JP2020201827A - ベコつき位置予測方法、パネル搬送剛性予測方法、及びパネル形状変更方法 - Google Patents

ベコつき位置予測方法、パネル搬送剛性予測方法、及びパネル形状変更方法 Download PDF

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【課題】パネル形状の情報からプレス搬送時のベコつき発生有無を簡易に予測し、部品設計段階で搬送時のベコつき発生に対する対策検討を可能とする。【解決手段】予め設定したパネル形状である評価パネル形状10からなるパネル部品でのベコつき位置を推定するベコつき位置予測方法であって、予め設定した荷重負荷位置に荷重を負荷してパネル表面を裏面側に変位させることで発生する、パネル表面に沿った張り剛性の分布を、上記荷重負荷による変位量を変えて複数回求め、上記求めた複数の張り剛性の分布から、パネル表面におけるベコつき位置を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、パネルのベコつきを簡易的に予測するベコつき位置予測方法、そのベコつき位置予測方法を用いたパネル搬送剛性予測方法及びパネル形状変更方法に関する。
自動車用パネル部品には、ルーフ、フード、ドアなどの外板パネル(アウターパネル)と、フロアやダッシュロアなどの内板パネル(インナーパネル)とがある。このようなパネル部品(以下、単にパネルとも記載する)は、いずれも投影面積が広い部品群である。そのため、パネル部品は、板厚の低減による軽量化量が他の骨格系部品と比較しても格段に大きい。
しかし、例えば、外板パネルの板厚を薄くすると、車両としての性能(強度、剛性、遮音など)の低下に加え、製造時の成形パネルのハンドリングが困難になるという課題があった。
具体的には、プレス成形において、次工程のプレス機にパネル部品を搬送する際、吸盤でパネル部品を吸着し吊り下げて運搬する。このとき、パネル部品を吸着し吊り上げる際や、パネル搬送の動き出しや停止時などで発生する負荷で、パネル部品にベコつきが発生する場合がある。ベコつきが発生した場合、それによりパネル部品に塑性変形(永久歪)が発生することで、製品としてのパネル部品の面精度を満たさず、パネル部品の廃却を余儀なくされる不具合が発生する場合がある。
従来、上記の不具合を回避するには、パネル部品の搬送速度を落とすのが有効であると考えられている。しかし、パネル部品の搬送速度を落とすことは、生産性の低下に繋がり、必要な生産台数が達成できなくなるおそれがあるため、製造現場における深刻な課題の一つとなっていた。
ここで、パネルのベコつきは、いわゆる「張り剛性」を指標として評価可能である。張り剛性は、ベコついたり凹んだりすることに対する強さを表し、パネルの剛性の一種である。この張り剛性が弱い(張り剛性が低い)パネル面位置では、人が手で触ったときの感覚の悪化(ベコベコして安っぽい)や、ワックスをかけるときに、パネルを押さえながら拭く際に起こるベコベコ感を引き起こす。それらを未然に予測して対策として、例えば特許文献1〜5に記載の方法がある。
特許文献1には、車両試作前の設計段階(図面しかない段階)で予測する手法として、パネルを多数の領域に分割し、各領域にそれぞれ荷重を順次負荷していく解析によって、張り剛性の強弱分布を表示することが記載されている。しかし、特許文献1に記載の方法では、ベコつきは各点での荷重変位曲線の傾きから規定する必要があり、解析点全てのデータを検査する必要がある。このことは、工数が膨大となるという課題がある。また、特許文献1に記載の方法では、荷重負荷点以外でのベコつきを検知することは困難である。
また、特許文献2及び特許文献3には、張り剛性を向上させるための方法として、ヤング率の高い方向が異なる2枚の鋼板を貼り付けることで高剛性パネルを得る方法、また、ルーフに代表される2方向に曲率を持つパネルにおいて、それぞれの曲率半径を規定することで、高剛性のパネルを得る方法が記載されている。
また、特許文献4及び特許文献5には、アウターパネルを構成するパネル部品に矩形エンボス形状や台形断面のビード形状を付与することで張り剛性を向上する手法が開示されている。しかし、特許文献4や特許文献5の方法では、パネル搬送の際におけるベコつきを事前に予測する方法がないため、実際に製品を製造する段階でないと問題の有無が確認できないという課題は残った。そのため、開発工程、生産準備工程における時間ロスの低減は望まれている状況である。
特許第5915036号公報 特許第5391997号公報 特開2010−280127号公報 特許第6074900号公報 特開2010−183939号公報
外板パネルの薄板化に伴い、プレス成形におけるパネルの剛性が低下し、プレス工程での搬送時に成形パネルにベコつきが発生しやすくなっている。ベコつきにより永久歪が発生すると、パネルを廃却せざるを得ないロスが生じる。従来、搬送速度を低下させる(ゆっくり搬送する)対策をとることもあったが、これは、生産速度を遅くすることになるので、生産台数が低減するなど、時間的なロスが発生する。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、パネル形状の情報からプレス搬送時のベコつき発生有無を簡易に予測し、部品設計段階で搬送時のベコつき発生に対する対策検討を可能とすることを目的とする。
発明者は、パネル搬送におけるベコつきを簡易的に予測するため、ベコつきの起きやすいパネルと、ベコつきが起こらないパネルについて、パネル中央部に荷重負荷した際のたわみ挙動を簡易的な荷重負荷シミュレーションにより詳細に調査した。その検討から、ベコつき発生ケースにおいて、通常はパネル中央部でベコつきが起こるところ、荷重を負荷していない他のエリアでベコつきが起こっていることが分かった。この知見に基づき、発明者は本発明を考えた。
課題解決のために、本発明の一態様は、パネル部品のベコつき位置を推定するベコつき位置予測方法であって、予め設定した荷重負荷位置に荷重を負荷してパネル表面を裏面側に変位させることで発生する、パネル表面に沿った張り剛性の分布を、上記荷重の負荷による変位量を変えて複数回求め、上記求めた複数の張り剛性の分布から、パネル表面におけるベコつき位置を推定することを要旨とする。
また、本発明の他の態様は、パネル表面が吸着手段で吸着されて搬送される際の剛性であるパネル部品の搬送剛性を予測するパネル搬送剛性予測方法であって、ベコつき位置を推定するパネル形状として、パネル部品の製品形状又は搬送直前のパネル形状を設定し、請求項1に記載のベコつき位置予測方法でベコつき位置を推定し、上記推定したベコつき発生箇所と上記吸着手段の吸着位置に基づき、上記搬送の際にベコつき発生の有無を予測することを要旨とする。ベコつき位置予測方法は、例えばシミュレーション解析にて行う。
本発明の態様によれば、簡易にパネルのベコつきを予測できることで、車の開発段階において、車両を実際に試作することなく、製品のパネル形状の情報から、プレス加工での搬送時に発生するであろう、パネルのベコつき発生有無を簡易に予測することができる。その結果、部品設計段階で搬送時のベコつき発生に対する対策検討を可能とすることが可能となる。またこれによって、本発明の態様によれば、例えば新車開発におけるロスを低減し、また、量産においても生産速度を落とすことなく、効率の良い開発・生産を実現できるようになる。
本発明に基づく実施形態に係る処理を説明する図である。 荷重負荷位置を示す上面図である。 ベコつき判定について説明する図である。 実施例におけるパネル形状を示す平面図である。 L方向の断面図である。 W方向の断面図であり、(a)はモデルNo.1と2の場合、(b)はモデルNo.3と4の場合を示している。 パネルの拘束位置と、負荷位置を示す上面図である。 モデルNo.1の場合の張り剛性分布を示す図である。 モデルNo.2の場合の張り剛性分布を示す図である。 モデルNo.3の場合の張り剛性分布を示す図である。 モデルNo.4の場合の張り剛性分布を示す図である。 モデルNo.1と2の場合の、荷重-変位のグラフである。 モデルNo.3と4の場合の、荷重-変位のグラフである。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<構成>
本実施形態は、図1に示すように、ベコつき位置予測部20、パネル搬送剛性予測部30、及びパネル形状変更部40を有する。
ベコつき位置予測部20は、予め設定したパネル形状である評価パネル形状10からなるパネル部品のベコつき位置を推定する処理を行う。ベコつき位置予測部20は、張り剛性強弱分布取得部20Aと、ベコつき位置評価部20Bとを有する。
張り剛性強弱分布取得部20Aは、設定されたパネル部品の評価パネル形状10について、パネル表面に予め設定した荷重負荷位置に対し、パネル表面から裏面に向けて荷重を負荷してパネル表面を裏面側に予め設定した変位量だけ変位させることで発生する、パネル表面に沿った張り剛性の分布を求める処理を行う。上記の設定した変位量として2水準以上の変位量が設定されて、ベコつき位置予測部20は、変位量毎のパネル表面に沿った張り剛性の分布を求める。
張り剛性強弱分布取得部20Aは、上記の張り剛性の分布(張り剛性強弱分布)を、荷重負荷シミュレーションによって求める。
荷重負荷シミュレーションは、例えば、評価パネル形状10のパネル部品の外周部を拘束する条件で実施する。例えば、パネル面を複数の領域(節点)に分割し、荷重負荷点に荷重を負荷したことで発生する、各領域での反力(荷重)をシミュレーションで計算しパネル面に沿った張り剛性の分布(張り剛性強弱分布)として求める。また、複数の変位量による複数階層の張り剛性の分布(張り剛性強弱分布)から、各領域(節点)での荷重変位曲線(荷重分布)を求める。
荷重負荷位置は、パネル形状1における、一番張り剛性が弱いと推定される位置に設定する。本実施形態では、図2に示すように、荷重負荷位置をパネル表面の中央部LDAを荷重負荷点とする。パネル表面の中央部LDAとは、例えばパネルの中心点LD(例えば重心点)を含み、該中心点LDから半径10mmの領域内とする。通常、車両用パネルは、縦横とも1m以上の寸法となっている。パネル面積が大きくなるほど、ベコつきが発生しやすくなる。なお、図2中、符号Hは、評価位置の例を示すものである。
また、荷重負荷点位置でのパネルの変位量として、例えば10mm以上20mm以下から2つ以上の変位量(2水準、好ましくは3水準以上)を設定して、張り剛性分布を求めるための各シミュレーションを実施する。ここで、変位量を10mm以上20mm以下とするのは、この範囲での押込みで生じるであろうベコつきを対象とするためである。変位量の水準は10水準以下、好ましくは5水準以下で問題はない。
ベコつき位置評価部20Bは、ベコつき位置予測部20が求めた、複数の張り剛性の分布に基づき、ベコつき位置の有無、ベコつきがある場合には、そのベコつき位置を求める。
ここで、パネル中央部LDAは、パネル外周の拘束点から最も離れているため、剛性が一番弱くなると推定される。ベコつき位置評価部20Bは、そのパネル中央部LDAへの荷重負荷によって発生する荷重分布(張り剛性分布)の強弱から、パネル中央部LDAよりも荷重が低い領域(荷重低位領域)がある場合、その領域をベコつき発生の危険度が高いベコつき位置と判定する。又は、荷重負荷位置での変位の増加に伴い荷重に一時的な減少がある位置をベコつき位置と判定する。
ここで、張り剛性が弱いと推定されるパネル中央部LDAに荷重を負荷した場合、荷重負荷による面に沿った張力の伝搬で、その荷重負荷時にたわみの節が発生し、その節が面に沿って移動していくが、荷重低位領域にかかると節の移動が容易となり、ベコつきが出やすくなるものと推定される。
すなわち、評価位置Hについて、図3に示すような荷重変位曲線(荷重分布)における、変位の増加に伴い、荷重が低下する挙動が発生する部分を、ベコつき位置(荷重低位領域)と判定する。又は、張り剛性が弱いと推定されるパネル中央部LDAよりも荷重が低い領域をベコつき位置と判定する。図3では、横軸に、荷重を負荷した位置での変位量を設定し、縦軸に、評価したい位置での荷重負荷に対する反力としての荷重(張り剛性)を設定する。図3では、評価位置Hでの荷重負荷時の各変位量で測定点としてA点及びB点で示す。この場合、A点よりもB点の方が低くなっているので、この評価位置では、ベコつき発生の可能性があると判定する。破線は、変位の変化にともなる荷重変化のグラフであり、このグラフにおける変位の増加に伴う荷重降下位置が検出できれば、変位量を0から連続に取る必要はない。10mm〜20mmの範囲で、通常2、3点のデータがあれば、ベコつき有無が判定可能と思われる。
一方、この荷重低位領域がない場合は、パネルにベコつき位置無しと判定する。
以上の処理によって、ベコつき位置評価部20Bは、ベコつき位置の有無の判定、及び、ベコつきがある場合には、そのベコつき位置(荷重低位領域)を求める。
ここで、本実施形態では、評価パネル形状10として、上記成形パネルの製品形状又は上記搬送直前のパネル形状を設定する。
パネル搬送剛性予測部30は、ベコつき位置予測部20が求めたベコつき位置と、各工程間を、パネルを吸着手段(例えば、吸盤)で吸着して搬送する際の吸着位置情報を取得し、その取得した情報に基づき、パネル搬送の際に、パネルにベコつきの発生があるか否かを判定する。
パネル搬送剛性予測部30は、吸着位置が、ベコつき位置予測部20が求めたベコつき位置と重なる場合には、ベコつき有りとしてパネル搬送剛性が低いと判定する。一方、吸着位置が、ベコつき位置予測部20が求めたベコつき位置と重ならないとパネル剛性が高いと判定する。
パネル形状変更部40は、パネル搬送剛性予測部30でパネル搬送剛性が低いと判定した場合に処理を行う。パネル形状変更部40は、パネルの搬送剛性が高くなるように、評価パネル形状10を変更する。
ここで、パネルの搬送剛性が高くなるように評価パネル形状10を変更する対策としては、例えば、公知の方法や既出の特許公報、公開公報等に記載のある、パネル曲率の変更、補強シート貼り付け、ビード等の形状付与を適用すればよい。ここで、部品設計段階(金型がない時点)であれば、パネル形状自体を変更する。試作段階であれば、形状変更したパネル形状に応じた金型に金型の調整(金型見込み形状の調整など)を行う。
パネル形状変更部40でパネル形状の変更を実施した後は、再度、ベコつき位置予測部20の処理を実行して、ベコつき位置を再度、評価する。そして、ベコつき位置があると判定した場合には、再度、パネル搬送剛性予測部30の処理を行う。パネル搬送剛性予測部30の処理でパネル搬送剛性が低いと判定した場合には、パネル形状変更部40の処理を行う。
すなわち、ベコつき位置がない、パネル搬送剛性が高いと判定されるまで、上述の処理を繰り返す。
<作用その他>
従来であれば、試作してから問題が発生し、試行錯誤で金型修正を実施していた。これに対し、本実施形態では、シミュレーション上でそれらを検討することで、実物評価段階での不具合発生を抑制し、開発工数ロスを減らすことに貢献することが可能となる。
以上の説明では、パネル搬送剛性を向上させることを目的として実施する場合を例示した。パネル形状変更部40は、パネル搬送剛性に限定せず、ベコつき位置予測部20の処理で、ベコつき位置と判定された荷重低位領域について、ベコつき位置が減少するように、張り剛性が向上するようにパネル形状の変更を実施するようにしても良い。
以上のように、本実施形態は、主に自動車のルーフ、フード、ドアなど外板パネルに代表される広面積で大きい曲率半径を持つプレス成形パネルにおいて、プレス成形における搬送工程で発生しやすい、パネルのベコつきによる歪(永久変形)発生を事前に予測し、対策を立てることが可能となる。これよって、本実施形態では、実車を試作する前にベコつきの危険性を検知することが可能となるので、開発、生産準備におけるロスを最小限に抑えることが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、簡易にパネルのベコつきを予測できることで、車の開発段階において、車両を実際に試作することなく、製品のパネル形状の情報から、プレス加工での搬送時に発生するであろう、パネルのベコつき発生有無を簡易に予測し、部品設計段階で搬送時のベコつき発生に対する対策検討を可能とすることが可能となる。これによって、本発明の態様によれば、例えば新車開発におけるロスを低減し、また、量産においても生産速度を落とすことなく、効率の良い開発・生産を実現できるようになる。
(1)本実施形態のベコつき位置予測部は、予め設定したパネル形状である評価パネル形状10からなるパネル部品のベコつき位置を推定するベコつき位置予測方法であって、パネル部品における予め設定した荷重負荷位置に対し、パネル表面から裏面に向けて荷重を負荷してパネルを裏面側に変位させることで発生する、パネル表面に沿った張り剛性の分布を、荷重負荷による変位量を変えて複数回、求め、上記求めた複数の張り剛性の分布から、パネル表面におけるベコつき位置を推定する。
従来においては、各判定領域毎に個別に荷重を負荷してベコつきの有無を測定していた。これに対し、本実施形態では、特定位置についてだけ荷重を負荷した際の、パネル面に沿った張り剛性の強弱分布を求めて、ベコつき位置を予測する。従って、より簡便に、ベコつき位置を推定することが可能となる。
(2)荷重負荷位置をパネル表面の中央部LDAとし、変位量の増加により張り剛性が弱くなる領域、又は、荷重負荷位置よりも張り剛性が弱く領域を、ベコつき位置と推定する。
この構成によれば、張り剛性が一番弱いと推定される位置に荷重を負荷することで、より確実に、各領域の張り剛性を推定することが可能となる。
(3)本実施形態は、パネル表面を吸着手段で吸着されて搬送されるパネル部品の搬送剛性を予測するパネル搬送剛性予測方法であって、評価パネル形状10として、成形パネルの製品形状又は搬送直前の成形パネル形状を設定し、ベコつき位置予測部でベコつき位置を推定し、推定したベコつき発生箇所と吸着手段の吸着位置に基づき、搬送の際にベコつき発生の有無を予測する。
この構成によれば、予めパネル搬送時のベコつき発生の有無を評価でき、予めパネルの搬送剛性を高くできる。このことは、パネル搬送速度をその分、速くして、生産性を向上させることに繋がる。
(4)本実施形態では、パネル搬送剛性予測部30で、パネル搬送の際に成形パネルにベコつきが発生すると予測した場合、成形パネルの搬送剛性が高くなるように評価パネル形状10を変更し、変更後の評価パネル形状10に対して再度、パネル搬送剛性予測部30でベコつき発生の有無を予測する。
この処理を行うことで、パネル搬送剛性を高めることが可能となる。
(5)ベコつき位置予測部20でベコつき位置があると推定された場合、推定されたベコつき位置の発生箇所が減るように、パネル形状を変更する。
この構成によれば、パネル全体の張り剛性を高めることが可能となる。
以下、本実施形態の実施例について説明する。
図4に示すような、ルーフアウターパネル(単品)を模擬したパネル形状を評価パネル形状10のパネル1として設定した。このパネル1は、投影で1200mm×2400mmの寸法の平面視矩形形状のCAEモデルとして設定した。図4中、縦方向をW方向(幅方向)、横方向をL方向(長手方向)としている。このパネル1は、表1に示すように、L方向の曲率をR20000で固定し(図5参照)、W方向の曲率の組合せを4パターンにして、モデルNo.1〜4とした。W方向の曲率半径の変更位置は、図6に示す通りであり、W方向には線対称形状となっている。図6(a)のパターン1は、モデルNo.1、2の場合であり、図6(b)のパターン2は、モデルNo.3、4の場合である。
Figure 2020201827
また、板厚は全ての場合で0.65mmとした。
また、評価パネルの拘束は、図7に示す位置で完全拘束(並進、回転拘束)とした。これは検査治具に保持して測定することを想定している。
そして、張り剛性解析として、図7のように、まず、パネルの中央を点押し負荷した際の張り剛性分布をシミュレーション解析によって求めた。なお、張り剛性分布解析では、形状がW方向に左右対称であるため、計算時間低減のため、パネルの上半分の1/2エリアのみ張り剛性分布を解析により出力した。
また、変位量の水準として、10mm、15mm、20mmの3水準を設定した。
その各水準での、分布解析の結果を、W方向(紙面上下方向)にリフレクトして、図8〜図11に示す。図8は、モデルNo.1の分析結果である。図9は、モデルNo.2の分析結果である。図10は、モデルNo.3の分析結果である。図11は、モデルNo.4の分析結果である。
図8〜図11は、それぞれ変位量を10、15及び20mmとした場合における、パネル面に沿った張り剛性の分布表示である。各図において、○で囲った領域が、張り剛性について、中央部LDAよりも弱い領域がある部位である。このように、中央部LDAに荷重を負荷することで、荷重負荷点以外の領域における、張り剛性が弱い領域を検出できることが分かる。
この図8〜図11から分かるように、モデルNo.3(図10参照)では、いずれの変位でもパネル中央部LDAが最も荷重が低く、実際の確認でもベコつきが起きなかった。一方、他のモデル(図8、9、11参照)では、パネル中央部LDAより荷重の低い領域が存在することが分かった。そして、これらはベコつきの要因となり、パネル搬送の際に歪を発生させる可能性が高いと予測できた。
また、図12及び図13に、パネル中央部LDAを点押して荷重負荷を実施した際の、上記荷重が低い領域(モデルNo.3についてはモデルNo.3と同じ領域)に生じる、変位に対する荷重(反力)のグラフ(荷重変位曲線)を示す。
図12及び図13から分かるように、モデルNo.3では、ベコつきである、荷重が低下する挙動が確認できた。
10 評価パネル形状
20 ベコつき位置予測部
20A 張り剛性強弱分布取得部
20B 位置評価部
30 パネル搬送剛性予測部
40 パネル形状変更部
H 評価位置
LD 中心点
LDA 中央部

Claims (5)

  1. パネル部品のベコつき位置を推定するベコつき位置予測方法であって、
    予め設定した荷重負荷位置に荷重を負荷してパネル表面を裏面側に変位させることで発生する、パネル表面に沿った張り剛性の分布を、上記荷重の負荷による変位量を変えて複数回求め、上記求めた複数の張り剛性の分布から、パネル表面におけるベコつき位置を推定することを特徴とするベコつき位置予測方法。
  2. 上記荷重負荷位置をパネル表面の中央部とし、上記変位量の増加により張り剛性が弱くなる領域、又は、荷重負荷位置よりも張り剛性が弱い領域を、ベコつき位置と推定することを特徴とする請求項1に記載したベコつき位置予測方法。
  3. パネル表面が吸着手段で吸着されて搬送される際の剛性であるパネル部品の搬送剛性を予測するパネル搬送剛性予測方法であって、
    ベコつき位置を推定するパネル形状として、パネル部品の製品形状又は搬送直前のパネル形状を設定し、請求項1に記載のベコつき位置予測方法でベコつき位置を推定し、
    上記推定したベコつき発生箇所と上記吸着手段の吸着位置に基づき、上記搬送の際にベコつき発生の有無を予測することを特徴とするパネル搬送剛性予測方法。
  4. 請求項3に記載のパネル搬送剛性予測方法で、パネル搬送の際にパネル部品にベコつきが発生すると予測した場合、パネル部品の搬送剛性が高くなるように、ベコつき位置を推定するパネル形状の形状を変更し、変更後のパネル形状に対して再度、請求項3に記載のパネル搬送剛性予測方法で搬送の際におけるベコつき発生の有無を予測することを特徴とするパネル搬送剛性予測方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載のベコつき位置予測方法でベコつき位置があると推定された場合、推定されたベコつき位置の発生箇所が減るように、パネル形状を変更することを特徴とするパネル形状変更方法。
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