JP2020204756A - 半導体ナノ粒子複合体、半導体ナノ粒子複合体分散液、半導体ナノ粒子複合体組成物および半導体ナノ粒子複合体硬化膜 - Google Patents

半導体ナノ粒子複合体、半導体ナノ粒子複合体分散液、半導体ナノ粒子複合体組成物および半導体ナノ粒子複合体硬化膜 Download PDF

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Abstract

【解決課題】半導体ナノ粒子の高い蛍光量子効率(QY)を保ったまま、極性を有する分散媒に高質量分率で分散可能な半導体ナノ粒子複合体を提供すること。【解決手段】半導体ナノ粒子の表面に、リガンドが配位した半導体ナノ粒子複合体であって、前記半導体ナノ粒子は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、前記半導体ナノ粒子は、さらにハロゲンを含み、前記半導体ナノ粒子において、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比は、0.80〜15.00であり、前記リガンドは、下記一般式(1):HS−R1−COO−R2(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であり、かつ前記リガンド全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、を特徴とする半導体ナノ粒子複合体。【選択図】なし

Description

本発明は半導体ナノ粒子複合体に関する。
量子閉じ込め効果が発現するほど微小な半導体ナノ粒子(量子ドット、QD)は、粒径に依存したバンドギャップを有する。光励起、電荷注入等の手段によって半導体ナノ粒子内に形成された励起子は、再結合によりバンドギャップに応じたエネルギーの光子を放出するため、半導体ナノ粒子の組成とその粒径を適切に選択することにより、所望の波長での発光を得ることができる。
半導体ナノ粒子は、研究初期はCdやPbを含む元素を中心に検討が行われてきたが、CdやPbが特定有害物質使用制限などの規制対象物質であることから、近年では非Cd系、非Pb系の半導体ナノ粒子の研究がなされてきている。
半導体ナノ粒子は、ディスプレイ用途、生体標識用途、太陽電池用途など、様々な用途への応用が試みられている。ディスプレイ用途としてはQDフィルム、QDパターニング、自発光型デバイス(QLED)などへの応用が期待されている。
図2に、従来のディスプレイにおいて光源からの波長を変換するための装置構成の概略を示す。図2に示すように、光源には青色LED101が用いられており、まずは、この青色光を白色光に変換することが行われている。青色光から白色光への変換には、半導体ナノ粒子を樹脂中に分散させて厚みが100μm程度のフィルム状に形成して成るQDフィルム102が好適に用いられている。QDフィルム102のような波長変換層によって得られた白色光は、更に、カラーフィルター(R)104、カラーフィルター(G)105、およびカラーフィルター(B)106によって、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光に変換される。なお、図2においては、偏光板は省略されている。
近年、図1に示す様に、QDフィルムを用いずにQDパターニングを波長変換層として用いるタイプのディスプレイ(偏向板は不図示)の開発が進められている。図1に示すタイプのディスプレイでは、光源である青色LED1からの青色光を白色光に変換せずに、QDパターニング(7、8)を用いて青色光から赤色光あるいは青色光から緑色光に直接変換する。QDパターニング(7、8)は、樹脂中に分散された半導体ナノ粒子をパターニングすることによって形成され、厚みはディスプレイの構造上の制限から5μm〜10μm程度となる。なお、青色については、光源である青色LED1からの青色光を、拡散剤を含む拡散層9を透過させたものが利用される。
特開2013−136498号公報
神隆著、「半導体量子ドット、その合成法と生命科学への応用」、生産と技術、第63巻、第2号、p.58−63、2011年 Fabien Dubois et al, "A Versatile Strategy for Quantum Dot Ligand Exchange" J.AM.CHEM.SOC Vol.129, No.3, p.482−483, 2007 Boon−Kin Pong et al, "Modified Ligand−Exchange for Efficient Solubilization of CdSe/ZnS Quantum Dots in Water: A Procedure Guided by Computational Studies" Langmuir Vol.24, No.10, p.5270−5276, 2008 Samsulida Abd. Rahman et al, "Thiolate−Capped CdSe/ZnS Core−Shell Quantum Dots for the Sensitive Detection of Glucose" Sensors Vol.17, No.7, p.1537, 2017 Whitney Nowak Wenger et al, "Functionalization of Cadmium Selenide Quantum Dots with Poly(ethylene glycol): Ligand Exchange, Surface Coverage, and Dispersion Stability" Langmuir, Vol.33, No.33, pp8239−8245, 2017
半導体ナノ粒子および半導体ナノ粒子複合体は、一般に分散媒に分散されて分散液として調製され、各分野に応用される。特に、ディスプレイ用途においては、グリコールエーテル類、およびグリコールエーテルエステル類等の極性有機分散媒に分散させた分散液を使用し、前記分散液を硬化させることで、QDフィルム、およびQDパターニングなどの硬化膜を形成させる。そして、波長変換効率を高めるために、前記硬化膜中の半導体ナノ粒子の質量分率は高いことが望まれている。
ところが、非極性分散媒中で合成された半導体ナノ粒子および半導体ナノ粒子複合体は、疎水性が高いため、非極性分散媒への分散は容易であるが、極性分散媒への分散は困難であった。
非極性分散媒中で合成される半導体ナノ粒子および半導体ナノ粒子複合体は、双極子間力や水素結合力が小さいと推定される。そのため、極性分散媒の中でも、有機溶媒中で合成された半導体ナノ粒子同様に、双極子間力や水素結合力が小さいトルエン、クロロホルムには半導体ナノ粒子の分散が可能である。しかし、これらの極性分散媒は毒性が強いため、実用性がない。
半導体ナノ粒子を極性分散媒へ分散可能にする方法としては、リガンド交換法が知られている。リガンド交換法は、半導体ナノ粒子の表面にリガンドを結合させて得た半導体ナノ粒子複合体に含まれるリガンドを、親水基を有するリガンドに置換する方法である。これによって得られる半導体ナノ粒子複合体は、極性分散媒に分散させることが可能である。しかし、非特許文献1〜非特許文献5、および特許文献1で開示されている半導体ナノ粒子複合体は、半導体ナノ粒子の極性分散媒への分散は可能になるが、発光効率が低下するという問題があった。
なお、半導体ナノ粒子を極性分散媒へ分散可能にする方法としては、他に、カプセル化法が知られているが、カプセル化法は、半導体ナノ粒子の表面にリガンドを結合させて得た半導体ナノ粒子複合体に、さらに両親媒性ポリマーを被覆する方法であるため、半導体ナノ粒子に対する分散剤の量が増えてしまい、半導体ナノ粒子の高質量分率化が困難になってしまうので、適用が難しい。
このようなことから、半導体ナノ粒子複合体には、半導体ナノ粒子の高い蛍光量子効率(QY)を保ったまま、極性を有する分散媒に高質量分率で分散可能なものが要求されている。
また、QDフィルム、およびQDパターニングなどの硬化膜を形成する際、前記分散液を硬化する硬化方法にはあらゆる硬化方法が用いられるが、硬化方法が熱硬化である場合は、半導体ナノ粒子複合体の分散液に熱が加わるため、半導体ナノ粒子及び半導体ナノ粒子複合体には耐熱性が必要とされる。
また、QDフィルム、およびQDパターニングなどの硬化膜を形成する際、前記分散液を硬化する方法にはあらゆる硬化方法が用いられるが、硬化方法によっては(例えば、インクジェット用など)、前記分散液が低粘度であることが求められる場合がある。
従って、本発明の目的は、半導体ナノ粒子の高い蛍光量子効率(QY)を保ったまま、極性を有する分散媒に高質量分率で分散可能な半導体ナノ粒子複合体を提供することにある。また、本発明の目的は、半導体ナノ粒子の高い蛍光量子効率(QY)を保ったまま、極性を有する分散媒に高質量分率で分散可能なことに加えて、耐熱性が高く、耐熱性が要求される用途において有用な半導体ナノ粒子複合体を提供することにある。また、本発明の目的は、半導体ナノ粒子の高い蛍光量子効率(QY)を保ったまま、極性を有する分散媒に高質量分率で分散可能なことに加えて、分散媒に分散させたときの分散液の粘度が低く、分散液の粘度が低いことが要求される用途に有用な半導体ナノ粒子複合体を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決される。
すなわち、本発明の半導体ナノ粒子複合体(1)は、半導体ナノ粒子の表面に、リガンドが配位した半導体ナノ粒子複合体であって、
前記半導体ナノ粒子は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、
前記半導体ナノ粒子は、さらにハロゲンを含み、前記半導体ナノ粒子において、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比は、0.80〜15.00であり、
前記リガンドは、下記一般式(1):
HS−R−COO−R (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であり、
かつ前記リガンド全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
を特徴とする半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が300以上700以下であることを特徴とする(1)の半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が300以上600以下であることを特徴とする(1)の半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が1.00以下であることを特徴とする(2)又は(3)の半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(5)は、前記リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が0.70以下であることを特徴とする(2)又は(3)の半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(6)は、前記リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が0.40以上であることを特徴とする(2)〜(5)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(7)は、前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が300未満であることを特徴とする(1)の半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(8)は、前記リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が0.40以下であることを特徴とする(7)の半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(9)は、前記リガンド全体に占める前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有率が40mol%以上であることを特徴とする(1)〜(8)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(10)は、前記リガンド全体に占める前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有率が50mol%以上であることを特徴とする(1)〜(8)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(11)は、前記リガンド全体に占める前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有量が60mol%以上であることを特徴とする(1)〜(8)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(12)は、前記シェルの少なくとも1つがZnSeで形成されていることを特徴とする(1)〜(11)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(13)は、前記シェルが2層以上であり、前記シェルの最外層がZnSで形成されていることを特徴とする(1)〜(12)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(14)は、前記シェルが、少なくとも、ZnSeで形成される前記コアの外側表面を覆う第一シェルと、ZnSで形成される該第一シェルの外側表面を覆う第二シェルと、からなることを特徴とする(1)〜(13)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(15)は、前記一般式(1)中のRはオリゴエチレングリコール基、ポリエチレングリコール基及びアルコキシ基からなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする(1)〜(14)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(16)は、前記一般式(1)中のRのカルボキシル基に結合しない末端基が、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする(1)〜(15)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(17)は、前記リガンドは脂肪族リガンドをさらに含むことを特徴とする(1)〜(16)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(18)は、前記脂肪族リガンドは、脂肪族チオール、脂肪族カルボン酸及び脂肪族ホスフィンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする(17)の半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(19)は、前記半導体ナノ粒子複合体の精製後の量子効率が80%以上であることを特徴とする(1)〜(18)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(20)は、前記半導体ナノ粒子複合体の発光スペクトルの半値幅が38nm以下であることを特徴とする(1)〜(19)いずれかの半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(21)は、(1)〜(20)いずれかの半導体ナノ粒子複合体が、有機分散媒に分散した半導体ナノ粒子複合体分散液を提供するものである。
また、本発明(22)は、(1)〜(20)いずれかの半導体ナノ粒子複合体が、モノマーまたはプレポリマーに分散した半導体ナノ粒子複合体組成物を提供するものである。
また、本発明(23)は、(1)〜(20)いずれかの半導体ナノ粒子複合体が、高分子マトリクス中に分散した半導体ナノ粒子複合体硬化膜を提供するものである。
また、本発明(24)は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、さらにハロゲンを含み、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比が0.80〜15.00である半導体ナノ粒子に、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物を接触させることにより得られる半導体ナノ粒子複合体であり、
前記表面修飾用化合物は、下記一般式(1):
HS−R−COO−R (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であり、
かつ前記表面修飾用化合物全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
を特徴とする半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
また、本発明(25)は、前記表面修飾用化合物は、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を、他端側に脂肪族基を有する脂肪族基含有表面修飾用化合物をさらに含むことを特徴とする(24)の半導体ナノ粒子複合体を提供するものである。
なお、本願において「〜」で示す範囲は、その両端に示す数字を含んだ範囲とする。
本発明によれば、半導体ナノ粒子の高い蛍光量子効率(QY)を保ったまま、極性を有する分散媒に高質量分率で分散可能な半導体ナノ粒子複合体を提供することができる。また、本発明によれば、半導体ナノ粒子の高い蛍光量子効率(QY)を保ったまま、極性を有する分散媒に高質量分率で分散可能なことに加えて、耐熱性が高く、耐熱性が要求される用途において有用な半導体ナノ粒子複合体を提供することができる。また、本発明によれば、半導体ナノ粒子の高い蛍光量子効率(QY)を保ったまま、極性を有する分散媒に高質量分率で分散可能なことに加えて、分散媒に分散させたときの分散液の粘度が低く、分散液の粘度が低いことが要求される用途に有用な半導体ナノ粒子複合体を提供することができる。
QDデバイスを示す模式図である。 QDデバイスを示す模式図である。
(半導体ナノ粒子複合体)
本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)は、半導体ナノ粒子の表面に、リガンドが配位した半導体ナノ粒子複合体であって、
前記半導体ナノ粒子は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、
前記半導体ナノ粒子は、さらにハロゲンを含み、前記半導体ナノ粒子におけるInに対するハロゲンのモル比が、原子換算で、0.80〜15.00であり、
前記リガンドは、下記一般式(1):
HS−R−COO−R (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であり、
かつ前記リガンド全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
を特徴とする半導体ナノ粒子複合体である。
本発明の半導体ナノ粒子複合体は、半導体ナノ粒子の表面にリガンドが配位した半導体ナノ粒子とリガンドとの複合体である。本発明の半導体ナノ粒子複合体は、半導体ナノ粒子とリガンドとを接触させることにより得られたものである。
本発明において、半導体ナノ粒子複合体とは、発光特性を有する半導体のナノ粒子複合体である。本発明の半導体ナノ粒子複合体は340nm〜480nmの光を吸収し、発光ピーク波長が400nm〜750nmの光を発光する粒子である。
本発明の半導体ナノ粒子複合体の発光スペクトルの半値幅(FWHM)は38nm以下であることが好ましく、さらには35nm以下であることが好ましい。発光スペクトルの半値幅が前記範囲であることで、半導体ナノ粒子複合体をディスプレイ等に応用した際に混色を低減することができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体の蛍光量子効率(QY)は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。半導体ナノ粒子複合体の蛍光量子効率が80%以上であることで、半導体ナノ粒子を応用に用いる際、より効率よく色変換ができる。
本発明において、半導体ナノ粒子複合体の光学特性を、量子効率測定システムを用いて測定することができる。半導体ナノ粒子複合体を分散液に分散させ、励起光を当て発光スペクトルを得る。ここで得られた発光スペクトルより再励起されて蛍光発光した分の再励起蛍光発光スペクトルを除いた再励起補正後の発光スペクトルより蛍光量子効率(QY)と半値幅(FWHM)を算出する。分散液は例えばノルマルヘキサンやPGMEA、クロロホルム等が挙げられる。
(半導体ナノ粒子)
本発明の半導体ナノ粒子複合体を構成する半導体ナノ粒子は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子である。半導体ナノ粒子において、シェルは少なくとも1層あればよく、半導体ナノ粒子としては、例えば、コアと1層のシェルからなるコア/シェル型の半導体ナノ粒子、コアと2層のシェルからなるコア/シェル型の半導体ナノ粒子、コアと3層以上のシェルからなるコア/シェル型の半導体ナノ粒子が挙げられる。特にシェルが2層以上からなることにより、半導体ナノ粒子の蛍光量子効率を維持することができ、半導体ナノ粒子複合体としても高い蛍光量子効率を有することが可能となる。また、半導体ナノ粒子の構造としては、シェルがコアの表面の少なくとも一部を覆っていればよいが、シェルがコアの表面全体を覆っている構造が好ましく、シェルがコアの表面全体を均一に覆っている構造が特に好ましい。
シェルは、ZnおよびSeを含む組成のシェルを含んでいることが好ましく、シェルの少なくとも1つがZnSeで形成されていることが好ましい。半導体ナノ粒子が2層以上のシェルを有している場合、最外層がZnおよびSを含む組成のシェルであることが好ましく、ZnSであることがさらに好ましい。
特に、シェルが、少なくとも、ZnSeで形成されており、コア粒子の外側表面を覆う第一シェルと、ZnSで形成されており、第一シェルの外側表面を覆う第二シェルとからなる場合、蛍光量子効率を高くすることができる。
本発明の効果を害さない限り、シェル中の組成が必ずしも量論組成である必要はなく、各シェル中にZn、Se、S以外の元素を含んでいてもよいし、シェル中でシェルを構成する元素の比率が変化する勾配型のシェルを1つ以上有していてもよい。
ここで、本発明において、シェルがコアの少なくとも一部を覆っているかどうかや、シェル内部の元素分布については、例えば、透過型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分光法(TEM−EDX)を用いて組成分析解析することにより確認することができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体に係る半導体ナノ粒子は、ハロゲンを含む。半導体ナノ粒子中のInに対するハロゲンのモル比は、原子換算で、0.80〜15.00、好ましくは1.00〜15.00である。半導体ナノ粒子に含有されるハロゲンは、F、Cl、Brが好ましい。半導体ナノ粒子がハロゲンを上記範囲で含むことにより、高い蛍光量子効率、狭い半値幅を得ることができ、さらに、後述する半導体ナノ粒子複合体の合成時に、凝集体の発生を抑えることができる。なお、ハロゲンは半導体ナノ粒子のコアとシェルの界面及び/または半導体ナノ粒子のシェル中に存在することで、前述した効果をより受けることができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体に係る半導体ナノ粒子中、Inに対するPのモル比は、原子換算で、0.20〜0.95であることが好ましい。さらに、Inに対するZnのモル比は、原子換算で、10.00〜60.00であることが好ましい。
半導体ナノ粒子を構成する元素の分析については、高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)あるいは蛍光X線分析装置(XRF)を用いて行うことができる。
以下に半導体ナノ粒子の作製方法に関する例を開示する。
Inの前駆体、Pの前駆体、および必要に応じて添加物を溶媒中で混合し得られた前駆体混合液を加熱することで、半導体ナノ粒子のコアを形成することができる。溶媒としては配位性溶媒や非配位性溶媒が用いられる。
溶媒の例としては、1−オクタデセン、ヘキサデカン、スクアラン、オレイルアミン、トリオクチルホスフィン、およびトリオクチルホスフィンオキシドなどが挙げられる。
Inの前駆体としては、前記Inを含む酢酸塩、カルボン酸塩、およびハロゲン化物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Pの前駆体としては、前記Pを含む有機化合物やガスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前駆体がガスの場合には、前記ガス以外を含む前駆体混合液にガスを注入しながら反応させることでコアを形成させることができる。
半導体ナノ粒子は、本発明の効果を害さない限り、InおよびP以外の元素を1種またはそれ以上含んでいてもよく、その場合は前記元素の前駆体をコア形成時に添加すればよい。添加物としては、例えば、分散剤としてカルボン酸、アミン類、チオール類、ホスフィン類、ホスフィンオキシド類、ホスフィン酸類、およびホスホン酸類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。分散剤は溶媒を兼ねることもできる。
半導体ナノ粒子のコアを形成後、必要に応じてハロゲン化物を加えることで、半導体ナノ粒子の発光特性を向上させることができる。
ある実施形態では、In前駆体、および必要に応じて分散剤を溶媒中に添加した前駆体溶液を真空下で混合し、一旦100℃〜300℃で6時間〜24時間加熱した後、さらにP前駆体を添加して200℃〜400℃で3分〜60分加熱後、冷却する。さらにハロゲン前駆体を添加し、25℃〜300℃、好ましくは100℃〜300℃、より好ましくは150℃〜280℃で加熱処理することで、コア粒子を含むコア粒子分散液を得ることができる。
合成されたコア粒子分散液に、シェル形成前駆体を添加することにより、半導体ナノ粒子はコア/シェル構造をとり、蛍光量子効率(QY)および安定性を高めることができる。
シェルを構成する元素はコア粒子の表面で合金やヘテロ構造、またはアモルファス構造等の構造を取っていると思われるが、一部は拡散によりコア粒子の内部に移動していることも考えられる。
添加されたシェル形成元素は、主にコア粒子の表面付近に存在し、半導体ナノ粒子を外的因子から保護する役割を持っている。半導体ナノ粒子のコア/シェル構造はシェルがコアの少なくとも一部を覆っていることが好ましく、さらに好ましくはコア粒子の表面全体を均一に覆っていることが好ましい。
ある実施形態では、前述したコア粒子分散液にZn前駆体とSe前駆体を添加後、150℃〜300℃、好ましくは180℃〜250℃で加熱し、その後Zn前駆体とS前駆体を添加し、200℃〜400℃、好ましくは250℃〜350℃で加熱する。これによりコア/シェル型の半導体ナノ粒子を得ることができる。
ここで、特に限定するものではないが、Zn前駆体としては、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛およびミリスチン酸亜鉛等のカルボン酸塩や、塩化亜鉛および臭化亜鉛等のハロゲン化物、ジエチル亜鉛等の有機塩等を用いることができる。
Se前駆体としては、トリブチルホスフィンセレニド、トリオクチルホスフィンセレニドおよびトリス(トリメチルシリル)ホスフィンセレニドなどのホスフィンセレニド類、ベンゼンセレノールおよびセレノシステインなどのセレノール類、およびセレン/オクタデセン溶液などを使用することができる。
S前駆体としては、トリブチルホスフィンスルフィド、トリオクチルホスフィンスルフィドおよびトリス(トリメチルシリル)ホスフィンスルフィドなどのホスフィンスルフィド類、オクタンチオール、ドデカンチオールおよびオクタデカンチオールなどのチオール類、および硫黄/オクタデセン溶液などを使用することができる。
シェルの前駆体はあらかじめ混合し、一度で、あるいは複数回に分けて添加してもよいし、それぞれ別々に一度で、あるいは複数回に分けて添加してもよい。シェル前駆体を複数回に分けて添加する場合は、各シェル前駆体添加後にそれぞれ温度を変えて加熱してもよい。
本発明において半導体ナノ粒子の作製方法は特に限定されず、上記に示した方法の他、従来行われている、ホットインジェクション法や、均一溶媒法、逆ミセル法、CVD法等による作製方法や、任意の方法を採用しても構わない。
(リガンド)
本発明の半導体ナノ粒子複合体は、前記半導体ナノ粒子の表面にリガンドが配位したものである。ここで述べる配位とは、配位子が半導体ナノ粒子の表面に化学的に影響していることを表す。半導体ナノ粒子の表面に配位結合や他の任意の結合様式(例えば共有結合、イオン結合、水素結合等)で結合していてもよいし、あるいは半導体ナノ粒子の表面の少なくとも一部に配位子を有している場合には、必ずしも結合を形成していなくてもよい。
本発明の半導体ナノ粒子複合体において、半導体ナノ粒子に配位するリガンドは、下記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルを含む。
HS−R−COO−R (1)
一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。つまり、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルは、Rの一方に−SHが結合し、他方に−COO−Rが結合している化合物である。本発明の半導体ナノ粒子複合体において、半導体ナノ粒子に配位するリガンドは、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの1種を含んでいてもよいし、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの2種以上を含んでいてもよい。
一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルが半導体ナノ粒子に配位することで、蛍光量子効率が高く、半値幅の狭い半導体ナノ粒子複合体を得ることができる。
一般式(1)中、Rとしては、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、プロピレン基(−CHCHCH−)、メチルエチレン基(−CH(CH)−)、ジメチルメチレン基(−C(CH−)が挙げられる。
一般式(1)において、Rは親水基であれば特に制限されず、例えば、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シアノ基、ビニル基、アリール基、ハロゲノ基、ケトン基、エーテル結合、エステル結合、シロキサン結合などの基を含む親水基が挙げられる。Rは、オリゴエチレングリコール基、ポリエチレングリコール基またはアルコキシ基を有する親水基が好ましく、オリゴエチレングリコール基又はポリエチレングリコール基であることが特に好ましい。Rが、オリゴエチレングリコール基、ポリエチレングリコール基またはアルコキシ基を有する親水基であることで半導体ナノ粒子を極性溶媒中に高濃度に分散させることができる。さらに、一般式(1)において、Rのカルボキシル基に結合しない側の末端基が、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選択されるいずれかであることが好ましい。Rのカルボキシル基に結合しない側の末端基が、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選択されるいずれかであることで、半導体ナノ粒子複合体間の相互作用を抑制し、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に高濃度に分散させることができる。
一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量は、700以下である。一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であることで、半導体ナノ粒子を極性溶媒へ高濃度で分散させることが可能となる。
なお、本発明において、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量は、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの平均分子量を指す。一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの平均分子量については、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて測定し、得られた値の数平均を平均分子量(数平均分子量Mn)とする。
さらに、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルのSP値は、9.20以上、好ましくは9.20〜12.00である。SP値が上記範囲であることで、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に分散させることが可能となる。ここで、SP値はY−MB法により計算して決定される。本発明において、リガンドとして、2種類以上の一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルを用いる場合は、各々のメルカプト脂肪酸エステルのSP値に各々のメルカプト脂肪酸エステルの体積分率を掛け合わせた後、足し合わせたSP値をメルカプト脂肪酸エステルのSP値とする。例えば、半導体ナノ粒子に、SP値Aのメルカプト脂肪酸エステルがP体積%、SP値Aのメルカプト脂肪酸エステルがP体積%、・・・と配位している場合、メルカプト脂肪酸エステルSP値は以下の式(2)で表される。
メルカプト脂肪酸エステルのSP値=Σ(Ai×Pi/100) (2)
本発明の半導体ナノ粒子複合体において、リガンドとして、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステル以外のリガンドを含むことができる。このような一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステル以外のリガンドとしては、一端側に半導体ナノ粒子に配位する結合性の基を有している化合物であれば、特に制限されず、半導体ナノ粒子に配位する化合物として使用可能であり、且つ、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルとの併用で、リガンド全体の平均のSP値を、9.20〜11.00、好ましくは9.20〜10.00に調節することができるものであればよい。
一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステル以外のリガンドのSP値は、特に制限されないが、好ましくは7.50〜15.00、特に好ましくは7.50〜15.00である。
半導体ナノ粒子に配位するリガンド全体の平均のSP値は、9.20〜11.00、好ましくは9.20〜10.00である。半導体ナノ粒子に配位するリガンド全体の平均のSP値が上記範囲あることで、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に分散させることが可能となる。リガンドのSP値はY−MB法を用いて構造式から算出することができる。半導体ナノ粒子に配位するリガンドが複数種の場合は、各リガンドのSP値にリガンドの体積分率を掛け合わせた後、足し合わせた全リガンドの平均SP値をリガンドのSP値とする。例えば、半導体ナノ粒子に、SP値AのリガンドがP体積%、SP値AのリガンドがP体積%、・・・と配位している場合、全リガンドの平均のSP値は以下の式(3)で表される。
全リガンドの平均のSP値=Σ(Ai×Pi/100) (3)
一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステル以外のリガンドとしては、脂肪族リガンドが好ましい。リガンドとして、脂肪族リガンドを含むことで、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に高濃度で分散することができる。さらに、より幅広い範囲のSP値の有機溶媒にも分散が可能となる。また、後述する組成物ならびに分散液に適用する際に、分散媒の選択肢を広げることが可能となる。
脂肪族リガンドとしては、脂肪族チオール、脂肪族カルボン酸、脂肪族ホスフィン、脂肪族ホスフィンオキシド、脂肪族アミンなどが挙げられ、半導体ナノ粒子との配位力の強さから、脂肪族チオール、脂肪族カルボン酸及び脂肪族ホスフィンらなる群から選ばれる1種以上が好ましい。また、脂肪族リガンドの脂肪族基は、置換基やヘテロ原子を含んでもよい。
リガンド全体に占める一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有率は、40mol%以上であることが好ましく、より好ましくは50mol%以上、さらに好ましくは60mol%以上である。リガンド全体に占める一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有率を上記範囲とすることで、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に高濃度で分散し、かつ量子効率を高めることができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)としては、以下の第一形態が挙げられる。本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)の第一形態は、本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)のうち、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が、300以上700以下、好ましくは300以上600以下である半導体ナノ粒子複合体である。
つまり、本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)の第一形態は、半導体ナノ粒子の表面に、リガンドが配位した半導体ナノ粒子複合体であって、
前記半導体ナノ粒子は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、
前記半導体ナノ粒子は、さらにハロゲンを含み、前記半導体ナノ粒子において、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比は、0.80〜15.00であり、
前記リガンドは、下記一般式(1):
HS−R−COO−R (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が300以上700以下、好ましくは300以上600以下であり、
かつ前記リガンド全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
を特徴とする半導体ナノ粒子複合体である。一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が、上記範囲にあることで、半導体ナノ粒子が有機溶媒中に分散するために十分な立体障害が確保され、より高濃度で分散させることが可能となり、さらに、半導体ナノ粒子複合体の耐熱性が向上する。なお、本発明において、耐熱性とは、半導体ナノ粒子複合体をある温度下で熱処理した際に、熱処理前に分散していた溶媒へ熱処理後も再分散可能であることを意味する。
耐熱性の評価の実施形態の一つとして、半導体ナノ粒子複合体を大気雰囲気中、180℃で1時間処理したのち、半導体ナノ粒子複合体の良溶媒へ再分散するか否かで判断する。耐熱性が十分でない半導体ナノ粒子複合体は、リガンドの変性または脱離によって、加熱後の良溶媒への分散性が著しく低下する。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)の第一形態では、リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が、1.00以下であることが好ましく、0.70以下であることがさらに好ましい。リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が、上記範囲にあることにより、半導体ナノ粒子複合体の耐熱性を維持しつつ、半導体ナノ粒子を極性溶媒へ高濃度で分散させることが可能となる。
また、本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)の第一形態では、リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が、0.40以上であることが好ましい。リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が、上記範囲にあることにより、半導体ナノ粒子複合体の耐熱性を維持しつつ、半導体ナノ粒子を極性溶媒へ高濃度で分散させることが可能となる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)としては、以下の第二形態が挙げられる。本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)の第二形態は、本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)のうち、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が、300未満である半導体ナノ粒子複合体である。
つまり、本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)の第二形態は、半導体ナノ粒子の表面に、リガンドが配位した半導体ナノ粒子複合体であって、
前記半導体ナノ粒子は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、
前記半導体ナノ粒子は、さらにハロゲンを含み、前記半導体ナノ粒子において、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比は、0.80〜15.00であり、
前記リガンドは、下記一般式(1):
HS−R−COO−R (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が300未満、好ましくは100以上300未満であり、
かつ前記リガンド全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
を特徴とする半導体ナノ粒子複合体である。一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が、上記範囲にあることで、半導体ナノ粒子複合体を高質量分率で分散させても分散液の粘度を低くすることができる。なお、本発明において、半導体ナノ粒子複合体を高質量分率で分散さたときの分散液の粘度が低いとは、半導体ナノ粒子複合体を、半導体ナノ粒子の質量割合で30.0質量%となるように、イソボニルアクリレートに分散させたときに、25℃における粘度が30cp以下であることを意味する。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)の第二形態では、リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が、0.40以下であることが好ましい。リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が、上記範囲にあることにより、半導体ナノ粒子複合体を分散させた分散液の粘度の増加を抑制しつつ、半導体ナノ粒子を極性溶媒へ高濃度で分散させることが可能となる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、さらにハロゲンを含み、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比が0.80〜15.00である半導体ナノ粒子に、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物を接触させることにより得られる半導体ナノ粒子複合体であり、
前記表面修飾用化合物は、下記一般式(1):
HS−R−COO−R (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であり、
かつ前記表面修飾用化合物全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
を特徴とする半導体ナノ粒子複合体である。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)は、半導体ナノ粒子に、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物を接触させることにより得られる半導体ナノ粒子複合体である。半導体ナノ粒子に表面修飾用化合物を接触させる方法は、特に限定されないが、例えば、半導体ナノ粒子の分散液に、表面修飾用化合物を添加する方法が挙げられる。表面修飾用化合物の半導体ナノ粒子への結合力によっては、表面修飾用化合物を添加する際に加熱や攪拌を伴ってもよい。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)に係る半導体ナノ粒子は、本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)に係る半導体ナノ粒子と同様である。
一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物に係る結合性基としては、チオール基、カルボン酸基、ホスフィン基、ホスフィンオキシド基、アミン基等が挙げられる。一端側に半導体ナノ粒子に結合性基を有する表面修飾用化合物としては、本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)に係るリガンドが挙げられる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)では、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物として、下記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルを含む。
HS−R−COO−R (1)
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)において、表面修飾用化合物である一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルは、本発明の半導体ナノ粒子複合体(A)における一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルと同様である。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)において、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルを、表面修飾用化合物として用いることにより、蛍光量子効率が高く、半値幅の狭い半導体ナノ粒子複合体を得ることができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)において、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量は、700以下である。一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であることで、半導体ナノ粒子を極性溶媒へ高濃度で分散させることが可能となる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)において、さらに、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルのSP値は、9.20以上、好ましくは9.20〜12.00である。SP値が上記範囲であることで、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に分散させることが可能となる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)において、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物として、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステル以外の表面修飾用化合物を含むことができる。このような一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステル以外の表面修飾用化合物としては、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性の基を有している化合物であれば、特に制限されず、半導体ナノ粒子の表面修飾用の化合物として使用可能であり、且つ、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルとの併用で、表面修飾用化合物全体の平均のSP値を、9.20〜11.00、好ましくは9.20〜10.00に調節することができるものであればよい。
一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステル以外の表面修飾用化合物のSP値は、特に制限されないが、好ましくは7.00〜15.00、特に好ましくは7.50〜15.00である。
一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物全体の平均のSP値は、9.20〜11.00、好ましくは9.20〜10.00である。一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物全体の平均のSP値が上記範囲あることで、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に分散させることが可能となる。
一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステル以外の表面修飾用化合物としては、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有し、他端側に脂肪族基を有する脂肪族基含有表面修飾用化合物が好ましい。表面修飾用化合物として、脂肪族基含有表面修飾用化合物を含むことで、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に高濃度で分散することができる。さらに、より幅広い範囲のSP値の有機溶媒にも分散が可能となる。また、後述する組成物ならびに分散液に適用する際に、分散媒の選択肢を広げることが可能となる。
脂肪族基含有表面修飾用化合物としては、脂肪族チオール、脂肪族カルボン酸、脂肪族ホスフィン、脂肪族ホスフィンオキシド、脂肪族アミンなどが挙げられ、半導体ナノ粒子との配位力の強さから、脂肪族チオール、脂肪族カルボン酸及び脂肪族ホスフィンらなる群から選ばれる1種以上が好ましい。また、脂肪族基含有表面修飾用化合物の脂肪族基は、置換基やヘテロ原子を含んでもよい。
一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物全体に占める一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有率は、40mol%以上であることが好ましく、より好ましくは50mol%以上、さらに好ましくは60mol%以上である。一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物全体に占める一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有率を上記範囲とすることで、半導体ナノ粒子を極性溶媒中に高濃度で分散し、かつ量子効率を高めることができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)としては、以下の第一形態が挙げられる。本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)の第一形態は、本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)のうち、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が、300以上700以下、好ましくは300以上600以下である半導体ナノ粒子複合体である。
つまり、本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)の第一形態は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、さらにハロゲンを含み、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比が0.80〜15.00である半導体ナノ粒子に、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物を接触させることにより得られる半導体ナノ粒子複合体であり、
前記表面修飾用化合物は、下記一般式(1):
HS−R−COO−R (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が、300以上700以下、好ましくは300以上600以下であり、
かつ前記表面修飾用化合物全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
を特徴とする半導体ナノ粒子複合体である。一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が、上記範囲にあることで、半導体ナノ粒子が有機溶媒中に分散するために十分な立体障害が確保され、より高濃度で分散させることが可能となり、さらに、半導体ナノ粒子複合体の耐熱性が向上する。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)の第一形態では、表面修飾用化合物と半導体ナノ粒子の質量比(表面修飾用化合物/半導体ナノ粒子)が、1.00以下であることが好ましく、0.70以下であることがさらに好ましい。表面修飾用化合物と半導体ナノ粒子の質量比(表面修飾用化合物/半導体ナノ粒子)が、上記範囲にあることにより、導体ナノ粒子複合体の耐熱性を維持しつつ、半導体ナノ粒子を極性溶媒へ高濃度で分散させることが可能となる。
また、本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)の第一形態では、表面修飾用化合物と半導体ナノ粒子の質量比(表面修飾用化合物/半導体ナノ粒子)が、0.40以上であることが好ましい。表面修飾用化合物と半導体ナノ粒子の質量比(表面修飾用化合物/半導体ナノ粒子)が、上記範囲にあることにより、半導体ナノ粒子複合体の耐熱性を維持しつつ、半導体ナノ粒子を極性溶媒へ高濃度で分散させることが可能となる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)としては、以下の第二形態が挙げられる。本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)の第二形態は、本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)のうち、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が、300未満である半導体ナノ粒子複合体である。
つまり、本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)の第二形態は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、さらにハロゲンを含み、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比が0.80〜15.00である半導体ナノ粒子に、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物を接触させることにより得られる半導体ナノ粒子複合体であり、
前記表面修飾用化合物は、下記一般式(1):
HS−R−COO−R (1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が、300未満、好ましくは100以上300未満であり、
かつ前記表面修飾用化合物全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
を特徴とする半導体ナノ粒子複合体である。一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が、上記範囲にあることで、半導体ナノ粒子複合体を分散させた分散液の粘度を低くすることができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体(B)の第二形態では、表面修飾用化合物と半導体ナノ粒子の質量比(表面修飾用化合物/半導体ナノ粒子)が、0.40以下であることが好ましい。表面修飾用化合物と半導体ナノ粒子の質量比(表面修飾用化合物/半導体ナノ粒子)が、上記範囲にあることにより、半導体ナノ粒子複合体を分散させた分散液の粘度の増加を抑制しつつ半導体ナノ粒子を極性溶媒へ高濃度で分散させることが可能となる。
(精製について)
本発明の半導体ナノ粒子複合体は、必要に応じて、反応溶液から分離精製することができる。精製方法として、半導体ナノ粒子複合体を、貧溶媒を用いて凝集させたのち、半導体ナノ粒子複合体を分離する方法を用いる。
一実施形態において、アセトン等の極性転換溶媒を添加することによって半導体ナノ粒子複合体を分散液から析出させることができる。析出した半導体ナノ粒子複合体を濾過または遠心分離により回収することができ、一方、未反応の出発物質および他の不純物を含む上澄みは廃棄または再利用することができる。次いで析出した半導体ナノ粒子複合体をさらなる分散媒で洗浄し、再び分散させることができる。この精製プロセスを、例えば、2〜4回、または所望の純度に到達するまで、繰り返すことができる。
本発明において、半導体ナノ粒子複合体の精製方法として、上記に示した方法の他、例えば、凝集、液液抽出、蒸留、電着、サイズ排除クロマトグラフィー及び/又は限外濾過や任意の方法を単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
(半導体ナノ粒子複合体分散液)
本発明の半導体ナノ粒子複合体は、極性分散媒に分散されて、半導体ナノ粒子複合体分散液を形成することができる。本発明において、半導体ナノ粒子複合体が分散媒に分散している状態とは、半導体ナノ粒子複合体と分散媒とを混合させた場合に、半導体ナノ粒子複合体が沈殿しない状態、もしくは目視可能な濁り(曇り)として残留しない状態であることを表す。なお、半導体ナノ粒子複合体が分散媒に分散しているものを半導体ナノ粒子複合体分散液と表す。
本発明の半導体ナノ粒子複合体は、SP値が8.50以上の有機分散媒、さらにはSP値が9.00以上の有機分散媒やSP値が10.00以上の有機分散媒にも分散し、半導体ナノ粒子複合体分散液を形成する。
ここでのSP値は、前記極性リガンドのSP値の決定方法と同様に、ハンセン溶解度パラメーターから算出した値である。ハンセン溶解度パラメーターは、ハンドブック、例えば“Hansen Solubility Parameters: A User’s Handbook”,第2版、C. M. Hansen (2007),中の値や、HansonおよびAbbot et al.によって提供されているPractice(HSPiP)プログラム(第2版)を用いて決定することができる。前記ハンドブックに記載のない有機分散媒ついてはY−MB法により計算して決定することができる。
本発明では、本発明の半導体ナノ粒子複合体分散液の有機分散媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ノルマルブチル、乳酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、エチレングリコールアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類などが選択される。これらの有機分散媒に、本発明の半導体ナノ粒子複合体を分散させることで、後述する硬化膜や樹脂への分散に応用する際に、半導体ナノ粒子複合体の分散性を保ったまま使用することができる。
特に、本発明の半導体ナノ粒子複合体においては、有機分散媒として、アルコール類、グリコールエーテル類およびグリコールエーテルエステル類などの極性有機分散媒を選択することが可能となる。これらの有機分散媒に本発明の半導体ナノ粒子複合体を分散させることで、後述する硬化膜や樹脂への分散に応用する際に、半導体ナノ粒子複合体の分散性を保ったまま使用することができる。特に、フォトレジストの分野ではPGMEAおよびPGMEが希釈溶媒として一般的に用いられており、半導体ナノ粒子複合体がPGMEAおよびPGMEへ分散可能であると、半導体ナノ粒子複合体をフォトレジスト分野に広く応用することができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体は、上述した構成をとることで、半導体ナノ粒子複合体を高質量分率で有機分散媒に分散させることができ、その結果、半導体ナノ粒子複合体分散液中における半導体ナノ粒子の質量分率を20質量%以上、さらには30質量%以上、さらには35質量%以上とすることができる。
さらに、本発明では、本発明の半導体ナノ粒子複合体分散液の分散媒として、モノマーを選択することができる。モノマーは、特に限定されないが、半導体ナノ粒子の応用先を幅広く選択できる(メタ)アクリルモノマーであることが好ましい。(メタ)アクリルモノマーは半導体ナノ粒子複合体分散液の応用に応じて、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3、5、5−トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシルジグリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n≒2)、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエトキシ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルりん酸、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イロプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、およびN−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドなどの(メタ)アクリルモノマーから選択される。これらを単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。特にアクリルモノマーは半導体ナノ粒子複合体分散液の応用に応じて、ラウリル(メタ)アクリレート、および1、6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
また、本発明では、本発明の半導体ナノ粒子複合体分散液の分散媒として、プレポリマーを選択することができる。プレポリマーは特に限定されないが、アクリル樹脂プレポリマー、シリコーン樹脂プレポリマー、およびエポキシ樹脂プレポリマーが挙げられる。
(半導体ナノ粒子複合体組成物)
本発明では、本発明の半導体ナノ粒子複合体分散液の分散媒として、モノマーまたはプレポリマーを選択し、半導体ナノ粒子複合体組成物を形成することができる。つまり、本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物は、本発明の半導体ナノ粒子複合体が、モノマーまたはプレポリマーに分散された半導体ナノ粒子複合体組成物である。モノマーまたはプレポリマーは、特に限定されないが、エチレン性不飽和結合を含むラジカル重合性化合物、シロキサン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、およびフェノール誘導体などが挙げられる。モノマーとしては、例えば、上述した分散媒として用いられるモノマーが挙げられる。また、プレポリマーとしては、上述した分散媒として用いられるプレポリマーが挙げられる。
さらに、本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物は、架橋剤を含むことができる。架橋剤は、本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物中のモノマーの種類によって、多官能(メタ)アクリレート、多官能シラン化合物、多官能アミン、多官能カルボン酸、多官能チオール、多官能アルコール、および多官能イソシアネートなどから選択される。
さらに、本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、イソヘキサン、へプタン、オクタンおよび石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびミネラルスピリット等の芳香族炭化水素類、およびジクロロメタンおよびクロロホルム等のハロゲン化アルキルなど、硬化に影響しない各種有機溶媒をさらに含むことができる。なお、上記の有機溶媒は、半導体ナノ粒子複合体組成物の希釈用としてだけでなく、有機分散媒としても用いることができる。すなわち、本発明の半導体ナノ粒子複合体を上記の有機溶媒に分散させて、半導体ナノ粒子複合体分散液とすることも可能である。
また、本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物は、半導体ナノ粒子複合体組成物中のモノマーの種類によって、適切な開始剤や散乱剤、触媒、バインダー、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、および分散剤等を含んでもよい。
さらに、本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物、あるいは後述する本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜の光学特性を向上させるために、半導体ナノ粒子複合体組成物は、散乱剤を含んでもよい。散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸化物であり、これらの粒径は100nm〜500nmであることが好ましい。散乱の効果の観点から、散乱剤の粒径は200nm〜400nmであることがさらに好ましい。散乱剤が含まれることで、吸光度が2倍程度向上する。本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物の散乱剤の含有量は、組成物に対して2質量%〜30質量%であることが好ましく、組成物のパターン性の維持の観点から5質量%〜20質量%であることがより好ましい。
本発明の半導体ナノ粒子複合体の構成により、本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物中の半導体ナノ粒子の質量分率を30質量%以上にすることができる。半導体ナノ粒子複合体組成物中の半導体ナノ粒子の質量分率を30質量%〜95質量%とすることで、後述する硬化膜中にも高質量分率で半導体ナノ粒子複合体及び半導体ナノ粒子を分散させることができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物を、10μmの膜にしたとき、前記膜の法線方向からの波長450nmの光に対する吸光度が1.0以上であることが好ましく、1.3以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましい。これにより、バックライトの光を効率的に吸収できるため、後述の硬化膜の厚みを低減することができ、適用するデバイスを小型化することができる。
(希釈組成物)
希釈組成物は、前述の本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物が有機溶媒で希釈されてなるものである。
半導体ナノ粒子複合体組成物を希釈する有機溶媒は特に限定されるものではなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、イソヘキサン、へプタン、オクタンおよび石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびミネラルスピリット等の芳香族炭化水素類、およびジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルキルなどが挙げられる。これらの中でも、幅広い樹脂への溶解性および塗膜時の被膜均一性の観点からは、グリコールエーテル類およびグリコールエーテルエステル類が好ましい。
(半導体ナノ粒子複合体硬化膜)
本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜とは、本発明の半導体ナノ粒子複合体を含有した膜であり、硬化しているものを表す。本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜は、前述の半導体ナノ粒子複合体組成物または希釈組成物を膜状に硬化することで得られる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜は、本発明の半導体ナノ粒子複合体に係る半導体ナノ粒子と半導体ナノ粒子の表面に配位したリガンドと、高分子マトリクスを含んでいる。言い換えると、本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜は、本発明の半導体ナノ粒子複合体が、高分子マトリックスに分散した硬化膜である。
高分子マトリクスとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。なお、前述した本発明の半導体ナノ粒子複合体組成物を硬化させることで、本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜を得てもよい。本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜は、架橋剤をさらに含んでもよい。
膜を硬化させる方法は特に限定されないが、熱処理、紫外線処理など膜を構成する組成物に適した硬化方法により、膜を硬化することができる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜中に含まれる、半導体ナノ粒子と半導体ナノ粒子の表面に配位したリガンドは、前述した本発明の半導体ナノ粒子複合体を構成していることが好ましい。本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜中に含まれる半導体ナノ粒子複合体を前述したような構成にすることで、半導体ナノ粒子複合体をより高質量分率で硬化膜中に分散させることが可能である。半導体ナノ粒子複合体硬化膜中の半導体ナノ粒子の質量分率は30質量%以上であることが望ましく、さらには40質量%以上であることがより望ましい。ただし、70質量%以上にすると、膜を構成する組成物が少なくなり、膜を硬化形成することが困難になる。
本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜は、半導体ナノ粒複合体子を高質量分率で含有しているため、半導体ナノ粒子複合体硬化膜の吸光度を高めることができる。本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜を10μmの厚さとした時、半導体ナノ粒子複合体硬化膜の法線方向からの波長450nmの光に対して、吸光度は1.0以上が好ましく、1.3以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましい。
さらに、本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜には、高い発光特性を有する半導体ナノ粒子複合体を含有しているため、発光特性が高い半導体ナノ粒子複合体硬化膜を提供できる。本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜の蛍光量子効率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
本発明の半導体ナノ粒子複合体硬化膜の厚みは、半導体ナノ粒子複合体硬化膜を適用するデバイスの小型化するために、50μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。
(半導体ナノ粒子複合体パターニング膜および表示素子)
半導体ナノ粒子複合体パターニング膜は、前述の半導体ナノ粒子複合体組成物または希釈組成物を膜状にパターン形成することで得ることができる。半導体ナノ粒子複合体組成物および希釈組成物をパターン形成する方法は特に限定されず、例えば、スピンコート、バーコート、インクジェット、スクリーン印刷、およびフォトリソグラフィ等が挙げられる。
表示素子は、上記の半導体ナノ粒子複合体パターニング膜を用いるものである。例えば、半導体ナノ粒子複合体パターニング膜を波長変換層として用いることで、優れた蛍光量子効率を有する表示素子を提供することができる。
本明細書に記載の構成および/または方法は例として示され、多数の変形形態が可能であるため、これらの具体例または実施例は限定の意味であると見なすべきではないことが理解されよう。本明細書に記載の特定の手順または方法は、多数の処理方法の1つを表しうる。したがって、説明および/または記載される種々の行為は、説明および/または記載される順序で行うことができ、または省略することもできる。同様に前述の方法の順序は変更可能である。
本開示の主題は、本明細書に開示される種々の方法、システムおよび構成、並びにほかの特徴、機能、行為、および/または性質のあらゆる新規のかつ自明でない組み合わせおよび副次的組み合わせ、並びにそれらのあらゆる均等物を含む。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(リガンド)
以下のようにして、実施例及び比較例で用いるリガンド単体を作製した。なお、以下で、PEGとは、ポリエチレングリコール鎖を指し、「−(CHCHO)−CH」で表される構造である。
<リガンド単体の作製>
(メルカプトプロピオン酸1,1−ジメチル−3−オキソブチルの調整方法)
フラスコに4.2gの3−メルカプトプロピオン酸(40mmol)と4.7gのジアセトンアルコール(40mmol)、5.4gの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(40mmol)、100mLの塩化メチレンおよび7.7gの塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(40mmol)を窒素雰囲気下で混合した。溶液を室温で60分間反応させたのち、反応溶液を分液ロートに移して飽和重曹水、水、飽和食塩水を用いて順に洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、ろ過してエバポレーションで濃縮した。この濃縮物をヘキサンおよび酢酸エチルを展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーによって精製して目的とするリガンド(メルカプトプロピオン酸1,1−ジメチル−3−オキソブチル)を得た。
(チオグリコール酸PEGエステル(分子量470)の調製方法)
フラスコに3.7gのチオグリコール酸(40mmol)と19.2gのメトキシPEG−OH(分子量400、48mmol)、および0.2gの濃硫酸を窒素雰囲気下で混合した。溶液を60℃で撹拌しながら、30mmHg以下に減圧し24時間反応した。反応溶液を室温まで冷却後トルエンに溶解し、飽和重曹水、水、飽和食塩水を用いて順に洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、有機相をろ過してエバポレーションで濃縮して目的とするリガンド(チオグリコール酸PEGエステル、分子量470)を得た。
(チオグリコール酸PEGエステル(分子量760)の調製方法)
メトキシPEG−OH(分子量400、48mmol)をメトキシPEG−OH(分子量690、48mmol)に変え、上記と同様に調製を行うことで、分子量760のチオグリコール酸PEGエステルを得た。
(3−メルカプトプロピオン酸PEGエステル(分子量550)の調製方法)
フラスコに4.2gの3−メルカプトプロピオン酸(40mmol)と21.6gのメトキシPEG−OH(分子量450、48mmol)、および0.2gの濃硫酸を窒素雰囲気下で混合した。溶液を60℃で撹拌しながら、30mmHg以下に減圧し24時間反応した。反応溶液を室温まで冷却後トルエンに溶解し、飽和重曹水、水、飽和食塩水を用いて順に洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、有機相をろ過してエバポレーションで濃縮して目的とするリガンド(3−メルカプトプロピオン酸PEGエステル、分子量550)を得た。
(3−メルカプトプロピオン酸PEGエステル(分子量640)の調製方法)
メトキシPEG−OH(分子量450、48mmol)をメトキシPEG−OH(分子量550、48mmol)に変え、上記と同様に調製を行うことで、分子量760の3−メルカプトプロピオン酸PEGエステルを得た。
(3−メルカプトプロピオン酸2−[2−(2−アセトキシエトキシ)エトキシ]エチルの調整方法)
フラスコに2.1gの3−メルカプトプロピオン酸(20mmol)、1.2gの酢酸(20mmol)、7.2gのトリエチレングリコール(48mmol)、100mLのトルエンおよび0.2gの濃硫酸を窒素雰囲気下で混合した。フラスコにディーンスターク装置を装着し、溶液を110℃で撹拌しながら、24時間反応した。反応溶液を室温まで冷却後、飽和重曹水、水、飽和食塩水を用いて順に洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、ろ過してエバポレーションで濃縮した。この濃縮物をヘキサンおよび酢酸エチルを展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーによって精製して目的とするリガンド(3−メルカプトプロピオン酸2−[2−(2−アセトキシエトキシ)エトキシ]エチルを)得た。
(6−メルカプトヘキサン酸PEGエステルの調製方法)
フラスコに5.9gの6−メルカプトヘキサン酸(40mmol)と19.2gのメトキシPEG−OH(分子量400、48mmol)、および0.2gの濃硫酸を窒素雰囲気下で混合した。溶液を60℃で撹拌しながら、30mmHg以下に減圧し24時間反応した。反応溶液を室温まで冷却後トルエンに溶解し、飽和重曹水、水、飽和食塩水を用いて順に洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、有機相をろ過してエバポレーションで濃縮して目的とするリガンド(6−メルカプトヘキサン酸PEGエステル、分子量530)を得た。
(3−メルカプトプロピオン酸2−[2−(2−レブリノキシエトキシ)エトキシ]エチルの調整方法)
フラスコに2.1gの3−メルカプトプロピオン酸(20mmol)、2.3gのレブリン酸(20mmol)、6.0gのトリエチレングリコール(40mmol)、5.4gの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(40mmol)、100mLの塩化メチレンおよび7.7gの塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(40mmol)を窒素雰囲気下で混合した。溶液を室温で60分間反応させたのち、反応溶液を分液ロートに移して飽和重曹水、水、飽和食塩水を用いて順に洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、ろ過してエバポレーションで濃縮した。この濃縮物をヘキサンおよび酢酸エチルを展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーによって精製して目的とするリガンド(3−メルカプトプロピオン酸2−[2−(2−レブリノキシシエトキシ)エトキシ]エチル)を得た。
(3−メルカプトプロピオン酸2−[2−[2−(2−ヘキシロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]エチルの調製方法)
フラスコに4.2gの3−メルカプトプロピオン酸(40mmol)と13.4gのテトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル(48mmol)、100mLのトルエンおよび0.2gの濃硫酸を窒素雰囲気下で混合した。フラスコにディーンスターク装置を装着し、溶液を110℃で撹拌しながら、24時間反応した。反応溶液を室温まで冷却後、飽和重曹水、水、飽和食塩水を用いて順に洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、ろ過してエバポレーションで濃縮した。この濃縮物をヘキサンおよび酢酸エチルを展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーによって精製して目的とするリガンド(3−メルカプトプロピオン酸2−[2−[2−(2−ヘキシロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]エチル)を得た。
[実施例1]
以下の方法に従って、InP系半導体ナノ粒子複合体の作製を行った。
(コア粒子の作製)
酢酸インジウム(0.3mmol)とオレイン酸亜鉛(0.6mmol)を、オレイン酸(0.9mmol)と1−ドデカンチオール(0.1mmol)とオクタデセン(10mL)の混合物に加え、真空下(<20Pa)で約120℃に加熱し、1時間反応させた。真空下で反応させた混合物を25℃、窒素雰囲気下にして、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン(0.2mmol)を加えたのち、約300℃に加熱し、10分間反応させた。反応液を25℃に冷却し、オクタン酸クロリド(1.1mmol)を注入し、約250℃で30分間加熱後、25℃に冷却して、InP系半導体ナノ粒子の分散液を得た。
(シェル形成用の前駆体)
シェルの作製にあたって、まずは以下の前駆体の調製を行った。
(Zn前駆体溶液の調製)
40mmolのオレイン酸亜鉛と75mLのオクタデセンを混合し、真空化で110℃にて1時間加熱し、[Zn]=0.4MのZn前駆体を調製した。
(Se前駆体(セレン化トリオクチルホスフィン)の調製)
22mmolのセレン粉末と10mLのトリオクチルホスフィンを窒素中で混合し、全て溶けるまで撹拌して[Se]=2.2Mのセレン化トリオクチルホスフィンを得た。
(S前駆体(硫化トリオクチルホスフィン)の調製)
22mmolの硫黄粉末と10mLのトリオクチルホスフィンを窒素中で混合し、全て溶けるまで撹拌して[S]=2.2Mの硫化トリオクチルホスフィンを得た。
上記のようにして得られた各前駆体を用いて、前記InP系半導体ナノ粒子(コア)の表面に次のようにしてシェルの形成を行った。
(シェルの形成)
コアの分散液を200℃まで加熱した。250℃において6.0mLのZn前駆体溶液と2.0mLセレン化トリオクチルホスフィンに添加し、30分間反応させInP系半導体ナノ粒子の表面にZnSeシェルを形成した。さらに、4.0mLのZn前駆体溶液と1.8mLの硫化トリオクチルホスフィンを添加し、280℃に昇温して1時間反応させZnSシェルを形成した。
得られた半導体ナノ粒子を、STEM−EDSによって観察したところ、コア/シェル構造をしていることが確認された。
合成で得られたコア/シェル型構造の半導体ナノ粒子が分散している溶液に脱水アセトンを加え、半導体ナノ粒子を凝集させた。次いで、遠心分離(4000rpm、10分間)後、上澄みを除去し、半導体ナノ粒子をヘキサンに再分散させた。これを繰り返して、精製された半導体ナノ粒子を得た。
(組成分析)
半導体ナノ粒子の元素分析は、高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)並びに蛍光X線分析装置(XRF)を用いて行った。ICP測定では精製した半導体ナノ粒子を硝酸で溶解し加熱後、水に希釈してICP発光分析装置(島津製作所製、ICPS−8100)を用いて検量線法で測定した。XRF測定は分散液を濾紙に含浸させたものをサンプルホルダに入れ蛍光X線分析装置(リガク製、ZSX100e)を用いて定量分析を行った。半導体ナノ粒子のInに対するハロゲンのモル比を表1に記載した。
(半導体ナノ粒子複合体の作製)
フラスコに、精製した半導体ナノ粒子を質量比で10質量%となるように1−オクタデセンに分散させた半導体ナノ粒子1−オクタデセン分散液を調製した。調製した半導体ナノ粒子1−オクタデセン分散液10.0gをフラスコに収め、メルカプト脂肪酸エステルとしてチオグリコール酸PEGエステル(分子量470)を3.6g、非極性リガンドとしてドデカンチオールを0.4g添加し、窒素雰囲気下で110℃、60分間攪拌し、25℃まで冷却することで、半導体ナノ粒子複合体を得た。前記半導体ナノ粒子複合体を含む反応溶液を遠沈管に移し、4000Gで20分間遠心分離すると、透明な1−オクタデセン相と半導体ナノ粒子複合体相に分離した。1−オクタデセン相を取り除き、残った半導体ナノ粒子複合体相を回収した。
得られた半導体ナノ粒子複合体相にアセトン5.0mLを加え、分散液を作製した。得られた分散液に50mLのノルマルヘキサンを加え、4000Gで20分間遠心分離した。遠心分離後、透明な上澄みを取り除き、沈殿物を回収した。この操作を数回繰り返し、精製された半導体ナノ粒子複合体を得た。
<分析>
(リガンドの分子量の測定)
リガンドの分子量の測定を、液体クロマトグラフ(LC−20:島津製作所)を用いてGPC法により行った。まず、リガンドをTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ、溶離液を得た。カラム(KF−801,KF−803,KF−805:Shodex)に溶離液を注入し、得られた分子量分布曲線より数平均分子量を算出した。この時、標準物質には平均分子量が既知のポリエチレングリコール( Polyethylene glycol READY_CAL SET Mp 102−40,000:アルドリッチ)を用いた。
(蛍光量子効率測定)
半導体ナノ粒子複合体の光学特性は蛍光量子効率測定システム(大塚電子製、QE−2100)を用いて測定した。合成にて得られた半導体ナノ粒子複合体を分散媒に分散させ、450nmの単一光を励起光として当て発光スペクトルを得た。ここで得られた発光スペクトルより再励起されて蛍光発光した分の再励起蛍光発光スペクトルを除いた再励起補正後の発光スペクトルより蛍光量子効率(QY)と半値幅(FWHM)を算出した。分散媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いた。得られた結果を表2に記載した。
H−NMR測定)
精製された半導体ナノ粒子複合体について、半導体ナノ粒子に配位しているリガンドを、核磁気共鳴(NMR)装置(日本電子株式会社製JNM−LA400)を用いて分析した。すべての測定において溶媒には重クロロホルムを、化学シフトの内標準物質にはテトラメチルシランを使用し、H−NMRを測定した。実施例1で得られた半導体ナノ粒子複合体からは0.8〜1.6ppm付近にドデカンチオールのアルキル基に起因するシグナルと、3.5〜4.0ppm付近にポリエチレングリコール骨格に起因するシグナルとがそれぞれ観測された。これらのシグナルの面積比から、各リガンドの存在比を算出した。各リガンドの存在比を基に、全リガンドの平均SP値と、全リガンドに対するメルカプト脂肪酸エステルの比率を算出した。得られた結果を表1及び表3に記載した。
(熱重量分析)
精製された半導体ナノ粒子複合体を示唆熱重量分析(DTA−TG)で550℃まで加熱後、10分保持し、降温した。分析後の残留質量を半導体ナノ粒子の質量とし、この値から半導体ナノ粒子複合体中のリガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)を確認した。得られた結果を表1及び表3に記載した。
(分散性試験)
前記質量比を参考に、半導体ナノ粒子複合体に、半導体ナノ粒子の濃度がそれぞれ20.0質量%、30.0質量%、35.0質量%になるように有機分散媒を添加し、その時の分散状態を確認した。分散しているものには「○」を、沈殿、および濁りが観察されたものには「×」を表2及び表4に記載した。なお、分散媒にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いた。
(ろ過性試験)
半導体ナノ粒子の濃度が20.0質量%の半導体ナノ粒子複合体PGMEA分散液を調製可能であったサンプルに対して、ろ過性試験を実施した。20質量%の半導体ナノ粒子複合体PGMEA溶液1mLをシリンジに量り取り、目開き0.45μmのPTFEシリンジフィルター(フィルター径13mm)を用いてろ過した。1枚のシリンジフィルターでろ過できたものには「〇」を、途中で目詰まりをおこしたものには「×」を表2及び表4に記載した。
(耐熱性試験)
50mgの半導体ナノ粒子複合体をサンプル管に量り取り、大気雰囲気下、180℃で60分間加熱した。サンプルを室温まで空冷し、1mLのクロロホルムを添加し、その時の分散状態を確認した。分散しているものには「〇」を、沈殿、および濁りが観察されたものには「×」を表2及び表4に記載した。
(粘度の測定)
半導体ナノ粒子複合体を、半導体ナノ粒子の濃度が30.0質量%となるように、イソボニルアクリレートに分散させて、分散液を調製した。次いで、得られた分散液を、25℃でTA Instruments製AR−2000レオメーターにより粘度を測定した。測定は、0.1s−1で予備せん断を1分間行ったのち、0.1s−1から1000s−1までせん断速度を変化させて行った。100s−1における粘度が30cp以下である場合を「◎」、30cpを超え60cp以下の場合を「〇」、60cpを超えている場合を「×」とし、表2及び表4に記載した。なお、30質量%の半導体ナノ粒子複合体イソボルニルアクリレート分散液が調製できなかったサンプルには−(ハイフン)を記載した。
(実施例2)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸PEGエステル(分子量550)を3.2g、脂肪族リガンドとしてオレイン酸を0.8g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例3)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとしてチオグリコール酸PEGエステル(分子量470)を3.2g、脂肪族リガンドの代わりに3−メルカプトプロピオン酸エチルヘキシルを0.8g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例4)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸PEGエステル(分子量640)を6.4g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.8g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例5)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとしてチオグリコール酸PEGエステル(分子量470)を2.8g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを1.2g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例6)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとしてチオグリコール酸PEGエステル(分子量470)を2.4g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを1.6g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例7)
コア粒子の分散液の作製時に0.45mmolのオクタン酸クロリドを、半導体ナノ粒子複合体を作製時にメルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸PEGエステル(分子量550)を3.6g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例8)
コア粒子の分散液の作製時に2.5mmolのオクタン酸クロリドを、半導体ナノ粒子複合体を作製時にメルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸PEGエステルを3.8g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.2g用いた以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例9)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸 2−[2−[2−(2−ヘキシロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]エチルを3.6g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.4g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例10)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸2−[2−(2−レブリノキシエトキシ)エトキシ]エチルを3.8g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.2g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例11)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸1,1−ジメチル−3−オキソブチルを3.6g、脂肪族リガンドとしてトリオクチルホスフィンを0.4g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例12)
コア粒子の分散液の作製時に0.45mmolのオクタン酸クロリドを、半導体ナノ粒子複合体を作製時にメルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチルを3.2g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.8g用いた以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例13)
コア粒子の分散液の作製時に2.5mmolのオクタン酸クロリドを、半導体ナノ粒子複合体を作製時にメルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸1,1−ジメチル−3−オキソブチルを3.2g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.8g用いた以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例14)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチルを2.8g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオール1.2g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例15)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸2−[2−(2−アセトキシエトキシ)エトキシ]エチルを3.8g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.05g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例16)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチルを2.8g、脂肪族リガンドの代わりにベンゼンチオールを1.2g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(実施例17)
シェル形成反応において、ZnSeシェルを形成したのち、Zn前駆体溶液と硫化トリオクチルホスフィンを添加せずに室温に冷却した。さらに、半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸1,1−ジメチル−3−オキソブチルを3.2g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.8g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(比較例1)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとしてチオグリコール酸PEGエステル(分子量760)を9.6g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.8g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(比較例2)
コア粒子の分散液の作製時に4.5mmolのオクタン酸クロリドを、半導体ナノ粒子複合体を作製時にメルカプト脂肪酸エステルとしてチオグリコール酸PEGエステル(分子量470)を3.6g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(比較例3)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして6−メルカプトヘキサン酸PEGエステルを3.2g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.8g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(比較例4)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとしてチオグリコール酸PEGエステル(分子量470)を2.0g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを2.0g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。なお、蛍光量子収率測定には溶媒としてクロロホルムを用いた。
(比較例5)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルを添加せず、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを4.0g用い、窒素雰囲気下で110℃、60分間攪拌し、25℃まで冷却することで、半導体ナノ粒子複合体を得た。前記半導体ナノ粒子複合体を含む反応溶液を遠沈管に移し、アセトン100mLを加えて4000Gで20分間遠心分離すると、透明な上澄み液と半導体ナノ粒子複合体相に分離した。上澄み液を取り除き、残った半導体ナノ粒子複合体相を回収した。得られた半導体ナノ粒子複合体相にノルマルヘキサン5.0mLを加え、分散液を作製した。得られた分散液に50mLのアセトンを加え、4000Gで20分間遠心分離した。遠心分離後、透明な上澄みを取り除き、沈殿物を回収した。この操作を数回繰り返した。それ以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。なお、蛍光量子収率測定には溶媒としてノルマルヘキサンを用いた。
(比較例6)
コア粒子の分散液の作製時に0.2mmolのオクタン酸クロリドを、半導体ナノ粒子複合体を作製時にメルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチルを3.2g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.8g用いた以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(比較例7)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程でメルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸エチルヘキシルを3.2g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.8g用いて、窒素雰囲気下で110℃、60分間攪拌し、25℃まで冷却することで、半導体ナノ粒子複合体を得た。前記半導体ナノ粒子複合体を含む反応溶液を遠沈管に移し、アセトン100mLを加えて4000Gで20分間遠心分離すると、透明な上澄み液と半導体ナノ粒子複合体相に分離した。上澄み液を取り除き、残った半導体ナノ粒子複合体相を回収した。得られた半導体ナノ粒子複合体相にノルマルヘキサン5.0mLを加え、分散液を作製した。得られた分散液に50mLのアセトンを加え、4000Gで20分間遠心分離した。遠心分離後、透明な上澄みを取り除き、沈殿物を回収した。この操作を数回繰り返した。それ以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。なお、蛍光量子収率測定には溶媒としてクロロホルムを用いた。
(比較例8)
半導体ナノ粒子複合体を作製する工程で、メルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸2−ヒドロキシエチルを3.2g、脂肪族リガンドとしてトリオクチルホスフィンを0.8g用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。この半導体ナノ粒子複合体はクロロホルムおよびPGMEAに対して分散せず、蛍光量子収率測定が実施できなかった。
(比較例9)
コア粒子の分散液の作製時に4.5mmolのオクタン酸クロリドを、半導体ナノ粒子複合体を作製時にメルカプト脂肪酸エステルとして3−メルカプトプロピオン酸―3−メトキシブチルを3.6g、脂肪族リガンドとしてドデカンチオールを0.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(比較例10)
コア粒子の分散液の作製時に、オクタン酸クロリドを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
(比較例11)
コア粒子の分散液の作製時に、酢酸インジウムの代わりに塩化インジウムを0.3mmоl添加し、オクタン酸クロリドを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で半導体ナノ粒子複合体を得た。
コア粒子の分散液の作製時に添加した塩化インジウムは合成中に塩化水素を副生成物として発生する。そのため、最終的に得られる半導体ナノ粒子において、ハロゲン前駆体をコア粒子分散液の作製時にハロゲン前駆体を添加したものと比較して、半導体ナノ粒子中のハロゲンの含有量が少なくなることが判明した。
なお、表1〜表4に示されている略号の意味は次の通りである。
MPAE :メルカプト脂肪酸エステル
QD :半導体ナノ粒子
DDT :ドデカンチオール
TOP :トリオクチルホスフィン
EHMP :3−メルカプトプロピオン酸エチルヘキシル
PGMEA :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
Figure 2020204756
Figure 2020204756
Figure 2020204756
Figure 2020204756
上記結果から分かるように、実施例1〜17では、半導体ナノ粒子複合体は、高い蛍光量子効率(QY)を有し、且つ、極性を有する分散媒への分散性に優れており、高質量分率での分散が可能である。
一方、メルカプト脂肪酸エステルを用いない比較例5、メルカプト脂肪酸エステルの分子量が大き過ぎる比較例1、メルカプト脂肪酸エステルのSP値が低過ぎる比較例3及び比較例7、リガンド全体の平均のSPが低過ぎる比較例4、リガンド全体の平均のSPが高過ぎる比較例8は、いずれも、極性を有する分散媒への分散性が悪く、高質量分率での分散が困難である。また、比較例2、比較例6、比較例9、比較例10及び比較例11は、半導体ナノ粒子のハロゲン/Inが本発明に規定の範囲から外れているために、蛍光量子効率が低く、さらにはろ過性も低かった。
また、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が300以上700以下の範囲にある実施例1〜10は、耐熱性に優れており、本発明のうち、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルとして、分子量が300以上700以下のものを用いた半導体ナノ粒子複合体は、特に耐熱性が重視される用途に好適であることが分かった。なお、実施例1〜10は、分散媒に分散させたときの分散液の粘度は、分子量が300未満である一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルを用いる実施例11〜17に比べると高いものの、特に分散媒の低粘度化が求められる用途以外であれば、使用可能である。
また、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が300以下の範囲にある実施例11〜17は、分散媒の分散させたときの分散液の粘度が低い。このことから、本発明のうち、実施例11〜17のように、一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルとして、分子量が300未満のものを用いた半導体ナノ粒子複合体は、分子量が300以上700以下である一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルを用いる実施例1〜10のような耐熱性は有していないが、耐熱性より分散液の低粘度化が重視される用途に好適であることが分かった。
1、101 青色LED
3、103 液晶
7、8 QDパターニング
9 拡散層
11 コア
12 シェル
102 QDフィルム
104 カラーフィルター(R)
105 カラーフィルター(G)
106 カラーフィルター(B)

Claims (25)

  1. 半導体ナノ粒子の表面に、リガンドが配位した半導体ナノ粒子複合体であって、
    前記半導体ナノ粒子は、InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、
    前記半導体ナノ粒子は、さらにハロゲンを含み、前記半導体ナノ粒子において、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比は、0.80〜15.00であり、
    前記リガンドは、下記一般式(1):
    HS−R−COO−R (1)
    (一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
    で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
    前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であり、
    かつ前記リガンド全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
    を特徴とする半導体ナノ粒子複合体。
  2. 前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が300以上700以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体ナノ粒子複合体。
  3. 前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が300以上600以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体ナノ粒子複合体。
  4. 前記リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が1.00以下であることを特徴とする請求項2又は3項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  5. 前記リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が0.70以下であることを特徴とする請求項2又は3記載の半導体ナノ粒子複合体。
  6. 前記リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が0.40以上であることを特徴とする請求項2〜5いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  7. 前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの分子量が300未満であることを特徴とする請求項1記載の半導体ナノ粒子複合体。
  8. 前記リガンドと半導体ナノ粒子の質量比(リガンド/半導体ナノ粒子)が0.40以下であることを特徴とする請求項7記載の半導体ナノ粒子複合体。
  9. 前記リガンド全体に占める前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有率が40mol%以上であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  10. 前記リガンド全体に占める前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有率が50mol%以上であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  11. 前記リガンド全体に占める前記一般式(1)で表されるメルカプト脂肪酸エステルの含有量が60mol%以上であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  12. 前記シェルの少なくとも1つがZnSeで形成されていることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  13. 前記シェルが2層以上であり、前記シェルの最外層がZnSで形成されていることを特徴とする請求項1〜12いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  14. 前記シェルが、少なくとも、ZnSeで形成される前記コアの外側表面を覆う第一シェルと、ZnSで形成される該第一シェルの外側表面を覆う第二シェルと、からなることを特徴とする請求項1〜13いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  15. 前記一般式(1)中のRはオリゴエチレングリコール基、ポリエチレングリコール基及びアルコキシ基からなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1〜14いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  16. 前記一般式(1)中のRのカルボキシル基に結合しない末端基が、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1〜15いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  17. 前記リガンドは脂肪族リガンドをさらに含むことを特徴とする請求項1〜16いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  18. 前記脂肪族リガンドは、脂肪族チオール、脂肪族カルボン酸及び脂肪族ホスフィンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項17記載の半導体ナノ粒子複合体。
  19. 前記半導体ナノ粒子複合体の精製後の量子効率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜18いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  20. 前記半導体ナノ粒子複合体の発光スペクトルの半値幅が38nm以下であることを特徴とする請求項1〜19いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体。
  21. 請求項1〜20いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体が、有機分散媒に分散した半導体ナノ粒子複合体分散液。
  22. 請求項1〜20いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体が、モノマーまたはプレポリマーに分散した半導体ナノ粒子複合体組成物。
  23. 請求項1〜20いずれか1項記載の半導体ナノ粒子複合体が、高分子マトリクス中に分散した半導体ナノ粒子複合体硬化膜。
  24. InおよびPを含有するコアと、1層以上のシェルとを有するコア/シェル型半導体ナノ粒子であり、さらにハロゲンを含み、原子換算で、Inに対するハロゲンのモル比が0.80〜15.00である半導体ナノ粒子に、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を有する表面修飾用化合物を接触させることにより得られる半導体ナノ粒子複合体であり、
    前記表面修飾用化合物は、下記一般式(1):
    HS−R−COO−R (1)
    (一般式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rは親水基を表す。)
    で表されるメルカプト脂肪酸エステルを1種以上含み、
    前記メルカプト脂肪酸エステルのSP値は9.20以上であり、前記メルカプト脂肪酸エステルの分子量が700以下であり、
    かつ前記表面修飾用化合物全体の平均のSP値は9.10〜11.00であること、
    を特徴とする半導体ナノ粒子複合体。
  25. 前記表面修飾用化合物は、一端側に半導体ナノ粒子に結合する結合性基を、他端側に脂肪族基を有する脂肪族基含有表面修飾用化合物をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の半導体ナノ粒子複合体。
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