの間の通信をサポートするように構成された通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは送受信機であってよい。
可能性のある設計例において、本装置は送受信機ユニットを含んでよい。送受信機ユニットは、第1のメッセージを端末に送信するように構成され、第1のメッセージは、端末が無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する際の方式を示すのに用いられる。
第4の態様によれば、本願はさらに、無線リンク品質を取得する方法及び装置を提供する。
可能性のある設計例において、本方法は、端末が第1のメッセージを受信し、次いで、無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式を、第1のメッセージに基づいて決定する段階を含んでよい。この技術的解決手段では、ネットワークデバイスは、第1のメッセージを用いて無線リンク品質の値を取得する方式を示すので、無線リンク品質の値をどのように取得するかを端末が把握していないという技術的課題が解決される。
同様に、本願は無線リンク品質を取得する装置を提供し、本装置は第4の態様のインジケーション方法を実装してよい。例えば、本装置は端末であってよく、本装置は、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることにより、又は対応するソフトウェアをハードウェアで実行することにより、前述の方法を実装してよい。
可能性のある設計例において、本装置はプロセッサ及びメモリを含んでよい。プロセッサは、第4の態様の方法における対応する機能を実行する際に、本装置をサポートするように構成される。メモリはプロセッサに連結するように構成され、メモリは、本装置に必要なプログラム(命令)及びデータを格納する。さらに、本装置は、本装置と別のネットワークエレメントとの間の通信をサポートするように構成された通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは送受信機であってよい。
可能性のある設計例において、本装置は、送受信機ユニット及び処理ユニットを含んでよい。送受信機ユニットは、第1のメッセージを受信するように構成される。処理ユニットは、無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式を、第1のメッセージに基づいて決定するように構成される。
第3の態様又は第4の態様において提供される任意の技術的解決手段に基づいて、無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式は、無線リンク品質の値をSS blockの参照信号に基づいて生成する、又は無線リンク品質の値をCSI−RSに基づいて生成する、又は無線リンク品質の値をSS blockの参照信号及びCSI RSに基づいて生成する、のうちの1つ又は複数であってよい。
本願はさらに、コンピュータ記憶媒体を提供し、コンピュータ記憶媒体はコンピュータプログラム(命令)を格納し、プログラム(命令)がコンピュータで実行されると、コンピュータは前述の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
本願はさらに、コンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されると、コンピュータは前述の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
上記に提供された任意の装置、コンピュータ記憶媒体、又はコンピュータプログラム製品は、前述の説明で提供された対応する方法を実行するように構成されることが理解されるであろう。したがって、任意の装置、コンピュータ記憶媒体、又はコンピュータプログラム製品により達成され得る有益な効果については、対応する方法の有益な効果を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。
本願の一実施形態による、技術的解決手段が適用可能なシステムアーキテクチャの概略図である。
本願の一実施形態による、LTEシステムでのRLMの概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図2に示す技術的解決手段のプロセスの概略図である。
本願の一実施形態による、図2に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態によるビーム検出の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図5に示す技術的解決手段のプロセスの概略図である。
本願の一実施形態による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による別の無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図8に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態による別の無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図10に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態による別の無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図12に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態による別の無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図14に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態による無線リンク監視装置の概略構造図である。
本願において提供される技術的解決手段は、RLM技術が導入される様々な通信システムに適用され得る。例えば、RLM技術、5G通信システム、将来の進化型システム、又は複数の通信融合システムが、既存の通信システムに基づいて導入される。複数の応用シナリオ、例えば、マシン間(英語表記:machine to machine、略してM2M)通信シナリオ、D2M通信シナリオ、マクロ−マイクロ間通信シナリオ、高速大容量(英語表記:enhance mobile broadband、略してeMBB)通信シナリオ、超高信頼低遅延通信(英語表記:ultra reliable & low latency communication、略してuRLLC)シナリオ、大規模マシンタイプ通信(英語表記:massive machine type communication、略してmMTC)シナリオがあり得る。これらのシナリオは、限定されるものではないが、端末と端末との間の通信シナリオ、ネットワークデバイスとネットワークデバイスとの間の通信シナリオ、及びネットワークデバイスと端末との間の通信シナリオなどを含んでよい。あるいは、本願において提供される技術的解決手段は、5G通信システムにおける、端末と端末との間の通信シナリオ、又はネットワークデバイスとネットワークデバイスとの間の通信シナリオなどに適用されてよい。
図1は、通信システムの概略図である。通信システムは、少なくとも1つのネットワークデバイス100(1つのネットワークデバイス100のみが示されている)と、ネットワークデバイス100に接続された1つ又は複数の端末200とを含んでよい。
ネットワークデバイス100は、端末200と通信できるデバイスであってよい。ネットワークデバイス100は、中継ノード又はアクセスポイントなどであってよい。ネットワークデバイス100は、移動通信用グローバルシステム(英語表記:global system for mobile communication、略してGSM(登録商標))又は符号分割多元接続(英語表記:code division multiple access、略してCDMA)ネットワークにおけるベーストランシーバ基地局(英語表記:base transceiver station、略してBTS)であってもよく、広帯域符号分割多元接続(英語表記:wideband code division multiple access、略してWCDMA(登録商標))におけるNB(英語表記:NodeB)であってもよく、LTEにおけるeNB又はeNodeB(英語表記:evolutional NodeB)であってもよい。ネットワークデバイス100は代替的に、クラウド型無線アクセスネットワーク(英語表記:cloud radio access network、略してCRAN)シナリオにおける無線制御装置であってもよい。ネットワークデバイス100は代替的に、5Gネットワークにおけるネットワークデバイスであっても、将来の進化型ネットワークにおけるネットワークデバイスであってもよく、又はウェアラブルデバイス若しくは車載デバイスなどであってもよい。
端末200は、ユーザ機器(英語表記:user equipment、略してUE)、アクセス端末、UEユニット、UE局、移動局、モバイルコンソール、遠隔局、遠隔端末、モバイルデバイス、UE端末、端末、無線通信デバイス、UEエージェント、又はUE装置などであってよい。アクセス端末は、セルラ方式電話、コードレス電話セット、セッション開始プロトコル(英語表記:session initiation protocol、略してSIP)電話、無線ローカルループ(英語表記:wireless local loop、略してWLL)局、携帯情報端末(英語表記:personal digital assistant、略してPDA)、無線通信機能を備えたハンドヘルドデバイス若しくはコンピューティングデバイス、無線モデムに接続された別の処理デバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワークにおける端末、又は将来の進化型PLMNネットワークにおける端末などであってよい。
図2は、LTEシステムにおけるRLMの概略フローチャートである。図2に示す方法が、以下に挙げる段階を含んでよい。
S101:端末の下位層(例えば物理層)が、各無線フレーム(英語表記:radio frame)(すなわち10ms(ミリ秒))における無線リンク品質(英語表記:radio link quality)の値を決定し、当該値を例えばQoutで表され得る予め設定された閾値と比較し、当該値がQoutより小さい場合、非同期(英語表記:out−of−sync、略してOOS)インジケーション情報を端末の上位層(例えばレイヤ3)に報告する。
無線リンク品質の値は、端末の下位層(例えば物理層)が信号対雑音比(英語表記:signal−to−noise ratio、略してSNR)評価をセル固有の参照信号(英語表記:cell−specific reference signals、略してCRS)の無線リンク品質インジケータに対して、無線フレームごとに最初の200msで実行することにより取得される。無線リンク品質インジケータ(SNR評価インジケータとも呼ばれる)は、例えば、限定されるものではないが、参照信号受信電力(英語表記:reference signal receiving power、略してRSRP)及び参照信号受信品質(英語表記:reference signal receiving quality、略してRSRQ)であってよい。
S102:端末の下位層により報告されるN310個の連続したOOSインジケーション情報を受信した後に、端末の上位層はタイマT310を始動する。計時期間がT310に設定される。N310は、1より大きい又は1と等しい整数であってよい。
S103:T310の計時期間に、端末の下位層は各無線フレームにおける無線リンク品質の値を決定し、当該値を例えばQinで表され得る予め設定された閾値と比較し、当該値がQinより大きい場合、同期(英語表記:in−sync、略してIS)インジケーション情報を端末の上位層に報告する。
S104:端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はT310を停止する。N311は、1より大きい又は1と等しい整数であってよい。
端末の上位層が、端末の下位層により報告されるN310個の連続したOOSインジケーション情報を受信したとすれば、この場合、無線リンク品質が異常であることが示されている。端末はT310を始動し、T310の計時期間に、無線リンクを回復できるかどうかを判定する。T310の計時期間に、端末の上位層が端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信した場合、端末はT310を停止し、この場合、端末は無線リンクが回復したとみなす。これで、この無線リンク監視手順は終了する。
S105:T310が終了しているが、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を端末の上位層が受信していない場合、端末の上位層は、無線リンク障害(英語表記:radio link failure、略してRLF)が生じたと判定し、タイマT311を始動する。計時期間がT311に設定される。
T311に設定される計時期間は、T310に設定される計時期間と等しくても、等しくなくてもよい。
S106:T311の計時期間に、端末はセルの探索及び選択を行う。T311が終了したときに、端末が新たなセルをまだ発見していない場合、端末は休止モード(英語表記:idle mode)に入る。
端末はT311を始動して、T311の計時期間に、無線リンク回復(英語表記:radio link recovery)がセルの探索及び選択によって実施できたかどうかを判定する。T311の計時期間に、端末が新たなセルを発見した場合、これは、無線リンク回復がセルの探索及び選択によって達成されたことを示しており、端末はT311を停止する。端末は、無線リンク回復がセルの探索及び選択によって達成されたとみなす。
図3は、図2に示す技術的解決手段のプロセスの概略図である。図3において、正常状態とは、無線リンク品質異常が検出される前の、接続モードにある端末の状態である。RLMプロセスとは、正常状態からT310の終了までのプロセスである。RLMプロセスが正常状態においていつ開始するとみなされるかは、本願において限定されず、また実装プロセスの複数の方式に基づいて柔軟に設計されてよい。図3は、ほんの一例にすぎない。無線リンク回復プロセスとは、T311の計時期間におけるプロセスである。
図4は、図2に示す技術的解決手段のシーケンス図である。図4では、端末の上位層が始動したT310の計時期間に、N311個のISインジケーション情報が受信された場合、これは、無線リンクが回復したとみなされるので、T310は停止する。N311個のISインジケーション情報が、T310の計時期間に受信されていない場合、これは、無線リンク障害(すなわちRLF)が生じたとみなされる。セルの探索及び選択などのプロセスは、図4に示されていない。
ビーム(英語表記:beam)の概念が通信システムに導入された後に、ビーム検出技術がさらに導入されている。ビームとは、通信リソースである。ビームには、ワイドビーム、ナロービーム、又は別のタイプのビームが含まれてよい。ビームを形成する技術が、ビームフォーミング(英語表記:beamforming)技術又は別の技術的手段であってよい。ビームフォーミング技術は具体的には、デジタルビームフォーミング技術でも、アナログビームフォーミング技術でも、ハイブリッドビームフォーミング技術でもよい。異なるビームが、異なるリソースとみなされてよい。同じ情報又は異なる情報が、異なるビームを用いて送信されてよい。任意選択で、同じ又は類似の通信機能を有する複数のビームが、1本のビームとみなされてよい。1本のビームが、1つ又は複数のアンテナポートに対応してよく、またデータチャネル、制御チャネル、及びサウンディング信号などを伝送するのに用いられる。例えば、送信ビームとは、信号がアンテナから送り出された後に、空間の異なる方向に形成される信号強度の分布を指すことがある。受信ビームとは、アンテナから受信される無線信号の、空間の異なる方向に形成される信号強度の分布を指すことがある。
図5は、ビーム検出の概略フローチャートである。図5に示す方法が、以下に挙げる段階を含んでよい。
S201:端末、例えば端末の下位層が、1つ又は複数のサービングビーム(英語表記:serving beam)を用いて基地局により送信される参照信号のインジケータの値を検出し、当該値を閾値と比較し、当該値が閾値より小さい場合、ビーム障害(英語表記:beam failure)が生じたと判定する。インジケータは、限定されるものではないが、例えばRSRP又はRSRQであってよい。閾値は、前述の説明のQoutと等しくても、等しくなくてもよい。
基地局は、複数のビームを生成してよく、サービングビームは、複数のビームのうちの、端末にサービスを提供するビームである。
S202:端末、例えば端末の下位層は、別のビーム(別のビームはサービングビーム以外のビームであってよい)を用いて基地局により送信される参照信号を検出し、少なくとも1つの参照信号の品質インジケータの値が閾値より大きい又はこれと等しいと判定された場合、ビーム障害回復(英語表記:beam failure recovery)が行われたと判定する。品質インジケータは、限定されるものではないが、例えばRSRP又はRSRQであってよい。閾値は、前述の説明のQinと等しくても、等しくなくてもよい。参照信号を送信するためのビームは、新たなサービングビームである。
S203:端末は、ビーム障害回復要求(英語表記:beam failure recovery request)を基地局に送信し、ビーム障害回復要求は、新たなサービングビームを示す情報を含んでよい。
S204:基地局はビーム構成情報を端末に送信し、端末は、ビーム構成情報を受信した後に、ビーム構成を行い、ビーム構成情報確認応答を基地局に返す。その後、端末は、新たなサービングビームを用いて基地局により送信される情報を受信してよい。ビーム検出プロセスでは、段階S204が任意選択の段階であることが理解されるであろう。
図6は、図5に示す技術的解決手段の一例を示す。図6では、基地局は4つのビーム(ビーム1〜4でそれぞれ表されている)を生成する。本願は、これに限定されない。S201において、端末のサービングビームはビーム3であり、ビーム3は、図6の(a)に示すように、障害物などによって途切れている。S202において端末の下位層は、図6の(b)に示すように、ビーム1、2、及び4を用いて送信される参照信号を検出し、ビーム1を新たなサービングビームと判定する。S203において端末は、図6の(c)に示すように、ビーム1を用いてビーム障害回復要求を基地局に送信する。任意選択で、S204において基地局は、図6の(d)に示すように、ビーム1を用いてビーム構成情報を端末に送信する。端末は、図6の(e)に示すように、ビーム1を用いてビーム構成情報確認応答を基地局に送信する。
本願における用語「下位層」は、物理層(すなわち、レイヤ1)及び/又はデータリンク層(すなわち、レイヤ2)を含み、「上位層」は、レイヤ3を含むことに留意されたい。本願におけるタイマT310は、無線リンクの回復時間を設定するように構成されてよく、具体的には、無線リンクの最大回復時間を設定するように構成されてよい。タイマT311は、セルの探索及び選択の時間を設定するように構成されてよく、具体的には、セルの探索及び選択の最大時間を設定するように構成されてよい。
さらに、本明細書における用語「複数の(a plurality of)」は、2つ又はそれより多くを意味することに留意されたい。本明細書における用語「第1の(first)」及び「第2の(second)」などは、異なる対象を単に区別することが意図されており、それらの順序を限定しない。本明細書における用語「及び/又は(and/or)」は、関連する対象を説明するための対応関係のみを表現しており、3つの関係が存在し得ることを表している。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する、A及びBの両方が存在する、Bのみが存在するという3つの場合を表し得る。さらに、本明細書における記号「/」は一般に、関連する対象間の「又は(or)」の関係を表しており、式に含まれる記号「/」は、関連する対象間の「割り算」の関係を表している。
以下では、本願において提供される技術的解決手段を、無線リンク監視方法の観点から説明する。本願の任意の実施形態において、N310及びN311は両方とも、1より大きい又は1と等しい整数であってよいことに留意されたい。さらに本願では、端末の下位層が無線リンク品質を周期的に判定することが、一例として説明に用いられている。本願は、これに限定されない。例えば、無線リンク品質の判定がトリガされてよい。
図7は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S301:端末の下位層が無線リンク品質の値を決定し(当該値はそれぞれの期間において決定されてよい)、当該値を予め設定されたQoutと比較し、当該値がQoutより小さい場合、OOSインジケーション情報を端末の上位層に報告する。無線リンク品質の値は、CSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得されてよく、例えば、CSI−RS及び/又はSS blockの参照信号の無線リンク品質インジケータに対して、現在の期間の前の期間にSNR評価を行うことにより取得されてよい。Qoutは、LTEシステムのQoutと同じであっても、それとは異なっていてもよい。任意選択で、CSI−RSはビーム管理(英語表記:beam management)に用いられてもよく、ビーム障害検出/回復(英語表記:beam failure detection/recovery)に用いられてもよく、モビリティ測定に用いられてもよい。このことは、本願において限定されない。
S302については、前述のS102を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S303:T310の計時期間に、端末の下位層は無線リンク品質の値を決定し(当該値はそれぞれの期間において決定されてよい)、当該値を予め設定されたQinと比較し、当該値がQinより大きい場合、ISインジケーション情報を端末の上位層に報告する。無線リンク品質の値は、CSI RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得され、例えば、CSI RS及び/又はSS blockの参照信号の無線リンク品質インジケータに対して、現在の期間の前の期間にSNR評価を行うことにより取得されてよい。S303の期間は、S301の期間と同じであっても、それとは異なっていてもよい。Qinは、LTEシステムのQinと同じであっても、それとは異なっていてもよい。
S304からS306については、前述のS104からS106を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
本願の一実施形態において、無線リンク品質の値は、SS blockの参照信号の無線リンク品質インジケータに対して、現在の期間の前の期間にSNR評価を行うことにより取得されてよい。例えば、S301において、当該期間は現在の期間の前の最後の200msであってよい。S303において、当該期間は現在の期間の前の最後の100msであってよい。もちろん、本願はこれに限定されない。SS blockの参照信号は、限定されるものではないが、例えば、主同期信号(英語表記:primary synchronization signal、略してPSS)、副同期信号(英語表記:secondary synchronization signal、略してSSS)、又は物理ブロードキャストチャネル(英語表記:physical broadcast channel、略してPBCH)復調参照信号(英語表記:demodulation reference signal、略してDMRS)のうちの少なくとも1つであってよい。無線リンク品質インジケータは、限定されるものではないが、例えばRSRP又はRSRQであってよい。期間は、N個のSS burst set期間、例えば、20×N(ms)であってよく、Nは1より大きい又は1と等しい整数である。1つのSS burst set期間は、1つ又は複数のSS blockを含んでよい。1つの期間が複数のSS blockを含む場合、無線リンク品質の値は、限定されるものではないが、例えば、当該期間における複数のSS blockの参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において最高のRSRPを有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において閾値を超える無線リンク品質を有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、又は当該期間における最高の無線リンク品質の値のうちのいずれか1つであってよい。
本願の別の実施形態において、無線リンク品質の値は、チャネル状態情報−参照信号(英語表記:channel state information reference signal、略してCSI−RS)の無線リンク品質インジケータに対して、現在の期間の前の期間にSNR評価を行うことにより取得されてよい。例えば、S301において、当該期間は、現在の期間の前の最後の200msであってよい。例えば、S303において、当該期間は現在の期間の前の最後の100msであってよい。もちろん、本願はこれに限定されない。無線リンク品質インジケータは、限定されるものではないが、例えばRSRP又はRSRQであってよい。当該期間は、N個のCSI−RS送信期間、例えば、40×N(ms)であってよく、Nは1より大きい又は1と等しい整数である。無線リンク品質の値は、限定されるものではないが、例えば、1つの期間における複数のCSI−RSの無線リンク品質の平均値、1つの期間において最高の無線リンク品質を有する複数のCSI−RSの無線リンク品質の平均値、1つの期間において閾値を超える無線リンク品質を有する複数のCSI−RSの無線リンク品質の平均値、又は1つの期間における最高の無線リンク品質の値のうちのいずれか1つであってよい。
本願の別の実施形態において、端末は、SS blockの参照信号及びCSI−RSを用いて無線リンク監視を行ってよい。任意選択で、期間は、1つ又は複数のSS burst set期間と1つ又は複数のCSI RS送信期間との公倍数であってよい。本実施形態において、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値は、限定されるものではないが、例えば、当該期間における複数のSS blockの参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において最高のRSRPを有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において閾値を超える無線リンク品質を有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、又は当該期間における最高の無線リンク品質の値のうちのいずれか1つであってよい。CSI RSに基づいて取得される無線リンク品質の値は、限定されるものではないが、例えば、当該期間における複数のSS blockの参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において最高のRSRPを有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において閾値を超える無線リンク品質を有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、又は当該期間における最高の無線リンク品質の値のうちのいずれか1つであってよい。
任意選択で、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI RSに基づいて取得される無線リンク品質の値との両方がQoutより小さい場合、端末の下位層はOOSインジケーション情報を端末の上位層に報告する。あるいは、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI RSに基づいて取得される無線リンク品質の値とのうちいずれかがQoutより小さい場合、端末の下位層はOOSインジケーション情報を端末の上位層に報告する。あるいは、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI RSに基づいて取得される無線リンク品質の値とが(例えば、加重和によって)マージされ、マージ後に取得される値がQoutより小さい場合、端末の下位層はOOSインジケーション情報を端末の上位層に報告する。もちろん、本願はこれに限定されない。
任意選択で、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI RSに基づいて取得される無線リンク品質の値との両方がQinより大きい場合、端末の下位層はISインジケーション情報を端末の上位層に報告する。あるいは、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI RSに基づいて取得される無線リンク品質の値とのうちいずれかがQinより大きい場合、端末の下位層はISインジケーション情報を端末の上位層に報告する。あるいは、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI RSに基づいて取得される無線リンク品質の値とが(例えば、加重和によって)マージされ、マージ後に取得される値がQinより大きい場合、端末の下位層はISインジケーション情報を端末の上位層に報告する。もちろん、本願はこれに限定されない。
SS blockの参照信号とCSI RSとのうちいずれか又はその両方に基づいて、端末が無線リンク品質の値を取得するかどうかは、プロトコルを用いて端末と基地局との間で予め指定されてもよく、第1のメッセージを用いて基地局により端末に提供されてもよいことに留意されたい。第1のメッセージは、限定されるものではないが、例えば、無線リソース制御(radio resource control、RRC)、媒体アクセス制御(medium access control、MAC)、又はダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)のうちのいずれか1つであってよい。具体的な方法が以下のとおりであってよい。すなわち、ネットワークデバイスが第1のメッセージを端末に送信し、第1のメッセージは、端末が無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する際の方式を示すのに用いられる。端末は第1のメッセージを受信し、次いで、無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式を決定する。無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式は、無線リンク品質の値をSS blockの参照信号に基づいて生成する、又は無線リンク品質の値をCSI−RSに基づいて生成する、又は無線リンク品質の値をSS blockの参照信号及びCSI RSに基づいて生成する、のうちの1つ又は複数であってよい。複数のネットワークエレメントが本願の本実施形態の説明に用いられるが、本願において保護される解決手段は、全てのネットワークエレメントが含まれている必要はない。
図8は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S401〜S403については、S301〜S303を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S404:端末の下位層により送信される1つ若しくは複数のビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、又は複数の連続したビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はT310を停止する。これで、この無線リンク監視手順は終了する。T310が停止したときに、端末の上位層は、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報をまだ受信していない。
端末の上位層がビーム障害回復を検出することは、端末が別のビームを用いて基地局と通信してよいことを示す。この場合、T310は停止する。本実施形態では、LTEシステムでの解決手段と比較すると、無線リンクが回復したことが迅速に判定され得る。
任意選択で、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はT310を停止する。これで、この無線リンク監視手順は終了する。T310が停止したときに、端末の上位層はビーム障害回復をまだ検出していない。この段階及びS404は並列した段階であることが、理解されるであろう。この2つの段階は、以下のように理解されるであろう。すなわち、端末の上位層は、ビーム障害回復を検出した場合、且つ/又は端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信した場合、T310を停止する。
図5を参照すると、ビーム監視手順が端末の下位層により行われることが分かるであろう。本願において提供されるいくつかの実施形態では、ビーム障害回復を検出した場合、ビームの下位層は1つのビーム障害回復インジケーション情報を端末の上位層に送信してよく、ビーム障害回復インジケーション情報は、端末の下位層がビーム障害回復を検出したことを示すのに用いられる。端末の上位層が1つ又は複数のビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、又は端末の上位層が複数の連続したビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、上位層がビーム障害回復を検出したと判定される。端末の下位層が引き続いてビーム検出を実行してよいことが、理解されるであろう。本願では、下位層がビーム検出を実行するトリガ条件が限定されない。したがって、端末は、ビーム障害回復インジケーション情報を基地局に複数回送信してよい。さらに、ビームに対する環境などの要因の影響のために、下位層は通常、ビーム障害回復が行われたことを非周期的に判定するので、下位層はビーム障害回復インジケーション情報を上位層に非周期的に送信してよい。任意選択で、ビーム障害回復インジケーション情報はISインジケーション情報であってもよく、新たなインジケーション情報であってもよい。
S405〜S406については、S305〜S306を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S405では、T310が終了したときに、端末の上位層はビーム障害回復をまだ検出していない、且つ端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報をまだ受信していない。
本実施形態において提供される技術的解決手段のシーケンス図が、図9に示されている。
図10は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S501〜S503については、S301〜S303を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S504:端末の下位層により送信される1つ若しくは複数のビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、又は複数の連続したビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はT310を再始動する、且つ/又は端末の上位層により受信されるISインジケーション情報の数を0に設定する。
端末の上位層がビーム障害回復を検出する実装例については、前述の説明を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。端末の上位層がビーム障害回復を検出することは、端末が別のビームを用いて基地局と通信してよいことを示す。この場合、T310は再始動する、且つ/又は端末の上位層により受信されるISインジケーション情報の数は0に設定される。言い換えれば、T310は計時を再度始動する、且つ/又は端末の上位層により受信されるISインジケーション情報の数は再度0から累積される。本実施形態では、LTEシステムでの解決手段とは異なり、現在のセルで無線リンクが回復したかどうかを端末が判定する時間が長くなるので、無線リンクが当該セルで回復できるかどうかがより正確に判定され得る。
S505〜S507については、S304〜S306を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
本実施形態において提供される技術的解決手段のシーケンス図が、図11に示されている。
図12は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S601については、S301を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S602:端末の下位層により送信される1つ又は複数のビーム障害インジケーション情報を受信した場合、又は複数の連続したビーム障害インジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はT310を始動する。計時期間がタイマT310に設定される。タイマT310が始動したときに、端末の上位層は、端末の下位層により報告されるN310個の連続したOOSインジケーション情報をまだ受信していない。
端末の上位層がビーム障害を検出した場合、これは、サービングビームの品質が比較的低いことを示している。この場合、T310が始動する。本実施形態では、LTEシステムでの解決手段とは異なり、無線リンク品質異常が迅速に判定され得るので、無線リンク回復が可能な限り迅速に達成され得る。
任意選択で、本方法はさらに、端末の上位層が、端末の下位層により報告されるN310個の連続したOOSインジケーション情報を受信しているが、ビーム障害をまだ検出していない場合、T310を始動する段階を含んでよい。
本願において提供されるいくつかの実施形態において、ビーム障害を検出した場合、ビームの下位層は1つのビーム障害インジケーション情報を端末の上位層に送信してよく、ビーム障害インジケーション情報は、下位層がビーム障害を検出したことを示すのに用いられる。端末の上位層が1つ又は複数のビーム障害インジケーション情報を受信した場合、又は端末の上位層が複数の連続したビーム障害インジケーション情報を受信した場合、上位層がビーム障害を検出したと判定される。ビームについては、下位層は通常、ビーム障害が生じたことを非周期的に判定するので、下位層はビーム障害インジケーション情報を上位層に非周期的に送信してよいことが理解されるであろう。任意選択で、ビーム障害インジケーション情報はOOSインジケーション情報であってもよく、新たなインジケーション情報であってもよい。
S603〜S606については、S303〜S306を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
本実施形態において提供される技術的解決手段のシーケンス図が、図13に示されている。
図14は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S701〜S703については、S301〜S303を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S704:端末の下位層により送信される1つ又は複数のビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、又は複数の連続したビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、端末の上位層は、RLFが生じたと判定し、タイマT311を始動する。端末の上位層がビーム障害を検出した場合、T310は終了せず、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信しない。
端末の上位層によりビーム障害を検出することに関する説明については、前述の説明を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。端末の上位層がビーム障害を検出したとき、この場合、これは、サービングビームの品質が比較的低いことを示している。この場合、RLFがすぐに判定され得る結果、セルの探索及び選択手順が可能な限り迅速に始動され得るので、無線リンク回復が可能な限り迅速に達成され得る。
任意選択で、T310が終了していないときに、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を端末の上位層が受信した場合、又は、T310が終了し、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を端末の上位層が受信していない場合、関連する実装例については、前述の説明を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。さらに、T310が終了し、端末の上位層がビーム障害を検出せず、且つ端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信していない場合、T311が始動する。
S705については、S306を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
添付図面の図8、図10、図12、及び図14のうちのいずれか1つは図7に基づいて描かれていることに留意されたい。本願は、これに限定されない。例えば、これらの実施形態において、無線リンク品質インジケータは、CSI−RS及びSS blockの参照信号に基づいて取得されるように限定されなくてもよい。さらに、前述の説明において提供される任意の2つの実施形態が独立していてもよく、複数の実施形態の一部又は全ての特徴が、これらの特徴が競合しない場合、新たな実施形態を形成するために再度組み合わされてもよい。
前述の事項は主に、本願の実施形態において提供される解決手段を端末の観点から説明している。前述の機能を実装するために、端末は、各機能を実行するための、対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含む。当業者であれば、本明細書で開示された実施形態において説明された例に含まれるユニット及びアルゴリズム段階を参照して、本願が、ハードウェア又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせを用いて実装され得ることを容易に認識するはずである。ある機能がハードウェアを用いて実行されるのか、又はコンピュータソフトウェアで動くハードウェアによって実行されるのかは、技術的解決手段の特定の応用及び設計制約で決まる。当業者であれば、異なる方法を用いて、説明された機能を特定の応用ごとに実装することができるが、この実装例が本願の範囲を超えるものとみなされるべきではない。
本願の実施形態において、端末は、前述の方法の例に基づいて、複数の機能モジュールに分割されてよい。例えば、各機能モジュールは、各機能に基づく区分けによって取得されてよく、2つ又はそれより多くの機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。前述の統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本願の実施形態では、モジュールの区分けは一例であって、単なる論理的機能の区分けであることに留意されたい。実際の実装においては、別の区分け方式が用いられてもよい。以下では、各機能モジュールがそれぞれの対応する機能に基づく区分けによって取得される一例を説明する。
本願の一実施形態が、無線リンク監視装置を提供する。本装置は、チップ(例えば、ベースバンドチップ又は通信チップ)であってもよく、端末であってもよい。本装置は、添付図面の図7、図8、図10、図12、及び図14のうちのいずれか1つに示す無線リンク監視方法を実行するように構成されてよい。本装置は、これらの添付図面の任意の段階を実行するように構成されてよい。以下では、本装置が端末である一例を説明に用いる。図16は、端末の簡略化された概略構造図である。理解しやすいように、また説明しやすいように、図16では、携帯電話が端末の一例として用いられる。図16に示すように、端末は、プロセッサ、メモリ、無線周波数回路、アンテナ、及び入力/出力装置を含む。プロセッサは主に、通信プロトコル及び通信データの処理、端末の制御、ソフトウェアプログラムの実行、及びソフトウェアプログラムのデータの処理などを行うように構成される。メモリは主に、ソフトウェアプログラム及びデータを格納するように構成される。無線周波数回路は主に、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換を行い、無線周波数信号を処理するように構成される。アンテナは主に、無線周波数信号を電磁波として受信し、また送信するように構成される。タッチスクリーン、表示画面、又はキーボードなどの入力/出力装置は主に、ユーザが入力するデータを受信し、データをユーザに出力するように構成される。いくつかのタイプの端末は、入力/出力装置を有していないことがあることに留意されたい。
データを送信する必要がある場合、送信対象データにベースバンド処理を行った後に、プロセッサはベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。ベースバンド信号に無線周波数処理を行った後に、無線周波数回路は、無線周波数信号を電磁波としてアンテナから送信する。データが端末に送信されると、無線周波数回路は無線周波数信号をアンテナで受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号をプロセッサに出力する。プロセッサは、ベースバンド信号をデータに変換し、当該データを処理する。説明しやすいように、図16には、1つのメモリ及び1つのプロセッサのみが示されている。実際の端末製品が、1つ又は複数のプロセッサ及び1つ又は複数のメモリを有してよい。メモリは、記憶媒体又は記憶装置などとも呼ばれることがある。メモリは、プロセッサから独立して配置されてもよく、プロセッサと統合されてもよい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
本願の本実施形態において、受信機能及び送信機能を有するアンテナと無線周波数回路とは、端末の送受信機ユニットとみなされてよく、処理機能を有するプロセッサは端末の処理ユニットとみなされてよい。図16に示すように、端末は、送受信機ユニット1601と処理ユニット1602とを含む。送受信機ユニットは、送受信機、送受信機、又は送受信機装置などとも呼ばれることがある。処理ユニットは、プロセッサ、処理ボード、処理モジュール、又は処理装置などとも呼ばれることがある。任意選択で、送受信機ユニット1601内の、受信機能を実装するように構成された構成要素が、受信ユニットとみなされてよく、送受信機ユニット1601内の、送信機能を実装するように構成された構成要素が、送信ユニットとみなされてよい。言い換えれば、送受信機ユニット1601は、受信ユニットと送信ユニットとを含む。送受信機ユニットは、場合によっては、送受信機、送受信機、又は送受信機回路などとも呼ばれることがある。受信ユニットは、場合によっては、受信機、受信機、又は受信機回路などとも呼ばれることがある。送信ユニットは、場合によっては、送信機、送信機、又は送信機回路などとも呼ばれることがある。
例えば、処理ユニット1602は、添付図面の図7、図8、図10、図12、及び図14のうちのいずれか1つの任意の段階を実行するように構成されてよい。
上記に提供された任意の装置の関連内容に関する説明及び有益な効果については、前述の説明において提供された対応する方法の実施形態を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。
前述の実施形態の全て又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせによって実装されてよい。これらの実施形態を実装するのにソフトウェアが用いられる場合、これらの実施形態の全て又は一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実装されてよい。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がロードされて、コンピュータで実行されると、本願の実施形態において説明された手順又は機能の全て又は一部が生み出される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は別のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよく、1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに、有線方式(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタル加入者線(digital subscriber line、DSL))又は無線方式(例えば、赤外線、電波、又はマイクロ波)で伝送されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能な任意の利用可能な媒体であっても、1つ又は複数の利用可能な媒体を統合したデータ記憶装置(例えば、サーバ又はデータセンタ)であってもよい。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk (SSD))などであってもよい。
本願は、複数の実施形態を参照して説明されているが、保護を主張する本願を実装する過程において、当業者であれば、添付図面、開示内容、及び添付の特許請求の範囲を考察することにより、開示された実施形態の別の変形例を理解して実装するであろう。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」は、別の構成要素又は別の段階を除外せず、「1つの(a)」又は「1つの(one)」は、複数の場合を除外しない。単一のプロセッサ又は別のユニットが、特許請求の範囲に列挙される1つ又は複数の機能を実装してよい。いくつかの手段が互いに異なる従属クレームに記載されているが、これによって、これらの手段がより優れた効果を生み出すように組み合わされることができないことを意味しているわけではない。
本願は、特定の特徴、及びその実施形態を参照して説明されているが、これらの特徴及び実施形態に対して、本願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び組み合わせが行われてよいことは明らかである。同様に、本明細書及び添付図面は、添付の特許請求の範囲により定められる本願の単に例示的な説明であり、本願の範囲を包含する修正、変形、組み合わせ、若しくは均等物のうちのいずれか又は全てとみなされる。当業者であれば、本願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な修正及び変形を施すことができることは明らかである。本願は、本願のこれらの修正及び変形を包含することが意図されている。ただし、これらの修正及び変形が、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等な技術によって定められる保護範囲に含まれる場合に限る。
本願の実施形態は通信技術の分野に関し、具体的には、無線リンク監視方法及び無線リンク監視装置に関する。
ロングタームエボリューション(英語表記:long term evolution、略してLTE)システムでは、接続モードにある端末が現在のサービングセルのダウンリンク品質を評価するのに、無線リンク監視(英語表記:radio link monitoring、略してRLM)が用いられる。接続モードにある端末が、ダウンリンク品質が端末の要件を満たすことができないと評価した場合、端末は、新たなセルを探索して選択し、無線リンクを再確立する。LTEシステムでは、無線リンク品質がセル固有の参照信号(英語表記:cell−specific reference signal、略してCRS)に基づいて測定される。しかしながら、5G通信システムにはビーム伝送が導入され、各サブフレームで送信されるCRSは考慮されていない。したがって、LTEシステムにおけるRLM技術が、5G通信システムの展開に適合できない。したがって、新たな無線リンク監視方法が早急に必要とされる。
本願は、無線リンク監視方法及び無線リンク監視装置を提供し、5G通信システムに適用され得る。
第1の態様によれば、本願は、無線リンク監視方法及び無線リンク監視装置を提供する。
可能性のある設計例において、本方法は、端末の上位層がビーム検出結果メッセージを端末の下位層から受信する段階であって、ビーム検出結果メッセージはビーム監視の結果を示すのに用いられる、段階と、端末の上位層が無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御する段階とを含んでよい。この技術的解決手段では、無線リンク監視手順はビーム検出手順に関連している。詳細については、以下の説明を参照されたい。
可能性のある設計例において、端末の上位層がビーム検出結果メッセージを端末の下位層から受信する段階は具体的には、端末の上位層がビーム障害回復インジケーション情報を端末の下位層から受信する段階であって、ビーム障害回復インジケーション情報はビーム障害回復を示すのに用いられる、段階を含んでよい。この場合、任意選択で、端末の上位層が無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御する段階は、以下の方式1又は方式2で実装されてよい。
方式1:タイマが再始動する、且つ/又は、端末の上位層により受信される同期ISインジケーション情報の数が0に設定される。このようにして、無線リンクが回復したことを迅速に判定することができる。
方式2:タイマが停止する。このようにして、あるセルにおいて無線リンクが回復したかどうかを端末が判定する時間が長くなるので、無線リンクが当該セルで回復できるかどうかがより正確に判定され得る。
任意選択で、端末の上位層は、ビーム障害回復インジケーション情報を端末の下位層からタイマの計時期間に受信する。
可能性のある設計例において、端末の上位層がビーム検出結果メッセージを端末の下位層から受信する段階は具体的には、端末の上位層がビーム障害インジケーション情報を端末の下位層から受信する段階であって、ビーム障害インジケーション情報はビーム障害を示すのに用いられる、段階を含んでよい。この場合、任意選択で、端末の上位層が無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御する段階は、以下の方式3又は方式4で実装されてよい。
方式3:タイマが始動する前に、ビーム障害インジケーション情報が受信された場合、端末の上位層はタイマを始動する。このようにして、無線リンク品質異常が迅速に判定され得るので、無線リンク回復が可能な限り迅速に達成され得る。
方式4:ビーム障害インジケーション情報がタイマの計時期間に受信された場合、端末の上位層は無線リンク障害が生じていると判定する。このようにして、セルの探索及び選択手順が可能な限り迅速に開始され得るので、無線リンク回復が可能な限り迅速に達成され得る。
上記に提供された任意の技術的解決手段におけるタイマは、無線リンクの回復時間を設定するように構成されてよい。具体的には、タイマは、無線リンクが切れる前に、無線リンクの回復時間を設定するように構成され得る。任意選択で、タイマは、無線リンクの最大回復時間を設定するように構成される。例えば、タイマはタイマT310であってよい。
同様に、本願は無線リンク監視装置を提供し、本装置は、第1の態様の無線リンク監視方法を実装してよい。例えば、本装置はチップ(ベースバンドチップ又は通信チップなど)であってもよく、又は端末であってもよく、また本装置は、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることにより、又は対応するソフトウェアをハードウェアで実行することにより、前述の方法を実装してよい。
可能性のある設計例において、本装置はプロセッサ及びメモリを含んでよい。プロセッサは、第1の態様の方法における対応する機能を実行する際に、本装置をサポートするように構成される。メモリはプロセッサに連結するように構成され、メモリは、本装置に必要なプログラム(命令)及びデータを格納する。さらに、本装置は、本装置と別のネットワークエレメントとの間の通信をサポートするように構成された通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは送受信機であってよい。
可能性のある設計例において、本装置は、下位層処理ユニット及び上位層処理ユニットを含んでよい。上位層処理ユニットは、ビーム検出結果メッセージを下位層処理ユニットから受信することであって、ビーム検出結果メッセージはビーム監視の結果を示すのに用いられる、受信することと、無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御することとを行うように構成される。
可能性のある設計例において、上位層処理ユニットは具体的には、ビーム障害回復インジケーション情報を下位層処理ユニットから受信するように構成されてよく、ビーム障害回復インジケーション情報はビーム障害回復を示すのに用いられる。この場合、任意選択で、上位層処理ユニットが無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御することは、上記の方式1又は方式2で実装されてよい。
可能性のある設計例において、上位層処理ユニットは具体的には、ビーム障害インジケーション情報を下位層処理ユニットから受信するように構成されてよく、ビーム障害インジケーション情報はビーム障害を示すのに用いられる。この場合、任意選択で、上位層処理ユニットが無線リンク監視手順をビーム検出結果メッセージに基づいて制御することは、上記の方式3又は方式4で実装されてよい。
第2の態様によれば、本願はさらに、無線リンク監視方法及び無線リンク監視装置を提供する。
可能性のある設計例において、本方法は、端末の下位層が無線リンク品質の第1の値を検出する段階であって、第1の値は、チャネル状態情報−参照信号(英語表記:channel state information−reference signal、略してCSI−RS)及び/又はダウンリンク同期信号ブロック(英語表記:synchronization signal block、略してSS block)の参照信号に基づいて取得される、段階と、第1の値が第1の閾値より小さい又はこれと等しいと判定された場合、端末の下位層が第1のインジケーション情報を端末の上位層に送信する段階であって、第1のインジケーション情報は無線リンクが同期していないことを示すのに用いられる、段階とを含んでよい。任意選択で、第1のインジケーション情報は非同期(英語表記:out−of−sync、略してOOS)インジケーション情報である。この技術的解決手段では、無線リンク品質はCSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得され、無線リンク監視が実行される。したがって、本方法は5G通信システムに適用され得る。
可能性のある設計例において、本方法はさらに、端末の下位層が無線リンク品質の第2の値を検出する段階であって、第2の値はCSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得される、段階と、第2の値が第2の閾値より小さい又はこれと等しいと判定された場合、端末の下位層が第2のインジケーション情報を端末の上位層に送信する段階であって、第2のインジケーション情報は無線リンクが同期を回復したことを示すのに用いられる、段階とを含む。任意選択で、第2のインジケーション情報は同期(英語表記:in−sync、略してIS)インジケーション情報である。
可能性のある設計例において、端末の下位層が無線リンク品質の第2の値を検出する段階は具体的には、端末の下位層が無線リンク品質の第2の値をタイマT310の計時期間に検出する段階を含んでよい。任意選択で、タイマT310の計時期間に、端末の下位層は、ある期間の間隔で無線リンク品質を検出し、第2の値を取得してよい。当該期間の関連説明については、以下の説明を参照されたい。詳細は、ここで説明しない。
同様に、本願は無線リンク監視装置を提供し、本装置は第2の態様の無線リンク監視方法を実装してよい。例えば、本装置はチップ(ベースバンドチップ又は通信チップなど)であってもよく、又は端末であってもよく、また本装置は、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることにより、又は対応するソフトウェアをハードウェアで実行することにより、前述の方法を実装してよい。
可能性のある設計例において、本装置はプロセッサ及びメモリを含んでよい。プロセッサは、第2の態様の方法における対応する機能を実行する際に、本装置をサポートするように構成される。メモリはプロセッサに連結するように構成され、メモリは、本装置に必要なプログラム(命令)及びデータを格納する。さらに、本装置は、本装置と別のネットワークエレメントとの間の通信をサポートするように構成された通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは送受信機であってよい。
可能性のある設計例において、本装置は、下位層処理ユニット及び上位層処理ユニットを含んでよい。下位層処理ユニットは、無線リンク品質の第1の値を検出することであって、第1の値はチャネル状態情報−参照信号CSI−RS及び/又はダウンリンク同期信号ブロックSS blockの参照信号に基づいて取得される、検出することと、第1の値が第1の閾値より小さい又はこれと等しいと判定された場合、第1のインジケーション情報を上位層処理ユニットに送信することであって、第1のインジケーション情報は無線リンクが同期していないことを示すのに用いられる、送信することとを行うように構成される。任意選択で、第1のインジケーション情報は非同期OOSインジケーション情報である。
可能性のある設計例において、下位層処理ユニットはさらに、無線リンク品質の第2の値を検出することであって、第2の値はCSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得される、検出することと、第2の値が第2の閾値より小さい又はこれと等しいと判定された場合、第2のインジケーション情報を上位層処理ユニットに送信することであって、第2のインジケーション情報は無線リンクが同期を回復したことを示すのに用いられる、送信することとを行うように構成される。任意選択で、第2のインジケーション情報は同期ISインジケーション情報である。
可能性のある設計例において、下位層処理ユニットは具体的には、無線リンク品質の第2の値をタイマT310の計時期間に検出するように構成される。
可能性のある設計例において、下位層処理ユニット及び上位層処理ユニットは、2つのチップに別々に配置されてもよく、1つのチップに統合されてもよい。
第3の態様によれば、本願はさらに、インジケーション方法及びインジケーション装置を提供する。
可能性のある設計例において、本方法は、ネットワークデバイスが第1のメッセージを端末に送信する段階であって、第1のメッセージは、端末が無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する際の方式を示すのに用いられる、段階を含んでよい。この技術的解決手段では、ネットワークデバイスは、第1のメッセージを用いて無線リンク品質の値を取得する方式を示すので、無線リンク品質の値をどのように取得するかを端末が把握していないという技術的課題が解決される。
同様に、本願はインジケーション装置を提供し、本装置は第3の態様のインジケーション方法を実装してよい。例えば、本装置はネットワークデバイスであってよく、本装置は、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることにより、又は対応するソフトウェアをハードウェアで実行することにより、前述の方法を実装してよい。
可能性のある設計例において、本装置はプロセッサ及びメモリを含んでよい。プロセッサは、第3の態様の方法における対応する機能を実行する際に、本装置をサポートするように構成される。メモリはプロセッサに連結するように構成され、メモリは、本装置に必要なプログラム(命令)及びデータを格納する。さらに、本装置は、本装置と別のネットワークエレメントとの間の通信をサポートするように構成された通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは送受信機であってよい。
可能性のある設計例において、本装置は送受信機ユニットを含んでよい。送受信機ユニットは、第1のメッセージを端末に送信するように構成され、第1のメッセージは、端末が無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する際の方式を示すのに用いられる。
第4の態様によれば、本願はさらに、無線リンク品質を取得する方法及び装置を提供する。
可能性のある設計例において、本方法は、端末が第1のメッセージを受信し、次いで、無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式を、第1のメッセージに基づいて決定する段階を含んでよい。この技術的解決手段では、ネットワークデバイスは、第1のメッセージを用いて無線リンク品質の値を取得する方式を示すので、無線リンク品質の値をどのように取得するかを端末が把握していないという技術的課題が解決される。
同様に、本願は無線リンク品質を取得する装置を提供し、本装置は第4の態様のインジケーション方法を実装してよい。例えば、本装置は端末であってよく、本装置は、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることにより、又は対応するソフトウェアをハードウェアで実行することにより、前述の方法を実装してよい。
可能性のある設計例において、本装置はプロセッサ及びメモリを含んでよい。プロセッサは、第4の態様の方法における対応する機能を実行する際に、本装置をサポートするように構成される。メモリはプロセッサに連結するように構成され、メモリは、本装置に必要なプログラム(命令)及びデータを格納する。さらに、本装置は、本装置と別のネットワークエレメントとの間の通信をサポートするように構成された通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは送受信機であってよい。
可能性のある設計例において、本装置は、送受信機ユニット及び処理ユニットを含んでよい。送受信機ユニットは、第1のメッセージを受信するように構成される。処理ユニットは、無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式を、第1のメッセージに基づいて決定するように構成される。
第3の態様又は第4の態様において提供される任意の技術的解決手段に基づいて、無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式は、無線リンク品質の値をSS blockの参照信号に基づいて生成する、又は無線リンク品質の値をCSI−RSに基づいて生成する、又は無線リンク品質の値をSS blockの参照信号及びCSI−RSに基づいて生成する、のうちの1つ又は複数であってよい。
本願はさらに、コンピュータ記憶媒体を提供し、コンピュータ記憶媒体はコンピュータプログラム(命令)を格納し、プログラム(命令)がコンピュータで実行されると、コンピュータは前述の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
本願はさらに、コンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されると、コンピュータは前述の態様のいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
上記に提供された任意の装置、コンピュータ記憶媒体、又はコンピュータプログラム製品は、前述の説明で提供された対応する方法を実行するように構成されることが理解されるであろう。したがって、任意の装置、コンピュータ記憶媒体、又はコンピュータプログラム製品により達成され得る有益な効果については、対応する方法の有益な効果を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。
本願の一実施形態による、技術的解決手段が適用可能なシステムアーキテクチャの概略図である。
本願の一実施形態による、LTEシステムでのRLMの概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図2に示す技術的解決手段のプロセスの概略図である。
本願の一実施形態による、図2に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態によるビーム検出の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図5に示す技術的解決手段のプロセスの概略図である。
本願の一実施形態による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による別の無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図8に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態による別の無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図10に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態による別の無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図12に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態による別の無線リンク監視方法の概略フローチャートである。
本願の一実施形態による、図14に示す技術的解決手段のシーケンス図である。
本願の一実施形態による無線リンク監視装置の概略構造図である。
本願において提供される技術的解決手段は、RLM技術が導入される様々な通信システムに適用され得る。例えば、RLM技術、5G通信システム、将来の進化型システム、又は複数の通信融合システムが、既存の通信システムに基づいて導入される。複数の応用シナリオ、例えば、マシン間(英語表記:machine to machine、略してM2M)通信シナリオ、D2M通信シナリオ、マクロ−マイクロ間通信シナリオ、高速大容量(英語表記:enhanced mobile broadband、略してeMBB)通信シナリオ、超高信頼低遅延通信(英語表記:ultra reliable & low latency communication、略してuRLLC)シナリオ、大規模マシンタイプ通信(英語表記:massive machine type communications、略してmMTC)シナリオがあり得る。これらのシナリオは、限定されるものではないが、端末と端末との間の通信シナリオ、ネットワークデバイスとネットワークデバイスとの間の通信シナリオ、及びネットワークデバイスと端末との間の通信シナリオなどを含んでよい。あるいは、本願において提供される技術的解決手段は、5G通信システムにおける、端末と端末との間の通信シナリオ、又はネットワークデバイスとネットワークデバイスとの間の通信シナリオなどに適用されてよい。
図1は、通信システムの概略図である。通信システムは、少なくとも1つのネットワークデバイス100(1つのネットワークデバイス100のみが示されている)と、ネットワークデバイス100に接続された1つ又は複数の端末200とを含んでよい。
ネットワークデバイス100は、端末200と通信できるデバイスであってよい。ネットワークデバイス100は、中継ノード又はアクセスポイントなどであってよい。ネットワークデバイス100は、移動通信用グローバルシステム(英語表記:global system for mobile communications、略してGSM(登録商標))又は符号分割多元接続(英語表記:code division multiple access、略してCDMA)ネットワークにおけるベーストランシーバ基地局(英語表記:base transceiver station、略してBTS)であってもよく、広帯域符号分割多元接続(英語表記:wideband code division multiple access、略してWCDMA(登録商標))におけるNB(英語表記:NodeB)であってもよく、LTEにおけるeNB又はeNodeB(英語表記:evolved NodeB)であってもよい。ネットワークデバイス100は代替的に、クラウド型無線アクセスネットワーク(英語表記:cloud radio access network、略してCRAN)シナリオにおける無線制御装置であってもよい。ネットワークデバイス100は代替的に、5Gネットワークにおけるネットワークデバイスであっても、将来の進化型ネットワークにおけるネットワークデバイスであってもよく、又はウェアラブルデバイス若しくは車載デバイスなどであってもよい。
端末200は、ユーザ機器(英語表記:user equipment、略してUE)、アクセス端末、UEユニット、UE局、移動局、モバイルコンソール、遠隔局、遠隔端末、モバイルデバイス、UE端末、端末、無線通信デバイス、UEエージェント、又はUE装置などであってよい。アクセス端末は、セルラ方式電話、コードレス電話セット、セッション開始プロトコル(英語表記:session initiation protocol、略してSIP)電話、無線ローカルループ(英語表記:wireless local loop、略してWLL)局、携帯情報端末(英語表記:personal digital assistant、略してPDA)、無線通信機能を備えたハンドヘルドデバイス若しくはコンピューティングデバイス、無線モデムに接続された別の処理デバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワークにおける端末、又は将来の進化型PLMNネットワークにおける端末などであってよい。
図2は、LTEシステムにおけるRLMの概略フローチャートである。図2に示す方法が、以下に挙げる段階を含んでよい。
S101:端末の下位層(例えば物理層)が、各無線フレーム(英語表記:radio frame)(すなわち10ms(ミリ秒))における無線リンク品質(英語表記:radio link quality)の値を決定し、当該値を例えばQoutで表され得る予め設定された閾値と比較し、当該値がQoutより小さい場合、非同期(英語表記:out−of−sync、略してOOS)インジケーション情報を端末の上位層(例えばレイヤ3)に報告する。
無線リンク品質の値は、端末の下位層(例えば物理層)が信号対雑音比(英語表記:signal−to−noise ratio、略してSNR)評価をセル固有の参照信号(英語表記:cell−specific reference signals、略してCRS)の無線リンク品質インジケータに対して、無線フレームごとに最初の200msで実行することにより取得される。無線リンク品質インジケータ(SNR評価インジケータとも呼ばれる)は、例えば、限定されるものではないが、参照信号受信電力(英語表記:reference signal received power、略してRSRP)及び参照信号受信品質(英語表記:reference signal received quality、略してRSRQ)であってよい。
S102:端末の下位層により報告されるN310個の連続したOOSインジケーション情報を受信した後に、端末の上位層はタイマT310を始動する。計時期間がタイマT310に設定される。N310は、1より大きい又は1と等しい整数であってよい。
S103:タイマT310の計時期間に、端末の下位層は各無線フレームにおける無線リンク品質の値を決定し、当該値を例えばQinで表され得る予め設定された閾値と比較し、当該値がQinより大きい場合、同期(英語表記:in−sync、略してIS)インジケーション情報を端末の上位層に報告する。
S104:端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はタイマT310を停止する。N311は、1より大きい又は1と等しい整数であってよい。
端末の上位層が、端末の下位層により報告されるN310個の連続したOOSインジケーション情報を受信したとすれば、この場合、無線リンク品質が異常であることが示されている。端末はタイマT310を始動し、タイマT310の計時期間に、無線リンクを回復できるかどうかを判定する。タイマT310の計時期間に、端末の上位層が端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信した場合、端末はタイマT310を停止し、この場合、端末は無線リンクが回復したとみなす。これで、この無線リンク監視手順は終了する。
S105:タイマT310が終了しているが、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を端末の上位層が受信していない場合、端末の上位層は、無線リンク障害(英語表記:radio link failure、略してRLF)が生じたと判定し、タイマT311を始動する。計時期間がタイマT311に設定される。
タイマT311に設定される計時期間は、タイマT310に設定される計時期間と等しくても、等しくなくてもよい。
S106:タイマT311の計時期間に、端末はセルの探索及び選択を行う。タイマT311が終了したときに、端末が新たなセルをまだ発見していない場合、端末は休止モード(英語表記:idle mode)に入る。
端末はタイマT311を始動して、タイマT311の計時期間に、無線リンク回復(英語表記:radio link recovery)がセルの探索及び選択によって実施できたかどうかを判定する。タイマT311の計時期間に、端末が新たなセルを発見した場合、これは、無線リンク回復がセルの探索及び選択によって達成されたことを示しており、端末はタイマT311を停止する。端末は、無線リンク回復がセルの探索及び選択によって達成されたとみなす。
図3は、図2に示す技術的解決手段のプロセスの概略図である。図3において、正常状態とは、無線リンク品質異常が検出される前の、接続モードにある端末の状態である。RLMプロセスとは、正常状態からタイマT310の終了までのプロセスである。RLMプロセスが正常状態においていつ開始するとみなされるかは、本願において限定されず、また実装プロセスの複数の方式に基づいて柔軟に設計されてよい。図3は、ほんの一例にすぎない。無線リンク回復プロセスとは、タイマT311の計時期間におけるプロセスである。
図4は、図2に示す技術的解決手段のシーケンス図である。図4では、端末の上位層が始動したタイマT310の計時期間に、N311個のISインジケーション情報が受信された場合、これは、無線リンクが回復したとみなされるので、タイマT310は停止する。N311個のISインジケーション情報が、タイマT310の計時期間に受信されていない場合、これは、無線リンク障害(すなわちRLF)が生じたとみなされる。セルの探索及び選択などのプロセスは、図4に示されていない。
ビーム(英語表記:beam)の概念が通信システムに導入された後に、ビーム検出技術がさらに導入されている。ビームとは、通信リソースである。ビームには、ワイドビーム、ナロービーム、又は別のタイプのビームが含まれてよい。ビームを形成する技術が、ビームフォーミング(英語表記:beamforming)技術又は別の技術的手段であってよい。ビームフォーミング技術は具体的には、デジタルビームフォーミング技術でも、アナログビームフォーミング技術でも、ハイブリッドビームフォーミング技術でもよい。異なるビームが、異なるリソースとみなされてよい。同じ情報又は異なる情報が、異なるビームを用いて送信されてよい。任意選択で、同じ又は類似の通信機能を有する複数のビームが、1本のビームとみなされてよい。1本のビームが、1つ又は複数のアンテナポートに対応してよく、またデータチャネル、制御チャネル、及びサウンディング信号などを伝送するのに用いられる。例えば、送信ビームとは、信号がアンテナから送り出された後に、空間の異なる方向に形成される信号強度の分布を指すことがある。受信ビームとは、アンテナから受信される無線信号の、空間の異なる方向に形成される信号強度の分布を指すことがある。
図5は、ビーム検出の概略フローチャートである。図5に示す方法が、以下に挙げる段階を含んでよい。
S201:端末、例えば端末の下位層が、1つ又は複数のサービングビーム(英語表記:serving beam)を用いて基地局により送信される参照信号のインジケータの値を検出し、当該値を閾値と比較し、当該値が閾値より小さい場合、ビーム障害(英語表記:beam failure)が生じたと判定する。インジケータは、限定されるものではないが、例えばRSRP又はRSRQであってよい。閾値は、前述の説明のQoutと等しくても、等しくなくてもよい。
基地局は、複数のビームを生成してよく、サービングビームは、複数のビームのうちの、端末にサービスを提供するビームである。
S202:端末、例えば端末の下位層は、別のビーム(別のビームはサービングビーム以外のビームであってよい)を用いて基地局により送信される参照信号を検出し、少なくとも1つの参照信号の品質インジケータの値が閾値より大きい又はこれと等しいと判定された場合、ビーム障害回復(英語表記:beam failure recovery)が行われたと判定する。品質インジケータは、限定されるものではないが、例えばRSRP又はRSRQであってよい。閾値は、前述の説明のQinと等しくても、等しくなくてもよい。参照信号を送信するためのビームは、新たなサービングビームである。
S203:端末は、ビーム障害回復要求(英語表記:beam failure recovery request)を基地局に送信し、ビーム障害回復要求は、新たなサービングビームを示す情報を含んでよい。
S204:基地局はビーム構成情報を端末に送信し、端末は、ビーム構成情報を受信した後に、ビーム構成を行い、ビーム構成情報確認応答を基地局に返す。その後、端末は、新たなサービングビームを用いて基地局により送信される情報を受信してよい。ビーム検出プロセスでは、段階S204が任意選択の段階であることが理解されるであろう。
図6は、図5に示す技術的解決手段の一例を示す。図6では、基地局は4つのビーム(ビーム1〜4でそれぞれ表されている)を生成する。本願は、これに限定されない。S201において、端末のサービングビームはビーム3であり、ビーム3は、図6の(a)に示すように、障害物などによって途切れている。S202において端末の下位層は、図6の(b)に示すように、ビーム1、2、及び4を用いて送信される参照信号を検出し、ビーム1を新たなサービングビームと判定する。S203において端末は、図6の(c)に示すように、ビーム1を用いてビーム障害回復要求を基地局に送信する。任意選択で、S204において基地局は、図6の(d)に示すように、ビーム1を用いてビーム構成情報を端末に送信する。端末は、図6の(e)に示すように、ビーム1を用いてビーム構成情報確認応答を基地局に送信する。
本願における用語「下位層」は、物理層(すなわち、レイヤ1)及び/又はデータリンク層(すなわち、レイヤ2)を含み、「上位層」は、レイヤ3を含むことに留意されたい。本願におけるタイマT310は、無線リンクの回復時間を設定するように構成されてよく、具体的には、無線リンクの最大回復時間を設定するように構成されてよい。タイマT311は、セルの探索及び選択の時間を設定するように構成されてよく、具体的には、セルの探索及び選択の最大時間を設定するように構成されてよい。
さらに、本明細書における用語「複数の(a plurality of)」は、2つ又はそれより多くを意味することに留意されたい。本明細書における用語「第1の(first)」及び「第2の(second)」などは、異なる対象を単に区別することが意図されており、それらの順序を限定しない。本明細書における用語「及び/又は(and/or)」は、関連する対象を説明するための対応関係のみを表現しており、3つの関係が存在し得ることを表している。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する、A及びBの両方が存在する、Bのみが存在するという3つの場合を表し得る。さらに、本明細書における記号「/」は一般に、関連する対象間の「又は(or)」の関係を表しており、式に含まれる記号「/」は、関連する対象間の「割り算」の関係を表している。
以下では、本願において提供される技術的解決手段を、無線リンク監視方法の観点から説明する。本願の任意の実施形態において、N310及びN311は両方とも、1より大きい又は1と等しい整数であってよいことに留意されたい。さらに本願では、端末の下位層が無線リンク品質を周期的に判定することが、一例として説明に用いられている。本願は、これに限定されない。例えば、無線リンク品質の判定がトリガされてよい。
図7は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S301:端末の下位層が無線リンク品質の値を決定し(当該値はそれぞれの期間において決定されてよい)、当該値を予め設定されたQoutと比較し、当該値がQoutより小さい場合、OOSインジケーション情報を端末の上位層に報告する。無線リンク品質の値は、CSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得されてよく、例えば、CSI−RS及び/又はSS blockの参照信号の無線リンク品質インジケータに対して、現在の期間の前の期間にSNR評価を行うことにより取得されてよい。Qoutは、LTEシステムのQoutと同じであっても、それとは異なっていてもよい。任意選択で、CSI−RSはビーム管理(英語表記:beam management)に用いられてもよく、ビーム障害検出/回復(英語表記:beam failure detection/recovery)に用いられてもよく、モビリティ測定に用いられてもよい。このことは、本願において限定されない。
S302については、前述のS102を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S303:タイマT310の計時期間に、端末の下位層は無線リンク品質の値を決定し(当該値はそれぞれの期間において決定されてよい)、当該値を予め設定されたQinと比較し、当該値がQinより大きい場合、ISインジケーション情報を端末の上位層に報告する。無線リンク品質の値は、CSI−RS及び/又はSS blockの参照信号に基づいて取得され、例えば、CSI−RS及び/又はSS blockの参照信号の無線リンク品質インジケータに対して、現在の期間の前の期間にSNR評価を行うことにより取得されてよい。S303の期間は、S301の期間と同じであっても、それとは異なっていてもよい。Qinは、LTEシステムのQinと同じであっても、それとは異なっていてもよい。
S304からS306については、前述のS104からS106を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
本願の一実施形態において、無線リンク品質の値は、SS blockの参照信号の無線リンク品質インジケータに対して、現在の期間の前の期間にSNR評価を行うことにより取得されてよい。例えば、S301において、当該期間は現在の期間の前の最後の200msであってよい。S303において、当該期間は現在の期間の前の最後の100msであってよい。もちろん、本願はこれに限定されない。SS blockの参照信号は、限定されるものではないが、例えば、主同期信号(英語表記:primary synchronization signal、略してPSS)、副同期信号(英語表記:secondary synchronization signal、略してSSS)、又は物理ブロードキャストチャネル(英語表記:physical broadcast channel、略してPBCH)復調参照信号(英語表記:demodulation reference signal、略してDMRS)のうちの少なくとも1つであってよい。無線リンク品質インジケータは、限定されるものではないが、例えばRSRP又はRSRQであってよい。期間は、N個のSS burst set期間、例えば、20×N(ms)であってよく、Nは1より大きい又は1と等しい整数である。1つのSS burst set期間は、1つ又は複数のSS blockを含んでよい。1つの期間が複数のSS blockを含む場合、無線リンク品質の値は、限定されるものではないが、例えば、当該期間における複数のSS blockの参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において最強のRSRPを有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において閾値を超える無線リンク品質を有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、又は当該期間における最高の無線リンク品質の値のうちのいずれか1つであってよい。
本願の別の実施形態において、無線リンク品質の値は、チャネル状態情報−参照信号(英語表記:channel state information−reference signal、略してCSI−RS)の無線リンク品質インジケータに対して、現在の期間の前の期間にSNR評価を行うことにより取得されてよい。例えば、S301において、当該期間は、現在の期間の前の最後の200msであってよい。例えば、S303において、当該期間は現在の期間の前の最後の100msであってよい。もちろん、本願はこれに限定されない。無線リンク品質インジケータは、限定されるものではないが、例えばRSRP又はRSRQであってよい。当該期間は、N個のCSI−RS送信期間、例えば、40×N(ms)であってよく、Nは1より大きい又は1と等しい整数である。無線リンク品質の値は、限定されるものではないが、例えば、1つの期間における複数のCSI−RSの無線リンク品質の平均値、1つの期間において最高の無線リンク品質を有する複数のCSI−RSの無線リンク品質の平均値、1つの期間において閾値を超える無線リンク品質を有する複数のCSI−RSの無線リンク品質の平均値、又は1つの期間における最高の無線リンク品質の値のうちのいずれか1つであってよい。
本願の別の実施形態において、端末は、SS blockの参照信号及びCSI−RSを用いて無線リンク監視を行ってよい。任意選択で、期間は、1つ又は複数のSS burst set期間と1つ又は複数のCSI−RS送信期間との公倍数であってよい。本実施形態において、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値は、限定されるものではないが、例えば、当該期間における複数のSS blockの参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において最強のRSRPを有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において閾値を超える無線リンク品質を有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、又は当該期間における最高の無線リンク品質の値のうちのいずれか1つであってよい。CSI−RSに基づいて取得される無線リンク品質の値は、限定されるものではないが、例えば、当該期間における複数のSS blockの参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において最強のRSRPを有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、当該期間において閾値を超える無線リンク品質を有する複数の参照信号の無線リンク品質の平均値、又は当該期間における最高の無線リンク品質の値のうちのいずれか1つであってよい。
任意選択で、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI−RSに基づいて取得される無線リンク品質の値との両方がQoutより小さい場合、端末の下位層はOOSインジケーション情報を端末の上位層に報告する。あるいは、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI−RSに基づいて取得される無線リンク品質の値とのうちいずれかがQoutより小さい場合、端末の下位層はOOSインジケーション情報を端末の上位層に報告する。あるいは、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI−RSに基づいて取得される無線リンク品質の値とが(例えば、加重和によって)マージされ、マージ後に取得される値がQoutより小さい場合、端末の下位層はOOSインジケーション情報を端末の上位層に報告する。もちろん、本願はこれに限定されない。
任意選択で、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI−RSに基づいて取得される無線リンク品質の値との両方がQinより大きい場合、端末の下位層はISインジケーション情報を端末の上位層に報告する。あるいは、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI−RSに基づいて取得される無線リンク品質の値とのうちいずれかがQinより大きい場合、端末の下位層はISインジケーション情報を端末の上位層に報告する。あるいは、SS blockの参照信号に基づいて取得される無線リンク品質の値と、CSI−RSに基づいて取得される無線リンク品質の値とが(例えば、加重和によって)マージされ、マージ後に取得される値がQinより大きい場合、端末の下位層はISインジケーション情報を端末の上位層に報告する。もちろん、本願はこれに限定されない。
SS blockの参照信号とCSI−RSとのうちいずれか又はその両方に基づいて、端末が無線リンク品質の値を取得するかどうかは、プロトコルを用いて端末と基地局との間で予め指定されてもよく、第1のメッセージを用いて基地局により端末に提供されてもよいことに留意されたい。第1のメッセージは、限定されるものではないが、例えば、無線リソース制御(radio resource control、RRC)メッセージ、媒体アクセス制御(medium access control、MAC)メッセージ、又はダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)のうちのいずれか1つであってよい。具体的な方法が以下のとおりであってよい。すなわち、ネットワークデバイスが第1のメッセージを端末に送信し、第1のメッセージは、端末が無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する際の方式を示すのに用いられる。端末は第1のメッセージを受信し、次いで、無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式を決定する。無線リンク品質の値を参照信号に基づいて取得する方式は、無線リンク品質の値をSS blockの参照信号に基づいて生成する、又は無線リンク品質の値をCSI−RSに基づいて生成する、又は無線リンク品質の値をSS blockの参照信号及びCSI−RSに基づいて生成する、のうちの1つ又は複数であってよい。複数のネットワークエレメントが本願の本実施形態の説明に用いられるが、本願において保護される解決手段は、全てのネットワークエレメントが含まれている必要はない。
図8は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S401〜S403については、S301〜S303を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S404:端末の下位層により送信される1つ若しくは複数のビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、又は複数の連続したビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はタイマT310を停止する。これで、この無線リンク監視手順は終了する。タイマT310が停止したときに、端末の上位層は、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報をまだ受信していない。
端末の上位層がビーム障害回復を検出することは、端末が別のビームを用いて基地局と通信してよいことを示す。この場合、タイマT310は停止する。本実施形態では、LTEシステムでの解決手段と比較すると、無線リンクが回復したことが迅速に判定され得る。
任意選択で、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はタイマT310を停止する。これで、この無線リンク監視手順は終了する。タイマT310が停止したときに、端末の上位層はビーム障害回復をまだ検出していない。この段階及びS404は並列した段階であることが、理解されるであろう。この2つの段階は、以下のように理解されるであろう。すなわち、端末の上位層は、ビーム障害回復を検出した場合、且つ/又は端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信した場合、タイマT310を停止する。
図5を参照すると、ビーム監視手順が端末の下位層により行われることが分かるであろう。本願において提供されるいくつかの実施形態では、ビーム障害回復を検出した場合、端末の下位層は1つのビーム障害回復インジケーション情報を端末の上位層に送信してよく、ビーム障害回復インジケーション情報は、端末の下位層がビーム障害回復を検出したことを示すのに用いられる。端末の上位層が1つ又は複数のビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、又は端末の上位層が複数の連続したビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、上位層がビーム障害回復を検出したと判定される。端末の下位層が引き続いてビーム検出を実行してよいことが、理解されるであろう。本願では、下位層がビーム検出を実行するトリガ条件が限定されない。したがって、端末は、ビーム障害回復インジケーション情報を基地局に複数回送信してよい。さらに、ビームに対する環境などの要因の影響のために、下位層は通常、ビーム障害回復が行われたことを非周期的に判定するので、下位層はビーム障害回復インジケーション情報を上位層に非周期的に送信してよい。任意選択で、ビーム障害回復インジケーション情報はISインジケーション情報であってもよく、新たなインジケーション情報であってもよい。
S405〜S406については、S305〜S306を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S405では、タイマT310が終了したときに、端末の上位層はビーム障害回復をまだ検出していない、且つ端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報をまだ受信していない。
本実施形態において提供される技術的解決手段のシーケンス図が、図9に示されている。
図10は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S501〜S503については、S301〜S303を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S504:端末の下位層により送信される1つ若しくは複数のビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、又は複数の連続したビーム障害回復インジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はタイマT310を再始動する、且つ/又は端末の上位層により受信されるISインジケーション情報の数を0に設定する。
端末の上位層がビーム障害回復を検出する実装例については、前述の説明を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。端末の上位層がビーム障害回復を検出することは、端末が別のビームを用いて基地局と通信してよいことを示す。この場合、タイマT310は再始動する、且つ/又は端末の上位層により受信されるISインジケーション情報の数は0に設定される。言い換えれば、タイマT310は計時を再度始動する、且つ/又は端末の上位層により受信されるISインジケーション情報の数は再度0から累積される。本実施形態では、LTEシステムでの解決手段とは異なり、現在のセルで無線リンクが回復したかどうかを端末が判定する時間が長くなるので、無線リンクが当該セルで回復できるかどうかがより正確に判定され得る。
S505〜S507については、S304〜S306を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
本実施形態において提供される技術的解決手段のシーケンス図が、図11に示されている。
図12は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S601については、S301を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S602:端末の下位層により送信される1つ又は複数のビーム障害インジケーション情報を受信した場合、又は複数の連続したビーム障害インジケーション情報を受信した場合、端末の上位層はタイマT310を始動する。計時期間がタイマT310に設定される。タイマT310が始動したときに、端末の上位層は、端末の下位層により報告されるN310個の連続したOOSインジケーション情報をまだ受信していない。
端末の上位層がビーム障害を検出した場合、これは、サービングビームの品質が比較的低いことを示している。この場合、タイマT310が始動する。本実施形態では、LTEシステムでの解決手段とは異なり、無線リンク品質異常が迅速に判定され得るので、無線リンク回復が可能な限り迅速に達成され得る。
任意選択で、本方法はさらに、端末の上位層が、端末の下位層により報告されるN310個の連続したOOSインジケーション情報を受信しているが、ビーム障害をまだ検出していない場合、タイマT310を始動する段階を含んでよい。
本願において提供されるいくつかの実施形態において、ビーム障害を検出した場合、端末の下位層は1つのビーム障害インジケーション情報を端末の上位層に送信してよく、ビーム障害インジケーション情報は、下位層がビーム障害を検出したことを示すのに用いられる。端末の上位層が1つ又は複数のビーム障害インジケーション情報を受信した場合、又は端末の上位層が複数の連続したビーム障害インジケーション情報を受信した場合、上位層がビーム障害を検出したと判定される。ビームについては、下位層は通常、ビーム障害が生じたことを非周期的に判定するので、下位層はビーム障害インジケーション情報を上位層に非周期的に送信してよいことが理解されるであろう。任意選択で、ビーム障害インジケーション情報はOOSインジケーション情報であってもよく、新たなインジケーション情報であってもよい。
S603〜S606については、S303〜S306を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
本実施形態において提供される技術的解決手段のシーケンス図が、図13に示されている。
図14は、本願による無線リンク監視方法の概略フローチャートである。本方法は、以下に挙げる段階を含む。
S701〜S703については、S301〜S303を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
S704:端末の下位層により送信される1つ又は複数のビーム障害インジケーション情報を受信した場合、又は複数の連続したビーム障害インジケーション情報を受信した場合、端末の上位層は、RLFが生じたと判定し、タイマT311を始動する。端末の上位層がビーム障害を検出した場合、タイマT310は終了せず、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信しない。
端末の上位層によりビーム障害を検出することに関する説明については、前述の説明を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。端末の上位層がビーム障害を検出したとき、この場合、これは、サービングビームの品質が比較的低いことを示している。この場合、RLFがすぐに判定され得る結果、セルの探索及び選択手順が可能な限り迅速に始動され得るので、無線リンク回復が可能な限り迅速に達成され得る。
任意選択で、タイマT310が終了していないときに、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を端末の上位層が受信した場合、又は、タイマT310が終了し、端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を端末の上位層が受信していない場合、関連する実装例については、前述の説明を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。さらに、タイマT310が終了し、端末の上位層がビーム障害を検出せず、且つ端末の下位層により報告されるN311個の連続したISインジケーション情報を受信していない場合、タイマT311が始動する。
S705については、S306を参照されたい。もちろん、本願はこれに限定されない。
添付図面の図8、図10、図12、及び図14のうちのいずれか1つは図7に基づいて描かれていることに留意されたい。本願は、これに限定されない。例えば、これらの実施形態において、無線リンク品質インジケータは、CSI−RS及びSS blockの参照信号に基づいて取得されるように限定されなくてもよい。さらに、前述の説明において提供される任意の2つの実施形態が独立していてもよく、複数の実施形態の一部又は全ての特徴が、これらの特徴が競合しない場合、新たな実施形態を形成するために再度組み合わされてもよい。
前述の事項は主に、本願の実施形態において提供される解決手段を端末の観点から説明している。前述の機能を実装するために、端末は、各機能を実行するための、対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含む。当業者であれば、本明細書で開示された実施形態において説明された例に含まれるユニット及びアルゴリズム段階を参照して、本願が、ハードウェア又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせを用いて実装され得ることを容易に認識するはずである。ある機能がハードウェアを用いて実行されるのか、又はコンピュータソフトウェアで動くハードウェアによって実行されるのかは、技術的解決手段の特定の応用及び設計制約で決まる。当業者であれば、異なる方法を用いて、説明された機能を特定の応用ごとに実装することができるが、この実装例が本願の範囲を超えるものとみなされるべきではない。
本願の実施形態において、端末は、前述の方法の例に基づいて、複数の機能モジュールに分割されてよい。例えば、各機能モジュールは、各機能に基づく区分けによって取得されてよく、2つ又はそれより多くの機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。前述の統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本願の実施形態では、モジュールの区分けは一例であって、単なる論理的機能の区分けであることに留意されたい。実際の実装においては、別の区分け方式が用いられてもよい。以下では、各機能モジュールがそれぞれの対応する機能に基づく区分けによって取得される一例を説明する。
本願の一実施形態が、無線リンク監視装置を提供する。本装置は、チップ(例えば、ベースバンドチップ又は通信チップ)であってもよく、端末であってもよい。本装置は、添付図面の図7、図8、図10、図12、及び図14のうちのいずれか1つに示す無線リンク監視方法を実行するように構成されてよい。本装置は、これらの添付図面の任意の段階を実行するように構成されてよい。以下では、本装置が端末である一例を説明に用いる。図16は、端末の簡略化された概略構造図である。理解しやすいように、また説明しやすいように、図16では、携帯電話が端末の一例として用いられる。図16に示すように、端末は、プロセッサ、メモリ、無線周波数回路、アンテナ、及び入力/出力装置を含む。プロセッサは主に、通信プロトコル及び通信データの処理、端末の制御、ソフトウェアプログラムの実行、及びソフトウェアプログラムのデータの処理などを行うように構成される。メモリは主に、ソフトウェアプログラム及びデータを格納するように構成される。無線周波数回路は主に、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換を行い、無線周波数信号を処理するように構成される。アンテナは主に、無線周波数信号を電磁波として受信し、また送信するように構成される。タッチスクリーン、表示画面、又はキーボードなどの入力/出力装置は主に、ユーザが入力するデータを受信し、データをユーザに出力するように構成される。いくつかのタイプの端末は、入力/出力装置を有していないことがあることに留意されたい。
データを送信する必要がある場合、送信対象データにベースバンド処理を行った後に、プロセッサはベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。ベースバンド信号に無線周波数処理を行った後に、無線周波数回路は、無線周波数信号を電磁波としてアンテナから送信する。データが端末に送信されると、無線周波数回路は無線周波数信号をアンテナで受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号をプロセッサに出力する。プロセッサは、ベースバンド信号をデータに変換し、当該データを処理する。説明しやすいように、図16には、1つのメモリ及び1つのプロセッサのみが示されている。実際の端末製品が、1つ又は複数のプロセッサ及び1つ又は複数のメモリを有してよい。メモリは、記憶媒体又は記憶装置などとも呼ばれることがある。メモリは、プロセッサから独立して配置されてもよく、プロセッサと統合されてもよい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
本願の本実施形態において、受信機能及び送信機能を有するアンテナと無線周波数回路とは、端末の送受信機ユニットとみなされてよく、処理機能を有するプロセッサは端末の処理ユニットとみなされてよい。図16に示すように、端末は、送受信機ユニット1601と処理ユニット1602とを含む。送受信機ユニットは、送受信機又は送受信機装置などとも呼ばれることがある。処理ユニットは、プロセッサ、処理ボード、処理モジュール、又は処理装置などとも呼ばれることがある。任意選択で、送受信機ユニット1601内の、受信機能を実装するように構成された構成要素が、受信ユニットとみなされてよく、送受信機ユニット1601内の、送信機能を実装するように構成された構成要素が、送信ユニットとみなされてよい。言い換えれば、送受信機ユニット1601は、受信ユニットと送信ユニットとを含む。送受信機ユニットは、場合によっては、送受信機又は送受信機回路などとも呼ばれることがある。受信ユニットは、場合によっては、受信機又は受信機回路などとも呼ばれることがある。送信ユニットは、場合によっては、送信機又は送信機回路などとも呼ばれることがある。
例えば、処理ユニット1602は、添付図面の図7、図8、図10、図12、及び図14のうちのいずれか1つの任意の段階を実行するように構成されてよい。
上記に提供された任意の装置の関連内容に関する説明及び有益な効果については、前述の説明において提供された対応する方法の実施形態を参照されたい。詳細は、再度ここで説明しない。
前述の実施形態の全て又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせによって実装されてよい。これらの実施形態を実装するのにソフトウェアが用いられる場合、これらの実施形態の全て又は一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実装されてよい。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がロードされて、コンピュータで実行されると、本願の実施形態において説明された手順又は機能の全て又は一部が生み出される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は別のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよく、1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに、有線方式(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタル加入者線(digital subscriber line、DSL))又は無線方式(例えば、赤外線、電波、又はマイクロ波)で伝送されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能な任意の利用可能な媒体であっても、1つ又は複数の利用可能な媒体を統合したデータ記憶装置(例えば、サーバ又はデータセンタ)であってもよい。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk (SSD))などであってもよい。
本願は、複数の実施形態を参照して説明されているが、保護を主張する本願を実装する過程において、当業者であれば、添付図面、開示内容、及び添付の特許請求の範囲を考察することにより、開示された実施形態の別の変形例を理解して実装するであろう。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」は、別の構成要素又は別の段階を除外せず、「1つの(a)」又は「1つの(one)」は、複数の場合を除外しない。単一のプロセッサ又は別のユニットが、特許請求の範囲に列挙される1つ又は複数の機能を実装してよい。いくつかの手段が互いに異なる従属クレームに記載されているが、これによって、これらの手段がより優れた効果を生み出すように組み合わされることができないことを意味しているわけではない。
本願は、特定の特徴、及びその実施形態を参照して説明されているが、これらの特徴及び実施形態に対して、本願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び組み合わせが行われてよいことは明らかである。同様に、本明細書及び添付図面は、添付の特許請求の範囲により定められる本願の単に例示的な説明であり、本願の範囲を包含する修正、変形、組み合わせ、若しくは均等物のうちのいずれか又は全てとみなされる。当業者であれば、本願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な修正及び変形を施すことができることは明らかである。本願は、本願のこれらの修正及び変形を包含することが意図されている。ただし、これらの修正及び変形が、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等な技術によって定められる保護範囲に含まれる場合に限る。