JP2020503230A - 無彩色かつ明るいエッジを有するガラスシート - Google Patents

無彩色かつ明るいエッジを有するガラスシート Download PDF

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Abstract

本発明は、ガラスの全重量に対して表される重量パーセンテージで、全鉄(Fe2O3として表される)20〜750ppm;セレン(Seとして表される)0.1〜<3ppm;コバルト(Coとして表される)0.05〜5ppm;Er2O3/Fe2O3比0.1〜1.5を含む組成を有するガラスシートに関する。かかるガラスシートは、視感透過率を最大限にすると同時に、高い視感透過率を有し、無色/無彩色かつ高度に明るく/ブライトなエッジを示す。本発明は、建築用ガラスとして、または例えば家具用途などにおける内装ガラスとして、その美しさのために特に適している。【選択図】なし

Description

本発明は、ニュートラル/無彩色であり、かつ明るい/ブライトなエッジを有する高視感透過率ガラスシートに関する。
本発明は、建築用ガラスまたは屋内用ガラスとして、例えば、家具用途だけでなく、自動車またはディスプレイ分野などの他の用途において、その美しさのため特に適している。
当技術分野において、「ウルトラホワイト」または「エクストラクリア」ガラスは、視感透過率および/またはエネルギー透過率が高いことから、太陽光または建築分野において数年来知られている。これらのガラスは、少量の鉄を含有し、そのため「低鉄ガラス」とも呼ばれる場合が多い。
鉄は、第二鉄イオンFe3+および第一鉄イオンFe2+の形でガラス中に存在する。第二鉄イオンの存在によって、ガラスが短波長可視光をわずかに吸収し、近紫外線の吸収が高くなる(380nmを中心とする吸収バンド)と同時に、第一鉄イオン(時にFeO酸化物として表される)が存在することによって、近赤外領域で強い吸収を生じる(1050nmを中心とする吸収バンド)。第二鉄イオンによって、淡黄色呈色が付与されると同時に、第一鉄イオンは、はっきりとした青緑色を付与する。したがって、全鉄含有量(両方の形態)が増加すると、可視領域での吸収が強まり、光透過の妨げとなる。
太陽光品質(Solar quality)低鉄ガラスは通常、Feとして表される、0.04重量%未満またはさらには0.02重量%の量の全鉄を含む。これらのガラスは通常、非常に高い視感透過率(一般に、厚みを通して評価される)を有し、かつそのエッジもまた、非常にブライトであり、明るい(あるいは、言い換えると、そのシートは高い「エッジ視感度」を有する)。その次に、シート状のかかるガラスが、その主要面を通じて見た場合に無色とみなすことができる場合でさえ、(視経路(view path)が長いため、)そのエッジは著しく着色していると思われることが知られている。Company AGC Glass Europeから市販の例えばSunmax(登録商標)ガラスなどの古典的な低鉄太陽光ガラスシートを考慮する場合、シートの厚さに関係なく、シートサイズ(および、したがって視経路)に応じて、ややはっきりとしたガラスエッジの緑色を帯びた−黄色を帯びた色合いを確認することができる。
着色ガラスエッジが多くの用途(太陽光用途など)で許容可能だとしても、緑色/黄色の色相の美的な問題がしばしばあり、特に:
−エッジの色が、部屋の装飾と、またはガラスがその一部である家具の他の部分と適合しなければならない場合;または
−例えば、家具製品における異なる色の対象物に、直接隣接してガラスが配置される場合;
−例えばテーブルトップなどのガラスシートが、見る人の直接視野にそのエッジがあるように配置される場合である。
これらの本質的に美的な問題を解決するために、エクストラクリアガラスのエッジの呈色を防ぐ既知の一解決策は、ガラスシートの組成における全鉄含有量をさらに減らすことである。しかしながら、鉄含有量を非常に低くするには、高価な、非常に純粋な出発原料および/またはその精製も必要であるため、この解決策は、得られるガラスの費用を劇的に増加する。さらに、加工上の理由(非常に促進される炉の摩耗、品質問題、収量の損失、低鉄製造中のより高い消費)から、鉄のレベルが最低限のレベルに制限される。
その次に、初期の緑色/黄色よりも有意となる、より満足な色(例えば、淡青色/青色の色合い)を生成することによって、古典的なエクストラクリアガラスシートのエッジの好ましくない緑色/黄色の色合いを防ぐことも提案されている。
低鉄ガラスシートにおいて最適化された/望ましい色を有するエッジを得るために、いくつかの解決策が記述されている:
−欧州特許第0463607B1号明細書では、Fe0.02重量%未満(全鉄含有量)に、ガラス中の鉄含有量を最小限にすることに加えて、淡青色の色合いのエッジを有するためには、酸化還元比を増加すべきであり(つまり、第一鉄イオンFe2+量の増加)、特に少なくとも0.44に酸化還元比を調節すべきであることが示唆されている。しかしながら、従来の板ガラス炉において、かつ硫酸塩精製(sulfate−refined)ソーダ石灰ケイ酸ガラスを製造する通常の溶融条件下では、かかる酸化還元値は簡単に達しない。特殊な非常に費用がかかる更なるガラス原料を使用することによってのみ、かつ溶融プロセスの適切な修正形態を用いて、かかる酸化還元値を達成することが可能である。さらに、かかる解決策によって、青みがかった−緑がかったエッジのガラスシートが得られる。
−欧州特許第0463606B1号明細書では、特に木製家具にマッチする/調和するガラスシートのハチミツ色のエッジを得るために、Fe0.02重量%未満(全鉄含有量)の低鉄含有量の場合に、ごく少量(0.3〜2ppm)のセレンを添加することが教示されている。所望の場合には、よりニュートラルな色であるが、グレー/木/ハチミツの色合いに近い色をエッジに付与するために、コバルトを任意選択的に3ppm(CoO)までの量で添加してもよい。
−米国特許第6218323B1号明細書でも、全鉄含有量0.03重量%未満(Feとして)のソーダ石灰ケイ酸マトリックスに、0.1〜1ppmの範囲でコバルト(CoOとして)を組み込むことによって、ガラスシートのエッジに青色の色合いを付与することを提案している。得られるガラスシートは、0.4未満の酸化還元および厚みを通して少なくとも89%の高い視感透過率(TLD4)を示す。開示されるかかる組成物は、(i)50cmまでの長さを有するガラスシートの青色の着色エッジ、および(ii)シートの長さが、例えば約1mに達する場合に緑色になる色調傾向を有するエッジを付与する。
−青色のエッジを有するガラスシートを得るための他の解決策は、コバルトの代わりにネオジムおよび/またはエルビウムを添加することにある。エルビウム含有クリアガラスは、例えば国際公開第2005082799A2号パンフレットから公知であり、全鉄(Feとして表す)0.01〜0.30重量%および酸化エルビウム(Erとして表す)0.01〜0.30重量%を有する組成物が開示されている。ネオジム含有ガラスが、例えば米国特許出願公開第2004043886A1号明細書から公知であり、酸化ネオジム(Ndとして表す)0.001〜0.1重量%を有する組成物が開示されている。有利なことには、エルビウムまたはネオジムを添加することによって、視感透過率が高くなる。残念なことに、開示されるかかる組成物は、非ニュートラルの黄色/緑色のエッジを有する。さらに、エルビウムおよび/またはネオジムを添加すると、エルビウム、ネオジム原料が高価であるために、ガラスの大幅な追加コストがかかる。
欧州特許出願第15172778.1号明細書では、Feを0.002〜0.15重量%、Seを0.0003〜0.005重量%、Coを0.00005〜0.0015重量%含む組成を有するガラスシートが提案されている。これらのガラスシートは、非常にニュートラルな色を有するエッジを示す。それにもかかわらず、ガラスマトリックス中にかかる量でSe(およびCo)を添加すると、視感透過率がわずかに減少し、厚みを通して見る場合には比較的許容可能であるが、エッジを通して見る場合には問題となる。実際に、「エッジ視感度」は、特にシートのサイズが大きい(エッジを通した視経路が長く、エッジがややはっきりとした暗いニュートラルな灰色となることを意味する)場合に、それらのガラスシートでは大幅に低下する。
したがって、現況技術では現在:
(i)より心地よい非ニュートラルな色(つまり、青色または緑色/黄色トーン)エッジを有する高視感透過率ガラスシート;または
(ii)非常にニュートラルなエッジを有するが、視感度が低下した高視感透過率ガラスシート(シートサイズが増加した場合、視経路が長くなるために、より一層暗く/黒っぽく見えるエッジ)
のみが提案されている。
したがって、現況技術では、視感透過率を最大限にすると同時に、(i)ニュートラルであり、かつ(ii)明るく/ブライトである、エッジを有するガラスシートを得る解決策は提供されていない。
主要面からだけでなくエッジからも著しい可視色がなく、かつ非常に大きなシートサイズでさえ非常にブライトなエッジ(太陽光品質の低鉄ガラスのエッジ視感度と同等な)を有する、エクストラクリア/低鉄またはクリア/中鉄(mid−iron)バージョンのかかる種類のガラスを有することは建築または内装分野において非常に興味深い。実際に、かかるガラスシートは美的に、完全にニュートラルであり、したがって、全体的な美的/演色を変えず、その色に関わらず、いずれの対象物/構成要素(家具、建築物、塗装、コーティング等)において/と容易に使用可能である。実際に、このような事柄において、ガラスシートのエッジと、それを組み込む対象物またはそれと1つにまとまる対象物との間の色のマッチングを探し求める必要はもはやないだろう。
ガラスシート/エッジのニュートラリティ/無彩色性は光源(a系における0;0座標)に対するその近傍によって一般に評価される。
ガラスシートの「エッジ視感度」は、反対側のエッジから始まり前記エッジに到達する可視光の量にほぼ一致する(シートの長さに等しい、長い視経路)。そのエッジの一方を通してガラスシートを見る場合、前記エッジに来る可視光が多くなるほど、よりブライトに見える。
本発明は特に、先行技術の記載の欠点を克服する目的を有する。
より正確には、本発明の一目的は、視感透過率を最大限にすると同時に、大きなシートサイズでさえ、高視感透過率を有し、かつ無色/無彩色および明るい/ブライトなエッジを有するガラスシートを提供することである。
本発明の別の目的は、簡単かつ経済的である先行技術の欠点に対する解決策を提供することである。
本発明は、
全鉄(Feとして表される) 20〜750ppm;
セレン(Seとして表される) 0.1〜<3ppm;
コバルト(Coとして表される) 0.05〜5ppm;および
Er/Fe比 0.1〜1.5
を含む組成を有するガラスシートに関する。
したがって、本発明は、先行技術の欠点の解決策を見出すことを可能にすることから、新規であり、かつ発明的なアプローチにある。実際に本発明者らは、驚くべきことに、低/中鉄ガラスマトリックス(20〜750ppmの全鉄)中でコバルト、セレンおよびエルビウムを特定の量で合わせることによって、視感透過率を最大限にすると同時に、大きなシートサイズでさえ無色/無彩色かつ高度に明るく/ブライトなエッジを有するガラスシート(コバルト、セレンおよびエルビウムを含まない低/中鉄ガラスシートと比較して損失が最大限に下げられる)を実現できることを見出した。
本明細書および特許請求の範囲において、ガラスシートの視感透過率を定量化するために、光源D65(TLD)を用いて、シート厚4mm(TLD4)について観測立体角2°での全光透過率(ISO9050規格に準拠)が考慮される。この光透過率は、ガラスシートを通って透過される、波長380nm〜780nmの間で放出される光束のパーセンテージを表す。
本明細書および特許請求の範囲において、ガラスシートの色の非存在またはニュートラリティ/無彩色性の程度(または「シートのニュートラリティ」)を評価するために、CIELab値:シート厚4mmに対して光源D65、10°、SCIを用いた透過におけるaおよびbが考慮される。より正確には、本明細書および特許請求の範囲において、ガラスシートのニュートラリティは、光源(a系における0;0座標)に対するその近傍によって評価され、特に、
Figure 2020503230
として定義される「N4mm」によって定量化され、その値は、シートをニュートラリティに近づけるために、できる限り下げなければならない。
ガラスシートのエッジの美しさを特徴付けるために、厚さ4mmで付与される古典的な光学的性質(視感透過率およびaパラメーター)は無関係であり、なぜなら、ガラスエッジに達する前に光はもっと長い光路を進むからである。
したがって、本明細書および特許請求の範囲において、ガラスシートのエッジの色の非存在またはニュートラリティ/無彩色性の程度(または「エッジのニュートラリティ」)を評価するために、CIELab値:500mmの光路に対して光源D65、10°、SCIを用いた透過における、aおよびbが考慮される。より正確には、本明細書および特許請求の範囲において、ガラスシートのエッジのニュートラリティは、光源(a系における0;0座標)に対するその近傍によって評価され、特に、
Figure 2020503230
として定義される「N500mm」によって定量化され、その値は、エッジをニュートラリティに近づけるために、できる限り下げなければならない。
本明細書および特許請求の範囲において、「エッジ視感度」を評価するために、ガラスを通る可視光がそこで半分吸収される、ガラス/光路の長さに相当する「半吸収長」(HAL)が考慮される。これによって、エッジからエッジへ通過する可視光の減光度(extinction degree)の、かつガラスシートのエッジの明るい外観(やや明るい、または暗い)の良好な評価が得られる。
本発明の他の特徴および利点は、簡単な説明的および非制限的な実施例によって示される、好ましい実施形態および図面の以下の説明を読めば、明らかとなるであろう。
本発明の明細書全体を通して、ある範囲が示される場合、別の方法で明確に示されていない場合を除いて、その両端の値が含まれる。さらに、その数値範囲の整数およびサブドメイン値すべてが、まるで明確に記載されるかのごとく明確に含まれる。また、本明細書全体にわたって、含有量の値は、別の方法(すなわちppmで)で明確に記載される場合を除いて、ガラスの総重量に対する重量パーセント(重量%とも記載される)で示される。さらに、ガラス組成が示される場合、これはガラスのバルク組成に関する。
本発明によるガラスシートは様々な、かつ比較的大きなサイズを有し得る。それは、例えば、3.21m×6mまで、または3.21m×5.50mまたは3.21m×5.10mまたは3.21m×4.50m(「PLF」ガラスシート)または例えば、3.21m×2.55mまたは3.21m×2.25m(「DLF」ガラスシート)の範囲のサイズを有し得る。本発明によるガラスシートは、0.1〜25mmの様々な厚さを有し得る。
本発明に従って、本発明の組成は、全鉄(Feに関して表される)を20〜750ppm含む。本明細書において、ガラス組成における全鉄含有量について話す場合、「全鉄」および「Fe」も用いられる。かかる低鉄値はしばしば、高価な、非常に純粋な出発原料および/またはその精製を必要とするため、最小値が20ppmであることによって、ガラスの費用が過度にダメージを受けないようにすることが可能となる。実施形態に従って、組成は、全鉄を20〜600ppm含む。好ましくは、組成は、全鉄を20〜400ppm含む。さらに好ましくは、組成は、全鉄を20〜300ppm含む。非常に好ましい実施形態において、組成は、全鉄を20〜200ppmまたはさらには20〜150ppm含む。最も好ましい実施形態において、組成は、全鉄を20〜125ppm含む。全鉄の最大値が下がることによって、視感透過率の値がより一層高くなる。
本発明の実施形態に従って、ガラスシートは、82%、85%、87%、88%、89%、89.5%を超える、またはさらには90%を超える、またはより良くは90.5%、90.75%を超える、またはさらにより良くは91%を超えるTLD4を有する。
実施形態に従って、ガラスシートは、N4mm≦0.25;≦0.20;≦0.15;≦0.10を特徴とする。これらの実施形態によって、シートをニュートラリティへとより一層近づけることが可能となる。
別の実施形態に従って、ガラスシートは、N500mm≦15;≦12;≦10;≦8;≦5;≦3を特徴とする。これらの実施形態によって、エッジをニュートラリティへとより一層近づけることが可能となる。
本発明に従って、本発明の組成は、0.1〜1.5のEr/Fe比を含む。
好ましくは、組成は、Er/Fe比≦1.3、またはより良くは≦1.25を含む。最大値がこのように低減されることによって、目的を達成すると同時に、ガラスのコストを下げることが可能となる(エルビウムが高価であるため)。
好ましくはまた、組成は、Er/Fe比≧0.2、またはより良くは≧0.3を含む。さらに好ましくは、組成は、Er/Fe比≧0.4またはより良くは≧0.5を含む。非常に好ましい態様において、組成は、Er/Fe比≧0.7または最もより良くは≧1を含む。最小値がこのように増加することによって、本発明の目的がより良く達成される。
本発明に従って、本発明の組成は、コバルト(Coの形で表される)を0.05〜5ppm含む。好ましくは、組成は、コバルトをCo≦4ppmまたはより良くはCo≦3.5ppm含む。非常に好ましい実施形態において、組成は、コバルトをCo≦3ppm含む。この最後の制限は、ニュートラリティを維持しながら、視感透過率の損失を制限するために有利である。
本発明の実施形態に従って、組成は、全鉄:20〜400ppmおよびCo:0.05〜2ppmを含む。好ましくは、組成は、全鉄:20〜400ppmおよびCo:0.05〜1.5ppmを含む。
本発明の別の実施形態に従って、組成は、全鉄:20〜200ppmおよびCo:0.05〜1.5ppmを含む。好ましくは、組成は、全鉄:20〜200ppmおよびCo:0.05〜1ppmを含む。
本発明に従って、本発明の組成は、セレン(Seの形で表される)を0.1〜<3ppm含む。
好ましくは、組成は有利なことに:Se≦2.5ppm、またはより良くは:Se≦2ppmを含む。最大値がこのように低減されることによって、ニュートラリティを維持しながら、コストを下げ、視感透過率の損失も制限することが可能となる。
好ましくはまた、組成は、Se≧0.2ppm、さらに好ましくは、Se≧0.3ppmを含む。最小値がこのように増加することによって、ニュートラリティにより良く近づけることができる。
非常に好ましい実施形態において、組成は、Seを0.2〜2.5ppm、またはより良くは0.2〜2ppm含む。
本発明の実施形態に従って、組成は、Er≧10ppmを含む。さらに好ましくは、組成は、Er≧20ppm、またはより良くは≧30ppmを含む。これによって、本発明の目的がより良く達成される。
本発明の別の実施形態に従って、組成は、Er≦1000ppmを含む。さらに好ましくは、組成は、Er≦800ppm、またはより良くは≦600ppmを含む。非常に好ましくは、組成は、Er≦500ppmを含む。これによって、ガラスのコストをより良くコントロールすることができる。
本発明の特定の様式に従って、組成は、
全鉄(Feとして表される) 20〜400ppm;
セレン(Seとして表される) 0.1〜<3ppm;
コバルト(Coとして表される) 0.05〜2ppm;および
Er/Fe比 0.1〜1.25
を含む。
本発明の別の特定の様式に従って、組成は、
全鉄(Feとして表される) 20〜200ppm;
セレン(Seとして表される) 0.1〜<3ppm;
コバルト(Coとして表される) 0.05〜1.5ppm;および
Er/Fe比 0.1〜1.25
を含む。
本発明によるガラスシートは、様々なカテゴリーに属し得るガラスで製造される。したがって、ガラスは、ソーダ石灰シリカ、アルミノケイ酸またはホウケイ酸タイプのガラス等である。好ましくは、ガラスシートの組成は、ガラスの全重量に対して表される、重量パーセンテージで
SiO 40〜78重量%
Al 0〜18重量%
0〜18重量%
NaO 0〜20重量%
CaO 0〜15重量%
MgO 0〜10重量%
O 0〜10重量%
BaO 0〜5重量%
を含む組成を有するベースグラスマトリックスを含む。
さらに好ましくは、特に製造コストが低いという理由から、ガラス組成は、ソーダ石灰ケイ酸タイプのガラスである。この実施形態に従って、「ソーダ石灰ケイ酸タイプのガラス」とは、その組成のベースガラスマトリックスが、ガラスの全重量に対して表される、重量パーセンテージで
SiO 60〜78重量%
Al 0〜8重量%
0〜4重量%
CaO 0〜15重量%
MgO 0〜10重量%
NaO 5〜20重量%
O 0〜10重量%
BaO 0〜5重量%
を含むことを意味する。
この実施形態に従って、好ましくは、その組成のベースガラスマトリックスが、ガラスの全重量に対して表される、重量パーセンテージで
SiO 60〜78重量%
Al 0〜6重量%
0〜1重量%
CaO 5〜15重量%
MgO 0〜8重量%
NaO 10〜20重量%
O 0〜10重量%
BaO 0〜1重量%
を含む。
本発明の好ましい実施形態において、組成が、ガラスの全重量に対して表される、重量パーセンテージで
65≦SiO≦78重量%
5≦NaO≦20重量%
0≦KO<5重量%
1≦Al<6重量%
0≦CaO<4.5重量%
4≦MgO≦12重量%
(MgO/(MgO+CaO))≧0.5
を含む。
本発明の別の好ましい実施形態において、組成が、ガラスの全重量に対して表される、重量パーセンテージで
65≦SiO≦78重量%
5≦NaO≦20重量%
0≦KO<5重量%
3<Al≦5重量%
0<CaO<4.5重量%
4≦MgO≦12重量%
0.88≦[MgO/(MgO+CaO)]<1
を含む。
本発明の別の好ましい実施形態において、組成が、ガラスの全重量に対して表される、重量パーセンテージで
60≦SiO≦78重量%
5≦NaO≦20重量%
0.9<KO≦12重量%
4.9≦Al≦8重量%
0.4<CaO<2重量%
4<MgO≦12重量%
を含む。
本発明の別の好ましい実施形態において、組成が、ガラスの全重量に対して表される、重量パーセンテージで
65≦SiO≦78重量%
5≦NaO≦20重量%
1≦KO<8重量%
1≦Al<6重量%
2≦CaO<10重量%
0≦MgO≦8重量%
O/(KO+NaO):0.1〜0.7
を含む。
特に、本発明による組成物に対するベースガラスマトリックスの例が、公開されたPCT特許出願国際公開第2015/150207A1号パンフレット、国際公開第2015/150403A1号パンフレット、国際公開第2016/091672号パンフレットおよび国際公開第2016/169823号パンフレット、および欧州特許出願第16176447.7号明細書に記述されている。
古典的なエクストラクリアからクリアなソーダ石灰ケイ酸タイプのガラス組成物の大部分は、不純物として鉄以外の他の着色物を有意な量で含まない。それにもかかわらず、一部の特定の組成物は、主に特定の原料が汚染されているため、不純物として一部の他の着色物を含み得る。例えば、一部の組成物は、ニッケル(つまり、0.002重量%まで)またはクロム(つまり、0.005重量%まで)を不純物として含み得る。
有利なことに、本発明のガラスシートは、機械的または化学的に強化することができる。それは、曲げる/湾曲させることもでき、または一般的な手法では、所望の形状を実現するために(冷間曲げ、熱成形などにより)変形させることもできる。それを積層することもできる。
本発明の一実施形態に従って、ガラスシートが、少なくとも1つの透明かつ導電性の薄層でコーティングされる。本発明による透明かつ導電性の薄層は、例えば、SnO:F、SnO:SbまたはITO(酸化インジウムスズ)、ZnO:AlまたはさらにZnO:Gaをベースとする層であることができる。
本発明の別の有利な実施形態に従って、ガラスシートは、少なくとも1つの反射防止層でコーティングされる。この実施形態は明らかに、スクリーンの前面として本発明のガラスシートを使用する場合に有利である。本発明による反射防止層は、例えば、低屈折率を有する多孔質シリカをベースとする層であり得て、または数枚の層(スタック)、特に低屈折率および高屈折率を有する層が交互になり、かつ低屈折率を有する層で終わる誘電材料の層のスタックで構成され得る。
別の実施形態に従って、ガラスシートは、少なくとも1つの防指紋層がコーティングされるか、または指紋の付着を低減する、または防ぐために処理されている。この実施形態は、タッチスクリーンの前面として本発明のガラスシートを使用する場合にも有利である。かかる層またはかかる処理は、反対面上に付着される透明かつ導電性の薄層と組み合わせることができる。かかる層は、同一面上に付着される反射防止層と組み合わせることができ、防指紋層は、スタックの外側に位置し、したがって反射防止層を覆う。
さらに別の実施形態に従って、ぎらつき(glaring)および/またはきらめき(sparkling)を低減する、または防ぐために、ガラスシートが、少なくとも1つの層でコーティングされるか、または処理されている。この実施形態は、当然のことながら、ディスプレイデバイスの前面として、本発明のガラスシートを使用する場合に有利である。かかるぎらつき防止またはきらめき防止の処理は、例えばガラスシートの処理面の特定の粗さを生じさせる酸エッチング処理である。
さらに別の実施形態に従って、ガラスシートは、抗菌性が得られるように(つまり、既知の銀処理により)処理されている。かかる処理は、本発明のガラスシートをディスプレイデバイスの前面として使用する場合にも有利である。
さらに別の実施形態に従って、ガラスシートは、エナメル、有機塗料、ラッカーなどを含む少なくとも1つの塗料層がコーティングされる。この塗料層は、有利には着色層であるか、または白色であってもよい。この実施形態に従って、ガラスシートは、少なくとも1つの面上のその表面全体または一部にのみコーティングされ得る。
所望の用途および/または特性によって、本発明によるガラスシートの一方の面および/または他方の面の上に、他の層/処理を付着/実施することができる。
本発明のガラスシートは、家具(テーブル、棚、椅子、ドアなど)、電子デバイス、電気器具、ホワイトボード、食器棚、シャワー室のドア、壁パネル、ファサード、室内の間仕切り、照明などの多様な対象物に組み込まれる/対象物と結合される/対象物として使用される場合に特に興味深い。本発明のガラスシートは、自動車またはディスプレイなどの他の分野でも使用され得る。
本発明の実施形態は、本発明に従っていない一部の比較例と共に、単に一例としてさらに説明される。以下の実施例は、説明的な目的で提供され、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
3セットの実施例(セット1〜3)として全鉄、セレン、エルビウム、およびコバルトの様々な量を有する、本発明による様々なガラスシートを計算/シミュレーションした。
セット1〜3のガラスシートそれぞれの視感透過率およびカラーパラメーターのシミュレーションは、ガラス中の着色剤(コバルト、セレン、エルビウム)それぞれの吸収スペクトルに基づいた。スペクトル透過測定からそれぞれの吸収スペクトルが誘導され、文献にも記載されている。ガラス中の着色剤(コバルト、セレン、エルビウム)の量に基づいて、個々の着色剤の吸収の加重合計を計算することによって、得られた吸収スペクトルを計算することができる。最後に、得られたこの吸収スペクトルから、所定の光路長(4mmまたは500mm)に対する各実施例の、視感透過率およびカラーパラメーターを計算することが可能であった。
セット1〜3のガラスシートについて、以下の光学特性および色特性を計算した:
−視感透過率TLD4は、厚さ4mmに対して立体視野角2°(D65光源)を用いて、380〜780nmの範囲の波長で測定した;
−CIELパラメーターは、以下のパラメーター:光源D65、10°、厚さ4mmおよび500mmを用いて透過において測定した;
−半吸収長(HAL、mm)は、0mmに近い厚さのガラス(言い換えると、吸収のないガラス)で得られるであろう、TLDの50%に等しいTLD値に到達させるために、光路長を評価することによって決定された。
4mmまたは500mmでのN値は最終的に次式:
Figure 2020503230
から計算された。
セット1
EX1.1実施例(比較)は、コバルト、エルビウムまたはセレンを含まない、古典的かつ商品化されたクリアガラスシート(「clearlite(登録商標)」として販売されている、600ppmの全鉄を含有する)に相当する。
EX1.2実施例(比較)は、いくらかのコバルトおよびセレンが存在する、現況技術の古典的なクリアガラスと同様な全鉄の量を含む組成を有するガラスシートに相当する。
EX1.3実施例(比較)は、いくらかのエルビウムが存在する、現況技術の古典的なクリアガラスと同様な全鉄の量を含む組成を有するガラスシートに相当する。
EX1.4実施例は、現況技術の古典的なクリアガラスと同様な全鉄の量を含み、コバルト、エルビウムおよびセレンが本発明に従わず存在する、ガラスシートに相当する。
EX1.5〜EX1.10実施例は、現況技術の古典的なクリアガラスと同様な全鉄の量を含み、かつコバルト、エルビウムおよびセレンが本発明に従って存在する、本発明によるガラスシートに相当する。
表1は、セット1からの実施例EX1.1〜1.10の計算された光学特性および色特性、および全鉄、コバルト、セレンおよびエルビウムのそれぞれの量を示す。
Figure 2020503230
EX1.1〜1.10の結果から以下のことが分かる:
−EX1.1(Se、CoまたはErを含有しないクリアガラス)は、非ニュートラルなエッジ(N500mmが0からはるかに離れており、エッジは視覚的に緑がかっているように見える)を有するが、非常に高いエッジ視感度を示す(HALの値が高いと、エッジが視覚的に非常にブライトであることを意味する);
−EX1.2(Se、Coを含有するクリアガラス)は、非常に良好なシートのニュートラリティ(N4mm値が非常に0に近い)およびエッジのニュートラリティ(N500mmもまた非常に低い)を示す。しかしながら、それはTLD4の著しい減少(−1.4%)を示し、クリアガラスEX1.1と比べてHAL値が非常に低く、そのことから、そのエッジ視感度が非常に低く、したがって長さ500mmのシートのエッジ外観が暗く/黒ずんだ色(視覚的に灰色に見える)であることを意味する;
−EX1.3(Erを含有するクリアガラス)は、クリアガラスEX1.1の値をほとんど維持するTLD4値、およびEX1.2と比較してかなり高く、EX1.1の値に近いHAL値を有し、そのことから、そのエッジ視感度は申し分のないことを意味する。しかしながらEX1.3が非常に良好なシートのニュートラリティ(N4mm値が非常に0に近い)を示したとしても、そのエッジのニュートラリティは非常に乏しい(N500mmは高く、エッジは黄色/緑色に見える);
−EX1.4〜1.10(本発明に従ってCo、Se、Erを含有するクリアガラス)によって、クリアガラスマトリックスにおける本発明の目標に到達し、つまり、EX1.2よりも高いエッジ視感度(HAL)と共に、非常にニュートラルな/無彩色エッジ(Se、Co、Erのそれぞれの量に応じて、N500mmが低い、ないし非常に低い)に達すると同時に、非常に良いレベルでTLD4を維持する(古典的なクリアガラスEX1.1と比較してわずかに減少するが、EX1.2と比べて0.3%〜1.4%増加する)。
セット2
EX2.1実施例(比較)は、コバルト、エルビウムまたはセレンを含有しない古典的な低鉄ガラスシート(約260ppmの全鉄を含有する)に相当する。
EX2.2実施例(比較)は、いくらかのコバルトおよびセレンが存在する、EX2.1と同様な全鉄の量を含む組成を有するガラスシートに相当する。
EX2.3実施例(比較)は、いくらかのエルビウムが存在する、EX2.1と同様な全鉄の量を含む組成を有するガラスシートに相当する。
EX2.4〜EX2.7実施例は、現況技術(EX2.1)の古典的な低鉄ガラスと同様な全鉄の量を含み、かつ本発明に従ってコバルト、エルビウムおよびセレンが存在する、本発明によるガラスシートに相当する。
表2は、セット2からの実施例EX2.1〜2.7の計算された光学特性および色特性、ならびに全鉄、コバルト、セレンおよびエルビウムのそれぞれの量を示す。
Figure 2020503230
EX2.1〜2.7の結果から以下のことが分かる:
−EX2.1(Se、CoまたはErを含有しない)は、非ニュートラルなエッジ(N500mmが非常に高い値であり、エッジは視覚的に黄緑色に見える)を有するが、非常に高いエッジ視感度を示す(HALの値が高いと、エッジが視覚的に非常にブライトであることを意味する);
−EX2.2(Se、Coを含有する)は、非常に良好なシートのニュートラリティ(N4mm値が非常に0に近い)およびエッジのニュートラリティ(N500mmもまた非常に低い)を示す。しかしながら、それはTLD4の著しい減少(−1%)を示し、EX1.1と比べてHAL値が非常に低く、そのことから、そのエッジ視感度が非常に低く、したがって長さ500mmのシートのエッジ外観が暗く/黒ずんだ色(視覚的に灰色に見える)であることを意味する;
−EX2.3(Erを含有する)は、EX2.2よりも良いTLD4値、およびEX2.2と比較してかなり高く、EX2.1の値に近いHAL値を有し、そのことから、そのエッジ視感度は申し分のないことを意味する。しかしながらEX2.3が非常に良好なシートのニュートラリティ(N4mm値が非常に0に近い)を示したとしても、そのエッジのニュートラリティは非常に乏しい(N500mmは高く、エッジは黄色/緑色である);
−EX2.4〜2.7(本発明によりCo、Se、Erを含有する)によって、全鉄260ppmを含有する低鉄ガラスマトリックスにおける本発明の目標に到達し、つまり、EX2.2よりも高いエッジ視感度(HAL)と共に、非常にニュートラルな/無彩色エッジ(Se、Co、Erのそれぞれの量に応じて、N500mmが低い、ないし非常に低い)に達すると同時に、非常に良いレベルでTLD4を維持する(古典的なクリアガラスEX1.1と比較してわずかに減少するが、EX2.2と比べて同じかまたは0.2%〜0.6%増加する)。
セット3
EX3.1実施例(比較)は、コバルト、エルビウムまたはセレンを含有しない古典的な低鉄ガラスシート(約120ppmの全鉄を含有する)に相当する。
EX3.2実施例(比較)は、いくらかのコバルトおよびセレンがそれに存在する、EX3.1と同様な全鉄の量を含む組成を有するガラスシートに相当する。
EX3.3実施例(比較)は、いくらかのコバルトおよびエルビウムがそれに存在する、EX3.1と同様な全鉄の量を含む組成を有するガラスシートに相当する。
EX3.4〜EX3.6実施例は、現況技術(EX3.1)の古典的な低鉄ガラスと同様な全鉄の量を含み、かつコバルト、エルビウムおよびセレンが本発明に従って存在する、本発明によるガラスシートに相当する。
表3は、セット3からの実施例EX3.1〜3.6の計算された光学特性および色特性、ならびに全鉄、コバルト、セレンおよびエルビウムのそれぞれの量を示す。
Figure 2020503230
EX3.1〜3.6の結果から以下のことが分かる:
−EX3.1(Se、CoまたはErを含有しない)は、非ニュートラルなエッジ(N500mmが非常に高い値であり、エッジは視覚的に黄緑色に見える)を有するが、非常に高いエッジ視感度を示す(HALの値が非常に高いと、エッジが視覚的に非常にブライトであることを意味する);
−EX3.2(Se、Coを含有する)は、非常に良好なシートのニュートラリティ(N4mm値が非常に0に近い)およびエッジのニュートラリティ(N500mmもまた非常に低い)を示す。しかしながら、それはTLD4の著しい減少(−0.5%)を示し、EX3.1と比べてHAL値が低く、そのことから、そのエッジ視感度が低く、したがって長さ500mmのシートのエッジ外観が暗く/黒ずんだ色(視覚的に灰色に見える)であることを意味する;
−EX3.3(Erを含有する)は、EX3.2よりも良いTLD4値、およびEX3.2と比較してかなり高く、EX3.1の値に近いHAL値を有し、そのことから、そのエッジ視感度は申し分のないことを意味する。しかしながらEX3.3が非常に良好なシートのニュートラリティ(N4mm値が非常に0に近い)を示したとしても、そのエッジのニュートラリティは乏しい(N500mmは高く、エッジは黄色である);
−EX3.4〜3.6(本発明に従ってCo、Se、Erを含有する)によって、120ppmの全鉄を含有する低鉄ガラスマトリックスにおける本発明の目標に到達し、つまり、EX3.2よりも高いエッジ視感度(HAL)と共に、非常にニュートラルな/無彩色エッジ(Se、Co、Erのそれぞれの量に応じて、N500mmが低い、ないし非常に低い)に達すると同時に、非常に良いレベルでTLD4を維持する(EX3.1と比較してわずかに減少するが、EX3.2と比べて0.1%〜0.3%増加する)。
セット4
計算された実施例の次に、古典的なソーダ石灰ベースガラスマトリックス中で可変量の鉄、セレン、コバルトおよびエルビウムを用いて、本発明による様々なガラスシートを実験室で製造した。
セット4からの試料を製造するために、出発原料を粉末状態で混合し、事前定義されたソーダ石灰シリカベースガラスマトリックスを古典的に溶融するためにるつぼに入れ、最終組成において目標とされる含有量の関数として、可変量でセレンおよび/またはコバルトおよび/またはエルビウムを含む出発原料をそれに添加した(鉄は、ベース組成物の出発原料中に不純物として少なくとも一部既に存在することを留意されたい)。重量合計で100%に達するように、全鉄、コバルト、セレンおよびエルビウムの量に応じて、ガラス試料中のSiO量を合わせた。
Figure 2020503230
EX4.1実施例(比較)は、コバルト、エルビウムまたはセレンを含有しない古典的な低鉄ガラスシート(約120ppmの全鉄を含有する)に相当する。
EX4.2実施例(比較)は、いくらかのコバルトおよびセレンがそれに存在する、EX4.1と同様な全鉄の量を含む組成を有するガラスシートに相当する。
EX4.3〜4.4実施例(比較)は、いくらかのエルビウムがそれに存在する、EX4.1と同様な全鉄の量を含む組成を有するガラスシートに相当する。
EX4.5実施例は、現況技術(EX4.1)の古典的な低鉄ガラスと同様な全鉄の量を含み、かつコバルト、エルビウムおよびセレンが本発明に従って存在する、本発明によるガラスシートに相当する。
直径150mmの積分球を備えたPerkin Elmer Lambda 950分光光度計で、セット4からのそれぞれのガラスシートの光学的性質を決定し、特に:
−光透過率TLD4は、厚さ4mmに対して立体視野角2°(D65光源)を用いて380〜780nmの範囲の波長で測定し;観測立体角2°(光源D65)でも測定し;
−CIELパラメーターは、以下の測定パラメーター:光源D65、10°、厚さ4mmおよび500mmを用いて透過において測定し;
−半吸収長(HAL、mm)は、0mmに近い厚さのガラスで(言い換えると、吸収のないガラスで)得られるであろう、TLDの50%に等しいTLD値に到達させるために、光路長を評価することによって決定された。
セット4からのガラスシートの組成および測定された光学的性質を表4に示す。
Figure 2020503230
セット5
古典的かつ既知の手法において大量生産フロート炉で、古典的なソーダ石灰ベースガラスマトリックス中に可変量の鉄、セレン、コバルトおよびエルビウムを含む、本発明による一部のソーダ石灰シリカガラスシートを工業的に製造した。
EX5.1実施例(比較)は、コバルト、エルビウムまたはセレンを含有しない古典的な低鉄ガラスシート(約200ppmの全鉄を含有する)に相当する。
EX5.2実施例は、現況技術(EX5.1)の古典的な低鉄ガラスと同様な全鉄の量を含み、かつコバルト、エルビウムおよびセレンが本発明に従って存在する、本発明によるガラスシートに相当する。
セット5からのガラスシートの組成および測定された光学的性質を表5に示す。
Figure 2020503230

Claims (15)

  1. 全鉄(Feとして表される) 20〜750ppm;
    セレン(Seとして表される) 0.1〜<3ppm;
    コバルト(Coとして表される) 0.05〜5ppm;および
    Er/Fe比 0.1〜1.5;
    を含む組成を有するガラスシート。
  2. 前記組成が、Er/Fe比≦1.3を含むことを特徴とする、請求項1に記載のガラスシート。
  3. 前記組成が、Er/Fe比≧0.2を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のガラスシート。
  4. 前記組成が、Se≦2.5ppmを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラスシート。
  5. 前記組成が、Se≦2ppmを含むことを特徴とする、請求項4に記載のガラスシート。
  6. 前記組成が、Er≧10ppmを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラスシート。
  7. 前記組成が、Er≧20ppmを含むことを特徴とする、請求項6に記載のガラスシート。
  8. 前記組成が、Er≦800ppmを含むことを特徴とする、請求項7に記載のガラスシート。
  9. 前記組成が、20〜600ppmの全鉄を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のガラスシート。
  10. 前記組成が、20〜400ppmの全鉄を含むことを特徴とする、請求項9に記載のガラスシート。
  11. 前記組成が、0.05〜2ppmのCoを含むことを特徴とする、請求項10に記載のガラスシート。
  12. 前記組成が、20〜200ppmの全鉄を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のガラスシート。
  13. 前記組成が、0.05〜1.5ppmのCoを含むことを特徴とする、請求項12に記載のガラスシート。
  14. 500mm≦15を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のガラスシート。
  15. TLD4≧87%を有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のガラスシート。
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