JP2020514099A - 物品を３ｄ印刷するための装置および方法 - Google Patents

Abstract

従来の装置および方法が経験した制限および問題を克服するために、ノズル（２０，２０Ａ，２０Ｂ）であって、材料押出部（２２Ａ，２２Ｂ）と、前記材料押出部（２２Ａ，２２Ｂ）と協働する少なくとも１つの保護ガス注入部（２４Ａ，２４Ｂ）とを含んだ、ノズル（２０，２０Ａ，２０Ｂ）を含む３Ｄ印刷ヘッド（１８）が提案される。物品（１２）、特に食品物品、を３Ｄ印刷するための関連装置（１０）も提案される。物品（１２）、特に食品物品、を３Ｄ印刷する関連方法も提案される。【選択図】図２

Description

本発明はノズルを含む３Ｄ印刷ヘッドに関する。
本発明はさらに、物品、特に食品物品、を３Ｄ印刷するための装置に関する。
本発明はさらに、物品、特に食品物品、の３Ｄ印刷方法に関する。

三次元（３Ｄ）印刷の付加的な製造方法は、製造される３Ｄ物品を作り出すための層堆積または他の技術を含み得る。これらの方法は、多くの材料から３Ｄ物品を製造することができ、３Ｄ物品が製造される出発材料として粒状固体またはペースト様液体を使用することができる。これらの３Ｄ印刷方法は、３Ｄ印刷食品を作成するために使用され得る（３Ｄ食品印刷）。

しかしながら、３Ｄ食品印刷は他の物品の３Ｄ印刷では直面し得ない問題を生じる。例えば、３Ｄ食品印刷は、印刷作業中および／または印刷作業後に印刷材料の大量の露出表面積をもたらし、それは変色、ビタミンまたは他の化合物の酸化、および／または微生物増殖を招く可能性があり、後者は人間の安全性にとって特に有害である。

したがって、これらの問題を少なくとも部分的に軽減することができる装置および方法が必要とされている。
上述したような不利益および欠点から始めて、また考察した従来技術を考慮して、本発明の目的は、初期の装置および方法が経験した制限および問題を克服することである。

この目的は、請求項１の特徴を含む装置、ならびに請求項４の特徴を含む装置、ならびに請求項１０の特徴を含む方法によって達成される。本発明の有利な実施形態、適切な改良および他の任意選択の特徴は、本明細書に記載され、それぞれの従属請求項に開示されている。

ノズルを備えた３Ｄ印刷ヘッドにおいて、ノズルは、材料押出部と、材料押出部と協働する少なくとも１つの保護ガス注入部とを備えている。
いくつかの実施形態では、少なくとも１つの保護ガス注入部は、材料押出部を中心に放射状に離間して配置されて、それらの間に保護ガスが通って供給される供給空間が設けられていてもよい。

いくつかの実施形態では、材料押出部は、出口、特に、出口から離間した少なくとも１つのディフューザポートを有して形成された少なくとも１つの保護ガス注入部を介して印刷される材料を供給するような大きさおよび形状であってもよい。

また、物品、特に食品物品を３Ｄ印刷するための装置において、チャンバを画定するハウジングと、ノズルを備えた少なくとも１つの３Ｄ印刷ヘッドであって、チャンバ内に配置されて、チャンバ内で物品を３Ｄ印刷する、３Ｄ印刷ヘッドとを備え、ノズルは、材料押出部と、少なくとも１つの保護ガス注入部とを備え、少なくとも１つの保護ガス注入部は保護ガスの供給源と流体連通している、装置が提供される。

さらに、物品を３Ｄ印刷する方法において、ノズルを有する３Ｄ印刷ヘッドを備えた装置を用いて物品を製造するための３Ｄ印刷作業を行うステップであって、ノズルは、材料押出部と、材料押出部と協働する少なくとも１つの保護ガス注入部とを備え、材料押出部を介して材料を押出すステップと、実質的に物品を保護するための保護ガスのみで材料を囲むために、少なくとも１つの保護ガス注入部分を介して保護ガスを注入するステップと、を含む方法が提供される。

いくつかの実施形態では、装置および／または方法において、保護ガスは、少なくとも１つの不活性ガスを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態の装置および／または方法では、保護ガスは、アルゴン、窒素、または二酸化炭素のうちの少なくとも１つを含んでいてもよい。より具体的には、保護ガスは、保護ガスの全体積に対する体積ベースで、０％以上約１００％以下のアルゴン、０％以上約１００％以下の窒素、および０％以上約３０％以下の二酸化炭素から成り、特に保護ガスの体積で少なくとも約７０％がアルゴンまたは窒素の少なくとも一方を含んでいてもよい。

いくつかの実施形態の装置および／方法では、保護ガスの温度は、約２℃以上約２５℃以下であってもよい。
いくつかの実施形態の装置および／方法では、保護ガスは、少なくとも１つの懸濁液体および／または少なくとも１つの懸濁固体を含んでいてもよく、抗菌効果またはその他の有利な特性を少なくとも部分的に有していてもよい。

本明細書で使用されるとき、用語「実質的に」は、識別された特性または状況を測定できるほど損なわないように十分に小さい程度にそれていることを指す。正確にそれていることの許容可能な程度は、場合によっては特定の状況に依存し得る。

本明細書で使用されるとき、「流体連通」は、流体が１つの構成要素から別の構成要素へと通過することを可能にする直接的または間接的な接続によって流体が運ばれ得ることを意味する。そのような接続は、導管または他の既知の手段を含むことができ、それによって構成要素を接続して流体をある構成要素から別の構成要素に送達することができる。

三次元（３Ｄ）食品印刷は、新鮮な天然成分などの材料（材料は１つまたは複数の成分を含み得る）を使用し、材料がノズルを通して押し出されて３Ｄ印刷食品を形成し得るように処理される。ノズルは、ノズルを通して材料を押し出すことができる３Ｄ印刷ヘッドの一部である。

３Ｄ印刷ヘッドおよび／または３Ｄ印刷装置の他の構成要素の動きを介して、材料の層がノズルによって順次印刷または敷設されて３Ｄ食品を形成または製造する。
装置および／または方法の特定の実施形態では、３Ｄ食品に所望の粘度を提供するために少なくとも１つの食品用結合剤を使用することができる。

３Ｄ印刷装置は、単一の３Ｄ食品を形成するために１つまたは複数の材料を利用することが可能であり得る。
３Ｄ食品印刷動作中、印刷されている成分は周囲の空気、特に空気の酸素含有量に曝されてもよい。３Ｄ食品印刷における空気および／または酸素への曝露は、従来の食品製造中の曝露よりも実質的に高くてもよい。

代替的に又は追加的に、３Ｄ食品印刷における空気及び／又は酸素への曝露は、他の３Ｄ印刷物よりも３Ｄ印刷食品に対してより有害であり得る。３Ｄ印刷食品が受ける曝露の増加は酸化を可能にし、食品中に存在するビタミンや他の有益な化合物の低下など、製品に栄養価を失う可能性がある。

装置および／または方法の特定の実施形では、特別な食事要件を有する消費者グループ、例えば高齢者または極端な場所にいる人々、または極端な場所または状態（例えば潜水艦要員または遠隔科学研究要員）にいる人々などのために、３Ｄ印刷食品の栄養価を保護することが特に重要であり得る。

ノズルを介した保護ガスの注入は、連続ガス流などのガス流を印刷ヘッドおよび製品が印刷されている基材に加えることによって、３Ｄ印刷ヘッドおよび印刷されている製品の周囲に保護雰囲気を作り出す。

したがって、保護ガスの注入は、３Ｄ印刷ヘッドおよび印刷中の製品を囲む領域から空気／酸素を実質的に排除して、製造中および／または製造後に３Ｄ食品に接触する空気／酸素の悪影響を少なくとも部分的に防止する。

装置および／または方法の特定の実施形態では、対象ノズルを介して保護ガスを注入することは、３Ｄ印刷装置全体を外部環境から隔離する必要性を低減または排除することができ、これにより保護ガスの消費を低減して保護ガスの供給に関連するコストを低減させることができる。

装置および／または方法の特定の実施形態では、ガス流は、約５０ｋＰａ以上約１５０ｋＰａ以下（約０．５バール以上約１．５バール以下）などの低圧ガス流であってもよい。

特に、本装置および方法の実施形態は、産業用ガスを使用することなどによって、３Ｄ食品印刷動作中に保護雰囲気を提供する。より具体的には、本装置および方法の実施形態は、３Ｄ食品印刷を含む食品調製用のガスノズルを提供および／または使用する。

本技術の実施形態は特に３Ｄ食品印刷に関して本明細書で説明することができるが、本技術は、本明細書で説明するように３Ｄ食品印刷で直面する問題と同様の問題に直面する可能性があるあらゆる物品に３Ｄ印刷で使用できることが考えられる。本技術の実施形態は、３Ｄ印刷または３Ｄ食品印刷以外にも使用することができる。例としては、薬、薬剤、防腐剤などが挙げられるが、これらに限定されない。

本実施形態の開示をより完全に理解するために、また既に上で論じたように、有利な方法で本発明の教示を具現化し改良するためのいくつかの選択肢がある。この目的のために、請求項１および請求項４および請求項１０に従属する請求項を参照することができる。本発明のさらなる改良、特徴および利点は、非限定的な例としての特定のおよび好ましい実施形態、ならびに以下の例示的な実施形態の説明と併せて添付の図面を参照しながら、以下により詳細に説明される。
本発明による装置の例示的な実施形態の概略図を示し、実施形態は本発明の方法に従って機能する。 本発明による、例えば図１の装置で使用するための３Ｄ食品印刷用ノズルの例示的な実施形態の断面図を示す。 本発明による、例えば図１の装置で使用するための、３Ｄ食品印刷用のノズルの別の例示的な実施形態の断面図を示す。

添付の図面は、本明細書で提供される装置および方法のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成している。図面は、本明細書で提供される装置および方法の実施形態を示し、明細書とともに、本明細書で説明される原理を説明するのに役立つが、明細書または特許請求の範囲を限定することを意図しない。添付の図面において、同様の機器は、図１乃至図３の説明を通して同じ符号でラベル付けされている。

本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は他の実施形態も可能であり、また様々な方法で実施または実行が可能であるので、添付の図面に示される部品の構造および配置の詳細に実施形態が限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用されている表現または用語は説明を目的としており、限定を目的としていないことを理解されたい。

以下の説明では、水平、直立、垂直、上、下、下側などの用語は、単に本発明を例示する明確さの目的のために使用されており、限定の言葉として解釈されるべきではない。図面は、本発明を例示する目的のためのものであり、一定の縮尺で描かれることを意図するものではない。

特に図１を参照すると、ハウジング１４内にチャンバ１６を画定するハウジング１４を含む、食品を含むがこれに限定されない物品１２を３Ｄ印刷するための例示的な装置１０が示されている。

ノズル２０を含む少なくとも１つの３Ｄ印刷ヘッド１８がチャンバ１６内に配置され、物品１２を印刷するように動作可能である。印刷ヘッド１８は、物品１２を製造するためにチャンバ１６内で移動可能である。ノズル２０（図２および図３により詳細に示されている）は、流路またはパイプ１９を介して保護ガスの供給源２６と流体連通しており、任意選択的にバルブ２８（または他の流量制御装置）が存在する。供給源２６からノズル２０への保護ガスの流れを制御するために、流路またはパイプ１９内に配置されている。

特に図２を参照すると、材料押出部２２Ａと、材料押出部２２Ａの周りに半径方向に離間して配置された少なくとも１つの保護ガス注入部分２４Ａとを備え、それらの間に保護ガスが通過して送出されることができる供給空間２３Ａがもたらされる例示的なノズル２０Ａが示されている。

材料押出部２２Ａは、印刷される材料を、出口２５Ａを通して送出するような大きさおよび形状である。少なくとも１つの保護ガス注入部２４Ａは、図１に示すように、３Ｄ印刷ヘッド１８を介して保護ガスの供給源２６と流体連通している。

図２に示すノズル２０Ａは、物品に有害なチャンバ１６内のいかなる雰囲気からも保護するために、保護ガスが材料押出しに隣接してその上に注入されるので、実質的に固体および／またはあまり感圧性でない印刷材料と共に使用するのに適している。

図２に示すノズル２０Ａはまた、印刷ヘッド１８からおよび／または材料から印刷される物品１２からあまり遠くには拡散し得ない、より指向性の高い保護ガス流を提供することができる。

特に図３を参照すると、材料押出部２２Ｂと、材料押出部２２Ｂの周りに半径方向に離間して配置された少なくとも１つの保護ガス注入部分２４Ｂとを備え、それらの間に保護ガスが通過して送出されることができる供給空間２３Ｂがもたらされる別の例示的なノズル２０Ｂが示される。

材料押出部２２Ｂは、印刷される材料を、出口２５Ｂを通して送出するような大きさおよび形状である。少なくとも１つの保護ガス注入部２４Ｂは、図１に示すように、３Ｄ印刷ヘッド１８を介して保護ガスの供給源２６と流体連通している。

ガス注入部２４Ｂは、出口２５Ｂから離間して少なくとも１つのディフューザポート２６Ｂまたは孔が形成されている。ディフューザポート２６Ｂは、保護ガスが材料押出部２２Ｂから押し出される材料に衝撃を与える前に保護ガスを放出し、それに応じて印刷される材料に衝撃を与えるガスの圧力および力を減少させる。

図３に示すノズル２０Ｂは、いくらかより硬さが低く、したがってより繊細である、および／またはやや感圧性である印刷材料と共に使用するのに適していてもよい。
図３に示すノズル２０Ｂは、印刷ヘッド１８からおよび／または物品１２からさらに分散し得るが、それでもなお材料または印刷された物品１２の酸化に対して必要な保護を提供することができる、保護ガスのより方向付けされていない流れをもたらしてもよい。

本明細書に記載された実施形態は単なる例示であり、当業者は本発明の精神および範囲から逸脱することなく変形および改良をなし得ることが理解されるであろう。そのような変形および改良は全て、本明細書に記載および特許請求されている本発明の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、本発明の様々な実施形態を組み合わせて所望の結果を提供することができるので、開示された全ての実施形態は必ずしも代替的なものではない。

１０ 装置
１２ 物品、特に食品
１４ ハウジング
１６ チャンバ
１８ ３Ｄ印刷ヘッド
１９ 保護ガス供給源２６から３Ｄ印刷ヘッド１８への流路またはパイプ
２０ ノズル
２０Ａ ノズル（第１の実施形態；図１参照）
２０Ｂ ノズル（第２実施形態；図３参照）
２２Ａ 材料押出部（第１の実施形態；図２参照）
２２Ｂ 材押出し部（第２実施形態；図３参照）
２３Ａ 供給空間（第１の実施形態；図２参照）
２３Ｂ 供給空間（第２の実施形態；図３参照）
２４Ａ 保護ガス注入部（第１実施形態；図２参照）
２４Ｂ 保護ガス注入部（第２実施形態；図３参照）
２５Ａ 出口（第１の実施形態；図２参照）
２５Ｂ 出口（第２の実施形態；図３参照）
２６ 保護ガスの供給源
２６Ｂ ディフューザポートまたは孔（第２の実施形態；図３参照）
２８ 流路またはパイプ１９内の、特にバルブである、流れ制御装置

Claims (15)

1. ノズル（２０，２０Ａ，２０Ｂ）を備えた３Ｄ印刷ヘッド（１８）において、前記ノズル（２０，２０Ａ，２０Ｂ）は、
   材料押出部（２２Ａ，２２Ｂ）と、
   前記材料押出部（２２Ａ，２２Ｂ）と協働する少なくとも１つの保護ガス注入部（２４Ａ，２４Ｂ）とを備えた、３Ｄ印刷ヘッド。
2. 前記少なくとも１つの保護ガス注入部（２４Ａ，２４Ｂ）は、前記材料押出部（２２Ａ，２２Ｂ）を中心に放射状に離間して配置されて、それらの間に前記保護ガスが通って供給される供給空間（２３Ａ、２３Ｂ）を設けた、請求項１に記載の３Ｄ印刷ヘッド。
3. 前記材料押出部（２２Ａ，２２Ｂ）は、出口（２５Ａ，２５Ｂ）、特に、前記出口（２５Ｂ）から離間した少なくとも１つのディフューザポート（２６Ｂ）を有して形成された前記少なくとも１つの保護ガス注入部（２４Ｂ）を介して印刷される材料を供給するような大きさおよび形状である、請求項１または２に記載の３Ｄ印刷ヘッド。
4. 物品（１２）、特に食品物品を３Ｄ印刷するための装置（１０）において、
   チャンバ（１６）を画定するハウジング（１４）と、
   請求項１から４の少なくとも１項に記載のノズル（２０，２０Ａ，２０Ｂ）を含む少なくとも１つの３Ｄ印刷ヘッド（１８）であって、前記チャンバ（１６）内に配置されて、前記チャンバ（１６）内で前記物品（１２）を３Ｄ印刷する、３Ｄ印刷ヘッドとを備え、
   前記少なくとも１つの保護ガス注入部（２４Ａ，２４Ｂ）は保護ガスの供給源（２６）と流体連通している、装置。
5. 前記保護ガスは、少なくとも１つの不活性ガスを含む、請求項４に記載の装置。
6. 前記保護ガスは、アルゴン、窒素、または二酸化炭素のうちの少なくとも１つを含む、請求項４または５に記載の装置。
7. 前記保護ガスは、前記保護ガスの全体積に対する体積ベースで、０％以上約１００％以下のアルゴン、０％以上約１００％以下の窒素、および０％以上約３０％以下の二酸化炭素を含み、特に前記保護ガスの体積で少なくとも約７０％がアルゴンまたは窒素の少なくとも一方を含む、請求項６に記載の装置。
8. 前記保護ガスの温度は、約２℃以上約２５℃以下である、請求項４乃至７のいずれか１項に記載の装置。
9. 前記保護ガスは、少なくとも１つの懸濁液体および／または少なくとも１つの懸濁固体を含む、請求項４乃至８のいずれか１項に記載の装置。
10. 請求項１から４のいずれか１項に記載のノズル（２０，２０Ａ，２０Ｂ）を有する３Ｄ印刷ヘッド（１８）を備えた装置（１０）を用いて前記物品（１２）を製造するための３Ｄ印刷作業を行うことを含む、物品（１２）、特に食品、を３Ｄ印刷する方法において、
    前記材料押出部（２２Ａ，２２Ｂ）を介して材料を押出すステップと、
    実質的に前記物品（１２）を保護するための前記保護ガスのみで前記材料を囲むために、前記少なくとも１つの保護ガス注入部分（２４Ａ，２４Ｂ）を介して前記保護ガスを注入するステップとを含む、方法。
11. 前記保護ガスは、少なくとも１つの不活性ガスを含む、請求項１０に記載の方法。
12. 前記保護ガスは、アルゴン、窒素、または二酸化炭素のうちの少なくとも１つを含む、請求項１０または１１に記載の方法。
13. 前記保護ガスは、前記保護ガスの全体積に対する体積ベースで、０％以上約１００％以下のアルゴン、０％以上約１００％以下の窒素、および０％以上約３０％以下の二酸化炭素を含み、特に前記保護ガスの体積で少なくとも約７０％がアルゴンまたは窒素の少なくとも一方を含む、請求項１２に記載の方法。
14. 前記保護ガスの温度は、約２℃以上約２５℃以下である、請求項１０乃至１３のいずれか１項に記載の方法。
15. 前記保護ガスは、少なくとも１つの懸濁液体および／または少なくとも１つの懸濁固体を含む、請求項１０乃至１４のいずれか１項に記載の方法。
    
    

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