JP2020515550A - 歯科用バーニッシュのためのポリフェノール/pegベースヒドロゲル系 - Google Patents

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Abstract

歯科用治療組成物、より具体的には、効果的なフッ素添加、歯のエナメル質の再石灰化の強化、および象牙細管の閉塞による過敏症に有用な歯科用バーニッシュ組成物が本明細書で記載される。歯科用バーニッシュ組成物は、ヒドロゲル系および少なくとも1種のフッ化物源を含み、該歯科用バーニッシュは水溶性である。ヒドロゲル系は、少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノール、少なくとも1種のポリマー、および金属イオンを含む。このような歯科用バーニッシュ組成物の製造方法も本明細書で記載される。【選択図】図2

Description

本開示は一般に、歯科用治療組成物、より具体的には、効果的なフッ素添加、歯のエナメル質の再石灰化の強化、および象牙細管の閉塞による過敏症に有用な歯科用バーニッシュ組成物に関する。歯科用バーニッシュ組成物は、ヒドロゲル系および少なくとも1種のフッ化物源を含み、該歯科用バーニッシュは水溶性である。ヒドロゲル系は、少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノール、少なくとも1種のポリマー、および金属イオンを含む。本発明はまた、このような歯科用バーニッシュ組成物の製造方法も提供する。
う蝕および過敏症は、極めて一般的な2つの歯科疾患である。フッ化物などの歯科用バーニッシュは、う蝕および過敏症の両方を治療できることが知られている。フッ化物は、歯の上にCaFの保護層を形成する。その結果、酸の攻撃による、主にヒドロキシアパタイトからなる歯のエナメル質の溶解が、耐酸性のフルオロアパタイトの形成により遅らされる。フッ化物はまた、ヒドロキシアパタイトの結晶化を加速し、さらなる脱ミネラル化を防止する。
通常使われるフッ化物源は、アミノフッ化物、フッ化第一スズ、酸性フッ素リン酸、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびフッ化ナトリウムである。これらの全ては、ある種の利点および限界を有し、例えば、N’,N’−トリ−(ポリオキシエチレン)−N−ヘキサデシルプロピレンジアミン二フッ化水素酸塩;9−オクタデシルアミンフッ化水素酸塩、ヘキサデシルアミンフッ化水素酸塩およびビス−(ヒドロキシエチル)−アミノプロピル−Nヒドロキシエチルオクタデシルアミン二フッ化水素酸塩などのアミノフッ化物は、カチオン活性のために、遮蔽するのが難しい特徴的味覚を有する。しかし、たとえ低い濃度(0.001%F)であっても、極めて効果的である。他方、フッ化第一スズは、水性調製物中で安定ではなく、歯肉に対し刺激性があり、不快な金属の渋味のある味覚を有し、また、SnPOの沈着のために変色を起こす。そのため、フッ化第一スズを用いた予防用の製品は、長期間にわたって市場から完全に姿を消している。
フッ化ナトリウム(NaF)は、バーニッシュ系によく使われるフッ化物塩である。フッ化ナトリウムは、塩基性pHを有し、プラスチックまたはポリテン容器中に貯蔵される場合には、化学的に安定である。NaFは、水によく溶け、極めて高い濃度のフッ化物を素早く放出する。フッ化ナトリウムは、高度に反応性のフッ化物イオンを供給する;従って、抗う蝕の利益を得るためには、それを適合性のある研磨剤と配合することが極めて重要である。これらの材料は、歯肉に対し刺激性でなく、また、歯の変色も起こさない。
一方、酸性フッ素リン酸(APF)は、NaFから構成され、このNaFに対し酸が添加されている。フッ化物の濃度は1.23%であり、酸はオルトリン酸の形態で、pHは3.2である。これは、プラスチック容器中に貯蔵される場合には化学的に安定であり、歯に対する変色を起こさない。いずれの局所的フッ素添加剤の成功も、フッ化物イオンの、フッ化カルシウムとしてのみでなく、フルオロアパタイトとしてのエナメル質中への沈着能力に依存する。NaFと比較して、APFは、より高いフッ化物イオン濃度およびpHを低下させることにより、エナメル質上へのフルオロアパタイト沈着を効率的に刺激する。フッ化物イオン濃度の増大は、フッ化カルシウムおよびリン酸の形成に繋がり、同時に、酸の存在は、外側エナメル質表面の分解およびカルシウムおよびリン酸の放出に繋がる。両方の反応で、リン酸が形成される。リン酸濃度の増大は、反応の平衡を右側に、すなわち、フルオロアパタイトならびにヒドロキシアパタイト結晶の形成の方向に、シフトさせる。
モノフルオロリン酸ナトリウム(NaMFP)は、その他のイオン性フッ化物と異なり、共有結合フッ素添加化合物からなる;従って、これは、解離によって溶液中に入ることができない。これは、最初に、唾液およびプラーク中に存在する細菌性ホスファターゼにより加水分解される必要がある。従って、NaMFPは、NaF、SnF、アミノフッ化物などの他のイオン結合性の可溶性フッ化物塩に比べて、極めて少ないフッ化物を放出する。機構的には、イオン結合フッ化物は、フッ化物イオンの解離およびその後のフッ化カルシウムの沈着により作用し、モノフルオロリン酸イオンは、おそらく、エナメル質および象牙質中に錯イオンとして取り込まれるであろう。
練り歯磨き、フッ化物トレー、口内洗浄剤、錠剤のようなフッ化物含有製品は通常、種々の濃度および適用形態を有する局所投与用として開発されている。フッ化物のエナメル質中への取り込みは、比較的遅いプロセスであり、長い接触期間を要することから、フッ化物バーニッシュが開発され、これは通常、長期間にわたりエナメル質の直ぐ近くにフッ化物をもたらすフッ化物源を含むポリマーコーティングである。バーニッシュ法は、その他の治療法に比べて、フッ化物薬剤のエナメル質表面との長期の接触が持続放出貯蔵容器としての機能を果たす;エナメル質中に恒久的に保持されるフッ化物の量が増大する;耐酸性のフルオロアパタイト/またはフルオロヒドロキシアパタイトの形成によりう蝕の進行を防止/または遅らせる;これらは、専門的な予防法の必要なく、容易に、素早く適用可能で、大量のフッ化物への曝露を最小限にする;適用後の飲食、などの追加の利点を有する。フッ化物バーニッシュに通常使用される成分は、フッ化ナトリウム、ロジン/および合成樹脂、種々の溶媒、香味添加剤、甘味料および顔料である。
現在のバーニッシュは、う蝕および過敏症の予防に大きな成功を示したが、これらの系は、一定の制限を有する。従来のフッ化物バーニッシュは、木ロジンおよび有機溶媒により部分的に溶解される合成樹脂で作製されている。これらのロジンコーティングは疎水性で、十分なフッ化物を効果的に放出しない。さらに、ヘキサンまたはヘプタンなどの溶媒は、十分に生体適合性ではない。他の従来のフッ化物バーニッシュは、酢酸エチルまたは酢酸ブチルなどの溶媒に溶解するポリマーを含む。酢酸エチルおよび酢酸ブチルは口腔組織には過酷であり、患者はほとんど耐えられない。さらに、多くの従来のフッ化物バーニッシュは、歯上に長く持続するハードコートを残し、これは、破壊して、歯から抜き取る必要がある。さらに、多くの従来のフッ化物バーニッシュは、黄色を有する場合があり、審美的に患者に喜ばれない。フッ化ナトリウムを含む既存のバーニッシュは、水をほとんどまたは全く含まない(<5%)。しかし、フッ化ナトリウムは水に可溶性であり、従って、フッ化物は、疎水性の溶液中には不溶性であり、沈殿し、不均一な混合物を形成し、フッ化物粒子のクラスターを形成して、フッ化物の不規則的放出をもたらす。歯のエナメル質と相互作用するために、沈殿したフッ化物は、最初に、水性の唾液(これは、通常膜の表面上で利用できるフッ化物を溶解する)により溶解する必要があり、膜内に閉じ込められたフッ化物を放出することは困難であり、フッ化物の放出を遅らせるということは、重要である。放出されたフッ化物イオンが、疎水性バーニッシュ膜を通って、歯面の方向に拡散するのは極めて困難で、そのため、ほとんどが口腔中に移動することは、さらなる問題である。これは、既知製品が大量のフッ化物を放出できるが、僅かのフッ化物のみがエナメル質に到達し、従って、十分なフッ素添加に必要な高いフッ化ナトリウム濃度は、フッ素症のリスクを高めることを意味する。
上記で考察したように、既存のバーニッシュ系の問題を克服するバーニッシュ系に対する必要性が引き続き存在する。
本開示の1つの目的は、制御された接着性およびゲル化性を有する、1成分ヒドロゲル系ベースバーニッシュを提供することである。いくつかの実施形態では、最終のバーニッシュ組成物は、有機溶媒を含まない。
天然ポリフェノールのヒドロゲル系ベースバーニッシュ錯体を開発するために、少なくとも1種のポリマーおよび金属イオンを用いてヒドロゲル系を作製した。このヒドロゲル系は、架橋することに加えて、唾液水性環境中で歯のエナメル質と接触時に、歯のエナメル質表面に急速に接着する。
本開示の第1の態様では、歯科用バーニッシュ組成物中に使用するためのヒドロゲル系が開示される。ヒドロゲル系は、(a)少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノール、(b)前記ポリフェノールと水素結合を形成できる官能基を含む少なくとも1種のポリマー、および(c)金属イオンを含む。
本開示の一実施形態では、ヒドロゲル系は、架橋膜を形成でき、同時に、歯のエナメル質表面に接着できる。
本開示の第2の態様では、ヒドロゲル系および少なくとも1種のフッ化物源を含む歯科用バーニッシュ組成物が本明細書で記載され、該ヒドロゲル系は、(a)少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノール、(b)前記ポリフェノールと水素結合を形成できる官能基を含む少なくとも1種のポリマー、および(c)金属イオン源を含む。この歯科用バーニッシュは水溶性である。
歯科用バーニッシュ組成物の一実施形態では、少なくとも1種のポリフェノールは、リスベラトロール、タンニン酸、没食子酸、イソフラボン、フラボノール、フラボン、イソフラボノン、フラバノン、ヒドロキシケイ皮酸、トコフェロール、アントシアニジン、プロシアニジン、カテキンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
歯科用バーニッシュ組成物の別の実施形態では、少なくとも1種のポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)、ポリアクリロニトリル、ポリオキサゾリン、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVPON)、ポリ(2−アルキル−2−オキサゾリン)s、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリビニルアルコール、プルロニック、ポリアクリル酸、ポリメチルメタアクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリ(ビニルアミン)塩酸塩、ポリ(L−リシン臭化水素酸塩)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(N−メチルビニルアミン)、ポリ(エチレングリコール)ビス(2−アミノエチル)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(2−ビニル−1−メチルピリジニウムブロミド)、ポリ(N−エテニルホルムアミド)、ポリアクリルアミド(PAM)、キトサン、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−ブチル)、ポリ(アクリル酸tert−ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−デシル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル)、ポリ(アクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸オクタデシル)、ポリ(メタクリル酸イソプロピル)、ポリ(β−アミノエステル)、ポリエステル、ポリカルボフィル、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、ポリメタクリルアミド、ポリアニリン、ポリ(2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド)、ポリ(リシン)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(乳酸)、ポリ(塩化アクリル)、ポリ(エチレングリコール)2−メルカプトエチルエーテル酢酸、およびこれらの混合物からなる群より選択される。
歯科用バーニッシュ組成物の別の実施形態では、金属イオン源には、二価または三価の金属イオン源、およびこれらの混合物が挙げられる。
歯科用バーニッシュ組成物の一実施形態では、少なくとも1種のフッ化物源は、フッ化アルミニウム、フッ化インジウム、フッ化第一スズ、フッ化チタン、フッ化アミン、フッ化ナトリウム、ケイフッ化水素酸塩、フルオロケイ酸ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ジナトリウム、酸性フッ素リン酸、フッ化カリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
歯科用バーニッシュ組成物の別の実施形態では、ヒドロゲル系は、バーニッシュ組成物の歯面への接着の増強を促進する。
本開示の第3の態様では、歯科用バーニッシュ組成物の作製方法が開示され、前記方法は、(a)少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノールを溶媒に溶解し、ポリフェノール溶液を形成すること、(b)該ポリフェノール溶液に酸化防止剤および金属イオン源を添加すること、(c)該ポリフェノール溶液をポリマー溶液と混合して、ヒドロゲル系を作製すること、(d)ヒドロゲル系から溶媒を除去すること、および(e)ヒドロゲル系とフッ化物源を混合して歯科用バーニッシュを形成すること、を含む。
本開示のヒドロゲル系ベースバーニッシュは、驚くべきことに、フッ化物の遙かに良好な溶解およびエナメル質へのより高い取り込み、ならびに効果的なフッ素添加および歯のエナメル質の再石灰化の増強を示した。本ヒドロゲル系ベースバーニッシュは、既存のバーニッシュに勝るいくつかの利点、例えば、毒性の有機溶媒の代わりに、生理学的pHで緩衝水溶液中への溶解性がある;塩基性ポリマー系のバーニッシュは、合成ポリマー樹脂ベースではなく、天然由来で、高い生体適合性/および生理活性を有する;水性環境中でのエナメル質表面に接触時に、バーニッシュはエナメル質に急速に接着/架橋する;バーニッシュの適用前に、歯面を乾燥する必要性がない;低粘度により、バーニッシュ成分のエナメル質および虫歯へのより高い取り込みを可能とする;バーニッシュ中のフッ化物は低濃度でなければならない、などの利点を提供することがさらに予測される。
さらに、本開示のヒドロゲル系を含む歯科用バーニッシュ組成物は、象牙細管の閉塞に有用であり得る。
他の態様は、以下の説明で記載され、部分的には、その説明から明らかとなり、または、本開示を実施することによって知ることが可能となるであろう。
上記の態様、ならびに本開示のその他の態様、特徴、および利点は、添付する図面を参照しながら、種々の実施形態に関連して以下で記載される。
同種間接着および異種間接着のための単一成分ポリマー系を示す図である。 同種間接着および異種間接着のためのタンニン酸/没食子酸/金属イオン/PEGベース錯体を示す図である。 タンニン酸/没食子酸/金属イオン/PEGベースヒドロゲル系の湿潤および乾燥牛歯に対し実施した接着性試験を示す図である。 タンニン酸/没食子酸/金属イオン/PEGベース錯体のpH滴定を示す図である。 フッ化第一スズおよびフッ化ナトリウムの両方を含むバーニッシュの、湿潤牛歯に対する接着性;マスタードおよびウコンで染色したことを示す図である。 TA/GA/PEG系の合成を示す図である。 タンニン酸/没食子酸/金属イオン/PEGベースヒドロゲル系によるカルシウム吸収を示す図である。 SEM:象牙細管の閉塞を示す図である。
本開示で使用されるいくつかの用語が以下で定義される。
本明細書で使用される場合、「歯科用バーニッシュ」という用語は、フッ化物療法のために歯面に対し局所的に適用される組成物を含む。通常、歯科用バーニッシュは、高濃度のフッ化物を含む。
本明細書で使用される場合、「歯牙構造」および「歯面」という用語は、フッ化物が吸収または結合され得る、個体の歯の任意の部分を意味する。従って、歯牙構造および歯面には、限定されないが、歯のエナメル質、初期エナメル質病変、エナメル質中のヒドロキシアパタイト、象牙質、およびセメント質が含まれる。
本明細書で使用される場合、「ヒドロゲル系」という用語は、物理的または化学的に架橋した、高含水量のポリマーネットワークを意味する。
本明細書で使用される場合、「再石灰化」という用語は、カルシウムおよびリン酸イオンの脱灰された歯のエナメル質への結晶化を意味する。
本明細書で開示されるのは、ヒドロゲル系、ヒドロゲル系を含む歯科用バーニッシュ組成物、ならびに効果的なフッ素添加および歯のエナメル質の再石灰化の強化、象牙細管の閉塞および歯垢バイオフィルムの抑制のための歯科用バーニッシュ組成物の使用方法である。
ヒドロゲル系
水溶性バーニッシュ系を開発するために、水溶性ポリマーまたはヒドロゲル系は、架橋膜(すなわち、それ自身と接着性である)を形成する必要があり、同時に、バーニッシュがエナメル質と接触する際には、濡れたまたは湿潤条件下であっても、生理学的pHおよび温度下で、歯のエナメル質表面に接着する必要がある。これは全て、図1に示されるような、患者の口内で認められる生理学的および天然の条件下で行われる。
天然では、予想外の接着の特徴を有する多くの天然物質が存在する。天然で見出される接着剤の一例は、ムール貝により使用される岩および石に接着するための接着タンパク質である。したがって、歯科用途に好適する新規ヒドロゲル系を設計するために、天然で利用可能な、少なくとも1つのフェノール基を有するポリフェノール分子/ポリマー/金属イオン錯体ベースのポリマー錯体を開発した。
本開示の第1の態様では、歯科用バーニッシュに使用するためのヒドロゲル系が提供され、該ヒドロゲル系は、(a)少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノール、(b)前記ポリフェノールと水素結合を形成できる官能基を含む少なくとも1種のポリマー、および(c)金属イオンを含む。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリフェノールは、リスベラトロール、タンニン酸、没食子酸、イソフラボン、フラボノール、フラボン、イソフラボノン、フラバノン、ヒドロキシケイ皮酸、トコフェロール、アントシアニジン、プロシアニジン、カテキンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリフェノールは、カテコール、ピロガロールおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されるフェノール基を含む。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノールは、タンニン酸(TA)および/または没食子酸(GA)を含む。
ムール貝接着タンパク質と同様に、タンニン酸および没食子酸は、天然の産物として利用可能なポリフェノール分子である。タンニン酸および没食子酸中の安息香酸のメタおよびパラ位置のジ−およびトリ−ヒドロキシル官能基の存在は、限定されないが、静電気的結合、水素結合、および疎水性相互作用を含む、種々の基質に対する高い結合親和性を促進する。
タンニン酸および没食子酸中のピロガロール基は、2つの異なる手法により、機能性ポリマー接着剤を形成できる。第1の手法は、ポリマーの水溶液との分子間水素結合による3次元ネットワークの形成であり、第2の手法は、金属イオンの水溶液との堅牢で可逆的な錯体の形成による、タンニン酸および没食子酸のピロガロール基と、少なくとも1つの金属イオンとの強力な架橋である。我々の系では、図2に示すように、ヒドロゲル形成の両方の手法を1つの系中で組み合わせて、ヒドロゲルバーニッシュを形成する。PEG/TA/GA/金属イオンの相対濃度、pH、PEGの末端官能基、PEGのアーム数は、バーニッシュの異種間接着性および同種間接着性を調節する因子である。
異種間接着性の分子的機序は、金属酸化物の可逆的配位、種々の合成ポリマーとのπ−π相互作用、および任意の表面への不可逆的共有結合である。同種間接着機能の場合、カテコールは、カテコールおよびピロガロール/ガロール−キノン転移によるpH依存性酸化的反応を受ける。したがって、タンニン酸は、外部環境に応じて、異種間接着材料および同種間接着材料の両方として機能し得る、ヒドロゲル系の設計のための合理的な候補である。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、ヒドロゲル系は、ポリフェノールと水素結合を形成できる官能基を有するポリマーを含み得る。
この官能基は、ヒドロキシ、アミン、チオール、カルボキシル、カルボニル、エステル、イミン、アミド、ニトリルまたは当業者により理解され得るような、ポリフェノールと水素結合を形成できる任意の好適な官能基であってよい。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、ヒドロキシル基を有する少なくとも1種のポリマーは、ポリエチレングリコールまたはポリビニルアルコールである。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリマーには、アミノ基が含まれ、このようなポリマーには、限定されないが、ポリ(ビニルアミン)塩酸塩、ポリ(L−リシン臭化水素酸塩)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(N−メチルビニルアミン)、ポリ(エチレングリコール)ビス(2−アミノエチル)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(2−アルキル−2−オキサゾリン)s、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、またはポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)が挙げられる。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、アミド基を有する少なくとも1種のポリマーには、限定されないが、ポリ(N−エテニルホルムアミド)、ポリアクリルアミド(PAM)、またはポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、ポリメタクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、およびナイロンが挙げられる。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリマーは、イミン基を有してよく、例えば、ポリエチレンイミンであってよい。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリマーは、ニトリル基を有してよく、例えば、ポリアクリロニトリルであってよい。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリマーは、チオール基を有してよく、例えば、ポリ(エチレングリコール)2−メルカプトエチルエーテル酢酸であってよい。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリマーは、カルボキシ基を有してよく、例えば、該ポリマーは、限定されないが、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリル酸)、ポリ(乳酸)、およびポリカルボフィルであってよい。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、エステル基を有する少なくとも1種のポリマーには、限定されないが、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−ブチル)、ポリ(アクリル酸tert−ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−デシル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル)、ポリ(アクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸オクタデシル)、ポリ(メタクリル酸イソプロピル)、ポリ(β−アミノエステル)、およびポリエステルが挙げられる。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリマーは、ナイロン、プルラン、ジェランガム、ヒアルロン酸、デンプン、セルロース、キトサン、キチン、キサンタンガム、グアーガム、デキストラン、アルギネート、コラーゲン、ゼラチン、リグニン、炭水化物、絹、タンパク質、ペプチド、およびDNAなどの高分子であってよい。
さらなる実施形態では、ポリマーは、ポリエチレンギルコール、ポリエチレンイミン、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)、ポリオキサゾリン、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVPON)、ポリ(2−アルキル−2−オキサゾリン)s、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、プルラン、ジェランガム、ヒアルロン酸およびこれらの混合物から選択される。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、金属イオン源には、二価、三価の金属イオン源、およびこれらの混合物が挙げられる。
金属イオン源に対し特定の制限はないことは理解されよう。
好適な二価イオン源の例には、限定されないが、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、スズ、ストロンチウム、クロム、マンガン、ベリリウム、バリウム、コバルト、ニッケル、鉛および銅の塩が挙げられる。しかし、塩は通常、塩化カルシウム、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、塩化亜鉛、などからなる群より選択される。
好適な三価イオン源の例には、限定されないが、アルミニウム、鉄、クロム、ビスマス、マンガン、コバルトおよびインジウムの塩が挙げられる。しかし、塩は通常、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化鉄、酸化鉄、およびフッ化インジウム、などからなる群より選択される。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、ヒドロゲル系は、酸化防止剤をさらに含む。
酸化防止剤は、ホウ酸、アスコルビン酸、ホウ砂、テトラホウ酸ナトリウム、4,4’−ビフェニルジボロン酸、ベンゼン−1,4−ジボロン酸、2,5−チオフェンジイルジボロン酸、二酸化硫黄、尿酸、トコフェロールおよびこれらの混合物からなる群から選択されてよい。
本明細書で開示のヒドロゲル系の特定の実施形態では、ヒドロゲル系は、溶媒をさらに含む。
溶媒は、水、エチルアルコール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸イソアミル、ヘキサン、ヘプタン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
また、ヒドロゲル系の形成方法も本明細書で開示される。
本開示のヒドロゲル系は、下記により作製し得る。
(a)少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノールを溶媒中で溶解し、ポリフェノール溶液を形成すること;
(b)金属イオン源、および必要に応じ、酸化防止剤をポリフェノール溶液に添加すること;
(c)ポリフェノール溶液をポリマー溶液と混合し、ヒドロゲル系を作製すること;
(d)ヒドロゲル系から溶媒を除去すること。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、少なくとも1種のポリフェノールは、リスベラトロール、タンニン酸、没食子酸、イソフラボン、フラボノール、フラボン、イソフラボノン、フラバノン、ヒドロキシケイ皮酸、トコフェロール、アントシアニジン、プロシアニジン、カテキンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノールは、タンニン酸および/または没食子酸を含む。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、タンニン酸および没食子酸は、水、エチルアルコール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸イソアミル、ヘキサン、ヘプタン、およびこれらの混合物からなる群から選択される溶媒に溶解される。いくつかの実施形態では、溶媒はエタノールである。
溶媒は、ヒドロゲル系中で、出発反応混合物の総体積を基準にして、約0%〜約100%、例えば、約5%〜約50%、または約5%〜約10%の量で存在してよい。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、タンニン酸は、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、0.005g/ml〜2.8g/mlの濃度、例えば、0.01g/ml〜2g/mlの範囲、または0.1g/ml〜0.5g/mlの範囲の濃度で存在する。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、没食子酸は、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、0.005g/ml〜0.175g/mlの濃度、例えば、0.01g/ml〜0.1g/mlの範囲、または0.02g/ml〜0.0g/mlの範囲の濃度で存在する。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、金属イオン源には、二価、三価の金属イオン源、およびこれらの混合物が挙げられる。
金属イオン源に対し特定の制限はないことは理解されよう。
好適な二価イオン源の例には、限定されないが、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、スズ、ストロンチウム、クロム、マンガン、ベリリウム、バリウム、コバルト、ニッケル、鉛および銅の塩が挙げられる。
好適な三価イオン源の例には、限定されないが、アルミニウム、鉄、クロム、ビスマス、マンガン、コバルトおよびインジウムの塩が挙げられる。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、金属イオン源は、塩化アルミニウムであってよい。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、金属イオン源は、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、0g/ml〜1.0g/mlの濃度、例えば、0.01g/ml〜0.5g/mlの範囲、または0.05g/ml〜0.1g/mlの範囲の濃度で存在する。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、ヒドロゲル系は、酸化防止剤をさらに含む。
酸化防止剤は、ホウ酸、アスコルビン酸、ホウ砂、テトラホウ酸ナトリウム、4,4’−ビフェニルジボロン酸、ベンゼン−1,4−ジボロン酸、2,5−チオフェンジイルビスボロン酸、二酸化硫黄、尿酸、トコフェロールおよびこれらの混合物からなる群から選択されてよい。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、酸化防止剤は、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、0.01〜10重量%の濃度、例えば、総バーニッシュの0.05〜5重量%の範囲、または0.1〜1重量%の範囲の濃度で添加してもよい。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)、ポリアクリロニトリル、ポリオキサゾリン、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVPON)、ポリ(2−アルキル−2−オキサゾリン)s、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリビニルアルコール、プルロニック、ポリアクリル酸、ポリメチルメタアクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリ(ビニルアミン)塩酸塩、ポリ(L−リシン臭化水素酸塩)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(N−メチルビニルアミン)、ポリ(エチレングリコール)ビス(2−アミノエチル)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(2−ビニル−1−メチルピリジニウムブロミド)、ポリ(N−エテニルホルムアミド)、ポリアクリルアミド(PAM)、キトサン、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−ブチル)、ポリ(アクリル酸tert−ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−デシル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル)、ポリ(アクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸オクタデシル)、ポリ(メタクリル酸イソプロピル)、ポリ(β−アミノエステル)、ポリエステル、ポリカルボフィル、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、ポリメタクリルアミド、ポリアニリン、ポリ(2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド)、ポリ(リシン)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(乳酸)、ポリ(塩化アクリル)、ポリ(エチレングリコール)2−メルカプトエチルエーテル酢酸、およびこれらの混合物からなる群より選択される。
さらなる実施形態では、ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)、ポリオキサゾリン、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVPON)、ポリ(2−アルキル−2−オキサゾリン)s、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、プルラン、ジェランガム、ヒアルロン酸およびこれらの混合物から選択される。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、ポリマーは、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、0.01g/ml〜1.0g/mlの濃度範囲、例えば、0.01g/ml〜0.5g/mlの濃度範囲、または0.1g/ml〜0.5g/mlの濃度範囲で存在する。
ヒドロゲル系を作製する方法の特定の実施形態では、得られたヒドロゲル系を遠心分離して、ヒドロゲル系から溶媒が除去された。
歯科用バーニッシュ組成物
本開示の別の態様では、ヒドロゲル系および少なくとも1種のフッ化物源を含む歯科用バーニッシュ組成物が提供される。この歯科用バーニッシュは水溶性である。本明細書で開示の歯科用バーニッシュは、有機溶媒を含まない。
上記で考察したように、ヒドロゲル系は、少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノール;前記ポリフェノールと水素結合を形成できる官能基を含む少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種のポリマー、および金属イオン源を含む。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、ヒドロゲル系は、組成物の総重量を基準にして、約5重量%〜約95重量%の濃度、例えば、約7重量%〜約75重量%の範囲または約10重量%〜約50重量%の範囲の濃度で存在する。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、フッ化物源には、限定されないが、フッ化アルミニウム、フッ化インジウム、フッ化第一スズ、フッ化チタン、フッ化アミン、フッ化ナトリウム、ケイフッ化水素酸塩、フルオロケイ酸ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ジナトリウム、酸性フッ素リン酸、フッ化カリウム、フッ化ビスマス、四フッ化ジルコニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸、ジフルオロシランおよびこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、フッ化アミンは、N’,N’−トリ−(ポリオキシエチレン)−N−ヘキサデシルプロピレンジアミン二フッ化水素酸塩;9−オクタデシルアミンフッ化水素酸塩、ヘキサデシルアミンフッ化水素酸塩およびビス−(ヒドロキシエチル)−アミノプロピル−N−ヒドロキシエチルオクタデシルアミン二フッ化水素酸塩、オラフルール、フッ化アミン、およびデクタフルールからなる群より選択される。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、フッ化物源には、フッ化第一スズとフッ化ナトリウムの組み合わせが含まれる。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、フッ化物源は、組成物の総重量を基準にして、約0.01重量%〜約10重量%の濃度、例えば、約1重量%〜約8重量%の範囲または約2重量%〜約7重量%の範囲の濃度で存在する。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、歯科用バーニッシュは、1,000ppm〜30,000ppmの範囲の濃度のフッ化物イオンを放出する。
フッ化物イオン源は、組成物中で高レベルのフッ化物イオン、すなわち、少なくとも約1,000ppm、いくつかの事例では、最大30,000ppmもの多く、例えば、約7,000ppm〜約27,000ppm、約15,000ppm〜約25,000ppm、または約22,000または約23,000ppmを提供できるような量であってよい。最適ppm範囲でこのような濃度を提供するために、組成物中のフッ化物イオン源の正確な重量パーセントは、異なるフッ化物イオン源の化学量論的特性に応じて、変化してもよい。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、歯科用バーニッシュは、少なくとも1種の再石灰化剤、香味添加剤、増粘剤、甘味料、酸化剤またはこれらの組み合わせをさらに含み得る。
再石灰化剤の例には、限定されないが、生理活性ガラス、リン酸化ショ糖カルシウム、キシリトール、ナノヒドロキシアパタイト、カゼインリンペプチド−−非晶質リン酸カルシウム(CPP−ACP)、およびリンケイ酸カルシウムナトリウムが挙げられる。歯科用バーニッシュ中の再石灰化剤の量は通常、少なくとも約0.01重量%が含まれ、通常は50重量%以下、例えば、0.02重量%〜10重量%の範囲の再石灰化剤である。
香味添加剤の例には、限定されないが、ペパーミント、スイカ、冬緑油、スペアミント、サクランボ、クエン酸、オレンジ、ストロベリー、バニラ、ココナツ、風船ガム香味料およびこれらの混合物が挙げられる。このような調味添加剤は、歯科用バーニッシュ中に、約0.01重量%〜約5重量%の量、例えば、約0.1重量%〜約4重量%または約0.7重量%〜約3重量%の量で存在してよい。
増粘剤の例には、限定されないが、歯科用バーニッシュ中に、組成物の総重量を基準にして、0.1重量%〜約10重量%、例えば、0.5重量%〜約8重量%または約1重量%〜約5重量%の量で存在する、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、カラヤ、アラビアゴムおよびトラガント、ケイ酸アルミニウムマグネシウムが挙げられる。
甘味料の例には、限定されないが、キシリトール、ソルビトール、スクラロース、アスパルテーム、ナトリウムサッカリン、およびこれらの混合物が挙げられる。このような甘味料は、歯科用バーニッシュ中に、約0.01重量%〜約2重量%の量、例えば、約0.05重量%〜約1.5重量%または約0.08重量%〜約1重量%の量で存在してよい。
酸化防止剤の例には、限定されないが、ホウ酸、アスコルビン酸、ホウ砂、テトラホウ酸ナトリウム、4,4’−ビフェニルジボロン酸、ベンゼン−1,4−ジボロン酸、2,5−チオフェンジイルビスボロン酸、二酸化硫黄、尿酸、トコフェロールおよびこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、酸化物は、歯科用バーニッシュ中に、約0重量%〜約2重量%の量、例えば、約0.01重量%〜約1重量%または約0.08重量%〜約1重量%の量で存在してよい。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、組成物のpHは、pH1〜pH8の範囲、例えば、2〜6の範囲または3〜5の範囲である。
また、本明細書で開示されるのは、歯科用バーニッシュの作製方法である。
本開示の歯科用バーニッシュは、一般に下記により作製し得る。
(a)少なくとも1つのフェノールを有する少なくとも1種のポリフェノールを溶媒中で溶解し、ポリフェノール溶液を形成すること;
(b)酸化防止剤および金属イオン源をポリフェノール溶液に添加すること;
(c)ポリフェノール溶液をポリマー溶液と混合し、ヒドロゲル系を作製すること;
(d)ヒドロゲル系から溶媒を除去すること;および
(e)ヒドロゲル系をフッ化物源と混合し、歯科用バーニッシュを形成すること。
歯科用バーニッシュを作製する方法の特定の実施形態では、ポリフェノールは、歯科用バーニッシュ中に、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.01ミリモル/ml〜約50ミリモル/mlの量、例えば、約0.05ミリモル/ml〜約25ミリモル/mlの量または約0.10ミリモル/ml〜約10ミリモル/mlの量で存在してよい。
歯科用バーニッシュを作製する方法の特定の実施形態では、酸化防止剤は、歯科用バーニッシュ中に、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.003ミリモル/ml〜約20ミリモル/mlの量、例えば、約0.015ミリモル/ml〜約10ミリモル/mlの量または約0.03ミリモル/ml〜約3ミリモル/mlの量で存在してよい。
歯科用バーニッシュを作製する方法の特定の実施形態では、金属イオン源は、歯科用バーニッシュ中に、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.005ミリモル/ml〜約25ミリモル/mlの量、例えば、約0.01ミリモル/ml〜約5ミリモル/mlの量または約0.05ミリモル/ml〜約2ミリモル/mlの量で存在してよい。
歯科用バーニッシュを作製する方法の特定の実施形態では、ポリマーは、歯科用バーニッシュ中に、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.001ミリモル/ml〜約50ミリモル/mlの量、例えば、約0.01ミリモル/ml〜約10ミリモル/mlの量または約0.010ミリモル/ml〜約1.0ミリモル/mlの量で存在してよい。
歯科用バーニッシュを作製する方法の特定の実施形態では、フッ化物源は、ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.01ミリモル/ml〜約5ミリモル/mlの量、例えば、約0.005ミリモル/ml〜約2.5ミリモル/mlの量または約0.001ミリモル/ml〜約1.0ミリモル/mlの量でヒドロゲル系に添加される。
特性/使用
TAおよびGA上のピロガロール基はまた、Ca2+イオンに対し強い親和性を有する。この強い親和性は、唾液Ca2+イオンを捕捉することにより、エナメル質および象牙細管中のHAp結晶形成を加速する可能性がある。象牙細管中のGA/金属イオン錯体は、唾液の存在下でHApの再石灰化をもたらし、人工唾液中で7日間の浸漬後、高度の規則性および均一性を有する緻密に充填されたHAp結晶を生ずる。PEG/TA/GA金属イオンの相対濃度、pH、PEGの末端官能基、PEGのアーム数は、ヒドロゲルバーニッシュの異種間接着性および同種間接着性を調節する因子である。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、ヒドロゲル系は、バーニッシュ組成物の歯面への接着の増強を促進した。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、ヒドロゲル系は、歯面のインサイツ再石灰化を促進した。
本明細書で開示の歯科用バーニッシュ組成物の特定の実施形態では、ヒドロゲル系は、象牙細管の閉塞を促進した。
TA/GA/PEGおよびTA/GA/金属イオン錯体の組み合わせ系は、効力の高い系であり得、これは、調整可能な同種接着性および異種接着性を有する極めて高速な反応性の歯科用バーニッシュポリマー系を設計するために使用できる。さらに、本明細書で記載のヒドロゲルベース歯科用バーニッシュは、低コスト、摂取後であっても非毒性、使用の容易さ、抗酸化防止性、抗変異誘発性、抗発がん性、および抗菌性などの多くの利点を有する。
ここで考察した開示は、次の実施例で記載された組成物によりさらに例示されるが、これらの実施例は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例
1.TA/GA/PEG/金属ベースバーニッシュ配合物の合成:
最初に、タンニン酸および没食子酸含有溶液(TA/GA溶液)を作製した。タンニン酸(0〜3.00g)および没食子酸(0〜7.00g)を秤量し、約15mlのエタノール中に溶解した。完全溶解後、約35mlの脱イオン水、ならびに(0〜600mg)の塩化アルミニウム(金属三価イオン)および(0〜500mg)のホウ酸をその溶液に加えた。別の容器で、ポリエチレングリコール(PEG)(1000〜10000Da MWCO)を、約3.00gのPEGを約50mLの脱イオン水中に溶解することにより、脱イオン水で作製した。その後、TA/GA溶液およびPEG溶液を完全に混合し、溶媒を約2000rpmで約5分間の遠心分離により除去し、ヒドロゲル系を収集した。最終的な色および接着性は、没食子酸/タンニン酸/PEG/塩化アルミニウムの相対比、pH、PEGの末端官能基、PEGアーム数に依存する。
TA−PEGベースバーニッシュの種々の配合物を図6の表および写真に示すように合成した。
性能試験:
TA−PEGの合成中のTiOを混合後、(V1)バーニッシュ配合物を用いてフッ化物放出および接着性を試験した。
フッ化物放出:フッ化物放出の前に、約5重量%のNaFをTA−PEG(v1)と混合し、約22600ppmのフッ化物を得て、フッ化物放出および総フッ化物試験を実施した。
結果:TA−PEG(V1)からの放出フッ化物は、従来のバーニッシュからの放出フッ化物(12000ppm)に比べて、比較的多かった(19000ppm)。
牛歯への接着:作製した配合物を用いて、湿潤および乾燥牛歯試験で接着試験を実施した。その後、バーニッシュコート歯を水中、37℃で約2時間インキュベートした。結果は、湿潤歯では45%の接着性および乾燥歯ではさらに高い接着性を示した。結果を下表1に示す。
Figure 2020515550
さらなる試験を完了したが、この試験では、図3に示した同じTA−PEG(V1)配合物に三価の(AlCl)の添加およびpHを高めることにより接着性がさらに改善された。
減色実験:次に、約12kDaではなく、約100kDaの高分子量PEGを用いてバーニッシュを合成した。理由は、より高分子量のものが多量の没食子酸の沈殿を生じたためである。100kDaのPEGを用いて、没食子酸および三価のイオン(塩化アルミニウム)を反応させ、図4(最上段の行、左の試料)に示すように白色のバーニッシュが生成した。しかし、ある程度の量のTAは、最終バーニッシュ配合物の接着性および粘度に対しては適している。したがって、下表2に示すように、いくつかの配合物を、TAを増大させることにより合成した。
Figure 2020515550
pH滴定:形成されたバーニッシュのpHは約2であったので、最終バーニッシュ配合物の色に影響を与えることなくpHを上げることが必要であった。その後、pH滴定を実施した。最初に、合成中にpHを上げたが、PEGと没食子酸/タンニン酸との間の限られた水素結合により、ヒドロゲル錯体は形成されなかった。その後、表に記載のように、種々の組成のバーニッシュの合成後、pHを順次上げ、発色が観察された。図4は、バーニッシュの色に顕著に影響を与えることなく、pHを約5〜6まで上げることができることを明確に示している。約50mgまでのバーニッシュ中のTAも、pH4〜5で顕著な色の褐変を起こさなかった。
改善された接着性、フッ化物放出およびフッ化物取り込みを有するTA/GA/PEG/金属ベースバーニッシュ配合物の合成:
没食子酸(約3g)を約15mLのエタノールおよび約35mLの脱イオン水に溶解し、タンニン酸(約5g)をホウ酸(約500mg)と共に約50mLの脱イオン水に溶解した。ポリエチレングリコール(12000Da、約1.5g)およびポリエチレングリコール(20000Da、約1.5g)を、50mLの脱イオン水中に別々に溶解し、ポリエチレングリコール(100000Da、約3g)を50mLの脱イオン水に溶解した。その後、約9mLのPEG(12000、および20000Da)を、約1mLのPEG(100000Da)溶液と混合した。続けて、約30mLのGA溶液を、約50〜100mgのAlClおよび50mgのアスコルビン酸塩を含む約5〜10mLのTA溶液と混合し、pHを約4〜4.5に調節し、PEG溶液(12000、20000、および100000Da)を加えた。約3000rpmで約5分間遠心分離することにより、最終ヒドロゲル系を収集した。
この手順を用いて、接着性を改善した2種のバーニッシュ配合物を作製した。配合物(1)には、約5mLのTA溶液、約50mgのAlClを含め、配合物(2)には、約10mLのTA溶液および約100mgのAlClを含めた。これらの配合物の両方について、フッ化物放出および接着性試験をした。
接着性:
SOP PDTM−039 Rev.1に記載のように、バーニッシュを湿潤牛歯に適用し、人工の唾液中、約34℃で約2時間インキュベートした。その後、歯をウコン粉末含有マスタードで染色した。
Figure 2020515550
図5および表3に示され、ウコン含有マスタードソースによる染色で確認されるように、低濃度のTA配合物1は約48%の歯に対する接着を維持し、より高濃度のTA配合物2は約90%の歯に対する接着を維持した。
フッ化物放出:
次に、下表4に示すように、両バーニッシュ配合物に対してフッ化物放出および総フッ化物試験を実施した。
Figure 2020515550
2つの試験で予測されるように、フッ化物放出は、従来のバーニッシュからの放出のほぼ2倍であった。
エナメル質によるフッ化物取り込み:
フッ化物取り込みの実験のために、メチルメタクリレートを用いて、健全なウシ切歯エナメル質をプレキシガラスロッド(1/4”直径x2”長さ)の末端に埋め込んだ。
その後、リン酸カルシウム溶液で50%飽和した、約0.1Mの乳酸/0.2%カーボポール907(pH約5.0)中、ほぼ室温で約24時間浸漬することにより、それらの中に人工の初期病変を形成した。
全て(健全および病変)の供試体を約37℃に予備加熱した。その後、バーニッシュを適用し、薄層により供試体が被覆された。37℃で約1分後、全ての供試体を空気乾燥し、再度秤量して、それぞれに対し使用されたバーニッシュの量を測定した。どの試験バーニッシュも、強制的に除去されることはなかった。これらの重量に基づいて、バーニッシュ量をバランスする(±10%)ように試行がなされた。より低い重量のものに対し、より多くのバーニッシュが添加することができたが、より高重量のものからバーニッシュを除去することは行わなかった。バーニッシュ付与領域に極めて近くであり得る口腔内病変領域に対する効果を模擬するために、1つの病変供試体(ロッド中の)を、バーニッシュで被覆した健全な供試体を有するロッドに並べて取り付けた。口腔中での自然のバーニッシュの除去を刺激するために、次に、それぞれの供試体対を人工のムチン含有唾液(約10ml)中に、一定の軽い撹拌(約130rpm)をしながら、約5分間浸漬した。約5分後に、供試体を新しい人工の唾液中に置いた。フッ化物のバーニッシュからの放出とそれに続く嚥下を模倣するために、最初の約4時間の浸漬で、人工の唾液を頻繁に交換した。そして、再度、約15および約30分で、および約1および約4時間で、新しい人工のムチン含有唾液中に入れた。約4時間の新しい唾液の交換後、人工の唾液中でさらに約20時間保持した。供試体は、総計約24時間にわたり、人工の唾液中に存在した。ほぼ室温で、一定の軽い撹拌(約130rpm)を行いながら約24時間(総計)後、任意の目立つバーニッシュを健全な供試体の表面からブラシで払い落とすかまたは削り落とした。KOH浸漬は行わなかった。全ての供試体(健全および病変)を脱イオン水でよく濯いだ。その後、約0.5mlの約1.0NのHClO中に約15秒間浸漬することにより、エナメル質の1つの層を各供試体(健全および病変)から除去した。次に、各エッチング溶液の試料を、TISABを用いてpH約5.2に緩衝し(0.25mlの試料、0.5mlのTISABおよびお0.25mlの1N NaOH)、同様に作製した検量線(1mlのstdおよび1mlのTISAB)と比較して、フッ化物含量を決定した。
結果:24時間では、タンニン酸/没食子酸/PEGベースヒドロゲルバーニッシュは、病変エナメル質中への1000ppmのフッ化物取り込みおよび健全なエナメル質中への5500ppmのフッ化物取り込みを行わせた。
再石灰化:ヒドロゲル系配合物によるカルシウム吸収
タンニン酸および没食子酸のカテコール/ピロガロール部分は、口内唾液からのカルシウムおよびリン酸イオンの共沈を介したヒドロキシアパタイト形成により歯再石灰化を加速し得るカルシウムを含む種々の金属イオンに強く結合する。現在、市場に存在するバーニッシュ系は、インサイツ生物模倣型再石灰化の機能を有していない。タンニン酸/没食子酸/ポリマー/金属イオンベースヒドロゲルバーニッシュ系は、迅速なフッ化物放出および取り込みの機能を有するのみでなく、周囲の唾液からのカルシウムの吸収によるインサイツ生物模倣型再石灰化も促進する。
ヒドロゲル系配合物は、下記のように作製された。
最初に、タンニン酸および没食子酸含有溶液(TA/GA溶液)を作製した。タンニン酸(4.00g)および没食子酸(7.0g)を秤量し、40mlのエタノールに溶解し、完全な溶解後、60mLの脱イオン水および300mgの塩化アルミニウム(金属三価イオン)をその溶液に加えた。別々の容器中に、ポリエチレングリコール(PEG)(4000Da、1.5g)およびポリエチレングリコール(PEG)(12000Da、1.5g)の100mLの脱イオン水中混合物を作製した。その後、TA/GA溶液およびPEG溶液を完全に混合し、3000rpmで5分間の遠心分離により溶媒を除去し、沈殿物を集めて、カルシウム吸収実験に使用した。
作製したヒドロゲル系配合物をスライドガラスに適用し、ヒドロゲル系配合物適用スライドガラスを25mMの塩化カルシウム溶液中で30分間インキュベートした。さらに、対照として、スライドガラスに適用したヒドロゲル系配合物を、脱イオン水中で30分間インキュベートした。
結果:CaCl不含脱イオン水中インキュベーションでは、ヒドロゲル系配合物適用スライドガラスは透明であったが、ヒドロゲル系配合物適用スライドガラスは、25mMのCaCl含有脱イオン水中でスライドガラスをインキュベート時に白っぽい色になり、これは、CaCl溶液浸漬ヒドロゲル系配合物によるCaClの吸収を明確に示した(図7)。
2.象牙細管の閉塞
牛歯を使用し、走査電子顕微鏡を用いて象牙細管の閉塞を試験した。処理供試体の状態にするために、脱イオン水を用いた手順に従って、試料を作製した。試験象牙質基材を作製し、チモール溶液中、5℃で貯蔵した。基材を光学顕微鏡を用いて、200xで検査し、象牙細管が可視性であり、使用に好適することを確認した。
作製した牛歯試料を脱イオン水から取りだし、新しい脱イオン水で濯いだ。過剰な水を試料表面から吸い取った。薄層のバーニッシュを歯の試験側に適用したが、歯はまだ湿潤状態であった。これは、塗布用ブラシで行った。処理試料を1分間静置させ、その後、半分の試料を中等度の流量の水道水を用いて10秒間洗浄して、試料に接着しなかったバーニッシュを除去した。バーニッシュ適用後、試料を室温で2時間、人工の唾液中に人工の唾液を全く撹拌せずに置いた。
浸漬後、試料を取り出し、脱イオン水を用いて静かに濯ぎ、最小2時間の間風乾させて、水を大まかに除去した。その後、試料を50℃のオーブンに一晩入れて乾燥させた。乾燥試料を蒸着炭素で被覆し、走査電子顕微鏡(SEM)下で対照と処理側を比較して観察した。
SEM顕微鏡写真(図8)は、対照に比較して、全試験試料のバーニッシュ処理側上の象牙細管閉塞を示す。洗浄および非洗浄群両方のヒドロゲルバーニッシュは、提示した許容判定基準を満たし、この試験の条件下で、象牙細管の閉塞に効果的であると見なされる。
3.殺菌性およびバイオフィルム阻害性
天然の水溶性フェノールリッチポリマーであるタンニン酸/没食子酸は、糖エステル、主に、グルコース、および没食子酸、ヘキサヒドロキシジフェン酸などのフェノールカルボン酸を含む。いくつかの報告は、タンニン酸/没食子酸が抗菌および殺菌活性を有することを示し、また、大腸菌、リステリア・モノサイトゲネス、黄色ブドウ球菌、ミュータンス菌のような口腔細菌、などの種々のグラム陽性およびグラム陰性菌グラム陰性菌の両方によるバイオフィルム産生および蓄積の阻害を実証した。Hertelら(Caries Res.2017,51,p:34−45)は、タンニン酸のインサイツ形成ペリクルの保護特性に対する効果を調査した。タンニン酸は、ペリクルの浸食保護特性をpH依存的に顕著に改善した。蛍光顕微鏡法による検査で、エナメル質上の細菌付着およびグルカン形成も、タンニン酸による濯ぎ後に、大きく低減された。
別の調査では、Payneら(Infect Immun.2013,81,p:496−504)は、動物モデルにおいて、タンニン酸が、推定上のトランスグリコシラーゼIsaAおよび低減した咽頭コロニー形成に依存する機序を介して、黄色ブドウ球菌バイオフィルム形成を阻害することを示した。Shaoら(J Food Sci.2015,80,M1299−305)およびKangら(J Microbiol.2008,46,p:744−50)は、大腸菌(グラム陰性)、栄養素レベル、温度(25℃および37℃)およびインキュベーション時間(24時間および48時間)などの種々の条件下で、う蝕原生ミュータンス菌(グラム陽性)および歯周病原性細菌に対し、没食子酸を評価した。没食子酸は、25および37℃で、両方の試験株の増殖曲線に顕著に影響を与えた。栄養素レベル、温度、および処理時間は、試験病原体の増殖およびバイオフィルム形成の両方に対するGAの阻害活性に影響を与えた。
カテコールおよびピロガロールタンニン酸/没食子酸のヒドロキシ基は、微生物に対するそれらの相対的毒性に関連する可能性があり、また、脂質二重層に進入し、それと相互作用でき、膜内物質の漏出および凝集を引き起こす。それらは、細菌タンパク質および細胞壁構造体と相互作用し、それらは、細胞膜に損傷を生じ、膜流動性を低減させ、核酸合成、細胞壁合成、またはエネルギー代謝を阻害する。それらの細菌に対する破壊的活性に加えて、クオラムセンシングまたはその他の全体的調節系などの細菌調節機構に影響を与えることによる、バイオフィルム抑制に繋がる「より温和な」活性が知られている。
ヒドロゲル系ベースバーニッシュは、抗菌活性を示し、種々のグラム陽性およびグラム陰性菌による歯垢バイオフィルムおよび蓄積の阻害をもたらし得ることが予測される。
次の実施例は、広範に使用されている単純なモデル細菌大腸菌に対して実証されるべきタンニン酸/没食子酸ベースヒドロゲルバーニッシュの殺菌およびバイオフィルム阻害特性を提供する役割をする。
バーニッシュの殺菌性およびバイオフィルム阻害特性を評価するために、バーニッシュ適用エナメル質様ヒドロキシアパタイトディスク上で大腸菌細菌を培養し、その後、細菌細胞、増殖速度、およびバイオフィルム形成を対照ディスク(バーニッシュなし)と比較する。その後、ヒドロゲルバーニッシュの抗菌性を、バーニッシュの存在下における口腔細菌の殺菌性、増殖速度およびバイオフィルム形成を測定することにより、ミュータンス菌に対し試験される。
本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、例示した実施形態および本明細書の記述に対し様々な修正を行い得ることは、当業者には理解されよう。本開示の趣旨および範囲内の全てのこのような修正は、添付の特許請求の範囲により含まれるべきであることが意図されている。

Claims (34)

  1. 歯科用バーニッシュに使用するためのヒドロゲル系であって、
    (a)少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノール;
    (b)前記ポリフェノールと水素結合を形成できる官能基を含む少なくとも1種のポリマー;および
    (c)金属イオン、を含み、
    前記ヒドロゲル系が、架橋膜を形成でき、同時に、歯のエナメル質表面に接着できる、ヒドロゲル系。
  2. 前記少なくとも1種のポリフェノールが、リスベラトロール、タンニン酸、没食子酸、イソフラボン、フラボノール、フラボン、イソフラボノン、フラバノン、ヒドロキシケイ皮酸、トコフェロール、アントシアニジン、プロシアニジン、カテキンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のヒドロゲル系。
  3. 前記少なくとも1種のポリフェノールが、タンニン酸および没食子酸の両方を含む、請求項2に記載のヒドロゲル系。
  4. 前記官能基が、ヒドロキシ、アミン、チオール、カルボキシル、カルボニル、エステル、イミン、アミド、およびニトリルからなる群から選択される、請求項1に記載のヒドロゲル系。
  5. 前記少なくとも1種のポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)、ポリアクリロニトリル、ポリオキサゾリン、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVPON)、ポリ(2−アルキル−2−オキサゾリン)s、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリビニルアルコール、プルロニック、ポリアクリル酸、ポリメチルメタアクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリ(ビニルアミン)塩酸塩、ポリ(L−リシン臭化水素酸塩)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(N−メチルビニルアミン)、ポリ(エチレングリコール)ビス(2−アミノエチル)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(2−ビニル−1−メチルピリジニウムブロミド)、ポリ(N−エテニルホルムアミド)、ポリアクリルアミド(PAM)、キトサン、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−ブチル)、ポリ(アクリル酸tert−ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−デシル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル)、ポリ(アクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸オクタデシル)、ポリ(メタクリル酸イソプロピル)、ポリ(β−アミノエステル)、ポリエステル、ポリカルボフィル、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、ポリメタクリルアミド、ポリアニリン、ポリ(2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド)、ポリ(リシン)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(乳酸)、ポリ(塩化アクリル)、ポリ(エチレングリコール)2−メルカプトエチルエーテル酢酸、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のヒドロゲル系。
  6. 前記金属イオン源が、二価、三価の金属イオン源、およびこれらの混合物を含む、請求項1に記載のヒドロゲル系。
  7. 前記二価イオン源が、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、スズ、ストロンチウム、クロム、マンガン、ベリリウム、バリウム、コバルト、ニッケル、鉛および銅の塩からなる群より選択される、請求項6に記載のヒドロゲル系。
  8. 前記三価イオン源が、アルミニウム、鉄、クロム、ビスマス、マンガン、コバルトおよびインジウムの塩からなる群より選択される、請求項6に記載のヒドロゲル系。
  9. 溶媒をさらに含む、請求項1に記載のヒドロゲル系。
  10. 前記溶媒が、水、エチルアルコール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸イソアミル、ヘキサン、ヘプタン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のヒドロゲル系。
  11. 酸化防止剤をさらに含む、請求項1に記載のヒドロゲル系。
  12. 前記酸化防止剤が、ホウ酸、アスコルビン酸、ホウ砂、テトラホウ酸ナトリウム、4,4’−ビフェニルジボロン酸、ベンゼン−1,4−ジボロン酸、2,5−チオフェンジイルジボロン酸、二酸化硫黄、尿酸、トコフェロールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載のヒドロゲル系。
  13. ヒドロゲル系および少なくとも1種のフッ化物源を含む歯科用バーニッシュ組成物であって、前記ヒドロゲル系が、少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノール;前記ポリフェノールと水素結合を形成できる官能基を含む少なくとも1種のポリマー、および金属イオン源を含み、前記歯科用バーニッシュが水溶性である、歯科用バーニッシュ組成物。
  14. 前記少なくとも1種のポリフェノールが、リスベラトロール、タンニン酸、没食子酸、イソフラボン、フラボノール、フラボン、イソフラボノン、フラバノン、ヒドロキシケイ皮酸、トコフェロール、アントシアニジン、プロシアニジン、カテキンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ。
  15. 前記少なくとも1種のポリフェノールが、タンニン酸および没食子酸を含む、請求項14に記載の歯科用バーニッシュ。
  16. 前記少なくとも1種のポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)、ポリアクリロニトリル、ポリオキサゾリン、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVPON)、ポリ(2−アルキル−2−オキサゾリン)s、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリビニルアルコール、プルロニック、ポリアクリル酸、ポリメチルメタアクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリ(ビニルアミン)塩酸塩、ポリ(L−リシン臭化水素酸塩)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(N−メチルビニルアミン)、ポリ(エチレングリコール)ビス(2−アミノエチル)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(2−ビニル−1−メチルピリジニウムブロミド)、ポリ(N−エテニルホルムアミド)、ポリアクリルアミド(PAM)、キトサン、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−ブチル)、ポリ(アクリル酸tert−ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸n−デシル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル)、ポリ(アクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸オクタデシル)、ポリ(メタクリル酸イソプロピル)、ポリ(β−アミノエステル)、ポリエステル、ポリカルボフィル、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、ポリメタクリルアミド、ポリアニリン、ポリ(2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド)、ポリ(リシン)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(乳酸)、ポリ(塩化アクリル)、ポリ(エチレングリコール)2−メルカプトエチルエーテル酢酸、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ。
  17. 前記金属イオン源が、二価、三価の金属イオン源、およびこれらの混合物を含む、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ。
  18. 前記少なくとも1種のフッ化物源が、フッ化アルミニウム、フッ化インジウム、フッ化第一スズ、フッ化チタン、フッ化アミン、フッ化ナトリウム、ケイフッ化水素酸塩、フルオロケイ酸ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ジナトリウム、酸性フッ素リン酸、フッ化カリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ。
  19. 前記フッ化アミンが、N’,N’−トリ−(ポリオキシエチレン)−N−ヘキサデシルプロピレンジアミン二フッ化水素酸塩;9−オクタデシルアミンフッ化水素酸塩、ヘキサデシルアミンフッ化水素酸塩およびビス−(ヒドロキシエチル)−アミノプロピル−N−ヒドロキシエチルオクタデシルアミン二フッ化水素酸塩からなる群より選択される、請求項18に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  20. 前記フッ化物源が、フッ化第一スズおよびフッ化ナトリウムの両方を含む、請求項18に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  21. 前記ヒドロゲル系が、組成物の総重量を基準にして、5重量%〜95重量%の濃度で存在する、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  22. 前記フッ化物源が、組成物の総重量を基準にして、約0.01重量%〜約10重量%の濃度で存在する、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  23. 前記歯科用バーニッシュが、1,000ppm〜30,000ppmの範囲の濃度のフッ化物イオンを放出する、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  24. 前記組成物のpHが、pH1〜pH8の範囲である、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  25. 少なくとも1種の再石灰化剤、香味添加剤、増粘剤、甘味料、酸化剤またはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  26. 前記ヒドロゲル系が、前記バーニッシュ組成物の歯面への接着の増強を促進できる、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  27. 前記ヒドロゲル系が、歯面のインサイツ再石灰化を促進できる、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  28. 前記ヒドロゲル系が、象牙細管の閉塞を促進できる、請求項13に記載の歯科用バーニッシュ組成物。
  29. 歯科用バーニッシュの作製方法であって、
    (a)少なくとも1つのフェノール基を有する少なくとも1種のポリフェノールを溶媒中で溶解し、ポリフェノール溶液を形成すること;
    (b)酸化防止剤および金属イオン源を前記ポリフェノール溶液に添加すること;
    (c)前記ポリフェノール溶液をポリマー溶液と混合し、ヒドロゲル系を作製すること;
    (d)前記ヒドロゲル系から前記溶媒を除去すること;および
    (e)前記ヒドロゲル系をフッ化物源と混合し、前記歯科用バーニッシュを形成すること、を含む方法。
  30. 前記ポリフェノールが、前記歯科用バーニッシュ中に、前記ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.01ミリモル/ml〜約50ミリモル/mlの量で存在する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記酸化防止剤が、前記歯科用バーニッシュ中に、前記ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.003ミリモル/ml〜約20ミリモル/mlの量で存在する、請求項29に記載の方法。
  32. 前記金属イオン源が、前記歯科用バーニッシュ中に、前記ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.005ミリモル/ml〜約25ミリモル/mlの量で存在する、請求項29に記載の方法。
  33. 前記ポリマーが、前記歯科用バーニッシュ中に、前記ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.001ミリモル/ml〜約5ミリモル/mlの量で存在する、請求項29に記載の方法。
  34. 前記フッ化物源が、前記ヒドロゲル系の総体積を基準にして、約0.01ミリモル/ml〜約5ミリモル/mlの量で、前記ヒドロゲル系に添加される、請求項29に記載の方法。

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