JP2020204870A - 画像形成システム及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】5色以上のカラー画像を形成する場合に、コントローラから画像形成装置へ転送する画像データの転送量を軽減して、既存の出力インターフェイスを利用する。【解決手段】画像形成システム100は、コントローラ部20と、画像形成部30と、コントローラ部20でRIP処理された画像データを画像形成部30に送る画像データバス50と、を備え、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の通常色と特色を用いて画像形成を行う。また、コントローラ部20に設けられた、通常色と特色についてRIP処理を行う第1RIP処理部26と、画像形成部30に設けられた、特色についてのRIP処理を行う第2RIP処理部37と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の通常色に特色(白色、透明色)を加えた5色以上のトナーを用いてカラー画像を形成する画像形成システム及び画像形成装置に関する。
プリンタやMFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置では、通常Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するが、近年、YMCKの通常トナーに、白色等の特色トナーを加えて5色以上のカラー画像を形成する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−151971号公報
しかしながら、5色のカラー画像を形成する場合には、画像形成システムのコントローラから画像形成装置へ、出力インターフェイス(画像データバス)を介して、5色分の画像データを転送する必要がある。このような画像データの転送量の増加に対して、従来の4色の画像形成システムで使用をしている出力インターフェイスを変更する必要が生じる。
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、5色以上のカラー画像を形成する場合に、コントローラから画像形成装置へ転送する画像データの転送量を軽減して、既存の出力インターフェイスを利用することを課題とする。
上記課題を解決し、本発明の課題を解決するため、本発明の画像形成システムは、コントローラ部と、画像形成部と、コントローラ部でRIP処理された画像データを画像形成部に送る画像データバスと、を備え、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の通常色と特色を用いて画像形成を行う。また、コントローラ部に設けられた、通常色と特色についてRIP処理を行う第1RIP処理部と、画像形成部に設けられた、特色についてのRIP処理を行う第2RIP処理部と、を備える。
なお、上記の画像形成装置は本発明の一態様であり、本発明の一側面を反映した画像形成システムについても、本発明の一側面を反映した画像形成装置と同様の構成を有する。
本発明によれば、5色以上のカラー画像を形成する場合において、コントローラから画像形成装置へ転送する画像データの転送量を抑え、既存の出力インターフェイス(画像データバス)を利用して画像形成処理を実行することができる。
本発明の実施形態例に係る画像形成システムの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態例に係る画像形成システムの他の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態例に係るクライアント装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態例に係るプリンタコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態例に係る画像形成装置のエンジンの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態例に係る画像形成システムの機能ブロック図である。 本発明の実施形態例に係る画像形成装置の画像形成動作のタイミングチャートである。 本発明の実施形態例に係る画像形成装置の画像データバスを用いて画像データを転送する際のイメージ図である。
以下、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)について、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1は、本例の画像形成システム100の構成を示す模式図であり、図2は、他の画像形成システムの構成を示す模式図である。
図1に示すように、本例の画像形成システム100は、イントラネット上に、通信ネットワーク60で接続可能なクライアント装置10、プリンタコントローラ20、画像形成装置30がそれぞれ配置される。なお、通信ネットワークの規格としてEthernet(登録商標)などを用いることができるが、プリンタコントローラ20から画像形成装置30へのデータ転送はEthernet(登録商標)以外にもIEEE1394、Parallelなどを用いることも可能である。また、図1では、プリンタコントローラ20を画像形成装置30とは別に設けているが、図2に示すように、プリンタコントローラ20が画像形成装置30に包含される構成としてもよい。以下、各装置について詳細に説明する。
図3は、本例のクライアント装置10の構成を示すブロック図である。
クライアント装置10は、パーソナルコンピュータなどのコンピューター装置であり、図3(a)に示すように、制御部11と記憶部12とネットワークI/F部13と表示部14と操作部15などで構成される。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11aと、ROM(Read Only Memory)11bやRAM(Random Access Memory)11cなどのメモリとで構成され、これらはバスを介して接続されている。CPU11aは、ROM11bや記憶部12からプログラムを読み出し、RAM11cに展開して実行することにより、クライアント装置10の全体制御を行う。
上記制御部11は、図3(b)に示すように、Windows(登録商標)やMacintosh(登録商標)などのOS(Operating System)16と、OS16上でドキュメント等を作成するアプリケーション17と、アプリケーション17で作成したドキュメント等のデータをプリンタコントローラ20で解釈可能な言語(PCL(Printer Control Language)やPS(Post Script)などのPDL(Page Description Language))に変換すると共に、画像形成条件や後処理条件を指定して画像形成(印刷)ジョブを生成するプリンタドライバ18などとしても機能する。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成され、CPU11aが各部を制御するためのプログラム、ドキュメントのデータ、画像形成ジョブなどを格納する。
ネットワークI/F部13は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、ネットワークを介して繋がっているプリンタコントローラ20との接続を確立し、画像形成ジョブなどを送信する。
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、ドキュメントを作成する画面、ドキュメントの画像形成条件(画像形成部数、紙種、片面/両面、カラー/モノクロなど)や後処理条件(タブ紙挿入やステープル、パンチなど)を設定する画面などを表示する。操作部15は、キーボードやマウス、表示部14と一体となったタッチパネルなどで構成され、ドキュメントの作成、画像形成条件や後処理条件の設定などの操作を可能にする。
図4は、本例のプリンタコントローラ20の構成を示すブロック図である。
コントローラ部としてのプリンタコントローラ20はコンピューター装置などの制御装置であり、図4(a)に示すように、制御部21と記憶部22とネットワークI/F部23とプリンタI/F部24などで構成される。
制御部21は、CPU21aと、ROM21bやRAM21cなどのメモリとで構成され、これらはバスを介して接続されている。CPU21aは、ROM21bや記憶部22からプログラムを読み出し、RAM21cに展開して実行することにより、プリンタコントローラ20の全体制御を行う。
上記制御部21は、図4(b)に示すように、ジョブ設定解析部25と、第1RIP(Raster Image Processing)処理部26と、第1ハッシュ値生成部27と、ジョブ処理制御部28などとしても機能する。
ジョブ設定解析部25は、クライアント装置10から受信した画像形成ジョブのPDLコマンドを解析し、画像形成部数、紙種、両面/片面、カラー/モノクロ、各ページに使用されているオブジェクト(Image/Graphic/Text)、タブ紙挿入やステープル、パンチなどの後処理などのジョブ設定を取得する。
第1RIP処理部26は、PDLデータを翻訳して中間データを生成し、中間データに対して色変換テーブルを用いて色変換を行い、レンダリングを行ってビットマップ画像データを生成する(この一連の処理をRIP処理と呼ぶ。)。また、第1RIP処理部26は、必要に応じて、ビットマップ画像データに対して、スクリーン処理、階調補正、濃度バランス調整、細線化、網点処理などを行う。そして、第1RIP処理部26は、生成したビットマップ画像データを画像形成装置30に出力し、画像形成装置30に画像形成処理を実施させる。
第1ハッシュ値生成部27は、ハッシュ関数を使用して、第1RIP処理部26でRIP処理がなされた特色の画像データについて、256bitのハッシュ値(第1ハッシュ値)を生成する。
ジョブ処理制御部28は、画像形成ジョブに基づいて、第1RIP処理部26にビットマップ画像データを生成させ、画像形成装置30に生成したビットマップ画像データに基づく画像形成処理を実行させる。
記憶部22は、HDDやSSDなどで構成され、CPU21aが各部を制御するためのプログラム(上記ジョブ処理制御プログラムを含む。)、プリントジョブ、ビットマップ画像データ、色変換テーブル、中断ページの情報などを記憶する。
ネットワークI/F部23は、NICやモデムなどで構成され、ネットワークを介して繋がっているクライアント装置10との接続を確立し、プリントジョブなどを受信する。プリンタI/F部24は、画像形成装置30に接続するための専用インターフェイスであり、画像形成装置30にビットマップ画像データや指示情報を送信したり、画像形成装置30から色補正要求や、後述する再送要求を受信したりする。
図5は、本例の画像形成装置30の構成を示すブロック図である。
画像形成部としての画像形成装置30は、プリンタコントローラ20の指示に従って印刷を実行する複合機などであり、図5に示すように、制御部31とコントローラI/F部32とスキャン部33とパネル操作部34とプリント部35などで構成される。また、本例の画像形成装置30は、第2RIP処理部37、第2ハッシュ値生成部38、比較部39、選択部40、画像処理部41を備える。
制御部31は、CPU31aと、ROM31bやRAM31cなどのメモリとで構成され、これらはバスを介して接続されている。CPU31aは、ROM31bからプログラムを読み出し、RAM31cに展開して実行することにより、画像形成装置30の全体制御を行う。また、制御部31は、カラー印刷の枚数や装置の使用時間などをカウントし、カウント値が予め定めた値になったら、色補正が必要な状態になったと判断して、プリンタコントローラ20に色補正要求を送信する。
コントローラI/F部32は、プリンタコントローラ20に接続するための専用インターフェイスであり、画像データバスを経由してプリンタコントローラ20からビットマップ画像データや指示情報を受信したり、プリンタコントローラ20に色補正要求を送信したりする。
スキャン部33は、原稿台上に載置された原稿から画像データを光学的に読み取る部分であり、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)等のイメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
パネル操作部34は、LCDなどの表示部上に格子状の透明電極からなるタッチセンサが形成されたタッチパネルであり、後述する色補正保留設定画面を含む各種画面を表示すると共に、上記画面での各種操作を可能にする。
プリント部35は、ビットマップ画像データに基づいて印刷処理を実行する。
図6は、画像形成装置30のエンジンの構成を示す模式図である。
図6に示すように、画像データに基づいてレーザ光を照射して露光する露光部と、感光体ドラムと現像装置と帯電装置と感光体クリーニング部と1次転写ローラとを備え、YMCKの各色及び特色のトナー像を形成する画像形成部と、ローラによって回転され、画像形成部で形成されたトナー像を用紙に搬送する中間転写体として機能する中間ベルトと、中間ベルト上に形成されたトナー像を用紙に転写する2次転写ローラと、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、用紙を搬送する給紙ローラやレジストローラ、ループローラ、反転ローラ、排紙ローラ等の搬送部などで構成される。
第2RIP処理部37は、第1RIP処理部26と同様に、特色に関するPDLデータを翻訳して中間データを生成し、中間データに対して色変換テーブルを用いて色変換を行い、レンダリングを行ってビットマップ画像データを生成する。
第2ハッシュ値生成部38は、ハッシュ関数を使用して、第2RIP処理部37でRIP処理がなされた特色の画像データについて、256bitのハッシュ値(第2ハッシュ値)を生成する。
比較部39は、第1ハッシュ値生成部27で生成した第1ハッシュ値と、第2ハッシュ値生成部38で生成した第2ハッシュ値と、の比較を行う。
判定部として選択部40は、比較部39の比較結果に基づいて判定を行い、画像形成に使用する特色の画像データの選択を行う。選択部40が、第1RIP処理部26でRIP処理をした特色の画像データを選択する場合には、プリンタコントローラ20に対して、特色の画像データの再送要求の通知を行う。
画像処理部41は、プリント部35に対して、画像形成処理に使用するYMCK色及び特色の画像データの出力を行う。
次に、本例の画像形成システム100における画像形成動作について、図7及び図8を用いて概説する。
図7は、本例の画像形成システム100の機能ブロック図である。
まず、画像形成を行うための原稿は、図7に示すクライアント装置10に予めインストールされた文書作成プログラム等のアプリケーション17により作成される。アプリケーション17によって作成されたアプリケーションファイル形式のデータ(YMCK色データ及び特色データ)は、プリンタドライバ18により、例えばPCLデータに変換される。
PCLデータに変換されたYMCK色データ及び特色データは、LAN51を経由して、プリンタコントローラ20の第1RIP処理部26に送信される。本例では、特色データについては、LAN51を経由して、画像形成装置30の第2RIP処理部37に対しても送信される。なお、特色の画像データは、一般に、YMCK色の画像データと比べてデータ量が小さいため、画像データバス50以外のEthernet等の通信ネットワークインターフェイスを用いて送信することができる。
プリンタコントローラ20はPCLデータを受信し、PCLデータは到着順にプリンタコントローラ20内に配置され、ジョブ設定解析部25によりジョブの設定が解析され、第1RIP処理部26により、YMCK色データ及び特色データについてビットマップ画像データに変換される。そして、YMCK色データについてのビットマップ画像データと共にジョブ設定に基づく指示情報が、画像データバス50を経由して、画像形成装置30の画像処理部41に送信される。なお、本例では、特色データについてビットマップ画像データは、画像形成装置30の画像処理部41に送信しない。すなわち、基本的に、本例の画像データバス50にはYMCK4色分の画像データしか通らない。
一方、画像形成装置30に送信されない特色のデータについては、プリンタコントローラ20の第1ハッシュ値生成部27により、ハッシュ関数を使用して、ハッシュ値(第1ハッシュ値)が生成される。なお、ハッシュ値のデータサイズは256bitであるため、転送する際のデータ量を小さくすることができる。第1ハッシュ値は、既存の外部インターフェイス(UARTIF等)52を経由して、画像形成装置30の比較部39に転送される。このように、本例では、データ量を小さくしたハッシュ値を用いるため、プリンタコントローラ20から画像形成装置30にデータを転送する際に、既存のインターフェイスを利用することができる。
クライアント装置10から第2RIP処理部37に送信された特色のデータは、第2RIP処理部37によりビットマップ画像データに変換されて、第2ハッシュ値生成部38及び選択部40に送信される。なお、特色の画像データは、一般に、YMCK色の画像データと比べてデータ量が小さいため、画像形成装置30のCPUを用いてRIP処理をすることができる。
第2ハッシュ値生成部38は、ビットマップに変換された特色の画像データについて、ハッシュ値(第2ハッシュ値)を生成する。第2ハッシュ値生成部38で生成した第2ハッシュ値は、画像形成装置30の比較部39に送信される。
比較部39では、プリンタコントローラ20の第1ハッシュ値生成部27から送られた第1ハッシュ値と、画像形成装置30の第2ハッシュ値生成部38から送られた第2ハッシュ値との比較を行い、その比較結果を選択部40に送信する。
選択部40では、比較部39の比較結果に基づいて、画像形成ジョブに使用する特色の画像データを選択する。すなわち、異なるCPUで画像データをRIP処理した場合には、CPUの種類による差分や、実行プログラムの有効桁数の差により、浮動小数点演算の結果に多少の差異が発生するため、比較部39により、第1ハッシュ値と第2ハッシュ値の比較を行う。
比較部39の比較結果として、第1ハッシュ値と第2ハッシュ値の差が一致若しくは近似値の範囲内である場合には、選択部40は、画像形成に使用する特色の画像データとして、第2RIP処理部37によりビットマップに変換された特色データを選択する。このように、第1ハッシュ値と第2ハッシュ値の差が一致若しくは近似値の範囲内である場合には、優先的に第2RIP処理部37によりビットマップに変換された特色データを選択することにより、プリンタコントローラ20から画像形成装置30へ転送する際の画像データの転送量を抑えることができる。
一方、比較部39の比較結果として、第1ハッシュ値と第2ハッシュ値の差が一致若しくは近似値の範囲内でない場合には、選択部40は、画像形成に使用する特色の画像データとして、第1RIP処理部26によりビットマップに変換された特色データを選択する。すなわち、第1RIP処理部26によりビットマップに変換された特色データは、YMCK色データに整合しているので、第1RIP処理部26によりビットマップに変換された特色データを選択することで、印刷された画像の品質を維持することができる。なお、この場合には、後述するように、第1RIP処理部26によりビットマップに変換された特色データを、画像データバス50を経由させて画像形成装置30に転送する。
また、プリンタコントローラ20の第1RIP処理部26でRIP処理をした特色のデータを選択する場合には、プリンタコントローラ20に対して、第1RIP処理部26でRIP処理した特色の画像データを送るように再送要求を通知する。再送要求の通知を受けたプリンタコントローラ20は、第1RIP処理部26でRIP処理をした特色の画像データを、画像データバス50を経由して、選択部40に送信する。選択部40は、プリンタコントローラ20から転送された特色の画像データを画像処理部41に送信する。すなわち、この場合には、プリンタコントローラ20から画像形成装置30に対して、画像形成ジョブに使用するYMCK色及び特色の画像データの転送が行われる。
第2RIP処理部37でRIP処理をした特色のデータを選択する場合には、選択部40は、第2RIP処理部37から受信した特色の画像データを画像処理部41に送信する。すなわち、この場合には、プリンタコントローラ20から画像形成装置30に対する画像形成ジョブに使用する画像データの転送は、YMCK色についてのみ行われるので、画像データバス50を経由する画像データの転送量は従来の装置と変わらない。これにより、画像形成システム100の生産性を落とすことなく、且つ、既存の出力インターフェイス(画像データバス)を利用して、5色以上の画像形成を行うことができる。
画像形成装置30の画像処理部41は、受信したYMCK色及び特色についてのビットマップ画像データをプリント部35に出力して、画像形成処理を実行する。
以上の述べたように、本例の画像形成システム100によれば、5色以上のカラー画像を形成する場合であっても、プリンタコントローラ20から画像形成装置30へ転送する画像データの転送量を抑え、既存の出力インターフェイス(画像データバス)50を利用して画像形成処理を実行することができる。
図8は、プリンタコントローラ20及び画像形成装置30における画像形成動作のタイミングチャートである。ここでは、3頁分のプリントジョブを実施する例をあげて、画像形成動作を説明する。
[ステップt1]
プリンタコントローラ20に、クライアント装置10からプリントジョブ1頁目のYMCK色及び特色のデータが送信(入力)される(PCL1)。同時に、画像形成装置30に、クライアント装置10から1頁目の特色のデータが送信(入力)される(PCL1’)。なお、画像形成装置30に入力されるのは特色のデータのみである。
[ステップt2]
プリンタコントローラ20の第1RIP処理部26で、1頁目のYMCK色及び特色のデータについてのRIP処理がなされる(RIP処理1)。同時に、画像形成装置30の第2RIP処理部37で、1頁目の特色のデータについてのRIP処理がなされる(RIP処理1’)。
[ステップt3]
プリンタコントローラ20に、クライアント装置10からプリントジョブ2頁目のYMCK色及び特色のデータが入力される(PCL2)。同時に、画像形成装置30に、クライアント装置10から2頁目の特色のデータが入力される(PCL2’)。
プリンタコントローラ20の第1ハッシュ値生成部27で、1頁目の特色の画像データについてのハッシュ値が生成される(ハッシュ値1)。また、プリンタコントローラ20から、RIP処理1された1頁目のYMCK色の画像データ1が画像形成装置30に出力される(画像データ1)。
また、画像形成装置30の第2ハッシュ値生成部38で、RIP処理1’された1頁目の特色の画像データについてのハッシュ値が生成される(ハッシュ値1’)。
[ステップt4]
プリンタコントローラ20の第1RIP処理部26で、2頁目のYMCK色及び特色のデータについてのRIP処理がなされる(RIP処理2)。また、プリンタコントローラ20は、1頁目の特色の画像データについて生成したハッシュ値1を画像形成装置30に出力する。
画像形成装置30の第2RIP処理部37で、2頁目の特色のデータについてのRIP処理がなされる(RIP処理2’)。また、画像形成装置30に、t3でプリンタコントローラ20が送信したYMCK色の画像データ1が入力される。
[ステップt5]
プリンタコントローラ20に、クライアント装置10からプリントジョブ3頁目のYMCK色及び特色の画像データが入力される(PCL3)。同時に、画像形成装置30に、クライアント装置10から3頁目の特色のデータが入力される(PCL3’)。
プリンタコントローラ20の第1ハッシュ値生成部27で、2頁目の特色データについてのハッシュ値が生成される(ハッシュ値2)。また、プリンタコントローラ20から、RIP処理2された2頁目のYMCK色の画像データが画像形成装置30に出力される(画像データ2)。
画像形成装置30に、t4でプリンタコントローラ20が出力した1頁目の特色データについてのハッシュ値1が入力される。また、画像形成装置30の第2ハッシュ値生成部38で、2頁目の特色の画像データについてのハッシュ値を生成する(ハッシュ値2’)。
[ステップt6]
プリンタコントローラ20の第1RIP処理部26で、3頁目のYMCK色及び特色のデータについてのRIP処理がなされる(RIP処理3)。また、プリンタコントローラ20は、2頁目の特色データについて生成したハッシュ値2を画像形成装置30に出力する(ハッシュ値2)。
画像形成装置30に、t5でプリンタコントローラ20が出力した2頁目のYMCK色の画像データ2が入力される(画像データ2)。また、画像形成装置30の第2RIP処理部37で、3頁目の特色のデータについてのRIP処理がなされる(RIP処理3’)。
画像形成装置30の比較部39で、ステップt5で受信したハッシュ値1とステップt3で生成したハッシュ値1’との比較を行う(S1)。
ここで、S1で比較したハッシュ値が一致若しくは近似値の範囲内である場合には、プリンタコントローラ20への再送要求の通知を行わない。この場合、画像形成装置30は、t4で入力したYMCK色の画像データ1と、t2で画像形成装置30の第2RIP処理部37によりRIP処理1’した特色の画像データを用いて、プリントジョブ1頁目の画像形成処理を実施する。なお、比較したハッシュ値が一致若しくは近似値の範囲内でない場合には、プリンタコントローラ20への再送要求の通知を行う。再送要求の通知を行う場合については、後述するステップt10で説明する。
このように、本例では、比較するハッシュ値が一致若しくは近似値の範囲内である場合は、画像形成装置30の第2RIP処理部37によりRIP処理した特色の画像データを用いて画像形成処理を実施する。これにより、プリンタコントローラ20から、画像データバス50を経由して特色の画像データを画像形成装置30に転送させる必要がなくなり、画像形成動作の処理速度をあげることができる。
[ステップt7]
プリンタコントローラ20の第1ハッシュ値生成部27で、3頁目の特色のデータについてのハッシュ値が生成される(ハッシュ値3)。また、プリンタコントローラ20から、3頁目のYMCK色の画像データが画像形成装置30に出力される(画像データ3)。
画像形成装置30に、t6でプリンタコントローラ20が出力した2頁目の特色の画像データについてのハッシュ値2が入力される。また、画像形成装置30の第2ハッシュ値生成部38により、3頁目の特色データについてのハッシュ値が生成される(ハッシュ値3’)。
[ステップt8]
プリンタコントローラ20は、3頁目の特色データについて生成したハッシュ値3を画像形成装置30に出力する。
画像形成装置30に、t7でプリンタコントローラ20が出力した3頁目のYMCK色の画像データ3が入力される。
画像形成装置30の比較部39で、ステップt7で入力されたハッシュ値2とステップt5で生成したハッシュ値2’との比較を行う(S2)。比較したハッシュ値が一致若しくは近似値の範囲内である場合には、プリンタコントローラ20への再送要求の通知は行わない。この場合、画像形成装置30は、t6で入力した2頁目のYMCK色の画像データ2と、t4で画像形成装置30の第2RIP処理部37によりRIP処理した特色の画像データを用いて、2頁目の画像形成処理を実施する。
[ステップt9]
画像形成装置30に、t8でプリンタコントローラ20が出力した3頁目の特色データのハッシュ値3が入力される。
[ステップt10]
画像形成装置30の比較部39で、ステップt9で入力されたハッシュ値3とステップt7で生成したハッシュ値3’との比較を行う(S3)。比較したハッシュ値が一致若しくは近似値の範囲内でない場合には、選択部40は、プリンタコントローラ20に対して、3頁目の特色の画像データ3についての再送要求の通知を行う。なお、比較したハッシュ値が一致若しくは近似値の範囲内である場合には、上述したように、選択部40は、プリンタコントローラ20に対して、3頁目の特色の画像データ3についての再送要求の通知を行なわない。
[ステップt11]
プリンタコントローラ20は、t10で画像形成装置30が送信した再送要求の通知を受信する(S4)。
[ステップt12]
再送要求を受信したプリンタコントローラ20は、ステップt6でRIP処理がされた3頁目の特色の画像データ3を画像形成装置30に出力する。
[ステップt13]
画像形成装置30に、t12でプリンタコントローラ20が送信した3頁目の特色の画像データ3が入力される。画像形成装置30は、入力された特色の画像データ3及びt8で入力された3頁目のYMCK色の画像データ3を用いて、プリントジョブ3頁目の画像形成処理を実施する。
このように、本例の画像形成システム100によれば、比較したハッシュ値が近似値の範囲内にない場合には、画像形成装置30の第2RIP処理部37でRIP処理された特色の画像データを用いずに、プリンタコントローラ20の第1RIP処理部26でRIP処理された特色の画像データを使用して画像形成処理を実施する。このように、信頼性の高いプリンタコントローラ20でRIP処理された特色の画像データを用いることで、印刷物の品質を高めることができる。
一方、比較するハッシュ値が一致若しくは近似値の範囲内である場合には、画像形成装置30の第2RIP処理部37でRIP処理された特色の画像データを用いて画像形成処理を実施する。プリンタコントローラ20から、特色の画像データを画像形成装置30に転送させる必要がなくなり、画像形成動作の処理速度をあげることができる。また、既存のインターフェイスを利用して、5色以上の画像を形成することができる。
なお、上述したように、本例の画像形成システム100では、画像形成装置30の比較部39で比較したハッシュ値が一致若しくは近似値の範囲内でない場合には、プリンタコントローラ20の第1RIP処理部26でRIP処理されたYMCK色及び特色の画像データを用いて画像形成処理を実施することになる。このため、再送要求の通知を行う場合は、特色の画像データについても、画像データバス50を経由して、プリンタコントローラ20から画像形成装置30に転送されることになる。このときの特色の画像データの転送について、図9を用いて説明する。
図9は、選択部40により、再送要求の通知が行われた場合に、画像データバス50を経由させて特色の画像データを画像形成装置30に転送させる際の説明図である。
図9では、画像データバス50の16bitの転送量を、画像バスデータ幅として表している。
図9Aに示すように、16bitのYMCK色の画像データを画像形成装置30へ転送する場合には、Y色、M色、C色、K色の画像データが、それぞれ4bitの幅を持った状態で、画像データバス50内を転送される。
選択部40から再送要求の通知がされて、プリンタコントローラ20から特色の画像データを画像形成装置30へ転送する場合には、YMCK色の転送で使用した画像データバス50を使用することになる。この場合は、図9Bに示すように、特色の画像データは、4bitの幅を持った状態で画像データバス50の内部を転送され、残りの12bit分については未使用の状態となる。
以上、本例に係る画像形成システム100及び画像形成装置30について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、画像形成システム100は、画像形成装置30に対して、用紙を積載する用紙積載装置を連結させた構成であってもよい。
10 クライアント装置
11 制御部
11a CPU
11b ROM
11c RAM
12 記憶部
13 ネットワークI/F部
14 表示部
15 操作部
16 OS
17 アプリケーション
18 プリンタドライバ
20 プリンタコントローラ
21 制御部
21a CPU
21b ROM
21c RAM
22 記憶部
23 ネットワークI/F部
24 プリンタI/F部
25 ジョブ設定解析部
26 第1RIP処理部
27 第1ハッシュ値生成部
28 ジョブ処理制御部
30 画像形成装置
31 制御部
31a CPU
31b ROM
31c RAM
32 コントローラI/F部
33 スキャン部
34 パネル操作部
35 プリント部
37・・・第2RIP処理部
38・・・第2ハッシュ値生成部
39・・・比較部
40・・・選択部(判定部)
41・・・画像処理部
50・・・画像データバス(出力インターフェイス)
100・・・画像形成システム

Claims (7)

  1. コントローラ部と、画像形成部と、前記コントローラ部でRIP処理された画像データを前記画像形成部に送る画像データバスと、を備え、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の通常色と特色を用いて画像形成を行う画像形成システムにおいて、
    前記コントローラ部に設けられた、前記通常色と特色についてRIP処理を行う第1RIP処理部と、
    前記画像形成部に設けられた、前記特色についてのRIP処理を行う第2RIP処理部と、を備えた
    画像形成システム。
  2. 前記第2RIP処理部でRIP処理される特色についての画像データは、前記画像データバス以外のバスを介して前記画像形成部に送られる
    請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記第1RIP処理部でRIP処理された特色の画像データについてハッシュ値を生成する第1ハッシュ値生成部と、
    前記第2RIP処理部でRIP処理された特色の画像データについてハッシュ値を生成する第2ハッシュ値生成部と、
    前記第1ハッシュ値生成部で生成された第1ハッシュ値と、前記第2ハッシュ値生成部で生成された第2ハッシュ値と、を比較する比較部と、を備え、
    前記比較部による比較結果に基づいて、前記第1ハッシュ値と前記第2ハッシュ値との差分が、所定の閾値の範囲内である場合には、前記第2RIP処理部でRIP処理された特色の画像データを用いて画像形成を行う
    請求項1または2に記載の画像形成システム。
  4. 前記第1ハッシュ値生成部で生成された第1ハッシュ値は、前記画像データバス以外のバスを介して前記比較部に送られる
    請求項3に記載の画像形成システム。
  5. 前記比較部の比較結果により、前記第1ハッシュ値と前記第2ハッシュ値との差分が、所定の閾値の範囲外である場合には、前記第1RIP処理部でRIP処理された特色の画像データを用いて画像形成を行う
    請求項3に記載の画像形成システム。
  6. 前記第1RIP処理部でRIP処理された特色の画像データは、前記画像データバスを介して、前記画像形成部に送られる
    請求項5に記載の画像形成システム。
  7. Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の通常色と特色を用いて画像形成を行う画像形成装置において、
    画像形成部と、
    前記画像形成部に設けられた、前記特色についてのRIP処理を行うRIP処理部と、
    前記RIP処理部でRIP処理された特色の画像データについてハッシュ値を生成するハッシュ値生成部と、
    前記ハッシュ値生成部で生成されたハッシュ値に基づいて、前記RIP処理部でRIP処理された特色の画像データで画像形成を行うか判定をする判定部と、を備えた
    画像形成装置。
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