JP2020508130A - 手術用補助材保持機構 - Google Patents

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Abstract

補助材は、複数の保持要素を使用して、手術用ステープラなどの手術用ツールのエンドエフェクタ上に解放可能に保持され得る。保持要素は、力が補助材に印加されるまで、機械的な力によって補助材をエンドエフェクタに保持するように構成することができ、この力は、機械的な力に打ち勝って、したがって、補助材をエンドエフェクタから患者の体内に解放することを可能にする。

Description

本開示は、一般に、手術用補助材保持機構に関する。
手術用ステープラは、外科的処置において、組織、血管、導管、シャント、若しくは特定の処置に関連する他の対象物又は身体部位の開口部の閉鎖に使用される。開口部は、血管内又は胃のような内臓内の通路として自然に発生するものもあり、あるいは組織又は血管穿刺でバイパス又は吻合を形成することによって、又はステープル留め処置中の組織切開によってなど、外科的処置中に外科医によって形成されることがある。
ほとんどのステープラは、細長いシャフトを有するハンドルを有し、シャフトはその端部に、その間でステープルを保持して形成するために形成される一対の移動可能な対向するジョーを有する。ステープルは典型的にはステープルカートリッジに収められ、そのステープルカートリッジは、ステープルの複数の列を収納することができ、2つのジョーのうちの一方に、手術部位へのステープルの放出のために配置されることが多い。使用中、ジョーは、ステープル留めされるべき対象物がジョー間に配置されるように位置決めされ、ジョーが閉じて装置が始動されると、ステープルが放出されて形成される。いくつかのステープラは、ステープルカートリッジ内のステープルの列の間を移動し、ステープル留めされた列の間で、ステープル留めされた組織を長手方向に切開及び/又は開口するように構成されたナイフを含む。
手術用ステープラは何年にもわたって改良されてきたが、それ自体にはいまだに多くの問題が存在する。1つの共通問題は、ステープルが、それが配置される組織又は他の対象物を貫通すると、孔を形成するため、漏出が起こり得ることである。血液、空気、消化管液、及び他の液体が、ステープルが完全に形成された後でも、ステープルによって形成された開口部を通してしみ出ることがある。処置される組織は、ステープル留めによる外傷のために炎症を起こすこともある。更に、ステープル留めのような処置と共に植え込みされ得るステープル並びに他の対象物及び材料は、一般に、それらがその中に植え込みされる組織のいくつかの特性を欠いている。例えば、ステープル並びに他の物体及び材料は、それらが植え込まれる組織の自然の柔軟性を欠く場合がある。当業者には、組織内にステープルが配置された後に組織がその自然の特性をできるだけ維持することがしばしば望ましいことが認識されるであろう。
したがって、処置領域の自然特性を実質的に維持する一方で、漏出と炎症を最小にするように、組織、血管、導管、シャント、又は他の対象物若しくは身体部位のステープル留めのための、改良された装置と方法に対する要求が存続する。
概して、手術用補助材保持機構を提供する。
一態様では、手術用ステープラと共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、一実施形態において、その組織対向面上に複数のステープル空洞を有するカートリッジ本体と、内部に着座されたカートリッジ本体を有するトレイと、を含む、ステープルカートリッジアセンブリを提供する。それぞれのステープル空洞は、内部に配置された手術用ステープルを有する。トレイは、カートリッジ本体の長手方向両側に沿って延在するトレイの長手方向両側に複数の保持要素を含む。複数の保持要素は、生物学的適合性の補助材料に解放可能に係合するように構成され、よって、補助材料は、カートリッジ本体の組織対向面に配置され、かつカートリッジ本体からの手術用ステープルの配備によって組織に送達され、したがって、複数の保持要素から解放されるように構成される。
ステープルカートリッジは、様々な形で異なり得る。例えば、複数の保持要素は、それぞれが同じ方向に角度を付けられたフックを含むことができる。
別の例として、複数の保持要素は、カートリッジ本体の長手方向両側に対して実質的に垂直な方向に延在する線形ペグを含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、線形ペグの各々は、補助材料の把持を容易にするように構成された把持機構をその上に含むことができる。
更に別の例として、トレイ及びカートリッジ本体は、互いに対して定位置にあり得る。別の例として、トレイは、カートリッジ本体に対して長手方向に摺動し、したがって、複数の保持要素から補助材料の解放を可能にするように構成することができる。更に別の例として、内部に着座されたカートリッジ本体を有するトレイは、手術用ステープラのジョー内に解放可能に着座されるように構成することができる。更に別の例として、補助材料は、複数のファイバで作製することができる。別の例として、補助材料は、フィルムであってもよく、複数の保持要素の各々は、フィルムを貫通することができる。
別の態様では、手術用器具のためのエンドエフェクタであって、一実施形態において、取り外し可能に取り付けられたカートリッジ本体を有する第1のジョーと、複数のステープルがその組織対向面上に形成された空洞を形成するアンビルを有する第2のジョーと、第1及び第2のジョーのうちの一方にあるリテーナと、を含む、エンドエフェクタを提供する。カートリッジ本体は、ステープル空洞から組織の中へ配備されるように構成されたステープルを内部に着座させるように構成された、複数のステープル空洞を有することができる。第1及び第2のジョーは、それらの間に組織をクランプするように構成される。リテーナは、そこから第1及び第2のジョーのうちの他方に向かう方向に延在する複数の延在部を有する。複数の延在部は、生物学的適合性の補助材料に係合して、補助材料を第1及び第2のジョーのうちの一方に解放可能に保持するように構成される。ステープルの配備は、ステープルに補助材料を貫通させて、補助材料を複数の保持要素から放出させるように構成される。
エンドエフェクタは、あらゆる数の変更例を有し得る。例えば、複数の延在部は、第1及び第2のジョーのうちの一方の長手方向両側の各々に沿って長手方向に配設することができる。別の例として、複数の延在部は、複数のフック及び複数の線形ペグのうちの一方を含むことができる。更に別の例として、補助材料は、複数のファイバで作製することができる。別の例として、補助材料は、フィルムであってもよく、複数の延在部の各々は、フィルムを貫通することができる。
更に別の例として、第1及び第2のジョーのうちの一方が第1のジョーであり得、第1及び第2のジョーのうちの他方が第2のジョーであり得る。少なくともいくつかの実施形態において、リテーナは、カートリッジ本体を内部に着座させるトレイであってもよく、トレイは、第1のジョーのチャネル内に着座させることができる。
更に別の例として、第1及び第2のジョーのうちの一方が第2のジョーであり得、第1及び第2のジョーのうちの他方が第1のジョーであり得る。少なくともいくつかの実施形態において、リテーナは、アンビルに解放可能に結合される。
別の態様では、一実施形態において、手術用ステープラを患者の体内へ前進させることを含む、外科的方法が提供される。手術用ステープラは、その遠位端に一対のジョーを有する。ジョーの一方は、解放可能に結合されたリテーナを有する。リテーナは、そこからジョーの他方に向かって延在する複数の保持要素を有する。複数の保持要素の各々は、補助材料に係合して、機械的保持力によって補助材料をジョーの一方に保持する。また、外科的方法は、組織を一対のジョーに係合することと、組織に係合している手術用ステープラを作動させることと、を含む。作動させることは、複数のステープルに補助材料を貫通させ、手術用ステープラから組織の中へ放出させる。ステープルの放出は、機械的保持力に打ち勝って、ジョーの一方からの補助材料の解放を生じさせる。
外科的方法は、様々な形で異なり得る。例えば、組織に係合することは、一対のジョーの組織対向面の間に組織をクランプすることを含むことができる。別の例として、複数の保持要素は、複数のフック及び複数の線形ペグのうちの一方を含むことができる。更に別の例として、複数の保持要素の各々は、補助材料のファイバに係合することができる。更に別の例として、補助材料は、フィルムであってもよく、複数の保持要素の各々は、フィルムを貫通することができる。
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むことで、より完全に理解されるであろう。
手術用ステープラの一実施形態の斜視図である。 図1の手術用ステープラの遠位部分の分解図である。 図1の手術用ステープラの発射バーの斜視図である。 手術用ステープラの他の実施形態の斜視図である。 手術用ステープラの更に別の実施形態の斜視図である。 リテーナを介して取り外し可能に保持された補助材を有するカートリッジの一実施形態の部分切り取り斜視図である。 図6のカートリッジ及びリテーナの一部分の部分切り取り斜視図である。 図6のカートリッジ、リテーナ、及び補助材の一部分の側面図である。 図6のカートリッジ、リテーナ、及び補助材の一部分の別の側面図である。 リテーナを介してその上に取り外し可能に保持された補助材を有するカートリッジの別の実施形態の部分切り取り斜視図である。 リテーナを介して取り外し可能に保持された補助材を有するカートリッジの更に別の実施形態の部分切り取り斜視図である。 図11のカートリッジ、リテーナ、及び補助材の別の部分切り取り斜視図である。 図11のカートリッジ及びリテーナの側面図である。 その上に取り外し可能に保持された補助材を有するカートリッジの別の実施形態の部分切り取り斜視図である。 図14の組み立て前のカートリッジ及び補助材の一部分の側面図である。 図15の組み立てられたカートリッジ及び補助材の一部分の側面図である。 アンビル及びそこに結合されたリテーナの一実施形態の斜視図である。 図17のアンビル及びリテーナの分解図である。 図18のリテーナの保持要素の斜視図である。 アンビル及びそこに結合されたリテーナの別の実施形態の斜視図である。 図20のアンビル及びリテーナの分解図である。
以下に、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示される装置、システム、及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることが理解されるであろう。1つの典型的な実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
更に、本開示においては、実施形態の同様の参照符合を付した構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の参照符合を付した各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。加えて、開示されるシステム、装置及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、かかる寸法は、かかるシステム、装置及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。システム及び装置、並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくともシステム及び装置が用いられる被験者の解剖学的構造、システム及び装置がそれらと共に用いられる構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及び装置が用いられる方法及び手順によって決まり得る。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、臨床医などのユーザが器具のハンドルを握ることについて使用されることが認識されるであろう。「前方」及び「後方」といった他の空間的用語は、同様に、遠位及び近位にそれぞれ対応する。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」及び「水平」といった空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかしながら、手術用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの空間的用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される切開外科的処置のための装置及び方法を提供し、他の実施形態では、腹腔鏡下、内視鏡的、及び他の低侵襲的外科的処置のための装置及び方法を提供する。これらの装置は、人間のユーザによって直接、又はロボット若しくは類似の操作ツールの直接制御下でリモート発射されてよい。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される様々な方法及び装置が、多数の外科的処置及び用途で用いられ得ることを理解するであろう。本明細書で開示される様々な器具が、例えば、自然開口部を通して、組織に形成された切開又は穿刺孔を通して、又はトロカールカニューレなどのアクセス装置を使用してなどの、何らかの方法で体内へ挿入され得ることを当業者は更に認識するであろう。例えば、これらの器具の作動部分、すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入できる、又は、手術用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを通過させることが可能な作業用チャンネルを有するアクセス装置を介して挿入され得る。
本明細書で「補助材」と総称される、1つ又は2つ以上の生体材料及び/又は合成材料を、手術用器具と共に使用して、外科的処置の改善を支援することは望ましいことであり得る。種々の異なる手術用エンドエフェクタが、補助材の使用によって利益を得ることがあり、いくつかの例示的実施形態では、エンドエフェクタは、手術用ステープラであり得る。手術用ステープラと共に使用されるときには、補助材は、ステープラのジョーの間及び/若しくはその上に配置されるか、ジョーに配置されたステープルカートリッジに組み込まれるか、又は別の方法でステープルの近位に置かれてもよい。ステープルが配備されると、補助材は、ステープルと共に施療部位に残ってもよく、その結果、多くの利益を提供することができる。例えば、補助材は、施療部位における組織を増強して、施療部位において、ステープルにより裂かれ又は引き裂かれるのを防止することができる。組織増強は、組織が病変している、放射線治療など別の処置、化学療法など薬物治療、又は他の組織特性を変更する状況から治癒している場合に、ステープルが組織を裂かないように保つために必要なことがある。いくつかの場合において、補助材は、ステープル留めの後に生じる組織変形(例えば、肺膨張、消化管膨張など)から生じ得る、ステープル穿刺部位及びその付近における組織の移動を最小化して得る。当業者は、ステープル穿刺部位は応力集中部となることがあり、ステープルによって作成された孔の寸法は、その付近の組織が張力下に置かれると、増大することを認識するであろう。これらの穿刺部位付近での組織の移動を制限することは、張力下で増大し得る孔の寸法を最小化できる。いくつかの場合において、補助材は、例えば、シーラント、血液、接着剤など、更に治癒を促進する有益な流体を吸い上げる(wick)、又は吸収するように構成され得る。また、いくつかの場合において、補助材は、分解して、例えば、シーラントなど、更に治癒を促進するゲルを形成するように構成され得る。いくつかの場合には、補助材が、組織、血管、及び種々の他の対象物又は身体部位に植え込みされるときに、ステープルによって形成される孔の封止の支援に使用されてもよい。また、補助材は、補助材に関連付けられた任意のファイバ又はストランドの間隔、配置、及び/又は配向により、組織成長に影響を及ぼしてもよい。
更に、いくつかの状況において、補助材は、ステープルによって印加された圧力を分散させる際に有用であり得、したがって、ステープルが組織を通って引き寄せられ、意図したように組織を締結すること(いわゆる「チーズワイヤリング」)に失敗する可能性を低減する。加えて、補助材は、少なくとも部分的に伸縮可能であり得、したがって、組織の少なくとも部分的な自然な動き(例えば、呼吸中の肺組織の膨張及び収縮)を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、ステープルラインは、例えば、米国特許出願公開第2016/0089142号(発明の名称「Method for Creating a Flexible Staple Line」、2014年9月26日付けで出願)に記載されているように、可撓性であり得る。同文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
手術用ステープル留め器具
様々な手術用器具が、本明細書で開示された補助材及び/又は薬剤と共に使用され得る。「補助材」は、本明細書において、「補助材料」とも呼ばれる。手術用器具は、手術用ステープラを含み得る。様々な手術用ステープラ、例えば、線形手術用ステープラ及び円形ステープラが使用され得る。概して、線形ステープラが、長手方向ステープルラインを作成するように構成されることができ、細長いジョーを含むことができる。このジョーは、それに結合され、長手方向ステープル列を収容しているカートリッジを有する。細長いジョーは、ジョー内に保持された組織に沿って、ステープル列間の切断を形成することができるナイフ又は他の切開要素を含み得る。概して、円形ステープラは、環状ステープルラインを作成するように構成されることができ、環状ステープル列を収容するカートリッジを有する円形ジョーを含むことができる。ジョーは、ジョー内に保持された組織を通る開口部を画定するためのステープル列の内側の切断を形成することができるナイフ又は他の切開円形要素を含み得る。ステープラは、様々な異なる外科的処置において、例えば、胸部手術又は胃部手術において、様々な組織に使用され得る。
図1は、1つ又は2つ以上の補助材及び/又は薬剤との使用に適した線形手術用ステープラ10の一例を示す。ステープラ10は、一般に、ハンドルアセンブリ12と、ハンドルアセンブリ12の遠位端12dから遠位に延在するシャフト14と、シャフト14の遠位端14dにあるエンドエフェクタ30と、を含む。エンドエフェクタ30は、対向する下部及び上部ジョー32、34を有するが、他の種類のエンドエフェクタを、シャフト14、ハンドルアセンブリ12、及びそれらに関連する構成要素と共に使用し得る。図2に示されるように、下部ジョー32は、ステープルカートリッジ40を支持するように構成されたステープルチャネル56(図2を参照されたい)を有し、上部ジョー34は、下部ジョー32に面し、かつステープルカートリッジ40のステープル(ステープルは、図1及び図2において隠れている)を配備するのを支援するように、アンビルとして動作するように構成されたアンビル面33を有する。少なくとも1つの対向する下部及び上部ジョー32、34は、それらの間に配置された組織及び/又は他の物体をクランプするために、他方の下部及び上部ジョー32、34に対して移動可能である。いくつかの実施では、対向する下部及び上部ジョー32、34の一方が、固定されるか、又は別の方法で移動不能であってもよい。いくつかの実施では、対向する下部及び上部ジョー32、34の両方が、移動可能であってもよい。発射システムの構成要素は、ステープルをクランプされた組織内に放出するために、エンドエフェクタ30の少なくとも一部を通って通過するように構成され得る。様々な実装において、ナイフブレード36(図3を参照されたい)又は他の切開要素は、発射システムと関連付けられて、ステープル留め処置中に組織を切開し得る。切開要素は、ステープルを放出するのと同時に、少なくとも部分的に、組織を切開するように構成され得る。いくつかの状況において、これは、ステープルが放出され、組織が固定された後に組織が切開される場合に有利であり得る。したがって、外科的処置が、ジョーの間に捕捉された組織を切断することを必要とする場合は、ステープルがステープルカートリッジ40から放出された後に、ナイフブレード36を前進させて、ジョーの間に把持された組織を切断する。
エンドエフェクタ30の作動は、ハンドルアセンブリ12での、例えば、臨床医、外科医などのユーザからの入力によって開始され得る。ハンドルアセンブリ12は、それに関連付けられたエンドエフェクタ30を扱って操作するように設計された多くの異なる構成を有してもよい。図示した例では、ハンドルアセンブリ12は、その中に配置される様々な機械的及び/又は電気的構成要素を有するピストルグリップ型のハウジング18を有し、器具10の多様な機能を操作する。例えば、ハンドルアセンブリ12は、ハンドルアセンブリ12に対する、シャフト14の長手方向軸Lの周りでのシャフト14及び/又はエンドエフェクタ30の回転を促進し得る、その遠位端12dに隣接して取り付けられた回転ノブ26を含み得る。ハンドルアセンブリ12は、クランプトリガ22によって作動されるクランプシステムの一部としてクランプ構成要素と、発射トリガ24によって作動される発射システムの一部として発射構成要素と、を更に含み得る。クランプ及び発射トリガ22、24は、例えば、トーションばねによって、静止ハンドル20に対して開放位置に付勢され得る。静止ハンドル20に向けたクランプトリガ22の移動は、以下に記載のクランプシステムを作動させることができ、これにより、ジョー32、34を互いに向けて倒させ、したがって、それらの間に組織をクランプすることができる。発射トリガ24の移動は、以下に記載の発射システムを作動させることができ、これにより、その中に配置されたステープルカートリッジ40からステープルを放出させることができ、及び/又は、ナイフブレード36を前進させて、ジョー32、34の間に捕捉された組織を切断することができる。当業者であれば、機械、油圧、空気圧、電気機械、ロボット、又はその他の発射システムの構成要素の様々な構成が、ステープルの放出及び/又は組織の切開に使用され得ることを認識するであろう。
図2に示されるように、図示した実施のエンドエフェクタ30は、カートリッジアセンブリ又はキャリアとして機能する下部ジョー32と、アンビルとして機能する、対向する上部ジョー34と、を有する。内部に複数のステープルを有するステープルカートリッジ40は、ステープルトレイ37内に支持され、次に、ステープルトレイ37は、下部ジョー32のカートリッジチャネル内に支持される。上部ジョー34は、複数のステープル形成ポケット(図示せず)を有し、各ポケットは、ステープルカートリッジ40内に収容される複数のステープルからの対応するステープルの上に位置付けられる。図示した実施では、上部ジョー34は、シャフト14との係合部のすぐ遠位の、ステープルチャネル56の近位端56p内で枢動可能に受け入れられる近位枢動端部34pを有するが、上部ジョー34は、様々な方法で下部ジョー32に接続され得る。上部ジョー34が下向きに枢動すると、上部ジョー34は、アンビル面33を移動させ、その上に形成されたステープル形成ポケットは、対向するステープルカートリッジ40に向けて移動する。
ジョー32、34の開閉をもたらして、これらの間に組織を選択的にクランプするために、様々なクランプ構成要素が使用され得る。図示したように、上部ジョー34の枢動端部34pは、ステープルチャネル56との枢動取り付け部より遠位に閉鎖機構34cを含む。したがって、遠位端部が、閉鎖機構34cと係合する馬蹄形開口部46aを含む閉鎖管46は、クランプトリガ22に応答して、閉鎖管46の近位長手方向運動中に上部ジョー34に対して開放運動、及び、閉鎖管46の遠位長手方向運動中に上部ジョー34に対して閉鎖運動を選択的に加える。上記されたように、様々な実装において、エンドエフェクタ30の開閉は、上部ジョー34に対する下部ジョー32の相対運動、下部ジョー32に対する上部ジョー34の相対運動、又は互いに対する両方のジョー32、34の運動によってもたらされてもよい。
図示した実施の発射構成要素は、図3に示されるように、その遠位端にEビーム38を有する発射バー35を含む。発射バー35は、シャフト14内、例えば、シャフト14の長手方向発射バースロット14s内に包含され、ハンドル12からの発射運動によって誘導される。発射トリガ24の作動は、エンドエフェクタ30の少なくとも一部を通るEビーム38の遠位運動に影響し、したがって、ステープルカートリッジ40内に収容されたステープルを発射させ得る。図示したように、Eビーム38の遠位端から突出しているガイド39は、図2に示されるウェッジスレッド47と係合することができ、このウェッジスレッドが、次に、ステープルカートリッジ40内に形成されたステープル空洞41を通ってステープルドライバ48を押し上げ得る。ステープルドライバ48の上方移動は、カートリッジ40内の複数のステープルのそれぞれに上向きの力を加え、したがって、上部ジョー34のアンビル面33に押し付けてステープルを押し上げ、形成されたステープルを作成する。
ステープルを発射させることに加えて、Eビーム38は、ジョー32、34の閉鎖、ステープルカートリッジ40からの上部ジョー34の引き離し、及び/又は、ジョー32、34間に捕捉された組織の切断を促進するように構成され得る。具体的には、一対の頂部ピン及び一対の底部ピンは、上部及び下部ジョー32、34の一方又は両方と係合して、発射バー35がエンドエフェクタ30を通って前進するときに、ジョー32、34を互いに向けて圧迫し得る。同時に、頂部ピンと底部ピンとの間に延在するナイフ36は、ジョー32、34の間で捕捉された組織を切断するように構成され得る。
使用中、手術用ステープラ10は、カニューレ又はポート内に配置され、手術部位に配置され得る。切開されてステープル留めされる組織は、手術用ステープラ10のジョー32、34の間に置かれてもよい。ステープラ10の機構が、ユーザによって望みどおりに操作され、ジョー32、34に関する手術部位と組織において、ジョー32、34の所望の位置を達成し得る。適切な位置決めを達成した後に、クランプトリガ22を静止ハンドル20に向けて引いて、クランプシステムを作動させ得る。クランプトリガ22は、閉鎖管46が、シャフト14の少なくとも一部を通過して遠位に進んで、ジョー32、34の少なくとも一方を他方に向かって倒し、これらの間に配置された組織をクランプするように、クランプシステムの構成要素を作動させ得る。その後、発射バー35及び/又はEビーム38が、エンドエフェクタ30の少なくとも一部分を通って遠位に進んで、ステープルの発射をもたらし、任意選択的に、ジョー32、34の間に捕捉された組織を切断するように、発射トリガ24を、静止ハンドル20に向けて引いて、発射システムの構成要素を作動させることができる。
線形手術用ステープラ50の形態における手術用器具の別の例を、図4に図示する。ステープラ50は、一般に、図1のステープラ10に類似して構成され、使用され得る。図1の手術用器具10と同様に、手術用器具50は、そこから遠位に延在し、組織を処置するために遠位端にエンドエフェクタ60を有するシャフト54を備えるハンドルアセンブリ52を含む。エンドエフェクタ60の上部及び下部ジョー64、62は、これらの間で組織を捕捉し、下部ジョー62に配置されたカートリッジ66からステープルを発射することによって組織をステープル留めし、及び/又は、組織に切開部を作成するように構成され得る。この実装において、シャフト54の近位端にある取り付け部67は、シャフト54及びエンドエフェクタ60をハンドルアセンブリ52に取り外し可能な取り付けを可能にするように構成され得る。具体的には、取り付け部67の嵌合機構68は、ハンドルアセンブリ52の補助嵌合機構71と嵌合できる。シャフト54をハンドルアセンブリ52に取り外し可能に結合するために、任意の数の補助嵌合機構及び任意の種類の結合を使用できるが、嵌合機構68、71は、例えば、スナップフィット結合、バヨネット式結合などによって互いに結合するように構成され得る。図示した実施のシャフト54の全体は、ハンドルアセンブリ52から分離可能に構成されているが、いくつかの実装において、取り付け部67は、シャフト54の遠位部分のみを取り外すことができるように構成され得る。シャフト54及び/又はエンドエフェクタ60の分離可能な結合は、特定の処置のための所望のエンドエフェクタ60の選択的な取り付け、及び/又は、多数の異なる処置のためのハンドルアセンブリ52の再利用を可能にできる。
ハンドルアセンブリ52は、その上に、エンドエフェクタ60を扱って操作するための1つ又は2つ以上の機構を有していてもよい。非限定例として、ハンドルアセンブリ52の遠位端に取り付けられた回転ノブ72は、ハンドルアセンブリ52に対するシャフト54及び/又はエンドエフェクタ60の回転を促進し得る。ハンドルアセンブリ52は、移動可能なトリガ74によって作動されるクランプシステムの一部としてのクランプ構成要素と、これもトリガ74によって作動され得る発射システムの一部としての発射構成要素と、を含み得る。したがって、いくつかの実装において、第1の運動範囲を通る、静止ハンドル70に向けたトリガ74の移動は、クランプ構成要素を作動させて、対向するジョー62、64を互いに向けて閉鎖位置に接近させ得る。いくつかの実装において、対向するジョー62、24の一方のみが、ジョー62、64を閉鎖位置に移動させるように移動し得る。第2の運動範囲を通る、静止ハンドル70に向けたトリガ74の更なる移動は、発射構成要素を作動させて、ステープルカートリッジ66からステープルを放出させることができ、かつ/又はナイフ又は他の切開要素(図示せず)を前進させて、ジョー62、64間に捕捉された組織を切断させることができる。
円形手術用ステープラ80の形態における手術用器具の一例を、図5に図示する。ステープラ80は、一般に、図1及び図4の線形ステープラ10、50と同様に構成され、使用され得るが、一部の機構が、円形ステープラとしてのその機能に適応している。手術用器具10、50と同様に、手術用器具80は、遠位に延在し、組織を処置するために遠位端にエンドエフェクタ90を有するシャフト84を備えるハンドルアセンブリ82を含む。エンドエフェクタ90は、ほぼ円形の形状を有する、組織に接触する表面をそれぞれが有するカートリッジアセンブリ92及びアンビル94を含み得る。カートリッジアセンブリ92及びアンビル94は、アンビル94から延在するシャフト98によってステープラ80のハンドルアセンブリ82に結合されることができ、ハンドルアセンブリ82上のアクチュエータ85を操作すると、シャフト98を後退及び前進させて、カートリッジアセンブリ92に対してアンビル94を移動させることができる。アンビル94及びカートリッジアセンブリ92は、様々な機能を行うことができ、それらの間に組織を捕捉したり、カートリッジアセンブリ92のカートリッジ96からステープルを発射することにより組織をステープル留めしたり、かつ/又は、組織に切開を作成するように構成されることができる。一般的に、カートリッジアセンブリ92は、ステープルを収容しているカートリッジを収容することができ、ステープルをアンビル94に対して配備することにより、円形のステープルパターンを形成し、例えば、管状体内臓器の外周の周りをステープル留めすることができる。
一実装において、シャフト98は、アンビル94をカートリッジアセンブリ92から分離することができるように解放可能に互いに結合するように構成された第1及び第2の部分(図示せず)で形成することができ、これにより、アンビル94及びカートリッジアセンブリ92を、患者の体内に配置するのに、より高い柔軟性を与えることができる。例えば、シャフト98の第1の部分は、カートリッジアセンブリ92の内部に配置され、カートリッジアセンブリ92の外側へ遠位に延在して、遠位嵌合機構において終端することができる。シャフト98の第2の部分は、アンビル94の内部に配置され、カートリッジアセンブリ92の外側へ近位に延在して、近位嵌合機構において終端することができる。使用に際しては、近位嵌合機構と遠位嵌合機構とを互いに結合することにより、アンビル94とカートリッジアセンブリ92とを互いに対して動かすことができる。
ステープラ80のハンドルアセンブリ82には、ステープラの動作を制御することができる、様々なアクチュエータを配置することができる。例えば、ハンドルアセンブリ82には、回転によってエンドエフェクタ90の配置を容易にする回転ノブ86、及び/又は、エンドエフェクタ90を作動させるためのトリガ85を配置することができる。第1の運動範囲によるトリガ85の静止ハンドル87に向かう運動によって、クランプシステムの構成要素をジョーに近づける(すなわち、カートリッジアセンブリ92に向かってアンビル94を動かす)ように作動させることができる。第2の運動範囲によるトリガ85の静止ハンドル87に向かう運動によって、発射システムの構成要素を作動させて、ステープルをステープルカートリッジアセンブリ92から配備させ、かつ/又はカートリッジアセンブリ92とアンビル94との間に捕捉された組織を切断するためにナイフを前進させることができる。
手術用ステープル留め器具10、50、及び80の図示した例は、多くの異なる構成及び関連する使用方法のうちのごく一部の例を提供するものであり、これらは本明細書で提供される開示と共に使用され得る。図示した例は、全て低侵襲処置で使用するように構成されているが、切開外科的処置で使用するように構成されている器具、例えば、米国特許第8,317,070号(発明の名称「Surgical Stapling Devices That Produce Formed Staples Having Different Lengths」、2007年2月28日付けで出願)に記載されているようにオープン線形ステープラを本明細書で提供される開示と共に使用できることが理解されるであろう。図示した例の更なる詳細並びに、手術用ステープラ、その構成要素、及びその関連する使用方法の更なる例は、米国特許出願公開第2015/0277471号(発明の名称「Systems And Methods For Controlling A Segmented Circuit」、2014年3月26日付けで出願)、米国特許出願公開第2013/0256377号(発明の名称「Layer Comprising Deployable Attachment Members」、2013年2月8日付けで出願)、米国特許第8,393,514号(発明の名称「Selectively Orientable Implantable Fastener Cartridge」、2010年9月30日付けで出願)、米国特許第8,317,070号(発明の名称「Surgical Stapling Devices That Produce Formed Staples Having Different Lengths」、2007年2月28日付けで出願)、米国特許第7,143,925号(発明の名称「Surgical Instrument Incorporating EAP Blocking Lockout Mechanism」、2005年6月21日付けで出願)、米国特許出願公開第2015/0134077号(発明の名称「Sealing Materials For Use In Surgical Stapling」、2013年11月8日付けで出願、発明の名称「Sealing Materials for Use in Surgical Procedures」、2013年11月8日付けで出願)、米国特許出願」公開第2015/0134076号(発明の名称「Hybrid Adjunct Materials for Use in Surgical Stapling」、2013年11月8日付けで出願)、米国特許出願公開第2015/0133996号(発明の名称「Positively Charged Implantable Materials and Method of Forming the Same」、2013年11月8日付けで出願)、米国特許出願公開第2015/0129634号(発明の名称「Tissue Ingrowth Materials and Method of Using the Same」、2013年11月8日付けで出願)、米国特許出願公開第2015/0133995号(発明の名称「Hybrid Adjunct Materials for Use in Surgical Stapling」、2013年11月8日付けで出願)、米国特許出願公開第2015/0272575号(発明の名称「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」、2014年3月26日付けで出願)、及び米国特許出願公開第2015/0351758号(発明の名称「Adjunct Materials and Methods of Using Same in Surgical Methods for Tissue Sealing」、2014年6月10日付けで出願)に提供され、これらは、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
植え込み可能な補助材
上記されたように、様々な植え込み可能な補助材が、手術用ステープル留め器具と共に使用するのに提供される。補助材は、様々な構成を有することができ、様々な材料から形成されることができる。一般的に、補助材は、フィルム、発泡体、射出成型熱可塑性材料、真空熱成型材料、繊維構造体、及びそれらのハイブリッドのうちの1つ又は2つ以上から形成され得る。また、補助材は、1つ又は2つ以上の生物由来材料及び1つ又は2つ以上の薬物も含み得る。これらの材料はそれぞれ、以下により詳細に検討される。
補助材は、発泡体、例えば、独立気泡発泡体、連続気泡発泡体、又はスポンジから形成され得る。このような補助材を製造することができる例は、動物由来コラーゲン、例えば、ブタの腱からのものであり、ついで、これが処理され、発泡構造に凍結乾燥され得る。また、ゼラチンを使用して、発泡体に処理することもできる。様々な発泡補助材の例は、先で言及された米国特許第8,393,514号(発明の名称「Selectively Orientable Implantable Fastener Cartridge」、2010年9月30日付けで出願)に更に記載されている。
また、補助材は、以下で検討された任意の適切な材料又はその組み合わせから形成されたフィルムからも形成され得る。フィルムは、1つ又は2つ以上の層を含むことができ、同層はそれぞれ、異なる分解速度を有することができる。更に、フィルムは、内部に形成された様々な領域、例えば、多くの異なる形態において、1種又は2種以上の薬剤を内部に放出可能に保持することができるリザーバを有することができる。内部に配置された少なくとも1種の薬剤を有するリザーバは、吸収性又は非吸収性ポリマーを含み得る、1つ又は2つ以上の異なるコーティング層を使用して封止され得る。フィルムは、様々な方法で形成されてもよい。例えば、押し出しフィルム又は圧縮成型フィルムであってもよい。また、薬剤は、フィルムへ吸着させることもでき、又は水素結合などの非共有相互作用を介してフィルムに結合させることもできる。
また、補助材は、射出成型熱可塑性材料又は真空熱成型材料からも形成され得る。様々な成型補助材の例は、米国特許出願公開第2013/0221065号(発明の名称「Fastener Cartridge Comprising A Releasably Attached Tissue Thickness Compensator」、2013年2月8日付けで出願)に更に記載され、これは、その全体が参照により組み込まれる。また、補助材は、織布、編地、又は、メルトブロー、ニードルパンチ、若しくは熱構成ルーズ織布などの不織布であり得る、ファイバベース格子であってもよい。補助材は、多くの異なる方法で共に補助材を形成し得る、同じ種類の格子又は異なる種類の格子から形成され得る、複数の領域を有し得る。例えば、ファイバは、規則的又は不規則な構造を形成するために、織られるか、編まれるか、又は別の方法で相互に結び付けられ得る。得られた補助材が比較的緩くなるように、ファイバは、相互に結び付けられ得る。あるいは、補助材は、密に相互に結び付けられたファイバを含み得る。補助材は、シート、チューブ、螺旋、又は柔らかい部分及び/若しくはより硬い補強部分を含み得る任意の他の構造の形態であり得る。補助材は、特定の領域がより密なファイバを有することができ、一方で、他の領域がより密でないファイバを有するように構成され得る。ファイバ密度は、補助材の1つ又は2つ以上の寸法に沿って、補助材の意図した用途に基づいて、異なる方向で変わり得る。
補助材は、織られた、編まれた、又は別様に相互連結されたファイバから形成することができ、補助材を伸縮させることを可能にする。例えば、補助材は、その長手方向軸に沿った方向に、及び/又は長手方向軸に対して垂直な横方向に伸縮するように構成され得る。少なくとも2つの寸法(例えば、X方向及びY方向)において伸縮可能である一方で、補助材は、伸縮するが、ステープルによる引き裂き及び貫通に抵抗するように、その厚さ(例えば、Z方向)に沿った補強を提供することができる。組織と共に伸縮することができるように植え込まれるように構成された補助材の非限定的な例は、米国特許出願第2016/0089142号(発明の名称「Method For Creating A Staple Line」、2014年9月26日付けで出願)に記載され、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
また、補助材は、積層複合材又はメルトロック相互連結ファイバなどのハイブリッド構造であることもできる。様々なハイブリッド構造補助材の例は、米国特許第9,282,962号(発明の名称「Adhesive Film Laminate」、2013年2月8日付けで出願)及び米国特許第7,601,118号(発明の名称「Minimally Invasive Medical Implant And Insertion Device And Method For Using The Same」、2007年9月12日付けで出願)に更に記載され、これらは、それらの全体が参照により組み込まれる。
記載された技術に基づく補助材は、様々な材料から形成され得る。材料は、異なる目的での様々な実施形態に使用され得る。材料は、組織内成長を促進するために、組織に提供されるべき所望の治療に従って選択され得る。材料は、ホモポリマー及びコポリマーを含めた、生体吸収性及び生体適合性ポリマーを含み得る。生体吸収性ポリマーは、吸収性、再吸収性、生体再吸収性、又は生物分解可能なポリマーであり得る。また、補助材は、活性剤、例えば、活性な細胞培養物(例えば、ダイス状の自家組織、幹細胞療法に使用される作用剤(例えば、Biosutures及びCellerix S.L.)、止血剤、及び組織治癒剤も含み得る。
補助材は、内部に、多数の異なる薬剤から選択され得る、少なくとも1種の薬剤を放出可能に保持し得る。薬剤としては、所望の機能を有する、補助材内に含まれ、又は、同補助材に関連付けられた薬物又は他の作用剤が挙げられるが、これらに限定されない。薬剤としては、例えば、抗菌剤、例えば、抗菌剤及び抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、成長因子、鎮痛薬、麻酔剤、組織マトリックス変性阻害剤、抗ガン剤、止血剤、及び生物学的応答を引き起こす他の作用剤が挙げられるが、これらに限定されない。また、補助材は、例えばエコー源性材料又は放射線不透過性材料などの、撮像中の可視性を高める作用材から作製され得、又はそれを含み得る。
様々な補助材、及び補助材から薬剤を放出するための様々な技術の例は、米国特許出願第14/840,613号(発明の名称「Medicant Eluting Adjuncts and Methods of Using Medicant Eluting Adjuncts」、2015年8月31日付けで出願)に更に記載され、これは、その全体が参照により組み込まれる。
実施形態
補助材は、複数の保持要素を使用して、手術用ステープラなどの手術用ツールのエンドエフェクタ上に解放可能に保持され得る。保持要素は、力が補助材に印加されるまで、機械的な力によって補助材をエンドエフェクタに保持するように構成することができ、この力は、機械的な力に打ち勝って、したがって、補助材をエンドエフェクタから患者の体内に解放することを可能にする。これは、上で論じたように、任意の数の利点を提供し得る。この力は、エンドエフェクタからステープルを配備する過程などの、手術用ツールの使用の通常の過程で補助材に印加され得、これは、ユーザが補助材を解放するためにいかなる特別な行為も行う必要がないので、使いやすさを促進する。保持要素は、接着剤を使用することなく補助材をエンドエフェクタに解放可能に保持するように構成することができ、これは、システムの組み立てをより容易にすることができ、補助材を解放するために接着剤がより高い力の印加を必要とし得るのでエンドエフェクタからの補助材の解放を容易にすることができ、及び/又は手術用ツールのステープル空洞又は他の構成要素が接着剤によって詰まること、又は別様に接着剤によって損なわれることを防止することができる。保持要素は、エンドエフェクタに解放可能に結合されたリテーナ上にあり得る。既存のエンドエフェクタは、リテーナを後付けすることができ、及び/又は既存のステープルカートリッジをリテーナに結合することができる。金属パンを含む既存のエンドエフェクタは、本明細書に記載されるリテーナの機構を含むように変更されたパンを有することができる。
図6は、補助材106をステープルカートリッジ100に解放可能に保持するように構成された複数の保持要素104を含むリテーナ102に結合された、ステープルカートリッジ100の一実施形態を示す。ステープルカートリッジ100は、一般に、図1及び図2のステープルカートリッジ40に類似して構成され、使用され、例えば、各々がステープルを内部に着座させるその組織対向面110内に複数のステープル空洞108を有し(ステープルは図6において隠れている)、ステープル空洞108からステープルを押し出すためにそこを通って移動するスレッドを有するように構成され、組織などを切開するためにナイフ又は他の切開要素が並進することができる長手方向スロット112を有する。ステープルカートリッジ100は、手術用ツールのエンドエフェクタの下部ジョー114内に解放可能に着座される。カートリッジ100はリテーナ102内に着座され、それが、下部ジョー114内のチャネル内に着座される。したがって、カートリッジ100に沿って並進するスレッドは、リテーナ102の内側底面に沿って並進することができる。下部ジョー114は、上で論じたように、下部ジョー114と協働して組織に係合し、ステープル留めするように構成されたエンドエフェクタの上部ジョーに下部ジョー114を結合させる、結合機構116を含む。
この示される実施形態のリテーナ102は、そこから上向きに延在する対向側壁を有する底部を有するパン又はトレイの形態である。カートリッジ100は、この示される実施形態のリテーナ102内に固定的に着座され、例えばリテーナ102から取り外しできない。したがって、カートリッジ100及びリテーナ102は、ユニットとして下部ジョー114内に取り外し可能かつ交換可能に着座されるように構成される。リテーナ102に固定されているカートリッジ100は、保持要素104がカートリッジ100に対して望ましい場所にあることを確実にするのを支援することができ、これは、補助材102が望ましくはカートリッジの組織対向面110の上に位置決めされるのを支援することができ、及び/又はカートリッジ100内に形成された切り欠き又はポケット118を有する保持要素104の整列を確実にするのを支援することができ、これは、図7にも示され、更に下で論じる。他の実施形態において、カートリッジは、リテーナ内で解放可能に保持することができ、これは、異なるステープルカートリッジとのリテーナの再使用を可能にし得る。このような実施形態におけるリテーナは、カートリッジがリテーナに着座される前又はその後のいずれかに、エンドエフェクタの下部ジョー内に着座されるように構成される。
リテーナ102は、様々な材料のうちのいずれかから形成することができる。例示的な一実施形態において、リテーナ102は、ステンレス鋼、チタンなどの金属、ニチノールなどの形状記憶金属から形成される。
保持要素104は、長手方向に整列され、リテーナ102の長手方向両側102a、102bに沿って位置決めされる。したがって、保持要素104は、カートリッジ100の長手方向両側100a、100bに沿って位置決めされる。例示的な一実施形態では、第1の数の保持要素104がリテーナ102の一方の側102a(例えば、左側)にあり、第2の数の保持要素104がリテーナ102の他方の側102b(例えば、右側)にある。保持要素104の第1及び第2の数は、合計で22個の保持要素104についてリテーナ102の各側102a、102b上に11個の保持要素104が存在する、この示される実施形態のように、等しくすることができる。リテーナ102の両側102a、102b上に同数の保持要素104を有することは、補助材106のカートリッジ100に対する均等な固定を提供するのを支援することができる。しかしながら、保持要素104の第1及び第2の数は、変化し得る。例示的な一実施形態では、少なくとも3つの保持要素104が、リテーナ102の各側102a、102b上に存在する。例えば、1つの保持要素104を、補助材100をその近位端近くに解放可能に取り付けるために、その近位端近くにすることができ、1つの保持要素104を、補助材100をその遠位端近くに解放可能に取り付けるために、その遠位端近くにすることができ、1つの保持要素104を、補助材100にその中間近くに解放可能に取り付けるために、その中間近くにすることができる。任意の追加的な保持要素104を、近位保持要素と中間保持要素との間に、及び/又は遠位保持要素と中間保持要素との間に位置付けることができる。リテーナ102の各側102a、102b上の保持要素104の数にかかわらず、保持要素104は、この示される実施形態のように、それに沿って等距離に離間することができ、これは、補助材106をカートリッジ100に均等に固定するのを支援することができる。
保持要素104は、リテーナ102から上方へ、例えば、下部ジョー114に結合された上部ジョー(例えば、アンビル)に向かう方向に延在する。したがって、保持要素104は、カートリッジ100の長手方向軸100A及び下部ジョー114の長手方向軸114Aに対して実質的に垂直な方向D1に延在する。上方へ延在する保持要素104は、カートリッジ100に対してそれと共に係合された補助材106の横方向移動を防止するのを支援することができ、これは、カートリッジ100内のステープルの全てが補助材106を通して配備されることを、例えば、ステープルの各々が補助材106を貫通することを確実にするのを支援することができ、これは、保持要素104及びカートリッジ100からの補助材106の解放を容易にすることができる。保持要素104はそれぞれ、カートリッジ100の組織対向面110の上をある距離だけ延在し、これは、保持要素104によって係合された補助材106がカートリッジ100の組織対向面110に着座され、かつ実質的に平面となることを可能にする。当業者であれば、補助材106が正確に平坦でない場合があるが、それでも、補助材料の柔軟性及び/又は補助材の表面の製造公差などのいくつかの要因のため、実質的に平坦であるとみなされ得ることを認識するであろう。
この示される実施形態の保持要素104の各々は、フックの形態である。フックの各々は、同じ近位方向に角度が付けられるか、又は配向される。したがって、フックは、スレッドがカートリッジ100及び下部ジョー114に沿って並進する遠位方向と反対の方向に角度が付けられるか、又は配向される。スレッドがカートリッジ100及び下部ジョー114に沿って遠位に並進して、ステープルを放出するときに、ステープル空洞108からのステープルの上方移動は、力を、例えば、ステープルが押される上部ジョーの上向きの力を、補助材106に及ぼす。したがって、補助材106は、カートリッジ100から離れて上向きに付勢され、これは、保持要素104から補助材106を押して外すことによって解放させる。保持要素104は、上向きの力に応じて、そこからの補助材106の解放中に変形を受け得る。換言すれば、保持要素104から補助材106を押すことは、フックを上向きに曲がらせ得る。したがって、ステープルが補助材106を通して放出されることによって及ぼされる力は、補助材106を保つために保持要素104が及ぼす機械的な力に打ち勝つのに十分であり得る。他の実施形態において、フックの形態の保持要素はそれぞれ、同じ遠位方向に角度が付けられるか、又は配向され得、スレッドがカートリッジ及び下部ジョーに沿って並進する、同じ方向に角度が付けられる。このようにして、スレッドが遠位方向に進行して、カートリッジからステープルを駆動するときに、スレッドの遠位移動は、保持要素からの補助材の係合解除を付勢するのを支援することができる。このような一実施形態のフックは、フックが近位に配向されるよりも塑性変形を受ける可能性が少なくなり、全く変形しない場合もある。
リテーナ102上の保持要素104は、この示される実施形態にあるように、スタンピングプロセスなどによって、リテーナ102と一体的に形成することができる。したがって、保持要素104は、例示的な一実施形態において、金属から形成することもできる。保持要素104は、この示される実施形態のように非常に薄くなり得、その場合、保持要素104は、金属などの硬質材料から形成されている場合であっても、ある程度の可撓性を有する。この可撓性は、保持要素104からの補助材106の解放中に保持要素の塑性変形をもたらし得、例えば、保持要素104のうちの1つ又は2つ以上は、上で論じたようにステープルの配備中に上向きに曲がることによって、補助材106の解放中に非可逆的に曲がり得る。他の実施形態において、リテーナ102と一体化させる代わりに、保持要素104は、溶接、接着剤、圧入などによって、そこに取り付けられた別個の部材であってもよい。
少なくともいくつかの実施形態において、保持要素104のうちの1つ又は2つ以上は、補助材106の把持を容易にするようにその上に構成された把持機構を含むことができる。把持機構は、カートリッジ100から補助材106を尚早に解放するのを防止するのを支援することができる。例えば、把持機構は、保持要素104と補助材106との間の摩擦を増加させる、保持要素104上の非平滑化表面であってもよい。別の例として、把持機構は、保持要素の先端部の球又はボールなどの、保持要素104の拡大先端部であってもよく、これは、拡大先端部の上を通過することをより困難にするので、例えばそこから解放するためにより高い力を必要とするので、補助材106が保持要素104を尚早に摺動するのを防止するのを支援することができる。
カートリッジ100は、内部に形成された複数の切り欠き又はポケット118を有する。切り欠き118は、長手方向に整列され、カートリッジ100の長手方向両側100a、100bに沿って位置決めされる。切り欠き118は、切り欠き118の各々が関連する保持要素114を有するように、保持要素114と整列される。切り欠き118はそれぞれ、保持要素104がカートリッジ100上に補助材106を保持しているときに、図6に示されるように、補助材106の一部分を内部に着座させるように構成される。したがって、切り欠き118は、補助材106のバックリングを防止するのを支援することができ、これは、ステープルが、補助材106を通ってより均等に前進することを可能にし得る。切り欠き118はそれぞれ、この示される実施形態において、正方形状を有するが、例えば矩形、半円形などの他の形状を有することができる。
この示される実施形態の補助材106は、複数のファイバを含む繊維構造体である。図6及び図8に示されるように、保持要素104は、補助材106を保持要素に引っ掛けるように、補助材106を通って延在することができる。ファイバは、保持要素104が、補助材106が保持要素104に係合する地点105において、そこを通って延在することを可能にすることができるが、ファイバの格子構造の密接度、保持要素の先端部が鈍角であるか鋭角であるかどうか(先端部は、この示される実施形態では鈍角である)、及び保持要素104の強度、などの様々な要因に依存し、保持要素104は、繊維構造体を通って貫通して、地点105の任意の1つ又は2つ以上において内部に孔を形成することができる。保持要素104は、この示される実施形態において、補助材106を通って貫通する。補助材106は、保持要素104が補助材106を通って延在する場所において内部に予備形成された孔を有することができ、これは、補助材106を保持要素104上に装填する間、及び保持要素104から補助材106を解放する間の両方において、保持要素104が全て補助材106を通過するのを支援することができる。
いくつかの実施形態において、補助材106は、製造時に保持要素104に解放可能に結合することができ、よって、カートリッジ100、リテーナ102、及び補助材106を組み立てられたユニットとしてユーザに提供することができる。このような組み立てられたユニットを提供することで、組み立てが予め行われているので、ユーザが時間を節約することができ、並びに/又は補助材106をカートリッジ100及びリテーナ102に適切に固定するのを確実にするのを支援することができる。他の実施形態において、補助材106は、リテーナ102及びカートリッジ100とは別個の要素としてユーザに提供することができ、これは、上で述べたように別個の要素であってもよく、又はユニットとして共に固定することができる。したがって、このような実施形態において、補助材106は、ユーザによってリテーナ102及びカートリッジ100に結合するように構成することができる。補助材106は、様々な方式のうちのいずれかで、リテーナ102及びカートリッジ100に結合することができる。例えば、補助材106は、手でその上に押圧するか、又は摺動させることによって、保持要素104に手動で係合させることができる。別の例として、アプリケータツールは、その上に補助材106が装填されるように構成することができ、アプリケータツールは、補助材106をその上で摺動させるか、又は押圧することによって、補助材106を保持要素104と係合させるように構成することができる。アプリケータツールの使用は、手による適用よりも予測可能な補助材106の保持要素104との係合を可能にすることができる。
図9は、補助材106に係合する保持要素104の別の実施形態を示す。この示される実施形態において、保持要素104は、補助材106の織り合わせたファイバの様々なものを捕捉して、補助材106を保持要素に保持する。したがって、保持要素104のうちのいくつか又は全ては、図9に示される保持要素104と同様に、補助材106の上に延在し得る。
他の実施形態において、保持要素104と解放可能に係合される補助材は、繊維構造体以外の構成を有することができる。例えば、補助材は、フィルムであってもよく、保持要素104は、補助材を保持要素に引っ掛けるように、フィルムを通って延在することができる。フィルムは、保持要素104がフィルムを通って延在する場所において内部に予備形成された孔を有することができる。
図10は、補助材126をステープルカートリッジ120に解放可能に保持するように構成された複数の保持要素124を含むリテーナ122に結合された、ステープルカートリッジ120の別の実施形態を示す。ステープルカートリッジ120は、一般に、図1及び図2のステープルカートリッジ40に類似して構成され、使用され、例えば、各々がステープルを内部に着座させるその組織対向面130内に複数のステープル空洞128を有する(ステープルは図10において隠れている)、ステープル空洞128からステープルを押し出すためにそこを通って移動するスレッドを有するように構成され、組織などを切開するためにナイフ又は他の切開要素が並進することができる長手方向スロット122を有する。ステープルカートリッジ120は、図6の下部ジョー114内に解放可能に着座されるが、他の種類のジョー内に同様に着座させることができる。この示される実施形態のカートリッジ120は、内部に形成されたいかなる切り欠き又はポケットも有しないが、他の実施形態では、図6のカートリッジ100の切り欠き118に類似する複数の切り欠きを有することができる。補助材126は、図6の補助材106に類似する繊維構造体であるが、他の構成を有することができる。
リテーナ122は、一般に、図6のリテーナ102に類似して構成され、使用される。この示される実施形態のリテーナ122は、そこから上向きに延在する対向側壁を有する底部を有するパン又はトレイの形態である。カートリッジ120は、リテーナ122内に固定して着座され、これが、下部ジョー114内のチャネルに着座されるが、代わりに、リテーナ122内に解放可能に着座させることができる。
また、保持要素124は、一般に、図6の保持要素114に類似して構成され、使用され、例えば、リテーナ122の両側に沿って、及びカートリッジ120の両側に沿って長手方向に整列される、下部ジョー114に結合された上部ジョーに向かって上向きに延在する、などである。しかしながら、この示される実施形態において、保持要素124は、リテーナ122から上向きに延在するペグの形態である。補助材126は、手又はアプリケータツールなどにより真下に押し下げることによって、保持要素124と結合するように構成される。このような装填は、一般に真下への運動よりも直観的に少なくなり得る角度で補助材をフックに装填することが必要であり得るので、フックの形態の保持要素よりも容易であり得る。保持要素124は、リテーナ122と一体的に形成されるが、上で論じたものに類似して、別様に取り付けることができる。少なくともいくつかの実施形態において、保持要素124のうちの1つ又は2つ以上は、上で論じたものに類似して、補助材126の把持を容易にするようにその上に構成された把持機構を含むことができる。
図11及び図12は、補助材138をステープルカートリッジ132に解放可能に保持するように構成された複数の保持要素136を含むリテーナ134に結合された、ステープルカートリッジ132の別の実施形態を示す。ステープルカートリッジ132は、一般に、図1及び図2のステープルカートリッジ40に類似して構成され、使用され、例えば、各々がステープルを内部に着座させるその組織対向面142内に複数のステープル空洞140を有し(ステープルは、図11において隠れており、図12において既に配備されている)、ステープル空洞140からステープルを押し出すためにそこを通って移動するスレッド144を有するように構成され、組織などを切開するためにナイフ又は他の切開要素が並進することができる長手方向スロット146を有する。スレッド144は、図12において遠位位置に示されるが、これは、補助材138を解放する前に、スレッドがリテーナ134の内側底面134sに沿って遠位に部分距離だけ摺動して、カートリッジ132からステープルを配備した後であり、これは、下で更に論じる。補助材138は、図6の補助材106に類似する繊維構造体であるが、他の構成を有することができる。また、保持要素136は、一般に、図6の保持要素114に類似して構成され、使用され、例えば、リテーナ134の両側に沿って、及びカートリッジ132の両側に沿って長手方向に整列される、下部ジョー114に結合された上部ジョーに向かって上向きに延在する、近位に角度が付けられたフックの形態である、などである。
ステープルカートリッジ132は、図6の下部ジョー114内に解放可能に着座されるが、他の種類のジョー内に類似して着座させることができる。カートリッジ132は、図13にも示されるように、図6のカートリッジ100の切り欠き118に類似する、内部に形成された複数の切り欠き又はポケット148を有する。
この示される実施形態のリテーナ134は、そこから上向きに延在する対向側壁を有する底部を有するパン又はトレイの形態である。リテーナ134は、一般に、図6のリテーナ102に類似して構成され、使用されるが、図11〜図13の示される実施形態のリテーナ134は、下部ジョー114内に移動可能に着座される。リテーナ134は、補助材138の解放を容易にするためにカートリッジ132及び下部ジョー114に対して運動するように構成される。リテーナ134は、図11及び図12に示される係止構成又は係合構成から、図13に示される係止解除構成又は係合解除構成へ移動するように構成される。係止構成において、保持要素136はそれぞれ、補助材136に解放可能に係合し、例えば、補助材136をカートリッジ132に「係止する」。係止解除構成において、保持要素136はそれぞれ、補助材136から係合解除され、例えば、補助材136がカートリッジ132から「係止解除される」。
リテーナ134は、係止構成から係止解除構成へのリテーナ134の移動を容易にするように構成された解放要素150を含む。解放要素150は、リテーナの遠位縁部又はこの示される実施形態のようにリテーナの遠位縁部の直近位のいずれかで、リテーナ134の遠位部分に位置付けられる。この示される実施形態において、解放要素150は、リテーナの内側底面134sから上向きに延在する一対のタブを含むが、別の数の解放要素が存在し得る。解放要素は、リテーナの内側底面134s上の半球形の突起、リテーナの内側底面134s上の隆起した細長いバー、リテーナの内側底面134sの上に位置付けられ、かつリテーナ134の両内側の間に延在する細長いバーなどといった、他の構成を有することができる。
解放要素150は、スレッド144に係合して、リテーナ134を係止構成から係止解除構成へ移動させるように構成される。上で論じたように、スレッド144は、リテーナの内側底面134s上のカートリッジ134及び下部ジョー114に沿って遠位に摺動して、ステープル空洞140を通してステープルを配備するように構成される。ステープルは、上でも論じたように、補助材138が配備されるときに、補助材を通って貫通する。スレッド144は、カートリッジ134及び下部ジョー114に沿ったその遠位並進の終点に近づいたときに、解放要素150に接触又は当接する。解放要素150に接触又は当接しているスレッド144を有するスレッド144の継続的な遠位移動は、カートリッジ134及び下部ジョー114に対してリテーナ134を遠位に押す。したがって、リテーナ134に取り付けられた保持要素136も遠位に移動する。保持要素136の遠位移動は、保持要素136を摺動させて補助材138から自由にして、補助材138を保持要素から解放する。したがって、保持要素に結合された補助材を近位から遠位方向に連続的に解放するように構成された図6、図9、及び図10の保持要素104、124の実施形態と異なり、保持要素136は、補助材138を同時に解放するように構成される。
図11及び図12に示されるように、保持要素134は、リテーナ134が係止構成であるときに、カートリッジの切り欠き148と整列される。図13に示されるように、保持要素134は、リテーナ134が係止解除構成であるときに、カートリッジの切り欠き148と整列されない。したがって、補助材136は、リテーナ134が係止解除構成であるときに、切り欠き148から自由に出ることができる。
カートリッジ132は、図12に示されるように、空間152をその遠位部分に含むことができる。リテーナ134は、リテーナ134が遠位に移動して、係止構成から係止解除構成へ移動するときに、空間152の中へ移動するように構成される。
カートリッジ132は、その係止構成においてリテーナ134と接触又は当接するように構成された停止要素をその遠位部分に含むことができる。停止要素は、カートリッジ132及び下部ジョー114に対するリテーナ134の遠位移動を停止させるように構成することができる。停止要素は、カートリッジ132の内側底面から上向きに延在する1つ又は2つ以上のタブ、カートリッジの内側底面上の半球形の突起、カートリッジの内側底面上の隆起した細長いバー、カートリッジの内側底面の上に位置付けられ、かつカートリッジ132の両内側の間に延在する細長いバーなどといった、様々な構成を有することができる。
例示的な一実施形態において、補助材138は、製造時に保持要素136に解放可能に結合することができ、これは、リテーナ134が遠位に適切に摺動して、補助材138を解放することができるように、ステープルを配備する前にリテーナ134がカートリッジ132に対して適切な位置にあることを確実にするのを支援することができる。しかしながら、補助材138は、代わりにユーザによって保持要素136に手動で適用することができる。
別の実施形態では、スレッド144が解放要素150に接触又は当接して、カートリッジ132及び下部ジョー114に対してリテーナ134を遠位に押す代わりに、カートリッジ132及び下部ジョー114に沿って遠位に前進するEビームが、解放要素150と接触又は当接して、カートリッジ132及び下部ジョー114に対してリテーナ134を遠位に押すことができる。更に別の実施形態において、スレッド144及びEビームは、解放要素150と接触又は当接して、カートリッジ132及び下部ジョー114に対してリテーナ134を遠位に押すことができる。
別の実施形態では、解放要素150を含むリテーナ134の代わりに、カートリッジ132が解放要素150を含むことができる。リテーナは、解放要素が通って延在するための開口部、例えばカートリッジから上向きに延在する一対のタブの各々について1つの開口部を含むことができる。開口部及び解放要素は、スレッド及び/又はEビームが解放要素と接触又は当接してリテーナを遠位に押すまで、協働してリテーナをカートリッジに対して適切な位置に保つのを支援するように構成される。カートリッジから延在する解放要素は、解放要素がリテーナの遠位前進中に曲がることを可能にし、よって、リテーナが解放要素の上を少なくとも部分的に摺動することができるように、弾性を有することができる。
別の実施形態において、スレッド144(及び/又はEビーム)が解放要素150に接触又は当接して、カートリッジ132及び下部ジョー114に対してリテーナ134を遠位に押す代わりに、解放要素150に接触又は当接しているスレッド144(及び/又は電子ビーム)が、保持要素136が下向きに移動し、かつ補助材138と係合解除するように、リテーナ134を下方向に移動させることができる。カートリッジの底面は、リテーナの初期位置の遠位に下向きに傾斜して、リテーナのこの下向きの移動を誘導することができる。
図14は、補助材156を解放可能に保持するように構成されたステープルカートリッジ154の別の実施形態を示す。ステープルカートリッジ154は、一般に、図1及び図2のステープルカートリッジ40に類似して構成され、使用され、例えば、各々がステープルを内部に着座させるその組織対向面160内に複数のステープル空洞158を有し(ステープルは図14において隠れている)、ステープル空洞158からステープルを押し出すためにそこを通って移動するスレッドを有するように構成され、組織などを切開するためにナイフ又は他の切開要素が並進することができる長手方向スロット162を有する。ステープルカートリッジ154は、一般に図6の下部ジョー114に類似して構成され、使用されるエンドエフェクタの下部ジョー164内に解放可能に着座される。
この示される実施形態において、カートリッジ154は、補助材156をカートリッジ154に解放可能に保持するように構成された複数の保持要素166を含む。保持要素166は、カートリッジ154の組織対向面160から上向きに延在する、図10の保持要素124に類似するペグの形態である。保持要素166は、カートリッジ154の両側154a、154bに沿って長手方向に整列されたクラスタで配設される。各クラスタの保持要素166の数は、異なり得るが、例示的な一実施形態では、少なくとも3つの保持要素166が各クラスタ内に存在する。例示的な一実施形態では、保持要素166の少なくとも3つのクラスタが、カートリッジ154の各154a、154bに存在する。例えば、1つのクラスタを、その近位端の近くで補助材156に解放可能に取り付けるために、カートリッジ154の近位端の近くにあってもよく、1つのクラスタを、その遠位端の近くで補助材156に解放可能に取り付けるために、カートリッジ154の遠位端の近くにあってもよく、1つのクラスタは、その中央の近くで補助材156に解放可能な取り付けるために、カートリッジ154の中央の近くにあってもよい。任意の追加的なクラスタを、近位クラスタと中間クラスタとの間に、及び/又は遠位クラスタと中間クラスタとの間に位置付けることができる。カートリッジ154の各側154a、154bのクラスタの数にかかわらず、クラスタは、この示される実施形態にあるように、両側に沿って等距離に離間することができ、これは、補助材156をカートリッジ154に均等に固定するのを支援することができる。いくつかの実施形態では、保持要素166のクラスタの代わりに、保持要素166は、カートリッジ154に沿って長手方向に整列させた個々の部材であってもよい。
保持要素166は、この示される実施形態において、共に成型することなどによって、カートリッジ154と一体的に形成される。他の実施形態において、カートリッジ154と一体化させる代わりに、保持要素166は、溶接、接着剤、圧入などによって、そこに取り付けられた別個の部材であってもよい。
この示される実施形態の補助材156は、元々の非収縮構成から、加熱下の収縮構成へ移行するように構成された繊維構造体である。図15は、非収縮構成の補助材156を示し、図16は、収縮形態の補助材156を示す。概して、補助材156は、カートリッジの組織対向面160に位置決めして、少なくとも保持要素166が位置付けられる領域において加熱することができる。補助材156のファイバは、保持要素166が補助材156の中へ延在することを可能にするように分離することができる。補助材156に対する加熱は、補助材156を非収縮構成から収縮した構成への移行させるように構成される。補助材156の収縮は、そのファイバを共に付勢して、保持機構166を把持し、補助材156を保持機構に保持するのを支援する。補助材156の収縮は、保持要素166を図16に示されるように変形させることができ、その状態で、保持要素166は、図15に示されるその直線構成から曲がる。保持要素166の変形は、補助材156を把持するのを支援することができ、したがって、補助材156をカートリッジ154上に保持するのを支援することができ、及び/又は補助材156の加熱が補助材156を非可塑性にすることができるので補助材156の解放を容易にすることができる。収縮可能な補助材の、及び補助材をステープルカートリッジ又はアンビルなどの部材に解放可能に結合する例示的な実施形態は、米国特許出願第[]号(発明の名称「Methods And Systems For Mating Constrictable Adjunct Materials With End Effectors」、本願と同日付けで出願、[代理人整理番号47364−249F01US(END8101USNP)])に更に記載されている。
図6、図9〜図11、及び図14の補助材106、126、138、156は、ステープルカートリッジを着座させるステープルカートリッジ及び下部ジョーに解放可能に結合される。他の実施形態において、補助材は、手術用ツールの上部ジョーにおいてアンビルに解放可能に結合することができる。
図17は、補助材をアンビル168に解放可能に保持するように構成された複数の保持要素172を含むリテーナ170に結合された、上部ジョー又はアンビル168の一実施形態を示す。図18は、結合する前のアンビル168及びリテーナ170を示す。アンビル168は、一般に、図1及び図2の上部ジョー34に類似して構成され、使用され、例えば、ステープル形成ポケット176がその上に形成された組織対向面174を有し、組織などを切開するためにナイフ又は他の切開要素が並進することができる長手方向スロット178を有する。アンビル168は、上で論じたように、上部ジョー168と協働して組織に係合し、ステープル留めするように構成されたエンドエフェクタの下部ジョーに上部ジョー168を結合させる、結合機構178を含む。
この示される実施形態のリテーナ170は、プレートの形態である。リテーナ170は、組織などを切開するためにナイフ又は他の切開要素が並進することができる長手方向スロット180を有する。スロット180は、その近位端において開口して、ナイフ又は他の切開要素がその内部を摺動することを可能にする。したがって、スロット180は、リテーナ170がアンビル168に結合するときに、アンビルの長手方向スロット178と整列されるように構成される。スロット180は、リテーナ170の部分的な長手方向長さに沿って延在して、リテーナ170を、例えば遠位端と接続された、単一の要素とすることを可能にする。他の実施形態において、リテーナ170は、それらの間に空間を提供する右側及び左側を有する2部品要素であってもよく、その空間を通って、組織などを切開するためにナイフ又は他の切開要素が並進することができる。
リテーナ170は、様々な材料のうちのいずれかから形成することができる。例示的な一実施形態において、リテーナ170は、リテーナ170が弾性を有するように、プラスチック又はポリマーから形成される。
リテーナ170は、図17に示されるように、アンビルに168に解放可能に結合して、アンビルの組織対向面174の上に位置決めされるように構成される。スロット180は、アンビルの組織対向面174上のステープル形成ポケット176のいずれも隠さないように十分広くすることができ、よって、ステープルを、上部ジョー168に結合された下部ジョーから配備し、補助材を貫通させ、そして、ステープル形成ポケット176によって形成することができる。
リテーナ170は、リテーナ170をアンビル168に解放可能に取り付けるように構成された少なくとも1つの取り付け機構182を含む。リテーナ170及びアンビル168のうちの一方又は両方を洗浄する前にアンビル168からリテーナ170を取り外すことができるので、アンビル168に解放可能に結合しているリテーナ170は、異なるアンビルでのリテーナ170の再使用を可能にすることができ、かつ/又はリテーナ170及び/若しくはアンビル168の洗浄を容易にすることができる。他の実施形態において、リテーナ170は、アンビル168に固定することができ、これは、保持要素172がアンビル168に対して望ましい場所にあることを確実にすることを支援することができ、これは、補助材がアンビルの組織対向面174を上に望ましく位置決めされるのを支援することができる。この示される実施形態の取り付け機構182は、一対のアームを含む。リテーナ170は、この示される実施形態において3対のアームを含むが、他の実施形態では、別の対の数を有し得る。アームは、図17に示されるように、アンビル168の外側の周囲にスナップ留めするように構成される。
取り付け機構182は、この示される実施形態において、リテーナ170と一体的に形成される。したがって、取り付け機構182はまた、例示的な一実施形態において、弾性を有することもできる。弾性を有する取り付け機構182は、取り付け機構182をアンビル168の周囲にスナップ留めするのを支援することができる。他の実施形態において、リテーナ170と一体化させる代わりに、取り付け機構182は、リテーナに取り付けられた別個の部材であってもよい。
保持要素172は、図10の保持要素124に類似するペグの形態であり、また、アンビル168の組織対向面174から、上部ジョー168に結合された下部ジョーに向かう方向において下向きに延在する。保持要素172は、上で論じた図14の保持要素166のクラスタに類似して、リテーナ170の両側170a、170bに沿って長手方向に整列されたクラスタで配設される。クラスタの各々は、2つの保持要素172を有するが、別の数を有し得る。リテーナ170は、リテーナ170の各側170a、170bに沿って5つのクラスタを有するが、別の数を有し得る。
保持要素172は、この示される実施形態のリテーナ170と一体的に形成される。したがって、保持要素172はまた、例示的な一実施形態において、弾性を有することもできる。図19は、弾性によって可能である保持要素172の撓曲を示し、保持要素172は、曲がった保持要素172を想像線で示す。他の実施形態において、リテーナ170と一体化させる代わりに、保持要素172は、リテーナに取り付けられた別個の部材であってもよい。また、他の実施形態において、保持要素172はアンビル168と一体的に形成し得るか、又はリテーナが使用されないようにリテーナに取り付けられる別個の部材であり得る。
アンビル168に解放可能に結合された補助材は、上で論じたように、様々な構成を有することができる。例示的な一実施形態において、補助材は、繊維構造体又はフィルムである。
図20は、補助材をアンビル190に解放可能に保持するように構成された複数の保持要素188を含むリテーナ186に結合された、上部ジョー又はアンビル184の別の実施形態を示す。図21は、結合する前のアンビル184及びリテーナ186を示す。保持要素188は、この示される実施形態において、アンビル184の側186a、186bのいずれかの最近位のクラスタがそれぞれ3つの保持要素188を有し、残りのクラスタがそれぞれ2つの保持要素188を有することを除いて、図18の保持要素172に類似して構成され、使用される。
リテーナ186は、一般に、この実施形態においてリテーナの取り付け機構190がフレームを含むことを除いて、図18のリテーナ170に類似して構成され、使用される。リテーナ186は、この示される実施形態において3つのフレームを含むが、他の実施形態では、別の数のフレームを有し得る。フレームは、アンビル184の外側の周囲を摺動し、アンビルの外面に形成された凹部192内に着座されるように構成される。アンビル184の遠位端194は、フレームのうちの最近位の1つを通して遠位方向に前進することができ、また、フレームのそれぞれが凹部192のそれぞれの1つと整列され、したがって、アンビル184及びリテーナ186を共に結合するまで、遠位に前進し続けることができる。アンビル184は、リテーナ186に対して近位方向に移動して、リテーナ186からアンビル184を取り外すことができる。取り付け機構190は、上で論じたように、弾性を有することができ、これは、取り付け機構を凹部190に着座させるのを容易にすることができ、並びにリテーナ186からアンビル168の取り外しを容易にすることができる。アンビル184は、この示される実施形態において、アンビル184がその外面の周囲に半径方向に延在する凹部192を含むことを除いて、一般に、図18のアンビル168に類似して構成され、使用される。
アンビル184に解放可能に結合された補助材は、上で論じたように、様々な構成を有することができる。例示的な一実施形態において、補助材は、繊維構造体又はフィルムである。
本発明には従来の低侵襲性及び開放手術用器具における用途、並びにロボット支援手術における用途があることを当業者は認識するであろう。
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く洗浄工程又は特定の部品の交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は分解することができ、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科手技の直前に外科チームによってのいずれかで再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
当業者には、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点が認識されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明される内容により限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び参照文献はそれらの全体が参照によって本明細書に明示的に組み込まれる。
〔実施の態様〕
(1) 手術用ステープラと共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
その組織対向面に複数のステープル空洞を有するカートリッジ本体であって、各ステープル空洞が、内部に配置された手術用ステープルを有する、カートリッジ本体と、
トレイであって、内部に着座された前記カートリッジ本体を有し、かつ前記カートリッジ本体の対向する長手方向側に沿って延在する前記トレイの対向する長手方向側に複数の保持要素を含み、前記複数の保持要素が、生体適合性の補助材料に解放可能に係合するように構成され、その結果、前記補助材料が、前記カートリッジ本体の前記組織対向面に配置され、かつ前記カートリッジ本体からの前記手術用ステープルの配備によって組織に送達され、それにより前記複数の保持要素から解放されるように構成されている、トレイと、を備える、ステープルカートリッジアセンブリ。
(2) 前記複数の保持要素は、それぞれが同じ方向に角度を付けられたフックを含む、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(3) 前記複数の保持要素が、前記カートリッジ本体の前記対向する長手方向側に対して実質的に垂直な方向で延在する線状ペグを含む、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(4) 前記線状ペグの各々が、前記補助材料の把持を容易にするように構成された把持機構を上部に含む、実施態様3に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(5) 前記トレイ及び前記カートリッジ本体が、互いに対して固定位置にある、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(6) 前記トレイが、前記カートリッジ本体に対して長手方向に摺動し、それにより前記複数の保持要素からの前記補助材料の解放を可能にするように構成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(7) 内部に着座された前記カートリッジ本体を有する前記トレイが、手術用ステープラのジョー内に解放可能に着座されるように構成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(8) 前記補助材料が、複数の繊維で作製されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(9) 前記補助材料が、フィルムであり、前記複数の保持要素の各々が、前記フィルムを貫通する、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(10) 手術用器具のためのエンドエフェクタであって、
取り外し可能に取り付けられたカートリッジ本体を有する第1のジョーであって、前記カートリッジ本体が、複数のステープル空洞を有し、前記ステープル空洞が、前記ステープル空洞から組織の中へ配備されるように構成されたステープルを内部に着座させるように構成されている、第1のジョーと、
その組織対向面上に形成された複数のステープル形成空洞を有するアンビルを有する第2のジョーであって、前記第1及び第2のジョーが、それらの間に前記組織をクランプするように構成されている、第2のジョーと、
前記第1及び第2のジョーのうちの一方にあるリテーナであって、前記リテーナが、そこから前記第1及び第2のジョーのうちの他方に向かう方向に延在する複数の延在部を有し、前記複数の延在部が、生体適合性の補助材料に係合して、前記補助材料を前記第1及び第2のジョーのうちの前記一方に解放可能に保持するように構成され、前記ステープルの前記配備が、前記ステープルに前記補助材料を貫通させ、かつ前記補助材料を前記複数の保持要素から解放させるように構成されている、リテーナと、を備える、エンドエフェクタ。
(11) 前記複数の延在部が、前記第1及び第2のジョーのうちの前記一方の対向する長手方向側の各々に沿って長手方向に配設されている、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(12) 前記複数の延在部が、複数のフック及び複数の線状ペグのうちの一方を含む、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(13) 前記第1及び第2のジョーのうちの前記一方が、前記第1のジョーであり、前記第1及び第2のジョーの前記他方が、前記第2のジョーである、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(14) 前記リテーナが、前記カートリッジ本体を内部に着座させたトレイであり、前記トレイが、前記第1のジョーのチャネル内に着座されている、実施態様13に記載のエンドエフェクタ。
(15) 前記第1及び第2のジョーのうちの前記一方が、前記第2のジョーであり、前記第1及び第2のジョーのうちの前記他方が、前記第1のジョーである、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(16) 前記リテーナが、前記アンビルに解放可能に結合されている、実施態様15に記載のエンドエフェクタ。
(17) 外科的方法であって、
手術用ステープラを患者の体内へ前進させることであって、前記手術用ステープラが、その遠位端に一対のジョーを有し、前記ジョーの一方が、解放可能に結合されたリテーナを有し、前記リテーナが、そこから前記ジョーの他方に向かって延在する複数の保持要素を有し、前記複数の保持要素の各々が、補助材料に係合して、機械的保持力によって前記補助材料を前記ジョーの前記一方に保持する、前進させることと、
前記一対のジョーで組織を係合することと、
前記組織に係合している前記手術用ステープラを作動させることであって、前記作動させることが、複数のステープルに前記補助材料を貫通させ、かつ前記手術用ステープラから前記組織の中へ放出させ、前記ステープルの前記放出が、前記機械的保持力に打ち勝って、前記ジョーの前記一方から前記補助材料を解放させる、作動させることと、を含む、方法。
(18) 前記組織を係合することが、前記一対のジョーの組織対向面の間に前記組織をクランプすることを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記複数の保持要素が、複数のフック及び複数の線状ペグのうちの一方を含む、実施態様17に記載の方法。

Claims (16)

  1. 手術用ステープラと共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
    その組織対向面に複数のステープル空洞を有するカートリッジ本体であって、各ステープル空洞が、内部に配置された手術用ステープルを有する、カートリッジ本体と、
    トレイであって、内部に着座された前記カートリッジ本体を有し、かつ前記カートリッジ本体の対向する長手方向側に沿って延在する前記トレイの対向する長手方向側に複数の保持要素を含み、前記複数の保持要素が、生体適合性の補助材料に解放可能に係合するように構成され、その結果、前記補助材料が、前記カートリッジ本体の前記組織対向面に配置され、かつ前記カートリッジ本体からの前記手術用ステープルの配備によって組織に送達され、それにより前記複数の保持要素から解放されるように構成されている、トレイと、を備える、ステープルカートリッジアセンブリ。
  2. 前記複数の保持要素は、それぞれが同じ方向に角度を付けられたフックを含む、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  3. 前記複数の保持要素が、前記カートリッジ本体の前記対向する長手方向側に対して実質的に垂直な方向で延在する線状ペグを含む、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  4. 前記線状ペグの各々が、前記補助材料の把持を容易にするように構成された把持機構を上部に含む、請求項3に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  5. 前記トレイ及び前記カートリッジ本体が、互いに対して固定位置にある、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  6. 前記トレイが、前記カートリッジ本体に対して長手方向に摺動し、それにより前記複数の保持要素からの前記補助材料の解放を可能にするように構成されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  7. 内部に着座された前記カートリッジ本体を有する前記トレイが、手術用ステープラのジョー内に解放可能に着座されるように構成されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  8. 前記補助材料が、複数の繊維で作製されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  9. 前記補助材料が、フィルムであり、前記複数の保持要素の各々が、前記フィルムを貫通する、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  10. 手術用器具のためのエンドエフェクタであって、
    取り外し可能に取り付けられたカートリッジ本体を有する第1のジョーであって、前記カートリッジ本体が、複数のステープル空洞を有し、前記ステープル空洞が、前記ステープル空洞から組織の中へ配備されるように構成されたステープルを内部に着座させるように構成されている、第1のジョーと、
    その組織対向面上に形成された複数のステープル形成空洞を有するアンビルを有する第2のジョーであって、前記第1及び第2のジョーが、それらの間に前記組織をクランプするように構成されている、第2のジョーと、
    前記第1及び第2のジョーのうちの一方にあるリテーナであって、前記リテーナが、そこから前記第1及び第2のジョーのうちの他方に向かう方向に延在する複数の延在部を有し、前記複数の延在部が、生体適合性の補助材料に係合して、前記補助材料を前記第1及び第2のジョーのうちの前記一方に解放可能に保持するように構成され、前記ステープルの前記配備が、前記ステープルに前記補助材料を貫通させ、かつ前記補助材料を前記複数の保持要素から解放させるように構成されている、リテーナと、を備える、エンドエフェクタ。
  11. 前記複数の延在部が、前記第1及び第2のジョーのうちの前記一方の対向する長手方向側の各々に沿って長手方向に配設されている、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
  12. 前記複数の延在部が、複数のフック及び複数の線状ペグのうちの一方を含む、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
  13. 前記第1及び第2のジョーのうちの前記一方が、前記第1のジョーであり、前記第1及び第2のジョーの前記他方が、前記第2のジョーである、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
  14. 前記リテーナが、前記カートリッジ本体を内部に着座させたトレイであり、前記トレイが、前記第1のジョーのチャネル内に着座されている、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
  15. 前記第1及び第2のジョーのうちの前記一方が、前記第2のジョーであり、前記第1及び第2のジョーのうちの前記他方が、前記第1のジョーである、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
  16. 前記リテーナが、前記アンビルに解放可能に結合されている、請求項15に記載のエンドエフェクタ。
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