JP2020201446A - テスト教材見本帳の製造方法 - Google Patents

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Masato Ohashi
正人 大橋
賢一郎 岸田
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賢一郎 岸田
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【課題】テスト教材見本帳を効率的に製造する。【解決手段】テスト教材見本帳の製造方法は、長方形状の基準紙2に複数枚のテスト教材10の設問部30をテスト教材10毎に並べて印刷する印刷工程と、前記基準紙2を断裁して複数枚の前記テスト教材10を得る断裁工程と、前記テスト教材見本帳の一冊相当分の複数枚の前記テスト教材10がページ順に丁合されてなる中間物50を一冊ずつ製本する製本工程を備える。前記製本工程では、前記中間物50をホットメルト製本して前記中間物50の端部にヘッダー13を取り付け、前記印刷工程では、前記製本工程において前記ヘッダー13が取り付けられる部分に、前記テスト教材10の種別を表す識別部40を印刷する。【選択図】図3

Description

本発明は、テスト教材見本帳の製造方法に関する。
学校等の教育現場では、一つの学習単元が終了する際に、教科書の内容に即した設問群が印刷されたテスト教材を利用して、各児童の学習の到達度を確認する場合がある。教育現場では、こうしたテスト教材を採択する際に参考にするために、複数枚のテスト教材が見本として綴られたテスト教材見本帳が普及している。テスト教材見本帳は、例えば、一つの学年の一つの学期内で学習する一つの教科の全学習単元を対象とした複数枚のテスト教材が綴られて一冊の冊子として構成されている。指導者は、異なる複数のテスト教材見本帳を比較検討して、よりふさわしいと考えるテスト教材見本帳を選択する。そして、選択したテスト教材見本帳に綴られた各テスト教材を、必要枚数分発注して実際の授業で利用する。
テスト教材見本帳のような単位枚数の少ない冊子類を製造する方法として、従来、喉側に背糊を施して製本するいわゆる天糊製法が知られている。特許文献1には、便箋、複写伝票等の冊子類を天糊製法によって製造することが記載されている。ここでは、冊子類の多数冊分を丁合して一度に背糊を施し、その後所定単位枚数を持った一冊分毎にペーパーナイフ等で切り離して分冊することが記載されている。こうした天糊製法は手作業によるところが大きいため作業効率がいいとは言えない。そこで、特許文献1では、手作業による分冊作業を効率化するために、一冊分毎の被背糊部側上面に背糊を弾く糊付阻止材を塗布し、一冊分の間の背固め強度を低下させて容易に分冊作業をすることができるようにしている。
特開昭57−102396号公報
ところで、テスト教材見本帳は、教科書発行会社、対象となる学年、教科、学期等のそれぞれについて作成するため、非常に多くの種類を作成する必要がある。また、テスト教材の原案を作成した後、テスト教材見本帳として出荷するまでの期間が限られる場合があり、多くの種類のテスト教材見本帳を短期間で製本する必要がある。そのため、手作業によるところが大きい従来の天糊製法では、作業効率の点で改善の余地があるものであった。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、テスト教材見本帳を効率的に製造することである。
上記の目的を達成するため、本発明は、問題が印刷された設問部を備えるとともに1枚の矩形状の紙片からなるテスト教材が複数枚綴られたテスト教材見本帳の製造方法であって、長方形状の基準紙に、複数枚の前記テスト教材の前記設問部を前記テスト教材毎に並べて印刷する印刷工程と、前記基準紙を断裁して複数枚の前記テスト教材を得る断裁工程と、前記テスト教材見本帳の一冊相当分の複数枚の前記テスト教材がページ順に丁合されてなる中間物を一冊ずつ製本する製本工程を備え、前記製本工程では、前記中間物をホットメルト製本して前記中間物の端部にヘッダーを取り付け、前記印刷工程では、前記製本工程において前記ヘッダーが取り付けられる部分に、前記テスト教材の種別を表す識別部を印刷する。
ここでホットメルト製本とは、複数枚の紙片を重ね合わせ、複数の貫通孔がこの紙片の綴じ合わせ辺に沿って直線状に並設されるように穿孔し、貫通孔にホットメルト接着剤を充填して各紙片を接着して綴じ合わせる製本方法(ホットメルト製法)によって製本されたものである。紙片の綴じ合わせ辺側(喉側)には、複数の貫通孔を覆うように閉じ合わせ辺に沿って延びるヘッダーが取り付けられる。こうしたホットメルト製本の例としては、特開平6−262878号公報に記載のものが挙げられる。
上記の構成によれば、テスト教材見本帳を構成する複数枚のテスト教材には、ヘッダーが取り付けられる部分に、テスト教材の種別を表す識別部が印刷されている。テスト教材の種別を表す識別部とは、テスト教材見本帳に綴じられる複数枚のテスト教材の、教科書発行会社、教科、学年、学期、回数、順序等を表す情報であり、テスト教材見本帳の品質管理上必要な情報である。こうした情報を表す識別部がテスト教材に印刷されていることから、テスト教材見本帳の一冊相当分の複数枚のテスト教材をページ順に並べて丁合をとる際に、テスト教材の教科書発行会社、教科、学年、学期、回数、順序等の種別を表す情報を容易に確認することができる。例えば、識別部を線や図形で表現して、教科毎に色や形を変えたり、学年毎に太さを変えたり、学期毎に数を変えたりすれば、正しく丁合されているかの確認がより容易となり、乱丁、落丁等を抑制することができる。テスト教材見本帳を効率的に製造することができる。
また、識別部がホットメルト製法によってヘッダーが取り付けられる部分に印刷されていることから、丁合をとる際には識別部を確認することができる一方で、ホットメルト製法によって製造されたテスト教材見本帳では識別部がヘッダーに隠された状態となって外部に露出しない。そのため、テスト教材見本帳の品質管理上必要な情報がテスト教材に残っていたとしても、テスト教材見本帳としての外観を良好に保持することができる。
上記の構成において、前記テスト教材は、前記紙片の一つの側辺近傍に印刷された表題部と前記表題部以外の部分に印刷された前記設問部とを備え、前記印刷工程では、複数枚の前記テスト教材の前記表題部及び前記設問部を、前記テスト教材毎に並べて印刷し、前記製本工程では、複数枚の前記テスト教材の前記表題部が同じ側に配置されるように丁合されてなる前記中間物の前記表題部側を喉側としてホットメルト製本し、前記印刷工程では、前記表題部より喉側となる部分に、前記識別部を印刷することが好ましい。
上記の構成によれば、表題部より喉側となる部分に識別部が印刷されており、製本工程では表題部側を喉側としてホットメルト製本される。つまり、製本されたテスト教材見本帳では、ヘッダー側に表題部が印刷されている。そのため、テスト教材見本帳をテスト教材毎に繰っていく際に、表題部を確認しやすい。見やすいテスト教材見本帳が得られる。
上記の構成において、前記印刷工程では、前記基準紙に4枚又は8枚分の前記テスト教材の前記表題部及び前記設問部を印刷するとともに、該テスト教材の前記表題部が前記基準紙の端縁側に配置されるように印刷することが好ましい。
上記の構成によれば、4枚又は8枚分のテスト教材の表題部が基準紙の内側に配置されるように印刷されている場合に比べて、断裁工程での断裁回数を少なくすることができ、断裁工程での作業効率を向上させることができる。
表題部が基準紙の内側に配置されていると、表題部が隣り合うように印刷された2枚のテスト教材の印刷面では、それぞれの表題部より喉側となる部分に印刷された識別部が、基準紙の内側で突き合わされるような態様で配置されることになる。ここで、識別部が突き合わさるように隣り合うテスト教材を断裁する場合、断裁位置が一方のテスト教材側に僅かにずれてしまうと、他方のテスト教材の識別部の端縁に一方のテスト教材の識別部の端縁が付いた状態となって、他方のテスト教材の識別部を正確に識別することが難しい状況となり得る。そのため、こうした事態が生じないようにするには、一方のテスト教材側の識別部の位置と、他方のテスト教材側の識別部の位置のそれぞれで断裁することが必要となる。つまり、テスト教材の表題部が基準紙の内側に配置された2枚のテスト教材を切り離すためには、2箇所での断裁が必要となる。
これに対して、テスト教材の表題部が基準紙の端縁側に配置されていると、識別部も基準紙の端縁側に配置されており、基準紙の内側にはテスト教材の設問部側の端縁が配置されている。そのため、断裁工程での断裁位置を極めて正確に位置決めしなくても、上記のような不都合は生じない。隣り合う2枚のテスト教材を切り離すためには、2枚のテスト教材の設問部側の端縁の境界部分となる1箇所での断裁でよい。
上記の構成において、前記印刷工程では、前記識別部を複数枚の前記テスト教材の喉側となる端縁の位置まで印刷することが好ましい。
上記の構成によれば、識別部をテスト教材の喉側の端縁の位置から視認することができる。そのため、丁合をとった一冊分の中間物や、中間物を複数冊した状態のものを喉側から視認したときに、落丁、乱丁等が存在するか否かの確認をしやすい。特に、識別部を線や図形で表現して、色、形、太さ等を変えて印刷すると、正しく丁合されているかの確認がより容易となる。テスト教材見本帳を効率的に製造することができる。
本発明のテスト教材見本帳の製造方法によれば、テスト教材見本帳を効率的に製造することができる。
本実施形態のテスト教材見本帳の斜視図。 テスト教材の識別部について説明する図であり、(a)はテスト教材の上面の部分拡大図、(b)は積層された中間物の喉側の側面図。 テスト教材見本帳の製造方法について説明する図であり、(a)〜(d)は各工程について説明する図。 印刷工程及び断裁工程について説明する図であり、(a)は識別部を基準紙の端縁側に印刷した場合について説明する図、(b)は識別部を基準紙の内側に印刷した場合について説明する図。 変更例のテスト教材見本帳の製造方法の印刷工程について説明する図。
以下、本発明を具体化したテスト教材見本帳の一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のテスト教材見本帳1は、ほぼA3判サイズの大きさの長方形状の紙片からなるテスト教材10が複数枚綴られているとともに、テスト教材10の表側及び裏側には、テスト教材10と同じ大きさの表紙11及び裏表紙12が重ねられて形成されている。テスト教材見本帳1は、いわゆるホットメルト製法によって製本されており、複数枚のテスト教材10の喉側の側辺10bに沿って、約2.5cm幅のヘッダー13が側辺10b全体に亘って取り付けられている。
テスト教材見本帳1は、教科書出版会社のA社が出版した4年生の理科の教科書に準拠するものであり、4年生の1学期に学習する学習単元での学習の到達度を確認するための6枚のテスト教材が見本として綴られた冊子として構成されている。図示は略すが、表紙11には、「理科」、「4年生1学期」、「A社版」の文字がカラー印刷されている。
図1に示すように、テスト教材10は、表題部20及び設問部30が紙片の表裏両面にカラー印刷されて形成されている。テスト教材10は、学習の到達度を確認するためのテスト教材の見本として使用されるものであり、実際に授業で使用するテスト教材と同一の態様となっている。以下では、主として、テスト教材10の表面10a側の印刷の態様について説明する。
図1に示すように、テスト教材10の表面10aでは、表題部20が喉側の側辺10bの近傍に印刷されているとともに、設問部30が、表題部20以外の部分であってテスト教材10の紙面全体に亘って印刷されている。表題部20は、側辺10bから約4.5cm離間した位置から側辺10c側の位置に亘って、側辺10bに沿って延びるように印刷されており、教科名21、学習単元名22、名前記入欄23、得点欄24で構成されている。設問部30には、複数の問題31が解答欄32とともに印刷されている。なお、図示は略すが、テスト教材10の裏面では、表題部20は小口側の側辺10cの近傍に印刷されており、設問部30が、表題部20以外の部分に印刷されている。
図2(a)に示すように、テスト教材10の表面10aでは、表題部20より側辺10b側となる部分に、テスト教材10の種別を表す識別部40が印刷されている。識別部40は、側辺10bから約1.5cm離間した位置から側辺10bに至るまで印刷されている。つまり、識別部40は、テスト教材10の喉側となる端縁(側辺10b)の位置まで印刷されている。識別部40は、製本されたテスト教材見本帳1では、約2.5cm幅のヘッダー13によって被覆されており、外部から直接視認することはできないようになっている。なお、図2(a)では、設問部30の図示を略している。
識別部40には、テスト教材10がA社製の4年生理科の教科書に準拠するものであり、1学期に学習する内容に対応していることが容易に識別可能なように、図形や線がカラー印刷されている。識別部40の印刷の態様としては、例えば、教科書出版会社、教科、学年、学期を線の色、線の幅、印刷される位置で区別できるようにすることが挙げられる。本実施形態では、教科書出版会社がA社であることを示す出版社識別部41が、テスト教材10の左側の側辺10dから約3cm離間した位置に幅約10mmの一本の赤色の線で印刷されている。また、教科が理科であることを示す教科識別部42が、側辺10dから約8cm離間した位置に幅約10mmの一本の緑色の線で印刷されている。また、学年が4年生であることを示す学年識別部43が、側辺10dから約15cm離間した位置に幅約10mmと幅約5mmの各一本の青色の線で印刷されている。また、学期が1学期であることを示す学期識別部44が、側辺10dから20cmの位置に幅約5mmの一本の黒色で印刷されている。このように、赤、青、緑、黒の各色の線の幅、本数、印刷される位置によって、テスト教材10の教科書出版会社、教科、学年、学期を識別可能な識別部40(出版社識別部41、教科識別部42、学年識別部43、学期識別部44)が構成されている。
次に、本発明を具体化したテスト教材見本帳の製造方法の一実施形態を、図2(b)、図3及び図4に基づいてその作用とともに説明する。
図3に示すように、テスト教材見本帳1の製造方法は、印刷工程、化粧断ち工程、断裁工程、積層工程、製本工程を備えている。
図3(a)及び図4(a)に示すように、印刷工程では、A1判サイズの基準紙2に4枚分のテスト教材10の表題部20及び設問部30を、テスト教材10毎に並べて印刷する。このとき、すべてのテスト教材10の表題部20が基準紙2の端縁側に配置されるように面付けして印刷する。基準紙2の4隅には、カラー印刷される表題部20及び設問部30の各色版の刷り合わせを正確にするためのトンボ4が印刷される。また、基準紙2の端縁側には、各側辺2aに沿うように、印刷の品質管理用のベタやアミなどのカラーバー3が印刷される。なお、印刷工程では、表紙11及び裏表紙12もテスト教材10と同様に印刷する。
図3(a)に示すように、印刷工程に続く化粧断ち工程では、基準紙2の端縁に沿う部分を断裁する。図3(a)及び図4(a)では、この部分を網掛け部分として示している。具体的には、図4(a)に示すように、基準紙2の長手方向には、基準紙2の短手方向の端部寄りの位置X1の2箇所で断裁するとともに、基準紙2の短手方向には、基準紙2の長手方向の端部寄りの位置Y1の2箇所で断裁する。化粧断ち工程によって、基準紙2の端縁側に印刷されたカラーバー3、及び基準紙2の4隅に印刷されたトンボ4が取り除かれる。なお、図3(a)では、基準紙2の一つの側辺2aに沿う部分のみが断裁された状態を示している。
図3(b)に示すように、化粧断ち工程に続く断裁工程では、基準紙2を断裁して4枚のテスト教材10を得る。図4(a)に示すように、基準紙2の長手方向には、基準紙2の短手方向のほぼ中央の位置X2の1箇所で断裁してテスト教材10を分割する。また、図4(a)において基準紙2の上側に矢印で示すように、基準紙2の短手方向には、基準紙2の長手方向のほぼ中央の位置Y2の1箇所で断裁してテスト教材10を分割する。これにより、一枚の基準紙2から4枚のテスト教材10が得られる。
ここで、図4(b)に示すように、印刷工程において、すべてのテスト教材10の表題部20が基準紙2の端縁とは反対側、つまり、内側に配置されるように面付けして印刷されていると、基準紙2の短手方向の断裁箇所が増加することになる。表題部20が基準紙2の内側に配置されていると、表題部20が隣り合うように印刷された2枚のテスト教材10の印刷面では、ホットメルト製本によってそれぞれの表題部20より喉側となる部分に印刷された識別部40が、基準紙2の内側で突き合わされるような態様で配置されることになる。そのため、基準紙2の長手方向のほぼ中央の位置Y2の1箇所で断裁すると、断裁位置が一方のテスト教材側に僅かにずれてしまう場合があり、他方のテスト教材10の識別部40の端縁に、一方のテスト教材10の識別部40の端縁が付いた状態となってしまう。そのため、こうした事態が生じないようにするには、図4(b)に示すように、一方のテスト教材10の識別部40の位置Y2と、他方のテスト教材10の識別部40の位置Y2の2箇所での断裁が必要となる。このように、印刷工程において、すべてのテスト教材10の表題部20が基準紙2の端縁側に配置されるように面付けして印刷することにより、断裁工程での断裁回数を減らすことができる。
また、断裁工程では、表紙11及び裏表紙12も同様の方法で得る。なお、断裁工程を経て得られた表紙11は、その長手方向の長さがテスト教材10及び裏表紙12の長手方向の長さより少し長く形成されている。例えば、表紙11は、テスト教材10及び裏表紙12より約1cm長く形成されている。
図3(c)に示すように、断裁工程に続く積層工程では、テスト教材見本帳1の一冊相当分の複数枚(本実施形態では6枚)のテスト教材10を重ね合わせるとともに、その表裏両面に表紙11及び裏表紙12を重ね合わせて丁合をとる。テスト教材見本帳1の一冊相当分のテスト教材10と表紙11及び裏表紙12からなる集合体を、便宜上、中間物50と言うものとする。中間物50は、複数のテスト教材10の表面10aの表題部20がテスト教材見本帳1の喉側となるように丁合をとる。また、表紙11、テスト教材10、及び裏表紙12の喉側となる位置が合致するように揃えた状態で丁合をとる。積層工程は公知の丁合機により行うことができ、積層工程では、こうした中間物50を複数冊積層する。
図2(b)に示すように、テスト教材10の識別部40は、側辺10bの位置まで印刷されていることから、複数冊積層された中間物50を喉側となる部分から見ると、識別部40の色、幅、位置等が揃った状態となる。しかし、仮に異なるテスト教材見本帳1のテスト教材10が紛れ込んでいたりすると、識別部40の色、幅、位置等が一部ずれて見えることになる。これにより、乱丁を容易に見つけ出すことができる。なお、図2(b)では、識別部40の色、幅、位置等が一部ずれて見える状態をわかりやすくするために、一枚のテスト教材10の厚みを誇張して示している。図2(b)では、上から6枚目のテスト教材10が、A社製の4年生の理科の教科書に準拠した1学期のテスト教材10とは異なるものであることになる。
図3(d)に示すように、製本工程では、中間物50を一冊ずつホットメルト製本する。ホットメルト製本は公知のホットメルト製本装置へ中間物50を投入することで行うことができる。ホットメルト製本装置としては、例えば、Tanzac520(渡辺通商株式会社製)が挙げられる。中間物50は、表紙11、テスト教材10、及び裏表紙12の喉側となる位置が合致するように揃えた状態で重ね合わせられているため、テスト教材見本帳1の小口側となる部分では、表紙11がテスト教材10及び裏表紙12から約1cm突出した状態となっている。そのため、ホットメルト製本装置へ中間物50を投入する際に、突出した表紙11が手掛かりとなり、中間物50が複数冊積層された状態から、一冊分の中間物50を取り易い。ホットメルト製本装置での製本により、中間物50の複数枚のテスト教材10同士、テスト教材10と表紙11及び裏表紙12が固着され、中間物50にヘッダー13が取り付けられる。
以上の工程を経て、テスト教材見本帳1が得られる。
次に、本実施形態のテスト教材見本帳1及びその製造方法の効果について以下に記載する。
(1)テスト教材見本帳1は、ホットメルト製法で形成されており、テスト教材10の表面10aには、テスト教材見本帳1で喉側となる部分にテスト教材10の種別を表す識別部40が印刷されている。そのため、積層工程では、識別部40を確認しながら丁合をとり、中間物50を積層することができる。丁合をとる作業や積層作業を効率的に行うことができる。また、識別部40を確認することができるため、乱丁、落丁等を抑制しやすい。テスト教材見本帳を効率的に製造することができる。
(2)識別部40が印刷された部分は、ホットメルト製本されたテスト教材見本帳1ではヘッダー13で隠れた状態となって外部からは視認できない。そのため、テスト教材見本帳の品質管理上必要な情報がテスト教材に残っていたとしても、テスト教材見本帳としての外観を良好に保持することができる。
(3)テスト教材10の表面10aには、表題部20が喉側の側辺10bの近傍に印刷されており、表題部20より喉側に識別部40が印刷されている。つまり、ヘッダー13の近傍に表題部20が印刷されている。そのため、テスト教材見本帳1をテスト教材10毎に繰っていく際に、表題部が見やすく確認しやすい。見やすく扱いやすいテスト教材見本帳が得られる。
(4)印刷工程では、基準紙2に4枚のテスト教材10の表題部20及び設問部30をテスト教材10毎に印刷しており、テスト教材10の表題部20が基準紙2の端縁側に配置されるように印刷している。また、識別部40は表題部20より喉側となる部分に印刷されている。そのため、表題部20が識別部40とともに基準紙2の内側に配置されるように印刷されている場合に比べて、断裁工程での断裁回数を少なくすることができる。断裁工程での作業効率を向上させることができる。
(5)中間物50では、表紙11は、テスト教材10及び裏表紙12より小口側に長くなっている。そのため、製本工程でホットメルト製本装置に中間物50を一冊ずつ投入する際に、小口側に突出した表紙11が手掛かりとなって、その区切りを認識しやすい。製本工程での作業効率を向上させることができる。
(6)識別部40は、テスト教材10の側辺10bまで印刷されている。つまり、テスト教材10の喉側となる端縁の位置まで印刷されている。そのため、識別部40をテスト教材10の喉側の端縁の位置から視認することができる。これにより、積層工程で複数冊の中間物50が積層された状態で、落丁、乱丁等が存在するか否かの確認をしやすい。
(7)識別部40は、出版社識別部41、教科識別部42、学年識別部43、学期識別部44を備えている。これら各識別部41、42、43、44は、テスト教材見本帳1毎に、印刷される位置、色、太さ等を異ならせている。そのため、テスト教材見本帳1が正しく丁合されているか容易に確認することができる。これにより、テスト教材見本帳を効率的に製造することができる。
(8)実際に児童が使用するテスト教材10を同じ版で印刷した場合にも断裁回数を減らすことができる。実際に児童が使用するテスト教材10は、識別部40、カラーバー3、及びトンボ4が存在しないものとして教育現場に供給される。図4(b)に示すように、表題部20が基準紙2の端縁とは反対側、つまり、内側に配置されるように面付けして印刷すると、基準紙2の短手方向の切断箇所が増加することになる。ここで、図4(a)に示すように、表題部20が基準紙2の端縁側に印刷されていると、図4(a)において基準紙2の下側に矢印で示すように、カラーバー3やトンボ4を取り除くために、基準紙2の長手方向の両端縁側の位置Z1の2箇所で化粧断ちするとともに、基準紙2の長手方向のほぼ中央の位置Z2の1箇所で断裁する必要がある。これに対して、図4(b)に示すように、表題部20が基準紙2の内側に印刷されていると、基準紙2の長手方向の両端縁側の位置Z1が2箇所であるだけでなく、基準紙2の長手方向の中央の位置Z1でも、識別部40を取り除くために2箇所で断裁する必要がある。このように、印刷工程において、すべてのテスト教材10の表題部20が基準紙2の端縁側に配置されるように面付けして印刷することにより、実際に児童が使用するテスト教材10として提供する際にも、断裁回数を減らすことができる。
(9)テスト教材見本帳1はホットメルト製本されている。そのため、従来の天糊製法のものと比べて、テスト教材10同士が強固に貼り合わせられている。テスト教材見本帳1のページを何度も繰って内容を確認しても、テスト教材10が剥がれにくく、取り扱いし易い。
上記実施形態は、以下のように変更することができる。なお、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて適用することができる。
・テスト教材見本帳1として、A社製、4年生理科の教科書に準拠した1学期用のものについて説明したが、他の学年、他の教科、他の学期等であってもよい。また、学校現場で使用するテスト教材10ではなく、他の教育現場で使用するテスト教材10に対応するテスト教材見本帳に適用することもできる。
・テスト教材見本帳1は、6枚のテスト教材10に表紙11及び裏表紙12が積層されて形成されているが、テスト教材10の枚数はこれに限定されない。6枚より多くても少なくてもよい。テスト教材見本帳1の厚みが、ホットメルト製本を行うことができる程度であればよい。
・テスト教材見本帳1の裏表紙12を省略してもよい。
・テスト教材10の表題部20を省略してもよい。この場合、識別部40は、テスト教材10の側辺10b側、つまり、製本工程においてヘッダー13が取り付けられる部分に、印刷されていればよい。
・識別部40は、上記実施形態と異なる態様であってもよい。上記実施形態と異なる色、太さ、位置としてもよい。また、線の色、太さ、位置で識別する以外にも、異なる図形で識別してもよい。
・識別部40として、出版社識別部41、教科識別部42、学年識別部43、学期識別部44以外の他の情報を印刷してもよい。
・識別部40は、テスト教材10の側辺10bの位置まで設けられていなくてもよい。
・表題部20に対してヘッダー13が取り付けられた側の近傍に切り取り線が設けられていてもよい。
・上記実施形態のテスト教材見本帳1では、ヘッダー13の幅は約2.5cmとされているが、これに限定されず適宜設定することができる。例えば、ヘッダー13の幅を約4cmとしてもよい。
・印刷工程では、識別部40が基準紙2の内側に配置されるように印刷してもよい。
・印刷工程では、4枚のテスト教材10の表題部20及び設問部30を面付して印刷したが、テスト教材10の対応する枚数はこれに限定されない。例えば、図5に示すように8枚のテスト教材10であってもよい。この場合も、表題部20が基準紙2の端縁側に位置するように印刷することにより、表題部20が内側に位置するように印刷された場合に比べて断裁工程での断裁回数を減らすことができる。また、基準紙2に対する印刷枚数は、2枚、16枚等であってもよく、それ以上であってもよい。なお、図5では、化粧断ち工程により断裁される部分を省略した図として示している。
・印刷工程では、長方形状の基準紙2に奇数枚のテスト教材10を面付して印刷してもよい。奇数枚のテスト教材10を面付する場合も上記実施形態と同様に、偶数枚のテスト教材10を面付する態様で基準紙2を区画して面付するとともに、区画された一部を白紙の状態とすればよい。この場合も識別部40が基準紙2の外側に配置されるように印刷することが好ましい。
・化粧断ち工程では、基準紙2の短手方向の端部寄りの位置X1の2箇所と、基準紙2の長手方向の端部寄りの位置Y1の2箇所の合計4箇所で断裁したが、断裁箇所はこれに限定されない。例えば、印刷工程において、基準紙2の長手方向の端縁のうち、図4(a)で左側に位置する端縁に、テスト教材10の絵柄の仕上がり位置を合わせて印刷すると、断裁箇所は、基準紙2の右側の位置Y1と、上下の位置X1の合計3箇所のみにすることができる。
・表紙11ではなく、裏表紙12の小口側の長さをテスト教材10より長くなるようにしてもよい。或いは、表紙11及び裏表紙12の小口側の長さをテスト教材10より長くなるようにしてもよい。この場合、例えば、表紙11と裏表紙12との小口側の長さが異なるようにしてもよい。表紙11、裏表紙12の小口側の長さがテスト教材10と異なることで製本工程時に一冊毎の中間物50を取り易くなる。
・表紙11と裏表紙12の小口側の長さをテスト教材10と同じにしてもよい。
・製本工程により得られたテスト教材見本帳1の小口側となる部分では、表紙11がテスト教材10及び裏表紙12から約1cm突出した状態となっている。製本工程に続いて中間物50の小口側を断裁する小口断裁工程を備えるようにしてもよい。この場合、中間物の表紙11の小口側を断裁して、表紙11の小口側端縁の位置とテスト教材10及び裏表紙12の小口側端縁の位置を揃えるようにしてもよく、表紙11、テスト教材10及び裏表紙12の小口側を断裁して、表紙11の小口側端縁の位置とテスト教材10及び裏表紙12の小口側端縁の位置を揃えるようにしてもよい。
・積層工程で積層された複数冊の中間物50の喉側の部分に天糊を施して仮留めしてもよい。丁合をとった複数冊の中間物50を製本する際、丁合をとる場所とは異なる場所に設置されたホットメルト製本装置で製本する場合がある。この場合、中間物50が複数冊積層された状態で仮留めされていると、ホットメルト製本装置へ移動させる際に、複数冊の中間物50間のずれが抑制される。また、天糊によって仮留めされているだけなので、ホットメルト製本時には中間物50を一冊ずつ分離し易い。
・積層工程を省略してもよい。この場合、一冊相当分の中間物50の丁合をとりながらホットメルト製本装置により製本すればよい。
・テスト教材10はカラー印刷されていなくてもよい。また、表紙11や裏表紙12もカラー印刷されていなくてもよい。
・テスト教材10は、ほぼA3判サイズの大きさでなくてもよい。例えば、B4判サイズの大きさであってもよい。この場合、印刷工程では、B1判サイズの基準紙2に8枚分のテスト教材10の表題部20及び設問部30を、テスト教材10毎に並べて印刷すればよい。
・表題部20及び設問部30が、テスト教材10の表裏両面に印刷されていなくてもよく、表面10aのみであってもよい。
上記実施形態及び変更例から導き出せる技術思想を以下に追記する。
(イ)前記製本工程に続く小口断裁工程をさらに備え、前記小口断裁工程では、前記テスト教材見本帳を構成する複数枚の前記テスト教材の小口側の端縁と前記表紙の小口側の端縁とを揃えるように断裁する。
上記の構成によれば、ホットメルト製本後に表紙、裏表紙、テスト教材の小口側の端縁が不揃いであったとしても、これらの端縁位置を揃えることができる。外観形状に優れたテスト教材見本帳が得られる。
(ロ)前記製本工程に先立って前記中間物を複数冊積層する積層工程を備え、前記積層工程では、前記テスト教材の前記表題部が同じ側に配置されるように前記中間物を複数冊積層し、前記製本工程では、前記積層工程で積層された複数冊の中間物から一冊ずつ取りだして、前記中間物の前記表題部側を喉側としてホットメルト製本する。
例えば、丁合をとる場所とは異なる場所に設置されたホットメルト製本装置で製本する場合、中間物を複数冊積層された状態でホットメルト製本装置に移動させることができる。
1…テスト教材見本帳、2…基準紙、3…カラーバー、4…トンボ、10…テスト教材、11…表紙、12…裏表紙、13…ヘッダー、20…表題部、21…教科名(表題部)、22…学習単元名(表題部)、23…名前記入欄(表題部)、24…得点欄(表題部)、30…設問部、31…問題(設問部)、32…解答欄(設問部)、40…識別部、41…出版社識別部(識別部)、42…教科識別部(識別部)、43…学年識別部(識別部)、44…学期識別部(識別部)、50…中間物。

Claims (4)

  1. 問題が印刷された設問部を備えるとともに1枚の矩形状の紙片からなるテスト教材が複数枚綴られたテスト教材見本帳の製造方法であって、
    長方形状の基準紙に、複数枚の前記テスト教材の前記設問部を前記テスト教材毎に並べて印刷する印刷工程と、
    前記基準紙を断裁して複数枚の前記テスト教材を得る断裁工程と、
    前記テスト教材見本帳の一冊相当分の複数枚の前記テスト教材がページ順に丁合されてなる中間物を一冊ずつ製本する製本工程を備え、
    前記製本工程では、前記中間物をホットメルト製本して前記中間物の端部にヘッダーを取り付け、
    前記印刷工程では、前記製本工程において前記ヘッダーが取り付けられる部分に、前記テスト教材の種別を表す識別部を印刷することを特徴とするテスト教材見本帳の製造方法。
  2. 前記テスト教材は、前記紙片の一つの側辺近傍に印刷された表題部と前記表題部以外の部分に印刷された前記設問部とを備え、
    前記印刷工程では、複数枚の前記テスト教材の前記表題部及び前記設問部を、前記テスト教材毎に並べて印刷し、
    前記製本工程では、複数枚の前記テスト教材の前記表題部が同じ側に配置されるように丁合されてなる前記中間物の前記表題部側を喉側としてホットメルト製本し、
    前記印刷工程では、前記表題部より喉側となる部分に、前記識別部を印刷することを特徴とする請求項1に記載のテスト教材見本帳の製造方法。
  3. 前記印刷工程では、前記基準紙に4枚又は8枚分の前記テスト教材の前記表題部及び前記設問部を印刷するとともに、該テスト教材の前記表題部が前記基準紙の端縁側に配置されるように印刷することを特徴とする請求項2に記載のテスト教材見本帳の製造方法。
  4. 前記印刷工程では、前記識別部を複数枚の前記テスト教材の喉側となる端縁の位置まで印刷することを特徴とする請求項2又は3に記載のテスト教材見本帳の製造方法。
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