JP2020204001A - 放射線硬化型インクジェットインク組成物 - Google Patents

放射線硬化型インクジェットインク組成物 Download PDF

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Naoki Koike
直樹 小池
齋藤 徹
Toru Saito
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Abstract

【課題】硬化性及び粘度、並びに、その硬化物の延伸性及び耐擦性の全てをバランスに優れた放射線硬化型インクジェットインク組成物を提供する。【解決手段】重合開始剤と、(i)下記一般式(I)で表される化合物と、(ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマーと、を含み、全量を100質量%としたときに、前記(i)を10.0質量%以上50.0質量%以下、前記(ii)を5.0質量%以上50.0質量%以下、含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。H2C=CR1−CO−O−R2−O−CH=CH−R3・・・(I)(式(I)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2以上20以下の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1以上11以下の1価の有機残基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、放射線硬化型インクジェットインク組成物に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルからインクの小滴を吐出して、記録媒体に付着させて記録を行う方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で記録できるという特徴を有する。
インクジェット記録方法は、記録装置の構成、記録装置の制御方法、記録に用いるインクなど、より品質の高い記録を行うために幅広く検討が為されている。また、インクについても用途に応じた開発が盛んで、例えば、包装用途、サイン用途などに向けた放射線硬化型のインクの開発も行われている。例えば、特許文献1には、重合性化合物として、単官能モノマー、多官能モノマー等を特定の配合範囲で含む活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物が開示され、硬化性、接着性、耐溶剤性等を向上する旨の記載がある。
国際公開第2012/172974号
しかしながら、硬化型インクジェットインクは、各種の性能を同時に持たせることが必要となることがある。例えば、硬化性及び保存安定性といった一見相反する性能を両立させることが求められる。また、硬化物の延伸性や媒体との密着性に関わる柔軟性及び耐擦性に関わる表面の硬さ、を同時に良好にすることも求められる。さらにインクジェット法により使用できる程度の粘度であることも要求される。
これらの性能のすべては互いに複雑に相関しており、インクの成分やその配合比により、性能のすべてを満足させることが可能か否かすら定かでない。また、何れかの性能を満足させようとすると、他の性能を満足できなくなることも多い。さらに、インクの成分や配合量の選択肢は広範である。例えば特許文献1に記載の組成物では、向上させようとした性能以外の性能は不十分となっている可能性がある。すなわち、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性及び粘度、並びに、その硬化物の延伸性及び耐擦性の全てをバランスよく向上させることが求められる。
本発明に係る放射線硬化型インクジェットインク組成物の一態様は、
重合開始剤と、
(i)下記一般式(I)で表される化合物と、
C=CR−CO−O−R−O−CH=CH−R
・・・(I)
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2以上20以下の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1以上11以下の1価の有機残基である。)
(ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマーと、
を含み、
全量を100質量%としたときに、
前記(i)を10.0質量%以上50.0質量%以下、
前記(ii)を5.0質量%以上50.0質量%以下、
含む。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物の態様において、
(iii)架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートをさらに含んでもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
前記(iii)は、イソボルニルアクリレートであってもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
全量を100質量%としたときに、
前記(iii)を10.0質量%以上40.0質量%以下含んでもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
全量を100質量%としたときに、
(iv)ウレタン(メタ)アクリレートを、5.0質量%以上30.0質量%以下含んでもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
前記(iv)が、下記一般式(II)で表される化合物であってもよい。
C=CR−CO−O−(R−O−(CO)−(NH))−R
・・・(II)
(式(II)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは2価の有機残基であり、Rは炭素数1以上10以下のアルキル基、又は、炭素数1以上10以下のヒドロキシアルキル基である。また、nは、1以上の整数である。)
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
前記(i)は、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルであってもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
前記(ii)は、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートから選択される1種以上であってもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
(v)ジ(メタ)アクリレートモノマーをさらに含んでもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
前記(v)として、トリプロピレングリコールジアクリレート及びPO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートから選ばれる1種以上を含んでもよい。
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.放射線硬化型インクジェットインク組成物
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェットインク組成物は、
重合開始剤と、
(i)下記一般式(I)で表される化合物と、
C=CR−CO−O−R−O−CH=CH−R
・・・(I)
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2以上20以下の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1以上11以下の1価の有機残基である。)
(ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマーと、
を含む。
そして、
全量を100質量%としたときに、
前記(i)を10.0質量%以上50.0質量%以下、
前記(ii)を5.0質量%以上50.0質量%以下、
含む。
1.1.重合開始剤
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は重合開始剤を含む。重合開始剤は、紫外線、可視光線等の放射線の照射による重合によって、インクを硬化させる作用を有する。紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。重合開始剤としては、放射線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、モノマーの重合を開始させるものであれば、制限はないが、ラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を使用することができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性を良好にすることができるため、アシルフォスフィンオキサイド系化合物及びα−アミノアルキルフェノン系化合物のうち少なくともいずれかが好ましく、アシルフォスフィンオキサイド系化合物及びα−アミノアルキルフェノン系化合物の両方を用いることがより好ましい。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキ
サイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、及び2,4−ジエチルチオキサントンが好適に用いられ、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを併用することが好ましい。
ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、BASF社製商品名)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co.,Ltd.)製商品名)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製商品名)、及びユベクリルP36(UCB社製商品名)などが挙げられる。
上記重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性を良好にし、かつ、重合開始剤の溶け残りや重合開始剤に由来する着色を避けるため、その含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは1.0質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以上10.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以上8.0質量%以下であることが好ましい。重合開始剤は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性に寄与するが、必ずしも単独で寄与するものではなく、重合性化合物、重合禁止剤、重合促進剤等との組合せにも依存して放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性は変化する。
1.2.重合性化合物
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、重合性化合物として、少なくとも、(i)一般式(I)で表される化合物と、(ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマーと、を含む。
1.2.1.一般式(I)で表される化合物(i)
下記一般式(I)で表される化合物は、(メタ)アクリル基の二重結合と、ビニルエーテル基の二重結合と、を有する、二官能のビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートである。本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、一般式(I)で表される化合物を10.0質量%以上50.0質量%以下含有する。
C=CR−CO−O−R−O−CH=CH−R
・・・(I)
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2以上20以下の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1以上11以下の1価の有機残基である。)
以下、一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートを、単に「式(I)の化合物」と記載することがある。
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェットインク組成物が式(I)の化合物を含有することにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性をより優れたものとすることができる。また、式(I)の化合物を含有することにより、組成物の粘度を低く抑えやすい。さらに、ビニルエーテル基を有する化合物及び(メタ)アクリル基を有する化合物を別々に使用するよりも、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリル基を一分子中に有する式(I)の化合物を使用する方が、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性を良好にする上でより好ましい。さらに、式(I)の化合物を含有することにより、硬化物の耐擦性及び延伸性を向上できる。
上記一般式(I)において、Rで表される炭素数2以上20以下の2価の有機残基としては、炭素数2以上20以下の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合による酸素原子を有する置換されていてもよい炭素数2以上20以下のアルキレン基、炭素数6以上11以下の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2以上6以下のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2以上9以下のアルキレン基が好適に用いられる。さらに、放射線硬化型インクジェットインク組成物を、より低粘度化でき、かつ、硬化性をさらに良好にする観点から、Rが、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2以上9以下のアルキレン基となっている、グリコールエーテル鎖を有する化合物がより好ましい。
上記一般式(I)において、Rで表される炭素数1以上11以下の1価の有機残基としては、炭素数1以上10以下の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基、炭素数6以上11以下の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1以上2以下のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6以上8以下の芳香族基が好適に用いられる。
式(I)の化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、メタアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、及び(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。これらの具体例のうち、組成物の硬化性、粘度のバランスがとりやすい点で、VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(I)の化合物の含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対して、10.0質量%以上50.0質量%以下であるが、より好ましくは15.0質量%以上45.0質量%以下、さらに好ましくは20.0質量%以上40.0質量%以下である。式(I)の化合物の含有量が50.0質量%以下であることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物の延伸性を十分に確保することができる。また、式(I)の化合物の含有量が10.0質量%以上であることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性を十分とし、粘度も低く抑えることができる。
本実施形態では、他の成分との組合せ等を考慮して、式(I)の化合物の含有量を、10.0質量%以上50.0質量%以下とすることにより、放射線硬化型インクジェットイ
ンク組成物の硬化性及び粘度、並びに、その硬化物の延伸性のバランスをとっている。なお、一般式(I)で表される化合物は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性及び粘度、並びに、その硬化物の延伸性に寄与する性質が強いが、必ずしも単独で寄与するものではなく、その他の重合性化合物との組合せにも依存して放射線硬化型インクジェットインク組成物やその硬化物の特性は変化する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートのいずれか又は両方を意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルのいずれか又は両方を意味する。
1.2.2.架橋縮合環構造を含む単官能モノマー(ii)
架橋縮合環構造を含む単官能モノマーは、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基等の架橋縮合環構造を有する単官能の重合性の化合物である。本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、架橋縮合環構造を含む単官能モノマーを5.0質量%以上50.0質量%以下含有する。
架橋縮合環構造は、飽和脂環骨格及び不飽和脂環骨格から選択される。脂環骨格は、例えば多環炭化水素基の構造を有する。架橋縮合環構造の骨格を形成する炭素原子の数は、8以上が好ましく、10以上がより好ましい。
架橋縮合環構造は、いずれか1つの架橋鎖を取り去った場合に、縮合環が残る構造のことをいう。
架橋縮合環構造を含む単官能モノマーは、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物のガラス転移温度を調節することができる。ガラス転移温度が低くなれば、硬化物の柔軟性が高まる。また、架橋縮合環構造を含む単官能モノマーは、硬化物の耐擦性を高める効果も有する。
架橋縮合環構造を含む単官能モノマーとしては、特に限定されないが、以下の式(IIIa)で表される化合物、及び、式(IIIb)で表される化合物から選択されることが好ましい。
Figure 2020204001
式(IIIa)中、Rは、水素原子又はメチル基であり、nは0以上8以下の整数を表す。
Figure 2020204001
式(IIIb)中、Rは、水素原子又はメチル基であり、mは0以上8以下の整数を
表す。
架橋縮合環構造を含む単官能モノマーのさらに好ましい例としては、下記式(IIIc)で表されるジシクロペンテニルアクリレート、下記式(IIId)で表されるジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート及び下記式(IIIe)で表されるジシクロペンタニルアクリレートから選択される1種以上を挙げることができる。
Figure 2020204001
Figure 2020204001
Figure 2020204001
なお、式(IIIa)〜式(IIIe)において、ジシクロペンテニル基及びジシクロペンタニル基は、置換基を有してもよい。また、アクリロイル基に結合する酸素は、ジシクロペンテニル基及びジシクロペンタニル基の骨格のいずれの炭素に結合してもよい。さらに、式(IIIa)及び式(IIIb)のオキシエチレン鎖は、オキシプロピレン鎖であってもよい。
架橋縮合環構造を含む単官能モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋縮合環構造を含む単官能モノマーの含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対して、5.0質量%以上50.0質量%以下であるが、より好ましくは15.0質量%以上45.0質量%以下、さらに好ましくは20.0質量%以上40.0質量%以下である。架橋縮合環構造を含む単官能モノマーの含有量が50.0質量%以下であることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性及び粘度を良好にすることができる。また、架橋縮合環構造を含む単官能モノマーの含有量が5.0質量%以上であることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物の耐擦性を十分とすることができる。
本実施形態では、他の成分との組合せ等を考慮して、架橋縮合環構造を含む単官能モノマーの含有量を、5.0質量%以上50.0質量%以下とすることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性及び粘度、並びに、その硬化物の延伸性のバランスをとっている。なお、架橋縮合環構造を含む単官能モノマーは、放射線硬化型インクジェ
ットインク組成物の硬化性及び粘度、並びに、その硬化物の延伸性に寄与する性質が強いが、必ずしも単独で寄与するものではなく、その他の重合性化合物との組合せに依存して放射線硬化型インクジェットインク組成物やその硬化物の特性は変化する。
1.2.3.その他の重合性化合物
1.2.3.1.架橋単環構造を含む(メタ)アクリレート(iii)
架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル基の二重結合を有し、ノルボルネン、ノルボルナジエンのような架橋単環構造を含む化合物である。本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートを含んでもよい。
架橋単環構造とは、いずれか1つの架橋鎖を取り去った場合に、単環が残る構造のことをいう。
架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートは、2種以上の架橋単環構造を有してもよい。架橋単環構造を有することにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物のガラス転移温度を調節することができる。
架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートの具体例としては、イソボルニルアクリレート(IBXA)、イソボルニルメタアクリレート、等が挙げられる。これらの中でもイソボルニル(メタ)アクリレートが好ましく、イソボルニルアクリレート(IBXA)がより好ましい。
架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートを用いる場合、その含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対して、10.0質量%以上40.0質量%以下が好ましく、より好ましくは15.0質量%以上35.0質量%以下、さらに好ましくは20.0質量%以上30.0質量%以下である。架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートの含有量が40.0質量%以下であることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性を十分に確保することができる。また、架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートの含有量が10.0質量%以上であることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物の耐擦性及び延伸性を十分とすることができる。
本実施形態において、架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートを用いる場合には、他の成分との組合せ等を考慮して含有量が調節されるが、10.0質量%以上40.0質量%以下であれば、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性、並びに、その硬化物の耐擦性、延伸性のバランスをとることができる。なお、架橋単環構造を含む単官能モノマーは、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性、並びに、その硬化物の耐擦性、延伸性に寄与する性質が強いが、その他の重合性化合物との組合せに依存して放射線硬化型インクジェットインク組成物やその硬化物の特性は変化する。
1.2.3.2.ウレタン(メタ)アクリレート(iv)
ウレタン(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル基の二重結合を有し、ウレタン結合を含む化合物である。本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを含んでもよい。
ウレタン結合を含む(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、下記一般式(II)で表される化合物が好適である。下記一般式(II)で表される化合物は、(メ
タ)アクリル基の二重結合と、少なくとも1つのウレタン結合を含む、単官能ウレタン(メタ)アクリレートである。式(II)の化合物は、ウレタン結合含有モノ(メタ)アクリレートともいうことができる。
C=CR−CO−O−(R−O−(CO)−(NH))−R
・・・(II)
(式(II)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは2価の有機残基であり、Rは炭素数1以上10以下のアルキル基、又は、炭素数1以上10以下のヒドロキシアルキル基である。また、nは、1以上の整数である。)
以下、一般式(II)で表される単官能ウレタン(メタ)アクリレートを、単に「式(II)の化合物」と記載することがある。
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェットインク組成物が式(II)の化合物を含有する場合、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物の記録媒体への密着性をより優れたものとすることができる。また、式(II)の化合物を含有することにより、組成物の粘度を低く抑え、保存安定性も良好にすることができる。
上記一般式(II)において、Rで表される2価の有機残基は、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2以上4以下のアルキレン基が好適であり、Rで表される炭素数1以上10以下のアルキル基、又は、炭素数1以上10以下のヒドロキシアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、又は、炭素数1以上6以下のヒドロキシアルキル基であることがより好ましく、nは、1以上5以下であることがより好ましい。
また、一般式(II)で表される化合物において、Rが、炭素数1以上10以下のアルキル基である場合、当該基は、炭素数1以上10以下の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基である。また、Rが、炭素数1以上10以下のヒドロキシアルキル基である場合、当該基は、炭素数1以上10以下の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基の1又は2以上の炭素原子に結合する水素が水酸基によって1又は2以上置換された基である。
の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ブチル基、ペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、及び、それらの構造異性の基、並びに、それらのシクロ環、ビシクロ環、及び/又は、スピロ環を含む基等が挙げられる。また、Rの例として、これらの基の1又は2以上の炭素原子に結合する水素が水酸基によって1又は2以上置換された基を挙げることができる。
としては、硬化物の柔軟性及び記録媒体との密着性をさらに向上する観点、並びに、入手あるいは製造しやすい観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、並びに、直鎖又は分岐のブチル基、ブチル基、ブチル基、ペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及び、デシル基、及び、これらの基の末端の炭素原子に結合する水素が水酸基によって1置換された基を挙げることができる。
一般式(II)で表される化合物は、以下に限定されないが、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとアルキルモノイソシアネートとの反応により得られる化合物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとヒドロキシアルキルモノイソシアネートとの反応により得ることができる。具体例として、2−(ブチルカルバモイルオキシ)エチルアクリレート、2−(ブチルカルバモイルオキシ)エチルメタアクリレート、2−(ヘキシルカルバモイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ブチルカルバモイルオ
キシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−(2−(ブチルカルバモイルオキシ)エチル)カルバモイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、組成物の粘度、保存性、硬化物の密着性のバランスがとりやすい点で、2−(ブチルカルバモイルオキシ)エチルアクリレートが特に好ましい。
一般式(II)で表される化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(II)の化合物を用いる場合、その含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対して、5.0質量%以上30.0質量%以下であるが、より好ましくは5.0質量%以上25.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以上20.0質量%以下、特に好ましくは8.0質量%以上15.0質量%以下である。式(II)の化合物の含有量を30.0質量%以下とすれば、放射線硬化型インクジェットインク組成物の保存性を十分に確保でき、粘度を低く抑えることができる。また、式(II)の化合物の含有量を5.0質量%以上であることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物の密着性をさらに高めることができる。
本実施形態において、ウレタン(メタ)アクリレートを用いる場合には、他の成分との組合せ等を考慮して含有量が調節されるが、5.0質量%以上30.0質量%以下であれば、放射線硬化型インクジェットインク組成物の保存性、粘度、及び、硬化物の記録媒体との密着性のバランスをとることができる。なお、ウレタン(メタ)アクリレートは、放射線硬化型インクジェットインク組成物の保存性、粘度、及び、硬化物の記録媒体との密着性に寄与する性質が強いが、その他の重合性化合物との組合せに依存して放射線硬化型インクジェットインク組成物やその硬化物の特性は変化する。
1.2.3.3.ジ(メタ)アクリレートモノマー(v)
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、ジ(メタ)アクリレートモノマーを含有してもよい。ジ(メタ)アクリレートモノマーは二官能モノマーである。
ジ(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジメタアクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)及びそのPO変性物(NPGDA(PO))、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレートモノマーは、一種又は二種以上を用いてもよい。ジ(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合の含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対して、1.0質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以上15.0質量%以下である。
ジ(メタ)アクリレートモノマーとしては、二官能ウレタン(メタ)アクリレートを用
いてもよい。二官能ウレタン(メタ)アクリレートは、放射線硬化型インクジェットインク組成物の上述の性能のバランスを保つことのできる範囲で加えることができる。二官能ウレタン(メタ)アクリレートは、後述の実施例で実証されるように、組成物の粘度を上昇させる傾向があり、物性のバランスを良好に維持するために、比較的少量用いることが好ましい。
二官能ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、CN9893(サートマー社製ウレタン系モノマー)を例示できる。
1.2.3.4.環状骨格中に窒素原子を含む重合性モノマー
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、環状骨格中に窒素原子を含む重合性モノマーを含有してもよい。
環状骨格中に窒素原子を含む重合性モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、及びN−ビニルピロリドン等の窒素含有単官能ビニルモノマー並びにアクリロイルモルフォリン等の窒素含有単官能アクリレートモノマーが挙げられる。
これらのなかでも、窒素含有単官能ビニルモノマー又は窒素含有単官能アクリレートモノマーの何れかを含むことが好ましく、N−ビニルカプロラクタム(n−VC)、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、又はアクリロイルモルフォリン(ACMO)等の含窒素複素環構造を有するモノマーがより好ましく、N−ビニルカプロラクタム及びアクリロイルモルフォリンから選ばれる1種以上であることがさらに好ましい。
環状骨格中に窒素原子を含む重合性モノマーを用いることにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物の記録媒体への密着性がより向上する傾向にある。また、環状骨格中に窒素原子を含む重合性モノマーを用いると放射線硬化型インクジェットインク組成物の保存安定性が向上する傾向がある。
環状骨格中に窒素原子を含む重合性モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1.2.3.5.その他の重合性化合物
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、上述した以外の重合性化合物を含有してもよい。その他の重合性化合物は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の上述の性能のバランスを保つことのできる範囲で用いる。以下そのような重合性化合物の例として単官能モノマー、三官能以上のモノマーを挙げる。
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、単官能モノマーを含有してもよい。以下に例示する単官能モノマーは、必要に応じて用い得るが、放射線硬化型インクジェットインク組成物の上述の性能のバランスを保つことのできる範囲で用いる。
単官能モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アルコキシ化2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート、アルコキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、tertブチルシクロヘキサノールアクリレート(TBCHA)、2−(メタ)アクリル酸−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−2−イルメチル、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ
ート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等、が挙げられる。
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、三官能以上のモノマーを含有してもよい。以下に例示する三官能以上のモノマーは、必要に応じて用い得るが、放射線硬化型インクジェットインク組成物の上述の性能のバランスを保つことのできる範囲で用いる。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
1.3.その他の成分
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物は、必要に応じて、色材、分散剤、重合禁止剤、スリップ剤、光増感剤、重合禁止剤等の添加剤をさらに含んでもよい。
1.3.1.色材
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物は、色材をさらに含んでもよい。本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物が色材を含むことにより、着色された放射線硬化型インクジェット組成物として使用することができる。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
色材の合計の含有量は、組成物の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上5.0質量%以下である。なお、本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物は、色材を含まない、若しくは、着色することを目的としない程度に色材を含有する(例えば0.1質量%以下)、クリアインクとしてもよい。
1.3.1.1.顔料
色材として顔料を用いる場合は、放射線硬化型インクの耐候性を向上できる場合がある。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、カーボンブラック、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
ブラック顔料としては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(Cabot JAPAN K.K.)製商品名)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ackS150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4等(以上、デグッサ(Degussa)社製商品名)が挙げられる。
ホワイト顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属化合物が挙げられる。金属酸化物としては、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。
イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、及びC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、及びC.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン及びイエロー以外のカラー顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、及びC.I.ピグメントブラウン 3、5、25、26、及びC.I.ピグメントオレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63が挙げられる。
上記顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
1.3.1.2.染料
色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
染料としては、特に制限されないが、例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142、C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289、C.I.アシッドブルー9、45、249、C.I.アシッドブラック1、2、24、94、C.I.フードブラック1、2、C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173、C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227、C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202、C.I.ダイレクトブラック19、38、51、71、154、168、171、195、C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249、C.I.リアクティブブラック3、4、35が挙げられる。
1.3.2.分散剤
放射線硬化型インクジェット組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。
高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アベシア(Avecia)社やノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse36000等)、BYK Additives&Instruments社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
分散剤の含有量は、組成物の総量に対して、好ましくは0.01質量%以上1.0質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以下である。
1.3.3.重合禁止剤
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物は、重合禁止剤をさらに含んでもよい。重合禁止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合禁止剤としては、以下に限定されないが、例えば、p−メトキシフェノール、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、ヒドロキノン、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
また、重合禁止剤の市販品としては、アデカスタブ LA−7RD(2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル)、LA−52、LA−57、
LA−62、LA−63P、LA−68LD、LA−77Y、LA−77G、LA−81、LA−82(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート)、LA−87(以上、ADEKA社製商品名)、IRGASTAB UV 10(4,4’−[1,10−ジオキソ−1,10−デカンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,2,6,6−テトラメチル]−1−ピペリジニルオキシ)(CAS.2516−92−9)、TINUVIN 123(4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−N−オキシル)、TINUVIN 111FDL、TINUVIN 144、TINUVIN 152、TINUVIN 292、TINUVIN 765、TINUVIN 770DF、TINUVIN 5100、SANOL LS−2626、CHIMASSORB 119FL、CHIMASSORB 2020 FDL、CHIMASSORB 944 FDL、TINUVIN 622 LD(以上、BASF社製商品名)、FA−711HM、FA−712HM(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、日立化成工業社製商品名)等が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、組成物の総量に対して、好ましくは0.01質量%以上1.0質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以下である。
1.3.4.スリップ剤
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物は、スリップ剤をさらに含んでもよい。スリップ剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スリップ剤としては、シリコーン系界面活性剤が好ましく、ポリエステル変性シリコーンまたはポリエーテル変性シリコーンであることがより好ましい。ポリエーテル変性シリコーンとしては、BYK−378、3455、BYK−UV3500、3510、3530(以上、BYK Additives&Instruments社製)等が挙げられ、ポリエステル変性シリコーンとしては、BYK−3570(BYK Additives&Instruments社製)等が挙げられる。
スリップ剤の含有量は、組成物の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上0.8質量%以下である。
1.3.5.光増感剤
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物は、光増感剤をさらに含んでもよい。光増感剤としては、アミン化合物(脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジン、エポキシ樹脂とアミンの反応生成物、トリエタノールアミントリアクリレートなど)、尿素化合物(アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素など)、イオウ化合物(ナトリウムジエチルジチオフォスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩など)、ニトリル系化合物(N,N−ジエチル−p−アミノベンゾニトリルなど)、リン化合物(トリ−n−ブチルフォスフィン、ナトリウムジエチルジチオフォスファイドなど)、窒素化合物(ミヒラーケトン、N−ニトリソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとジアミンの縮合物など)、塩素化合物(四塩化炭素、ヘキサクロロエタンなど)等が挙げられる。
1.4.物性
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物の20℃における粘度は、好ましくは25mPa・s以下であり、より好ましくは5mPa・s以上25mPa・s以下である。組成物の20℃における粘度が上記範囲内であることにより、ノズルから組成物が適量吐出され、組成物の飛行曲がりや飛散を一層低減することができるため、インクジェット記録装置に好適に使用することができる。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを1
0〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物の20℃における表面張力は、好ましくは20mN/m以上40mN/m以下である。放射線硬化型インクジェット組成物の20℃における表面張力がこの範囲にあると、組成物が撥液処理されたノズル面へ濡れにくくなる。これにより、ノズルから組成物が正常かつ適量吐出され、組成物の飛行曲がりや飛散を一層低減することができるため、インクジェット記録装置に好適に使用することができる。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートを放射線硬化型インクジェット組成物で濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
2.実施例及び比較例
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。以下「%」は、特に記載のない限り、質量基準である。
2.1.インクの調製
各例のインクは、表1及び表2に示す組成(単位:質量%)となるように混合し、これを高速水冷式撹拌機により撹拌することにより調製した。なお、顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)はあらかじめ分散剤としてSolsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名)を顔料に対して50質量%添加した分散液を用いて配合した。
Figure 2020204001
Figure 2020204001
表1、表2中、各成分は以下の通りである。
VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル「(i)一般式(I)で表される化合物」
DCPA:ジシクロペンテニルアクリレート「(ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマー」
DA:ジシクロペンタニルアクリレート「(ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマー」
DCPEA:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート「(ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマー」
IBXA:イソボルニルアクリレート「(iii)架橋単環構造を含む(メタ)アクリレート」
819:商品名「IRGACURE 819」BASF社製、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤
369:商品名「IRGACURE 369」BASF社製、α−アミノアルキルフェノン系重合開始剤
6101:商品名「EM2080(オリゴマー6101)(長興材料工業社製)」(2−(ブチルカルバモイルオキシ)エチルアクリレート)、「(iv)一般式(II)で表される化合物」
CN9893:商品名、巴工業株式会社製「(iv)一般式(II)で表される化合物ではない」
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
NPGDA(PO):ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)のPO変性物
LA−7RD:商品名「アデカスタブ LA−7RD」、ADEKA社製、重合禁止剤
MEHQ:ヒドロキノンモノメチルエーテル、重合禁止剤
BYK−UV3500:BYK Additives&Instruments社製、スリップ剤
C.I.Pigment Blue 15:3 :顔料
分散剤:Solsperse36000(商品名、Lubrizol社製、高分子分散剤)
2.2.インクジェットインク組成物及び硬化物の評価
2.2.1.硬化性
綿棒加重タック性評価を行った。具体的にはPETフィルム(PET50A PLシン〔商品名〕、リンテック社製)にバーコーターでインク組成物を塗布し、所定の照射強度で0.04sec/cmの速度で、紫外線を照射した。その際、光源としては、395nmにピーク波長を有するLEDを用いた。得られた硬化後塗膜の厚さは8μmであった。そして、塗膜表面を綿棒を用いて100g加重で10回擦り、綿棒が着色しない照射強度を基準に硬化エネルギー(照射エネルギー)を求めた。なお、照射エネルギー[mJ/cm]は、光源から照射される被照射表面における照射強度[mW/cm]を測定し、これと照射継続時間[sec]との積から求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING, INC.)製)を用いて行った。評価基準は以下の通りとし、結果を表1、表2に記載した。
(評価基準)
A:200mJ/cm以下
B:200超300mJ/cm以下
C:300mJ/cm
2.2.2.粘度
各例の放射線硬化型インクの粘度(mPa・s)を、20℃下でレオメーター(MCR−300、アントンパール社製)を用いて測定した。以下の基準で評価し、評価結果を表1、表2に示した。
(評価基準)
A:25mPa・s以下
B:25mPa・s超30mPa・s以下
C:30mPa・s超
2.2.3.延伸性
バーコーターで、各放射線硬化型インクジェット組成物を塩ビフィルム(JT5829R、MACtac社製)上に、厚さ10μmになるよう塗布した。次いで、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて、400mJ/cmのエネルギーで硬化させて塗膜を形成した。上記塗膜を形成した塩ビフィルムの剥離紙を剥がし、幅1cm、長さ8cmの短冊状に切り出して試験片を作製した。各試験片について、引張試験機(TENSILON、ORIENTEC社製)を用いて延伸性としての伸び率を測定した。伸び率は、5mm/minで引っ張った時、クラックが発生した時点での数値とした。その数値は{(クラック時の長さ−延伸前の長さ)/延伸前の長さ×100}より算出した。評価基準は以下の通りとし、結果を表1、表2に記載した。
(評価基準)
A:200%以上
B:100%以上200%未満
C:100%未満
2.2.4.耐擦性
上記延伸性の評価において作製した、硬化後の塗膜に対して、JIS R3255に準じてマイクロスクラッチ試験の評価を行った。測定には超薄膜スクラッチ試験機(CSR−5000、ナノテック社製)を用いて耐擦過性としての耐荷重を測定した。耐荷重は荷重をかけながらマイクロスクラッチを行い、触針がメディア面に達した時の荷重とした。耐荷重が大きい程、耐擦性に優れる。測定は触針スタイラス径:15μm、振幅:100μm、スクラッチ速度:10μm/secで行った。評価基準は以下の通りとし、結果を表1、表2に記載した。
(評価基準)
A:30mN/cm以上
B:20mN/cm以上30mN/cm未満
C:20mN/cm未満
2.3.評価結果
実施例及び比較例から、以下のことが判明した。
重合開始剤、(i)一般式(I)で表される化合物、及び(ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマー、を含み、(i)を10.0質量%以上50.0質量%以下、(ii)を5.0質量%以上50.0質量%以下、含む、各実施例の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、硬化性及び粘度、並びに、その硬化物の延伸性及び耐擦性の全てにおいて、良好な結果となった。
これに対して何れかの成分が上記範囲を逸脱した各比較例の放射線硬化型インクジェットインク組成物では、硬化性、粘度、延伸性、耐擦性の1つ以上が不十分な結果であった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成、を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (10)

  1. 重合開始剤と、
    (i)下記一般式(I)で表される化合物と、
    C=CR−CO−O−R−O−CH=CH−R
    ・・・(I)
    (式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2以上20以下の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1以上11以下の1価の有機残基である。)
    (ii)架橋縮合環構造を含む単官能モノマーと、
    を含み、
    全量を100質量%としたときに、
    前記(i)を10.0質量%以上50.0質量%以下、
    前記(ii)を5.0質量%以上50.0質量%以下、
    含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  2. 請求項1において、
    (iii)架橋単環構造を含む(メタ)アクリレートをさらに含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  3. 請求項2において、
    前記(iii)は、イソボルニルアクリレートである、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  4. 請求項3において、
    全量を100質量%としたときに、
    前記(iii)を10.0質量%以上40.0質量%以下含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    全量を100質量%としたときに、
    (iv)ウレタン(メタ)アクリレートを、5.0質量%以上30.0質量%以下含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  6. 請求項5において、
    前記(iv)が、下記一般式(II)で表される化合物である、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
    C=CR−CO−O−(R−O−(CO)−(NH))−R
    ・・・(II)
    (式(II)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは2価の有機残基であり、Rは炭素数1以上10以下のアルキル基、又は、炭素数1以上10以下のヒドロキシアルキル基である。また、nは、1以上の整数である。)
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
    前記(i)は、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルである、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
    前記(ii)は、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートから選択される1種以上である、放射
    線硬化型インクジェットインク組成物。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項において、
    (v)ジ(メタ)アクリレートモノマーをさらに含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  10. 請求項9において、
    前記(v)として、トリプロピレングリコールジアクリレート及びPO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートから選ばれる1種以上を含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
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