JP2020523577A - 新規な血清タンパク質の活性の保存方法 - Google Patents

新規な血清タンパク質の活性の保存方法 Download PDF

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Abstract

血清タンパク質の活性の保存方法を提供する。方法は、血清を、アルブミン、トリグリセリド、グリセロール、デキストラン、プロピレングリコール、ガラクトース、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される1つ以上の保護剤と混合するステップ;および混合物を凍結乾燥するステップを含む。

Description

本発明は、血清タンパク質の活性の保存方法に関する。
血液は、多くの場合、比較的単純に見えるが、その組成物は、少なくとも化学的観点から、多少複雑になる傾向がある。ほとんどの場合、血液は、5つの主要成分:血清、血漿、凝固因子、脂質およびタンパク質、および血液細胞を有する。血清は、白血球または赤血球を含まない血液の一部である透明な黄色がかった流体である。血清は、基本的に血液の最も基本的かつ中性の部分であり、血液の最も重要な機能、すなわち、1つの場所から次の場所へのミネラル、糖、および脂肪酸の往復輸送の多くのための流体背景として機能するだけでなく、理想的な濃度と環境を提供し、血液粒子の自由な移動を可能にする。血清は、血液凝固(凝固)に使用されていない全てのタンパク質ならびに全ての電解質、抗体、抗原、ホルモン、および薬物および微生物などの何らかの余分な物質を包含する。その中性であることが、多くのさまざまな医療検査において、それを価値があるものにしている。研究者たちは、さまざまな異なる健康状態および問題を診断するために、該物質を分離する方法を完成させている。それは、その濃度が、天然の涙の濃度によく似ていることが多いために、涙管問題を有するヒト用点眼剤を作成するために使用されることもある。
最先端の血清保存法では、静脈切開後24時間以内に血清を急速に凍結させ、通常1年まで新鮮凍結血清(Fresh Frozen Serum:FFS)として保存する。FFPは使用直前に解凍することができる。しかしながら、このような保存方法は、少なくとも以下の欠点を有する:
(1)FFSとして凍結し、超低温冷蔵庫で保存しない限り、血清を長期間保存するこができない;および(2)使用のために解凍した後、タンパク質の活性を十分に維持することができない。
発明の概要
本発明は、血清を、アルブミン、トリグリセリド、グリセロール、デキストラン、プロピレングリコール、ガラクトース、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される1つ以上の保護剤と混合することを含む、血清タンパク質の活性の保存方法を提供する。
好ましくは、方法は、血清を、アルブミン、トリグリセリド、グリセロール、デキストラン、プロピレングリコール、ガラクトース、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される2つ以上の保護剤と混合することを含む。本発明の特定の実施態様によれば、2つ以上の保護剤は、グリセロール、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される。
本発明の特定の実施態様では、2つ以上の保護剤は、トレハロースである第1の保護剤およびグリセロールまたはアルギン酸塩である第2の保護剤を含む。本発明の1つの実施態様によれば、2つ以上の保護剤は、トレハロースおよびグリセロールを含む。別の実施態様では、2つ以上の保護剤は、トレハロースおよびアルギン酸塩を含む。
本発明によれば、血清は、混合工程において、デキストラン、プロピレングリコール、スクロース、ガラクトース、トリグリセリド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の保護剤とさらに混合されうる。
本発明の方法は、血清中の成長因子を分解から保護するために使用されうる。血清中の成長因子として、PDGF-AB、TGF-β1、およびVEGFが挙げられるが、これらに限定されない。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的であるにすぎず、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
前述の概要、ならびに本発明の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことにより、よりよく理解されるであろう。
図1A-1Cは、保護剤としてアルブミンを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図1Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図1Bは、TGF-β1のレベルを示し、図1Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図2A-2Cは、保護剤としてゼラチンを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図2Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図2Bは、TGF-β1のレベルを示し、図2Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図3A-3Cは、保護剤としてグリシンを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図3Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図3Bは、TGF-β1のレベルを示し、図3Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図4A-4Cは、保護剤としてセリンを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図4Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図4Bは、TGF-β1のレベルを示し、図4Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図5A-5Cは、保護剤としてトリグリセリドを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図5Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図5Bは、TGF-β1のレベルを示し、図5Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図6A-6Cは、保護剤としてグリセロールを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図6Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図6Bは、TGF-β1のレベルを示し、図6Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図7A-7Cは、保護剤としてデキストランを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図7Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図7Bは、TGF-β1のレベルを示し、図7Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図8A-8Cは、保護剤としてプロピレングリコールを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図8Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図8Bは、TGF-β1のレベルを示し、図8Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図9A-9Cは、保護剤としてアルギン酸塩を使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図9Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図9Bは、TGF-β1のレベルを示し、図9Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図10A-2Cは、保護剤としてリボースを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図10Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図10Bは、TGF-β1のレベルを示し、図10Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図11A-11Cは、保護剤としてアラビノースを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図11Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図11Bは、TGF-β1のレベルを示し、図11Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図12A-12Cは、保護剤としてグルコースを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図12Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図12Bは、TGF-β1のレベルを示し、図12Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図13A-13Cは、保護剤としてガラクトースを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図13Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図13Bは、TGF-β1のレベルを示し、図13Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図14A-14Cは、保護剤としてスクロースを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図14Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図14Bは、TGF-β1のレベルを示し、図14Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図15A-15Cは、保護剤としてトレハロースを使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図15Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図15Bは、TGF-β1のレベルを示し、図15Cは、VEGFのレベルを示す。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。対照:血清のみ。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図16A-16Cは、2つの保護剤を使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図16Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図16Bは、TGF-β1のレベルを示し、図16Cは、VEGFのレベルを示す。対照:血清のみ。1:2%デキストラン+2%グリセロール;2:2%デキストラン+2%グリシン;3:2%デキストラン+2%セリン;4:2%デキストラン+2%スクロース;5:2%デキストラン+2%グルコース;6:2%デキストラン+0.2%アラビノース;および7:2%デキストラン+2%リボース。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、グリセロールに対しては%(v/v)を意味し、他の保護剤に対しては%(w/v)を意味する。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図17A-17Cは、2つの保護剤を使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図17Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図17Bは、TGF-β1のレベルを示し、図17Cは、VEGFのレベルを示す。対照:血清のみ。1:2%アルギン酸塩+2%グリシン;2:2%アルギン酸塩+2%トレハロース;3:2%アルギン酸塩+2%スクロース;4:2%アルギン酸塩+2%グルコース;5:2%アルギン酸塩+2%ガラクトース;6:2%アルギン酸塩+0.2%アラビノース;および7:2%アルギン酸塩+2%リボース。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、%(w/v)を意味する。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。 図18A-18Cは、2つの保護剤を使用して血清粉末から再構成された血清中の成長因子レベルを示す。図18Aは、PDGF-ABのレベルを示し、図18Bは、TGF-β1のレベルを示し、図18Cは、VEGFのレベルを示す。対照:血清のみ。1:2%グリセロール+0.2%トリグリセリド;2:2%グリセロール+2%グリシン;3:2%グリセロール+2%セリン;4:2%グリセロール+2%トレハロース;5:2%グリセロール+2%スクロース;6:2%グリセロール+2%グルコース;7:2%グリセロール+2%ガラクトース;8:2%グリセロール+0.2%アラビノース;および9:2%グリセロール+2%リボース。血清の体積に基づいて使用される保護剤の量:%は、トリグリセリドおよびグリセロールに対しては%(v/v)を意味し、他の保護剤に対しては%(w/v)を意味する。同じスタイルのバー(凍結乾燥後の同じ期間(1時間、3か月、または12か月)後に再構成された血清)に異なる文字で表示されたデータ間の差は、統計的に有意である(P <0.05)。
発明の詳細な記載
本発明は、血清を、アルブミン、トリグリセリド、グリセロール、デキストラン、プロピレングリコール、ガラクトース、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される1つ以上の保護剤と混合することを含む、血清タンパク質の活性の保存方法を提供する。
好ましくは、方法は、血清を、アルブミン、トリグリセリド、グリセロール、デキストラン、プロピレングリコール、ガラクトース、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される2つ以上の保護剤と混合することを含む。本発明の特定の実施態様によれば、2つ以上の保護剤は、グリセロール、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される。
本発明によれば、保護剤は、次の量で添加することができる:(1)血清の体積に基づいて、0.01-10%(v/v)のグリセロール、好ましくは、0.1-5%(v/v);(2)血清の体積に基づいて、0.01%-10%(w/v)のアルギン酸塩、好ましくは、0.1-5%(w/v);および(3)血清の体積に基づいて、0.01%-10%(w/v)のトレハロース、好ましくは、0.1-10%(w/v)。
本発明の特定の実施態様では、2つ以上の保護剤は、トレハロースである第1の保護剤およびグリセロールまたはアルギン酸塩である第2の保護剤を含む。
本発明の1つの実施態様によれば、2つ以上の保護剤は、トレハロースおよびグリセロールを含む。たとえば、次の量の保護剤を添加することができる(血清の体積に基づいて):約2%(w/v)のトレハロース、および約2%(v/v)のグリセロール。
別の実施態様では、2つ以上の保護剤は、トレハロースおよびアルギン酸塩を含む。たとえば、次の量の保護剤を添加することができる(血清の体積に基づいて):約2%(w/v)のトレハロース、および約2%(v/v)のアルギン酸塩。
本発明によれば、血清は、混合工程において、デキストラン、プロピレングリコール、スクロース、ガラクトース、トリグリセリド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の保護剤とさらに混合されうる。
本発明の方法は、血清中の成長因子を分解から保護するために使用されうる。血清中の成長因子として、PDGF-AB、TGF-β1、およびVEGFが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、これらの実施例は、限定ではなく例示の目的で提供される。
血清調製
ボランティアのドナーから全血を採取したが、これは、抗凝結剤(クエン酸デキストロース抗凝固剤(ACD)調合液1 ml/血液10 ml)を入れたダブル血液バッグシステム(約50ml)(テルモBCT、日本)を使用して、静脈切開/静脈穿刺の訓練を受けた個によって実施されなければならない。採血後、チューブを数回反転させて血液を穏やかに混合し、抗凝固剤と完全に混合する。クエン酸塩チューブに採取された血液を完全に混合するために、クエン酸チューブを3〜4回反転させることが推奨され、ACDチューブを8回反転させるべきである。(A)の抗凝固血液を、1 mLの5 mM CaCl2を添加することにより活性化して、内因性トロンビンを生成させ、フィブリン重合およびPLT活性化を誘導した。混合物を凝血塊が形成されるまで穏やかに回転混合し、その後遠心分離した。遠心分離後、凝固した赤血球層の上に上澄みの透明な液体層(血清)が存在した。いずれかのグループからの上澄み液(血清)を、それぞれ、滅菌濾過チューブにプールした。
血清凍結乾燥粉末調製
採取したばかりの血清に適切な量の保護剤を加え、完全に混合して混合物を得た。その後、混合物を凍結乾燥して粉末にした。
表1:使用したグリセロール、アルギン酸塩およびトレハロース保護剤の量
Figure 2020523577
成長因子レベルの検査
凍結乾燥の1時間後、3か月後、12か月後の20 mgの血清粉末を、それぞれ1 mLの生理食塩水に溶解し、完全に混合した。市販のイムノアッセイにより、再構成後1時間以内にサンプルを分析した。標準とサンプルを3回分析し、平均値を計算した。結果に、サンプルに適用された希釈係数を掛けた。
PDGF-AB、TGF-β1、およびVEGFレベルを、ELISAアッセイによって測定した。
1.PDGF-AB:DuSet(登録商標)ELISAキット(#DY222、R&D Systems、ミネアポリス、ミネソタ)を使用してPDGF-ABレベルをアッセイした。サンプルを試薬希釈液で20倍に希釈した。プレートを2時間インキュベートし、洗浄し、PDGF-ABに対する酵素結合抗体とともに室温でさらに2時間インキュベートした。洗浄緩衝液を使用してウェルを洗浄した後、基質溶液を室温で20分間添加した。ウェルは光から保護した。停止溶液を各ウェルに添加し、マイクロプレートリーダー(Gen5、Biotek、VT、米国)を使用して450 nmにおける吸収を測定した。検出可能な用量範囲は15.6〜1000 pg/mlであった。
2.TGF-β1:TGF-β1レベルを、DueSet(登録商標)ELISAキット(#DY240、R&D Systems)によって測定した。サンプルを試薬希釈液で20倍に希釈した。TGF-β1標準の希釈系列を、TGF-β受容体IIでコーティングされた96ウェルマイクロリットルプレートに100μlの容量で調製した。TGF-β1を分析する前に、潜在的なTGF-β1を免疫反応型に活性化するために酸活性化および中和を行った。この目的のために、0.5 mlのサンプルを0.1 mlの1N HClと混合し、室温で10分間インキュベートし、0.1 mlの1.2N NaOH/Sigmaからの0.5M HEPES(N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N0-[2-エタンスルホン酸])(H-7523)を添加して中和し、遠心分離した。次いで、上清画分を総TGF-β1含量についてアッセイした。アリコート(50μl)をマイクロタイタープレートに2回塗布し、カバーして室温で2時間インキュベートした。次いで、ウェルを洗浄し、TGF-b1に対する酵素結合ポリクローナル抗体を加え、室温で2時間インキュベーションを継続した。上記のように測定を完了した。TGF-β1の検出限界範囲は、31.20〜2000 pg/mlであった。
3.VEGF:DueSet(登録商標)ELISAキット(#DY222、R&D Systems、ミネアポリス、ミネソタ)を使用してVEGFレベルをアッセイした。サンプルを試薬希釈液で2倍に希釈した。検出可能な用量範囲は、通常、31.2〜2000 pg/ml未満である。100μlのアッセイ試薬希釈液、続いて、100μlの標準(VEGF標準)を各ウェルに加えた。プレートを接着ストリップで覆い、室温で2時間インキュベートした。ウェルを4回洗浄した後、室温で2時間、酵素結合VEGFとインキュベートした。上記のように測定を完了した。
すべてのテストを3回繰り返し、結果を、SPSS22ソフトウェアによる一元配置分散分析、F検定、ダンカン検定で分析し、平均値±SDで表した。異なる文字による保存時間の同じバーストライプにおける平均は、有意に相違する(P <0.05)。結果を図1A-18Cに示す。
当業者は、その広範な発明概念から逸脱することなく、上述の実施態様に変更を加えることができることを理解するであろう。したがって、本発明は開示された特定の実施態様に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の真の趣旨および範囲内での変更を網羅するものと理解される。

Claims (10)

  1. 血清を、アルブミン、トリグリセリド、グリセロール、デキストラン、プロピレングリコール、ガラクトース、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される1つ以上の保護剤と混合して、混合物を得ること;および混合物を凍結乾燥することを含む、血清タンパク質の活性の保存方法。
  2. 血清を、アルブミン、トリグリセリド、グリセロール、デキストラン、プロピレングリコール、ガラクトース、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される2つ以上の保護剤と混合して、混合物を得ること;および混合物を凍結乾燥することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 2つ以上の保護剤が、グリセロール、アルギン酸塩、およびトレハロースからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 2つ以上の保護剤が、トレハロースである第1の保護剤およびグリセロールまたはアルギン酸塩である第2の保護剤を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 2つ以上の保護剤が、トレハロースおよびグリセロールを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 2つ以上の保護剤が、トレハロースおよびアルギン酸塩を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 混合工程において、血清が、デキストラン、プロピレングリコール、スクロース、ガラクトース、トリグリセリド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の保護剤とさらに混合される、請求項3に記載の方法。
  8. 混合工程において、血清が、デキストラン、プロピレングリコール、スクロース、ガラクトース、トリグリセリド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の保護剤とさらに混合される、請求項4に記載の方法。
  9. 混合工程において、血清が、デキストラン、プロピレングリコール、スクロース、ガラクトース、トリグリセリド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の保護剤とさらに混合される、請求項5に記載の方法。
  10. 混合工程において、血清が、デキストラン、プロピレングリコール、スクロース、ガラクトース、トリグリセリド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の保護剤とさらに混合される、請求項6に記載の方法。
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