本明細書に記載される光学フィルムはディスプレイアセンブリにおいて使用され、周辺光の下で見たときにディスプレイの輝度を向上させ、ディスプレイアセンブリの全厚を減少させ、又は他の有用な利点を提供する。いくつかの例では、本明細書に記載の光学フィルムは、反射型偏光として使用することができ、これは直交する反射偏光状態においてフィルムを透過した光と比較して、通過偏光状態においては、光学フィルムを透過する所望の波長範囲内で入射光の比較的高いコントラスト比を示す。いくつかの例では、記載された光学フィルムは、比較的少数(例えば、総層1000以下)の全光学層を使用しつつ、少なくとも1000:1のコントラスト比を示し得る。いくつかの例では、本明細書に記載の光学フィルムの特性及び構造は、全厚さが著しく薄い(例えば、約100μm未満)ままで、高コントラスト比を示す反射型偏光子を提供し得る。
本明細書中に記載される光学フィルムは、所定の波長範囲内で光を選択的に透過及び反射するように構成される複数の光学層(例えば、干渉層)を有する多層光学フィルムとして特徴付けられ得る。このようないくつかの例では、光学フィルムは、反射型偏光子又は異なる偏光状態の光を選択的に透過及び反射するRPとして機能し得る。例えば、図1は、中心軸に沿って配設された複数の干渉層102を含み、合計(N)個の干渉層102を有する光学フィルム100を形成する、多層光学フィルム100の一例を示す概略斜視図である。図は、光学フィルム100の知覚において参照されるX、Y及びZ方向を規定する座標系を含む。
使用中、入射光110として描かれる光学フィルム100の主面(例えば、フィルム表面104)に入射する光は、光学フィルム100の第1層に入り、複数の干渉層102を通って伝搬し、入射光110の偏光状態に依存して、光干渉による選択反射又は透過を受ける。入射光110は、互いに直交する第1の偏光状態(a)及び第2の偏光状態(b)を含んでもよい。第1の偏光状態(a)は、「通過」状態と考えることができ、一方で第2の偏光状態(b)は、「反射」状態と考え得る。入射光110は複数の干渉層102を通って伝搬し、第2の偏光状態(b)における光の一部は第2の偏光状態(b)において合焦する層によって反射され、光学フィルム100によって反射され、一方で第1の偏光状態(a)の光の一部は、光学フィルム100を全体的に通過する。
いくつかの実施例では、光学フィルム100は、入射光110の第1及び第2の偏光状態(a)及び(b)の反射率及び透過率の観点から特徴付けることができる。例えば、光学フィルム100を透過する所定の波長に対する入射光110の量は、Taに直交する第1の偏光状態(a)に対する光透過率(Ta)のパーセント、及び第2の偏光状態(b)に対する光透過率(Tb)のパーセントとして表し得る。光学フィルム100によって反射される所定の波長範囲に対する入射光110の量は、Taに直交する第1の偏光状態(a)に対する光反射過率(Ra)、及び第2の偏光状態(b)に対する光反射率(Rb)のパーセントとして表し得る。所与の光学フィルムについて、例えば、吸収による透過率、反射率、及び損失の合計は、所定の波長範囲内の光に対して100%である。本開示において、光学フィルム100は、所定の波長範囲内の光に対して比較的に低い吸光度を有し得る。いくつかの例では、光学フィルム100による入射光110の比較的に低い吸収度により、光学フィルム100内で発生する熱を少なくすることができ、全体としてより効率的な反射フィルムをもたらし得る。
所定の波長範囲は、例えば、可視光(例えば、約400〜約700nm)、近赤外線(例えば、約800〜約1300nm)、液晶ディスプレイバックライトの出力を基準とする範囲(425〜675nm)等を含む、任意の好適な波長範囲であり得る。いくつかの例では、光学フィルム100は、2つ以上の所定の波長範囲、例えば可視光及び近赤外線の、異なる偏光状態の光を透過及び反射するように構成されてもよい。例えば、所定の波長範囲は、約430nm〜約465nmの第1の範囲、約490nm〜約555nmの第2の範囲、及び約600nm〜約665nmの第3の範囲を含み得る。このようないくつかの例では、光学フィルム100は、図4に関して以下に更に説明するように、各々が複数の干渉層を含む多数の積層体/パケットを含んでよく、各積層体/パケットは、異なる所定の波長範囲に向けられ得る。
いくつかの例では、以下に更に説明するように、干渉層は、一連の2層単位セルとして特徴付けられてもよい。各単位セルの厚さは、所定の波長範囲内の目標波長を反射するように構成されてもよい。いくつかの例では、単位セルに対する反射率の中心波長は、2層単位セルの光学的厚さの2倍に相当する。したがって、所定の波長範囲(例えば400〜1000nm)を反射するために、積層体/パケット内の単位セルは、左帯域端、右帯域端、及びそれらの間の波長をカバーするために、異なる厚さを有するであろう。
いくつかの非限定的な例において、光学フィルム100は、約1000(N)未満の干渉層102を含むことができ、各干渉層102は、入射光110を主に光学的干渉によって反射するか、又は透過する。例えば、1000(N)未満の総干渉層102を有する光学フィルム100が設けられているが、いくつかの例では、光学フィルム100は、1000を超える総干渉層102を含んでもよく、記載された光学特性のいくつかを依然として得ることができる。その他の例では、ディスプレイアセンブリ(例えば、LCDディスプレイ)の全厚さを減少させることが多くの用途において好ましいように、フィルムの全厚さを減少させるために、より少ない総層を使用して所望の光学性能を達成することが望ましい場合がある。加えて、又あるいは干渉層の総数102が少ないことにより、製造工程における複雑さを軽減するだけでなく、ばらつき(例えば、ブロック又は通過状態におけるスペクトル変動)が出る可能性を低減し、又は最終の光学フィルムにおける製造誤差(例えば、層同士の間の脱分極、通過状態透過率の減少等による増加したブロック状態透過率)も低減し得る。いくつかの例では、他の層に、光学フィルム100は、900(N)未満の総層、又は800(N)未満の総層を含み得る。
このようないくつかの例では、全部で約1000の(N)干渉層102を使用することで、光学フィルムは、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光110に対して、第1の偏光状態(a)に対して約85%を超える平均光透過率(Ta)、直交する第2偏光状態(b)に対して約80%を超える平均光反射率(Rb)、及び第2の偏光状態(b)に対して約0.2%未満の平均光透過率(Tb)を有し得る。
いくつかの例では、光学フィルム100は、フィルムの光透過率又は反射率の点に特徴があってよい。いくつかの例では、所定の波長範囲内での入射光110(例えば、空気から光学フィルム100への)に対する光学フィルム100の第1/通過偏光状態(a)の平均光透過率(Ta)は、1000以下の総(N)干渉層102を使用する場合、約85%を超えてよく、いくつかの例では87%を超えてよく、またいくつかの例では89%を超えてよい。いくつかの例では、所定の波長範囲内での入射光110に対する光学フィルム100の第2/反射偏光状態(b)の平均光透過率(Tb)は、1000以下の総(N)干渉層102を使用する場合、約0.15%未満でよく、いくつかの例では0.10%未満でよい。
いくつかの例では、光学フィルム100は、複数の干渉層102を通る光透過率の点に特徴があってよい(例えば、空気とフィルムとの境界面での反射率に関連する損失を無視する)。いくつかの例では、所定の波長範囲内での入射光110に対する複数の干渉層102を通る第1/通過偏光状態(a)の平均光透過率(Ta)は、1000未満の総(N)干渉層102を使用する場合、約90%を超えてよく、いくつかの例では95%を超えてよく、またいくつかの例では98%を超えてよい。
光学フィルム100の特性及び構造は、比較的高いコントラスト比を有するフィルムを提供し得る。コントラスト比は、特定の波長範囲に対して、第2の直交する偏光状態(b)(例えば、「反射」状態)で光学フィルム100を透過する法線入射光110で割ることによって、第1の偏光状態(a)(例えば、通過状態)における光学フィルム100を透過する法線入射光110の比として定義し得る。
いくつかの例では、光学フィルム100の透過率及び反射率の程度は、所与の偏光状態における反射率に対する透過率の比に特徴があってよい。例えば、第1の偏光状態(a)における光反射率のパーセントに対する光透過率パーセントの比は、所定の波長範囲内の入射光110に対して(Ra/Ta)で表してよく、また、第2の偏光状態(b)における光反射率のパーセントに対する光透過率のパーセントの比は、所定の波長範囲内の入射光110に対して(Tb/Rb)で表してよい。いくつかの例では、Ra/Ta比は、比較的低くてもよく、例えば、約0.17未満であってもよく、Tb/Rb比は、比較的低く、例えば、約0.002未満であってもよい。
いくつかの非限定的な例において、約1000未満の干渉層102である合計(N)の光学フィルム100は、主に光干渉によって光を反射するか、又は透過し、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光110に対して、光学フィルム100のTb/Rb比は、約0.002未満(例えば、0.001未満)であり、Ra/Taは、約0.017未満(例えば、0.14未満)であり、Ta及びRaは、所定の波長範囲内の入射光110に対して、第1の偏光状態(a)(例えば、「通過」状態)のそれぞれに対する平均光透過率及び反射率であり、Tb及びRbは、第2の偏光状態(b)(例えば、「ブロック」状態)のそれぞれに対する平均光透過率及び反射率である。
いくつかの例では、光学フィルム100は、第1の偏光状態(a)に対する光透過率のパーセントと、第2の偏光状態(b)に対する光透過率のパーセントとの比について特徴がある。例えば、第1の偏光状態(a)及び第2の偏光状態(b)の光学フィルム100に対する光透過率を表す比Ta/Tbは、約425を超え得る。
加えて、又あるいは光学フィルム100は、第2の偏光状態(b)及び第1の偏光状態(a)に対する光反射率のパーセントの比の点に特徴がある。例えば、第2の偏光状態(b)及び第1の偏光状態(a)の光学フィルム100に対する光透過率を表す比Rb/Raは、約6.7を超え得る。
いくつかの例では、光学フィルム100の透過率及び反射率の特性は、所定の波長範囲内の入射光に特徴があってよく、この所定の範囲内の波長範囲は約30°未満、例えば約20°未満、又は約10°未満の設定角度内で表面104に入射角を有し、表面104の法線から測定された入射角は、法線を表す0°であった。例えば、いくつかの非限定的な例において、所定の波長範囲(例えば、約400nm〜約700nmの可視光)内で約10°未満の入射角で入射する光学フィルム100の表面104の入射光は、第1偏光状態(a)に対して約85%超の平均光透過率(Ta)、第2の偏光状態(b)に対して約80%超の平均光反射率(Rb)、及び第2の偏光状態(b)に対して約0.2%未満の平均光透過率(Rb)であり得る。
いくつかの例では、光学フィルム100の干渉層102は、異なる屈折率の特性を示す2つの異なるポリマー材料の交互層(例えば、A及びB)を含み得る。例えば、図2は、交互干渉層102a、102bを示す光学フィルム100のセグメントの概略斜視図である。図2は、光学フィルム100の光学特性を説明するのを助けるためにX、Y及びZ軸を定義する座標系を含む。
図2にて示すように、光学フィルム100は、図面及び説明全体を通して、材料「(A)」及び材料「(B)」と呼ばれる異なる光学材料の交互層(例えば、ABABA...)を含む。更に以下に記載されるように、2つの異なる材料の様々な層は、共に接着される多数の光学層102(ABABA...)を形成するために、層が共に押し出される押出/ラミネーションプロセスを通して形成されてもよい。
いくつかの例では、押出プロセス中、光学層102は、フィルムの様々な干渉特性を付与するために延伸されてもよい。例えば、A及びBの光学材料の層は、1つの軸(例えば、X軸)に沿って延伸され(例えば、5:1の比又は6:1の比で)、直交軸(例えば、Y軸)に沿っては顕著には(1:1)延伸されない。X軸は「延伸」方向と称され、一方でY軸は「横」方向と呼ばれる。
A層及びB層を形成するために使用される光学材料は、延伸プロセスの結果、フィルムに特定の光学特性を付与するように選択され得る。例えば、光学層102bを形成する(B)材料は、延伸プロセスによって実質的に変更されない公称屈折率(例えば、n2=1.64)を有し得る。このように、x方向及びy方向(n2x及びn2y)の両方における「B」層102bの屈折又は屈折率は、延伸プロセス後に両方向に対して実質的に同じであってもよい。それに対して、光学層102aを形成する(A)材料は、延伸プロセスにより変化する屈折率を有し得る。例えば、(A)材料の一軸延伸層102aは、X軸又は延伸方向120(例えば、n1x=1.88)でより高い屈折率を有し、Y軸又は非延伸方向122(例えば、n1y=1.64)と関連する異なる屈折率を有してもよい。延伸方向の屈折率が高くなるため、材料(A)を含む層102aは、高屈折率(HIR)層102aと考えてよく、一方で材料(B)を含む層102bは、低屈折率(LIR)層102bと考えてよい。いくつかの例では、交互するAB層の屈折率は、適切な材料選択及び加工条件によって制御する。いくつかの例では、層102の光学特性は、非延伸軸122に対して配向された所定の波長範囲内で入射光110の第1の偏光状態(a)成分を実質的に透過させる光学フィルム100を反射型偏光子として作用させ得る。一方で、延伸軸120は、所定の波長範囲内の第2の偏光状態(b)における入射光110の成分が光干渉を通して実質的に反射される反射軸に対応するであろう。
いくつかの例では、光学フィルム100は、延伸軸120に沿った交互するHIR層102aとLIR層102bとの間の屈折率(即ち、Δnx=n1x−n2x)の差に特徴があってよい。このようないくつかの例では、非延伸軸方向122に沿った交互するHIR層102aとLIR層102bとの間の屈折率は、非延伸軸方向122(すなわち、Δny=n1y−n2y)における屈折率の差が約0.0であるように、実質的に同じであってもよい。いくつかの例では、HIR層102aとLIR層102bとの間のΔnxを増加させることで、同じ光パワーを有する、より低いΔnxを有する光学フィルムと比較して、より少ない総数の干渉層を使用して、所与の波長範囲に対する偏光が十分に透過/反射し得る。
好ましくは、各層102のX軸が各層についてX−Y平面(図2)内の最大屈折率を得るための方向を表すように、干渉層102の各々の延伸軸の方向は、実質的に整列される(例えば、整列されるか、又はほぼ整列される)。しかしながら、機械公差及び干渉層102の数によって、干渉層(例えば、層に対する最大屈折率又は最大屈折を得る方向を表す)の各々に対する延伸軸120は、約±2°の変動内に整列されてもよい。
いくつかの非限定的な例において、光学フィルム100は、主に光干渉によって光を反射又は透過する、合計で200超で1000(N)未満の第1の層102a及び第2の層102bを含み得る。例えば、光学フィルム100は、400未満で100超の第1の層102a、及び400未満で100超の第2の層102bを含み得る。いくつかのそのような例では、隣接する第1の層102a及び第2の層102bの各対に対して、層は、それぞれの層について得られる最大屈折率の方向を表す延伸軸を規定し得る(例えば、2つの層に対する屈折率n1x及びn2xに対応するX軸/方向120)。主軸(例えば、Δnx=n1x−n2x)に対する第1の層102aと第2の層102bとの間の屈折率の違いは、約0.24を超え得る。いくつかのそのような例では、干渉層102が、それぞれの延伸軸の方向の最大角度範囲を約2度未満に規定するように、第1の光学層102a及び第2の光学層102bの各々に対するそれぞれの延伸軸の方向は、実質的に整列されてもよい。
複数の干渉層102を含む光学フィルム100は、任意の好適な技術を使用して形成され得る。例えば、光学材料A及び光学材料Bを含む層102a及び層102bは、それぞれ、共押出し、キャスティング及び配向プロセスを使用して作製されて数十から数百の干渉層102の積層体/パケットを形成し、その後、押出された層を延伸又は配向させて、干渉層102の積層体/パケットを形成する。各積層体/パケットは、光学フィルム100の所望の特性により約200〜約1000の総干渉層を含み得る。本明細書で使用されるように、「積層体/パケット」は、交互する干渉層102a、102bの連続セットを指すために使用され、このセットには積層体/パケット内に形成された(例えば、連続的に配設された)スペーサ又は非干渉層のいずれも存在しない。いくつかの例では、スペーサ、非干渉層、又は他の層は、所与の積層体/パケットの外側に加えてよく、これにより、積層体/パケット内の干渉層102の交互するパターンを破壊することなく、フィルムの外側層を形成する。
いくつかの例では、光学フィルム100は、共押出しによって作製され得る。この作製方法は、(a)完成フィルムに使用される第1のポリマー及び第2のポリマーに対応する樹脂の少なくとも第1の流れ及び第2の流れを提供することと、(b)好適なフィードブロックを使用して、第1のストリーム及び第2のストリームを複数の層に分割することと、を含み、フィードブロックは、(i)第1の流れチャネル及び第2の流れチャネルを含む勾配プレートであって、第1のチャネルが流れチャネルに沿って第1の位置から第2の位置へ変化する断面積を有する勾配プレートと、(ii)第1の流れチャネルと流体連通する第1の複数の導管及び、第2の流れチャネルと流体連通する第2の複数の導管とを有する供給管プレートであって、各導管がそのそれぞれのスロットダイを供給し、各導管が第1の端部と第2の端部を有し、導管の第1の端部が流れチャネルと流体連通し、導管の第2の端部がスロットダイと流体連通する供給管プレートと、(iii)所望により導管の近位に配設された軸方向のロッドヒータとを備える供給管を備えるようなものであり、(c)複合ストリームを押出ダイに通過させて、各層が隣接する層の主面に概ね平行である多層ウェブを形成し、(d)多層ウェブを、キャスティングホイール又はキャスティングドラムと呼ばれることもあるチルロール上にキャストして、キャスト多層フィルムを形成することを含む。このキャストフィルムは、仕上げフィルムと同じ数の層を有し得るが、キャストフィルムの層は、典型的には、完成フィルムの層よりもはるかに厚い。
冷却後、多層ウェブを再加熱し、引き伸ばし、又は延伸して、近仕上げ多層光学フィルムを製造することができる。引き伸ばし又は延伸は、2つの目的、すなわち、層を所望の最終的な厚さプロファイルまで薄くすること、また層の少なくともいくつかが複屈折となるように層を配向することを達成する。配向又は延伸は、クロスウェブ方向(例えば、テンターを介して)に沿って、ダウンウェブ方向に沿って(例えば、長さ配向器を介して)、又はそれらの任意の組合せで、同時に又は連続的に、達成することができる。1つの方向にのみ延伸される場合、延伸は「拘束しない」(フィルムは延伸方向に直角な面内方向に寸法的に緩和可能である)、又は「拘束する」(フィルムが拘束され、延伸方向に直角な面内方向で寸法的に緩和できない)。面内方向に沿って延伸される場合、延伸は対称的であり、即ち、直交する面内方向に沿って等しいか、又は非対称的である。あるいは、フィルムはバッチプロセスで延伸されてもよい。いずれの場合も、後続又は同時のドロー低減、応力又は歪み平衡、ヒートセット、及び他の処理操作もフィルムに適用することができる。
好ましくは様々な層のポリマーは、流れに著しい障害なく共押出できるように、例えば溶融粘度のような類似のレオロジー的特性を有するように選択される。押出条件は、それぞれのポリマーを供給流及び溶解流として、連続的かつ安定した様式で、適切に供給、溶解、混合及びポンプ注入するように選択され得る。溶融ストリームの各々を形成し、維持するために使用される温度は、温度範囲の下限で凍結、結晶化又は過度な圧力低下を回避し、温度範囲の上限で材料劣化を回避する範囲内で選択され得る。
光学フィルム102に好適な例示的な(A)材料は、例えば、(a)ポリエチレンナフタレート(PEN)、PEN及びポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は二安息香酸)を含有するコポリマー、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート等を含み得る。光学フィルム102に好適な例示的な(B)材料は、例えば、PENをベースとするコポリエステル、PETをベースとするコポリエステル、ポリカーボネート(PC)、又はこれら3種類の材料のブレンドなどを含み得る。適度な数層で高い反射率を得るためには、隣接するマイクロ層は、以下に記載される厚さプロファイルに加えて、少なくとも0.2のx軸に沿った偏光された光に対する屈折率(Δnx)の差を示すことができる。
いくつかの例では、複数の干渉層102のそれぞれのHIR層102a及びLIR層102bに対する延伸軸122(例えば、図2のY軸)は、互いに実質的に整列(例えば、平行に、又はほぼ平行に整列)し得る。いくつかの例では、製造公差のため、延伸軸122の整列は、2°までの変動を含み得る。
光学フィルム100は、いくつかの例では、1000以下の総(N)干渉層102を有するものとして記載され得るが、層(N)の総数の下限度は、記載された光学特性を得るように構成された、任意の好適な量であり得ることが理解されるであろう。いくつかの例では、得られる光学特性と、得られたフィルムの層(N)の総数/フィルムの厚さとの間にはトレードオフが存在する。例えば、いくつかの例において、フィルムのコントラスト比が、上述したような製造上の問題を何ら有しない、光学フィルム100に含まれる干渉層102の総数を増加することによって全体的に増加してよいが、フィルムの厚さはまた、層の数が増加するにつれて増加するであろう。いくつかの例では、最新の薄型光学ディスプレイ装置のように、フィルムの全体的な厚さは、このような光学ディスプレイユニットにおいてスペースの利用可能性が制限されるため、制限要因であり得る。いくつかの例では、光学フィルム100は、他のフィルム構造(例えば、いくつかの従来のディスプレイユニットで使用される結合吸収偏光子及び反射偏光)と比較して、フィルム厚が著しく減少する(例えば、半分)が、1つ以上の光学特性(例えば、コントラスト比)の有意な増加を提供し得る。更に、フィルムの過剰な厚さは、フィルムを伝搬する通過状態光の脱偏光のため、全体的なコントラスト比を減少させる危険性を有する。
いくつかの例では、光学フィルム100は、任意の非干渉又は保護層を含む、全厚さが約100μm未満の任意のフィルム100を有する、約200〜約1000の総干渉層102を有し得る。いくつかの例では、光学フィルム100は、光学フィルム100の層全体にわたって、約100μm未満(例えば、60μm未満)の合計厚さを有し得る。
いくつかの例では、個々の干渉層102の厚さは、30%未満の干渉層102の厚さが約200nm超(例えば、干渉層102の5%未満が200nm超の厚さを有するか、又はすべての干渉層102が約200nm未満の厚さを有する)の厚さを有するように、比較的薄くてよいが、光学フィルム100内の位置に応じて変化してもよい。例えば、個々の干渉層102の厚さは、個々の干渉層102の厚さが、全体的に、第1の層番号から第Nの層番号へと移動するにつれ変化する(例えば、局所的な変動とは別に増加する)。いくつかの例では、光学フィルム100は、フィルムの厚さプロファイルに関して特徴があってよい。例えば、図3は、層番号に応じて個々の干渉層102の相対的な厚さを示す光学フィルム100の例示的な厚さプロファイルのプロットである(例えば、層番号1〜Nは、層の厚さが全体的に層1から層Nまで増加するようにプロットされる)。適合曲線300は、第1層から第N層まで延びる領域に設定することができ(例えば、任意の非干渉層、スペーサ層、又は積層体/パケットを形成しない他の任意の光学層を除く)、適合曲線300が光学フィルム100の層厚プロファイルに適用される最適適合回帰を表す。いくつかの例では、適合曲線300は、2次、3次、4次、又は5次の多項式回帰分析、指数回帰分析などを表し得る。
図3にて示すように、適合曲線300は、層番号に応じて光学フィルム100の個々の干渉層102の層厚プロファイルを表す平均傾斜を有するものとして表される。具体的には、x軸は、1〜Nと番号が付けられた連続番号が付けられた干渉層102の層番号を表し、y軸は、所与の層番号についての平均厚さ(例えば、図1のX−Y平面全体に対する平均厚さ)を表す。本明細書で使用されるように、「連続番号が付けられた」干渉層102は、特定方向(例えば、図1においてZ軸に沿って移動する方向)に連続番号が付けられた干渉層102を指すために使用される。いくつかの例では、干渉層102は、図1に示すように、単一の積層体/パケットを形成するように連続的に配設されてもよい。その他の例では、連続番号が付けられた干渉層102は、光学的干渉によって機能せず、連続番号が付けられた干渉層102の一部として番号付けされない、1つ以上のスペーサ層(例えば、場合により、以下の図4に記載される非干渉層408などのような、より厚い非干渉層)を含んでもよい。例えば、いくつかの例において、1〜Nで連続番号が付けられた干渉層102は、スペーサ層(例えば、1〜m層を含む第1の積層体及び(m+1)〜N層を含む第2の積層体)によって分離された連続的に配設された干渉層102を含む、各積層体/パケットを備える干渉層の2つの積層体/パケットを表し得る。このように、スペーサ層は、図3に示される厚さプロファイルを構成する層として数に入れない。
いくつかの非限定的な例において、適合曲線300の傾斜は、正の傾斜(例えば、0超)であり、連続的に1からNに番号が付けられた光学フィルム100の干渉層102全体を平均化して層当たり約0.2nm未満であってよく、Nは200超であり、約200nm超の厚さを有する干渉層102の30%未満である。例えば、干渉層102の10%未満は、約200nm超の厚さを有することができ、いくつかの例では、干渉層102の5%未満の厚さは、約200nm超の厚さを有することができ、いくつかの例では、1からNに連続番号が付けられた干渉層102の全ては、約200nm未満の厚さを有し得る。
いくつかの非限定的な例において、光学フィルム100は、Nの連続番号が付けられた干渉層102を含むことができ、Nは200超1000未満の整数であり、各層102は約200nm未満の平均厚さを有する。このようないくつかの例では、層番号に応じて個々の光学層102のそれぞれの厚さをプロットする厚さプロファイルに適用される最適回帰を表す適合曲線300は、約0.2nm/層の第1層から第N層まで測定した平均傾斜を定義し得る。このようないくつかの例では、光学フィルム100の厚さプロファイルのため、フィルムは、所定の波長範囲内の垂直入射光110に対して、第1の偏光状態(a)の約85%超の平均光透過率(Ta)、直交する第2偏光状態(b)の約80%超の平均光反射率(Tb)を定義し得る。
いくつかの例では、傾斜は、層ごとに厚さが連続的かつ一定に変化することを表す、すべての干渉層102を通して実質的に同じであってもよい。いくつかのそのような例では、平均傾斜は、隣接する干渉層202同士の間の層厚においてほぼ一定のステップ変化を有するものとして特徴付けられ得る。例えば、傾斜が約0.2nmで実質的に一定である場合には、層番号xは、tnmの厚さを有することができ、一方で層番号(x+1)は、(t+0.2nm)の厚さを有し得る。
いくつかの例では、隣接する干渉層102同士の間の層厚の相対的変化は、適合曲線300の傾斜が全ての干渉層102を通して実質的に同じでなくてよいように、光学フィルム100内の位置に応じて変化し得る。いくつかのそのような例では、適合曲線300の傾斜は、最大傾斜及び最小傾斜で特徴付けられ得る。例えば、光学フィルム100は、Nの連続番号が付けられた干渉層102を含むことができ、Nは50超で1000未満の整数である。最適適合回帰を表す適合曲線300は、層番号に応じて個々の干渉層102のそれぞれの厚さをプロットする厚さプロファイルに適用することができ、層番号に応じて最大傾斜及び最小傾斜の両方を定義し得る。このようないくつかの例では、最大傾斜と最小傾斜との差は、約0.70nm/層未満(例えば、約0.57nm/層未満)であってもよく、最大傾斜及び最小傾斜は、25〜50の隣接する干渉層102のいずれかのグループにわたって各々が評価される。いくつかのそのような例では、光学フィルム100の厚さプロファイルのため、フィルムは、所定の波長範囲内の垂直入射光110に対して、第1の偏光状態(a)の約80%超の平均光透過率(Ta)、直交する第2偏光状態(b)の約80%超の平均光反射率(Tb)を定義し得る。
いくつかの例では、光学フィルム100は、適合曲線300の平均傾斜(例えばΔnx/Kであり、Kは適合曲線300の平均傾斜を表す)に対する、複数の干渉層102の屈折率間の最大差(例えば、干渉層102aと干渉層102bとの間の最大Δnx)の比に特徴があり得る。より低い平均傾斜は、光学フィルム100の間の光干渉を改善し得る。いくつかの例では、Δnx/K比を上げるために比較的大きな(例えば、1超)光学フィルム100を設計するには、より高いコントラスト比となり得る。
いくつかの非限定的な例では、光学フィルム100は、約1.2超のΔnx/Kを規定し得る。このようないくつかの例では、光学フィルムは、所定の波長範囲に対して、約1.4超、1.6超、1.8超、2.0超、又は約3.0超の光学密度を規定し得る。本明細書で使用される「光学密度」は、対象とする波長範囲(例えば、400nm〜700nm)全体に平均化された−log(Tb)として計算される。いくつかの例では、光学密度が高いほど、光学フィルムに対するコントラスト比は高くなる。
いくつかのそのような例では、適合曲線300の傾斜302は、干渉層102のサブグループにわたる平均傾斜を表し得る。例えば、複数の干渉層102は、光学フィルム100内の連続的に配設された干渉層102の複数の重複しないグループに分割されてもよい。本発明で使用する場合、「連続的に配設された」干渉層102は、干渉層が互いに直接隣接することを意味し、層が連続的に配設された内で任意の2つの隣接する干渉層102の間に配設された、任意のスペーサ層(例えば、図4において後述する非干渉層408)を含まない。連続的に配設された干渉層102の各グループに対して、層は、1からmまで連続番号を付けることができ、mは25超でN未満であり、Nは、光学フィルム100内の干渉層102の総数(例えば、50〜1000層)を表す。適合曲線300は、層番号に応じて干渉層102の厚さプロファイル全体に適用し得る。結果として生じる平均傾斜302(例えば、m層数当たりの厚さ変化)は、m層の各サブグループに対して決定され得る。いくつかのそのような例では、すべてのサブグループの平均傾斜間の最大差(例えば、あるグループから測定された最大傾斜と、異なるグループから測定された最小傾斜との間の差)は、0.70nm/層未満であってもよい。
光学フィルム100の厚さプロファイルを考慮すると、異なる干渉層102の少なくとも一部の相対的な厚さは、光学フィルム100内の干渉層102の積層体/パケット全体を通して異なることが分かるであろう。いくつかの例では、複数の干渉層102の厚さの差は、干渉層102のいくつかの平均厚さの差に特徴があってよい。例えば、光学フィルム100は、約50nm未満の平均厚さ(例えば、層番号1)を規定する少なくとも1つの干渉層102を含むことができ、干渉層102の少なくとも1つの他の平均厚さは、約100nm超であってよい(例えば、層数N)。いくつかの例では、光学フィルム100は、少なくとも約30%未満の平均厚さの差を有する少なくとも2つの干渉層102を含み得る(例えば、層番号1は、層番号Nの平均厚さより少なくとも30%未満の平均厚さを規定する)。
いくつかの例では、干渉層102の相対的な厚さは、単位セル106a、単位セル106bの光学的厚さに関して説明し得る。使用されるように、「単位セル」は、1つのHIR層102a及び1つのLIR層102bが連続的に配設された対を意味するために使用され、全体には単位セル106と称する。図2内では、2つのそれぞれの単位セル106のみが示されている(例えば、単位セル106a及び単位セル106b)が、光学フィルム100は、数十から数百の単位セル106を含み得る。いくつかの例では、単位セル106は、1以上のスペーサ層によって、異なる積層体/パケットに連続的に配設又は分離されてもよい。
単位セル106の「光学厚さ」(τ)は、単位セルの各HIR層102a(dHIR)の厚さ×対象の波長における延伸方向(例えば、n1x)のHIR層の屈折率+セルの各LIR層102b(dLIR)の厚さ×対象の同じ波長における延伸方向(例えば、n2x)のLIR層の屈折率と定義され得る。各単位セル106は、単位セルが所定の波長範囲内の異なるそれぞれの中心波長の約半分に等しいそれぞれの光学的厚さを規定するようなサイズであり得る。例えば、単位セル106aは、中心波長(λa)に対応してよく、それによって、(τa=λa/2=dHIR *n1x+dLIR *n2x)の光学厚さ(τa)を規定する。光学フィルム100内の各単位セル106は、所定の波長範囲内のフィルムに所望の透過特性及び反射特性を提供するために、所定の波長範囲内の異なる中心波長に対応し得る。
いくつかの例では、単位セル106の光学厚さ(τ)は、所与の単位セルの固有帯域幅が隣接する単位セルの固有帯域幅と重なるように、制御され得る。隣接する単位セル106の固有帯域幅を重ねることによって、干渉層102によって得られる強め合い干渉は高いままである。光学フィルム100で得られる強め合い干渉を改善する1つの手法は、隣接する単位セル106の光学的厚さ(τ)の差を比較的小さく維持して、十分な量の固有帯域幅オーバーラップを生成することである。いくつかの例では、単位セル106の光学厚さ(τ)は、隣接する単位セルの10%未満が1%を超える光学的厚さ(τ)の差を有するように制御され得る。例えば、以下に更に説明する実施例1の光学フィルムは、隣接する単位セルの6%未満が、光学厚さ(τ)において1%を超える差を有し、隣接する単位セルの1.2%未満は、光学的厚さ(τ)において1.5%超の差を有した。
いくつかの例では、隣接する単位セル同士(例えば、単位セル106aと単位セル106b)の間の光学的厚さの変化は、所望の光学特性を得るために比較的小さくてよい。例えば、いくつかの非限定的な例において、光学フィルム100は、連続的に配設された単位セル106を約100と約400の間に含むことができ、各々は、少なくとも約0.24の屈折率(例えばΔnx)の差を有する1つのHIR層102a及び1つのLIR層102bを有する。各単位セル106は、所定の波長範囲内で、それぞれ、また異なる中心波長(例えばλ/2)の約半分に等しい光学的厚さ(τ)をそれぞれ規定する。いくつかのそのような例では、隣接する一対の単位セルの少なくとも80%に対して(例えば、単位セル106a及び単位セル106bは隣接する単位セルの一対108を形成する)、隣接する単位セル106a、単位セル106bの中央波長の差に対する、隣接する単位セル106a、単位セル106bの中心波長の平均に対する比は、約2%未満(例えば、abs([λa(n)−λa(n+1)]/[(λa(n)−λa(n+1))/2])<2%)である。
いくつかの例では、光学フィルム100は、干渉層102の光パワーに関して特徴があってよい。「光パワー」は、ブロックされた偏光状態(b)に対する関心領域にわたる1/(波長)空間における光学濃度の積分として定義し得る。いくつかの例では、より高い光パワーは、関心領域におけるより高いコントラスト比に対応し得る。光学フィルム100の意図された用途によって、光学フィルムに対して特定量の光学パワーが所望され得る。しかしながら、干渉層当たりの光パワーは、層当たりの光パワーが、層の総数の増加とともに減少するように、全体的に干渉層の総数に反比例する。他の光学特性(例えば、所定の波長範囲の十分な適用範囲)を得るために有用である一方で、干渉層の総数を増加させることは、層当たりの光パワーの全体的な減少につながることがある。本明細書に記載される光学フィルムは、従来の反射型偏光子フィルムを用いて得られるものよりも、所与の数の干渉層に対して、一層高い光パワーを層ごとに提供し得る。
いくつかの非限定的な例において、光学フィルム100は、約100〜約1000の交互するHIR102a層及びLIR102b層を含み、各干渉層102は、主に光干渉によって光を反射又は透過させる。いくつかのそのような例では、光学フィルムは、干渉層102当たり約(−0.0012*N+1.46)を超える光学フィルム100の光学パワーを規定することができ、Nは干渉層102の総数を表す(例えば、Nは約100から約1000までの間である)。
加えて、又あるいは、いくつかの非限定的な例において、光学フィルム100は、少なくとも合計で約300の交互するHIR102a層及びLIR102b層を含み、各干渉層102は、主に光干渉によって光を反射又は透過させ、光学フィルム100が干渉層102当たりの光パワーが約0.7を超えることを規定する。
更に以下に記載した図15は、開示に従って準備した、実施例1の非限定的な光学フィルムの数に対する層当たりの光パワーを示す。市販されているか又は文献に記載されているかのいずれかである、従来の反射型偏光子フィルムのいくつかの比較例をまた、図15のプロットに含む(表6参照)。図15及び表6にて示すように、実施例1の光学フィルムは、合計650の干渉層を含み、1層当たり約0.74個の光パワーを規定する。
いくつかの例では、光学フィルム100の複数の干渉層102は、各干渉層102が近くの干渉層に直接隣接して最大1000の個別層の光学積層体/パケットを形成するように、連続的に配設され得る。その他の例では、光学フィルム100は、スペーサ層(例えば、主に光干渉によって光を反射又は透過しない光学層)として作用する比較的厚い非干渉層によって分離された2つ以上の積層体/パケット干渉層102に分離し得る。例えば、図4Aは、光学フィルム100に関して上記に記載される1つ以上の光学特性を示すように形成することが可能な光学フィルム400の別の例を示す。図4Aにて示すように、光学フィルム400は、2つの光学積層体/パケット406a、406bに分離された複数の干渉層402を含み、各々が複数の干渉層402を含む。光学積層体/パケット406a、406bは、比較的厚い(例えば、個々の干渉層402と比較して厚い)スペーサ層408によって分離される。
光学フィルム100と同様に、光学フィルム400は、光学積層体/パケット406a、406bの間に分割された数十から数百の干渉層402を含み得る。光学フィルム400が合計(N=Na+Nb)の連続する番号が付けられた干渉層402を含むように、第1の光学積層体/パケット406aは、合計(Na)の干渉層402を含み、第2の積層体/パケット406bは、合計(Nb)の干渉層402を含む。
各干渉層402は、図1及び図2に関して説明した干渉層102と実質的に同じであってもよい。例えば、干渉層402は、HIR層(例えば、HIR層102aに類似)及びLIR層(例えば、LIR層102aに類似)を交互にする。更に、光学フィルム100の場合と同様に、いくつかの例において、光学フィルム400の光学積層体/パケット406a、406bの干渉層402の総数(例えばN)は、上述したように1000未満、又は800未満であってもよい。
いくつかの例では、光学積層体/パケット406a、406bは、実質的に同じ(例えば、同じ又は略同じ)総数の干渉層402を含み得る。例えば、光学積層体/パケット406a、406bは、それぞれ独立して、約50〜約400の干渉層402を含んでよく、各光学積層体/パケット406a、406b内の干渉層402の総数は同一である(例えば、Na=Nb)。いくつかの例では、単一の光学積層体/パケット406a、406b内の干渉層402の総数は、約325層であってもよい。その他の例では、光学積層体/パケット406a、406bは、異なる総数(例えばNa≠Nb)の干渉層402を含み得る。
スペーサ層408は、主に光干渉によって光を反射又は透過しない任意の好適な光学材料(例えば、非干渉層)を含み得る。いくつかの例では、スペーサ層408は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PEN及びポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は二安息香酸)を含有するコポリマー、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート(PC)、又はこれら4つのクラスの材料のブレンド等を含み得る。いくつかの例では、スペーサ層408は、共押出又はラミネーションによって形成することができ、それによって、2つの積層体/パケットの間にスペーサ層408とともに光学積層体/パケット406a、406bを薄層化する。加えて、又あるいは、スペーサ層408は、光学積層体/パケット406a、406bと光学的に結合されてもよい(例えば、光が大きな反射又は屈折を受けずにスペーサ層408を透過するように、それぞれの積層体/パケット406a、406bに接着されてよい)。
スペーサ層408は、個々の干渉層402と比較して比較的厚くてよい。例えば、スペーサ層408は、約500nm超の平均厚さを有し得る。加えて、又あるいはスペーサ層408は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有し得る。例えば、所定の波長範囲が可視光(例えば、約400〜約700nm)を含む場合、スペーサ層408の厚さは、7000nmを超え得る。いくつかの例では、スペーサ層408は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有し得る。いくつかの例では、スペーサ層408は、流れが乱れるのを低減するのを助けることができ、そうしなければ、共押出しプロセス中に多層光学積層体/パケット406a、406bの形成が発生し得る。
いくつかの例では、光学積層体/パケット406a、406bは、異なる所定の波長範囲の光を透過又は反射するように独立して最適化されてもよい。このように、光学フィルム400は、多数の別個の波長範囲にわたるその偏光状態に応じて光を透過及び反射するように構成され得る。例えば、第1の光学積層体/パケット406aは、可視スペクトル内(例えば、約400〜約700nm)で光を透過及び反射するように構成され得るが、一方で、第2の光学積層体/パケット406bは、近赤外スペクトル内(例えば、約800〜約1300nm)で光を透過及び反射するように構成され得る。
いくつかの例では、光学フィルム400が連続した所定の波長範囲(例えば、約400〜約1300nm)でその偏光状態に依存して光を透過及び反射するように、2つの光学積層体/パケット406a、406bは、構成されてもよい。例えば、それぞれの積層体/パケット406a、406bの所定の波長範囲は、実質的に連続的な(例えば連続的又はほぼ連続的な)所定の波長範囲に対して互いに当接するか又は重なり合うように、光学積層体/パケット406a、406bを構成され得る。
いくつかの例では、第1の光学積層体/パケット406aは、第1の所定の波長範囲内で異なる偏光状態の光を透過又は反射するように構成された、交互するHIR層及びLIR層の1〜(Na)まで番号が付けられて連続的に配設された干渉層402を含み得る。直接隣接するHIR及びLIR干渉層402の対は、単位セル405を特徴とし、第1の光学積層体/パケット406aが合計で約(Ma=Na/2)個の単位セル405を有し得る。同様に、第2の光学積層体/パケット406bは、第2の所定の波長範囲内で異なる偏光状態の光を透過又は反射するように構成された、交互するHIR層及びLIR層の1〜(Nb)まで番号が付けられて連続的に配設された干渉層402又は約(Mb=Nb/2)個の単位セル405を含み得る。それぞれの単位セル405を形成するそれぞれのHIR及びLIR干渉層402は、HIR層の平均屈折率とLIR層の平均屈折率との比、例えば(n1x/n2x)を特徴とし得る。
いくつかの例では、光学積層体/パケットが、所定の波長範囲内で光を反射し、透過するために比較的高いコントラスト比(例えば、1000:1を超える)を示すように、HIR(例えば、n1x)及びLIR(例えば、n2x)干渉層402の屈折率と、それぞれの光学積層体/パケット406内の単位セル405の総数(例えば、M)とを選択してよい。いくつかの例では、各光学積層体/パケット406は、以下の式:[(n1x/n2x)*M>300]を満たすように構成され得る。
いくつかの非限定的な例において、光学フィルム400は、交互に配設された第1のHIR及び第2のLIR干渉層402の第1の単位セル405を連続的に配設されたMa−を含み得る。第1の単位セル405は、第1の所定の波長範囲(例えば、約400〜約700nm)で光を透過又は反射するように最適化されてもよいが、第2の所定の波長の範囲(例えば、約800〜約1300nm)では最適化されなくてよい。いくつかのそのような例では、第1のHIR層(n1x)の平均屈折率に対する第2のLIR層(n2x)の平均屈折率の比×第1の単位セル405の総数(Ma)が約300超であるように、交互に配設された第1のHIR及び第2のLIR干渉層402は、それぞれ(n1x)及び(n2x)の平均屈折率を規定してよい。更に、光学フィルムは、交互に配設された第3のHIR及び第4のLIR干渉層402の第2の単位セル405を連続的に配設されたMbを含み得る。第2の単位セル405は、第2の所定の波長範囲(例えば、約400〜約700nm)で光を透過又は反射するように最適化されてもよいが、第1の所定の波長範囲(例えば、約800〜約1300nm)では最適化されなくてよい。第3のHIR層(n3x)の平均屈折率に対する第4のLIR層(n4x)の平均屈折率の比×第2の単位セル405(Mb)の総数が約300超であるように、交互する第3のHIR干渉層及び第4のLIR干渉層402は、それぞれ(n3x)及び(n4x)の平均屈折率を規定してよい。このようないくつかの例では、第1及び第2の所定の波長範囲内の任意の波長を有する、約30度未満の任意の入射角で光学フィルム400上に入射する光入射は、(Ta)対(Tb)の比が約1000:1を超えるように、第1の偏光状態(a)に対する平均光透過率(例えば、Ta)、及び第2の偏光状態(b)に対する平均光透過率(例えば、Tb)を受けてよい。
いくつかのそのような例では、光学フィルム400の多数の積層体/パケット406設計により、例えば、同一の連続した所定の波長範囲内で光を反射し透過するように構成された干渉層の単一パケットのみを含む光学フィルムと比較して、フィルムを製造するためのより効率的なプロセスを提供することができ、これは、層の総数及び大きな単一の積層体を形成する複雑さを低減する。
光学フィルム100の場合と同様に、いくつかの例において、所定の波長範囲(例えば、可視光又は約400〜約700nm)内の実質的な垂直入射光110(例えば、表面404に対して直角又は略直角)に対する光学フィルム400の透過率及び反射率の程度は、第1/通過偏光状態(a)に対する平均光透過率(Ta)及び光反射率(Ra)と、第2/反射偏光状態(b)に対する平均光透過率(Tb)及び光反射率(Rb)を有することを特徴とし得る。光学フィルム400の光透過率及び反射率の値は、光学フィルム100に関して上述した値と実質的に同じであってよい。例えば、光学フィルム400の平均光透過率(Ta)は、第1/通過偏光状態(a)に対して約80%超でよく、平均光反射率(Rb)は直交する第2/反射偏光状態(b)に対して約80%超でよく、平均光透過率(Tb)は直交する第2/反射偏光状態(b)に対して約0.2%未満でよい。いくつかの例では、各光学積層体/パケット406a、406bは、所定の波長範囲内で第1の偏光状態(a)を有する垂直入射光110の少なくとも50%を透過し、所定の波長範囲内で第2の偏光状態(b)で垂直入射光110の少なくとも50%を反射するという特徴があってよい。
図4Bは、層番号に応じて個々の干渉層402の厚さを示す光学フィルム400の例示的な厚さプロファイルのプロットであり、複数の干渉層402は、1〜Nの順に連続番号が付けられ、Nは光学フィルム400における干渉層402の総数(例えば、N=Na+Nb)を表す。図4Bに示すように、スペーサ層408は、光学フィルム400の厚さプロファイルのプロットから除外される。
光学フィルム400の厚さプロファイルは、2つの適合曲線410、412に特徴があり得、各々はそれぞれの光学積層体/パケット406a、406bの厚さプロファイルに対応する。適合曲線410、412は、それぞれの積層体/パケット内の干渉層402を基準として光学フィルム400の層厚さプロファイルに適用される最適適合回帰を表す。例えば、適合曲線410は、第1の積層体/パケット406aの厚さプロファイルを表し、これは、1〜Naへ連続番号が付けられた干渉層402を表し、適合曲線412は、第2の積層体/パケット406aの厚さプロファイルを表し、これは、(Na+1)〜(Na+Nb)に連続番号が付けられた干渉層402を表す(例えば、第2の積層体/パケット406bの1〜Nbまで連続番号が付けられた干渉層402に対応する)。
図4Bにて示すように、各光学積層体/パケット406a及び406bは、それぞれの傾斜を規定する層厚さプロファイル(例えば、個々の層厚さを層数に対してプロットする)を含み得る。いくつかの例では、適合曲線410、412の平均傾斜は、それぞれの光学積層体/パケット406a、406b内の干渉層402に対して0.2nm/層数未満であってもよい。光学フィルム400の各光学積層体/パケット406a、406bは、約400未満の総干渉層402を含んでよく、各干渉層402のそれぞれ個別の層厚さは比較的薄い(例えば、約200nm未満の平均厚さを有する)。
いくつかの例では、適合曲線410、412の平均傾斜は、それぞれの光学積層体/パケット406a、406b内の干渉層402のサブグループ全体の平均傾斜を表し得る。例えば、第1の光学積層体/パケット406a内の干渉層402は、連続的に配設された干渉層402の複数の重複しないグループに分割されてもよい。連続的に配設された干渉層402の各グループに対して、層は、1〜mまで連続番号を付けることができ、mはNa/10超であるが、Na未満であり、Naは第1の光学積層体/パケット406a内の干渉層402の総数を表す。適合曲線410は、層番号に応じて各グループの層に対する厚さプロファイルに適用してよく、結果として生じる各グループに対する平均傾斜(例えば、m層数当たりの厚さ変化)は、層の各グループに対して決定される。すべてのグループの平均傾斜間の最大差(例えば、あるグループから測定された最大傾斜と、異なるグループから測定された最小傾斜との間の差)は、0.70nm/層未満(例えば0.57nm/層未満)であってもよく、最大傾斜及び最小傾斜は、各々、25〜50の隣接する層の任意のグループ全体で評価される。
いくつかの例では、光学フィルム400の層厚さプロファイルは、層番号に応じて各光学積層体/パケット406a、406bの厚さプロファイルに適用される最適適合線形方程式に特徴があってよい。例えば、図4Cは、干渉層番号に応じて第1及び第2の光学積層体/パケット406a、406bの厚さを示す光学フィルム400の例示的な厚さプロファイルの一対のプロットである。図示するように、第1の光学積層体/パケット406aは、1〜Naに連続番号が付けられた干渉層402を含み、第2の光学積層体/パケット406bは、1〜Nbに連続番号が付けられた干渉層402を含む。最適線形回帰420、422を各プロット(例えば、線形最小二乗回帰)に適用して、それぞれ関連する最適適合回帰に対するそれぞれの平均傾斜を提供し得る。いくつかの例では、光学フィルム400内のすべての光学積層体/パケット406a、406bに対する最適線形回帰420、422の平均傾斜間の最大差は、約20%未満であってもよい。例えば、非限定的な実施例1及び図9の光学フィルムに関して以下に説明すると、実施例1の光学フィルムを形成するパケット1及びパケット2の傾斜は、各々、0.17nm/層及び0.18nm/層の平均傾斜を示し、約6%の傾斜において差を有する結果となる。
いくつかの例では、第1及び第2の光学積層体/パケット406a、406bは、領域424及び領域426内のステッチを含み得る。ステッチングは、各パケットに関連付けられた反射された帯域間にほんのわずかな量の重なりが存在する場合に、少なくとも2つのパケットが存在する光学設計を記述する。これにより、各層に関連する光学的パワーを増加させる、個々のパケットにおいて、より低い傾斜を使用することができる。図13は、ステッチ層の設計の例を示す。このような例では、層408(例えば、所与の積層体/パケットを有するスペーサ層408に隣接する第1の30の干渉層402)に隣接するそれぞれの光学積層体/パケット406a、406bの層に対する層の厚さの変化は、光学積層体/パケット406a、406b内の他の干渉層402に対する厚さ/層の変化に比例して増加し得る。この変化は、光学積層体/パケット406a、406bがスペーサ層408に対して隣接する側部を有する厚さプロファイルの端部に、僅かなカールを有する層の厚さプロファイルとして図4Cの領域424及び領域426に示されている。
いくつかの非限定的な例において、光学フィルム400は、所定の波長範囲の実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層402が第1の偏光状態(例えば、Ta)を有する光の少なくとも80%を透過し、直交する第2の偏光状態(例えば、Tb)を有する光の少なくとも80%を反射するように、主に光干渉によって光を反射し、透過する複数の干渉層402を含み得る。複数の干渉層402は、複数の光学積層体/パケット406a、406bに分割されてもよく、隣接する光学積層体/パケット406a、406bの各対が主に光干渉によって光を反射又は透過しない1個以上のスペーサ層408によって分離され、各光学積層体/パケット406a、406bが所定の波長範囲内で第1の偏光状態(a)を有する光の少なくとも50%を透過し、所定の波長範囲内で第2の偏光状態(b)を有する光の少なくとも50%を反射する。各光学積層体/パケット406a、406b内では、干渉層402は、連続番号が付けられてもよく(例えばNa又はNb)、各光学積層体/パケット406a、406bは、光学積層体/パケット406a、406bの厚さを干渉層番号と関係づける最良適合線形方程式(例えば、適合線420、422)を有し、線形方程式は、積層体/パケットにおける第1の干渉層402から積層体/パケットにおける最後の干渉層(例えば、第1の光学積層体/パケット406aの層番号1〜Naに適用される線420)まで延びる領域における平均傾斜(例えば、積層体厚/積層体数)を有し、光学フィルム400内の複数の光学積層体/パケット406a、406bの最良適合線形方程式の平均傾斜間の最大差は、約20%未満であってもよい。このようないくつかの例では、光学フィルム400は、約2.5超の平均光密度を有し得る。
図5A及び図5Bは、本開示による代表的な光学フィルム(例えば、光学フィルム400)のための例示的な透過プロットであり、可視スペクトルに対応する特定波長範囲400〜700nm内の垂直入射光110に対する第1の偏光状態及び第2の偏光状態(例えば、それぞれ通過及び反射偏光状態)に対する透過率を示す。図5Bは、第2の偏光状態(b)(例えば、反射偏光状態)に対する透過率の対数プロットを示す。試験された代表的な光学フィルム400は、2つの光学積層体(例えば、406a、406b)を含み、各々は、325個の干渉層402を有し、Lambda900分光計(パーキンエルマー社製)を用いて第1の偏光状態及び第2の偏光状態について測定された透過スペクトルをそれぞれ備える。示されているように、可視スペクトル範囲にわたる全体の第2の偏光状態(b)における透過(例えば、反射軸、Tb)は、0.1%よりも著しく低かった。
いくつかの例では、光学フィルム100、400は、干渉層102、402の積層体/パケットのうちの1つ以上を分離及び/又は保護するのに使用され得る1つ以上の非干渉層を含むか、又は非干渉層と組み合わされてもよい。例えば、図6は、光学フィルム100、400に関して上記に記載される1つ以上の特性を示すように形成可能な光学フィルム600の別の例を示す。図6で示すように、光学フィルム600は、比較的厚い非干渉層608同士の間に積層された2つの光学積層体/パケット606a、606bに分割された複数の干渉層602を含む。図6において示すように、第1の光学積層体/パケット606aは、非干渉層608aと非干渉層608bとの間に設定され、一方で第2の光学積層体/パケット606bは、非干渉層608b及び非干渉層608cが互いに直接的に隣接し、第1及び第2の光学積層体/パケット606a、606b間のスペーサ層として作用するように、非干渉層608cと非干渉層608dとの間に設定される。いくつかの例では、それらの相対的な厚さのため、光学積層体/パケット606a、606bの外側の非干渉層608a及び非干渉層608dは、それぞれの積層体/パケットを意図しない損傷(例えば、ひっかき傷)から保護することを助け得る。いくつかの例では、非干渉層608a及び非干渉層608bは、約1.57の反応指数を規定し得る。
加えて、又あるいは、1つ以上の非干渉層608は、ハードコート(ひっかき防止コーティング)、拡散コーティング、反射防止コーティング、又は防幻コーティングなどのコーティングを含み得る。
図7は、反射型偏光子光学フィルム702、液晶ディスプレイアセンブリ(LCD)710及び光源720を含む、例示的な表示アセンブリ700の図である。ここに示すように、LCDアセンブリ710は、光学フィルム702及び光源720によって提供される偏光によって照明される。LCDアセンブリ710は、外側吸収偏光子フィルム712、1つ以上のガラス層714、及び液晶層716を有する多層構造を含み得る。
図7は、ディスプレイアセンブリ700を通して送達される2つのタイプの光を示す。周囲光730は、LCDアセンブリ710を通過するディスプレイ面711に入射する光、光学フィルム702、及び光フィルム702に反射される光源720の拡散反射面を示す。光は、光源720のバックライトアセンブリからも発生することができる。例えば、光源720は、反射ランプハウジング724内にランプ722を含むエッジ照明バックライトを含み得る。ランプ722からの光は、光ガイド726に結合され、そこで、光は、スポット728(例えば、酸化チタン着色材料の不連続層)のような拡散反射構造に衝突するまで伝搬する。スポットのこの不連続なアレイは、ランプ光を取り出し、それをLCDアセンブリ710の方へ向けるように配設される。光源720に入る周囲光730は、スポットにぶつかるか、又はスポット間の間隙領域を通って光ガイドから漏れ得る。拡散反射層729(例えば、酸化チタン着色材料の層)は、光ガイド726の下に配設されて、このような光線を遮り、反射し得る。全体的に、光源720からLCDアセンブリ710に向かって出射する全ての光線は、光束732として示される。この光束は、「(a)」と称する第1の偏光状態を有する光を透過し、直交する偏光状態(b)を有する光を有効に反射する光学フィルム702を入射する。光学フィルム702は、上述した光学フィルム100、400、600のいずれかに対応し得る。
いくつかの例では、LCDディスプレイアセンブリは、吸収偏光フィルム及び光源720とLCDアセンブリ710との間に反射型偏光子フィルム(AP/RPフィルム)を含み得る。このような例では、APフィルムは、典型的には、ディスプレイアセンブリに十分なコントラストを生成するために使用され得るが、一方でRPフィルムを含むことにより、APフィルムのみのシステムと比較して、AP/RPフィルムの組合せの輝度、特に高い周囲光環境又は高いグレア条件が改善される。驚くべきことに、AP/RPフィルムは、高周囲光環境(例えば、外部条件)であってもディスプレイアセンブリ700に輝度又はコントラストをそれほど低下させることなく、本明細書に記載の高コントラスト反射型偏光子(RP)光学フィルム702で代用し得るということが判明した。例えば、後方のAPフィルムが存在しないディスプレイアセンブリ700に光学フィルム702のみを含むことで、周囲光を光学フィルム702から望ましくないように反射させて高レベルのグレアを生じさせる一方で、実際には、グレアにおける無視できない又は比較的僅かな増加が観察されることが理論付けられた。
いくつかの例では、光学フィルム702を含むディスプレイアセンブリ700は、AP/RPフィルムを含む同等のディスプレイアセンブリと比較して、約10%〜約15%の向上した輝度を示すことができる。
いくつかの例では、ディスプレイアセンブリ700は、ディスプレイアセンブリ700の軸方向に輝度を増加させるために、光源720と光学フィルム702との間に配設された1つ以上の輝度向上フィルム740を含み得る。例示的な輝度向上フィルム740としては、例えば、転向フィルム、プリズムフィルムなどが挙げられる。
いくつかの非限定的な例において、ディスプレイアセンブリ700は、光源720、光源720によって照明されるように構成されたLCDアセンブリ710、ディスプレイアセンブリ700の軸方向の輝度を増加させるために光源720とLCDアセンブリ710との間に配設された1つ以上の輝度向上フィルム740、及び1つ以上の輝度向上フィルム740とLCDアセンブリ710との間に配設され、第1の偏光状態(a)を有する光を実質的に透過し、直交する第2の偏光状態(b)を有する光を実質的に反射するように構成された光学フィルム702(例えば、RP)を含み得る。光学フィルム702は、光源720とLCDアセンブリ710との間に配設された吸収偏光子(AP)のない第2の偏光状態(例えば、Tb)に対して約0.2%未満の平均光透過率を規定し得る。このようないくつかの例では、ディスプレイアセンブリ700は、第2の偏光状態(b)に対する比較ディスプレイアセンブリのRPの平均透過率が約1.0%超であることを除いては、同じ構造を有する比較ディスプレイアセンブリのコントラスト比の少なくとも2倍のコントラスト比を規定し得る。
加えて、又あるいは、いくつかの非限定的な例において、ディスプレイアセンブリ700は、光源720、光源720によって照明されるように構成されたLCDアセンブリ710、ディスプレイアセンブリ700の軸方向の輝度を増加させるために光源720とLCDアセンブリ710との間に配設された1つ以上の輝度増強フィルム740、及び1つ以上の輝度増加フィルム740とLCDアセンブリ710との間に配設された光学フィルム702を含み得る。光学フィルム702は、主に光干渉によって光を透過又は反射する複数の干渉層を含んでよく、その結果、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、光源720とLCDアセンブリ710との間に配設された吸収偏光子(AP)がない状態で、複数の干渉層が第1の偏光状態(例えばTa)を有する光の少なくとも80%を透過し、直交する第2の偏光状態(例えば、Tb)を有する光の約0.2%未満を透過する。
図8は、AP/RPフィルムを有するディスプレイアセンブリと比較して、視野角の機能として光学フィルム702を含むディスプレイアセンブリ700の例示的な輝度プロファイルである。曲線800は、ディスプレイアセンブリ700用の光学フィルム702の輝度プロファイルを表し、一方で曲線802はAP/RPフィルム(例えば、日東電工株式会社(東京)から入手可能なAPCF)を含む、同等のディスプレイアセンブリについての輝度プロファイルを表す。図示されるように、光学フィルム702は、軸外観察位置に対する輝度プロファイルのわずかな改善を提供する一方で、通常の視野角(例えば、±20°)に対する比較観察輝度プロファイルを提供する。(例えば、50°超)。
いくつかのそのような例では、従来のAP/RPフィルムとは対照的に光学フィルム702の使用は、本明細書に記載された高コントラストRP光学フィルムを従来のAP/RPフィルムの厚さのほぼ半分に形成し得るので、LCDディスプレイアセンブリの全体的な厚さを大幅に減少させ得る。AP/RPフィルムとは対照的に、ディスプレイアセンブリ700において光学フィルム702のみを使用することにより、ディスプレイアセンブリの厚さの減少に関連する利益をもたらし得るが、いくつかの例では、吸収偏光フィルムは、所望により、LCDアセンブリ710と光学フィルム702(図示せず)との間に含まれてもよい。このようないくつかの例では、吸収偏光子/光学フィルム702の組合せは、従来のAP/RPフィルムと比較して、改善された輝度及び/又はコントラスト比を提供し得る。
いくつかの例では、ディスプレイアセンブリ700の光学フィルム702は、第1の偏光状態(a)を有する光を実質的に透過させ、直交する第2の偏光状態(b)を有する光を実質的に反射するために高コントラストRPとしての役割をし得る。いくつかの例では、光学フィルム702は第2の偏光状態(b)に対して約0.2%未満の平均光透過率を規定し、光源720と液晶層716との間には吸収偏光子は配設されず、また、第2の偏光状態に対する比較ディスプレイアセンブリの反射型偏光子の平均透過率が約1.0%超であることを除いては、ディスプレイアセンブリ700のコントラスト比は同じ構造を有する比較ディスプレイアセンブリのコントラスト比の少なくとも2倍である。
いくつかの例では、本明細書で説明される光学フィルム100、200、400、600の1つ以上は、光軸(例えば、仮想現実ディスプレイシステム)を中心として観察者に物体を表示するように設計された光学系に組み込まれてもよい。このような光学系は、1つ以上の光学レンズの第1の主面上に配設され、それに適合する反射型偏光子(例えば、光学フィルム100、200、400、600)を有する非ゼロの光学パワーを有する1つ以上の光学レンズと、1つ以上の光学レンズの第2の主面上に配設され、適合する部分反射体を含み得る。いくつかの例では、レンズ及び反射型偏光子は、1つ又は2つの直交軸を中心として凸状であってもよく、コンパクトな構成で高い視野、高いコントラスト、低い色収差、低い歪み及び/又は高い効率を有するシステムを生成するために、絞り面(例えば、射出瞳又は入射瞳)と像面(例えば、ディスプレイパネル又は画像記録装置の表面)との間に配設されてもよく、このコンパクトな構成は例えば、バーチャルリアリティディスプレイなどのヘッドマウントディスプレイや、携帯電話に含まれるカメラなどの様々な装置において有用である。
図10は、像面1030、絞り面1035、及び像面1030と絞り面1035との間に配設された光学積層体1010を含む、例示的な光学系1000(例えば、仮想現実ディスプレイシステム)の概略的な断面図である。x−y−z座標系は、図10に示されている。像面1030は、偏光又は非偏光を発するディスプレイパネルなどの画像形成装置の出力面であってもよく、一方、絞り面1035は光学系1000の射出瞳であってもよく、第2の光学系の入射瞳と重なるようになっていてもよく、これは例えば観察者の眼又はカメラであってよい。
いくつかの例では、光学積層体1010は、第1の主面1014及び第2の主面1016を有する光学レンズ1012、第1の主面1014に配設された反射型偏光子1027(例えば、光学フィルム100、200、400、600)、及び光学フィルム1012の第2の主面1016に配設された部分反射体1017を含み得る。いくつかの例では、光学積層体1010はまた、それぞれ第1の主面1014及び第2の主面1016上に配設された1以上の1/4波長リターダ1015、1025を含み得る。
図10において示すように、光学積層体1010は、第1の軸及び/又は第2の軸(例えば、それぞれx軸及びy軸)に直交するように、像面1030に向かって凸状であり得る。光学積層体1010は、反射型偏光子1027にコーティング又はラミネートされた任意の第1の1/4波長リターダ1025で反射型偏光子1027を最初に形成し、その後、得られたフィルムを光学レンズ1012に対応するように任意の形状に熱成形することによって作製することができる。部分反射体1017及び任意の第2の1/4波長リターダ1015は、1/4波長リターダを部分反射体フィルム上にコーティングすることにより、部分反射体コーティングを1/4波長リターダフィルム上にコーティングすることにより、部分反射体フィルム及び1/4波長リターダフィルムを一緒にラミネートすることにより、又はフィルムインサート成形プロセスにおいて最初にレンズ1012(反射型偏光子1027を含むフィルム上に形成され得る)を形成し、次いで部分反射体1017を第2の主面1016上にコーティングすることによって製造し得る。いくつかの例では、レンズ1012は、反射型偏光子1027及び部分反射体1017の第1のフィルムと第2のフィルムとの間にレンズ1012を射出成形することによって形成され得る。第1のフィルム及び第2のフィルムは、射出成形工程の前に熱成形されてもよい。
画像源1031は、像面1030を含み、絞り面1035は、光学系1000のための射出瞳である。いくつかの例では、画像源1031は、表示パネルであってもよい。他の例では、表示パネルは存在しなくてもよく、代わりに、像面1030は、光学系1000の外部の物体から反射された光を受け取るようになった開口である。
いくつかの例では、入射瞳1034を有する第2の光学系1033は、入射瞳1034と重なる絞り面1035を有する光学系1000に近接配設されてもよい。第2の光学系1033は、例えば、像面637を透過した画像を記録するようになったカメラであってもよい。いくつかの例では、第2の光学系1033は視聴者の目であり、入射瞳1034は視聴者の眼の瞳孔である。このような例では、光学系1000は、ヘッドマウントディスプレイにおける使用になっていてもよい。
反射型偏光子1027は、本明細書で説明する光学フィルム100、200、400、600のいずれか1つとし得る。例えば、反射型偏光子は、少なくとも50の連続的に番号が付けられた干渉層を含むことができ、各層は比較的薄くてもよく(例えば、約200nm未満の平均厚さを有する)、適合曲線は、層厚さプロファイル反射型偏光子1027に適用される最良適合回帰であり、層数(例えば、図3の曲線300)に応じて、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は、約0.2nm/層未満である。反射型偏光子1027は、第1の偏光状態(a)(例えば第1の方向に直線偏光される)を有する光を実質的に透過し、直交する第2の偏光状態(b)(例えば、第1の方向に直交する第2の方向に直線偏光される)を有する光を実質的に反射する。
部分反射体1017は、所定の波長範囲において少なくとも30%の平均光反射率と、少なくとも30%の光透過率とを有し、これは、本明細書中の他の箇所で記載された波長範囲のいずれかであってもよい。任意の好適な部分反射体が使用されてよい。一部の例では、部分反射体1017は、例えば、ハーフミラーであってもよい。いくつかの例では、部分反射体1017は、透明基板上に金属(例えば、銀又はアルミニウム)の薄い層をコーティングすることによって構成され得る。加えて、又あるいは、部分反射体1017は、例えば、レンズの表面上に薄膜誘電体コーティングを堆積することによって、又はレンズの表面に金属コーティング及び誘電体コーティングの組み合わせを堆積させることによって形成され得る。いくつかの例では、部分反射体1017は、それ自体が反射型偏光子であってもよい。
任意の第1の1/4波長リターダ1015及び第2の1/4波長リターダ1025は、例えば、米国特許出願公開第2002/0180916号(Schadtら)、第2003/028048号(Cherkaouiら)及び第2005/0072959号(Moiaら)に記載された線状光重合性ポリマー(LPP)材料及び液晶ポリマー(LCP)材料を含む任意の適切な材料から形成されるコーティング又はフィルムであってもよい。適切なLPP材料としては、ROP−131 EXP 306 LPPが、適切なLCP材料には、ROF−5185 EXP 410 LCPが挙げられ、両方ともスイスのアルシュヴィルにあるRolic Technologiesから入手可能である。いくつかの例では、1/4波長リターダ1015、1025は、所定波長範囲内の少なくとも1つの波長における1/4波長リターダであってもよい。
光学系1000の動作中、光線1037及び光線1038は各々、像面1030及び絞り面1035を通して透過する。光線1037及び光線1038は各々、像面1030から絞り面1035(例えばヘッドマウントディスプレイの用途において)へと透過することができ、又は光線1037及び光線1038は、絞り面1035から像面1030(例えばカメラの用途において)へと透過し得る。光線1038は、光路が光学系1000のための折り返した光軸1040を規定する中心光線であり、これは、折り畳まれた光軸1040を中心とし得る。光線1038は、光軸1040からの大きな偏差なしに光学積層体1010を通過し得る。
光線1037の経路は、光学積層体1010によって偏向され得る。光線1037は、部分反射体1017(任意の第2の1/4波長リターダ1015を含む)を通して、レンズ1012を通して透過する。レンズ1012を通過する第1の通過後、光線は、任意の第1の1/4波長リターダ1025を通過し、反射型偏光子1027から反射する。2つの1/4波長リターダ1015、1025を光学積層体1010に組み込む例においては、1/4波長リターダ1015、1025は、1/4波長リターダ1015、1025が反射型偏光子1027と画像源1031との間に位置するように、レンズ1012の両側に配設し得る。このようないくつかの例では、画像源1031は、1/4波長リターダ1015、1025を通過した後、光が反射型偏光子1027のブロック軸に沿って偏光され、結果として反射型偏光子1027がフィルム上に最初に入射したときに反射型偏光子1027から反射するように、反射型偏光子1027の通過軸(a)に沿った偏光を有する光を発するようになっていてもよい。光線1037は、最初に反射型偏光子1027から反射した後、第1の1/4波長リターダ1025を通過して戻り、次いで部分反射体1017から反射し(図示されていない他の光線は、部分反射体1017を通過し)、レンズ1012及び第1の1/4波長リターダ1025を通過して戻り、次いで再び反射型偏光子1027に入射する。第1の1/4波長リターダ1025を通過し、部分反射体1017から反射し、第1の1/4波長リターダ1025通過して戻った後、光線1037は、反射型偏光子1027の通過軸(a)に沿った偏光を有する。したがって、光線1037は、反射型偏光子1027を通って透過され、次いで絞り面1035を通って第2の光学系1033内に伝達される。
単一の集積光学積層体1010の設計は、コンパクトなシステムにおいて高い視野を提供し得る。像面1030の外縁を透過する光線1037は、θの視野角を有する折り返された光軸1040において絞り面1035と交差する主光線であり、これは、例えば、少なくとも40度、少なくとも45度、又は少なくとも50度であり得る。絞り面1035における視野は、例えば、2θであり、これは、少なくとも80度、少なくとも90度、又は少なくとも100度であってもよい。
いくつかの非限定的な例において、光学系1000は、1つ以上の光学レンズ1012の第1の主面1014上に配設され、それに適合する反射型偏光子1027を有する非ゼロの光学パワーと、1つ以上の光学レンズ1012の異なる第2の主面1016上に配設され、それに適合する部分反射体1017を有する1つ以上の光学レンズ1012を含み得る。反射型偏光子1027は、第2の偏光状態(b)を有する光軸1040に沿った入射光1037に対する光学系1000の平均光透過率が約0.1%未満であるように、第1の偏光状態(a)を有する光1037を実質的に透過させ、所定の波長範囲に対して少なくとも30%の平均光反射率を有する部分反射体1017で直交する第2の偏光状態(b)を有する光を実質的に反射する。
1つ以上の反射型偏光子を含む光軸に中心を有する観察者に物体を表示するための光学系の更なる例は、米国特許出願第14/865,017号に開示され記載されており、この特許出願は、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。本明細書に記載される光学フィルム100、200、400、600のうちの1つ以上は、ここに記載されている反射型偏光子のようなシステムにおいて使用することができる。
いくつかの例では、本明細書に記載される光学フィルム100、200、400、600のうちの1つ以上は、偏光ビームスプリッタ(PBS)内に反射型偏光子として組み込まれてもよい。PBSは、無偏光を2つの偏光状態に効果的に分割するために使用し得る。PBSシステムは、第2の直交する偏光状態(b)で偏光を実質的に反射しつつ、第1の偏光状態(a)で光を実質的に透過させるために、半導体、フォトニクス機器、又は他の光学系において使用し得る。いくつかの例では、PBSシステムは、出力偏光ビームを約90°の分離で分割する一方で、0°又は45°の入射角で光を受け取るように設計され得る。
図11は、第1のプリズム1102、第2のプリズム1104、反射型偏光子1110、及び光源1150を含む、例示的なPBS1100の概略断面図である。第1のプリズム1102は、光源1150からの入射光を受けるための入力面1112と、出力面1114と、第1の斜辺1116とを含む。いくつかの例では、入力面1112及び出力面114は、第1プリズム1102を通過する光を受けて透過するための活性領域を有するように更に形成されてもよい。第2のプリズム1104は、出力面1118及び第2の斜辺1120を含む。
反射型偏光子1110は、それぞれの第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104の第1斜辺1116及び第2の斜辺1120の間に配設される。反射型偏光子1110は、本明細書で説明する光学フィルム100、200、400、600のうちのいずれかであり得る。例えば、反射型偏光子1110は、少なくとも50の連続的に番号が付けられた干渉層を含んでよく、各層は比較的薄くてもよく(例えば、約200nm未満の平均厚さを有する)、適合曲線は、層数の関数としての(例えば、図3の曲線300)層厚さプロファイル反射型偏光子1110に適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm/層未満である。
第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104は、ガラス又はポリマー材料を含み得る。第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104に適したポリマー材料は、例えば、アクリルポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート)、環状オレフィンコポリマー、ポリカーボネート及びこれらの組み合わせなどの透明な光学ポリマーを含む。いくつかの例では、第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104は、日立化成株式会社(日本、東京)から「OPTOREZ OZ−1330」シリーズのポリマーとして取引上の表示で市販されているアクリルポリマーのような熱可塑性アクリルポリマーを使用する射出成形によって形成され得る。いくつかの例では、第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104を、2つのプリズム間の光学変化を減少させるために同じポリマー材料を使用して形成することが望ましいが、しかしながら、他の例では、第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104は、異なる材料を用いて形成し得る。いくつかの例では、第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104は、同様のサイズとすることができるが、他の例では、第1のプリズム1102は、第2のプリズム1104の体積よりも小さい体積を有し得る。いくつかの例では、第1のプリズム1102の体積は、第2のプリズム1104の体積の約半分(又は約60%以下、又は約40%以下)以下であってもよい。第1のプリズム1102のどの部分を除去し得るかの選択は、部分的には、エンベロープ1152内で発生する入射光、透過光及び反射光の光路に依存する。
動作中、光源1150は、中心光線1154を含むエンベロープ1152を有する光ビームを生成する。光源1150からの光は、所定の波長範囲を有する非偏光であってもよい。中心光線1154は、プリズムを透過し、次に約45°の入射角で反射型偏光子1110に入射する入力面1112を通して第1のプリズム1102に入る。その点で、次に中心光線1154は、その光の偏光状態に従って、反射型偏光子1110を透過し、反射型偏光子1110を反射する。例えば、第1の偏光状態(a)(例えば、通過状態)に対応する光は、反射型偏光子1110を通過し、出力面1118に到達する第1の偏光状態(a)を有する透過光線1156として第2のプリズム1104を通って進む。第2の直交する偏光状態(b)(例えば、ブロック/反射)に対応する光は、第2の直交する偏光状態(b)を有する反射光線1158として反射型偏光子1110から反射する。光線1154と反射型偏光子1110との間の入射角度によって、反射光線1158は、反射型偏光子1110で出力面1114の方向に反射する。いくつかの例では、透過光線1156及び反射光線1158は、互いに90°で進行する。
PBS1100は、第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104の出力又は他のうちの面の1つ以上に取り付けられた追加の構成要素(図示せず)を含み得る。加えて、又あるいはPBS1100は、異なる光学系に組み込まれてもよい。種々の構成要素若しくはPBS1100又はPBS1100に結合されたそれらの構成要素は、光学的に透明な接着剤を介して直接接触又は取り付けをすることができるであろう。いくつかの例では、反射型偏光子1110は、光学的に透明な接着剤層を使用して、第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104の一方又は両方に取り付けられる。PBSの設計及びPBSシステムを組み込んだ光学系の更なる例は、米国特許出願第14/865,017号に開示され記載されており、この特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
いくつかの非限定的な例では、PBS1100は、第1のプリズム1102及び第2のプリズム1104、並びに第1のプリズム1102と第2のプリズム1104との間に配設されて接着される(例えば、第1の斜辺1116及び第2の斜辺1120に沿って)反射型偏光子1110を含み得る。このような例では、例えば、所定の波長を有する入射光(例えば光線1154)がPBS1100の入力面1112からPBS1100に入り、反射型偏光子1110に少なくとも1回当たった後にPBS1110の出力面(例えば出力面1118又は1114)を通って出射するときに、入射光(例えば、光線1154)の平均強度に対する出射光(例えば、透過光線1156又は反射光線1158)の平均強度の比は、入射光が第1の偏光状態(a)を有するとき約90%を超えるように、及び入射光が第2の偏光状態(b)を有するとき約0.2%未満であるように、反射型偏光子1110は、第1の偏光状態(a)を有する偏光を実質的に反射することができ、直交する第2の偏光状態(b)を有する偏光を実質的に透過させ得る。
実施例1−複屈折反射型偏光子光学フィルムを、以下のように準備した。2つの多層光学パケットは、ポリエチレンナフタレート(PEN)及び低屈折率の等方性層の325個の交互層から構成される各パケットと共押出しされ、これは屈折率が約1.57であり、一軸方向で実質的に等方性を維持するように、ポリカーボネートとコポリエステル(PC:coPET)とのブレンドを用いて製造され、PC:coPETのモル比は約42.5mol%PC及び57.5mol%coPETであり、そして摂氏105℃のTgを有する。この等方性材料は、2つの非延伸方向における屈折率を伸張させた後、非延伸方向における複屈折材料の屈折率と実質的に整合したままとなるように選択され、一方で延伸方向において、複屈折層と非複屈折層との間には屈折率の実質的な不整合が存在する。PEN及びPC/coPETポリマーは、別個の押出機から多層の共押出フィードブロックに供給され、これらは、合計652層に対して、積層された光学パケットの外側で、PC/coPETのより厚い保護境界層を加えて、325個の交互する光学層(それぞれ「パケット1」及び「パケット2」)のパケットに組み立てられた。
実施例1の高コントラストの反射型偏光子(HCRP)光学フィルム用のこの層プロファイルは、パケット1及びパケット2とともに図9に示されている。最小二乗線形回帰を用いるとパケット1の平均傾斜は約0.17nm/層で、パケット2の平均傾斜は、約0.18nm/層であり、約6%の2つのパケットに対するそれぞれの傾斜に差を示している。実施例1のフィルムは、約63.2μmの静電容量ゲージで測定した結果、得られた全厚さを有した。
実施例1の複数の干渉層のアライメントを評価するために、フィルムの光軸を、フィルムの各主面に入射する直線偏光について決定した。フィルムの光軸は、フィルムの平面内での入射偏光の配向に対応し、これは、最小量の直線偏光がフィルムを通過することを可能にする(例えば、図2の延伸軸120と位置合わせされる)。理想的なシナリオでは、フィルムの光軸は、偏光された光がフィルムに入射する表面とは無関係に同一である。しかしながら、製造プロセスのばらつきや、複数の干渉層の個々の光軸のずれに起因して、フィルムの光軸は、どの表面に偏光された光が入射するかに依存し得る。いくつかの実施例では、複数の層間の位置ずれの程度が大きいほど、フィルムのための光軸の差が大きくなる。2つの表面に対するフィルムの光軸間の差は、いくつかの例では、複数の干渉層間の位置合わせを評価するための測定基準として使用し得る。実施例1のフィルムについての2つの光軸を、直線偏光を使用して2つの表面について測定した。偏光をフィルムの第1の主面に直接投影し、フィルムを通過する偏光の最小量が得られるまでフィルムを回転させた。第1の主面の光軸は、偏光の偏光軸と平行であるとしてマークされた。このプロセスをフィルムの第2の主面に対して繰り返した。実施例1のフィルムに対する第1の主面及び第2の主面に対する光軸間の差は、複数の干渉層間の強い整合を示す0.1度未満であると決定された。
実施例2−光学フィルムが静電容量ゲージで測定したところ、約66.7μmの厚さを有していたことを除いては、複屈折反射型偏光子光学フィルムは、実施例1のフィルムと同じプロセス条件を用いて作製した。
実施例3−複屈折反射型偏光子光学フィルムを、以下のように準備した。2つの多層光学パケットは、90/10coPEN(例えば、90mol%のポリエチレンナフタレート(PEN)及び10mol%のポリエチレンテレフタレート(PET))の325の交互層を備える各光学パケットと、上記実施例1に記載のPC/coPETの低屈折率等方性層と共押出しした。90/10coPEN及びPC/coPETポリマーを分離押出成形機から多層共押出しフィードブロックまで供給し、325個の交互する光学層のパケット、及び積層された光学パケットの外側にcoPENのより厚い保護境界層を加えて全部で652層に組み立てた。このフィルムは、約63.2μmの静電容量ゲージで測定した結果、得られた物理的全厚さを有していた。
下記の表1は、実施例1から実施例3の光学フィルムについて、450〜650nmの可視スペクトル範囲での第1の偏光状態(a)及び第2の偏光状態(b)(例えば、通過軸及びブロック軸)に関する比較による平均透過プロファイルを提供し、市販の吸収偏光子(AP)及び反射型偏光子(RP)、及び文献に参照されたものと比較している。
下記の表2は、表1の値を基準として、例示的なフィルム1から3について計算された第1の偏光状態(a)及び直交する第2の偏光状態(b)における透過率及び反射率値を表す。これらの値は、フィルム層による吸収に関連する光エネルギーの無視できる損失を仮定して計算される。
図12は、本明細書に記載の、従来の反射型偏光子と比較した例示的な反射型偏光子フィルム用の例示的な厚さプロファイル(層厚さ対層数)のプロットである。フィルムは、以下の表3に記載されている。フィルム1206及びフィルム1208は、3M社(ミネソタ州セントポール)から入手可能な市販の多層反射型偏光子フィルムを表す。フィルム1210は、275層を有する代表的な従来の偏光フィルムであり、これは最大厚さ対最小厚さが2.2の比を有し、厚さは、その特許に記載されるように連続的に変化する。ライン1202及びライン1204は、それぞれ、HCPRの実施例1における第1及び第2の光学積層体/パケットに対応する。層厚さプロファイルは、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して測定された。
以下の表4は、図12に示すフィルム/パケット1202−1208のそれぞれについて、最も高い勾配領域と最低勾配領域との間の計算された差を表す。所与の領域のそれぞれの傾きは、25層の範囲にわたる最小二乗線形回帰を使用して決定された。
実施例4−実施例1、実施例2及び実施例3に関して記載したのと同様の製造プロセスを用いて光学フィルムを作製した。実施例1、実施例2及び実施例3よりも低い傾斜/層プロファイルを利用する別の層厚さプロファイルを実施した。特に、2つの多層光積層体/パケットは、ポリエチレンナフタレート(PEN)のHIR層と、LIR等方性層の325の交互層を含む各々と共押出しされ、LIR等方性層は、20重量%のPETg(イーストマン・ケミカルズ社、テネシー州ノックスビル)と80重量%のXylex(Sabic社、テキサス州ヒューストン)とのブレンドで製造され、ポリカーボネートとコポリエステルの合金であった。LIR層の屈折率は約1.57であり、一軸方向時に実質的に等方性を維持した。この等方性材料は、延伸後、延伸方向のその屈折率が、実質的に変化せず、延伸されていない方向のHIR層の屈折率と類似するように選択され、一方で、延伸方向におけるHIR層の屈折率は、同一の方向におけるLIR層の屈折率と実質的に不一致であった。HIR層及びLIR層の材料は、多層共押出フィードブロックを供給する別の押出機から供され、これらは325個の交互する光学層の2つのパケットへと組み立てられ、各パケットの各側に等方性LIR材料でできた厚い保護境界層を加え、合計で653層であり、積層された光学パケットの間のスペーサ層は、光学的及び機械的に単一層であると考えられる。第1のパケット(例えば、「パケット1」)は、比較的薄い交互するHIR/LIR層から構成され、一方で、第2のパケット(例えば、「パケット2」)は、比較的厚い交互するHIR/LIR層から構成され、それぞれ約390nm〜約620nm及び約600nm〜約900nmの所定の波長範囲に対応する。フィルムは、米国特許第6,916,440号に記載されているように、放物線状テンター内で延伸され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。フィルムは、約316°F(例えば、158℃)の温度で延伸された。フィルムは、横方向に約6:1の比で延伸され、機械の方向に約0.46:1の比で延伸され、すなわちフィルムは機械方向に弛緩される。
図13は、AFMから得られた実施例4の光学フィルムの層厚さプロファイルのプロットを示す。最小二乗線形回帰を用いて、パケット1の平均傾斜は、約0.104nm/層で計算され、パケット2の平均傾斜は、約0.141nm/層で計算された。実施例4のフィルムは、約65.7μmの静電容量ゲージで測定した結果、得られた全厚さを有した。450〜650nmの波長範囲にわたって評価された平均通過状態透過率(Ta)は約89.1%であり、平均ブロック/反射状態透過率(Tb)は、約0.057%であった。
図14は、実施例4のフィルムに対するブロック状態透過率(Tb)を375〜850nmの波長範囲にわたるプロットを示す。
実施例5−以下の表5は、実施例における市販のRP2及びRP3と比較した、上述した実施例1及び実施例4の光学フィルムに対するΔn
x/K比を示す。ここに示すように、実施例1及び実施例4の光学フィルムの各それぞれのパケットは、1.2を超えるΔn
x/K比を示し、一方で、実施例における市販のRP2及びRP3は、1未満のΔn
x/K比を示す。
実施例6−以下の表5は、実施例1の光学フィルムの光学密度、光学的パワー、及び他の光学特性を示す。また、表5には、従来の反射型偏光子フィルムの24の比較試料について得られた結果も含まれている。比較サンプルは、市販されているか、又は文献に開示された技術のいずれかを用いて得られた種々の偏光子フィルムに対応する。表6に列挙されたフィルムの合計層数に対する層当たりの光学的パワーは、図15中にプロットされている。図15にて示すように、実施例1及び実施例4の光学フィルムは、各々(−0.0012
*N+1.46)を超える層当たりの光学的パワーを示す(線で図示)。
実施例7−比較ディスプレイアセンブリの調査は、iPad4(アップル社、カリフォルニア州クパチーノ)のLCDディスプレイを使用して実施した。3つの反射型偏光子は、後方の反射型偏光子(例えば、ディスプレイアセンブリ700における光学フィルム702の位置)としてディスプレイアセンブリで試験を行った。試験した反射型偏光子は、ポリビニルアルコールタイプの吸着偏光子(「比較AP/RPフィルム」)にラミネートされたiPad4のストックRPフィルム、RP(「比較RPフィルム」)が存在しないiPad4のストックRPフィルム、及び実施例1の高コントラスト反射型偏光子光学フィルムを含んだ。偏光子光学フィルムをLCDディスプレイに接着するために使用される接着剤は、ミネソタ州セントポールの3M社から入手可能な、透明なOCA8171であった。試験に使用された光源は、iPad4装置に備えた輝度向上フィルム(例えば、プリズムフィルム/拡散シート)を具備するストックバックライトである。
3つの異なるディスプレイアセンブリの光学性能は、市販のコノスコープELDIM L80(ELDIM SA社、フランス、エルヴィルサンクレール)を使用して試験した。ディスプレイアセンブリの輝度及びコントラストの結果は、比較AP/RPフィルムに関して規格化された値とともに表7に示される。結果を示す。実施例1の光学フィルムは、比較AP/RPフィルム及びRPフィルムの両方と比較して、優れた輝度を示した。加えて、実施例1の光学フィルムは、ストックの比較RPフィルム単独よりはるかに大きいコントラスト比を示したが、これは、ディスプレイアセンブリ中に後方のAP層が存在しないにもかかわらず、比較AP/RPのコントラスト比に匹敵するものであった。
第1項:一例において、複数の干渉層を含む光学フィルムであって、各干渉層は主に光干渉によって光を反射又は透過し、干渉層の総数は約1000未満であり、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層は、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、直交する第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有する。
第2項:第1項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第1の偏光状態に対して約90%を超える平均光透過率を有する。
第3項:第1項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第1の偏光状態に対して約95%を超える平均光透過率を有する。
第4項:第1項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第1の偏光状態に対して約98%を超える平均光透過率を有する。
第5項:第1項から第4項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第2の偏光状態に対して約0.15%未満の平均光透過率を有する。
第6項:第1項から第5項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第2の偏光状態に対して約0.10%未満の平均光透過率を有する。
第7項:第1項から第6項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約10度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、複数の干渉層は、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有する。
第8項:第1項から第7項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約20度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、複数の干渉層は、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有する。
第9項:第1項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約30度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、複数の干渉層は、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有する。
第10項:一例においては、光学フィルムが複数の干渉層を含み、各干渉層は主に光干渉によって光を反射又は透過し、干渉層の総数は約1000未満であり、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、光学フィルムは、第1の偏光状態に対して平均光透過率Ta及び平均光反射率Ra、直交する第2の偏光状態に対して平均光透過率Tb及び平均光反射率Rbを有し、Tb/Rbは約0.002未満であり、Ra/Taは約0.17未満である。
第11項:第10項の光学フィルムのいくつかの例では、Ta/Tbは、約425を超える。
第12項:第10項又は第11項の光学フィルムのいくつかの例では、Rb/Raは、約6.7を超える。
第13項:第10項から第12項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層のTaは、所定の波長範囲で約90%を超える。
第14項:第10項から第13項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層のTaは、所定の波長範囲で約95%を超える。
第15項:第10項から第14項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層のTaは、所定の波長範囲で約98%を超える。
第16項:第10項から第15項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Tbは所定の波長範囲内で約0.15%未満である。
第17項:第10項から第16項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Tbは所定の波長範囲内で約0.10%未満である。
第18項:第10項から第17項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約10度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、Taは約85%を超え、Rbは約80%を超え、Tbは約0.2%未満である。
第19項:第10項から第18項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約20度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、Taは約85%を超え、Rbは約80%を超え、Tbは約0.2%未満である。
第20項:第10項から第19項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約30度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、Taは約85%を超え、Rbは約80%を超え、Tbは約0.2%未満である。
第21項:第1項から第20項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは2つの干渉層の間に配設された少なくとも1つの非干渉層を含み、少なくとも1つの非干渉層の各々は主に光干渉によって光を反射又は透過しない。
第22項:第21項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、少なくとも1つの非干渉層の各々の平均厚さは、所定の波長範囲内の最大波長の少なくとも10倍である。
第23項:第21項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、少なくとも1つの非干渉層の各々の平均厚さは、所定の波長範囲内の最大波長の少なくとも50倍である。
第24項:第1項から第23項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲は約400nm〜約700nmである。
第25項:第1項から第24項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲は約400nm〜約700nm、及び約800nm〜約1300nmである。
第26項:第1項から第25項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、干渉層の総数は約900未満である。
第27項:第1項から第26項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、干渉層の総数は約800未満である。
第28項:第1項から第27項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは約60μm未満の厚さを有する。
第29項:第1項から第28項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、複数の交互する高屈折率の第1の層及び低屈折率の第2の層を含む。
第30項:一例において、光学フィルムはN個の連続的に番号が付けられた層を含み、Nは200超で1000未満の整数であり、各層は約200nm未満の平均厚さを有し、適合曲線は層数の関数としての各層の厚さをプロットする層厚さプロファイルに適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm/層未満であり、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、光学フィルムは、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、及び直交する第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率を有する。
第31項:一例において、光学フィルムはN個の連続的に番号が付けられた層を含み、Nは200を超える整数であり、10%未満の層は約200ナノメートル(nm)を超える平均厚さを有し、適合曲線は層数の関数としての光学フィルムの層厚さに適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm未満である。
第32項:第31項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層における少なくとも1つの番号が付けられた層の平均厚さは、N個の連続的に番号が付けられた層における少なくとも1つの他の番号が付けられた層の平均厚さよりも少なくとも30%未満である。
第33項:第30項又は第32項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第34項:第30項から第33項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムはN個の連続的に番号が付けられた層における2つの連続的に番号が付けられた層間に配設された少なくとも1つのスペーサ層を含み、少なくとも1つのスペーサ層における各スペーサ層は約500nmを超える平均厚さを有する。
第35項:第30項から第34項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムはN個の連続的に番号が付けられた層における2つの連続的に番号が付けられた層間に配設された少なくとも1つのスペーサ層を含み、少なくとも1つのスペーサ層における各スペーサ層は、所定の波長範囲内の最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第36項:第30項から第35項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムはN個の連続的に番号が付けられた層における2つの連続的に番号が付けられた層間に配設された少なくとも1つのスペーサ層を含み、少なくとも1つのスペーサ層における各スペーサ層は、所定の波長範囲内の最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有する。
第37項:第30項から第36項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層における少なくとも1つの層の平均厚さは約50nm未満であり、N個の連続的に番号が付けられた層における少なくとも1つの他の層の平均厚さは約100nm超である。
第38項:第30項から第37項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層は連続的に配設される。
第39項:第30項から第38項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第40項:第30項から第39項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層は、複数の交互する高屈折率の第1の層及び低屈折率の第2の層を備える。
第41項:一例において、光学フィルムは1からNまで連続的に番号が付けられた複数の層を含み、Nは50超で1000未満の整数であり、光学フィルムは所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、所定の波長範囲内で直交する第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射し、適合曲線は層数の関数としての光学フィルムの層厚さに適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域において、適合曲線の最大傾斜と最小傾斜との差は約0.70nm/層未満であり、最大傾斜及び最小傾斜は、各々、25から50の隣接する層のいずれかのグループにわたって評価される。
第42項:第41項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の層中の各層は、約200nm未満の平均厚さを有する。
第43項:第41項又は第42項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の層における番号が付けられた層は、連続的に配設される。
第44項:第41項から第43項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲において実質的な垂直入射光に対して、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm未満である。
第45項:第41項から第44項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第46項:第41項から第45項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは1個からN個の連続的に番号が付けられた複数の層における2つの連続的に番号が付けられた層間に配設されたスペーサ層を含み、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第47項:第46項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有する。
第48項:第41項から第47項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、1個からN個の連続的に番号が付けられた複数の層における少なくとも1つの層の平均厚さは約50nm未満であり、1個からN個の連続的に番号が付けられた複数の層における少なくとも1つの層の平均厚さは約100nm超である。
第49項:第41項から第48項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層は、複数の交互する高屈折率の第1の層及び低屈折率の第2の層を含む。
第50項:一例において、光学フィルムは、所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、所定の波長範囲内で直交する第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射し、光学フィルムは、N層の積層体を含み、Nは50超で1000未満の整数であり、N層の積層体において連続的に配設された層の複数の重複しないグループに対して、各グループにおける層は1からmまでの番号を付けられ、mは25を超え、各重複しないグループに対して、適合曲線は層数の関数としてのグループの層厚さに適用される最良適合回帰であり、グループ内の第1の層からグループ内の第mの層まで延びる領域において、適合曲線は、複数の重複しないグループにおける適合曲線の平均傾斜間の最大差が0.70nm/層未満であるような平均傾斜を有する。
第51項:第51項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N層の積層体における少なくとも1つの層の平均厚さは、N層の積層体おける少なくとも1つの他の層の平均厚さよりも少なくとも30%未満である。
第52項:第51項又は第52項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第53項:第50項から第52項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N層の積層体における少なくとも1つの層の平均厚さは、約50nm未満であり、N層の積層体における少なくとも1つの他の層の平均厚さは約100nmを超える。
第54項:一例においては、光学フィルムは、複数の交互する第1の層及び第2の層を含み、各第1の層及び各第2の層は主に光干渉によって光を反射又は透過し、第1の層及び第2の層の各々の総数は、400未満で、かつ100を超え、隣接する第1の層及び第2の層の各対に対して、第1の層の平面内において、第1の層はx方向に沿って最大屈折率n1xを有し、第2の層はx方向に沿って屈折率n2xを有し、n1xとn2xとの差は約0.24を超え、第1の層のx方向の最大角度範囲は、約2度未満である。
第55項:第54項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の交互する第1の層及び第2の層は、連続的に配設される。
第56項:第54項又は第55項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の交互する第1の層及び第2の層は、連続的に配設された合計N個の層を含み、光学フィルムは所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、及び所定の波長範囲内で第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射し、適合曲線は、層数の関数としての光学フィルムの層厚さに適用される最良適合回帰であり、したがって、第1の層から第Nの層まで延びる領域には、約0.2nm/層数未満の傾斜が含まれる。
第57項:第54項から第56項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第58項:第54項から第57項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の交互する第1の層及び第2の層の各層は、1層当たり約200nm未満の平均厚さを有する。
第59項:第54項から第58項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の交互する第1の層及び第2の層は、少なくとも2つの積層体を含み、各々が複数の交互する第1の層及び第2の層を含み、光学フィルムは更に2つの積層体同士の間に配設されたスペーサ層を含み、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第60項:第59項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有する。
第61項:第54項から第60項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の交互する第1の層及び第2の層における少なくとも1つの層の平均厚さは約50nm未満であり、複数の交互する第1の層及び第2の層における少なくとも1つの他の層の平均厚さは約100nmを超える。
第62項:一例において、光学フィルムは、複数の交互する高屈折率及び低屈折率の干渉層を含み、各干渉層は主に光干渉によって光を反射又は透過し、干渉層の総数は300超であり、光学フィルムの干渉層当たりの光学的パワーは約0.7超である。
第63項:第62項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層の総数は、1000未満である。
第64項:第62項又は第63項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層は少なくとも2つの積層体を含み、各々は高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層を含み、光学フィルムは更に2つの積層体同士の間に配設されたスペーサ層を含み、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第65項:第62項から第64項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有する。
第66項:第62項から第65項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の交互する高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層における少なくとも1つの層の平均厚さは、約50nm未満であり、複数の交互する高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層における少なくとも1つの他の層の平均厚さは、約100nm超である。
第67項:一例において、光学フィルムは複数の交互する高屈折率及び低屈折率の干渉層を含み、各干渉層は主に光干渉によって光を反射又は透過し、複数の干渉層の干渉層当たりの光学的パワーは、−0.0012*N+1.46を超え、Nは、交互する高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層の総数であり、Nは100超で、かつ1000未満である。
第68項:第67項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層の総数は、1000未満である。
第69項:第67項又は第68項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層は少なくとも2つの積層体を含み、各々は高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層を含み、光学フィルムは更に2つの積層体同士の間に配設されたスペーサ層を含み、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第70項:第69項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有する。
第71項:第67項から第70項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の交互する高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層における少なくとも1つの層の平均厚さは、約50nm未満であり、複数の交互する高屈折率の干渉層及び低屈折率の干渉層における少なくとも1つの他の層の平均厚さは、約100nm超である。
第72項:一例において、光学フィルムは、主に光干渉によって光を反射し、透過する複数の干渉層を含み、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層が第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、直交する第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射し、約2.5超の平均光密度を有し、複数の干渉層は複数の光学積層体に分割され、隣接する光学積層体の各対は主に光干渉によって光を反射又は透過しない1つ以上のスペーサ層によって分離され、各光学積層体は、所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも50%を透過し、所定の波長範囲内で第2の偏光状態を有する光の少なくとも50%を反射し、各光学積層体における干渉層は、順番に番号が付けられ、各光学積層体は光学積層体の厚さを干渉層数と関係づける最良適合線形方程式を有し、線形方程式は、積層体内の第1の干渉層から積層体内の最後の干渉層まで延びる領域内の平均傾斜を有し、複数の光学積層体にかかる線形方程式の平均傾斜間の最大差は、約20%未満である。
第73項:第72項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、各光学積層体は複数の干渉層の少なくとも50の干渉層を含む。
第74項:第72項又は第73項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは複数の干渉層の1000層よりも少ない層を含む。
第75項:第72項から第74項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、1つ以上のスペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第76項:第72項から第75項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、1つ以上のスペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有する。
第77項:第72項から第76項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層における少なくとも1つの層の平均厚さは約50nm未満であり、複数の干渉層における少なくとも1つの他の層の平均厚さは約100nmを超える。
第78項:一例において、光学フィルムは所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、所定の波長範囲内で直交する第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射する光学フィルムであって、100以上かつ400以下の連続的に配設された単位セルを含み、各単位セルは低屈折率の第1の層及び隣接する高屈折率の第2の層を含み、各単位セルに対する高屈折率と低屈折率との差は約0.24を超え、各単位セルは、所定の波長範囲における異なる中心波長の半分に等しい合計光学厚さを有し、連続的に配設された単位セル内の隣接する単位セルの対の少なくとも80%の各々に対して、隣接する単位セルの中心波長の平均に対する隣接する単位セルの中心波長の差の比は、約2%未満である。
第79項:第78項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、連続的に配設された単位セルにおける少なくとも1つの層の平均厚さは、連続的に配設される単位セルにおける少なくとも1つの他の層の平均厚さよりも少なくとも30%未満である。
第80項:第78項又は第79項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、連続的に配設された単位セルは合計N個の連続的に配設された層を含み、N個の連続的に配設された層の各層は約200nm未満の平均厚さを有し、適合曲線は層数の関数としての光学フィルムの層厚さに適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm未満であり、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、光学フィルムは、第1の偏光状態に対して約80%を超える平均光透過率、及び直交する第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率を有する。
第81項:第78項から第80項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第82項:第78項から第81項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に配設された層の積層体における少なくとも1つの層の平均厚さは約50nm未満であり、N個の連続的に配設された層における少なくとも1つの他の層の平均厚さは約100nm未満である。
第83項:一例において、光学フィルムは、所定の波長範囲において主に光干渉によって光を反射又は透過する複数の干渉層を含み、干渉層の屈折率間の最大差はΔnであり、適合曲線は層数の関数としての光学フィルムの層厚さに適用される最良適合回帰であり、適合曲線は、複数の干渉層を横切って延びる領域内の平均傾斜Kを有し、Δn/Kは、約1.2を超える。
第84項:第83項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Δn/Kは、約1.5を超える。
第85項:第83項又は第84項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲において約2.0を超える光学密度を有する。
第86項:第83項から第85項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲において約3.0を超える光学密度を有する。
第87項:第83項から第86項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲において約3.0を超える光学密度を有する。
第88項:第83項から第87項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Δnは、約0.24を超える。
第89項:第83項から第88項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、合計N個の連続的に配設された層を含み、Nは1000未満であり、N個の連続的に配設された各層は、約200nm未満の平均厚さを有し、適合曲線は層数の関数としての光学フィルムの層厚さに適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm未満であり、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、光学フィルムは、第1の偏光状態に対して約80%を超える平均光透過率、及び直交する第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率を有する。
第90項:第89項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第91項:第89項又は第90項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に配設された層における少なくとも1つの層の平均厚さは、約50nm未満であり、N個の連続的に配設された層における少なくとも1つの他の層の平均厚さは約100nmを超える。
第92項:第83項から第91項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは複数の干渉層のうち2つの層の間に配設されたスペーサ層を含み、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第93項:第92項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、スペーサ層は、所定の波長範囲における最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有する。
第94項:一例において、光学フィルムは、第2の所定の波長範囲ではなく、第1の所定の波長範囲において光を透過又は反射するように最適化されたMaの連続的に配設された第1の単位セルであって、各々が第1の高屈折率層と第2の低屈折率層とを含む第1の単位セルと、第1の所定の波長範囲ではなく、第2の所定の波長範囲において光を透過又は反射するように最適化されたMbの連続的に配設された第2の単位セルであって、各々が第3の高屈折率層と第4の低屈折率層とを含む第2の単位セルと、を含み、Maの連続的に配設された第1の単位セルに対して、第2の低屈折率層の屈折率の平均に対する第1の高屈折率層の屈折率の平均の比×Maは、約300を超え、Mbの連続的に配設された第2の単位セルに対して、第4の低屈折率層の屈折率の平均に対する第3の高屈折率層の屈折率の平均の比×Mbは、約300を超え、約0度から約30度の任意の入射角度で光学フィルムに入射する光は、第1の所定の波長範囲及び第2の所定の波長範囲内の任意の波長を有し、第1の偏光状態に対する光学フィルムの平均光透過率Ta対、直交する第2の偏光状態に対する光学フィルムの平均光透過率Tbの比は、約1000:1以上である。
第95項:第94項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、第1の所定の波長範囲及び第2の所定の波長範囲は、電磁スペクトルのそれぞれ可視及び赤外範囲内にある。
第96項:第94項又は第95項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、第1の所定の波長範囲は約400nm〜約700nmである。
第97項:第94項から第96項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、第2の所定の波長範囲は約800nm〜約1300nmである。
第98項:第94項から第97項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Maの連続的に配設された第1の単位セル及びMbの連続的に配設された第2の単位セルは、各々、合計約400未満の干渉層を含み、各干渉層は約200nm未満の平均厚さを有し、適合曲線は層数の関数としてのMaの連続的に配設された第1の単位セルの層厚さに適用される最良適合回帰であり、第1の干渉層から(2*Ma)層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm/層未満であり、第1の所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対し、光学フィルムは、第1の偏光状態に対して約80%を超える平均光透過率、及び直交する第2の偏光状態に対し約80%を超える平均光反射率を有する。
第99項:第94項から第98項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第100項:第94項から第99項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Maの連続的に配設された第1の単位セルにおける少なくとも1つの干渉層の平均厚さは、約50nm未満であり、Maの連続的に配設された第1の単位セルにおける少なくとも1つの他の干渉層の平均厚さは約100nmを超える。
第101項:第94項から第100項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムはMaの連続的に配設された第1の単位セルとMbの連続的に配設された第2の単位セルとの間に配設されたスペーサ層を含み、スペーサ層は、第1及び第2の所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第102項:第101項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、スペーサ層は、第1及び第2の所定の波長範囲における最大波長の少なくとも50倍である平均厚さを有する。
第103項:第30項から第100項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、光学フィルムは、第1の偏光状態に対して平均光透過率Ta及び平均光反射率Ra、並びに直交する第2の偏光状態に対して平均光透過率Tb及び平均光反射率Rbを有し、Tb/Rbは約0.002未満であり、Ra/Taは約0.17未満である。
第104項:第103項の光学フィルムのいくつかの例では、Ta/Tbは、約425を超える。
第105項:第103項又は第104項の光学フィルムのいくつかの例では、Rb/Raは、約6.7を超える。
第106項:第103項から第105項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲は約400nm〜約700nmである。
第107項:第103項から第106項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲は約400nm〜約700nm、及び約800nm〜約1300nmである。
第108項:第103項から第107項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、層に対するTaは、所定の波長範囲で約90%を超える。
第109項:第103項から第108項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、層に対するTaは、所定の波長範囲で約95%を超える。
第110項:第103項から第109項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、層に対するTaは、所定の波長範囲で約98%を超える。
第111項:第103項から第110項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Tbは所定の波長範囲内において約0.15%未満である。
第112項:第103項から第111項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Tbは所定の波長範囲内において約0.10%未満である。
第113項:第103項から第112項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約10度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、Taは約85%を超え、Rbは約80%を超え、Tbは約0.2%未満である。
第114項:第103項から第113項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約20度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、Taは約85%を超え、Rbは約80%を超え、Tbは約0.2%未満である。
第115項:第103項から第114項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲で約30度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、Taは約85%を超え、Rbは約80%を超え、Tbは約0.2%未満である。
第116項:第30項から第115項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは約60μm未満の厚さを有する。
第117項:第30項から第116項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、層は、複数の交互する高屈折率の第1の層及び低屈折率の第2の層を含む。
第118項:第30項から第117項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、層の総数は約900未満である。
第119項:第30項から第118項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、層の総数は約800未満である。
第120項:第1項から第119項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは1000:1を超えるコントラスト比を有する。
第121項:第1項から第120項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲において光学フィルムは約2.0を超える光学密度を有する。
第122項:第1項から第121項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは、干渉層当たり約0.7を超える光学的パワーを有する。
第123項:第1項から第122項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲は、約430nm〜約465nm、490nm〜約555nm、及び約600nm〜約665nmの3つの所定の波長範囲を含む。
第124項:第1項から第123項のいずれかに記載の光学フィルムのいくつかの例においては、交互する高屈折率の第1の層及び低屈折率の第2の層は、第1の偏光状態に対応する軸に対して約0.24を超える屈折率間の差を規定する。
第125項:第124項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、交互する高屈折率の第1の層と低屈折率の第2の層との屈折率間の最大差はΔnであり、適合曲線は、層数の関数としての光学フィルムの層厚さに適用される最良適合回帰であり、適合曲線は、複数の干渉層を横切って延びる領域内の平均傾斜Kを有し、Δn/Kは、約1.2を超える。
第126項:第125項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、Δn/Kは、約1.5を超える。
第127項:一例において、ディスプレイアセンブリは、光源と、液晶ディスプレイアセンブリと、液晶表示アセンブリと光源との間に配設された前項のいずれかに記載の光学フィルムとを備える。
第128項:第127項のディスプレイアセンブリのいくつかの例において、光源は光学フィルムに向かう光を方向付けるように構成された光ガイドを含み、液晶ディスプレイアセンブリは液晶層及び吸収型偏光子を含み、液晶層は光学フィルムと吸収型偏光子との間に配設される。
第129項:第127項又は第128項のディスプレイアセンブリのいくつかの例において、ディスプレイアセンブリは液晶層と光学フィルムとの間の吸収型偏光子フィルムを含まない。
第130項:第127項又は第128項のディスプレイアセンブリのいくつかの例において、ディスプレイアセンブリは更に、液晶層と光学フィルムとの間に配設された吸収型偏光子を含む。
第131項:一例において、ディスプレイアセンブリは、光源と、光源によって照射されるように構成された液晶層と、ディスプレイアセンブリの軸方向に輝度を増加させるために、光源と液晶層との間に配設された1つ以上の輝度向上フィルムと、1つ以上の輝度向上フィルムと液晶層との間に配設され、第1の偏光状態を有する光を実質的に透過し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射するように構成された反射型偏光子とを、含み、反射型偏光子は、第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有し、光源と液晶層との間には吸収型偏光子は配設されず、第2の偏光状態に対する比較ディスプレイアセンブリの反射型偏光子の平均透過率が約1.0%超であることを除いては、ディスプレイアセンブリのコントラスト比は同じ構造を有する比較ディスプレイアセンブリのコントラスト比の少なくとも2倍である。
第132項:第131項のディスプレイアセンブリのいくつかの例において、反射型偏光子は、第1項から第126項のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む。
第133項:一例において、ディスプレイアセンブリは、光源と、光源によって照射されるように構成された液晶層と、ディスプレイアセンブリの軸方向に輝度を増加させるために、光源と液晶層との間に配設された1つ以上の輝度向上フィルムと、1つ以上の輝度向上フィルムと液晶層との間に配設され、主に光干渉によって光を透過又は反射する複数の干渉層を含む反射型偏光子と、を含み、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層が第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、直交する第2の偏光状態を有する光の約0.2%未満を透過し、光源と液晶層との間には吸収型偏光子は配設されない。
第134項:第133項のディスプレイアセンブリのいくつかの例において、反射型偏光子は、第1項から第126項のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む。
第135項:一例において、光学積層体は複数の干渉層を含む反射型偏光子であって、各干渉層が主に光干渉によって光を反射又は透過し、所定の波長を有する実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層は第1の偏光状態に対して約85%を超える光学透過率、直交する第2の偏光状態に対し約80%を超える光学反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.1%未満の光透過率を有する反射型偏光子と、反射型偏光子に結合され、実質的に同一の広がりを有する吸収型偏光子と、を含み、所定の波長を有する実質的な垂直入射光に対して、吸収型偏光子は第1の偏光状態に対して第1の光学透過率を有し、第2の偏光状態に対して約50%を超える光吸収率と、第2の偏光状態に対する第2の光透過率とを有し、第2の光透過率の第1の光透過率に対する比は約0.001を超える。
第136項:第135項に記載の光学積層体のいくつかの例においては、第2の光透過率の第1の光透過率に対する比は約0.01を超える。
第137項:第135項又は第136項に記載の光学積層体のいくつかの例においては、第2の光透過率の第1の光透過率に対する比は約0.1を超える。
第138項:第135項から第137項のいずれか一項に記載の光学積層体のいくつかの例においては、所定の波長は約550nmである。
第139項:第135項から第138項のいずれか一項に記載の光学積層体のいくつかの例においては、反射型偏光子は、第1項から第126項のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む。
第140項:一例において、光軸に中心を有する観察者に物体を表示する光学系であって、非ゼロの光学的パワーを有する少なくとも1つの光学レンズと、光学レンズの第1の主面に配設され光学レンズの第1の主面に適合する反射型偏光子であって、第1の偏光状態を有する光を実質的に透過し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射する反射型偏光子と、光学レンズの異なる第2の主面に配設され光学レンズの異なる第2の主面に適合する部分反射体であって、所定の波長範囲に対して少なくとも30%の平均光反射率を有し、第2の偏光状態を有する光軸に沿った入射光に対する光学系の平均光透過率が約0.1%未満である、部分反射体と、を含む。
第141項:第140項に記載の光学系のいくつかの例においては、反射型偏光子はN個の連続的に番号が付けられた干渉層を含み、ここで、Nは50を超える整数であり、各層は約200nm未満の平均厚さを有し、適合曲線は層数の関数としての各層の厚さをプロットする層厚さプロファイルに適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm/層未満である。
第142項:第140項又は第141項に記載の光学系のいくつかの例においては、反射型偏光子は、第1項から第126項のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む。
第143項:第140項から第142項のいずれかに記載の光学系のいくつかの例においては、少なくとも1つの光学レンズの第1の主面は少なくとも第1の方向に沿って湾曲する。
第144項:第140項から第143項のいずれかに記載の光学系のいくつかの例においては、少なくとも1つの光学レンズの第2の主面は少なくとも第1の方向に沿って湾曲する。
第145項:第140項から第144項のいずれかに記載の光学系のいくつかの例においては、第1の主面及び第2の主面の各々は、相互に直交する2つの方向に沿って湾曲する。
第146項:一例において、偏光ビームスプリッタ(PBS)であって、第1及び第2のプリズムと、第1のプリズム及び第2のプリズムの間に配設され接着された反射型偏光子と、を備え、反射型偏光子は第1の偏光状態を有する偏光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過し、所定の波長を有する入射光がPBSの入力側からPBSに入射し、反射型偏光子に少なくとも1回遭遇した後にPBSの出力側からPBSを出射し、入射光の平均強度に対する出射光の平均強度の比は、入射光が第1の偏光状態を有するとき約90%を超え、入射光が第2の偏光状態を有するとき約0.2%未満である。
第147項:第146項のPBSのいくつかの例において、反射型偏光子はN個の連続的に番号が付けられた干渉層を含み、Nは50を超える整数であり、各層は約200nm未満の平均厚さを有し、適合曲線は層数の関数としての各層の厚さをプロットする層厚さプロファイルに適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm/層未満である。
第148項:第146項又は第147項のPBSのいくつかの例において、反射型偏光子は、第1項から第126項のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む。
第149項:第146項から第148項のいずれか一項に記載のPBSのいくつかの例においては、第1のプリズム及び第2のプリズムのうちの少なくとも1つはポリマーである。
第150項:第146項から第149項のいずれか一項に記載のPBSのいくつかの例においては、所定の波長は約400nm〜約700nmの範囲内である。
第151項:一例において、液晶表示投影システムは、第1項から第126項のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む。
第152項:第151項の液晶ディスプレイ投影システムのいくつかの例において、システムは光学フィルムの隣に位置する1つ以上の光波リターダ層を含み、1つ以上の光波リターダ層は入射光の偏光状態を修正するように構成される。
第153項:第152項の液晶ディスプレイ投影システムのいくつかの例において、少なくとも1つの光波リターダ層は光学フィルムに直接光学的に結合される。
第154項:第152項又は第153項の液晶ディスプレイ投影システムのいくつかの例において、少なくとも1つの光波リターダ層は光学フィルムから離間する。
第155項:一例において、ディスプレイアセンブリは、光源と、光源によって照射されるように構成された液晶層と、第1項から第126項のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む反射型偏光子であって、反射型偏光子に隣接して配設された反射型偏光子と、を含む。
第156項:一例において、光学は、複数の干渉層であって、各々が主に光干渉によって光を反射又は透過する複数の干渉層と、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層が第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率を有するように総数が約800未満の干渉層と、直交する第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率と、第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率とを有する。
第157項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは2つの干渉層同士の間に配設された少なくとも1つの非干渉層を更に含み、少なくとも1つの非干渉層の各々は主に光干渉によって光を反射又は透過しない。
第158項:第157項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、少なくとも1つの非干渉層の各々の平均厚さは、所定の波長範囲内の最大波長の少なくとも10倍である。
第159項:第157項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、少なくとも1つの非干渉層の各々の平均厚さは、所定の波長範囲内の最大波長の少なくとも50倍である。
第160項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲は約400nm〜約700nmである。
第161項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、所定の波長範囲は約400nm〜約700nm、及び約800nm〜約1300nmである。
第162項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、複数の交互する高屈折率の第1の層及び低屈折率の第2の層を備える。
第163項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第1の偏光状態に対して約90%を超える平均光透過率を有する。
第164項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第1の偏光状態に対して約95%を超える平均光透過率を有する。
第165項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第1の偏光状態に対して約98%を超える平均光透過率を有する。
第166項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第2の偏光状態に対して約0.15%未満の平均光透過率を有する。
第167項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は、所定の波長範囲における第2の偏光状態に対して約0.10%未満の平均光透過率を有する。
第168項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは所定の波長範囲で約10度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、複数の干渉層は、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有する。
第169項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは所定の波長範囲で約20度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、複数の干渉層は、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有する。
第170項:第156項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは所定の波長範囲で約30度の入射角で光学フィルムに入射する光に対して、複数の干渉層は、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有する。
第171項:一例においては、光学フィルムは、複数の干渉層を備え、各干渉層が主に光干渉によって光を反射又は透過し、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、光学フィルムは、第1の偏光状態に対して平均光透過率Ta及び平均光反射率Ra、直交する第2の偏光状態に対して平均光透過率Tb及び平均光反射率Rb、約0.002未満のTb/Rb、並びに約0.17未満のRa/Taを有するように、干渉層の総数は約800未満である。
第172項:第171項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の干渉層は連続的に配設される。
第173項:第171項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは更に、複数の干渉層において2つの干渉層同士の間に配設された少なくとも1つの非干渉層を含み、少なくとも1つの非干渉層の各々は主に光干渉によって光を反射又は透過しない。
第174項:第171項の光学フィルムのいくつかの例では、Ta/Tbは、約425を超える。
第175項:第171項の光学フィルムのいくつかの例では、Rb/Raは、約6.7を超える。
第176項:一例において、光学フィルムは、N個の連続的に番号が付けられた層であって、Nが200超で800未満の整数であり、各層が約200nm未満の平均厚さを有する、N個の連続的に番号が付けられた層と、層数の関数としての光学フィルムの厚さに適用される最良適合回帰である適合曲線と、を備え、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、光学フィルムは、第1の偏光状態に対して約85%を超える平均光透過率、直交する第2の偏光状態に対して約80%を超える平均光反射率を有するように、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm未満である。
第177項:第176項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層は連続的に配設される。
第178項:第176項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、最良適合回帰は、最良適合線形回帰、最良適合非線形回帰、最良適合多項式回帰、及び最良適合指数回帰のうち1つ以上である。
第179項:第176項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは、N個の連続的に番号が付けられた層における2つの連続的に番号が付けられた層同士の間に配設されたスペーサ層を更に備え、スペーサ層は所定の波長範囲における最大波長の少なくとも10倍である平均厚さを有する。
第180項:第176項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層における少なくとも1つの層の平均厚さは約50nm未満であり、N個の連続的に番号が付けられた層における少なくとも1つの他の層の平均厚さは約100nm超である。
第181項:一例において、光学フィルムは、N個の連続的に番号が付けられた層であって、Nは200を超える整数であり、各層は約200nm未満の平均厚さを有する、N個の連続する数の層と、層数の関数としての光学フィルムの厚さに適用される最良適合回帰である適合曲線とを備え、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm未満である。
第182項:第181項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムは、N個の連続的に番号が付けられた層における2つの連続的に番号が付けられた層同士の間に配設された少なくとも1つのスペーサ層を更に備え、少なくとも1つのスペーサ層における各スペーサ層は約500nmを超える平均厚さを有する。
第183項:第181項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層は連続的に配設される。
第184項:第181項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、N個の連続的に番号が付けられた層における少なくとも1つの番号が付けられた層の平均厚さは、N個の連続的に番号が付けられた層における少なくとも1つの他の番号が付けられた層の平均厚さの少なくとも30%未満である。
第185項:一例において、光学フィルムは、1からNまで連続的に番号が付けられた複数の層であって、Nは50超で800未満の整数であり、光学フィルムは所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、及び所定の波長範囲内で直交する第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射する複数の層と、層数の関数としての光学フィルムの厚さに適用される最良適合回帰である適合曲線と、を備え、第1の層から第Nの層まで延びる領域において、適合曲線の最大傾斜と最小傾斜との間の差は約0.70nm/層未満である。
第186項:第185項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の層における各層は、約200nm未満の平均厚さを有する。
第187項:第181項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の層において番号が付けられた層は、連続的に配設される。
第188項:一例において、光学フィルムは所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、所定の波長範囲内で直交する第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射し、光学フィルムはN層の積層体を備え、Nは50超で800未満の整数であり、N層の積層体において連続的に配設された層の複数の重複しないグループに対して、各グループにおける層は1からmまでの番号が付けられ、mはN/10を超え、各グループに対して、適合曲線は、層数の関数としてのグループの厚さに適用される最良適合回帰であり、グループ内の第1の層からグループ内の第mの層まで延びる領域において、適合曲線は、複数の重複しないグループにおける適合曲線の平均傾斜間の最大差が0.70nm/層未満であるような平均傾斜を有する。
第189項:一例において、光学フィルムは、複数の交互する第1の層及び第2の層であって、各第1の層及び各第2の層は主に光干渉によって光を反射又は透過し、第1の層及び第2の層の総数は、400未満で、かつ100を超え、隣接する第1の層及び第2の層の各対に対して、第1の層の平面内において、第1の層はx方向に沿って最大屈折率n1xを有し、第2の層はx方向に沿って最大屈折率n2xを有し、n1xとn2xとの間の差は約0.24を超え、第1の層のx方向の最大角度範囲は、約2度未満である。
第190項:第189項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、複数の交互する第1の層及び第2の層は、連続的に配設される。
第191項:一例において、光学フィルムは複数の交互する高屈折率及び低屈折率の干渉層を含み、各干渉層は主に光干渉によって光を反射又は透過し、層の総数は300超であり、干渉層ごとの光学フィルムの光学的パワーは約0.7超である。
第192項:第191項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、干渉層の総数は800未満である。
第193項:一例において、光学フィルムは、複数の交互する高屈折率及び低屈折率の干渉層を含み、各干渉層が主に光干渉によって光を反射又は透過し、複数の干渉層の干渉層当たりの光学的パワーは、−0.0012*N+1.5を超え、Nは干渉層の総数であり、Nは100超で1000未満の整数である。
第194項:一例において、光学フィルムは、主に光干渉によって光を反射し、透過する複数の干渉層を備え、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層は第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、直交する第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射し、約2.5超の平均光密度を有し、複数の干渉層は複数の光学積層体に分割され、隣接する光積層体の各対は主に光干渉によって光を反射又は透過しない1つ以上のスペーサ層によって分離され、各光学積層体は、所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも50%を透過し、また所定の波長範囲内で第2の偏光状態を有する光の少なくとも50%を反射し、各光学積層体における干渉層は、順番に番号が付けられ、各光学積層体は光学積層体の厚さを干渉層数と関係づける最良適合線形方程式を有し、線形方程式は、積層体内の第1の干渉層から積層体内の最後の干渉層まで延びる領域内の平均傾斜を有し、複数の光学積層体にかかる線形方程式の平均傾斜間の最大差は、約20%未満である。
第195項:第194項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、各光学積層体は複数の干渉層の少なくとも50の干渉層を含む。
第196項:一例において、ディスプレイシステムは、光源と、光源によって照射されるように構成された液晶層と、ディスプレイシステムの軸方向に輝度を増加させるために、光源と液晶層との間に配設された1つ以上の輝度向上フィルムと、1つ以上の輝度向上フィルムと液晶層との間に配設され、第1の偏光状態を有する光を実質的に透過し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射するように構成された反射型偏光子と、を備え、反射型偏光子は、第2の偏光状態に対して約0.2%未満の平均光透過率を有し、光源と液晶層との間には吸収型偏光子は配設されず、第2の偏光状態に対する比較ディスプレイシステムの反射型偏光子の平均透過率が約1.0%超であることを除いては、ディスプレイシステムのコントラスト比は同じ構造を有する比較ディスプレイシステムのコントラスト比の少なくとも2倍である。
第197項:一例において、ディスプレイシステムは、光源と、光源によって照射されるように構成された液晶層と、ディスプレイシステムの軸方向に輝度を増加させるために、光源と液晶層との間に配設された1つ以上の輝度向上フィルムと、1つ以上の輝度向上フィルムと液晶層との間に配設され、主に光干渉によって光を透過又は反射する複数の干渉層を有する反射型偏光子と、を備え、所定の波長範囲内の実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層が第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、直交する第2の偏光状態を有する光の約0.2%未満を透過し、光源と液晶層との間には吸収型偏光子は配設されない。
第198項:一例において、光学フィルムは所定の波長範囲内で第1の偏光状態を有する光の少なくとも80%を透過し、所定の波長範囲内で直交する第2の偏光状態を有する光の少なくとも80%を反射する光学フィルムであって、200以上400以下の連続的に配設された単位セルを備え、各単位セルが低屈折率の第1の層及び隣接する高屈折率の第2の層を備え、各単位セルに対する高指数と低指数との差は約0.24を超え、各単位セルは、所定の波長範囲における異なる中心波長の半分に等しい合計光学厚さを有し、連続的に配設された単位セル内の隣接する単位セルの対の少なくとも80%の各々に対して、単位セルの中心波長の平均に対する単位セルの中心波長の差の比は、約2%未満である。
第199項:一例において、光学フィルムは、所定の波長範囲において主に光干渉によって光を反射又は透過する複数の干渉層であって、干渉層の屈折率間の最大差はΔnである複数の干渉層と、層数の関数としての光学フィルムの厚さに適用される最良適合回帰である適合曲線とを備え、適合曲線は、複数の干渉層を横切って延びる領域内の平均傾斜Kを有し、Δn/Kは、約1.2を超える。
第200項:第199項に記載の光学フィルムのいくつかの例において、Δn/Kは約1.5を超える。
第201項:第199項に記載の光学フィルムのいくつかの例において、光学フィルムは所定の波長範囲において約2.0を超える光学密度を有する。
第202項:第199項に記載の光学フィルムのいくつかの例において、光学フィルムは所定の波長範囲において約3.0を超える光学密度を有する。
第203項:一例において、光学フィルムは、第2の所定の波長範囲ではなく、第1の所定の波長範囲において光を透過又は反射するように最適化されたMの連続的に配設された第1の単位セルであって、第1の所定の波長範囲ではなく、第2の所定の波長範囲において光を透過又は反射するように最適化されたNの連続的に配設された第2の単位セルであって、第1の単位セル及び第2の単位セルは低屈折率層及び隣接する高屈折率層を備え、Mの連続的に配設された第1の単位セルに対して、第2の層の屈折率の平均に対する第1の層の屈折率の平均の比×Mは約300を超え、Nの連続的に配設された第2の単位セルに対して、第2の層の屈折率の平均に対する第1の層の屈折率の平均の比×Nは約300を超え、約0度から約30度の任意の入射角度で光学フィルムに入射する光に対して、第1の所定の波長範囲及び第2の所定の波長範囲内の任意の波長を有し、第1の偏光状態に対する光学フィルムの平均光透過率Ta対、直交する第2の偏光状態に対する光学フィルムの平均光透過率Tbの比は、約1000未満である。
第204項:第203項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、第1の所定の波長範囲及び第2の所定の波長範囲は、電磁スペクトルのそれぞれ可視及び赤外範囲内にある。
第205項:一例において、偏光ビームスプリッタ(PBS)は、第1のプリズム及び第2のプリズムの間に配設され接着された反射型偏光子を備え、所定の波長を有する入射光がPBSの入力側からPBSに入射し、反射型偏光子に少なくとも1回遭遇した後にPBSの出力側からPBSを出るときに、入射光の平均強度に対する出射光の平均強度の比は、入射光が第1の偏光状態を有するとき約90%を超えるように、また入射光が第2の偏光状態を有するとき約0.2%未満であるように、反射型偏光子は、第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、対向する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する。
第206項:第205項のPBSのいくつかの例において、第1のプリズム及び第2のプリズムのうちの少なくとも1つはポリマーである。
第207項:第205項のPBSのいくつかの例において、反射型偏光子は、N個の連続的に番号を付けられた層を備え、Nは50を超える整数であり、各層は約200nm未満の平均厚さを有し、適合曲線は、層数の関数としての光学フィルムの厚さに適用される最良適合回帰であり、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm未満である。
第208項:第205項のPBSのいくつかの例において、所定の波長は約400nm〜約700nmの範囲内である。
第209項:第205項のPBSのいくつかの例において、反射型偏光子は、第1項から第208項のいずれかに記載の光学フィルムを含む。
第210項:一例において、光軸に中心を有する観察者に物体を表示する光学系は、非ゼロの光学的パワーを有する1つ以上の光学レンズと、1つ以上の光学レンズの第1の主面に配設され光学レンズの第1の主面に適合する反射型偏光子であって、第1の偏光状態を有する光を実質的に透過し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射する反射型偏光子と、1つ以上の光学レンズの異なる第2の主面に配設され光学レンズの異なる第2の主面に適合する部分反射体であって、所定の波長範囲に対して少なくとも30%の平均光反射率を有し、第2の偏光状態を有する光軸に沿った入射光に対する光学系の平均光透過率が約0.1%未満である、部分反射体と、を含む。
第211項:第210項に記載の光学系のいくつかの例においては、反射型偏光子は、N個の連続的に番号を付けられた層を備え、Nは50を超える整数であり、各層が約200nm未満の平均厚さを有する、N個の連続する数の層と、層数の関数としての光学フィルムの厚さに適用される最良適合回帰である適合曲線と、を備え、第1の層から第Nの層まで延びる領域における適合曲線の平均傾斜は約0.2nm未満である。
第212項:第210項に記載の光学系のいくつかの例においては、少なくとも1つの光学レンズの第1の表面は1つ以上の第1の方向に沿って湾曲する。
第213項:第210項に記載の光学系のいくつかの例においては、1つ以上の光学レンズの第2の表面は少なくとも第1の方向に沿って湾曲する。
第214項:第210項に記載の光学系のいくつかの例においては、第1の主面及び第2の表面の各々は、相互に直交する2つの方向に沿って湾曲する。
第215項:第210項に記載の光学系のいくつかの例においては、反射型偏光子は、第1項から第214項のいずれかに記載の光学フィルムを含む。
第216項:一例において、光学積層体であって、複数の干渉層を含む反射型偏光子を備え、各干渉層が主に光干渉によって光を反射又は透過し、所定の波長を有する実質的な垂直入射光に対して、複数の干渉層は第1の偏光状態に対して約85%を超える光学透過率、直交する第2の偏光状態に対して約80%を超える光学反射率、及び第2の偏光状態に対して約0.1%未満の光透過率を有し、反射型偏光子に結合され、実質的に同一の広がりを有する吸収型偏光子を備え、所定の波長を有する実質的な垂直入射光に対して、吸収型偏光子は第1の偏光状態に対して第1の光学透過率を有し、第2の偏光状態に対して約50%を超える光吸収率と、第2の偏光状態に対する第2の光透過率とを有し、第2の光透過率の第1の光透過率に対する比は約0.001を超える。
第217項:第216項に記載の光学積層体のいくつかの例においては、所定の波長は約550nmである。
第218項:第1項から第217項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムの所定波長範囲は、約430nm〜約465nm、490nm〜約555nm、及び約600nm〜約665nmである。
第219項:第1項から第218項のいずれか一項に記載の光学フィルムのいくつかの例においては、光学フィルムの所定波長範囲は、約400nm〜約430nm、450nm〜約500nm、及び約550nm〜約600nmである。
様々な例について説明した。上記その他の例は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。