JP2013186012A - 排水に含まれる放射性セシウムを分離除去する方法および装置 - Google Patents

排水に含まれる放射性セシウムを分離除去する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排水、とくに一般廃棄物処分場から出る浸出水や、除染作業に伴う排水に含まれる放射性セシウムを分離除去して、排水を放流可能にする方法を提供する。
【解決手段】フレコンバッグの側面にラミネートを施して透水性を失わせるか、または不透水性の生地を用いるとともに、底面にメッシュ生地を用いて透水性を高めたフレコンバッグの内部に粒子状のゼオライト吸着剤を収容したものを、放射性セシウムを含有する排水と接触させて吸着除去する。接触は、フレコンの外径より大きな内径をもつ有底筒状体で、最上部に被処理水Wの供給管が開口し、底部近くに水平なストレーナをそなえ、上部に処理済み水Wの排出口を備えた吸着タンクの内部において行なう。放射性セシウムを吸着した吸着剤を収容するフレコンは、取出して埋立て処分する。
【選択図】図3

Description

本発明は、排水、とくに放射性物質の除染により発生した排水や、汚染された可燃物を焼却処理する一般廃棄物処分場からの浸出水に含まれる放射性セシウムを、簡易に分離除去する方法と、その方法の実施に使用する装置に関する。
原子力発電所から放出された放射性物質のうち、放射性セシウム(以下「134Cs、137Cs」と記すことがある)は、広い範囲に拡散してさまざまな物の表面に付着し、または内部に含有されており、半減期が長く長期にわたってその影響が続くことから、その安全かつ簡易な除去が当面の重要な課題となっている。
放出された放射性セシウムは、風にのって遠距離まで運ばれたものが降雨とともに地上に落ち、屋根に積もったり、雨樋や側溝に流れたりしたほか、農作物や樹木に付着している。建造物の除染作業に伴い発生する排水には、ほとんどが水溶性の化合物となっている放射性セシウムが含有されている。一方、樹木からの落ち葉のような可燃物は、都市ゴミ最終処分場において焼却炉で焼却されると、含まれていた放射性セシウムの大部分は、主として飛灰に濃縮される。出願人は、焼却灰および飛灰中の放射性セシウムを濃縮して分離する技術を確立し、すでに開示した(特許文献1)。
特願2011−232269
飛灰はセメント固化され、不燃残渣、余剰炉砂や、し尿処理施設余剰汚泥焼却灰などとともに埋め立て処分されており、その放射能が埋立て基準とされている8,000Bq/kg以下であれば、そのまま埋立て可能である。しかし、多量の降雨などによって埋立地が湛水し、飛灰セメント固化物から放射性セシウムが溶出すれば、浸出水の放射能濃度は許容限度を容易に超えてしまう。そうなれば、浸出水は、その中の放射性セシウムを除去した上でなければ排出することができない。
発明者らは、他の共同研究者らと、一般廃棄物処理場からの浸出水に含まれる放射性セシウムを分離除去して浸出水を放流可能にする手段を求めて研究し、無機系の吸着剤、とりわけモルデナイト系のゼオライトを浸出水に接触させ、放射性セシウムを吸着除去するのが適切であることを確認した。この確認実験については、後述する。さらに、これも後述のように、いったん吸着された放射性セシウムはゼオライトから溶出しないこと、したがって、放射性セシウムを吸着したゼオライトは埋立て処分しても安全であることが確認できた。
こうした事実に基づけば、浸出水に含まれる放射性セシウムを除去するには、浸出水を放流するための処理工程のどこかでゼオライトの粉末を投入し、浸出水中に分散させて十分な接触をさせることにより、放射性セシウムを吸着することが効果的である。既存の浸出水処理設備は、通常、つぎのようなフローに従っており、それぞれの工程に使用する装置が設けてある。
[調整槽]→[反応槽]→[第一混和槽]→[第一凝集槽]→[第一沈殿槽]→[生物処理工程]→[第二凝集処理工程]→[濾過・活性炭処理工程]
このような設備において浸出水にゼオライトを接触させる操作を行なおうとすれば、処理工程の初めに設けてある調整槽を利用することが得策である。調整槽は一般に撹拌機能を持っているので、ゼオライト粉末の分散にそのまま利用できる。しかし、ゼオライト粉末が調整槽の隅に堆積してしまい、調整槽から長期間放射線が出ることになるので、浚渫が必要になる。
そうした不利益を避けてゼオライト粉末による処理を実施するとなれば、上記の凝集処理工程において粉末を一定量添加して放射性セシウムの吸着除去を行ない、凝集剤で沈殿させ、脱水処理してケークとし、それを埋立て処分する、という操作が考えられる。しかし、この方式は、粉末状ゼオライトを使用する際に粉塵が発生するので防塵が必要になるという問題に加えて、放射性セシウムを含んだゼオライトのスラリーやケークを取扱う過程における、作業員の被爆の危険が大きいという問題がある。
この問題の解決を意図して、発明者らは、粉粒状のものを運搬するために常用されているフレキシブルコンテナー(「フレコン」と通称されているので、以下この語を用いる。)を利用すること、ゼオライトを粉末でなく粒子状としてフレコンに充填して使用し、使用済みのものはそのまま埋立て処分に回す、という実用的な技術を確立することに成功した。さらに、粒子状ゼオライトをフレコンに充填した吸着手段は、一般廃棄物処分場からの浸出水だけでなく、さまざまな除染作業にともなって発生する排水中の放射性セシウムの吸着除去にも効果的に使用できることを確認した。
したがって本発明の目的は、発明者らの得た知見を利用し、上記した排水、とくに一般廃棄物処理場からの浸出水や、除染作業に伴って発生する排水(以下、単に「排水」という。)に含まれる放射性セシウムの分離除去をゼオライトにより行なうための、短時間で設置できコストがかからない簡易な設備を用い、防塵対策の必要なく、かつ、作業員の放射線への被曝を実質上防止して、特段のノウハウを要することなく実施できる技術を提供することにある。
この目的を達成する本発明の方法は、処理すべき排水(以下「被処理水」という。)に含まれる放射性セシウムを分離除去する方法であって、図3にみるように、
フレコンの外径(D)より大きな内径(D)をもつ有底筒状体であり、その底部近くに水平なストレーナ(2)をそなえ、最上部に被処理水(W)の供給管(8)が開口するとともに、上部に処理済み水(W)の排出口(3)を備えた吸着タンク(1)の内部に、側面にラミネート(6)を施して透水性を失わせ、または不透水性の生地を用い、その一方で底面にはメッシュ生地(7)を用いて透水性を高めたフレコンバッグ(5)の内部に吸着剤(Ab)を充填したものを配置し、上記供給管から被処理水を供給してフレコンの吸着剤に接触させ、降下する被処理水に含まれる放射性セシウムを吸着させて水から分離し、放射性セシウムを含有しなくなった処理済み水をフレコン底部のメッシュを通して吸着タンクの側方を上昇させ、上記排出口を通して排出し、放射性セシウムを吸着した吸着剤を収容するフレコンは吸着タンクから取出すことからなる方法である。
上記の方法に使用する本発明の装置は、排水に含まれる放射性セシウムを分離除去する装置であって、図1および図2に示すような、下記の構成部分からなる装置である。
イ)図1に示すフレコンの外径(D)より大きな内径(D)をもつ、図2に示す有底筒状体であって、最上部に被処理水(W)の供給管(8)が開口し、底部近くに水平なストレーナ(2)を、上部に処理済み水(W)の排出口(3)を、また底部にドレン管(4)を備えた吸着タンク(1)、
ロ)図1に示す、フレコンバッグ(5)の側面にラミネート(6)を施して透水性を失わせ、または不透水性の生地を用い、その一方で、底面にはメッシュ生地(7)を用いて透水性を高めたフレコンの内部に、吸着剤(Ab)を充填したもの、
ハ)被処理水および処理済み水を移送するためのポンプ(図示してない)、および
ニ)放射性セシウム未吸着の吸着剤を収容したフレコンを吊り下げて吸着タンク内に配置し、また、放射性セシウム吸着済みの吸着剤を収容しているフレコンを吊り上げて吸着タンクから取り出すためのクレーン(図示してない)。
本発明の技術によって排水に含まれる放射性セシウムを分離除去すれば、粒子状の吸着剤を一定量フレコンに充填してあるものを使用するため、まず、粉末の使用に伴って必要になる防塵対策が不要である。凝集沈殿の対象にゼオライト粉末が加わらないため、凝集剤を余分に使用する必要もなく、かつスラリーの濾過や発生したケークの取扱いに代えて、フレコンを上記吸着タンクから運び出すだけで足りる。このように、操作はきわめて簡単であって、特段のノウハウないしスキルを必要としないから、任意の清掃工場、廃棄物処分場、さらには除染の現場において、容易に実施することができる。
設備面でも、粉末の定量投入のための設備が不要であり、濾過装置も不要であって、フレコンを装入して浸出水と接触させる吸着タンクを設けるだけで足りる。好ましい態様に従って、吸着剤として粒子状のものを使用すれば、被処理水がフレコン内部の吸着剤に対して行き渡り、上方から下方に向かう平行な流れとなって下るから、均等で十分な接触が行なわれる。粉末を使用すれば吸着平衡に近いレベルまで被処理水に含まれていた放射性セシウムが吸着除去されるところ、粒子状であれば吸着量はそれに及ばないものの、後記する好ましい態様で実施すれば吸着剤の効率的な使用が可能であり、懸念するほどの差は出ない。
供給管開口を出た被処理水に含有されていた放射性セシウムは、吸着剤に吸着されて吸着タンクの中で蓄積されて行くが、フレコンは周囲を処理済み水と吸着タンクの壁で囲まれているので、外部に出る放射線は減衰し、周辺で作業にあたる作業員が被爆する危険は低い。放射性セシウムを含んだ吸着剤の取扱いが、フレコンの取出しと運搬だけで足りるから、埋立て処分の完了に至るまで被爆の心配が少ない。
本発明の除去方法を実施すべき段階としては、前記の浸出水を対象とする処理フローに適用する場合であれば、まず排水を調整槽に集水した段階が考えられる。通常、調整槽は大容量の地下タンクとして設置されるので、地上に吸着タンクを設置して、そこに吸着剤入りのフレコンを配置し、ポンプアップした被処理水を吸着剤に接触させた後、反応槽に送ることになる。浸出水の放射性セシウム含有量が高い場合には、まずその低減が緊急の課題であるから、この実施態様が必要であるか、または少なくとも好ましい。
一方、浸出水が含有する放射性セシウムがそれほど高濃度ではない場合、吸着剤との接触は、処理フローの任意の段解で行なうことができる。その中でも、最終の濾過・活性炭処理工程が終了し、放流に先立つ段階が適切である。その理由は、吸着処理に先だって活性炭処理を行なえば、活性炭によりその他の不純物が吸着除去されるため、吸着剤に吸着される放射性セシウム以外の成分が減少しており、吸着剤の使用効率が高まるということにある。
しかしながら、何らかの原因で浸出水に含有される放射性セシウムの量が急激に増大する可能性がある環境であれば、上記の調整槽段階の吸着除去の設備も備えておき、ふだんは後段の、処理フロー終了後の吸着除去だけを行ない、緊急事態が発生したときは前段の、調整槽段階の吸着除去を先立てて前段・後段の吸着除去を併用する、という態様が安全であろう。
吸着剤の吸着能力の低下は、フレコンから流出する処理済み水の線量を、たとえば吸着タンクの側面において上昇する水を対象に測定することによって、継続的に知ることができる。線量の値が一定のレベルを超えたとき、余力が失われたと判定するわけである。吸着剤が吸着余力を失ったならば、フレコンを吊り上げて吸着タンクから取り出し、それに代えて新しい吸着剤を充填したフレコンを配置し、被処理水を供給して吸着を継続すればよい。放射性セシウムを吸着した吸着剤を収容しているフレコンは、水切り処理をしたのち埋立て場所に運び、そのまま埋立て処分すればよい。
吸着タンクの構造に関し、図示した例では、説明の便宜のため、吸着タンクの側壁内部は単なる円筒形とし、底部は平面的なストレーナとして示した。しかし、被処理水の接触の間、側壁に沿って流れる水の量または速度を各所で均等に保つことが、フレコン内部の被処理水の平行な流れの実現にとって好ましい。このためには、吸着タンク内部でフレコンの形状を一定に保つことが必要であり、その目的で、吊り下げて配置したフレコンの中心線が吸着タンクの中心線と一致して維持されるよう、フレコンの側面においてその長さの一部または全部をカバーするように、ストレーナをパレット状に形成することが好ましい。
参考例
以下の参考例は、発明者らが他の共同研究者らと協力して行なった試験のデータである。
一般廃棄物処分場浸出水中の放射性セシウム
伊勢崎市の清掃リサイクルセンター21の一般廃棄物処分場の第三期埋立地において、平成23年9月12日の台風12号がもたらした大量の降雨のため生じた浸出水の原水、および、それを常用の、すなわち前記した処理フローによって処理した最終処理水が含有する放射性セシウムの量は、つぎの表1のとおりであった。
表1
Figure 2013186012
ここで「濃度限度比」は、処理水が示した放射線量の放流可能な限度に対する比であって、下記の式によって定義される値である。
濃度限度比=(Cs-134濃度)[Bq/L]/60[Bq/L]+(Cs-137濃度)[Bq/L]/90[Bq/L]
放射性セシウムの分析は、ゲルマニウム半導体検出器(Ganberra MODEL)によるガンマ線スペクトロメトリー(1992年 文部科学省「放射能測定シリーズ7」に準拠)により行なった。検出限界は、134Cs、137Csともに、10Bq/kgまたは10Bq/Lである。
ゼオライトを用いた平衡吸着試験
上記の原水および最終処理水それぞれ300mLに対して、モルデナイト系天然ゼオライトを粉末状にしたものを、2.5g、5g、25gまたは50g添加し、往復振とう機により24時間振とうした。その後、孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、濾液について放射能を測定した。結果は下記の表2および表3に示すとおりである。
表2 原水
Figure 2013186012
134Csおよび137Csが検出限界濃度で存在するとして算出
表3 最終処理水
Figure 2013186012
*同上
ゼオライトからの溶出試験
上記の結果から、放射性セシウムの濃度が高い原水であってもゼオライトを10g/L使用すればほとんど吸着除去できることがわかったので、その条件で使用したゼオライトから放射性セシウムが、使用済みゼオライトの埋立地から、たとえば多量の降雨による湛水によって溶出するおそれがないか、つぎのようにして確認した。すなわち、13.5Bq/gの放射性セシウムを吸着したゼオライト10gを蒸留水1000mL中に分散させ、24時間振とうし、その後、前記と同じメンブレンフィルターで濾過して、濾液の放射能を測定した。その結果を、吸着試験のデータと併せて、表4に示す。表4にみるとおり、放射性セシウムの量は検出限度以下であって、いったんゼオライトに吸着された放射性セシウムは、溶出しないと考えてよいことが確認できた。
表4 吸着−溶出試験
Figure 2013186012
フレコンバッグ
図1に示す形状を有する、下記の仕様のフレコンバッグを用意した。材質は、各部分ともPP(ポリプロピレン)繊維の織布である。
容量/質量:1000L/1000kg
本 体:1100mmφ×1100mmH
側面の外周全面にわたりPPフィルムをラミネート
投入口:1100mmφ×800mmH
排出口:なし
底 面:全面メッシュ生地、底支えロープ補強
吊ベルト:70mm幅×2本
吸着タンク
一方、図2に示す構造の、ポリエチレン製で蓋と底とをもつ円筒形で、底部にストレーナ(2)を備え、側面上部に処理済み水排出口(3)、底部にドレン管(4)を備えた吸着タンク(1)を、下記の寸法で製作した。蓋は、フレコンの出入時は外す構造である。
高 さ:1560mm
内 径:1420mm
ストレーナ高さ:底面から100mm
排出口高さ:底面から1410mm
この吸着タンク内に、上記のフレコンバッグに粒状ゼオライト800kgを充填したものを吊り下げて装入する。吸着タンクの内壁とフレコンとの間には160mmの空隙があって、ストレーナを通過した水がそこを上昇する。
緊急処理
前記した、台風のもたらした降雨に起因して発生した、放射性セシウムを高い濃度で含有する浸出水(総計1820m)を放流可能なものにするため、つぎの処理をした。すなわち、粉末状のゼオライトを常用の処理フローのために設置されている2基の調整槽に投入した。吸着タンクは2基製作し、浸出水処理の最後段階で行なうよう、処理フローの最終段階である濾過・活性炭処理工程のつぎに位置させて直列に接続し、それぞれの内部に粒状ゼオライト800kgを充填したフレコンを装入した。被処理水は、まず調整槽においてゼオライト粉末に接触して放射性セシウムの吸着除去を受けた後、フローにしたがった処理を受け、さらに上記のゼオライト吸着タンクを通過して(空間速度SV=5)吸着除去を受けてから再度調整槽に返送し、循環処理を行なった。
調整槽へのゼオライト粉末の投入を5〜6日おきに4回行ない、合計15.2トンを投入した。一方、2基の吸着タンクにはそれぞれ800kgの粒状ゼオライトを充填したフレコンが装入してあるから、使用したゼオライトは総計16.8トンになる。この緊急処理を受けた浸出水中の放射性セシウムの濃度変化を示せば、図4のとおりである。図において、「T−Cs」は、134Csと137Csの合計をあらわす。処理開始後23日を経過したとき、最終処理水中の放射性セシウム濃度が検出限界以下となり、放流可能となった。
定常処理
放射性セシウムを高濃度に含有する浸出水の緊急処理が済んで放流した後は、さらに2基の吸着タンクを設置し、粒子状ゼオライトそれぞれ800kgを充填したフレコンを装入して、調整槽の前段に位置させた。ただし、この設備は放射性セシウム濃度の急激な上昇に備えたもので、検出される線量が低ければパスさせ、常用のフローを通したのち、活性炭処理が済んだ後、前記したさきに設置した2基の直列に接続した吸着タンクで粒状ゼオライトによる吸着除去を行なって、処理済み水を放流している。
以上本発明を、一般廃棄物最終処分場の浸出水に関して生じた放射性セシウム分離除去の必要に対処して行なった試験に例をとって説明したが、容易に理解されるように、本発明の放射性セシウム分離除去の技術は、さまざまな除染作業の結果発生する排水中に含まれる放射性セシウム分離除去に当っても適用可能であって、全体の処理フローをどのように組み立てるべきか、また、本発明の方法をそのフローのどの局面で適用したらよいかは、当業者が状況に応じて適宜選択することができるであろう。
本発明の装置の一部を構成するフレコンを示す図であって、Aは一部を切り欠いて内部を示した側面図であり、Bは底面図である。 本発明の装置の一部を構成する吸着タンクを示す、Aは一部を切り欠いて内部を示した平面図であり、Bは側面図である。 本発明の装置を使用して、一般廃棄物処分場からの浸出水を吸着剤に接触させて、その中に含まれる放射性セシウムを吸着除去しているところを示す装置の断面図。 本発明の実施例で行なった「緊急処理」における、浸出水に含まれる放射性セシウムの濃度の径時変化を示すグラフ。
1 吸着タンク
2 ストレーナ
3 処理済み水の排出口
4 ドレン管
5 フレコンバッグ
6 ラミネート
7 メッシュ生地
8 被処理水の供給管
Ab 吸着剤
フレコンの外径
吸着タンクの内径
被処理水
処理済み水

Claims (4)

  1. 排水中に含まれる放射性セシウムを分離除去する方法であって、フレコンの外径(D)より大きな内径(D)をもつ有底筒状体であり、その底部近くに水平なストレーナ(2)をそなえ、最上部に被処理水(W)の供給管(8)が開口するとともに、上部に処理済み水(W)の排出口(3)を備えた吸着タンク(1)の内部に、側面にラミネート(6)を施して透水性を失わせ、または不透水性の生地を用い、その一方で底面にはメッシュ生地(7)を用いて透水性を高めたフレコンバッグ(5)の内部に吸着剤(Ab)を充填したものを配置し、上記供給管から被処理水を供給してフレコンの吸着剤に接触させ、降下する被処理水に含まれる放射性セシウムを吸着させて水から分離し、放射性セシウムを含有しなくなった処理済み水をフレコン底部のメッシュを通して吸着タンクの側方を上昇させ、上記排出口を通して排出し、放射性セシウムを吸着した吸着剤を収容するフレコンは吸着タンクから取出すことからなる方法。
  2. 吸着剤として粒子状のモルデナイト型ゼオライトを使用して実施する請求項1の方法。
  3. 排水中に含まれる放射性セシウムを分離除去する装置であって、下記の構成部分からなる装置:
    イ)フレコンの外径(D)より大きな内径(D)をもつ有底筒状体であって、最上部に被処理水(W)の供給管(8)が開口し、底部近くに水平なストレーナ(2)を、上部に処理済み水(W)の排出口(3)を、また底部にドレン管(4)を備えた吸着タンク(1)、
    ロ)フレコンバッグ(5)の側面にラミネート(6)を施して透水性を失わせ、または不透水性の生地を用い、その一方で、底面にはメッシュ生地(7)を用いて透水性を高めたフレコンの内部に、吸着剤(Ab)を充填したもの、
    ハ)被処理水および処理済み水を移送するためのポンプ、および
    ニ)放射性セシウム未吸着の吸着剤を収容したフレコンを吊り下げて吸着タンク内に配置し、また、放射性セシウム吸着済みの吸着剤を収容しているフレコンを吊り上げて吸着タンクから取り出すためのクレーン。
  4. ポリプロピレン繊維の織布で製造したフレコンバッグの外側にポリプロピレン樹脂のフィルムをラミネートして透水性を失わせ、底面にポリプロピレン繊維の糸を編んだメッシュ生地を張って透水性を高めたフレコンバッグの内部に、粉末状または粒子状のモルデナイト型ゼオライトを充填してなる、請求項3の装置に使用する吸着剤充填フレコン。
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