JP2020513032A - 自閉症および関連障害の治療および予防のための腸管選択的隔離剤 - Google Patents
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Abstract
Description
この出願は、2017年3月31日に申請された米国仮出願第62/480,039号の利益を主張し、ここに本明細書の一部を構成するものとして明示的に援用する。
健常人と比較して、特定の微生物代謝産物の異常に高い腸内または全身レベルは、自閉症スペクトラム障害、精神分裂症、不安障害、鬱病、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症および/または純粋自律神経障害を含む)などの様々な中枢神経系(CNS)疾患および障害に見ることができる。これらの微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)のレベルの低下は、行動症状もしくは行動状態および/または他の神経学的症状もしくは状態ならびに神経学的な疾患の緩和および/または逆転につながるだろう。理論に束縛されることなく、本開示内で企図されるのは、微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の全身レベルを、そのような微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の全身レベルの上昇に関連する中枢神経系(CNS)疾患または障害を有する対象(例えば、ヒト、哺乳動物または家畜)に、ポリマー、粘土、樹脂、炭素ベースまたは他の化学成分などの非吸収性組成物であって、腸管の微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)を選択的に結合することができるか、または選択的に結合するように構成されており、それにより微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の末梢組織への吸収および/または輸送を緩和、阻害または軽減する組成物を投与または提供することにより、健常人に見合ったレベル(例えば、同等以下)に下げるように構成または設計された方法および組成物である。次いで、代謝産物を含んだ組成物は、対象から糞便で排出され、それにより微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)が永続的に除去され、前記対象における前記CNS症状、疾患および/または障害が改善される。特定の微生物代謝産物(例えば4−エチルフェノール(4−EP)およびp−クレゾール(PC))は、ASDなどの神経発達障害および行動障害と相関していると特定され、その原因であると考えられている。これらの代謝産物は、頻繁にそのような障害に関連する「腸管壁浸漏」併発疾患を通じて全身循環に偶発的に進入していく可能性がある。全身循環に入ると、これらの代謝産物は、関連性のある代謝およびシグナル伝達経路に直接作用して、疾患の進行、システムおよび/または病理に寄与する可能性がある。加えて、代謝産物はさらに、通常の宿主プロセスにより代謝産物を代謝して、同様に有害な神経学的影響を与える可能性のある新しい代謝産物(例えば4−EPSおよびPCS)を作り出す可能性がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って投与される組成物は、吸着剤、ポリマー、粘土または樹脂のうちの1つ以上を含み得るか、本質的にそれらから成り得るか、またはそれらから成り得るものであって、前記吸着剤、ポリマー、粘土または樹脂はさらに、活性炭、アパタイトまたはヒドロキシアパタイト、カオリン、ベントナイト、ペクチン、セルロースポリマー、イオン交換樹脂、コレスチラミンポリマー、テトラエチレンペンタミンポリマー、フェノール樹脂、ボロン酸提示ポリマー、カテキン提示ポリマー、ゼオライト、および/もしくはナノ粒子、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
「投与する」とは、医薬品、栄養補助食品または組成物を対象に提供することを指し、医療専門家による投与および自己投与が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩の投与は、経口、腹腔内または直腸内を含むがこれらに限定されない類似の有用性を提供する薬剤の許容される投与様式のいずれかによるものであり得る。経口投与は、好ましい実施形態の主題である組成物を投与する際に慣習的である。しかしながら、いくつかの実施形態では、組成物は、注腸または坐剤などにより直腸内投与される。いくつかの実施形態では、化合物の投与は、例えば、アフェレーシスまたは透析により体外で行われ得る。
胃腸内細菌叢による4EP産生の効果を、宿主により4EPSに変換される4EPを産生する能力のみが異なるように操作された菌株を二重定着させたノトバイオティックマウスを使用して調査した。4−EP、その誘導体4−EPSおよび他の有毒な微生物代謝産物を隔離するAB−2004製剤の効果を、AB−2004をマウスフードに配合し、AB−2004を含まない対照食餌と並行して投与することにより調査したが、その他の点では同一であった。細菌叢およびAB−2004投与による4EP産生の影響を、自閉症スペクトラム障害(ASD)のコア症状および非コア症状を表す反復的、社会的および不安様行動の評価により決定した。
ガラス玉覆い隠し試験を使用して、ASDのコア症状である反復行動を評価した。Malkova et al.(Behav Immun.26(4):607−16(2012))により記載されたアッセイで、ガラス玉をケージ内の床敷の上に配置し、試験マウスをケージに入れ、試験期間中にマウスが埋めたガラス玉の数を測定した。図3(a)に示すように、アッセイでは、4−EP産生微生物で二重定着させた対照食餌のマウスは、4−EPを産生しない微生物で二重定着させた対照食餌のマウスよりもかなり多くのガラス玉を埋め、それにより腸内細菌叢による4EP産生に基づく反復行動が実証された。AB−2004の投与により、アッセイでのこの反復行動が正常化された:AB−2004食餌で4−EP産生細菌叢を有するマウスは、対照食餌で4−EP産生細菌叢を有するマウスよりかなり少ないガラス玉を埋める。データは、4−EP、4−EPSおよび/または他の有毒な微生物代謝産物を隔離する物質の投与が、ASDのコア症状の1つである反復行動を減らすのに有益であり得ることを示している。
探索行動の高架式十字迷路(EPM)試験を使用して、一般行動と不安様行動を評価した。マウスに、共通の中央プラットフォームから伸びる2本のオープンアームと2本のクローズドアームで構成される高架式十字迷路を5分間探索させた。オープンアームの端部の周りの小さく盛り上がったヘリが、マウスが滑り落ちるのを防ぐのに役立った。オーバーヘッドビデオカメラを使用してセッションを記録し、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology、カリフォルニア州サクラメント)を使用してマウスの動きを分析した。迷路の閉じた比較的保護された部分で費やされた時間と、迷路の開いた比較的露出した部分を探索するのに費やされた時間とを不安の測定値として解釈する。図3(b)に示すように、アッセイでは、対照食餌で4−EP産生細菌叢を有するマウスは、4−EPを産生しない細菌叢を含む対照食餌でのマウスよりもEPMのクローズド部分に対してEPMのオープン部分で費やす時間が少なく、それにより腸内細菌叢による4EPの産生に基づく不安様行動が実証された。AB−2004食餌での4−EP産生細菌叢を有するマウスは、AB−2004を欠いた対照食餌での4−EP産生細菌叢を有するマウスよりもEPMのクローズド部分に対してオープン部分で費やす時間がかなり多かったことから、AB−2004製剤の投与により、アッセイでのこれらの不安様行動が正常化された。不安はASDの一般的な非コア症状であり、これらは、4−EP、4−EPSおよび/または他の有毒な微生物代謝産物の隔離剤の投与が、一部ASD患者の不安症状を減らすのに有益であり得ることを示している。
探索行動のオープンフィールド試験を使用して、一般行動と不安様行動を評価した。オープンフィールド試験では、マウスを50×50cmの白色プレキシガラスボックスで10分間探索させた。オーバーヘッドビデオカメラを使用してセッションを記録し、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology、カリフォルニア州サクラメント)を使用して、ボックスの壁区画に対して中央アリーナ(中央四方形、17×17cm)への移動距離、進入回数およびそこで費やされる時間を分析した。4−EP産生細菌叢を定着させた対照食餌のマウスは、アッセイで不安様の表現型を示し、4−EPを産生しない細菌叢を定着させた対照食餌でのマウスと比較して、壁区画に進入する頻度が高く、壁区画でより多くの時間を費やす。アッセイでは、AB−2004食餌で4−EP産生細菌叢を定着させたマウスが壁区画で費やされた時間(図4(B))および壁区画に進入した頻度(図4(A))は、4−EPを産生しない細菌叢を定着させたマウスに類似しており、AB−2004によるこの行動の正常化を示唆している。オープンフィールド試験での総移動距離(図4(C))はすべてのグループで類似しており、フィールドのオープン部分とクローズ部分の探索の違いは、試験中にマウスが移動した距離の違いによるものではないことを示唆している。EPMデータと一致して、これらのデータは、4−EP、その誘導体4−EPSおよび/または他の有毒な微生物代謝産物を隔離する物質の投与が、不安症状に悩んでいるASD患者の不安症状を緩和するのに有益であり得るという追加の証拠を提供する。
3チャンバーの社会的アプローチ試験を使用して、直接的な社会的相互作用を測定した。試験マウスを隣接する3つのチャンバーの中央チャンバーに配置し、隣接する末端チャンバーには新規のオブジェクトを配置し、他方の隣接する末端チャンバーには馴染みのないマウスを配置した。採点の開始前に、試験マウスを装置内で10分間馴化させた。試験マウスは、中央のチャンバーから隣接するそれぞれのチャンバーに開口部を通して通過することができた。試験はビデオで記録し、馴染みのないマウスがいるチャンバー内で試験マウスが費やした時間を手入力で記録した。馴染みのないマウスと過ごす時間が長いほど社交性が高いことを示すのに対し、馴染みのないマウスと過ごす時間が短いほど社交性が低いことを示し、自閉症スペクトラム障害のコア症状である社会的障害と一致している。
単一の微生物代謝産物の50mg/mLストック溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)中で調製し、DMSOで連続希釈(2:1)して、50、25、12.5、6.25、3.125、1.56および0.78mg/mLの標準溶液を作製した。各DMSO標準溶液(10μL)を脱イオン水(990μL)に希釈して、0.5、0.25、0.125、0.06、0.03、0.015、0.078mg/mLの水溶液(1%DMSO)の標準校正試料を作製した。10μLのDMSOを990μLの蒸留水に添加して盲検試料を調製し、Thermo Scientific NanoDrop(商標)分光光度計を使用して各水性標準溶液のUV吸光度を単一波長で測定し、吸光度の線形範囲を特定して検量線を作成した。
様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からの4−EPSの除去は、分光測光法を使用して265nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間提供した後の4−EPSの残存率を第3表に報告する。
様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からのp−クレゾールの除去は、分光測光法を使用して260nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間提供した後のp−クレゾールの残存率を第4表に報告する。
様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からのp−クレシル硫酸塩の除去は、分光測光法を使用して260nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後のp−クレシル硫酸塩の残存率を第5表に報告する。
様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からのインドールの除去は、分光測光法を使用して278nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間提供した後のインドールの残存率を第6表に報告する。
様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からの3−インドキシル硫酸塩の除去は、分光測光法を使用して260nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後の3−インドキシル硫酸塩の残存率を第7表に報告する。
様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からの4−ヒドロキシフェニル酢酸の除去は、分光測光法を使用して278nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後のチロシンの残存率を第8表に報告する。
様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からの2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸の除去は、分光測光法を使用して278nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後の2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸の残存率を第9表に報告する。
様々な代表的な隔離剤物質による試験溶液からのL−ホモシトルリンの除去は、分光測光法を使用して274nmで測定された各試料のUV吸光度で、実施例2に示される一般的なプロトコルに従って行った。代表的な吸着剤物質を50mg/mLで2時間処理した後のL−ホモシトルリンの残存率を第10表に報告する。
インドキシル硫酸塩、p−クレシル硫酸塩および4−エチルフェニル硫酸塩をそれぞれpH6.8のリン酸緩衝液に別々に溶解し、様々な時間で撹拌しながらAB−2004に曝露した。様々な時点で、試料を採取し、それぞれの化合物の存在についてアッセイし(以下「毒素」に分類した)、溶液から除去された各化合物の量を計算した。結果を以下の第11表に示し、表中、「活性炭」とは、AB−2004製剤を指す。
インドキシル硫酸塩、p−クレシル硫酸塩および4−EPを、pH6.8のリン酸緩衝液に同時に溶解し、シミュレートされた代謝産物混合物を作製し、様々な時間で撹拌しながらAB−2004に曝露した。様々な時点で、試料を採取し、それぞれの化合物の存在についてアッセイし(以下「毒素」に分類した)、溶液から除去された各化合物の量を計算した。結果を以下の第12表に示し、表中、「活性炭」とは、AB−2004製剤を指す。
4−エチルフェニル硫酸塩をpH6.8のリン酸緩衝液に溶解し、様々な時間で撹拌しながらAB−2004、酢酸プロピオン酸セルロース(MW 15Kおよび75K)、ベントナイトおよびクリノプチロライトゼオライトに曝露した。様々な時点で、試料を採取し、それぞれの化合物の存在についてアッセイし、溶液から除去された各化合物の割合を計算した。結果を図6に示す。
AB−2004、ベントナイト、ゼオライト、酢酸プロピオン酸セルロース(Mn約15,000)および活性炭が、ヒト結腸の内腔に見られるものと類似した代謝産物の複雑な混合物から毒素4−エチルフェノール、p−クレゾール、3−インドキシル硫酸塩を吸着する能力を決定するために、ヒト糞便を使用して生体外アッセイを実施した。採集したばかりの糞便を4℃以下に維持した。二酸化炭素5%、水素5%および残分窒素の雰囲気を有する嫌気性チャンバー(AS−580、Anaerobe Systems、カリフォルニア州モーガンヒル)内で、糞便をピペッティングにより氷冷リン酸緩衝生理食塩水に懸濁し、20%(w/v)の糞便スラリーを達成し、固形分を沈降させ、好気性雰囲気および−80℃に移す前に、上清を氷上の円錐形のチューブに移した。後続のすべてのステップは好気的に実施した。凍結したアリコートを氷上で解凍し、21,000xgで3分間遠心分離し、上清を新しいチューブに移し、等量の氷冷リン酸緩衝生理食塩水で希釈した。4−エチルフェノール、p−クレゾールおよび3−インドキシル硫酸塩をジメチルスルホキシド中で25mg/mLにて調製し、糞便スラリー上清の別個のアリコートに2mg/mLの最終濃度まで添加した。スパイクされた糞便スラリー上清を、AB−2004製剤、ベントナイト、ゼオライト、酢酸プロピオン酸セルロース(Mn約15,000)および活性炭からなる隔離剤物質に添加して、35〜59mg/mLの最終的な隔離剤物質を得るが、ただし、活性炭はp−クレゾールに対して98mg/mLで試験した。混合物を、円錐形のチューブ内で激しく混合しながら10℃で4時間750rpmにてインキュベートし、21,000xgで3分間遠心分離した。上清を96ウェルプレートに移し、リン酸緩衝生理食塩水で10倍希釈した後、分光光度計(Spectramax i3x、Molecular Devices、カリフォルニア州サンノゼ)により278nmで吸収を測定することにより代謝産物の濃度を測定した。
ウイルス性二本鎖RNA模倣ポリ(I:C)を妊娠中の母畜に注射することによりマウスのMIAをモデリングすると、ASDに関連するコアコミュニケーション的、社会的および常同的な障害を示す子孫が生まれる。妊娠中のC57BL/6Nマウスに、本明細書の一部を構成するものとして援用されるSmith et al.(2007),J.Neurosci.,27:10695−10702に記載の方法に従って、E12.5日目に生理食塩水または20mg/kgポリ(I:C)を腹腔内注射する。MIA子孫および対照子孫を、有効量のAB−2004製剤で毎日10日間にわたり処置するか、10日間処置しないままにする。子孫は、血液、尿および糞便中の4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルについて監視する。4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルは、未処置のMIA子孫と比べてAB−2004処置されたMIA子孫において減少したことが観察される。処置された子孫は、未処置の子孫および/または健常者と比較して類似、同等または減少したレベルの4−EP、4−EPS、PC、PCS、3−4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩を有することが観察される。
糞便試料を、AB−2004製剤またはコレスチラミンによる処置を受けているヒト患者から得る。各試料について、AB−2004製剤またはコレスチラミンを回収し、AB−2004またはコレスチラミンから溶出した化合物をGC−MSまたはMALDI−TOF質量分析法により、本明細書に記載の微生物代謝産物(およびこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)のいずれかの存在について分析する。次いで、本明細書に記載される微生物代謝産物(および/またはこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)の1つ以上をAB−2004またはコレスチラミンから回収し、これにより前記微生物代謝産物(および/またはこれらの代謝産物の宿主生成修飾体)が生体内でヒトにAB−2004またはコレスチラミンにより結合または隔離されていることが実証される。これらの結果は、本明細書に記載の方法の治療有効性も実証するだろう。
MIA子孫は、上記の実施例15で説明したように生じさせる。MIA子孫および対照子孫を、有効量のAB−2004製剤で毎日10日間にわたり処置するか、10日間処置しないままにする。子孫は、血液、尿および糞便中の4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルについて監視する。4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルは、未処置のMIA子孫と比べてAB−2004処置されたMIA子孫において減少したことが観察される。処置された子孫は、未処置の子孫および/または健常者と比較して類似、同等または減少したレベルの4−EP、4−EPS、PC、PCS、3−4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩を有することが観察される。
CNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスは、自閉症様行動の遺伝モデルを提供する。例えば、Welberg et al.(2011),Nature Rev.Neurosci.,12:615およびSilverman et al.(2010),Nature Rev.Neurosci.11:490−502を参照されたい。これらの各明細書を、ここに本明細書の一部を構成するものとして明示的に援用する。CNTNAP2−/−、Shank3−/−または遺伝子操作されていない(対照)マウスを、AB−2004製剤または他の隔離剤で毎日10日間にわたり処置するか、10日間処置しないままにする。マウスは、血液および糞便中の4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルについて監視する。4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルは、未処置のCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスと比べてAB−2004処置されたCNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスにおいて減少したことが観察される。処置されたマウスは、未処置のマウスおよび/または健常者と比較して類似、同等または減少したレベルの4−EP、4−EPS、PC、PCS、3−4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩を有することが観察される。CNTNAP2−/−またはShank3−/−マウスおよび対照マウスは、実施例15のようにASDの行動症状についても観察される。
Mecp2−/−または同等のレット症候群のマウスモデルを、AB−2004製剤または他の隔離剤での処置後の行動および/または胃腸症状の改善について評価する。例えば、Shahbazian et al.(2002),Neuron 35:243−254を参照されたい。この文献を、ここに本明細書の一部を構成するものとして援用する。Mecp2−/−または同等のマウスおよび遺伝子操作されていない(対照)マウスを、AB−2004製剤または他の隔離剤で毎日10日間にわたり処置するか、10日間処置しないままにする。マウスは、血液、尿および糞便中の4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルについて監視する。4−EP、4−EPS、PC、PCS、4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩のレベルは、未処置のMecp2−/−または同等のマウスと比べてAB−2004処置されたMecp2−/−または同等のマウスにおいて減少したことが観察される。処置されたマウスは、未処置のマウスおよび/または健常者と比較して類似、同等または減少したレベルの4−EP、4−EPS、PC、PCS、3−4−ヒドロキシフェニル酢酸塩、2−ヒドロキシ−2(4−ヒドロキシフェニル)酢酸塩、ホモシトルリン、ヒドロキシインドールおよび/または3−インドキシル硫酸塩を有することが観察される。Mecp2−/−または同等のマウスおよび対照マウスは、実施例15のようにASDの行動症状についても観察される。
4−エチルフェノール(4−EP)(4−EPSの前駆体)を産生する細菌株を予め生成し、これらの菌株をマウスに定着させ、特定の微生物代謝産物の腸内産生で、マウスの不安および関連行動を促進するのに十分であることを示した。不安は4−EPSの注射でも誘発され得る。
本研究では、3週齢の微生物学的に滅菌(無菌)で通常は定着させた特定の病原体がいない(SPF)C57Bl/6マウスを得る(Jackson Labs,メイン州ハーハーバー)。マウスは最初に4つのグループに分ける:1)特定の病原体がいないマウス;2)無菌マウス;3)4−EPを産生する操作された細菌株を定着させた無菌マウス、あるいは4−EPSを静脈内注射した無菌マウス;4)4−EPを産生しない操作された細菌株を定着させた無菌マウス。各グループをさらに、AB−2004製剤、生理食塩水(ネガティブコントロール)、B.fragilis(ポジティブコントロール)を投与するグループと、処置を行わないグループとに分ける。各試験品に、1日1回または各摂食時に経口投与する。試験品に5週間投与し、その後に行動試験を行う。一部のグループでは、行動試験前に投与を中断し、一部のグループでは、試験期間全体にわたって投与を継続する。
高架式「プラス」迷路試験では、プラス記号の形をした2つの交差要素を有し、1つの要素はエンクローズドされ、1つの要素は露出させられた装置に動物を配置する。不安の症状を有する動物は、不安のない動物に比べて、迷路の囲まれた領域でより多くの時間を費やす。本研究では、4−EP産生細菌を定着させてAB−2004で処置されたマウス、4−EP産生細菌を定着させてB.fragilisで処置されたマウス、および4−EP産生細菌を定着させていないマウス(特定の病原体がいないマウス、無菌マウスおよび4−EPを産生しない操作された菌株を定着させた無菌マウス)は、未処置のマウスまたは生理食塩水でモック処置された4−EP産生細菌を定着させたマウスと比べて、迷路の囲まれた領域で費やす時間が短く、これはAB−2004またはB.fragilis処置による不安症状の低下を示している。
IL−6、TNF−αなどを含む炎症誘発性マーカーのレベルは、屠殺後の組織で評価する。炎症誘発性マーカーのレベルの上昇は、未処置のマウスまたは生理食塩水でモック処置された4−EP産生細菌を定着させたマウスと比べて、4−EP産生細菌を定着させてAB−2004製剤で処置されたマウス、4−EP産生細菌を定着させてB.fragilisで処置されたマウス、および4−EP産生細菌を定着させていないマウス(特定の病原体がいないマウス、無菌マウスおよび4−EPを産生しない操作された菌株を定着させた無菌マウス)に見られ、これはAB−2004またはB.fragilis処置による炎症反応の低下を示している。
4−エチルフェノール(4−EP)、p−クレゾール(PC)、3−ヒドロキシインドール、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレシル硫酸塩(PCS)および3−インドキシル硫酸塩を含む、本明細書に記載の微生物産生代謝産物(またはその宿主修飾体)に関連する1つ以上の腸内代謝産物を産生することが予め特徴付けけられた1つ以上の特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたノトバイオティックマウスで研究した。4−エチルフェノール(4−EP)、p−クレゾール(PC)、3−ヒドロキシインドール、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレシル硫酸塩(PCS)および3−インドキシル硫酸塩を含む、本明細書に記載の微生物産生代謝産物(またはその宿主修飾体)に関連する1つ以上の腸内代謝産物を隔離する材料、AB−2004の効果を、AB−2004をマウスフードに配合し、AB−2004を含まない対照食と並行して投与することにより調査したが、その他の点では同一であった。細菌叢およびAB−2004投与による有毒な微生物代謝産物の影響を、宿主から得られた血清、糞便および/または尿中の有毒な細菌代謝産物のレベルの評価、自閉症スペクトラム障害(ASD)のコア症状および非コア症状を表す反復的、社会的および不安様行動に及ぼす影響、ならびに腸管壁浸漏の尺度として胃腸バリアの完全性に及ぼす影響により決定した。
ガラス玉覆い隠し試験を使用して、ASDのコア症状である反復行動を評価した。Malkova et al.(Behav Immun.26(4):607−16(2012))により記載されたアッセイで、ガラス玉をケージ内の床敷の上に配置し、試験マウスをケージに入れ、試験期間中にマウスが埋めたガラス玉の数を測定した。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させた対照食餌でのマウスは、無菌ノトバイオティックマウスよりもかなり多くのガラス玉を埋め、それにより腸内細菌叢による有毒な細菌代謝産物産生に基づく反復行動が実証された。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスへのAB−2004の投与により、アッセイでのこの反復行動が正常化された。データは、4−EP、PC、3−ヒドロキシインドール、4−EPS、PCSおよび3−インドキシル硫酸塩を隔離する物質の投与が、一部のASD患者におけるASDのコア症状のうちの1つである反復行動を減らすのに有益であり得ることを示している。
探索行動の高架式十字迷路(EPM)試験を使用して、一般行動と不安様行動を評価した。マウスに、共通の中央プラットフォームから伸びる2本のオープンアームと2本のクローズドアームで構成される高架式十字迷路を5分間探索させた。オープンアームの端部の周りの小さく盛り上がったヘリが、マウスが滑り落ちるのを防ぐのに役立った。オーバーヘッドビデオカメラを使用してセッションを記録し、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology、カリフォルニア州サクラメント)を使用してマウスの動きを分析した。迷路の閉じた比較的保護された部分で費やされた時間と、迷路の開いた比較的露出した部分を探索するのに費やされた時間とを不安の測定値として解釈する。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させた対照食餌でのマウスは、無菌ノトバイオティックマウスよりもEPMのクローズド部分に対してEPMのオープン部分で費やす時間がかなり少ない。それにより腸内細菌叢による有毒な細菌代謝産物産生に基づく不安様行動が実証された。AB−2004製剤の投与により、アッセイでのこれらの不安様行動が正常化された。不安はASDの一般的な非コア症状であり、これらのデータは、4−EP、PC、3−ヒドロキシインドール、4−EPS、PCSおよび3−インドキシル硫酸塩を隔離する物質の投与が、一部のASD患者における不安を減らすのに有益であり得ることを示している。
探索行動のオープンフィールド試験を使用して、一般行動と不安様行動を評価した。オープンフィールド試験では、マウスを50×50cmの白色プレキシガラスボックスで10分間探索させた。オーバーヘッドビデオカメラを使用してセッションを記録し、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology、カリフォルニア州サクラメント)を使用して、ボックスの壁区画に対して中央アリーナ(中央四方形、17×17cm)への移動距離、進入回数およびそこで費やされる時間を分析した。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させた対照食餌でのマウスは、アッセイで不安様の表現型を示し、無菌ノトバイオティックマウスと比較して、試験アリーナ内で費やす時間が短く、試験アリーナの中央を行き交い、壁区画に進入する頻度が高く、壁区画でより多くの時間を費やす。AB−2004製剤の投与により、アッセイでのこれらの不安様行動が正常化された。重要なことに、オープンフィールド試験での総移動距離はすべてのグループで類似しており、フィールドのオープン部分とクローズ部分の探索の違いは、試験中にマウスが移動した距離の違いによるものではないことを示唆している。EPMデータと一致して、これらのデータは、4−EP、PC、3−ヒドロキシインドール、4−EPS、PCSおよび3−インドキシル硫酸塩を隔離する物質の投与が、不安症状に悩んでいるASD患者の不安症状を緩和するのに有益であり得るという追加の証拠を提供する。
3チャンバーの社会的アプローチ試験を使用して、直接的な社会的相互作用を測定した。試験マウスを隣接する3つのチャンバーの中央チャンバーに配置し、隣接する末端チャンバーには新規のオブジェクトを配置し、他方の隣接する末端チャンバーには馴染みのないマウスを配置した。採点の開始前に、試験マウスを装置内で10分間馴化させた。試験マウスは、中央のチャンバーから隣接するそれぞれのチャンバーに開口部を通して通過することができた。試験はビデオで記録し、馴染みのないマウスがいるチャンバー内で試験マウスが費やした時間を手入力で記録した。馴染みのないマウスと過ごす時間が長いほど社交性が高いことを示すのに対し、馴染みのないマウスと過ごす時間が短いほど社交性が低いことを示し、自閉症スペクトラム障害のコア症状である社会的障害と一致している。
プレパルス抑制(PPI)は、低強度の刺激が先行する場合に音響トーンに反応して驚愕反応を抑制する動物の能力を測定する。PPIの欠陥は、感覚運動ゲーティングの障害の尺度であり、自閉症を含むいくつかの神経発達障害で観察される。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、無菌ノトバイオティックマウスにおいて観察されたものと比較してPPI応答の低下を示す。AB−2004製剤の投与により、アッセイで観察された感覚ゲーティングの欠陥が正常化された。
超音波発声は、様々なタイプやモチーフの呼出しが様々な社会的パラダイムで生成される、マウスによるコミュニケーションの測定に使用される。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、社会的遭遇に応じて生成される超音波発声の数と期間の減少により示されるように、コミュニケーションの欠陥を示す。AB−2004製剤の投与により、アッセイで観察された社会的コミュニケーション行動の欠陥が正常化された。
3チャンバー社会試験は、社会的相互作用におけるASD関連の障害を測定するのに使用される。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、社交性、または新規のオブジェクトよりも新規のマウスとの相互作用を好むことと、社会的選好、または馴染みのないマウスよりも馴染みのあるマウスとの相互作用を好むことの両方の欠陥を示す。AB−2004製剤の投与により、アッセイで観察された社会的相互作用行動の欠陥が正常化された。
有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、ラクツロースもしくは高MW−PEG(1500もしくは4000kD)などの大きなサイズのオリゴ糖、および/またはマンニトール、L−ラムノースもしくは低MW−PEG(400kD)などの小さな糖、および/または51Cr−EDTAなどの他の難消化性プローブを経口投与することにより、腸管壁浸漏症状についても試験する。尿、血液および/または糞便試料を採集し、そのような分子の存在について監視し、この場合、尿中の試験分子の存在は、腸管壁浸漏の徴候となる。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスは、経口投与後の尿中に、かなりの量のラクツロース、高MW−PEG(1500もしくは4000kD)、小さな糖、マンニトール、L−ラムノース、低MW−PEG(400kD)、51Cr−EDTAおよび/または他の難消化性プローブを示す。AB−2004製剤の投与により、上昇した尿中レベルのラクツロース、高MW−PEG(1500もしくは4000kD)、小さな糖、マンニトール、L−ラムノース、低MW−PEG(400kD)、51Cr−EDTAおよび/または他の難消化性プローブのうちの1つ以上が正常化され、これは腸管壁浸漏の補正を示している。
4−エチルフェノール(4−EP)、p−クレゾール(PC)、3−ヒドロキシインドール、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、3−インドキシル硫酸塩、インドールピルビン酸塩および/またはセロトニンを含む主要な微生物代謝産物のレベルを、隔離の指標として監視した。代謝産物レベルをさらに低下させるために、投与量を調整することができる。有毒な代謝産物を産生する特定の細菌株、またはヒト糞便を定着させたマウスでは、AB−2004による処置が、これらの標的代謝産物の1つ以上のレベルを低下させた。
Claims (24)
- 腸管透過性亢進または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象の治療に使用するための隔離剤組成物であって、
前記対象の消化管により非吸収性である多数の生体適合性粒子および/またはポリマーを含み、
前記隔離剤組成物は、前記対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合して隔離剤−代謝産物複合体を形成し、そうすることで前記隔離剤−代謝産物複合体が前記消化管から除去されるようになり、
前記腸内代謝産物は、前記行動症状の発症または存在に関連する、隔離剤組成物。 - 前記隔離剤組成物は、活性炭粒子、粘土、アパタイトもしくはヒドロキシアパタイト、ベントナイト、カオリン、ペクチン、セルロースポリマー、酢酸セルロースポリマー、酢酸プロピオン酸セルロース、イオン交換樹脂、コレスチラミンポリマー、テトラエチレンペンタミンポリマー、フェノール樹脂、ボロン酸提示ポリマー、カテキン提示ポリマーまたはゼオライトを含む、請求項1に記載の隔離剤組成物。
- 少なくとも500m2/gのブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最小平均比表面積および4000m2/g未満のブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最大平均比表面積を有する球状活性炭粒子を含むAB−2004製剤を含む、請求項1に記載の隔離剤組成物。
- 少なくとも0.005の最小平均粒径および1.5mm未満の最大平均粒径を有する球状活性炭粒子を含むAB−2004製剤を含む、請求項1または3に記載の隔離剤組成物。
- 前記隔離剤組成物が、下部消化管での制御放出のために製剤化される、請求項1から4のいずれか一項に記載の隔離剤組成物。
- 腸管透過性亢進または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象を治療する方法であって、
前記対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合して隔離剤−代謝産物複合体を形成する隔離剤組成物であって、そうすることで前記隔離剤−代謝産物複合体が前記消化管から除去されるようになる隔離剤組成物を前記対象に投与することを含み、
前記腸内代謝産物は、前記行動症状の発症または存在に関連し、
前記隔離剤組成物は、前記対象の消化管により非吸収性である多数の生体適合性粒子を含む、方法。 - 前記神経障害が、自閉症スペクトラム障害、不安障害、パーキンソン病、レット症候群、脆弱X症候群、結節性硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、エンジェルマン症候群、ウィリアムズ症候群、筋萎縮性側索硬化症、白質ジストロフィー(アレキサンダー症候群を含む)、α−シヌクレイノパチー(レビー小体型認知症、偶発的なレビー小体病、レビー小体変異型アルツハイマー病、多系統萎縮症、純粋自律神経障害を含む)、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記行動症状が、振戦、麻痺、運動障害、反復行動、コミュニケーション症、認知障害、常同行動、物理的対象への愛着、失語症、強迫行動、特異なまたは不適切なボディランゲージ、ジェスチャーおよび/または表情および/または感覚運動の問題、他者への関心の欠如、共感の欠如、非言語的な手がかりの把握の困難、タッチ嫌悪、社会化困難、言語発達の遅れ、異常な音声またはピッチ、音声の反復、保持、会話の困難、コミュニケーションのニーズまたは欲求の困難、単純な文または質問の無理解、言語サブテキストの処理の困難、特異な対象への執着、固執、ルーチンまたは環境の変化への不耐性、無器用、姿勢異常、奇妙な動き、特定の対象への魅了、感覚入力に対する感覚過敏・鈍麻および臨床的過敏性からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記神経障害が自閉症スペクトラム障害であり、前記行動症状が、反復行動、コミュニケーション症、常同行動および臨床的過敏性からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記対象が、臨床的不安または不安障害を有しない、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象が、慢性腎疾患を有しない、請求項6から10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記腸内代謝産物が、4−エチルフェノール(4−EP)、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレゾール(PC)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、3−インドキシル硫酸塩、3−ヒドロキシインドール、クマル酸、3−(3−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシプロピオン酸(HPHPA)、3−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、3−ヒドロキシ馬尿(3HHA)、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フラン酸(CMPF)、3−ヒドロキシフェニル酢酸(3HPA)、4−ヒドロキシフェニル酢酸および2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記腸内代謝産物は、4−エチルフェノール(4−EP)、4−エチルフェニル硫酸塩(4−EPS)、p−クレゾール(PC)、p−クレシル硫酸塩(PCS)、3−ヒドロキシインドールおよび3−インドキシル硫酸塩からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記隔離剤組成物は、活性炭粒子、粘土、アパタイトもしくはヒドロキシアパタイト、ベントナイト、カオリン、ペクチン、セルロースポリマー、酢酸セルロースポリマー、酢酸プロピオン酸セルロース、イオン交換樹脂、コレスチラミンポリマー、テトラエチレンペンタミンポリマー、フェノール樹脂、ボロン酸提示ポリマー、カテキン提示ポリマーまたはゼオライトを含む、請求項6に記載の方法。
- 前記隔離剤組成物は、少なくとも500m2/gのブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最小平均比表面積および4000m2/g未満のブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により測定された最大平均比表面積を有する球状活性炭粒子を含むAB−2004製剤を含む、請求項6に記載の方法。
- 前記隔離剤組成物は、少なくとも0.005の最小平均粒径および1.5mm未満の最大平均粒径を有する球状活性炭粒子を含むAB−2004製剤を含む、請求項6または15に記載の方法。
- 治療期間中に前記対象の腸内代謝産物を監視することをさらに含む、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象の行動の変化を監視することをさらに含む、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記組成物を、前記神経障害の行動症状の出現後に投与する、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記組成物を、前記神経障害の行動症状の出現前に投与する、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法を、前記組成物の最初の投与前に特定されたレベルと比較して低下した腸内代謝産物のレベルを維持するために必要に応じて繰り返す、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。
- 所定の投与について、前記組成物が、先に投与された組成物とは異なる、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象の行動の変化を監視することをさらに含む、請求項6から16のいずれか一項に記載の方法。
- 腸管透過性亢進または腸内細菌叢異常に関連する神経障害の行動症状を有する対象から1つ以上の腸内代謝産物の量を減少させる方法であって、
前記対象の消化管に存在する少なくとも1つの腸内代謝産物の少なくとも一部に結合して隔離剤−代謝産物複合体を形成する隔離剤組成物であって、そうすることで前記隔離剤−代謝産物複合体が前記消化管から除去されるようになる隔離剤組成物を前記対象に投与することを含み、
前記腸内代謝産物は、前記行動症状の発症または存在に関連し、
前記隔離剤組成物は、前記対象の消化管により非吸収性である多数の生体適合性粒子を含む、方法。
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