JP2020205350A - 静電チャックおよびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】変形した基板を確実に静電吸着し、平面矯正することができる静電チャックを提供すること。【解決手段】静電チャック1は、湾曲したシート形状の静電チャック本体2と、静電チャック本体2が載置される載置面3aを含む基台3と、基台3に載置された湾曲したシート形状の静電チャック本体2に外力を付与して、静電チャック本体2を載置面3a上において平坦化するための平坦化手段5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハなどの基板を、静電吸着力を利用して保持するための静電チャックおよびその運転方法に関する。
従来、半導体製造装置や薄型ディスプレイ製造装置において基板(半導体ウエハ等)を保持するために静電チャックが使用されている。静電チャックは、基板の吸着面を有する静電チャック本体を備えており、この静電チャック本体は、平板状のセラミックス焼結体に静電吸着用の電極を埋設して構成されている。
静電チャックによって基板を保持する際には、吸着対象である基板を静電チャック本体の吸着面に載置し、静電チャック本体に埋設された電極に電圧を印加する。これにより、基板の下面と静電チャック本体の吸着面との間に静電気力(吸引力)が発生し、基板が静電チャック本体に静電吸着される。
例えば半導体製造装置において静電チャックを使用する場合には、静電吸着力により半導体ウエハを静電チャックで保持した状態で、半導体ウエハの処理面(上面)に対して、成膜処理(CVD等)、エッチング処理、或いは露光処理などを行う。
上記の通り静電チャックは、静電気力を利用して基板を保持するように構成されているので、機械的な保持具を使用せずに基板を保持することができる。このため、静電チャックによって保持された状態にある基板の上面(特に周縁部)が機械的な保持具によって覆われることがなく、例えば半導体ウエハであれば、その処理面(上面)の全体を処理することができる。また、静電チャックは、保持した基板に対して所定の測定を行ったり、保持した基板を搬送したりする際にも用いられる。
このように静電チャックは、吸着対象の基板の下面と静電チャック本体の吸着面との間に静電気力を発生させて基板を静電吸着するものであるが、静電吸着力は吸着対象の表面同士の間に働くものである。そのため、基板の下面と静電チャック本体の吸着面とが十分に近接または接触していないと、有効な力(静電吸着力)が生じない。
したがって、静電チャックによって基板を静電吸着するためには、基板の下面と静電チャック本体の吸着面とが、吸着前の状態において、全体的に密着しているか、或いは部分的に多少離間していても、静電吸着に支障がない程度(静電吸着力によって基板を平面矯正できる程度)である必要がある。
ところが、吸着対象である基板は必ずしも平坦であるとは限らず、特に基板の大型化に伴って、基板の十分な平坦度を確保するのが難しくなってきている。すなわち、基板に撓みや反りが発生し、例えば基板の中央部が上方に突出していたり(中凸形状)、逆に中央部が下方に突出していたり(中凹形状)、或いは全体が鞍のような形状(鞍型形状)を成している場合がある。このように基板が変形していると、静電チャックによって吸着する前の状態において、基板の下面と静電チャック本体の吸着面との間に比較的大きな間隙が生じ、これによって基板の静電吸着が困難もしくは不可能となるという問題がある。
特許文献1には、基板を吸着するための吸着面を凹状に形成した静電チャックが開示されている。この従来の静電チャックは、中凹形状の基板には、ある程度対応(吸着)できるかも知れないが、中凸形状や鞍型形状の基板には対応(吸着)できないし、中凹形状の基板であっても、その変形の度合いによっては対応(吸着)できない。また、この従来の静電チャックは、その吸着面が固定的(変形不能)に凹状に形成されており、静電チャックによって吸着された基板は、静電チャックの吸着面の凹形状に対応する変形形状を成している。すなわち、上記従来の静電チャックは、変形した基板を吸着できたとしても、変形した基板を平面矯正することはできない。
特開2018−064055号公報
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、変形した基板を確実に静電吸着することができる静電チャックおよびその運転方法を提供することを目的とする。また、本発明は、変形した基板を平面矯正することができる静電チャックおよびその運転方法を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明による静電チャックは、
湾曲したシート形状の静電チャック本体と、
前記静電チャック本体が載置される載置面を含む基台と、
前記基台に載置された前記湾曲したシート形状の静電チャック本体に外力を付与して、前記静電チャック本体を前記載置面上において平坦化するための平坦化手段と、を備えたことを特徴とする。
上記特徴を備えた本発明の静電チャックによれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体によって基板を静電吸着することにより、基板が変形している場合でも確実に吸着することができる。
また、変形した基板を静電チャック本体により静電吸着した後、平坦化手段によって静電チャック本体を平坦化することにより、変形していた基板が静電チャック本体と一体に平坦化されて平面矯正される。
このように本発明は、変形した基板の確実な吸着と、変形した基板の平面矯正という二つの効果を奏することができる。
[2]また、本発明の静電チャックにおいて、
前記平坦化手段は、前記湾曲したシート形状の静電チャック本体の縁部に当接し、前記載置面から離間した前記静電チャック本体の縁部を前記載置面に向けて押圧するための可動当接部材を有することが好ましい。
本発明によれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体を、可動当接部材によって、機械式に確実に平坦化することができる。静電チャック本体の平坦化を機械式に行うので、例えば減圧空間においても有効に機能する。
[3]また、本発明の静電チャックにおいて、
前記平坦化手段は、前記湾曲したシート形状の静電チャック本体の下面に真空吸着力を付与して前記載置面から離間した前記静電チャック本体の部分を前記載置面に向けて引き寄せるための真空吸引機構を有することが好ましい。
本発明によれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体を、機械的な機構を用いることなく、真空吸引機構によって平坦化することができる。機械的な機構がないので、部材同士の接触によるパーティクルの発生を抑えることができる。
[4]また、本発明の静電チャックにおいて、
前記平坦化手段は、前記湾曲したシート形状の静電チャック本体の下面と前記載置面との間に静電気力を発生させて前記載置面から離間した前記静電チャック本体の部分を前記載置面に向けて引き寄せるための静電吸着機構を有することが好ましい。
本発明によれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体を、機械的な機構を用いることなく、静電吸着機構によって平坦化することができる。機械的な機構がないので、部材同士の接触によるパーティクルの発生を抑えることができる。また、静電チャック本体の平坦化に静電吸着力を利用するので、例えば減圧空間においても有効に機能する。
[5]上記目的を達成するため、本発明は、上記いずれかの静電チャックの運転方法であって、
前記載置面に載置された前記湾曲したシート形状の静電チャック本体に変形した基板を載置する基板載置工程と、
前記変形した基板が前記湾曲したシート形状の静電チャック本体に静電吸着された状態で、前記平坦化手段によって前記湾曲したシート形状の静電チャック本体を前記載置面上において平坦化する平坦化工程と、を備えたことを特徴とする。
上記特徴を備えた本発明の静電チャックの運転方法によれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体によって基板を静電吸着することにより、基板が変形している場合でも確実に吸着することができる。
また、変形した基板を静電チャック本体により静電吸着した後、平坦化手段によって静電チャック本体を平坦化することにより、変形していた基板が静電チャック本体と一体に平坦化されて平面矯正される。
このように本発明は、変形した基板の確実な吸着と、変形した基板の平面矯正という二つの効果を奏することができる。
本発明の一実施形態である静電チャックを模式的に示した縦断面図。 (a)は図1に示した静電チャックの平面図であり、(b)は(a)の一部を拡大して示した図、(c)は可動当接部材の動作を説明するための説明図。 図1に示した静電チャックの運転方法を説明するための図であり、(a)は湾曲した静電チャック本体に、変形した基板を載置する前の状態を示し、(b)は湾曲した静電チャック本体に、変形した基板を載置して静電吸着した状態を示す。 図1に示した静電チャックの運転方法を説明するための図であり、(a)は平坦化手段によって静電チャック本体を平坦化して、静電吸着した基板を平面矯正した状態を示し、(b)は平坦化手段を構成する可動当接部材を退避させた状態を示す。 図1に示した実施形態の一変形例である静電チャックの平坦化手段を説明するための図。 本発明の他の実施形態である静電チャックを模式的に示した縦断面図であり、(a)は湾曲した静電チャック本体に、変形した基板を載置して静電吸着した状態を示し、(b)は平坦化手段によって静電チャック本体を平坦化して、静電吸着した基板を平面矯正した状態を示す。 本発明の他の実施形態である静電チャックを模式的に示した縦断面図であり、(a)は湾曲したの静電チャック本体に、変形した基板を載置して静電吸着した状態を示し、(b)は平坦化手段によって静電チャック本体を平坦化して、静電吸着した基板を平面矯正した状態を示す。 図6または図7に示した実施形態の一変形例である静電チャックを模式的に示した縦断面図であり、(a)は湾曲した静電チャック本体に、変形した基板を載置して静電吸着した状態を示し、(b)は平坦化手段によって静電チャック本体を平坦化して、静電吸着した基板を平面矯正した状態を示す。
以下、本発明の実施形態である静電チャックおよびその運転方法について、図面を参照して説明する。なお、図示内容の理解を容易にするための便宜上、図面に示した各部材のアスペクト比は実際の値から変更されている。
図1および図2は、本発明の一実施形態による静電チャック1を示している。本実施形態による静電チャック1は、特に、半導体製造装置において半導体ウエハ(円形形状の基板)を吸着保持するのに適している。
図1および図2に示したように、本実施形態による静電チャック1は、基板を静電吸着するためのシート形状の静電チャック本体2を有し、静電チャック本体2の上面が基板の吸着面2aを形成している。静電チャック本体2は、自然状態において湾曲した形状を備えており、本例においては中凹形状に湾曲している。静電チャック本体2の下方に基台3が配置されており、静電チャック本体2は、基台3の上面に形成された平坦な載置面3aに載置されている。
静電チャック本体2は、円形シート形状のセラミックス焼結体2bと、セラミックス焼結体2bの内部に埋設された双極の電極2cを備えている。セラミックス焼結体2bの吸着面2aと反対側の面(下面)から、双極の電極2cに対して接続ケーブル4がそれぞれ接続されている。接続ケーブル4は、基台3を上下に貫通する貫通孔3bに挿通されている。外部電源(図示を省略)から、接続ケーブル4を介して、静電チャック本体2の各電極2cに対して、静電吸着用の電圧が付与される。
静電チャック1は、さらに、複数(本例では4本)の略棒状の可動当接部材5を備えている。可動当接部材5の上端には、水平方向に延在するフック部5aが設けられている。基台3の周縁部には、周方向に等角度間隔で、上下方向に延びる貫通孔3cが形成されている。貫通孔3cには、可動当接部材5が昇降可能に挿通されている。
可動当接部材5は、図示を省略した昇降駆動手段によって昇降駆動され、また、図示を省略した回転駆動手段によって、その長手軸線周りに回転駆動される。昇降駆動手段および回転駆動手段は、例えばピエゾ素子(圧電アクチュエータ)またはリニアモーターなどの駆動源と、歯車機構などの動力伝達機構とを組み合わせることによって構成することができる。
上述したように可動当接部材5は、その長手軸線周りに回転可能であり、図2(b)に示した、フック部5aが静電チャック本体2の縁部に当接可能な位置と、図2(c)に示した、フック部5aが静電チャック本体2の縁部から退避した位置とを切り替えることができる。図2(c)に示した退避位置において、可動当接部材5を昇降させた際に、フック部5aが貫通孔3cに出入可能とされている。
可動当接部材5は、本発明における平坦化手段を構成しており、基台3に載置された湾曲したシート形状の静電チャック本体2に外力を付与して、静電チャック本体2を載置面3a上において平坦化するように構成されている。
すなわち、図1に示した状態から、昇降駆動手段によって可動当接部材5を下降させると、可動当接部材5のフック部5aが、湾曲したシート形状の静電チャック本体2の縁部に当接し、載置面3aから離間した静電チャック本体2の縁部を載置面3aに向けて押圧する。これにより、載置面3aから浮き上がっていた静電チャック本体2の縁部が載置面3aに向けて変位し、静電チャック本体2が載置面3a上で平坦化される。このときの静電チャック本体2の変形は、好ましくは弾性変形である。
静電チャック1を、例えば半導体製造装置(成膜装置等)において使用する場合には、セラミックス焼結体2bの材質は、ハロゲン系のガス(例えばCF、SF、NF、ClF)に対する耐腐食性が高いものが好ましい。例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化イットリウム、イットリウムおよびアルミニウムの複合酸化物、酸化マグネシウム、またはフッ化物があげられる。
静電チャック本体2を形成するセラミックス焼結体2bの材質や厚みには特に制約はないが、平坦化手段によって外力を付与して静電チャック本体2を弾性変形させるためには、静電チャック本体2は比較的剛性が低い方が好ましい。例えば、セラミックス焼結体2bとしてアルミナ(Al)や窒化アルミニウムを使用し、その厚みを5mm以下にすることが好ましい。
静電チャック本体2の製造方法としては、電極を印刷したグリーンシートを積層して成形するシート積層法が好適である。積層体は焼成により焼結体となるが、焼成時、またはその後の熱処理で、成形用の型を用いたり、錘により(例えば中央部に)負荷を加えたりすることにより、焼結体を所望の湾曲形状に変形させることができる。
静電チャック本体2の一実施例としては、アルミナグリーンシート(厚み0.6mm)に静電吸着用電極2cとなるタングステンペーストを印刷し、これに、印刷していないグリーンシートを複数枚積層する。この際、電極の片側に配置されるグリーンシートには、電極を露出させるための穴を予め設けておくようにする。
積層体を熱プレスした後に加工し、成形体を作製する。これを還元雰囲気で1600℃以上で焼成し、アルミナ焼結体を得る。これを総厚みが1.5mmとなるようにし、電極2cと吸着面2aまでの距離(絶縁層厚み)を0.3mm、表面粗さはRa0.1μmとなるように加工する。
こうして得られた平坦状の静電チャック本体2を、熱処理によって変形させる。すなわち、還元雰囲気炉に外周部をリング状に支持した平坦状の静電チャック本体を載置し、その中央部に錘を載せ、1500℃、1時間熱処理を行う。
熱処理後の静電チャック本体2は、その中央部が凹状に変形して、全体として中凹形状となり、その変形深さは200μm程度となる。
静電チャック本体2が載置される基台3の材質としては、金属またはセラミックスが好適である。また、可動当接部材5の材質も、金属またはセラミックスが好適である。
また、静電チャック本体2の内部に加熱用電極を追加して埋設することにより、基板の吸着保持機能に加えて、基板の加熱機能を備えた静電チャックを構成することができる。基板の加熱は、例えば半導体製造装置において半導体ウエハを成膜処理する際に行われる。半導体ウエハの成膜処理において高い面内均一性を確保するために、半導体ウエハをその全面にわたって均一に加熱する必要がある。そのため、基板の下面の全体が、静電チャック本体2の吸着面2aに密着していることが重要であり、本実施形態による静電チャック1は、このような場合に好適である。
次に、本実施形態による静電チャック1の運転方法について、図3および図4を参照して説明する。
図3(a)に示したように、基台3の載置面3a上に湾曲したシート形状の静電チャック本体2を載置した状態で、図3(b)に示したように、中凹形状に変形した基板Sを静電チャック本体2の吸着面2a上に載置する(基板載置工程)。
このとき、静電チャック本体2の吸着面2aは中凹形状に変形しているので、同じく中凹形状に変形した基板Sの変形した下面と静電チャック本体2の吸着面2aとを、全体として十分に近接または接触させることができる。
静電チャック本体2の吸着面2aに基板Sを載置した状態で、接続ケーブル4を介して静電チャック本体2の電極2cに電圧を印加する。すると、基板Sの下面と静電チャック本体2の吸着面2aとの間に静電気力が発生し、基板Sが静電チャック本体2の吸着面2aに吸着される。このとき、静電チャック本体2の中凹形状の吸着面2aが、中凹形状の基板Sの変形した下面に対して全体として十分に近接または接触しているので、基板Sの下面と静電チャック本体2の吸着面2aとの間に十分な静電気力が全面にわたって発生する。これにより、変形した基板Sであっても、静電チャック本体2によって確実に吸着することができる。
次に、変形した基板Sが湾曲した静電チャック本体2に静電吸着された状態で、図4(a)に示したように、可動当接部材5を下降させて、湾曲した静電チャック本体2の周縁部を載置面3aに向けて押圧して変位させ、載置面3a上において静電チャック本体2を平坦化する(平坦化工程)。これにより、静電チャック本体2に静電吸着されている基板Sが同時に平面矯正される。
ここで、可動当接部材5のフック部5aは基板Sに接触していないので、図4(a)に示した状態、すなわち可動当接部材5のフック部5aが静電チャック本体2の縁部に当接している状態において、基板Sに対して所望の処理(例えば成膜処理、エッチング処理、或いは露光処理)を行うことができる。
一方、可動当接部材5のフック部5aを、図2(b)に示した当接位置から、図2(c)に示した退避位置に切り替えて、可動当接部材5を下降させ、図4(b)に示したように可動当接部材5を退避させることもできる。
この場合、可動当接部材5による外力を解除した後も静電チャック本体2の平坦状態を維持するための手段が必要となるので、例えば、静電チャック本体2を基台3の載置面3aに対して真空吸着するための真空吸着機構を設けたり、或いは静電吸着するための静電吸着機構を設けることができる。
以上述べたように、本実施形態による静電チャック1によれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体2によって基板Sを静電吸着することにより、基板Sが変形している場合でも確実に吸着することができる。
また、静電チャック1が基板Sの保持手段と加熱手段とを兼ねている場合には、基板Sの下面の全体を静電チャック本体2の吸着面2aにしっかりと吸着させることにより、基板Sの全体を高い面内均一性の下で加熱することができる。これにより、例えば半導体ウエハの処理(成膜処理等)において高い面内均一性を確保することができる。
また、変形した基板Sを静電チャック本体2により静電吸着した後、可動当接部材5によって静電チャック本体2を平坦化することにより、変形していた基板Sが静電チャック本体2と一体に平坦化されて平面矯正される。
例えば、半導体製造装置において半導体ウエハに対して露光処理を行う際には、半導体ウエハの処理面(上面)に対して高い平坦度が要求されるが、吸着前の半導体ウエハが変形している場合であっても、本実施形態の静電チャック1によって、変形した半導体ウエハを平坦矯正することにより、露光処理に必要な高い平坦度の要求を満たすことができる。
上記の通り、本実施形態による静電チャック1は、変形した基板Sの確実な吸着と、変形した基板Sの平面矯正という二つの効果を奏することができる。
また、本実施形態による静電チャック1によれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体2を、可動当接部材5によって、機械式に確実に平坦化することができる。静電チャック本体2の平面矯正を機械式に行うので、例えば減圧空間においても有効に機能する。
上記実施形態の一変形例としては、上述した略棒状の可動当接部材5に代えて、図5に示したように、ネジ部材6によって可動当接部材(平坦化手段)を構成しても良い。すなわち、本例においては、複数(例えば4本)のネジ部材6が、その長手軸線周りに回転可能に基台3に設けられている。ネジ部材6のネジ溝には、静電チャック本体2の周縁部の端部が嵌合している。
そして、ネジ部材6がその長手軸線周りに回転すると、ネジ部材6のネジ溝に嵌合している静電チャック本体2の周縁部の端部が、下方または上方に変位する。中凹形状に湾曲している静電チャック本体2を平坦化する際には、ネジ部材6をその長手軸線周りに回転させて、静電チャック本体2の周縁部の端部を下方に変位させる。これにより、基台3の載置面3a上で静電チャック本体2が平坦化される。
本変形例においても、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の他の実施形態による静電チャック1Aについて、図6を参照して説明する。
本実施形態による静電チャック1Aは、上述した実施形態による静電チャック1において、その平坦化手段の構成を変更したものである。
すなわち、本実施形態による静電チャック1Aにおいては、図6に示したように、基台3の内部に真空排気ライン10が形成されている。真空排気ライン10は、基台3の載置面3aにて開口する複数の吸引口10aを有している。真空排気ライン10は、図示を省略した真空源に接続されており、真空排気ライン10は、本発明における平坦化手段としての真空吸引機構を構成している。
図6(a)に示したように、変形した基板Sを湾曲したシート形状の静電チャック本体2によって静電吸着した状態において、静電チャック本体2の下面に、真空排気ライン10によって真空吸着力を付与する。これにより、載置面3aから離間した静電チャック本体2の部分が真空吸着力で載置面3aに向けて引き寄せられる、その結果、図6(b)に示したように、静電チャック本体2が平坦化され、同時に、変形した基板Sが平面矯正される。
本実施形態による静電チャック1Aによれば、上述の実施形態による静電チャック1と同様に、変形した基板Sを確実に静電吸着できると共に、静電吸着した基板Sを平面矯正することができる。
また、本実施形態による静電チャック1Aによれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体2を、機械的な機構を用いることなく、真空吸引機構10によって平坦化することができる。機械的な機構がないので、部材同士の接触によるパーティクルの発生を抑えることができる。
次に、本発明の他の実施形態による静電チャック1Bについて、図7を参照して説明する。
本実施形態による静電チャック1Bは、上述した実施形態による静電チャック1において、その平坦化手段の構成を変更したものである。
すなわち、本実施形態による静電チャック1Bにおいては、静電チャック本体2の内部に、基板Sを静電吸着するための電極2cに加えて、追加の電極20が設けられている。追加の電極20は、本発明における静電吸着機構を構成しており、湾曲したシート形状の静電チャック本体2の下面と基台3の載置面3aとの間に静電気力を発生させて、載置面3aから離間した静電チャック本体2の部分を、静電気力によって載置面3aに向けて引き寄せるように構成されている。
図7(a)に示したように、変形した基板Sを湾曲したシート形状の静電チャック本体2によって静電吸着した状態において、静電チャック本体2の下面と基台3の載置面3aとの間に、追加の電極20によって静電吸着力を発生させる。これにより、載置面3aから離間した静電チャック本体2の部分が静電吸着力で載置面3aに向けて引き寄せられる、その結果、図7(b)に示したように、静電チャック本体2が平坦化され、同時に、変形した基板Sが平面矯正される。
本実施形態による静電チャック1Bによれば、上述の実施形態による静電チャック1と同様に、変形した基板Sを確実に静電吸着できると共に、静電吸着した基板Sを平面矯正することができる。
また、本実施形態による静電チャック1Bによれば、湾曲したシート形状の静電チャック本体2を、機械的な機構を用いることなく、静電吸着機構を構成する追加の電極20によって平坦化することができる。機械的な機構がないので、部材同士の接触によるパーティクルの発生を抑えることができる。また、静電チャック本体2の平坦化に静電吸着力を利用するので、例えば減圧空間においても有効に機能する。
次に、図6に示した真空吸引機構を備えた実施形態、或いは図7に示した静電吸着機構を備えた実施形態の一変形例として、図8に示したように、静電チャック本体2の湾曲形状を、中凹形状ではなく、中凸形状とすることもできる。なお、図8においては、真空吸引機構または静電吸着機構の図示を省略している。
このように静電チャック本体2が中凸形状の場合でも、真空吸引機構による真空吸引力、或いは静電吸着機構による静電吸着力によって、静電チャック本体2の形状を、図8(a)に示した湾曲状態から、図8(b)に示した平坦状態へと変化させることができる。
本変形例によれば、中凸形状に変形した基板Sを、確実に静電吸着し、また平面矯正することができる。
なお、他の変形例としては、上述した機械式の平坦化手段、真空吸引式の平坦化手段、および静電吸着式の平坦化手段のうちのいずれか2つ、或いは3つすべてを、1つの静電チャックの中に組み込むようにしても良い。
1、1A、1B 静電チャック
2 静電チャック本体
2a 静電チャック本体の吸着面
2b 静電チャック本体のセラミックス焼結体
2c 静電チャック本体の電極
3 基台
3a 基台の載置面
3b 接続ケーブル用の基台の貫通孔
3c 可動当接部材用の基台の貫通孔
4 接続ケーブル
5 可動当接部材(平坦化手段)
5a 可動当接部材のフック部
6 ネジ部材(平坦化手段)
10 真空排気ライン
10a 真空排気ラインの吸引口
20 追加の電極
S 基板

Claims (5)

  1. 湾曲したシート形状の静電チャック本体と、
    前記静電チャック本体が載置される載置面を含む基台と、
    前記基台に載置された前記湾曲したシート形状の静電チャック本体に外力を付与して、前記静電チャック本体を前記載置面上において平坦化するための平坦化手段と、を備えたことを特徴とする静電チャック。
  2. 前記平坦化手段は、前記湾曲したシート形状の静電チャック本体の縁部に当接し、前記載置面から離間した前記静電チャック本体の縁部を前記載置面に向けて押圧するための可動当接部材を有することを特徴とする請求項1記載の静電チャック。
  3. 前記平坦化手段は、前記湾曲したシート形状の静電チャック本体の下面に真空吸着力を付与して前記載置面から離間した前記静電チャック本体の部分を前記載置面に向けて引き寄せるための真空吸引機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の静電チャック。
  4. 前記平坦化手段は、前記湾曲したシート形状の静電チャック本体の下面と前記載置面との間に静電気力を発生させて前記載置面から離間した前記静電チャック本体の部分を前記載置面に向けて引き寄せるための静電吸着機構を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電チャック。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の静電チャックの運転方法であって、
    前記載置面に載置された前記湾曲したシート形状の静電チャック本体に変形した基板を載置する基板載置工程と、
    前記変形した基板が前記湾曲したシート形状の静電チャック本体に静電吸着された状態で、前記平坦化手段によって前記湾曲したシート形状の静電チャック本体を前記載置面上において平坦化する平坦化工程と、を備えたことを特徴とする静電チャックの運転方法。
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