JP2020200519A - 成膜装置 - Google Patents

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具和 須田
Tomokazu Suda
具和 須田
太田 淳
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Abstract

【課題】ターゲットに対向する電極であって、遮蔽板も兼ね備え、所望の機械的強度を持つ電極が配置された成膜装置を提供する。【解決手段】成膜装置は、ターゲットと、筒状電極とを具備する。上記ターゲットは、第1方向に延在し、スパッタリング粒子を放出するスパッタリング面を有する。上記筒状電極は、上記ターゲットと離間して設けられ、第1筒状電極部と第2筒状電極部とを有し、上記第1筒状電極部及び上記第2筒状電極部のそれぞれが上記第1方向に延在するとともに上記第1方向と交差する第2方向に並ぶ。上記第2方向において、上記第1筒状電極部と上記第2筒状電極部とが上記スパッタリング面を開放するように並設される。【選択図】図1

Description

本発明は、成膜装置に関する。
スパッタリング装置に代表される成膜装置おいては、ターゲットと基板とを平行にして対向させ、ターゲットから放出されるスパッタリング粒子を基板に堆積して成膜を行う。また、成膜装置では、例えば、ターゲットから放出されるスパッタリング粒子の一部を遮蔽するために、接地したアノード板(遮蔽板)を基板とターゲットとの間に配置する場合がある。このアノード板には、ターゲットから放出されるスパッタリング粒子を通過させる開口が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、アノード板の開口が狭くなるほど、ターゲットから放出されるスパッタリング粒子のアノード板による遮蔽効果が高まり、成膜速度が遅くなくなることは予測できる。従って、アノード板の開口は、所望の幅以上であることが要される。
特開2008−163355号公報
一方、アノード板の開口が広くなるほどターゲットから放出されるスパッタリング粒子がアノード板によって遮蔽されにくくなり、成膜速度が速くなることも予測できる。しかし、開口が広くなることは、アノード板の幅が狭くなることを意味し、アノード板の機械的強度(剛性)が弱くなることを招来する。
アノード板の機械的強度が弱くなると、アノード板が成膜時に加熱されたとき、アノード板が変形し、放電が不安定になる。また、これに付随して膜厚分布、膜質が悪くなる場合がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ターゲットに対向する電極であって、遮蔽板も兼ね備え、所望の機械的強度を持つ電極が配置された成膜装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る成膜装置は、ターゲットと、筒状電極とを具備する。
上記ターゲットは、第1方向に延在し、スパッタリング粒子を放出するスパッタリング面を有する。
上記筒状電極は、上記ターゲットと離間して設けられ、第1筒状電極部と第2筒状電極部とを有し、上記第1筒状電極部及び上記第2筒状電極部のそれぞれが上記第1方向に延在するとともに上記第1方向と交差する第2方向に並ぶ。上記第2方向において、上記第1筒状電極部と上記第2筒状電極部とが上記スパッタリング面を開放するように並設される。
このような成膜装置であれば、ターゲットに対向する筒状電極が遮蔽板も兼ね備え、所望の機械的強度を持つことにより、成膜装置内で安定したプラズマ放電が維持され、膜質、膜厚分布が良好になる。
上記の成膜装置においては、上記第1筒状電極部及び上記第2筒状電極部のそれぞれに液状媒体が流通してもよい。
このような成膜装置であれば、筒状電極の変形が抑えられ、成膜装置内で安定したプラズマ放電が維持され、膜質、膜厚分布が良好になる。
上記の成膜装置においては、上記第2方向における、上記第1筒状電極部及び上記第2筒状電極部のそれぞれの断面の外形が円形であってもよい。
このような成膜装置であれば、筒状電極からの膜剥離が抑えられ、膜質が良好になる。
上記の成膜装置においては、上記第2方向において、上記第1筒状電極部と上記第2筒状電極部との間の長さは、上記ターゲットの幅よりも長くてもよい。
このような成膜装置であれば、成膜装置内で安定したプラズマ放電が維持され、膜質、膜厚分布が良好になる。
上記の成膜装置においては、上記筒状電極は、接地されてもよい。
このような成膜装置であれば、成膜装置内では、ターゲットと筒状電極との間で安定したプラズマ放電が維持され、膜質、膜厚分布が良好になる。
以上述べたように、本発明によれば、ターゲットに対向する電極であって、遮蔽板も兼ね備え、高い機械的強度を持つ電極が配置された成膜装置が提供される。
本実施形態の成膜装置を示す模式的断面図である。 本実施形態のターゲット機構の模式的平面図である。 ターゲット機構及びターゲット機構周辺を示す模式的断面図である。 比較例に係る、ターゲット機構及びターゲット機構周辺を示す模式的断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。また、同一の部材または同一の機能を有する部材には同一の符号を付す場合があり、その部材を説明した後には適宜説明を省略する場合がある。
図1は、本実施形態の成膜装置を示す模式的断面図である。
成膜装置101は、真空容器10と、基板搬送機構20と、スパッタリングターゲット機構31と、電源35と、筒状電極40と、ガス供給源70とを具備する。本実施形態では、"スパッタリングターゲット"を"ターゲット"と呼び、"スパッタリングターゲット機構"を"ターゲット機構"と呼ぶ場合がある。また、スパッタリングターゲット機構31と、電源35とを含めて成膜源30とする。
真空容器10は、真空室11、12、13を有する。図1では、真空室12、13のそれぞれの一部が示されている。また、真空室の数は、3つとは限らず、2個以下、あるいは、4個以上でもよい。
真空室11、真空室12、及び真空室13のそれぞれは、減圧状態を維持することができる真空容器である。例えば、真空室11内のガスは、排気口10dを通じてターボ分子ポンプ等の排気機構によって外部に排気される。真空室12及び真空室13のそれぞれについても、排気機構によって減圧状態が維持される。
図1の例では、成膜装置101が連続式(例えば、インライン式)の成膜装置になっている。例えば、真空室12は、真空室11に減圧状態で連結可能になり、真空室13は、真空室11に減圧状態で連結可能になっている。また、側壁10waには、バルブ15が設けられ、側壁10wbには、バルブ16が設けられている。
例えば、バルブ15が開状態になると、真空室12と真空室11との間に開口が形成され、バルブ15が閉状態になると、真空室12と真空室11との間の開口が閉じられる。バルブ16が開状態になると、真空室11と真空室13との間に開口が形成され、バルブ16が閉状態になると、真空室11と真空室13との間の開口が閉じられる。
真空室11、12、13の中、真空室11は、成膜可能な処理室として機能する。例えば、バルブ15が開状態となり、基板21及び基板21を支持するキャリア(基板ホルダ)22が真空室12から開口を介して真空室11に搬入される。バルブ15が閉状態となると、真空室11で基板21にスパッタリング成膜がなされる。スパッタリング成膜が終了すると、バルブ16が開状態になり、基板21及びキャリア22が真空室11から開口を介して真空室13に搬出される。
基板21は、例えば、平面形状が矩形の大型ガラス基板である。基板21が成膜源30に対向する面は、成膜面21dである。
基板搬送機構20は、真空容器10内で基板21を搬送する。基板搬送機構20は、ローラ回転機構20r及びフレーム部20fを有する。ローラ回転機構20rは、フレーム部20fによって支持されている。ローラ回転機構20r上に、基板21及びキャリア22が載置されると、ローラ回転機構20rが自転することにより、基板21及びキャリア22がバルブ15からバルブ16に向けてスライド移送される。これにより、基板21が真空室11内に搬入されたり、真空室11外に搬出されたりする。真空室11における基板21の搬入出は、例えば、自動的に行われる。
成膜装置101で成膜処理がなされる基板の枚数は、一枚とは限らない。例えば、成膜装置101に仕込まれた複数の基板21が真空室11で定期的に一枚ずつ成膜処理がなされる。この際、バルブ15、16は、定期的に開閉する。
成膜源30は、図1の例では、例えば、2つの成膜源30を有する。2つの成膜源30は、基板21が搬送される方向Tに並ぶ。2つの成膜源30のそれぞれは、スパッタリングターゲット機構31及び電源35を有する。成膜源30の数は、2つに限らず、1つでもよく、3つ以上でもよい。
ターゲット機構31は、ターゲット32、バッキングプレート33、及び磁気回路部34を有する。
ターゲット32は、基板21に対向している。ここで「対向」とは、直接的に何らかの部材に向かい合う意味でもよく、あるいは他の部材を介して何らかの部材に向かい合う意味で用いられる。例えば、ターゲット32は、ITO(酸化インジウムスズ)、金属等を含む。ターゲット32は、基板21に対向する面がスパッタリング粒子S1を放出するスパッタリング面になっている。
ターゲット32は、バッキングプレート33に支持される。ターゲット32及びバッキングプレート33のそれぞれは、プレーナ型である。ターゲット32及びバッキングプレート33のそれぞれは、搬送方向Tに直交する方向に延在する。図1では、搬送方向Tに直交する方向は、例えば、X軸方向(第1方向)に対応している。バッキングプレート33の内部には、冷却媒体が流れる流路が設けられてもよい。
また、ターゲット機構31においては、ターゲット32に対する磁気回路部34の相対位置が移動可能に構成されている。例えば、ターゲット32が搬送方向Tに沿って揺動する。図1では、揺動する方向が矢印M1で表されている。揺動する方向M1は、搬送方向Tと平行である。
ここで、「ある方向に沿って揺動する」とは、ある方向と同じ方向に移動する動作、ある方向と逆方向に移動する動作が交互に繰り返されることを意味する。
磁気回路部34は、基板21とは反対側のターゲット32の裏面側に配置されている。ターゲット32の表面に磁力線が漏洩することにより、ターゲット32の表面における磁束密度がターゲット32と基板21との間で高くなる。これにより、ターゲット32の表面近傍におけるプラズマ密度が高くなり、マグネトロンスパッタリングが実施可能となる。
また、磁気回路部34は、真空室11内で固定されている。すなわち、真空室11内では、固定された磁気回路部34の上で、ターゲット32が搬送方向Tに沿って揺動する。
筒状電極40は、Z軸方向においてターゲット32と離間して設けられる。筒状電極40は、Z軸方向において、ターゲット32と基板21との間に設けられる。筒状電極40の電位は、接地されている。図1の例では、筒状電極40は、筒状電極部41と、筒状電極部42と、筒状電極部43とを有している。筒状電極部41、42、43のそれぞれは、X軸方向に延在するとともに、X軸方向と交差する方向(第2方向)に並ぶ。X軸方向と交差する方向は、例えば、Y軸方向である。
筒状電極部41と筒状電極部42とは、ターゲット32のスパッタリング面をY軸方向において開放するように並設される。筒状電極部42と筒状電極部43とは、ターゲット32のスパッタリング面をY軸方向において開放するように並設される。これにより、筒状電極40は、筒状電極部41と筒状電極部42との間の間隙と、筒状電極部42と筒状電極部43との間の間隙とからなる2つの開口を持つことになる。
例えば、Y軸方向において、筒状電極部41と筒状電極部42との間の長さは、ターゲット32の幅よりも長く、筒状電極部42と筒状電極部43との間の長さは、ターゲット32の幅よりも長い。ここで、筒状電極部41と筒状電極部42との間の距離は、例えば、筒状電極部42と筒状電極部43との間の距離に設定される。
Y軸方向における、筒状電極部41、42、43の断面の外形は、円形である。筒状電極部41、42、43の断面の外径は、特に限ることなく、一例として、1インチである。断面の外形は、円形とは限らず、例えば、矩形、楕円等であってもよい。また、筒状電極部41、42、43のそれぞれには、水等の液状媒体が流通してもよい。液状媒体の温度は、例えば、真空容器10外に設置された温調器により調整されてもよい。筒状電極部41、42、43は、例えば、ステンレス鋼等により構成される。
本実施形態では、左側のターゲット32の両側に配置された筒状電極部41、42を順に第1筒状電極、第2筒状電極と呼称してもよく、右側のターゲット32の両側に配置された筒状電極部42、43を順に第1筒状電極、第2筒状電極と呼称してもよい。すなわち、1つのターゲット32の上部の両側に、第1筒状電極と第2筒状電極とが配置される。
成膜装置101では、真空容器10内に放電用ガスが導入され、ターゲット32に電源35から電圧が印加されると、ターゲット32と、アース部(筒状電極40、真空容器10、基板搬送機構20、及びキャリア22等)との間で、放電用ガスが電離し、ターゲット32とアース部との間にプラズマが発生する。
中でも、ターゲット32と、ターゲット32に近接して配置された筒状電極40との間で、主に放電用ガスが電離し、ターゲット32と筒状電極40との間に高密度のプラズマが発生する。例えば、ターゲット32は、負電位に帯電したカソード電極、筒状電極40は、アノード電極として機能する。
ターゲット32に供給される電圧は、直流電圧または交流電圧である。交流電圧の場合、その周波数は、10kHz以上300MHz以下(例えば、13.56MHz)である。
ターゲット32からスパッタリングされたスパッタリング粒子S1は、筒状電極部41と筒状電極部42との間、または、筒状電極部42と筒状電極部43との間を通り抜け、基板21の成膜面21dに到達する。これにより、成膜面21dにスパッタリング粒子S1が堆積して、基板21に膜が形成される。
ガス供給源70は、流量調整器71及びガスノズル72を有する。流量調整器71及びガスノズル72のそれぞれの数は、図示された数に限らない。なお、基板搬送機構20と成膜源30との間には、防着板が設けられてもよい。
図2は、本実施形態のターゲット機構の模式的平面図である。
図2に示すように、ターゲット機構31は、ターゲット32と、バッキングプレート33と、磁気回路部34とを有する。
ターゲット32は、X軸方向に延在する。ターゲット32のX−Y軸平面における平面形状は、例えば、X軸方向を長手方向とし、Y軸方向を短手方向とする長方形である。長手方向は、搬送方向Tと直交する方向である。すなわち、ターゲット32は、所謂プレーナ型のターゲットである。ターゲット32のX軸方向における長さは、基板21のX軸方向の幅に応じて適宜設定される。
バッキングプレート33は、ターゲット32を支持する。バッキングプレート33のX−Y軸平面における平面形状は、X軸方向を長手方向とし、Y軸方向を短手方向とする長方形である。バッキングプレート33のサイズは、ターゲット32のサイズに応じて適宜設定される。例えば、バッキングプレート33の面積は、ターゲット32の面積よりも大きく設定される。ターゲット32及びバッキングプレート33は、X軸方向と交差する方向に揺動する。
磁気回路部34は、X軸方向に延在する。磁気回路部34は、基板21とは反対側のターゲット32の背面側に配置される。例えば、バッキングプレート33は、磁気回路部34とターゲット32とによって挟まれる。また、Z軸方向から上面視した場合、磁気回路部34は、ターゲット32の領域内に位置する。例えば、Z軸方向において、磁気回路部34をターゲット32に投影した場合、磁気回路部34は、ターゲット32の内側に収まっている。磁気回路部34は、ターゲット32の表面に磁場を漏洩させる。
また、Z軸方向から上面視した場合、磁気回路部34は、X軸方向に延在する磁石部341と、磁石部341を囲む磁石部342とを有する。磁石部341は、ターゲット32の背面に向かってS極が臨んでいる。磁石部342は、ターゲット32の背面に向かってN極が臨んでいる。
これにより、Z軸方向から上面視した場合、磁気回路部34では、一軸方向に延在するS極の磁石がN極の磁石に囲まれた構成をしている。なお、磁石部のそれぞれでは、例えば、複数のブロック状磁石が列状に並んでいる。なお、磁石部341、342は、ヨーク345に支持されている(図3)。
図1の左側に示されたターゲット機構と、このターゲット機構31の周辺の部位を例に、成膜装置101の作用について説明する。
図3は、ターゲット機構及びターゲット機構周辺を示す模式的断面図である。
ターゲット32のスパッタリング面32sには、磁石部341、342が放出する磁力線が漏洩する。例えば、スパッタリング面32sにおける、位置P付近と、位置Q付近とには、磁力線Bの密度が濃いループ状の磁束が形成される。これにより、位置P付近と、位置Q付近とには、プラズマが集中し、スパッタリング粒子S1が主に位置P付近と位置Q付近とから放出する。換言すれば、位置P付近及び位置Q付近には、ターゲット32のエロージョンが形成される。なお、磁気回路部34が真空容器10内で固定されているため、磁気回路部34に対する点P、Qの位置は変わらず、ターゲット32が磁気回路部34上で矢印M1の方向に揺動する。
成膜装置101においては、Y軸方向における、筒状電極部41と筒状電極部42との間の距離は、任意に設定される。例えば、位置P付近及び位置Q付近のそれぞれから放出するスパッタリング粒子S1の放出角度を図中の「θ」で定義する。
放出角度θが約120°の場合、所望の成膜速度を確保する観点からでは、筒状電極部41と筒状電極部42とが点P、Qをスパッタ源とする、それぞれの放出角度θ(=120°)内の領域に入らないように設置される。これにより、ターゲット32から放出されるスパッタリング粒子S1は、筒状電極部41、42によって阻害されずに、基板21の成膜面21dに到達する。
ここで、ターゲット32に対向するアノード電極として、筒状電極部41、42ではなく、プレーナ型の遮蔽板を用いた例を示す。
図4(a)、(b)は、比較例に係る、ターゲット機構及びターゲット機構周辺を示す模式的断面図である。
図4(a)の例では、ターゲット32と基板21との間に板状電極400Aが配置される。板状電極400Aは、Y軸方向に並ぶ、板状電極部410Aと、板状電極部420Aとを有する。板状電極400Aでは、板状電極部410Aと板状電極部420Aとの間の間隙が開口となる。
ここで、板状電極部410Aと板状電極部420Aとの間の距離は、筒状電極部41と筒状電極部42との間の距離よりも狭く設定される。すなわち、板状電極400Aでは、板状電極400Aの開口を筒状電極40の開口よりも狭められている。例えば、Y軸方向における、板状電極部410A、420Aのそれぞれの幅は、幅広く構成され、例えば、それぞれの幅は、ターゲット32の幅よりも広く構成されている。
このような構成であれば、板状電極部410A、420Aのそれぞれが幅広く構成されているため、板状電極部410A、420Aが所望の機械的強度を持つことになる。従って、成膜中に板状電極部410A、420Aが、例えば、プラズマによって加熱されたとしても、板状電極部410A、420Aは、所定の剛性により変形しにくくなる。
但し、板状電極400Aの開口を筒状電極40の開口よりも狭めたため、スパッタリング粒子S1が板状電極部410A、420Aによって阻害される。このため、成膜速度は、所謂、頭打ちになる。
次に、図4(b)では、板状電極400Bは、板状電極部410Bと、板状電極部420Bとを有する。ここで、板状電極部410Bと板状電極部420Bとの間の距離は、筒状電極部41と筒状電極部42との間の距離と略同じに構成されている。
このような構成であれば、成膜速度については、板状電極400Bの開口が筒状電極40の開口と略同じなので、スパッタリング粒子S1が板状電極部410B、420Bによって阻害されにくく、図1の状態と同程度の成膜速度が得られる。
但し、板状電極400Bの開口を筒状電極40の開口と略同じにした分、板状電極部410B、420Bのそれぞれの幅が狭くなり、板状電極部410B、420Bの機械的強度が弱くなる。これにより、成膜中に板状電極部410B、420Bが、例えば、プラズマにより加熱されると、板状電極部410B、420Bが変形して、ターゲット32と板状電極400Bとの間のプラズマ放電が不安定になる。プラズマ放電が不安定になると、基板21に形成される膜の特性が成膜毎に変化したり、あるいは、所望の膜厚分布が得られなくなったりする場合がある。
ここで、板状電極400Bの開口を筒状電極40の開口と略同じに保ったまま、板状電極部410B、420Bのそれぞれの幅を板状電極部410A、420Aの幅と同じにする方策がある。このような構成であれば、所望の成膜速度が得られるともに、板状電極部410B、420Bの機械的強度が増して、ターゲット32と板状電極400Bとの間に安定したプラズマが形成されると考えられる。
しかし、この場合には、板状電極部410B、420Bが板状電極部410A、420Aと同じく幅広になる。このため、図1のように、2つのターゲット機構31をY軸方向に並べた場合、隣り合うターゲット機構31同士間には、幅広の板状電極が介在することになる。この結果、図1の状態よりも、隣り合うターゲット機構31がより離れて配置されることになり、2つのターゲット機構31を収容する真空容器10の大型化、すなわち、成膜装置101の大型化を招来してしまう。
これに対して、本実施形態の筒状電極40においては、筒状電極部41と筒状電極部42とがスパッタリング粒子S1を阻害しないように配置される(図3)。これにより、所望の成膜速度が得られる。
また、筒状電極部41、42のそれぞれは、板状でなく筒状であるため、その機械的強度が板状よりも強い。これにより、成膜中に筒状電極部41、42がプラズマにより加熱されたとしても、筒状電極部41、42が変形しにくく、成膜中には、ターゲット32と筒状電極40との間に安定したプラズマが形成される。これにより、基板21に形成される膜の特性、膜厚分布については、所望の特性、膜厚分布が得られる。
また、筒状電極部41、42のそれぞれは、筒状である。このために、筒状電極部41、42は高い機械的強度を保ちながら、その外径を板状電極部410A、420Aの幅よりも狭くすることができる。このため、図1のように、2つのターゲット機構31をY軸方向に並べたとしても、隣り合うターゲット機構31同士を近接して配置することができる。すなわち、本実施形態では、成膜装置101の大型化を招来しない。
また、筒状電極部41、42の外形が円状である場合、筒状電極部41、42の外周面には、板状電極400A、Bが持つ端部が形成されない。従って、筒状電極部41、42に付着した膜は、板状電極400A、Bに付着した膜に比べて剥がれにくく、成膜時、基板21に形成される膜に異物が混入しにくい。
また、筒状電極部41、42の内部に、所定温度に保たれた液状媒体が流通した場合には、成膜時における、筒状電極部41、42の熱伸縮が抑えられる。これにより、筒状電極部41、42に付着した膜は、より剥がれにくくなる。
また、筒状電極部41、42のそれぞれは、所謂、網アノード電極のように、スパッタリング面32sに対向配置されない。従って、網アノード電極に比べて筒状電極部41、42からは、パーティクルが発生しにくく、基板21に形成される膜にパーティクルが混入しにくくなる。
なお、本実施形態の作用をターゲット32と筒状電極部41、42との組を例に説明した。ターゲット32と筒状電極部41、42との組のほか、ターゲット32と筒状電極部42、43との組でも、ターゲット32と筒状電極部41、42との組と同じ作用をすることは当然である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。各実施形態は、独立の形態とは限らず、技術的に可能な限り複合することができる。
10…真空容器
10w…側壁
10d…排気口
11、12、13…真空室
15、16…バルブ
20…基板搬送機構
20f…フレーム部
20r…ローラ回転機構
21…基板
21d…成膜面
22…キャリア
30…成膜源
31…ターゲット機構(スパッタリングターゲット機構)
32…ターゲット
32s…スパッタリング面
33…バッキングプレート
34…磁気回路部
35…電源
40…筒状電極
41、42、43…筒状電極部
70…ガス供給源
71…流量調整器
72…ガスノズル
101…成膜装置
341、342…磁石部
345…ヨーク
400A、400B…板状電極
410A、410B、420A、420B…板状電極部
S1…スパッタリング粒子

Claims (5)

  1. 第1方向に延在し、スパッタリング粒子を放出するスパッタリング面を有するターゲットと、
    前記ターゲットと離間して設けられ、第1筒状電極部と第2筒状電極部とを有し、前記第1筒状電極部及び前記第2筒状電極部のそれぞれが前記第1方向に延在するとともに前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記第2方向において、前記第1筒状電極部と前記第2筒状電極部とが前記スパッタリング面を開放するように並設された筒状電極と
    を具備する成膜装置。
  2. 請求項1に記載の成膜装置であって、
    前記第1筒状電極部及び前記第2筒状電極部のそれぞれに液状媒体が流通する
    成膜装置。
  3. 請求項1または2に記載の成膜装置であって、
    前記第2方向における、前記第1筒状電極部及び前記第2筒状電極部のそれぞれにおける断面の外形が円形である
    成膜装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の成膜装置であって、
    前記第2方向において、前記第1筒状電極部と前記第2筒状電極部との間の長さは、前記ターゲットの幅よりも長い
    成膜装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の成膜装置であって、
    前記筒状電極は、接地されている
    成膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006199989A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Ulvac Japan Ltd 成膜装置

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