JP2020199534A - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】全姿勢における溶接作業性が優れるとともに高い耐気孔欠陥性を有する、二相ステンレス鋼の溶接に好適なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供する。【解決手段】ステンレス鋼製外皮にフラックスが充填されたフラックス入りワイヤであって、ワイヤ全質量あたり、フラックス中に、スラグ造滓剤、CaO、金属フッ化物のF換算値の合計をそれぞれ所定範囲で含有するとともに、NaFを実質的に含有せず、Bi2O3が所定範囲に規制されており、かつ、ワイヤ全質量あたり、ステンレス鋼製外皮及びフラックスの合計で、メタルFe、メタルCr、メタルNi、全Si、全Al、全Mgをそれぞれ所定範囲で含有するとともに、メタルMn、全Ti、全Zrがそれぞれ所定範囲に規制されている。【選択図】なし

Description

本発明は、全姿勢における溶接作業性が優れるとともに高い耐気孔欠陥性を有する、二相ステンレス鋼の溶接に好適なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
化学プラント機器やケミカルタンカー及び水門等の構造物には、JIS SUS329J3L、JIS SUS329J4L、UNS No.S31803、UNS No.S32205等の二相ステンレス鋼が使用され、溶接方法としてはフラックス入りワイヤによるガスシールドアーク溶接が普及している。また溶接姿勢は、下向、立向上進、横向、上向など様々な姿勢(以下、全姿勢)があり、溶接環境は工場建屋内から屋外まで多岐に渡る。
しかし従来のフラックス入りワイヤによるガスシールドアーク溶接では、ピットやウォームホールが発生しやすいという課題と、下向以外の溶接姿勢における溶接作業性の不良、具体的にはビード形状が不良(凸ビード化)になりやすいという課題があった。このためこれら2つの課題解決のために、フラックス入りワイヤ自身についてこれまで様々な改良が提案されてきた。
例えば特許文献1には、ワイヤ全質量に対して、所定量のSiO、ZrO、TiOを含有させ、Ca+Mg、Na+K及びこれらスラグ成分の合計を規定するとともに、Ca、Mg、Na、Kとスラグ成分の合計を用いた計算式から得られる値が特定の範囲となるように調整したステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。
また、特許文献2には、外皮及びフラックス中のN及び窒素化合物の含有量を限定するとともに、フラックス中のTiO、SiO、Al及びNaF等の金属フッ化物の含有量を調整し、ZrO及び金属炭酸塩を制限したCr−Ni系ステンレス鋼溶接用高窒素フラックス入りワイヤが提案されている。
更に、特許文献3には、ワイヤ全質量に対するTiO、SiO、Al、F換算値、Ti換算値及びスラグ剤成分の含有量を調整した高窒素含有ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。なお、特許文献3には、フラックス中のF含有量に対するAl含有量の値を所定量以下にすることにより、良好なスラグ剥離性を得ることができ、なおかつフラックス充填率を規定することによりスパッタの増加を抑制することが出来ることも記載されている。
特開平11−114695号公報 特開平9−122977号公報 特開2003−19594号公報
しかしながら上記特許文献1に記載のステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤは、長期保管後と高温多湿雰囲気下のワイヤ吸湿を配慮したものではあるが、下向溶接姿勢のみで検討されており、下向以外の溶接姿勢において優れた溶接作業性を得ることが出来ないという課題があった。
また、上記特許文献2に記載のステンレス鋼溶接用高窒素フラックス入りワイヤは、溶接金属の耐孔食性及び耐隙間腐食性が優れているとともに、良好な溶接作業性を得ることが出来るが、耐気孔欠陥性については十分に検討されておらず、更なる改良の余地があった。
また同様に上記特許文献3に記載の高窒素含有ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤにおいても、全姿勢溶接において、アークが安定し、スパッタ発生量が少なく、更にビード形状、溶融スラグによる溶融金属の被包性及びスラグ剥離性が優れ、良好な溶接金属性能を得ることは出来るが、耐気孔欠陥性については十分に検討されておらず、更なる改良の余地があった。
このように、従来提案されているフラックス入りワイヤでは、全姿勢における良好な溶接作業性と、高い耐気孔欠陥性、これらを同時に満足することは困難であった。
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、全姿勢における溶接作業性が優れるとともに高い耐気孔欠陥性を有する、二相ステンレス鋼の溶接に好適なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、ステンレス鋼製外皮にフラックスが充填されたガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤであって、
ワイヤ全質量あたり、前記フラックス中に、
スラグ造滓剤の含有量:9.33質量%超11.61質量%未満、
CaO:0.01質量%以上0.16質量%未満、
金属フッ化物のF換算値の合計:0.19質量%超0.35質量%未満を含有し、
NaFを実質的に含有せず、
Bi:0.06質量%未満に規制されており、
ワイヤ全質量あたり、前記ステンレス鋼製外皮及び前記フラックスの合計で、
メタルFe:52.00質量%以上60.00質量%以下、
メタルCr:19.83質量%以上22.47質量%以下、
メタルNi:7.33質量%以上9.29質量%以下、
全Si:0.83質量%超1.25%未満、
全Al:0.02質量%超0.15質量%未満、
全Mg:0.01質量%以上0.27質量%未満を含有し、
メタルMn:1.34質量%未満、
全Ti:4.67質量%未満、
全Zr:1.59質量%未満に規制されている。
また上記フラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量あたりのフラックス充填率が25.0質量%以上29.0質量%以下であることが好ましい。
更に上記フラックス入りワイヤは、前記全Tiが、メタルTiを0.20質量%以上含有することが好ましい。
本発明によれば、全姿勢における溶接作業性が優れるとともに高い耐気孔欠陥性を有する、二相ステンレス鋼の溶接に好適なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することが出来る。
図1は、走査型電子顕微鏡により観察したフラックス入りワイヤの長手方向断面の組成像およびエネルギー分散型X線分析によるEDXマッピング像である。 図2は、溶接作業性試験の評価方法を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施することが出来る。
以下、全姿勢における溶接作業性及び耐気孔欠陥性について詳細に説明する。
<全姿勢における溶接作業性>
本発明者は、全姿勢における溶接作業性の劣化、すなわちビード形状不良(凸ビード化)は、溶接金属とスラグの垂れが原因であり、これらの原因に対して、(1)溶滴移行、(2)溶接金属の粘性、(3)スラグ量、(4)スラグの融点と粘性、が関与していることを見出し、更に研究を重ねて次の知見と解決策を得た。
(1)溶滴移行
溶滴移行が不安定であると、溶接金属及びスラグの垂れが発生する。溶滴移行には、ワイヤ全質量に対するフラックス質量の割合、すなわちフラックス充填率(質量%)が影響している。具体的には、フラックス充填率が高くなるとワイヤのステンレス鋼製外皮が薄肉化し、溶接時にワイヤ先端に形成される溶滴が小粒になって溶融池への移行が安定化する。しかしフラックス充填率が低くなるとワイヤのステンレス鋼製外皮が厚肉化し、溶接時にワイヤ先端に形成される溶滴が大粒になって溶融池への移行が不安定化する。これらの知見から、本願ではワイヤ全質量あたりのフラックス充填率を所定の範囲とすることで、溶滴移行を安定化して、全姿勢における溶接金属とスラグの垂れの抑制を実現した。
(2)溶接金属の粘性
溶接金属の粘性が低いと、溶接金属が垂れ、粘性が高いと溶接ビード形状が不良(凸ビード化)となる。更に溶接金属の粘性にはSiが影響している。Siは、ステンレス鋼製外皮のSi成分、フラックス中のSi合金やその他合金類のSi成分、フラックス中の酸化物およびフッ化物等Si化合物のSi成分としてワイヤに含有され、(1)の溶滴移行を経て溶接金属に取り込まれてその粘性に影響を及ぼす。これらの知見から、本願では上記各Si成分の合計を全Siと規定し、ワイヤ全質量あたりの全Siの含有量を所定の範囲とすることにより、溶接金属の粘性を適正化して、全姿勢おける溶接金属の垂れと溶接ビード形状の凸ビード化の抑制を実現した。なお、全Siを数式で記載すると次のようになる。
全Si
=(1−フラックス充填率/100)×ステンレス鋼製外皮のSi成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のSi合金等各種合金類のSi成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のSi酸化物および含Siフッ化物等
Si化合物のSi成分[Si換算値]
(3)スラグ量
スラグ量が少ないと、均一な肉厚のスラグで溶接ビードの全面を被包することが出来ず、スラグによる溶接金属の保持力が弱まって溶接金属の垂れが発生する。一方、スラグ量が多いと、スラグ自体が垂れてやはり溶接金属の保持力が弱まり、その結果、溶接金属も垂れてしまう。更にスラグ量にはスラグ造滓剤の含有量が影響している。これらの知見から、本願ではスラグ造滓剤の含有量を適切に調整してスラグ量を適正化し、全姿勢における溶接金属とスラグの垂れの抑制を実現した。
(4)スラグの融点と粘性
スラグの融点と粘性が高いと、均一な肉厚のスラグが得られず、スラグによる溶接金属の保持力が弱まって溶接金属の垂れが発生する。一方、スラグの融点と粘性が低いと、スラグ自体が垂れてスラグによる溶接金属の保持力が弱まり、その結果、溶接金属も垂れてしまう。更にスラグの融点にはTi成分、Al成分、Zr成分、Mg成分が、スラグの粘性にはCaO、金属フッ化物のF、及びBiが影響している。
Ti、Al、Zr及びMgの各成分は、ステンレス鋼製外皮、フラックス中の金属や合金、フラックス中の酸化物およびフッ化物等化合物からワイヤに含有され、上記(1)の溶滴移行を経てスラグに取り込まれ、スラグを高融点化する。
CaO、金属フッ化物のF、及びBiは、フラックスからワイヤに含有され、上記(1)の溶滴移行を経てスラグに取り込まれ、スラグを低粘性化する。
これらの知見から、本願では上記Ti成分の含有量の合計、Al成分の含有量の合計、Zr成分の含有量の合計及びMg成分の含有量の合計を、ぞれぞれ、全Ti、全Al、全Zr、及び全Mgと規定し、ワイヤ全質量あたりの全Ti、全Al、全Zr、及び全Mgの含有量、CaOの含有量、金属フッ化物のF換算値の合計及びBiの含有量を所定の範囲とすることにより、スラグの融点と粘性を調整して、全姿勢における溶接金属とスラグの垂れの抑制を実現した。
なお、改めて詳述すると、全Tiとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のTi成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のTi合金等各種合金類のTi成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のTi酸化物等Ti化合物のTi成分[Ti換算値]、これらの合計を指し、数式で記載すると次のようになる。
全Ti
=(1−フラックス充填率/100)×ステンレス鋼製外皮のTi成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のTi合金等各種合金類のTi成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のTi酸化物等Ti化合物の
Ti成分[Ti換算値]
また全Alとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のAl成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のAl合金等各種合金類のAl成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のAl酸化物および含Alフッ化物等Al化合物のAl成分[Al換算値]、これらの合計を指し、数式で記載すると次のようになる。
全Al
=(1−フラックス充填率/100)×ステンレス鋼製外皮のAl成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のAl合金等各種合金類のAl成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のAl酸化物および含Alフッ化物等
Al化合物のAl成分[Al換算値]
更にワイヤ全質量あたりの全Zrとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のZr成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のZr合金等各種合金類のZr成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のZr酸化物および含Zrフッ化物等Zr化合物のZr成分[Zr換算値]、これらの合計を指し、数式で記載すると次のようになる。
全Zr
=(1−フラックス充填率/100)×ステンレス鋼製外皮のZr成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のZr合金等各種合金類のZr成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のZr酸化物および含Zrフッ化物等
Zr化合物のZr成分[Zr換算値]
更にまたワイヤ全質量あたりの全Mgとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のMg成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のMg合金等各種合金類のMg成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のMg酸化物および含Mgフッ化物等Mg化合物のMg成分[Mg換算値]、これらの合計を指し、数式で記載すると次のようになる。
全Mg
=(1−フラックス充填率/100)×ステンレス鋼製外皮のMg成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のMg合金等各種合金類のMg成分
+(フラックス充填率/100)×フラックス中のMg酸化物および含Mgフッ化物等
Mg化合物のMg成分[Mg換算値]
<耐気孔欠陥性>
二相ステンレス鋼の溶接金属は、汎用のオーステナイト系ステンレス鋼の溶接金属と比較して、基本的に窒素(以下、N)含有量が高いという特徴を有する。Nは、耐孔食性や強度を向上させるために有益な成分であり、二相ステンレス鋼の溶接金属の必須成分となっている。一方、公知の如く、Nはガス成分の一つであり耐気孔欠陥性を劣化させる。そこで本発明者は、耐孔食性と強度を確保する観点から所定量のNを含有した上で、耐気孔欠陥性を改善する方法について検討を進めた。その結果、耐気孔欠陥性の劣化は、ガス成分が溶接金属に過剰に供給されることが原因であること、更に、ガス成分の溶接金属への過剰供給に下記(5)のワイヤ吸湿特性が関与していることを見出し、更に研究を重ねて次の知見と解決策を得た。
(5)ワイヤ吸湿特性
本発明者は、フラックス中に、金属フッ化物の一種であるNaFとともに、金属Mn、Mn合金、Mg合金及びMgOのうち少なくとも1つを共存させたワイヤの吸湿特性が、著しく劣化することを見出した。一方、NaF以外の金属フッ化物、例えばKSiF、LiF、氷晶石(以下、NaAlF)、CeF等を使用した場合には、このようなワイヤ吸湿特性の著しい劣化は認められないことも突き止めた。金属フッ化物の種類の違いによってワイヤ吸湿特性が変化するメカニズムは必ずしも明確ではないが、ワイヤが、製造時に衝撃、圧縮、せん断、摩擦、加熱等の機械的又は熱的エネルギーを受けることでメカノケミカル反応を起こし、フラックス中にNaFとともに、金属Mn、Mn合金、Mg合金及びMgOのうち少なくとも1つを共存させた場合には、ワイヤ中に吸湿性の高いフッ素化合物が新たに生成され、これがワイヤ吸湿特性を著しく劣化させるのではないかと推測している。ワイヤ吸湿水分量の増加は、ガス成分である水素や酸素の溶接金属へ過剰供給の原因となるため、前述のようにN含有量が高いという特徴を持つ二相ステンレス鋼の溶接金属においては、耐気孔欠陥性を確保する、又は向上させるために、特にワイヤ吸湿水分量の抑制が必要である。
ところでフラックス中に含有される成分のうち、Mnは溶接金属の主要化学成分の一つであり、Mgは前述のようにTi、Al、Zrとともに全姿勢における溶接作業性を向上させるための必須成分である。このためMnやMgをフラックス成分から排除することは出来ない。また、金属フッ化物のFも、同様の理由でフラックス成分から排除することは出来ない。そこで本発明者は、フラックス中に所定量のMn及びMgは含有させた上で、NaF以外の金属フッ化物を使用することで、全姿勢における溶接作業性を劣化させることなくワイヤ吸湿特性を改善出来ることを見出した。
本発明に係る実施形態のフラックス入りワイヤは、上記の知見を基になされたものである。
以下、本実施形態に係る二相ステンレス鋼ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤについて説明する。
〔フラックス入りワイヤ〕
本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、ステンレス鋼製外皮内にフラックスが充填されたものである。詳細には、本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、筒状のステンレス鋼製外皮とその内側に充填されるフラックスとからなる。
なお、フラックス入りワイヤには、鋼製外皮に継目がない、あるいは継ぎ目があっても溶接して封じられたシームレスタイプ、更には鋼製外皮に重なりや突合せ、折り目等の継目のあるシームありタイプの形態があるが、一般的にシームありタイプは、鋼製外皮の重なりや突合せ、折り目等の継目からワイヤ内部に水分を含有した空気が入り、ワイヤが吸湿する課題を有する。本願は、ワイヤ吸湿水分量を抑制することが出来るため、特に、シームありタイプのワイヤに好適である
次に、本実施形態に係るフラックス入りワイヤのステンレス鋼製外皮及びフラックスに含有される成分について説明する。
まずは、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の成分添加理由及び数値限定理由について説明する。
<スラグ造滓剤の含有量:9.33質量%超11.61質量%未満>
スラグ造滓剤とは、フラックス中の金属酸化物、金属フッ化物、アルカリ金属化合物等を示す。
ワイヤ全質量あたりのフラックス中のスラグ造滓剤の含有量が9.33質量%以下では、スラグ量が過少となり、均一な肉厚のスラグで溶接ビード全面を被包することが出来なくなるため、溶接金属の保持力が弱まり、溶接金属が垂れて全姿勢における溶接作業性が劣化する。従って、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のスラグ造滓剤の含有量は9.33質量%超とする。
一方、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のスラグ造滓剤の含有量が11.61質量%以上になると、スラグ量が過剰となり、スラグが垂れ、それに伴って溶接金属が垂れてしまい、やはり全姿勢における溶接作業性が劣化する。従ってワイヤ全質量あたりのフラックス中のスラグ造滓剤の含有量は11.61質量%未満とし、好ましくは11.60質量%以下とし、より好ましくは10.20質量%以下とする。
<CaO:0.01質量%以上0.16質量%未満>
CaOは、スラグの融点と粘性を調整する効果を有し、CaO含有量を適切に調整することにより均一な肉厚のスラグで溶接ビード全面を被包して溶接金属の保持力を高め、全姿勢における溶接作業性を向上する効果を得ることが出来る。
ワイヤ全質量あたりのフラックス中のCaOの含有量が0.01質量%未満では、上記効果を得ることが困難となる。従ってワイヤ全質量あたりのフラックス中のCaOの含有量は0.01質量%以上とし、好ましくは0.02質量%以上とする。一方、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のCaOの含有量が0.16質量%以上になると、スラグの粘性が過度に低下して溶接金属の保持力が劣化し、全姿勢における溶接作業性が劣化する。従ってワイヤ全質量あたりのフラックス中のCaOの含有量は0.16質量%未満とし、好ましくは0.15質量%未満とする。
なお、CaO源としては、チタン酸塩及びケイ酸塩中の副成分等があり、これらを単独又は複合で用いる。
<金属フッ化物のF換算値の合計:0.19質量%超0.35質量%未満>
金属フッ化物のFは、スラグの融点と粘性を調整することが出来る成分であり、F換算値の合計量を適切に調整することにより、均一な肉厚のスラグで溶接ビード全面を被包して溶接金属の保持力を高め、全姿勢における溶接作業性を向上する効果を得ることが出来る。
ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属フッ化物のF換算値の合計が0.19質量%以下では、上記効果を得ることが困難となる。従ってワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属フッ化物のF換算値の合計は0.19質量%超とし、好ましくは0.20質量%以上とする。
一方、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属フッ化物のF換算値の合計が0.35質量%以上になると、スラグの粘性が過度に低下し、溶接金属の保持力が弱まり、全姿勢における溶接作業性が劣化する。またスパッタ及びヒュームの発生量が増加して実用に耐えない。従ってワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属フッ化物のF換算値の合計は0.35質量%未満とし、好ましくは0.30質量%未満とする。
なお、F源としては、KSiF、NaAlF、LiF、CeF、MgF、AlF等のアルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物、希土類元素フッ化物等の金属フッ化物があり、これらを単独又は複合で用いる。
<NaF:実質的に含有しない>
上述の通り、NaFは、金属Mn、Fe−Mn合金、Mg合金及びMgOと反応してワイヤ吸湿特性を著しく劣化させ、結果として耐気孔欠陥性を劣化させる。本実施形態では、金属フッ化物のF換算値の合計をワイヤ全質量あたり0.19質量%超0.35質量%未満としているが、金属フッ化物としてはNaF以外を使用することとする。従ってフラックス中にNaFは実質的に含有しない。
ここで、フラックス中のNaFの有無の判断方法を示す。フラックス中のNaFの有無は、エネルギー分散型X線分析により判断することが出来る。具体的には、まずフラックス入りワイヤを樹脂埋めしてワイヤ長手方向断面を研磨にて導出後、フラックス部分について所定成分のEDXマッピング像を観察する。図1にフラックス入りワイヤの長手方向断面の組成像と所定元素のEDXマッピング像(倍率:高・低の二水準)を示す。所定元素は、ワイヤ中に金属フッ化物として含有される可能性がある物質を勘案して選択すればよく、ここでは金属フッ化物としてNaF、KSiF、NaAlFを想定して、F、Na、Al、Si及びKを選択した。観察の結果、各元素のEDXマッピング像からFと同位置(赤破線楕円位置)にはNaのみが検出され、Al、Si及びKは検出されない。すなわち観察したフラックス入りワイヤには、フッ化物としてNaFは存在するが、KSiF、NaAlFは存在しないことが判る。このようにしてフラックス中のNaFの有無を判断することが出来る。
<Bi:0.06質量%未満(0質量%を含む)>
Biは、スラグの剥離性を向上する効果を有するとともに、スラグの融点と粘性を調整する効果を有し、Biの含有量を適切に調整することにより、均一な肉厚のスラグで溶接ビード全面を被包して、溶接金属の保持力を高め、全姿勢における溶接作業性を向上する効果を得ることが出来る。
しかし、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のBiの含有量が0.06質量%以上になると、スラグの融点と粘性が過度に低下して、溶接金属の保持力が低下し、全姿勢における溶接作業性が劣化する。従ってフラックス中にBiを含有させる場合には、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のBiの含有量は0.06質量%未満とし、好ましくは0.05質量%以下とする。
なお、Bi源としては、Bi単体及び各種チタン酸塩中の副成分があり、本願ではこれらを単独又は複合で用いることが出来る。
<フラックス充填率:25.0質量%以上29.0質量%以下>
フラックスには、金属や合金の他、酸化物やフッ化物等の化合物が含まれる。フラックス充填率が25.0質量%以上であれば、ステンレス鋼製外皮の厚肉化とそれによる溶接中のワイヤ先端溶滴の肥大化、溶融池への溶滴移行の劣化を抑制出来る。そして結果として、溶接金属とスラグの垂れを抑制して全姿勢における溶接作業性を向上することが出来る。従ってワイヤ全質量あたりのフラックス充填率は好ましくは25.0質量%以上とし、より好ましくは25.5質量%以上とする。
一方、ワイヤ全質量あたりのフラックス充填率が29.0質量%以下であれば、ワイヤ吸湿特性の劣化を抑制して耐気孔欠陥性を向上させることが出来る。従ってワイヤ全質量あたりのフラックス充填率は好ましくは29.0質量%以下とし、より好ましくは28.5質量%以下とする。
続いて、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮及びフラックス中の成分添加理由及び数値限定理由について説明する。
<メタルFe:52.00質量%以上60.00質量%以下>
本願においてメタルFeとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のFe成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の鉄粉、Fe合金、その他合金類のFe成分、以上のFe成分の含有量の合計を指す。メタルFeは、本実施形態に係るフラックス入りワイヤの主要成分である。フラックス充填率やスラグ造滓剤の量、合金成分の関係から、ワイヤ全質量あたりのメタルFeの含有量は52.00質量%以上、好ましくは52.50質量%以上とし、また、60.00質量%以下、好ましくは59.50質量%以下とする。
なお、Fe源は上述のとおりであり、本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。
<メタルCr:19.83質量%以上22.47質量%以下>
本願においてメタルCrとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のCr成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Cr、Fe−Cr合金等合金類のCr成分、以上のCr成分の含有量の合計を指す。メタルCrは、本実施形態に係るフラックス入りワイヤの主要成分であり、溶接金属の耐酸化性及び耐食性等を確保するために必要不可欠である。またメタルCrはフェライト相を安定化させる効果を有する。そのため、フェライトとオーステナイトの二相組織を維持して、耐食性及び強度を両立させるために、メタルCrの含有量は19.83質量%以上とし、好ましくは19.85質量%以上とする。
一方、過剰にメタルCrを含有させると、二相組織バランスを確保する観点からNiやN等のオーステナイト生成元素の含有量も増加させなければならず、結果としてワイヤ加工性を低下させる。従ってメタルCrの含有量は22.47質量%以下とし、好ましくは22.45質量%以下とする。
なお、メタルCr源は上述の他、Fe−Si−Cr合金もあり、本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。
<メタルNi:7.33質量%以上9.29質量%以下>
本願においてメタルNiとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のNi成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Ni、Ni−Mg合金等各種合金類のNi成分、以上のNi成分の含有量の合計を指す。メタルNiは耐食性向上に有用な元素であり、特に、塩化物環境における局部腐食抑制に効果を発揮する。またメタルNiは、低温靱性を向上させるのにも有効であり、更にオーステナイト相を安定化させて二相ステンレス鋼溶接金属としてミクロ組織を調整するためにも有用である。
上記効果を得るために、メタルNiの含有量は7.33質量%以上とし、好ましくは7.35質量%以上とする。一方、過剰にメタルNiを含有させると、二相組織バランスを確保する観点からCrやMo等のフェライト生成元素の含有量も増加させなければならず、結果としてワイヤ加工性を低下させる。従ってメタルNiの含有量は9.29質量%以下とし、好ましくは9.25質量%以下とする。
なお、メタルNi源は上述のとおりであり、本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。
<メタルMo:3.77質量%以下(0質量%を含む)>
本願においてメタルMoとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のMo成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Mo、Fe−Mo合金等各種合金類のMo成分、以上のMo成分の含有量の合計を指す。メタルMoはフェライト相を安定化させる元素であり、二相ステンレス鋼溶接金属としてミクロ組織を調整する効果と、耐孔食性を改善させる効果を有する。
本実施形態においては、ワイヤ中にメタルMoが含有されていなくてもよいが、メタルMoを含有させる場合は好ましくは2.26質量%以上とし、より好ましくは2.30質量%以上とする。
一方、ワイヤ中に過剰にメタルMoを含有させると、二相組織バランスを確保する観点からMn、NiやN等のオーステナイト生成元素の含有量も増加させなければならず、結果としてワイヤ加工性を低下させる。また過剰なメタルMoの含有は、溶接金属中にσ相等の金属間化合物の生成を助長することとなり、溶接金属の靭性や延性を劣化させる。従ってメタルMoの含有量は好ましくは3.77質量%以下とし、より好ましくは3.75質量%以下とする。
なお、メタルMo源は上述のとおりであり、本願ではこれらを単独あるいは複合して用いることが出来る。
<メタルTi:0.20質量%以上>
本願においてメタルTiとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のTi成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Ti、Fe−Ti合金等各種合金類のTi成分、以上のTi成分の含有量の合計を指す。メタルTiは、スラグの流動性を調整してスラグ被包性及びスラグ剥離性を良好にし、優れたビード形状を得る効果を有する。本実施形態においては、ワイヤ中にメタルTiが含有されていなくても構わないが、メタルTiが0.20質量%以上であると、ビード形状の凸ビード化を一層抑制することができ、溶接作業性が良好となるため好ましい。
なお、メタルTi源は上述のとおりであり、これらを単独あるいは複合して用いることが出来る。
<全Si:0.83質量%超1.25%未満>
本願において全Siとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のSi成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のFe−Si合金等各種合金類のSi成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のSi酸化物、含Siフッ化物等Si化合物のSi成分[Si換算値]、以上のSi成分の含有量の合計を指す。
全Siは、溶接金属の粘性を調整し、溶接金属の垂れを抑制して全姿勢における溶接作業性を向上させる効果を有する。
全Siの含有量が0.83質量%以下では、上記効果を得ることが困難となる。従って全Siの含有量は0.83質量%超とし、好ましくは0.84質量%以上とする。
一方、全Siの含有量が1.25質量%以上になると、溶接金属の粘性が過度に高くなり、ビード形状が凸ビードとなる。従って全Siの含有量は1.25質量%未満とし、好ましくは1.24質量%以下とする。
なお、全Si源には上述の他、Fe−Si−Mn合金、Fe−Si−Cr合金、Si酸化物としては珪砂、珪石、珪灰石、ジルコンサンド、ソーダ長石、カリ長石等があり、含Siフッ化物としてはKSiF等がある。本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。
SiOとしてはワイヤ全質量あたりフラックス中に1.00質量%以上1.80質量%以下、KSiFとしてはワイヤ全質量あたりフラックス中に0.45質量%以下の範囲で含まれることが好ましい。
<全Al:0.02質量%超0.15質量%未満>
本願において全Alとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のAl成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Al、Fe−Al合金等各種合金類のAl成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のAl酸化物および含Alフッ化物等Al化合物のAl成分[換算値]、以上のAl成分の含有量の合計を指す。
全Alは、スラグ造滓剤の主要成分であり、スラグの融点と粘性を調整して溶接金属の保持力を高め、溶接金属の垂れを抑制して、全姿勢における溶接作業性を向上させる効果を有する。
全Alの含有量が0.02質量%以下では、上記効果を得ることが困難となる。従って全Alの含有量は0.02質量%超とし、好ましくは0.03質量%以上とする。
一方、全Alの含有量が0.15質量%以上になると、スラグの融点と粘性が過度に高くなり、均一な肉厚のスラグが得られず、溶接金属の保持力が弱まって、全姿勢における溶接作業性が劣化する。従って全Alの含有量は0.15質量%未満とし、好ましくは0.14質量%以下とする。
なお、Al源は上述の他、Al酸化物としてはアルミナ、チタン酸塩、ケイ酸塩、含Alフッ化物としてはNaAlF、AlF等があり、本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。
Alとしてはワイヤ全質量あたりフラックス中に0.03質量%以上0.30質量%以下の範囲で含まれることが好ましい。
<全Mg:0.01質量%以上0.27質量%未満>
本願において全Mgとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のMg成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Mg、Ni−Mg合金等各種合金類のMg成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のMg酸化物、含Mgフッ化物等Mg化合物のMg成分[Mg換算値]、以上のMg成分の含有量の合計を指す。
全Mgは、溶接金属を脱酸して靭性を向上する効果を有する。また、全Mgはスラグ造滓剤の主要成分でもあり、スラグの融点と粘性を調整して溶接金属の保持力を高め、溶接金属の垂れを抑制して、全姿勢における溶接作業性を向上させる効果を有する。
全Mgの含有量が0.01質量%未満では、上記効果を得ることが困難となる。従って全Mgの含有量は、ワイヤ全質量あたり0.01質量%以上とし、好ましくは0.02質量%以上とする。
一方、全Mgの含有量が0.27質量%以上になると、スラグの融点と粘性が過度に高くなり、均一な肉厚のスラグが得られず溶接金属の保持力が弱まって、全姿勢における溶接作業性が劣化する。従って全Mgの含有量は、ワイヤ全質量あたり0.27質量%未満とし、好ましくは0.26質量%以下とする。
なお、Mg源は上述の他、Al−Mg合金、Fe−Si−Mg合金、Mg酸化物としては酸化マグネシウム、マグネシアクリンカ、含Mgフッ化物としてはMgF等がある。本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。
<メタルMn:1.34質量%未満(0質量%を含む)>
本願においてメタルMnとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のMn成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Mn、Fe−Mn合金等各種合金類のMn成分、以上のMn成分の含有量の合計を指す。
メタルMnは溶接金属の主要成分の一種であるが、メタルMnの含有量が1.34質量%以上になると、溶接時に多量のヒュームが発生して実用に耐えない。従ってメタルMnの含有量はワイヤ全質量あたり1.34質量%未満とし、好ましくは1.33質量%以下とする。
なお、Mn源は上述の他、Fe−Si−Mn合金があり、本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。
<全Ti:4.67質量%未満(0質量%を含む)>
本願において全Tiとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のTi成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Ti、Fe−Ti合金等各種合金類のTi成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のTi酸化物のTi成分[Ti換算値]、以上のTi成分の含有量の合計を指す。全Tiは、スラグ造滓剤の主要成分の一種であり、スラグの融点と粘性を調整して溶接金属の保持力を高め、溶接金属の垂れを抑制して、全姿勢における溶接作業性を向上させる効果を有する。
全Tiの含有量が4.67質量%以上になると、スラグの融点と粘性が過度に高くなり、均一な肉厚のスラグが得られず、溶接金属の保持力が弱まって全姿勢における溶接作業性が劣化する。従って全Tiの含有量は4.67質量%未満とし、好ましくは4.66質量%以下とする。
全Ti源には上述の他、Ti酸化物としてはルチール、チタンスラグ、イルミナイト、チタン酸カリ、チタン酸ソーダ、チタン酸カルシウム等がある。本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。なお、TiOとしては6.00質量%以上8.00質量%以下の範囲で含まれることが好ましい。
<全Zr:1.59質量%未満(0質量%を含む)>
本願において全Zrとは、ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮のZr成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属Zr、Fe−Zr合金等各種合金類のZr成分、ワイヤ全質量あたりのフラックス中のZr酸化物、含Zrフッ化物等Zr化合物のZr成分[Zr換算値]、以上のZr成分の含有量の合計を指す。
全Zrは、スラグ造滓剤の主要成分の一種であり、スラグの融点と粘性を調整して溶接金属の保持力を高め、溶接金属の垂れを抑制して、全姿勢における溶接作業性を向上させる効果を有する。
しかし全Zrの含有量が1.59質量%以上になると、スラグの融点と粘性が過度に高くなり、均一な肉厚のスラグが得られず、溶接金属の保持力が弱まって全姿勢における溶接作業性が劣化する。従って全Zrの含有量は1.59質量%未満とし、好ましくは1.58質量%以下とする。
なお、全Zr源としては上述の他、Fe−Si−Zr合金、酸化物としてはジルコンサンド、酸化ジルコニウム、含Zr弗化物としてはKZrF等がある。本願ではこれらを単独あるいは複合して用いる。
<その他の成分等>
なお、本実施形態に係るフラックス入りワイヤにおいては、上述の他、フラックス中に、その効果を妨げない範囲で、種々の金属成分やスラグ造滓剤を添加することができ、その種類や量については規制しない。
例えば該当するAWS、JIS等の溶接材料規格に準拠して、又は耐食性及び機械性能の観点から、C、Cu、Co、W、N等がワイヤ中に含有されていてもよく、その合計量としては例えばワイヤ全質量あたり2.0質量%未満である。また、スラグ造滓剤としては、スラグ量やスラグ剥離性の改善、及びアーク安定性等の調整のために、FeO、Fe、NaO、KO、LiOの他、LiCO、CaCO等の金属炭酸塩等がフラックス中に含有されていてもよく、その合計量としては例えばワイヤ全質量あたり1.0質量%未満である。更に、CeOの他、Rで表される希土類元素酸化物は、ワイヤ全質量あたり0.5質量%未満であれば含有されていてもよい。
その他、本実施形態に係るフラックス入りワイヤの残部には、不可避的不純物が含まれ、不可避的不純物としては、P、S、R、Nb、V等が挙げられる。
また、本実施形態に係るフラックス入りワイヤのステンレス鋼製外皮の厚さ、及びワイヤ径(すなわち、直径)は、特に限定されるものではないが、AWS又はJIS等の溶接材料規格に規定された直径、例えば、φ0.8mm、φ0.9mm、φ1.0mm、φ1.2mm、φ1.4mm、φ1.6mm等のワイヤに適用することが出来る。
更に、シールドガス組成としては、ArとCO又はO等との混合ガスの他、100%COを使用することができ、電源及び送給装置としては、サイリスタ、インバータ、パルスの他、各種波形制御電源及び各種送給制御装置を用いることが出来る。
[フラックス入りワイヤの製造方法]
本実施形態に係るフラックス入りワイヤの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す方法で製造することが出来る。
まず、ステンレス鋼製外皮を構成する鋼帯を準備し、この鋼帯を長手方向に送りながら成型ロールにより成型して、U字状のオープン管にする。次に、所定の成分組成となるように、各種原料を配合したフラックスをステンレス鋼製外皮に充填し、その後、断面が円形になるように加工する。その後、冷間加工により伸線し、適宜、光輝焼鈍も加え、例えばφ0.8〜φ1.6mmのワイヤ径のフラックス入りワイヤとする。
なお、ワイヤ断面形状は、ステンレス鋼製外皮に継目のない、あるいは継ぎ目があっても溶接して封じられたシームレスタイプ、更には鋼製外皮に重なりや突合せ、折り目等の継目のあるシームありタイプ、いずれの形態であってもよい。
以下、発明例及び比較例を挙げて、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[ワイヤの製造]
厚さが0.4mm、幅が9mmである鋼帯を準備し、この鋼帯を長手方向に送りながら成型ロールにより成型して、断面がU字状のオープン管にした。次に、所望の設計値となるように各種原料を配合したフラックスを上記オープン管に充填し、断面が円形になるように加工した。その後、冷間加工により伸線するとともに、600〜800℃の無酸化雰囲気での焼鈍を実施し、ワイヤ径がφ1.2mmであるフラックス入りワイヤを製作した。ワイヤ断面形状はステンレス鋼製外皮に重なり目のあるシームありタイプとした。
ステンレス鋼製外皮の化学成分を表1に示す。ワイヤ全質量あたりのステンレス鋼製外皮及びフラックス中のメタル成分の合計した含有量と、ワイヤ全質量あたりのフラックス充填率及びスラグ造滓剤の含有量を表2に示す。ワイヤ全質量あたりのフラックス中のスラグ造滓剤の化学成分を表3に示す。ワイヤ全質量あたりのフラックス中の金属フッ化物の化学成分(F換算値)とその合計、ステンレス鋼製外皮及びフラックス中の化学成分及びワイヤ全質量あたりの各含有量を表4に示す。
なお、ワイヤ中の下記表1〜4に示す成分を除く残部は不可避的不純物である。また表2〜表4において、各成分組成における“−”なる表記は、該当する成分が積極的に添加されていないことを示す。更に、表4中の全Na、全K、全Liは、それぞれ、ステンレス鋼製外皮及びフラックス中に含まれる、Na成分とNa化合物のNa換算値の合計、K成分とK化合物のK換算値の合計、Li成分とLi化合物のLi換算値の合計、を意味する。
なお、外皮記号DのCoは測定値が0.01質量%未満であったため、外皮中のCo含有量は0としてワイヤ成分を算出した。
その後、上記ワイヤを用いて溶接作業性と耐気孔欠陥性を評価した。
<溶接作業性>
全姿勢における溶接作業性は、最も困難な溶接姿勢である45°上向姿勢で溶接することにより判断した。図2を用いて、溶接作業性試験の評価方法を説明する。図2に示すように、面の長手方向に沿ってU字状溝2を形成した供試鋼板1を準備し、これを45°傾けた状態でU字状溝2を下方に向けて固定した。そして、45°上向姿勢にて、U字状溝2の内部を2層2パス溶接し、溶接金属とスラグの垂れ、溶接ビード形状、ヒューム及びスパッタの発生量を官能評価した。供試鋼板1は、厚さが22mm、幅が120mm、長さが250mmであり、U字状溝2の深さは供試鋼板1の表面から10mm、開先角度は60°、溝底部の曲面半径は8mmとした。供試鋼板の化学成分を下記表5に示し、溶接条件を下記表6に示す。
評価基準としては、初層と2層目の溶接時に溶接金属とスラグが垂れる、溶接ビード形状が凸ビードとなるなど、実用に耐えないと判断したものを、全姿勢における溶接作業性が×(不良)であると判断した。また、溶接金属とスラグに軽微な垂れはあるが、実用レベルと判断したものを全姿勢における溶接作業性が○(良好)であると判断した。更に、溶接金属のスラグに垂れはほぼ認められず、溶接ビード形状が良好だったものを、全姿勢における溶接作業性が◎(優良)であると判断した。溶接作業性の評価結果を、下記表7に示す。なお、ヒュームやスパッタの発生量が実用に耐えないと判断したものについても、溶接作業性の評価結果欄に記録した。
<耐気孔欠陥性>
耐気孔欠陥性は、上記製作ワイヤを110℃の温度で1時間乾燥した後、30℃の温度で湿度を80%とした大気雰囲気下で168時間保持(強制吸湿処理)し、750℃の大気雰囲気でJIS K 0068に準拠したカールフィッシャー法(KF法)によってワイヤの吸湿水分量を測定することにより評価した。評価基準としては、168時間吸湿後の水分量が、900ppm未満であったものを○(良好)とし、900ppm以上であったものを×(不良)と判断した。耐気孔欠陥性の評価結果を、下記表7に併せて示す。
上記表2〜4及び表7に示すように、発明例1〜5は、ワイヤ成分が本発明で規定する数値範囲を全て満たしているため、全姿勢における溶接作業性及び耐気孔欠陥性が、いずれも比較例よりも優れたものとなった。特に、発明例1〜3及び発明例5は、表2に示すように、ワイヤ全質量あたり、ステンレス鋼製外皮及びフラックスの合計で、メタルTiの含有量が0.20質量%以上の要件を満たしているため、発明例4よりも溶接ビード形状が良く、優れた溶接作業性が得られた。
一方、比較例1は、表2に示すように、スラグ造滓剤の含有量が本発明範囲の下限を下回り、また、表4に示すように、全Alの含有量及び全Mgの含有量が本発明範囲の下限を下回り、更に、表3に示すように、CaOの含有量が本発明範囲の上限を超えているため、スラグ量が過少かつスラグの融点と粘性が低下して、スラグによる溶接金属の保持力が低下して、全姿勢における溶接作業性が劣化した。
また、表2に示すように、メタルMnの含有量が本発明範囲の上限を超えているため、ヒュームの発生量が多くなり、実用に耐えないものとなった。更に、表4に示すように、メタルMnとともにNaFを含有しているため、ワイヤ吸湿特性が劣化して、耐気孔欠陥性が損なわれた。
比較例2は、表3及び表4に示すように、Biの含有量と全Tiの含有量が本発明範囲の上限を超えているため、均一な肉厚のスラグが得られず、スラグによる溶接金属の保持力が弱まって、全姿勢における溶接作業性が劣化した。また、表4に示すように、全Siの含有量が本発明範囲の上限を超えているため、溶接金属の粘性が過度に高まり、溶接ビード形状が凸ビードになった。更に、表4に示すように、メタルMn、全MgとともにNaFを含有しているため、ワイヤ吸湿特性が劣化して耐気孔欠陥性が損なわれた。
比較例3は、表4に示すように、全Siの含有量が本発明範囲の上限を超えているため、溶接金属の粘性が過度に高まり溶接ビード形状が凸ビードになった。また、表4に示すように、メタルMn、全MgとともにNaFを含有しているため、ワイヤ吸湿特性が劣化して耐気孔欠陥性が損なわれた。
比較例4は、表4に示すように、メタルMn、全MgとともにNaFを含有しているため、ワイヤ吸湿特性が劣化して耐気孔欠陥性が損なわれた。
比較例5は、表4に示すように、全Mgの含有量が本発明範囲の上限を超えているため、スラグの粘性が過度に高くなり、均一な肉厚のスラグが得られず、スラグによる溶接金属の保持力が弱まって、全姿勢における溶接作業性が劣化した。また、表4に示すように、メタルMn、全MgとともにNaFを含有しているため、ワイヤ吸湿特性が劣化して耐気孔欠陥性が損なわれた。
比較例6は、表3及び表4に示すように、Biの含有量と全Alの含有量が本発明範囲の上限を超え、金属フッ化物の合計及びCaOの含有量が本発明範囲の下限を下回っているため、スラグの融点と粘性が過度に低下して、均一な肉厚のスラグが得られず、スラグによる溶接金属の保持力が弱まって全姿勢における溶接作業性が劣化した。また、表4に示すように、メタルMn、全MgとともにNaFを含有しているため、ワイヤ吸湿特性が劣化して耐気孔欠陥性が損なわれた。
比較例7は、表2及び表4に示すように、スラグ造滓剤の含有量及び全Zrの含有量が本発明範囲の上限を超え、表3及び表4に示すように、CaOの含有量と全Siの含有量が本発明範囲の下限を下回っているため、スラグ量が過剰となり、均一な肉厚のスラグが得られず、スラグと溶接金属の垂れが発生して全姿勢における溶接作業性が劣化した。また、表4に示すように、メタルMn、全MgとともにNaFを含有しているため、ワイヤ吸湿特性が劣化して耐気孔欠陥性が損なわれた。
比較例8は、表4に示すように、金属フッ化物のF換算値の合計が本発明範囲の上限を超えているため、スラグの粘性が過度に低下して、スラグによる溶接金属の保持力が失われ、全姿勢における溶接作業性が劣化した。また、表7に示すように、ヒュームとスパッタの発生量も増加して、実用に耐えないものとなった。更に、表4に示すように、メタルMn、全MgとともにNaFを含有しているため、ワイヤ吸湿特性が劣化して耐気孔欠陥性が損なわれた。
1 供試鋼板
2 U字状溝

Claims (3)

  1. ステンレス鋼製外皮にフラックスが充填されたガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤであって、
    ワイヤ全質量あたり、前記フラックス中に、
    スラグ造滓剤:9.33質量%超11.61質量%未満、
    CaO:0.01質量%以上0.16質量%未満、
    金属フッ化物のF換算値の合計:0.19質量%超0.35質量%未満を含有し、
    NaFを実質的に含有せず、
    Bi:0.06質量%未満に規制されており、
    ワイヤ全質量あたり、前記ステンレス鋼製外皮及び前記フラックスの合計で、
    メタルFe:52.00質量%以上60.00質量%以下、
    メタルCr:19.83質量%以上22.47質量%以下、
    メタルNi:7.33質量%以上9.29質量%以下、
    全Si:0.83質量%超1.25%未満、
    全Al:0.02質量%超0.15質量%未満、
    全Mg:0.01質量%以上0.27質量%未満を含有し、
    メタルMn:1.34質量%未満、
    全Ti:4.67質量%未満、
    全Zr:1.59質量%未満に規制されていることを特徴とするフラックス入りワイヤ。
  2. ワイヤ全質量あたりのフラックス充填率が25.0質量%以上29.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のフラックス入りワイヤ。
  3. 前記全Tiは、メタルTiを0.20質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のフラックス入りワイヤ。
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