JP2020514365A - メラノコルチン4受容体に結合可能な二環式化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、メラノコルチン4受容体作動薬として有効な新規のペプチド化合物と、医薬における前記化合物の使用と、前記化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、治療の方法と、薬剤を製造するための前記化合物の使用とに関する。本発明の化合物は、肥満または過体重の治療、ならびに肥満に関連する様々な疾患または状態に関して特に着目するものである。

Description

(配列表の参照による組み込み)
「配列表」と題される配列表(59.9キロバイト)は、2018年3月5日に作成されたもので、参照により本明細書に組み込まれる。
肥満は、アテローム性動脈硬化症、高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、冠動脈性心疾患、胆嚢疾患、変形性関節症、若年死亡、特定のタイプのガン、および様々な悪性腫瘍などのよく見られる疾患の発症に対する周知の危険因子である。また、運動不足および生活の質の低下による相当数の問題の原因でもある。産業化された西洋社会では、肥満の蔓延は過去数十年で著しく増加してきた。今日まで、ほんのわずかな薬理学的治療のみが利用可能で、SAXENDA(リラグルチド)(Novo Nordisk製のGLP−1受容体作動薬)、BELVIQ(ロルカセリン)(Arena製の5−HT2C作動薬)、CONTRAVE(ナルトレキソン/ブプロピオン)(Orexigen製のブプロピオンとナルトレキソン、ならびにRoche製およびGlaxoSmithKline製のオルリスタットの組み合わせ生成物)は、腸からの脂肪取り込みを低減することによって機能する。肥満は、よく見られる重篤さらには致命的な疾患の非常に高い危険因子の代表であるため、その治療は公衆衛生において優先度の高いものであり、肥満治療に有用な医薬品化合物が必要とされている。
プロオピオメラノコルチン(POMC)は、アルファ、ベータおよびガンマ−メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)ペプチド、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、ならびにベータエンドルフィンなどの他のペプチドを含む、ペプチドのメラノコルチンファミリーの前駆物質である。POMCは、中枢神経系および末梢神経系のニューロンで、および下垂体で発現される。ACTHおよびアルファ−MSH(a−MSH)を含むメラノコルチンペプチドのいくつかは、脳室内(icv)注射によってラットに投与された場合に食欲抑制活性を有することが示されている(Vergoni et al. (1990) Eur J Pharmacol 179(3):347−355)を参照のこと)。
メラノコルチン1、2、3、4および5受容体(本明細書ではそれぞれ、MC1R、MC2R、MC3R、MC4RおよびMC5Rともいう)といった5つのメラノコルチン受容体サブタイプがこれまでに特定されている。MC1R、MC2RおよびMC5Rは主に末梢組織で発現され、一方でMC3RおよびMC4Rは主に中枢で発現される。MC3Rはいくつかの末梢組織でも発現される。エネルギー恒常性に関与することに加えて、MC3Rはいくつかの炎症性疾患に関与することも示唆されてきた。MC5Rは、外分泌および炎症に関与することが示唆されてきた。MC4Rは、MC4Rノックアウトマウスが肥満を発現する(Huszar et al. (1997) Cell 88(1):131−141)とおり、体重や摂食行動の調節に関与することが示されており、またMC4R遺伝子座でよく見られる変異は、体脂肪量、体重および肥満のリスクとの関連性があることが見出されてきた(Loos et al. (2008) Nat Genet 40(6):768−775)。さらに、マウスを用いた研究では、マウス脳内でのメラノコルチン受容体拮抗薬アグーチタンパク質およびアグーチ関連タンパク質(AGRP)の過剰発現が、肥満の発現につながったことが示されている(Barsh et al. (1999) Ann N Y Acad Sci 885:143−152)。さらに、AGRPのC末端フラグメントのicv注射により、摂食が増加し、食物摂取量に対するa−MSHの抑制効果が拮抗される。
MC4R作動薬は、食欲抑制薬および/またはエネルギー消費増加薬としての役目を果たすことができ、肥満または肥満関連の疾患の治療においてだけでなく、MC4Rの活性化によって寛解されうるその他の疾患、障害または状態の治療において、またはPOMC欠損などの遺伝障害の治療においても有用となりうる(Kuhnen et al.(2016)N Engl J Med 375(3):240−246)。逆に、MC4R拮抗薬は、悪液質または食欲不振、脆弱な高齢の患者における消耗症、慢性痛、神経障害および神経性炎症の治療に有用でありうる。
メラノコルチン受容体修飾因子としてのペプチドの使用は、多くの特許文書、例えば、国際公開第03/006620号、米国特許第5731408号、国際公開第98/27113号、および米国特許第2016022764号、ならびに、例えばOdagami et al. (2006) Bioorg Med Chem Lett 16(14):3723−3726などの文献で開示されている。セトメラノチド(RM493)は、希少な肥満障害の治療での使用について臨床試験で現在試験中のMC4R作動薬である(Kuhnen et al.(2016) N Engl J Med 375(3):240−246)。
国際公開第03/006620号 米国特許第5731408号 国際公開第98/27113号 米国特許第2016022764号
Vergoni et al. (1990) Eur J Pharmacol 179(3):347−355 Huszar et al. (1997) Cell 88(1):131−141 Loos et al. (2008) Nat Genet 40(6):768−775 Barsh et al. (1999) Ann N Y Acad Sci 885:143−152 Kuhnen et al.(2016)N Engl J Med 375(3):240−246 Odagami et al. (2006) Bioorg Med Chem Lett 16(14):3723−3726
その他のメラノコルチン受容体サブタイプと比較して、効能が高く、かつMC4Rに対する適切な選択性を有する、メラノコルチン受容体作動薬を提供することは解決すべき課題のままである。
本発明は、メラノコルチン4受容体(MC4R)作動薬として作用することができる新規化合物に関する。
一態様において、本発明は、一般式Iを有する二環式化合物に関する。
式中、
X1およびX8は結合され、X1およびX14は結合されており、
X1は、Cys、HCys、またはPenであり、
X2は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、ACP、Glu、Lys、D−Lys、Arg、AZE、PIP、OXA、Glyであるか、または不在であり、
X3は、His、ProまたはHypであり、
X4は、D−PheまたはPheであり、
X5は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、AcLys、Gln、またはLys(Me)であり、
X6は、Trp、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Pheまたは1−Nalであり、
X7は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Argであるか、または不在であり、
X8は、Cys、HCys、またはPenであり、
X9は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、Arg、ACP、Glu、Lys、AZE、PIP、Orn、Gly、D−Lysであるか、または不在であり、
X10は、His、Pro、Hyp、Phe、Glu、Lys、D−Lys、Tyr、Ala、D−Ala、Asp、ArgまたはOrnであり、
X11は、D−Phe、Phe、Glu、Lys、Lys(CHCOOH)、D−Lys、D−Ala、Ala、Arg、D−Arg、またはAspであり、
X12は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Ala、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、Glu、Ala、Orn、D−Lys、Lys(Me)、Asnであるか、または不在であり、
X13は、Trp、Arg、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Phe、1−Nal、Ala、Pheであるか、または不在であり、
X14は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Arg、Pheであるか、または不在であり、
それらのエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべて、または前述の任意の化合物の薬学的に許容可能な塩を含む。
一態様では、X1およびX8は、ジスルフィド結合(SX1−Sx8)などの共有結合によって、またはメチレン架橋(Sx1−CH−Sx8)によって結合され、ここでSx1およびSx8はそれぞれ、X1アミノ酸残基側鎖およびX8アミノ酸残基側鎖内の硫黄原子を表す。
一態様において、X1およびX14は、X1のアルファアミンとX14のアルファカルボン酸基との間のアミド結合などの共有結合によって結合される。
本発明はさらに、本発明の化合物の製造、肥満または過体重の治療など(これに限定されない)の、医薬品における本発明の使用、本発明の化合物を含む医薬組成物およびその内容物を含む注入装置、ならびに薬剤の製造のための本発明の化合物の使用に関する。
本明細書に開示された化合物の質量分析データを示す。 図1−1の続きを示す。 図1−2の続きを示す。 図1−3の続きを示す。 図1−4の続きを示す。 図1−5の続きを示す。 図1−6の続きを示す。 表示された通りの媒体または化合物で1日1回処置された食餌誘発性肥満マウスにおける、毎日の食物摂取量および累積食物摂取量、および相対的な体重を示す。データは平均±SEMである。
(配列についての簡単な説明)
配列番号1〜121は、化学物質1〜121の配列を表す。
本発明の化合物は、メラノコルチン4受容体(MC4R)に結合することができ、MC4R作動薬としての役割を果たすことができ、したがってMC4R活性を刺激することで治療可能な状態および疾患の治療に適している。特に、本発明の化合物は、MC4Rの活性化を介した疾患または状態の治療に適していると考えられる。
一態様において、本発明の化合物は、肥満または過体重の治療に適している。
本発明はさらに、本発明の化合物の製造、医薬品における本発明の化合物能力使用、本発明の化合物を含む医薬組成物およびその内容物を含む注入装置、ならびに薬剤の製造のための本発明の化合物の使用に関する。
本発明の一態様において、化合物はペプチドである。
こうした一態様において、化合物は二環式ペプチドである。本明細書に記載される二環式ペプチドは、非環式ペプチドに存在しないペプチドのアミノ酸残基間に二つのリンクを有するペプチドでもよい。二環式ペプチドはまた、あるいは代替的に、二つの大環状環(いわゆるループ)を有するペプチド構造として表現されてもよい。一態様において、本発明の二環式ペプチドは、ペプチドの二つのアミノ酸の側鎖間の架橋リンクと、直鎖状ペプチドとして表される(すなわち、こうした二環式ペプチドは遊離型アミノ末端または遊離カルボキシル末端を含まない)場合にはペプチドのアミノ末端とカルボキシル末端との間のリンクを含む。
一態様において、二つのアミノ酸の側鎖間の架橋リンクは、ジスルフィド結合(例えば、二つのシステイン残基間)としてか、代替的にメチレン架橋(例えば、二つのペニシラミン残基間)として形成される。
一態様において、本発明の二環式ペプチドは、MC4Rに対して選択性が高い。
一態様において、本発明の二環式化合物は、式Iに従い説明される:
式中、
X1およびX8は結合され、X1およびX14は結合されており、
X1は、Cys、HCys、またはPenであり、
X2は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、ACP、Glu、Lys、D−Lys、Arg、AZE、PIP、OXA、Glyであるか、または不在であり、
X3は、His、ProまたはHypであり、
X4は、D−PheまたはPheであり、
X5は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、AcLys、Gln、またはLys(Me)であり、
X6は、Trp、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Phe、または1−Nalであり、
X7は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Argであるか、または不在であり、
X8は、Cys、HCys、またはPenであり、
X9は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、Arg、ACP、Glu、Lys、AZE、PIP、Orn、Gly、D−Lysであるか、または不在であり、
X10は、His、Pro、Hyp、Phe、Glu、Lys、D−Lys、Tyr、Ala、D−Ala、Asp、ArgまたはOrnであり、
X11は、D−Phe、Phe、Glu、Lys、Lys(CHCOOH)、D−Lys、D−Ala、Ala、Arg、D−Arg、またはAspであり、
X12は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Ala、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、Glu、Ala、Orn、D−Lys、Lys(Me)、Asnであるか、または不在であり、
X13は、Trp、Arg、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Phe、1−Nal、Ala、Pheであるか、または不在であり、
X14は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Arg、Pheであるか、または不在であり、
それらのエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべて、または前述の任意の化合物の薬学的に許容可能な塩を含む。
一実施形態において、X1およびX8は、式IIに示されるとおりB1によって結合される。
式中、X1〜X14は式Iについて定義されるとおりであり、
式中、B1は、以下を含む群から選択される:
*−CH−S−S−CH−**、
*−CH−S−S−(CH−**、
*−(CH−S−S−CH−**、
*−(CH−S−S−(CH−**、
*−CH−S−S−C(CH−**、
*−C(CH−S−S−CH−**、
*−C(CH−S−S−C(CH−**、
*−(CH−S−S−C(CH−**、
*−C(CH−S−S−(CH−**、
*−CH−S−(CH−S−CH−**、
*−CH−S−(CH−S−(CH−**、
*−(CH−S−(CH−S−CH−**、
*−(CH−S−(CH−S−(CH−**、
*−CH−S−(CH−S−C(CH−**、
*−C(CH−S−(CH−S−CH−**、
*−C(CH−S−(CH−S−C(CH−**、
*−(CH−S−(CH−S−C(CH−**、および
*−C(CH−S−(CH−S−(CH−**
式中、
zは1、2、3、4または5であり、式中、*および**は、それぞれX1およびX8のバックボーンアミノ酸アルファ炭素原子を指定する。
好ましい実施形態において、zは1である。
一実施形態において、X1およびX8は、B1によって共有結合され、ここでB1はジスルフィド結合(−S−S−)またはメチレン架橋(−S−CH−S−)を含む。
X1およびX14は、X1のアルファアミンとX14のアルファカルボン酸基との間のアミド結合などの共有結合によって結合される。
X1〜X14に指定された残基の一部は不在でもよい。一つのこうした実施形態において、例えば、X2およびX7は不在でもよく、その結果として、二環式化合物は以下のアミノ酸残基の組み合わせを含む:
X1は、Cys、HCys、またはPenであり、
X3は、His、ProまたはHypであり、
X4は、D−PheまたはPheであり、
X5は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、AcLys、Gln、またはLys(Me)であり、
X6は、Trp、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Pheまたは1−Nalであり、
X8は、Cys、HCys、またはPenであり、
X9は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、Arg、ACP、Glu、Lys、AZE、PIP、Orn、Gly、D−Lysであるか、または不在であり、
X10は、His、Pro、Hyp、Phe、Glu、Lys、D−Lys、Tyr、Ala、D−Ala、Asp、ArgまたはOrnであり、
X11は、D−Phe、Phe、Glu、Lys、Lys(CHCOOH)、D−Lys、D−Ala、Arg、D−Arg、Asp、またはAlaであり、
X12は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Ala、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、Glu、Ala、Orn、D−Lys、Lys(Me)、Asnであるか、または不在であり、
X13は、Trp、Arg、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Phe、1−Nal、Ala、Pheであるか、または不在であり、
X14は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Arg、Pheであるか、または不在である。
別の実施形態において、例えば、X7およびX9は不在でもよく、二環式化合物は以下のアミノ酸残基の組み合わせを含む:
X1は、Cys、HCys、またはPenであり、
X2は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、ACP、Glu、Lys、D−Lys、Arg、AZE、PIP、OXA、Glyであるか、または不在であり、
X3は、His、ProまたはHypであり、
X4は、D−PheまたはPheであり、
X5は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、AcLys、Gln、またはLys(Me)であり、
X6は、Trp、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Pheまたは1−Nalであり、
X8は、Cys、HCys、またはPenであり、
X10は、His、Pro、Hyp、Phe、Glu、Lys、D−Lys、Tyr、Ala、D−Ala、Asp、ArgまたはOrnであり、
X11は、D−Phe、Phe、Glu、Lys、Lys(CHCOOH)、D−Lys、D−Ala、Arg、D−Arg、Asp、またはAlaであり、
X12は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Ala、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、Glu、Ala、Orn、D−Lys、Lys(Me)、Asnであるか、または不在であり、
X13は、Trp、Arg、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Phe、1−Nal、Ala、Pheであるか、または不在であり、
X14は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Arg、Pheであるか、または不在である。
一般的に、一実施形態において、式Iの残基が不在の場合、それは結合によって置換されることを意味する。例えば、X2が不在の場合、X1とX3を接続する結合によって置換される。
また、あるいは代替的に、別の実施形態において、X14が不在の場合、第二の環状結合(式IのX1とX14の間に示すもの)がX1とX13の間で確立される。同様に、X13およびX14が両方とも不在の場合、第二の環状結合はX1とX12の間で確立される。同様に、X12、X13、およびX14がすべて不在の場合、第二の環状結合はX1とX11の間で形成される。
本発明の一態様において、化合物はMC4Rの選択的作動薬である。この文脈では、化合物がMC1R、MC3Rおよび/またはMC5R作動薬としてよりも、MC4R作動薬としての方が著しく強力な場合、選択的MC4R作動薬とみなされる。MC1Rに対するよりもMC4Rに対する選択性があることは、MC1Rが皮膚色素沈着との関連性が知られているため望ましい。
MC1R、MC3R、MC5RおよびMC4Rに関する本発明の化合物の結合親和性は、本明細書の実施例2に記載の結合アッセイで決定されるKi値を比較することによって決定されうる。
MC4R作動薬として作用する本発明の化合物は、インスリン感受性、薬物乱用(報酬系を調節することによる)、および/または出血性ショックに対してプラスの効果を有する可能性がある。特に、本発明の化合物は、過体重または肥満の予防および治療に使用されうる。さらに、MC4R作動薬は解熱作用を有し、末梢神経再生に関与することが示唆されてきた。MC4R作動薬は、ストレス応答を低減させることも知られている。薬物乱用の治療、出血性ショックの治療または予防、およびストレス応答の低減に加えて、本発明の化合物は、アルコール乱用の治療、脳卒中の治療、虚血の治療および神経損傷に対する保護にとって価値がありうる。
既に示したとおり、上述の治療方法または適応症のすべてにおいて、本発明の化合物は単独で投与されてもよい。しかしながら、本発明の化合物は、1つ以上の追加的治療活性薬剤、物質または化合物と組み合わせて、逐次的にまたは併用して投与されてもよい。
本発明の化合物は、本明細書に開示される経路のうちの一つなどの適切な投与経路による、1日2回、1日1回、1日おき、週2回、または週1回の投与に十分に適していると考えられる化合物を含む。
本発明による方法で使用される場合、本発明の化合物の典型的な投与量は、体重1kg当たり、1日当たり約0.001〜約100mgの範囲であり、好ましくは体重1kg当たり約0.01〜約10mg、より好ましくは体重1kg当たり、1日当たり約0.01〜約5mgであり、例えば、体重1kg当たり、1日当たり約0.05〜約10mg、または体重1kg当たり、1日当たり約0.03〜約5mgの投与量で、1〜3用量などの1回以上投与するなどが挙げられる。正確な投与量は、治療の頻度および方法、治療を受ける対象の性別、年齢、体重および一般的な症状、治療される状態の性質および重症度、治療される任意の合併症、ならびに当業者にとって明らかなその他の要因に依存する。
本発明の化合物は、当業者に周知の技術を使用して、単位剤形で都合よく製剤化されうる。
経口投与または非経口投与を意図した典型的な単位剤形は、好適には約0.05〜約1000mg、好ましくは約0.05〜約500mg、例えば約0.1〜約200mgなどの本発明の化合物を含みうる。
上述のように、本発明の化合物は、1つ以上の追加的な治療活性のある化合物または物質と組み合わせて投与されてもよく、適切な追加的化合物または物質は、例えば、抗糖尿病薬、抗脂質異常症薬、抗肥満薬、抗高血圧薬、および糖尿病によってもたらされるか、または糖尿病に関連する合併症の治療用の薬剤から選択されうる。
適切な抗糖尿病薬には、インスリン、インスリン誘導体または類似体、国際公開第98/08871号(Novo Nordisk A/S)で開示されているものなどのGLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)誘導体または類似体(参照により本明細書に組み込まれる)、またはセマグルチド(Novo Nordisk製)、エキセナチド(Eli Lilly/Amylin製バイエッタ、Sanofi−Aventis製AVE0010)、タスポグルチド(Roche製)、アルビグルチド(GlaxoSmithKline製Syncria)、アミリン、アミリン類似体(例えば、シムリン(登録商標)/プラムリンチド)などのその他のGLP−1類似体のほか、経口的に活性の血糖降下薬が含まれる。
適切な経口活性血糖降下薬には、メトホルミン、イミダゾリン;スルホニル尿素薬;ビグアナイド薬;メグリチニド;オキサゾリジンジオン;チアゾリジンジオン;インスリン感受性促進薬;αグルコシダーゼ阻害薬;膵β細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する薬剤(例えば、国際公開第97/26265号、同第99/03861号、および同第00/37474号(Novo Nordisk A/S)に開示されているものなどのカリウムチャンネル開口薬で、参照により本明細書に組み込まれる);オルミチグリニドなどのカリウムチャンネル開口薬;ナテグリニドまたはBTS−67582などのカリウムチャネル遮断薬;グルカゴン受容体拮抗薬(国際公開第99/01423号および同第00/39088号(Novo Nordisk A/SおよびAgouron Pharmaceuticals, Inc.)に開示されているものなどで、そのすべてが参照により本明細書に組み込まれる);GLP−1受容体作動薬(国際公開第00/42026号(Novo Nordisk A/SおよびAgouron Pharmaceuticals, Inc.)に開示されているものなどで、参照により本明細書に組み込まれる);アミリン類似体(アミリン受容体に対する作動薬);DPP−IV(ジペプチジルペプチダーゼ−IV)阻害薬;PTPase(タンパク質チロシンホスファターゼ)阻害薬;国際公開第02/08209号(Hoffmann La Roche)に開示されているものなどのグルコキナーゼ活性化薬;糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害薬;グルコース取り込みモジュレータ;GSK−3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害薬;抗脂質異常症薬および抗高脂血薬などの脂質代謝を調節する化合物;食物摂取量を減らす化合物;ならびに、ALRT−268、LG−1268、またはLG−1069などのPPAR(ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体)作動薬およびRXR(retinoid X 受容体)作動薬が含まれる。
適切で追加的な治療活性のある物質のさらなる例には、例えば、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、イサグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、CS−011/CI−287もしくはT 174などのチアゾリジンジオンインスリン感受性促進物質、または国際公開第97/41097号(DRF−2344)、同第97/41119号、同第97/41120号、同第00/41121号、および同第98/45292号(Dr. Reddy’s Research Foundation)で開示されている化合物が含まれ、これらすべての内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
適切で追加的な治療活性のある物質のさらなる例には、インスリン感受性促進物質、例えば、GI 262570、YM−440、MCC−555、JTT−501、AR−H039242、KRP−297、GW−409544、CRE−16336、AR−H049020、LY510929、MBX−102、CLX−0940、およびGW−501516、ならびに、国際公開第99/19313(NN622/DRF−2725)号、同第00/50414号、同第00/63191号、同第00/63192号、および同第00/63193号(Dr. Reddy’s Research Foundation)に、また同第00/23425号、同第00/23415号、同第00/23451号、同第00/23445号、同第00/23417号、同第00/23416号、同第00/63153号、同第00/63196号、同第00/63209号、同第00/63190号、および同第00/63189号(Novo Nordisk A/S)に開示されている化合物が含まれ、そのすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
適切で追加的な治療活性のある物質のなおさらなる例には、例えば、ボグリボース、エミグリテート、ミグリトールまたはアカルボースなどのαグルコシダーゼ阻害薬、例えば、国際公開第97/09040号(Novo Nordisk A/S)に記載のある化合物などのグリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコキナーゼ活性化薬、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジド、BTS−67582またはレパグリニドなどの、膵β細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する薬剤が含まれる。
その他の適切で追加的な治療活性のある物質には、例えば、コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、またはデキストロチロキシンなどの抗脂質異常症薬および抗高脂血薬が含まれる。
追加的な治療活性のある物質として適切なさらなる薬剤には、抗肥満薬および食欲調節剤が含まれる。こうした物質は、CART(コカインアンフェタミン調節転写産物)作動薬、NPY(ニューロペプチドY受容体1および/または5)拮抗薬、MC3拮抗薬、オレキシン受容体拮抗薬、TNF(腫瘍壊死因子)作動薬、CRF(コルチコトロピン放出因子)作動薬、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)拮抗薬、ウロコルチン作動薬、ニューロメディンU類似体(ニューロメディンU受容体サブタイプ1および2に対する作動薬)、CL−316243、AJ−9677、GW−0604、LY362884、LY377267またはAZ−40140などのβ3アドレナリン作動薬、MCH(メラノサイト濃縮ホルモン)拮抗薬、CCK(コレシストキニン)作動薬、セロトニン再取り込み阻害薬(例えば、フルオキセチン、セロザットまたはシタロプラム)、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬、5HT(セロトニン)作動薬、5HT6作動薬、APD356(米国特許第6953787号)などの5HT2c作動薬、ボンベシン作動薬、ガラニン拮抗薬、成長ホルモン、プロラクチンまたは胎盤性ラクトゲンなどの成長因子、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)作動薬、UCP2または3(脱共役タンパク質2または3)修飾物質、化学的脱共役剤、レプチン作動薬、DA(ドーパミン)作動薬(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害薬、TR β作動薬、アドレナリンCNS刺激剤、AGRP(アグーチ関連タンパク質)阻害薬、ヒスタミンH3受容体拮抗薬(国際公開第00/42023号、同第00/63208号および同第00/64884号に開示されているものなどで、そのすべての内容が参照により本明細書に組み込まれる)、エキセンディン−4 類似体、GLP−1類似体、毛様体神経栄養因子、アミリン類似体、ペプチドYY3−36(PYY3−36)(Batterham et al. Nature 418、650−654(2002))、PYY3−36類似体、NPY Y2受容体作動薬、NPY Y4受容体作動薬、NPY Y2作動薬とNPY Y4作動薬の組み合わせとして作用する物質、FGF21およびその類似体、μ−オピオイド受容体拮抗薬、オキシントモジュリンおよびその類似体からなる群から選択されうる。
さらなる適切な抗肥満薬は、ブプロピオン(抗うつ薬)、トピラマート(抗痙攣薬)、エコピパム(ドーパミンD1/D5拮抗薬)およびナルトレキソン(オピオイド拮抗薬)、ならびにこれら組み合わせである。これらの抗肥満薬の組み合わせは、例えば、フェンテルミン+トピラマート、ブプロピオン徐放(SR)+ナルトレキソンSR、ゾニサミドSRおよびブプロピオンSRである。本発明の化合物と組み合わせた追加的な治療活性のある物質として、本発明の方法で使用するための適切な抗肥満薬の実施形態には、レプチン、レプチンの類似体またはレプチンの誘導体がある。
適切な抗肥満薬の追加的な実施形態は、例えば、シブトラミンなどの、セロトニン再取り込み阻害薬およびノルエピネフリン再取り込み阻害薬である。
適切な抗肥満薬の他の実施形態は、例えば、オルリスタットなどのリパーゼ阻害薬である。
適切な抗肥満薬のなおさらなる実施形態は、例えば、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンテルミン、マジンドール、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミンなどのアドレナリンCNS刺激剤である。
適切で追加的な治療活性化合物の他の例には、抗高血圧剤が含まれる。抗高血圧剤の例は、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール、およびメトプロロールなどのβ遮断薬、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、キナプリル、およびラミプリルなどのACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、およびベラパミルなどのカルシウムチャネル遮断薬、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、およびテラゾシンなどのα遮断薬である。
本発明の使用および方法の特定の実施形態では、本発明の化合物は、上述の、適切で追加的な治療活性のある化合物または物質の1つ以上と組み合わせて投与または適用されてもよく、例えば、メトホルミンと例えばグリブリドなどのスルホニル尿素、スルホニル尿素とアカルボース、ナテグリニドとメトホルミン、アカルボースとメトホルミン、スルホニル尿素とメトホルミン、トログリタゾン、インスリンとスルホニル尿素、インスリンとメトホルミン、インスリンとメトホルミン、スルホニル尿素、インスリンとトログリタゾン、インスリンとロバスタチンなどの組み合わせでもよい。
特に、肥満または過体重の治療または予防、すなわち、過度の脂肪過多症の低減または予防に関連する目的で、上述の1つ以上の追加的な治療活性のある化合物または物質と随意に組み合わせた本発明の化合物の投与の場合に、こうした投与を、体重減少の達成または体重増加の予防をする目的で、外科的介入、例えば、肥満外科的介入と組み合わせて採用することも関連性がありうる。
本発明の化合物の投与(随意に、上述の1つ以上の治療活性のある化合物または物質との組み合わせで)は、問題の肥満外科的介入の実施前の期間に、および/または実施に続く期間に行われうる。多くの場合、肥満外科的介入が行われた後、本発明の化合物の投与を開始することが好ましい場合がある。
本発明の化合物は、溶解性MC4受容体作動薬であってよく、例えば、pH7.5、または6.0〜8.0の範囲のpHでなどの適切なpH決定される溶解性が、少なくとも0.2mmol/l、少なくとも0.5mmol/l、少なくとも2mmol/l、少なくとも4mmol/l、少なくとも8mmol/l、少なくとも10mmol/l、または少なくとも15mmol/lであってもよい。
本文脈では、別段の記載がない場合、「溶解可能」、「溶解性」、「水溶液に溶解可能」、「水溶性」、「水溶解可能」、「水溶解性」、「水可溶性」といった用語は、化合物の水または水溶性塩または水溶性緩衝液への溶解性、例えば、10mMのリン酸塩溶液への溶解性、またはその他の化合物を含むが、有機溶媒は含まない水溶液への溶解性を意味する。
一部の実施形態において、本発明の化合物は、高いMC4R効能を有し、当技術分野においてこれまでに開示されたペプチドと比較して高いMC4R選択性を有する。特に、本明細書に開示される化合物は、MC1Rと比較してMC4Rに対して非常に選択的でありうる。
「肥満」という用語は過剰な脂肪組織を意味する。エネルギー摂取がエネルギー消費を超えると、過剰なカロリーが脂肪組織に保存され、この正味バランスが持続した場合、肥満をきたす。すなわち体重のバランスに対する二つの構成要素(摂取または消費)のいずれかの側の異常が肥満につながりうる。この文脈では、肥満は、健康リスクを招く過剰な脂肪組織の任意の度合いとして最も良く見られる。正常個体と肥満の個体の区別は、近似することしかできないが、肥満によってもたらされる健康リスクは、おそらくは脂肪組織の増加に伴い連続して増大する。しかしながら、本発明の文脈では、肥満度指数(BMI = 体重(単位kg)を身長(単位m)の二乗で割ったもの)が25〜30の個体は、過体重とみなされ、30を超えると肥満とみなされる。
本文脈では、「作動薬」という用語は、問題の受容体タイプを活性化する化合物(リガンド)を示すことが意図される。
本文脈では、「拮抗薬」という用語は、作動薬の効果を遮断、中和または相殺する化合物(リガンド)を示すことが意図される。
本文脈では、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、患者に対して有害ではない塩を示すことが意図される。かかる塩には、薬学的に許容可能な酸付加塩、薬学的に許容可能な金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸の塩ならびに有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表的な例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸および硝酸などが含まれる。適切な有機酸の代表的な例には、蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサルチル酸、エタンスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、パラアミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。薬学的に許容可能な無機または有機酸付加塩のさらなる例には、J. Pharm. Sci. (1977) 66, 2(参照により本明細書に組み込まれる)に記載された薬学的に許容可能な塩が含まれる。関連する金属塩の例には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、およびマグネシウム塩などが含まれる。アルキル化アンモニウム塩の例としては、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩およびテトラメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
本明細書において使用される場合、化合物の「治療有効量」という用語は、所定の疾患および/またはその合併症の臨床症状を治癒、緩和、または部分的に停止するのに十分な量を意味する。これを達成するために適切な量は、「治療有効量」と定義される。それぞれの目的のための有効量は、疾患または傷害の重症度、ならびに対象の体重および全身状態に依存する。当然のことながら、適切な投薬量の決定は、値の行列を構築して、その行列内の異なる点を検査することによって、日常的な実験を使用して達成されてもよく、その全ては、訓練を受けた医師または獣医師の通常技術レベルの範囲内である。
本明細書で使用される「治療」、「治療する」という用語およびその他の変形は、疾患または障害などの状態と闘う目的での患者の管理およびケアを意味する。この用語は、症状またはその合併症を軽減する、疾病、障害または状態の進行を遅らせる、疾病、障害または状態を治癒または除去する、および/または予防が疾病、状態、または障害と闘うことを目的とした患者の管理およびケアとして理解されるという点で、状態を予防するために、当該の有効な化合物を投与することなど、患者が経験している所定の状態の広範囲にわたる治療を含むことが意図されており、また症状または合併症の発症を防止するために、当該の有効な化合物を投与することを含む。治療される患者は、哺乳類、特にヒトが望ましいが、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、またはブタなどの他の動物の治療も本発明の範囲内である。
本明細書において使用される場合、「溶媒和物」という用語は、溶質(この場合、本発明による化合物)と溶媒との間に形成される定義された化学量論性の錯体を意味する。溶媒は、一例として、水、エタノール、または酢酸を含みうる。
本発明の化合物のアミノ酸は、コード化されたアミノ酸ならびに非コード化アミノ酸を含む。コード化されたアミノ酸は、IUPAC(セクション3AA−1の第一の表):
www.chem.qmul.ac.uk/iupac/AminoAcid/AA1n2.html#AA1によって定義され、ここにはコード化された20のアミノ酸について、構造名、慣用名、系統名、1文字および3文字の記号が記載されている。1文字および3文字の記号は以下にも示すとおりである。
本文脈で使用される場合、以下の追加的なアミノ酸の略語は以下の意味を有する。
本文脈では、例外が特に示されていない限り、3文字のアミノ酸コードに基づくペプチド命名法の共通規則が適用される。簡潔に述べると、「D−」とそれに続く三文字コード(例えば、D−Ala、D−Lys)によってD構成であることが特に示されない限り、アミノ酸構造の中央部分は三文字コード(例えば、Ala、Lys)によって表現され、L構成が想定される。アミノ基の置換基は、一つの水素原子を置換し、その名称は三文字コードの前に置かれる一方、C末端置換基はカルボン酸ヒドロキシ基を置換し、その名前は3文字のコードの後に表示される。例えば、「アセチル−Gly−Gly−NH」はCH−C(=O)−NH−CH−C(=O)−NH−CH−C(=O)−NHを表す。別途示されていない限り、側鎖中に追加的なアミノ基またはカルボキシ基を有するアミノ酸(Lys、Orn、Dap、Glu、Aspなど)は、アルファアミノ基およびアルファカルボン酸基で形成されたアミド結合によってその隣接する基に結合される。
アミノ酸またはアミノ酸誘導体に関連する「残基」という用語は、カルボキシ基のヒドロキシルおよびアルファアミノ基の一つの水素を除去することによって、対応するアルファアミノ酸に由来するラジカルを意味する。
「接合された」という用語は、ジスルフィド結合を含む共有結合によるアミノ酸残基のリンク、メチレン結合(メチレン架橋とも呼ばれる)、水素結合、および静電結合を包含する。
二つのアミノ酸が共有結合されると言うときは、二つのそれぞれのアミノ酸の側鎖内の官能基が反応して共有結合を形成していることを示すことが意図されている。
アミノ酸側鎖間の共有結合の形成に際して、化合物は環化されうる。化合物がすでに環状である場合、二環式になる場合がある。
こうした一環式(二環式)ポリペプチドは、構造式によって、または一環式化合物については「c[]」、二環式化合物についてはc[c[]]といった略記法を使用することによって言及する場合がある。
したがって、二環式ペプチドは、以下の略記法を使用して言及する場合がある。
c[c[Cys−His−D−Phe−Arg−Trp−Glu−Cys]−His−D−Phe−Arg−Trp−Glu](化学物質1)は、この例において、位置1にあるCys残基と位置7にあるCys残基が結合していること、および位置1にあるCys残基と位置12にあるGlu残基が結合していることを示す。
別途示されない限り、Cys−Cys結合はジスルフィド結合である。例えば、通常のジスルフィド結合の代替として、Cys残基はメチレン架橋によって結合されうる。
本明細書で使用される「メチレン架橋」という用語は、二つのシステイン単位の二つの硫黄原子に結合され、したがって二つのシステインを架橋するメチレン単位を意味する(R1−S−CH−S−R2、式中、R1およびR2はアミノ酸残基側鎖の残りの部分を表す)。
既に述べたように、本発明の一態様は、本明細書に開示される化合物を含む医薬組成物を提供する。
「組成物」という用語は、「製剤」という用語と交換可能に使用される。
こうした製剤の適切な実施形態は、本明細書で開示されている化合物を、10−3mg/ml〜50mg/mlの濃度で、例えば10−1mg/ml〜10mg/mlなどの濃度で含むことがよくある。
製剤は、緩衝系、防腐剤、等張化剤、キレート剤、安定剤、および/または界面活性剤をさらに含んでもよい。本発明の一実施形態において、医薬製剤は水性製剤、すなわち水を含む製剤であり、この文脈において「水性製剤」という用語は通常、少なくとも50重量%の水を含む製剤を示すために用いられてもよい。こうした製剤は典型的には、溶液または懸濁液である。水溶液の形態の本発明の水性製剤は通常、少なくとも50%(w/w)の水を含む。同様に、水性懸濁液の形態での本発明の水性製剤は通常、少なくとも50%(w/w)の水を含む。
別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、使用前に溶媒および/または希釈剤を添加することによって医師または患者による再構成が意図されるフリーズドライ(すなわち、凍結乾燥)製剤であってもよい。
さらなる実施形態において、本発明の医薬組成物は、事前に全く溶解することなく使用できる状態にある乾燥製剤(例えば、フリーズドライまたはスプレードライ)であってもよい。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明の化合物の水溶液と緩衝液とを含む医薬組成物に関し、ここで本発明の化合物は0.1〜10mg/ml以上の濃度で存在し、製剤は約2.0〜約10.0のpHを有する。
本発明の組成物のpHは、典型的には2.0〜10.0の範囲である。
このような一実施形態において、組成物のpHは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9および10.0からなるリストから選択される値を有する。
さらなる実施形態において、本発明の緩衝された医薬組成物中の緩衝液は、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸塩、マレイン酸、フマル酸、酒石酸およびアスパラギン酸からなる群より選択される1つ以上の緩衝物質を含みうる。これらの特定の緩衝液の各々は、本発明の代替的な実施形態を構成する。
別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容可能な防腐剤、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、2−フェノキシエタノール、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、2−フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、チメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p−ヒドロオキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウムおよびクロルフェネシン(3−(4−クロロフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール)からなる群から選択される1つ以上の防腐剤を含みうる。これらの特定の防腐剤の各々は、本発明の代替的な実施形態を構成する。本発明のさらなる実施形態において、防腐剤は0.1mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在する。本発明のそのような医薬組成物のなおさらなる実施形態において、防腐剤は0.1mg/ml〜5mg/mlの範囲の濃度、5mg/mlから10mg/mlの範囲の濃度、または10mg/ml〜20mg/mlの範囲の濃度で存在する。医薬組成物に防腐剤を使用することは、当業者には周知である。便宜上、この点で、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000への参照がなされる。
本発明のさらなる実施形態において、製剤は、通常結果として得られる最終的な液剤が等張または実質的に等張であるように、等張化剤、すなわち、本発明の液剤(特に、水性製剤)または再構成した本発明のフリーズドライ製剤の張度(浸透圧)を所望のレベルに調節する目的のために追加された物質をさらに含む。適切な等張化剤は、塩(例えば、塩化ナトリウム)、糖および糖アルコール(例えば、マンニトール)、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、またはスレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオールまたは1,3−ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 400)、およびそれらの混合物からなる群から選択されうる。
例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性殿粉、ヒドロキシエチル殿粉、カルボキシメチルセルロース−ナトリウムを含む、単糖類、二糖類もしくは多糖類、または水溶性グルカンなどの任意の糖が使用されうる。一実施形態においては、スクロースが使用されうる。糖アルコール(単糖類、二糖類、少糖類または多糖類由来のポリオール)には、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、およびアラビトールが含まれる。一実施形態において、使用される糖アルコールはマンニトールである。上述の糖または糖アルコールは、個別にまたは組み合わせて使用されうる。糖または糖アルコールが液体組成物に可溶性であり、本発明の方法を使用して達成される安定化効果に悪影響を与えない限り、使用される量には固定された限界はない。一実施形態において、糖または糖アルコールの濃度は約1mg/ml〜約150mg/mlである。
さらなる実施形態では、等張化剤は、1mg/ml〜50mg/mlの濃度、例えば、1mg/ml〜7mg/ml、8mg/ml〜24mg/ml、または25mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在する。具体的に上述した任意の等張化剤を含有する本発明の医薬組成物は、本発明の実施形態を構成する。医薬組成物に等張化剤を使用することは、当業者には周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000への参照がなされる。
本発明の医薬組成物のなおさらなる実施形態において、製剤はキレート剤をさらに含む。適切なキレート剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩、クエン酸の塩、およびアスパラギン酸の塩、およびそれらの混合物から選択されうる。キレート剤の濃度は、0.1mg/ml〜5mg/mlの範囲、例えば0.1mg/ml〜2mg/mlまたは2mg/ml〜5mg/mlの範囲であることが適切である。
具体的に上述した任意のキレート剤を含有する本発明の医薬組成物は、本発明の実施形態を構成する。医薬組成物にキレート剤を使用することは、当業者には周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000への参照がなされる。
本発明の医薬組成物の別の実施形態において、製剤は安定剤をさらに含む。医薬組成物に安定剤を使用することは、当業者には周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000への参照がなされる。
より具体的には、本発明の特に有用な組成物は、その治療活性のある成分が保管中に、液体の医薬製剤中で凝集体の形成を示す可能性のある化合物を含む、安定化された液体の医薬組成物を含む。「凝集体の形成」とは、ペプチド分子間の物理的相互作用の結果として、オリゴマー(可溶性のままでもよい)または溶液から沈殿される大きな可視凝集体の形成を意味する。「保管中」という用語は、液体の製剤組成物または製剤が、いったん調製された後、通常はすぐには対象に投与されないという事実を意味する。むしろ、調製された後で、液体形態、凍結した状態、または後に液体形態に再構成される乾燥形態、または対象への投与に適したその他の形態のいずれであるかによらず、保管用に包装される。「乾燥形態」は、液体の医薬組成物または製剤が乾燥されたときに得られる生成物を意味し、乾燥は、フリーズドライ(すなわち、冷凍乾燥、例えば、Williams and Polli(1984)J. Parenteral Sci. Technol. 38: 48−59を参照)、スプレードライ(例えば、Masters(1991)、Spray−Drying Handbook(5th edn.;Longman Scientific and Technical,Essex,U.K.),pp.491−676;Broadhead et al.(1992)Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169−1206;およびMumenthaler et al.(1994)Pharm. Res. 11:12−20を参照)、または空気乾燥(例えば、Carpenter and Crowe(1988)Cryobiology 25:459−470;およびRoser(1991)Biopharm. 4:47−53を参照)による。液体の医薬組成物の保管中における本発明の化合物による凝集体の形成は、そのペプチドの生理活性に悪影響を与える可能性があり、その結果、医薬組成物の治療有効性の損失がもたらされる。さらに、凝集体の形成は、ペプチド含有医薬組成物が注入システムを使用して投与されるときに、チューブ、膜またはポンプの閉塞などのその他の問題を引き起こす場合がある。
本発明の医薬組成物は、組成物の保存中における本発明の化合物による凝集体の形成を減少させるのに十分なアミノ酸塩基の量をさらに含んでもよい。「アミノ酸塩基」とは、アミノ酸、または任意の所定のアミノ酸がその遊離塩基の形態またはその塩の形態で存在するアミノ酸の組み合わせを意味する。アミノ酸の組み合わせが使用される場合、すべてのアミノ酸は、遊離塩基の形態で存在してもよく、すべてがその塩の形態で存在してもよく、または一部がそれらの遊離塩基の形態で、その他が塩の形態で存在してもよい。一実施形態において、本発明の組成物の調製に使用するアミノ酸は、アルギニン、リジン、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの荷電側鎖を有するものである。特定のアミノ酸(例えば、メチオニン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファンまたはスレオニン、およびそれらの混合物)の任意の立体異性体(すなわち、L、D、またはそれらの混合物)、またはこれらの立体異性体の組み合わせは、特定のアミノ酸が遊離塩基の形態または塩の形態のいずれかで存在する限り、本発明の医薬組成物中に存在しうる。一実施形態において、アミノ酸のL−立体異性体が使用される。本発明の組成物はまた、これらのアミノ酸の類似体で調製されてもよい。「アミノ酸類似体」とは、本発明の液体医薬組成物の保管中に、本発明の化合物による凝集体の形成を減少させる望ましい効果を引き起こす天然のアミノ酸の誘導体を意味する。適切なアルギニン類似体には、例えば、アミノグアニジン、オルニチンおよびN−モノエチル−L−アルギニンが含まれる。適切なメチオニン類似体には、エチオニンおよびブチオニンが含まれ、適切なシステイン類似体にはS−メチル−L−システインが含まれる。アミノ酸それ自体と同様、アミノ酸類似体は、遊離塩基の形態または塩の形態のいずれかで本発明の組成物に組み込まれる。本発明のさらなる実施形態において、アミノ酸またはアミノ酸類似体は、本発明の化合物の凝集を防止または遅延するのに十分な濃度で組み込まれる。
本発明の特定の実施形態において、治療薬として作用する本発明の化合物が、メチオニン残基からメチオニンスルホキシドへの酸化を起こしやすい少なくとも一つのメチオニン残基を含むペプチドである場合、そうした酸化を阻止するために、メチオニン(または別の硫黄含有アミノ酸または硫黄含有アミノ酸類似体)が、本発明の組成物に組み込まれうる。この文脈での「阻害する」という用語は、経時的なメチオニン酸化種の蓄積を最小化することを指す。メチオニン酸化の阻害は、結果的に本発明の化合物の適切な分子形態の保持の増加をもたらす。メチオニン(LまたはD)の任意の立体異性体、またはその組み合わせを使用することができる。追加される量は、メチオニン残基の酸化を阻害するのに十分な量で、メチオニンスルホキシドの量が規制当局の許容可能な量とする。典型的には、これは、メチオニンがスルホキシド化する場合に、本発明の化合物の形態の約10%〜約30%を超えないことを意味する。一般的に、加えられたメチオニンとメチオニン残基の比が約1:1〜約1000:1、例えば約10:1〜約100:1などの範囲となるように、組成物中にメチオニンを組み込むことによって達成できる。
本発明のさらなる実施形態において、組成物は、高分子量ポリマーおよび低分子量化合物から選択される安定剤をさらに含む。したがって、例えば、安定剤は、ポリエチレングリコール(例えば、Sigma−Aldrich製PEG 3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ−/ヒドロキシセルロースおよびその誘導体(例えば、HPCまたはHPMC)、シクロデキストリン、硫黄含有物質(モノチオグリセロール、チオグリコール酸および2−メチルチオエタノールなど)、および様々な塩(例えば、塩化ナトリウム)などの物質から選択されうる。具体的に上述した任意の安定剤を含有する本発明の医薬組成物は、本発明の実施形態を構成する。
本発明の医薬組成物はまた、その中に治療活性化合物の安定性をさらに高める追加的な安定剤を含んでもよい。本発明の文脈における特に注目する安定化剤としては、これらに限定されないが、メチオニン酸化に対してペプチドを保護するメチオニンおよびEDTAや、界面活性剤、特に冷凍解凍または機械的剪断に関連する凝集または分解に対してポリペプチドを保護する非イオン性界面活性剤が含まれる。
したがって、本発明のさらなる実施形態において、医薬組成物は界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤を含む。その例には、エトキシル化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(例えば、PLURONIC F68、ポロキサマー188および407、Triton X−100などのポロキサマー)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキル化誘導体およびアルコキシル化誘導体(Tween、例えば、Tween−20、Tween−40、Tween−80およびBrij−35など)などのポリオキシエチレン誘導体およびポリエチレン誘導体、モノグリセリドまたはそのエトキシル化誘導体、ジグリセリドまたはそのポリオキシエチレン誘導体、アルコール類、グリセロール、レクチンおよびリン脂質(例えば、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、およびスフィンゴミエリン)、リン脂質の誘導体(例えば、ジパルミトイルホスファチジン酸)およびリゾリン脂質(例えば、パルミトイルリゾホスファチジル−L−セリンおよびエタノールアミン、コリン、セリンまたはスレオニンの1−アシル−sn−グリセロ−3−リン酸エステル)およびリゾホスファチジルおよびホスファチジルコリンのアルキル化誘導体、アルキル化エステル誘導体およびアルキル化エーテル誘導体、例えば、リゾホスファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン、および極性頭基の修飾、すなわちコリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール、および正電荷を帯びたDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルトレオニン、およびグリセロリン脂質(例えば、ケファリン)、グリセロ糖脂質(例えば、ガラクトピラノシド)、スフィンゴ糖脂質(例えば、セラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスホコリン、鶏卵リゾレシチン、フシジン酸誘導体(例えば、タウロ−ジヒドロフシジン酸ナトリウムなど)、長鎖脂肪酸(例えば、オレイン酸またはカプリル酸)およびその塩、アシルカルニチンおよび誘導体、リジン、アルギニンまたはヒスチジンのNαアシル化誘導体、またはリジンまたはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニンまたはヒスチジンおよび中性または酸性のアミノ酸の任意の組み合わせを含むジペプチドのNαアシル化誘導体、中性アミノ酸および2個の荷電アミノ酸の任意の組み合わせを含むトリペプチドのNαアシル化誘導体、DSS(ドキュセートナトリウム、CAS登録番号[577−11−7])、ドキュセートカルシウム、CAS登録番号[128−49−4])、ドキュセートカリウム、CAS登録番号[7491−09−0])、SDS(ドデシル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸ナトリウム)、カプリル酸ナトリウム、コール酸またはその誘導体、胆汁酸およびその塩およびグリシンまたはタウリン結合体、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N−ヘキサデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、陰イオン性(アルキルアリールスルホン酸)一価界面活性剤、双性イオン界面活性剤(例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、3−コラミド−1−プロピルジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩、陽イオン界面活性剤(四級アンモニウム塩基)(例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム)、非イオン界面活性剤(例えば、ドデシルβ−D−グルコピラノシド)、ポロキサミン(例えば、Tetronicのもの)(これは、エチレンジアミンへの酸化プロピレンおよび酸化エチレンの逐次追加に由来する四官能性ブロックコポリマーである)が含まれる。界面活性剤はまた、イミダゾリン誘導体およびその混合物から選択されうる。具体的に上述した任意の界面活性剤を含有する本発明の医薬組成物は、本発明の実施形態を構成する。
医薬組成物に界面活性剤を使用することは、当業者には周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000への参照がなされる。
追加的な成分も本発明の医薬組成物中に存在してもよい。このような追加的成分には、例えば、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、金属イオン、油性の媒体、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチンまたはその他のタンパク質)、および双性イオン種(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジンまたはヒスチジンなどのアミノ酸)が含まれうる。こうした追加的な成分は、当然のことながら、本発明の医薬製剤全体の安定性に悪影響を与えるべきではない。
本発明による化合物を含有する医薬組成物(製剤)は、例えば、局所的な部位(例えば、皮膚および粘膜部位)、吸収を迂回する部位(例えば、動脈内、静脈内または心臓内の投与による)、吸収に関与する部位(例えば、皮膚内、皮膚下、筋肉内または腹部内)といった複数の部位でそのような治療を必要とする患者に投与されうる。本発明による医薬組成物(製剤)を必要とする患者へのその投与は、いくつかの投与経路によってもよい。これには、例えば、舌、舌下、頬側、口腔内、経口、胃腸内、経鼻、肺(例えば、細気管支および肺胞を経由、またはその組み合わせ)、上皮、真皮、経皮、経腟、直腸、眼腔(例えば、結膜を経由)および非経口が含まれる。
非経口投与は、シリンジによって、例えばペン装置の形態のシリンジによって皮下、筋肉内、腹腔内、または静脈内注射により実施されうる。別の方法として、非経口投与は、輸液ポンプによって行うことができる。
さらなる選択肢は、鼻噴霧または肺噴霧の形態の液体(典型的には水性)溶液または懸濁液である本発明の組成物の投与である。なおさらなる選択肢として、本発明の医薬組成物は、経皮投与(例えば、無針注射による、またはイオン注入パッチなどのパッチ)または経粘膜投与(例えば、頬側)に適合させてもよい。
本発明の組成物は、様々な投薬形態、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、マイクロエマルジョン、多層乳剤、泡、軟膏、ペースト、石膏、膏薬、錠剤、コーティング錠、リンス、カプセル(例えば、ハードゼラチンカプセルまたはソフトゼラチンカプセル)、座薬、直腸カプセル、滴剤、ゲル、スプレー、粉末、エアロゾル、吸入薬、点眼剤、眼軟膏、洗眼薬、ペッサリー、膣リング、膣軟膏、注射液、インサイチュー変換溶液(例えば、インサイチューゲル化、インサイチュー凝固、インサイチュー沈殿またはインサイチュー結晶化)、輸液またはインプラントの形態で投与されうる。
本発明の組成物は、例えば、共有結合的、疎水的または静電的な相互作用を介して、さらに、本発明の化合物の安定性を高める、バイオアベイラビリティを増大させる、溶解性を高める、有害影響を減らす、当業者に周知の時間療法を達成する、および患者の服薬遵守を高める、またはそれらの任意の組み合わせのために、薬物担体、薬物送達システムまたは高度な薬物送達システムに、さらに配合されうるか、または結合されうる。担体、薬物送達システムおよび高度な薬物送達システムの例には、ポリマー(例えば、セルロースおよび誘導体);多糖類(例えば、デキストランおよび誘導体、デンプンおよび誘導体);ポリ(ビニルアルコール);アクリル酸およびメタクリル酸ポリマー;ポリ乳酸およびポリグリコール酸およびそのブロック共重合体;ポリエチレングリコール;担体タンパク質(例えば、アルブミン);ゲル(例えば、当業者に周知のブロック共重合体システムなどの熱ゲル化システム);ミセル;リポソーム;ミクロスフェア;ナノ粒子;液晶およびその分散;脂質水システムにおける相挙動の当該技術の当業者に周知のL2相およびその分散;高分子ミセル;多層乳剤(自己乳化、自己マイクロ乳化);シクロデキストリンおよびその誘導体;およびデンドリマーが含まれるが、これに限定されない。本発明の組成物は、例えば、計量式吸入器、乾燥粉末吸入器または噴霧器(そのすべては当業者にとって周知の装置である)を使用した、本発明の化合物の肺内投与のための固体、半固体、粉末および溶液の製剤において有用である。
「安定化製剤」という用語は、物理的安定性の増大、化学安定性の増大、または物理的安定性および化学安定性の増大を図った製剤を意味する。本発明の化合物を含む製剤の文脈における「物理的安定性」という用語は、熱機械的応力および/または不安定化する界面および表面(疎水性表面および界面など)との相互作用への露出の結果として、生物学的に不活性および/または不溶性の凝集体を形成する化合物の傾向を意味する。水性ペプチド/タンパク質製剤の物理的安定性は、適切な容器(例えば、カートリッジまたはバイアル)内に満たされた製剤を、様々な時間間隔について異なる温度で機械的/物理的応力(例えば、撹拌)に暴露した後で、目視検査および/または濁度測定をすることによって評価される。製剤の目視検査は、しっかりと焦点を合わせた光中で暗い背景を用いて実施される。製剤の濁度は、濁度の度合いをランク付けする視覚的スコアによって特性付けられ、例えば0〜3のスケールである(ここで、濁度がないことを示す製剤は視覚的スコア0に相当し、昼光中で目に見える濁度を示す製剤は視覚的スコア3に相当する)。製剤は通常、昼光中で目に見える濁度を示すときに、凝集体に関して物理的不安定であると分類される。あるいは、製剤の濁度は、当業者にとって周知の単純な濁度測定によって評価することができる。
本明細書で使用される医薬製剤の「化学安定性」という用語は、元の分子と比較して、潜在的に生物学的効能が低く、および/または潜在的に免疫原性が高い化学分解産物の形成につながる化合物構造の化学的共有結合の変化を指す。開始分子の種類および性質、およびそれが曝露される環境に応じて、様々な化学分解産物が形成されうる。化学分解の除去は、おそらくは完全には回避できない可能性が高く、また化学分解産物の量の漸進的な増大が、配合製剤の保管および使用中によく見られることは、当業者には周知のとおりである。よく見られる分解プロセスは、脱アミド化であり、これはグルタミニル残基またはアスパラギニル残基の側鎖アミド基が加水分解されて遊離カルボン酸を形成するプロセスである。その他の分解経路には、より高い分子量変換生成物の形成が関与し、ここで、開始物質の2個以上の分子はアミド基転移および/またはジスルフィド相互作用によって互いに共有結合し、共有結合した二量体、オリゴマーまたはポリマーの分解産物の形成につながる(例えば、Stability of Protein Pharmaceuticals, Ahern. T.J. & Manning M.C., Plenum Press, New York 1992を参照)。酸化(例えば、メチオニン残基の酸化)は、化学分解の別の変形として言及されてもよい。製剤の化学安定性は、異なる環境条件への曝露後の様々な時点で化学分解産物の量を測定することによって評価されうる(ここで、分解産物の形成は、例えば、温度上昇によって加速されることがよくありうる)。各個別の分解産物の量は、分子サイズおよび/または荷電に応じて、さまざまなクロマトグラフィー技術(例えば、SEC−HPLCおよび/またはRP−HPLC)を使用した分解生成物の分離によって決定されることがよくある。
よって、上記に概説したとおり、「安定化製剤」という用語は、物理的安定性の増大、化学安定性の増大、または物理的安定性および化学安定性の増大を図った製剤を意味する。概して、医薬組成物は、有効期限に到達するまで、使用中および保管中(推奨される使用条件および保管条件に準拠)で安定していなければならない。
本発明の医薬組成物は、2週間を超える使用および2年間を超える保管について安定していることが好ましく、4週間を超える使用および2年間を超える保管について安定していることがより好ましく、4週間を超える使用および3年間を超える保管について安定していることが望ましく、6週間を超える使用および3年間を超える保管について安定していることが最も好ましい。
一実施形態において、本発明はその内容物を含む注入装置に関する。一部の実施形態において、本発明の医薬組成物は、注入装置の使用および/または含有が意図されている。一部の実施形態において、注入装置は、FlexTouch(登録商標)タイプの使い捨てプレフィルド複数用量ペンである(供給元:Novo Nordisk A/S、デンマーク)。一部の実施形態において、注入装置は、単回注入装置である。
一部の実施形態において、注入装置は、複数の所定用量の薬剤を送達するように構成されたものなどの固定用量装置であり、時には複数の固定用量装置または固定用量複数注入装置と呼ばれることがある。
「本明細書で使用される「EC50」という用語は、その作動薬について可能性のある最大応答の50%を生成する作動薬のモル濃度を意味する。一例として、72nMの濃度で、MC4R細胞発現システムでのcAMPアッセイで決定される、その化合物について最大可能応答の50%を生成する試験化合物は、72nMのEC50を有する。別途指定がない限り、EC50決定に関連するモル濃度は1リットル当たりのナノモル(nM)である。
本明細書において使用される場合、「K(nM)」という用語は、放射性リガンドまたは他に競合するものの非存在下での平衡状態で、受容体の結合部位の半数に結合する競合化合物のモル濃度を表す平衡阻害剤解離定数を指す。一般的に、Kiの数値は、Kiが低い場合に親和性が高くなるように、受容体用の化合物の親和性と反比例する。Kiは、ChengおよびPrusoff(Cheng Y., Prusoff W. H., Biochem. Pharmacol. 22:3099−3108,1973)の方程式(数式1)を使用して決定されてもよく、
ここで「リガンド」は放射性リガンドの濃度、およびKは、放射性リガンドについての受容体親和性の逆尺度であり、これは放射性リガンドによる50%の受容体占有率を生成する。別途指定がない限り、Ki決定に関連するモル濃度はnM単位である。Kiは、特定の受容体(例えば、MC1R、MC3R、MC4RまたはMC5R)および特定のリガンド(例えば、本明細書に開示されるa−MSHまたは化合物)について表現されうる。
本発明は、本明細書に開示される特定の配列に1、2または3個のアミノ酸置換および/または欠失および/または挿入を含みうる本発明の二環式化合物の変異体を包含する。
「置換」変異体は、1つ以上のアミノ酸の同数のアミノ酸による置換、および同類アミノ酸置換の実施を含むことが好ましい。例えば、1つのアミノ酸は、類似の特性、例えば、別の塩基性アミノ酸、別の酸性アミノ酸、別の中性アミノ酸、別の荷電アミノ酸、別の親水性アミノ酸、別の疏水性アミノ酸、別の極性アミノ酸、別の芳香族アミノ酸、または別の脂肪族アミノ酸を有する、1つの代替的アミノ酸で置換されうる。
置換は、同類置換としうるが、これに限定されない。
好ましい変異体には、配列に見られるアミノ酸の代わりに、アミノ酸の構造類似体を含むものが含まれる。
本明細書に引用された刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献はこれにより、各参考文献が個別におよび具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に示されるのと同程度に、その全体が参照により組み込まれる(法律によって許容される最大範囲まで)。
本明細書の特許文書の引用および組み込みは、便宜上行われているだけであり、かかる特許文書の有効性、特許性および/または執行可能性の観点からは一切反映されていない。
見出しおよび小見出しは本明細書では便宜上使用されているだけであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
別途示されていない限り、「約」という用語は±10%を意味する。
本明細書におけるありとあらゆる例の使用、または例示的な言葉遣い(「例えば」(“for instance”、“for example”、“e.g.”)および「など」を含む)は、単に本発明をより良く説明することを意図するものであり、かつ別途指示のない限り、本発明の範囲に制限を与えるものではない。本明細書中のいずれの語句も、特許請求しない任意の要素を本発明の実施に必須であると示すとは解釈されない。
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載された主題のすべての修正および均等物を、適用法により許可される範囲で含む。
(実施形態)
本発明は、以下の非限定的実施形態によってさらに説明される。
[1]以下のアミノ酸残基Cys−X−His−D−Phe−His−Trp−Cysにより表される配列を含み、XがProまたはTHAZである、二環式MC4R作動薬化合物。
[2]式Iによる二環式化合物であって、
式中、
X1およびX8は結合され、X1およびX14は結合されており、
X1は、Cys、HCys、またはPenであり、
X2は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、ACP、Glu、Lys、D−Lys、Arg、AZE、PIP、OXA、Glyであるか、または不在であり、
X3は、His、ProまたはHypであり、
X4は、D−PheまたはPheであり、
X5は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、AcLys、Gln、またはLys(Me)であり、
X6は、Trp、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Pheまたは1−Nalであり、
X7は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Argであるか、または不在であり、
X8は、Cys、HCys、またはPenであり、
X9は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、Arg、ACP、Glu、Lys、AZE、PIP、Orn、Gly、D−Lysであるか、または不在であり、
X10は、His、Pro、Hyp、Phe、Glu、Lys、D−Lys、Tyr、Ala、D−Ala、Asp、ArgまたはOrnであり、
X11は、D−Phe、Phe、Glu、Lys、Lys(CHCOOH)、D−Lys、D−Ala、Ala、Arg、またはAspであり、
X12は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Ala、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、Glu、Ala、Orn、D−Lys、Lys(Me)、Asnであるか、または不在であり、
X13は、Trp、Arg、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Phe、1−Nal、Ala、Pheであるか、または不在であり、
X14は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Arg、Pheであるか、または不在であり、
それらのエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべて、または前述の任意の化合物の薬学的に許容可能な塩を含む。
[3]ジスルフィド結合またはメチレン架橋を含む、実施形態1または2に記載の二環式化合物。
[4]X1およびX8が硫黄原子を含むアミノ酸残基である、実施形態2または3に記載の化合物。
[5]X1およびX8がジスルフィド結合またはメチレン架橋によって結合され、X1およびX14がX1のアルファアミンとX14のアルファカルボン酸基との間のアミド結合によって結合される、実施形態2または3に記載の化合物。
[6]9〜14個のアミノ酸残基を含む、実施形態1〜5のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[7]X1がCys、HCysおよびPenからなる群から選択される、実施形態1〜6のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[8]X2がTHAZおよびProからなる群から選択される、実施形態1〜7のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[9]X3がHisである、実施形態1〜8のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[10]X4がD−Pheである、実施形態1〜9のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[11]X5がArg、His、Dab、およびDapからなる群から選択される、実施形態1〜10のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[12]X6がTrpである、実施形態1〜11のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[13]X7が不在である、実施形態1〜12のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[14]X8がCys、HCysおよびPenからなる群から選択される、実施形態1〜13のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[15]X9がD−Lys、Lys、Arg、およびD−Argからなる群から選択される、実施形態1〜14のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[16]X10がAla、Glu、およびD−Alaからなる群から選択される、実施形態1〜15のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[17]X11がLys、D−Lys、Arg、およびD−Argからなる群から選択される、実施形態1〜16のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[18]X12がAla、D−Ala、およびGluからなる群から選択される、実施形態1〜17のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[19]X13がArgおよびTrpからなる群から選択される、実施形態1〜18のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[20]X14が不在である、実施形態1〜19のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[21]以下からなる群から選択される、実施形態1〜6のいずれか一つに記載の二環式化合物:
[22]配列番号114(化学物質114)による化合物であり、任意に1、2または3個のアミノ酸置換を含む、実施形態1〜21のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[23]配列番号120(化学物質120)による化合物であり、任意に1、2または3個のアミノ酸置換を含む、実施形態1〜21のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[24]前記置換が同類置換である、実施形態22または23に記載の二環式化合物。
[25]1、2または3個のアミノ酸欠失、および/または1、2または3個のアミノ酸挿入を含む、実施形態22〜24のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[26]本明細書に記載されるヒトMC4R競合結合アッセイで測定して100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、または10nM未満のMC4R結合Kiを有するMC4R作動薬である、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[27]本明細書に記載したインビボ肥満モデルで決定した場合に、食物摂取量を約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70または75%減少させる能力を有する、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[28]食物摂取量を5〜75%、10〜75%、15〜75%、20〜75%、25〜75%、30〜75%、5〜50%、10〜50%、15〜50%、20〜50%、30〜50%、15〜40%または20〜40%減少させる能力を有する、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[29]本明細書に記載するインビボin vivo肥満モデルで決定した場合に、体重を1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30%減少させる能力を有する、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の二環式化合物。
[30]体重を1〜30%減少させる能力を有する、実施形態29に記載の二環式化合物。
[31]体重を15〜30%減少させる能力を有する、実施形態30に記載の二環式化合物。
[32]実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物がそれを必要とする患者に投与される、食物摂取量を減少させる方法。
[33]本明細書に記載したin vivo肥満モデルで決定した場合に、食物摂取量を5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70または75%減少させる能力を有する、実施形態32に記載の方法。
[34]食物摂取量を5〜75%、10〜75%、15〜75%、20〜75%、25〜75%、30〜75%、5〜50%、10〜50%、15〜50%、20〜50%、25〜50%、30〜50%、15〜40%、または20〜40%減少することができる、実施形態32に記載の方法。
[35]実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物がそれを必要とする患者に投与される、体重を減少させる方法。
[36]本明細書に記載したin vivo肥満モデルで決定した場合に、体重を1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30%減少させる、実施形態35に記載の方法。
[37]体重を1〜30%減少させる、実施形態35に記載の方法。
[38]体重を15〜30%減少させる、実施形態37に記載の方法。
[39]有効量の実施形態1〜25のいずれか一つに記載の実施形態による化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、肥満または過体重を治療する方法。
[40]肥満患者における、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病、IGT、脂質異常症、冠動脈性心疾患、胆嚢疾患、胆石、変形性関節症、ガン、性的機能不全、視床下部性無月経、若年死亡のリスク、神経保護、虚血性心疾患における効果、または抗炎症性の効果から選択される疾患または状態の治療方法であって、有効量の実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物を、それを必要とする肥満患者に投与することを含む、方法。
[41]非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)から選択される疾患または状態の治療方法であって、有効量の実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物を投与することを含む、方法。
[42]医薬品で使用するための、実施形態1〜25のいずれか一項に記載の化合物。
[43]肥満または過体重の治療において使用するための、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物。
[44]過体重または肥満に関連した疾患または状態の治療;多食症の治療;過食症の治療;アテローム性動脈硬化症、高血圧、2型糖尿病、IGT、脂質異常症、冠動脈性心疾患、胆嚢疾患、胆石、変形性関節症、ガン、性的機能不全、視床下部性無月経または若年死亡のリスクの治療;または肥満患者における、2型糖尿病、IGT、冠動脈性心疾患、胆嚢疾患、胆石、変形性関節症、ガン、性的機能不全、若年死亡のリスクから選択される疾患または状態の治療において、神経保護を提供するために、虚血性心疾患、脳虚血または抗炎症作用に対する効果を持たせるため、および自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症の治療のために使用するための、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物。
[45]非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療で使用するための実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物。
[46]肥満または過体重の治療において使用するための薬物を製造するための、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物の使用。
[47]過体重または肥満に関連した疾患または状態の治療;多食症の治療;過食症の治療;アテローム性動脈硬化症、高血圧、2型糖尿病、IGT、脂質異常症、冠動脈性心疾患、胆嚢疾患、胆石、変形性関節症、ガン、性的機能不全、視床下部性無月経または若年死亡のリスクの治療;または肥満患者における、2型糖尿病、IGT、冠動脈性心疾患、胆嚢疾患、胆石、変形性関節症、ガン、性的機能不全、若年死亡のリスクから選択される疾患または状態の治療において、神経保護を提供するために、虚血性心疾患、脳虚血または抗炎症作用に対する効果を持たせるため、および自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症の治療のために使用するための薬物を製造するための、実施形態1〜25のいずれか一つによる化合物の使用。
[48]非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療において使用するための薬剤を製造するための、実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物の使用。
[49]実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物を含む医薬組成物。
[50]1つ以上の追加的な治療活性のある化合物または物質をさらに含む、実施形態49に記載の医薬組成物。
[51]前記追加的な治療活性のある化合物または物質が、抗糖尿病薬、抗脂質異常症薬、抗肥満薬、抗高血圧剤、および糖尿病に起因するかまたは糖尿病に関連する合併症を治療するための薬剤から選択される、実施形態50に記載の医薬組成物。
[52]pHが中性から弱塩基性である、実施形態49〜51のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[53]pHが中性から弱酸性である、実施形態49〜51のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[54]pHが約7.0〜約8.0である、実施形態49〜51のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[55]pHが約6.0〜約7.0である、実施形態49〜51のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[56]pHが約6である、実施形態55に記載の医薬組成物。
[57]前記組成物が約0.05mg〜約1000mgの前記化合物を含む単位剤形である、実施形態49〜56のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[58]前記化合物または組成物が1日1回投与される、実施形態1〜57のいずれか一つに記載の方法、使用、化合物または組成物。
[59]前記化合物または組成物が2日に1回、3日に1回、4日に1回または5日に1回投与される、実施形態1〜58のいずれか一つに記載の方法、使用、化合物または組成物。
[60]前記化合物または組成物が週1回投与される、実施形態1〜59のいずれか一つに記載の方法、使用、化合物または組成物。
[61]前記化合物または組成物が、非経口的に、経口的に、経鼻的に、頬側に、または舌下に投与される、実施形態1〜60のいずれか一つに記載の方法、使用、化合物または組成物。
[62]前記化合物または組成物が非経口的に投与される、実施形態61に記載の方法、使用、化合物または組成物。
[63]対象においてMC4Rを活性化する方法であって、方法が、有効量の実施形態1〜25のいずれか一つに記載の化合物を前記対象に投与することを含む、方法。
さらなる非限定的実施形態を以下に示す:
一実施形態において、本明細書に開示される化合物は、半減期延長(遅延)部分には連鎖されていない。
一実施形態において、本明細書に開示される化合物は、MC1Rと比較してMC4Rについて非常に選択的である。
こうした一実施形態において、本明細書に開示される化合物は、MC1Rと比較してMC4Rに対して、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、2000倍、3000倍、4000倍、5000倍、6000倍、7000倍、8000倍、9000倍、または10000倍(またはそれ以上)高い親和性を示す(Ki(nM)に基づく)。
一実施形態において、本明細書に開示される化合物は、MC4R活性化に関連して非常に強力である。
一実施形態において、本明細書に開示される化合物は、MC4R活性化に関して非常に強力であり、かつMC1R活性化に対して著しく弱い。
一実施形態において、本明細書に開示される化合物は、MC1R活性化と比較してMC4R活性化に関して著しく低いEC50値を示す(cAMPシグナリング(nM)に基づく)。
一部の実施形態において、本明細書に開示される化合物は、MC1Rに関するEC50よりも、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、または1000倍低いMC4R活性化に関するEC50を示す(本明細書の実施例3に記載されるようにcAMPシグナリング(nM)に基づく)。
一実施形態において、本明細書に開示される化合物は、20、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000より大きいMC1R/MC4R EC50比を示す。
一実施形態において、本発明の化合物はバックボーンを含む二環式MC4R作動薬であり、ここで前記バックボーンは次のアミノ酸残基Cys−X−His−D−Phe−His−Trp−Cysによって表される配列を含み、ここでXはProまたはTHAZである。こうした一実施形態において、二環式化合物は、アミノ酸残基8、9、10、11、12、13、14または15個分の長さを有する。こうした一実施形態において、化合物はジスルフィド結合またはメチレン架橋を含む。
こうした一実施形態において、二環式化合物は、肥満または過体重の治療における使用に適している。本発明はまた、上述の本発明の化合物の2つ以上の実施形態の組み合わせを包含する。
添付の(電子)配列リストに列挙された配列は、配列番号7(化学物質7)を除いてすべての二環式化合物である。
(略語)
Aib: 2−アミノイソ酪酸
DCM: ジクロロメタン
DIC: ジイソプロピルカルボジイミド
DIO: 食餌誘発性肥満
DMF: ジメチルホルムアミド
LCMS: 液体クロマトグラフィー質量分析
MALDI−MS: マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析
MC4R: メラノコルチン4受容体
NMP: N−メチルピロリジン−2−オン
RP−HPLC: 逆位相高速液体クロマトグラフィー
RT: 室温
SPPS: 固相ペプチド合成
OXYMA PURE: シアノ−ヒドロキシイミノ−酢酸エチルエステル
TFA: トリフルオロ酢酸
TIS: トリイソプロピルシラン
UPLC: 超高性能液体クロマトグラフィー
(実施例1)調製の一般的な方法
調製方法
本発明の化合物は、当業界で周知のように調製されうる。
一態様において、医薬品化合物および製剤は、本明細書の実施例に記載されるとおりに調製されうる。
本明細書に開示されるように、ペプチド(例えば、二環式ペプチド)の製造は当技術分野で周知である。二環式ペプチドは、例えば、Boc化学もしくはFmoc化学または他の定評のある技術を用いた伝統的ペプチド合成、例えば、固相ペプチド合成により生成されてもよく、例えば、Greene and Wuts「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons, 1999, Florencio Zaragoza Dorwald「Organic Synthesis on solid Phase」、Wiley−VCH Verlag GmbH, 2000、および「Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis」、編集W.C. Chan and P.D. White, Oxford University Press, 2000を参照のこと。
ジスルフィド架橋にメチレン架橋を導入する方法
メチレン架橋またはチオアセタールを、Kourra C.M.B.K.、Cramer N、 Converting disulfide bridges in native peptides to stable methylene thioacetals、 Chem Sci. 2016;7(12):7007−7012の記載の通り、導入してもよい。
固相ペプチド合成を使用した調製の一般的な方法
このセクションは、固相ペプチド合成法(アミノ酸の脱保護方法、樹脂からペプチドを切断する方法、およびその精製方法を含む、SPPS法)ならびに結果的に得られるペプチド(LCMS、MALDI−MS、およびUPLC方法)を検出して特徴付ける方法に関連する。ペプチドの固相合成は、一部の場合において、2−Fmoc−オキシ−4−メトキシベンジル、または2,4,6−トリメトキシベンジルなど(これに限定されない)の酸性条件下で開裂されうる基とのジペプチドアミド結合上で保護されたジペプチドの使用によって改善されうる。セリンまたはスレオニンがペプチド中に存在する場合、疑似プロリンジペプチドを使用してもよい(例えば、Novabiochemから入手可能、W.R. Sampson (1999), J. Pep. Sci. 5, 403も参照のこと)。使用されたFmoc保護アミノ酸誘導体は、次の標準的に推奨されるものである。Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Arg(Pbf)−OH、Fmoc−Asn(Trt)−OH、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−His(Trt)−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Met−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Trp(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、または、Fmoc−Val−OHなどで、例えば、Anaspec、Bachem、Iris Biotech、またはNovabiochemから供給される。他に何も指定されていない場合、アミノ酸の天然L構成が使用される。
樹脂結合型保護ペプチドヒドラジドの合成
ヒドラジン樹脂の調製
2−クロロトリチルクロリド樹脂(25g、1.70mmol/g)を窒素下で30分間DMF(125ml)中で膨潤させ、次いで0℃まで冷却した。ヒドラジン水和物(7.7ml、160mmol)とトリエチルアミン(6.7ml、48mmol)の混合物のDMF(10ml)溶液を、滴下して加え、懸濁液を25℃で30分間撹拌した。次いで、懸濁液を0℃に冷却した後、ヒドラジン水和物(7.7ml、160mmol)とトリエチルアミン(6.7ml、48mmol)の混合物のDMF(10ml)溶液を滴下して加えた。懸濁液を25℃で30分攪拌し、次いで濾過し、NMP(6x)、水(6x)、NMP(6x)、メタノール(6x)およびDCM(6x)で洗浄した。次に、樹脂を真空中で一晩乾燥させると、22.60gの淡黄色樹脂が得られた。
方法: SPPS
SPPSは、Protein Technologies(ツーソン、米国アリゾナ州85714)製のPrelude Solid Phase Peptide Synthesizerで、樹脂負荷(ヒドラジン樹脂の典型的な負荷は0.3mmol/gであって)と比較して6倍過剰のFmoc−アミノ酸(NMP中300mmで、300mm OXYMA PURE(登録商標)を使用)を用いて、250−μmolまたは400−μmolのスケールで実施された。20%ピペリジンのNMP溶液を使用してFmoc脱保護を実施した。カップリングは、3:3:3:4のアミノ酸/OXYMA PURE(登録商標)/DIC/コリジンのNMP溶液を使用して実施した。NMPおよびDCMトップ洗浄(各7ml、0.5分、2×2)を脱保護工程とカップリング工程の間で実施した。カップリング時間は概して60分であった。Fmoc−Arg(Pbf)−OH、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−Cys(Trt)−OHまたはBoc−His(Trt)−OHを含むが、これに限定されない一部のアミノ酸は「二重結合」であり、これは、第一の結合(例えば、60分)の後、樹脂が排出されたあと、試薬がさらに加えられ(アミノ酸、OXYMA PURE(登録商標)、DIC、およびコリジン)、混合物の反応が再び許容されるようにした(例えば、60分)ことを意味する。
樹脂結合ペプチドヒドラジドの切断および精製
合成後、樹脂をDCMで洗浄し、TFA/TIS/2−メルカプトエタノール/水(87.5/5/5/2.5)を用いて3時間処理して樹脂からペプチドを切断し、その後ジエチルエーテルで析出した。ペプチドを適切な溶媒(例えば、10/90酢酸/水)に溶解し、C18、5μMカラム上で標準RP−HPLCによってアセトニトリル/水/TFAを使用して精製した。画分をUPLC、MALDI−MSおよびLCMSを組み合わせた方法で分析し、適切な画分をプールした。
ペプチドヒドラジドの環化、ジスルフィド酸化および精製
方法: NCL_M1
ペプチドヒドラジドのRP−HPLC精製からプールした画分を、水で希釈し、80:20の水/アセトニトリルにした。リン酸2ナトリウムを加えて、最終濃度0.2Mにし、濃塩酸(水溶液)でpHを3.0に調節した。混合物を0℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム(水中0.2M、10当量)を加え、混合物を0℃で20分間攪拌した。2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(20当量)を加え、pHを1MのNaOH(水溶液)で7.0に調節した。反応混合物を25℃で16時間攪拌し、次いで、C18、5μMカラム上で標準RP−HPLCにより、アセトニトリル/水/TFAを使用して精製した。画分をUPLC、MALDI−MSおよびLCMSを組み合わせた方法で分析し、適切な画分をプールし冷凍乾燥した。
一般的な検出および特徴づけの方法
LCMSは、Waters Acquity UPLCシステムおよびLCT Premier XE質量分析計(Micromass製)から構成されるセットアップで実施された。溶離液:A:0.1%蟻酸水溶液、B:0.1%蟻酸アセトニトリル溶液。
分析は、AおよびBのグラジエントで溶出されたカラムに適切な量(好ましくは、2〜10μl)の標本を注入することによって、室温(RT)で実施された。UPLCの条件、検出器の設定、質量分析計の設定は以下のとおりである。
カラム:Waters Acquity UPLC BEH、C−18、1.7μm、2.1mm×50mm。
グラジエント:0.4ml/分で4.0分間の線形5%〜95%アセトニトリル。
検出:214nm(TUV(可変波長UV検出器)からのアナログ出力)
MSイオン化モード:API−ES
スキャン:100〜2000amu(代替的に500〜2000amu)、ステップ0.1amu。
逆相分析は、デュアルバンド検出器に適合するWaters UPLCシステムを使用して実施された。214nmおよび254nmで、ACQUITY UPLC BEH、C18、1.7μm、2.1mm×150mmカラムを使用して、40℃でUV検出を収集した。UPLCシステムは、次の2つの溶出剤貯蔵部に接続されていた。A:99.95%HO、0.05%TFA、およびB:99.95%CHCN、0.05%TFA。以下の線形勾配が使用された。流量0.40ml/分で、16分にわたり95%A、5%B〜5%A、95%B。
図1は、本明細書に開示された化合物の質量分析データを示す。
(実施例2)メラノコルチン4受容体(MC4R)結合アッセイ
ヒトMC4受容体を発現する組換えBHK細胞へのインビトロ 125 NDP−α−MSH結合(濾過アッセイ)
ヒトMC4Rに対する選択された化合物の結合親和性を評価するために、放射標識NDPアルファMSH(125NDP−α−MSH)を用いて競合結合アッセイを実施した。
アッセイは、ヒトMC4受容体を安定的に発現するBHK細胞を使用して、96ウェルフィルタープレート(Unifilter)内で実施した。
BHK細胞膜は、冷凍または新鮮な細胞から調製したもので、20mMのHEPES、pH7.1、5mMのMgCl、1mg/mlバシトラシン(緩衝液1)中で均質化させ、Sorvall RC 5Bプラス、SS−34ローター内で、15000rpm、4℃で、10分間遠心分離した。上清を捨て、ペレットを緩衝液1中で再懸濁させ、さらに2回均質化して遠心分離した。最終ペレットを緩衝液1中で再懸濁し、タンパク質濃度を測定し、緩衝液1を用いて5mg/mlに調節し、アッセイまで膜調製物を−80℃で保持した。この細胞膜懸濁液の希釈液に対して、さらなる調製をすることなくアッセイを行った。懸濁液を希釈すると、それぞれの膜調製の後に最適化された最大10%の特異的結合が得られた(すなわち、およそ50〜100倍の希釈)。アッセイは、総容積200μlで実施され、50μlの細胞懸濁液と、50μlの125NDP−α−MSH(最終濃度がおよそ79pM)と、50μlの試験化合物と、50μlの結合緩衝液とが混合され、25℃で2時間培養された(結合緩衝液:25mm HEPES、pH7.0、1mm CaCl、1mm MgSO、1mm EGTA、0.005%Tween(商標)20および0.1%HSAまたは、代替的に、0.1%オボアルブミン(Sigma;カタログ番号A−5503))でインキュベートされた。試験化合物を100%DMSO中に溶解し、結合緩衝液中で1μM〜0.001nMの用量範囲で希釈した。放射標識リガンドおよび膜を結合緩衝液中で希釈した。インキュベーションを、8×100μlの氷冷の0.9%NaClで希釈することにより停止させた。フィルターに保持された放射能は、Packard Topcounterを使用して計数された。データは、Windows(商標)プログラムGraphPad(商標)Prism(GraphPad Software、米国)を使用して、結合曲線の非線形回帰分析によって解析された。
結果を以下の実施例4の表1の列2に示す。
実験は、リストされた化合物がナノモル範囲でMC4Rに対する結合親和性を概して示すことを示す。
(実施例3)機能的ヒトメラノコルチン受容体1および4アッセイ
ヒトMC1RおよびヒトMC4Rに対する化合物の効能を評価するために、cAMPシグナリングが測定された。
cAMP誘導は、ヒトMC1RおよびヒトMC4Rについて、c−AMPdynamic2アッセイ、HTRF 62AM4PECシステム(CisBio製)によって、ベンダーによって提供されるプロトコルに従い測定された。ヒトMC1またはMC4受容体を発現するBHK細胞は、MC1RまたはMC4RのいずれかのcDNAをコードする発現ベクターを用いた安定したトランスフェクションにより生成された。
詳細には、25μlの化合物または標準溶液をそれぞれのウェルに添加した。化合物を緩衝液中で再構成し(DMEM w/oフェノール赤、10mM Hepes、1×グルタミン、0.1%オボアルブミン1、1mM IBMX)、2μmから開始して、10倍の連続希釈を7回行った。前述の同一の緩衝液中で所望の作業濃度範囲(最終濃度よりも2倍高い)に希釈した。次に、25μlの細胞溶液を加え、軽く振盪しながら25℃で30分間インキュベートした。cAMP応答が、1μMで開始したときに飽和レベルに達しなかった場合、20μMで始まる希釈で再試験した。アッセイのために提供された構成要素を、CisBioアッセイプロトコル「3.1供給試薬および調製手順」に従ってMilliQ精製システムHO内で再構成し、および溶解緩衝液中で1:20に希釈した。25μlのcAMP−d2および25μlのクリプテート抱合体をすべてのウェルに加えた。プレートを1500rpmで30秒間遠心分離し、軽く振盪させながら、ホテルスタッカー内で、25℃で1時間インキュベートした。プレートは、Berthold Technologiesによって提供されたMithras LB 940で読み取られた。
データは、Windows(商標)プログラムGraphPad(商標)Prism(GraphPad Software、米国)を使用して、結合曲線の非線形回帰分析によって解析された。データは表にKiまたはEC50値として表示されている。EC50は、所定の化合物の効能の尺度であり、本明細書では、固定反応時間後にベースラインと最大応答値との間の中間値の反応(cAMP誘導)を誘発する化合物の半数効果濃度として定義される。「>」として記載されたデータは、試験された最高濃度で何も効果がなかったことを示し、ここで「効果なし」は、作動薬の効果が、基準化合物NDP−アルファ−MSHの最大反応の5%以下である最高化合物濃度として定義される。後者は、上記の濃度範囲で全曲線を取得できない場合に使用される。結果を以下の実施例4の表1の列3および4に示す。これらの実験は、リストされた化合物の大部分が、MC4Rの活性化についてサブナノモル範囲の効能を有すること、化合物はMC1Rについて可変の効能を有することを示す。
(実施例4)実施例2および3の結果
以下の表1は、実施例2(列2)および実施例3(列3および4)の結果を示す。
「>」によって示されている値(単位:nM)は、応答がないアッセイで使用される最高用量を意味し、有意なEC50値が計算できないときに使用される。
(実施例5)in vivo食物摂取量モデル
MC4Rシステムは食欲調節の中心であり、作動薬は食物摂取量を阻害することが知られている。関連するin vivoモデルにおいて化合物をスクリーニングするために、マウスでの急性的な食物摂取量の減少に対する化合物の効果を決定することによって有効性が評価された。
動物および飼料
すべての動物実施計画書は、Novo Nordiskの施設内動物実験委員会および倫理審査委員会による承認を受けた。動物は、Novo Nordiskの齧歯類飼育基準に従って収容され、制御照明(12時間:12時間の明/暗サイクル、照明オフ:11:00〜23:00)、温度(23±2℃)および相対湿度(50±20%)条件下で飼料および水を自由に与えた。それぞれの急性食物摂取試験のために、C57BL/6J雄マウス(体重25〜30グラム)を、2週間にわたり、適切な照明サイクルと、BioDAQ自動化食物摂取量システム(Research Diets Inc.、米国ニュージャージー州ニューブランズウィック)に連結されたケージ内での単独居住(ケージ当たり1匹のマウス)に順応させた。この期間中、動物は新しい飼料(Research Diets 12450B、脂肪10%kcal)にも順応させた。
投与および食物摂取量の測定
BioDAQは、齧歯類における食物摂取量の生物学的データ収集用のコンピュータで自動化された科学機器であり、各ケージから食物摂取量を15分ごとに測定する。試験当たり合計32匹の動物をシステムに収容することができ、したがって、動物は各試験について4つの群、n=8に無作為化された。全ての動物が正常な食物摂取パターンを示したことを評価するために、化合物投与前に20時間のベースライン食物摂取を行った。投与前に、動物を約4時間絶食させた。賦形薬(10mMリン酸塩;140mM塩化ナトリウム)または化合物が、暗サイクルが開始する約20分前に、1kg当たり10mlの量を皮下投与された(化合物の化学物質番号および用量は以下の表2に示す)。投与後、食物摂取量が約24時間にわたり記録された。
結果
食物摂取量に対する化合物の抑制効果は一般的に、ヒトMC4受容体上のインビトロの結合親和性と、化合物の血漿安定性とにはっきりとした相関性があった。ほとんどの研究は、溶媒および化合物を3回投与(0.3、1、および3mg/kg)する用量反応試験として実施した。一部の研究は用量範囲を見つける目的のために実施し、他は同じ用量で三つの化合物の効果を比較的評価するために実施した。食物摂取量に対する最大効果は、投与後最初の1〜5時間以内に発生した。食物摂取量に関する試験における化合物の比較効果は、溶媒に対する単回皮下投与後の累積食物摂取量に対する測定値をパーセント効果として正規化することによって評価された。結果を、投与後3時間での食物摂取量に対するパーセント効果として表2に報告する。
(実施例6)in vivo肥満モデル
MC4Rシグナリングの刺激は、ヒトおよび齧歯類の両方においてエネルギーの摂取および消費を調節することが報告されている。食物摂取量および体重に対するMC4R作動薬の効果を試験するために、食餌誘発性肥満(DIO)マウスを1日1回化合物で処置し、体重減少の有効性を評価した。
動物および飼料
すべての動物実施計画書は、Novo Nordiskの施設内動物実験委員会および倫理審査委員会による承認を受けた。動物は、Novo Nordiskの齧歯類飼育基準に従って収容され、制御照明(12時間:12時間の明/暗サイクル、照明オフ:17:00〜05:00)、温度(23±2℃)および相対湿度(50±20%)条件下で飼料および水を自由に与えた。高脂肪の飼料(脂肪60%kcal、5.24kcal/g;RD12492、Research Diets、米国ニュージャージー州ニューブランズウィック)で22週間にわたり維持された、食餌誘発性肥満(DIO)雄C57BL/6Jマウスは、Charles River(フランス)から入手した。到着時、マウスは単独居住(ケージ当たりマウス1匹)であり、処置開始前の2週間にわたり、その新しい環境に対して順応させた。
グループの割り当てと投与
試験の開始前に、動物は単独居住とされ、7日間にわたり取扱いに順応させた。DIOマウスは、体脂肪量および体重の平均および標準偏差の統計的変化が群間で最小化されるように、群(n=8/群)に配分された。動物は1日1回、溶媒または化合物のいずれかで16:00に皮下投与を受けた。
体重および食物摂取量
体重および食物摂取量は、毎日投与する直前に測定された。治療開始前のマウスの平均開始体重は47.2±0.2gであった。
結果:体重減少および食物摂取量に対するMC4R作動薬の効果
結果を以下の表3および図2に示す。MC4R作動薬(化学物質114)の1日1回の皮下投与は、初期体重と比較して(100×BWday x/BWday 0)、11.1±1.3%(0.3μmol/kg)および13.2±1.3%(1.5μmol/kg)の体重の減少を誘発した。体重の減少は、処置の第2週においてベースラインレベルに戻る食物摂取量の過渡的減少と同時発生的であった。試験の終了までに、食物摂取量は、溶媒対照のレベルにまで戻り、体重減少は溶媒で処置した動物に対して維持された。

Claims (15)

  1. 式Iによる二環式化合物であって、
    式中、
    X1およびX8は結合され、X1およびX14は結合されており、
    X1は、Cys、HCys、またはPenであり、
    X2は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、ACP、Glu、Lys、D−Lys、Arg、AZE、PIP、OXA、Glyであるか、または不在であり、
    X3は、His、ProまたはHypであり、
    X4は、D−PheまたはPheであり、
    X5は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、AcLys、Gln、またはLys(Me)であり、
    X6は、Trp、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Pheまたは1−Nalであり、
    X7は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Argであるか、または不在であり、
    X8は、Cys、HCys、またはPenであり、
    X9は、Ala、Pro、Hyp、THAZ、Aib、D−Ala、βAla、Sar、D−Pro、Val、D−Val、ACBC、GABA、Arg、ACP、Glu、Lys、AZE、PIP、Orn、Gly、D−Lysであるか、または不在であり、
    X10は、His、Pro、Hyp、Phe、Glu、Lys、D−Lys、Tyr、Ala、D−Ala、Asp、ArgまたはOrnであり、
    X11は、D−Phe、Phe、Glu、Lys、Lys(CHCOOH)、D−Lys、D−Ala、Ala、Arg、D−Arg、またはAspであり、
    X12は、Arg、Lys、HArg、His、Dab、Dap、Cit、Ala、Orn、Arg(NO)、N−MeArg、4cis−GuaPro、4trans−GuaPro、AGP、Glu、Ala、Orn、D−Lys、Lys(Me)、Asnであるか、または不在であり、
    X13は、Trp、Arg、2−Nal、4−CN−Phe、3,4−DiCl−Phe、3,4−DiMeO−Phe、1−Nal、Ala、Pheであるか、または不在であり、
    X14は、Ala、Glu、Gly、D−Ala、Arg、Pheであるか、または不在であり、
    それらのエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべて、または前述の任意の化合物の薬学的に許容可能な塩を含む、二環式化合物。
  2. 請求項1に記載の二環式化合物であって、
    X1およびX8は、ジスルフィド結合またはメチレン架橋によって結合され、
    X1およびX14は、X1のアルファアミンとX14のアルファカルボン酸基との間のアミド結合によって結合される、二環式化合物。
  3. 9〜14個のアミノ酸残基を含む、請求項1または2に記載の二環式化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の二環式化合物であって、化学物質1〜121(配列番号1〜121)からなる群から選択される、二環式化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の二環式化合物であって、
    X1およびX8は、ジスルフィド結合によって結合され、
    X1は、Cys、HCys、またはPenであり、
    X2は、THAZまたはProであり、
    X3は、Hisであり、
    X4は、D−Pheであり、
    X5は、His、Dab、またはDapであり、
    X6は、Trpであり、
    X7は、不在であり、
    X8は、Cys、HCys、またはPenであり、
    X9は、LysまたはArgであり、
    X10は、Alaであり、
    X11は、D−Lys、D−Arg、またはArgであり、
    X12は、Alaであり、
    X13は、Trpであり、
    X14は、不在であり、
    それらのエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべて、または前述の任意の化合物の薬学的に許容可能な塩を含む、二環式化合物。
  6. c[c[Cys−THAZ−His−D−Phe−His−Trp−Cys]−Lys−Ala−D−Lys−Ala−Trp](配列番号114)、および
    c[c[Cys−THAZ−His−D−Phe−His−Trp−Cys]−Ala−His−Glu−Orn−Arg](配列番号120)、
    それらのエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべて、または前述の任意の化合物の薬学的に許容可能な塩を含むものからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二環式化合物。
  7. 医薬品で使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二環式化合物。
  8. 肥満または過体重の治療において使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二環式化合物。
  9. 過体重または肥満に関連する疾患または状態の治療で使用するための請求項1〜6のいずれか一項に記載の二環式化合物であって、必要とする患者に対し、有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記二環式化合物を、任意選択で1つ以上の追加的治療活性化合物と組み合わせて投与することを含む、二環式化合物。
  10. 肥満または過体重の治療で使用するための薬剤を製造するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二環式化合物の使用。
  11. 肥満または過体重を治療する方法であって、必要とする患者に対し、有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記二環式化合物を、任意選択で1つ以上の追加的治療活性化合物と組み合わせて投与することを含む、方法。
  12. 食欲を調節する方法であって、必要とする患者に対し、有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の二環式化合物を、任意選択で1つ以上の追加的治療活性化合物と組み合わせて投与することを含む、方法。
  13. 体重減少に成功した後に体重増加を防止または低減する方法であって、必要とする患者に対し、有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記二環式化合物を、任意選択で1つ以上の追加的治療活性化合物と組み合わせて投与することを含む、方法。
  14. 過体重または肥満に関連する疾患または状態を治療する方法であって、必要とする患者に対し、有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記二環式化合物を、任意選択で1つ以上の追加的治療活性化合物と組み合わせて投与することを含む、方法。
  15. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の二環式化合物および1つ以上の賦形剤を含む、医薬組成物。

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