JP2020518397A - 堅牢なインプラント可能なガス送達装置ならびにそれを含む方法、システムおよび装置 - Google Patents

堅牢なインプラント可能なガス送達装置ならびにそれを含む方法、システムおよび装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020518397A
JP2020518397A JP2019560399A JP2019560399A JP2020518397A JP 2020518397 A JP2020518397 A JP 2020518397A JP 2019560399 A JP2019560399 A JP 2019560399A JP 2019560399 A JP2019560399 A JP 2019560399A JP 2020518397 A JP2020518397 A JP 2020518397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
delivery device
implantable
porous core
gas delivery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019560399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020518397A5 (ja
JP7199632B2 (ja
Inventor
フェランテ,アンソニー,エー.
ストーン,サイモン,ジー.
Original Assignee
ガイナー ライフ サイエンシズ,インク.
ガイナー ライフ サイエンシズ,インク.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ガイナー ライフ サイエンシズ,インク., ガイナー ライフ サイエンシズ,インク. filed Critical ガイナー ライフ サイエンシズ,インク.
Publication of JP2020518397A publication Critical patent/JP2020518397A/ja
Publication of JP2020518397A5 publication Critical patent/JP2020518397A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7199632B2 publication Critical patent/JP7199632B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M31/00Devices for introducing or retaining media, e.g. remedies, in cavities of the body
    • A61M31/002Devices for releasing a drug at a continuous and controlled rate for a prolonged period of time
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/14Infusion devices, e.g. infusing by gravity; Blood infusion; Accessories therefor
    • A61M5/142Pressure infusion, e.g. using pumps
    • A61M5/14244Pressure infusion, e.g. using pumps adapted to be carried by the patient, e.g. portable on the body
    • A61M5/14276Pressure infusion, e.g. using pumps adapted to be carried by the patient, e.g. portable on the body specially adapted for implantation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • C25B1/01Products
    • C25B1/02Hydrogen or oxygen
    • C25B1/04Hydrogen or oxygen by electrolysis of water
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B9/00Cells or assemblies of cells; Constructional parts of cells; Assemblies of constructional parts, e.g. electrode-diaphragm assemblies; Process-related cell features
    • C25B9/17Cells comprising dimensionally-stable non-movable electrodes; Assemblies of constructional parts thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2202/00Special media to be introduced, removed or treated
    • A61M2202/02Gases
    • A61M2202/0208Oxygen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2202/00Special media to be introduced, removed or treated
    • A61M2202/09Body tissue
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2205/00General characteristics of the apparatus
    • A61M2205/04General characteristics of the apparatus implanted
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

インプラント可能なガス送達装置ならびにそれを含む方法、システムおよび装置一実施形態によれば、インプラント可能なガス送達装置は、その開口容積全体にわたるガスの容易な輸送を可能にする多孔質コアを含む。多孔質コアは、大きく変形することなく加圧に耐えるのに十分な引張強度を有する。多孔質コアは一般に平面であり、一対の対向する表面および周囲を含むように形作られている。拡散膜は、多孔質コアの2つの対向する表面に固定されている。ガス供給管は、多孔質コアに挿入された一端と、ガス源に接続できる他端とを有する。多孔質コアの周囲は、ガスケットで、または多孔質コアおよび/または拡散膜を密封することにより、気密に封止されている。この装置は、移植細胞カプセルまたは天然の細胞または組織にガスを送達するために使用されてもよく、または廃ガスを排出するために使用されてもよい。【選択図】図1B

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月4日に出願された、発明者Anthony A.Ferranteらによる米国仮特許出願第62/501,488号に基づく利益を米国特許法第119条の下で主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
連邦支援の研究又は開発
本発明は、米国国立衛生研究所により授与されたR44DK100999の下で政府の支援を受けてなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
本発明は、一般に、疾患、障害、および/または健康状態の治療に有用なインプラント可能な医療装置に関し、より具体的には、1つ以上のガスの送達に使用できるインプラント可能な医療装置に関する。
インプラント可能な医療装置(または「インプラント装置」)は、例えば、様々な疾患、障害、および/または健康状態の治療で治療法を提供するために使用される、一般的に採用されるツールである。インプラント装置を含む治療の例は、治療用ガスの制御された送達、医薬品の制御された送達、および治療用細胞および/または組織の送達を含む。このような治療法の送達を制御するために、様々なインプラント装置が開発されている。治療用細胞および/または組織を移植する場合のインプラント装置は、通常、拡散によってガスおよび栄養分を供給するために、大きなフォームファクタまたは低セル密度の構造部材となる。
近年、ヒトの病気や怪我を治療するための治療用ガスの使用が注目を集めている。特に、分子状水素は、脳卒中、外傷性脳損傷、パーキンソン病、関節リウマチ、乾癬、糖尿病を含む幅広い徴候の治療薬として、また心停止による虚血後の神経保護薬として提案されてきた(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献1を参照)。分子状水素は、動物モデルおよびヒトで抗炎症効果があることがわかっており、酸化ストレスを経験している患者において高くなっている活性酸素種を中和することが知られている。分子状水素を送達する技術は、吸入、水素注入生理食塩水の注入、および大気圧以上の圧力で水素ガスで飽和した水の摂取を含む。
分子状水素療法の利点として、毒性がないことが挙げられる。さらに、動物研究では虚血性脳卒中の強力な保護が示されている(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献2を参照)。最近の臨床研究は、ヒトにおいて、大きな治療効果を実証している。そのような研究の1つでは、20人の関節リウマチ患者が水素飽和水の治療を4週間毎日受けた(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献3を参照)。酸化ストレスのマーカが減少し、平均DAS28スコア(28個の関節の疾患活動性スコア)であった。別の研究では、3人の患者がいくつかの送達法を使用して分子状水素の治療を受けた(参照により本明細書に組み込まれる、非特許文献4を参照)。炎症性サイトカインレベルは低下し、DAS28およびPASI(乾癬関連炎症)スコアであった。さらに別の研究では、心停止した5人の患者を吸入により18時間分子状水素で治療し、治療によって、心停止中の無酸素症による神経損傷から保護できるか否かを判断した(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献5を参照)。生存している4人の患者の90日間のCPC(脳機能カテゴリ)スコアは1であった。これは、神経学的転帰不良の強力な予測子である高NSE(ニューロン特異的エノラーゼ)を有する患者を含む。
分子状水素療法は有望であるにも関わらず、その採用は遅かった。吸入または注入による送達は、外来または慢性使用患者にとって煩わしい。水素飽和飲料の消費は、水への水素ガスの溶解度が低いことと、患者間の摂取のばらつきにより制限される。
セルセラピーには、水素ガスに加えて他のガスが使用されている。酸素は、細胞の生存能力および機能に必要であるものとして知られているが、細胞インプラントまたはそのようなインプラントの近くに送達でき、移植細胞および/または周囲の組織に有益となる他のガスがある。例えば、二酸化炭素ガスは代謝の調節に有用であり、一酸化炭素ガスは抗炎症および抗アポトーシス効果があり得る(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献6を参照)。一酸化炭素は電気化学的に生成され得る。一酸化炭素と同様に、一酸化窒素と硫化水素は電気化学的に生成できるガスであり(すべてが参照により本明細書に組み込まれる非特許文献7、非特許文献、非特許文献9を参照)、いくつかの重要な細胞シグナル伝達経路に関与している。そのため、これらのガスは、例えば低酸素症、有毒な活性酸素種、および内皮構造の炎症に対する保護が望まれる組織治療用途に有益に適用することができる。
上記のように、インプラント装置は、治療用ガスを送達に使用されることに加えて、治療用細胞および/または組織を送達するために使用されてきた。実際、セルセラピー、特にカプセル化された細胞インプラントの研究には長い歴史がある。カプセル化は、通常、マイクロカプセル化とマクロカプセル化の2つのカテゴリに分類される。マイクロカプセル化では、移植細胞または組織は、比較的少量の細胞とともにマトリックス(例えば、ヒドロゲル)に配置される。マトリックスは、マトリックス内の移植細胞に免疫保護を提供しても提供しなくてもよい。そのようなマイクロカプセルは一般に、患者の腹膜腔に配置され、容易に回収できない。マクロカプセル化では、一般に、移植細胞を囲む(すなわち、カプセル化する)多孔膜があり、細胞を囲むマトリックスは含まれていても含まれていなくてもよい。マクロカプセル化膜は、移植細胞の収容を維持すること、移植細胞の宿主を免疫系からの隔離すること、インプラントが体内への一体化(血管新生)することを補助すること、および線維症によって体からインプラントが完全に身体に囲まれるようになることを促進することのうちの1つ以上の機能を実行してもよい。マクロカプセルは一般に、安全と交換の両方のために体から取り出されるように設計されている。一般に、単一のマクロカプセルまたは複数のマクロカプセルを使用して治療を行うことができる。
通常の生理学では、細胞は、通常、拡散により細胞に栄養を供給する血管の数百マイクロメートル以内にあるとし、マクロカプセル化されたインプラントは、典型的には薄いフォームファクタまたは構造部材を一般的に含み、通常は平面シートまたは薄く細長い円筒形の形である。しかし、最も薄い寸法でさえ、通常、最適な生理学的距離よりも大きく、細胞片の大部分は、組織学的検査で見られるように、様々な寸法の壊死性細胞コアを含む。これらの壊死性コアは、中央部の細胞死の結果である。反応拡散モデルに基づく制限栄養素は、一般に酸素と見なされる、なぜなら、グルコースなどの他の栄養素と比較して酸素の利用可能性が低いためである(ともに参照により本明細書に組み込まれる非特許文献10、非特許文献11を参照)。細胞密度が高い場合、壊死性コアはより広範囲となり(すなわち、寸法が大きい)、酸素需要がさらに増加する。一般に、外科用インプラントとして実用的かつ利用可能なインプラントサイズであるよう、細胞インプラントは十分コンパクトなサイズでありながらも所望の治療効果を有するために、高い細胞密度を有することが必要である。
細胞インプラントは、典型的には膵島または他のインスリン分泌および/またはグルコース調節細胞を含むバイオ人工膵臓を作成するために最も広く用いられてきた。しかし、細胞インプラントはまた、肝不全、パーキンソン病(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献12を参照)、(副)甲状腺疾患、血友病、アルツハイマー病、および疼痛管理、ならびにその他の健康状態および疾患の治療のために提案され、研究されている。インスリン、ヒト成長ホルモン、ドーパミン、カテコールアミン、およびその他の生理学的活性物質、ならびに/または治療化合物を分泌するインプラントが試みられてきた。
細胞インプラントマクロスケール装置は、膵島および他の細胞タイプで使用するために設計、製造、およびテストされている。いくつかは、大小の動物モデルで(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献13を参照)、また限られた範囲で、優れた生体適合性および安全性プロフィールを有するヒトにおいて(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献14)、成功裏にテストされている。このような装置はまた、ヒトを対象とし免疫抑制の低い異種免疫による1件の研究も含む、非ヒト霊長類の免疫抑制のない同種免疫および自己免疫からの保護を実証した。ただし、大型動物モデルおよび膵島供給源での研究は、臨床応用により関連性があり治療効果が不足していることを示す。
これまで、ヒト用の細胞治療装置の大型化は、膵島の生存能力および機能を支援するために十分な膵島の酸素添加に必要な装置サイズの要件によって著しく損なわれていた(参照により本明細書に組み込まれる非特許文献15を参照)。膵島(特に膵島β細胞)は、低酸素に特に敏感である。膵島の生存能力への影響に加えて、酸素欠乏は、グルコース促進インスリン分泌(GSIS)によって測定されるように、膵島機能に劇的な影響を及ぼす。GSISはエネルギー依存のプロセスであり、酸素効果の閾値は、生存能力に影響を与えるために必要なレベルよりも100倍高い酸素レベルで見られる。
様々な特許関連の文書が、細胞インプラント装置を開示している。例えば、参照により組み込まれる、2015年4月23日に公開された発明者テンペルマンらによる特許文献1では、細胞インプラントのガス処理用システムが開示されている。前述の刊行物の一実施形態によれば、システムは、(i)第1のガスを出力するように構成された電気化学装置と、(ii)細胞を受け入れるように構成された第1のチャンバを含む細胞収容サブシステム、および(iii)一端が電気化学装置に結合され、反対端が第1のチャンバに結合されている、第1のガスを電気化学装置から第1チャンバへ送るためのガス導管とを含む。別の実施形態によれば、細胞収容サブシステムは、ガスチャンバと、ガスチャンバの片側または両側にある細胞チャンバの両方を含む。前述の実施形態では、ガスチャンバは電気化学装置から第1のガスを受け取り、次いで、第1のガスはガスチャンバから1つ以上の細胞チャンバに送達される。
しかし、本発明者らは、上記のシステムでは、細胞収容サブシステムに送達されるガスが大きな圧力下にあることを発見した。実際、ガス圧は非常に大きく、効果的な治療に必要と思われる圧力で、細胞収容サブシステムを膨張させ、破裂する重大な危険をもたらす。
興味深い他の特許関連の文書は、2013年5月21日に出願された特許文献2、発明者Rotemら、2002年4月9日に付与された特許文献3、発明者Coltonら、2011年3月3日に付与された特許文献4、発明者Sternら、2010年12月30日に公開された特許文献5、発明者Tempelmanら、2009年1月8日に公開された特許文献6、発明者Rotemら、2005年6月23日に公開された特許文献7、発明者Rotemら、2003年5月8日に公開された特許文献8、発明者Coltonら、2009年3月12日に公開された特許文献9、2008年7月3日に公開された特許文献10、2006年11月16日に公開された特許文献11、および2001年7月19日に公開された特許文献12を含み、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許出願公開第2015/0112247号明細書 米国特許第8,444,630B2号明細書 米国特許第6,368,592号明細書 米国特許出願公開第2011/0054387号明細書 米国特許出願公開第2010/0330547号明細書 米国特許出願公開第2009/0012502号明細書 米国特許出願公開第2005/0136092号明細書 米国特許出願公開第2003/0087427号明細書 国際公開第WO2009/031154A2号 国際公開第WO2008/079997A2号 国際公開第WO2006/122169A2号 国際公開第WO01/50983号
Liuらによる「Hydrogen Therapy:From Mechanism to Cerebral Diseases」,Med Gas Res,6:48−54(2016) Chenらによる「Hydrogen Gas Reduced Acute Hyperglycemia−Enhanced Hemorrhagic Transformation in a Focal Ischemia Rat Model」,Neuroscience,169:402−414(2010) 石橋らによるMed Gas Res,「Consumption of Water Containing a High Concentration of Molecular Hydrogen Reduces Oxidative Stress and Disease Activity in Patients with Rheumatoid Arthritis:An Open−Label Pilot Study」2:27(2012) 石橋らによる「Improvement of Psoriasis−Associated Arthritis and Skin Lesions by Treatment with Molecular Hydrogen:A Report of Three Cases」,Mol Med Rep, 12:2757−64(2015) Tamuraらによる「Feasibility and Safety of Hydrogen Gas Inhalation for Post−Cardiac Arrest Syndrome−First−in−Human Pilot Study」、Circ J、80:1870−3(2016) Wangらによる「Donor Treatment with Carbon Monoxide Can Yield Islet Allograft Survival and Tolerance」,Diabetes、54:1400−6(2005) Chiらによる「Electrochemical Generation of Free Nitric Oxide from Nitrite Catalyzed by Iron Meso−Tetrakis(4−N−Methyl−pyridiniumyl)porphyrin」,Inorg Chem,43:8437−8446(2004) Renらによる「Electrochemically Modulated Nitric Oxide(NO)Releasing Biomedical Devices via Copper(II)−Tri(2−pyridylmethyl)amine Mediated Reduction of Nitrite」,ACS Appl Mater Interfaces,6:3779−3783(2014) Bilalらによる「Thermo−Electrochemical Reduction of Sulfate to Sulfide Using a Graphite Cathode」,Journal of apply electrochemistry,28:1073−81(1998) Avgoustiniatosらによる「Design Considerations in Immunoisolation」,Principles of tissue engineering,RG Landes Co.,Austin,TX.p.336−346(1997) Avgoustiniatosらによる「Effect of External Oxygen Mass Transfer Resistances on Viability of Immunoisolated Tissue」,Ann NY Acad Sci,831:145−67(1997) Luoら、「Recovery of Neurological Functions in Non−Human Primate Model of Parkinson´s Disease by Transplantation of Encapsulated Neonatal Porcine Choroid Plexus Cells」,J Parkinsons Dis,3:275−91(2013) Tarantalらによる「Real−Time Bioluminescence Imaging of Macroencapsulated Fibroblasts Reveals Allograft Protection in Rhesus Monkeys (Macaca Mulatta)」,Transplantation,88:38−41(2009) Tibellらによる「Survival of Macroencapsulated Allogeneic Parathyroid Tissue One Year after Transplantation in Nonimmunosuppressed Humans」,Cell Transplant,10:591−9(2001)を参照) O´Sullivanらによる「Islets transplanted in immunoisolation devices:a review of the progress and the challenges that remain」Endocr Rev,32(6):827−44(2011)
本発明の一態様によれば、インプラント可能なガス送達装置が提供され、(a)開口容積を有し、開口容積全体へのガスの輸送を可能にし、永久変形することなく引張応力に耐えるのに十分な引張強度を全方向において有する、多孔質コアと、(b)少なくとも1つのガス透過性拡散膜であって、多孔質コアの表面に固定的に結合され、それにより、少なくとも1つのガス透過性拡散膜の変形および/または剥離が、少なくとも1つの拡散膜を多孔質コアに取り付けることにより制限される、少なくとも1つのガス透過性拡散膜と、(c)多孔質コアに挿入された第1の端部と、ガス源からガスを受け取るように適合された第2の端部とを有する、ガス供給管と、を備え、(d)少なくとも1つのガス透過性拡散膜およびガス供給管によって占有されていない多孔質コアの表面は、気密封止されており、(e)インプラント可能なガス送達装置は、平面形状および気密封止を有し、加圧時に、平面形状および気密封止を維持する。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、高分子焼結体、高分子織布および不織布、硬質オープンセルフォーム、多孔質セラミックス、多孔質金属、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上からなる群から選択される生体適合性材料を含み得る。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、焼結ポリエチレン、焼結ポリプロピレン、焼結ポリエチレンテレフタレート、焼結ポリフッ化ビニリデン、焼結ポリテトラフルオロエチレン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される高分子焼結体を含み得る。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、織布または不織布ポリマーメッシュを含み得、織布または不織布ポリマーメッシュは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み得る。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、単一層で作製されたモノリシック構造であってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、複数の層および/または複数の材料から作製された複合構造であってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、2つの層を一緒に溶融することにより形成され得る。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、多孔膜を含んでもよい。
本発明のより詳細な特徴において、多孔膜は親水性微多孔膜を含んでもよい。
本発明のより詳細な特徴において、親水性微多孔質膜は、親水化延伸ポリテトラフルオロエチレン微多孔膜、親水性ポリフッ化ビニリデン微多孔膜、ポリエーテルスルホン微多孔膜、親水化ポリエチレンテレフタレートトラックエッチ微多孔膜、親水性ポリエチレン微多孔膜、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、非多孔質ガス透過性材料を含んでもよい。
本発明のより詳細な特徴において、非多孔質ガス透過性材料はシリコーン層を含んでもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、単一層から作製されたモノリシック構造であってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、複数の層を含む積層構造であってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、親水性微多孔膜および疎水性膜を含む積層構造であってもよく、疎水性膜は多孔質コアに面し、親水性膜は多孔質コアとは反対を向いていてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、親水性微多孔膜および血管新生膜を含む積層構造であってもよく、親水性微多孔膜は多孔質コアに面し、血管新生膜は多孔質コアとは反対を向いていてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、多孔質コアに直接結合されてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、多孔質コアに間接的に結合されてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、2つの対向する表面および周辺部を含むように形状化(成形)されていてもよく、周辺部は、2つの対向する表面の間に延在していてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、第1のガス透過性拡散膜および第2のガス透過性拡散膜を含んでいてもよく、第1のガス透過性拡散膜は、多孔質コアの2つの対向する表面の一方に固定的に結合されてもよく、第2のガス透過性拡散膜は、多孔質コアの2つの対向する表面の他方に固定的に結合されてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、多孔質コアの一体型端部封止によって気密封止されていてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は2つのガス透過性拡散膜を含んでいてもよく、多孔質コアは2つのガス透過性拡散膜を一緒に端部封止することによって気密封止されていてもよい。あるいは、2つのガス透過性膜が多孔質である場合、溶融した多孔質コアがガス透過性膜の細孔に流れ込むように、多孔質コアをその端部の周りで圧縮および溶融することができ、多孔質コアは溶融し、圧縮され、ガス透過性膜の細孔に流れ込む多孔質コアが封止を形成する。あるいは、多孔質コアおよびガス透過性膜を形成する材料をすべて溶融して、均一な封止を形成してもよい。
本発明のより詳細な特徴において、多孔質コアは、ガスケットで気密封止されてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、ガスケットは構造ガスケットであってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、ガスケットは熱可塑性ガスケットであってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、ガスケットは熱硬化性樹脂であってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、ガスケットは接着剤であってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、インプラント可能なガス送達装置は、少なくとも1つの組織一体化層をさらに備えてもよく、少なくとも1つの組織一体化層は、多孔質コアの反対側で少なくとも1つのガス透過性拡散層に結合される。
本発明のより詳細な特徴において、インプラント可能なガス送達装置は、少なくとも1つの疎水性層をさらに含んでもよく、少なくとも1つの疎水性層は、少なくとも1つのガス透過性拡散膜と多孔質コアとの間に配置されてもよい。
本発明の別の態様によれば、インプラント装置が提供され、インプラント装置は、(a)上記記載のインプラント可能なガス送達装置と、(b)移植細胞または組織を含む少なくとも1つのカプセルであって、インプラント可能なガス送達装置からガスを受け取るためにインプラント可能なガス送達装置と直接接触している、少なくとも1つのカプセルと、を含む。
本発明のより詳細な特徴において、少なくとも1つのカプセルは、移植細胞または組織を含む複数のカプセルを含むことができ、複数のカプセルのそれぞれは、インプラント可能なガス送達装置からガスを受け取るためにインプラント可能なガス送達装置と直接接触し得る。
本発明のさらに別の態様によれば、インプラントシステムが提供され、そのインプラントシステムは、(a)第1のガスを出力するための第1の出口を含む、インプラント可能なガス源と、(b)上記記載のインプラント可能なガス送達装置であって、インプラント可能なガス送達装置のガス供給管が、インプラント可能なガス源から第1のガスを受け取るようにインプラント可能なガス源の第1の出口に流体結合される、インプラント可能なガス送達装置と、を含む。
本発明のより詳細な特徴において、インプラント可能なガス源は、水電解装置であってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、インプラント可能なガス源は、第2のガスを出力するための第2の出口をさらに有してもよく、インプラントシステムは、経皮通気装置をさらに備えてもよく、経皮通気装置は、インプラント可能なガス源から第2のガスを受け取るようにインプラント可能なガス源の第2の出口に流体結合されてもよい。
本発明のより詳細な特徴において、インプラント可能なガス送達装置が受け取る第1のガスは酸素であってもよく、経皮通気装置が受け取る第2のガスは水素であってもよい。
本発明のより詳細な特徴において、インプラント可能なガス送達装置が受け取る第1のガスは水素であってもよく、経皮通気装置が受け取る第2のガスは酸素であってもよい。
本発明のさらなる態様によれば、インプラントシステムが提供され、そのインプラントシステムは、(a)第1のガスを出力する第1の出口と、第2のガスを出力する第2の出口とを含む、インプラント可能なガス源と、(b)第1および第2のインプラント可能なガス送達装置であって、第1および第2のインプラント可能なガス送達装置のそれぞれが、上記記載のインプラント可能なガス送達装置と同一であり、第1のインプラント可能なガス送達装置のガス供給管が、インプラント可能なガス源から第1のガスを受け取るようにインプラント可能なガス源の第1の出口に流体結合されており、第2のインプラント可能なガス送達装置のガス供給管が、インプラント可能なガス源から第2のガスを受け取るようにインプラント可能なガス源の第2の出口に流体結合される、第1および第2のインプラント可能なガス送達装置と、を含む。
本発明のより詳細な特徴において、システムは、細胞および/または組織を含む少なくとも1つのカプセルをさらに備え、少なくとも1つのカプセルは、第1のインプラント可能なガス送達装置からガスを受け取るために第1のインプラント可能なガス送達装置と直接接触していてもよい。
本発明のさらに別の態様によれば、治療用ガスを患者に送達する方法が提供され、この方法は、(a)上記記載のインプラント可能なガス送達装置を提供することと、(b)少なくとも1つのガス透過性拡散膜が組織に十分に近くガス透過性拡散膜から放出されたガスが水性媒体に溶解したガスとして患者の循環系によって吸収される位置で、患者の水性環境に、インプラント可能なガス送達装置を移植することと、(c)治療用ガスをインプラント可能なガス送達装置に供給することにより、治療用ガスが、水性媒体に溶解したガスとしてガス透過性拡散膜から放出されることと、を含む。
本発明のより詳細な特徴において、治療用ガスは水素であってもよい。
本発明のさらに別の態様によれば、インプラント装置が提供され、そのインプラント装置は、(a)酸素を出力する第1の面と水素を出力する第2の面とを有する中央電解装置アセンブリと、(b)中央電解装置の第1の面に流体的かつ機械的に結合された第1の多孔質コアであって、開口容積を有し、開口容積全体へのガスの輸送を可能にし、永久変形することなく引張応力に耐えるのに十分な引張強度を全方向において有する、第1の多孔質コアと、(c)中央電解装置の第2の面に流体的かつ機械的に結合された第2の多孔質コアであって、開口容積を有し、開口容積全体へのガスの輸送を可能にし、永久変形することなく引張応力に耐えるのに十分な引張強度を全方向において有する、第2の多孔質コアと、(d)細胞カプセルであって、第1のガス透過性拡散膜を含み、第1のガス透過性拡散膜は中央電解装置の反対側の多孔質コアの表面に固定的に結合されており、それにより、少なくとも1つのガス透過性拡散膜の変形および/または剥離が、少なくとも1つの拡散膜を多孔質コアに取り付けることにより制限される、細胞カプセルと、を含む。
本明細書および請求項の目的のために、発明が所定の方向に配置されるか、所与の方向から見られる場合に、「上(top)」、「底(bottom)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「前(front)」および「後(rear)」のような様々な関係用語を使用して本発明を説明することがある。本発明の方向を変更することにより、それに応じて特定の関係用語を調整する必要がある場合があることを理解されたい。
本発明の追加の目的、ならびに態様、特徴、および利点は、以下の説明に一部記載され、一部は説明から明らかであるか、または本発明の実施により学習され得る。説明では、実施形態の一部を形成し、本発明を実施するための様々な実施形態を例示として示す添付図面を参照する。実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明され、他の実施形態が利用され得、本発明の範囲から逸脱することなく構造的変更がなされ得ることが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最もよく定義される。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の様々な実施形態を示し、説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。これらの図面は必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではなく、特定の構成要素は、説明のために縮小および/または拡大される場合がある。図面では、同一の部分には同一の符号を付して表す。
本発明に従って構築されたガス送達装置の第1の実施形態の簡略化された斜視図および分解斜視図である。 本発明に従って構成されたガス送達装置の第2の実施形態の簡略断面図である。 多孔質コアを周辺部に加熱封止する前の図2Aのガス送達装置の簡略断面図である。 本発明に従って構成されたガス送達装置の第3の実施形態の簡略断面図である。 熱可塑性ガスケットの加熱封止前の図3Aのガス送達装置の簡略断面図である。 本発明に従って構成されたガス送達装置の第4の実施形態の簡略断面図である。 加熱封止前の図4Aのガス送達装置の簡略断面図である。 本発明に従って構成されたガス送達装置の第5の実施形態の簡略断面図である。 加熱封止前の図5Aのガス送達装置の簡略断面図である。 本発明に従って構成されたガス送達装置の第6の実施形態の簡略斜視図である。 加熱封止前の図6Aのガス送達装置の簡略分解斜視図である。 本発明に従って構成されたガス送達装置の第7の実施形態の簡略化された分解斜視図であり、加熱封止前のガス送達装置が示されている。 本発明に従って構成されたガス送達装置の第8の実施形態の簡略化された分解斜視図であり、加熱封止前のガス送達装置が示されている。 本発明に従って構成されたガス送達装置の第9の実施形態の簡略化された分解斜視図であり、加熱封止前のガス送達装置が示されている。 本発明に従って構成されたガス拡散器/細胞カプセル複合装置の第1の実施形態の簡略化された分解斜視図であり、加熱封止前のガス拡散器/細胞カプセル複合装置が示されている。 本発明に従って構成されたガス拡散器/細胞カプセル複合装置の第2の実施形態の簡略断面図である。 加熱封止前の図11Aのガス拡散器/細胞カプセル複合装置の簡略断面図である。 本発明に従って構成された、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第1の実施形態の簡略化された分解斜視図であり、加熱封止前のシステムが示されている。 本発明に従って構築された、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第2の実施形態の簡略化された概略図である。 本発明に従って構成された、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第3の実施形態の簡略化された概略図である。 本発明に従って構築された、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第4の実施形態の簡略化された概略図である。 本発明に従って構築された、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第5の実施形態の簡略化された概略図である。 本発明のガス送達装置の多孔質コアとしての使用に適したスパンボンドポリエステル不織布の写真および走査型電子顕微鏡写真である。 スパンボンドおよびメルトブローンポリプロピレンの層を含むファブリック(布)の写真および走査型電子顕微鏡写真であり、ファブリックは、本発明のガス送達装置の多孔質コアとして使用するのに適している。 フラッシュスピニングによって製造された多孔質高密度ポリエチレンフィルムの走査型電子顕微鏡写真であり、フィルムは、本発明のガス送達装置の多孔質コアとしての使用に適している。 本発明のガス送達装置の多孔質コアとして使用するのに適した焼結超高分子量ポリエチレン材料の写真である。 ポリプロピレンコアおよび低密度ポリエチレンシースを有する繊維からなる不織材料の写真であり、不織材料は、本発明のガス送達装置の多孔質コアとしての使用に適している。 実施例1のガス送達装置の写真である。 実施例1に述べた結果を示すグラフである。 実施例2のガス送達装置の写真である。
上述のように、治療用ガスを体内に送達することが望ましい様々な状況がある。このような状況では、拡散速度が、ガスを吸収する受容環境の能力を超えないように、制御された方法でガスを送達する安全で効果的な手段が必要である。例えば、酸素、水素、硫化水素、一酸化窒素、一酸化炭素、および二酸化炭素のうちの1つ以上などの治療用ガスを、損傷を受けた組織に送達することが望ましい場合がある。そのような場合、治療用ガスを装置表面を横切って送達して治療用量を患部に送達できるように、送達装置を損傷箇所の近くに移植することが望ましい。別の例では、密接な血管新生を促進するように設計された表面を備えた装置を使用して、治療用ガスを全身に送達することが望ましい場合がある。さらに別の例では、過度のガス圧により統合コンパートメントに損傷が生じるというリスクをもたらすことなく、1つ以上の治療用ガス、例えば、限定されないが酸素や水素を、細胞治療法を含む統合コンパートメントに送達することが望ましい場合がある。
本発明は、部分的に、上記のニーズの多くに対処する新規なインプラント装置に関する。より具体的には、一実施形態によれば、新規なインプラント装置はガス送達装置を含む。以下でさらに説明するように、本発明のガス送達装置は、例えば、ガスを水に溶解し、および/または通過するガス流量を制御する拡散膜にガスを通過させることにより、制御された方法でガスを送達するように構成されることが好ましい。このようにして、高いガス圧でガスを送達することで生じる有害な作用が大幅に減少する。
本発明のガス送達装置は、1つ以上のガスを所望の位置に送達するために多くの方法で使用され得る。例えば、ガス送達装置を使用して、患者内に移植された1つ以上の細胞カプセルに1つ以上の治療用ガスを送達することができる。あるいは、ガス送達装置を使用して、特定の細胞または組織が本来の状態で存在する患者内の標的位置に1つ以上の治療用ガスを送達してもよい。あるいは、ガス送達装置を使用して、全身への効果のために、またはガスが特定の治療効果を有する可能性がある細胞または組織に対するより標的を絞った効果のために、患者の循環系に1つ以上の治療用ガスを送達し、患者の全身にガスを拡散する。あるいは、ガス送達装置は、患者の呼吸器系を通して患者から排出されるよう、患者の循環系に1つ以上の廃ガスを送達するために使用されてもよい。あるいは、ガス送達装置を使用して、参照により本明細書に組み込まれる2017年11月15日出願された、発明者フェランテらによるUS特許出願15/814,298に開示されているタイプの経皮ガス拡散装置に排出するための1つ以上の廃ガスを送達することができる。
本発明のガス送達装置によって送達される1つ以上のガスは、例えば、インプラント電気化学ガス生成装置を使用して患者の体内でその場(in situ)で発生させることができ、その例は、2017年11月15日に出願された発明者ストーンらによる米国特許出願公開第2015/0112247A1および米国特許出願公開第15/814,124に開示されており、ともに参照により本明細書に組み込まれる。この方法で生成されたガスは次いで、一端がインプラント電気化学ガス生成装置に結合され、他端がガス送達装置に結合された供給管を使用してガス送達装置に供給され得る。あるいは、患者の体内でガスをその場で生成する代わりに、ガス送達装置に供給される1つ以上のガスを、電気化学的または他の方法で患者の外部で生成し、その後、例えばU.S.S.N.15/814,298号に開示されているタイプの経皮ガス拡散装置および/または供給管を使用して、ガス送達装置に搬送することができる。あるいは、1つ以上のガスを、患者の体内のガス貯蔵装置に連続的または定期的に供給し、次いで、供給管または他の手段を使用してガス貯蔵装置からガス送達装置に運んでもよい。
本発明のインプラント装置は、ガス送達装置に加えて、ガス送達装置に結合された1つ以上の細胞カプセルをさらに含んでもよい。このようにして、例えば、ガス送達装置を使用して、1つ以上のガスを1つ以上の細胞カプセルのそれぞれに送達することができる。
本発明はまた、一部には、細胞または組織が移植されたものか天然かに関わらず、そのような細胞または組織に1つ以上のガスを送達するためのシステムに関する。一実施形態によれば、システムは、上述のようなガス送達装置を備えてもよく、さらにガス生成装置を備えてもよい。ガス生成装置は、上述のタイプのインプラント電気化学ガス生成装置であってもよく、ガス送達装置とガス生成装置とは、例えば、一端がガス生成装置に、他端がガス送達装置に接続可能な供給管により互いに結合されてもよい。別の実施形態によれば、システムは、ガス送達装置に結合された1つ以上の細胞カプセルをさらに備えてもよい。例えば、ガス生成装置が水電解装置である場合、システムは、水電解装置の酸素出口に結合された第1のガス送達装置と、水電解装置の水素出口に結合された第2のガス送達装置とを備えていてもよい。必要に応じて、例えば、第1のガス送達装置を使用して1つ以上の細胞カプセルに酸素を供給し、第2のガス送達装置を使用して、例えば、水素を、経皮ガス拡散装置に、または患者から排出するための血流におよび/もしくは治療効果のために患者の全身への拡散のための血流に、送達してもよい。あるいは、細胞カプセルが存在しない場合、第1のガス送達装置を使用して、例えば、酸素を経皮ガス拡散装置または患者からの排出のための血流に送達し、第2のガス送達装置を使用して、例えば、水素を治療効果のために患者の全身へ拡散させるため血流に、または近くの組織に直接送達してもよい。
大まかに言えば、本発明のガス送達装置は、(i)対流および/または拡散によってガスが自由に移動できる多孔質コアであって、好ましくは永久変形することなく引張応力(例えば、最大約25psi、好ましくは最大約50psiの加圧)に耐えるのに十分な引張強度を全方向において有する、多孔質コアと、(ii)多孔質コアに強固に固定されている(例えば、接着により)少なくとも1つのガス透過性拡散膜(本明細書では単に「拡散膜」と表記されることもある)とを含んでもよい。
多孔質コアは、様々な生体適合性材料から形成されてもよいが、拡散および/または対流により多孔質コアを通るガスの高速平衡を可能にする必要がある。多孔質コアは、単一の層および単一の材料で作製されるモノリシック構造であってもよく、または複数の層および/または複数の材料で作製される複合構造であってもよい。多孔質コアでの使用に適した材料の例は、高分子焼結体、高分子織布および高分子不織布、硬質オープンセルフォーム、多孔質セラミックス、並びに多孔質金属のうちの1つ以上を含んでもよい。
多孔質コアでの使用に適した高分子焼結体は、焼結ポリエチレン、焼結ポリプロピレン、焼結ポリエチレンテレフタレート、焼結ポリフッ化ビニリデン、焼結ポリテトラフルオロエチレン、およびそれらの組み合わせなどの生体適合性高分子焼結体などを含んでもよいが、これらに限定されない。そのような高分子焼結体材料の例は、POREX(登録商標)XS−96193焼結材料(GA,Fairburn,Porex Filtration Group Inc.)として市販されているような、焼結超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)が含まれ得る。
多孔質コアでの使用に適した高分子織布および不織布には、ポリマーメッシュが含まれるが、これに限定されない。そのような織布または不織布ポリマーメッシュは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含むことができる。
適切な高分子不織布材料の例は、REEMAY(登録商標)Style 2016 fabric(New Jersey,Farmingdale,Kavon Filter Products Co.)として市販されているような、スパンボンドポリエチレンテレフタレートファブリックであってもよい。このファブリック素材の厚さと剛性は多様であり、その表面には多くの接触点があり、付着膜の細孔の大部分を塞ぐことなく、微多孔質拡散膜に強力に付着できる。
多孔質コアでの使用に適した高分子不織布材料の別の例は、WPT Nonwovens SB−201−45−S/B fabric(KY,Beaver Dam,WPT Nonwovens Corp)として市販されているような、スパンボンドおよびメルトブローンポリプロピレンの層を含むファブリックであってもよい。このファブリック素材は、前述のREEMAY(登録商標)Style 2016 fabricよりも気孔率がはるかに低く、ガスカプセルのコアへの水の浸入を防ぎ、固定された1つ以上の拡散膜をサポートする。
多孔質コアでの使用に適した高分子不織布材料のさらに別の例は、TYVEK(登録商標)fabric(DE,Wilmington,E.I du Pont de Nemours and Company)として市販されているような、不織布、フラッシュスピニングおよび熱接着高密度ポリエチレンファブリックであり得る。このファブリック素材は、様々な厚さおよび孔径で入手可能であり、滅菌包装の医療用途で広く利用されている。
多孔質コアでの使用に適した高分子不織布材料のさらに別の例は、POREX(登録商標)HRM36777(GA,Fairburn,Porex Filtration Group Inc.)として市販されているポリプロピレンコアおよび低密度ポリエチレンシースを有する繊維で構成された不織布材料である。この構造により、広範囲の拡散膜に適合し、ポリプロピレンによって提供される構造を崩壊させない温度でのラミネート形成が可能になる。
好ましい実施形態では、多孔質コアは、2つの対向する表面および周辺部を含むように成形された略長方形の平面構造であり、少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、多孔質コアの2つの対向する表面それぞれに固定された少なくとも1つのガス透過性拡散膜を含む。あるいは、2つのガス透過性拡散膜の一方は、ガスが通過できないようにする封止または他の構造に置き換えられて、2つの対向する表面の一方のみから、ガスが多孔質コアから拡散するようにしてもよい。
ガス透過性拡散膜は、多孔質生体適合性材料またはガス透過性非多孔質生体適合性材料を含んでもよい。ガス透過性拡散膜が多孔質材料を含む場合の多孔質材料は微多孔質膜であってもよい。好ましくは、そのような微多孔質膜は親水性微多孔膜であり、その孔は、装置の動作中は、局所環境からの水で満たされていてもよい。ガス透過性拡散膜としてこのような親水性膜を使用することで、多孔質コア内の圧力がガス透過性拡散膜のバブルポイントより低い圧力に保持されていれば、多孔質コアに入るガスが、膜にトラップされた液体にまず溶解し、その後周囲の体組織またはカプセル化された細胞に拡散することを確実とする。溶けなかったガスが膜を通って流れ、取り付けられた細胞カプセルまたは周囲の組織にガスが閉じ込められることがないようにすることが好ましい。
ガス透過性拡散膜として使用するのに適した微多孔質材料の例は、以下の、BIOPORE(登録商標)膜(MA,Burlington,MilliporeSigma)などの微多孔質親水性延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜、DURAPORE(登録商標)GVWPまたはDVPP膜(MA,Burlington,MilliporeSigma)などの微多孔質親水性ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜、微多孔質ポリエーテルスルホン膜、ポリビニルピロリドンへの結合またはプラズマ処理により親水性にされた微多孔質ポリエチレンテレフタレートトラックエッチ膜(FL,Cape Coral,Sabeu)、およびMIRAIM膜(Jpan,Tokyo,Teijin Limited)などの微多孔質親水性ポリエチレン膜が含まれるが、これらに限定されない。
あるいは、ガス透過性拡散膜が非多孔質ガス透過性材料を含む場合の材料は、例えば、薄いシリコーン層であってもよい。この場合、ガスは、制御された流量でガス透過性拡散膜を透過し、その後、ガス透過性拡散膜の外面上の水性環境に溶解し得る。
ガス透過性拡散膜自体は、モノリシック構造の単一層であっても、上記の複数の材料を含むラミネートであっても、および/または1つ以上の追加機能を提供できる他の層であってもよい。追加の機能性を提供するために複数の層を含むことができる膜材料の例は、THERACYTE血管新生膜(CA,Laguna Hills,TheraCyte,Inc.)であり、これは親水性細胞バリア層、密接な血管新生および体組織との一体化を促進する層、および構造層を含む。
ガス透過性拡散膜は、複数の点で多孔質コアに取り付けられることにより、多孔質コアに固定されてもよい。いくつかの実施形態では、ガス透過性拡散膜は、熱と圧力の組み合わせにより多孔質コアに直接結合されてもよい。いくつかの実施形態では、圧力によりガス透過性拡散膜が多孔質コアに結合されるように、多孔質コア材料を軟化させる溶媒を使用してガス透過性拡散膜が多孔質コアに直接結合されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤を使用して、ガス透過性拡散膜を多孔質コアに結合してもよい。いくつかの実施形態では、限定されないが疎水性層などの1つ以上の層が、ガス透過性拡散膜と多孔質コアとの間に挿入されてもよい。
好ましくは、多孔質コアの周辺部を通って多孔質コア内からの望ましくないガスの排出を防ぎ、ガスが実質的に1つ以上のガス透過性拡散膜を通して送達されることを確実にするために、多孔質コアは周辺部が密封されている。そのような周辺封止は、様々な方法で実施することができる。例えば、周辺封止は、ガス透過性拡散膜を互いに周辺部で加熱封止することによって、多孔質コアの材料が周囲封止を形成し、ガス透過性拡散膜の孔に浸透するように、多孔質コアの周辺部を加熱封止することによって、多孔質コアとガス透過性拡散膜の材料がモノリシック封止を形成するように、多孔質コアの周辺部を加熱封止することによって、多孔質コアの周辺部を加熱封止することによって、多孔質コアの端部の中および/または多孔質コアの端部の周囲に流れる熱可塑性ガスケットを使用することによって、構造ガスケットを使用することによって、または上記の組み合わせによって、達成され得る。
好ましくは、ガス送達装置は、多孔質コアの内部にガスを導入するために、多孔質コアの周辺部を通るガス供給部材または他の流路をさらに備える。ガス供給部材は、多孔質コアの封止された周辺部を通って多孔質コア内に挿入される一端と、ガス源に結合された他端とを有する管であってもよい。あるいは、ガス供給部材は、多孔質コアの内部にガスを導入するために使用され得る任意の種類のビア、導管、チャネル、ポート、経路またはガス経路具であり得る。いくつかの実施形態では、複数のガスが複数の供給管または流路を通って多孔質コアに送達されてもよい。
本明細書では、上記の多孔質コア、少なくとも1つのガス透過性拡散膜、周辺封止、およびガス供給部材を含むガス送達装置を、代わりにガス拡散器またはスキャフォールド(足場;scaffolded)ガス拡散器と表記する場合がある。
上記のように、ガスは体外で生成され、その後経皮的にガス送達装置に供給されてもよい。あるいは、加圧ガス容器、化学ガス生成器、電気化学ガス生成器、またはそれらの組み合わせなどのインプラント医療装置を使用して、ガスが体内で保存または生成されてもよく、そのようなガスは管などの流路を介してガス送達装置に供給されてもよい。あるいは、ガス送達装置は、インプラントガス源と統合されてもよい。
例えば、治療用水素は、インプラント可能な水電解装置を使用して生成される。このようにして生成された水素が、その後本発明のガス送達装置に供給されることで、循環系を介して局所組織にまたは全身に水素が送達され得る。この例では、本発明の第2のガス送達装置を使用して廃棄酸素を身体に拡散させることができ、または廃棄酸素を身体から経皮的に除去することができる。同様に、インプラント水電解装置によって生成された酸素を治療用ガスとして使用し、本発明のガス送達装置を使用して局所組織に送達することができ、本発明の第2のガス送達装置を使用してまたは経皮装置を介して廃棄水素を除去することができる。
上述のように、本発明のガス送達装置は、廃ガスを水に溶解することにより廃ガスを安全に放散するように機能し得る。例えば、インプラント水電解装置を使用して酸素をインプラント可能な細胞カプセルに送達する場合、水電解装置により生成された廃棄水素ガスを本発明の気体送達装置に送達して、廃棄水素ガスを近くの組織および循環系に安全に送達できるようにし、呼気によって廃棄水素ガスを体から除去することできる。本発明のガス送達装置は、移植細胞カプセルを含むシステムの構成要素であってもよく、カプセル化された細胞に酸素を安全に送達するように機能してもよい。
本発明のガス送達装置では、ガスは好ましくは周囲組織に対して正圧で送達される。圧力差は、用途およびガス供給システムの設計に応じて、周囲圧力または血圧よりも約0.1から50psi高い範囲である場合があり、つまり、上限は積層膜のバブルポイントよりも低くなる。上述のガス送達装置は、好ましくは、多孔質コア全体を均一なガス濃度に維持することを可能にする多孔質コアを含む。多孔質コアは、少なくとも1つの表面上で拡散膜によって画定されることが好ましい。多孔質コアにガスを供給するためのガス供給部材が提供されてもよい。ガスの流れを制限するために多孔質コアの表面を封止する構成も提供され得る。好ましくは、ガスが、装置に規定された圧力定格内で送達されるときに、拡散膜もスキャフォールド拡散器全体も実質的に変形しないように、拡散膜は複数の点で多孔質コアに結合される。結合強度は、装置の内部と外部の間の圧力差だけでなく、インプラント治療用装置に予測される他の機械的応力の妥当な程度および周波数を含む(すなわち、曲げ、ねじれ、圧縮、衝撃)、装置の通常の動作条件下で、剥離を防ぐのに十分な強度である必要がある。
特定の実施形態では、拡散膜に存在する水が多孔質コアに入るのを防ぐことが望ましい場合がある。このことは、拡散膜材料の特性を調整することと、多孔質コアに非湿潤性材料を選択することと、多孔質コアへの液体の侵入を防ぎ、スキャフォールドガス拡散器の関連する特性を維持する追加の介在膜層を提供することのうちの1つ以上によって実現できる(すなわち、ガスに対して透過性のままで、多孔質コアと拡散膜要素の両方に強力な機械的結合を形成する)。追加の介在膜層が使用される場合の層は、例えば、1つ以上の疎水性層であってもよい。
特定の実施形態では、スキャフォールドガス拡散器を使用して、酸素および/または水素などの治療用ガスを、細胞治療法(例えば、カプセル化された細胞または組織)を収容する(1つまたは複数の)統合コンパートメントに送達することができる。そのような実施形態では、スキャフォールドガス拡散器は、スキャフォールドガス拡散器の拡散膜を介した拡散により、細胞コンパートメントに治療用ガスを提供するように機能し得る。そのような実施形態では、拡散膜は、カプセル化された細胞または組織の移植を改善する特徴を含み得る。拡散膜を多孔質コア媒体に結合することで、細胞コンパートメント内に曲がり、カプセル化された細胞または組織に侵入し得る拡散膜の変形を防ぐ。
特定の実施形態では、ガス送達装置に結合される細胞カプセルは、その周囲に、細胞カプセル全体で均一な高さを可能にするスペーサを組み込んでもよい。そのような構成により、他のガス対応細胞カプセルで実証されているよりも、細胞がより均一に分布し、治療用ガスがより均一に送達されるようになる。場合によっては、スキャフォールド拡散器の両側に、送達装置の各側に1つずつ、2つの統合された細胞コンパートメントが配置されていてもよい。場合によっては、インプラント水電解装置によって酸素が生成され、スキャフォールドガス拡散器を使用して統合細胞カプセルに酸素が供給される場合がある。細胞カプセルが統合されていない第2のスキャフォールドガス拡散器を使用して、廃棄水素を安全に放散して、体内から除去できるようにすることができる。
特定の実施形態では、水電解装置と細胞コンパートメントの両方を装置と統合することができる。場合によっては、酸素ガスは、非常に短い距離にわたって、一方の面に自身の血管新生された組織界面を有する細胞カプセルに直接送達され、水素は、対向面(反対側の面)の血管新生された界面を介して組織に拡散され得る。両方の界面は、水素と酸素を生成する電気分解反応を供給するための拡散水の供給源として機能することができる。酸素ガスコンパートメントと細胞カプセル、および水素ガスコンパートメントと血管新生組織界面との界面が、必要とされる差圧に対して著しく良好に支持されるため、本発明は細胞移植システムの以前の統合バージョンを改善するものである。
特定の実施形態では、インプラント電気化学的酸素生成器は、典型的な電解カソード反応で水素が生成されないように動作し得る。そのような場合、カソード反応は、既存の組織溶解酸素の電気化学的還元、経皮的に空気界面を介した拡散により送達された酸素の電気化学的還元、または同時移植された(1回の使用のみ)金属酸化物または他の酸化剤の電気化学的還元を伴う場合がある。
ここで図1Aおよび図1Bを参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第1の実施形態の様々な図が示されており、ガス送達装置は、概して符号11で表されている。(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置11の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)
ガス送達装置11は、多孔質コア13を備え得る。多孔質コア13は上記の多孔質コア材料のいずれかから形成されて、拡散および/または対流により、多孔質コアを通るガスが迅速に平衡化されるようにする。本実施形態では、多孔質コア13は単層で作製されるモノリシック構造を有するものとして示されているが、多孔質コア13はそのように構成する必要はなく、複数の層および/または複数の材料で作製される複合構造であってもよいことを理解されたい。本実施形態では、多孔質コア13は、上面15、底面17、および上面15と底面17との間に延在する周辺部19を含む略平坦な楕円形構造である。しかしながら、多孔質コア13の形状は単に例示的なものであり、多孔質コア13は他の形状を取り得ることを理解されたい。
ガス送達装置11は、第1の拡散膜25および第2の拡散膜27をさらに備え得る。第1の拡散膜25および第2の拡散膜27のそれぞれは、上記のガス透過性拡散膜材料のいずれかから形成され得る。本実施形態では、第1の拡散膜25および第2の拡散膜27は、互いに組成および構造が同一であってもよいが、必ずしもそうである必要はない(実際、膜25および27の一方のみを介して、ガスが多孔質コア13から出るようにしたい場合、拡散膜25および27の一方を封止部に置き換えることができる。)。第1の拡散膜25および第2の拡散膜27は、多孔質コア13の上面15および底面17の面積にそれぞれ略一致する面積を有し得、第1の拡散膜25および第2の拡散膜27は、多孔質コア13の上面15および底面17に、例えば、接着剤、材料の点溶接、または積層などの、これらに限定されない任意の適切な技術によって、それぞれ結合または固定され得る。
ガス送達装置11は、供給管29をさらに備えてもよい。ガス源(図示せず)から多孔質コア13にガスを供給するために使用され得る供給管29は、第1の端部29−1および第2の端部29−2を有する管状部材であり得る。第1の端部29−1は、ガス源に結合され得る。第2の端部29−2は、例えば、周辺部19を通して、多孔質コア13に設けられたノッチ31に挿入され、多孔質コア13内に固定され得る。
ガス送達装置11は、封止ガスケット33をさらに備えてもよい。非多孔質のガス不透過性材料製の封止ガスケット33は、任意の適切な技術によって多孔質コア13の周辺部19に固定され得る。封止ガスケット33は、供給管29を通じて多孔質コア13に導入されたガスが周辺部19から出ないようにし、代わりに拡散膜25および27から出ることを確実にするように機能してもよい。封止ガスケット33は、供給管29が挿入され得る開口部35を含むように成形され得る。
ガス送達装置11は、上記の方法のいずれかで使用され得る。例えば、拡散膜25および/または27は、ガスの送達が望まれる位置に接触または近接して配置され得る。より具体的には、ガスを1つ以上の細胞カプセルに供給したい場合、拡散膜25および/または27が1つ以上の細胞カプセルと接触または近接するように、ガス送達装置11が配置される。代替的または追加的に、治療目的で、または患者からガスを排出するために、天然環境の細胞または組織にガスを直接供給したい場合、ガス送達装置11は、拡散膜25および/または27がそのような天然の細胞または組織と接触または近接するように配置されてもよい。
理解されるように、多孔質コア13は高い引張強度を有するように構成されることが好ましく、拡散膜25および27は多孔質コア13に強固に結合されるために、ガス送達装置11は変形することなく大きな加圧に耐えることができる。さらに、拡散膜25および27は、好ましくはガスを水に溶解しながら放出させる親水性材料で作製され、あるいは、ガスをゆっくりと放出させる非多孔質ガス透過性材料から作製されるため、装置11からのガスの送達は、より制御された方法で達成され得る。
ここで図2Aを参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第2の実施形態の簡略断面図が示されており、ガス送達装置は、概して符号111で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置111の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス送達装置111は、多くの点でガス送達装置11と同様であってもよい。例えば、ガス送達装置111は、多孔質コア13に概ね類似する多孔質コア121、第1の拡散膜25に概ね類似する第1の拡散膜125、第2の拡散膜27に概ね類似する第2の拡散膜127、および供給管29に概ね類似する供給管129を含むことができ、第1の拡散膜125は多孔質コア121の上面に固定され、第2の拡散膜127は多孔質コア121の底面に固定され、供給管129は多孔質コア121の周辺部を通って多孔質コア121に挿入され得る。しかしながら、ガス送達装置11とは対照的に、ガス送達装置111は、封止ガスケット33を含まない。代わりに、多孔質コア121、第1の拡散膜125、および第2の拡散膜127を形成するために使用される材料は、好ましくは、多孔質コア121の融解温度が第1の拡散膜125および第2の拡散膜127の融解温度よりも低くなるように選択され得る。このようにして、多孔質コア121は、その周辺部で選択的に溶融されて、供給管129の周りと、第1の拡散膜125と第2の拡散膜127との間に気密封止133を形成することができる。必要に応じて、供給管129は、供給管129と多孔質コア121との間の均一な封止を確実にするために、多孔質コア121と同様の融解温度を有する材料で作製されてもよい。あるいは、供給管129は、多孔質コア121よりも高い融点を有してもよい。拡散膜の結合および周囲封止の形成後に流路が残ることを確実にするために、ガス送達装置111の製造中に、ステンレス鋼ピンゲージまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィラメントなどの非溶融物を供給管129に挿入してもよい。
図2Bでは、気密封止133を形成するために多孔質コア121を溶融する前の、多孔質コア121、第1の拡散膜125、第2の拡散膜127、および供給管129が示されている。
ここで図3Aを参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第3の実施形態の簡略断面図が示されており、ガス送達装置は、概して符号211で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置211の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス送達装置211は、多くの点でガス送達装置11と同様であってもよい。例えば、ガス送達装置211は、多孔質コア13に概ね類似する多孔質コア221、第1の拡散膜25に概ね類似する第1の拡散膜225、第2の拡散膜27に概ね類似する第2の拡散膜227、および供給管29に概ね類似する供給管229を含むことができ、第1の拡散膜225は多孔質コア221の上面に固定され、第2の拡散膜227は多孔質コア221の底面に固定され、供給管229は多孔質コア121の周辺部を通って多孔質コア221に挿入され得る。しかしながら、ガス送達装置11とは対照的に、ガス送達装置211は、封止ガスケット33を含まない。代わりに、ガス送達装置211は、多孔質コア221の周辺部を密封する封止ガスケット233を備えてもよい。図3Bで最もよく分かるように、封止ガスケット233は、一対の熱可塑性部材235−1および235−2を溶融することにより形成され得る。トラック形状構造であり得る熱可塑性部材235−1は、第1の拡散膜225上に配置され得、多孔質コア221および第1の拡散膜225のそれぞれの周囲をわずかに超えて延び得る。同様に、熱可塑性部材235−1とサイズ、形状および組成が同一であり得る熱可塑性部材235−2は、第2の拡散部材227の下に配置され得、多孔質コア221および第2の拡散部材227のそれぞれの周囲をわずかに超えて延び得る。熱可塑性部材235−1および235−2にエネルギーを照射することより、熱可塑性部材235−1および235−2が互いに溶け込み、多孔質コア221の周辺部の細孔(および第1の拡散部材225および第2の拡散部材227のそれぞれの周辺部の細孔)を満たし、供給管229に接着して気密封止を形成することを可能にする。理解され得るように、熱可塑性部材235−1および235−2が多孔質コア221へ容易に浸透するよう、第1の拡散部材225および第2の拡散部材227は好ましくは多孔質である。
ここで図4Aを参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第4の実施形態の簡略断面図が示されており、ガス送達装置は、概して符号311で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置311の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス送達装置311は、多くの点でガス送達装置111と同様であってもよい。例えば、ガス送達装置311は、多孔質コア121に概ね類似する多孔質コア321、第1の拡散膜125に概ね類似する第1の拡散膜325、第2の拡散膜127に概ね類似する第2の拡散膜327、および供給管129に概ね類似する供給管329を含むことができる。ガス送達装置311とガス送達装置111との間の主な違いは、ガス送達装置311および111が製造され得るそれぞれの方法である。図4Bで最もよく分かるように、主題のガス送達装置は、供給管329が間に挿入され得る一対の多孔質コア層333−1および333−2を提供することにより組み立てられ得る。多孔質コア層333−1および333−2は、互いに同一であってもよく、それぞれが、2つの異なる熱可塑性物質から構成される不織材料から作製されてもよい。そのような不織布材料の例は、HRM36777(GA,Fairburn,Porex Filtration Group Inc.)であり、これは、ポリエチレンコーティングまたはシースを有するポリプロピレンコア繊維から形成される。熱エネルギーの初期適用は、拡散膜325を多孔質コア層333−1に結合し、拡散膜327を多孔質コア層333−2に結合し、また多孔質コア層333−1および333−2を互いに結合して多孔質コア321を形成するために使用され得る。次いで、周囲部に照射されたエネルギーの第2の適用により、多孔質コア321の両方の熱可塑性成分を溶融させて周囲封止335を形成する。これにより、製造中に供給管329の端部から拡散膜325および327が保護されるため、組み立てが容易となる。
ここで図5Aを参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第5の実施形態の簡略断面図が示されており、ガス送達装置は、概して符号411で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置411の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス送達装置411は、多くの点でガス送達装置311に類似していてもよい。例えば、ガス送達装置411は、多孔質コア321に概ね類似する多孔質コア421、第1の拡散膜325に概ね類似する第1の拡散膜425、第2の拡散膜327に概ね類似する第2の拡散膜427、および供給管329に概ね類似する供給管429を含むことができる。ガス送達装置411とガス送達装置311との主な違いは、ガス送達装置411が、2つの熱可塑性部材の溶融によって形成された封止ガスケット431を備え得ることであり得る。図5Bで最もよく分かるように、主題のガス送達装置は、供給管429と熱可塑性部材435−1および435−2が間に挿入され得る一対の多孔質コア層433−1および433−2を提供することにより組み立てられ得る。熱エネルギーを使用して、拡散膜425を多孔質コア層433−1に結合し、拡散膜427を多孔質コア層433−2に結合し、また多孔質コア層433−1および433−2を互いに結合して、多孔質コア421を形成し、熱可塑性部材435−1および435−2を互いにかつ供給管429の周りに結合して、封止ガスケット431を形成してもよい。
ここで図6Aおよび6Bを参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第6の実施形態の様々な図が示されており、ガス送達装置は、概して符号511で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置511の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス送達装置511は、特定の点でガス送達装置11と同様であってもよい。例えば、ガス送達装置511は、多孔質コア13に概ね類似する多孔質コア521(図6Bを参照)、第1の拡散膜25に概ね類似する第1の拡散膜525、第2の拡散膜27に概ね類似する第2の拡散膜527、および供給管29に概ね類似する供給管529を含むことができる。多孔質コア521は、好ましくは、ガス送達装置511の隣接する構成要素との結合を可能にする1つ以上の材料を含む。
ガス送達装置511は熱可塑性ガスケット531(図6Aを参照)をさらに含み得るという点で、ガス送達装置11と異なってもよく、熱可塑性ガスケット531は、多孔質コア521の直上に配置された第1の熱可塑性部材532−1(図6Bを参照)と、多孔質コア521の直下に配置された第2の熱可塑性部材532−2(図6Bを参照)とを一緒に溶かすことによって形成されてもよい。熱可塑性部材532−1および532−2は、ガス送達装置211の熱可塑性部材235−1および235−2と同様であってもよい。
また、ガス送達装置511は、第1の疎水性膜541−1および第2の疎水性膜541−2をさらに含み得るという点で、ガス送達装置11とさらに異なり得る。熱可塑性部材532−1および532−2を溶融する前に、第1の疎水性膜541−1を第1の拡散膜525と熱可塑性部材532−1との間に配置し、第2の疎水性膜541−2を第2の拡散膜527と熱可塑性部材532−2との間に配置してもよい。特に拡散膜525および527が親水性材料を含む場合、第1の疎水性膜541−1および第2の疎水性膜541−2は、水が多孔質コア521に浸透しないように機能し得る。疎水性膜541−1および541−2は、1つ以上の疎水性または超疎水性材料を含み得る。疎水性膜541−1および542−2としての使用に適した材料の例として、SUPOR(登録商標)−450RまたはSUPOR(登録商標)−200R膜フィルタ(NY,Port Washington,Pall Corporation)あるいはSUREVENT(登録商標)超疎水性PVDF膜(MA,Burlington,MilliporeSigma)があるが、これらに限定されない。
また、ガス送達装置511は、第1の拡散膜525上に配置され得る第1の組織一体化層551−1、および第2の拡散膜527の下に配置され得る第2の組織一体化層551−2をさらに含んでもよいという点で、ガス送達装置11とさらに異なり得る。第1の組織一体化層551−1および第2の組織一体化層551−2は、線維性カプセル化を阻害しながら、天然組織との密接な血管新生を促進するように機能し得る。組織一体化層551−1および551−2としての使用に適した材料の例には、米国特許出願公開第2015/0112247A1に開示されている血管新生膜が含まれ得るが、これに限定されない。
ガス送達装置511の1つ以上の層の結合は、加熱および加圧、超音波溶接、および医療グレードの接着剤などの接着剤の使用を含むがこれらに限定されない、様々な技術の1つ以上を使用して達成され得る。拡散膜525は疎水性膜541−1に結合され、拡散膜527は疎水性膜541−2に結合され、これらの積層体を多孔質コア521に結合する前に一対の積層体を形成してもよい。本実施形態では、好ましくは熱可塑性部材532−1および532−2に熱を加えて、熱可塑性部材532−1および532−2が多孔質コア521の隣接領域に溶け込み、装置の周囲に周囲封止を形成する。熱可塑性部材532−1および532−2はまた、それぞれの拡散膜525および527ならびに疎水性膜541−1および541−2の隣接領域に溶け込んで、装置の周囲をさらに封止する。
ガス送達装置511は、例えば、ガスが治療薬として意図されている場合に、患者の体全体にガスを全身に行き渡らせるために、または例えば、ガスが廃ガスと見なされる場合、患者の肺からガスを排出させるためのいずれかにおいて、患者の循環系に水素などのガスを送達するのに特に適していてもよい。特に、全身に行き渡らせるために水素などの治療用ガスを患者の循環系に送達するためにガス送達装置511の使用することは、大いに有効であると考えられている。比較すると、ガス状水素を送達するための現在の技術である吸入は、患者の呼吸速度に応じて送達の有効性に大きな変動をもたらす可能性がある(Ono et al.,「A Basic Study on Molecular Hydrogen(H2)Inhalation in Acute Cerebral Ischemia Patients for Safety Check with Physiological Parameters and Measurement of Blood H2 Level」,Med.Gas Res.,2:21(2012))。空気と混合した水素は、大気圧の空気中における水素の相対濃度が4%に達すると爆発の危険があるため、送達技術としての吸入に関する安全性の懸念もある。より安全な代替案は、水素を水性媒体に溶解し、摂取または生理食塩水の点滴により送達することである。ただし、異なる被験者が異なる速度で水素飽和飲料を消費し、異なるレベルの摂取量を有し得るため、投与の変動性はどちらの方法においても課題となっている。さらに、生理食塩水の点滴は、外来患者には実用的ではない。
比較すると、本明細書で説明する他のガス送達装置と同様に、ガス送達装置511は、身体に治療用ガスを安全に送達する必要性に対処し、例えば、外部の加圧源を使用するか、またはインプラント水電解装置を使用するかのいずれかによって皮下に水素を送達することにより、厳密に投与を制御することが可能となる。本発明によれば、圧力下で水素ガスを身体に送達することができる。いくつかの実施形態では、ガス送達装置は、可撓性であり、十分に薄く、あるいは、患者の快適性および標準的な外科的移植技術を受け入れられるようにバランスが取られている。例えば、ガス送達装置511などのガス送達装置の全体の厚さは、約0.2mm〜10mm、好ましくは3mm未満であり、全体の表面積は約1〜100cmの範囲であってもよい。安全のために、ガス送達装置が制御された方法でガスを放出し、また圧力下で変形または破裂しにくいことが非常に重要である。水素は、装置内の親水性層に浸透し、血管新生層および組織界面層を介して体内に拡散し、最終的に全身分布のために血管系に入り、最終的に呼気により排出されることが期待される。別の例では、気体酸素または一酸化窒素もしくは硫化水素などの他の治療用ガスを体内の組織に直接送達することが望ましい場合がある。本発明は、体組織への任意のガスの送達に使用できることに留意することが重要である。
ここで図7を参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第7の実施形態が示されており、ガス送達装置は、概して符号611で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置611の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス送達装置611は、多くの点でガス送達装置511に類似していてもよい。例えば、ガス送達装置611は、多孔質コア521に概ね類似する多孔質コア621、それぞれ熱可塑性部材532−1および532−2に概ね類似する熱可塑性部材632−1および632−2、組織一体化層551−1および551−2に概ね類似する組織一体化層651−1および651−2、ならびに供給管529に概ね類似した供給管629を含むことができる。
ガス送達装置611は、拡散膜525および527と疎水性膜541−1および541−2の両方を含む代わりに、多孔質コア621に水が入らないようにし、かつ水素などのガスを身体に制御して拡散させるように機能する拡散膜625および627を含み得るという点で、ガス送達装置511と異なり得る。この目的のために、拡散膜625および627の一方または両方は、ガス送達装置511の疎水性膜541−1および541−2に類似する疎水性層と、ガス送達装置511の拡散膜525および527に類似する拡散層とを含む積層構造であってもよい。あるいは、拡散膜625および627の一方または両方は、疎水性膜541−1および541−2ならびに拡散膜525および527の両方の機能を有する単一層を備えてもよい。両方の機能を持ち得る材料は、非多孔質シリコーン膜である。そのような膜には孔がないため、ほとんどの液体が、その膜に結合された多孔質コアに到達するのを妨げる。このような膜では、水素などのガスはまずシリコーン膜に溶解し、次いで間質液または装置の組織一体化層の水に溶解する。
ここで図8を参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第8の実施形態が示されており、ガス送達装置は、概して符号711で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置711の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス送達装置711は、多くの点でガス送達装置511に類似していてもよい。例えば、ガス送達装置711は、多孔質コア521に概ね類似する多孔質コア721、拡散膜525および527にそれぞれ概ね類似する拡散膜725および727、拡散膜541−1および541−2にそれぞれ概ね類似する疎水性膜741−1および741−2、組織一体化層551−1および551−2にそれぞれ概ね類似する組織一体化層751−1および751−2、ならびに供給管529に概ね類似する供給管729を含むことができる。
ガス送達装置711は、多孔質コアの直上に配置された第1の熱可塑性部材と多孔質コアの直下に配置された第2の熱可塑性部材とを一緒に溶かして形成される熱可塑性ガスケットを有さなくてもよいという点で、ガス送達装置511とは異なり得る。代わりに、ガス送達装置711では、疎水性膜741−1および741−2が多孔質コア721に直接結合されてもよい。そのような結合は、加熱および加圧、超音波溶接、または医療グレードの接着剤などの接着剤の使用を含む様々な技術のいずれか1つ以上によって達成され得る。その結果、ガス送達装置711では、熱可塑性ガスケットを使用して周囲を封止するのではなく、装置周囲に十分なエネルギーを送達して多孔質コア721を形成する材料を溶かし、気密周囲封止を形成することにより、封止が達成される。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性物質を使用して多孔質コアを形成した場合、超音波溶接や熱カシメなどの技術を使用して、熱可塑性物質を周囲で溶融および潰すことができる。
ここで図9を参照すると、本発明に従って構築されたガス送達装置の第9の実施形態が示されており、ガス送達装置は、概して符号811で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス送達装置811の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス送達装置811は、多くの点でガス送達装置711に類似していてもよい。例えば、ガス送達装置811は、多孔質コア721に概ね類似する多孔質コア821、拡散膜725および727にそれぞれ概ね類似する拡散膜825および827、拡散膜741−1および741−2にそれぞれ概ね類似する疎水性膜841−1および841−2、組織一体化層751−1および751−2にそれぞれ概ね類似する組織一体化層851−1および851−2、ならびに供給管729に概ね類似する供給管829を含むことができる。
ガス送達装置811は、多孔質コア821の周囲を囲む熱可塑性ガスケット845をさらに含むことができるという点で、ガス送達装置711とは異なり得る。供給管829は、ガスケット845を通して多孔質コア821に挿入されて示されているが、供給管829とガスケット845は一体化することができる。ガスケット845の構造は、多孔質コア821の周囲に周囲封止を形成するように機能し、加熱中の圧縮を最小限に抑えながら、必要に応じて拡散および疎水性膜の周囲の細孔構造を封止するのに十分なメルトフロー(溶融流動)を有する材料から製造することができる。一実施形態では、ガスケット845は、非溶融繊維強化材を含む低溶融温度ポリマーを使用して形成されてもよい。例えば、高密度の不織ポリエステルメッシュには、ポリエチレンなどの低溶融温度ポリマーを浸透させることができる。このような構造に熱と圧力が加えられると、ポリエステルメッシュが予測可能なガスケット厚さを維持しつつ、ポリエチレンの一部が隣接する多孔質コアならびに疎水性および拡散膜の端部に溶け込む。あるいは、ガスケット845は、低密度ポリエチレンなどの低溶融温度ポリマーが浸透されている、POREX(登録商標)XS−96193UHMWPE焼結材料(GA,Fairburn,Porex Corporation)などの比較的高い溶融温度を有する焼結材料から形成されてもよい。熱処理中、UHMWPEは予測可能なガスケットの厚さを維持しつつ、低密度ポリエチレンの一部は隣接する層の端部に溶け込む。この設計の利点として、製造中のガス管閉塞の可能性の低減、および周囲漏れの可能性の低減が挙げられる。
理解されるように、本発明のガス送達装置は、患者の快適さのための柔軟性を可能にし、装置の大きな膨張または歪みを防ぐために装置の主面に十分な剛性を提供する平坦なフォームファクタ(形状因子)を有し得る。この設計は、患者の快適性を向上させることに加えて、拡散表面とコア構造材料の間に高密度の結合点を提供することにより、装置の安全性を向上させることができる。また、既存の装置とは対照的に、本発明のガス送達装置は、体内の組織に治療用ガスを安全に送達するための独立した装置として機能することができる。
上記のように、本発明は、ガス送達装置だけでなく、他の構造と組み合わさったガス送達装置を含む様々なシステムまたはアセンブリも対象とする。例えば、本発明のガス送達装置は、移植細胞および/または組織(このような移植細胞および/または組織は、本明細書では「細胞治療法」とも呼ばれる)を収容する様々なタイプのカプセルと複合され得る。特定の実施形態では、ガス拡散装置を使用して、酸素および/または水素などの治療用ガスを細胞治療法を含むそのようなカプセルに送達することができる。一例として、膵島などの組織を被験者に移植することが望ましい場合がある。組織は、体からの栄養分がインプラントに到達し、また移植組織によって生成された治療物質が体内に到達するのを可能にする選択的な透過性の膜を使用して免疫系から保護され得る。この例では、移植組織への自力の酸素の利用可能性が、組織の健康と機能を維持するには不十分である可能性がある。気体酸素は、細胞カプセルへの、制御された酸素の輸送をもたらすガス送達装置に送達されてもよい。本発明は、細胞カプセルと統合されると、統合された細胞カプセルへの酸素の安全で制御された送達を可能にする。これらの実施形態では、本発明は、ガス送達装置の拡散膜を介した拡散により、細胞コンパートメントに治療用ガスを提供するように機能する。これらの実施形態では、拡散膜は、カプセル化された組織の移植を改善する特徴を含み得る。拡散膜を多孔質コアへ結合することで、細胞コンパートメントに曲がり、カプセル化された細胞に侵入し得る拡散膜の変形を防ぐ。
ここで図10を参照すると、本発明に従って構成されたガス拡散器/細胞カプセル複合装置の第1の実施形態の図が示されており、ガス拡散器/細胞カプセル複合装置は、概して符号911で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス拡散器/細胞カプセル複合装置911の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス拡散器/細胞カプセル複合装置911は、多くの点でガス送達装置511に類似していてもよい。例えば、ガス拡散器/細胞カプセル複合装置911は、多孔質コア521に概ね類似する多孔質コア921、拡散膜525および527にそれぞれ概ね類似する拡散膜925および927、熱可塑性部材532−1および532−2にそれぞれ概ね類似する熱可塑性部材932−1および932−2、疎水性膜541−1および541−2にそれぞれ概ね類似する疎水性膜941−1および941−2、組織一体化層551−1および551−2にそれぞれ概ね類似する組織一体化層951−1および951−2、ならびに供給管529に概ね類似する供給管929を含むことができる。
ガス拡散器/細胞カプセル複合装置911は、一体化された管963−1および963−2をそれぞれ有する第1および第2の強化ガスケット961−1および961−2、ならびに第1および第2の多孔膜971−1および971−2をさらに含み得るという点で、ガス送達装置511と異なり得る。第1のガスケット961−1は、拡散膜925の直上に配置されてもよく、第2のガスケット961−2は、拡散膜927の直下に配置されてもよい。第1の多孔膜971−1は、第1のガスケット961−1の直上かつ組織一体化層951−1の直下に配置することができ、第2の多孔膜971−2は、第2のガスケット961−2の直下かつ組織一体化層951−2の直上に配置することができる。
このようにして、拡散膜925および927は、一対の細胞コンパートメントまたはカプセルの内側境界を形成してもよく、それぞれが管963−1および963−2を備えたガスケット961−1および961−2は、細胞のカプセルへの導入を可能にしてもよく、且つそのような細胞コンパートメントの側壁を形成してもよく、多孔質膜971−1および971−2は、そのような細胞コンパートメントの外側境界を形成してもよく、且つカプセル化された細胞を宿主の免疫系から保護するとともに、血管新生を密接にし、装置の線維性カプセル化を防止してもよい。多孔質膜971−1および971−2は、単層構造であってもよく、外層が血管新生を促進する一方で内層が宿主の免疫系の成分を排除するように作用する積層構造であってもよい。そのような積層構造の例は、免疫隔離および血管新生膜積層を開示する米国特許出願公開第2015/0112247A1に開示されている。この設計の利点として、効率的なガス送達のための、ガスコンパートメントと細胞コンパートメントとの間の界面を最大化することが挙げられる。加えて、拡散膜925および927ならびに疎水性膜941−1および941−2をそれぞれ多孔質コア921に結合することにより、対象のガスが圧力下にあるときに拡散膜925および927が細胞カプセルの空間へ侵入するのを防止する。また、ガスケット961−1および961−2の強化された細胞コンパートメント壁の使用は、カプセル化された細胞へガスをより均一に送達するための、均一な高さを有する容積を提供する。さらに、ガスを送達するための本実施形態の使用は、装置周囲の歪みを低減することにより安全性を高め、したがって、ガスコンパートメント、細胞コンパートメント、またはその両方の破裂を防ぐ。均一な細胞カプセル壁高さを有することが必要がない場合、ガスケット961−1および961−2の代わりに熱可塑性ガスケットを使用して、細胞コンパートメントを形成することができる。この実施形態では、組織一体化層951−1および951−2は、追加の構造的支持を提供し得、また移植部位での宿主組織との一体化を促進し得る。
ここで図11Aを参照すると、本発明に従って構成されたガス拡散器/細胞カプセル複合装置の第2の実施形態の図が示されており、ガス拡散器/細胞カプセル複合装置は、概して符号1011で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないガス拡散器/細胞カプセル複合装置1011の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
ガス拡散器/細胞カプセル複合装置1011は、多くの点でガス送達装置411に類似していてもよい。例えば、ガス拡散器/細胞カプセル複合装置1011は、多孔質コア421に概ね類似する、一対の多孔質コア層1022−1および1022−2を溶融することによって作製され得る多孔質コア1021と、拡散膜425および427それぞれに概して類似する拡散膜1025および1027と、熱可塑性ガスケット431に概して類似する、一対の熱可塑性部材1032−1および1032−2を溶融することにより形成され得る熱可塑性ガスケット1031と、供給管429に概して類似する供給管1029とを含んでもよい。
ガス拡散器/細胞カプセル複合装置1011は、(i)拡散膜1025の上に配置された、第1の組織一体化層1051、第1の細胞供給管1053、および第1の熱可塑性ガスケット1055の組み合わせと、(ii)拡散膜1027の下に配置された、第2の組織一体化層1061、第2の細胞供給管1063、および第2の熱可塑性ガスケット1065の組み合わせとをさら含んでもよいという点で、ガス送達装置411と異なり得る。このようにして、拡散膜1025、第1の組織一体化層1051、および第1の熱可塑性ガスケット1055は、共同して、第1の細胞カプセル1058を形成し、第1の細胞カプセル1058内には、細胞が第1の細胞供給管1053を介して供給され得る。さらに、拡散膜1027、第2の組織一体化層1061、および第2の熱可塑性ガスケット1065は、共同して、第2の細胞カプセル1068を形成し、第2の細胞カプセル1068内には、細胞が第2の細胞供給管1063を介して供給され得る。細胞がそれぞれの細胞カプセルに装填された後、細胞供給管1053および1063は封止されて閉じられてもよい。図11Bで最もよく分かるように、熱可塑性ガスケット1031は、熱可塑性部材1032−1および1032−2を共に溶融することにより形成されてもよく、熱可塑性ガスケット1055は、熱可塑性部材1071−1および1071−2を共に溶融することにより形成されてもよく、熱可塑性ガスケット1065は、熱可塑性部材1073−1および1073−2を共に溶融することにより形成されてもよい。多孔質コア層1022−1および1022−2は、例えば、2つの異なる熱可塑性物質を含む不織布材料を含み得る。拡散膜1025および1027は、ある程度溶けて、装置の周囲に均一な封止を形成し、気密封止を形成し得る。組織一体化層1051および1061は、密接な血管構造の発達を促進し、線維性カプセルの発達を最小限にし得る。
上記のように、本発明のガス送達装置は、ガス生成装置と組み合わせることができ、あるいは、ガス生成装置および1つ以上の細胞カプセルの両方と組み合わせることができる。例えば、一実施形態によれば、水電解装置および細胞コンパートメントの両方がガス送達装置と一体化されたシステムが提供される。そのような構成では、酸素ガスは、非常に短い距離にわたって、一方の面に自身の血管新生された組織界面を有する細胞カプセルに直接送達され、水素を対向面の血管新生された界面を介して組織に拡散させることができる。両方の界面は、水素と酸素を生成する電気分解反応を供給するための拡散水の供給源として機能する。本発明においては、酸素ガスコンパートメントと細胞カプセルとの間の界面、および水素ガスコンパートメントと血管新生組織界面との界面が、必要とされる差圧に対して著しく良好に支持されるため、本発明は既存の細胞インプラントシステムを改善するものである。
ここで図12を参照すると、本発明に従って構築され、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第1の実施形態が示されており、システムは概して符号1111で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないシステム1111の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
システム1111は、中央電解装置アセンブリ1113を備えてもよい。中央電解装置アセンブリ1113は、局所環境または内部リザーバから拡散する水を利用して、電気化学的に水素および酸素ガスを生成するように構築することができる。中央電解装置アセンブリ1113内で起こる電気分解反応のための電気エネルギーは、管1114内に配置されたアノードおよびカソード接続ワイヤ(図示せず)を使用して電源(図示せず)によって送達され得る。電解装置技術のさらなる詳細は、米国特許出願公開第2015/0112247A1に開示されている。
このように電解装置アセンブリ1113によって生成された酸素は、第1の熱可塑性接着ガスケット1117を使用して電解装置アセンブリ1113に結合される第1の多孔質コア1115の第1の面に供給され得る。第1の多孔質コア1115の対向面は、第2の熱可塑性接着ガスケット1121を使用して第1の拡散膜1119の第1の面に結合されてもよい。ガスケット1123は、第1の拡散膜1119の対向面上に直接配置されてもよい。免疫隔離膜1125は、ガスケット1123上に直接配置されてもよく、血管新生膜1127は、免疫隔離膜1125上に直接配置されてもよい。このようにして、第1の拡散膜1119、ガスケット1123、および免疫隔離膜1125は、電解装置アセンブリ1113から酸素を受け取る治療用細胞を収容し得る細胞カプセルを共同して形成し得る。カプセル内の細胞は、免疫隔離膜1125および血管新生膜1127を介して、免疫応答剤の移動なしに、血液感知、治療反応、および栄養送達を維持するために、宿主組織へのおよび宿主組織からの大量輸送に十分な流体連通状態にある。ガス拡散器部品の周囲は、熱可塑性接着ガスケット1117および1121で封止される。
介在する細胞カプセルなしで同様の方法により、一方の面において第3の熱可塑性接着ガスケット1135で電解装置アセンブリ1113に結合され、対向する面において第4の熱可塑性接着ガスケット1137で第2の拡散膜1139および組織層1141に結合された第2の多孔質コア1131を介して、電解生成水素が宿主の血管に分流されてもよい。この実施形態により、および多孔質コア一体化およびガス拡散層構成の方法が特許請求される他のものと同様の変形例では、一体化電解装置、酸素化細胞カプセルおよび水素拡散装置が、ガス送達の有用な速度、安全な圧力管理に適した特徴を有するコンパクトな細胞治療解決策を提供することが示される。
ここで図13を参照すると、本発明に従って構築され、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第2の実施形態が示されており、システムは概して符号1211で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないシステム1211の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
システム1211は、局所または全身の水素療法に適しており、インプラントガス生成器1221を備えていてもよい。ガス生成器1221は、例えば、酸素および水素を生成するように構成されたタイプの水電解装置であってもよく、そのような水電解装置の例が、米国特許出願公開第2015/0112247A1に開示されている。ガス生成器1221によって生成された酸素は、管1223によって、本出願に開示されたタイプのガス送達装置であり得る第1のインプラントスキャフォールドガス拡散器1225に送達され得る。第1のインプラントスキャフォールドガス拡散器1225は、スキャフォールドガス拡散器1225から宿主組織への酸素が容易に分散できるように、宿主組織と接触または宿主組織に近接して配置されてもよい。ガス生成器1221によって生成された水素は、管1227により、本出願に開示されたタイプのガス送達装置であり得る第2のインプラントスキャフォールドガス拡散器1231に送達され得る。第2のインプラントスキャフォールドガス拡散器1231は、疾患または損傷の局所または全身治療のために宿主組織への水素の送達を可能にするために、宿主組織と接触または宿主組織に近接して配置され得る。
容易に理解できるように、システム1211を使用して治療的に水素を投与し、呼気により患者から排出させるために不要な酸素を送達する代わりに、システム1211を使用して、組織治癒用途のために標的組織に酸素を送達し、呼気を介して循環系を通して除去するために、近くの組織に廃棄水素を送達してもよい。そのような場合、スキャフォールドガス拡散器1225は、標的組織に接触してまたは近接して配置される。
ここで図14を参照すると、本発明に従って構築され、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第3の実施形態が示されており、システムは符号1251で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないシステム1251の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
システム1251は多くの点でシステム1211と類似していてもよく、2つのシステムの主な違いは、システム1251では、インプラントスキャフォールドガス拡散器1225を、宿主から酸素を排出するための経皮的通気装置1253に置き換えることができることである。経皮的通気装置は、米国特許出願第15/814,298に開示されたタイプの装置であってもよく、ガス透過性・液体不透過性材料を含むコア層と、コア層の周囲を囲み、組織一体化材料を含む外層と、外層からコア層への組織の浸透を防ぎ、コア層から外層へのガスの拡散を低減する中間バリア層とを含んでもよい。
ここで図15を参照すると、本発明に従って構築され、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第4の実施形態が示されており、システムは概して符号1301で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないシステム1301の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
酸素を一対の細胞カプセルに供給するために使用され得るシステム1301は、インプラントガス生成器1303を含み得る。ガス生成器1303は、ガス生成器1221と同様であってもよく、酸素および水素を生成する水電解装置であってもよい。ガス生成器1303によって生成された酸素は、管1305によって、インプラントガス拡散器/細胞カプセル複合装置1307に送達されてもよい。特に、酸素は、平坦なスキャフォールドガス拡散器1309に送達され得る。次いで、スキャフォールドガス拡散器1309が受け取る酸素を、拡散器1309の対向する面に結合され得る細胞カプセル1311および1313に送達し得る。酸素は、好ましくは、治療用細胞の生存能力および機能を維持するのに十分な速度で生成される。ガス生成器1303によって生成された廃棄水素は、管1315によって、宿主組織を介し、呼気によって身体から除去できる循環系に水素ガスを拡散させるインプラントスキャフォールドガス拡散器1319に送達され得る。
ここで図16を参照すると、本発明に従って構築され、ガス生成およびガス送達機能を備える統合システムの第5の実施形態が示されており、システムは概して符号1351で表されている(単純化および明確化のために、本発明の理解にとって重要ではないシステム1351の特定の態様は、本明細書に示されないか、説明されないか、または本明細書に簡略化されて示されかつ/または説明される。)。
システム1351は、多くの点でシステム1251と類似し得るが、2つのシステムの主な違いは、システム1351では、水素が管1227によってシステム1251の経皮通気装置1253と類似する経皮通気装置1353に導かれ、酸素が管1223によって疾患または損傷の局所治療のために宿主組織と接触または宿主組織に近接して配置され得るスキャフォールドガス拡散器1355に導かれることである。
ここで図17A〜図21を参照すると、本発明の多孔質コア材料としての使用に適した異なる材料の様々な画像が示されている。より具体的には、図17Aおよび図17Bは、それぞれ、スパンボンドポリエステル不織布の写真および走査型電子顕微鏡写真である。図18Aおよび図18Bは、それぞれ、スパンボンドおよびメルトブローンポリプロピレンの層を含むファブリックの写真および走査型電子顕微鏡写真である。図19は、フラッシュスピニングにより製造された多孔質高密度ポリエチレンフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。図20は、焼結された超高分子量ポリエチレン材料の写真である。図21は、ポリプロピレンコアおよび低密度ポリエチレンシースを有する繊維で構成される不織布材料の写真である。
要約すると、本発明は、1)ガスを送達するためのスキャフォールドガス拡散器と、2)細胞治療用の一体化されたカプセル含むスキャフォールドガス拡散器と、3)一体化水電解装置および一体化細胞カプセルの両方を備えたスキャフォールドガス拡散器の、主に3つのタイプの構造に向けたものである。本発明は、多孔質コアと、組織および/または細胞外液と接している1つ以上の外部拡散膜との間に、強力で均一な結合を有するスキャフォールドガス拡散器を提供することにより、体内の組織またはインプラント可能な装置に治療用ガスを安全かつ効果的に送達する必要性に対処する。多孔質コアおよび1つ以上の拡散膜に使用される材料、ならびにそれらを結合するために使用される結合プロセスは、正の内部加圧下で機械的膨張に実質的に抵抗する一体化構造になるように選択されつつ、1つ以上の拡散膜の開放表面領域の閉塞と、結合された界面の領域におけるすべての材料の多孔性および表面特性の損失を最小限に抑える。
以下の実施例は、例示のみを目的として提供されており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
実施例1:図4Aに示す設計の装置の構築およびテスト
図22は、装置311の物理的実施形態の上面写真を示す。インプラントスキャフォールドガス拡散器装置は、低分子量ポリエチレン(POREX(登録商標)HRM36777不織布材料)のシースを有するポリプロピレンコア繊維から製造された不織布、親水性ePTFE(BIOPORE(登録商標)BGCM00010膜、MilliporeSigma)および外径1.65mm、内径0.89mmの低分子量ポリエチレン管を使用して製造された。
装置のスキャフォールドガス拡散器部分は、積層により作製され、特性がテストされた。POREX(登録商標)HRM36777不織布材料およびBIOPORE(登録商標)膜シートは、一辺が約2.13インチの正方形にカットされた。PTFEコーティングシートを加熱プレス(Geo.Knight&Co.,Digital Combo)のベースプレートに配置した。部品を、BIOPORE(登録商標)膜、POREX(登録商標)HRM36777不織布、ポリエチレン管、POREX(登録商標)HRM36777不織布、BIOPORE(登録商標)膜の順で、PTFEコーティングシート上に積み重ねた。直径0.033インチのピンゲージを管に挿入し、正方形のシートのほぼ中央まで延在させ、すべての熱操作後に装置へのガスの流路が開いたままになるようにした。BIOPORE(登録商標)膜およびPOREX(登録商標)HRM36777不織布のシートから延びたポリエチレン管の部分を、内径1/8インチのシリコーン管を使用して熱から保護した。2番目のPTFEコーティングシートをアセンブリの上に置いた。
加熱プレスを、255℃、100psi(有効圧力は約0.2psi)、10秒に設定した。プレスを作動させて、装置の片側を積層した。PTFEコーティングシートを使用して装置を慎重に反転し、同じ設定で2回目の積層を行った。多孔質コア(POREX(登録商標)HRM36777不織布材料)とガス透過性拡散膜(MilliporeSigmaBIOPORE(登録商標)BGCM00010膜)の積層を含むこれらの手順によって製造されたスキャフォールドガス拡散器は、張力(引っ張り)テストとガス透過テストで実証されているように、応用の使用に適した特性を有している。
引張試験は、ASTM D−4541「Pull-Off Strength of Coatings Using Portable Adhesion Testers(ポータブル接着試験機を使用したコーティングの引き剥がし強度)」に従って、低範囲ピストン(F1)およびφ1.0インチスタブを有するP.A.T.T.I.Micro(登録商標)ポータブル接着試験機(M.E.Taylor Engineering、Inc.,Derwood,MD)を使用して実施した。3M(商標)467MP接着剤転写テープを使用して、積層サンプルをアクリルスラブ基板とテスタースタブに取り付けた。拡散器材料からの多孔質コアの剥離が発生したサンプル、または多孔質コアが引き裂かれたサンプルに関し、積層の接着強度はpsiで報告される。スキャフォールドガス拡散積層は、BIOPORE(登録商標)材料がばらばらになる引張応力である44psiまで、接着したままであった。
ガス透過テストは、ステンレス鋼フィルタハウジング(P/N B−202025,Small Parts,Inc.,Miami Lakes,FL)および圧力表示質量流量コントローラ(P/N MC−100SCCM−D、Alicat Scientific,Tucson,AZ)を使用して行った。積層をφ3/4インチに切り取り、フィルタハウジングに固定した。フィルタの入口圧力をモニターしながら、1sccmから100sccmまで流量を増加させながら、窒素ガスをフィルタハウジングに導入した。圧力−流量データへの線形適合は、透過率の性能指数(PFOM、psi/sccm/cm2またはpsi−min/cm)として使用し、PFOMが高いほど、流量に対する制限が大きいことを示す。作製されたままの積層の透過性と、積層されていないBIOPORE(登録商標)膜の透過性には、有意な違いはなかった。
次いで、スキャフォールドガス拡散器積層を使用して、ポート付き装置を製造した。周囲は、American International Electric Type AIE−200、260Wインパルスシーラを使用して封止した。均一な周囲封止を形成するために、POREX(登録商標)HRM36777不織布材料のポリエチレンとポリプロピレンの両方の成分を溶かすのに十分に熱を加えた。はんだごてを使用して、ポリエチレン管の周囲に局所的にさらに熱を加えた。密封後の、ガス拡散のための有効な活性表面積は約4.9inであった。
ゲージピンをアセンブリから取り外し、20ゲージの先が丸いルアーロック針1405をポリエチレン管1403に挿入した。エポキシを使用して、針と管のとの恒久的な封止を形成した。BIOPORE(登録商標)拡散膜表面1401と周囲封止1404が、写真から見て取れる。BIOPORE(登録商標)膜は、製造条件下では溶融しない。周囲封止領域は、周囲のePTFE拡散膜の孔を貫通する多孔質コアからの溶融熱可塑性物質に起因して透明である。
得られた装置を脱イオン水で濡らし、15psigの圧力試験に成功した。次に、装置を電気化学装置に接続して、追加のテスト用にガス流を供給した。スキャフォールドガス拡散器を、脱イオン水で満たされた攪拌ビーカに吊り下げた。O分圧を下げ、体組織の環境をより厳密に模倣するため、水にNガスを注入した。圧力(psia)を監視し、O流量に対してプロットした。カプセルにHガスを供給するように電気化学装置を再構成し、実験を繰り返した。図23に示す結果は、6SCCH(1時間あたり標準立方センチメートル)のO流により、スキャフォールドガス拡散器内の圧力が約30psia(周囲圧力より約15psi高い)になったことを示している。20SCCHのH流により、拡散器内の圧力が約32psia(周囲圧力より約17psi高い)になった。装置は圧力を受けても大きく変形しなかった。周囲圧力での装置の厚さは0.78mmであった。装置を15psiに加圧したところ、厚さは26%増加し、0.90mmになった。拡散膜の封止されていない領域では、厚さは均一に増加し、減圧すると装置は元の厚さに戻り、それにより永久的な変形は起こらなかった。装置または材料の剥離は観察されなかった。
実施例2:図5Aに示す設計の装置の構築およびテスト
スキャフォールドガス拡散器は、低分子量ポリエチレン(POREX(登録商標)HRM36777不織布材料)のシースを有するポリプロピレンコア繊維から製造された不織布、親水性PVDF(DURAPORE(登録商標)GVWP00010membrane,MilliporeSigma),厚さ0.005インチの低密度ポリエチレンシートおよび外径1.09mm、内径0.38mmの低分子量ポリエチレン管(Instech BTPE−20)を使用して製造した。
装置のスキャフォールドガス拡散器部分は、積層によって作製され、特性がテストされた。POREX(登録商標)HRM36777HRM不織布材料、DURAPORE(登録商標)GVWP00010膜、およびポリエチレンシートを1辺が約1/8インチの正方形にカットした。幅約3/8インチのガスケットを残し、得られたポリエチレンの正方形の中心を取り除いた。
組み立てを容易にし、積層中に加えられる実際の圧力を高めるため、6インチ×6インチ×1/8インチのPTFE片を加熱プレスのベースプレートに配置した。PTFEコーティングシートをPTFE正方形上に配置した。部品を、DURAPORE(登録商標)GVWP00010膜、POREX(登録商標)HRM36777不織布、ポリエチレンガスケット、ポリエチレン管、ポリエチレンガスケット、POREX(登録商標)HRM36777不織布、DURAPORE(登録商標)GVWP00010膜の順で、PTFEコーティングされたシート上に積み重ねた。すべての熱操作後に装置へのガスの流路が開いたままになるようにするために、直径0.013インチのピンゲージを管に挿入し、正方形のシートのほぼ中央まで延在させた。DURAPORE(登録商標)GVWP00010膜およびPOREX(登録商標)HRM36777不織布のシートから伸びたポリエチレン管の部分は、内径1/16インチのシリコーン管を使用して熱から保護した。2番目のPTFEコーティングシートをアセンブリの上に置いた。
加熱プレスは255℃、100psi(有効圧力は約1.2psi)、20秒に設定した。プレスを作動させて、装置の片側を積層した。PTFEコーティングシートを使用して装置を慎重に反転し、同じ設定で2回目の積層を行った。
多孔質コア(POREX(登録商標)HRM36777不織布材料)とガス透過性拡散膜(MilliporeSigmaDURAPORE(登録商標)GVWP00010膜)の積層を含む、これらの手順によって製造されたスキャフォールドガス拡散器は、張力(引っ張り)テストとガス透過テストで実証されているように、アプリケーション(応用)の使用に適した特性を有している。引っ張りテストおよび気体透過テストは、実施例1に記載されているように実施した。引っ張り試験により、スキャフォールドガス拡散積層が引張応力50psiまで接着したままであることが観察され、その引張応力でDURAPORE(登録商標)材料はPOREX(登録商標)コアから離れた。作製されたままの積層の透過性と、積層されていないDURAPORE(登録商標)膜の透過性には、有意な違いはなかった。
次いで、スキャフォールドガス拡散器積層を使用して、ポート付き装置を製造した。結果の装置1600の写真を図24に示す。周囲は、American International Electric Type AIE−200、260Wインパルスシーラを使用して封止した。POREX(登録商標)HRM36777不織布材料のポリエチレンおよびポリプロピレン成分、およびDURAPORE(登録商標)GVWP00010膜を溶融するために十分な熱を加えて、均一な周囲封止1604を形成した。はんだごてを使用して、ポリエチレン管の周囲に局所的にさらに熱を加えた。密封後の、ガス拡散の有効な活性表面積は約1.3inであった。周囲封止の領域は、DURAPORE(登録商標)GVWP00010膜1601の白い表面に対して透明であり、これは多孔質コアのポリエチレンとポリプロピレンを含むすべてのポリマー、およびDURAPORE(登録商標)GVWP00010膜のPVDFが封止中に溶融して均一な結合を形成したことを示す。この構成は、特に好ましい、なぜなら、図22の装置では、多孔質コア材料がePTFE膜の細孔に溶け込んでしみ込み、機械的干渉によって結合する強度が低いのに対し、材料が互いに恒久的に結合しているためである。
ゲージピンをアセンブリから取り外し、25ゲージの先が丸いルアーロック針1605をポリエチレン管1603に挿入した。エポキシを使用して、針と管のとの恒久的な封止を形成した。装置を脱イオン水で湿らせ、剥離なしで約15psigに加圧した。周囲圧力での装置の厚さは1.03mmであった。装置を15psiに加圧したところ、厚さは35%増加し、1.39mmになった。拡散膜が封止されていない領域では、厚さは均一に増加し、減圧すると装置は元の厚さに戻り、それにより永久的な変形は起こらなかった。装置または材料の剥離は観察されなかった。
上述の本発明の実施形態は、単に例示することを意図しており、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、それに対して多数の変形および修正を行うことができるものとする。そのような変形および修正はすべて、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内にあるものとする。

Claims (39)

  1. インプラント可能なガス送達装置であって、
    (a)開口容積を有し、前記開口容積全体へのガスの輸送を可能にし、永久変形することなく引張応力に耐えるのに十分な引張強度を全方向において有する、多孔質コアと、
    (b)少なくとも1つのガス透過性拡散膜であって、前記多孔質コアの表面に固定的に結合され、それにより前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜の変形および/または剥離が、前記少なくとも1つの拡散膜を前記多孔質コアに取り付けることにより制限される、少なくとも1つのガス透過性拡散膜と、
    (c)前記多孔質コアに挿入された第1の端部と、ガス源からガスを受け取るように適合された第2の端部とを有する、ガス供給管と、
    を備え、
    (d)前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜および前記ガス供給管によって占有されていない前記多孔質コアの表面は、気密封止されており、
    (e)前記インプラント可能なガス送達装置は、平面形状および気密封止を有し、加圧時に、前記平面形状および前記気密封止を維持する、
    インプラント可能なガス送達装置。
  2. 前記多孔質コアは、高分子焼結体、高分子織布および不織布、硬質連オープンセルフォーム、多孔質セラミックス、多孔質金属、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つ以上からなる群から選択される生体適合性材料を含む、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  3. 前記多孔質コアは、焼結ポリエチレン、焼結ポリプロピレン、焼結ポリエチレンテレフタレート、焼結ポリフッ化ビニリデン、焼結ポリテトラフルオロエチレン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される高分子焼結体を含む、請求項2に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  4. 前記多孔質コアは、織布または不織布ポリマーメッシュを含み、前記織布または不織布ポリマーメッシュは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項2に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  5. 前記多孔質コアは、単一層で作製されたモノリシック構造である、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  6. 前記多孔質コアは、複数の層および/または複数の材料で作製された複合構造である、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  7. 前記多孔質コアは、2つの層を一緒に溶融することにより形成される、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  8. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は多孔膜を含む、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  9. 前記多孔膜は親水性微多孔膜を含む、請求項8に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  10. 前記親水性微多孔膜は、親水化延伸ポリテトラフルオロエチレン微多孔膜、親水性ポリフッ化ビニリデン微多孔膜、ポリエーテルスルホン微多孔膜、親水化ポリエチレンテレフタレートトラックエッチ微多孔膜、親水性ポリエチレン微多孔膜、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  11. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、非多孔質ガス透過性材料を含む、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  12. 前記非多孔質ガス透過性材料はシリコーン層を含む、請求項11に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  13. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、単一層から作製されたモノリシック構造である、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  14. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、複数の層を含む積層構造である、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  15. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、親水性微多孔膜および疎水性膜を含む積層構造であり、前記疎水性膜は前記多孔質コアに面し、前記親水性膜は前記多孔質コアとは反対を向いている、請求項14に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  16. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、親水性微多孔膜および血管新生膜を含む積層構造であり、前記親水性微多孔膜は多孔質コアに面し、前記血管新生膜は前記多孔質コアとは反対を向いている、請求項14に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  17. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、前記多孔質コアに直接結合されている、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  18. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、前記多孔質コアに間接的に結合されている、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  19. 前記多孔質コアは、2つの対向する表面および周辺部を含むように形状化されており、前記周辺部は、前記2つの対向する表面の間に延在する、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  20. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は、第1のガス透過性拡散膜および第2のガス透過性拡散膜を含み、前記第1のガス透過性拡散膜は、前記多孔質コアの前記2つの対向する表面の一方に固定的に結合されており、前記第2のガス透過性拡散膜は、前記多孔質コアの前記2つの対向する表面の他方に固定的に結合されている、請求項18に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  21. 前記多孔質コアは、前記多孔質コアの一体型端部封止によって気密封止されている、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  22. 前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜は2つのガス透過性拡散膜を含み、前記2つのガス透過性拡散膜を一緒に端部封止することによって、または前記多孔質コアの端部の周りを圧縮し溶融することにより、前記圧縮および溶融した多孔質コアが前記ガス透過性膜に流入して封止を形成することによって、または前記多孔質コアと前記ガス透過性膜とをそれぞれの端部の周りで圧縮および溶融することによって、前記多孔質コアは気密封止される、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  23. 前記多孔質コアは、ガスケットで気密封止されている、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  24. 前記ガスケットは構造ガスケットである、請求項23に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  25. 前記ガスケットは熱可塑性ガスケットである、請求項23に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  26. 前記インプラント可能なガス送達装置は、少なくとも1つの組織一体化層をさらに備え、前記少なくとも1つの組織一体化層は、前記多孔質コアの反対側で前記少なくとも1つのガス透過性拡散層に結合される、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  27. 前記インプラント可能なガス送達装置は、少なくとも1つの疎水性層をさらに備え、前記少なくとも1つの疎水性層は、前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜と前記多孔質コアに配置されている、請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置。
  28. インプラント装置であって、
    (a)請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置と、
    (b)移植細胞または組織を含む少なくとも1つのカプセルであって、前記インプラント可能なガス送達装置からガスを受け取るために前記インプラント可能なガス送達装置と直接接触している、少なくとも1つのカプセルと、
    を含む、インプラント装置。
  29. 前記少なくとも1つのカプセルは、移植細胞または組織を含む複数のカプセルを備え、前記複数のカプセルのそれぞれが、前記インプラント可能なガス送達装置からガスを受け取るために前記インプラント可能なガス送達装置と直接接触する、請求項28に記載のインプラント装置。
  30. インプラントシステムであって、
    (a)第1のガスを出力するための第1の出口を含む、インプラント可能なガス源と、
    (b)請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置であって、前記インプラント可能なガス送達装置の前記ガス供給管は、前記インプラント可能なガス源から前記第1のガスを受け取るように前記インプラント可能なガス源の前記第1の出口に流体結合されている、インプラントシステム。
  31. 前記インプラント可能なガス源は水電解装置である、請求項30に記載のインプラントシステム。
  32. 前記インプラント可能なガス源は、第2のガスを出力するための第2の出口をさらに有し、前記インプラントシステムは、経皮通気装置をさらに備え、前記経皮通気装置は、前記インプラント可能なガス源から前記第2のガスを受け取るように前記インプラント可能なガス源の前記第2の出口に流体結合される、請求項31に記載のインプラントシステム。
  33. 前記インプラント可能なガス送達装置が受け取る第1のガスは酸素であり、前記経皮通気装置が受け取る前記第2のガスは水素である、請求項32に記載のインプラントシステム。
  34. 前記インプラント可能なガス送達装置が受け取る第1のガスは水素であり、前記経皮通気装置が受け取る前記第2のガスは酸素である、請求項32に記載のインプラントシステム。
  35. インプラントシステムであって、
    (a)第1のガスを出力する第1の出口と、第2のガスを出力する第2の出口と、を含む、インプラント可能なガス源と、
    (b)第1および第2のインプラント可能なガス送達装置であって、前記第1および第2のインプラント可能なガス送達装置のそれぞれが請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置と同一であり、前記第1のインプラント可能なガス送達装置の前記ガス供給管は、前記インプラント可能なガス源から前記第1のガスを受け取るように前記インプラント可能なガス源の前記第1の出口に流体結合され、前記第2のインプラント可能なガス送達装置の前記ガス供給管は、前記インプラント可能なガス源から前記第2のガスを受け取るように前記インプラント可能なガス源の前記第2の出口に流体結合される、インプラントシステム。
  36. 細胞および/または組織を含む少なくとも1つのカプセルをさらに備え、前記少なくとも1つのカプセルは、前記第1のインプラント可能なガス送達装置からガスを受け取るために前記第1のインプラント可能なガス送達装置と直接接触している、請求項35に記載のインプラントシステム。
  37. 治療用ガスを患者に送達する方法であって、
    (a)請求項1に記載のインプラント可能なガス送達装置を提供することと、
    (b)前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜が組織に十分に近く前記ガス透過性拡散膜から放出されたガスが水性媒体に溶解したガスとして患者の循環系によって吸収される位置で、前記患者の水性環境に、前記インプラント可能なガス送達装置を移植することと、
    (c)治療用ガスを前記インプラント可能なガス送達装置に供給することにより、前記治療用ガスが、水性媒体に溶解したガスとして前記ガス透過性拡散膜から放出されることと、
    を含む、方法。
  38. 前記治療用ガスは水素である、請求項37に記載の方法。
  39. 酸素を出力する第1の面と水素を出力する第2の面とを有する中央電解装置アセンブリと、
    前記中央電解装置の前記第1の面に流体的に且つ機械的に結合された第1の多孔質コアであって、開口容積を有し、前記開口容積全体へのガスの輸送を可能にし、永久変形することなく引張応力に耐えるのに十分な引張強度を全方向において有する、第1の多孔質コアと、
    前記中央電解装置の前記第2の面に流体的に且つ機械的に結合された第2の多孔質コアであって、開口容積を有し、前記開口容積全体へのガスの輸送を可能にし、永久変形することなく引張応力に耐えるのに十分な引張強度を全方向において有する、第2の多孔質コアと、
    細胞カプセルであって、第1のガス透過性拡散膜を含み、前記第1のガス透過性拡散膜が、前記中央電解装置の反対側の前記多孔質コアの表面に固定的に結合され、それにより、前記少なくとも1つのガス透過性拡散膜の変形および/または剥離が、前記少なくとも1つの拡散膜を前記多孔質コアに取り付けることにより制限される、細胞カプセルと、
    を含むインプラント装置。
JP2019560399A 2017-05-04 2018-05-04 堅牢なインプラント可能なガス送達装置ならびにそれを含む方法、システムおよび装置 Active JP7199632B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762501488P 2017-05-04 2017-05-04
US62/501,488 2017-05-04
PCT/US2018/031223 WO2018204867A1 (en) 2017-05-04 2018-05-04 Robust, implantable gas delivery device and methods, systems and devices including same

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020518397A true JP2020518397A (ja) 2020-06-25
JP2020518397A5 JP2020518397A5 (ja) 2021-06-17
JP7199632B2 JP7199632B2 (ja) 2023-01-06

Family

ID=64014027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019560399A Active JP7199632B2 (ja) 2017-05-04 2018-05-04 堅牢なインプラント可能なガス送達装置ならびにそれを含む方法、システムおよび装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11642501B2 (ja)
EP (1) EP3618916A4 (ja)
JP (1) JP7199632B2 (ja)
CN (1) CN110831656A (ja)
CA (1) CA3062412A1 (ja)
WO (1) WO2018204867A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG11201602232UA (en) 2013-09-24 2016-04-28 Giner Inc System for gas treatment of a cell implant
CA3042866A1 (en) 2016-11-03 2018-05-11 Klearchos K. Papas Encapsulation device systems with oxygen sensors with or without exogenous oxygen delivery
CN110267526B (zh) * 2016-11-03 2022-06-24 代表亚利桑那大学的亚利桑那董事会 用于在移植前后实时评估包封装置中细胞的方法和系统
CA3042709A1 (en) 2016-11-03 2018-08-09 Arizona Board Of Regents On Behalf Of The University Of Arizona Stacked tissue encapsulation device systems with or without oxygen delivery
RU2019114817A (ru) 2016-11-15 2020-11-16 Джинер Лайф Сайенс, Инк. Устройство чрезкожной диффузии газов, подходящее для применения с подкожным имплантатом
CA3062412A1 (en) 2017-05-04 2018-11-08 Giner Life Sciences, Inc. Robust, implantable gas delivery device and methods, systems and devices including same
US11773496B2 (en) 2018-05-17 2023-10-03 Giner, Inc. Combined electrical lead and gas port terminals and electrolytic gas generator comprising same
JP7432715B2 (ja) * 2019-10-15 2024-02-16 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド 非外傷性の取り外し可能な細胞カプセル化デバイス
EP3928753A1 (en) * 2020-05-26 2021-12-29 Blacklock, Christopher Stephen Devices and methods of delivering a gas to a wound site and an open surgical site
KR20220029116A (ko) * 2020-09-01 2022-03-08 삼성전자주식회사 혈당 측정 장치 및 이의 동작 방법
GB202213744D0 (en) * 2022-09-20 2022-11-02 Univ Birmingham Drug Delivery Device

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07508187A (ja) * 1992-04-01 1995-09-14 バクスター・インターナショナル・インコーポレーテッド 被移植体内に生存力のある高密度の細胞を維持する組織移植システム及び方法
US20030087427A1 (en) * 1998-07-17 2003-05-08 Colton Clark K Method and apparatus for delivering oxygen to cells
US20110054387A1 (en) * 2009-08-31 2011-03-03 Jacob Stern Oxygen Supply For Implantable Medical Device
JP2013519411A (ja) * 2010-02-12 2013-05-30 レニショー(アイルランド)リミテッド 埋め込み可能流体ルーター
JP2013528067A (ja) * 2010-05-11 2013-07-08 アラーガン、インコーポレイテッド ポロゲン材料、製造方法、および使用
JP2016512022A (ja) * 2013-03-07 2016-04-25 ヴィアサイト インコーポレイテッド 3次元大収容力細胞封入デバイスアセンブリー
JP2016530980A (ja) * 2013-09-24 2016-10-06 ガイナー,インク. 細胞インプラントのガス処理用システム

Family Cites Families (66)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3783868A (en) 1971-05-06 1974-01-08 Gulf Oil Corp Percutaneous implant
EP0267150B1 (de) 1986-10-23 1991-07-17 Ciba-Geigy Ag Bekämpfung von Ektoparasiten
US5713888A (en) * 1990-10-31 1998-02-03 Baxter International, Inc. Tissue implant systems
DE4227066A1 (de) 1992-08-16 1994-02-17 Bernhard Josef Dr Med Hering Langerhans'sche Inseln in reiner Form
GB9606452D0 (en) 1996-03-27 1996-06-05 Sandoz Ltd Organic compounds
WO1997042953A1 (en) 1996-05-10 1997-11-20 Novartis Ag Use of brequinar and derivatives in chronic rejection of allografts and xenotransplantation
PT956034E (pt) 1996-07-30 2002-12-31 Novartis Ag Composicoes farmaceuticas para o tratamento da rejeicao de transplantes estados inflamatorios ou auto-imunes compreendendo ciclosporina a e 40-o-(2-hidroxietil)-rapamicina
US5951538A (en) 1997-08-07 1999-09-14 Ceramatec, Inc. Gas generating device for delivering beneficial agents to a body cavity
US20040213768A1 (en) 1999-04-30 2004-10-28 Elliott Robert Bartlett Preparation for biotransplantation and xenotransplantion and uses thereof
ATE474590T1 (de) 1999-05-10 2010-08-15 Paolo Brenner Kombination von immunsuppressiven substanzen zur behandlung oder vorbeugung von transplantat abstossungen
IL134009A (en) 2000-01-12 2011-07-31 Bo2 Technologies Ltd Transplant device
US8012500B2 (en) 2000-01-01 2011-09-06 Beta-O2 Technologies Ltd. Implantable device
WO2008065660A2 (en) 2006-11-28 2008-06-05 Beta O2 Technologies Ltd. Oxygen supply for cell transplant and vascularization
ES2299417T3 (es) 2000-04-12 2008-06-01 Beta-Cell N.V. Metodo para producir preparaciones de celulas endocrinas pancreaticas madura e inmaduras, preparacion de las celulas y su utilizacion para el tratamiento de la diabetes mellitus.
EP1289554A4 (en) 2000-06-02 2004-05-26 Univ Minnesota IMMUNOTHERAPEUTIC PROCESS FOR PREVENTING REJECTION OF ISLAND CELLS
US6824915B1 (en) 2000-06-12 2004-11-30 The Gillette Company Air managing systems and methods for gas depolarized power supplies utilizing a diaphragm
US20030031652A1 (en) 2001-04-16 2003-02-13 Bernhard Hering Systems and methods for inducing mixed chimerism
US20030207161A1 (en) 2002-05-01 2003-11-06 Ali Rusta-Sallehy Hydrogen production and water recovery system for a fuel cell
BRPI0510550A (pt) * 2004-05-03 2007-11-20 Ams Res Corp implante cirúrgico, kit cirúrgico, método para formar ou montar um implante cirúrgico, molde de inserção, aparelho, e, método para produzir um implante cirúrgico
US8298813B2 (en) 2004-09-23 2012-10-30 Dennis Holman Method for preparing an expanded product for fermentation
US20060182722A1 (en) 2005-02-11 2006-08-17 Hering Bernhard J Methods and materials for isolating isogenic islet cells
NZ539491A (en) 2005-04-15 2008-04-30 Living Cell Products Pty Ltd Swine population and uses thereof
BRPI0609094B8 (pt) 2005-05-10 2021-06-22 Ogenix Corp dispositivo para fornecer oxigênio e remover exsudatos para tratamento de uma ferida na pele
US20100028398A1 (en) 2006-11-21 2010-02-04 Living Cell Technologies Limited Cell implantation to prevent and/or treat hearing loss
CA2580907A1 (en) 2006-11-21 2008-05-21 The Bionic Ear Institute Choroid plexus cell implantation to prevent and/or treat hearing loss
WO2008079997A2 (en) 2006-12-22 2008-07-03 Medtronic, Inc. Implantable device, angiogenesis mechanism and methods
US8083821B2 (en) 2007-04-13 2011-12-27 Giner, Inc. System for modifying the atmosphere within an enclosed space and incubator system including the same
US20090042072A1 (en) 2007-07-24 2009-02-12 Rovcal, Inc. On-demand hydrogen gas generation device with pressure-regulating switch
WO2009031154A2 (en) 2007-09-07 2009-03-12 Beta O2 Technologies Ltd. Air gap for supporting cells
US8338170B2 (en) 2008-04-21 2012-12-25 Viacyte, Inc. Methods for purifying endoderm and pancreatic endoderm cells derived from human embryonic stem cells
DE102008045621A1 (de) * 2008-09-03 2010-03-04 Novalung Gmbh Gastransfervorrichtung und Verwendung einer strukturierten Membran
US20100108534A1 (en) 2008-10-30 2010-05-06 Mti Micro Fuel Cells, Inc. Electrochemical actuator
ES2932850T3 (es) 2008-11-14 2023-01-27 Viacyte Inc Encapsulación de células pancreáticas derivadas de células madre pluripotentes humanas
US8043271B2 (en) 2008-11-26 2011-10-25 Beta 02 Technologies Ltd. Apparatus for transportation of oxygen to implanted cells
US9357764B2 (en) 2009-06-18 2016-06-07 Giner, Inc. System for fluid perfusion of biological matter comprising tissue
US10091985B2 (en) 2009-06-18 2018-10-09 Giner, Inc. Perfusing an organ with an in situ generated gas
JP5502615B2 (ja) 2010-06-23 2014-05-28 本田技研工業株式会社 燃料電池
US9433557B2 (en) 2011-02-21 2016-09-06 Viacyte, Inc. Loading system for an encapsulation device
US20140017304A1 (en) 2011-03-29 2014-01-16 Myriam Bosmans Method for encapsulated therapeutic products and uses thereof
WO2014171842A1 (en) 2013-04-19 2014-10-23 Living Cell Technologies New Zealand Limited Biocompatible encapsulation system
EP3007710B1 (en) 2013-06-13 2021-07-28 Orgenesis Ltd. Cell populations, methods of transdifferention and methods of use thereof
EP3046567A1 (en) 2013-09-19 2016-07-27 Beta-Cell N.V. Method for the treatment of diabetes mellitus
CA2929980A1 (en) 2013-11-07 2015-05-14 Vrije Universiteit Brussel Screening assay for agents that influence beta cell number and/or phenotype
US9950151B2 (en) * 2014-03-27 2018-04-24 Beta-O2 Technologies Ltd. Implantable medical devices
AU2015360502A1 (en) 2014-12-10 2017-06-29 Regents Of The University Of Minnesota Genetically modified cells, tissues, and organs for treating disease
MA41296A (fr) 2014-12-30 2017-11-07 Orgenesis Ltd Procédés de transdifférenciation et procédés d'utilisation de ceux-ci
KR20180026669A (ko) 2015-05-15 2018-03-13 리빙 셀 테크놀로지스 뉴질랜드 리미티드 캡슐화된 유도성 맥락총 세포를 사용한 cns 질환의 치료
US11020345B2 (en) 2016-03-14 2021-06-01 The Regents of the University of California The Board of Trustees of the Leland Stanford Junior University Stanford Nanostraw devices and methods of fabricating and using the same
WO2017175065A2 (en) 2016-04-04 2017-10-12 Beta-O2 Technologies Ltd. Implantable device for implantation of cells having anti-inflammatory and vascularization capabilities and methods of making thereof
CN114176043B (zh) 2016-06-14 2024-04-23 明尼苏达大学董事会 用于治疗疾病的遗传修饰的细胞、组织和器官
US20190119462A1 (en) 2016-06-14 2019-04-25 The Regents Of The University Of California Porous Polymer Scaffolds, and Methods of Making and Using the Same
KR102607115B1 (ko) 2016-11-03 2023-11-30 아리조나 보드 오브 리전츠 온 비해프 오브 더 유니버시티 오브 아리조나 혈당 조절을 강화하기 위한 방법, 시스템 및 이식 장치
CA3042866A1 (en) 2016-11-03 2018-05-11 Klearchos K. Papas Encapsulation device systems with oxygen sensors with or without exogenous oxygen delivery
CA3042709A1 (en) 2016-11-03 2018-08-09 Arizona Board Of Regents On Behalf Of The University Of Arizona Stacked tissue encapsulation device systems with or without oxygen delivery
CN110267526B (zh) 2016-11-03 2022-06-24 代表亚利桑那大学的亚利桑那董事会 用于在移植前后实时评估包封装置中细胞的方法和系统
US10849731B2 (en) * 2016-11-08 2020-12-01 W. L. Gore & Associates, Inc. Cell encapsulation devices containing structural spacers
MX2019005674A (es) 2016-11-15 2019-09-09 Giner Life Sciences Inc Generador de gas electrolitico auto-regulado y sistema de implante que comprende el mismo.
RU2019114817A (ru) 2016-11-15 2020-11-16 Джинер Лайф Сайенс, Инк. Устройство чрезкожной диффузии газов, подходящее для применения с подкожным имплантатом
CA3062412A1 (en) 2017-05-04 2018-11-08 Giner Life Sciences, Inc. Robust, implantable gas delivery device and methods, systems and devices including same
EP3635106A4 (en) 2017-05-08 2021-01-06 Orgenesis Ltd. TRANSDIFFERENTIAL CELL POPULATIONS AND METHOD OF USING THEM
WO2018220623A1 (en) 2017-05-29 2018-12-06 Orgenesis Ltd. Compositions and methods for providing cell replacement therapy
CA3077380A1 (en) 2017-09-27 2019-04-04 Sigilon Therapeutics, Inc. Methods, compositions, and implantable elements comprising active cells
WO2019089993A1 (en) 2017-11-02 2019-05-09 Living Cell Technologies New Zealand Limited Pericyte protective agents for neurological disorders including neurodegenerative diseases, central nervous system diseases and others
WO2019089943A1 (en) 2017-11-06 2019-05-09 Theranova, Llc Methods and devices for delivering pancreatic islet function to a body
US11793622B2 (en) 2018-05-08 2023-10-24 Michael J. Dalton Artificial interstitium device
WO2019241562A1 (en) 2018-06-14 2019-12-19 University Of Miami Methods of implanting cells

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07508187A (ja) * 1992-04-01 1995-09-14 バクスター・インターナショナル・インコーポレーテッド 被移植体内に生存力のある高密度の細胞を維持する組織移植システム及び方法
US20030087427A1 (en) * 1998-07-17 2003-05-08 Colton Clark K Method and apparatus for delivering oxygen to cells
US20110054387A1 (en) * 2009-08-31 2011-03-03 Jacob Stern Oxygen Supply For Implantable Medical Device
JP2013519411A (ja) * 2010-02-12 2013-05-30 レニショー(アイルランド)リミテッド 埋め込み可能流体ルーター
JP2013528067A (ja) * 2010-05-11 2013-07-08 アラーガン、インコーポレイテッド ポロゲン材料、製造方法、および使用
JP2016512022A (ja) * 2013-03-07 2016-04-25 ヴィアサイト インコーポレイテッド 3次元大収容力細胞封入デバイスアセンブリー
JP2016530980A (ja) * 2013-09-24 2016-10-06 ガイナー,インク. 細胞インプラントのガス処理用システム

Also Published As

Publication number Publication date
CN110831656A (zh) 2020-02-21
EP3618916A4 (en) 2021-04-14
JP7199632B2 (ja) 2023-01-06
CA3062412A1 (en) 2018-11-08
US20180318566A1 (en) 2018-11-08
WO2018204867A1 (en) 2018-11-08
EP3618916A1 (en) 2020-03-11
US11642501B2 (en) 2023-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7199632B2 (ja) 堅牢なインプラント可能なガス送達装置ならびにそれを含む方法、システムおよび装置
US11701215B2 (en) System for gas treatment of a cell implant
JP6993003B2 (ja) 皮下インプラントとの使用に適した経皮的ガス拡散装置
JP2020518397A5 (ja)
EP2370021B1 (en) Apparatus for transportation of oxygen to implanted cells
EP2964147A1 (en) 3-dimensional large capacity cell encapsulation device assembly
KR20210082174A (ko) 이식가능 의료 장치와 혈관화 막을 위한 방법 및 시스템
US20220143374A1 (en) Multicompartment macroencapsulation devices
US11707352B2 (en) Locking kit for implantable artificial organ
KR102407033B1 (ko) 생명구조타올 시트 및 이의 제조방법 및 생명구조타올 시트를 포함하는 생명구조타올
WO2020017195A1 (ja) 移植用細胞収容装置、移植用細胞収容システム及び酸素供給装置
US20210283308A1 (en) Implantable device for retaining live cells and providing nutrients thereto
JP2019166318A (ja) 炭酸ガス治療具

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210430

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210430

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220215

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220513

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221101

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20221130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20221130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7199632

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150