JP2020516920A - 多層インテリジェントガラス表示システムおよび表示システム - Google Patents

Abstract

多層インテリジェント表示システムは、第１のＬＣＤ表示パネルと、第２のＯＬＥＤ表示パネルと、第２の表示パネルの後ろに配置されているスマートパネルと、第２の表示パネルとスマートパネルとの間に配置されているＬＥＤパネルと、スマートパネルの背後の周囲光を検出し、周囲光が所定の照度未満である場合にＬＥＤパネルを起動するセンサと、自身に格納されているプログラミング命令を有するメモリと、第１および第２の表示パネル、スマートパネル、およびメモリと通信する制御装置と、を含む。この多層インテリジェントガラス表示システムは、表示モード、多層表示モード、および透明モードのそれぞれにおいて動作可能である。【選択図】 図３

Description

本開示は、一般的には、電子表示装置の分野に関する。より具体的には、本開示は、スマートガラス（smart glass）技術に加えて、ディスプレイ技術（ＬＥＤ ＬＣＤディスプレイ技術、ＯＬＥＤディスプレイ技術、および／または別のディスプレイ技術など）を採用する多層電子表示装置に関する。

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以下では、本発明のいくつかの態様を基本的に理解できるようにする目的で、本発明の簡略的な要約を提示する。この要約は、本発明の広範にわたる概要ではない。この要約は、本発明の重要な要素を識別する、あるいは本発明の範囲を限定するようには意図されていない。その唯一の目的は、本明細書に提示されているさらに詳細な説明の導入部としての簡略的な形で、本発明のいくつかのコンセプトを提示することである。

本発明の一実施形態においては、多層インテリジェントガラス表示システムは、表示パネルと、表示パネルの後ろに配置されているスマートガラスパネルと、自身に格納されているプログラミング命令を有するメモリと、表示パネル、スマートガラスパネル、およびメモリと通信する制御装置と、を含む。この多層インテリジェントガラス表示システムは、表示モード、多層表示モード、および透明モードのそれぞれにおいて動作可能である。

別の実施形態においては、多層インテリジェント表示システムは、表示装置を備えている第１の層と、第１の層の後ろに配置されているスマート層を備えている第２の層であって、スマート層が選択的に不透明である、第２の層と、自身に格納されているプログラミング命令を有するメモリと、第１の層、第２の層、およびメモリと通信する制御装置と、を含む。この多層インテリジェント表示システムは、表示モード、多層表示モード、および透明モードのそれぞれにおいて動作可能である。

さらに別の実施形態においては、多層インテリジェント表示システムは、第１のＬＣＤ表示パネルと、第２のＯＬＥＤ表示パネルと、第２の表示パネルの後ろに配置されているスマートパネルと、第２の表示パネルとスマートパネルとの間に配置されているＬＥＤパネルと、スマートパネルの背後の周囲光を検出し、周囲光が所定の照度未満である場合にＬＥＤパネルを起動するセンサと、自身に格納されているプログラミング命令を有するメモリと、第１および第２の表示パネル、スマートパネル、およびメモリと通信する制御装置と、を含む。この多層インテリジェント表示システムは、表示モード、多層表示モード、および透明モードのそれぞれにおいて動作可能である。

以下では、本発明の実例としての実施形態を、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。

従来技術のスマートガラスパネルの機能を説明する概略図である。 従来技術のスマートガラスパネルの機能を説明する概略図である。 従来技術のＬＥＤ ＬＣＤ表示装置を説明する概略図である。 例示的な実施形態に係るインテリジェントガラス表示装置を説明する概略図である。 航空機の従来技術の窓および窓シェードの正面図である。 例示的な実施形態に係るインテリジェントガラスの窓シェードシステムを説明する、航空機の窓の側面図である。 図５のインテリジェントガラスの窓シェードシステムを説明する概略図である。 例示的な実施形態に係る、インテリジェントガラスの窓シェード表示装置を説明する概略図である。

スマートガラスは、この技術分野において公知である。ＬＣＤ表示装置も、何十年にわたり公知である。本開示は、一般的には、多層複合表示装置であって、一実施形態においては、スマートガラスとＬＣＤ表示装置の両方、および／または他のディスプレイ技術を利用する、多層複合表示装置、に関する。ディスプレイ技術は、例えば、透過型表示装置、反射型表示装置、シングルビーム型表示装置（single-beam display）、マルチビーム型表示装置（multi-beam display）、ホログラフィックディスプレイ、および／または、粒子共鳴モード粒子ディスプレイ（例：カーボンナノチューブ［ＣＮＴ］振動ＲＧＢ／Ａ発光共鳴（vibrational RGB/A emission resonance）などの３Ｄナノ粒子）の複合型の実施形態の組合せを採用することができる。

スマートガラス（この業界ではプライバシガラス、切り替え可能ガラス、インテリジェントガラス、電気ガラスなどとも称する）は、刺激の印加時に色合いまたは濃淡を変化させることができる。スマートガラスは、多くの異なる種類の技術を使用して作製することができるが、現在のところ懸濁粒子デバイスが最も普及しているタイプのスマートガラスである。しかしながら本開示は、現在公知であるかまたは今後開発されるかにかかわらず任意の技術を使用して製造されるスマートガラスを包含する。本明細書に詳しく説明されているように、スマートガラスの粒子を電気的に励起して、選択的に透明に見えるようにすることができ、その一方で、励起電圧が取り除かれると散乱状態になる。平面の領域を、粒子の連続的な配列として通電し、単一のＡＣ電圧制御信号励起によってスマートガラスの単一パネルとして制御することができる。複数の領域またはセグメントをシームレスに絶縁して複数のセグメント配列要素（segment array element）を形成することができ、これによりバー、ブロック、または個別のセグメントのパターンが可能になる。制御信号の制御グリッドまたは制御マトリクスを、（１枚または複数の）粒子ガラスの両面における多重化された行および列として構成して、スマート粒子配列の個別化された制御を提供することができる。粒子セグメント領域それぞれに差動信号を提供する目的で、時間とともに意図的にステップ化された波形の電圧レベルによって、多重化された励起制御信号を駆動することができる。

図１Ａは、この技術分野において公知である懸濁粒子スマートガラスパネル１００を概略的に示している。パネル１００は、ガラス層１０２と、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）フィルム１０４と、分散媒中の結晶粒子（例：液晶分子）１０８を包み込んでいるポリマー層１０６とを含むことができる。図１Ａに示したように、（例えば電源１１０を介して）ポリマー層１０６に電流が流れると、液晶分子１０８が実質的に均一なパターンに整列し、これによって光１１２はそこを均一に通ることができる（これによりパネル１００を透明またはほぼ透明とすることができる）。電源１１０がオフに切り替えられる（または図１Ｂに示したように切断される）と、液晶分子１０８がランダムな向きとなり、光１１２を拡散または散乱させ、このためガラスパネル１００が不透明（またはほぼ不透明）になる。当業者には、逆も成り立つことが理解されるであろう。言い換えれば、電源１１０がオフに切り替えられると、液晶分子１０８が実質的に均一なパターンに整列し、これによって光１１２がそこを均一に通ることができる。電流がポリマー層１０６を通るように電源１１０がオンに切り替えられると、液晶分子１０８がランダムな向きとなり、光１１２を拡散または散乱させる。

図２は、従来のＬＣＤ表示装置２００（薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）ＬＥＤ ＬＣＤ表示装置など）を概略的に示している。説明を目的として、表示装置２００はテレビのディスプレイとして説明するが、当業者には、表示装置２００が、オプションとして多数の別の装置（以下に限定されないが、窓、モバイル機器（例：スマートフォン、タブレットコンピュータなど）、および他の表示装置を含む）の一部を形成する独立した積層型表示装置でもよいことが理解されるであろう。

現在ではプラズマディスプレイはもはや流行っておらず、ＬＣＤディスプレイ技術、特に、本明細書に記載されているＬＥＤ ＬＣＤ表示装置（例：テレビ）が市場の主流である。従来技術のＬＣＤ表示装置２００は、裏面２０１Ｂと、表示装置２００に表示されるコンテンツを視聴者が見る前面２０１Ｆとを有する。ＬＥＤ ＬＣＤ表示装置２００は、裏面２０１Ｂから前面２０１Ｆに向かって、裏側層（例：テレビのカバーの後面）２０２、反射板２０４、ＬＥＤパネル２０６、拡散板２０８、第１の偏光板２１０、薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）ガラスパネル２１２、液晶２１４、カラーフィルタガラスパネル２１６、および第２の偏光板２１８、を含む。公知であるように、第１の偏光板２１０および第２の偏光板２１８は、互いに９０゜の向きにすることができる（例えば、第１の偏光板２１０が水平偏光板であり、第２の偏光板２１８が垂直偏光板である）。ＬＥＤパネル２０６は、非偏光を生成し、表示装置２００内での非偏光の流れは、ＴＦＴガラスパネル２１２とカラーフィルタガラスパネル２１６との間の液晶２１４に印加される電圧によって主として制御される。液晶２１４に電圧が印加されていないとき、第１の偏光板２１０が、光源２０６から発せられる光を偏光する。液晶２１４は、この偏光が第２の偏光板２１８を通って視聴者に達することができるように、この偏光をねじる。しかしながら、液晶２１４の分子に電圧が印加されると、液晶２１４のねじれが戻り始める。液晶２１４の分子のこの動きによって、第１の偏光板２１０を通って第２の偏光板２１８に達する光の角度が変化する。印加される電圧に応じて、光の少なくとも一部が第２の偏光板２１８によって遮られ、ＬＣＤ表示装置２００の対応する領域が他の領域と比較して暗くなる。液晶２１４は、それ自身では光を生成しない。

ＬＣＤ表示装置２００は、カラーコンテンツを表示するために、一般に、それぞれが３個の副画素を有する多数の画素を含む。副画素それぞれは、赤色フィルタ、緑色フィルタ、および青色フィルタを含み、これらはカラーフィルタガラスパネル２１６に設けられている。副画素それぞれに液晶セルが関連付けられており、液晶セルは、光を遮る、または透過させるために、ＴＦＴガラスパネル２１２のトランジスタを介して通電される、または通電がオフにされる。人の知覚の知識（例：人の目の「錐体」および「棹体」の知識）と組み合わせて印加電圧を綿密に制御および変化させることによって、副画素がまとまって画素が特定の強度および色（赤、緑、青以外の色（例：琥珀色）を含む）に見えるように、副画素それぞれの強度が操作される。ＬＥＤパネル２０６から発せられる光のこの変調によって、ＬＣＤ表示装置２００にコンテンツが表示される。

従来技術のいくつかのＬＣＤ表示装置では、ＬＥＤパネル２０６の長さおよび高さが、表示装置２００の長さおよび高さにほぼ等しい。別のＬＣＤ表示装置（ＬＣＤ表示装置２００など）は、縁部から発光させることができる。すなわちＬＥＤパネル２０６を、図示したようにＬＣＤ表示装置２００の縁部（例：上縁部）に設けることができる。拡散板２０８は、ＬＥＤパネル２０６によって発せられた光を、その均一な照射を可能にするために拡散させる（例：散乱させる）ことができ、したがってＬＥＤパネル２０６に電力供給されると、拡散板２０８の近くで拡散板２０８の方を向いている使用者は、一般に白色の背景を見る。反射板２０４は、ＬＥＤ源２０６からの光を効率的に利用できるように、この光を反射するために使用される光学要素である。表示装置２００の拡散板２０８、ＬＥＤ光源２０６、反射板２０４、および背面カバー２０２は、当業者には、まとめてＬＣＤ表示装置２００のバックライトユニット２２０と称されることがある。第１の偏光板２１０、薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）ガラスパネル２１２、液晶２１４、カラーフィルタガラスパネル２１６、および第２の偏光板２１８は、当業者には、まとめてＬＣＤ表示装置２００のＬＣＤパネル２２２と称されることがある。ＬＣＤ表示装置２００が使用されるとき、（例えば従来の１１０／２２０Ｖコンセントを介して）表示装置２００に供給される電力の大部分は、バックライトユニット２２０によって使用される。

１つのＬＣＤ表示装置が、コントラストおよび彩色をもたらすために、液晶を通過する光を、別のＬＣＤ表示装置と比較して異なってねじることがあることが、当業者には理解されるであろう。例えば、ねじれネマティック（ＴＮ：Twisted Nematic）ＬＣＤは、一般には９０度以下のねじれを有する。高ねじれネマティック（ＨＴＮ：High Twisted Nematic）ＬＣＤは、一般的には、より大きいねじれ（通常では約１１０度）に基づいており、したがってねじれネマティック（ＴＮ）ＬＣＤと比較して、より広い視野角および改善されたコントラストを提供しうる。超ねじれネマチック（ＳＴＮ：Super Twisted Nematic）ＬＣＤは、９０度より大きく３６０度未満である（一般には１８０度〜２７０度である）ねじれを有する。したがって、ねじれは、所望の結果に基づいてさまざまな異なる角度を取りうることが理解されるであろう。したがって当業者には、ＬＣＤ表示装置２００（そのバックライトユニット２２０およびＬＣＤパネル２２２を含む）が、今日使用されているＬＣＤ表示装置のタイプの一例にすぎないことが理解されるであろう。本開示は、現在公知であるかまたは今後開発される任意のＬＣＤディスプレイ技術を包含する。

この技術分野においては、有機ＬＥＤ（ＯＬＥＤ）表示装置も公知である。ＬＥＤ ＬＣＤ表示装置とＯＬＥＤ表示装置との１つの重要な違いは、ＯＬＥＤ表示装置の画素が、ＬＣＤ表示装置の画素とは異なり、自身で発光することである。

上述したさまざまな技術（例：スマートガラス技術、ＬＣＤディスプレイ技術、ＯＬＥＤ技術など）は、急速に進歩し続けているが、これらの技術は一般的には独立した路線上で進歩している。単一の表示装置の中でこれらの技術が統合されることは、（あるにしても）極めてわずかである。例えば、ＬＣＤ表示パネルとＯＬＥＤ表示パネルの両方を含む単一の表示装置は、市場には存在しない。同様に、例えばスマートガラス技術を採用するＬＣＤ表示パネルまたはＯＬＥＤ表示パネルは存在しない。本開示は、２種類以上の個別の技術を利用する（例えば、ＯＬＥＤディスプレイ技術に加えてＬＣＤディスプレイ技術を採用する、またはスマートガラス技術に加えてＬＥＤ ＬＣＤディスプレイ技術を採用するなど）混合モードの複合表示装置を対象としている。本開示では、この表示装置を「インテリジェントガラス」表示装置と称することがある。

本明細書で使用されているとき、用語「インテリジェントガラス」は、入力を受け取り、それに応答して制御された出力を提供することのできる単一パネルまたは多層パネルを意味する。入力は、例えば、電圧、光、熱、データ、または何らかの別の接触刺激もしくは非接触刺激とすることができる。応答は、例えば、インテリジェントガラスの美的外観の変化、または別の応答とすることができる。インテリジェントガラス表示装置は、例えば、スマートガラス、有機ＬＥＤ（ＯＬＥＤ）表示装置、ＬＣＤ表示装置、シリコン上液晶（ＬＣＯＳ）表示装置、または、刺激に対する応答において制御された出力を提供することのできる任意の他の単一パネルもしくは多層パネル、のうちの１種類または複数種類を含むことができる。実施形態においては、インテリジェントガラス表示装置は、１つまたは複数のセンサが表面に配置されているかまたは中に埋め込まれている従来のガラス、を備えていることができる。前述したように、インテリジェントガラス表示装置が複数の層を備えている実施形態においては、１つの層は、別の層によって採用されている技術とは異種の技術を採用することができる（例えばインテリジェントガラス表示装置は、一実施形態においては、スマートガラスを備えた層と、ＯＬＥＤ表示装置を備えた別の層とを含むことができる）。実施形態においては、本明細書に説明されているように、インテリジェントガラス表示装置を構成する層の間に物質および／または物体（例：半導体結晶、偏光板、市販の有形品目など）を配置することができる。

次に図３を参照し、図３は、例示的な実施形態に係るインテリジェントガラス表示装置３００を示している。インテリジェントガラス表示装置３００は、裏面３０１Ｂと、表示装置３００に表示されたコンテンツを視聴者が見る前面３０１Ｆとを有する。この表示装置３００は、一実施形態においては、前面３０１Ｆから裏面３０１Ｂに向かって、第１の（または前側）層３０２、第２の層３０４、ＬＥＤパネル３０５、および第３の（または裏側）層３０６、を備えている。層３０２，３０４，３０６それぞれの透過性、および／または各層の（各層の各表面を含む）偏光は、実施形態においては、選択的（例えばプログラム可能）とすることができる。インテリジェントガラス表示装置３００は、３つの層３０２，３０４，３０６を有するものと示してあるが、これは単なる例である。１つの層が、別の層によって採用されている技術とは異なる技術を採用している（例えば、１つの層がＬＣＤディスプレイ技術を採用し、別の層が、ＯＬＥＤ、ＬＣＯＳ、スマートガラス、および／または現在公知であるかもしくは今後開発される別の技術を採用している）限りは、インテリジェント表示装置３００には任意の数の層（例：２層、５層、１０層など）を組み込むことができる。さらに図３は、層３０２，３０４，３０６を、ほぼ長方形であるものとして示しているが、これらの層３０２，３０４，３０６は、任意の規則的な形状もしくは不規則な形状をとることができ、また、平面状である必要はないことが、当業者には理解されるであろう。表示装置３００は、１つまたは複数のプロセッサまたは他のコントローラと、プログラミング命令が記憶されているメモリとを含むことができる。プログラミング命令は、本明細書に記載されているように表示装置３００を動作させる、または表示装置３００のそのような動作を少なくとも容易にする。実施形態においては、表示装置３００が電子機器（例：スマートフォン、別の表示装置など）と有線ネットワークまたは無線ネットワーク（例：Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ、Ｗｉ−Ｆｉ、セルラー、または他のネットワーク）を通じて通信することができるように、ネットワークデバイスを設けることができる。いくつかの実施形態においては、表示装置３００が従来のテレビのディスプレイおよび／またはコンピュータの機能を選択的にエミュレートすることができるように、表示装置３００を、コンテンツプロバイダ（例：Ｎｅｔｆｌｉｘ、ケーブル、衛星、Ａｍａｚｏｎ Ｐｒｉｍｅなど）および／または中央処理装置に接続することができる。

実施形態においては、ＬＥＤパネル３０５を、第３の層３０６（または別の層）の前、表示装置３００の上縁部に設けることができる。別の実施形態においては、ＬＥＤパネル３０５を、表示装置３００の側縁部または底縁部に設けることができる。複数のＬＥＤパネル３０５が設けられる実施形態も考えられる。ＬＥＤパネル３０５は、図示したように第２の層３０４の後ろに、または別の場所に（例えば第１の層３０２の後ろ、または前に）位置させることができる。実施形態においては、第１の層３０２および第２の層３０４のそれぞれが、自身に関連付けられるＬＥＤパネル３０５を有することができる。

第１の層３０２は、一実施形態においては、ＬＣＤパネルとすることができる。例えば、第１の層３０２は、図２のＬＣＤパネル２２２、または異なって構成されているＬＣＤパネルとすることができる。しかしながら、第１の層としてＬＣＤパネルを設けることは、単なる例示であることが当業者には理解されるであろう。別の実施形態においては、第１の層３０２を、ＯＬＥＤ表示パネル、または別の表示パネルとすることができる。

第１の層３０２は、その全体または一部を選択的に透明にすることができる（すなわち第１の層３０２の全体または一部を、従来の窓のように光を透過させるようにすることができる）が、堅牢な（robust）機能を有することができる。実施形態においては、第１の層３０２の１つまたは複数の部分に画像を選択的に表示することができ、第１の層３０２の別の１つまたは複数の部分が、観察者に透明に見えるようにすることができる。１つまたは複数の接触型センサまたは非接触型センサ（例：物体検出用のＣＭＯＳセンサ、近接性、存在、および／またはジェスチャを検出するための赤外線センサ、音声認識用の音響センサ、ユーザ認証用の生体認証センサ、環境モニタリング用の酸素センサおよび一酸化炭素センサ、位置を求めるためのＧＰＳセンサなど）を、現在公知であるかまたは今後開発されるかにかかわらず、第１の層３０２（および１つまたは複数の別の層）の表面に配置する、中に埋め込む、および／または近接して設けることができる。いくつかの実施形態においては、第１の層３０２を、自身に投影された画像を表示するように構成することができる。例えば、表示装置３００が、第１の層３０２にコンテンツを表示するためのプロジェクタを含むことができる、および／または、外部のプロジェクタを介して第１の層３０２にコンテンツを投影することができる。表示装置３００がカラーコンテンツを表示するように構成されている実施形態においては、第１の層３０２（および／または別の層）の少なくとも一部にカラーフィルタを含めることができる。

第１の層３０２は、タッチ操作することができる（ただし必須ではない）。例えば、使用者が表示装置３００の動作を制御することができるように、第１の層３０２にタッチスクリーンインタフェースを表示することができる。タッチインタフェースは、タッチキーボード、アイコン、および／または、使用者が表示装置３００を特定の用途向けに設定できるようにするための他の制御ボタン類、を含むことができる。実施形態においては、タッチインタフェースは、人、動物、微生物、または他のエネルギタイプから入力信号（または「衝撃」）を受け取るように構成することができる。従来のタッチスクリーンフィルムのみならず、細菌センサまたは他のバイオセンサのラボオンチップ表面センサとして動作することのできるポリマー感知コーティング（polymer sensing coating）、またはこれらの組合せ、を使用することができる。

実施形態においては、これに加えて、またはこれに代えて、第１の層３０２に表示するインタフェースを、ジェスチャ操作することができる。物理的に接触することなく計算システムと対話する、および計算システムを制御する目的で、ジェスチャ操作デバイス（この技術分野において公知である）が人体の動作を認識して解釈することが、当業者には理解されるであろう。例えば、一実施形態においては、視聴者は第１の層３０２に手を振ることで表示装置３００にコンテンツを表示させ、第１の層３０２にウインクすることで表示装置３００を透明にすることができる。ジェスチャ操作は、現在公知であるかまたは今後開発される任意の手段によってインテリジェント表示装置３００に組み込むことができるが、一実施形態においては、インテリジェント表示装置３００が表示装置３００に近接する視聴者の動作を検出することができるように、第１の層３０２または近接して配置された赤外線ジェスチャセンサを使用することができる。ジェスチャ動作は、離れた定点の基準モニタ装置から観察することができ、またはモニタ装置を使用者に物理的に固定することによって、モニタ装置が使用者の動作を追うことができる。例えば、カメラ、または他の固定されたジェスチャ観察スキャナが、使用者のジェスチャ動作に対する視角および焦点距離の一定の関連する視野を有することができるように、使用者がヘルメットまたはバイザーを着用することができる。これに加えて、（例えば多層ガラスに）情報を投影する、または別の方法で表示することができ、多層ガラスはバイザーまたはヘルメットに組み込むことができる。この情報は、ジェスチャするように使用者を動的に促すことを支援することができ、さらには、バイオフィードバックの閉ループとして機能して動作の自然な利用形態を確立することができる。

これに加えて、またはこれに代えて、インタフェースは、実施形態においては、音声ユーザインタフェース（ＶＵＩ）とすることができる。例えば、使用者がハンズフリー式に表示装置３００を動作させることを可能にするために、表示装置３００が音声認識機能を有することができる。いくつかの実施形態においては、インタフェースは、許可された使用者のみの声に応答することができる。別の実施形態においては、使用者が例えば指をパチンと鳴らす、および／または手を叩くことで、表示装置３００をオンまたはオフにする、あるいは表示装置３００を１つのモード（後述する）から別のモードに切り替えることができる。

第２の層３０４は、第１の層３０２と同様に、ＬＣＤパネルとすることができる。第２の層３０４は、第１の層３０２のように、選択的に透明とすることができる（例えば、第２の層３０４の一部に画像が表示されるのに対して第２の層３０４の別の部分が使用者には透明に見える、または第２の層３０４全体を、使用者に透明に見えるように構成することができる）。この例では第２の層３０４はＬＣＤパネルであるが、別の実施形態においては、第２の層３０４が、ＯＬＥＤパネル、別の表示パネル、スマートガラスパネルなどでもよいことが、当業者には理解されるであろう。実施形態においては、第１のパネル３０２と第２のパネル３０４との間には、（本明細書に説明されているように）有形品目をこの間に位置させることができるように、かなりの距離（例：１ｆｔ、５ｆｔ、２０ｆｔなど）を置くことができる。第２の層３０４は、実施形態においては、第１の層３０２に関して上述したようにインタフェース（例：ジェスチャ操作インタフェース、タッチ操作インタフェース、音声制御インタフェースなど）を含むことができる。１つまたは複数の接触型センサおよび／または非接触型センサを、第２の層３０４の表面に配置する、中に埋め込む、および／または、近接して設けることができる。

第３の層３０６は、一実施形態においては、スマートガラス（すなわち従来のプライバシガラス）とすることができる。すなわち第３の層３０６は、選択的に不透明（例：白色）または透明にすることができる（例えば、光が第３の層３０６の一部を選択的に通過できるようにし、第３の層３０６の別の部分が光を遮ることができる）。いくつかの実施形態においては、第３の層３０６は、そこにコンテンツを投影できるように構成することができる。本明細書に説明されているように、第３の層３０６が第１の層３０２および第２の層３０４と一緒に透明にされているときには、使用者は、従来の窓を通したときと同じように表示装置３００の向こう側を（すなわち第１の層３０２、第２の層３０４、および第３の層３０６それぞれを通して）見ることができる。いくつかの実施形態においては、第３の層３０６の後ろに第４の層を設けることもできる。第４の層は、例えばスマートガラスを備えていることができ、第３の層３０６に投影される画像が表示装置３００の背後から見えないようにするために選択的に不透明にすることができる。

いくつかの実施形態においては、第２の層３０４を省くことができ、表示装置３００は、ＬＣＤパネル（または別の表示パネル）を備えた第１の層３０２と、スマートガラスを備えた別の層とを有することができる。これらの実施形態においては、ＬＥＤパネル３０５は、第１の層３０２の後ろ、スマートガラス層の前に配置することができる。

重要な点として、一実施形態においては、例示的なインテリジェント表示装置３００は、従来の反射板および拡散板（これらは一般にはＬＥＤ ＬＣＤ表示装置で採用されている）を備えていなくてもよい。より具体的には、表示装置３００の外側の光（例えば第３の層３０６の背後の周囲光、室内の照明器具からの光など）が利用可能である場合、表示装置３００は、ＬＥＤパネル３０５の代わりに、表示装置３００で使用する目的にこの光を採用することができる。表示装置３００の外側に十分な光が存在しないことを、（例えば表示装置３００の制御装置およびセンサを介して）表示装置３００が判定する場合、表示装置３００はＬＥＤパネル３０５をオンにし、表示装置３００で使用する目的にＬＥＤパネル３０５からの光（例えば角度をつけて投影される光）を採用することができる。表示装置３００に関連付けられるＬＥＤパネル３０５以外の任意の光源によって生成される、インテリジェント表示装置３００での使用に利用可能な光を、本明細書では周囲光と称することがある。いくつかの実施形態においては、表示装置３００は、コンテンツを表示する目的に、周囲光と、ＬＥＤ光パネル３０５からの光とを同時に利用することができる。第３の層３０６は、他の層３０２および／または層３０４と同様に、自身の表面に配置されているかまたは自身に埋め込まれているセンサを有することができる。例えば第３の層３０６は、表示装置３００で使用する目的に利用可能な周囲光の量を検出するために、センサ（例：フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタ、硫化カドミウム（ＣＤＳ）セルなど）を有することができる。十分な周囲光が存在することをこれらのセンサが示す場合、表示装置３００は、表示装置３００で使用する目的に、ＬＥＤパネル３０５からの光の代わりに周囲光を採用することができる。あるいは、周囲光が不十分である（例えば、夜間、および／または、表示装置３００が暗い部屋に配置されている場合）ことをこれらのセンサが示す場合、表示装置は、コンテンツを表示するためにＬＥＤパネル３０５からの光を利用することができる。いくつかの実施形態においては、ＬＥＤパネル３０５からの光を利用し、スマートガラス層３０６の全体または一部を使用して従来の反射板と同様に光を反射することができる。

実施形態においては、表示装置３００は、（ａ）視聴者が利用するためのコンテンツ（例：映画、インタフェース、または任意の他のコンテンツ）が、層３０２、層３０４、および／または層３０６のうちの１層のみに表示される表示モード、（ｂ）視聴者が利用するためのコンテンツが、２つ以上の層に（例えば層３０２および層３０４それぞれに）表示される多層表示モード、（ｃ）層３０２、層３０４、および層３０６それぞれが視聴者に透明に見える（すなわち使用者は従来の窓を通したときと同じように表示装置３００の向こう側を見ることができる）透明モード、（ｄ）第１の層３０２および第２の層３０４が透明であるのに対して第３の層３０６が不透明であるプライバシモード（したがってプライバシモードでは表示装置３００が従来のプライバシガラスのように見える）、のそれぞれにおいて動作可能とすることができる。表示モードおよび多層表示モードそれぞれにおいては、表示装置３００の１つまたは複数の部分（例：第１の層３０２の一部、第２の層３０４の一部、および／または第３の層３０６の一部）が使用者に透明に見えるのに対して、表示装置３００の別の１つまたは複数の部分が、使用者が利用するための特定のコンテンツを表示するように、表示装置３００を構成することができる。

いくつかの実施形態においては、多層表示モードにおいて、第１の層３０２および第２の層３０４（または表示装置３００を構成する２つ以上の別の層）のそれぞれを、結合性の融合されるコンテンツ（cohesive blended content）を全体として表示するように、構成することができる。例えば、画像に３次元効果を与えるため、鳥の頭部を第１の層３０２に表示し、鳥の体を第２の層３０４に表示することができる。これらの実施形態においては、表示装置３００に対する見る人の相対的な位置を考慮することによってコンテンツを融合できるように、表示装置３００に近接する見る人の位置を（例えば第１の層３０２または近接して配置されているセンサを介して）求めることができる。見ることのできる視野（viewable perspectives）を求めることによって、「存在モード（presence mode）」のコンテンツが「深さモード（depth mode）」のコンテンツと同時に表示される表面の外観をシステムが生み出すようにすることができる。したがって、見る人が動く（例えば頭部または体全体を動かす）につれて、「深さモード」のコンテンツは動くように見える一方で、「存在モード」のコンテンツは元の位置で変化しないように見える。

表示装置３００は、実施形態においては、拡張現実表示装置とすることができる。拡張現実とは、デジタル情報と使用者の環境とがリアルタイムで統合されることであることが、当業者には理解されるであろう。拡張現実は仮想現実とは異なり、仮想現実では環境全体が仮想である。表示装置３００は、既存の環境と、既存の環境の上のオーバーレイ情報とを使用することができる。表示装置３００は、使用者の実際の環境の上にデジタル情報をオーバーレイさせることが有利である任意の環境において採用することができる。使用者と表示装置３００との間のベクトル化された関係をリアルタイムで追跡し、この関係を使用して、表示コンテンツの複数のレイヤに表示されるイメージを計算することができる。見ることのできる制御された視野（controlled perspective of viewability）を維持することによって、使用者は、拡張現実体験に入り込みながら、体験的な物理領域の中を動き回ることができる。１つの例は、スクリーンシステムが取り付けられたフットボールヘルメットであり、スクリーンシステムは、さまざまなフィールドプレイ、ボール位置インジケータ、機敏に近づいてくる選手をプレイヤーが見ることを可能にする。別の例は、スクリーン・ジェスチャシステムが取り付けられたゴルフバイザーであり、スクリーン・ジェスチャシステムは、予想されるボールの軌道を予測的に表示し、拡張現実の視覚化を使用者に表示する。ジェスチャをモニタすることで、ジェスチャ検出システムによって検出できる顔および他の部位の動作を通じてハンズフリーモードを選択できるようにすることができる。使用者がクラブを握ってスイングしている間に、ベクトル化された軌道を計算するための角度変数および力変数を提供するスマートゴルフクラブインタフェースに、追加の情報を組み入れることができる。

例えば、実施形態においては、さまざまな食料品目（例：ポテトサラダ、レタス、オリーブ、スープ、高級購入品目など）を収納しているサラダバーのスニーズガード（sneeze guard）に、表示装置３００を組み込むことができる。この実施形態（ここではサラダバーの表示装置）においては、第１の層３０２および／または第２の層３０４が、サラダバー内のさまざまな食料品目に関する情報を取得するためのセンサを含むことができる。第１の層３０２を食料品目の前、第３の層３０６を食料品目の後ろとすることができる。第２の層３０４（設けられる場合）は、食料品目の後ろ、または前とすることができる。第１の層３０２は、食料品目に関する情報を選択的に表示することができる（例えば、食料品目の成分、栄養成分、温度、細菌の含有、価格情報、鮮度、消費期限などであり、このうちの少なくともいくつかは、必要に応じて第１の層３０２の後ろに、または食料品目に、または食料品目の近くに位置している本明細書に説明されているセンサを使用して収集することができる）。したがって、（ａ）第１の層に表示される、食料品目に関する情報、および（ｂ）その情報が関連付けられる食料品目、のそれぞれを使用者が同時に見られるようにすることができる。第１の層３０２は、サラダバーの利用者が適切とみなしうる他の情報（例：時刻、サラダバーの利用者を対象とする特価品、広告、アップセル情報など）を表示することもできる。

サラダバーの表示装置の第１の層３０２および／または第２の層３０４の表面または中のセンサは、例えば、物質感知センサ（例：近赤外光源が関連付けられている赤外分光センサ）を含むことができ、近赤外光源は、さまざまな食料品目の分子を励起し、振動する分子から反射された光を分析することができる。１つの食料品目（例：ポテトサラダ）から反射される光は、別の食料品目（例：オリーブ）から反射される光とは異なるため、表示装置３００の制御装置によってこれらの反射を評価して食料品目を識別することができる。この識別情報を、第１の層３０２および／または第２の層３０４に表示することができる。

いくつかの実施形態においては、第１の層３０２および／または第２の層３０４に関連付けられるセンサは、温度センサ（例：サーマルイメージングカメラ）を備えていることができる。例えば、サラダバーの表示装置の実施形態においては、１つまたは複数のセンサが、サラダバー内の食料品目の（例えばスープの）温度を測定するように構成された非接触型の赤外線検出器アレイを備えていることができ、この温度を、その食料品目の前または別の位置における第１の層３０２および／または第２の層３０４に表示することができる。

サラダバーの表示装置の第１の層３０２および／または第２の層３０４の表面または中のセンサ、および／または、食料品目における、または食料品目の近くのセンサは、細菌センサをさらに含むことができる。細菌センサは、サラダバー内の食料品目の細菌の含有を判定することができ、その判定を第１の層３０２および／または第２の層３０４に表示して、食料品目が細菌に汚染されていないことを利用者に伝えることができる。

いくつかの実施形態においては、食料品目の製造を示す映像（例えば、特定のポテトサラダを作っているシェフを示す映像）を、第１の層３０２および／または第２の層３０４に表示することができる。したがってサラダバーの表示装置は、実施形態においては、サラダバーにおいて従来採用されている物理的な表記の必要性を排除しうる。

表示装置３００は、一実施形態においては、上述したようにサラダバーのスニーズガードに組み込むことができるが、当然ながらこれは１つの例示的な用途にすぎない。表示装置３００は、食料品目および／または飲料品目を評価することが望ましい任意の環境に配置することができる。例えば、一実施形態においては、キッチン、ダイニングエリア、または他の場所に表示装置３００を配置することができ、第１の層３０２、および／または他の層３０４，３０６の１つまたは複数が、近赤外光源が関連付けられている分光センサを含むことができる。食料品目または飲料品目が表示装置３００に近接して（例えばその第１の層３０２に近接して）配置された時点で、光源が食料品目または飲料品目を近赤外光で照らし、これらの品目の分子を励起させることができる。次にセンサが、食料品目または飲料品目の振動している分子から反射された光を分析することができる。１つの食料品目または飲料品目によって反射される光は、別の食料品目または飲料品目によって反射される光とは異なるため、表示装置３００は、一意の光学指標（optical signature）によって食料品目または飲料品目（いくつかの実施形態においてはその成分を含む）を識別することができる。食料品目または飲料品目を識別した時点で、表示装置３００は、（例えば自身の電子機器を介して）データベース（ローカルまたは遠隔に格納されてネットワークを通じてアクセスされうる）にアクセスして、食料品目または飲料品目に関する情報を取り出すことができる。この情報は、例えば、カロリー情報、および／または、その食料品目または飲料品目が特定の仕様（例えば、グルテンフリー、ナッツフリーなど）に従っているか、を含むことができる。別の実施形態においては、例えば食料品目または飲料品目が購入されたのではなく自家製であるため、その食料品目または飲料品目に関する情報がデータベースにおいて利用できないようにすることができる。この場合、分光センサが、データベースを使用することなく、食料品目または飲料品目に関する特定の情報（以下に限定されないが、カロリー情報、食料品目または飲料品目を構成する成分、タンパク質含有量を含む）を十分に識別できるようにしてもよい。次にこれらの情報を、利用者のために表示装置３００に（例えば第１の層３０２および／または別の層に）表示することができる。食品および表面に照らされる励起波長は、例えば、（不可視インクの機械可読パターンを表示するための）赤外線、食料製品が美味しそうに見えるようにするためのさまざまな色温度の光、あるいは表面を殺菌して食品媒介性の病原菌を減少させるための紫外線（例：ＵＶ−Ａ、ＵＶ−Ｂ、またはＵＶ−Ｃ）など、さまざまな波長で選択的に投射することができる。

別の実施形態においては、インテリジェントガラス表示装置３００を、例えば保育器に組み込むことができる。保育器とは、乳児を世話および保護するための管理された環境を提供する装置である。知られているように、保育器の表面は、透明なガラスをしばしば備えており、世話をする人（例：医者、看護士など）および親などはこのガラスを通じて乳児を見ることができる。この実施形態においては、表示装置３００の第１の層３０２の少なくとも一部を保育器の中の乳児の前とし、表示装置３００の第２の層３０４（設けられる場合）の少なくとも一部を保育器の中の乳児の後ろとすることができる。第３の層３０６は、保育器の中の乳児の後ろとすることができる。保育器の中の乳児に関する情報（例：保育器で従来採用されているセンサを使用して取得される体温、心拍数、脈拍、および／または他のバイタルサイン）を、第１の層３０２に表示することができる。いくつかの実施形態においては、第１の層３０２および／または第２の層３０４に表示される情報は、特定の親に属するものとして乳児を識別する符号化された識別情報を含むことができる。したがって見る人は、このデジタル表示される情報を、この情報が関連付けられる乳児と一緒に見ることができる。いくつかの実施形態においては、表示装置３００は、許可された使用者（例：医者、親、または保育器の中の特定の乳児の保護者など）が保育器のすぐ近くに来るまで不透明なままとすることができ、来た時点で、許可された使用者を、（例えば、第１の層３０２の表面に配置されているかまたは中に埋め込まれているバイオメトリックリーダを介して、または、許可された使用者のバンドまたはカードをスキャンして使用者が本人であることを確認するバーコードリーダを介して、または、グラフィカルに符号化されたアイコンの識別を介して）識別することができ、表示装置３００を通じて乳児を見ることができるように表示装置３００が透明になる。

別の例示的な実施形態においては、表示装置３００を３Ｄプリンタに組み込むことができる。知られているように、３Ｄプリンタでは、一般には材料の多数の薄層を連続的に堆積させることによって、３次元のデジタルモデルから物理オブジェクトを作製することが可能である。この実施形態においては、表示装置３００の第１の層３０２を押出機の前とすることができ、第２の層３０４（設けられる場合）を押出機の前または後ろとすることができる。第３の層３０６は、押出機の後ろとすることができる。第１の層３０２は、３Ｄプリンタを使用して作成される完成したオブジェクトの画像を最初に表示することができる。いま、説明を目的として、３Ｄプリンタを使用して作成されるオブジェクトが、本体および取っ手を有するカップであると想定する。３Ｄ印刷される最終的なカップがどのようなものであるかを示す画像（すなわちカップの本体および取っ手の画像）を、最初に第１の層３０２に表示することができる。３Ｄプリンタがカップの一部を作成する（例えば取っ手を作成する）につれて、３Ｄプリンタによってすでに作成された実際の物理的なカップの取っ手とあわせてカップの本体の画像を使用者が見るように、第１の層３０２に表示される画像を修正することができる（すなわち３Ｄプリンタによって物理的なカップの取っ手が作成されたときに、第１の層３０２に表示されている画像からカップの取っ手を削除することができる）。３Ｄプリンタを使用して作成されているオブジェクトのさらなる部分が印刷されるにつれて、作成されているオブジェクトのこれらの物理的な部分が、画像の中のオブジェクトの対応する部分に置き換わるように、第１の層３０２に表示されている画像を連続的に修正することができる。したがって使用者は、すでに３Ｄ印刷されたオブジェクトの部分とともに、まだ印刷されていないオブジェクトの残りの部分の画像を同時に見ることができ、したがって予測される最終的なオブジェクトの画像を考慮して、その時点までの進み具合を容易に見ることができる。

表示装置３００は、別の例示的な実施形態においては、住宅、オフィス、または他の構造物における１つまたは複数の窓に置き換わることができる。表示装置３００は、透明モードにおいては、使用者が従来の窓と同様に表示装置３００を通して景色を見ることを可能にする。表示モードおよび／または多層表示モードにおいては、本表示装置が通常の表示装置または拡張現実表示装置として機能するように、第１の層３０２（および／または他の層）の全体または一部に画像を表示することができる。表示装置３００は、広い応用性を有することができ、従来のテレビのディスプレイおよび今日使用されているコンピュータのモニタに置き換わることができる。実施形態においては、表示装置３００を使用して、（例えば、スカイプ、Ｆａｃｅｔｉｍｅ、ＭＳＮメッセンジャー、または他のソフトウェアを通じて）音声通話および／またはビデオ通話を行うことができる。例えば、使用者がビデオ通話を通じて友人（または肉親、同僚など）と会話をしている場合、その友人のライブビデオフィード、セッション長さ、および他の関連情報を、表示装置３００の一部に（例えば第１の層３０２および／または別の層に）表示することができ、使用者は、表示装置３００の別の部分を通して外側の景色を見ることができる。

センサ（カメラやビデオカメラなど）を追加的に利用して、使用者の写真および／またはビデオを撮ることができる。ビデオまたは写真をその友人にリアルタイムで送信することができる。

いくつかの実施形態においては、２つ以上の窓（例えば、１つの部屋の窓と別の部屋の別の窓、または並んで位置している２つの窓）それぞれをインテリジェント表示装置３００に置き換えることができる。これらの実施形態においては、第１の層３０２および／または別の層におけるセンサが使用者の存在を感知することができ、使用者が１つの表示装置に近接する１つの場所から別の表示装置に近接する別の場所に移動するときに、層に表示されるコンテンツを、１つの表示装置３００から別の表示装置３００に切り替えることができる。

いくつかの実施形態においては、食器棚、戸棚、引き出し、または他の格納場所に表示装置３００を組み込むことができる。例えば、食器棚の扉を第１の層３０２に置き換えることができ、食器棚の背面を第３の層３０６に置き換えることができる。第２の層３０４（設けられる場合）は、食器棚の中に置かれている品目の前または後ろでよい。これらの実施形態においては、食器棚の中の品目が見えるようにする、または隠すために、インテリジェント表示装置３００を選択的に透明にする、または不透明にすることができる。食器棚の中に置かれている品目を識別するために、第１の層３０２および／または別の層に物体検出センサ（例：ソフトウェアに関連付けられているＩＲアレイ、カメラ、および／またはＣＭＯＳセンサ）を設けることができる。実施形態においては、使用者は、インタフェースを使用して、表示装置３００に食器棚の中の品目のリストを作成させる、または別の方法で品目を示させることができる。例えば、使用者が単語「カップ」と言い、するとカップが中に置かれている食器棚に関連付けられる表示装置３００に、カップを指す矢印が現れる。したがって表示装置３００は、食器棚の中に置かれている任意の品目を、食器棚を開ける必要なしに識別することにおいて、使用者を支援することができる。いくつかの実施形態においては、２つ以上の食器棚（例えばキッチン内のすべての食器棚）に表示装置３００を組み込むことができ、使用者は、任意の特定の品目が位置する食器棚を素早く簡便に求めることが可能になる。当然ながら、見る人が食器棚の中の品目を食器棚を開くことなしに見ることができないようにするため、表示装置３００（例えばその第１の層３０２）を不透明にする、または選択的に不透明にすることもできる。

表示装置３００は、実施形態においては、冷蔵庫に関連付けることができる。これらの実施形態においては、第１の層３０２は、冷蔵庫のドアに置き換わる、または冷蔵庫に保管されている品目の前に配置することができる。裏側層３０６は、冷蔵庫の中の品目の後ろに配置する、または冷蔵庫が従来の白色の背面層を有する場合、完全に省くことができる。第２の層３０４（設けられる場合）は、冷蔵庫の中の品目の前または後ろに配置することができる。使用者は、冷蔵庫に保管されている品目を見るために、（例えばジェスチャ操作インタフェース、音声制御インタフェース、または他のインタフェースを使用して）表示装置３００（例えば第１の層３０２）を透明にさせることができる。表示装置３００は、冷蔵庫の中の品目を識別するために、第１の層３０２および／または他の層の表面または中のセンサを採用して、これらの品目のリストを第１の層３０２に表示することができる。実施形態においては、使用者が利用するためのコンテンツを第２の層３０４に表示することができる（例えば、第１の層３０２を透明とすることができ、使用者が冷蔵庫の中の品目の後ろに表示されるコンテンツを見ることができる）。識別された「見つからない品目」を仮想（または拡張）現実モードにおいて示すことができ、見つからない品目を、表示装置３００の選択された１つまたは複数の層にその品目のアバター（avatar）として示す。

いくつかの実施形態においては、航空機に表示装置３００を組み込むことができる。例えば、航空機の窓のシェードを取り除いて、表示装置３００を航空機の窓に組み込むことができる。

図４は、航空機の従来の窓４００を示している。知られているように、航空機の窓４００それぞれは、それに関連付けられている窓のシェード４０２を有することがある。窓のシェード４０２は、ブラスチック製であり、図４に示したように、可動である。例えば、航空機の乗客は、シェード４０２を物理的に引き下げて窓４００を遮ることができ、これにより航空機の客室内で、より暗い環境を乗客に提供することができる。乗客は、窓４００の外を見ることを望むときにはシェード４０２を押し上げることができ、これにより航空機の客室内に窓４００を通じて光を入れることができる。

スマートガラス技術および別のインテリジェントガラス技術がますます普及するにつれて、消費者は、航空機の窓４００がインテリジェントガラスを備えていることを期待しうる。しかしながら、既存の航空機の窓４００をインテリジェントガラスパネルに交換することは、費用と労力を要する作業である。航空機の多くの部品（航空機の窓４００を含む）の設置および動作は、安全上の厳しい必要条件を満たさなければならず、窓４００に置き換えて組み込まれるインテリジェントガラスパネルもこれらの必要条件を満たしている必要があることが、当業者には理解されるであろう。さらに、航空機の窓４００がインテリジェントガラスパネルに交換される場合、その航空機は、安全基準が引き続き満たされていることを保証するために多くの試験を受けなければならない。

次に図５を参照し、図５は、本開示の例示的な実施形態に係るインテリジェントガラスシェード５００を組み込んだ航空機の窓を示している。一実施形態においては、窓のシェード４０２（図４）を取り除いて、航空機の窓４００の内面にインテリジェントガラスシェード５００を固定する、または別の方法で配置することができる。これにより、窓４００自体をインテリジェントガラスパネルに交換する必要なしに、窓４００を実質的にインテリジェントガラス窓として機能させることができる。図５は、ほぼ楕円形のインテリジェントガラスシェード５００を示しているが、シェード５００が別の規則的な形状もしくは不規則な形状をとることができることが、当業者には容易に理解されるであろう。現時点で好ましい実施形態においては、シェード５００の形状は、シェード５００が関連付けられる窓（例：窓４００）の形状にほぼ一致していてよい。一実施形態においては、これに代えて、またはこれに加えて、インテリジェントガラスシェード５００を窓４００の外面（すなわち航空機の外側から見える航空機の窓の表面）に配置することができる。

一実施形態においては、インテリジェントガラスシェード５００の透明度を、シェード５００に近接するかまたはシェード５００に位置するスイッチ（例：窓スイッチまたは減光スイッチ）を介して制御することができる。例えば乗客は、減光スイッチを回してシェード５００への電力を切ることができ、これにより航空機の客室に窓４００を通じて光が入らないようにすることができる。別の実施形態においては、シェード５００の透明度を、（例えば携帯電話、ノートブックパソコン、または他のモバイル機器を介して）遠隔的に制御することができる。さらに別の実施形態においては、シェード５００をタッチ操作することができる。例えば一実施形態においては、インテリジェントガラスシェード５００がタッチスクリーンＯＬＥＤ表示装置を含むことができる。乗客は、例えば、シェード５００を指で１回タップしてシェード５００を透明にさせることができ、シェード５００を２回タップしてその不透明度を高めることができる。遠隔操作されるインテリジェントガラスパネルおよびタッチ操作されるインテリジェントガラスパネルは市販されていることが、当業者には理解されるであろう。しかしながら上述したように、本開示は、今後開発される技術を採用するインテリジェントガラスパネルも包含する。

実施形態においては、乗客（または別の人）が、シェード５００のうち透明（または不透明）にすることを望む部分の境界を設定できるようにすることができる。例えば、一実施形態においては、乗客は、シェード５００の一部分を囲む円（または四角あるいは他の形）を人差し指を用いて描くことができ、シェード５００のその部分のみが透明（または不透明）になる。したがって乗客が、窓４００のうち航空機の客室内に光が入る領域の大きさおよび形をカスタマイズできるようにすることができる。

いくつかの実施形態においては、シェード５００の全体または一部を、コンテンツを表示するように構成されているタッチスクリーン表示装置とすることができる。例えば、一実施形態においては、乗客は、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートリストバンド、または他の携帯機器を、（例えば無線で、または有線接続を通じて）シェード５００に接続することができる。これらの実施形態においては、スマートフォン（またはシェード５００に結合されている他のモバイル機器）上でアクセスされるコンテンツ（例：映画、曲、プレゼンテーションなど）を、視聴者が利用できるようにシェード５００に表示することができる。実施形態においては、乗客は、インテリジェントガラスシェード５００のタッチスクリーン表示装置を介して自分のスマートフォン（または他のモバイル機器）を制御することもできる。インテリジェントガラスシェード５００が、そこに乗客がコンテンツを投影できるようにすることも考えられる。別の実施形態においては、インテリジェントガラスシェード５００は、他の場所に（例えばシートバックに）コンテンツを投影することができるようにプロジェクタを含むことができる。さらに別の実施形態においては、インテリジェントシェード５００は、没入型の３次元コンテンツを航空機の客室内に（例えば乗客の前に）投影することのできる３次元ホログラフィックプロジェクタを含むことができる。

実施形態においては、シェード５００を、１つまたは複数の色の光を発する（例えばＬＥＤまたは他の照明機構を含む）ように構成することができる。したがって例えば、航空機の乗客がイベントを祝っているとき、それらの乗客はインテリジェントシェード５００をディスコ照明として機能させることができる。

一般に、航空機には、さまざまな制御ボタン、スイッチ、ダイヤル、ノブなどが、乗客の座席に近接して（例えば、頭上のコンソール、乗客の座席の肘掛け、前の乗客の座席のシートバックなどに）配置されている。実施形態においては、これらの制御ボタン類を、代わりにインテリジェントシェード５００に組み込むことができる。例えば、インテリジェントガラスシェード５００の全体または一部にタッチインタフェースを表示することができ、乗客は、客室乗務員を呼ぶ、ファンの設定を変える、読書灯を点灯するなどを、このタッチインタフェースを使用して行うことができる。

インテリジェントシェード５００に設けられるインタフェース（例：タッチインタフェース）は、実施形態においては、堅牢なものとすることができ、シェード５００を多目的売店としての役割を果たすようにすることができる。例えば、一実施形態においては、インテリジェントシェード５００は、従来技術の航空機ではシートバックに位置しているテレビのディスプレイの機能を組み込むことができる。同様に、実施形態においては、インテリジェントシェード５００を、航空機に関連付けられる（例えば航空機に属している）計算装置に（例えば有線ネットワークまたは無線ネットワークを通じて）接続することができる。これらの実施形態においては、乗客は、インテリジェントシェード５００に表示されるインタフェースを使用して、免税店からの商品を注文する、Ｗｅｂを通じてオンラインでコンテンツをブラウズする、飛行機の現在位置を示す飛行経路を概略的に表示する、などを行うことができる。実施形態においては、インテリジェントシェード５００によって、インテリジェントシェード５００のインタフェースを、シートバック、頭上のコンソール、または航空機の他の構成要素に投影することができる。これに代えて、またはこれに加えて、インテリジェントシェード５００のインタフェースをホログラフィ式とすることができ、乗客の座席の上方または客室内の他の場所に表示することができる。

実施形態においては、インテリジェントシェード５００のインタフェースは、１人の乗客が、その飛行機に搭乗している別の１人または複数の乗客と通信することを可能にする。例えば、航空機の前方に座っている乗客が、自分の座席に近接する窓に関連付けられているインテリジェントガラスシェード５００を使用して、航空機の後方に座っている乗客と、その乗客の座席に近接するインテリジェントガラスシェード５００を通じて、通信することができる。したがって、２人（またはそれ以上）の乗客が、インテリジェントガラスシェード５００を介して、ゲーム（例：チェス、チェッカー、ビデオポーカーなど）をする、仕事をする、またはそれ以外に互いに通信することが可能である。いくつかの実施形態においては、インテリジェントガラスシェード５００のインタフェースが、「画面共有」を可能とすることもできる。例えば、乗客は、自分のインテリジェントガラスシェード５００に表示されるコンテンツを、１人または複数の別の乗客に近接する窓に関連付けられているインテリジェントガラスシェード５００と共有することができる。

インテリジェントガラスシェード５００のインタフェースは、実施形態においては、ジェスチャ操作することができる。ジェスチャ操作装置（この技術分野において公知である）は、物理的に接触することなく計算システムと対話および計算システムを制御する目的で、人の体の動作を認識して解釈することが、当業者には理解されるであろう。例えば、一実施形態においては、乗客は、インテリジェントガラスシェード５００を透明から不透明に、またはこの逆に切り替えるために、インテリジェントガラスシェード５００に手を振ることができる。または例えば、乗客は、飲み物のお代わりが必要であることを客室乗務員に知らせるために、インテリジェントガラスシェード５００のインタフェースにウインクする、またはインタフェースを指さすことができる。ジェスチャ操作は、現在公知であるかまたは今後開発される任意の手段によってインテリジェントガラスシェード５００に組み込むことができるが、一実施形態においては、インテリジェントガラスシェード５００が、シェード５００の表面または近接して配置されている赤外線ジェスチャセンサを使用して、インテリジェントシェード５００の近くの乗客の動作を検出できるようにすることができる。

インテリジェントガラスシェード５００は、実施形態においては、航空機の客室内の温度を制御するために使用することができる。例えば乗客が、航空機の客室内の局所的な温度を上げる（または少なくとも維持する）ことを望むとき、その乗客はシェード５００を透明にすることができ、これにより航空機の客室内に日光および熱を入れることができる。あるいは、乗客は、シェード５００を不透明にして、客室内に日光および熱が入らないようにすることができる。

説明したように、実施形態においては、インテリジェントシェード５００を多層化することができ、シェード５００の最も外側の層が窓に隣接し、かつシェード５００の最も内側の層が航空機の客室に面しているように、窓４００にインテリジェントシェード５００を接着することができる。例えば、図７を参照し、シェード５００は、窓４００（図７には示していない）の内側に隣接している最も外側の層５０２と、航空機の客室に面している最も内側の層５０６と、最も外側の層５０２と最も内側の層５０６との間にはさまれている中間層５０４とを含むことができる。これにより、航空機の客室の温度をインテリジェントガラスシェード５００を介して制御するときのさらなる柔軟性が、乗客に提供される。例えば乗客は、航空機内に日光および熱が入ることができるように、シェード５００の２つ以上の層を透明にすることができる。あるいは乗客は、内側の層５０６を熱くする日光が存在しない（または最小限の日光のみが存在する）ように、シェード５００の最も外側の層５０２を不透明にすることができる。このような多層構造はシェード５００の寿命を延ばすことができ、なぜならシェード５００の外側層５０２を暗くすることによってシェード５００の内側層５０６の過熱が回避されうるためである。さらに、インテリジェントガラスパネルは過熱しやすいため、他の構造では航空機で採用されないであろうインテリジェントガラスパネルを（少なくともシェード５００の（１つまたは複数の）内側層において）使用することが、この構造によって可能になりうる。層５０２、層５０４、および層５０６は、等距離とすることができ（ただし必須ではない）、また上に説明したように、個別の技術を採用することができる。インテリジェントシェード５００には、任意の数の層（例：層５０２，５０４，５０６）を同様に組み込むことができることが、当業者には理解されるであろう。

一実施形態においては、層の間に１種類または複数種類の物質を配置することができる。例えば、一実施形態においては、層５０２と層５０４との間にＫｅｖｌａｒ（登録商標）を配置することができ、これにより、窓４００に撃ち込まれた銃弾が航空機の客室内に入らないようにすることができる。または例えば、インテリジェントシェード５００を有する航空機がより安全に墜落に耐えることができるように、層５０２と層５０４の間（および／または、層５０４と層５０６の間）に、別の制振物質（例えば、特許文献１および特許文献２（これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれている）に開示されている制振接着剤）を配置することができる。特許文献１および特許文献２に開示されているように、この制振接着剤には、窓４００が受けうる衝撃力を分散させるように作用する粒子を中に分布させることができ、これにより、相当な衝撃の場合に窓４００が割れることを防止することができる。

一実施形態においては、インテリジェントガラスシェード５００を使用して、航空機の外側から見られるように構成されているコンテンツ（本明細書では「外面用に構成されたコンテンツ」）を投影することができる。例えば、航空機の窓４００の内面にインテリジェントガラスシェード５００が配置されている場合、窓４００を通じて、外面用に構成されたコンテンツを投影することができる。または例えば、窓４００の外面に配置されたインテリジェントガラスシェード５００を使用して、外面用に構成されたコンテンツを投影することができる。外面用に構成されたコンテンツは、例えば、デジタルサイネージ（例えば、動的なビデオまたはマルチメディアコンテンツ）を含むことができる。したがって航空機の外面を、広告が動的に表示される広告板として効果的に使用することができる。このような機能は、広い応用性を有しうる。例えば、複数の航空会社が１年の中で航空機を共有し、航空機を塗り替える必要なしに航空機の外側に各社の名称およびロゴを選択的に表示させることができる。または例えば、外面用に構成されたコンテンツは、鳥が捕食性とみなしている動物（例：タカ、ヘビ、キツネなど）を含むことができ、これにより、飛行中に鳥が気づかずに航空機と衝突する危険性を減らすことができる。

いくつかの実施形態においては、外面用に構成されたコンテンツは、目新しい要素を航空機に与えることができる。例えば実施形態においては、外面用に構成されたコンテンツは、飛行機の外面を視界から隠す役割を果たすことができる（例えば、航空機の外面が景色の一部であるように見えて、航空機が実質的に視界から隠れるように、航空機の外側の景色（青い空、雲などを含む）を連続的に取り込んで航空機の外面に投影することができる）。遠く離れた観察者から見たカムフラージュ効果またはカメレオン効果を戦略的に生み出すために、動的かつ差分視点（differential viewpoints）を生成してリアルタイムで表示することができる。

上に説明し、さらに以下に詳しく説明するように、実施形態においては、インテリジェントシェード５００の機能は、航空機の乗客の全体的な利用者体験を高めることができる。上の開示では、インテリジェントシェード５００がさまざまな機能を有しうる（例えば、タッチスクリーンインタフェースを有する、表示プロジェクタを有するなど）ことを概説した。いくつかの実施形態においては、図６に示したように、インテリジェントシェード５００は、航空機の別の構成要素６０２を含むインテリジェントシェードシステム６００の一部とすることができる。

より具体的には、インテリジェントシェードシステム６００は、インテリジェントシェード５００と、航空機の（１つまたは複数の）構成要素６０２と、計算装置６０４とを備えていることができる。計算装置６０４は、デジタルプロセッサまたは他のコントローラと、メモリと、実施形態においては入力／出力装置と、を含むことができる。計算装置６０４は、全体または一部が航空機に属していることができ、インテリジェントシェード５００とデータ通信することができる。実施形態においては、計算装置６０４は、航空機の（１つまたは複数の）構成要素６０２とデータ通信することもできる。計算装置６０４は、インテリジェントシェードシステム６００が本明細書の開示内容に従って機能することを可能にするコンピュータ実行可能命令を（例えばメモリ内に）含むことができる。

インテリジェントシェードシステム６００は、航空機に搭乗した乗客の体験を個人に合わせたものとする、および／または別の方法で高めるように構成することができる。航空機の構成要素６０２は、接触型センサおよび／または非接触型センサを備えていることができる。例示的な実施形態においては、航空機の構成要素６０２は乗客の座席の上方の頭上コンソールであり、センサは温度センサである。航空機の構成要素６０２は、インテリジェントシェード５００と通信して、上述したように航空機の客室内の局所的な温度を制御することができる（例えば、航空機の客室内の局所的な温度が低すぎることを温度センサが感知した場合、航空機の客室内に熱および日光が入ることができるようにインテリジェントシェード５００が透明になる）。

別の例示的な実施形態においては、航空機の構成要素６０２が乗客の座席であり、センサが、座席または座席に近接して位置している非侵襲性の（または他の）血糖値センサである。センサは、例えば、座席の乗客の血糖が低いことを感知し、その時点で、インテリジェントシェード５００が自動的に客室乗務員を呼ぶ（例えば、乗客の座席に近接するインテリジェントシェード５００が、その乗客に客室乗務員が食べ物を持っていくべきであることを示すメッセージを送ることができ、このメッセージが客室乗務員の座席に近接するインテリジェントシェード５００に表示される）。これに代えて、またはこれに加えて、センサが、乗客の座席に配置されている心電図（または脳波図）センサである。この場合、コンピュータ６０４が、乗客が病気であることを心電図センサを介して判定し（例えば乗客の心臓の電位波形が不規則である場合）、システム６００が適切な措置をとることができる（例えば、計算装置６０４がインテリジェントシェード５００を介して、または別の方法で客室乗務員に連絡する、および／または、乗客が治療を受けることができるように最も近い空港に飛行機を着陸させるべきであることをパイロットに知らせる）。

同様に、航空機の構成要素６０２が乗客の前の座席のシートバックであり、センサが酸素センサである。計算装置６０４は、航空機の客室内の酸素レベルが低いことを酸素センサを介して判定すると、酸素マスクを配備させることができる。

実施形態においては、計算装置６０４と通信する（１つまたは複数の）センサを他の場所に（例：インテリジェントガラスシェード５００自体に、乗客に、など）配置することもできる。例えば一実施形態においては、吐き気および発作を検出するバイオセンサを乗客が着用することができ、このセンサが、乗客が吐き気または発作を起こしているようであることを（例えばインテリジェントシェード５００を介して）客室乗務員に知らせることができる。

このように、インテリジェントシェードシステム６００は、乗客の体験を高めるのみならず、乗客の健康を監視する目的にも使用することができる。

いくつかの実施形態においては、インテリジェントシェード５００は、インテリジェントシェードシステム６００の計算装置６０４が乗客およびその好みを識別するために使用することのできる生体認証センサを含むことができる。生体認証センサは、例えば、乗客の虹彩、指紋、顔特徴、筆跡などをスキャンすることができる。これらの実施形態においては、乗客は、最初の生体認証サンプルを提供することができ（例えば乗客は、インテリジェントガラスシェード５００を有する航空機で初めて飛行するときに親指の指紋を提供することができる）、この最初の生体認証サンプルに対して、乗客によって提供される以降の生体認証サンプルが比較される。乗客が本人であることが確認された時点で、インテリジェントシェードシステム６００は、その特定の乗客の好みに従って、自身の動作を自動的に調整することができる。例えば、乗客が特定の飲み物を飲むのが好きである場合、その乗客が識別された時点で、インテリジェントシェード５００が客室乗務員に連絡して、その飲み物を乗客に提案するように依頼することができる。または例えば、インテリジェントシェード５００は、乗客の個人的な好みに従って、上述したように航空機の客室の温度を制御することができる（または乗客の好みに従って、ファンの設定を変更する、乗客の座席を振動させて乗客にメッセージを伝える、など）。いくつかの実施形態においては、生体認証センサの代わりに、または生体認証センサに加えて、インテリジェントシェードシステム６００は、乗客の個人的なモバイル機器（例：スマートフォン）と通信することによって、その乗客が本人であるかを判定することができる。例えば一実施形態においては、計算装置６０４は、乗客のスマートフォンと自動的に通信してその機器識別番号（例：乗客に関連付けられる特定のモバイル機器のＡｎｄｒｏｉｄ ＩＤ、Ｇｏｏｇｌｅ Ａｄｖｅｒｔｉｓｉｎｇ ＩＤ、Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｄｅｖｉｃｅ ＩＤなど）を取得することによって、乗客を識別することができる。

航空機のシェード５００の透明度は、要求されない間は、外部条件との合致に基づいて自動的に変化するようにプログラムすることができる。例えば、シェード５００の透明度は、（例えばＧＰＳを使用して求められる）航空機の位置に基づいて変化することができる。したがって実施形態においては、航空機がグランドキャニオン国立公園、サンフランシスコベイブリッジ、または乗客が航空機から見ることを望むであろう他のそのような場所に近いときに、シェード５００が自動的に透明になることができる。いくつかの実施形態においては、航空機のシェード５００の透明度は、時刻、または飛行機の外を見るように乗員の包括的な決定に基づいて変化するように、プログラムすることができる。例えばシェード５００は、乗客が落ち着いて眠ることができるように午前２時から午前６時まで自動的に不透明になることができる。

上の開示では、インテリジェントシェード５００およびインテリジェントシェードシステム６００を、１人または複数の乗客に食べ物／飲み物を提供するものとして説明したが、実施形態においては、インテリジェントシェードシステム６００が航空機の乗員（例：パイロット）に食べ物／飲み物を提供してもよいことが考えられる。例えば、一実施形態においては、コックピットの窓がインテリジェントガラスシェード５００を備えていることができる。これらの実施形態においては、インテリジェントシェードシステム６００は、特定のパイロットを識別することができ、インテリジェントシェード５００がそのパイロットの好みおよび健康に関する測定値に従って機能できるようにすることができる。いくつかの実施形態においては、一般にはコックピット内のさまざまなコンソール上に位置している制御ボタン類のうちの１つまたは複数の機能を、代わりにインテリジェントシェード５００に設けることができる。パイロットは、例えば、インテリジェントシェード５００の上で指を上方向にスワイプすることによって、または上方向にジェスチャすることによって、航空機の車輪を格納させることができる。または例えば、パイロットは、コックピット内のインテリジェントシェード５００にサムズアップ合図を送ることによって、航空機が自動操縦モードに入るようにすることができる。インテリジェントシェードシステム６００は、実施形態においては、（例えばパイロットの座席または近接して配置されているバイオセンサを介して）パイロットの健康を監視し、パイロットの具合が悪いという判定に基づいて適切な措置をとることもできる（例えば、パイロットの血中アルコール濃度が法的な飛行限界を超えていることをバイオセンサが示している場合、インテリジェントシェードシステム６００は、自動的に自動操縦モードを起動し、その違反を管制塔に知らせることができる）。

いくつかの実施形態においては、コックピットにおけるインテリジェントシェード５００を使用して、パイロットを訓練することができる。例えば、インテリジェントシェード５００にバーチャル画像を表示させることができ、訓練中のパイロットが仮想的に飛行機を操縦することができる（例えば、コックピットのコンソールにおける従来の制御ボタン類を使用する、および／または、インテリジェントシェード５００におけるタッチ操作式および／またはジェスチャ操作式の制御ボタン類を使用する）。いくつかの実施形態においては、航空機のさまざまな制御ボタン類を有するコックピットにおけるインテリジェントシェード５００は、アイトラッキング機能を含むことができ、使用者は、自分の目だけを使用して航空機の動作を制御することができる。したがってインテリジェントシェード５００は、実施形態においては、四肢麻痺の人が飛行機を飛ばすことを可能にしうる。当然ながら、乗客が自分の目だけを使用して選択を行うことができるように、メイン客室におけるインテリジェントシェード５００がアイトラッキングソフトウェアを含むこともできる（例えば乗客は、インテリジェントシェード５００における仮想の客室乗務員ボタンに視線を送ることによって客室乗務員を呼ぶことができる）。

上に説明したように、実施形態においては、乗客は、自分に近接するインテリジェントシェード５００を使用して、別の乗客に近接するインテリジェントシェード５００を介してその別の乗客と選択的に連絡することができる。いくつかの実施形態においては、各インテリジェントシェード５００は、航空機内の別のインテリジェントシェード５００とデータ通信することができる。したがって複数のインテリジェントシェード５００がまとまって、客室全体または客室の区画内のさまざまな特性（例：気圧、温度など）を監視するために使用することのできるアレイを形成することができる。

航空機の窓のシェード５００は、実施形態においては、航空機の乗員によって遠隔的に制御可能とすることもできる。例えばパイロットは、コックピット内のボタンを押すだけで（またはコックピット内の窓に関連付けられるインテリジェントシェード５００のインタフェース上に設けられている仮想ボタンを押すだけで）、航空機内のすべての窓のシェード５００を不透明にすることができる。

いくつかの実施形態においては、１つまたは複数のインテリジェントシェード５００に、（例えばリチウムイオンバッテリまたは他のバッテリを介して）航空機とは独立して電力供給することができ、これにより、たとえ航空機のバッテリおよび／または交流発電機が作動しない場合でも、インテリジェントシェード５００が必要に応じて動作し続けるようにすることができる。別の実施形態においては、インテリジェントシェード５００に、航空機のバッテリおよび／または交流発電機によって電力供給することができる。さらに別の実施形態においては、インテリジェントシェード５００にワイヤレスで（例えば誘導式に）電力供給することができる。すべてのシェード５００に同じ方法で電力供給する必要はないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、コックピットにおけるシェード５００には安全な手段を介して（例えば冗長フェイルセーフ機構を含むバッテリシステムを使用して）電力供給することができるのに対して、航空機のメイン客室におけるインテリジェントシェード５００の１つまたは複数には別の方法で電力供給することができる。

一実施形態においては、インテリジェントシェード５００および／またはインテリジェントシェードシステム６００を使用して、エネルギを集めることができる。例えば、一実施形態においては、インテリジェントシェード５００（例えばその最も外側の層５０２）は、関連付けられる窓４００に当たる日光を電流に変換することのできる太陽電池を含むことができる。または例えば、インテリジェントシェード５００における日光（または温度差や物質の運動など他のエネルギ刺激）が電気エネルギに変換されるように、光起電力物質（例：光起電力接着剤）または他のエナジーハーベスティング物質（例えば、圧電素子および／またはペルチェ素子に埋め込まれるかまたは別の方法で付着した物質）を、インテリジェントシェードの１つまたは複数の層の間に配置することができる。このように生成された電気エネルギは、インテリジェントシェードシステム６００に電力供給する、または航空機内の別のサブシステムに電力供給するために使用する、および／または、以降に使用できるように（例えばバッテリに）蓄えておくことができる。

図５は、シェード５００の代替実施形態を示している。この場合、シェード５００は、特に、仮想ブラインドとしての役割を果たすことができる。具体的には、シェード５００は、１つまたは複数のセグメント（例：セグメント５０２Ａ〜５０２Ｅ）を含むことができる。このようにして任意の数のセグメントをインテリジェントシェード５００に設けることができ、１つのセグメント（例：セグメント５０２Ａ）の大きさは、別のセグメント（例：セグメント５０２Ｅ）の大きさと同じとすることができる（ただし必須ではない）。図５は、セグメント５０２Ａ〜５０２Ｅがほぼ水平に延在することを示しているが、セグメント（例：セグメント５０２Ａ〜５０２Ｅ）が別の方向に（例えば垂直に）延在する実施形態も考えられる。

各セグメント５０２Ａ〜５０２Ｅは、実施形態においては、個別に制御可能とすることができる。例えば乗客は、セグメント５０２Ａの上に人差し指（または別の指）を置き、その指を上（または右）方向にスワイプすることができ、これにより他のセグメント５０２Ｂ〜５０２Ｅに影響することなくセグメント５０２Ａを不透明に（または相対的に不透明に）することができる。同様に乗客は、セグメント５０２Ａの上に人差し指を置き、その指を下（または左）方向にスワイプすることができ、これにより他のセグメント５０２Ｂ〜５０２Ｅに影響することなくセグメント５０２Ａを透明にすることができる。乗客は、他のセグメント５０２Ｂ〜５０２Ｅを同じ方法で独立して制御することができる（例えば乗客は、セグメント５０２Ａ，５０２Ｃを透明にし、セグメント５０２Ｂ，５０２Ｄ，５０２Ｅを不透明にすることができる）。

いくつかの実施形態においては、航空機のすべての窓４００が、それに関連付けられるインテリジェントシェード５００を有することができる。別の実施形態においては、特定の窓４００（例えばビジネスクラスの窓４００）のみにインテリジェントシェードを組み込むことができ、そのための料金を乗客に課すことができる。

次に、実施形態においては、特許文献１および特許文献２（これらの開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれている）に詳述されているように、１種類または複数種類の物質（例：制振接着剤）を、第１の層３０２と第２の層３０４（および／または第３の層３０６）の間に配置することができる。上に簡潔に説明したように、特許文献１および特許文献２には、窓４００が受けうる衝撃力を分散させるように作用する粒子が中に分布している制振接着剤が開示されており、これにより、相当な衝撃の場合に表示装置３００（表示装置５００を含む）が割れることを防止することができる。

衝撃力を分散させるための１つまたは複数の装置を、層３０２，３０４，３０６（または５０２，５０４，５０６）のうちの１つまたは複数の間に配置することがさらに考えられる。このような装置は、特許文献３、特許文献４、特許文献５、特許文献６、特許文献７、および特許文献８に開示されている。これらの出願それぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。

これに加えて、一実施形態においては、表示装置３００を使用してエネルギを集めることができる。例えば、一実施形態においては、表示装置３００（例えばその最も外側の層３０６）が、第３の層３０６に当たる日光を電流に変換することのできる太陽電池を含むことができる。または例えば、インテリジェント表示装置３００における日光が電気エネルギに変換されるように、光起電力物質（例：光起電力接着剤、または３次元ナノ粒子を有する担持体）を、インテリジェント表示装置３００の１つまたは複数の層の間に配置することができる。このように生成された電気エネルギは、インテリジェント表示装置３００に電力供給する、または別のシステムに電力供給するために使用する、および／または、以降に使用できるように（例えばバッテリに）蓄えておくことができる。いくつかの実施形態においては、表示装置３００には、従来の手段（例：標準の１１０Ｖ／２２０Ｖコンセント、バッテリ、別の携帯用電源など）を使用して電力供給することができる。表示装置３００は、複数の異なる電源を使用して電力供給され得るようにすることもできる（例えば、実施形態においては、表示装置３００に、日中は太陽電池を使用して電力供給し、夜間は標準の１１０Ｖ／２２０Ｖコンセントを介して電力供給することができる）。

実施形態においては、使用者が表示装置３００に関する自身のさまざまな好みを記憶させ得るようにすることができ、表示装置３００に近接する視聴者の識別に基づいて動作を自動的に調整するように、表示装置３００を構成することができる。例えば、実施形態においては、第１の層３０２の表面または近接する生体認証センサを使用して、表示装置３００に近接する視聴者の虹彩を識別し、表示装置３００に、その視聴者の好みに基づいて特定のコンテンツ（例：スポーツチャンネル、映画、ドキュメンタリー、広告など）を表示させることができる。これに代えて、表示装置３００は、表示装置３００に近接する使用者を、使用者のモバイル機器（例：スマートフォン）と（例えばＷｉ−Ｆｉ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ、または別の有線ネットワークもしくは無線ネットワークを通じて）通信することによって、識別することができる。これらの実施形態においては、表示装置３００のメモリが、モバイル機器に関連付けられる一意の識別番号（例：Ａｎｄｒｏｉｄ ＩＤ、Ａｐｐｌｅ ＩＤなど）を含むことができ（例えばセットアッププロセス時に表示装置３００が取得することができる）、その後、そのモバイル機器が表示装置３００に近接しているときにモバイル機器と通信することによって、使用者を識別することができる。実施形態においては、さまざまな視聴者の序列を、表示装置３００に関連付けられるメモリに記憶することができる。例えば、表示装置３００が住宅用に設定されており、表示装置３００が配置されている部屋に親と子供がいるとき、表示装置３００は、子供ではなく親が好む（またはこの逆の）コンテンツを自動的に表示することができる。

第１の層３０２および／または他の層３０４，３０６の表面または中に埋め込まれているセンサは、実施形態においては、スチールカメラ、ビデオカメラ、または表示装置３００に近接して配置されている品目を識別する、および／または品目に関する情報を取得するように構成されているバーコードリーダ（例：レーザリーダ、ＣＣＤリーダ、または他のバーコードリーダ）などを含むことができる。例えば、表示装置３００を空港に配置することができ、表示装置３００にかざされた旅行者のパスポートをスキャンするために使用することができる。または例えば、表示装置３００を小売店舗（または他の店舗、例えばそのレジ）に設けることができ、顧客によって購入された商品のバーコードをスキャンするために使用することができる。スキャン動作が完了した時点で、それによって収集された情報（例えば、パスポート保持者に関する情報、バーコードが関連付けられている商品に関する情報など）を、表示装置３００（例えばその第１の層３０２）または別の場所に表示することができる。

実施形態においては、スマートフォン、グラス、ウォッチ、ノートブックパソコン、タブレット、および他のそのような携帯電子機器において、表示装置３００を使用することができる。例えば、スマートフォンのタッチスクリーンディスプレイの全体または一部を表示装置３００に置き換えることができる。これらの実施形態においては、使用者が、透明モードにおいてはスマートフォンの中を（またはスマートフォンの一部の中を）選択的に見ることができ、表示モードおよび／または多層表示モードにおいては、スマートフォンに表示されたコンテンツを見る、およびコンテンツと対話できるようにすることができる。

表示装置３００は、例えば、電子機器のスクリーンプロテクタを形成することができる。この場合、層３０２，３０４，３０６が実質的に互いに隣接しており、かつ（例えば、特許文献１および特許文献２（これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれている）に開示されている接着剤を使用して）互いに接着されて、スクリーンプロテクタを形成していることができる。この場合、表示装置３００は、他の実施形態を参照しながら本明細書に説明されている機能のすべてを有することができる。センサ（接着剤の中に埋め込む、または層３０２、層３０４、および／または層３０６の中、表面、または近くに別の方法で設けることができる）は、使用者が本明細書に説明されている方法に従ってスクリーンプロテクタ表示装置を制御することを可能にする。

さらなる完成した実施形態においては、表示装置３００は、多層ラミネートフィルムとして組み立てられた層３０２，３０４，３０６を含む。オプションとして、このフィルムを任意の面に貼り付けることを可能にする接着剤（例えば特許文献１および特許文献２に開示されている接着剤）を、追加の層が含むことができる。

ある環境の中に複数の表示装置３００が設けられている場合（例えば、いくつかの部屋における１枚または複数の窓に置き代わる表示装置３００、キャビネットなどの１つまたは複数の格納場所における表示装置３００、冷蔵庫のドアにおける表示装置３００）、表示装置３００は、連結性の体験を使用者に提供するために通信することができる。各表示装置３００は、使用者が部屋の中にいる（またはいない）、および／または、それぞれの表示装置３００の近傍にいる（またはいない）、ことを識別することができる１つまたは複数のセンサ（本明細書に説明されているセンサなど）を組み込んでいることができる。使用者が部屋にいることをセンサが判定したときに、表示装置３００を起動することができる。使用者が部屋にいないことをセンサが判定したときには、表示装置３００をオフにすることができる。一実施形態においては、使用者が１つの部屋から別の部屋に移動するとき、使用者がそれまで見ていたものと同じ画像を表示するために、第１の表示装置（例えばリビングルームの窓における表示装置３００）が第２の表示装置（例えばキッチンの戸棚における表示装置３００）と通信することができる。例えば、使用者がリビングルームでテレビ番組を見ており、次にキッチンに移動して食事の用意をすることがある。使用者が１つの部屋から別の部屋に移動するときに、表示されている画像を再プログラムする必要がないように、それぞれの表示装置が自動的にオンになって正しいチャンネルに合わせることができる。

こうして説明してきたように、インテリジェント表示装置３００は、多くの異なる用途を有することができ、従来のテレビ、コンピュータのモニタ、および今日使用されている他の表示装置に置き換わることができる。図示したさまざまな構成要素および図示していない構成要素の多くの異なる配置構造が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく可能である。ここまで本発明の実施形態を、本発明を制限するのではなく実例を目的として説明してきた。当業者には、本発明の範囲から逸脱しない代替実施形態が明らかになるであろう。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した改良を実施する代替手段を開発しうる。特定の特徴および部分的な組合せが実用的であり、他の特徴および部分的な組合せとは無関係に採用できることが理解されるであろう。

本出願は、米国仮特許出願第６２／４３８， ９８９号（出願日：２０１６年１２月２３日）および米国仮特許出願第６２／４５０，７６９号（出願日：２０１７年１月２６日）の優先権を主張し、これらの文書の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。

Claims (20)

1. 多層インテリジェントガラス表示システムであって、
   表示パネルと、
   前記表示パネルの後ろに配置されているスマートガラスパネルと、
   自身に格納されているプログラミング命令を有するメモリと、
   前記表示パネル、前記スマートガラスパネル、および前記メモリと通信する制御装置と、
   を備えており、
   前記多層インテリジェントガラス表示システムが、表示モード、多層表示モード、および透明モードのそれぞれにおいて動作可能である、
   多層インテリジェントガラス表示システム。
2. 前記スマートガラスパネルが選択的に不透明である、請求項１に記載の表示システム。
3. 前記表示パネルと前記スマートガラスパネルとの間に配置されている第２の表示パネル、をさらに備えている、請求項２に記載の表示システム。
4. 前記表示パネルがＬＣＤ表示装置であり、前記第２の表示パネルがＯＬＥＤ表示装置である、請求項３に記載の表示システム。
5. 前記第２の表示パネルと前記スマートガラスパネルとの間に配置されているＬＥＤパネル、をさらに備えている、請求項４に記載の表示システム。
6. 前記スマートガラスパネルに近接して光センサが配置されており、前記光センサが、前記スマートガラスパネルの近くの周囲光のレベルを検出し、前記周囲光のレベルが所定の照度未満であることが判定された時点で前記ＬＥＤパネルを起動する、請求項５に記載の表示システム。
7. 前記表示パネルの表面に配置されている、中に埋め込まれている、または近接して配置されている１つまたは複数の接触型センサまたは非接触型センサ、をさらに備えている、請求項６に記載の表示システム。
8. 前記１つまたは複数の接触型センサまたは非接触型センサが、ＣＭＯＳセンサ、赤外線センサ、音響センサ、生体認証センサ、酸素または一酸化炭素センサ、ＧＰＳセンサ、からなるリストから選択される、請求項７に記載の表示システム。
9. 前記表示システムが、ジェット機の窓用の組み込み装置として構成されている、請求項１に記載の表示システム。
10. 前記表示システムが、複数のセグメントを備えた仮想ブラインドとして構成されており、各セグメントが透明モードと不透明モードとの間で選択的に動作可能である、請求項９に記載の表示システム。
11. 多層インテリジェント表示システムであって、
    表示装置を備えている第１の層と、
    前記第１の層の後ろに配置されているスマート層を備えている第２の層であって、前記スマート層が選択的に不透明である、前記第２の層と、
    自身に格納されているプログラミング命令を有するメモリと、
    前記第１の層、前記第２の層、および前記メモリと通信する制御装置と、
    を備えており、
    前記多層インテリジェント表示システムが、表示モード、多層表示モード、および透明モードのそれぞれにおいて動作可能である、
    多層インテリジェント表示システム。
12. 前記第１の層と前記第２の層との間に第３の層が配置されており、前記第１の層および前記第３の層が異なるディスプレイ技術を採用している、請求項１１に記載の表示システム。
13. 前記表示システムがラミネートフィルムとして構成されている、請求項１１に記載の表示システム。
14. 前記第１の層と前記第２の層とが、保育器の少なくとも一部分を形成している、請求項１１に記載の表示システム。
15. 前記第１の層および前記第２の層の少なくとも一方が、交換窓として構成されているガラスである、請求項１１に記載の表示システム。
16. 前記第１の層と前記第２の層とが、電子機器のスクリーンプロテクタを形成している、請求項１１に記載の表示システム。
17. 前記システムが、航空機の窓に組み込まれるように構成されている、請求項１１に記載の表示システム。
18. 前記第１の層と前記第２の層との間に配置されている第３の層をさらに備えており、前記第１の層がＬＣＤであり前記第３の層がＯＬＥＤである、請求項１１に記載の表示システム。
19. 前記第１の層が、接触刺激または非接触刺激に応えて表示を提供する、請求項１１に記載の表示システム。
20. 多層インテリジェント表示システムであって、
    第１のＬＣＤ表示パネルと、
    第２のＯＬＥＤ表示パネルと、
    前記第２の表示パネルの後ろに配置されているスマートパネルと、
    前記第２の表示パネルと前記スマートパネルとの間に配置されているＬＥＤパネルと、
    前記スマートパネルの背後の周囲光を検出し、前記周囲光が所定の照度未満である場合に前記ＬＥＤパネルを起動するセンサと、
    自身に格納されているプログラミング命令を有するメモリと、
    前記第１および第２の表示パネル、前記スマートパネル、および前記メモリと通信する制御装置と、
    を備えており、
    前記多層インテリジェント表示システムが、表示モード、多層表示モード、および透明モードのそれぞれにおいて動作可能である、
    多層インテリジェント表示システム。

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