JP2020513023A - ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態および固体分散体 - Google Patents
ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態および固体分散体 Download PDFInfo
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Abstract
本出願は、ルマテペロンp−トシラートの固体状形態およびその調製方法に関する。本出願は、非晶質ルマテペロンp−トシラート、ならびに非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体、その方法を提供する。本出願の非晶質形態および非晶質固体分散体は、容易に再現され得て、剤形への加工が容易にできる。本出願は、ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態および1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
Description
本出願は、ルマテペロンp−トシラートの固体状形態およびその調製方法に関する。
薬物化合物は、一般名(adopted name)「ルマテペロン」を有し、かつ化学名:1−(4−フルオロフェニル)−4−[(6bR,10aS)−2,3,6b,9,10,10a−ヘキサヒドロ−3−メチル−1H−ピリド[3’,4’:4,5]ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−8(7H)−イル]1−ブタノン;および式Iにより表される構造を有する。
薬物化合物は、一般名(adopted name)「ルマテペロン」を有し、かつ化学名:1−(4−フルオロフェニル)−4−[(6bR,10aS)−2,3,6b,9,10,10a−ヘキサヒドロ−3−メチル−1H−ピリド[3’,4’:4,5]ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−8(7H)−イル]1−ブタノン;および式Iにより表される構造を有する。
その全体が本明細書に組み込まれる国際特許出願公開第WO2000077002A1号、第WO2009145900A1号および第WO2013155504A1号は、ルマテペロンおよびその関連化合物を報告した。これらの化合物は、肥満、食欲不振、過食症(bulemia)、うつ、不安、精神病、統合失調症、片頭痛、強迫性障害、性障害、うつ、統合失調症、片頭痛、注意欠陥障害、注意欠陥多動障害、強迫性障害、睡眠障害、頭部痛に関連する状態、社会恐怖症、胃腸管運動の機能障害などの胃腸障害から選択される、5HT2Cまたは5HT2Aの受容体の調節に関連する障害を含む、中枢神経系の障害を処置することにおいて使用される、5−HT2受容体アゴニストおよびアンタゴニストとして有用であることが見出された。国際特許出願公開第WO2008112280A1号は、ルマテペロンおよびその塩を調製する方法を開示している。
国際特許出願公開第WO2009114181A2号は、式(I)の化合物のp−トシル酸塩の結晶性形態を開示し、第WO2017172784A1号は、ルマテペロンのシュウ酸塩、アミノサリチル酸塩、シクラミン酸塩を開示し、第WO2017172811A1号は、ルマテペロンとイソニコチンアミド、ニコチナチンアミド(nicotinatinamide)との共結晶を開示し、第WO2018031535A1号は、ルマテペロンジトシラートの結晶性形態F1を開示している。
結晶性固体は、通常、その高度に組織的な格子様構造に起因して、溶解に相当量のエネルギーを必要とする。例えば、結晶からエスケープ(escape)するために薬物分子に必要とされるエネルギーは、非晶質形態または非結晶性形態からエスケープする場合よりも大きい。多くの薬物における非晶質形態は、結晶性形態と比較して異なる溶解特徴、場合によっては、異なる生物学的利用能パターンを示すことは公知である。治療適応症の中には、ある生物学的利用能パターンが他のパターンよりも好ましいこともある。したがって、非晶質形態の薬物が、規制当局の要求を満たす高い純度と有すること、および、その調製のための再現性の高い方法もまた有することが望ましい。
したがって、上記を考慮すると、ルマテペロンp−トシラートの安定な非晶質形態が望ましい。本明細書で提供される非晶質形態は、純度、保管に関して通常の安定性条件下で少なくとも安定であり、かつ自由流動性粉体である。
薬物の非晶質固体分散体(amorphous solid dispersion)は、薬物製品の安定性および溶解度を改善することが一般に公知である。しかしながら、いくつかのそのような非晶質固体分散体は、経時的に不安定であることが見出されている。薬物の非晶質固体分散体は、経時的に結晶性形態に変わる傾向があり、それは、非晶質薬物材料と比較した結晶性薬物材料の溶解度の差異に起因して、不適切な投薬をもたらす場合がある。しかしながら、本発明は、溶解度が改善されたルマテペロンp−トシラートの安定な非晶質固体分散体を提供する。その上、本発明は、容易に再現され得て、剤形への加工が容易にできる、ルマテペロンp−トシラートの固体分散体を提供する。
薬物の非晶質固体分散体(amorphous solid dispersion)は、薬物製品の安定性および溶解度を改善することが一般に公知である。しかしながら、いくつかのそのような非晶質固体分散体は、経時的に不安定であることが見出されている。薬物の非晶質固体分散体は、経時的に結晶性形態に変わる傾向があり、それは、非晶質薬物材料と比較した結晶性薬物材料の溶解度の差異に起因して、不適切な投薬をもたらす場合がある。しかしながら、本発明は、溶解度が改善されたルマテペロンp−トシラートの安定な非晶質固体分散体を提供する。その上、本発明は、容易に再現され得て、剤形への加工が容易にできる、ルマテペロンp−トシラートの固体分散体を提供する。
第1の実施形態では、本出願は、非晶質形態のルマテペロンp−トシラートを提供する。
第2の実施形態では、本出願は、図1または図2に示されるそのPXRDパターンにより特徴付けることができる非晶質ルマテペロンp−トシラートを提供する。
第3の実施形態では、本出願は、ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態を調製する方法であって:
a)溶媒中のルマテペロンp−トシラートの溶液を用意するステップ;および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートを単離するステップ
を含む、方法を提供する。
a)溶媒中のルマテペロンp−トシラートの溶液を用意するステップ;および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートを単離するステップ
を含む、方法を提供する。
第4の実施形態では、本出願は、ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態および1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
第5の実施形態では、本出願は、非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を提供する。
第6の実施形態では、本出願は、非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を調製する方法であって:
a)溶媒中のルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーの混合物を用意するステップ;および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を単離するステップ
を含む、方法を提供する。
a)溶媒中のルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーの混合物を用意するステップ;および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を単離するステップ
を含む、方法を提供する。
一実施形態では、本出願は、ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態を調製する方法であって:
a)溶媒中のルマテペロンp−トシラートの溶液を用意するステップ;および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートを単離するステップ
を含む、方法を提供する。
ステップa)における溶液を用意することには:
i)ルマテペロンp−トシラートの合成過程で得られるか、もしくはルマテペロンp−トシラートを適切な溶媒に溶解することにより調製されるかのいずれかである、ルマテペロンp−トシラートを含有する混合物の直接的使用;または
ii)適切な溶媒中でp−トルエンスルホン酸でルマテペロンの遊離形態を処理すること
が含まれる。
a)溶媒中のルマテペロンp−トシラートの溶液を用意するステップ;および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートを単離するステップ
を含む、方法を提供する。
ステップa)における溶液を用意することには:
i)ルマテペロンp−トシラートの合成過程で得られるか、もしくはルマテペロンp−トシラートを適切な溶媒に溶解することにより調製されるかのいずれかである、ルマテペロンp−トシラートを含有する混合物の直接的使用;または
ii)適切な溶媒中でp−トルエンスルホン酸でルマテペロンの遊離形態を処理すること
が含まれる。
ルマテペロンp−トシラートの任意の物理的形態が、本明細書における上記の方法実施形態のステップ(a)において利用され得る。
非晶質ルマテペロンp−トシラートの調製用にステップ(a)で使用され得る適切な溶媒は、以下の溶媒リストから当業者により選択され得、溶媒リストは、以下を含むがこれらに限定されない:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、イソアミルアルコールなどのアルコール性溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチルなどのエステル;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレンなどの炭化水素;ギ酸、酢酸などの有機酸;DMSO、DMF、DMAなどの溶媒;水、および2種またはそれよりも多くのこれらの任意の混合物。
ステップ(a)で得られる溶液は、必要に応じて濾過され、任意の不溶性粒子を除去されてもよい。不溶性粒子を除去する適切な技術は、濾過、マイクロ濾過、遠心分離、デカンテーション、および当技術分野で公知の任意の他の技術である。溶液は、紙、ガラス繊維、もしくは他の膜材料、またはセライトなどの清澄剤を通すことにより濾過され得る。使用される器具ならびに溶液の濃度および温度に依存して、濾過装置は、固体の早すぎる沈殿を回避するために事前に加熱される必要がある場合もある。
ステップ(b)は、非晶質ルマテペロンp−トシラートの単離を含む。
一態様では、本出願は、ステップ(a)で得られた溶液から溶媒を除去することによるか、またはステップ(a)で得られた溶液に適切な貧溶媒(anti−solvent)を添加することによるか、または非晶質形態の形成をもたらす適切な温度まで冷却することによる、非晶質ルマテペロンp−トシラートの単離を含む。溶媒の除去に使用され得る適切な技術には、蒸発、フラッシュ蒸発、単純蒸発、回転乾燥、噴霧乾燥、薄膜乾燥(例えば、撹拌薄膜乾燥(ATFD))、撹拌ヌッチェ濾過乾燥、加圧ヌッチェ濾過乾燥、凍結乾燥、回転真空パドル乾燥機(RVPD)または当技術分野で公知の任意の他の適切な技術が含まれるが、これらに限定されない。
溶媒は、必要に応じて減圧下で、約100℃未満、約75℃未満、約60℃未満、約50℃未満、約40℃未満または任意の他の適切な温度において除去され得る。
利用され得る適切な貧溶媒は、当業者により前述の溶媒リストから選択され得る。
ステップa)の混合物が冷却され得る適切な温度には、60℃未満、好ましくは40℃未満、より好ましくは20℃未満の任意の温度が含まれるが、これらに限定されない。
別の態様では、本出願は、溶媒の除去後のルマテペロンp−トシラートの非晶質形態の回収を含む。前記回収は、当技術分野で公知の方法を使用することにより行うことができる。生じた固体は、掻き取りによって、もしくは容器の振盪によってなどの技術、または使用される器具に固有の他の技術を使用することにより収集され得る。
生じた化合物は、ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態を得るために、必要に応じてさらに乾燥されてもよい。。乾燥は、棚型乾燥機、真空炉、空気炉、コーン真空乾燥機、回転真空乾燥機、流動床乾燥機、スピンフラッシュ乾燥機、フラッシュ乾燥機などにおいて実施することができる。乾燥を、ルマテペロンp−トシラートの質が低下しない限り、約100℃未満、約70℃未満、約40℃未満、約30℃未満、約20℃未満、または任意の他の適切な温度において;大気圧で、または減圧下において実施することができる。乾燥を、必要とされる生成物の質が達成されるまで、任意の所望の時間、実施することができる。乾燥に適したな時間は、数分から数時間まで、例えば約30分間から約24時間またはそれよりも多い時間まで変動し得る。
さらに別の実施形態では、非晶質形態は、ホットメルト押出(HME)、二軸押出(TSE)のような当技術分野で公知の技術により、ルマテペロンp−トシラートを溶融することによって調製され得る。
別の実施形態では、本出願は、図1および2により特徴付けられるルマテペロンp−トシラート(1:1)の非晶質形態を提供する。
さらに別の実施形態では、本出願は、非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を提供する。
本明細書で使用される場合、固体分散体は、不活性の賦形剤またはポリマーまたは担体の中の1つまたは複数の有効成分の分散体であって、当該有効成分が、微細結晶状態、可溶化された状態、または非晶質状態で存在し得る分散体を指す(Sareenら、2012年およびKapoorら、2012年)。固体分散体は、2種またはそれよりも多くの成分、一般に、ポリマーまたは担体と、薬物と、他に必要に応じて安定化剤(および/または界面活性剤もしくは他の添加剤)とからなる。固体分散体中の添加されたポリマーの最も重要な役割は、薬物の分子移動性を低減し、保管の間の薬物の相分離および再結晶化を回避することである。生じた固体分散体は、増加した溶解度を有し得る。固体分散体中の薬物の溶解度の増加は、主として、薬物が、結晶性の対応物と比較してより高いエネルギー状態に関連する、非晶質形態のままであるからであり、かつ非晶質形態が溶解するための外部エネルギーをほとんど必要としないことに起因する。
固体分散体は、ポリマーまたは担体中の化合物、特に原薬の分子分散体である。分子分散体の形成により、ほぼ分子レベル(すなわち、粒子が存在しない)まで粒度を低減する手段が提供される。ポリマーが溶解するにつれて、薬物は、非晶質である微細粒子として溶解媒質に曝露され、微細粒子はより大きい粒子と比べてより迅速に溶解し、そして吸収され得る。
一般に、用語「固体分散体」は、1つの成分が他の成分(単数または複数)の全体にわたり分散している、少なくとも2種の成分を含む固体状態の系を指す。本明細書で使用される場合、用語「固体分散体」は、非晶質原薬および1つまたは複数のポリマーまたは担体を含む安定な固体分散体を指す。さらに、本明細書で使用される場合、用語「固体分散体」はまた、非晶質原薬および1つまたは複数のポリマーまたは担体を、吸着剤/吸収剤を伴うかまたは伴わず含む、安定な固体分散体を指す。「非晶質原薬」とは、非晶質固体が、実質的に非晶質固体状形態の原薬を含有すること、すなわち、分散体中の原薬の少なくとも約80%が非晶質形態であることを意味する。分散体中の原薬の、より好ましくは少なくとも約90%、および最も好ましくは少なくとも約95%が非晶質形態である。
本発明のルマテペロンp−トシラートの固体分散体は、非晶質ルマテペロンp−トシラートを含む固体分散体をもたらす任意の多くの方法により作製され得る。いくつかの手法が、噴霧乾燥、融解法、溶媒蒸発、ホットメルト押出、粒度低減化(particle size reduction)、超臨界流体(SCF)法、混練、包接錯体、静電紡糸法、溶融結晶化および表面活性担体を含む、固体分散体の調製に使用され得る。
ルマテペロンp−トシラートは、非晶質形態の分散体に組み込まれ得る。
分散剤は、典型的には、ルマテペロンp−トシラートの薬学的作用を実質的に妨げない、薬学的に許容される物質から構成される。語句「薬学的に許容される」は、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、ヒトおよび動物の組織と接触する使用に適した物質であって、合理的な利益/危険比に相応である物質を指すために、本明細書で利用される。いくつかの実施形態では、担体は、室温(例えば、約22℃)で固体である。
セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);多糖類、ヘテロ多糖類(ペクチン);ポロキサマー;ポロキサミン;エチレン酢酸ビニル;ポリエチレングリコール;デキストラン;ポリビニルピロリドン;キトサン;ポリビニルアルコール;プロピレングリコール;ポリ酢酸ビニル;ホスファチジルコリン(レシチン);ミグリオール;ポリ乳酸;ポリヒドロキシ酪酸;これらの2種またはそれよりも多くの混合物、これらのコポリマー、これらの誘導体などの、適切なポリマーまたは担体の非限定的な例。担体のさらなる例として、ポリエチレングリコール−ポリ乳酸(PEG−PLA)、ポリエチレングリコール−ポリヒドロキシ酪酸(PEG−PHB)、ポリビニルピロリドン−ポリビニルアルコール(PVP−PVA)などのコポリマー系、ならびにN−ビニルプリン(またはピリミジン)誘導体およびN−ビニルピロリドンのコポリマーなどの誘導体コポリマーが含まれる。
腸溶コーティングポリマーもまた、本発明に基づいて使用され得る。腸溶コーティングポリマーの特定の例には、酢酸フタル酸セルロース、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシメチルセルロースエチルフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、オイドラギット、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルアセテートマレエート、ヒドロキシプロピルメチルトリメリテート、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビニルブチレートフタレート、ポリビニルアルコールアセテートフタレート、メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、およびメタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルアセテートマレエート、およびヒドロキシプロピルメチルトリメリテートが含まれる。
本発明の一態様では、ポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)またはその誘導体である。PVPは、幅広い多様な物質と複合体を形成するポリアミドであり、化学的および生理学的に不活性であると考えられている。適切なPVPの例には、約10,000〜約50,000の平均分子量を有するポリビニルピロリドンが含まれる。いくつかの実施形態では、ポリビニルピロリドンは、約10,000〜約20,000の平均分子量を有する。さらなる実施形態では、ポリビニルピロリドンは、約15,000〜約20,000の分子量を有する。
別の実施形態では、本出願は、非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を調製する方法であって:
a)溶媒中の、ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーの混合物を用意するステップ;および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を単離するステップ
を含む、方法を提供する。
a)溶媒中の、ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーの混合物を用意するステップ;および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を単離するステップ
を含む、方法を提供する。
任意の物理的形態のルマテペロンp−トシラートが、ステップ(a)におけるルマテペロンp−トシラートの混合物を提供するために利用され得る。
非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーまたは担体を含む固体分散体の調製のための一態様では、ステップ(a)は、ステップ(a)において溶液または懸濁液を提供するために、ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーまたは担体を混合することを含む。
ステップ(a)で得られた溶液中の任意の溶けていない粒子は、本明細書に上述される適切な方法または当技術分野で公知の任意の他の技術により除去され得る。
ステップa)の混合物が懸濁液である場合は、溶媒中のルマテペロンp−トシラートの溶液を、1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーまたは担体の添加の前に濾過することができる。
ルマテペロンp−トシラートの固体分散体を調製するために使用され得る適切な溶媒は、本明細書に上述される溶媒と同じである。
ステップ(a)で使用され得る分散剤である、適切な薬学的に許容されるポリマーもしくは担体には:デンプン、アルファ化デンプン、ラクトース、粉末セルロース、結晶セルロース、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、マンニトール、ソルビトール、糖などの希釈剤;アラビアゴム、グアーガム、トラガカント、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファ化デンプンなどの結合剤;デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、コロイド性二酸化ケイ素などの崩壊剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などの滑沢剤;コロイド性二酸化ケイ素(Syloid、Aerosil、Cab−o−silなど)などの流動化剤;アニオン性またはカチオン性または中性の界面活性剤などの、溶解度または湿潤性の向上剤;様々なグレードのシクロデキストリンおよび樹脂などの錯体形成剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、様々なグレードのメチルメタクリレート、ワックスなどの放出速度制御剤が含まれるが、これらに限定されない。使用される他の薬学的に許容される賦形剤には、薄膜形成剤、可塑剤、着色剤、着香剤、甘味剤、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤などが含まれるが、これらに限定されない。
ステップ(b)は、非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体の単離を含む。
一態様では、固体分散体の単離は、ステップ(a)で得られた溶液から溶媒を除去することにより実施することができる。
溶媒の除去に使用され得る適切な技術は、本明細書に上述されるかまたは当技術分野で公知の任意の他の技術と同じものである。
本発明の固体分散体は、従来の噴霧乾燥技術を使用して調製されることが好ましいが、適切なな固体分散体は、真空乾燥、ATFD、流動床乾燥、凍結乾燥、回転蒸発、ドラム乾燥、または他の溶媒除去法などの、当業者に公知の他の従来の技術を利用して形成され得ることが理解されよう。
本発明の別の態様は、溶融加工によるルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製を含み、ここで、化合物および担体を、担体および化合物の両方の融点より高い温度まで加熱し、これにより、担体マトリックス中での化合物のいくらかの可溶化を伴う、化合物粒子の微細コロイド性(分子性と対照的に)分散体の形成がもたらされる。そのような溶融混合物の加工は、迅速な冷却を含むことが多く、これにより凝固塊の形成がもたらされ、それは引き続き粉砕されて、カプセル剤に充填されるかまたは錠剤に成形され得る粉末を生成しなければならない。
別の態様では、本出願は、ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態および1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーまたは担体を含む固体分散体の回収を含む。前記回収は、本明細書に上述される方法かまたは当技術分野で公知の任意の他の技術により実施することができる。
ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態および1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーまたは担体を含む、生じた固体分散体は、必要に応じてさらに乾燥されてもよい。乾燥は、本明細書に上述される方法かまたは当技術分野で公知の任意の他の技術により実施することができる。
本発明の固体分散体中のルマテペロンp−トシラートの量は、固体分散体の約0.1重量%〜約90重量%;または固体分散体の約10重量%〜約70重量%;または固体分散体の約20重量%〜約60重量%;または固体分散体の約20重量%〜約40重量%;または固体分散体の約30重量%、の範囲である。いくつかの態様では、ルマテペロンp−トシラートのポリマーまたは担体に対する重量比は、約1:99〜約99:1である。いくつかの態様では、ルマテペロンp−トシラートのポリマーまたは担体に対する重量比は、約1:99〜約75:25または約1:99〜約60:40である。さらなる態様では、ルマテペロンp−トシラートのポリマーまたは担体に対する重量比は、約1:99〜約15:85;約1:99〜約10:90;または約1:99〜約5:95である。さらなる態様では、ルマテペロンp−トシラートのポリマーまたは担体に対する重量比は、約25:75〜約75:25、約40:60〜約60:40または約1:1もしくは約2:1である。典型的には、ルマテペロンp−トシラートおよび担体媒質は、1:0.1〜1:20の溶媒との重量比において存在する。
本出願のルマテペロンp−トシラートの非晶質形態または固体分散体に、生成物の乾燥完了の前または後に、必要に応じて粒度低減化手順を施して、所望の粒度および粒度分布を生み出すことができる。粉砕または微粒化を実施して、所望の粒度または粒度分布を達成することができる。粒度低減化に使用され得る機器には、限定されることなく、ボールミル、ローラーミル、ハンマーミル、およびジェットミルが含まれる。
別の一般的態様では、D90が、約500ミクロン未満、または約200ミクロン未満、または約100ミクロン未満、または約50ミクロン未満、または約40ミクロン未満、または約30ミクロン未満、または約20ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または任意の他の適した粒度である粒度分布を有する、ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態またはルマテペロンp−トシラートの非晶質形態を含む固体分散体を提供する。
一態様では、本出願は、ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態を含む医薬製剤、または1つもしくは複数の薬学的に許容される賦形剤と共にルマテペロンp−トシラートの非晶質形態を含む固体分散体を含む医薬製剤を提供する。本出願のルマテペロンp−トシラートは、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と共に:散剤、顆粒剤、ペレット、錠剤、およびカプセル剤などであるが、これらに限定されない固形経口剤形;シロップ剤、懸濁剤、分散剤、および乳剤などであるが、これらに限定されない液体経口剤形;ならびに溶液剤、分散剤、および凍結乾燥組成物などであるが、これらに限定されない注射用調製物として製剤化され得る。製剤は、即放性、腸溶性(delayed release)、または放出調節性の形態であってもよい。さらに、即放性の組成物は、従来的な、分散性の、噛み砕くことができる、口内溶解性の、またはフラッシュメルトの調製物であり得て、親水性もしくは疎水性の、または親水性および疎水性の組合せの、放出速度制御性物質を含み得る放出調節性組成物は、マトリックスもしくはリザーバまたはマトリックスおよびリザーバ系の組合せを形成し得る。組成物は、直接ブレンド、乾式造粒、湿式造粒、ならびに押出および球形化などの任意の1つまたは複数の技術を使用して調製され得る。組成物は、非コーティング、フィルムコーティング、糖コーティング、粉末コーティング、腸溶コーティング、および放出調節性コーティングされて提供され得る。
本出願において有用な薬学的に許容される賦形剤には:デンプン、アルファ化デンプン、ラクトース、粉末セルロース、結晶セルロース、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、マンニトール、ソルビトール、糖などの希釈剤;アラビアゴム、グアーガム、トラガカント、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファ化デンプンなどの結合剤;デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、コロイド性二酸化ケイ素などの崩壊剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などの滑沢剤;コロイド性二酸化ケイ素などの流動化剤;アニオン性、カチオン性または中性の界面活性剤などの、溶解度または湿潤性の向上剤;様々なグレードのシクロデキストリンおよび樹脂などの錯体形成剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、様々なグレードのメチルメタクリレート、ワックスなどの放出速度制御剤が含まれるが、これらに限定されない。有用な他の薬学的に許容される賦形剤には、薄膜形成剤、可塑剤、着色剤、着香剤、甘味剤、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤などが含まれるが、これらに限定されない。
本発明に基づく医薬剤形は、1つもしくは複数のコーティング材料でコーティングされてもよく、またはコーティングされていなくてもよい。コーティング材料は、特に限定されず、当業者に公知である。
本発明に基づく医薬剤形は、本発明の医薬剤形にコーティングとして塗布されることが好ましい、薬学的に許容され、かつ一般的なコーティング材料である付加的な賦形剤およびアジュバントをさらに含むことができる。そのようなさらなる賦形剤およびアジュバントは、当業者に公知である。
本発明の医薬組成物は、例えばヒトのような哺乳動物を含むがこれらに限定されない患者に、例えば、硬ゼラチンカプセル剤もしくは軟ゼラチンカプセル剤、錠剤、カプレット、丸剤、顆粒剤または懸濁剤の形態で、一般に経口的に投与される。医薬剤形は、直接圧縮成形または湿式造粒または直接圧縮成形などの当技術分野で公知の方法により調製され得る。ブレンド物の錠剤コアへの圧縮成形は、従来の打錠機または回転圧縮成形機を使用して実施することができる。錠剤コアは、形状を変化させてもよく、例えば、円形、楕円形、横長の形、円柱形または任意の他の適切な形状であり得る。コアはまた、治療剤の濃度に依存して、大きさを変化させてもよい。
本出願の固体状態の調製方法における原材料として使用され得るルマテペロンp−トシラートは、当技術分野で公知の任意の方法により調製され得る。
本出願のルマテペロンp−トシラートの固体形態は、粉末X線回折パターン(PXRD)により特徴付けされ得る。固体状態NMR、フーリエ変換赤外分光法(FTIR、Fourier Transform Infrared)、示差走査熱量測定(DSC)などの他の技術もまた使用されてもよい。
本出願の化合物は、当技術分野で公知である手順に基づいて決定されたX線粉末回折パターンにより、最もよく特徴付けられる。本明細書で報告されたPXRDデータを、1.5406Åの波長を有するCuKα照射を使用して得て、そしてBruker AXS D8 Advance粉末X線回折計およびPANalytical X’Pert PRO装置を使用して得た。これらの技術の考察に関して、J.Haleblain、J.Pharm.Sci.1975年64巻:1269〜1288頁、ならびにJ.HaleblainおよびW.McCrone、J.Pharm.Sci.1969年58巻:911〜929頁を参照されたい。
一般に、粉末X線回折における回折角(2θ)は、±0.2°の範囲の誤差を有し得る。したがって、前述の回折角値は、約±0.2°の範囲の値を含むと理解すべきである。それゆえに、本出願には、粉末X線回折におけるそのピーク回折角が互いに完全に一致する結晶だけでなく、そのピーク回折角が約±0.2°の誤差で互いに一致する結晶も含まれる。したがって、本明細書では、語句「7.9°の回折角(2θ±0.2°)における回折ピークを有する」とは、「7.7°〜8.1°の回折角(2θ)における回折ピークを有する」を意味する。異なるバッチの化合物のX線粉末回折パターンにおけるピーク強度はわずかに変動することがあるが、ピークおよびピーク位置は、特定の多形性形態に対して特徴的である。あるいは、用語「約」とは、当業者により判断された場合、平均値の許容される標準誤差内を意味する。PXRDピークの相対強度は、試料調製技術、結晶サイズ分布、使用される様々なフィルター、試料搭載手順、および利用される特定の器具に依存して変動し得る。その上、器具の違いおよび他の因子は、2−シータ値に影響を及ぼし得る。したがって、PXRDの文脈における用語「実質的に」は、ピーク帰属が、プラスまたはマイナス約0.2度変動し得ることを包含することを意味する。その上、機械の型または設定(例えば、Niフィルターが使用されているかまたはされていないか)に依存して、新しいピークが観察されることもあり、または既存のピークが消失することもある。
D10、D50、およびD90の値は、粒度分布を示すのに有用な手段である。D90は、少なくとも90体積百分率の粒子が所定の値より小さい粒度を有することを指す。同様に、D10は、10体積百分率の粒子が所定の値より小さい粒度を有することを指す。D50は、50体積百分率の粒子が所定の値より小さい粒度を有することを指す。D10、D50、およびD90を決定する方法には、Malvern、Worcestershire、United KingdomのMalvern Instruments Ltd.からの機器を使用するようなレーザー回折が含まれる。
本出願の特定の具体的な態様および実施形態は、以下の実施例に関連してより詳細に説明され、これらは例示としてのみ提供され、いかなる様式においても本出願の範囲に制限を加えるものと解釈されるべきではない。
定義
定義
以下の定義は、文脈よりそうでない旨が示されない限り、本出願と関連して使用される。多形体は、同じ分子式を共有する異なる固体であり、さらに、同じ式の他の多形体と比較した場合、異なる物理的特性を有する。略語「MC」とは、含水量を意味する。含水量は、例えばKarl Fischer法により、簡便に測定することができる。
本明細書で使用される場合、「非晶質形態」は、固体状態であって、前記固体状態中の非晶質含有量が、少なくとも約35%、または少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%、または少なくとも約55%、または少なくとも約60%、または少なくとも約65%、または少なくとも約70%、または少なくとも約75%、または少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%である固体状態を指す。
本明細書で使用される全ての百分率および比は、文脈よりそうでない旨が示されない限り、総組成物の重量によるものである。全ての温度は、他に規定がない限り、摂氏度であり、全ての測定は、他に明示されない限り、25℃および常圧において行われる。本開示は、本開示において論じられる成分と同様に、本明細書に記載される他の原料または要素を含み得る。
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」とは、記載された要素、または構造もしくは機能におけるその同等物、それに加えて記載されていない任意の他の要素(単数または複数)を意味する。用語「有する(having)」および「含む(including)」もまた、文脈によりそうでない旨が示唆されない限り、オープンエンド形式と解釈されるべきである。
本明細書に記載される全ての範囲には、2つの値の「間」の範囲を示す端点を含む、端点が含まれる。
「約」、「一般的に」、「実質的に」などの用語は、ある用語または値が絶対的なものとはならないように、それを修飾すると解釈されるべきである。このような修飾用語は、修飾される用語が当業者により理解されるように、状況および修飾用語が修飾する用語により定義される。これには、非常に小さいものでも、ある値を測定するために使用される所与の技術に関して、予期される実験上の誤差、技術誤差および器械誤差の程度が含まれる。
本文書が、材料、この例においてはルマテペロンp−トシラートおよびその固体状形態などを、パターン、スペクトルまたは他のグラフ上のデータを参照することにより言及する場合、それらが、図中または1つもしくは複数のデータ点により、「実質的に」示されるかまたは表される通りであることを言うことにより、本文書は材料に言及する。そのような文脈で使用される「実質的に」により、パターン、スペクトルおよび他のグラフ上のデータが、当業者に公知の多くの因子に起因して、その位置、相対強度および/または値において変化し得ることが理解されよう。
加えて、図に対する言及がなされる場合、同定の目的で、任意の関連しかつ記載された誤差の許容範囲内で、その固体状形態を独自に定義する図に示される任意の数のデータ点を選択することが許容され、そして、本文書は、同定の目的で、任意の関連しかつ記載された誤差の許容範囲内で、その固体状形態を独自に定義する図に示される任意の数のデータ点を選択することを含み、かつ企図する。
分子または他の材料が、本明細書において「純粋」であると識別された場合、他に規定がない限り、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または光学的方法などの当技術分野で従来的な方法により決定される場合に、材料が99%の純度またはそれを超える純度であることを一般に示す。一般に、これは、望まない残留溶媒、反応副生成物、不純物、および未反応出発物質に関して純粋であることを表す。立体異性体の場合は、「純粋」とはまた、必要に応じて、99%の1種のエナンチオマーまたはジアステレオマーを意味する。「実質的に」純粋とは、下限が約98%の純度またはそれを超える純度であることを除き、「純粋」と同一の意味であり、同様に「本質的に」純粋とは、下限が約95%の純度であることを除き、「純粋」と同一の意味である。
本明細書で使用される場合、用語「室温」は、約20℃〜約35℃、約25℃〜約35℃、約25℃〜約30℃、または例えば、約25℃の温度を指す。
本明細書で使用される場合、用語「終夜」は、約14時間〜約24時間、または約14時間〜約20時間、例えば、約16時間の時間間隔を指す。
「ポリマー」または「担体」または「賦形剤」は、本明細書で使用される場合、薬学的に許容される不活性原料である、任意の物質または物質の混合物を互換的に指す。
用語「分散した」とは、担体全体にわたる治療上活性な物質の無作為な分布を意味する。
本出願の特定の具体的な態様および実施形態は、以下の実施例に関連してより詳細に説明され、これらは例示目的としてのみ提供され、いかなる様式においても本出願の範囲に制限を加えるものと解釈されるべきではない。記載された手順の合理的な変形が、本発明の範囲内であることを意図する。本発明の特定の態様を例示しかつ説明してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および改変を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内であるそのような全ての変更および改変は、添付の特許請求の範囲にて網羅されると意図される。
(実施例1)
非晶質ルマテペロンp−トシラートの調製
ルマテペロンp−トシラート(500mg)を、メタノール(25mL)に室温で溶解して澄んだ溶液とし、濾過して溶けていない粒子を除去した。結果として生じた濾液に、ロタベーパーを使用して約55℃において高速溶媒蒸発を施して、固体化合物を得た。この固体を真空下で約45℃において乾燥して、図1に記載の非晶質ルマテペロンp−トシラートを得た。
(実施例2)
非晶質ルマテペロンp−トシラートの調製
非晶質ルマテペロンp−トシラートの調製
ルマテペロンp−トシラート(500mg)を、メタノール(25mL)に室温で溶解して澄んだ溶液とし、濾過して溶けていない粒子を除去した。結果として生じた濾液に、ロタベーパーを使用して約55℃において高速溶媒蒸発を施して、固体化合物を得た。この固体を真空下で約45℃において乾燥して、図1に記載の非晶質ルマテペロンp−トシラートを得た。
(実施例2)
非晶質ルマテペロンp−トシラートの調製
ルマテペロンp−トシラート(500mg)を、アセトン(80mL)に室温で溶解して澄んだ溶液とし、濾過して溶けていない粒子を除去した。結果として生じた濾液に、ロタベーパーを使用して約55℃において高速溶媒蒸発を施して、標題化合物を得た。
(実施例3)
非晶質ルマテペロンp−トシラートの調製
(実施例3)
非晶質ルマテペロンp−トシラートの調製
ルマテペロンp−トシラート(3g)を、メタノール(150mL)に溶解した。溶液を濾過して溶けていない粒子を除去し、濾液に、70℃の入口温度でかつ約33℃の出口温度で、4.9mL/分の流動速度で噴霧乾燥を施して、図2に記載の標題化合物を得た。
(実施例4)
PVPK−30を用いたルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製(1:1w/w)
(実施例4)
PVPK−30を用いたルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製(1:1w/w)
ルマテペロンp−トシラート(500mg)、PVP K30(500mg)を、メタノール(40mL)に室温で溶解して澄んだ溶液とした。次に、混合物を濾過し、濾液に、約55℃において溶媒蒸発を施して、図3に記載のX線粉末回折を有する標題の非晶質固体分散体を得た。
(実施例5)
HPCを用いたルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製(1:1w/w)
(実施例5)
HPCを用いたルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製(1:1w/w)
ルマテペロンp−トシラート(500mg)、HPC(500mg)を、メタノール(55mL)に室温で溶解して澄んだ溶液とした。次に、混合物を濾過し、濾液に、約55℃において溶媒蒸発を施して、図4に記載のX線粉末回折を有する標題の非晶質固体分散体を得た。
(実施例6)
HPMCを用いたルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製(1:1w/w)
(実施例6)
HPMCを用いたルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製(1:1w/w)
ルマテペロンp−トシラート(500mg)、HPMC(500mg)を、メタノール(50mL)に室温で溶解して澄んだ溶液とした。次に、混合物を濾過し、濾液に、約55℃において溶媒蒸発を施して、図5に記載のX線粉末回折を有する標題の非晶質固体分散体を得た。
(実施例7)
SYLOID244FPを用いたルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製(1:1w/w)
(実施例7)
SYLOID244FPを用いたルマテペロンp−トシラートの固体分散体の調製(1:1w/w)
ルマテペロンp−トシラート(200mg)を、メタノール(30mL)に室温で溶解して澄んだ溶液とし、続いて濾過して溶けていない材料を除去した。濾液にsyloid244FP(200mg)を添加し、生じた懸濁液に、約55℃において高速蒸発を施して、図6に記載のX線粉末回折を有する標題の非晶質固体分散体を得た。
Claims (15)
- 固体非晶質形態のルマテペロンp−トシラート(1:1)。
- 非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
- ルマテペロンp−トシラートの非晶質形態を調製する方法であって、
a)溶媒中のルマテペロンp−トシラートの溶液を用意するステップ、および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートを単離するステップ
を含む、方法。 - ルマテペロンp−トシラートが、適切な溶媒中でp−トルエンスルホン酸を用いてルマテペロンの遊離形態を処理することにより得られる、請求項3に記載の方法。
- 適切な溶媒が、アルコール、エステル、ケトン、炭化水素、水、またはこれらの混合物から選択される、先行する請求項に記載の方法。
- 適切な溶媒が、メタノールまたはアセトンである、先行する請求項に記載の方法。
- ステップb)における溶媒の除去が、蒸発、凍結乾燥、噴霧乾燥、冷凍乾燥、撹拌薄膜乾燥(ATFD)のような薄膜乾燥、適切な貧溶媒の添加により、またはこれらの任意の組合せにより影響を受ける、請求項3に記載の方法。
- 分散剤中の非晶質ルマテペロンp−トシラートを含む、固体分散体。
- 前記分散剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Co−ポビドン、Syloid、PVPなどを含む、請求項8に記載の固体分散体。
- 請求項8に記載の固体分散体、および1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
- 非晶質ルマテペロンp−トシラートを含む固体分散体の調製方法であって、
a)溶媒中の、ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーの混合物を用意するステップ、および
b)非晶質ルマテペロンp−トシラートおよび1つまたは複数の薬学的に許容されるポリマーを含む固体分散体を単離するステップ
を含む、方法。 - 薬学的に許容される担体が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Co−ポビドン、Syloid、PVPなどからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
- 適切な溶媒が、アルコール、エステル、ケトン、水、またはこれらの混合物から選択される、請求項11に記載の方法。
- 適切な溶媒が、メタノールである、請求項11に記載の方法。
- ルマテペロンp−トシラートの薬学的に許容されるポリマーに対する重量比が、約1:99〜約75:25、または約1:99〜約60:40である、請求項11に記載の方法。
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