JP2020517581A - 痛み、浮腫及び副作用のない局所脂肪減少用注射剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

痛み、浮腫及び副作用のない局所脂肪減少用注射剤組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、痛み、浮腫及び副作用がない局所脂肪減少用注射剤組成物とその製造方法に関し、より詳細には、グリココール酸(又はその塩)又はタウロコール酸(又はその塩)、及びホスファチジルコリン(PPC)を特定の配合比で含み、痛み、浮腫、及び、脂肪細胞の他に筋細胞、線維芽細胞及び血管内皮細胞の壊死、投与部位の無感覚症、広範囲の腫れ、紅斑、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感、神経損傷及び嚥下障害などの副作用のない、局所脂肪減少用注射剤組成物と前記組成物の製造方法に関するものである。従来の局所脂肪減少用注射剤として知られたDCA単独注射剤、又は可溶化剤DCAが配合されたPPC注射剤組成物は、脂肪細胞の他に線維芽細胞、血管内皮細胞及び骨格筋細胞も溶解させ、必然的に引き起こされる細胞壊死(necrosis)により、痛み、及び、無感覚症、広範囲の腫れ、局所的浮腫、紅斑、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感、嚥下障害などの副作用を伴い、患者が痛み、不快感、及び不安感を訴え、服薬順守度が低いのに対し、本発明の局所脂肪減少用注射剤は、製剤が安全かつ安定的で、脂肪分解(lipolysis)及び脂肪細胞の細胞死(apoptosis)を、脂肪細胞にのみ選択的に誘導する効果が優れ、上述したような副作用がなく、患者の生活の質を高め、服薬順守度を高めた、優れた組成物である。

Description

本発明は、薬学的に活性なホスファチジルコリンを使用して、局所的に沈着された脂肪(localized fat deposit)を有する対象に、痛み、浮腫及び副作用なく、非外科的に脂肪を減少させる有用な組成物及びその製造方法に関するもので、より詳細には、(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine);及び(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)が、(ii)/(i)のモル比(mol/mol)が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み(pain)及び副作用(特に脂肪細胞の他に筋細胞、線維芽細胞及び血管内皮細胞の壊死(necrosis);浮腫(edema);投与部位の無感覚症(anesthesia);広範囲の腫れ(swelling);紅斑(erythema);硬化(induration);感覚異常(paresthesia);結節(nodule);掻痒(pruritus);灼熱感(warmth);神経損傷(nerve injury);又は嚥下障害(dysphagia))が軽減された局所脂肪減少用組成物及び製剤、これを含むキット、これらの製造方法、前記組成物又は製剤を利用して個体の痛み及び副作用が軽減され、局所脂肪沈着を非外科的に除去する方法に関する。
本出願は、2017年4月21日に出願された韓国特許出願第10-2017-0051868号、及び2017年11月3日に出願された韓国特許出願第10-2017-0146264に基づく優先権を主張し、前記明細書全体は参照により本出願に援用する。
局所的に沈着された脂肪は、多くの人にとって特別な関心事である。顔や体の一部に意図しない膨らみや膨らんだ脂肪沈着がある人は、外見的に魅力が落ち、老けて見える場合がある。これらの原因は、老化、生活習慣又は遺伝的素因が原因で発生することがあり、これを克服するために、運動療法と食餌療法で改善が試みられるが、脂肪減少効果は限定的である。
局所脂肪沈着(localized fat deposits)を減少させるための代表的な外科的美容整形方法(cosmetic surgical procedures)は、脂肪吸引術(liposuction)、脂肪整形術(lipoplasty)、脂肪彫刻吸引切開術(liposculpture suction)で大量の脂肪を除去する美容外科手術である。低侵襲美容整形方法(cosmetic minimally-invasive procedures)は、医療機器、メソテラピー(mesotheraphy)、オフラベル(off-label)注射を利用した施術である。しかし、外科的な方法は、治癒に数週あるいは数ヶ月かかり、喫煙者及び糖尿病患者のような特定の人は、治癒が大幅に遅れる可能性があり、10万人当たり20人が死亡する致命的な副作用、全身麻痺の危険性、過度な出血、内臓器損傷、細菌感染、傷跡、あざ、腫れ、痛みのような潜在的な合併症と危険性を内包している。これに対する代案的な非外科的方法の場合は、保健当局の管理監督のもとで承認を得て実施した大規模な臨床試験が存在せず、安全性と有効性が確保されていないため、潜在的危害性を内包している。局所脂肪減少に対する外科的方法の危険性と非外科的方法の危険性がなく、臨床的に有益性のある新たな医薬品の開発が必要な実情である。
局所脂肪減少用注射剤(injectable drugs for localized fat reduction)は、薬剤を皮下脂肪層に注射して、脂肪細胞の減少を誘導する施術である。代表的な事例がPPC注射である。PPC注射は、ポリエンホスファチジルコリン(Polyene Phosphatidylcholine)の略で、1950年代にドイツの民間企業A.Nattermann GmbH社で肝疾患の治療用に開発されたエッセンシャル(Essentiale)(商標)N i.v.、及び脂肪塞栓症の予防と治療に開発されたリポスタビル(Lipostabil)(商標)N i.v.、並びに、大韓民国で肝硬変による肝性昏睡の補助治療剤として承認されたリポビン(商標)がある。
PPC注射剤を肝疾患又は脂肪塞栓症の予防と治療の目的で処方する中で、1988年にフランスのパリメゾテラピー学会において、イタリアの医者Dr.Sergio Maggioriが、PPC注射によって、瞼に黄色く脂肪が沈着する疾患である眼瞼黄色腫(Xantelasma)を治療した研究結果を最初に発表した後、1999年にブラジルの皮膚科学会で、ブラジルの医師Dr.Patricia G.Rittesが、PPC注射によって、目の下の脂肪パッド(lower eyelid fat pads)の減少に対する研究結果を発表し、PPC注射による脂肪減少の可能性が確認された。それ以降、PPC注射を脂肪が沈着した腹部、わき腹、太もも、顎下、背中、腕、足、脂肪腫(lipoma)に投与する場合の、小規模の安全性と有効性に関する研究結果が発表された。
PPC注射剤は、主成分であるポリエンホスファチジルコリン(polyene phosphatidylcholine)と、可溶化剤であるデオキシコール酸(deoxycholic acid)とが配合された組成物である。PPCは必須リン脂質で、生物学的膜の主要成分であり、5つの脂肪酸がグリセロール炭素骨格のリンとコリンの親水性頭部に結合している疎水性尾部構造で構成されている。これは人体の細胞膜とミトコンドリアネットワーク構造の55%を占めており、ヒトの体内では殆ど合成されないため、体外から供給される必須成分として大豆(soybean)、卵(egg)などに多く含まれ、核酸を利用して物理的に又は化学的方法で抽出することができ、高純度で抽出精製することができる。
デオキシコール酸(DCA)は、腸バクテリアの代謝副産物である二次胆汁塩(bile salts)の一つで、難溶性PPCを安定的に注射が可能な組成物として製造するために、可溶化剤として配合されている。DCAで可溶化したPPCは、10nm以下の混合ミセル(mixed micelles)システムで安定的に分散されており、PPCを可溶化していないまま注射をすると、単一分子で溶解せず、望む血中濃度を得られなくなる。また、血管が詰まって血栓が生じる可能性があるので、可溶化されていないPPCは注射剤として使用されない。静脈注射の際に、薬剤が可溶化されずに懸濁した沈殿を形成するようになると、大きな粒子が血管を塞ぐことになり、塞がれた血管周囲の組織の血流に影響を及ぼしたり、組織に損傷や刺激を与えて痒み、痛み、発作などが発生したりするようになる。ひどい場合には塞栓が生じる可能性もある。
主成分のPPCと可溶化剤のDCAとの組成物であるLipostabil(商標)N i.v.が、脂肪組織が静脈に流入して塞栓症を引き起こす脂肪塞栓症(Fat embolism)の治療に処方されることに基づいて、PPCは脂肪減少の活性成分であると見なされてきたが、2004年に、PPC注射剤に可溶化剤として配合されたDCAが、界面活性剤の効果(detergent effect)により細胞壊死(necrosis)を引き起こし、脂肪細胞が減少するものと確認され、PPC注射剤の脂肪減少薬理活性成分(active ingredient)はDCAであることが明らかになった(非特許文献1)。これを基に、2015年、FDAは、米国所在の民間企業Kythera biopharmaceuticals INCが開発した、PPCを含まないDCA単独注射剤を、顎の下の脂肪減少のための外貌改善用細胞溶解剤として承認した。
しかし、DCA単独注射又はDCAで可溶化されたPPC注射剤は、非選択的に、脂肪細胞(3T3L1 adipocytes)だけでなく、線維芽細胞(normal fibroblasts)、血管内皮細胞(Endothelial cells)、骨格筋細胞(Skeletal muscle cells)までも溶解するので、脂肪分解注射ではなく細胞溶解注射である(非特許文献2)。
臨床的にPPCとDCAが配合された組成は、DCAの強力な炎症と細胞溶解作用で、皮下脂肪層に投与時の痛み(78.4%)、血腫(83.8%)、紅斑(100%)、灼熱感(100%)、浮腫(100%)、硬化(66.7%)が報告され、さらに、DCA単独組成では、痛み(100%)、あざ(91.9%)、紅斑(100%)、灼熱感(100%)、腫れ(100%)、硬化(89.2%)を引き起こすことが報告されただけでなく(非特許文献3)、DCA単独組成に対する大規模な臨床試験の結果、痛み(73.6%)、血腫(72.9%)、浮腫(67.8%)、無感覚症(65.5%)、紅斑(35.3%)、腫れ(29.1%)、硬化(28.3%)、掻痒(16.3%)、結節(14.3%)を引き起こす異常反応が報告された(非特許文献4)。このような有害事例は、DCAを皮下注射すると、細胞への酸素の供給を遮断して、即時的な細胞膨張と細胞膜に水泡及び損傷を引き起こして、急激な炎症反応により細胞が壊死(necrosis)する作用メカニズムに起因する(非特許文献5)。
生体内で細胞が死ぬ(death)とき、壊死(necrosis)と細胞死(自死、apoptosis)には格段の差がある。アポトーシス(apoptosis)は、細胞内部でプログラムされたシグナルに従って、複数の遺伝子及び蛋白質の発現と活性が調節されて起こる能動的な死を意味し、その過程を通じて生成されたアポプトソーム(apoptosome)は、周辺の細胞や大食細胞(macrophage)などの食細胞作用によって除去されることにより、炎症を誘発しない。反面、細胞壊死(necrosis)は、外部環境の変化によって急激に起こる受動的死で、染色体の不規則な凝集(irregular clumping)及び細胞質の膨張過程を経ることになり、最終的に細胞の分解を通じて細胞の破片(cell debris)が生成され、これらは炎症を誘発することが知られている(非特許文献6)。
従って、局所脂肪減少注射剤が細胞壊死効果に作用すると、その薬剤を投与した目的部位以外の周辺領域にも炎症作用が影響を与えるため、正常的に機能しなければならない細胞にも影響を与えて、細胞が死ぬ。このような事実をまとめると、既に承認された外貌改善用細胞溶解注射剤で表れる痛み、浮腫、無感覚症、広範囲の腫れ、紅斑、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感、脂肪細胞の他に線維芽細胞、筋細胞、血管内皮細胞の壊死がなく、投与薬剤が作用する部位で、脂肪細胞のみに選択的に脂肪分解(lipolysis)と細胞死(apoptosis)を、高効率で誘発させることが重要であるとは言えるが、今までにこのような観点から行われた研究及び製剤開発はないのが実情である(非特許文献7)。
現在、PPCとDCAが配合された組成の注射剤であるLipostabil(商標)N i.v.、Essentiale(商標)N i.v.、Lipobean(商標)i.v.を局所脂肪減少の用途で投与したオフラベル施術とカイベラ(Kybella)(DCA単独組成)は、脂肪減少に対する多くの研究が行われただけでなく、Kybellaが世界的に最初に外貌改善用細胞溶解剤(cytolytic drug)としてFDAの承認を得た成功的な面もあるが、従来技術及び組成物には一定の限界がある。PPC+DCA組成物又はDCA単独組成物は、痛み、浮腫、無感覚症、広範囲の腫れ、紅斑、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感だけでなく、脂肪細胞の他に線維芽細胞、筋細胞、血管内皮細胞の壊死により、非外科的施術で脂肪の減少を望む対象は、不快感と不安を訴えている。これらの理由で、現在、臨床的有効性が検証されたにもかかわらず、服薬順守度が低いのが実情である。そこで、現在利用可能な細胞溶解注射剤に比べて、炎症による痛みと浮腫がなく、脂肪細胞のみに選択的に細胞死と脂肪分解を誘発し、副作用なく脂肪が減少する注射剤の開発が要求される。本発明はこれらの要求事項を満たしている。
前記のような事実に基づいて、本発明の研究陣は、PPCの脂肪減少効果を研究する中で、DCAが添加されていないPPC単独組成物が、脂肪細胞において、壊死(necrosis)ではなく、細胞死(apoptosis)により脂肪細胞だけを減少させ、線維芽細胞の減少に影響を与えない研究結果を発表した(非特許文献8)。その後、痛み、浮腫、及び副作用のない、PPCを主成分基盤とする選択的脂肪細胞減少用組成物の研究を続け、本発明を完成した。
Rotunda AM, Suzuki H, Moy RL, Kolodney M., Detergent effects of sodium deoxycholate are a major feature of an injectable phosphatidylcholine formulation used for localized fat dissolution. Dermatol Surg 30(7):1001-8, 2004) A. Gupta, Action and comparative efficacy of phosphatidylcholine formulation and isolated sodium deoxycholate for different cell type, Aest Plast Sur, 33: 346-352, 2009 Giovanni Salti, Phosphatidylcholine and sodum deoxycholate in the treatment of localized fat: A doube-blind, randomized study, Dermatol Surg 34: 60-66, 2007 Humphrey et al, ATX-101 for reduction of submental fat: A Phase III randommized controlled trial, J AM ACAD DERMATOL Vol75, No.4, 788-797, 2016 Duncan, Injectable therapies for localized fat loss: state of the art, Clin Plastic Surg, 1-13, 2011 Earnshaw, W.C., Curr. Opin. Cell Biol., 7, pp 337-343, 1995 Duncan, Refinement of Technique in injection lipolysis based on scientific studies and clinical evaluation, Clin Plastic Surg 36 195-209, 2009 Dong-Seok Kim, Phosphatidylcholine induces apoptosis of 3T3-L1 adipocytes, Journal of biomedical science, 18: 91, 1-7, 2011
[発明の詳細な説明]
[技術的課題]
本発明者は、従来のDCA単独組成注射剤又はDCAで可溶化したPPC組成注射剤の、炎症による痛みと浮腫、及び、非選択的細胞溶解に因る多様な副作用、特に脂肪細胞だけでなく、線維芽細胞、血管内皮細胞及び骨格筋細胞まで壊死(necrosis)させる作用により引き起こされる臨床的に深刻な副作用を解決するために、脂肪細胞において細胞死(apoptosis)と脂肪分解(lipolysis)メカニズムにより痛みと浮腫なく脂肪が減少し、線維芽細胞、血管内皮細胞及び骨格筋細胞の損傷なく、選択的に脂肪細胞だけを減少させて副作用のない、安全で安定した局所脂肪減少用注射剤組成物を製造するための研究を遂行した。その結果タウロコール酸(TCA)、特にグリココール酸(GCA)を特定の配合比でホスファチジルコリン(PPC)に添加して製造した本発明の組成物は、安全(safety)で製剤安定性(stability)が優れているだけでなく、細胞壊死(necrosis)を誘発せず、選択的に脂肪細胞のみに細胞死と分解を誘導して、臨床的に痛みと浮腫、及び副作用なく脂肪減少を引き起こすことを確認して本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み、浮腫及び副作用(浮腫;投与部位の無感覚症;広範囲の腫れ;紅斑;硬化;感覚異常;結節;掻痒;灼熱感;神経損傷;嚥下障害;及び脂肪細胞の他に線維芽細胞、筋細胞、血管内皮細胞の壊死など)が軽減された局所脂肪減少用組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、対象から痛み及び副作用が軽減された、局所脂肪沈着(loacalized fat deposit)を除去するための製剤であって、前記製剤は、(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0である製剤を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
(I)(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0である、対象において痛み及び副作用が軽減され、局所脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を含む第1コンテナー;及び
(II)前記組成物を脂肪蓄積部位に伝達できる伝達装置を含むキットを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
(I)(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上は、ホスファチジルコリンの質量以下で含まれる、対象から痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を含む第1コンテナー;及び
(II)前記組成物を脂肪沈着部位に伝達できる伝達装置を含むキットを提供することである。
本発明のさらに他の目的は(a)注射用水にグリココール酸(Glycocholic acid)、タウロコール酸(Taurocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を入れて透明に溶解するまで撹拌する段階;(b)保存剤を入れて撹拌する段階;(c)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline)を投入して常温で撹拌する段階;及び(d)水で全体の嵩を合わせ撹拌する段階を含めて、前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上/ホスファチジルコリンのモル比が0.7〜3.0で投入されることを特徴とする、痛み及び副作用(浮腫;投与部位の無感覚症;広範囲の腫れ;紅斑;硬化;感覚異常;結節;掻痒;灼熱感;神経損傷;嚥下障害;及び脂肪細胞の他に線維芽細胞、筋細胞、血管内皮細胞の壊死など)が軽減された局所脂肪減少用注射剤組成物の製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を非外科的に除去するための医薬組成物を製造する方法において、前記組成物は、ホスファチジルコリンとグリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、
前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上はホスファチジルコリンの質量以下で投入されることを特徴とする製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline)及び
グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上のホスファチジルコリンの可溶化剤を、局所脂肪沈着を有する個体に有効量で投与する段階を含む、個体の痛み及び副作用が軽減された局所脂肪沈着を除去するための方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含む製剤を、局所脂肪沈着を有する個体に投与する段階を含む、個体の痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を非外科的に除去する方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含む製剤を、局所脂肪沈着を有する個体に投与する段階を含み、
前記製剤を、(ii)/(i)のモル比が0.7乃至3.0で存在するように投与して、個体の痛み及び副作用が軽減されるようにする、局所脂肪沈着を非外科的に除去する方法を提供することである。
一つの態様において、前記製剤は、脂肪溶解濃度のホスファチジルコリンを1.0%〜約15.0%の濃度で含む。
一つの態様において、前記製剤は注射可能な製剤である。他の態様で前記製剤は、脂肪細胞減少用注射製剤である。
本発明は、また、局所脂肪沈着部位を有する対象に非外科的減少のための方法を提供する。
一つの態様において、前記の方法は、pH6.0〜pH9.0のpHを有する薬学的に許容可能な製剤の中で、グリココール酸又はタウロコール酸で可溶化したホスファチジルコリン組成のうち、いずれか一つ以上を含む製剤を投与する段階を含む。
一つの態様において、前記投与段階は皮下注射を含む。
一つの態様において、前記局所脂肪沈着は、下眼瞼脂肪ヘルニア(lower eyelid fat herniation)、脂肪腫(lipomas)、脂肪異常症(lipodystrophy)及びセルライト関連性脂肪蓄積(fat deposits associated with cellulite)から選ばれる。
一つの態様において、前記脂肪沈着は前記対象の眼下、顎下、脇下、臀部、ふくらはぎ、背中、太もも、足首、又は胃に局所化されている。
本発明は、さらに、グリココール酸又はタウロコール酸で可溶化したホスファチジルコリン組成のうち、一つ以上を含む製剤を一つ以上含む対象において局所脂肪積を非外科的に除去するための製剤を使用する説明書(written instruction)を含むキットを提供する。
[技術解決方法]
前記のような目的を達成するために、本発明は、(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み及び副作用(浮腫;投与部位の無感覚症;広範囲の腫れ;紅斑;硬化;感覚異常;結節;掻痒;灼熱感;神経損傷;嚥下障害;及び脂肪細胞の他に線維芽細胞、筋細胞、血管内皮細胞の壊死など)が軽減された局所脂肪減少用組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は対象から痛み及び副作用が軽減された、局所脂肪沈着(localized fat deposit)を除去するための製剤であって、前記製剤は、(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline)及び;(ii)グリココール酸(Glycoholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0である製剤を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
(I)(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycoholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0である、対象から痛みと副作用が軽減されて局所脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を含む第1コンテナー;及び
(II)前記組成物を脂肪沈積部位に伝達できる伝達装置を含むキットを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
(I)(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycoholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上は、ホスファチジルコリンの質量以下で含まれる、対象の痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を含む第1コンテナー;及び
(II)前記組成物を脂肪沈積部位に伝達することができる伝達装置を含むキットを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、(a)注射用水にグリココール酸(Glycoholic acid)、タウロコール酸(Taurocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を入れて透明に溶解するまで撹拌する段階;(b)保存剤を入れて撹拌する段階;(c)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline)を投入して常温で撹拌する段階;及び(d)水で全体の嵩を合わせ撹拌する段階を含めて、前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上/ホスファチジルコリンのモル比が0.7〜3.0で投入されることを特徴とする、痛み及び副作用(浮腫;投与部位の無感覚症;広範囲の腫れ;紅斑;硬化;感覚異常;結節;掻痒;灼熱感;神経損傷;嚥下障害;及び脂肪細胞以外の線維芽細胞、筋細胞及び血管内皮細胞の壊死など)が軽減された局所脂肪減少用注射剤組成物の製造方法を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
痛み及び副作用が軽減された、局所脂肪沈着を非外科的に除去するための医薬組成物を製造する方法において、前記組成物は、
ホスファチジルコリンと、
グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、
前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上は、ホスファチジルコリンの質量以下で投入されることを特徴とする製造方法を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
グリココール酸(Glycoholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上のホスファチジルコリンの可溶化剤を、局所脂肪沈着を有する個体に有効量で投与する段階を含む、個体の痛み及び副作用が軽減された、局所脂肪沈着を除去するための方法を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycoholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含む製剤を、局所脂肪沈着を有する個体に投与する段階を含む、個体の痛みと副作用が軽減され、局所脂肪沈着を非外科的に除去する方法を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycoholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含む製剤を、局所脂肪沈着を有する個体に投与する段階を含み、
前記製剤を、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0で存在するように投与して
前記個体の痛み及び副作用が軽減されるようにする、局所脂肪沈着を非外科的に除去する方法を提供する。
用語
本発明において、用語“ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine)”は、リン脂質であってIUPAC名1,2-diacyl-sn-glycero-3-phosphocholineで表示される化合物を意味し、本明細書ではPPCと記載される。
別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野で通常の技術者により通常的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記述されたものと類似するか又は均等な任意の方法及び物質を、本発明の実施又は試験に使用することができるが、本明細書には好ましい方法及び物質が記載されている。
本明細書で使用されるような、下記の用語それぞれは、この部分でそれと関連付けられている意味を有する。
冠詞“a”及び“an”は、前記冠詞の文法的対象の内、一つ以上(つまり、少なくとも一つ)示すために本明細書で使用される。例えば、“要素(an element)”は、一つの要素又はそれ以上の要素を意味する。
量、時間的長さなどのような測定可能な数値を指称する場合、本明細書で使用されたような“約(about)”は、下記変動が指定された方法を遂行するに適切であるため、明示された数値から±20%、±10%、±5%、±1%、又は±0.1%の変動を含むことを意味する。
疾病又は障害の症状の深刻度、患者が経験するそのような症状の頻度、又は両者全てが減少される場合に、疾病又は障碍は“軽減(alleviated)”されている。
本明細書で使用されたような、用語“胆汁酸(bile acid)”は、ステロイド酸(及び/又はそのカルボン酸陰イオン)、及びその塩を含めて、動物の胆汁から発見されたもので、“デオキシコール酸(Deoxycholic acid)”は、胆汁塩の一種であり、IUPAC名(4R)-4-[(3R,5R,8R,9S,10S,12S,13R,14S,17R)-3,12-dihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoic acidで表示される化合物を意味する。本発明の明細書ではDCAと記載される。
“グリココール酸(Glycocholic acid)”は、胆汁塩の一種であり、IUPAC名2-[[(4R)-4-[(3R,5S,7R,8R,9S,10S,12S,13R,14S,17R)-3,7,12-trihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoyl]amino]acetic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではGCAと記載される。
“タウロコール酸(Taurocholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名2-[[(4R)-4-[(3R,5S,7R,8R,9S,10S,12S,13R,14S,17R)-3,7,12-trihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoyl]amino]ethanesulfonic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではTCAと記載される。
“コール酸(Cholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名(4R)-4-[(3R,5S,7R,8R,9S,10S,12S,13R,14S,17R)-3,7,12-trihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoic acidで表示される化合物を意味する。本明細書では、CAと記載される。
“ケノデオキシコール酸(Chenodeoxycholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名((4R)-4-[(3R,5S,7R,8R,9S,10S,13R,14S,17R)-3,7-dihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではCDCAと記載される。
“ウルソデオキシコール酸(Ursodeoxycholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名(4R)-4-[(3R,5S,7S,8R,9S,10S,13R,14S,17R)-3,7-dihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではUDCAと記載される。
“グリコデオキシコール酸(Glycodeoxyholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名2-[[(4R)-4-[(3R,8R,9S,10S,12S,13R,14S,17R)-3,12-dihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoyl]amino]acetic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではGDCAと記載される。
“タウロデオキシコール酸(Taurodeoxycholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名2-[[(4R)-4-[(3R,5R,9S,10S,12S,13R,14S,17R)-3,12-dihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoyl]amino]ethanesulfonic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではTDCAと記載される。
“ヒオデオキシコール酸(Hyodeoxycholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名(4R)-4-[(3R,5R,6S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-3,6-dihydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではHDCAと記載される。
“リトコール酸(Lithocholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名(4R)-4-[(3R,5R,8R,9S,10S,13R,14S,17R)-3-hydroxy-10,13-dimethyl-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではLCAと記載される。
“タウロウルソデオキシコール酸(Tauroursodeoxycholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名2-[[(4R)-4-[(3R,5S,7S,8R,9S,10S,13R,14S,17R)-3,7-dihydroxy-10,13-dimethyl-2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]phentanoyl]amino]ethanesulfonic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではTUDCAと記載される。
“デヒドロコール酸(Dehydrocholic acid)”は、胆汁塩の一種で、IUPAC名(4R)-4-[(5S,8R,9S,10S,13R,14S,17R)-10,13-dimethyl-3,7,12-trioxo-1,2,4,5,6,8,9,11,14,15,16,17-dodecahydrocyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pentanoic acidで表示される化合物を意味する。本明細書ではDHCAと記載される。
用語“患者(patient)”、“対象(subject)”、“個体(individual)”などは、本明細書で相互交換可能に使用され、本明細書に記述された方法に順応することができる(in vitro又はin situなどで)、動物、又はその細胞を意味する。特定の非制限的な実施形態では、前記患者、対象又は個体はヒトである。
本明細書で使用される用語“組成物(composition)”又は“薬学的組成物(pharmaceutical composition)”とは、本発明で使用される一つ以上の化合物又は組成物と追加的担体(carriers)、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤(thickening agents)、及び/又は賦形剤(excipients)のような他の化学成分の混合物を全て含む意味でもある。前記薬学的組成物は、前記化合物の有機体への投与を促進する。
本明細書で使用される用語“有効量(effective amount)”、“薬学的に有効な量(pharmaceutically effective amount)”及び“治療に有効な量(therapeutically effective amount)”とは、非毒性ではあるが、望む生物学的結果を提供するのに十分な量を示す。前記結果は、徴候、症状、又は疾病の原因の減少及び/又は軽減、又は生物学的システムの他の望む変化(alteration)でもある。任意の個別の事案から、適当な治療学的量は、通常の実験を使用して、通常の技術者によって決定される。
本明細書で使用される用語“効能(efficacy)”とは、分析方法内で達成される最大の効果(Emax)を意味するものでもある。
本明細書で使用される“指示的資料(instructional material)”とは、本明細書に記載された多様な疾病又は障碍の軽減を発揮するためのキットの中で、本発明の化合物、組成物、ベクター、又は伝達システムの有用性を伝達に使用できる刊行物、記録(recording)、ダイヤグラム、又は他の表現媒体を含む。選択的に又は代案として、前記指示的資料は、哺乳類の細胞又は組織内での疾患又は障碍の軽減に対する一つ以上の方法を述べることができる。本発明の前記キットの前記指示的資料は、例えば、本発明の前記確認された化合物、組成物、ベクター、もしくは伝達システムを含む容器に付着することができるか、又は前記確認された化合物、組成物、ベクター、もしくは伝達システムを含む容器と一緒に出荷(ship)することができる。
代案的に、前記指示的資料は、前記物質及び前記化合物(組成物)が需要者により協同的に使用されることを意図して、前記容器とは別に出荷されることもある。
“局所投与(local administration)”とは、薬学的成分を非全身的経路によって、患者の筋肉又は皮下(subdermal location)に、又はその周辺に投与することを意味する。従って、局所投与は、静脈内又は口腔投与のような全身的経路を通じた投与は排除する。
“薬学的に許容可能な(pharmaceutically acceptable)”とは、組成、製剤、安定性、患者の受容性及び生物利用可能性について、薬理学的/毒性学的観点から、及び物理的/化学的観点から製造する薬学的化学者に受容可能な特性及び/又は物質を示す。“薬学的に許容可能な担体”とは、活性成分の生物学的活性の有効性(effectiveness)を妨げることなく、投与されるホストに毒性を示さない媒体を示す。
“治療学的(therapeutic)”処置(treatment)とは、徴候又は症状を減少又は除去するための目的で、病理の徴候又は症状を示す対象に施される治療である。
本明細書で使用される用語“処置(treatment)”又は“処置する(treating)”とは、本明細書で考慮された状態、本明細書で考慮された状態の症状、又は本明細書で考慮された状態に進展する潜在性を、治療(cure)、治癒(heal)、軽減(alleviate)、緩和(relieve)、変化(alter)、救済(remedy)、改善(ameliorate)、向上(improve)又は影響を与えるために、治療学的作用剤、つまり、本発明の組成物(単独又は他の薬学的作用剤と組み合わせで)を患者に適用又は投与するものと定義されたり(たとえば、診断又はin vivo適用のために)、患者から分離された組織又は細胞株に、治療学的作用剤を適用又は投与したり(たとえば、診断又はin vitro適用のために)することと定義され、前記本明細書で考慮された状態は、本明細書で考慮された状態の症状(symptoms)又は本明細書で考慮された状態に進展する潜在性を有している。前記治療は、薬理学分野から得られた知識に基づいて具体的に併合されたり変形されたりすることができる。
“治療に有効な量(therapeutically effective amount)”とは、患者に投与される場合、疾病の症状を改善する本発明の組成物(又は組成物を成す個別化合物)の量である。“治療に有効な量”を構成する本発明の組成物の量は、前記組成物を構成する化合物、疾病状態及びその重症度、治療される患者の年齢などによって変化しうる。治療に有効な量は、自分の知識及び本開示を考慮して、当分野で通常の技術を有する者によって通常的に決定することができる。
範囲:本開示全般にわたって、本発明の多様な様相を範囲形式で提案することができる。本明細書で範囲値の記載は、別の言及がない限り、当該境界値を含むものであって、すなわち、下限値以上〜上限値以下の値を全て含む意味である。範囲形式の記載は、単に便宜性及び簡潔性のためのものであり、本発明の範囲に対する融通性のない制限(inflexible limitation)として解釈されるべきではないことと理解される。従って、範囲の記載は前記範囲内の個別的な数値だけでなく、全ての可能な下位範囲(subrange)を具体的に開示したものと考慮されるべきである。例えば、1〜6のような範囲の記載は、前記の範囲内の個別的な数値、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6だけではなく、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などの下位範囲を具体的に開示したものと見做されるべきである。これは範囲の幅とは無関係に適用される。
本発明で、組成物の含有量表記の際に使用される‘%’は、特別な言及がない限り、w/v%の含有量を意味し、別の言及がない限り、全体組成物を基準にしたw/v%の値を意味する。
本発明で“グリココール酸又はタウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上/ホスファチジルコリン”記載の内‘/’の表示は、通常的に使用される様式の分数(fraction)の表示である。
以下、本発明を詳細に説明する。
FDAの承認を得た外貌改善用細胞溶解剤であるKybella(カイベラ)(DCA 1.0%)とオフラベル施術されたDCAで可溶化したPPC注射剤組成物(たとえば、リポスタビル、エッセンシャル、リポビン)は、局所脂肪減少目的で皮下注射した時の炎症反応により、痛みと浮腫を同伴する。また、脂肪細胞だけでなく、線維芽細胞、骨格筋細胞、血管内皮細胞にまで壊死を引き起こす非選択的細胞溶解剤であり、投与部位の壊死、潰瘍及び下顎神経麻痺、神経損傷のような致命的な副作用が報告されている。これらの理由で、潜在的な脂肪以外の組織損傷を防止するために、唾液腺、リンパ節、筋肉内又はこれに極めて近接した部位には、薬剤注入不可の警告をしている。また、現在のカイベラを投与された対象者らは、痛み、浮腫、顔面麻痺及び皮膚層壊死のような副作用が持続的に報告されている。
これに対して、本発明の発明者は、可溶化剤が添加されていないPPC(5.0%)単独組成物が、カイベラ(DCA 1.0%)のin vitro脂肪細胞減少効果と同等ではあるが、PPCは、選択的に脂肪細胞のみに細胞死と分解メカニズムにより減少を誘導して、痛みと浮腫、及び副作用のない脂肪減少用組成物開発の可能性を確認した。しかし、PPCは難溶性で、物理的又は化学的に安定して安全に注射可能な組成物の製造に限界があった。このような背景のもとに、2010年からPPCを主成分とする脂肪細胞減少剤組成物を研究した。その結果、高圧ホモジナイザーで分散したPPCは、時間と濃度依存的に脂肪細胞減少の効果があるが、低い安定性(stability)により、産業的利用には限界があった。
これらの理由で、本発明者は、難溶性PPCを、安全で安定して皮下注射可能な組成物として製造するために、物理的及び化学的方法で製剤実験を行った(図1〜図3)。本研究は、胆汁酸(塩)の界面活性力によって、毒性は特異的に示されるとの前提から出発する。界面活性機能は、PPC固有の脂肪細胞の細胞死と分解効果を抑制して壊死機能により細胞溶解を誘導して、痛みと浮腫、及び副作用を伴う局所脂肪減少を引き起こすので、具体的な界面活性剤の種類とその使用量(比率)を決定することは、当業者にとってかなりの技術的困難性を引き起こす。
以下で多様な比較例、実施例及び実験例において提供された結果は、本発明組成物の予期しなかった特異的効果を立証する。簡略に、本発明者らは、製剤の実験の結果、産業的に利用可能な安定した組成物であることを確認し、選ばれた組成物中、in vivo浮腫と病変、及び炎症評価において、局所異常反応がないか、又は軽症であることが確認された胆汁酸(塩)の組合せを選抜した。そして、選抜された胆汁酸(塩)のin vitro脂肪細胞、線維芽細胞、内皮細胞及び骨格筋細胞の生存力の評価で、脂肪細胞選択性が検証され、選択した本発明のGCA又はTCAで可溶化したPPC組成物に対する脂肪細胞の細胞死と分解効果を検証した。また、本発明のGCAで可溶化されたPPC複合組成物は、局所だけでなく全身毒性が並外れて無いことを確認した。さらに、本発明品で実施した研究者の臨床試験の結果、脂肪減少に対する有効性は、カイベラに劣らない(noninferiority)ものであり、痛みと浮腫、及び副作用は無いか、又は80%以上軽減された脂肪減少用注射剤組成物という予期しなかった発見を立証した。以下で、これをより具体的に記述する。
PPCの可溶化剤に選ばれた胆汁塩(bile salts)は、コール酸(cholic acid、CA)、デオキシコール酸(deoxycholic acid、DCA)、グリココール酸(glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(taurocholic acid、TCA)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid、CDCA)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid、UDCA)、グリコデオキシコール酸(glycodeoxycholic acid、GDCA)、タウロデオキシコール酸(taurodeoxycholic acid、TDCA)、ヒオデオキシコール酸(hyodeoxycholic acid、HDCA)、タウロウルソデオキシコール酸(tauroursodeoxycholic acid、TUDCA)、リトコール酸(lithocholic acid、LCA)、デヒドロコール酸(dehydrocholic acid、DHCA)で製剤実験した結果、LCAとDHCAはPPC可溶が不可能であったが(図3a、図3b)、CA、DCA、GCA、TCA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAは、特定のモル比以上で安定して可溶化されることを確認した(図2a〜図2j)。
製剤実験の結果選ばれた胆汁酸CA、DCA、GCA、TCA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAに対する炎症と浮腫、及び病変に対するin vivo実験を実施した。胆汁酸の中でも、DCAは最も強力な界面活性剤で、皮下注射時の炎症と浮腫を引き起こし、非選択的細胞溶解に因る臨床的副作用が報告され、胆汁酸の中で、DCAのような有害な効果がある添加剤は、PPC固有の選択的な脂肪細胞のアポトーシスと分解作用を妨害するので、適切な可溶化剤でないことを認知して、まずin vivoでの濃度別胆汁酸を注射した後、代表的な有害事例である浮腫と皮膚病変及び炎症を観察した。
in vivo胆汁酸に対する浮腫試験の結果(図4a〜図4q)、代表的に投与2時間経過時点で、“無し”は、GCA(1.25〜2.5%)又はTCA(1.25〜2.5%)で可溶化したPPC(2.5〜5.0%)の複合組成物であり、“軽症”は、単独組成物としてPPC(1.25〜10.0%)、GCA(1.0%)、TCA(1.0%)、及びTUCA(1.0%、2.5%)、並びに複合組成物としてPPC(7.5%、10.0%)+GCA(3.75%、5.0%)、及びPPC(7.5%、10.0%)+(TCA 3.75%、5.0%)であり、“中等症”は、単独組成物としてPPC(12.5%、15.0%)、UDCA(1.0%)、GDCA(1.0%)、CDCA(1.0%)、CA(1.0%)、GCA(2.5%、5.0%)、TCA(2.5%、5.0%)及びTUDCA(5.0%、7.5%)、並びに複合組成物としてPPC(5.0%)+CA(2.5%)、PPC(15.0%)+GCA(7.5%)、及びPPC(15.0%)+(TCA 7.5%)で確認され、その他の単独組成物と複合組成物は、“重症”及び“深刻”と確認された。DCA(2.2%)で可溶化したPPCの浮腫の深刻と比較して、本発明の図4nのPPC(2.5〜15.0%)+GCA(1.25〜7.50%)と図4pのPPC(5.0%)+GCA(2.5〜7.5%)の複合組成物は、浮腫のない驚くべき発明である。驚くべき発見は、GCA又はTCA単独投与時に観察された浮腫の程度は、PPC+GCAとPPC+TCA複合組成物で劇的に減少する。しかし、DCA単独又はDCA 2.2%で可溶化したPPC 5.0%組成物は、投与後の浮腫は深刻と観察され、DCAは、細胞壊死作用でPPC固有の選択的脂肪細胞の細胞死と分解の妨害を誘導する効果があることを示唆していることを発見した(図4m)。
in vivo胆汁酸の皮膚病変の試験の結果(図5a〜図5f)、代表的に投与2時間経過時点で、“無し”は、単独組成物としてPPC(1.25〜15.0%)、GCA(1.0%)、TCA(1.0%)、及びTUDCA(1.0〜7.5%)、並びに複合組成物としてPPC(2.5〜10.0%)+GCA(1.25〜5.0%)、及びPPC(5.0%)+GCA(2.5〜5.0%)、“軽症”は、単独組成物としてHDCA(1.0%)、CA(1.0%)、GCA(2.5%、5.0%)、及びTCA(2.5%、5.0%)、並びに複合組成物としてPPC(15.0%)+GCA(7.5%)、“中等症”は、単独組成物としてDCA(1.0%)、UDCA(1.0%)、TDCA(1.0%)、GDCA(1.0%)、CDCA(1.0%)、CA(2.5%)、GCA(7.5%)、及びTCA(7.5%)に確認され、その他の単独組成物と複合組成物は、“重症”及び“深刻”と確認された。このような結果は、浮腫試験の結果と一致した様相で、GCA又はTCA単独組成物と比較して、PPC+GCAとPPC+TCA複合組成物の皮下注射時の病変症状が軽減されることを確認した。
in vivo胆汁酸のH&E炎症試験の結果、図6a〜図6fのように、炎症反応程度について、“無し”は、単独組成物としてPPC(2.5〜7.5%)、及びTUDCA(1.0〜5.0%)、並びに複合組成物としてPPC(2.5〜7.5%)+GCA(1.25〜3.75%)、PPC(5.0%)+GCA(2.5〜7.5%)、PPC(5.0%)+TCA(2.5%)、及びPPC(5.0%)+TUDCA(4.0%)であり、“軽症”は、単独組成物としてPPC(10.0%、12.5%)、GCA(1.0%)、TCA(1.0%)、及びTUDCA(7.5%)、並びに複合組成物としてPPC(10.0%)+GCA(5.0%)、及びPPC(5.0%)+GCA(10.0%)であり、“中等症”は、単独組成物としてPPC(15.0%)、TDCA(1.0%)、GDCA(1.0%)、CDCA(1.0%)、CA(1.0%)、GCA(2.5%以上)、及びTCA(2.5%以上)、並びに複合組成物としてPPC(15.0%)+GCA(7.5%)、及びPPC(5.0%)+(CA 2.5%)に確認され、その他の単独組成物と複合組成物は、“重症”及び“深刻”と確認された。このような結果は、浮腫と病変実験結果と一致するように、GCA又はTCA単独投与時の毒性は、PPCと共に配合されると毒性がないか、又は軽減されるが、DCA又はこれと同等な胆汁塩は、強い細胞毒性により、PPC固有の細胞死と分解を妨害する、壊死による痛みと浮腫及び副作用が引き起こされることを証明したものである。
前記製剤の実験とin vivo胆汁酸の浮腫や炎症及び皮膚病変の実験結果をもとに、選ばれた可溶化剤TUDCA、TCA、GCAで可溶化されたPPC組成物に対するin vitro脂肪細胞生存度効力試験の結果、脂肪細胞の生存度は、TUDCAに可溶化されたPPC群を除いた、PPC単独群とGCAで可溶化されたPPC群及びTCAで可溶化されたPPC群において、時間と濃度依存的に脂肪細胞の減少が観察された(図7a〜図7d)。特異な発見は、TUDCAは、脂肪細胞の細胞死と分解を抑制することが観察された。これに関連して、TUDCAの細胞死抑制に対する研究結果は発表されており(Andrew L.Rivard, Administration of Tauroursodeoxycholic acid reduces apoptosis following myocardial infarction in rat, The American Journal of Chinese Medicine, Vol. 35, No. 2, 279-295, 2007)、PPCは、細胞壊死と細胞死に相異する作用をする効果があることを示唆している。
PPC 5.0%単独、PPC 5.0%+GCA 2.5%、及びPPC 15.0%+TCA 7.5%は、96時間経過時点で、DCA 1.0%と類似した脂肪細胞の減少効果活性を示した。つまり、外貌改善用細胞溶解剤としてFDAの承認を得たカイベラ(DCA 1.0%)と脂肪細胞生存度が同等な濃度は、PPC単独では5.0%、PPC 5.0%+GCA 2.5%であり、これらの実験群において、脂肪細胞減少効果の差は統計的有意性がなかった(図7e)。まとめれば、PPCを局所脂肪減少の目的の注射剤組成物に製造するために選ばれる可溶化剤には、組成物の安全性と製剤の安定性だけでなく、PPC固有の選択的脂肪細胞の細胞死及び分解効果に対して壊死を通じた妨害作用がないなど、毒性が低いか又はこれらの毒性がPPCによって相殺される胆汁酸の選択が重要である。つまり、PPCそのものの脂肪減少効果に壊死のような否定的な変形(PPC+DCA)又は抑制(PPC+TUDCA)薬理活性がない可溶化剤が選ばれる驚くべき発見をした。
PPC可溶のために配合されるモル比によるGCA単独組成物に対するin vitro脂肪細胞生存力観察の結果、濃度と時間依存的に脂肪細胞の減少が観察され、PPC単独組成物とGCAに可溶化されたPPC組成物との脂肪細胞生存力の差は統計的有意性がなかった(図7f〜図7h)。つまり、PPC単独組成物とGCAで可溶化されたPPC組成物との脂肪細胞死滅効果は同等な水準であった。本発明の組成物において、GCAの脂肪細胞減少に対する影響を検証するために、GCAの投入量の増加に伴うPPCの脂肪細胞減少効果を観察した。GCA(2.5〜8.75%)で可溶化したPPC(5.0%)の複合組成物と、PPC(5.0%)単独組成物とに対する96時間経過時点の脂肪細胞生存力実験の結果、GCA(2.5〜7.5%)で可溶化したPPC(5.0%)複合組成物は、PPC(5.0%)単独組成物と比較して、その効果上の差に統計的有意性はなかった。つまり、前記群らは脂肪細胞の細胞死効果が同等な水準であった。しかし、GCA(8.75%)で可溶化したPPC(5.0%)処理群では、脂肪細胞死滅効果の差に統計的有意性が観察された(図7i)。これはつまり、GCA/PPCモル比が3.04 mol/mol(PPC 5.0%+GCA 8.75%)以上の時からは、本来のPPC固有の肯定的性能に副作用を付加する可能性を示唆している。
既報によれば、DCA又はDCAで可溶化したPPC組成物は、脂肪細胞だけでなく、線維芽細胞、骨格筋細胞、血管内皮細胞まで溶解させ、臨床的に重大な副作用が報告されていて、PPC単独組成物とGCAで可溶化したPPC複合組成物に対する細胞生存度を観察した結果、PPC+GCAは、PPC+DCAとは異なり、脂肪細胞のみを選択的に減少させる驚くべき発見をした(図8a〜図8d)。これは、本発明の組成物は、選択的脂肪細胞減少組成物として市販製品のLipostabil N i.v.(PPC+DCA)、Kybella i.v.(DCA)が有する細胞溶解剤から引き起される皮膚層壊死、下顎神経麻痺、嚥下障害などのような致命的な副作用なく、安全に脂肪減少を引き起こす画期的な発明である。
前記脂肪細胞の減少が壊死によるものか又は細胞死と分解によるものかを評価するために、カスパーゼ3活性(Caspase-3 activity)を通じて脂肪細胞の細胞死(apoptosis)と、グリセロール分泌(Glycerol release)を通じて脂肪細胞の分解(lipolysis)効果を観察した。
PPC単独組成物とPPC+GCA複合組成物は、時間依存的にcaspase-3活性をかなりの水準で誘発する効果を示した。しかし、PPC+DCA複合組成物は、PPC又はPPC+GCAと比べてcaspase-3活性を抑制する効果を示した。興味深い発見は、DCA 1.0%は、24時間まではcaspase-3活性が一部現れたが、48時間以降はcaspase-3活性が処置前の水準に戻る様相を示した。このような現象は、DCA単独組成物処置直後、24時間までは細胞死に対する作用が、一部表れる炎症反応によって、細胞が壊死する反応に転換されるためと判断される(図10a〜図10b)。
24時間経過した時点で、DCA 1.0%とPPC 5.0%+GCA 5.0%を除いた実験物質は、類似したglycerol分泌を誘導した。48時間経過時点、PPC単独、PPC+DCA、DCA単独及びGCA単独群は、24時間に比べてわずかに高い細胞分解効果を示した。特にPPC+GCA群は、PPC単独組成物より遥かに高い細胞死滅効果が確認された(図10c〜図10d)。
前記の結果、PPC単独組成物とPPC+GCA複合組成物は、PPC+DCAの壊死メカニズムと差別されるように、細胞死(apoptosis)と脂肪分解(lipolysis)メカニズムにより脂肪細胞が減少する特異的効果に寄与することを新たに究明した。このようなメカニズムは、本発明組成物を皮下脂肪層に投与する際の痛みと浮腫、及び副作用無く脂肪が減少することを発見した。
in vitro脂肪細胞の減少の効果に基づいて、PPC単独組成物、PBS(陰性対照群)、イスプレル(Isuprel)(陽性対照群)、DCA 1.0%、GCA 2.5%、並びに複合組成物としてPPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、及びPPC(2.5〜10.0%)+GCA(1.25〜5.0%)のin vivo H&E組織病理実験を行った。実験の結果、DCA単独又はPPC+DCA複合組成物が注射された脂肪組織は、投与領域に激しい炎症が誘発され、細胞が壊死により溶解された様子を示しながら、著しい破壊が誘導された。DCA単独組成物は、DCAが1%の低い濃度で含まれるにもかかわらず激しい炎症程度を示し、GCA単独組成物に比べて炎症誘発作用が大きかった。PPC+GCA複合組成物は、脂肪細胞が小さくなって、細胞が斃死した部分が明確で、崩壊した脂肪細胞の融合でなされる構成脂肪細胞に変化され、濃度依存的に炎症誘発程度が微弱に示されるだけであり、特徴的に脂肪細胞膜にのみ損傷を与える形態学的特徴が示された(図11a〜図11d)。
前記製剤実験の結果、in vivo浮腫と炎症及び皮膚病変実験の結果、in vitroの脂肪細胞、筋細胞、線維芽細胞、内皮細胞生存力実験結果、in vivo脂肪パッドのH&E組織病理実験結果を総合的に観察したとき、本発明のGCAで可溶化されたPPC複合組成物は、既市販製品DCAで可溶化したPPC複合組成物及びGCA単独組成物と比較して、局所毒性が著しく低い。これをGLP(good laboratory practice)によって再確認するために、臨床適用量を算出して、ビーグル犬に対する単回投与毒性試験を実施した。その結果、本願発明の複合組成物は、毒性がないことを確認した(図12a〜図12c)。
in vivo上の痛みの程度を評価するために、それぞれの実験薬剤投与後のマウスの移動距離と移動速度を測定した。PPC単独製剤、GCA+PPC製剤を除いては、全ての実験物質投与群で、移動距離及び移動速度が投与前と比べて大幅に減少した。実験の結果、PPC 5.0%単独組成物、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、及びPPC 5.0%+TCA 2.5%の移動距離と移動速度は変化がないか、又は僅かに増加したのに対して、相対的にPPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、及びPPC 5.0%+CA 2.5%を投与されたマウスの移動距離と移動速度は20%程度減少し、これは痛みによる活動性の減少と判断される(図13a〜図13b)。
前記製剤実験の結果、in vivo浮腫と炎症及び皮膚病変実験の結果、in vitro脂肪細胞、筋細胞、線維芽細胞、内皮細胞生存力実験結果、in vivo脂肪パッドのH&E組織病理実験結果、単回投与毒性試験結果及び痛み実験結果を基に、臨床的検証のために、ヒトの対象者を相手に、投与前後の安全性と有効性を評価した。研究者の臨床試験研究の結果、顎下脂肪層に0.2cc、1cm間隔、6〜8mmの深さ、計50点、投与量10mLを、4週間隔で6回投与し、投与12週間後の試験結果によれば、肉眼でも顎下脂肪の減少が確認された(図14a)。本対象者が報告した満足度は5点のうち4点であり、投与前の写真と比べて評価した改善度は1.5等級と報告した。また、CT像顎下脂肪の厚さの減少値は投与前5.6mmから、最終投与12週間後には3.9mmであり、30.36%減少した(図14b)。
DCAで可溶化したPPC注射組成物(既存の市販製品)を投与された経験がある男女6人を対象に、本願発明のGCAで可溶化したPPC注射剤組成物投与後の痛みと浮腫、及び副作用に対する臨床的評価を行った。投与部位に9.6%リドカインクリームで30分以上局所麻酔した後、DCNa 2.4%で可溶化したPPC 5.0%注射剤であるリポビンを生理食塩注射液と1:1に希釈した組成物(PPC 2.5%+DCNa 1.2%)を、30G 13mm注射針を装着した注射器で腹部と脇腹(1.5cm間隔、10〜12mm深さ、ポイントあたり0.5ccを1回あたり50ml〜100ml)、又は顎下皮下脂肪層(1.0cm間隔、6〜8mm深さ、ポイントあたり0.2ccを1回あたり10ml)に投与された経験がある患者を対象に、本発明の組成物であるGCA 2.8%で可溶化したPPC 5.0%注射剤又はGCA 4.0%で可溶化したPPC 5.0%注射剤を、同じ投与方法で注射した。試験の結果、DCNaで可溶化したPPC組成液を投与された経験がある対象者らは、投与時と投与10日が経過した時点まで、特に痛みと浮腫を訴え、紅斑、血腫、あざのような皮膚病変、さらに、局所有害事例として硬化、結節、掻痒、灼熱感を報告した。しかし、驚くべきことに、本発明のGCAで可溶化したPPC注射剤が投与された対象者らは、特に痛み(図15a)と浮腫(図15b)が実質的にない軽症水準に軽減された。つまり、安全性はDCAで可溶化したPPC注射剤試験群と比較して、痛みと浮腫は無いか又は80%以上改善されただけでなく、対象者のうち深刻な異常反応は報告されなかった(図15a〜図15c)。具体的には、腫れ、血腫、あざ、紅斑、無感覚症、硬化、結節、掻痒などの副作用が無いか又は著しく低い水準として観察された。
それだけでなく、腹部や脇腹に0.5cc、1.5cm間隔、12mmの深さ、計200ポイント、投与量100mLにおける、DCAで可溶化したPPC及びGCAで可溶化したPPC投与に対する皮膚病変は、PPC+GCA群について肉眼観察により確実にないことを確認した(図16)。つまり、図16に示した通り、注射針そのものによるあざ又は注射時の血管損傷による血腫を除いて紅斑は無し乃至軽症に軽減され、無感覚症、広範囲の腫れ、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感、嚥下障害などの副作用がなかった(図15c)。
総合すれば、本発明の組成は、従来のDCA又はDCAで可溶化したPPC組成注射剤投与後の炎症による痛みと浮腫、及び非選択的細胞溶解力による広範囲の腫れ、紅斑、あざのような不快感、不安、無感覚症、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感、嚥下障害、神経損傷無しで、選択的に脂肪細胞の細胞死と分解システムにより脂肪が減少して、患者の不安感や不快感を低減し、服薬順応度を向上させるだけでなく、剤形安定性が優れた画期的な発明である。
そこで、本発明は
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含めて、
前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み及び副作用が軽減された局所脂肪減少用組成物を提供する。
また、本発明は、本質的に、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Taurocholic acid、TCA)、タウロコール酸(Glycocholic acid、GCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上からなり(構成されて)、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み及び副作用が軽減された局所脂肪減少用組成物を提供する。
具体的に本発明は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);
(ii)タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)又はグリココール酸(Glycocholic acid、GCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上;及び
(iii)水(又は注射用水)を含めて、
前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み及び副作用が軽減された局所脂肪減少用注射剤組成物を提供する。
また、本発明は、本質的に、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上;及び
(iii)水(又は注射用水)からなり(構成されて)、
前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み及び副作用が軽減された局所脂肪減少用組成物を提供する。
本発明の前記脂肪減少用注射剤組成物は、局所部位に適用することができ、その部位は、これに限定はされないが、好ましくは腹部、顎下、腕、太もも、腰、臀部、眼下、ブラジャーライン(brassiere line)などに沈着した脂肪、脂肪腫部位などと首のしわ改善に適用することができる。
前記本発明の組成物は、好ましくは、対象から局所脂肪沈着を非外科的に除去するための目的で使用される。用語“非外科的”とは、切開を要求しない医療過程を意味する。
本発明の前記組成物は、脂肪減少(特に局所脂肪減少)の目的で使用される限り、その製剤は特に制限されないが、一例として、パッチ、皮下デポ(Depot)などの注射剤などを含めて、好ましくは注射可能な製剤(注射剤)の組成物でもある。すなわち、本発明は、手術が介在せずに、脂肪除去を必要とする患者の治療部位に直接注入が可能な組成物又は製剤に関する。
本発明の局所脂肪減少用注射剤組成物は、脂肪組織の過増殖又は過蓄積障害(疾患)の治療用薬学的組成物であって、前記障害は、当業界において病理的に脂肪組織が過増殖又は過蓄積されるものとして知られているものであれば、その種類が特に制限されないが、例えば、肥満(腹部肥満等)、下部瞼突出、脂肪腫、ダーカム病(Dercum's disease)、マーデルング頚(Madelung's neck)は、脂肪浮腫、ピエゾゲニック結節(piezogenic nodules)、眼瞼黄色症(xanthelasma)は、脂肪異栄養症、又はセルライトに関連した脂肪蓄積症などを含む。
本発明の注射剤組成物の投与方法は、特に制限はされないが、疾患の重症度、患者の年齢、性別及びその他の条件等の観点から、患者に適切な方法により投与することができる。これらの経路は、その方法において特に制限はされないが、皮下脂肪層(細胞)に直接投与されるか又は、例えば、格子間隔で0.5〜2.0cm間隔で多数回、皮下注射又は皮内注射するなどが好ましい。
本発明で前記副作用の用語は、従来の公知又は市販されている特定の胆汁塩を含むPPC製剤、特に従来から局所脂肪減少用注射剤として知られているDCAで可溶化したPPC注射剤(例えばリポスタビル、エッセンシャル、リポビン)又はDCA単独製剤(例えば、カイベラ(kybella))が有している副作用を意味するもので、薬剤治療効果を期待する主作用(本発明では目的の脂肪減少効果)以外の、人体に有害な作用を意味する。これに限定はされないが、具体的には、注射針による血腫とあざを除いて、浮腫、無感覚症(特に投与部位の無感覚症)、広範囲の腫れ、紅斑、血腫、あざ、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感、嚥下障害、脂肪細胞以外の他の細胞(筋細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞など)の壊死などからなる群から選択される1以上を意味する。本発明の局所脂肪減少用注射剤組成物は、局所異常反応が軽減されたものであって、前記副作用が実質的にないと言われる程に軽減されたことを特徴とする。
本明細書において用語“痛み及び副作用が軽減”とは、痛み及び副作用が減少、除去、弱化しているか(一部除去)、実質的にないこと(実質的除去)、完全にないこと(完全除去)などを全て含むことを意味する。
本発明で、前記痛みと浮腫は、注射剤投与時の痛みと浮腫、及び投与後の痛みと浮腫の全てを含む。本発明は、従来市販されていたDCA単独組成又はDCAで可溶化したPPC組成注射剤が痛みと浮腫を伴うこととは異なり、かなりの痛みと浮腫が軽減されたこと(実質的に無痛であり無浮腫)を特徴とする。このような無痛と無浮腫PPC注射剤は、本願発明で最初に公開するものであり、特に、注射剤投与時と投与直後に現れる一次的な痛みだけでなく、炎症作用に因る10日以上持続する2次的な痛みと浮腫がないことが特徴である。本明細書で前記痛みの意味は、注射針の侵襲によって発生する症状(ex.熱さ、針によるあざ、針による血腫、針による腫れ)とは区別されるものであって、従来のDCA単独注射剤やDCA+PPC注射剤組成物そのものの特性によって発生した痛みと浮腫(炎症)を意味するものである。本発明の一実施例では、従来市販されていた脂肪分解注射剤として対照群に使用された“DCAで可溶化したPPC組成注射剤”対比本願発明のPPC+GCA複合製剤が、ユニークなことに、注射(injecting)時点でも痛み(痛症)が殆どないことを確認している(図15a)。これらの点は、本願発明の複合製剤が、従来の市販製剤(代表的例としてDCNaで可溶化したPPC組成注射液等)と粒子の特性(ミセル、粒子の大きさなど)が類似するだけでなく、前記注射剤が全て人体と類似したpHで投与されたことを総合的に考慮したとき、従来公知された技術から予測し難い特異な効果である。
また、本願発明の前記組成物は、脂肪細胞に特異的に細胞死(apoptosis)と分解(lipolysis)を引き起こすことを特徴とする。本発明の一実施例では、本発明のPPC+GCA複合製剤が、線維芽細胞、骨格筋細胞及び血管内皮細胞などの脂肪細胞以外の他の細胞に対しては実質的に影響を与えず、唯一脂肪細胞にのみ特異的に有効に細胞死(apoptosis)と分解(lipolysis)を誘導することを確認した(図8a〜図8d参照)。このような効果は、他の胆汁酸を使用して可溶化されたPPC製剤(代表的に既存市販製品のPPC+DCA製剤)が脂肪細胞以外の他の細胞にも細胞壊死(necrosis)を引き起こすことと対比されるものであって、GCAを特定の割合でPPCと複合したとき、脂肪細胞特異的(選択的)効果を保持することは、本発明で最初に公開されることである。
注射剤は、主薬(本発明ではGCAで可用化したPPC)と、必要な場合には、その他の添加剤とを注射用水に溶解して、この溶液を細菌濾過器でろ過して無菌処理した後、無菌状態でバイアル、アンプル、又はフリーフィールドシリンジに充填した後、密封する。注射剤を製造する際には、残量を満たすために、水の他に注射用水を使用することができる。注射用水は、固形注射剤の溶解や水溶性注射剤を希釈するために製造された注射蒸留水又は注射緩衝溶液であれば、特にその種類は限定されないが、例えば、pH3.5〜7.5の範囲のリン酸塩緩衝溶液又はリン酸水素ナトリウム(NaH2PO4)-クエン酸緩衝液などを使用することができる。この時、使用されるリン酸塩は、ナトリウム塩又はカリウム塩の形態であるか又は、無水物又は水和物の形態であっても構わない、クエン酸又は無水物又は水和物形態であってもよい。また、注射用水の一例として、グルコース注射液、キシリトール注射液、D-マンニトール注射液、フルクトース注射液、生理食塩水、デキストラン40注射液、デキストラン70注射液、アミノ酸注射液、リンゲル液、乳酸リンゲル液などが挙げられるが、これらに制限されない。
本発明において、前記ホスファチジルコリン(phosphatidylcholine、PPC)は、動物、植物、酵母、カビ類に広く存在するリン脂質で、レシチン、ポリエンホスファチジルコリン、3-sn-ホスファチジルコリンとも呼ばれて、下記<化学式1>のような基本的な構造を有する。哺乳動物の膜構成リン脂質として、主に脳髄、神経、血球、卵黄などに含まれている。植物では、大豆、ヒマワリの実、小麦胚芽などに含まれていて、バクテリアでは殆ど見られない。一般的に、グリセロールの1番の位置には、飽和脂肪酸、2番の位置には、不飽和脂肪酸が結合していることが多く、アシル基C12〜C22(炭素数12〜22個)が殆どである。
本発明のホスファチジルコリンは、前記<化学式1>のような構造を有し、R1は、炭素数12〜22個の飽和又は不飽和脂肪酸であり、R2は、炭素数12〜22個の飽和又は不飽和脂肪酸でもある。前記飽和又は不飽和脂肪酸は、直鎖又は分岐鎖の形態を成すことができ、前記不飽和脂肪酸は、単一不飽和又は多(例えば、二、三又は四など)不飽和を含むことができる。本発明のホスファチジルコリンは、単一の化合物でもあって、又は前記R1及びR2アシル基の炭素数が多様な複数の化合物の混合物でもある。好ましくは、本発明のホスファチジルコリンは、分子量が700g/mol〜1000g/molのものでもあり、より好ましくは分子量が750g/mol〜800g/molでもある。
本発明のホスファチジルコリンは、各種の動物又は植物、例えば大豆、ヒマワリの実、小麦胚芽及び卵黄から選ばれたいずれか一つから抽出して使用することができる。又は、本発明のホスファチジルコリンは、商業的に販売されているものを購入して使用することもでき、又は当業界に公知された化学的合成法で製造したものを使用することができる。
本発明のホスファチジルコリンは、好ましくは、大豆(soybean)又は卵黄(egg yolk)から分離されたものでもある。一般的に、大豆から分離されるホスファチジルコリンの典型的な構造は、下記<化学式2>の通りである。また、一般的に、卵黄から由来するホスファチジルコリンの典型的な構造は、下記<化学式3>の通りである。本発明で利用されるホスファチジルコリンは、下記化学式2又は化学式3の化合物のみからなる単一の化合物でもあって、又は前記化学式1を基本構造にして、前記R1及びR2アシル基の炭素数が多様な複数の化合物が追加して混入された混合物でもある。前記混合物においては、下記化学式2又は化学式3の化合物が混合物内に実質的に50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、最も好ましくは90重量%以上含まれるものでもある。
最も好ましくは、本発明のホスファチジルコリンは、大豆から抽出されるものでもあって、前記<化学式2>のような構造を有する化合物が、93.0重量%以上の割合で含まれている混合物でもある。
本発明の局所脂肪減少用注射剤組成物において、前記ホスファチジルコリンは、組成物全体を基準に、0.625〜15.0%(w/v)で含まれることを特徴とし、好ましくは1.25〜12.5%(w/v)で含まれるものでもあり、より好ましくは、組成物全体中に2.5〜10.0%(w/v)で含まれるものでもある。最も好ましくは、前記ホスファチジルコリンは、組成物全体を基準に、2.5〜7.5%(w/v)で含まれるものでもある。ホスファチジルコリンの濃度が0.625%(w/v)未満であれば、脂肪分解効果がなく(図7a〜図7d参照)、15%(w/v)を超えるときは、高粘度なため、皮下脂肪層への多数回投与が不便であり、可溶化剤の過量投入が要求されるため、これにより炎症反応が中等度以上で発現されて、痛みと浮腫、炎症などの副作用が甚だしく発生する。
本発明の局所脂肪減少用組成物は、グリココール酸(Glycocholic acid)、タウロコール酸(Taurocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上(以下、(ii)で簡略表記)/ホスファチジルコリン(PPC、以下、(i)で簡略表記)のモル比が、0.7〜3.0で含まれることを特徴とする。つまり、(ii)/(i)のモル比が、0.7〜3.0であり、より好ましくは、(ii)/(i)のモル比は、0.7〜2.60でもあって、最も好ましくは0.7〜1.73のモル比でもある。0.7未満のモル比(mol/mol)で含まれる場合には、安定したミセル(micelle)の形成が難しく、製剤の安全性が低下するので、モル比の下限値は0.70以上であることが好ましく、さらに好ましい下限値は0.76でもある。上限値として3.04以上のモル比で含まれる場合には、それぞれ炎症は軽症以上、浮腫は中等症以上、皮膚病変は重症以上の程度で痛みと浮腫及び副作用が顕著に現れ、PPC固有の脂肪細胞死(apoptosis)と分解(lipolysis)作用に対する肯定的な効果を付与するよりは、細胞壊死を同伴するようになり、PPC固有の機能を制限することになる。3.0以下のモル比では、これらの副作用及び痛みが大幅に減少され、特に2.60以下のモル比で含まれる場合には、浮腫の病変と炎症は存在しないか又は軽症で確認され、臨床的に微弱に浮腫が見られることがあるが、これは実質的に痛みと副作用が殆どないレベルに該当するため、本願発明でさらに好ましい範囲として採用される。最も好ましくは、1.73以下のモル比で含まれる場合には、浮腫と病変と炎症に因る臨床的痛みと浮腫が発生しない。
本発明において、前記(ii)/(i)のモル比の範囲には、具体的に、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.00、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.41、1.42、1.43、1.44、1.45、1.46、1.47、1.48、1.49、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.68、1.69、1.70、1.71、1.72、1.73、1.74、1.75、1.76、1.77、1.78、1.79、1.80、1.81、1.82、1.83、1.84、1.85、1.86、1.87、1.88、1.89、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.01、2.02、2.03、2.04、2.05、2.06、2.07、2.08、2.09、2.10、2.11、2.12、2.13、2.14、2.15、2.16、2.17、2.18、2.19、2.20、2.21、2.22、2.23、2.24、2.25、2.26、2.27、2.28、2.29、2.30、2.31、2.32、2.33、2.34、2.35、2.36、2.37、2.38、2.39、2.40、2.41、2.42、2.43、2.44、2.45、2.46、2.47、2.48、2.49、2.50、2.51、2.52、2.53、2.54、2.55、2.56、2.57、2.58、2.59、2.60、2.61、2.62、2.63、2.64、2.65、2.66、2.67、2.68、2.69、2.70、2.71、2.72、2.73、2.74、2.75、2.76、2.77、2.78、2.79、2.80、2.81、2.82、2.83、2.84、2.85、2.86、2.87、2.88、2.89、2.90、2.91、2.92、2.93、2.94、2.95、2.96、2.97、2.98、2.99、及び3.00から選ばれる2つの数字を境界値とする範囲の値を全て含む。本発明で最も好ましい最良の一例として、前記で説明した本発明のモル比の範囲の中で、具体的に、0.76及び1.39の境界値が選択されることもあって、これにより、0.76〜1.39のモル比範囲、つまり、0.76以上1.39以下の範囲内のすべての値が本願発明に適用できることは、当業者にとって明らかなことである。
具体的に、本発明の局所脂肪減少用組成物は、“グリココール酸(Glycocholic acid)又はその塩”を組成物内に特定の配合比で含むことを特徴とする。前記グリココール酸は、胆汁塩として、分子量約465.63g/molであり、本明細書でGCA又はGCと記載することができる。前記グリココール酸は、薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができる。前記“薬学的に許容可能な”とは、生理学的に許容されて、ヒトに投与されたとき、一般的にアレルギー反応又はこれと類似した反応を起こさないことを意味し、これに限定はされないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩でもある。好ましくは、本発明のグリココール酸塩は、グリココール酸ナトリウム(Sodium Glycocholate、GCNa)でもある。
前記グリココール酸(Glycocholic acid)又はその塩は、当業界に公知の方法により、動物の腸から抽出して使用することができ、商業的に購入して使用したり、又は当業界に公知の化学的合成法で製造したものを使用したりすることができる。
より具体的には、安定して安全に皮下注射が可能な10nm以下のミセル(mixed micelle)製剤で、マイクロフィルタリングが可能な澄んだ溶液を製造するための最小配合組成として、GCA/PPC最小モル比は0.76(PPC 5.0%+GCA2.2%)である。前記最小モル比未満のモル比では、沈殿現象により製剤の安定性が低い。従って、前記グリココール酸又はその塩は、GCA/PPCモル比が0.76〜3.0(PPC 5%基準GCA 2.2〜8.65%(w/v))になるように含まれることができ、具体的な範囲は、前述したモル比の内容を参照する。グリココール酸をその塩の形態で使用する場合に、前記モル比は、好ましくは、前記グリココール酸塩の中でグリココール酸部分のみを基準に算出されるものでもある。
本発明の局所脂肪減少用組成物は、“タウロコール酸(Taurocholic acid)又はその塩”を、組成物内に特定の配合比で含むことを特徴とする。前記タウロコール酸は、胆汁塩として、分子量約515.71g/molであり、本明細書でTCAと記載することができる。前記タウロコール酸は、薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができる。前記“薬学的に許容可能な”とは、生理学的に許容され、ヒトに投与されたとき、通常的にアレルギー反応又はこれと類似した反応を起こさないことを意味し、これに限定はされないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩でもある。好ましくは、本発明のタウロコール酸塩は、タウロコール酸ナトリウム(Sodium Taurocholated、TCNa)でもある。
前記タウロコール酸(Taurocholic acid)又はその塩は、当業界に公知の方法により、動物の腸から抽出して使用することができ、商業的に購入して使用したり、当業界に公知された化学的合成法で製造したものを使用したりすることができる。
さらに、具体的に、安定で安全に皮下注射が可能な10nm以下のミセル(mixed micelle)製剤で、マイクロフィルタリングが可能な澄んだ溶液を製造するための最少配合組成として、TCA/PPCの最小モル比は、0.78(PPC 5%+TCA 2.5%)である。前記最少モル比未満のモル比では、沈殿現象により製剤の安全性が低い。従って、前記グリココール酸又はその塩は、TCA/PPCモル比が0.78〜3.0(PPC 5%基準TCA 2.5〜9.57%(w/v))になるように含まれることができ、具体的な範囲及び好ましい一例などについては、前述したモル比を参照する。タウロコール酸をその塩の形態で使用する場合に、前記モル比は、好ましくは、前記タウロコール酸塩の中からタウロコール酸部分のみを基準に算出できるものでもある。
この時、前記グリココール酸(Glycocholic acid)、タウロコール酸(Taurocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上(物質)は、ホスファチジルコリン(PPC)の質量(又は質量/容積百分率(即ち、%w/v))以下で含まれることが望ましく、例えば、PPCを基準に、質量比が1:0.1〜1で含むことができる。具体的には、PPCを基準に、質量比が1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、又は1:1になるように含まれる。これらの質量基準をモル比(GCA/PPCモル比又はTCA/PPCモル比)の基準に適用すると、モル比が0.7〜1.73の範囲に該当することが望ましい。より好ましくは、0.76〜1.73に該当するものでもある。
好ましくは、前記グリココール酸(Glycocholic acid)、タウロコール酸(Taurocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上(物質)は、ホスファチジルコリン(PPC)の質量(又は質量/容積百分率(即ち、%w/v))より少なく含まれることが望ましく、例えば、PPCを基準に、質量比が1:0.1〜0.999で含まれる。具体的には、PPCを基準に、質量比が1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、又は1:0.9になるように含めることができる。これらの質量基準をモル比(GCA/PPCモル比又はTCA/PPCモル比)基準に適用すると、モル比が0.7以上1.73未満に該当することが好ましい。さらには、0.76以上1.73未満に該当するものでもある。
前記グリココール酸又はタウロコール酸をこれらの塩の形態で使用する場合には、前記質量比は、好ましくは、前記グリココール酸塩の中からグリココール酸部分のみの割合、又はタウロコール酸塩の中からタウロコール酸部分のみの割合に応じて算出することを基準にすることでもある。
前記グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上は、
(イ)個々の物質が単独(グリココール酸、グリココール酸の塩類の一つ、タウロコール酸、タウロコール酸の塩類の一つ)でPPCと複合されるものでもあり、
(ロ)GCA又はその塩;及びTCA又はその塩からなる混合物(以下、GCA-TCA混合物)としてPPCと複合されて使用することができる。
前記の通り、GCA、TCA又はこれらの塩が、ホスファチジルコリン(PPC)と、特定の配合比で含まれる本願発明の組成物は、非リポソーム性(non-liposome)ミセル(micelle)製剤であることを特徴とする。つまり、本願発明の組成物は、組成物内にホスファチジルコリンがミセルの形態で存在することを特徴とするもので、これは、従来のPPC製剤がリポソームシステムを利用することと大きな差がある。
前記GCA、TCA又はこれらの塩は、本発明の脂肪減少注射剤組成物において前述した通り、特定の容量(又は配合比、モル比)で含まれることにより、製剤安定性が優れているだけでなく、従来のPPC注射剤組成物に含まれる可溶化剤(特に、デオキシコール酸及びその塩類)が、細胞の壊死(necrosis)を引き起こして、体内の痛みと浮腫を伴い、血腫、無感覚症、紅斑、腫脹、硬化、灼熱感、結節などの副作用を引き起こすこととは異なり、PPCと共に、高効率の脂肪分解(lipolysis)と脂肪細胞の細胞死(apoptosis、アポトーシス)作用を誘導して、痛み及び前記副作用が実質的に無いと言われる程に軽減させ(痛みと浮腫は80%以上軽減され、注射針によるあざを除いた紅斑、血腫、硬化、灼熱感、結節も80%以上軽減される)、脂肪の減少において優れた効果を示すことが特徴であり、これにより、別の痛み管理のための抗炎症剤及び/又は鎮痛剤成分が組成物中に必須的に含まれたり、併用したりする必要がないことも特長点である。
一方、前記本発明の組成物は、保存剤;等張化剤;及びpH調節剤からなる群から選択される1以上をさらに含むことができる。
具体的には、本願発明の局所脂肪減少用組成物は、組成物全体を基準に0.1〜5%(w/v)の保存剤、0.1〜10%(w/v)の等張化剤、及び0.01〜2%(w/v)のpH調節剤からなる群から選択される1以上の物質をさらに含むことができる。
前記保存剤は、これに限定はされないが、ベンジルアルコール(benzyl alcohol)、リドカイン(lidocaine)、プロカイン(procaine)及びクロロブタノール(chlorobutanol)から選ばれる。より好ましくは、ベンジルアルコールでもある。前記ベンジルアルコールは、芳香族アルコール類中の一つで、無色透明な液体である。本発明の注射剤組成物に含まれるベンジルアルコールの濃度は、好ましくは0.1%(w/v)〜2%(w/v)でもある。
前記等張化剤は、ホスファチジルコリンを含む本発明の組成物を体内に投与する際に、浸透圧を適切に維持(調節)する役割をし、ホスファチジルコリンを溶液でさらに安定化させる付随的な効果も示す。等張化剤は、薬学的に許容される糖、塩又はそれらの組合わせ又は混合物でもあって、その例としては、糖であってはグルコース、又は水溶性無機塩では塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール(propylene glycol)、分子量1000以下のポリエチレングリコール(polyethylene glycol)などでもあり、より好ましくは、塩化ナトリウムでもある。これらは、一つ又は二つ以上の組み合わせの形態で使用することができる。前記等張化剤の濃度は、好ましくは0.1%(w/v)〜5%(w/v)であり、本発明の組成物に含まれた成分の種類、量等により、それぞれの混合物が全て含まれた溶液製剤が等張液になるように、適切な含量に調整することができる。
本発明のpH調整剤は、注射剤のpHを調節する役割をし、酸性物質、塩基性物質を全て含む。前記酸性物質には、塩酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸(シトレート)などが含まれるが、これらに限定はされない。前記塩基性物質には、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アンモニア、合成ヒドロタルサイト)、有機塩基(例えば、リシン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸、メグルミンなど)などが含まれるが、これらに限定されない。本願発明において、前記pH調整剤は、酸性物質と塩基性物質が組成物中にそれぞれ単独で含まれることがあり、又はそれぞれの物質が二つ以上の組合わせで使用することができる。本発明のpH調節剤は、水酸化ナトリウム及び/又は塩酸でもある。添加されるpH調節剤の量は、本発明の組成物を構成する成分の種類及び量により異なることがあって、0.01%(w/v)〜1.32%(w/v)、又は0.01%(w/v)〜1%(w/v)でもある。本発明の組成物は、好ましくはpH7.0〜pH7.8の範囲で提供されるものでもあって、これによるpH調整剤の種類及び添加量は、溶液の具体的組成により当業者が条件を変更することができる。
最も好ましい形態として本発明は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine);
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)又はタウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上;
(iii)保存剤;
(iv)等張化剤;
(v) pH調節剤;及び
(vi)残量の水からなり(構成されて)
前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み及び副作用が軽減された局所脂肪減少用注射剤組成物を提供する。前記組成の個別成分の特性、含量、組み合わせなどは、前述したことを参照して理解することができる
また、本発明は対象において、痛み及び副作用が軽減され、局所脂肪沈着(localized fat deposit)を除去するための製剤として、前記製剤は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、製剤を提供する。
また、本発明は対象において、痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着(localized fat deposit)を除去するための製剤であって、前記製剤は、本質的に、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上からなり、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、製剤を提供する。
また、本発明は対象において、痛み及び副作用が軽減され、局所脂肪沈着(localized fat deposit)を除去するための製剤として、前記製剤は、本質的に、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上;及び
(iii)水からなり(構成されて)、
前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)モル比が0.7〜3.0を特徴とする、製剤を提供する。
前記製剤に対する最も好ましい形態として本発明は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上;
(iii)保存剤;
(iv)等張化剤;
(v)pH調整剤;及び
(vi)残量の水からなり(構成されて)、
前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、対象において痛み及び副作用が軽減されて、局所脂肪沈着(localized fat deposit)を除去するための製剤を提供する。前記製剤を構成する具体的な物質の組成、含量及び特性などについては、前述した局所脂肪減少用組成物と同一に理解される。
本願発明の前記局所脂肪減少用組成物及び前記製剤は、pH6.8〜pH7.8であることを特徴とする。
前記本発明の組成物又は製剤の単位容量(単位服用量)は、哺乳動物への患部に対して、例えば、500mL、400mL、300mL、200mL、100mL、90mL、80mL、70mL、60mL、50mL、40mL、30mL、20mL、10mL、9mL、8mL、7mL、6mL、5mL、4mL、3mL、2mL、1mL、0.9mL、0.8mL、0.7mL、0.6mL、0.5mL、0.4mL、0.3mL、0.2mL、0.1mL、0.09mL、0.08mL、0.07mL、0.06mL、0.05mL、0.04mL、0.03mL、0.02mL、0.01mL、0.009mL、0.008mL、0.007mL、0.006mL、0.005mL、0.004mL、0.003mL、0.002mL、0.001mL、0.0009mL、0.0008mL、0.0007mL、0.0006mL、0.0005mL、0.0004mL、0.0003mL、0.0002mL、又は0.0001mL以下の総量を有することができるが、これに限定されない。単位容量は、部分的に標的領域、脂肪の量及び目的とする(得ようとする)結果に左右される。
具体的には、本発明の組成物又は製剤の単位容量(単位服用量)は、患部に対して総量0.1mL〜500mLでもあって、1mL〜200mL、より好ましくは、1mL〜100mLの範囲で投与されるものでもある。
本願発明の組成物又は製剤は、1回投与の際に、患部に対して一定の間隔で複数の標的部位(site、point)を設定して投与することを含めて、前記の全量は、1回でこれらの複数の標的部位を通じて投与される投与量の全量を意味するものでもある。前記標的部位は、一つの患部に対して1〜50個、2〜30個、さらに3〜15個の範囲で設定することができる。また、本発明の組成物又は製剤は、1回投与時に1つの患部に一つの標的部位に対して投与されるものを全て含めていて、この時の全量は前記一つの標的部位に対する量を基準に算定されることは当業者に明らかに理解可能である。
また、本発明は、組成物又は製剤は、標的部位(site、point)当たり0.01〜20mLの投与量範囲で投与されるものでもあって、0.01〜10mL、0.02〜5mL、0.1〜1mLの範囲の容量で投与されるものでもある。これらに限定はされない。
本発明の組成物又は製剤は、標的部位に一度又は複数回投与することができる。ある具体例で、本発明の組成物は、標的部位に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10回投与される。一回以上の投与が単一時間、日、週、月又は年に発生することがある。複数回の投与が、単一標的部位に、一年に10、9、8、7、6、5、4、3又は2回以下、一ケ月に10、9、8、7、6、5、4、3又は2回以下、一週に10、9、8、7、6、5、4、3又は2回以下、一日に10、9、8、7、6、5、4、3又は2回以下、又は一時間に10、9、8、7、6、5、4、3又は2回以下で発生する。ある具体例で、患者は、標的部位に1〜100回、2〜50回、3〜30回、4〜20回又は5〜10回の注入が施される。これらの注入数は、1年、6ヶ月、5ヶ月、4ヶ月、3ヶ月、2ヶ月、1ヶ月、3週、2週、又は1週又はそれ以下の期間にわたって発生することがある。
本発明の組成物又は製剤は、これに限定はされないが、例えば皮下0.1〜4インチ、0.5〜3インチ、1〜2インチを含めて、皮下に様々な水準(深さ)で投与することができる。
また、本願発明は、
(I)(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycoholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であり、対象において痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を含む第1のコンテナー;及び
(II)前記組成物を脂肪蓄積部位に伝達できる伝達装置を含むキットを提供する。
さらに好ましい一例として、本発明は、
(I)(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycoholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上は、ホスファチジルコリンの質量以下で含まれる、対象において痛み及び副作用が軽減されて、局所脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を含む第1コンテナー;及び
(II)前記組成物を脂肪蓄積部位に伝達できる伝達装置を含むキットを提供する。
前記本願発明のキットから、(I)第1コンテナー(容器)に含まれる組成物又は製剤の構成は、前述した本発明の局所脂肪減少用組成物及び製剤に対する説明を参照して理解される。前記第1コンテナーは、本発明の組成物又は製剤の単位容量(投与容量)を収容するのに十分な体積(volume)を有する。例えば、第1コンテナーは、500mL、100mL、20mL、10mL、5mL、4mL、3mL、2mL、又は1mL溶液収容に適している。ある具体例で、第1コンテナーは、0.01ml〜約100ml、約0.1ml〜約90ml、約0.5ml〜約80ml、約1ml〜約70ml、約2ml〜約60ml、約3ml〜約50ml、約4ml〜約40ml、約5ml〜約30ml、約6ml〜約20mlと約7ml〜約10mlの体積を有することができる。さらに好ましい具体例において、第1コンテナーは、約1〜10mlの体積容量を有するバイアル又はアンプルである。
前記本願発明のキットは、脂肪の沈着部位に、第1コンテナーにある組成物を伝達するために、(II)伝達装置を含む。前記伝達装置は、その具体的な種類が特に限定はされないが、注射器でもあって、及び/又は他の適切な伝達装置(例えば、パッチ)をさらに含むことができる。
前記伝達装置は、前述した本発明の組成物又は製剤の単位容量を予め積載することもできる。
本願発明の前記キットは、多数のコンテナーを追加して含むことができる。一例として、前記キットは、第1コンテナーに含まれた組成物又は製剤の希釈のための適切な容量の希釈剤、及び/又は第2の他の製剤を含む第2コンテナーをさらに含むことができる。前記製剤は、当業者がキットの提供目的によって、適宜選択して構成品にすることができるものであって、その種類が特に制限されずに、例えば、抗菌剤、血管収縮剤、抗血栓剤、抗凝固剤、泡抑制剤、分散剤、抗分散剤、浸透強化剤、ステロイド、神経安定剤、筋肉弛緩剤及び止瀉剤などを含むことができる。
前記キットは、対象から痛み及び副作用が軽減されて極小化された、脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を使用するための説明書(written description)を含むことができる。これにより、前記(I)第1コンテナー内に含まれた組成物又は製剤は、取扱説明書によって投与することができる。使用説明書は、例えば、標的部位、治療される哺乳動物、所望の結果、標的部位の位置、溶液の濃度、脂肪沈積の大きさに依存しうる服用の説明を提供することができる。好ましくは、使用説明書は、ヒト、犬、猫又は馬のような哺乳動物の治療のためのものである。使用説明書はまた、他の飼育動物及び/又は農場動物の治療のための情報を含むことができる。
使用説明書は、例えば哺乳動物の眼下、顎下、腕下、臀部、ふくらはぎ、背中、太腿、足首又は腹部のような特定標的部位を治療するために、本発明の組成物の使用に対する情報を含むことができる。ある具体例で使用説明書は、まぶたの脂肪突出、脂肪腫、脂肪異栄養症、バッファローハンプ脂肪異栄養症又はセルライトと関連した脂肪沈積を治療するための、本発明組成物の使用のための説明を具体化したものである。
前記使用説明書は、必要な場合に第1コンテナーの組成物及び/又は第2のコンテナーの希釈剤を混ぜて、希釈が必要な場合にその量に関する情報を含めることができる。使用説明書は、投与の頻度又は容量のような、投与に関する情報を提供することができる。
本発明の用語“〜を含む(comprising)”とは、“含有する”又は“特徴とする”と同じく使用されて、組成物又は方法において、言及されていない追加的な成分要素又は方法段階などを排除しない。用語“〜からなる(consisting of)”とは、別に記載されていない追加的な要素、段階又は成分などを除外することを意味する。用語“本質的に〜からなる(essentially consisting of)”とは、組成物又は方法の範囲において、記載された成分の要素又は段階と共に、これの基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない成分要素又は段階等を含むことを意味する。
また、本発明は、
(a)注射用水にグリココール酸(Glycocholic acid)、タウロコール酸(Taurocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を入れて透明に溶解するまで撹拌する段階;
(b)保存剤を入れて撹拌する段階;
(c)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline)を投入して常温で撹拌する段階、及び
(d)水で総嵩を合わせて撹拌する段階を含めて、
前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上/ホスファチジルコリンのモル比が0.7〜3.0で投入されることを特徴とする、
痛み及び副作用が軽減された局所脂肪減少用注射剤組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の局所脂肪減少用注射剤組成物の製造方法を以下に段階別に説明する。
(a)段階では、注射用水にグリココール酸(Glycocholic acid)、タウロコール酸(Taurocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を投入して、溶液が実質的に透明な状態になるまで撹拌する。
この時、前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上(物質)と、これらの組み合わせ及び配合比は、前記組成物において前述した通りである。前記(a)段階では、pH調整剤が先に投入されることもある。
(b)段階は、保存剤を投与する段階である。前記(b)段階では、等張化剤又はpH調節剤のいずれかの一つ、又はこれらを全て追加して入れて撹拌することができる。前記保存剤、等張化剤及びpH調節剤の成分及び濃度は、前記組成物に関する説明書で述べた通りである。
本発明で撹拌又は混合は、公知の撹拌手段(撹拌機)によるものでもあって、投入される物質の種類又は特性に応じて、当業者が作業効率を高めるために、温度、圧力、時間、又は回転速度などの条件を異にすることができる。
(c)段階では、前記(b)段階で撹拌した混合物にホスファチジルコリンを投入して、遮光、密閉状態で可溶化されるまで撹拌する。前記撹拌は、当業界で公知の撹拌手段によることでもあって、好ましくは、2〜24時間遂行されるものでもあり、さらに好ましくは、5〜15時間遂行されることでもある。回転速度は、これに制限はされないが、100〜1000rpmで遂行されることでもある。前記過程を通じて、ホスファチジルコリンが、組成物内に小さな粒度(粒子径が2〜10nm、好ましく粒子径が2〜6nm)を有して均質な粒子に製造することができる。前記撹拌過程が2時間未満で行われると、望む粒度と均質度を得ることができず、24時間を超えると、生産工程において非経済的である。また、当業者は、成分物質の溶解度を高めるために、多様な工程条件を設定することができ、一例として、窒素圧などの条件で成分物質を撹拌することができる。
(d)段階では、水で総嵩を合わせて均質に混合する。前記水は、注射用水に取替えることができ、これについては前述した通りである。前記(d)段階では、追加のpH調整剤の投入を行うことができる。また、本段階で注射剤処方の流通に伴う製品の安定性を確保するために、注射剤として使用可能な酸水溶液又はリン酸塩などの緩衝溶液を使用してpHを調節することにより、物理的にも化学的にも極めて安定した注射剤として製造することができる。本発明で使用できるpH調節剤の種類及びこれらの含量等については、前述した通りである。
また、前記の製造方法は、
(e)前記(d)段階で撹拌した溶液を濾過して、ホスファチジルコリンの粒子径が2〜10nmの濾過水を得る段階をさらに含むことができる。
前記(e)段階は、濾過工程を通じて、特にホスファチジルコリン粒子径が2〜10nmで生成された分子を高濃度で分離収得する段階である。前記濾過は、当該技術分野に公知されている通常の濾過手段を利用することができ、これに制限はされないが、例えばシリンジフィルター(syringe filter)で濾過することができる。前記粒子径は、好ましくは2〜5nmでもある。
好ましい具体例として、本願発明は、痛み及び副作用が軽減され、局所脂肪沈着を非外科的に除去するための医薬組成物を製造する方法において、
前記組成物は、
ホスファチジルコリンと、
グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上と、を含み、
前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上は、ホスファチジルコリンの質量以下で投入されることを特徴とする製造方法を提供する。これらの具体例について、具体的な物質組成、配合比等については、前述した本発明の組成物及び製剤に対する内容を参照して理解される。
また、本発明は、
ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上であるホスファチジルコリンの可溶化剤を、局所脂肪沈着を有する個体に有効量で投与する段階を含む、個体の痛み及び副作用が軽減された局所脂肪沈着を除去するための方法を提供する。
つまり、前記の方法においてホスファチジルコリンは、ホスファチジルコリン投与のための薬学的に許容可能な注射可能溶液(組成物)内で、組成物全体を基準に0.625〜15%(w/v)の濃度で含まれて個体(特に、脂肪沈着の患部)に投与することができ、好ましくは、1.25〜12.5%(w/v)の濃度で含まれて投与されるものでもあって、より好ましくは組成物全体内に2.5〜10.0%(w/v)の濃度で含まれて投与されるものでもある。この時、ホスファチジルコリン投与のための組成物の単位容量は、500mL、400mL、300mL、200mL、100mL、90mL、80mL、70mL、60mL、50mL、40mL、30mL、20mL、10mL、9mL、8mL、7mL、6mL、5mL、4mL、3mL、2mL、1mL、0.9mL、0.8mL、0.7mL、0.6mL、0.5mL、0.4mL、0.3mL、0.2mL、0.1mL、0.09mL、0.08mL、0.07mL、0.06mL、0.05mL、0.04mL、0.03mL、0.02mL、0.01mL、0.009mL、0.008mL、0.007mL、0.006mL、0.005mL、0.004mL、0.003mL、0.002mL、0.001mL、0.0009mL、0.0008mL、0.0007mL、0.0006mL、0.0005mL、0.0004mL、0.0003mL、0.0002mL、又は0.0001mL以下でもある。具体的には、前記ホスファチジルコリン投与のための組成物の単位容量(単位服用量)は、患部に対して総量0.1mL〜500mLでもあって、好ましくは1mL〜200mL、より好ましくは1mL〜100mLの範囲で投与されるものでもある。
前記の方法において、ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline)及びホスファチジルコリンの可溶化剤は、モル比(可溶化剤/ホスファチジルコリン)0.7〜3.0で投与されることを特徴とすることができ、さらに好ましくは、モル比0.7〜2.60で投与されるものでもあり、最も好ましくは、0.7〜1.73のモル比で投与されるものでもある。
前記ホスファチジルコリン及びホスファチジルコリンの可溶化剤は、同時(simultaneous)に又は順次的(sequential)に投与されるものでもある。例えば、本発明の薬学的組成物に含まれた各成分が単一組成物となっている場合には、同時に投与することができ、単一組成物(single somposition)になっていない場合には、一つの成分が他の成分が投与される前後に数分以内に投与することができる。好ましくは、前記ホスファチジルコリン及びホスファチジルコリンの可溶化剤は、同時に投与されるものでもある。各成分が同時に投与されても、順次的に投与されても、これらの各成分は、薬学的に許容可能な注射可能溶液(組成物)に含まれて投与されることが好ましく、このとき、各成分を含む組成物は、必ずしも前述した本発明の組成物に従う必要はなく、個体に対する投与結果が結果的に各成分のモル比を満足する方式も採用可能である。
前記方法は、保存剤;等張化剤;及びpH調節剤からなる群から選択される1以上を、前記ホスファチジルコリン及び/又はホスファチジルコリンの可溶化剤と同時に又は順次的に追加して投与することができる。これらの成分の具体的な濃度等については、本明細書に前述したものを参照して理解することができる。
前記投与は、好ましくは、局所脂肪沈着(蓄積)が起きた部位に直接注入する方法でもあって、前記注入は、好ましくは、皮下注射、皮内注射などを含む。
前記個体は、好ましくは哺乳動物である。そのような哺乳動物は、ヒト又は霊長類(例えば、猿、チンパンジーなど)、飼育動物(例えば、犬、猫、馬など)、農場動物(例えば、ヤギ、羊、豚、牛など)又は実験用動物(例えば、マウス、ラットなど)でもある。また、前記個体は、動物から由来した細胞、組織、器官等でもある。好ましくは、局所脂肪沈着の除去が必要なヒトでもあって、除去は美容目的及び治療目的の全てを含む。これらの具体例としては、非正常的な局所脂肪沈着(蓄積)による病理的状態(疾患)において治療が必要な患者でもある。例えば、脂肪腫、突出症、ダーカム病、マーデルング頚、脂肪浮腫、圧迫性結節、黄色板腫、脂肪異栄養症及びセルライトを含む患者における、所定の脂肪状態の処置に使用することができる。ある具体例では、本発明の組成物は、哺乳動物の目、顎、腕、尻、ふくらはぎ、背中、太もも、足首又は腹部の下部の局所脂肪沈着のような部位での脂肪の状態を処置するために使用することができる。
本明細書で使用される用語“処置”とは、疾患、又は疾患に因る症状又は状態の抑制、除去、軽減、緩和、改善、及び/又は予防を含む概念である。
本発明は、また、哺乳動物で脂肪(特に、皮下脂肪)蓄積を減少させるための方法に関するものであり、本発明は、好ましくは、個体にの局所脂肪沈着を非外科的に除去するために使用されるものである。具体的な一例として、本発明の非外科的方法は、脂肪吸入、脂肪成形又は吸入皮下脂肪切除術を含まない。
本願発明の方法は、痛み及び副作用が軽減された(実質的に存在しない水準に軽減された)ことを特徴とし、前記痛み及び副作用に対する具体的な説明は、前述したことを参照して理解される。
好ましくは、本発明は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含む製剤を、局所脂肪沈着を有する個体に投与する段階を含む、個体の痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を非外科的に除去する方法を提供する。この方法に使用される製剤又は製剤内に含まれる組成物は、前述した本発明の組成を伴う単一組成物又は製剤を投与するものでもあり、他の一例として、前記製剤又は製剤内に含まれた組成物が、必ずしも前述した本発明の組成に従う必要はなく、個体に対する投与結果が結果的に、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0、好ましくは0.7〜2.60、最も好ましくは0.7〜1.73になるようにする方式も採用可能である。
好ましい具体例として、本発明は、
(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含む製剤を、局所脂肪沈着を有する個体に投与する段階を含むが、前記製剤に(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0で存在するように投与して、個体の痛み及び副作用が軽減されるようにする局所脂肪沈着を非外科的に除去する方法を提供する。
前記方法において、前記製剤は、本発明の明細書で述べたことを参照して、組成、含量及び特性などが理解され、本発明の局所脂肪沈着を(非外科的に)除去する方法を、本発明の明細書で述べた一つ以上の組成物、製剤に対して、これらの単位容量(総量)を個体(哺乳動物)の脂肪沈着部位(患部)に局所的に投与することを含むか、又は、それ(投与)でなされる。前記組成物、製剤とこれらの単位容量については、前述した内容を参照する。
皮下脂肪の蓄積を減少させるための方法に関して、そのような方法は、本発明の一つ以上の組成物又は製剤の容量単位体を、哺乳動物での脂肪沈着領域に、局所的に投与することを含むか又はそれによりなされる。
前記製剤は、その有効量がこれを必要とする個体に投与されるものであり、前記“有効量”とは、個体に投与したとき、局所脂肪減少効果(脂肪沈着疾患に対する改善、治療、予防効果を含む)を示す量を意味する。一般的に投与される総量、単位容量及び治療数は、標的部位の脂肪の量、標的部位の位置、脂肪組成の形態及び望む目的によって、多様である。一般的に治療される脂肪の量が多ければ多いほど、投与される量が多くなる。“治療に有効な量”を構成する本発明の組成物の量は、疾病状態及びその深刻性、治療される患者の年齢などによって変化することであるため、治療に有効な量は、本明細書に記載されたことに限定されず、当分野で通常の技術を有する者によって通常的に決定することができる。
前記投与方法は、前述した内容を参照して理解され、好ましい一例として、標的部位に注射器を使用する皮下注射を通じて経皮的に、又は皮下的に投与することができる。標的部位は、例えば、0.1cmx0.1cm〜約5cmx5cmになることがある。本発明の組成物は、ここに記述された多様な間隔、容量、回数で、同一な標的部部位に隣接して又は近接して投与することができる。
タウロコール酸又はグリココール酸(又はその塩)とホスファチジルコリン(PPC)を特定の配合比で含む、本発明の局所脂肪減少用注射剤組成物は、製剤が安全で安定的で、DCAを単独で含むカイベラなどの製剤と、リポスタビルなどの従来のDCAが含まれているPPC製剤から引き起こされる脂肪細胞壊死(necrosis)がなく、脂肪細胞の脂肪分解(lipolysis)と細胞死(apoptosis)に特異的効果が優れ、これにより、痛みと浮腫、無感覚症、広範囲の腫れ、紅斑、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感、及び、脂肪細胞の他に線維芽細胞、筋細胞、血管内皮細胞の壊死作用などの副作用がなく、脂肪細胞が減少する効果が優れている。
図1a及び図1bを含む図1は、可溶化剤を添加していないPPCを、撹拌機と高圧ホモジナイザーで分散した一連のイメージである。図1aは、注射用水にPPC 5%(w/v)だけを投入して、撹拌機で最大72時間撹拌した直後のイメージと、撹拌後1日経過時点で得られた組成物のイメージである。 図1a及び図1bを含む図1は、可溶化剤を添加していないPPCを、撹拌機と高圧ホモジナイザーで分散した一連のイメージである。図1bは、注射用水に多様な濃度のPPC投入(左から0.625%(w/v)、1.25%(w/v)、2.5%(w/v)、5.0%(w/v)、7.5%(w/v)、10.0%(w/v))し、1時間撹拌した後、高圧ホモジナイザーで分散した組成物の、製造直後、7日及び30日経過時点で撮影された組成物のイメージである。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2aは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するデオキシコール酸(DCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2bは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するグリココール酸(GCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2cは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するタウロコール酸(TCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2dは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するコール酸(CA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2eは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するケノデオキシコール酸(CDCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2fは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するウルソデオキシコール酸(UDCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2gは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するグリコデオキシコール酸(GDCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2hは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するタウロデオキシコール酸(TDCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2iは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するヒオデオキシコール酸(HDCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図2a〜図2jを含む図2は、多様な濃度のDCA、GCA、TCA、CA、CDCA、UDCA、GDCA、TDCA、HDCA、TUDCAで可溶化したPPC 5.0%組成物の、製造直後と製造30日経過時点の製剤安定性に対する性状を図示した一連のイメージである。図2jは、PPC 5%(w/v)を基準濃度としたとき、これに対するタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)の含量%(w/v)別の製剤の性状を示す。 図3a及び図3bを含む図3は、PPCを可溶化できない胆汁酸の一例と、代表的に多様な濃度のGCAで可溶化したPPC複合組成物の製剤別性状を示す。図3aは、リトコール酸(LCA)で可溶化したPPC複合組成物を示し、混合ミセルの製造は不可能であった。 図3a及び図3bを含む図3は、PPCを可溶化できない胆汁酸の一例と、代表的に多様な濃度のGCAで可溶化したPPC複合組成物の製剤別性状を示す。図3bは、デヒドロコール酸で可溶化したPPC複合組成物を示し、安定的な混合ミセル製造は不可能であった。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4aは、多様な濃度のPPC単独組成物(1.25〜15.0%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4bは、多様な濃度のDCA単独組成物(1.0〜7.5%)注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4cは、多様な濃度のHDCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4dは、多様な濃度のUDCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4eは、多様な濃度のTDCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4fは、多様な濃度のGDCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4gは、多様な濃度のCDCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4hは、多様な濃度のCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4iは、多様な濃度のGCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4jは、多様な濃度のTCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4kは、多様な濃度のTUDCA単独組成注射剤(1.0〜7.5%)と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4lは、PPC5.0%単独組成物、胆汁酸別にPPC5.0%可溶に必要なそれぞれの濃度の胆汁酸単独製剤(通常約2.5%濃度を使用するが、UDCAの場合3%、TUDCA4%程度が適合)、又はPBS注射後2時間経過時点で浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4mは、胆汁酸別にPPC5.0%可溶に必要なそれぞれの濃度の胆汁酸単独製剤と、前記それぞれの胆汁酸で可溶化したPPC5.0%の複合組成物を注射した後、2時間経過時点で浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4nは、多様な濃度別にGCA(1.25〜7.5%)で可溶化したPPC(2.5%〜15.0%)複合組成物と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4oは、多様な濃度別にTCA(1.25〜7.5%)で可溶化したPPC(2.5%〜15.0%)の複合組成物と、DCA1%単独組成物注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4pは、多様な濃度のGCA(2.5〜25.0%)で可溶化したPPC5.0%の複合組成物の注射後の浮腫を比較した結果である。 図4a〜図4qを含む図4は、PPC単独組成物、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)単独組成物、胆汁酸(DCA、GCA、TCAなど)で可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物、及びPBSを、ラット足部に0.1ml注射し、投与直後(0.1hrs)、1、2時間(hrs)経過に伴う浮腫(ラット足部の厚さ(mm))を示したグラフである。実験は、それぞれの処理ごとに4回繰り返して、キャリパーによって行われた。以下で、%は、%(w/v)を意味する。図4qは、多様な濃度のTCA(2.5〜25.0%)で可溶化したPPC5.0%の複合組成物の注射後の浮腫を比較した結果である。 図5a〜図5fを含む図5は、PPC(1.25〜15.0%)単独組成物及びPBS(図5a)を、ラット足部に0.1ml注射し、投与前、投与後1、2時間経過時点で、代表的に2時間経過時点の投与部位を撮影した一連の画像である。足部の写真は4×4cmのスケールを利用して撮影した。 図5a〜図5fを含む図5は、PPC(1.25〜15.0%)単独組成物及び多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)の1.0〜7.5%濃度の単独組成物(図5b)を、ラット足部に0.1ml注射し、投与前、投与後1、2時間経過時点で、代表的に2時間経過時点の投与部位を撮影した一連の画像である。足部の写真は4×4cmのスケールを利用して撮影した。 図5a〜図5fを含む図5は、PPC(1.25〜15.0%)単独組成物及び多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)の1.0〜7.5%濃度の単独組成物(図5c)を、ラット足部に0.1ml注射し、投与前、投与後1、2時間経過時点で、代表的に2時間経過時点の投与部位を撮影した一連の画像である。足部の写真は4×4cmのスケールを利用して撮影した。 図5a〜図5fを含む図5は、PPC(1.25〜15.0%)単独組成物及び多様な胆汁酸で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物(図5d)を、ラット足部に0.1ml注射し、投与前、投与後1、2時間経過時点で、代表的に2時間経過時点の投与部位を撮影した一連の画像である。足部の写真は4×4cmのスケールを利用して撮影した。 図5a〜図5fを含む図5は、PPC(1.25〜15.0%)単独組成物及びGCA(1.25〜7.5%)で可溶化した多様な濃度のPPC(2.5〜15.0%)の複合組成物(図5e)を、ラット足部に0.1ml注射し、投与前、投与後1、2時間経過時点で、代表的に2時間経過時点の投与部位を撮影した一連の画像である。足部の写真は4×4cmのスケールを利用して撮影した。 図5a〜図5fを含む図5は、PPC(1.25〜15.0%)単独組成物及びGCA(2.5〜20.0%)で可溶化したPPC(5.0%)の複合組成物(図5f)を、ラット足部に0.1ml注射し、投与前、投与後1、2時間経過時点で、代表的に2時間経過時点の投与部位を撮影した一連の画像である。足部の写真は4×4cmのスケールを利用して撮影した。 図6a〜図6fを含む図6は、PPC(2.5〜15.0%)単独組成物(図6a)を注射後、3時間経過時点でラットを屠殺した。注入された領域の組織を切開して10%ホルマリンで固定した後、検体を作製して、光学顕微鏡を用いて行った組織学的検査を示す一連のイメージである。H&E染色は、処理された足部の炎症反応を示す(200倍)。 図6a〜図6fを含む図6は、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)の1.0〜7.5%の濃度の単独組成物(図6b)を注射後、3時間経過時点でラットを屠殺した。注入された領域の組織を切開して10%ホルマリンで固定した後、検体を作製して、光学顕微鏡を用いて行った組織学的検査を示す一連のイメージである。H&E染色は、処理された足部の炎症反応を示す(200倍)。 図6a〜図6fを含む図6は、多様な胆汁塩(DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CA、GCA、TCA、TUDCA)の1.0〜7.5%の濃度の単独組成物(図6c)を注射後、3時間経過時点でラットを屠殺した。注入された領域の組織を切開して10%ホルマリンで固定した後、検体を作製して、光学顕微鏡を用いて行った組織学的検査を示す一連のイメージである。H&E染色は、処理された足部の炎症反応を示す(200倍)。 図6a〜図6fを含む図6は、多様な胆汁酸で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物(図6d)を注射後、3時間経過時点でラットを屠殺した。注入された領域の組織を切開して10%ホルマリンで固定した後、検体を作製して、光学顕微鏡を用いて行った組織学的検査を示す一連のイメージである。H&E染色は、処理された足部の炎症反応を示す(200倍)。 図6a〜図6fを含む図6は、GCA(1.25〜7.5%)で可溶化した多様な濃度のPPC(2.5〜15.0%)複合組成物(図6e)を注射後、3時間経過時点でラットを屠殺した。注入された領域の組織を切開して10%ホルマリンで固定した後、検体を作製して、光学顕微鏡を用いて行った組織学的検査を示す一連のイメージである。H&E染色は、処理された足部の炎症反応を示す(200倍)。 図6a〜図6fを含む図6は、GCA(2.5〜25.0%)で可溶化したPPC(5.0%)の複合組成物(図6f)を注射後、3時間経過時点でラットを屠殺した。注入された領域の組織を切開して10%ホルマリンで固定した後、検体を作製して、光学顕微鏡を用いて行った組織学的検査を示す一連のイメージである。H&E染色は、処理された足部の炎症反応を示す(200倍)。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。分化した3T3-L1脂肪細胞に、PPC単独組成物(0.3125〜15.0%)、TUDCA(0.25〜12.0%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物、TCA(0.1563〜7.5%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物、GCA(0.1563〜7.5%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物に対する、24時間経過時点(図7a)の脂肪細胞生存度を示した一連のグラフである。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。分化した3T3-L1脂肪細胞に、PPC単独組成物(0.3125〜15.0%)、TUDCA(0.25〜12.0%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物、TCA(0.1563〜7.5%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物、GCA(0.1563〜7.5%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物に対する、48時間経過時点(図7b)の脂肪細胞生存度を示した一連のグラフである。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。分化した3T3-L1脂肪細胞に、PPC単独組成物(0.3125〜15.0%)、TUDCA(0.25〜12.0%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物、TCA(0.1563〜7.5%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物、GCA(0.1563〜7.5%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物に対する、72時間経過時点(図7c)の脂肪細胞生存度を示した一連のグラフである。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。分化した3T3-L1脂肪細胞に、PPC単独組成物(0.3125〜15.0%)、TUDCA(0.25〜12.0%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物、TCA(0.1563〜7.5%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物、GCA(0.1563〜7.5%)で可溶化したPPC(0.3125〜15.0%)複合組成物に対する、96時間経過時点(図7d)の脂肪細胞生存度を示した一連のグラフである。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。図7eは、単独組成物としてDCA(1.0%)及びPPC(5.0%)と、複合組成物としてPPC(5.0%)+GCA(2.5%)、PPC(5.0〜15.0%)+TCA(2.5〜7.5%)、及びPPC(5.0〜15.0%)+TUDCA(4.0〜12.0%)に対する96時間経過時点の脂肪細胞生存度を示した一連のグラフである。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。図7fは、単独組成物としてPPC(2.5%)、DCA(1.1%)、及びGCA(1.25%)、複合組成物としてPPC(2.5%)+GCA(1.25%)、及びPPC(2.5%)+DCA(1.1%)に対する96時間経過時点の脂肪細胞生存度を示す。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。図7gは、単独組成物としてPPC(5.0%)、DCA(2.2%)、及びGCA(2.5%)、複合組成物としてPPC(5.0%)+GCA(2.5%)、及びPPC(5.0%)+DCA(2.2%)に対する96時間経過時点の脂肪細胞生存度を示す。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。図7hは、単独組成物としてPPC(10.0%)、DCA(4.4%)、及びGCA(5.0%)、複合組成物としてPPC(10.0%)+GCA(5.0%)、及びPPC(10.0%)+DCA(4.4%)に対する96時間経過時点の脂肪細胞生存度を示す。 図7a〜図7iを含む図7は、3T3-L1脂肪細胞で、実験薬剤の生存度の減少を示した一連のイメージである。脂肪細胞の生存度を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。実験は、各処理当たり3回繰り返して、結果は、未処理の対照群に比べ、生存細胞の合計百分率で表現した。図7iは、PPC(5.0%)単独組成物と、多様な濃度のGCA(2.5〜8.75%)で可溶化したPPC(5.0%)複合組成物の生存度を示した一連のグラフである。 図8a〜図8dを含む図8は、骨格筋細胞(Skeletal muscle cells、図8a)において、単独組成物としてPPC 5.0%単独組成物と、胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物(PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%)の処理に伴う細胞生存度の減少を示した一連のイメージである。それぞれの生存度を3-(4、5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は各処理当たり3回繰り返し、結果は、未処理の対照群対比生存細胞の合計百分率で表現した。 図8a〜図8dを含む図8は、線維芽細胞(Normal fibroblasts、図8b)において、単独組成物としてPPC 5.0%単独組成物と、胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物(PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%)の処理に伴う細胞生存度の減少を示した一連のイメージである。それぞれの生存度を3-(4、5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は各処理当たり3回繰り返し、結果は、未処理の対照群対比生存細胞の合計百分率で表現した。 図8a〜図8dを含む図8は、血管内皮細胞(Endothelial cells、図8c)において、単独組成物としてPPC 5.0%単独組成物と、胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物(PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%)の処理に伴う細胞生存度の減少を示した一連のイメージである。それぞれの生存度を3-(4、5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は各処理当たり3回繰り返し、結果は、未処理の対照群対比生存細胞の合計百分率で表現した。 図8a〜図8dを含む図8は、脂肪細胞(3T3-l1 adipocytes、図8d)において、単独組成物としてPPC 5.0%単独組成物と、胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物(PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%)の処理に伴う細胞生存度の減少を示した一連のイメージである。それぞれの生存度を3-(4、5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)分析法で測定した。実験は各処理当たり3回繰り返し、結果は、未処理の対照群対比生存細胞の合計百分率で表現した。 図9a及び図9bを含む図9は、3T3-L1脂肪細胞の分化前(図9a)の様子を示した。3T3-L1前駆脂肪細胞(左イメージ)に、分化培地を利用して分化を誘導し、分化した脂肪細胞(右イメージ)を対象に、Oil Red染色法で中性脂肪が含まれた脂肪細胞を染色して、200倍の倍率で撮影した結果である。 図9a及び図9bを含む図9は、分化後(図9b)の様子を示した。3T3-L1前駆脂肪細胞(左イメージ)に、分化培地を利用して分化を誘導し、分化した脂肪細胞(右イメージ)を対象に、Oil Red染色法で中性脂肪が含まれた脂肪細胞を染色して、200倍の倍率で撮影した結果である。 図10a〜図10dを含む図10は、脂肪細胞が壊死(necrosis)されるものと区別して、本発明の注射剤組成物が特異的に細胞死(apoptosis)効果を有するか否かを、カスパーゼ−3活性アッセイ(Caspase 3 activity assay)を通じて確認した結果と、脂肪分解(lipolysis)効果を有するかをグリセロール分泌(Glycerol release)測定を通じて確認した結果を図示した一連のイメージである。図10aは、Caspase 3 activityを測定したもので、各ウェル(well)に3T3-L1脂肪細胞を1X105個ずつ分注して、実験物質PPC 5.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0 %+GCA 5.0%、DCA 1.0%、GCA(1.0〜5.0%)を含む製剤、及びPBS対照群を、37℃で0〜48時間培養した(3回の反復実験)。その後、分光光度計で、405nmの波長で測定した結果を示した一連のグラフで、10aは24時間経過時点である。 図10a〜図10dを含む図10は、脂肪細胞が壊死(necrosis)されるものと区別して、本発明の注射剤組成物が特異的に細胞死(apoptosis)効果を有するか否かを、カスパーゼ−3活性アッセイ(Caspase 3 activity assay)を通じて確認した結果と、脂肪分解(lipolysis)効果を有するかをグリセロール分泌(Glycerol release)測定を通じて確認した結果を図示した一連のイメージである。図10bは、Caspase 3 activityを測定したもので、各ウェル(well)に3T3-L1脂肪細胞を1X105個ずつ分注して、実験物質PPC 5.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0 %+GCA 5.0%、DCA 1.0%、GCA(1.0〜5.0%)を含む製剤、及びPBS対照群を、37℃で0〜48時間培養した(3回の反復実験)。その後、分光光度計で、405nmの波長で測定した結果を示した一連のグラフで、10bは48時間経過時点である。 図10a〜図10dを含む図10は、脂肪細胞が壊死(necrosis)されるものと区別して、本発明の注射剤組成物が特異的に細胞死(apoptosis)効果を有するか否かを、カスパーゼ−3活性アッセイ(Caspase 3 activity assay)を通じて確認した結果と、脂肪分解(lipolysis)効果を有するかをグリセロール分泌(Glycerol release)測定を通じて確認した結果を図示した一連のイメージである。図10cは、Glycerol releaseを測定したもので、各実験薬剤の処理は、図10a及び10bと同じ方法で遂行され、薬剤処理された脂肪細胞を37℃で0〜48時間培養して、脂肪分解(lipolysis)を誘導した。常温で30分間放置後、OD570を分光光度計で測定した(3回の反復実験)。 図10a〜図10dを含む図10は、脂肪細胞が壊死(necrosis)されるものと区別して、本発明の注射剤組成物が特異的に細胞死(apoptosis)効果を有するか否かを、カスパーゼ−3活性アッセイ(Caspase 3 activity assay)を通じて確認した結果と、脂肪分解(lipolysis)効果を有するかをグリセロール分泌(Glycerol release)測定を通じて確認した結果を図示した一連のイメージである。図10dは、Glycerol releaseを測定したもので、各実験薬剤の処理は、図10a及び10bと同じ方法で遂行され、薬剤処理された脂肪細胞を37℃で0〜48時間培養して、脂肪分解(lipolysis)を誘導した。常温で30分間放置後、OD570を分光光度計で測定した(3回の反復実験)。 図11a〜図11dを含む図11は、実験薬剤が投与されたマウスから、脂肪パッドで観察される組織学的変化を示したイメージである。図11aは、PPC(2.5〜15.0%)単独組成物を注射した結果である。前記注射後に、それぞれ注射された領域の脂肪組織を切開した。切開された組織をホルムアルデヒドで固定してパラフィンブロックの中に含浸させた後、スライドガラスに断片化した。組織壊死、細胞死、分解は、H&E染色により観察した。 図11a〜図11dを含む図11は、実験薬剤が投与されたマウスから、脂肪パッドで観察される組織学的変化を示したイメージである。図11bは、単独組成物としてPBS、Isuprel、及びDCA 1.0%、複合組成物としてPPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+HDCA2.5%、及びPPC5.0%+UDCA 3.0%を注射した結果である。前記注射後に、それぞれ注射された領域の脂肪組織を切開した。切開された組織をホルムアルデヒドで固定してパラフィンブロックの中に含浸させた後、スライドガラスに断片化した。組織壊死、細胞死、分解は、H&E染色により観察した。 図11a〜図11dを含む図11は、実験薬剤が投与されたマウスから、脂肪パッドで観察される組織学的変化を示したイメージである。図11cは、複合組成物としてPPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、及びPPC 5.0%+TUDCA 4.0%を注射した結果である。前記注射後に、それぞれ注射された領域の脂肪組織を切開した。切開された組織をホルムアルデヒドで固定してパラフィンブロックの中に含浸させた後、スライドガラスに断片化した。組織壊死、細胞死、分解は、H&E染色により観察した。 図11a〜図11dを含む図11は、実験薬剤が投与されたマウスから、脂肪パッドで観察される組織学的変化を示したイメージである。図11dは、単独組成物としてPBS、PPC 5.0%、及びGCA 2.5%、複合組成物としてPPC(2.5〜10.0%)+GCA(1.25〜5.0%)を注射した結果である。前記注射後に、それぞれ注射された領域の脂肪組織を切開した。切開された組織をホルムアルデヒドで固定してパラフィンブロックの中に含浸させた後、スライドガラスに断片化した。組織壊死、細胞死、分解は、H&E染色により観察した。 図12a〜図12cを含む図12は、PPC+GCA複合組成物をビーグル犬(Dog、beagle)に単回皮下投与した時に表れる毒性反応を評価するために実施した実験の結果の内、投与14日後に剖検した後、組織病理学的検査を実施したもので、組織をH&E染色して、投与部位を組織学的に比較した一連のイメージを撮影したイメージである。図12aは、ビーグル犬雌及び雄に対する低用量投与群(PPC(90mg/kg)+GCA(50.4mg/kg)の複合組成物)の結果を示す。 図12a〜図12cを含む図12は、PPC+GCA複合組成物をビーグル犬(Dog、beagle)に単回皮下投与した時に表れる毒性反応を評価するために実施した実験の結果の内、投与14日後に剖検した後、組織病理学的検査を実施したもので、組織をH&E染色して、投与部位を組織学的に比較した一連のイメージを撮影したイメージである。図12bはビーグル犬雌及び雄に対する中用量投与群(PPC(180 mg/kg)+GCA(100.8mg/kg)の複合組成物)の結果を示す。 図12a〜図12cを含む図12は、PPC+GCA複合組成物をビーグル犬(Dog、beagle)に単回皮下投与した時に表れる毒性反応を評価するために実施した実験の結果の内、投与14日後に剖検した後、組織病理学的検査を実施したもので、組織をH&E染色して、投与部位を組織学的に比較した一連のイメージを撮影したイメージである。図12cはビーグル犬雌及び雄に対する高用量投与群(PPC(360 mg/kg)+GCA(201.6mg/kg)の複合組成物)の結果を示す。 図13a及び図13bを含む図13は、in vivoにおける痛み誘発程度を、実験動物の移動距離(cm)と移動速度(cm/s)で測定して評価した結果を示す。具体的には、ラットの足裏に各実験薬剤を100μl注射後の浮腫を観察した結果、最も重度の浮腫が発生する時間が投与2時間後であることを確認し、これを痛みが最大の時間に決めて、投薬前後の移動能を距離と時間で比較評価した。実験薬剤投薬前後の移動能は、Noldus Video Trackingシステムを使用し、5分間の移動距離(図13a)を比較した。 図13a及び図13bを含む図13は、in vivoにおける痛み誘発程度を、実験動物の移動距離(cm)と移動速度(cm/s)で測定して評価した結果を示す。具体的には、ラットの足裏に各実験薬剤を100μl注射後の浮腫を観察した結果、最も重度の浮腫が発生する時間が投与2時間後であることを確認し、これを痛みが最大の時間に決めて、投薬前後の移動能を距離と時間で比較評価した。実験薬剤投薬前後の移動能は、Noldus Video Trackingシステムを使用し、5分間の移動速度(図13b)を比較した。 図14a及び図14bを含む図14は、本発明のGCAで可溶化したPPC複合組成物を投与した対象者の顎下の、脂肪減少に対する有効性の結果である。投与部位(顎下)に9.6%のリドカイン軟膏で局所麻酔後、本発明製剤のPPC 5.0%+GCA 2.8%複合組成注射剤 10ml(PPC 50mg+GCA 280mg)を、顎下皮下脂肪層(計50ヶ所、ポイント当たり0.2cc、1.0cm間隔、6〜8mm深さ、30G 13mm注射針を装着)に、4週間隔で6回投与実行後、12週後の結果を示した一連のイメージである。図14aは、標準臨床写真撮影方法で撮影したイメージである。 図14a及び図14bを含む図14は、本発明のGCAで可溶化したPPC複合組成物を投与した対象者の顎下の、脂肪減少に対する有効性の結果である。投与部位(顎下)に9.6%のリドカイン軟膏で局所麻酔後、本発明製剤のPPC 5.0%+GCA 2.8%複合組成注射剤 10ml(PPC 50mg+GCA 280mg)を、顎下皮下脂肪層(計50ヶ所、ポイント当たり0.2cc、1.0cm間隔、6〜8mm深さ、30G 13mm注射針を装着)に、4週間隔で6回投与実行後、12週後の結果を示した一連のイメージである。図14bは、CT像顎下脂肪の厚さの減少値を示した一連のイメージである。 図15a〜図15cを含む図15は、ヒトの被験者6人に対し、DCAで可溶化したPPC注射剤を投与された経験がある対象者を対象に、GCAで可溶化したPPC複合組成物を投与した後の痛みと浮腫、及び有害事例を比較した一連のグラフである。実験薬剤は、リポビン注射剤(1ml中PPC 50.0mg+DCNa 24.0mg)を0.9%生理食塩注射液で1:1に希釈した溶液(つまり、PPC 25.0mg+DCNa 12.0mgに該当)10ml、GCA 2.8%で可溶化したPPC 5.0%(1ml中PPC 50.0mg+GCA 40.0mg)10ml及びGCA 4.0%で可溶化したPPC 5.0%(1ml中PPC 50.0mg+GCA 28.0mg)10mlを、顎下皮下脂肪層部位(計50ヶ所、ポイント当たり0.2cc、1.0cm間隔、6〜8mm深さ、30G 13mm注射針を装着)に投与した。前記各物質の投与後、1、3、7、10日経過した時点でアンケート調査を実施した。図15aは、痛み(pain)程度を100mm pain VAS評価した結果を示したグラフである。 図15a〜図15cを含む図15は、ヒトの被験者6人に対し、DCAで可溶化したPPC注射剤を投与された経験がある対象者を対象に、GCAで可溶化したPPC複合組成物を投与した後の痛みと浮腫、及び有害事例を比較した一連のグラフである。実験薬剤は、リポビン注射剤(1ml中PPC 50.0mg+DCNa 24.0mg)を0.9%生理食塩注射液で1:1に希釈した溶液(つまり、PPC 25.0mg+DCNa 12.0mgに該当)10ml、GCA 2.8%で可溶化したPPC 5.0%(1ml中PPC 50.0mg+GCA 40.0mg)10ml及びGCA 4.0%で可溶化したPPC 5.0%(1ml中PPC 50.0mg+GCA 28.0mg)10mlを、顎下皮下脂肪層部位(計50ヶ所、ポイント当たり0.2cc、1.0cm間隔、6〜8mm深さ、30G 13mm注射針を装着)に投与した。前記各物質の投与後、1、3、7、10日経過した時点でアンケート調査を実施した。図15bは、浮腫程度を浮腫評価尺度(Edema grade scale、(0:無し(Absent)-0mm、1:軽症(Mild)-2mm、2:中等症(Moderate)-4mm、3:重症(Serve)-6mm、4:深刻(Extreme)-8mm))で評価した結果評価した結果を示したグラフである。 図15a〜図15cを含む図15は、ヒトの被験者6人に対し、DCAで可溶化したPPC注射剤を投与された経験がある対象者を対象に、GCAで可溶化したPPC複合組成物を投与した後の痛みと浮腫、及び有害事例を比較した一連のグラフである。実験薬剤は、リポビン注射剤(1ml中PPC 50.0mg+DCNa 24.0mg)を0.9%生理食塩注射液で1:1に希釈した溶液(つまり、PPC 25.0mg+DCNa 12.0mgに該当)10ml、GCA 2.8%で可溶化したPPC 5.0%(1ml中PPC 50.0mg+GCA 40.0mg)10ml及びGCA 4.0%で可溶化したPPC 5.0%(1ml中PPC 50.0mg+GCA 28.0mg)10mlを、顎下皮下脂肪層部位(計50ヶ所、ポイント当たり0.2cc、1.0cm間隔、6〜8mm深さ、30G 13mm注射針を装着)に投与した。前記各物質の投与後、1、3、7、10日経過した時点でアンケート調査を実施した。図15cは、局所的有害事例などの投与部位の広範囲の腫れ(swelling)、血腫(hematoma)、あざ(bruising)、紅斑(erythema)、結節(nodule)、掻痒(pruritus)を、5等級(0:無し(Absent)、1:軽症(Mild)、2:中等症(Moderate)、3:重症(Serve)、4:深刻(Extreme))に分類して評価した結果を示したグラフである。 図16は、ヒトの被験者にリポビン注射剤(1ml中PPC 50.0mg+DCNa 24.0mg)を.0.9%生理食塩注射液で1:1に希釈した溶液(1ml中PPC 25.0mg+DCNa 12.0mg)、又はGCAで可溶化したPPC複合組成注射剤(1ml中PPC 50mg+GCA 40mg)投与後、皮膚病変の紅斑、あざ、血腫に対する比較イメージである。投与部位に9.6%リドカイン軟膏で30分局所麻酔後、実験薬剤それぞれ50mlを、脇腹皮下脂肪層の部位(計100ヶ所、ポイント当たり0.5cc、1.5cm間隔、10〜12mm深さ、30G 13mm注射針を装着)に投与した。投与2日後のイメージを収得した。DCAで可溶化したPPC注射剤の投与部位では、薬剤が広がる部位に沿って紅斑、あざ、血腫などの皮膚病変が観察されたが、本発明のGCAで可溶化したPPC複合組成注射剤は、注射針の侵襲による血腫とあざだけが観察された。
下記の実施例、比較例及び実験例は、本発明を例示するのみのものであって、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
[原料]
本願発明の注射剤組成物及び比較組成物の製造に投入された物質は、下記の通りである:
必須リン脂質性物質(PPC、S-100、LIPOID GmbH、784g/mol based on Oleoyl-linoleoyl-glycero-phosphocholine)、コール酸(cholic acid、CA、New zealand pharm)、デオキシコール酸(Deoxycholic acid、DCA、Sigma-Aldrich)、デオキシコール酸ナトリウム(Sodium Deoxycholate、DCNa、New zealand phram)、グリココール酸(Glycocholic acid、GCA、New zealand phram)、グリココール酸ナトリウム(Sodium Glycocholate、GCNa、New zealand phram)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA、Sigma-Aldrich)、タウロコール酸ナトリウム(Sodium Taurocholate、TCNa、New zealand phram)、ケノデオキシコール酸(Chenodeoxycholic acid、CDCA、Sigma-Aldrich)、ウルソデオキシコール酸(Ursodeoxycholic acid、UDCA、Sigma-Aldrich)、グリコデオキシコール酸(Glycodeoxycholic acid、GDCA、Sigma-Aldrich)、タウロデオキシコール酸(Taurodeoxycholic acid、TDCA、Sigma-Aldrich)、ヒオデオキシコール酸(Hyodeoxycholic acid、HDCA、Sigma-Aldrich)、リトコール酸(Lithocholic acid、LCA、Sigma-Aldrich)、デヒドロコール酸(Dehydrocholic acid、DHCA、Sigma-Aldrich)、タウロウルソデオキシコール酸(Tauroursodeoxycholic acid、TUDCA、Tokyo Chemical Industry)、ベンジルアルコール(Sigma-Aldrich、0.9% w/v)、塩化ナトリウム(Sigma-Aldrich、0.44% w/v)、水酸化ナトリウム(Sigma-Aldrich、0.04〜0.76% w/v)、塩酸(Sigma-Aldrich、0.001〜0.6% w/v)、注射用水(水)。投入された物質のうち、等張化剤(塩化ナトリウム)は、実施例及び比較例などでベンジルアルコール投入時に一緒に投入する方法で使用された。
[分析機器]
本願発明の注射剤組成物及び比較組成物の分析に使用された機器は、次の通りである。粒度測定は、ナノ粒度分析器(Microtrac Wave、MICROTRACT、USA)を利用して測定し、製造後、沈殿現象に因る相分離観察は、カメラ(Nikkon、D5200、AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRレンズ)で撮影して、透明度は、分光光度計(CM-3600d、KONICA MINOLTA、JAPAN)を利用して測定し、pHは、pH測定器(ST3100、OHAUS、GERMANY)、等張度は、浸透圧測定器(Vapro 5600、Elitech Group、USA)、粘度は、粘度計(Digital Viscometer CL-2、CAS、大韓民国)を用いて分析した。
下記のように、可溶化剤の種類によるPPC基盤局所脂肪減少用製剤として、本願発明の組成物(実施例)と比較組成物(比較例)を製造した。以下で、組成物の%は、%(w/v)を意味する。
<比較例1>
PPC単独組成注射剤
可溶化剤が添加されていない、ホスファチジルコリン(PPC)単独組成を基盤とする局所脂肪減少注射用組成物(PPC濃度0.313〜15.0%)を製造した。高圧ホモジナイザーを利用して、1mL中にそれぞれ、PPC 3.125mg(0.3125%)、6.25mg(0.625%)、12.5mg(1.25%)、25.0mg(2.5%)、50.0mg(5.0%)、75.0mg(7.5%)、100.0mg(10.0%)、125.0mg(12.5%)及び150.0mg(15.0%)と、ベンジルアルコール 9mg(0.9%)の組成を基盤とする注射組成物を製造し、これらの代表的な結果を下記表1に示す。以下、本明細書で組成物の%w/vは、%で表記する。
具体的な製造方法は以下の通りである。洗浄、滅菌された調製タンクに注射用水を投入して(常温)、ここにホスファチジルコリン(PPC)、ベンジルアルコールを投入し、窒素圧、遮光、常温の条件で、2時間、200RPMで撹拌した。撹拌終了後、窒素圧で超高圧均質器(Nano Disperser NLM100、Ilshin Autoclave、韓国)に移した。12,000psi、7cycleで、超高圧均質(分散)を実施して粒子を微細化し、その後、pHを調整して、0.2μmのフィルター濾過後、バイアルに充填及び密封した。
図1aに示した通り、可溶化剤が添加されていないPPC 5.0%組成物は、24〜72時間撹拌直後に混濁し、最終撹拌1日経過時点で、組成物は、PPCが注射用水に分散されずに沈殿されて、製剤安定性が低く、産業的利用に限界があった。また、図1b及び表1に示した通り、可溶化剤が添加されずに、PPC 0.625〜10.0%を高圧ホモジナイザーで分散させた組成物の性状は、濃度別に若干混濁乃至混濁した状態を示し、粒度は17.16±5.88〜16.69±4.51nmのリポソームシステムで不安定に分散された。30日経過時点の性状を観察した結果、PPC 2.5%以上の濃度からは、注射用水に分散されずに沈殿される低い剤形安定性により、産業的注射用製剤に適切でないことを確認した(図1b)。
これらの理由から、PPCが10nm以下の粒度で安定して分散されたミセル構造の澄んだ溶液の注射剤組成物を得て、これらの性状を比較するために、多様な胆汁酸(BA)(デオキシコール酸(DCA)、コール酸(CA)、グリココール酸(GCA)、タウロコール酸(TCA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、ヒオデオキシコール酸(HDCA)、リトコール酸(LCA)、デヒドロコール酸(DHCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA))により多様な濃度で可溶化したPPC複合組成物を製造し、以下の比較例及び実施例でこれらの組成を詳細に図示した。
<比較例2>
DCAで可溶化したPPC注射剤
従来公知されたリポスタビル製剤などの組成のように、デオキシコール酸(DCA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC 5.0%)を基盤とする組成物は、下記表2に示した通り、1ml中に、PPC 50.0mg(5.0%)にDCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、30.0mg(3.0%)投入して、ベンジルアルコール9mg(0.9%)を添加して、製作された。具体的には、洗浄、滅菌された調剤タンクに注射用水を投入して(常温)、前記注射用水に水酸化ナトリウムを投入した。その後デオキシコール酸とベンジルアルコールを投入、撹拌及び溶解した。その後、ホスファチジルコリンを投入して、遮光、密閉、常温(25℃)、窒素圧条件で、200RPMで約24時間撹拌した。撹拌終了後、pHを調節(必要な場合に、追加の水酸化ナトリウム又は塩酸で)して、0.2μmのフィルターでろ過した後、バイアルに充填及び密封した。表2は、多様な濃度のDCAで可溶化したPPC注射剤の特性を示す。
デオキシコール酸(DCA)で可溶化したPPC注射剤等に対して、製造直後と製造30日後(常温で放置した後)の剤形安定性を評価し、評価結果を図2aに示す。PPC 5%に対してDCAが2.1%以上添加される時、安定的な製剤学的配合が起きたことが確認され、組成物は、透明な澄んだ溶液の性状を示した(比較例2-4〜2-9)。比較例2-1〜2-3は、沈殿現象により、製剤が不安定な性状で観察された。前記比較を通じて、PPC 5%基準DCA 2.1%以上で、安定注射剤の製剤が可能という結論に達した(比較例2-4〜比較例2-9)。特に、比較例2-1〜比較例2-3では、ホスファチジルコリンの粒度が50.80±330.0nm〜39.60±26.14nmで、ミセル構造ではない、不安定なエマルジョン又はリポソーム構造で組成されたが、比較例2-4〜比較例2-9は、10nm以下のミセル構造で組成された。前記の通り、DCA/PPCモル比0.87未満の組成は、実質的に安定的な製剤学的配合がなされていないと判断され、注射剤に使用するには不向きと考えられた。
<実施例1>
GCAで可溶化したPPC注射剤の製造
グリココール酸(GCA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC)を基盤とする局所脂肪減少用組成物を、下記表3及び表4に示した通り、1ml内に、PPC 50.0mg(5.0%w/v)に対して、GCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、26.0mg(2.6%)、27.0mg(2.7%)、28.0mg(2.8%)、29.0mg(2.9%)、30.0mg(3.0%)、35.0mg(3.5%)、40.0mg(4.0%)、45.0mg(4.5%)投入して、ベンジルアルコール9mg(0.9%)を添加して製造した。具体的な製造工程は、次の通りである。洗浄、滅菌された調製タンクに注射用水を投入して(常温)、前記注射用水に水酸化ナトリウム(0.04〜0.72%)を投入した。その後グリココール酸とベンジルアルコールを投入、撹拌溶解した。その後、ホスファチジルコリンを投入して、遮光、密閉、常温(25℃)、窒素圧条件で、200RPMで約24時間撹拌した。撹拌終了後、pH調節(必要な場合に、追加の0.001〜0.04%水酸化ナトリウム又は0.001〜0.6%塩酸に)して、0.2μmフィルターでろ過した後、バイアルに充填及び密封した。表3及び表4は、多様な濃度のGCAで可溶化したPPC注射剤の特性を示す。
前記表3及び表4のグリココール酸(GCA)で可溶化したPPC注射剤組成物の製造直後と製造30日後の製剤安定性を評価し、これらの評価結果は図2bに示す。PPC 5.0%に対してGCA 2.2%以上添加される時、安定的に製剤学的配合がなされたことが確認され、組成物が透明な澄んだ溶液の性状を示した(実施例1-1〜1-12)。比較実施例1-1〜1-4は、沈殿現象により、製剤が安定的でないことが確認された。実施例1-1〜1-3は、製造直後は若干混濁したが、0.2μmのフィルターでろ過した後は、透明な性状を示して、注射用製剤として使用可能であることを確認した。これにより、PPC 5.0%基準でGCA 2.2%以上(GCA/PPCモル比0.76以上)で安定した注射剤の製剤が可能という結論に達した。比較実施例1-1〜1-4の組成物の粒度は198.2±721.0nm〜28.2±11.35nmで不安定なエマルジョン又はリポソーム構造に分散されて、実質的に安定的な製剤学的配合がなされていないものと判断され、注射剤に使用するには不向きと考えられた。その他に、GCA 2.2%以上添加PPC複合組成物(実施例1-1〜1-12)は、10nm以下のミセル構造で組成され、GCA 2.8%以上(GCA/PPCモル比0.97以上)添加PPC複合組成物(実施例1-7〜1-12)は、5nm以下のミセル構造で組成されて、注射剤としての使用に適していることを確認した。
GCAで可溶化されたPPC複合組成物は、PPCの濃度に比例して粘度が増加するため、多様な組成物に対する粘度実験を実施した。具体的には、PPC 5.0%が5nm以下の粒度に分散されるGCA(1.4〜11.2%)配合濃度2.8%を目安に、GCAで可溶化したPPC(2.5〜20.0%)とGCA(4.2〜12.6%)で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物の特性を調査した。前記組成物それぞれ500mlについて、常温(25℃)でスピンニードル1番を装着した後、60RPMで3分間測定した。実験の結果、粒度は、4.23±1.69〜1.37±0.530nmであることを確認し、透明度(660nm)は、99.11±0.77%と測定された。表5は、多様な濃度のGCAで可溶化されたPPC注射剤の粘度特性を示す。下記の表5に基づいて、PPCが15%(w/v)を超えるときは、高粘度のため投与に不適切なことが確認された。
<実施例2>
TCAで可溶化したPPC注射剤の製造
タウロコール酸(TCA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC)を基盤とする組成物を、下記表6及び表7に示した通り、1mlの中で、PPC 50.0mg(5.0%)にTCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、26.0mg(2.6%)、27.0mg(2.7%)、28.0mg(2.8%)、29.0mg(2.9%)、30.0mg(3.0%)、35.0mg(3.5%)、40.0mg(4.0%)、45.0mg(4.5%)投入して、ベンジルアルコール9mg(0.9%)を添加して多様に製造した。具体的な製造工程は、前記実施例1と同一である。表6及び表7は、多様な濃度のTCAで可溶化したPPC注射剤の特性を示す。
前記表6及び表7のタウロコール酸(TCA)で可溶化したPPC注射剤組成物に対して、製造直後と製造30日後(冷蔵保管)の製剤安定性を評価し、これらの評価結果は図2cに示す。PPC 5.0%に対してTCA 2.5%以上で添加される時、安定的な製剤学的配合が起きたことが確認され、組成物は、透明な澄んだ溶液の性状を示した(実施例2-1〜2-9)。比較実施例2-1〜2-7は、沈殿現象により製剤が安定していないことが確認された。実施例2-1は、製造直後は少し混濁したが、0.2μmのフィルターで濾過した後は、殆ど透明な性状を示して、注射用製剤として使用可能であることを確認した。これにより、PPC 5%基準でTCA 2.5%以上で、安定した注射剤の製剤が可能という結論に達した。比較実施例2-1〜2-7の粒度は、組成物の粒度の139.6±126.14nm〜146.1±2908nmで不安定なエマルジョン又はリポソーム構造に分散されて、実質的に安定的な製剤学的配合が起きていないものと判断され、注射剤に使用するには不適切に思われた。その他、TCA 2.5%以上(TCA/PPCモル比0.78以上)添加PPC複合組成物(実施例2-1〜2-9)は、10nm以下のミセル構造で組成され、TCA 2.8%以上(TCA/PPCモル比0.88以上)添加PPC複合組成物(実施例2-4〜2-9)は、5nm以下のミセル構造で組成され、注射剤としての使用に適していることを確認した。
<比較例3>
CAで可溶化したPPC注射剤
コール酸(CA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC)を基盤とする組成物を、下記表8に示した通り、1ml中のPPC 50.0mg(5.0%)に、CAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、30.0mg(3.0%)投入して、ベンジルアルコール9mg(0.9%)を添加して、多様に製作した。具体的な製造工程は、前記実施例1と同じである。
前記表8のコール酸(CA)で可溶化したPPC注射剤組成物に対して、製造直後と製造30日後(冷蔵保管)の製剤安定性を評価し、これらの評価結果を図2dに示す。PPC 5.0%に対してCAが2.2%以上で添加される時、安定的に製剤学的配合が起きたことが確認され、組成物が透明な澄んだ溶液の性状を示した(比較例3-5〜3-9)。比較例3-1〜3-4は、沈殿現象により、製剤が安定していないことが確認された。比較例3-5は、製造直後、殆ど透明であり、0.2μmのフィルターで濾過した後、完全に透明な性状を示した。これにより、PPC 5%基準でCA 2.2%以上で、安定した注射剤製剤が可能である結論に達した。比較例3-1〜3-4では、ホスファチジルコリン粒度が50.80±330nm〜583.00±293nmで、ミセル構造ではなく、不安定なエマルジョン又はリポソーム構造で組成されたが、比較例3-5〜3-9は、10nm以下のミセル構造で組成された。前記の通り、CA/PPCモル比0.88未満の組成は、実質的に安定的な製剤学的配合が起きなかったものと判断され、注射剤に使用するには不向きなものと考えられた。
<比較例4>
CDCAで可溶化したPPC注射剤
ケノデオキシコール酸(CDCA)で可溶化したホスファチジルコリンを基盤とする組成物を、下記表9に示した通り、1ml中PPC 50.0mg(5.0%)に、CDCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、30.0mg(3.0%)投入して、ベンジルアルコール9mg(0.9%)を添加して、多様に製作された。具体的な製造工程は、前記実施例1と同じである。
前記表9のケノデオキシコール酸(CDCA)で可溶化したPPC注射剤組成物について、製造直後と製造30日後(冷蔵保管)の剤形の安定性を評価し、これらの評価結果を図2eに示す。PPC 5.0%に対してCDCAが2.2%以上に添加される時、安定的に製剤学的配合が起きることが確認され、組成物が透明な澄んだ溶液の性状を示した(比較例4-5〜4-9)。比較例4-1〜4-4は、沈殿現象により、製剤が不安定な性状を示した。これにより、PPC 5%基準CDCA 2.2%以上で、安定した注射剤製剤が可能という結論に達した。比較例4-1〜4-4は、ホスファチジルコリン粒度が80.05±280.0nm〜35.73±0.830nmで、ミセル構造でない不安定なエマルジョン又はリポソーム構造に組成されたが、比較例4-5〜4-9は、10nm以下のミセル構造に組成された。前記の通り、CDCA/PPCモル比0.89未満の組成は、実質的に安定的な製剤学的配合が起きていないものと判断され、注射剤に使用するには不向きなものと考えられた。
<比較例5>
UDCAで可溶化したPPC注射剤
ウルソデオキシコール酸(UDCA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC)を基盤とする組成物を、下記表10に示した通り、1ml中PPC 50.0mg(5.0%)に、UDCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、30.0mg(3.0%)投入して、ベンジルアルコール9mg(0.9%)を添加して、多様に製作された。具体的な製造工程は、前記実施例1と同じである。
前記表10のウルソデオキシコール酸(UDCA)で可溶化したPPC注射剤組成物に対して、製造直後と製造30日後(冷蔵保管)の剤形の安定性を評価し、これらの評価結果を図2fに示す。PPC 5.0%についてUDCAが2.7%以上で添加される時、安定的に製剤学的配合が起きたことが確認され、組成物が透明な澄んだ溶液の性状を示した(比較例5-6〜5-9)。比較例5-1〜5-5は、沈殿現象により製剤が安定していないことが確認された。比較例5-6は、製造直後、殆ど透明で、0.2μmのフィルターで濾過した後、透明な性状を示した。これにより、PPC 5.0%基準UDCA 2.7%以上で、安定した注射剤の製剤が可能という結論に達した。比較例5-1〜比較例5-5では、ホスファチジルコリン粒度が289.0±265.0nm〜42.42±250nmで、ミセル構造でない不安定なエマルジョン又はリポソーム構造に組成されたが、比較例5-6〜5-9は、10nm以下のミセル構造に組成された。前記の通り、UDCA/PPCモル比1.12未満の組成は、実質的に安定的な製剤学的配合が起きていないものと判断され、注射剤への使用は不向きなものと考えられた。
<比較例6>
GDCAで可溶化したPPC注射剤
グリコデオキシコール酸(GDCA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC)を基盤とする組成物を、下記表11に示した通り、1ml中PPC 50.0mgに、GDCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、30.0mg(3.0%)投入して、ベンジルアルコール 9mg(0.9%)を添加して、多様に製作された。具体的な製造工程は、前記実施例1と同じである。
前記表11のグリコデオキシコール酸(GDCA)で可溶化したPPC注射剤組成物に対して、製造直後と製造30日後(冷蔵保管)の剤形安定性を評価し、これらの評価結果を図2gに示す。PPC 5.0%に対してGDCAが2.4%以上で添加される時、安定的な製剤学的配合が起きたことが確認され、組成物は、透明な澄んだ溶液の性状を示した(比較例6-7〜6-9)。比較例6-1〜6-6は、沈殿現象により、製剤が安定していないことが確認された。比較例6-7は、製造直後、殆ど透明であって、0.2μmフィルターで濾過した後、透明な性状を示した。これにより、PPC 5.0%基準でGDCA 2.4%以上で、安定した注射剤の製剤が可能という結論に達した。比較例6-1〜比較例6-6では、ホスファチジルコリン粒度が204.4±1880nm〜134.8±680.1nmで、ミセル構造ではない不安定なエマルジョン又はリポソーム構造で組成されたが、比較例6-7〜6-9は、10nm以下のミセル構造に組成された。前記の通り、GDCA/PPCモル比0.87未満の組成物は、実質的に安定的な製剤学的配合が起きていないと判断され、注射剤に使用するには不向きなものと考えられた。
<比較例7>
TDCAで可溶化したPPC注射剤
タウロデオキシコール酸(TDCA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC)を基盤とする組成物を、下記表12に示した通り、1ml中PPC 50.0mg(5.0%)に、TDCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、30.0mg(3.0%)投入して、ベンジルアルコール 9mg(0.9%)を添加して、多様に製作された。具体的な製造工程は、前記実施例1と同じである。
表12のタウロデオキシコール酸(TDCA)で可溶化したPPC注射剤組成物に対して、製造直後と製造30日後(冷蔵保管)の製剤安定性を評価し、これらの評価結果は図2hに示す。PPC 5.0%に対してTDCAが2.3%以上で添加された時、安定的に製剤学的配合が起きたことが確認され、組成物が透明な澄んだ溶液の性状を示した(比較例7-6〜7-9)。比較例7-1〜7-5は、沈殿現象により、製剤が安定していないことが確認された。比較例7-6は製造直後、殆ど透明で、0.2μmのフィルターで濾過した後、完全に透明な性状を示した。これにより、PPC 5.0%基準TDCA 2.3%以上で、安定した注射剤剤形が可能という結論に達した。比較例7-1〜比較例7-5では、ホスファチジルコリン粒度が、185.1±1834nm〜123.5±72.0nmで、ミセル構造ではない不安定なエマルジョン又はリポソーム構造に組成されたが、比較例7-6〜7-9は、10nm以下のミセル構造に組成された。前記の通り、TDCA/PPCモル比0.74未満の組成は、実質的に安定的な製剤学的配合が起きていないものと判断され、注射剤に使用するには不向きなものと考えられた。
<比較例8>
HDCAで可溶化したPPC注射剤
ヒオデオキシコール酸(HDCA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC)を基盤とする組成物を、下記表13に示した通り、1ml中PPC 50.0mg(5.0%)に、HDCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、21.0mg(2.1%)、22.0mg(2.2%)、23.0mg(2.3%)、24.0mg(2.4%)、25.0mg(2.5%)、30.0mg(3.0%)を投入して、ベンジルアルコール9mg(0.9%)を添加して、多様に製作された。具体的な製造工程は、前記実施例1と同じである。
前記表13のヒオデオキシコール酸(HDCA)で可溶化したPPC注射剤組成物に対して、製造直後と製造30日後(冷蔵保管)の製剤安定性を評価し、これらの評価結果を図2iに示す。PPC 5.0%に対してHDCAが2.3%以上で添加される時、安定的に製剤学的配合が起きたことが確認されて、組成物が透明な澄んだ溶液の性状を示した(比較例8-6〜8-9)。比較例8-1〜8-5は、沈殿現象により、製剤が安定していないことが確認された。比較例8-6は、製造直後殆ど透明であり、0.2μmのフィルターで濾過した後、透明な性状を示した。これにより、PPC 5.0%基準HDCA 2.3%以上で、安定した注射剤の製剤が可能という結論に達した。比較例8-1〜比較例8-5では、ホスファチジルコリン粒度が537.2±320nm〜81.65±24.30nmで、ミセル構造でない不安定なエマルジョン又はリポソーム構造に組成されたが、比較例8-6〜8-9は、10nm以下のミセル構造で組成された。前記の通り、HDCA/PPCモル比0.95未満の組成は、実質的に安定的な製剤学的配合が起きていないものと判断され、注射剤に使用するには不向きなものと考えられた。
特異な発見として、HDCAで可溶化したPPC複合組成物は、冷蔵(4〜8℃)保管時に混濁したが、常温では澄んだ溶液に性状が変化する様相が観察された。PPC+HDCA複合組成物は、冷蔵保管時に製剤安定性が低く、長時間常温で保存しなければならない結論に達した。しかし、常温でPPC+HDCAを長時間保管すると、溶血作用を引き起こすリソホスファチジルコリン(lyso phosphatidylcholine)の増加により、HDCAは、品質管理上、PPC複合組成物に適切な可溶化剤でないものと思われた。
<比較例9>
TUDCAで可溶化したPPC注射剤
タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC)を基盤とする組成物を、下記表14に示した通り、1ml中PPC 50.0mgに、TUDCAをそれぞれ10.0mg(1.0%)、15.0mg(1.5%)、20.0mg(2.0%)、25.0mg(2.5%)、30.0mg(3.0%)、35.0mg(3.5%)、40.0mg(4.0%)、45.0mg(4.5%)、50.0mg(5.0%)を投入して、ベンジルアルコール 9mg(9.0%)を添加して、多様に製作した。具体的な製造工程は、前記実施例1と同じである。
表14のタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)で可溶化したPPC注射剤組成物について、製造直後と製造30日後(冷蔵保管)の剤形安定性を評価し、これらの評価結果は、図2jに示す。PPC 5.0%に対してTUDCAが4.0%以上で添加される時、安定的な製剤学的配合が起きたことが確認され、組成物が透明な澄んだ溶液の性状を示した(比較例9-7〜9-9)。比較例9-1〜9-6は、沈殿現象により、製剤が不安定な性状を示した。これにより、PPC 5.0%基準TUDCA 4.0%以上で、安定した注射剤の製剤が可能という結論に達した。比較例9-1〜比較例9-6では、ホスファチジルコリン粒度が86.30±850nm〜22.8±0.980nmで、ミセル構造ではない、不安定なエマルジョン又はリポソーム構造に組成されたが、比較例9-7〜9-9で、10nm以下のミセル構造で組成された。ここで、TUDCA/PPCモル比1.29未満の組成は、実質的に安定的な製剤学的配合が起きていないものと判断され、注射剤に使用するには不向きなものと考えられた
下記表15は、前記比較例1〜比較例9、実施例1及び実施例2で述べた通り、いくつかの胆汁酸(BA)を利用したPPC注射剤組成物製作に要求される、好ましいBA/PPCモル比の中で、最も好ましい最小モル比を総合して示す。PPCが、冷蔵と常温条件で、10nm以下のミセル構造に分散された澄んだ溶液の安定した注射剤組成物を製造するために使用可能な胆汁塩(BA)は、デオキシコール酸(DCA)、コール酸(CA)、グリココール酸(GCA)、タウロコール酸(TCA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)であり、常温条件では、ヒオデオキシコール酸(HDCA)と確認された。これらは、前述した最小モル比以上でPPCを可溶化して、安定した澄んだ溶液のミセル構造で分散される。前記BAでPPCを可溶化するための最も好ましいBA/PPC最小モル比=0.92±0.17である。つまり、最も好ましいBA/PPC最小モル比は、0.74〜1.29であり、下記表15の通りである。PPC 5%を可溶するために、BAは、少なくとも2.49±0.56%(w/v)が配合されるべきである。
<比較例10>
LCAで可溶化したPPC注射剤
リトコール酸(LCA)3.0%(w/v)で可溶化したホスファチジルコリン(PPC 5.0%)を基盤とする組成物を、前記実施例1と同じ方法で製作を試みた。
しかし、図3aに示した通り、リトコール酸(LCA)は、水酸化ナトリウム下において、可溶化時に、ゲル化現象により、混濁及び沈殿性状を示して、注射用製剤製作が不可能であった。
<比較例11>
DHCAで可溶化したPPC注射剤
デヒドロコール酸(DHCA)2.5%、3.0%、4.0%、又は5.0%で可溶化したホスファチジルコリン(PPC 5.0%)を基盤とする組成物を、前記実施例1と同じ方法で製作を試みた。しかし、図3bに示した通り、デヒドロコール酸は、水酸化ナトリウム下において、PPC可溶後、pH調節時に、混濁及び沈殿現象が起きて、注射用組成物に適していなかった。
<比較例12〜比較例30>
PPC単独、BA単独及びPPC+BA複合組成物の製造
単独組成物としてデオキシコール酸(DCA)単独(比較例12)、コール酸(CA)単独(比較例13)、グリココール酸(GCA)単独(比較例14)、タウロコール酸(TCA)単独(比較例15)、ケノデオキシコール酸(CDCA)単独(比較例16)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)単独(比較例17)、グリコデオキシコール酸(GDCA)単独(比較例18)、タウロデオキシコール酸(TDCA)単独(比較例19)、ヒオデオキシコール酸(HDCA)単独(比較例20)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)単独(比較例21)組成の注射剤組成物を、濃度別(1.0〜7.5%(w/v)など)に製造した。具体的には、1mL中に胆汁酸がそれぞれ10.0mg(1.0%)、25.5mg(2.5%)、50.0mg(5.0%)又は75.5mg(7.5%)ずつ含まれ、ベンジルアルコール9mg(0.9%)が含まれる組成で製造した。製造工程は、まず洗浄、滅菌された調剤タンクに注射用水を投入して(常温)、前記注射用水に水酸化ナトリウムを投入した後、前記胆汁酸(塩)とベンジルアルコールを投入及び撹拌溶解した。全工程は、遮光、密閉、常温、窒素圧条件で、200RPMで2時間撹拌した。撹拌終了後、pHを調節してこれを0.2μmのフィルターでろ過した後、バイアルに充填及び密封した。
また、多様な濃度別PPC単独組成物[(PPC 1.25%、2.50%、5.0%、7.5%、10.0%、12.5%、15.0%)、(比較例22)]を製造した。具体的な製造工程は、前記比較例1と同じである。
複合組成物として、PPC 5.0%+DCA 2.2%(比較例23)、PPC 5.0%+HDCA 2.5%(比較例24)、PPC 5.0%+UDCA 3.0%(比較例25)、PPC 5.0%+TDCA 2.5%(比較例26)、PPC 5.0%+GDCA 2.5%(比較例27)、PPC 5.0%+CDCA 2.5%(比較例28)、PPC 5.0%+CA 2.5%(比較例29)、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%(比較例30)を製造した。具体的な製造工程は比較例2〜比較例9などと同一である。
<実施例3及び実施例4>
GCA又はTCAで可溶化したPPC複合組成物の製造
PPC+GCA[(PPC 2.5%+GCA 1.25%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 7.5%+GCA 3.75%、PPC 10.0%+GCA 5.0%、PPC 15.0%+GCA 7.5%、PPC 5.0%+GCA 5.0%、PPC 5.0%+GCA 7.5%、PPC 5.0%+GCA 10.0%、PPC 5.0%+GCA 15.0%、PPC 5.0%+GCA 20.0%、PPC 5.0%+GCA 25.0%)、(実施例3)]、PPC+TCA[(PPC 2.5%+TCA 1.25%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、PPC 7.5%+TCA 3.75%、PPC 10.0%+TCA 5.0%、PPC 15.0%+TCA 7.5%、PC 5.0%+TCA 5.0%、PPC 5.0%+TCA 7.5%、PPC 5.0%+TCA 10.0%、PPC 5.0%+TCA 15.0%、PPC 5.0%+TCA 20.0%、PPC 5.0%+TCA 25.0%)、(実施例4)]を製造した。具体的な製造工程は、実施例1及び実施例2と同じである。
<実験例1>
副作用(炎症、浮腫、皮膚病変)の評価比較
多様な濃度のホスファチジルコリン(PPC)単独組成物(比較例22)、胆汁酸(BA)単独組成物(比較例12〜比較例21)、胆汁酸のDCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA、CAで可溶化したPPC複合組成物(比較例23〜比較例29)及びGCA、TCAで可溶化したPPC複合組成物(実施例3及び実施例4)など、多様な組成物に対する浮腫と皮膚病変と炎症の実験を行った。
炎症(inflammation)、浮腫(edema)及び注射部位の局所的又は広範囲な皮膚病変は、従来広く知られて使われているDCA単独注射剤組成物(例えば、カイベラ)又はDCAで可溶化したPPC注射剤組成物(例えば、リポスタビル、リポビンなど)で観察される、典型的な局所的異常反応の事例の一つである。以下の結果は、in vivoで胆汁酸(塩)単独組成物、PPC単独組成物及び胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物の皮下注射に対する浮腫と炎症、さらに皮膚病変結果を示す。下記結果から、特に特定モル比のGCA、TCA及びTUDCAで可溶化したPPC注射剤組成物において、炎症と浮腫が実質的にないか又は80%以上軽減されたことが観察されたが、これは個別物質の効果評価からは予測できない発見に基づくものであった。下記実験方法と結果を以下に述べる。以下で組成物の%は、%(w/v)を意味する。
<1−1>ラットの足部浮腫(paw edema)
浮腫の程度を評価するために、ラットの足部に、前述したそれぞれの実験薬剤を注射した。具体的には、雄のSprague-Dawleyラット(6週齢)を購入して、1週間の適応後に使用した。ラット(体重:170〜200g)を無作為に選択して、実験薬物投与前のラット足部の厚さをキャリパーで測定した。浮腫の有無を観察するために、ラットの足部に、PBS及び多様な実験薬剤を0.1mlずつ投与した。足部嵩の測定は、注射の直前と、注射直後、1時間経過時点、2時間経過時点においてキャリパーによって行った。また、厚さ測定時の足裏を、写真(4×4cmのスケールを利用)撮影して、注射部位の皮膚病変を観察した。
浮腫の程度を0〜4等級で評価した。投与前対比注射直後、1時間経過時点、2時間経過時点で、浮腫が全くなし、[-、(腫れの程度が投与前対比0%)]、軽症の浮腫[+、(腫れの程度が投与前対比20%以下)]、中等症の浮腫[++、(腫れの程度が投与前対比20〜40%以下)、重症の浮腫[+++、(腫れの程度が投与前対比40〜60%以下)]、深刻な浮腫[++++、(腫れの程度が投与前対比60%以上)]で評価した。
まず、濃度別PPC単独組成物(PPC 1.25%、2.50%、5.0%、7.5%、10.0%、12.5%、15.0%)に対して、浮腫が最も深刻な投与2時間経過時点の浮腫評価の結果、下記表16に示した通り、“軽症”はPPC 1.25%〜10.0%、“中等症”は、12.5%及び15.0%に見られ、相対的にDCA 1.0%の2時間経過時点の浮腫は“重症”に増加した(図4a)。総合的に、PPC単独組成は、高濃度で濃度依存的に浮腫が観察されたが、最高濃度のPPC 15%単独組成物の浮腫は、DCA 1.0%よりも遥かに低いことが観察された。
次に、多様な濃度別胆汁塩単独組成物(BA 1.0%、2.5%、5.0%、7.5%)に対して、浮腫が最も深刻な投与2時間経過時点の浮腫評価の結果、下記表17に示した通り、“軽症”はTUDCA 1.0%及び2.5%、GCA 1.0%及びTCA 1.0%、“中等症”は、UDCA 1.0%、GDCA 1.0%、CA 1.0%、GCA 2.5〜5.0%、TCA 2.5〜5.0%、TUDCA 5.0〜7.5%に見られ、残りの多様な濃度の胆汁酸の浮腫は、“重症”及び“深刻”に増加した(図4b〜図4k)。
具体的に、後述するin vitro脂肪細胞生存力実験結果から示した通り、脂肪細胞の減少力がDCA 1.0%と同等である示されたPPC 5.0%に対し、これの可溶化に必要な胆汁酸濃度として共通的に、通常2.5%の濃度に基づいて比較すると、前記の表17に示した通り、投与2時間で浮腫の程度が“軽症”はTUDCAで、“中等症”はGCA及びTCAで、“重症”はHDCA、TDCA、GDCA、及びCAで、“深刻”はDCA、UDCA、CDCAで確認された。図4lは、PPC 5.0%単独組成物、胆汁酸別にPPC 5.0%可溶に必要なそれぞれの濃度の単独製剤(通常約2.5%濃度を使用するが、UDCAの場合3%、TUDCA 4%程度が適合)、又は、PBSを注射後、2時間経過時点で浮腫を比較した結果であって、前記表17と類似した結果が導出された。
これと関連して、多様な胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物の炎症程度の確認のために、それぞれの胆汁酸で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物に対する2時間経過時点の浮腫の程度を比較した。その結果、表18に示した通り、“無し”は、GCA、TCA及びTUDCA、“中等症”は、CA、“重症”は、DCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、及びCDCAに確認された(図4m)。
驚くべき発見は、相対的にGCA(2.5%)、TCA(2.5%)及びTUDCA(5.0%)単独組成物の浮腫は、中等症に確認されたが(表17)、GCA(2.5%)、TCA(2.5%)及びTUDCA(4.0%)で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物の浮腫はないか又は軽症に減少される、予期せぬ結果である(図4m)。
濃度変化による浮腫を観察するために、GCA又はTCAで可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物に対する時間別の浮腫の程度を比較した。その結果、表19及び表20に示した通り、投与2時間経過時点で“無し”は、PPC 2.5〜5.0%に相当する複合組成物、“軽症”は、PPC7.5〜10.0%に相当する複合組成物、“中等症”は、PPC 15.0%に相当する複合組成物に確認された(図4n及び図4o)。
胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物は、可溶が可能な最小モル比以上で配合される胆汁酸の濃度が増加するにつれて、安定的な澄んだ溶液を獲得するための製造時間が短縮される。これらの理由で、PPC 5.0%の可溶が可能なGCA又はTCA配合濃度を増加させた組成物で浮腫を評価した。実験物質は、PPC 5.0%に、GCAとTCAをそれぞれ2.5%、5.0%、7.5%、10.0%、5.0%、20.0%及び25.0%が配合された複合組成物である。その結果、表21と表22に示した通り、浮腫がないか、又は軽症である、GCA/PPCの望ましいモル比は2.60 mol/mol以下であり、前記の値から3.47 mol/mol以下のモル比で浮腫は軽度と中等症、それ以上のモル比で重症の浮腫が確認された。また、浮腫がないか、又は軽症である、TCA/PPC好ましいモル比は2.35 mol/mol以下であり、前記の値から3.13 mol/mol以下のモル比で浮腫は軽症及び中等症、それ以上のモル比で重症の浮腫が確認された(図4p及び図4q)。
in vivo浮腫実験をまとめると、表16〜表22及び図4(図4a〜図4q)に示した通り、浮腫が最も深刻な2時間経過時点で、PPC単独組成物1.25〜10.0%濃度では、“軽症”で確認された。PPC単独の低い製剤安定性に因る産業的利用の限界を解決するために選ばれた胆汁酸(BA)の内、DCA 2.5%、UDCA 2.5%、CDCA 2.5%、HDCA 2.5%、TDCA 2.5%、GDCA 2.5%及びCA 2.5 %は、浮腫が重症及び深刻に増加し、GCA 2.5%、TCA 2.5%及びTUDCA 5.0%は中等症で確認された。しかし、GCA、TCA又はTUDCAで可溶化したPPC、5.0%の複合組成物は、浮腫無し及び軽症で確認された。濃度と配合量に伴う浮腫の変化を観察した結果、GCA又はTCA 1.25〜5.0%で可溶化した複合製剤は、PPC 2.5〜10.0%の濃度で浮腫が無いか又は軽症で確認され、GCA/PPCは3.47 mol/molモル比以下で、好ましくは2.60 mol/molのモル比以下で、TCA/PPCは3.13 mol/molのモル比以下で、好ましくは2.35 mol/molのモル比以下で、浮腫が無いか又は軽症であることを確認した。TUDCAは、既に発表された研究結果とインビトロ脂肪細胞生存度効力試験の結果(後述する実験例2参照)から、PPCの脂肪細胞溶解メカニズムである細胞死(apoptosis)をむしろ抑制する効果により、適切な可溶化剤でないことが明らかになった。
<1−2>皮膚病変の測定(紅斑)
実験薬剤注射後、皮膚に関する有害事例を観察するために、<1-1>の実験でラットの足部の厚さ測定時の足裏の写真(4×4cmのスケールを利用)を撮影して、皮膚病変を観察した。皮膚病変の評価は、投与前対比直後、1時間経過時点、2時間経過時点の病変の特性に、0〜4で点数を付け、その基準は肉眼観察で紅斑が全くない(-)、極めて軽い紅斑[(肉眼でようやく識別した程度の)軽症(+)]、明らかな紅斑(中等症、++)、少し激しい紅斑(重症、+++)、深刻な紅斑(深刻、++++)で定義した。
まず、全ての濃度別 PPC(1.25〜15.0%)単独組成物投与群では、表23に示した通り紅斑は全くなかった(図5a)。
次に、多様な濃度別の胆汁塩単独組成物(BA 1.0%、2.5%、5.0%、7.5%)に対する病変は、下記表24に示した通り、投与2時間経過時点で、DCA、HDCA、UDCA、GDCA、TDCA、及びCDCAは2.5 %以上の濃度で、CAは5.0%以上の濃度で重症及び深刻で確認され、GCAとTCAは5.0%以下の濃度で無し及び軽症、そしてTUDCAは無しと確認された(図5b及び図5c)。
胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物の炎症の程度を確認するために、多様な胆汁酸で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物に対する病変は、下記表25に示した通り、投与2時間経過時点で、DCA、HDCA、UDCA、CDCAで可溶化したPPC 5.0%の複合組成物の病変は重症、TDCA、GDCA及びCAで可溶化したPPC 5.0%の複合組成物は中等症で確認されたが、GCA、TCA及びTUDCAで可溶化したPPC 5.0%の複合組成物の病変は無しと確認された(図5d)。
濃度変化に伴う病変を観察するために、代表的にGCAで可溶化した多様な濃度のPPC複合組成物に対する病変の程度を比較した。その結果、表26に示した通り、病変は、PPC 10.0%+GCA 5.0%以下で無しと示され、PPC 15.0%+GCA 7.5%では軽症に確認された(図5e)。
PPC 5.0%の可溶が可能なGCA配合濃度を増加させた組成物に対する病変を評価した。表27に示した通り、病変が無いか又は軽症である、GCA/PPCの好ましいモル比は2.60 mol/mol比以下であり、3.47 mol/mol以上のモル比から、病変は重症及び深刻と確認された(図5f)。
in vivoの病変の観察結果をまとめると、表23〜表27及び図5に示した通り、PPC単独組成物1.25〜15.0%の濃度で“無し”と確認された。PPC単独の低い剤形安定性に因る産業的利用の限界を解決するために選択された胆汁酸(BA)の内、DCA 2.5%、UDCA 2.5%、CDCA 2.5%、HDCA 2.5%、TDCA 2.5%、GDCA 2.5%及びCA 5.0%以上は、病変が重症及び深刻と確認され、GCAとTCAは5.0%以下で病変が無いか又は軽症、TUDCAは病変が無いものと確認された。これに追加して実施した胆汁酸で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物については、DCA、HDCA、UDCA、及びCDCAで可溶化したPPC 5.0%の複合組成物の病変は重症、TDCA、GDCA及びCAで可溶化したPPC 5.0%の複合組成物は中等症で確認されたが、GCA、TCA及びTUDCAで可溶化したPPC 5.0%の複合組成物の病変は無しと確認された。濃度と配合量に伴う浮腫の変化を観察した結果、GCA 1.25〜5.0%で可溶化した複合製剤は、PPC 2.5〜10.0%の濃度で病変は無く、GCA 7.5%で可溶化したPPC 15.0%は病変が軽症に確認された。また、GCA/PPC 2.60 mol/molのモル比以下で病変が無いか軽症であることを確認した。
<1−3>H&E染色(H&E staining)組織学的検査(炎症)
実験薬剤注射後、炎症の程度を評価するために、<1-1>と<1-2>の試験を終えた後、3時間経過時点でラットを屠殺した。注射された領域の組織を切開して、10%ホルマリンで固定した後、検体を作製して、光学顕微鏡を用いてイメージをキャプチャーした。炎症の程度は次の通り評価した。
炎症症状の無し(-)は、汗腺、血管、脂肪組織などの機能組織の形態が完全に維持されていて、炎症細胞が見えない。軽症(+)は、機能組織(汗腺、血管、脂肪組織など)の形態が完全に維持されていて、まれに炎症細胞が示される。中等症(++)は、機能組織(汗腺、血管、脂肪組織など)の形態損傷が示され、組織内で炎症細胞が示される。重症(+++)は、機能組織の形態が損傷され、炎症細胞が多く増加したことを確認することができ、血管の周辺で、好中球、単核球などの炎症細胞が組織に移動することが示される。深刻(++++)は、機能組織の形態が浮腫及び炎症によって損傷され、好中球、単核球などの炎症細胞が著しく増加しただけでなく、真皮乳頭層(papillary dermis)部分に拡散され、組織の破壊が明らかに示されると評価した。
まず、全ての濃度別PPC(1.25〜15.0%)の炎症評価結果は、下記表28に示した通り、炎症評価“無し”はPPC 2.50〜7.50%、“軽症”はPPC 10.0%〜12.5%、“中等症”はPPC 15.0%の濃度で確認された(図6a)。
次に、多様な濃度別胆汁塩単独組成物(BA 1.0%、2.5%、5.0%、7.5%)に対する炎症評価の結果、下記表29に示した通り、DCA、HDCA、及びUDCAは1.0%濃度以上において重症及び深刻と確認され、TDCA、GDCA、CDCA、及びCAは2.5%濃度以上で重症及び深刻として確認された。GCAとTCAは2.5%濃度以上で中等症水準を示し、さらに、TUDCAは高濃度のみに軽症で確認された(図6b及び図6c)。
胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物の炎症の程度を確認するために、多様な胆汁酸で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物を製造して、炎症を評価した。前記表28に示した通り、DCA、HDCA、UDCA、及びCDCAで可溶化したPPC複合組成物は“深刻”、TDCA及びGDCAで可溶化したPPC複合組成物は“重症”、CAで可溶化したPPC複合組成物は“中等症”を示した。反面、特異的にGCA、TCA、及びTUDCAで可溶化したPPC複合組成物は“無し”に確認された。前記表29に示した通り、GCA 2.5%とTCA 2.5%単独組成物の炎症は中等症で評価されたが、GCA 2.5%又はTCA 2.5%で可溶化したPPC 5.0%の複合組成物の炎症は“無し”に確認される驚くべき発見をした(図6d)。
これと関連して、濃度変化に伴う炎症の程度を観察するために、代表的にGCAで可溶化した多様なPPC複合組成物に対する炎症の程度を比較した。その結果、前記表28に示した通り、PPC 7.5%+GCA 3.75%以下は“無し”、PPC 10.0%+GCA 5.0%は軽症、及び、PPC 15.0%+GCA 7.50%は中等症で確認された(図6e)。
可溶化剤配合量増加に伴う炎症の程度を確認するため、PPC 5.0%可溶が可能なGCA配合濃度を増加させた組成物を製造して、炎症を評価した。前記表28に示した通り、炎症が無いか、又は軽症であるGCA/PPCの好ましいモル比は3.47 mol/mol以下であり、3.47 mol/mol以上のモル比では、炎症は深刻と確認された(図6f)。
局所脂肪減少のための皮下注射の際に引き起こされる浮腫と病変及び炎症に対するin vivo実験の結果をまとめると、次の通りである。DCA 1.0%と脂肪細胞減少力が同等なPPC 5.0%を、安定した組成物に製造するために、胆汁酸は、通常平均2.5%の濃度で配合されるべきであるが、胆汁酸2.5%の濃度でDCA、HDCA、UDCA、TDCA、GDCA、CDCA及びCAは、炎症による浮腫と病変が重症及び深刻な水準で確認され、また、これらの胆汁酸で製剤化したPPC 5.0%の複合組成物は、著しく痛みと浮腫が現れ、本願発明で目的とするPPC基盤の局所脂肪減少用注射剤組成物に配合される可溶化剤に適していなかった。反面、GCA+PPC製剤及びTCA+PPC製剤は、痛みと浮腫及び病変が実質的にないという発見は、PPC単独と、GCA又はTCAが単独で使用される時と比較しても予測が不可能な、驚くべき発見であった。
総合的に、本願発明のGCA+PPC複合製剤及びTCA+PPC複合製剤は、胆汁酸/PPCモル比(つまり、GCA/PPCモル比又はTCA/PPCモル比)が、0.7〜3.0の水準で構成されるのが好ましいことと確認された。0.7未満のモル比(mol/mol)で含まれる場合には、安定したミセル(micelle)の形成が難しく、製剤の安全性が低下するので、少なくとも0.7以上のモル比で構成されるのが好ましいことと確認され、より好ましくは、0.76以上であるとき、最も安定性の担保及び工程時間的な面で利点を有する。3.04を超えるモル比で含まれる場合には、それぞれ、炎症、浮腫、及び皮膚病変などの副作用がかなりの水準で示され、脂肪細胞の細胞死(apoptosis)と分解(lipoysis)作用に対する肯定的な効果を付与するよりは、細胞壊死(necrosis)を伴う可能性が高くなる。3.0以下のモル比では、このような副作用及び痛みが著しく減少しており、特に前記の範囲内で2.60以下のモル比で含まれる場合には、一層実質的に前記副作用及び痛みが無い水準に軽減された。また、最も好ましくは、前記のモル比として1.73以下の範囲が設定される場合には、炎症、浮腫及び病変の全てが完全に無い、極めて優れた脂肪減少組成物が製造されることを確認した。ここで、痛みに対する確認結果は、以下の実験例で改めて後述する。
また、PPCの絶対含量としては、好ましくは12.5%(w/v)以下で含まれるものでもあり、より好ましくは、全体の組成物中に10.0%(w/v)以下で含まれることが痛みと浮腫及び副作用の面でさらに有利であることを確認した。
<実験例2>
細胞減少効果の比較
<2−1>脂肪細胞(3T3-L1の減少効果比較)
PPC単独組成物と胆汁酸で可溶化したPPC組成物に対する脂肪細胞の減少活性を比較するために実験を行った。脂肪細胞の減少活性を観察するために分化された3T3L-1の脂肪細胞株を使用し、細胞の生存度はMTT分析で観察した。以下の結果は、各実験物質に対する脂肪細胞の生存度を比較したもので、特にin vivo研究の結果から選ばれた可溶化剤TUDCA、GCA、TCAとPPCとの配合組成物は、下記in vitroの結果から予想しなかった配合割合で脂肪細胞生存度効果に影響を与えることを確認し、下記のデータはこのような予期しなかった発見を立証する。下記実験で採用された物質及び方法を以下に述べる。以下で組成物の%は、%(w/v)を意味する。
具体的な実験方法は、以下の通りである。分化された3T3-L1脂肪細胞を、細胞密度(confluence)85〜92%で培養した。前記細胞に、1ml中で単独組成物としてPPC単独組成物(PPC 0.3125%、0.625%、1.25%、2.5%、5.0%、7.5%、10.0%、15.0%)、DCA単独組成物(DCA 1.0%、1.1%、2.2%)、GCA単独組成物(GCA 1.25%、2.5%、5.0%)、複合組成物としてGCAで可溶化したPPC複合組成物(PPC 0.3125%+GCA 0.1563%、PPC 0.625%+GCA 0.3125%、PPC 1.25%+GCA 0.625%、PPC 2.5%+GCA 1.25%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 7.5%+GCA3.75%、PPC 10.0%+GCA 5.0%、PPC 15.0%+GCA 7.5%、PPC 5.0%+GCA、3.75%、PPC 5.0%+GCA 5.0%、PPC 5.0%+GCA 6.25%、PPC 5.0%+GCA 7.5%、PPC 5.0%+GCA 8.75%)、TCAで可溶化したPPC複合組成物(PPC 0.3125%+TCA 0.1563%、PPC 0.625%+TCA 0.3125%、PPC 1.25%+TCA 0.625%、PPC 2.5%+TCA 1.25%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、PPC 7.5%+TCA3.75%、PPC 10.0%+TCA 5.0%、PPC 15.0%+TCA 7.5%)、TUDCAで可溶化したPPC複合組成物(PPC 0.3125%+TUDCA 0.25%、PPC 0.625%+TUDCA 0.5%、PPC 1.25%+TUDCA 1.0%、PPC 2.5%+TUDCA 2.0%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 7.5%+TUDCA 6.0%、PPC 10.0%+TUDCA 8.0%、PPC 15.0%+TUDCA 12.0%)、DCAで可溶化したPPC複合組成物(PPC 2.5%+DCA 1.1%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 10.0%+DCA 4.4%)、その他の胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物(PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%)を処理して、37℃で0〜96時間培養した。前記細胞をPBSで2回洗浄し、MTT試薬(MTT reagent)(50μl)で処理後、37℃で2時間放置した。上澄み液を除去した後、DMSOを処理してMTTホルマザン結晶(MTT formazan crystal)を溶かした後、マイクロプレートリーダー(microplate reader)を利用して、540nmで吸光度を測定した。
その結果、図7a〜図7dに示した通り、PPC単独組成物とPPC+GCA複合組成物は、時間と濃度依存的に、類似した脂肪細胞の減少活性を示した。さらに、PPC+TCA組成物は、同じ濃度で、PPC単独及びPPC+GCA組成物より低い脂肪細胞の減少効果を示した。しかし、PPC+TUDCA組成物の処理は、脂肪細胞の生存度を減少させなかった(図7a〜図7d)。
また、図7eに示した通り、PPC 5.0%単独組成物、PPC 5.0%+GCA 2.5%及びPPC 15.0%+TCA 7.5%は、96時間経過時点でDCA 1.0%単独製剤と類似した脂肪細胞減少効果活性を示した。つまり、外貌の改善用細胞溶解剤としてFDAの承認を得たカイベラ(DCA 1.0%)と脂肪細胞減少能力が同等な製剤は、PPC 5.0%単独製剤とPPC 5.0%+GCA 2.5%以上の製剤であり、これらの実験群から脂肪細胞の減少効果の差は、統計的有意性はなかった(図7e)。
PPC単独製剤は、時間と濃度依存的に脂肪細胞を減少させ、PPC+GCAは、同じ濃度(PPC濃度が同じ実験群を意味)で類似した効果があった。これと比較して、PPC+TCAは、同じ濃度においてより低い細胞減少効果を示し、これはTCAがむしろPPCの脂肪細胞減少の効果を抑制することを示唆するものである。これらの理由により、従来の市販製品と類似した程度の脂肪細胞減少効果を収めるためには、“PPC+TCA”製剤の場合、極めて高容量で処理されることを意味する。すなわち、図7eに示した通り、カイベラ(DCA 1.0%)などの従来の製剤と類似した脂肪減少効果を得るためには、PPC+TCA製剤は、PPC 15.0%+TCA 7.5%水準で投入されることが必要であるが、TCA 7.5%で可溶化したPPC 15.0%組成物は、20cP以上の高い粘度により、30G注射針で多数回投与が困難な問題点がある。まとめれば、副作用の面で、“PPC+TCA”製剤が一部の利点があるものと思われるが、実質的に産業的な経済面において大容量が投与による他の付随的懸念を考慮したとき、“PPC+TCA”製剤より“PPC+GCA”製剤がさらに優れたものであることを示唆する。
また、TUDCAで可溶化したPPCは高濃度においても、脂肪細胞減少効果がないことが観察され、これは極めて高い容量(PPC 15%+TUDCA 12%)処理群でも同様であった。これにより、TUDCAは、むしろ脂肪細胞死と分解を抑制するものと観察された。これに関連してTUDCAの細胞死抑制に対する研究結果は、従来発表されていた(Andrew L.Rivard, Administration of Tauroursodeoxycholic acid reduces apoptosis following myocardial infarction in rat, The American Journal of Chinese Medicine, Vol. 35, No. 2, 279−295, 2007)、このような結果は、PPCは可溶化剤の選択により、脂肪細胞の減少効果が異なり、細胞の壊死と細胞死に相異する作用をすることを示唆する。
前記の研究結果から、好ましく選ばれたGCAで可溶化したPPC複合組成物(PPC+GCA)と従来の市販製品であるDCAで可溶化したPPC複合組成物(PPC+DCA)に対して、PPC単独組成そのものの脂肪細胞減少力の他に、可溶化剤に選ばれたGCAとDCAの脂肪細胞減少活性に及ぼす影響を観察した。実験結果を図7f〜図7hに示した。96時間経過時点で、PPC単独製剤とPPC+GCAは、同じ濃度(PPC濃度が同じ実験群を意味)において、脂肪細胞の減少効果は同等な水準であったが、GCA単独は、PPC+GCAよりさらに低い細胞減少効果を示した。
PPC+DCAは、PPC単独と比較して、同じ濃度で脂肪細胞減少効果がより高く、DCA単独よりも高い脂肪細胞の減少効果を示したが(図7f〜図7h)、後述する実験例2-3に示した通り、これらの効果は、細胞壊死によるものと確認した(図10a及び図10b参照)。また、前記の実験例において(つまり、in vivo皮下注射後浮腫と病変及び炎症実験で)、DCAと類似した毒性があるものと確認された他の胆汁酸であるHDCA、UDCA、CDCA、TDCA、GDCAとCAも同様に、PPC固有の独自の作用メカニズムである脂肪細胞死や分解ではなく、細胞壊死を誘導する方法で脂肪細胞減少効果がやや高く現れる(図8d)。従って、これらの胆汁酸の種類は、脂肪減少効果が多少高いように見えても、痛みと浮腫及び副作用を引き起こすため、適切な可溶化剤ではない。
PPCを安定的に注射が可能な透明な混合ミセル(mixed micelles)に製造するためのGCA最小投入モル比は、GCA/PPC=0.76 mol/molで12時間以上撹拌が要求され、生産のための作業時間は2日かかる。これらの理由で、GCA投入量を増加させると、製造時間を短縮することができる。しかし、添加剤の過量投入は、安全性とともに、PPC固有の脂肪細胞死滅と分解薬理活性に否定的変形を生じさせることがあるので、PPC濃度(5.0%)を固定してGCA濃度(2.5〜8.75%)を増加させて脂肪細胞の減少に及ぼす影響を観察した。
その結果図7iに示した通り、PPC 5.0%単独組成物とPPC+GCA複合組成物の脂肪細胞減少能を比較したとき、GCA/PPCモル比が2.60mol/mol(PPC 5.0%+GCA 7.50%)以下の範囲では、各実験群間に脂肪細胞生存度の差は、統計的有意性がなく、GCA/PPCモル比が3.04mol/mol(PPC 5.0%+GCA 8.75%)の時からは、実験群間に脂肪細胞生存度の差に統計的有意性があるものと確認された。つまり、GCA/PPCモル比が3.04 mol/mol(PPC 5.0%+GCA 8.75%)以上の時からは本来のPPC固有の肯定的性能に副作用を付加する可能性が高くなる。
<2−2>胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物に対する脂肪細胞、線維芽細胞、骨格筋細胞、血管内皮細胞生存度の比較、本願発明の脂肪細胞選択特異性を確認
従来の報告によると、DCA又はDCAで可溶化したPPC組成物は、脂肪細胞だけでなく、線維芽細胞、骨格筋細胞、血管内皮細胞まで溶解させて、臨床的に深刻な副作用が報告されて、このような点で本発明のPPC+GCA複合組成物の影響を比較評価した。
具体的な実験方法は、実験物質として、単独組成物としてPPC 5.0%単独組成物と、複合組成物として胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物(PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%)を、それぞれの3T3L1脂肪細胞(adipocytes)、正常な線維芽細胞(Normal fibroblasts)、骨格筋細胞(Skeletal muscle cells)、及び内皮細胞(Endothelial cells)に処理し、72時間後の生存度をMTT分析法で測定して、その結果を未処理の対照群対比生存細胞の総百分率で計算した。
3T3-L1脂肪細胞株(ATCC)は、10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum)、100 units/mLペニシリン(penicillin)、さらに、100 μg/mLストレプトマイシン(streptomycin)が含まれたダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco`s modified eagle medium(DMEM))(Invitrogen)に、5%CO2、37℃の条件で培養された。脂肪細胞分化は、2日又は4日間細胞密度が100%になるまで育てて、1μg/mLインスリン(insulin)、500μMメチルイソブチルキサンチン(methyl-isobutyl-xantihine)になるまで2〜3日に1回ずつ培養培地を換えながら維持する(脂肪細胞分化前及び分化後の細胞は、図9a及び図9b参照)。もし7日以上かかる場合、一般的なDMEM培養培地で、本実験を開始するまで保存する。実験物質を処理して72時間インキュベーション後、PBSに1mg/mLでMTT溶液を希釈した後、各培養培地を除去したウェル(well)に50μLのMTT(Sigma)溶液を処理して、37℃及び5%CO2の条件で、3時間後、MTT溶液を除去する。200μL DMSOを処理して溶かした後、MTTアッセイ(MTT assay)を実施した(570nmで測定)。
線維芽細胞(CCD-986sk;human fibroblast、Passage No.2基準)は、細胞密度85%まで培養した後、培養培地(IMDM、10%FBS、1% antibiotics mix)を除去する。そして実験物質を新しい培養培地に混合及び処理した後、所定の処理時間に合わせて培養培地を除去し、MTTアッセイ(MTT assay)を実施した(570 nmで測定)。
筋肉細胞(C2C12; mouse myocyte、Passage No. 2基準)は、細胞密度80%まで培養した後、培養培地(DMEM、10% FBS、1% antibiotics mix)を除去する。そして2%のウマ血清(horse serum)が含まれたDMEMで4日間培養する。そして80%以上の細胞の細長い形状を確認し、実験物質を新しい培養培地に混合及び処理した後、所定の処理時間に合わせて培養培地を除去してMTTアッセイ(MTT assay)を実施した(570 nmで測定)。
血管内皮細胞(HUVEC; human endothelium、Passage No. 3基準)は、1%ゼラチン(gelatin)を培養皿に塗布した後、常温で1日放置する。さらに、塗布された培養皿に細胞密度80%まで培養した後、培養培地(EGM-Plus、10% FBS、1% antibiotics mix)を除去する。そして実験物質を新しい培養培地に混合及び処理した後、所定の処理時間に合わせて培養培地を除去してMTTアッセイ(MTT assay)を実施した(570 nmで測定)(注:細胞がPassage No.6を超えた場合、廃棄する。)。
多様な細胞に対する生存度を観察した結果、図8a〜図8dに示した通り、GCA又はTCAで可溶化したPPC複合組成物は、DCA、UDCA、HDCA、CDCA、TDCA、GDCA及びCAで可溶化したPPC複合組成物とは異なり、脂肪細胞のみを選択的に減少させる驚くべき発見をした。これは、本願発明の組成物であるPPC+GCAが、実際にヒトに適用されたときは、脂肪細胞の周りの人体組織に有害な影響を与えず、脂肪細胞のみを特異的に減少できることを示唆するものである。
<2−3>カスパーゼ−3活性アッセイ(Caspase 3 activity assay)
前記MTTアッセイ(MTT assay)で表れた細胞の死が、細胞壊死(necrosis)によるのか、細胞死(apoptosis)によるのかを確認するために、実験物質に対するカスパーゼ−3活性アッセイ(Caspase 3 activity assay)を行った。カスパーゼ−3(Caspase 3)は、細胞死が発生したとき特異的に増加し、細胞死のマーカーである。AbcamのCaspase 3 Assay Kit(Colorimetric)を使用して、製造社のマニュアルに基づいて実験し、簡単な実験方法は以下の通りである:各ウェルに3T3-L1脂肪細胞を1X105個ずつ分注して、注射用水1ml中にそれぞれPPC 5.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+GCA 5.0%、DCA1.0%、及びGCA5.0%を含有する製剤及びPBS対象群を処理して、37℃で0〜48時間培養した。その後、50ulのcell lysis buffer(10mm Tris-HCl、10 mm NaH2PO4/NaHPO4、pH 7.5、130 mm NaCl、1% Triton X-100、及び10 mm sodium pyrophosphate)を処理して、4℃で10分間放置した。1分間1000X rpmで遠心分離して、上澄み液を集めた後、BCA法でタンパク質定量を実施した。各サンプルに50ulのreaction buffer(4 mM HEPES、pH 7.5、10% glycerol、2 mm dithiothreitol)及び0.5ulの4mM DEVD-p-NAを添加した後、37℃で1時間反応させた。その後、蛍光分光測定(Spectrofluorometry)で、405nmの波長で測定した。
実験の結果、図10aと10bに示した通り、PBSの場合、脂肪細胞からカスパーゼ−3(caspase-3)活性を誘発できなかった。PPC単独、PPC+GCA複合組成物は、時間依存的にカスパーゼ−3(caspase-3)活性をかなりの水準で誘発する効果を示した。しかし、PPC+DCA複合組成物は、PPC又はPPC+GCAと比較して、カスパーゼ−3(caspase-3)活性を阻害する効果を示した。興味深い発見は、DCA 1.0%は、24時間まではカスパーゼ−3(caspase-3)活性が一部現れたが、48時間以降は(caspase-3)活性が処置前の水準に戻る様相を示したことである。このような現象は、DCA単独組成物で処置した直後、24時間までは細胞死の作用が一部現れたが、以後に表われる炎症反応によって細胞が壊死する反応に転換されるためと判断される。GCAは、カスパーゼ−3(caspase-3)活性が観察されたが、時間と濃度依存的な変化はなかった。一方、GCA+PPC混合製剤は、時間及び濃度依存的にカスパーゼ−3(caspase-3)活性が高い水準で示されることを確認した。PPCをDCAと混合する場合には、むしろPPC単独組成が示すカスパーゼ−3(caspase-3)の活性程度が著しく低減された。これらの結果は、PPC単独製剤が示す細胞死(apoptosis)特異的効果がDCAによって阻害されるもので、DCAが添加される場合のPPC製剤は、炎症などが関与する脂肪細胞の壊死をより多く進めることを意味する。
<2−4>脂肪分解アッセイ(Lipolysis assay)
前記MTTアッセイ(MTT assay)で表れた細胞の死が、細胞壊死(necrosis)によるものであるか、又は分解(lipolysis)によるものであるかを確認するために、試験物質に対するグリセロール活性アッセイ(Glycerol activity assay)を行った。グリセロール(Glycerol)は、脂肪が分解される時、特異的に増加するマーカーである。AbcamのLipolysis Assay Kit(Colorimetric)を使用して、製造社のマニュアルに基づいて実験し、簡略に実験方法は以下の通りである:各ウェルに3T3-L1脂肪細胞を1X105個ずつ分注して、注射用水1ml中にそれぞれPPC 5.0%、PPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+GCA 5.0%、DCA 1.0%、GCA 1.0%、及びGCA 5.0%を含有する製剤及びPBS対照群を処理して、37℃で0〜48時間培養して脂肪分解(Lipolysis)を誘導した。前記培養液30ulにLipolysis Assay Buffer(137 mM NaCl、5 mM KCl、4.2 mM NaHCO3、1.3mM CaCl2、0.5 mM KH2PO4、0.5mM MgCl2、0.5 mM MgSO4、5mM Glucose、20mM Hepes (pH 7.4)、1% BSA、1μM Isoproterenol)を添加して、合計50μlに合わせて20分間インキュベーションした。これにGlycerol Assay complex(50ul)を混合した後、常温で30分間放置し、OD570で吸光度を測定した(絶対測定にstandard curveを使用)。
実験の結果、図10cと10dに示した通り、PBSの場合、脂肪細胞からグリセロール(glycerol)の分泌を誘導できなかった。24時間経過した時点で、DCA 1.0%とPPC 5.0%+GCA 5.0%を除いた実験物質は、類似したグリセロール(glycerol)分泌を誘導した。48時間経過時点で、PPC単独、PPC+DCA、DCA単独及びGCA単独群は、24時間に比べてわずかに高い細胞分解効果を示した。特に、PPC+GCA群は、PPC単独組成物よりもはるかに高い細胞死効果が確認された。
<実験例3>
高脂肪食餌で誘導されたマウスの肥満モデルに対する注射剤効果及び副作用評価
雄のC57BL/6マウス(4週齢)を購入した。12週間、高脂肪食餌(Research diet、60%kcal lipid)を供給して、高度肥満状態にした。高脂肪食餌で誘導された肥満マウス鼠径部脂肪パッド(皮下脂肪組織)に、実験薬剤1ml中に単独組成物としてPPC単独組成物(2.5%、5.0%、10.0%、15.0%)、PBS(陰性対照群)及びイスプレル(Isuprel)(陽性対照群)、DCA 1.0%、GCA 2.5%、並びに、複合組成物としてPPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+TCA 2.2%、PPC(2.5〜10.0%)+GCA(1.25〜5.0%)を、脂肪組織に直接注射して、in vivoの脂肪減少程度を観察した。各実験物質を1回投与した。各実験物質は、0.2mLずつマウスの鼠径部脂肪パッド内に注射する方法で行われた。最終的に、注射後8日経過時点でマウスを屠殺した。屠殺されたマウスの鼠径部脂肪パッドを切開して、速やかに皮下脂肪を摘出し、4%ホルムアルデヒド(formaldehyde)溶液に浸して固定した。固定後、水洗と脱水過程を経た後、パラフィン(paraffin)溶液で処理してパラフィンブロック(paraffin block)を作成し、4μmの厚さに薄切して、ヘマトキシリン(hematoxylin)とエオシン(eosin)で染色した後、光学顕微鏡で観察した。
まず、PPC単独組成物が注入された組織について、2.5%〜10.0%の濃度で濃度依存的に脂肪細胞死と分解が引き起こされた脂肪組織内の細胞は、サイズが小さくなり一部縮小された脂肪細胞が互いに付着していて、細胞が死んだ部分が明らかで、崩壊した脂肪細胞の融合によりなされる脂肪細胞が大きく見えた。15.0%の濃度では、縮小された脂肪細胞だけでなく、脂肪細胞の周囲に大食細胞の発生が確認された(図11a)。
次に、胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物について、DCA、CDCA、HDCA、UDCA、GDCA、TDCA及びCAで可溶化したPPC複合組成物が注射された脂肪組織は、脂肪細胞死が明らかに現れて、小さい脂肪細胞が見られ、脂肪細胞の周囲に大食細胞などの清掃作用が明確であった。陰性対照群イスプレル(Isuprel)が注射された脂肪組織は、脂肪細胞の大きさが小さくなって、細胞死による形態が見られ、死細胞を清掃するために脂肪細胞以外の細胞侵入が観察された。DCA単独組成物又はDCAで可溶化したPPC組成物が注射された脂肪組織は、前記組成物の投与領域に激しい炎症が誘発され、細胞が壊死(necrosis)によって溶解された様子を見せながら、著しい破壊が誘導された。DCA単独組成物は、DCAが1%の低濃度で含まれたにもかかわらず、激しい炎症の程度を示し、PPC単独組成物及びPPC+GCA複合組成物に比べて炎症誘発作用が大きかった。相対的に、PBS(陰性対照群)と5.0%+TUDCA 4.0%が注射された脂肪組織は、脂肪細胞の細胞膜の境界がはっきりして、細胞の形が整っており、組織内で脂肪細胞のみで構成されていた。PPC 5.0%+TCA 2.5%は、全体的に脂肪細胞の大きさが減少しており、少ない領域で死細胞の清掃のための脂肪細胞以外の細胞侵入が観察された。本発明のPPC 5.0%+GCA 2.5%は炎症が表われず、脂肪組織は、脂肪細胞の大きさが小さくなり、細胞が死んだ(死滅した)部分が明確で、崩壊した脂肪細胞の融合でなされる脂肪細胞が大きく見えた(図11b及び図11c)。
実験の結果、図11dに示した通り、本発明のPPC+GCA複合組成物をラット脂肪パッドに注射した後、脂肪組織(adipocytes)だけでなく、真皮(dermi)と表皮(epidermis)に及ぼす影響を観察した結果、PBS注射後、真皮と表皮の組織は、よく保持されており、好中球などの炎症細胞が無い。さらに、脂肪組織は、脂肪細胞の細胞膜の境界がはっきりして、細胞の形をよく備えており、組織内で脂肪細胞のみで構成されている。PPC 5.0%単独組成物注射後、真皮と表皮の組織はよく保持されていて、好中球などの炎症細胞がない。さらに、脂肪組織は、脂肪細胞の大きさが小さくなって、細胞膜の一部が崩壊する過程が見られ、崩壊した脂肪細胞の融合により、一部は脂肪細胞が大きく見えた。PPC 2.5%+GCA 1.25%の複合組成物の注射後、表皮と真皮の組織がよく保持されていて、好中球などの炎症細胞がない。さらに、脂肪組織は、脂肪細胞の大きさが小さくなって細胞膜の一部が崩壊していく過程が見られ、崩壊脂肪細胞の融合で、一部は脂肪細胞が大きく見えた。PPC 5.0%+GCA 2.5%の複合組成物の注射後、真皮と表皮の組織がよく保持されており、好中球などの炎症細胞がない。さらに、脂肪組織は、脂肪細胞の大きさが小さくなって、細胞が死んだ部分が明確で崩壊した脂肪細胞の融合で構成される脂肪細胞が大きく見えた。PPC 10.0%+GCA 5.0%の複合組成物の注射後、真皮と表皮の組織損傷が弱く見え、炎症細胞が一部見えて少し浮腫も観察された。さらに、脂肪組織は、脂肪細胞の大きさが小さくなって、細胞が死んだ部分に大食細胞の貪食作用がみられ、細胞死による核散在物がはっきりしていて、崩壊した脂肪細胞の融合により、一部は脂肪細胞が大きく見えた。GCA 2.5%単独注射後、真皮と表皮の組織の損傷が観察され、好中球などの炎症細胞が散在して炎症が明確である。さらに、脂肪組織の脂肪細胞の細胞膜の境界が不明で、さらに、細胞の形が整っており、組織内で脂肪細胞のみで構成されている。前記の結果から、GCA及びPPC複合製剤よりも、GCAを単独処理したときの脂肪細胞、真皮、表皮に炎症作用が顕著に現れる特異的様相を確認した。
まとめれば、DCA単独又はDCA、HDCA、UDCA、CDCA、TDCA、GDCA及びCAで可溶化されたPPC複合組成物が注射された脂肪組織は、投与領域に激しい炎症を誘発され、細胞が壊死(necrosis)によって溶解された様子を見せながら著しい破壊が誘導された。しかし、本発明のPPC+GCA複合組成物は、脂肪細胞の大きさが小さくなって、細胞が死んだ(死滅した)部分が明確で、崩壊した脂肪細胞の融合により、一部は脂肪細胞に変化され濃度依存的に炎症誘発程度が微弱に示されたが、脂肪細胞膜に損傷を与える形態学的特徴が示された。
<実験例4>
GCAで可溶化したPPC注射剤の毒性評価
代表的に、GCA 2.8%で可溶化したPPC 5.0%注射剤を、ビーグル犬(Dog、beagle)に単回皮下投与した時に表れる毒性反応を評価した。具体的には、入手時に全ての動物は入れ墨番号を確認し、通常の状態、体重及び体温を測定した。入手後12日間の検疫・馴化期間中、毎日1回一般症状を観察し、週1回体重を測定して、検疫・馴化期間終了時に動物の健康状態を確認した。検疫・馴化期間終了後、体重を基礎にして、対照群は雌雄各1匹、試験物質投与群は群当たり雌雄各2匹ずつ分離した。雌雄各7匹の合計14匹のビーグル犬(雄:5〜6ヵ月齢、7.05〜8.16kg/雌:5〜6ヵ月齢、5.83〜7.14kg)で、個体別投与液量は、投与当日の体重を基準に算出して、頚背部を投与前に除毛した。投与方法は、使い捨て注射器(10mL、23G)を利用して、左右の頚背部皮下に分割して単回投与した。群構成は、低用量(投与容量:PPC 90mg/kg+GCA 50.4mg/kg、投与液量: 1.8ml/kg、投与部位あたりの最大投与液量: 0.8ml/site)、中用量(投与容量:PPC 180mg/kg+GCA 100.8mg/kg、投与液量: 3.6ml/kg、投与部位あたりの最大投与液量: 1.6ml/site)、高用量(投与容量: PPC 360mg/kg+GCA 201.6mg/kg、投与液量: 7.2 ml/kg、投与部位あたりの最大投与液量: 3.2ml/site)と、対照群(生理食塩水、投与液量: 7.2ml/kg、投与部位あたりの最大投与液量: 3.2ml/site)に設定した。詳細な試験結果を下記の通りに述べる。
1)斃死の有無:実験期間中、雌雄全ての試験群と対照群から斃死動物は観察されなかった。
2)一般症状:実験期間中、雌雄全ての試験群と対照群において、どのような症状も観察されなかった。
3)体重変化:実験期間中、雌雄全ての試験群と対照群では異常変化は観察されなかった。
4)剖検:雌雄全ての試験群と対照群では異常変化は観察されなかった。
5)組織病理学的検査:雌雄高用量投与群の皮下組織から微々たる程度で軽度の肉芽症性炎症(granulomatous inflammation)の所見が観察された(図12a〜図12c参照)。このように、本願発明の注射剤は、高用量で処理した個体でのみ、一部の極めて弱い炎症所見を示したが、ヒトを初めとする動物に投与した時の適正投与濃度の設定面から見るとき、これらの程度は実質的に副作用がないものと言える。
<実験例5>
in vivo痛み比較
以下の結果は、単独組成物としてDCA、GCA及びPPC、並びに、胆汁酸で可溶化したPPC複合組成物に対する痛み誘発程度を、in vivo実験動物の移動距離(distance moved)と移動速度(velocity)を測定して評価したものである。以下で組成物の%は、%(w/v)を意味する。
具体的に、実験物質は、単独組成物としてDCA 1.0%、PPC 5.0%及びGCA 2.5%、並びに複合組成物としてPPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+TCA 2.5%、PPC 5.0%+TUDCA 4.0 %を、マウスの足部に100μlを注射した後の浮腫を観察した。浮腫が最高に発現される時点が、投与2時間経過時点であることを確認して、投薬前後の移動能は、Noldus Video Trackingシステムで、5分間の移動距離(cm)と移動速度(cm/s)を比較した。
図13a及び図13bに示した通り、PPC 5.0%単独組成物、PPC 5.0%+TUDCA 4.0%、PPC 5.0%+GCA 2.5%、PPC 5.0%+TCA 2.5%の移動距離と移動速度は、変化がないか、又は僅かに増加した反面、相対的にPPC 5.0%+DCA 2.2%、PPC 5.0%+HDCA 2.5%、PPC 5.0%+UDCA 3.0%、PPC 5.0%+TDCA 2.5%、PPC 5.0%+GDCA 2.5%、PPC 5.0%+CDCA 2.5%、PPC 5.0%+CA 2.5%を投与されたマウスの移動距離と移動速度は、20%程度が減少し、これは痛みによる活動性の減少と判断される。これは、本願発明の注射剤が、従来の市販製剤よりも痛みが大幅に低減された結果と判断される。
<実験例6>
GCAで可溶化したPPC組成物の臨床的評価
<6−1>脂肪減少有効性に対する臨床的評価
本発明の組成物中で代表的に、GCA 2.8%で可溶化したPPC 5.0%注射剤組成物を、顎下がふっくらとしたり、凸状に局所的に脂肪が沈着したりした患者を対象に投与した。具体的には、投与部位に9.6%リドカインクリームで30分以上局所麻酔した後、5ccの注射器に13mm 30Gの注射針を装着して、1.0cm間隔、6〜8mmの深さでポイント当たり0.2ccずつ、顎下脂肪層50ヶ所に、合計10mLを4週間隔で6回投与して、12週間後に標準臨床写真撮影、CT撮影、研究者が報告した改善度、対象者が報告した改善度及び対象者の満足度を評価した。
臨床写真撮影は、投与前と、最終投与後12週後に、対象者の正面、左・右斜面、左・右側面の5カットを、以下の条件で撮影した。正面撮影は、対象者の両方の耳珠点(Tragion)と眼窩宮最下部が出会う面であるフランクフォルト水平面が水平になる姿勢で、対象者は、カメラを見詰めさせた。斜面は、正面の姿勢から対象者の体を45度回転した後、鼻先と頬の縁と一直線上になるように顔を位置させた後、フランクフォルト水平面が水平になる姿勢で正面を凝視させた。側面は、正面の姿勢から対象者の体を90度回転させて鼻先と顎が一直線上になるように位置させた。このとき、反対側の眉毛が見えないようにして、体が側面に傾いたり、屈曲又は伸展されたりしないように、姿勢を真直ぐにした。対象者の肩のやや後方部分から頭の後方部分が続く線を調整して垂直になるように調整した後、フランクフォルト水平面が水平になる姿勢で正面を凝視するようにした。撮影に使用されたカメラは、ニコンDSLRカメラD5200及び60mm単焦点レンズである。
CT撮影は、投与前と最終投与12週間後に、顎下投与部位の脂肪層の厚さ及び面積を測定した。対象者は、指定された上衣とヘッドバンドを着用した後、安らかに横になった状態で、案内放送に従って唾を飲み込むことを我慢した。この時、CT撮影用枕は、NECKタイプで、対象者を額、鼻、あご、鎖骨の真ん中を通るレーザーガイド線に頭を固定する。CT撮影の映像指標は、スキャン範囲(耳の穴から鎖骨下段)、スライス(5.0mm)、FOVはskinを含む、マトリクスサイズ(Matrix size)は512x512、回転時間(Rotation time)は0.5s、ビームコリメーション(Beam colimation)は64x0.6mmで撮影し、機器は、GE Medical systemsで、映像はインフィニティ社 Xelis 1.0 6.0 BN 6 3Dを利用して分析した。
本発明の注射剤組成物の臨床的有効性は、図16a及び図16bによく現れている。図14aは、本発明のGCAで可溶化したPPC複合組成注射溶液を、1回のポイントごとに0.2cc、50ヶ所、10mlを、4週間隔で6回投与を受けた対象者の投与前と最終投与12週間後に臨床写真を示したもので、肉眼でも顎下の脂肪減少が確認された。本対象者が報告した満足度は5点のうち4点であり、投与前の写真と比較した後、評価した改善度は1.5等級と報告された。興味深いことに、本対象者は、過去DCNaで可溶化したPPC注射剤組成物(市販製品名リポビン注射剤)を投与された経験がある患者で、本発明の組成物投与時、直後、及び時間が経つにつれて痛みがないので、かなりの驚きを説明した。
また、CTを通じて局所的に沈着した脂肪の減少量に対する定量的評価の結果を図14bに示した。投与部位の顎下真ん中を通るCT像の視上面の下顎骨終点下方3cmに位置した顎下の広い首筋の皮下脂肪層(Pre-platysmalsubmental fat)の厚さは、投与前5.6mmから投与12週間後に3.9mmに30.36%減少した。
<6−2>痛み、浮腫及び副作用に対する臨床的評価
DCAで可溶化したPPC注射組成物(既存市販製品)を投与された経験がある男・女6人を対象に、本願発明のGCAで可溶化したPPC注射剤組成物投与後の痛み、浮腫及び副作用に対する臨床的評価を行った。具体的には、投与部位に9.6%リドカインクリームで30分以上局所麻酔した後、DCNa 2.4%で可溶化したPPC 5.0%注射剤であるリポビン注射剤(5ml)を、生理食塩注射液(5ml)と1:1に希釈した組成物(つまり、PPC 2.5%+DCNa 1.2%に該当)10mlを30G 13mm注射針を装着した注射器で腹部と脇腹(1.5cm間隔、10〜12mm深さ、ポイントあたり0.5ccを1回あたり50ml〜100ml)に投与を受けるか、顎下皮下脂肪層(1.0cm間隔、6〜8mm深さ、ポイントあたり0.2ccを1回あたり10ml)に投与された経験がある患者を対象に、本発明の組成物であるGCA 2.8%で可溶化したPPC 5.0%注射剤(GCA/PPCモル比0.97)10ml又はGCA 4.0%で可溶化したPPC 5.0%注射剤(GCA/PPCモル比1.39)10mlを同じ投与方法で投与した。投与後対象者にアンケート、VAS(Visual Analogue Scale)の痛み評価のための10cmの物差と青色の油性ペンを支給して、投与時、投与1、3、7、10日後の痛み、浮腫、腫脹、血腫、あざ、紅斑、無感覚症、硬化、感覚異常、結節、掻痒を評価した。痛みの評価は対象者が支給された10cm物差と油性ペンを利用して、10cmの長さの線で左の端には痛みがないことを記録して、右側の端には想像可能な最も激しい苦痛を記録するようにした。浮腫と腫脹は、支給された10cmの物差を利用して、鏡を見て注射投与部位と投与以外の部位を物差で押さえた後、0、無し、1、軽症(2mm以下)、2、中等症(2〜4mm)、3.重症(4〜6mm)、4.深刻(6〜8mm)を記録するようにした。血腫、あざ、紅斑は、添付された例示の写真と比較して、その程度を0.無し、1.軽症、2.中等症、3.重症、4.深刻と記録するようにした。無感覚症、硬化、感覚異常、結節、掻痒症は、自覚的な症状で、投与後、投与部位全体を指で押さえて見て、その程度を0.なし、1.軽症、2.中等症、3.重症、4.深刻と記録した。
図15(図15a〜図15c)及び図16に示した通り、DCNaで可溶化したPPC注射液を投与された経験がある対象者らは、投与時と投与10日が経過した時点まで、特に痛みと浮腫を訴えており、紅斑、血腫、あざのような皮膚病変と局所有害事例として硬化、結節、掻痒、灼熱感を報告した。しかし驚くべきことに、本発明のGCAで可溶化したPPC注射剤を投与された対象者は、特に痛み(図15a)と浮腫(図15b)が実質的に無い程の軽症のレベルに軽減された。特に、図15aに示した通り、本発明のPPC+GCA配合製剤が注射(injecting)時点でも痛み(苦痛)が殆ど無いことは極めて特異的なことであって、これは、比較群で使用された従来の製剤であるDCNa(DCAのナトリウム塩)で可溶化したPPC組成注射液と本発明の組成物の粒子特性(ミセル、粒子の大きさなど)が類似するだけでなく、前記の注射剤が全て人体と類似したpHで投与されることを総合的に考慮したとき、従来公知された技術から予測し難い特異な効果である。
また、図16に示した通り、注射針そのものによるあざや注射時の血管損傷による血腫を除いて、薬剤による血腫及び紅斑は無し又は軽症に軽減された。具体的に図15cに示した通り、無感覚症(Anesthesia)、広範囲の腫れ(swelling)、薬剤による血腫(hematoma)、あざ(bruising)、紅斑(erythema)、硬化(induration)、感覚異常(paresthesia)、結節(nodule)、掻痒(pruritus)、灼熱感(warmth)、嚥下障害(dysphagia)などの神経損傷の副作用がなかった。これらの研究結果は、前述した実験例を通じて、in vivo、in vitro、及び単回投与毒性試験結果から、GCAで可溶化したPPC組成物が示した脂肪細胞死(apoptosis)及び脂肪分解効果が、安全で高効用性でヒトから臨床的に再現可能であることを示唆しているものである。
以上述べた通り、薬学的に活性なホスファチジルコリンを使用して局所的に沈着された脂肪を有する対象者に痛みと浮腫と副作用がなく、非外科的に脂肪を減少させる有用な組成物及びその製造方法に関するもので、(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine);及び(ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比(mol/mol)が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み(pain)及び副作用(特に脂肪細胞の他に筋細胞、線維芽細胞及び血管内皮細胞の壊死(necrosis);浮腫(edema);投与部位の無感覚症(anesthesia);広範囲の腫れ(swelling);紅斑(erythema);硬化(induration);感覚異常(paresthesia);結節(nodule);痒症(pruritus);灼熱感(warmth);神経損傷(nerve injury);又は嚥下障害(dysphagia))が軽減された局所脂肪減少用組成物及び製剤、これを含むキット、これらの製造方法、前記組成物又は製剤を利用して、個体の痛み及び副作用が軽減され、局所脂肪沈着を非外科的に除去する方法に対するものである。
従来の局所脂肪減少用注射剤として知られているデオキシコール酸(DCA)単独剤又はホスファチジルコリン(PPC)デオキシコール酸(DCA)複合製剤等から表れる脂肪細胞壊死と線維芽細胞、内皮細胞及び骨格筋細胞溶解による痛み及び無感覚症、広範囲な腫れ、局所的浮腫、紅斑、硬化、感覚異常、結節、掻痒、灼熱感、嚥下障害などの副作用が発生すると報告されている。しかし、本発明で提供される局所脂肪分解用注射剤組成物は、脂肪細胞のみを選択的に分解(lipolyis)と細胞死(apoptosis)を誘導して、局所脂肪を減少させることで脂肪細胞の除去効果が顕著なだけでなく、前記従来の細胞溶解注射剤組成物で表れる痛み及び副作用が著しく軽減され、対象者の低い服薬順応度を画期的に高めただけでなく、最終的には局所脂肪減少を希望する対象者の生活の質を向上させて産業上の利用可能性が高い。

Claims (42)

  1. (i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
    (ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、
    前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、痛み及び副作用が軽減された局所脂肪減少用組成物。
  2. 前記副作用が、脂肪細胞の他に筋細胞、線維芽細胞及び血管内皮細胞の壊死;浮腫;投与部位の無感覚症;広範囲の腫れ;紅斑;硬化;感覚異常;結節;掻痒;灼熱感;神経損傷;及び嚥下障害からなる群から選択される1以上であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 前記(ii)/(i)のモル比が、0.7〜2.6であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  4. 前記ホスファチジルコリンが、前記組成物全体を基準に0.625〜15%(w/v)の濃度で含まれることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  5. 前記ホスファチジルコリンが、前記組成物全体を基準に1.25〜12.5%(w/v)の濃度で含まれることを特徴とする請求項4記載の組成物。
  6. 前記塩が、ナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  7. 前記組成物が、
    保存剤;
    等張化剤;及び
    pH調節剤からなる群から選択される1以上をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  8. 前記組成物が、対象から局所脂肪沈着を非外科的に除去するための組成物であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  9. 前記組成物が、注射剤組成物であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  10. 前記組成物が、脂肪細胞に特異的に細胞死(apoptosis)及び分解(lipolysis)を引き起こすことを特徴とする請求項1記載の局所脂肪減少用組成物。
  11. 対象から痛み及び副作用が軽減されて、局所脂肪沈着(localized fat deposit)を除去するための製剤であって、前記製剤が、
    (i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
    (ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、
    前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0であることを特徴とする、製剤。
  12. 前記製剤が、対象から局所脂肪沈着を非外科的に除去することを特徴とする請求項11記載の製剤。
  13. 前記ホスファチジルコリンが、前記組成物全体を基準に0.625〜15%(w/v)の濃度で含まれることを特徴とする請求項11記載の製剤。
  14. 前記製剤が、pH6.8〜pH7.8であることを特徴とする請求項11記載の製剤。
  15. 前記製剤が、
    保存剤;
    等張化剤;及び
    pH調整剤からなる群から選択される1以上を追加して含むことを特徴とする請求項11記載の製剤。
  16. 前記製剤が、注射可能な製剤であることを特徴とする請求項11記載の製剤。
  17. (I)(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
    (ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記(i)及び(ii)は、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0である、対象から痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を含む第1コンテナー;及び
    (II)前記組成物を脂肪部位に伝達できる伝達装置を含むことを特徴とするキット。
  18. 前記組成物又は製剤が、対象から局所脂肪沈着を非外科的に除去するためのものであることを特徴とする請求項17記載のキット。
  19. 前記組成物又は製剤が、注射可能な製剤で提供されることを特徴とする請求項17記載のキット。
  20. 前記伝達装置に、注射可能な製剤の前記組成物又は注射可能な製剤が予め積載されていることを特徴とする請求項17記載のキット。
  21. 前記組成物又は製剤が、
    組成物全体を基準にホスファチジルコリンを0.625〜15%(w/v)の濃度で含むことを特徴とする請求項17記載のキット。
  22. 前記組成物又は製剤が、
    保存剤;
    等張化剤;及び
    pH調節剤からなる群から選択される1以上を追加して含むことを特徴とする請求項17記載のキット。
  23. 前記キットが、対象から痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を除去するための、前記組成物又は製剤を使用するための説明書を含むことを特徴とする請求項17記載のキット。
  24. (I)(i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline); 及び
    (ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上は、ホスファチジルコリンの質量以下で含まれる、対象から痛み及び副作用が軽減されて局所脂肪沈着を除去するための組成物又は製剤を含む第1コンテナー;及び
    (II)前記組成物を脂肪沈着部位に伝達できる伝達装置を含むことを特徴とするキット。
  25. (a)注射用水にグリココール酸(Glycocholic acid)、タウロコール酸(Glycocholic acid)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を入れて透明に溶解するまで撹拌する段階;
    (b)保存剤を入れて撹拌する段階;
    (c)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline)を投入して常温で撹拌する段階;及び
    (d)水で総体積を合わせて撹拌する段階を含み、
    前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上/ホスファチジルコリンのモル比が、0.7〜3.0で投入されることを特徴とする、痛み及び副作用が軽減されたことを特徴とする局所脂肪減少用注射剤組成物の製造方法。
  26. 前記ホスファチジルコリンが、前記組成物全体を基準に0.625〜15%(w/v)の濃度で含まれることを特徴とする請求項25記載の製造方法。
  27. 前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩から選択される以上/ホスファチジルコリンのモル比が、0.7〜2.6で投入されることを特徴とする請求項25記載の製造方法。
  28. 前記保存剤が、ベンジルアルコールであることを特徴とする請求項25記載の製造方法。
  29. 前記(b)段階が、等張化剤を投入することをさらに含むことを特徴とする請求項25記載の製造方法。
  30. 前記組成物が、脂肪細胞に特異的に細胞死(apoptosis)及び分解(lipolysis)を引き起こすことを特徴とする請求項25記載の製造方法。
  31. 痛み及び副作用が軽減され、局所脂肪沈着を非外科的に除去するための医薬組成物を製造する方法において、前記組成物が、
    ホスファチジルコリン、及び
    グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含み、
    前記グリココール酸、タウロコール酸及びこれらの塩からなる群から選択される1以上が、ホスファチジルコリンの質量以下で投入されることを特徴とする製造方法。
  32. 前記ホスファチジルコリンが、前記組成物全体を基準に0.625〜15%(w/v)の濃度で含まれることを特徴とする請求項31記載の製造方法。
  33. 前記組成物が、
    保存剤;
    等張化剤;及び
    pH調節剤からなる群から選択される1以上を追加で含むことを特徴とする請求項31記載の製造方法。
  34. ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
    グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上である、ホスファチジルコリンの可溶化剤を、局所脂肪沈着を有する個体に有効量で投与する段階を含むことを特徴とする、個体の痛み及び副作用が軽減された局所脂肪沈着を除去するための方法。
  35. 前記ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline)及びホスファチジルコリンの可溶化剤が、モル比(可溶化剤/ホスファチジルコリン)0.7〜3.0で投与されることを特徴とする請求項34記載の方法。
  36. 前記局所脂肪沈着の除去が、非外科的除去であることを特徴とする請求項34記載の方法。
  37. 前記副作用が、浮腫;脂肪細胞の他に筋細胞、線維芽細胞及び血管内皮細胞の壊死;投与部位の無感覚症;広範囲の腫れ;紅斑;硬化;感覚異常;結節;掻痒;灼熱感;神経損傷;及び嚥下障害からなる群から選択される1以上であることを特徴とする請求項34記載の方法。
  38. 前記投与段階が、皮下注射を含むことを特徴とする請求項34記載の方法。
  39. (i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
    (ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含む製剤を、局所脂肪沈着を有する個体に投与する段階を含み、個体の痛み及び副作用が軽減され、局所脂肪沈着を非外科的に除去することを特徴とする方法。
  40. 前記製剤が、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0で存在することを特徴とする請求項39記載の方法。
  41. 前記製剤が、注射剤組成物であることを特徴とする請求項39記載の方法。
  42. (i)ホスファチジルコリン(Phosphatidyl choline);及び
    (ii)グリココール酸(Glycocholic acid、GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid、TCA)及びこれらの塩からなる群から選択される1以上を含む製剤を、局所脂肪沈着を有する個体に投与する段階を含み、前記製剤を、(ii)/(i)のモル比が0.7〜3.0で存在するように投与して、個体の痛み及び副作用が軽減されるようにすることを特徴とする局所脂肪沈着の非外科的外科的除去方法。

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