JP2020513010A - (s)−アフォキソラネルの結晶形 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(Ia)の化合物の結晶形及び該結晶形を生成する方法を提供する、また、該結晶形を含む組成物及び該結晶形を使用する方法を提供する。【選択図】(Ia)

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年4月5日に出願された、参照により本明細書に援用される米国仮特許出願番号第62/482,175号の優先権の利益を主張する。
(発明の分野)
本件開示は一般に式(Ia)の化合物の固体形態に関する。
(Ia).
(発明の背景)
多形は、結晶形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸垂性及び溶出速度のような物理的及び化学的(即ち物理化学的)性質及びバイオアベイラビリティのような生物学的性質において異なることが可能である。化学化合物が固体状態で存在し得る結晶形又は複数の結晶形の物理化学的性質を予見することは不可能なままである。
また、薬理学的に活性な化合物の単一のエナンチオマーについては、改善された薬物動態的及び生物学的性質のために、近年関心が高まってきている。したがって、アフォキソラネルの単一の鏡像異性体を大スケールで調製することに用いることができるプロセスに対する必要性が存在する。一般に、キラル分子を得るための非対称なプロセスは、該プロセスが解決方法を含まない限り、純粋な単一のエナンチオマーの形態よりもむしろ、光学的に活性な分子をエナンチオマー的に富化した形態でもたらす。したがって、光学的に活性な(S)−アフォキソラネルのエナンチオマー純度を高めるために大スケールで用いることができる方法に対するニーズがある。
アフォキソラネルは、2つのエナンチオマー配置、すなわち、式(Ia)の化合物である(S)−エナンチオマー:
(Ia);
及び、式(Ib)の化合物である(R)−エナンチオマー:
(Ib).
で存在してよい。
更に、化合物の固体状態が1を超える結晶形で存在しても良いか否かを予測することさえも不可能である。
米国特許出願番号第 62/319,207号は、米国特許出願番号第15/480,316号の優先権主張出願であり、US 2017/0311601 A1として公開されているが(全て本明細書に参照により援用される)、式(Ia)の化合物及びその調製方法について、この化合物の無脊椎害虫駆除剤としての有益性同様に開示している。この化合物の新たな固体形態が、ここに発見された。
米国特許US8410153は、参照により本明細書に援用されるが、アフォキソラネルが、寄生虫感染又は動物中若しくは動物上の感染を処置または予防することに効果的であることを記載している。
(参照による援用)
いかなる先行出願、その明細書に又はそれらの手続追行中に引用された全ての書類(「出願引用書類」)、出願引用書類中に引用又は参照された全ての書類、本明細書に引用又は参照された全ての書類(「本明細書に引用された書類」)、及び本明細書に引用された書類に引用又は参照された全ての書類は、本明細書又は本明細書に参照により援用されたあらゆる書類中に挙げられた、あらゆる製品についての、あらゆる製造業者の指示、記載、製品仕様及び製品シートとともに、参照により本明細書に援用され、本発明の実施に用いられ得る。 本出願におけるいかなる書面の引用又は識別も、それらの書面が、本発明の先行技術文献として入手できるものであると認めるものではない。
(発明の概要)
本発明は、固体形態の式(Ia)の化合物に関する。より具体的には、本発明は、フォームI及びフォームIIと称される結晶形の式(Ia)の化合物及びこれら結晶形を調製するためのプロセスを対象とする。
本発明はまた、固体形態の式(Ia)の化合物を含む組成物及び、無脊椎害虫またはその環境を生物学的に有効な量の固体形態の式(Ia)の化合物又は固体形態の式(Ia)の化合物を含む組成物と接触させることを含む無脊椎害虫を駆除する方法に関する。
発明特有な特徴については、以下に続く添付の実施例を参照しながら考察される詳細な説明からより明らかになるであろう。以下に続く記載は、本発明の、駆虫薬としての適用にあたって存在する課題と解決について議論を続けるであろう。
図1は、式(Ia)の化合物の結晶フォームIの粉末X線回折パターンを示し、絶対強度カウントを2θ散乱位置に対してグラフ化したものを示す。 図2は、式(Ia)の化合物の結晶フォームIの示差走査熱量測定サーモグラムを示す。 図3は、式(Ia)の化合物の結晶フォームIIの粉末X線回折パターンを示し、絶対強度カウントを2θ散乱位置に対してグラフ化したものを示す。 図4は、式(Ia)の化合物の結晶フォームIIの示差走査熱量測定サーモグラムを示す。
「約(about)」という用語は、本明細書で用いられる場合、おおよそ(approximately)、ほぼ(in the region of)、ざっと( roughly)又はおよそ(around)を意味する。「約」という用語が数値範囲とともに用いられる場合、それは、設定された数値の上下に境界を延ばすことによりその範囲を加減する。一般に、「約」という用語は本明細書で用いられる場合、述べられた値の上下に10%の変動範囲で数値を加減する。したがって、約50%は、45%−55%の範囲にあることを意味する。本明細書に終点によって列挙される数値範囲は、その範囲内に包含される全ての数及び分数を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4及び5を含む)。全ての数及びそれらの分数は、「約」という用語によって加減されると推定されることがまた理解される。
「投与すること」という用語は本明細書で用いられる場合、健全な獣医学のプラクティスが本発明で用いられる化合物又は組成物を処置される対象に、寄生虫感染の処置または予防に効果的なやり方で送達する任意の方法を指す。例えば、化合物又は組成物は、経口、非経口、経皮又は局所的な経路を通じて投与される。局所投与は、特に、皮膚溶液(ポア−オンまたはスポット−オン)、スプレー、バス、シャワー、ジェット、パウダー、グリース、シャンプー、クリーム等を含む。ポア−オンタイプの皮膚溶液は、経皮送達のため又は動物の外側における活性の分布のために設計されてもよい。
「無水物」又は「無水多形」又は「無水結晶形」という用語は、結晶格子中で結合している水を有さない結晶形を指す。しかしながら、結晶は、微量の水又はその他の溶媒であって結晶格子中で結合していないものを含んでもよい。
「アモルファス」という用語は、アフォキソラネルに適用される場合、本明細書では固体状態を指し、ここでアフォキソラネル分子は無秩序に配置されて存在し、区別できる結晶格子又は単位格子を形成しない。X線粉末回折に供されると、アモルファスアフォキソラネルは特性結晶ピークを一切生成しない。
「化学的純度」という用語は、所望の生成物の全体的なレベルを指す。化合物がエナンチオマーの形態で存在する場合、本明細書において用いられる「化学的純度」は、所望の生成物の全体的なレベルの計算において、両方のエナンチオマー形態を含むであろう。化合物が溶媒和形態で存在する場合、本明細書において「化学的純度」は、所望の生成物の全体的なレベルの計算において、溶媒和形態を含むであろう。不純物は、例えば、望まれないプロセス試薬、プロセス中間物、分解生成物又は酸化生成物の形態で存在してもよい。特定の実施形態においては、化学的純度は高く、そのような場合、化学的純度は90%を超え、とりわけ、92.5%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%超であり、100%の場合を含む。純度は、HPLC分析を含む様々な手法で測定してよい。
「有効量」という用語は、本明細書において用いられる場合、動物に感染している寄生虫を根絶又はその数を減らすために十分な量の式(Ia)の化合物の結晶形を指す。いくつかの実施形態において、有効量の活性成分は、標的寄生虫に対して少なくとも70%の有効性を達成する。その他の実施形態において、有効量の本発明の結晶形は、標的寄生虫に対して少なくとも80%、又は少なくとも90%の有効性を達成する。好ましくは、有効量の本発明の結晶形は、標的寄生虫に対して少なくとも95%、少なくとも98%又は100%の有効性を達成するであろう。
「エナンチオマー」及び「エナンチオマー的な」という用語は、その鏡像に重ねることができず、したがって、光学的に活性な分子を指し、ここでエナンチオマーは偏向面を一方向に回転させ、その鏡像化合物は反対方向に同じ角度だけ偏向面を回転させる。
「エナンチオマー過剰率」又は「e.e.」という用語は、本明細書で用いられる場合、生成混合物中に存在する、あるエナンチオマーの量と他のエナンチオマーの量との差を指す。下記に与えられる各実施例のエナンチオマー過剰の値は、各エナンチオマーの相対量を示す。その値は、2つのエナンチオマーの相対割合の間の差で定義される。したがって、例えば、本発明の化合物の(S)−エナンチオマーの割合が97.5%であり、(R)−エナンチオマーの割合が2.5%である場合、(S)−エナンチオマーについてのエナンチオマー過剰は、95%である。
「エナンチオマー的に純粋」又は「エナンチオマー純度」という用語は、本明細書で用いられる場合、エナンチオマー混合物中で、一方のエナンチオマーが他方のエナンチオマーに対してどれだけ多く存在するかの尺度である。例えば、99%(S)−エナンチオマーと1%(R)−エナンチオマーの混合物は、(S)−エナンチオマーのエナンチオマー純度99%を有する。エナンチオマー的に純粋とは、好ましくは少なくとも95%又は少なくとも98%のエナンチオマー純度であり、より好ましくは、少なくとも約99%である。別の実施形態において、エナンチオマー的に、約99.90%から約100%のエナンチオマー純度である。
「単離された」という用語は、本明細書において本件開示のアフォキソラネルの固体状態形態を参照して用いられる場合、それが形成された溶液から物理的に分離されるアフォキソラネルの固体状態形態に対応する。
「溶媒体積」という用語は、本明細書で用いられる場合、周囲温度でリットル単位で表され、1kgの固体材料を溶解するプロセスで用いられる溶媒の体積を指す。例えば、5体積の溶媒が、1kgの開始物質で開始するプロセス中で用いられる場合、5リットルの溶媒と等しい。
本明細書で用いられる場合、「低級アルキルアルコール」は、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール等のようなヒドロキシ基を1つ含む分枝又は直鎖C1−C6アルキル基を指し、好ましい低級アルキルアルコールとしては、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールが挙げられ、最もエタノールが好ましい。
本明細書で用いられる場合、「脂肪族溶媒」は、炭素原子を9つまで含む直鎖、分枝又は環状脂肪族溶媒を指す。脂肪族溶媒としては、アルカン、アルケン又はアルキン溶媒が挙げられる。脂肪族溶媒の非限定的な例としては、ペンタン、 ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン及びこれに類するものが挙げられる。
「多形非溶媒和物」又は「結晶形非溶媒和物」という用語は、結晶格子中に溶媒が結合していない、例えば多形無水物のような結晶形を指す。しかしながら、結晶は結晶格子に結合していない微量の溶媒を含んでもよい。
本明細書で用いられる場合、「又は」という用語は、それとは反対に明示的に述べられていない限り、排他的な又はではなく、包括的な又はを指す。例えば、条件A又はBは、以下のいずれによっても満たされる:Aは真(又は存在)かつBは偽(又は存在しない)、Aは偽(又は存在しない)かつBは真(又は存在)並びにA及びBの両方とも真(又は存在)。
「薬学的に許容されるキャリア」という用語は、本明細書で用いられる場合、任意及び全ての溶媒、希釈剤、又はその他の液体又は固体ビヒクル、分散又は懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、保存料、固体バインダー、潤滑剤及びこれらに類するものを所望の剤形に適するように含んでよい。Remington's Pharmaceutical Sciences, Eighteenth Edition, E.W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, PA 1990) は、医薬組成物の処方において用いられる様々なキャリア及びそれらの調製のための公知の技法について開示している。任意の従来のキャリア媒体が、任意の望ましくない生物学的効果を生み出すこと、又はそれ以外に医薬組成物の任意のその他の成分と有害な方法で相互作用するようなことによって、(Ia)の化合物と調和しないようなことがない限り、その使用は本発明の範囲内であると考えられる。薬学的に許容されるキャリアとして作用するいくつかの例示的な材料としては、ラクトース、グルコース及びスクロースのような糖;コーンスターチやジャガイモデンプンのようなデンプン;ナトリウム カルボキシメチル セルロース、エチル セルロース及びセルロースアセタートのようなセルロース及びその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク:カカオバター及び坐薬ワックスのような賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、紅花油、胡麻油、オリーブ油、コーン油及び大豆油のような油;グリセリン、グリセリン エステル、 グリコール;例えばプロピレングリコール又はポリエチレングリコール;エチルオレアート及びエチルラウラートのようなエステル;寒天;マグネシウムヒドロキシド及びアルミニウムヒドロキシドのような緩衝剤;アルギン酸;エチルアルコール及びリン酸緩衝液同様ナトリウムラウリルスルファート及びマグネシウムステアラートのようなその他の非毒性適合潤滑剤、同様に着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、フレーバリング剤及び香料、保存料及び酸化防止剤がまた処方者の判断に従って組成物中に存在できるものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「多形」という用語は、本明細書で用いられる場合、化合物が結晶化することができる(溶媒和又は非溶媒和形態の)異なる結晶構造を指す。
「ラセミ」又は「ラセミ体」という用語及びその他の類似の用語は、一般に、等モル比の(S)−アフォキソラネル及び(R)−アフォキソラネルを指す。
「シード」という用語は、本明細書で用いられる場合、結晶アフォキソラネルの1以上の結晶(例えば、多形フォームI)を記述する名詞として用いることができる。例えば、結晶(S)−アフォキソラネル多形フォームIを生成することが求められる場合、結晶化プロセスを増進するために用いられるシード結晶は(S)−アフォキソラネル多形フォームIの結晶であることが可能である。「シード」又は「シードすること」という用語はまた、前記1以上のアフォキソラネルの結晶(例えば、多形フォームI)を環境(例えば、溶液、混合物、懸濁液又は分散体が挙げられるがこれらに限定されるものではない)に導入し、それによってより多くの同じアフォキソラネルの結晶(例えば、多形フォームI)の形成をもたらす動作を記述する動詞として用いることができる。
「溶媒和物」「多形溶媒和物」又は「結晶形溶媒和物」という用語は、結晶格子中に結合した溶媒を有する結晶形を指す。
「実質的に純粋な結晶形」という成句は、別途定義されていない限り、他の結晶形又はアモルファス形態を、X線粉末回折及び/又は固体赤外線吸収のような典型的な分析方法によって検出可能な量で含まない物質、すなわち、その他の結晶形を10%未満含むものであると理解される。好ましくは、本願化合物の5%未満、より好ましくは2%未満、更に好ましくは1%未満のその他の結晶形又はアモルファス形態が存在する。
グラフ中で提示されるディフラクトグラム、スペクトル又はデータを参照して用いられる場合、「実質的に同様」という用語は、グラフ中で提示される対象のディフラクトグラム、スペクトル又はデータが、当業者に既知の許容可能な実験限界の範囲内で異なる全てのグラフ中で提示されるディフラクトグラム、スペクトル又はデータを包含することを意味する。そのような実験限界は、グラフ中で提示される対象のディフラクトグラム、スペクトル又はデータの種類によって異なるが、それでもなお当業者には既知であろう。
「処置すること(treating)」又は「処置する(treat)」又は「処置(treatment)」という用語は、本明細書で用いられる場合、寄生虫感染した動物への寄生虫の駆除又は処置を受けている動物に感染している寄生虫の数の低減のための、本発明の化合物又は組成物の適用又は投与を意図している。本発明の組成物はそのような寄生虫感染を予防するために用いてもよいことが特記される。
本件開示、及び特に特許請求の範囲又は段落において、「含む(comprises)」、「含まれる(comprised)」、「含んでいる(comprising)」等の用語は米国特許法の意味に起因する意味を有することができ、例えば、それらは「含む(includes)」、「含まれる(included)」、「含んでいる(including)」等を意味することができることに留意されるべきである。また、「〜から本質的に成る(consisting essentially of)」及び「〜から本質的に成る(consists essentially of)」のような用語は、米国特許法でそれらに属するとみなされている意味を有し、例えば、それらは明示的に示されていない要素を許容するが、従来技術にみられるか、あるいは本発明の基本的又は新規の特徴に影響を及ぼす要素を除外する。
本明細書に記載のとおり、式(Ia)の化合物は、溶媒和物形態を含む1以上の多形で存在してよい結晶形であることが可能である。一般に、多形(或いは当該技術分野で多形形態、多形的形態又は結晶形として知られている)は、それらのX線粉末回折パターン、分光学的、物理化学的又は薬学動態的性質において、それらの熱力学的安定性同様に異なっている。また多形は、多形について既知の、結晶形状、化学的安定性、溶出速度及びバイオアベイラビリティーのような異なる物理学的性質を示してもよい。したがって、特定の多形は、懸濁液、軟膏、タブレット若しくはカプセルのような特定の投与形態における使用又は好ましい薬学動態的性質を有する剤形の製造における使用を含むがこれらに限られない所与の適用に最も適切な形態を提示してよい。
固体状態形態の(S)−アフォキソラネルの意図された使用によっては、特定の固体状態形態又は特定のそのような固体状態形態の組合せを選択することがプロセスの検討から好ましいとしてもよい。組成物中のフォームI又はフォームIIの代わりに、水和物結晶形を使用することで、脱溶媒というプロセス工程が、さもなければ溶媒和物結晶形の脱溶媒へと進むにプロセスから除かれる。しかしながら、薬学的又は獣医学的分野において、特定の溶媒は、その毒性に対する懸念から閾値を超えるレベルが許されず、ヒト又は動物に投与される製品中で用いるためには除去されなければならない。したがって、特定の溶媒の使用はこれらの分野では不可能である。更に、溶媒が結晶格子の一部である場合、化合物の結晶形から溶媒を除去することが困難である。化合物の無溶媒和物結晶形固体状態を生成することができる場合、脱溶媒工程は除くことが可能であり、改善された化合物の製造プロセスがもたらされる。例えば、もしフォームI又はフォームIIが、途中に入る調製及び中間体溶媒和物結晶形の脱溶媒抜きで、適当な溶媒から直接結晶化すれば、著しいコスト削減及びより効率的なプロセスが達成される。例えば、E. Shefter及びT. Higuchiは、重要な医薬品の、いくつかの溶媒和物及び非溶媒和物結晶形の相対溶出速度を測定した(J. Pharm. Sci., 52 (8), (1963 ), 781-91を参照)。下記式(Ia)の化合物の場合、例えばトルエンやそれに類するような芳香族溶媒を含む通常のプロセス溶媒からの該化合物の結晶化は、溶媒和物として化合物が単離される結果となり、式(Ia)の化合物の非溶媒和物形態での単離は非常に困難であることがわかった。しかしながら、商業的に実現可能性のないほど溶媒のレベルを著しく低減することなしに、溶媒和物を薬学的又は獣医学的適用に直接用いることはできなかった。したがって、式(Ia)の化合物の非溶媒和フォームI及びフォームIIの発見は、動物中の寄生虫感染症を処置又は予防するための効果的な駆虫性組成物の開発を著しく改善することを示す。
本発明の別の実施形態において、水和物を含む溶媒和物は、当業者であれば理解する様々な条件によって、それら成分の正確なモル比にある程度の変動性を有する。例えば、溶媒和物中の成分のモル比は、当業者に、溶媒和物の成分の一般的な相対量についての情報を提供し、多くの場合において、モル比は記載された範囲から±約20%変動し得る。例えば、1:1のモル比は、1:0.8及び1:1.2の比率をその間の全ての個々の比率同様に含むと理解される。
本発明は、結合有機溶媒が実質的に無く、結合水が無い(S)−アフォキソラネル結晶フォームIを提供し、これは、実施例3に記載のX線粉末回折(X−RPD)及び/又は示差走査熱量測定(DSC)によって特徴づけられる。
本発明はまた、結合有機溶媒が実質的に無く、結合水が無い(S)−アフォキソラネル結晶フォームIIを提供し、これは、実施例3に記載のX線粉末回折(X−RPD)及び/又は示差走査熱量測定(DSC)によって特徴づけられる。
これに加えて、本発明は、脂肪族溶媒及び共溶媒を含む溶媒混合物から化合物を結晶化することを含む、(S)−アフォキソラネルフォームI及び/又は(S)−アフォキソラネルフォームII又はそれらの混合物を調製するためのプロセスを提供する。
発明の概要に記載された本発明の実施形態は、以下に記載の物を含む。
実施形態(1):フォームIと指定される、結晶構造の式(Ia)の化合物であって、
(Ia)
ここで、前記結晶は、Cu-Kα 線を用いた回折計で決定される下記から成る群から選択されるピークを3、4、5、6または7以上含むX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる:10.03°, 10.48°, 13.16°, 15.42°, 15.80°, 16.07°, 17.65°, 20.16°, 22.15°, 23.68°, 26.52°及び28.13° 2θ ±0.2。
実施形態(2):実施形態(1)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、Cu-Kα 線を用いた回折計で決定される下記から成る群から選択されるピークを、3以上含むX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる化合物:10.03°, 10.48°, 13.16°, 20.16°及び 22.15° 2θ ±0.2。
実施形態(3):実施形態(1)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、図1と実質的に同様のX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる化合物。
実施形態(4):実施形態(1)から(3)のいずれかいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、加熱速度5℃/分で測定して、温度約146℃にピークを、約143℃にオンセット温度を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することにより特徴づけられる、化合物。
実施形態(5):実施形態(1)から(4)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムが、融解熱約61.7J/gを有することにより特徴づけられる、化合物。
実施形態(6):実施形態(1)から(5)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、図2と実質的に同様の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することによって特徴づけられる、化合物。
実施形態(7):実施形態(1)から(6)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、結晶形が単離される化合物。
実施形態(8):実施形態(1)から(7)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、結晶形が非溶媒和物である化合物。
実施形態(9):実施形態(1)から(8)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、エナンチオマー的に純粋な化合物。
実施形態(10):実施形態(1)から(9)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が少なくとも約95%である、化合物。
実施形態(11):実施形態(1)から(10)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が少なくとも約98%である、化合物。
実施形態(12):実施形態(1)から(10)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が少なくとも約99%である、化合物。
実施形態(13):実施形態(1)から(12)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約98.00%から約99.00%の範囲にある、化合物。
実施形態(14):実施形態(1)から(13)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.00%から約99.95%の範囲にある、化合物。
実施形態(15):実施形態(1)から(13)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.00%から約100%の範囲にある、化合物。
実施形態(16):実施形態(1)から(15)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.90%である、化合物。
実施形態(17):実施形態(1)から(16)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、エナンチオマー純度が約98.0%から約99.0%の範囲にある、化合物。
実施形態(18):実施形態(1)から(17)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、エナンチオマー純度が約99.0%から約100%の範囲にある、化合物。
実施形態(19):実施形態(1)から(18)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.00%から約99.95%の範囲にあり、エナンチオマー純度が約99.0%から約100%の範囲にある、化合物。
実施形態(20):実施形態(1)から(19)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.90%であり、エナンチオマー純度が約99.90%である、化合物。
実施形態(21):実施形態(1)から(20)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、実質的に純粋な結晶形である、化合物。
実施形態(22):実施形態(1)から(21)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物と生物学的に等価な(S)−アフォキソラネルの結晶形。
実施形態(23):実施形態(1)から(22)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
実施形態(24):実施形態(1)から(22)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含み、ここで前記結晶構造の式(Ia)の化合物が、1以上の別個の式(Ia)の、多形形態又はアモルファス化合物との混合物である、組成物。
実施形態(25):実施形態(24)の組成物であって、該別個の多形形態がフォームIIである、組成物。
実施形態(26):実施形態(24)の組成物であって、該結晶構造の式(Ia)の化合物が式(Ia)のアモルファス化合物との混合物である、組成物。
実施形態(27):実施形態(23)から(26)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約50.0質量%の実施形態(1)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(28):実施形態(23)から(27)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約70質量%の実施形態(1)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(29):実施形態(23)から(28)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約80質量%の実施形態(1)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(30):実施形態(23)から(29)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約90質量%の実施形態(1)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(31):実施形態(23)から(28)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約95質量%の実施形態(1)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(32):実施形態(23)から(31)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約99.0質量%の実施形態(1)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(33):実施形態(1)から(22)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を調製する方法であって、
(a)(S)−アフォキソラネルのトルエン溶媒和物の混合物を溶媒中で溶解が起こるまで加熱するステップ、ここで溶媒は、アセトニトリル、エチルアセタート、直鎖、分枝又は環状脂肪族溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等)又はアルコール、又はこれらの混合物である;
(b)共溶媒を添加してもよいステップ、
(c)溶媒システムの温度を低減し、核形成を誘発するステップ;
(d)混合物を核形成が開始した温度よりも低い温度に維持するステップ;及び
(e)堆積した結晶構造の式(Ia)の化合物を単離するステップ、を含む方法。
実施形態(34):実施形態(33)に従うプロセスであって、共溶媒がイソブチルケトン又はアセトンである、プロセス。
実施形態(35):実施形態(33)に従うプロセスであって、脂肪族溶媒がC1−C8直鎖、分枝又は環状アルカン溶媒である、プロセス。
実施形態(36):実施形態(33)から(35)のいずれか1に従うプロセスであって、アルコールが低級アルキルアルコールである、プロセス。
実施形態(37):実施形態(33)から(36)のいずれか1に従うプロセスであって、アルコールがエタノールである、プロセス。
実施形態(38):実施形態(33)から(37)のいずれか1に従うプロセスであって、溶媒がエタノール及びシクロヘキサンを含む混合物である、プロセス。
実施形態(39):実施形態(38)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約10:90から約99:1(v/v)である、プロセス。
実施形態(40):実施形態(38)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約1:99から約25:75(v/v)である、プロセス。
実施形態(41):実施形態(38)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約3:97から約10:90(v/v)である、プロセス。
実施形態(42):実施形態(38)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約5:95から約10:90(v/v)である、プロセス。
実施形態(43):実施形態(38)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約8:92(v/v)である、プロセス。
実施形態(44):実施形態(33)から(43)のいずれか1に従うプロセスであって、エナンチオマー的に純粋な(S)−アフォキソラネルフォームIをシードすることを含む、プロセス。
実施形態(45):実施形態(33)から(44)のいずれか1に従うプロセスであって、加熱が約50℃から約80℃である、プロセス。
実施形態(46):実施形態(33)から(45)のいずれか1に従うプロセスであって、温度を低減することが、約10℃又はそれよりも低い温度に下げることである、プロセス。
実施形態(47):実施形態(33)から(46)のいずれか1に従うプロセスであって、温度を低減することが、約5℃又はそれよりも低い温度に下げることである、プロセス。
実施形態(48):実施形態(33)から(47)のいずれか1に従うプロセスであって、温度を低減することが、約3℃/時の速度で下げることである、プロセス。
実施形態(49):実施形態(1)の(S)−アフォキソラネルの結晶フォームIを調製するプロセスであって、
(a)(S)−アフォキソラネルのトルエン溶媒和物の混合物であって、エナンチオマー純度が97%以上であるものを溶媒中で溶解が起こるまで加熱するステップ、ここで溶媒は、アセトニトリル、エチルアセタート、直鎖、分枝又は環状アルカン溶媒又はアルコール、又はこれらの組合せである;
(b)共溶媒を添加してもよいステップ、
(c)溶媒システムの温度を低減し、核形成を誘発するステップ;
(d)混合物を核形成が開始した温度よりも低い温度に維持するステップ;及び
(e)堆積した(S)−アフォキソラネルの結晶フォームIを単離するステップ、を含むプロセス。
実施形態(50):実施形態(33)から(49)のいずれか1に従うプロセスであって、単離された結晶構造の式(Ia)の化合物が、(S)−アフォキソラネルについてエナンチオマー富化されている、プロセス。
実施形態(51):実施形態(33)から(50)のいずれか1に従うプロセスによって生成される、(S)−アフォキソラネルの結晶形。
実施形態(52):実施例のいずれか1で開示される、(S)−アフォキソラネルの結晶形。
実施形態(53):実施形態(1)から(22)若しくは実施形態(52)のいずれか1の(S)−アフォキソラネルの結晶形又は実施形態(23)−(32)のいずれか1の組成物を有効量動物に投与することを含む、動物中の寄生虫感染又は寄生を処置または予防する方法。
実施形態(54):フォームIIと指定される、結晶構造の式(Ia)の化合物であって、
(Ia),
ここで、前記結晶は、Cu-Kα 線を用いた回折計で決定される下記から成る群から選択されるピークを3、4、5、6または7以上含むX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる:5.99°, 12.99°, 15.80°, 18.71°, 19.33°, 20.24°, 21.65°, 22.17°, 26.11° 及び29.00° 2θ ±0.2。
実施形態(55):実施形態(54)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、前記結晶がCu-Kα 線を用いた回折計で決定される下記から成る群から選択されるピークを、3以上含むX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる:5.99°, 12.99°, 15.80°, 22.17°, 26.11° 2θ ±0.2。
実施形態(56):実施形態(54)から(55)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、図3と実質的に同様のX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる化合物。
実施形態(57):実施形態(54)から(56)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、加熱速度5℃/分で測定して、温度約149℃にピークを、約146℃にオンセット温度を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することにより特徴づけられる、化合物。
実施形態(58):実施形態(54)から(57)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、融解熱約65.7J/gを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することにより特徴づけられる、化合物。
実施形態(59):実施形態(54)から(58)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、図4と実質的に同様の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することにより特徴づけられる、化合物。
実施形態(60):実施形態(54)から(59)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、結晶形が単離される化合物。
実施形態(61):実施形態(54)から(60)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、結晶形が非溶媒和物である化合物。
実施形態(62):実施形(54)から(61)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、エナンチオマー的に純粋な化合物。
実施形態(63):実施形態(54)から(62)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が少なくとも約95%である、化合物。
実施形態(64):実施形態(54)から(63)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が少なくとも約98%である、化合物。
実施形態(65):実施形態(54)から(64)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が少なくとも約99%である、化合物。
実施形態(66):実施形態(54)から(65)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約98.00%から約99.00%の範囲にある、化合物。
実施形態(67):実施形態(54)から(66)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.00%から約99.95%の範囲にある、化合物。
実施形態(68):実施形態(54)から(67)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.00%から約100%の範囲にある、化合物。
実施形態(69):実施形態(54)から(68)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.90%である、化合物。
実施形態(70):実施形態(54)から(69)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、エナンチオマー純度が約98.0%から約99.0%の範囲にある、化合物。
実施形態(71):実施形態(54)から(70)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、エナンチオマー純度が約99.0%から約100%の範囲にある、化合物。
実施形態(72):実施形態(54)から(70)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.00%から約99.95%の範囲にあり、エナンチオマー純度が約99.0%から約100%の範囲にある、化合物。
実施形態(73):実施形態(54)から(72)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、化学的純度が約99.90%であり、光学的純度が約99.90%である、化合物。
実施形態(74):実施形態(54)から(73)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物であって、実質的に純粋な結晶形である、化合物。
実施形態(75):実施形態(54)から(74)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物と生物学的に等価な(S)−アフォキソラネルの結晶形。
実施形態(76):実施形態(54)から(74)のいずれか1に従う結晶構造の式(Ia)の化合物及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
実施形態(77):実施形態(76)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む組成物であって、ここで前記結晶構造の式(Ia)の化合物が、1以上の別個の式(Ia)の、多形形態又はアモルファス化合物との混合物である、組成物。
実施形態(78):実施形態(77)に従う組成物であって、該別個の多形形態がフォームIである、組成物。
実施形態(79):実施形態(77)に従う組成物であって、該結晶構造の式(Ia)の化合物が式(Ia)のアモルファス化合物との混合物である、組成物。
実施形態(80):実施形態(76)から(79)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも50.0質量%の実施形態(53)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(81):実施形態(76)から(80)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約70質量%の実施形態(53)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(82):実施形態(76)から(81)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約80質量%の実施形態(53)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(83):実施形態(76)から(80)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約90質量%の実施形態(53)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(84):実施形態(76)から(83)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも約95質量%の実施形態(53)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(85):実施形態(76)から(84)のいずれか1に従う医薬組成物であって、該組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して少なくとも99.0質量%の実施形態(53)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、医薬組成物。
実施形態(86):実施形態(54)に従う結晶構造の式(Ia)の化合物を調製するプロセスであって、
(a)(S)−アフォキソラネルのトルエン溶媒和物の混合物を溶媒中で溶解が起こるまで加熱するステップ、ここで溶媒は、アセトニトリル、エチルアセタート、直鎖、分枝又は環状脂肪族溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等)又はアルコール、又はこれらの混合物である;
(b)共溶媒を添加してもよいステップ、
(c)溶媒システムの温度を低減し、核形成を誘発するステップ;
(d)混合物を核形成が開始した温度よりも低い温度に維持するステップ;及び
(e)堆積した結晶構造の式(Ia)の化合物を単離するステップ、を含むプロセス。
実施形態(87):実施形態(86)に従うプロセスであって、共溶媒がイソブチルケトン又はアセトンである、プロセス。
実施形態(88):実施形態(86)から(87)のいずれか1に従うプロセスであって、アルコールがエタノールである、プロセス。
実施形態(89):実施形態(86)から(88)のいずれか1に従うプロセスであって、溶媒がエタノール及びシクロヘキサンを含む混合物である、プロセス。
実施形態(90):実施形態(89)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約15:85から約99:1(v/v)である、プロセス。
実施形態(91):実施形態(89)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約1:99から約25:75(v/v)である、プロセス。
実施形態(92):実施形態(89)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約3:97から約10:90(v/v)である、プロセス。
実施形態(93):実施形態(89)に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約5:95から約10:90(v/v)である、プロセス。
実施形態(94):実施形態(89)から(91)のいずれか1に従うプロセスであって、エタノール及びシクロヘキサンの混合物が、エタノール対シクロヘキサンが約15:85(v/v)である、プロセス。
実施形態(95):実施形態(86)から(94)のいずれか1に従うプロセスであって、エナンチオマー的に純粋な(S)−アフォキソラネルフォームIIをシードすることを含む、プロセス。
実施形態(96):実施形態(86)から(95)のいずれか1に従うプロセスであって、加熱が約50℃から約80℃である、プロセス。
実施形態(97):実施形態(86)から(96)のいずれか1に従うプロセスであって、温度を低減することが、約10℃又はそれよりも低い温度に下げることである、プロセス。
実施形態(98):実施形態(86)から(97)のいずれか1に従うプロセスであって、温度を低減することが、約5℃又はそれよりも低い温度に下げることである、プロセス。
実施形態(99):実施形態(86)から(98)のいずれか1に従うプロセスであって、温度を低減することが、約3℃/時の速度で下げることである、プロセス。
実施形態(100):実施形態(54)の(S)−アフォキソラネルの結晶フォームIIを調製するプロセスであって、
(a)(S)−アフォキソラネルのトルエン溶媒和物の混合物であって、エナンチオマー純度が約97%から約100%であるものを溶媒中で溶解が起こるまで加熱するステップ、ここで溶媒は、アセトニトリル、エチルアセタート、直鎖、分枝又は環状アルカン又はアルコール、又はこれらの組合せである;
(b)共溶媒を添加してもよいステップ、
(c)溶媒システムの温度を低減し、核形成を誘発するステップ;
(d)混合物を核形成が開始した温度よりも低い温度に維持するステップ;及び
(e)堆積した(S)−アフォキソラネルの結晶フォームIIを単離するステップ、を含むプロセス。
実施形態(101):実施形態(86)から(100)のいずれか1に従うプロセスによって生成される(S)−アフォキソラネルの結晶形。
実施形態(102):実施形態(54)から(75)のいずれか1の式(Ia)の結晶形又は実施形態(76)−(85)に従う組成物を有効量動物に投与することを含む、動物中の寄生虫感染又は寄生を処置または予防する方法。
別の実施形態において、本発明は、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIであって、下記表1に示されるように、2-シータ (2θ) ± 0.2 (degree)で表される1以上の特性ピークを示すものを提供する。
別の実施形態において、本発明は、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIであって、下記表1に示されるように、2-シータ (2θ) ± 0.2 (degree)で表される少なくとも7つの特性ピークを1以上の位置で示すものを提供する。
別の実施形態において、本発明は、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIであって、実施例に記載され下記図2に示されるように、吸熱を示すものを提供する。
別の実施形態において、本発明は、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIと(S)−アフォキソラネル結晶フォームII及び/又はアモルファス(S)−アフォキソラネルの組合せを提供する。別の実施形態において、本発明は、殺虫性又は駆虫性組成物であって、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIを単独で、又は1以上の追加的な活性剤と組み合わせて、及び農学的又は薬学的に許容されるキャリア又は希釈剤とを含むものを提供し、ここで少なくとも80%の固体形態の(S)−アフォキソラネルが結晶フォームIである。
ある実施形態において、本発明は、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIIであって、下記表1に示されるように、2-シータ (2θ) ± 0.2 (degree)で表される1以上の特性ピークを示すものを提供する。
別の実施形態において、本発明は、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIIであって、下記表1に示されるように、2-シータ (2θ) ± 0.2 (degree)で表される少なくとも7つの特性ピークを1以上の位置で示すものを提供する。
別の実施形態において、本発明は、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIIであって、実施例に記載され下記図4に示されるように、吸熱を示すものを提供する
別の実施形態において、本発明は、(S)−アフォキソラネル結晶フォームI及び/又はアモルファス(S)−アフォキソラネルと組合せた(S)−アフォキソラネル結晶フォームIIを提供する。別の実施形態において、本発明は、殺虫性又は駆虫性組成物であって、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIIを単独で、又は1以上の追加的な活性剤と組み合わせて、及び農学的又は薬学的に許容されるキャリア又は希釈剤とを含むものを提供し、ここで少なくとも80%の固体形態の(S)−アフォキソラネルが結晶フォームIIである。
別の実施形態において、多形は不純物を含んでよい。不純物の例としては以下に限られるわけではないが、溶媒、水又は塩のような有機及び無機分子の残渣が挙げられる。ある実施形態において、多形は10質量%未満の総不純物を含有する。
別の実施形態において、多形は、5質量%未満、4質量%未満、3質量%未満、2質量%未満の総不純物を含む。別の実施形態において、多形は、1質量%未満の総不純物を含む。また別の実施形態においては、多形は実質的に不純物を含まない。
別の実施形態において、本発明は、少なくとも90%の固体形態が結晶フォームI形態である(S)−アフォキソラネル結晶フォームIを提供する。
別の実施形態において、本発明は、少なくとも80%の固体形態がトルエン溶媒和物結晶形態である結晶(S)−アフォキソラネルを提供する。
別の実施形態において、本発明は、少なくとも90%の固体形態が結晶フォームII形態である(S)−アフォキソラネル結晶フォームIIを提供する。
ある特定の実施形態において、多形フォームIは実施的に純粋な結晶形である。別の実施形態において、多形フォームIは、他の結晶形を10%未満有する。好ましくは、5%未満、より好ましくは2%未満、更に好ましくは1%未満のその他の結晶形又はアモルファス形態の化合物が存在する。
同様に、特定の実施形態において、多形フォームIIは実質的に純粋な結晶形である。別の実施形態において、多形フォームIIは、他の結晶形を10%未満有する。好ましくは、5%未満、より好ましくは2%未満、更に好ましくは1%未満のその他の結晶形又はアモルファス形態の化合物が存在する。
ある実施形態において、(S)−アフォキソラネルの結晶フォームI及び/又はフォームIIは、(S)−アフォキソラネルを、当該技術分野において既知の方法に従って、低級アルコール溶媒及び脂肪族溶媒の組合せから結晶化させることによって調製してもよい。別の実施形態において、(S)−アフォキソラネルのフォームI及び/又はフォームIIは、アルキルエステル溶媒又はアルキルエステル溶媒を含有する混合溶媒から化合物を結晶化させることによって調製してもよい。アルキルエステル溶媒としては、例えば、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、メチルアセタート等のアルキルアセタート溶媒が挙げられるがこれらに限られるわけではない。また別の実施形態において、(S)−アフォキソラネルのフォームI及び/又はフォームIIはニトリル溶媒又はニトリル溶媒を含有する混合溶媒から化合物を結晶化させることによって調製してもよい。ニトリル溶媒としては、アセトニトリルが挙げられるがこれに限られるわけではない。別の実施形態において、(S)−アフォキソラネルのフォームI及び/又はフォームIIは、脂肪族溶媒及びアルキルエステル溶媒の組合せから化合物を結晶化させることによって調製してもよい。また別の実施形態において、フォームI及び/又はフォームII(S)−アフォキソラネルは、アセトニトリルを含むニトリル溶媒から化合物を結晶化させることによって調製してもよい。
別の実施形態において、結晶(S)−アフォキソラネルフォームI及び/又は(S)−アフォキソラネルフォームIIは、水、エタノール、イソプロパノール、メタノール、トルエン、ジクロロメタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジイソプロピルエテル又はクロロブタン又はそれらの混合物から結晶化してもよい。
脂肪族溶媒は、直鎖、分枝、環状、1級、2級又は3級炭化水素であり、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられるがこれらに限られるわけではない。別の実施形態において、結晶(S)−アフォキソラネルフォームI及び/又はフォームIIは、(S)−アフォキソラネルを、低級アルコール溶媒とシクロアルキル溶媒の組合せの溶媒から結晶化させることで調製してもよい。別の実施形態において、結晶(S)−アフォキソラネルフォームI及び/又はフォームIIは、(S)−アフォキソラネルを、アルキルエステル溶媒と脂肪族溶媒の組合せの溶媒から結晶化させることで調製してもよい。また別の実施形態において、結晶(S)−アフォキソラネルフォームI及び/又はフォームIIは、(S)−アフォキソラネルを、ニトリル溶媒と脂肪族溶媒の組合せの溶媒から結晶化させることで調製してもよい。
プロセスの1つの実施形態において、低級アルコール溶媒の脂肪族溶媒に対する比率は、低級アルコール対脂肪族溶媒で約1:99(v/v)から約25:75(v/v)の間である。別の実施形態において、低級アルコール溶媒の脂肪族溶媒に対する比率は、約2:98(v/v)から約20:80(v/v)である。また別の実施形態において、低級アルコール溶媒の脂肪族溶媒に対する比率は、約4:96(v/v)から約15:85(v/v)である。別の実施形態において、低級アルコール溶媒の脂肪族溶媒に対する比率は、約5:95(v/v)から約10:90(v/v)である。ある実施形態において、低級アルコール溶媒の脂肪族溶媒に対する比率は、約6:94(v/v)である。別の実施形態において、低級アルコール溶媒の脂肪族溶媒に対する比率は、約7:93(v/v)である。別の実施形態において、低級アルコール溶媒の脂肪族溶媒に対する比率は、約8:92(v/v)である。
溶媒の総体積はプロセスにおいて異なってよい。しかしながら、溶媒を使いすぎるとプロセスの収率に影響を及ぼす可能性がある。対照的に、溶媒の使用量が少なすぎると、別の固体形態又は不純物の共結晶として低品質の生成物が結果として得られることになりがちである。ある実施形態において、約7体積から約30体積の全溶媒又は溶媒混合物を用いてもよい。別の実施形態において、約10体積から約25体積の全溶媒又は溶媒混合物を結晶化において用いてもよい。別の実施形態において、約12体積から約20体積の溶媒又は溶媒混合物を用いてもよい。他の実施形態において、約12体積から18体積、約13体積から約17体積、又は約14体積から約16体積を用いてもよい。ある実施形態において、約15体積の全溶媒又は溶媒混合物をフォームI又はフォームII(S)−アフォキソラネルを結晶化するために用いてもよい。
(S)−アフォキソラネルの原料は、アモルファス(S)−アフォキソラネル又は該化合物のその他の固体形態であってよい。或いは、別の溶媒中の(S)−アフォキソラネル溶液を用いてもよい。ある実施形態において、プロセスで用いられる(S)−アフォキソラネルのエナンチオマー純度は少なくとも約90%(例えば、(S)−エナンチオマー対(R)−エナンチオマーが90:10の比率)である。別の実施形態において、(S)−アフォキソラネルのエナンチオマー純度は少なくとも約95%である。好ましくは、プロセスで用いられる(S)−アフォキソラネルのエナンチオマー純度は少なくとも約98%である。ある実施形態において、(S)−アフォキソラネルは適切な溶媒に、混合物が、周囲温度またはそれ以下では懸濁液であり、高温では溶液であるような濃度で溶解し、ゆっくりと冷却して、溶媒から結晶化を誘発する。別の実施形態においては、(S)−アフォキソラネルは、合理的に溶解する溶媒に溶解され、続いて、化合物が溶解しにくい第2溶媒が添加され、ゆっくりと結晶化が誘発される。
場合によっては、シードを添加して結晶化を補助してもよい。シードは、所望のエナンチオマーについて富化してあり、そのエナンチオマーについて結晶化される。シードのエナンチオマー過剰は、それが添加されるアフォキソラネル溶液のそれと同じあるいは異なる可能性があるが、好ましくは、例えば少なくとも90%eeまたはそれよりも高い、高エナンチオマー過剰である。同様に、シードは所望のラセミ化合物であることが可能であり、そのラセミ化合物について結晶化される。
本発明の実施形態において、シード結晶は(S)−アフォキソラネルの結晶化を誘発するために添加してもよい。添加される(S)−アフォキソラネルのシード結晶の量は、用いられる溶媒中における飽和量を超え、そのため溶液中に溶解しなかったシード結晶が存在する量である。当業者であれば、シードする温度が用いられる溶媒に依り、溶媒混合物が用いられる場合、溶媒の比率に依ることを理解するであろう。ある実施形態において、脂肪族溶媒及び低級アルコール溶媒を含む溶媒混合物が用いられ、シードは温度約50℃から約60℃の範囲で行われてもよい。別の実施形態においては、シードは約52℃から約58℃の温度で行われてもよい。また別の実施形態においては、シードは約53℃から約57℃の温度で行われてもよい。また別の実施形態において、シードは55℃で行われてよい。
混合物は、温度約10℃から約65℃、好ましくは約10℃から約60℃又は約10℃から約30℃で放置する。ある実施形態において、シードした後の混合物は、温度約25℃から約45℃で老化され、老化され、続いて温度約50℃から約60℃に加熱され、結晶化生成物を単離するため更に冷却される前に再び老化される。このサイクルは繰り返してよい。加熱/冷却サイクルは、形成される結晶のサイズを増加させるために用いてもよい。しかしながら、このプロセスは絶対に必要というわけではない。ある実施形態において、混合物は所望の温度で少なくとも約15分間老化させることが許容される。別の実施形態においては、混合物は少なくとも約30分間、又は少なくとも約1時間老化させることが許容される。他の実施形態においては、混合物は所望の温度で少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、またはそれよりも長い時間、老化させることが許容される。老化時間が老化温度で平衡溶解度を達成するのに十分ではない場合、老化時間の長さはプロセスの収率に影響する可能性がある。しかしながら、混合物が安定であれば、老化ステップの長さは重要ではなく、混合物は老化温度でより長い時間維持されてもよい。ある実施形態において、混合物は所望の温度で約2時間から約27時間老化される。結晶化混合物は約20℃よりも低い温度に更に冷却され、結晶を濾過又は遠心分離により単離する前に老化される。ある実施形態において、混合物は約0℃から約20℃の温度に冷却される。別の実施形態において、混合物は約0℃から約15℃、又は約5℃から約20℃の温度に冷却される。また別の実施形態において、混合物は約5℃から約15℃、又は約5℃から約10℃の温度に冷却され、結晶の単離の前に十分な時間老化される。
冷却された混合物は単離の前に十分な時間老化される。単離の前の老化の長さは収率に著しい影響を与えることなく変わってもよい。ある実施形態において、混合物は少なくとも約15分冷却される。別の実施形態において、混合物は少なくとも約30分、又は少なくとも約1時間、単離の前に老化される。別の実施形態において、混合物は少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、またはそれよりも長い時間老化される。他の実施形態において、混合物は、少なくとも約10時間、少なくとも約15時間、少なくとも約20時間又は少なくとも約24時間、又はそれよりも長い時間、老化されてもよい。
本発明の別の実施形態において、結晶は濾過又は遠心分離によって回収してよく、場合によっては残渣エタノールを除去するために洗浄してもよい。要すればまた、乾燥を行ってもよい。適切な乾燥条件を式(Ia)の化合物が溶解することを避けるために選択するべきである。例えば、極端な熱は乾燥条件の間避けるべきである。
本発明は更にエナンチオマー的に純粋な結晶形にある(S)−アフォキソラネルに関する。結晶形はより安定で、取扱い及び貯蔵しやすく、精製しやすく、複製可能な方法で合成しやすいであろう。
ある実施形態において、式(Ia)の化合物、例えば、多形フォームI又は多形フォームII、又はそれらの混合物、及び薬学的に許容されるキャリア又は希釈剤を含む医薬組成物が提供される。例えば、ある実施形態において、多形フォームI及び薬学的に許容されるキャリア又は希釈剤を含む医薬組成物は提供される。別の実施形態において、本発明は、多形フォームII及び薬学的に許容されるキャリア又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。また別の実施形態において、本発明は、多形フォームI及び多形フォームIIの混合物及び薬学的に許容されるキャリア又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明の化合物は動物、例えば哺乳類に対する医薬として投与される場合、それらはそれ自体で、又は例えば、0.1%から99.9%(w/w)(より好ましくは、0.5から90%)の活性成分を薬学的に許容されるキャリアと組み合わせて含む医薬組成物としてあたえることができる。他の実施形態において、医薬組成物は約0.5%から約50%(w/w)、約0.5%から約25%(w/w)の式(Ia)の化合物をフォームI、フォームII又はそれらの混合物として含む。他の実施形態において、医薬組成物は約0.5%から約15%(w/w)又は約0.5%から約10%(w/w)、フォームI、フォームII又はそれらの混合物として含む。また別の実施形態において、医薬組成物は、約0.1%から約5%(w/w)又は約0.1%から約2.5%(w/w)の式(Ia)の化合物をフォームI、フォームII又はそれらの混合物として含む。
本発明の別の態様は、2以上のフォームの混合物又は式(Ia)の結晶構造(例えばフォームI及びフォームII)及び非結晶構造の化合物の混合物であって放出延長処方において特定の有利な点を有し得るものを含む組成物である。したがって、本発明はまた、そのような式(Ia)生成物の結晶構造の化合物の混合物に関する。
本発明の別の態様において、結晶構造の式(Ia)の化合物は、結晶(例えば、フォームI及びフォームII)及び非結晶形の混合物を含む。例えば、式(Ia)の化合物の結晶化度の百分率は、式(Ia)の化合物総量の少なくとも約10質量%、好ましくは少なくとも約20質量%であり、好ましくは式(Ia)の化合物総量の少なくとも約30質量%、少なくとも約40質量%、少なくとも約50質量%、少なくとも約60質量%の量である。
ある実施形態において、組成物中に存在する式(Ia)の化合物の結晶化度の百分率は、式(Ia)の化合物総量の約10質量%と70質量%の間の量、好ましくは約30質量%と50質量%の間の量である。
本明細書に記載される結晶形は、通常の医薬品調合技術に従って、薬学的に許容されるキャリアと組合せることができる。更に、該キャリアは、投与、例えば経口(例えば、タブレット、カプセル又はソフトチュウ)又は非経口(静脈内注射又は注入を含む)のための望ましい調製の形態によって種類豊富な形態をとってよい。経口投与剤形のための組成物を調製するにあたり、任意の通常の薬学的媒体を用いてよい。通常の薬学的媒体には、例えば、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存料、着色料、界面活性剤、溶媒、バインダー、保水剤及び経口液体調剤の場合におけるこれらに類するもの(例えば、懸濁液、溶液、エマルジョン及びエリキシール)、アエロゾル、又はデンプン(例えば、コーンスターチ)、糖、結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、バインダー(例えば、ポビドン、固体ポリエチレングリコール等)、崩壊剤、経口固形調剤におけるこれらに類するもの(例えば、パウダー、カプセル、タブレット及びソフトチュウ)のようなキャリアが挙げられる。
湿潤剤、乳化剤、界面活性剤及び潤滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムのようなもの、及び着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味料及び芳香剤、保存料及び酸化防止剤もまた組成物中に存在することができる。薬学的に許容される酸化防止剤の例としては、水溶性酸化防止剤、例えばアスコルビン酸、システイン ヒドロクロリド、硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム 及びこれに類するもの;油溶性酸化防止剤、例えばアスコルビルパルミタート、ブチル化ヒドロキシアニソール (BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン (BHT)、レシチン、プロピルガラート、トコフェロール及びこれに類するもの;及び金属 キレート化剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン 四酢酸 (EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸及びこれに類するものが挙げられる。
医薬組成物のための適切な界面活性剤の例としては、グリセリルモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンモノオレアート(Span(登録商標)20)を含むソルビタンエステル、ポリビニルアルコール、ポリソルバート(ポリソルバート20及びポリソルバート80を含む)、d−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシナート(TPGS)、ナトリウムラウリルスルファート、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのコポリマー(例えば、LUTROL(登録商標)F87等のようなポロキサマー)、ポリエチレングリコールヒマシ油変性誘導体(ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL)、ポリオキシル40水素化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH40)、ポリオキシル60水素化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH60)を含む);プロピレングリコールモノラウラート(LAUROGLYCOL(登録商標));グリセリンエステル(グリセリンカプリラート/カプラート(CAPMUL(登録商標)MCM)、ポリグリコール化グリセリド(GELUCIRE(登録商標))、PEG300カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Softigen(登録商標)767)、PEG400カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Labrasol(登録商標))、PEG300オレイン酸グリセリド(Labrafil(登録商標)M−1944CS)、PEG300リノール酸グリセリド(Labrafil(登録商標)M−2125CS)を含む);ポリエチレングリコールステアラート及びポリエチレングリコールヒドロキシステアラート(ポリオキシル8ステアラート(PEG400モノステアラート)、ポリオキシル40ステアラート(PEG1750モノステアラートを含む)及びこれらに類するものが挙げられる。組成物中に界面活性剤は、約0.1%から約10%(w/w)、約1%から約10%(w/w)又は約5%から約10%(w/w)の濃度で存在してよい。より典型的には、界面活性剤は、約0.1%から約5%(w/w)又は約1から約5%(w/w)の濃度で存在してよい。
経口調剤に用いてもよい充填剤としては、コーンスターチ、アルファ化コーンスターチ、大豆タンパク質微粉、コーンコブ及びコーングルテンミール及びこれらに類するもの、又はそれらの組合せが挙げられるがこれらに限られるわけではない。充填剤は典型的には組成物中に約5%から約80%(w/w)、約10%から約70%(w/w)、約10%から約60%、約10%から約50%(w/w)、又は約10%から約40%(w/w)の濃度で存在する。より典型的には、充填剤は、約30%から約70%、約30%から約60%、約30%から約50%又は約35%から約55%の濃度で存在してよい。
経口投与のための本発明の組成物中で用いてもよいバインダーとしては、ポリビニルピロリドン (例えばポビドン)、架橋ポリビニルピロリドン (クロスポビドン)、様々なグレードのポリエチレングリコール(PEG 3350、PEG 4000、PEG 6000、PEG 8000及びPEG 20,000でさえも及びこれに類するものも含む)、ビニルピロリドン及びビニルアセタートのコポリマー(例えば、コポビドン)(例えば、BASFによってKollidon(登録商標) VA 64等の商品名で販売されている製品等);ジャガイモ澱粉、タピオカ澱粉又はコーンスターチのようなデンプン:糖蜜、コーンシロップ、蜂蜜、メープルシロップ及び様々なタイプの糖:又は2以上のバインダーの組合せ、が挙げられるがこれらに限られるものではない。ある実施形態において、該組成物は、ポビドンK30 LP及びPEG 3350又はPEG 4000又はこれらの組合せのバインダーを含む。バインダーは典型的には組成物中に約1%から約30%(w/w)の濃度で存在する。より典型的には、組成物はバインダーを約1%から約20%(w/w)、約1から約15%(w/w)、約1%から約10%(w/w)、約5%から約15%(w/w)又は約5%から約10%(w/w)の濃度で含むだろう。
本発明の組成物中で用いてもよい溶媒としては、様々なグレードの液体ポリエチレングリコール(PEG)(PEG200、PEG300、PEG400及びPEG540を含む);プロピレン カルボナート; プロピレングリコール; トリグリセリド(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸 トリグリセリド(例えば MIGLYOL(登録商標)810及び812)、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸 トリグリセリド、プロピレングリコール ジカプリラート/ジカプラート及びこれらに類するものを含むがこれらに限られるわけではない);水、ソルビトール溶液、 グリセリンカプリラート/カプラート及びポリグリコール化 グリセリド (GELUCIRE(登録商標))、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン (NMP)、ジメチルアセトアミド、又はこれらの組合せが挙げられるが、これに限られるものではない。
組成物中に溶媒は、約1から約50%(w/w)の濃度で含まれてもよい。他の実施形態において、溶媒の濃度は約1から約40%(w/w)、約1から約30%(w/w)又は約1から約20%(w/w)の濃度であろう。より典型的には、溶媒は組成物中に約5%から約20%(w/w)又は約5%から約15%(w/w)の濃度で存在するであろう。
組成物中で用いてもよい保水剤としては、グリセロール(本明細書ではグリセリンとも呼ばれる)、プロピレングリコール、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレート及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。様々なグレードのポリエチレングリコールを保水剤として用いてもよい。保水剤は典型的には組成物中に、約1%から約25%(w/w)の濃度で存在してもよい。典型的には、本発明の組成物中の保水剤の濃度は1%から約20%(w/w)、約1%から約15%(w/w)又は約5%から約15%(w/w)であろう。より典型的には、本発明の組成物は約1%から約10%(w/w)の保水剤を含有するであろう。
式(Ia)の化合物の結晶形(例えば、フォームI及び/又はフォームII)を含む医薬組成物は、所望の任意の濃度、好ましくは治療的に効果のある量であって、1以上の望まれない副作用を引き起こさない量を有するように調剤されてもよい。
その投与の容易さから、タブレット、ソフトチュウ剤形及びカプセルは最も有利な経口投与単位剤形を代表し、その場合固体薬学的キャリアを用いてよい。望むのであれば、タブレット及びソフトチュウ剤形は当該技術分野で既知の方法によってコーティングされてもよい。
特定の実施形態において、医薬組成物は組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に基づいて、様々な量の式(Ia)の化合物の結晶形を含む。ある実施形態において、医薬組成物は1質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIの結晶形を含む。別の実施形態において、医薬組成物は1質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIの結晶形を含む。別の実施形態において、医薬組成物は10質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIの結晶形を含む。別の実施形態において、医薬組成物は25質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIを含む。
別の実施形態において、医薬組成物は50質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIを含む。別の実施形態において、医薬組成物は99質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIを含む。
他の実施形態において、本発明の医薬組成物は、少なくとも約30%(w/w)、少なくとも約50%(w/w)又は少なくとも約70%(w/w)の式(Ia)の化合物を多形フォームIとして含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、少なくとも約80%(w/w)、少なくとも約90%(w/w)又は少なくとも約95%(w/w)の式(Ia)の化合物を多形フォームIとして含む。また別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも約99%(w/w)の式(Ia)の化合物をフォームIとして含む。
別の実施形態において、医薬組成物は、1質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIIの結晶形を含む。別の実施形態において、医薬組成物は、1質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIIの結晶形を含む。別の実施形態において、医薬組成物は、10質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIIの結晶形を含む。別の実施形態において、医薬組成物は、25質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIIを含む。
別の実施形態において、医薬組成物は、50質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIIを含む。別の実施形態において、医薬組成物は、99質量%未満の式(Ia)の化合物の多形フォームIIを含む。
他の実施形態において、本発明の医薬組成物は、少なくとも約30%(w/w)、少なくとも約50%(w/w)又は少なくとも約70%(w/w)の式(Ia)の化合物を多形フォームIIとして含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、少なくとも約80%(w/w)、少なくとも約90%(w/w)又は少なくとも約95%(w/w)の式(Ia)の化合物を多形フォームIIとして含む。また別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、少なくとも約99%(w/w)の式(Ia)の化合物を多形フォームIIとして含む。
医薬組成物は、経口、舌下、経鼻、直腸、膣内、局所(例えば、スポットオン又はポアオン)、口腔及び非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)投与に適するものを含むが、もっとも適切な経路は処置される状態の性質及び重症度に依存するであろう。組成物は便利に単位剤形で提供されてよく、薬学の分野で既知の任意の方法で調製してよい。特定の実施形態において、医薬組成物は、経口投与のため、ピル、カプセル、ソフトチュウワブル剤形、ロゼンジ又はタブレットの形態に調剤される。他の実施形態において、医薬組成物は懸濁液の形態である。
特定の結晶形を含む医薬組成物は、組成物のX線粉末回折パターンを純粋な特定の結晶形のX線粉末回折パターンと比較することによって特定することができる。特定の結晶形を含む医薬組成物が純粋な特定の多形結晶形のX線粉末回折パターンと比較して同じではないX線粉末回折パターンを示す場合があることが理解されるであろう。
また本明細書において提供されるのは、任意の1以上の本明細書に記載の(S)−アフォキソラネルの多形フォームI及びIIと生物学的に等価な結晶形である。特定の実施形態において、二つの結晶形の生物学的等価性は、結晶形が実質的に同様なバイオアベイラビリティー、実質的に同様な効能、実質的に同様な安全プロファイル又はこれらの組合せを有することを指す。
また別の実施形態において、生物学的等価性は、結晶形が実質的に同様な薬物動態的プロファイル又は処置効果を示すことを指す。生物学的等価性は、いくつかのインビボ又はインビトロ方法を通じて実証されてよい。これらの方法は、例えば、薬物動態学的、薬力学的、臨床的及びインビトロの研究を含んでよい。いくつかの実施形態において、生物学的等価性は、任意の適切な薬物動態的方法又は当該技術分野で既知の薬物動態的方法の組合せ(負荷投与量、定常状態投与量、薬の当初又は定常状態濃度、生物学的半減期、排出速度、薬物血中濃度時間曲線下面積(AUC)、クリアランス、ピーク血液及びプラズマ濃度(C)、対時間ピーク濃度(T)、バイオアベイラビリティー及び有効性を含む)を用いて証明することができる。いくつかの実施形態において、生物学的等価性は、同様の投与量により達成される。代替的な実施形態では、生物学的等価性は、異なる投与量により達成される。
結晶(S)−アフォキソラネルの薬学的価値の観点から、十分スケーラブルであり、結晶(S)−アフォキソラネルが収率よく、優れたエナンチオマー純度及び化学的純度で得られる、効果的な合成プロセスによって得ることができることが重要である。
出願人はここに、新規な合成プロセスを開発し、それにより、複製可能な方法で、困難な精製の必要なく、結晶(S)−アフォキソラネルを薬学的活性成分として用いることができるだけの純度で得ることができる。
提示される実施例は、本発明を更に例示し説明するものであり、いかなる意味においても限定するものであると受け止められるべきではない。別途実施例又は明細書及び特許請求の範囲のいずれかにおいて示されていない限り、全ての部分及び百分率は質量によるものである。温度は摂氏温度である。
本発明の特定の特徴は、明確性の観点から別の実施形態の文脈で記載されているが、また、単一の実施形態中で組み合わせて提供されてもよいことが理解される。反対に、本発明の様々な特徴は、簡潔さの観点から、単一の実施形態の文脈で記載されているが、また、別々の或いは任意の適切な部分的組合せ又は本発明の任意の他の記載された実施形態に適するものとして提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で記載された特定の特徴は、当該実施形態がそれら要素なしでは実施可能ではない限り、それら実施形態の本質的な特徴であるとは考慮されない。
利点、その他の有利な点、及び課題の解決方法は、上述のとおり特定の実施形態について記載されている。しかしながら、利点、有利な点、課題の解決方法及び任意の特徴であって任意の利点、有利な点、又は解決方法を引き起こし得るもので発生、又はより明らかとなるものは、任意の又は全ての特許請求の範囲の決定的、必要的、又は本質的な特徴であると理解されない。
本発明は、本発明の特許請求の範囲内において、米国特許商標庁(USPTO)(35 U.S.C. 112, 第1パラグラフ)又は欧州特許庁(EPO) (EPCの第83条)の記載及び実施可能要件を満たす如何なる既に開示された組成物、製品、製品の製造プロセス又は製品の使用方法を含むことを意図するものではなく、出願人は権利を留保し、ここに如何なる既述の製品、製品の製造方法又は製品の使用プロセスにかかる免責を開示する。
実施例1:ラセミアフォキソラネル及び(S)−アフォキソラネルの合成
ラセミアフォキソラネルは、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第8410153号に開示されているようなプロセスによって得ることが可能である。(S)−エナンチオマーについて富化されたエナンチオマー富化アフォキソラネルは、例えば、米国第2017/0311601 A1号として公開された米国第15/480,316号の優先権書類である米国特許出願第62/319,207号によって開示されたようなプロセスによって得ることができる。これら文献は全て参照によりその全体が本明細書に援用される。
実施例2:(S)−アフォキソラネルのトルエン溶媒和物結晶の合成
(a)(S)−アフォキソラネルの合成:
(S)−アフォキソラネル
1.1キログラムの化合物(IIA−1)(1eq.)と9体積のジクロロメタン(DCM)を反応容器に投入し、撹拌して化合物を溶解する。
2.混合物を約0℃に冷却し、50グラム(化合物(IIA−1)の5質量%)のキラル相間移動触媒(IIIa−13−1)及び1リットルのDCMを投入し、結果として得られた混合物を約−13℃に冷却する。
3.ヒドロキシルアミンスルファート(294g,1.1eq.)の19%(w/w)溶液(1112mLの水中、294グラムの(NH2OH)H2SO4と141グラムのNaClとで作ったもの)及び4.4当量のNaOHを17.6%(w/w)溶液としたもの(1180mLの水中、286グラムのNaOH及び158グラムのNaCl)を反応混合物に同時に投入する。
4.結果として得られた反応混合物を約20時間、約−13℃で激しく混合し、続いてHPLC(ターゲット≦0.5面積%)によって変換反応を確認した;
5.反応完了後、水(3体積)を約0℃で添加した。続いて、4.2リットルの水に709gのKH2PO4を加えた溶液を混合物に添加し、pH(ターゲット7−8)を調整し、結果として得られた混合物を約20℃で30分間撹拌する。
6.層が落ち着くようにし、水層を除去し、有機層を3リットルの水で2度洗浄し、(S)−アフォキソラネルが有機層中に得られる。
b)トルエン溶媒和物の結晶化:
1.上記実施例2(a)(6)の抽出/洗浄ステップの後、ジクロロメタンを真空下で約1−2体積まで蒸留することによって除去し、トルエン(約5−10体積)を添加する。
2.体積は更なる真空下での蒸留及び/又は更にトルエンの添加によって約5−6体積まで調整する。体積を維持しながら混合物を更に蒸留し、ジクロロメタン反応溶媒を主に除去する。
3.続いて混合物を約10℃に冷却し、アフォキソラネル(ラセミ化合物)でシードし、同じ温度で少なくとも2時間撹拌する。
4.混合物を約55−65℃に加熱し、(ある実施形態では少なくとも17時間)老化させ、続いて固体ラセミ体を濾過する。濾過された固体をトルエンで洗浄する。
5.濾過と洗浄の組合せを、真空下での蒸留及び/又はトルエン添加によって約5−6体積の体積に調整し;
6. 結果として得られた混合物を約10℃まで冷却し、少なくとも5時間老化させ、続いてろ過する。ケーキをトルエンで洗浄する。
7.ケーキを真空下50℃で乾燥し、(S)−アフォキソラネルのトルエン溶媒和物結晶を棹状の結晶として得る。
実施例3:エタノール/シクロヘキサンからの(S)−アフォキソラネルの結晶フォームIの形成
25Lのジャケット付き容器に、20℃で下記の材料を添加した。
(S)−アフォキソラネルトルエン溶媒和物(e.e.96%) 591g
EtOH(エタノール) 709ml
シクロヘキサン 1773ml
材料を添加した後、反応混合物を約60℃に20℃/hの速度で加熱し、撹拌した。加熱速度は本質的ではなく、用いられる装置に依る。約1時間後、追加的に6.4Lのシクロヘキサンを添加し、100rpm(0.04 W.L-1) に撹拌速度を調整し、55℃まで冷却した。混合物はこの段階でシードし、結晶形成を補助してもよい。混合物は続いて以下のシークエンスのステップを2回、行った。
30℃に冷却(−10°C/h)
30℃で30分間撹拌
撹拌力を0.13W.L−1に増加
60°Cまで加熱(15°C/h)
60°Cで1時間撹拌
第2シークエンスが完了した後、10℃まで−5℃/hの速度で混合物を冷却し、少なくとも10℃で5時間撹拌した。続いて懸濁液を10℃で濾過し、10℃で2回、シクロヘキサンで洗浄(即ち2x1.2L)した。濾過結晶を続いて真空(50mbar)、50℃で20時間乾燥し、453.7gの(S)−アフォキソラネルの非溶媒和物結晶であって化学的純度が94%を超えるもの(e.e.≧96%)を得た。サーモグラフィ解析(TGA)は質量損失がないことを示し、これは溶媒和結晶形の存在を示す。(S)−アフォキソラネルの非溶媒和物結晶は、XRPDによってフォームIであると決定された。
実施例4:エタノール/シクロヘキサンからの(S)−アフォキソラネルの結晶フォームIIの形成
実施例3と同様のプロセスを用いて、ただし100%光学的に純粋な(S)−アフォキソラネルトルエン溶媒和物と結晶化溶媒としてエタノール対シクロヘキサンが15/85%(v/v)のものを用い、(S)−アフォキソラネルのフォームIIを得た。サーモグラフィ解析(TGA)は質量損失がないことを示し、これは溶媒和結晶形の存在を示す。(S)−アフォキソラネルの非溶媒和物結晶は、XRPDによってフォームIIであると決定された。
(S)−アフォキソラネルフォームI及びIIのX線粉末回折 (XRPD) 解析
表1は、以下の装置及びパラメータを用いて測定された(S)−アフォキソラネルフォームI及びIIのX線回折パターンのピークをまとめたものである。
装置: Bruker D8 Advance回折計
線源:CuKa1 l = 1.5406Å; CuKa2 l2 = 1.54436Å
出力:40kV- 30mA
検出器:lynx Eye.
PMMA サンプルホルダー
φスピナー:
回転速度: 30 rpm
角度範囲: θ−θで2° から 40°
可変発散スリット: 12 mm (V12)
ステップサイズ: 0.02°
ステップタイム:10.6 秒
フォームIは最も顕著なピークを以下で示す: 2θ= 10.03°, 10.48°, 13.16°, 15.42°, 15.80°, 16.07°, 17.65°, 20.16°, 22.15°, 23.68°, 26.52°及び 28.13°。対照的に、フォームIIは、最も顕著なピークを以下で示す:2θ= 5.99°, 12.99°, 15.80°, 18.71°, 19.33°, 20.24°, 21.65°, 22.17°, 26.11°, 29°。
(S)−アフォキソラネルフォームI及びIIの示差走査熱量測定サーモグラム解析
フォームI及びフォームIIは、下記の装置及びパラメータを用いて測定された。
装置:パーキンエルマー Diamond DSC
雰囲気:窒素20ml/分
パン:50μlアルミニウムパン
カバー:100μmの孔を有する孔のあいたアルミニウム蓋
速度:5°C/分
フォームI:示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムは温度約146℃にピークを有し、オンセット温度は約143℃であった。
フォームII:示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムは温度約149℃にピークを有し、オンセット温度は約146℃であった。
実施例5:(S)−アフォキソラネル結晶フォームIのエチルアセタートからの形成
実施例3の手順に従って、ただし、EtOH/シクロヘキサン混合物ではなくエチルアセタートを用い、第2シークエンスが完了した後、混合物を4℃まで−5℃/時の速度で冷却し、4℃で72時間撹拌し、(S)−アフォキソラネルの結晶フォームIを単離した。
実施例6:(S)−アフォキソラネル結晶フォームIのアセトニトリルからの形成
実施例3の手順に従って、ただし、EtOH/シクロヘキサン混合物ではなくアセトニトリルを用い、第2シークエンスが完了した後、4℃まで−5℃/時の速度で混合物を冷却し、4℃で72時間撹拌し、(S)−アフォキソラネル結晶フォームIを単離した。

Claims (34)

  1. フォームIとして指定される結晶構造の式(Ia)の化合物であって、
    (Ia)
    結晶が、Cu−Kα線を用いた回折計で決定される、10.03°、10.48°、13.16°、15.42°、15.80°、16.07°、17.65°、20.16°、22.15°、23.68°、26.52°及び28.13°2θ±0.2、から成る群から選択されるピークを3、4、5、6または7以上含むX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる、結晶構造の化合物
  2. Cu−Kα線を用いた回折計で決定される、10.03°、10.48°、13.16°、20.16°及び22.15°2θ±0.2、から成る群から選択されるピークを3以上含むX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる、請求項1に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  3. 図1と実質的に同様なX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる、請求項1又は2に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  4. 加熱速度5℃/分で測定して、温度約146℃にピークを有し、約143℃にオンセット温度を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することによって特徴づけられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  5. 融解熱約61.7J/gを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することにより特徴づけられる、請求項1から4のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  6. 図2と実質的に同様の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することにより特徴づけられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  7. エナンチオマー的に純粋な、請求項1から6のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  8. 化学的純度が少なくとも97%である、請求項1から7のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  9. エナンチオマー純度が少なくとも98%である、請求項1から8のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  10. 実質的に純粋な結晶形である、請求項1から9のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  11. フォームIIとして指定される結晶構造の式(Ia)の化合物であって、
    (Ia),
    結晶が、Cu−Kα線を用いた回折計で決定される、5.99°、12.99°、15.80°、18.71°、19.33°、20.24°、21.65°、22.17°、26.11°及び29.00°2θ±0.2、から成る群から選択されるピークを3、4、5、6または7以上含むX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる、結晶構造の化合物。
  12. Cu−Kα線を用いた回折計で決定される、5.99°、12.99°、15.80°、22.17°、26.11°2θ±0.2、から成る群から選択されるピークを3以上含むX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる、請求項11に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  13. 図3と実質的に同様なX線粉末回折パターンを有することによって特徴づけられる、請求項11又は12に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  14. 加熱速度5℃/分で測定して、温度約149℃にピークを有し、約146℃にオンセット温度を有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することによって特徴づけられる、請求項11から13のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  15. 融解熱約65.7J/gを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することにより特徴づけられる、請求項11から14のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  16. 図4と実質的に同様の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有することにより特徴づけられる、請求項11から16のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  17. エナンチオマー的に純粋な、請求項11から16のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  18. 化学的純度が少なくとも97%である、請求項11から17のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  19. 式(Ia)の化合物が、結晶フォームIと結晶フォームII及び/又は式(Ia)の化合物のアモルファス形態の混合物である、請求項1から9又は11から18のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物。
  20. 請求項1から10のいずれか1項に記載のフォームIの結晶構造の式(Ia)の化合物及び/又は請求項11から18のいずれか1項に記載のフォームIIの結晶構造の式(Ia)の化合物、並びに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  21. 組成物が、フォームI及び/又はフォームIIの結晶構造の式(Ia)の化合物及び/又は式(Ia)の化合物のアモルファス形態の混合物を含む、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 組成物が、組成物中の式(Ia)の化合物の総質量に対して、少なくとも90質量%の請求項1から10のいずれか1項に記載のフォームIの結晶構造の式(Ia)の化合物又は少なくとも90質量%の請求項11から18のいずれか1項に記載のフォームIIの結晶構造の式(Ia)の化合物を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 請求項1から10のいずれか1項又は請求項11から19のいずれか1項に記載の結晶構造の式(Ia)の化合物を調製する方法であって、
    (a)(S)−アフォキソラネルのトルエン溶媒和物の混合物を溶媒中で溶解が起こるまで加熱するステップ、ここで溶媒は、アセトニトリル、エチルアセタート、直鎖、分枝又は環状脂肪族溶媒又はアルコール、又はこれらの混合物である;
    (b)溶媒システムの温度を低減し、核形成を誘発するステップ;
    (c)混合物を核形成が開始した温度よりも低い温度に維持するステップ;及び
    (e)堆積した結晶構造の式(Ia)の化合物を単離するステップ、を含む方法。
  24. アルコールが低級アルキルアルコールである、請求項23に記載の方法。
  25. 低級アルキルアルコールがエタノールである、請求項24に記載の方法。
  26. 脂肪族溶媒が直鎖、分枝又は環状アルカン溶媒である、請求項23から25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 溶媒がエタノール及びシクロヘキサンを含む混合物である、請求項23から26のいずれか1項に記載の方法。
  28. エタノール及びシクロヘキサンの混合物において、エタノール対シクロヘキサンが約3:97から約10:90(v/v)である、請求項27に記載の方法。
  29. エタノール及びシクロヘキサンの混合物において、エタノール対シクロヘキサンが約8:92(v/v)である、請求項27又は28に記載の方法。
  30. エナンチオマー的に純粋な(S)−アフォキソラネルフォームIでシードするステップを含む、請求項23から29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 加熱ステップが約50℃から約80℃で行われる、請求項23から30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 温度を低減するステップが約5℃まで温度を下げることである、請求項23から31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 請求項23から32のいずれか1項に記載の方法で生成される(S)−アフォキソラネルの結晶形。
  34. 請求項1から10のいずれか1項に記載のフォームIの結晶構造の式(Ia)の化合物又は請求項11から18のいずれか1項に記載のフォームIIの結晶構造の式(Ia)の化合物又は請求項20から22のいずれか1項に記載の医薬組成物を有効量動物に投与することを含む、動物中の寄生虫感染を処置または予防する方法。
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