JP2020204482A - 検針機の動作方法、及び検針機 - Google Patents
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Abstract
【課題】非常に簡単に、検出センサーの動作確認、及び検針機の設置状態の測定を可能とする検針機の動作方法、及び検針機を提供すること。【解決手段】混入した金属類の被検出物を検出する検出センサーを、複数並列に配置した検出ヘッドを備えた検針機1000において、検出センサー310〜350の動作確認を行う動作確認及び検針機の設置状態の測定を行う検針機の動作方法であって、検出センサーの検出領域を横断可能な長さのテストピース510を、検出センサーの検出領域へと横断させ、その際の検出値に基づき、当該検出センサーの動作確認を行うものであり、検針機の設置状態の測定は、被検出物を検出ヘッド300へ向けて搬送する搬送ベルト200の動作を停止させた状態における、検出センサーの検出値に基づき行うことと、搬送ベルトを動作させた状態における、検出センサーの検出値に基づき行うこと、とを切り換えて行えることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本願発明は、例えば縫製品、インテリア製品、食料品、玩具等の製造工程中において混入した縫い針等の金属類を検出する検出センサーを備えた検針機において、当該検出センサーの動作確認、及び検針機の設置状態の測定を行う検針機の動作方法、並びに検針機に関するものである。
従来から、様々な検針機が開発されているが、例えば、特許文献1に示す検針機1000が知られている。この検針機1000は、図3(a)に示すように、検針機1000の動作を制御する制御装置等が格納された土台部100と、衣類等の対象物を搬送する搬送ベルト200と、対象物内に混入した金属類の被検出物を検出する検出ヘッド300とからなる。
この検出ヘッド300は門型形状であり、この検出ヘッド300と搬送ベルト200との間に検出領域を発生させている。そして、この検出領域へ搬送ベルト200によって、衣類等の対象物が搬送された際に、対象物内に金属等の被検出物が混入していると、検出ヘッド300が被検出物を検出して、検針機1000の使用者に被検出物の混入を知らせる。
そして、この検出ヘッド300は、複数の検出センサー310から検出センサー350を、検出ヘッド300の長尺方向へ並列に配置している。
では、図3(b)を参照して、各検出センサーの詳しい構成について説明する。なおすべての検出センサーの構成は同一なので、図3(b)では、その代表として、検出センサー310についてのみ説明する。この検出センサー310は、搬送ベルト200の下面に配置された下検出部311と、検出ヘッド300内部に配置された上検出部312とからなる。この下検出部311と上検出部312との間には、直流磁界313を発生させており、この直流磁界313に被検出物が通過することで、直流磁界313は、乱されたり遮断されたりして変化する。そして、この変化により誘起される誘起電圧(検出値)を測定することにより、検出センサー310は被検出物を検知することができる。また、この直流磁界313は、被検出物を検出する領域であるから、以下、検出領域と呼ぶ。
ところで、どのような検針機であっても、稼働前や定期的に、検出センサーが正常に動作するか確認する必要がある。当然ながら、この複数の検出センサーを備える検針機1000も例外ではなく、稼働前や定期的に、各検出センサーが故障等しておらず、正常に動作するかの動作確認作業を行う。この動作確認作業では、図4(a)及び(b)に示すように、略立方体形状をした設置台400の上表面に配置された、金属製(主に、鉄が採用される)の球体状のテストピース410を用いる。そして、設置台400を搬送ベルト200により、検出ヘッド300に向けて搬送して、各検出センサーの動作確認を行っていく。
ところで、隣接する検出センサーの検出領域は、検出センサーの特性上互いに重なり合うようになっているため、各検出センサーの検出領域内では、検出感度が弱い箇所と強い箇所が生じている。そして、検出センサーが正常に動作するか確認する際は、この検出感度が弱い箇所においても、テストピース410を確実に検出できるか否かを確認する必要がある。
具体的には、確認作業を行うユーザは、図4に示すように、検出感度が弱いと思われる特定の検出領域へ進入させられるように、搬送ベルト200の特定の位置へ、テストピース410を載せて矢印方向へ搬送させる。そして、テストピース410が検出センサーによって検出されると、搬送ベルト200が停止し、検針機1000はテストピース410を通過させないのである。このようにして、ユーザは検出センサーが正常に動作するのか否かの確認作業を行っているのである。ただ、ユーザは、検出感度が弱いと思われる箇所へ、テストピース410を手動で配置しているため、その配置作業は感覚に頼るところもあり、確認作業の正確性も再現性も低いという問題があった。
また、検針機1000が設置された場所によっては、周囲の外部環境から、検出センサーの検出領域へ侵入してくる電磁波等のノイズの影響によって、検出センサーの検出感度が狂い、正常な検出動作が出来なくなる問題があった。そのため、事前に、検針機1000の設置場所においてノイズ等の影響の有無を知る必要があった。
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、非常に簡単に、検出センサーの動作確認、及び検針機の設置状態の測定を可能とする検針機の動作方法、及び検針機を提供するものである。
上記課題を解決するために、本願発明の検針機の動作方法は、衣類等の対象物内に混入した金属類の被検出物を検出する検出センサーを、複数並列に配置した検出ヘッドを備えた検針機において、前記検出センサーの動作確認及び前記検針機の設置状態の測定を行う前記検針機の動作方法であって、前記検出センサーの動作確認は、前記検出センサーの検出領域を横断可能な長さのテストピースを、前記検出センサーの検出領域へと横断させ、その際の前記検出センサーの検出値に基づき、当該検出センサーの動作確認を行うものであり、前記検針機の設置状態の測定は、前記被検出物を前記検出ヘッドへ向けて搬送する搬送ベルトの動作を停止させた状態における、前記検出センサーの検出値に基づき行うことと、前記搬送ベルトを動作させた状態における、前記検出センサーの検出値に基づき行うこと、とを切り換えて行えることを特徴とする。
また、本願発明の検針機は、衣類等の対象物内に混入した金属類の被検出物を検出する検出センサーを、複数並列に配置した検出ヘッドと、前記検出センサーの動作確認を行う動作確認装置と、前記検針機の設置状態の測定を行う設置状態測定装置と、を備えた検針機であって、前記動作確認装置は、 前記検出センサーの検出領域を横断可能な長さのテストピースが、前記検出センサーの検出領域を横断した際の、前記検出センサーの検出値に基づき、当該検出センサーの動作確認を行うように構成されており、前記設置状態測定装置は、前記被検出物を前記検出ヘッドへ向けて搬送する搬送ベルトの動作を停止させた状態における、前記検出センサーの検出値に基づき、前記検針機の設置状態の測定を行うことと、前記搬送ベルトを動作させた状態における、前記検出センサーの検出値に基づき、前記検針機の設置状態の測定を行うこと、とを切り換えて行えるように構成されていることを特徴とする。
これら上記特徴によれば、各検出センサーの検出領域を横断可能な長さのテストピースを、各検出センサーの検出領域へと一度に横断させるので、各検出センサーの検出感度の弱い部分を含む検出領域全体を横断させた際の検出値に基づいて動作確認を行えることから、上記従来技術のように、ユーザが、検出領域のある特定の部分(検出感度が弱い部分)にテストピースを通過させなければならないという、非常に手間がかかり、再現性や正確性が低い作業をする必要がないのである。
さらに、搬送ベルトの動作を停止させた状態における、検出センサーの検出値に基づき、検針機の設置状態の測定を行うことができるため、検針機の設置場所が、外部環境から侵入する電磁波等のノイズの影響が無く、正常に作動するのに適した場所であるか否かの確認を行うことができる。また、搬送ベルトを駆動させた状態における、検出センサーの検出値に基づき、検針機の設置状態の測定を行うことができるため、検針機が設置場所に水平に正しく設置されているか等の確認を行うことができる。そして、搬送ベルトの動作を停止させた状態における検針機の設置状態の測定と、搬送ベルトを駆動させた状態における検針機の設置状態の測定とは、切り替えて行うことができるため、非常に利便性が高いのである。
本願発明の検針機の動作方法、及び検針機によれば、非常に簡単に、検出センサーの動作確認、及び検針機の設置状態の測定を可能とする。
300 検出ヘッド
310、320、330、340、350 検出センサー
313、323、333、343、353 検出領域
D 検出値
510 テストピース
600 動作確認装置
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D 検出値
510 テストピース
600 動作確認装置
以下に、本願発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1(a)は、本願発明の検針機1000の平面図の前端側を拡大表示したもので、図1(b)は、本願発明の検針機1000の側面図を示すものである。なお、詳しくは後述するが、本願発明の検針機は、図3及び図4に示す従来の検針機に、本願発明の検出センサーの動作確認方法を実行する動作確認装置600、及び検針機1000の設置状態の測定を行う設置状態測定装置900を加えたもので、他の構成は従来と同一である。また、本願発明の検出センサーの動作確認方法を実行する、専用のテストピース510を利用するものである。
次に、図2には、本願発明の検針機1000のシステム構成の概略図を示す。主に、本システムは、搬送ベルト200を任意の方向へ駆動するモータMと、当該モータMを制御するモーターコントローラ800とを備える駆動系システムと、検出センサー310から検出センサー350の検出値を読み込んで統合するメインコントローラ700と、検出値から検出センサーの異常を検知する動作確認装置600と、検出値から検針機1000の設置状態を測定する設置状態測定装置900とを備える制御系システムとからなる。また、不図示であるが、動作確認装置600は、検出センサーの検出値から、異常を判断する処理を実行可能なCPU(演算装置)と、本処理を実行するためのプログラムを記録したメモリ(記憶装置)を備えている。また、設置状態測定装置900は、検出センサーの検出値を用いて検針機1000の設置状態を測定する処理を実行可能なCPU(演算装置)と、本処理を実行するためのプログラムを記録したメモリ(記憶装置)を備えている。
また、図1(a)に示すように、本願発明の検出センサーの動作確認方法を実行するための専用のテストピース510は、略直方体の設置台500の上側表面に設置されている。このテストピース510は、検出センサーが反応可能な金属製の物質であれば任意の材質で構成することができる。本実施例では、テストピース510が均一の厚さ及び幅で、長尺状の形状とすることが望ましいため、粒状又は液体状の金属製材料を、図1(a)に示すように、均一の厚さ及び幅の長尺状の形状となるように、設置台500の上側表面に塗布している。なお、テストピースに利用される金属は特に限定されないが、実際の検針機の使用現場では、鉄製の縫い針等の混入を検出し、それ以外の金属製の装飾品は検出されないようにしたいため、テストピースに利用される金属製の物質は主に鉄が採用されている。
さらに、このテストピース510は、検出センサー310の検出領域313から検出センサー350の検出領域353まで横断できるように、検出領域313から検出領域353までの横方向(つまり、テストピース510が進入してくる方向に対して、直角方向)の幅と、ほぼ同じ長さとなっている。
では、このテストピース510を用いた、検出センサーの動作確認方法について説明する。
まず、ユーザは、テストピース510を備える設置台500を、検出ヘッド300の前方の搬送ベルト200上であって、テストピース510が検出センサー310の検出領域313から検出センサー350の検出領域353にまで略平行になるように設置する。次に、ユーザは、不図示のインタフェースを介して、検出センサーの動作確認を実行するように、メインコントローラ700に指令を出す。すると、メインコントローラ700は、テストピース510が検出ヘッド300へ向けて搬送されるように、モーターコントローラ800へ指令を送る。当該指令を受信したモーターコントローラ800は、図1(a)に示す矢印の方向へ、搬送ベルト200を駆動するように、モータMを制御する。
そして、テストピース510が搬送ベルト200によって搬送されて、検出センサー310の検出領域313から検出センサー350の検出領域353を、図1(a)に示す矢印のように、前方から後方へ貫通するように横断してゆく。すると、各検出領域内の磁界が乱され、各検出センサーは、テストピース510が自身の検出領域を横断した際の検出値D(誘起電圧値)を取得する。さらに、各検出値Dはメインコントローラ700を介して、動作確認装置600へ逐次伝達される。なお、検出センサー310の検出値はD1、検出センサー320の検出値はD2、検出センサー330の検出値はD3、検出センサー340の検出値はD4、検出センサー350の検出値はD5となっている。
この動作確認装置600は、各検出センサーの検出値から、各検出センサーが異常か否かを個別に判断するために、正常な各検出センサーの検出領域をテストピース510が横断した際に検出された正常値を、予め測定して保有している。以下では、図1(c)を参照して、各検出センサーから得られた検出値(D1〜D5)に基づいて、動作確認装置600が、各検出センサーの異常を判断することについて説明する。
なお、各検出センサーから得られた各検出値(D1〜D5)は、各検出領域の横幅全体(検出感度の弱い部分も強い部分も含む)をテストピース510が横断した際の検出値である。
まず、図1(c)には、テストピース510が各検出領域を前方から後方へ貫通するように横断した際に、正常な各検出センサーが検出した正常値T0が示してある。さらに、この正常値T0を中心に、正常な範囲であると見なしても問題がない許容範囲(T1からT2)を設定している。そして、動作確認装置600は、例えば、検出センサー310から取得された検出値D1が、図1(c)に示すように、許容範囲を超えて異常に大きくなっていた場合は、この検出値D1が異常値であると判別し、検出センサー310は正常に動作していないと、ユーザに通知する。また、検出センサー340から取得された検出値D4が、図1(c)に示すように、許容範囲に至らず異常に小さくなっていた場合は、この検出値D4が異常値であると判別し、検出センサー340は正常に動作していないと、ユーザに通知する。なお、本実施例では、動作確認装置600が、検出値が異常値か否か判別しているがこれに限定されず、ユーザが、各検出値が許容範囲(T1からT2)内に収まっているか否かを判断して、検出値の異常を判別してもよい。
上述したように、本実施例では、一列に並んだ全ての検出センサーの各検出領域(313から353)を横断可能なテストピース510を用いて、当該テストピース510が各検出領域(313から353)を横断した際の検出値に基づいて、検出センサーの動作確認を行っている。
つまり、各検出領域(313から353)を横断するということは、各検出領域(313から353)の横方向(つまり、テストピースが進入してくる方向に対して、直角方向)の全幅を横断できるので、各検出領域の検出感度の弱い部分も強い部分も必ず横断することになる。そして、図1(c)に示すように、各検出センサーごとに、検出感度の弱い部分も強い部分も含めた検出領域全体の検出値を測定して、正常値と比較判断することで、各検出センサーごとの動作確認が可能となる。
その結果、本実施例では、従来技術のように、ユーザが、検出領域のある特定の部分(検出感度が弱い部分)に、球状のテストピースを通過させなければならないという、非常に手間のかかる作業をする必要がないのである。さらに、検出センサーの各検出領域(313から353)を横断可能なテストピース510を、検出センサーに略平行となるように単純に設置すればよいだけなので、従来技術のような、球状のテストピースの設置場所の正確性や再現性が低いという問題も生じない。
また、検出センサーの検出値には、ノイズが含まれている場合があるので、フィルター処理をしてノイズを除去したり、テストピース510を検出センサーへと自動で複数回横断させて、取得された複数の検出値の平均をとり、その平均値と正常値を比較してもよい。また、図1(c)に示す異常値の判別は一例に過ぎず、検出値Dを全く検出できない場合、検出値Dが異様な波形を示す場合等を異常と判別するなど、その判別方法は仕様に合わせて任意に決定することができる。
なお、本願発明において、テストピースが検出センサーの検出領域を横断するとは、テストピースが検出センサーの検出領域の横方向の幅全てを一度に通過することの他にも、動作確認の精度に影響が及ばない範囲で、テストピースが検出センサーの検出領域の横方向の幅より、多少短い幅又は多少長い幅の領域まで一度に通過することも含む。
また、本願発明の動作確認方法を実施し、検出センサーが正常に動作することを確認できた場合は、当該確認事実を証明する証明書等をプリンタ等で発行して、衣類等の対象物に添付してもよい。さらに、本願発明の動作確認方法は、本実施例のように、1つの検出ヘッドを備える検針機のみではなく、特許文献1に示す先行技術のように、2つの検出ヘッドを備える検針機についても適用できる。また、本願発明の動作確認方法は、本実施例のように、検出センサーの検出領域に磁界を発生させた検針機以外にも、他の検出原理を利用した、互いの検出領域が重なる複数の検出センサーを備える検針機についても適用できる。
では次に、検出センサーを用いて、検針機1000の設置状態を測定する方法について説明する。なお、当該方法は、先述したテストピースを用いた各検出センサーの動作確認を行う前に又は後に、実行することが出来る。
まず、ユーザは、工場等の床面に検針機1000を設置し、この設置場所が、外部環境から侵入する電磁波等のノイズの影響が無く、正常に作動するのに適した場所であるのか否かの確認を行う。そのために、ユーザは、不図示のインタフェースを介して、検針機1000の設置状態の測定を実行するように、設置状態測定装置900に指令を出す。図2に示すように、指令を受けた設置状態測定装置900は、メインコントローラ700に対して、搬送ベルト200が停止した状態で、各検出センサー(310、320、330、340、350)の検出値を取得するように指令を出す。すると、メインコントローラ700は、搬送ベルト200が停止した状態となるように、モーターコントローラ800へ指令を送る。次に、搬送ベルト200が停止した状態において、各検出センサー(310、320、330、340、350)の検出値K1を取得し、各検出値K1はメインコントローラ700を介して、設置状態測定装置900へ伝達される。そして、設置状態測定装置900は、当該検出値K1をインタフェースの画面に表示し、ユーザに当該検出値K1の確認を促すのである。
ここで、ユーザは、検針機1000が、外部環境から電磁波等のノイズが侵入しない最適な場所に設置された場合において、測定された各検出センサーの検出値K0(正常値K0)を、事前に入手している。例えば、検針機1000の取扱説明書等に、この検出値K0は掲載されている。なお、各検出センサーの検出値K0は、検針機1000が外部環境から電磁波等のノイズが侵入しない最適な場所に設置された場合に測定されているのは当然のこと、検針機1000が正常であり、検針機1000が水平な床面等の場所に安定して設置された最適な状態で測定されている。そのため、検出値K0(正常値K0)は、後述する検出値L0(正常値L0)と実質的には同じ値となる。
そして、ユーザは、インタフェースの画面に表示された検出値K1と、事前に入手している検出値K0とを比較して、検出値K1と検出値K0とが略等しければ、検出センサーの検出領域に外部から電磁波等のノイズが侵入していないと判断できる。そして、検針機1000が設置された場所は、外部からノイズ等が侵入することなく、検出センサーに悪影響を及ぼさないことから、検針機1000の設置状態は良好であると確認することが出来るのである。
一方、ユーザは、インタフェースの画面に表示された検出値K1と、事前に入手している検出値K0とを比較して、許容範囲を超えて、検出値K1と検出値K0とが大きく異なっていれば、検出センサーの検出領域に外部から電磁波等のノイズが侵入していると判断出来る。そして、検針機1000が設置された場所は、外部からノイズ等が侵入しており、検出センサーに悪影響を及ぼすことから、検針機1000の設置状態は悪いと確認することが出来るのである。そして、ユーザは、検針機1000の設置状態が悪いという結果を確認できたので、設置状態を改善すべく、例えば、電磁波等のノイズが外部から侵入しないように、外部からのノイズを遮断する対策を取ることが出来るのである。
なお、上述した方法では、検針機1000の設置場所が、外部環境から侵入する電磁波等のノイズの影響が無く、正常に動作するのに適した場所であるのか否かの確認を行っていたが、更に、検針機1000が設置場所に水平に正しく設置されているか等について、検針機1000の設置状態の追加の測定を行いたい場合がある。
その場合は、ユーザは、不図示のインタフェースを介して、検針機1000の設置状態の追加の測定に切り換えるように、設置状態測定装置900に指令を出す。図2に示すように、指令を受けた設置状態測定装置900は、メインコントローラ700に対して、搬送ベルト200が動作した状態で、各検出センサー(310、320、330、340、350)の検出値を取得するように指令を出す。すると、メインコントローラ700は、搬送ベルト200が動作した状態となるように、モーターコントローラ800へ指令を送る。次に、搬送ベルト200が動作した状態において、各検出センサー(310、320、330、340、350)の検出値L1を取得し、各検出値L1はメインコントローラ700を介して、設置状態測定装置900へ伝達される。そして、設置状態測定装置900は、当該検出値L1をインタフェースの画面に表示し、ユーザに当該検出値L1の確認を促すのである。
ここで、ユーザは、検針機1000が、水平な床面等の場所に安定して設置された場合において、測定された各検出センサーの検出値L0(正常値L0)を、事前に入手している。例えば、検針機1000の取扱説明書等に、この検出値L0は掲載されている。なお、各検出センサーの検出値L0は、検針機1000が、水平な床面等の場所に安定して設置された場合に測定されているのは当然のこと、検針機1000が正常であり、外部からのノイズが侵入しない最適な場所で測定されている。そのため、検出値L0(正常値L0)は、検出値K0(正常値K0)と実質的には同じ値となる。
そして、ユーザは、インタフェースの画面に表示された検出値L1と、事前に入手している検出値L0とを比較して、検出値L1と検出値L0とが略等しければ、検針機1000が水平な床面等の場所に安定して設置されていると判断できる。そして、検針機1000は水平に安定して設置されているので、搬送ベルト200を駆動して検出動作を実施しても、検針機1000は振動することは無く安定して設置された状態を維持できる。そのため、検針機1000の振動による検出センサーの検出領域内の磁界の乱れも生じないので、測定値に悪影響を及ぼしていないことから、検針機1000の設置状態は良好であると確認することが出来るのである。
一方、ユーザは、インタフェースの画面に表示された検出値L1と、事前に入手している検出値L0とを比較して、許容範囲を超えて、検出値L1と検出値L0とが大きく異なっていれば、検針機1000が水平な場所に安定して設置されていないと判断できる。具体的には、検針機1000は水平に安定して設置されていないので、搬送ベルト200を駆動して検出動作を実施すると、搬送ベルト200の動きに呼応して、検針機1000が振動する。そのため、検針機1000の振動によって、検出センサーの検出領域内の磁界に乱れが生じ、測定値に悪影響を及ぼしていることから、検出値L1が、許容範囲を超えて、正常な検出値L0から大きく離れることになる。その結果、検針機1000の設置状態は悪いと確認することが出来るのである。そして、ユーザは、検針機1000の設置状態が悪いという結果を確認できたので、設置状態を改善すべく、例えば、検針機1000を水平な場所に設置し直す等の対策を取ることが出来るのである。
なお、上述した、搬送ベルト200を駆動した状態で、検針機1000の設置状態の追加の測定を行うと、以下の影響を確認することもできる。具体的には、搬送ベルト200を駆動する機構の一部(例えば、モーター)に不具合があると、搬送ベルト200の駆動時に振動が生じる。その振動により、検出センサーの検出領域内の磁界に乱れが生じ、検出センサーの検出値に悪影響を及ぼすことがあり、検出値L1が、許容範囲を超えて、正常な検出値L0から離れることになる。例えば、検針機1000を水平な場所に設置しても、検出値L1が、許容範囲を超えて、正常な検出値L0から離れている場合は、搬送ベルト200を駆動する機構の一部に不具合が生じている可能性があると判断できる。その他には、搬送ベルト200の表面に汚れが付着している場合は、搬送ベルト200を透過する磁界の強度が変わってしまう。そのため、検出センサーの検出領域内の磁界の強度が変わってしまい、検出センサーの検出値に悪影響を及ぼすことがあり、検出値L1が、許容範囲を超えて、正常な検出値L0から離れることになる。例えば、検針機1000を水平な場所に設置しても、検出値L1が、許容範囲を超えて、正常な検出値L0から離れている場合は、搬送ベルト200の表面に汚れが付着しており、検出結果に悪影響を及ぼしている可能性があると判断できる。
なお、上述した検針機1000の設置状態の測定は、搬送ベルト200上に衣類等の対象物を載置していない状態で行っている。また、搬送ベルト200を停止した状態での検針機1000の設置状態の測定と、搬送ベルト200を駆動した状態での検針機1000の設置状態の測定は、ユーザが、インタフェースを操作して切り替えて行うことが出来る。
なお、本願発明の検針機の動作方法、及び、検針機は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
Claims (2)
- 衣類等の対象物内に混入した金属類の被検出物を検出する検出センサーを、複数並列に配置した検出ヘッドを備えた検針機において、前記検出センサーの動作確認及び前記検針機の設置状態の測定を行う前記検針機の動作方法であって、
前記検出センサーの動作確認は、前記検出センサーの検出領域を横断可能な長さのテストピースを、前記検出センサーの検出領域へと横断させ、その際の前記検出センサーの検出値に基づき、当該検出センサーの動作確認を行うものであり、
前記検針機の設置状態の測定は、前記被検出物を前記検出ヘッドへ向けて搬送する搬送ベルトの動作を停止させた状態における、前記検出センサーの検出値に基づき行うことと、前記搬送ベルトを動作させた状態における、前記検出センサーの検出値に基づき行うこと、とを切り換えて行えることを特徴とする検針機の動作方法。
- 衣類等の対象物内に混入した金属類の被検出物を検出する検出センサーを、複数並列に配置した検出ヘッドと、
前記検出センサーの動作確認を行う動作確認装置と、
前記検針機の設置状態の測定を行う設置状態測定装置と、
を備えた検針機であって、
前記動作確認装置は、
前記検出センサーの検出領域を横断可能な長さのテストピースが、前記検出センサーの検出領域を横断した際の、前記検出センサーの検出値に基づき、当該検出センサーの動作確認を行うように構成されており、
前記設置状態測定装置は、前記被検出物を前記検出ヘッドへ向けて搬送する搬送ベルトの動作を停止させた状態における、前記検出センサーの検出値に基づき、前記検針機の設置状態の測定を行うことと、前記搬送ベルトを動作させた状態における、前記検出センサーの検出値に基づき、前記検針機の設置状態の測定を行うこと、とを切り換えて行えるように構成されていることを特徴とする検針機。
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-
2019
- 2019-06-14 JP JP2019111034A patent/JP2020204482A/ja active Pending
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