JP2020201160A - 汚染水処理設備及び汚染水処理方法 - Google Patents

汚染水処理設備及び汚染水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで組立及び解体が容易な遮蔽体によって処理塔内からの放射線の漏洩が低減される汚染水処理設備及び汚染水処理方法を提供する。【解決手段】汚染水処理設備は、放射性物質を含有する汚染水が通水される処理塔20と、処理塔20の長手方向に沿って積層されて処理塔20を覆う複数の遮蔽体30とを備え、遮蔽体30は、処理塔20の周囲を囲むように配置される容器部31と、容器部31に収容された放射線の遮蔽材33とを有する。汚染水処理方法は、処理塔20の周囲を囲むように配置される容器部31と、容器部31に収容された放射線の遮蔽材33とを有する複数の遮蔽体30を、処理塔20の長手方向に沿って積層して処理塔20を覆う工程と、遮蔽体30で覆われた処理塔20に汚染水を通水して処理する工程とを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、放射性物質を含有する汚染水を浄化処理する汚染水処理設備及び汚染水処理方法に関する。
原子炉の事故処理時等には、放射性物質を含有する汚染水を浄化処理するために、汚染水処理設備が稼働される。一般的な汚染水処理設備は、上流側に前処理装置を備えており、下流側に吸着塔を備えている。前処理装置では、主として、汚染水中の浮遊懸濁物質、油分、阻害イオン等が除去される。吸着塔では、汚染水中の放射性核種が吸着によって除去される。
汚染水処理設備は、セシウム、ストロンチウム等の各種の放射性核種を除去するために、種々の吸着材を充填した複数段の吸着塔を備えている。吸着塔としては、吸着材が充填される円筒状等の内側容器に、入口配管、出口配管等が接続された装置が一般的である。内側容器は、容器内から外部への放射線の漏洩を防止するために、遮蔽材で形成された外側容器に格納されて用いられている。
特許文献1には、汚染水が通水される吸着塔(吸着槽)の一例が記載されている。特許文献1において、放射性物質を除去するための吸着材は、吸着塔内に直接充填されて流動床を形成している。
一般に、無機イオン交換体、ゼオライト、イオン交換樹脂等の吸着材は、物質をある程度吸着すると、吸着能力が低くなる性質を有している。そのため、汚染水の吸着処理を継続的に行う間には、吸着材の定期的な交換が必要となる。
特許文献1のように、吸着材を吸着塔に直接充填する方式では、使用後の吸着材が放射性物質で汚染されるため、吸着材の取り出しが困難になることが知られている。吸着材の吸着能力が低下した場合、汚染されている吸着材を吸着塔ごと廃棄する対応が必要となる。吸着材を吸着塔ごと廃棄すると、吸着塔自体の交換も必要になるため、ランニングコストの増大が懸念されている。
また、吸着塔の入口側に充填されている吸着材は、高濃度の汚染水に接触するため、吸着能力の低下が速く、汚染が進行し易いのに対し、出口側に充填されている吸着材は、吸着能力の低下が遅く、汚染が進行し難いことが知られている。吸着材を吸着塔に直接充填する方式では、入口側の吸着材の吸着能力が低下したとき、出口側の吸着材が使用可能であったとしても、全吸着材を吸着塔ごと廃棄する対応を採らざるを得ないため、ランニングコストの増大が問題となる。
また、吸着塔の上流には、汚染水のpHを調整するための緩衝塔が設置されることがある。緩衝塔には、通水によってpH調整成分を溶出する緩衝材が充填されることがある。この種の緩衝材は、pH調整成分をある程度溶出すると、pHを調整する能力が低くなると共に硬化する場合がある。そのため、汚染水の吸着処理を継続的に行う間には、このような緩衝材についても定期的な交換が必要となる。
緩衝材を緩衝塔に直接充填する方式では、この種の緩衝材が緩衝塔内で硬化するため、緩衝材の取り出しが困難になることが知られている。緩衝材の効力が低下した場合、汚染されている緩衝材を緩衝塔ごと廃棄する対応が必要となる。緩衝材を緩衝塔ごと廃棄すると、緩衝塔自体の交換も必要になるため、ランニングコストが増大することになる。
このような状況下、吸着塔、緩衝塔等の処理塔において、吸着材、緩衝材等の充填材をカートリッジ化して用いる技術が開発されている。特許文献2には、通水可能な容器状のカートリッジに充填材を収容し、そのカートリッジを積層して備える処理塔が記載されている。この技術では、充填材の交換が必要なとき、その充填材を収容しているカートリッジのみの交換が可能とされている。
特開2016−131952号公報 特開2019−060731号公報
汚染水処理設備に備えられる吸着塔、緩衝塔等の処理塔は、塔内から放出される放射線を遮蔽するために、放射線の遮蔽体で覆われた構造に設けられる。従来の遮蔽体は、全体にわたって材質・バルク構造が一様な容器状であり、鉛製の鋳物等で形成されるのが一般的である。しかし、鉛製品は、高価であり、重量も大きいため、遮蔽体が高コストになったり、遮蔽体の組立時や解体時に多大な揚重作業等がかかったりしている。
処理塔の入口側に充填されている充填材は、放射性物質による汚染が進行し易いのに対し、出口側に充填されている充填材は、汚染が進行し難い傾向がある。遮蔽体として従来の鉛製の鋳物等を用いると、このような処理塔の全体が、材質・バルク構造が一様な鉛製品で一律に覆われることになる。汚染が進行し難い処理塔の出口側についても、過剰な厚さの遮蔽材で覆われるため、無駄な材料コストや揚重作業等をかけることになる。
特に、充填材がカートリッジ化された処理塔を用いる場合、遮蔽体として従来の鉛製の鋳物等を用いると、積層されている多数のカートリッジが、材質・バルク構造が一様な鉛製品で一律に覆われることになる。多数のカートリッジは、そのカートリッジに収容されている充填材の汚染の状態や、そのカートリッジの交換の時期にかかわらず、常に、過剰な厚さの遮蔽材で覆われることになるため、遮蔽体の材料コストや、遮蔽体の組立時や解体時の作業に無駄が生じることになる。
そこで、本発明は、低コストで組立及び解体が容易な遮蔽体によって処理塔内からの放射線の漏洩が低減される汚染水処理設備及び汚染水処理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る汚染水処理設備は、放射性物質を含有する汚染水が通水される処理塔と、前記処理塔の長手方向に沿って積層されて前記処理塔を覆う複数の遮蔽体と、を備え、前記遮蔽体は、前記処理塔の周囲を囲むように配置される容器部と、前記容器部に収容された放射線の遮蔽材と、を有する。
また、本発明に係る汚染水処理方法は、汚染水処理設備を用いた汚染水処理方法であって、前記汚染水処理設備は、放射性物質を含有する汚染水が通水される処理塔を備えており、前記処理塔の周囲を囲むように配置される容器部と、前記容器部に収容された放射線の遮蔽材と、を有する複数の遮蔽体を、前記処理塔の長手方向に沿って積層して前記処理塔を覆う工程と、前記遮蔽体で覆われた前記処理塔に前記汚染水を通水して前記汚染水を処理する工程と、を含む。
本発明によると、低コストで組立及び解体が容易な遮蔽体によって処理塔内からの放射線の漏洩が低減される汚染水処理設備及び汚染水処理方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る汚染水処理設備の一例を模式的に示す図である。 充填物がカートリッジ化された処理塔の一例を模式的に示す図である。 積層容器型の遮蔽体の一例を示す斜視図である。 積層容器型の遮蔽体の一例を示す縦断面図である。 積層容器型の遮蔽体を積層した状態を示す断面図である。 処理塔を従来の遮蔽容器で遮蔽した状態を示す断面図である。 処理塔を積層容器型の遮蔽体で遮蔽した状態を示す断面図である。 変形例に係る積層容器型の遮蔽体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る汚染水処理設備及び汚染水処理方法について、図を参照しながら説明する。なお、以下の各図において、共通する構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る汚染水処理設備の一例を模式的に示す図である。
図1には、汚染水を浄化処理する汚染水処理設備100の一般的な構成を例示している。図1に示すように、汚染水処理設備100は、汚染水タンク1、前処理装置2、緩衝塔3、吸着塔4、配管10〜15等を備えている。
図1に示す汚染水処理設備100は、放射性物質を含有する汚染水が通水され、その汚染水に所定の処理を施す処理塔として、緩衝塔3や吸着塔4を備えている。本実施形態に係る汚染水処理設備100は、これらの処理塔のうちの一以上が、塔内から外部に向けて放出される放射線を遮蔽するために、後記する積層容器型の遮蔽体(図3、図4、図5参照)で覆われるものである。
なお、図1において、汚染水処理設備100は、前処理装置2として、一段の装置を備えている。また、汚染水処理設備100は、吸着塔4として、第1吸着塔4Aと第2吸着塔4Bの二段の装置を備えている。また、汚染水処理設備100は、前処理装置2、緩衝塔3、第1吸着塔4A及び第2吸着塔4Bを直列状に接続した配管系統を備えている。
しかしながら、積層容器型の遮蔽体を用いる汚染水処理設備100は、積層容器型の遮蔽体で覆われる一以上の処理塔を備える限り、適宜の構成に設けることができる。例えば、前処理装置2、緩衝塔3、吸着塔4等を、一段以上の任意の段数で備えることができる。また、適宜の箇所にポンプやバルブを備えた適宜の配管系統を備えることができる。前処理装置2や緩衝塔3は、浄化処理の対象や目的に応じて、設置が省略されてもよい。
汚染水処理設備100は、放射性物質を含有する汚染水を浄化処理する設備であり、例えば、原子力発電プラント、その他の原子力施設等に付随して設置される。汚染水処理設備100では、汚染水源から供給される汚染水が吸着処理等によって浄化される。汚染水が吸着処理されると、放射性物質の濃度が低減した処理済水が生成される。
浄化処理の対象となる汚染水としては、例えば、原子力発電プラントから排出される排水、逆浸透処理装置から排出される放射性物質で汚染された濃縮水、サブドレンや地下水ドレンから揚水される放射性物質で汚染されたドレン水、放射能汚染物や放射性廃棄物の洗浄に使用された洗浄水等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、サブドレンは、原子力発電プラントへの地下水の侵入を防止するための井戸であり、原子炉の事故処理時等に原子力発電プラントの周辺に設けられる。地下水ドレンは、原子力発電プラントから海洋等への地下水の漏洩を防止するための井戸であり、原子炉の事故処理時等に原子力発電プラントの周辺に設けられる。
汚染水タンク1は、汚染水源から集水された汚染水を一時的に貯留するタンクである。汚染水タンク1の入口は、配管10を介して汚染水源と接続される。汚染水源と汚染水タンク1の入口を接続する配管10には、例えば、汚染水を移送するためのポンプや、汚染水の流量を制御するための調整バルブが備えられる。
汚染水タンク1の出口は、配管11を介して前処理装置2と接続されている。汚染水タンク1の出口と前処理装置2を接続する配管11には、例えば、汚染水の流量を制御するための調整バルブが備えられる。なお、汚染水タンク1は、浄化処理の対象や目的に応じて、設置が省略されてもよい。
前処理装置2は、放射性物質を含有する汚染水を前処理するための装置である。前処理としては、例えば、浮遊懸濁物質を除去するフィルタ処理、油分を分離するフィルタ処理、油分を分離する重力分離処理、重金属等を除去する共沈処理、阻害イオンを除去する沈殿処理等が挙げられる。前処理装置2では、通常、浄化処理の対象や目的に応じて、いずれかの前処理が行われるが、複数の前処理が行われてもよい。
前処理装置2の出口は、配管12を介して緩衝塔3と接続されている。前処理装置2の出口と緩衝塔3を接続する配管12には、例えば、汚染水の流量を制御するための調整バルブが備えられる。前処理装置2の出口と緩衝塔3を接続する配管12には、汚染水を移送するためのポンプが備えられてもよい。
緩衝塔3は、放射性物質を含有する汚染水をpH調整処理するための装置である。緩衝塔3は、汚染水が通水される容器を備えている。緩衝塔3の容器には、汚染水のpHを調整するための緩衝材が収容される。緩衝塔3の容器には、汚染水が流入する入口と、pHが調整された汚染水が流出する出口とが設けられる。緩衝塔3に汚染水が通水されると、緩衝材が溶出して汚染水のpHが調整される。汚染水のpHをアルカリ性側に調整しておくと、陽イオン交換基等を有する吸着材を用いる場合に、その吸着能力が高められる。
緩衝塔3の出口は、配管13を介して吸着塔4と接続されている。緩衝塔3の出口と吸着塔4を接続する配管13には、例えば、汚染水を移送するためのポンプや、汚染水の流量を制御するための調整バルブが備えられる。なお、緩衝塔3は、pH調整処理が必要ない場合には、設置が省略されてもよい。
吸着塔4は、放射性物質を含有する汚染水を吸着処理するための装置である。吸着塔4は、汚染水が通水される容器を備えている。吸着塔4の容器には、放射性物質を吸着する吸着材が収容される。吸着塔4の容器には、汚染水が流入する入口と、吸着処理によって放射性物質の濃度が低減した処理済水が流出する出口とが設けられる。吸着塔4に汚染水が通水されると、汚染水中の所定の放射性核種が吸着材に吸着して除去される。
吸着塔4には、浄化処理の対象や目的に応じて、適宜の吸着材が備えられる。吸着材の具体例としては、天然ゼオライト、合成ゼオライト、活性炭、酸化チタン、酸化マグネシウム、シリカ、チタネート、シリコチタネート、結晶化シリコチタネート、表面処理した結晶化シリコチタネート、水酸化鉄、プルシアンブルー、不溶性フェロシアン化物、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、キレート樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
吸着処理の対象となる放射性核種の具体例としては、セシウム134、セシウム137等のセシウム同位体や、ストロンチウム89、ストロンチウム90等のストロンチウム同位体や、ヨウ素129、ヨウ素131等のヨウ素同位体や、コバルト60等のコバルト同位体や、アンチモン125等のアンチモン同位体や、ルテニウム106等のルテニウム同位体や、トリチウムや、その他の重金属同位体や、その他の非金属元素同位体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第1吸着塔4Aの出口は、配管14を介して第2吸着塔4Bの出口と接続されている。第2吸着塔4Bの出口は、配管15を介して汚染水処理設備100の外部と接続されている。吸着塔4の出口側に接続する配管14,15には、汚染水や処理済水の流量を制御するための調整バルブが備えられる。吸着塔4において放射性物質の濃度が低減した処理済水は、例えば、サンプルタンク、貯蔵タンク等に移送される。
後記する積層容器型の遮蔽体(図3、図4、図5参照)を用いる汚染水処理設備100において、緩衝塔3、吸着塔4等の処理塔としては、緩衝材、吸着材等の充填材がカートリッジ化された処理塔20(図2参照)を用いてもよい。充填材がカートリッジ化された処理塔20は、緩衝塔3、吸着塔4等の処理塔のうち、いずれの処理塔として設けてもよいが、少なくとも吸着塔4として設けることが好ましい。前処理装置2でフィルタ処理を行う場合は、前処理装置2の充填材をカートリッジ化してもよい。
図2は、充填材がカートリッジ化された処理塔の一例を模式的に示す図である。
図2に示すように、充填材がカートリッジ化された処理塔20は、処理塔20の長手方向に沿って積層されて配置される複数のカートリッジ21(21A,21B,21C,21D)と、カートリッジ21に収容された充填材22(22A,22B,22C,22D)と、カートリッジ21を格納する格納容器23と、を備える。
なお、図2において、充填材がカートリッジ化された処理塔20は、4個のカートリッジ21A〜Dと、カートリッジ21毎に収容された充填材22A〜Dと、を備えている。しかしながら、充填材がカートリッジ化された処理塔20は、二以上の任意の個数のカートリッジ21を備えることができる。充填材22としては、カートリッジ21毎に任意の種類を備えることができる。
カートリッジ21は、充填材22を収容するための容器であり、格納容器23内に対して出し入れ可能に設けられる。カートリッジ21は、充填材22を収容しつつ被処理水の通水を可能とするために、コランダ状、ストレーナ状等のような、上下両側に開口を有する容器として設けることができる。カートリッジ21は、炭素鋼、ステンレス鋼等の各種の材料で形成することができる。
カートリッジ21は、例えば、上部を開口構造、底部を網目構造、側部をシールド構造等とすることができる。カートリッジ21の上下の開口や、底部の網目構造には、カートリッジ21に収容されている充填材22の漏出を防止するために、半透膜、フィルタ等を備えることができる。
充填材22は、処理塔20の用途に応じた種類や組み合わせで、カートリッジ21毎に収容される。充填材22の材料形態は、被処理水の通水や接触が確保される限り、特に制限されるものではない。充填材22は、例えば、ビーズ状、ペレット状、フレーク状、粒状、塊状等の各種の材料形態で用いることができる。充填材22は、単体であってもよいし、充填材22を担持させるための担体等と複合化された形態であってもよい。
格納容器23は、処理塔20の本体を構成しており、カートリッジ21を収容可能な内空を有している。図に示す格納容器23は、略柱状に設けられている。格納容器23は、カートリッジ21を出し入れ可能とするために、例えば、上部が開閉自在に設けられる。格納容器23は、炭素鋼、ステンレス鋼等の各種の材料で形成することができる。
図に示す格納容器23は、上部に開口を有する中空構造であり、長手方向に沿って延びる略柱状の内空を有している。格納容器23の内空には、複数のカートリッジ21が、上下両側の開口が互いに連通する向きで、長手方向に沿って積層されて格納されている。
格納容器23には、被処理水を流入させる入口配管と、処理水を流出させる出口配管とが接続される。入口配管及び出口配管の接続位置は、特に制限されるものではない。例えば、格納容器23には、入口配管を内空の上部、出口配管を内空の下部に開口するように接続して、被処理水の下降流を通水させることができる。或いは、入口配管を内空の下部、出口配管を内空の上部に開口するように接続して、被処理水の上昇流を通水させることもできる。
図2に示すような、充填材がカートリッジ化された処理塔20によると、格納容器23に格納されているカートリッジ21に収容されている充填材22を、充填材22の劣化、消耗等に応じて、カートリッジ21ごと個別に交換・廃棄することができる。
例えば、汚染水処理設備100における浄化処理の開始時には、所定の充填材22A〜Dを入れたカートリッジ21A〜Dをそれぞれ用意することができる。格納容器23を開き、充填材22A〜Dを収容しているカートリッジ21A〜Dをワイヤ等で吊り上げ、格納容器23内に順に積み上げて、格納容器23を閉じる。積層されているカートリッジ21A〜Dに対して被処理水の通水を開始して、各充填材22A〜Dによる処理を連続的且つ一体的に行うことができる。
その後、いずれかの充填材22A〜Dが劣化、消耗等したときには、格納容器23を開き、カートリッジ21A〜Dをワイヤ等で吊り上げ、格納容器23内から取り出す。交換が必要な充填材22については、放射性物質によって汚染されているカートリッジ21ごと廃棄処理することができる。交換用の充填材22については、新しいカートリッジ21に入れて用意することができる。新しいカートリッジ21を、継続使用可能なカートリッジ21と共に格納容器23内に入れて、被処理水の通水を再開することができる。
このように、充填材がカートリッジ化された処理塔20によると、格納容器23に格納されているカートリッジ21に収容されている充填材22を個別に交換・廃棄することができるため、一部のカートリッジ21に収容されている充填材22のみが劣化、消耗等したとき、そのカートリッジ21のみを交換し、その他の充填材22やカートリッジ21については使用を続けることができる。そのため、充填材22の交換毎に、格納容器23や、継続使用可能な充填材22や、継続使用可能な充填材22を収容しているカートリッジ21を廃棄しなくて済む。
例えば、処理能力の低下が速く、放射性物質による汚染も進行し易い入口側の充填材22の交換頻度を多くし、処理能力の低下が遅く、放射性物質による汚染が進行し難い出口側の充填材22の交換頻度を少なくする運用も可能である。或いは、汚染が進行している充填材22を廃棄し、汚染が進行していない充填材22を入口側に移し替える運用や、汚染が進行していない充填材22を他の処理塔に移し替えて再使用する運用等も可能である。継続使用可能な充填材22やカートリッジ21や格納容器23を有効利用できるため、設備のランニングコストを削減することができる。
また、図2に示すような、充填材がカートリッジ化された処理塔20によると、複数のカートリッジ21に、互いに異なる種類の充填材22を用意することができる。充填材22の種類は、カートリッジ21毎に異なってもよいし、カートリッジ21の一部又は全部について同一であってもよい。また、一つの処理塔20において、吸着材又は緩衝材を収容したカートリッジ21のみを用いてもよいし、吸着材を収容したカートリッジ21と緩衝材を収容したカートリッジ21とを併用してもよい。
例えば、汚染水処理設備100に備えられる処理塔は、吸着材を収容した一以上のカートリッジ21と、その吸着材とは異なる種類の吸着材を収容した一以上のカートリッジ21と、を備える形態とすることができる。このような形態によると、一つの処理塔で、多段式の吸着処理を行うことができる。複数段の吸着塔4が一つの処理塔として設けられるため、設備コストや、設備廃止時に発生する放射性物質汚染廃棄物の量を削減することができる。
一方、汚染水処理設備100に備えられる処理塔は、緩衝材を収容した一以上のカートリッジ21と、吸着材を収容した一以上のカートリッジ21と、を通水順に備える形態とすることもできる。このような形態によると、一つの処理塔で、pH調整処理と吸着処理を行うことができる。緩衝塔3と吸着塔4とが一つの処理塔として設けられるため、設備コストや、設備廃止時に発生する放射性物質汚染廃棄物の量を削減することができる。
なお、図2において、充填材がカートリッジ化された処理塔20は、一室のみを有するカートリッジ21A〜Dを備えている。しかしながら、カートリッジ21は、水平方向に複数に区画された複数室を有する構造に設けることもできる。カートリッジ21をこのような構造に設ける場合、格納容器23は、入口配管を、内空の上部の一方の室側と、内空の下部の同じ側との両方に接続し、出口配管を、内空の下部の他方の室側と、内空の上部の同じ側との両方に接続することができる。
このような接続によると、格納容器23内に積層されている複数室を有するカートリッジ21に対して、一方の室側に下降流を通水し、他方の室側に上昇流を通水させることができる。汚染水と接触する充填材22は、上流側であるほど放射性物質による汚染が進行し易いところ、格納容器23内に積層されている複数室を有するカートリッジ21に対して、汚染水を上下両側から通水させることができるため、通水量を高く保ちつつ、カートリッジ21毎の汚染の進行を平準化させることができる。
充填材がカートリッジ化された処理塔20には、カートリッジ21における圧力損失を計測する圧力計を設置することができる。また、充填材がカートリッジ化された処理塔20には、出口配管等に、汚染水に含まれる放射性物質の濃度を計測する濃度計を設置することができる。このような圧力計や濃度計を設置すると、カートリッジ21の交換時期を判断することができる。
以上のような汚染水処理設備100において、緩衝塔3、吸着塔4等の処理塔のうちの一以上は、積層容器型の遮蔽体(図3、図4、図5参照)で覆われた状態に設けられる。積層容器型の遮蔽体は、緩衝塔3、吸着塔4等の処理塔のうち、いずれの処理塔に設置されてもよい。
但し、積層容器型の遮蔽体は、ランニングコスト等を低減する観点からは、少なくとも吸着塔4に設置されることが好ましく、充填材がカートリッジ化された処理塔20(図2参照)に設置されることがより好ましく、カートリッジ21に通水される汚染水の放射線物質の濃度が互いに異なる処理塔20、すなわち、カートリッジ21に対して下降流又は上昇流が通水される処理塔20に設置されることが更に好ましい。
図3は、積層容器型の遮蔽体の一例を示す斜視図である。図4は、積層容器型の遮蔽体の一例を示す縦断面図である。図5は、積層容器型の遮蔽体を積層した状態を示す断面図である。
図3及び図4には、積層容器型の遮蔽体の単体であるモジュール30を示している。図5には、モジュール30が積層されて構成される遮蔽体のユニット40を示している。図3は、モジュール30の内部構造の一部を透視して示している。図4は、図3に示すモジュール30の側方視の断面を示している。モジュール30やユニット40の内側に、緩衝塔3、吸着塔4等の処理塔が配置される。
図3、図4及び図5に示すように、積層容器型の遮蔽体のモジュール30は、処理塔の周囲を囲むように配置される遮蔽材容器(容器部)31と、遮蔽材容器31を密閉可能な容器蓋(蓋部)32と、遮蔽材容器31に収容された放射線の遮蔽材33と、を有している。
遮蔽材容器31は、処理塔の周囲を囲み込み可能な形状に設けられており、遮蔽材33を収容可能な内空を有している。遮蔽材容器31によると、適宜の材料形態の遮蔽材33を処理塔の周囲を囲むように配置させることが可能になり、塔内から放出される放射線を適切に遮蔽することができる。遮蔽材容器31は、遮蔽材33との反応や環境劣化を起こし難い限り、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属や、樹脂、ガラス、セラミック等の各種の材料で形成することができる。
図3において、遮蔽材容器31は、平面視で円環形状を呈しており、略矩形の平面(縦断面)を回転させて得られるリング状の外形に設けられている。この遮蔽材容器31は、上部に開口を有する中空構造であり、周方向に沿って延びるリング状の内空を有している。遮蔽材容器31の内空は、例えば、全周にわたる円環状の開口が設けられていてもよいし、周方向の一部に一以上の開口が設けられていてもよい。
容器蓋32は、遮蔽材容器31と同様に、処理塔の周囲を囲み込み可能な形状に設けられている。容器蓋32は、遮蔽材容器31に対して着脱可能に設けられる。容器蓋32によると、遮蔽材容器31内への雨水等の侵入や、遮蔽材容器31内からの遮蔽材33、雨水等の漏出を防ぐことができるため、放射化による汚染物質等の漏洩が防止される。容器蓋32は、遮蔽材33との反応や環境劣化を起こし難い限り、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属や、樹脂、ガラス等の各種の材料で形成することができる。
図3において、容器蓋32は、平面視で円環形状を呈しており、遮蔽材容器31と略同径であるリング状の外形に設けられている。この容器蓋32は、遮蔽材容器31上に取り付けられて開口を密閉すると共に、他のモジュール30を積層可能な支持面を形成している。容器蓋32は、遮蔽材容器31と略同径の外形に設けられてもよいが、遮蔽材容器31上の開口付近のみを覆う形状に設けられてもよい。容器蓋32が開口付近のみを覆う場合、他のモジュール30は、遮蔽材容器31上に支持されてもよい。
遮蔽材33は、放射線量に応じた種類・組み合わせで、遮蔽材容器31毎に収容される。遮蔽材33は、遮蔽材容器31の内空にリング状に充填・配置される。遮蔽材33の材料形態は、塔内から放出される放射線を適切に遮蔽することができる限り、特に制限されるものではない。遮蔽材33は、例えば、ビーズ状、ペレット状、フレーク状、粒状、粉末状、板状、シート状、塊状、繊維状、ワイヤ状、スクラップ状等の各種の材料形態で用いることができる。遮蔽材33は、単体であってもよいし、金属、無機物等と他の材料等とが複合化された形態であってもよい。
遮蔽材33の材質は、中性子に対する吸収断面積やガンマ線の減弱能がある程度大きい限り、特に限定されるものではない。遮蔽材33の具体例としては、鉛、鉄、銅、タングステン、カドミウム、ガドリニウム、ビスマス、水素化リチウム、水素化チタン、水素化ジルコニウム、炭化ホウ素、黒鉛、鉛ガラス、パラフィン、ポリエチレン、ホウ素添加ポリエチレン、ホウ素、コンクリート、土、砂、砂利、水等が挙げられる。また、これらの金属、無機物等と、樹脂、ゴム、木材、金属、ガラス、無機物等との複合材や、単体及び複合材のうちの一以上を混合した混合材等が挙げられる。
図5に示すように、遮蔽体のモジュール30は、個々の遮蔽材容器31に収容されている遮蔽材33が内側の空間を囲む向きとなるように、互いに積層されてユニット40を形成する。各遮蔽体のモジュール30の遮蔽材容器31には、互いに異なる材質の遮蔽材33、又は、互いに異なる充填状態の遮蔽材33、例えば、充填率や混合率が異なる遮蔽材33を用意することができる。遮蔽材33の材質や充填状態は、モジュール30毎に異なってもよいし、モジュール30の一部又は全部について同一であってもよい。
なお、図5において、遮蔽体のモジュール30は、計8個が積層されることによって、筒状のユニット40を形成している。しかしながら、遮蔽体のモジュール30は、処理塔の高さ・形状や、モジュール30自体の厚さ(高さ)に応じて、任意の個数となるように積層することができる。
図6は、処理塔を従来の遮蔽容器で遮蔽した状態を示す断面図である。図7は、処理塔を積層容器型の遮蔽体で遮蔽した状態を示す断面図である。
図6には、充填材がカートリッジ化された処理塔20の周囲を、従来一般的に用いられている鉛製の鋳物等で形成された遮蔽体300で覆った状態を示す。図7には、充填材がカートリッジ化された処理塔20の周囲を、積層容器型の遮蔽体のユニット40で覆った状態を示す。
図6に示すように、従来の遮蔽体400は、鉛製の鋳物等で形成されており、全体にわたって材質・バルク構造が一様である。従来の遮蔽体400は、処理塔20を格納する容器状等を呈しており、側壁部分が略均一な厚さの鉛製品で形成されることが多い。従来の遮蔽体400で遮蔽された処理塔20は、放射性物質による汚染が進行し易い入口側、例えば、カートリッジ22Aと、放射性物質による汚染が進行し難い出口側、例えば、カートリッジ22Dとが、同じ材質・バルク構造の遮蔽材によって、同じ厚さで覆われるのが一般的である。
しかし、従来の遮蔽体400の場合、放射性物質による汚染が進行し難い出口側にも、余計な厚さや重量の遮蔽材が設置されることになる。鉛製品は高価であるため、遮蔽体400全体の材料コストが高くなる。また、出口側に余計な遮蔽材が設置されるため、無駄な材料コストをかけることになる。また、鉛製品は重量が大きいため、クレーン等の重機や吊り能力が必要になり、鉛板、鉛ブロック等を用いた遮蔽体400の組立時や解体時に、多大な揚重作業や労力がかかる。
これに対し、図7に示すように、積層容器型の遮蔽体のユニット40によると、処理塔20を覆う遮蔽体を、より小さい複数のモジュール30で構成することができる。遮蔽体のモジュール30自体は、より小型で軽量になるため、遮蔽体全体の材料コストや、遮蔽体の組立時や解体時の揚重作業等を削減することができる。また、モジュール30自体が小型で軽量になるため、モジュール30の加工・製造が行い易くなる。
また、積層容器型の遮蔽体のユニット40によると、汚染水処理設備100を用いた汚染水処理を、塔内から放出される放射線の漏洩を防止して安全に行うことができる。汚染水処理設備100を用いた汚染水処理方法では、浄化処理の開始時に、個別の遮蔽材33を遮蔽材容器31に収容した複数のモジュール30(遮蔽体)を、処理塔20の長手方向に沿って積層して処理塔20を覆う工程を行う。その後、遮蔽体のユニット40(遮蔽体)で覆われた処理塔20に汚染水を通水して汚染水を処理する工程を行う。
遮蔽体のモジュール30を積層して処理塔20を覆うとき、処理塔20の底部については、放射線を遮蔽する台状遮蔽部材41で覆うことができる。また、処理塔20の頂部については、放射線を遮蔽する蓋状遮蔽部材42で覆うことができる。台状遮蔽部材41や蓋状遮蔽部材42は、適宜の遮蔽材で形成することができる。
遮蔽体のモジュール30は、例えば、下側のモジュール30上や、台状遮蔽部材41上に載置してユニット化させることができる。或いは、遮蔽体のモジュール30は、下側のモジュール30上や台状遮蔽部材41上に着脱可能に締結固定させてユニット化させることもできる。或いは、遮蔽体のモジュール30は、下側のモジュール30上や台状遮蔽部材41上に着脱可能に嵌合固定させてユニット化させることもできる。
積層容器型の遮蔽体のユニット40は、各モジュール30の遮蔽材容器31が、互いに材質又は充填状態が異なる遮蔽材33を収容しているユニット構成として、処理塔20の遮蔽に用いることができる。各遮蔽材33の充填状態は、例えば、鉛ビーズ、鉛ペレット等の各種の遮蔽材の充填率、混合率等を調整して変えることができる。
また、積層容器型の遮蔽体のユニット40は、処理塔の入口側に配置されたモジュール30(遮蔽体)が、処理塔の出口側に配置されたモジュール30(遮蔽体)よりも遮蔽材33による放射線の遮蔽性能が高いユニット構成として、処理塔20の遮蔽に用いることもできる。例えば、汚染が進行し易い処理塔20の入口側を、鉛製品等の中性子に対する吸収断面積や原子番号が大きい高密度な遮蔽材で遮蔽し、汚染が進行し難い処理塔20の出口側を、それよりも軽量ないし安価な遮蔽材33で遮蔽することができる。
このようなユニット構成によると、処理塔20の全体を、過剰な遮蔽性能の遮蔽材で覆う必要が無くなり、汚染が少ない処理塔20の出口側を、適切な厚さや密度の軽量ないし安価な遮蔽材33で覆うことができるため、無駄な材料コストや、組立時や解体時の揚重作業等を削減することができる。
ユニット構成の具体例としては、入口側から出口側に向けて、遮蔽材33の材質の密度が低くなっていくユニット構成や、入口側から出口側に向けて、鉛ビーズ、鉛ペレット等の充填率や混合率が低くなり、軽量ないし安価な遮蔽材33の充填率や混合率が高くなっていくユニット構成等が挙げられる。
汚染水処理設備100を用いた汚染水処理においては、積層容器型の遮蔽体のユニット40で覆われた吸着塔4で、放射性物質を吸着する吸着材による汚染水の吸着処理を行うことができる。吸着塔4は、汚染水処理設備100に複数備えられることが多く、吸着した放射性物質によって汚染され易い処理塔である。積層容器型の遮蔽体を吸着塔4に適用する汚染水処理方法によると、汚染され易く設置数が多くなる吸着塔4内からの放射線の漏洩を、低コストで組立及び解体が容易な遮蔽体によって低減することができる。
一方、汚染水処理設備100を用いた汚染水処理においては、積層容器型の遮蔽体のユニット40で覆われた緩衝塔3で、汚染水のpHを調整するための緩衝材による汚染水のpH調整処理を行うことができる。緩衝塔3は、放射性物質が付着し得る充填材が用いられており、硬化した場合、より汚染され易くなる。積層容器型の遮蔽体を緩衝塔3に適用する汚染水処理方法によると、放射性物質が蓄積される可能性がある緩衝塔3内からの放射線の漏洩を、低コストで組立及び解体が容易な遮蔽体によって低減することができる。
なお、充填材がカートリッジ化されていない処理塔についても、充填材がカートリッジ化された処理塔20と同様に、複数のモジュール30(遮蔽体)を、処理塔の長手方向に沿って積層して処理塔を覆う工程と、遮蔽体のユニット40(遮蔽体)で覆われた処理塔に汚染水を通水して汚染水を処理する工程とを、この順に行って、汚染水処理を実施することができる。また、充填材がカートリッジ化された処理塔20と同様に、適宜の遮蔽材で形成した台状遮蔽部材や蓋状遮蔽部材、ユニット構成等を用いることができる。
遮蔽体のユニット40を構成するモジュール30は、汚染水を処理する工程を開始した後においても、一以上のモジュール30を、別のモジュール30と交換することができる。遮蔽材容器31に収容されている遮蔽材33を、充填材22の状態や、処理塔20に格納されているカートリッジ21の構成に応じて、別の遮蔽材33と個別に交換することが可能である。遮蔽材33は、遮蔽材容器31ごと交換してもよい。
例えば、充填材がカートリッジ化されていない処理塔の場合、処理塔の出口側に充填されている充填材22の汚染が少ない初期には、処理塔の出口側を、軽量ないし安価な遮蔽材33を収容したモジュール30で遮蔽することができる。その後、処理塔の出口側に充填されている充填材22の汚染が進行したときには、処理塔の出口側を、遮蔽性能が高い遮蔽材33を収容したモジュール30に交換することができる。
また、充填材がカートリッジ化された処理塔20の場合、カートリッジ21の交換と同時期に、そのカートリッジ21を囲むモジュール30を、別の遮蔽材33を収容したモジュール30に交換することができる。吸着材のカートリッジ21を、汚染が進行し難い緩衝材のカートリッジ21に入れ替えるときに、軽量ないし安価な遮蔽材33を収容したモジュール30に交換することが可能である。また、緩衝材のカートリッジ21を、汚染が進行し易い吸着材のカートリッジ21に入れ替えるときに、遮蔽性能が高い遮蔽材33を収容したモジュール30に交換することが可能である。
遮蔽体のユニット40を構成するモジュール30を個別に交換する運用によると、必要な遮蔽性能を備える遮蔽材33を、充填材22の汚染の度合や、充填材22の種類に応じて、場所毎に適切に利用することができるため、汚染水処理設備100のランニングコストを削減することができる。必要な遮蔽性能を備える遮蔽材33を、緩衝塔3と吸着塔4との間や、吸着塔4同士の間で使い回すこともできるため、汚染水処理設備100の構成の変更にも低コストで対応できる。
充填材がカートリッジ化された処理塔20の場合、遮蔽体のモジュール30は、処理塔20内に積層されているカートリッジ21の間隔以下の間隔で互いに積層されることが好ましい。すなわち、遮蔽体のユニット40を構成するモジュール30の積層数は、処理塔20が備えるカートリッジ21の積層数よりも多いことが好ましい。
このようなユニット構成であると、いずれかのカートリッジ21を、充填材22の汚染の度合や、充填材22の種類に合わせて、一以上のモジュール30で遮蔽することができる。放射性物質は、各カートリッジ21内から全方向に放射線を放出するところ、一つのカートリッジ21に、一以上のモジュール30が対応していると、そのカートリッジ21の側方だけでなく、ある程度上方や、ある程度下方についても、適切な遮蔽性能に調整することができる。
図8は、変形例に係る積層容器型の遮蔽体の一例を示す斜視図である。
図8に示すように、積層容器型の遮蔽体のモジュール30は、単体自体を分割構造とすることもできる。図8に示す分割構造のモジュール30は、第1遮蔽材容器31a及び第1容器蓋32aで構成された平面視で半円環形状を呈した分割構造単位と、第2遮蔽材容器31b及び第2容器蓋32bで構成された平面視で半円環形状を呈した分割構造単位と、が合わさって形成されている。
第1遮蔽材容器31a及び第2遮蔽材容器31bは、平面視で半円環形状を呈しており、互いに合わさることによって、略矩形の平面(縦断面)を回転させて得られるリング状を形成している。第1遮蔽材容器31a及び第2遮蔽材容器31bは、上部に開口を有する中空構造であり、互いに合わさることによって、周方向に沿って延びる略リング状の内空を形成している。
第1容器蓋32a及び第2容器蓋32bは、第1遮蔽材容器31a及び第2遮蔽材容器31bと同様に、処理塔の周囲を囲み込み可能な形状に設けられている。第1容器蓋32a及び第2容器蓋32bは、第1遮蔽材容器31a及び第2遮蔽材容器31bのそれぞれに対して着脱可能に設けられている。
第1遮蔽材容器31aには、第1充填材33aが収容されており、第2遮蔽材容器31bには、第2充填材33bが収容されている。第1遮蔽材容器31a及び第2遮蔽材容器31bには、通常、互いに同じ材質、且つ、互いに同等の充填率や混合率の充填材33が収容される。但し、第1充填材33a及び第2充填材33bは、材質や充填状態が互いに異なっていてもよい。
図8に示すような、分割構造のモジュール30によると、モジュール30自体を、より小型で軽量な分割構造単位に分割することができる。そのため、遮蔽体の組立時や解体時の揚重作業等を削減することができる。また、分割構造単位自体が小型で軽量になるため、分割構造単位の加工・製造が行い易くなる。また、遮蔽体の組立時や解体時に、処理塔に対して配置するときの順序の自由度が高くなる。
以上、本発明に係る汚染水処理設備及び汚染水処理方法の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、技術的範囲を逸脱しない限り、様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、或る実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えたり、或る実施形態の構成に他の構成を加えたりすることが可能である。また、或る実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、構成の削除、構成の置換をすることも可能である。
前記の汚染水処理設備100に備えられる遮蔽体のモジュール30(図3、図4参照)や、分割構造のモジュール30(図8参照)は、遮蔽材容器31及び容器蓋32が、平面視で円環形状を呈するように設けられており、縦断面視で略矩形に設けられている。しかしながら、遮蔽材容器31や容器蓋32は、矩形の環状、多角形の環状等、平面視で任意の形状となるように設けることができるし、縦断面視で任意の形状となるように設けることができる。
また、前記の汚染水処理設備100に備えられる遮蔽体のモジュール30(図3、図4参照)は、遮蔽材容器31の内空が、周方向に沿って延びるリング状に設けられている。しかしながら、遮蔽材容器31の内空は、放射線の遮蔽が確保される限り、遮蔽材容器31とは異なる分割構造に設けられ、一つの遮蔽材容器31内で区分けされていてもよい。遮蔽材容器31の内空が区分けされていると、遮蔽材33の偏りを低減することができる。
また、前記の汚染水処理設備100に備えられる分割構造のモジュール30(図8参照)は、二つ割の分割構造として設けられている。しかしながら、分割構造のモジュール30は、周方向及び径方向について、任意の分割数で設けることもできる。分割構造のモジュール30は、分割構造単位の配置が、処理塔の全周を囲む完全な環状であってもよいし、放射線の遮蔽が確保される限り、処理塔の周囲を周方向の一部を欠いて囲む形状であってもよい。このような形状の遮蔽材33が欠落した部分には、別の遮蔽板等を設置してもよい。分割構造単位は、側面同士で噛み合う形状であってもよいし、遮蔽材33の材質や充填状態が互いに異なっていてもよい。
1 汚染水タンク
2 前処理装置
3 緩衝塔
4 吸着塔
10 配管
11 配管
12 配管
13 配管
14 配管
15 配管
20 処理塔
21 カートリッジ
22 充填材
23 格納容器
30 モジュール(遮蔽体)
31 遮蔽材容器(容器部)
32 容器蓋(蓋部)
33 遮蔽材
40 ユニット(遮蔽体)
100 汚染水処理設備

Claims (13)

  1. 放射性物質を含有する汚染水が通水される処理塔と、
    前記処理塔の長手方向に沿って積層されて前記処理塔を覆う複数の遮蔽体と、を備え、
    前記遮蔽体は、
    前記処理塔の周囲を囲むように配置される容器部と、
    前記容器部に収容された放射線の遮蔽材と、を有する汚染水処理設備。
  2. 請求項1に記載の汚染水処理設備であって、
    前記容器部は、互いに材質又は充填状態が異なる前記遮蔽材を収容している汚染水処理設備。
  3. 請求項2に記載の汚染水処理設備であって、
    前記処理塔の入口側に配置された前記遮蔽体は、前記処理塔の出口側に配置された前記遮蔽体よりも前記遮蔽材による放射線の遮蔽性能が高い汚染水処理設備。
  4. 請求項1に記載の汚染水処理設備であって、
    前記処理塔は、
    前記処理塔の長手方向に沿って積層されて配置される複数のカートリッジと、
    前記カートリッジに収容された充填材と、
    前記カートリッジを格納する格納容器と、を備える汚染水処理設備。
  5. 請求項4に記載の汚染水処理設備であって、
    前記カートリッジは、通水される前記汚染水の放射線物質の濃度が互いに異なる汚染水処理設備。
  6. 請求項4に記載の汚染水処理設備であって、
    前記充填材は、放射性物質を吸着する吸着材、又は、前記汚染水のpHを調整するための緩衝材である汚染水処理設備。
  7. 請求項6に記載の汚染水処理設備であって、
    前記処理塔は、
    前記吸着材を収容した一以上の前記カートリッジと、
    前記吸着材とは異なる種類の吸着材を収容した一以上の前記カートリッジと、を備える汚染水処理設備。
  8. 請求項6に記載の汚染水処理設備であって、
    前記処理塔は、
    前記緩衝材を収容した一以上の前記カートリッジと、
    前記吸着材を収容した一以上の前記カートリッジと、を備える汚染水処理設備。
  9. 請求項4に記載の汚染水処理設備であって、
    前記遮蔽体は、前記カートリッジの間隔以下の間隔で互いに積層されている汚染水処理設備。
  10. 請求項1に記載の汚染水処理設備であって、
    前記遮蔽体は、前記容器部を密閉可能な蓋部を有する汚染水処理設備。
  11. 汚染水処理設備を用いた汚染水処理方法であって、
    前記汚染水処理設備は、放射性物質を含有する汚染水が通水される処理塔を備えており、
    前記処理塔の周囲を囲むように配置される容器部と、前記容器部に収容された放射線の遮蔽材と、を有する複数の遮蔽体を、前記処理塔の長手方向に沿って積層して前記処理塔を覆う工程と、
    前記遮蔽体で覆われた前記処理塔に前記汚染水を通水して前記汚染水を処理する工程と、を含む汚染水処理方法。
  12. 請求項11に記載の汚染水処理方法であって、
    前記汚染水を処理する工程において、前記放射性物質を吸着する吸着材による前記汚染水の吸着処理、及び、前記汚染水のpHを調整するための緩衝材による前記汚染水のpH調整処理のうちの一以上の処理を行う汚染水処理方法。
  13. 請求項11に記載の汚染水処理方法であって、
    前記汚染水を処理する工程を開始した後に、一以上の前記遮蔽材を別の遮蔽材と交換する汚染水処理方法。
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