JP2020199467A - 乳化組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保湿効果に優れる乳化組成物を得る手段を提供すること。【解決手段】下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の合計に対する成分(D)の含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有する組成物(Q)を70℃以上で加熱する工程を含む、乳化組成物の製造方法。(A)スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物(B)融点が20〜150℃である油性成分(C)グリセリン脂肪酸エステル(D)セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度が90%以上である、ポリマー【選択図】なし

Description

本発明は、乳化組成物の製造方法に関する。
α−ゲルは、水和型の結晶構造であり、ラメラ構造を有する。皮膚最外層の角層に存在する角層細胞間脂質も、その大半がこのα−ゲル構造をとっている。そして、皮膚に対して、外部からの物質の侵入、内部からの水分蒸散を抑制するとともに、そのもの自身が水分を保持することで、皮膚の柔軟性やなめらかな外観を保つ機能を有している。皮膚中において、角層は、水分を結合水の形で約33質量%保持しており、角層細胞間脂質は、約13質量%の結合水を保持していることが知られている。
このように、α−ゲルは水分を保持することができるため、化粧料などへの適用が検討されている。
例えば、特許文献1には、セラミド類、グリセリンモノ脂肪酸エステル、高級アルコール等を含有する乳化組成物が、α−ゲル構造を形成することが記載されている。
特開2007−22997号公報
しかしながら、特許文献1に記載の乳化組成物には、保湿効果に改善の余地があった。
本発明は、保湿効果に優れる乳化組成物を得る手段を提供することに関する。
本発明者は、スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、融点が20〜150℃である油性成分と、グリセリン脂肪酸エステルとを含有する乳化組成物の保湿効果について鋭意検討した結果、上記各成分とともに、セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度が90%以上であるポリマーを、特定の含有質量比となるよう共存せしめて70℃以上で加熱することによって、保湿効果に優れる乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の合計に対する成分(D)の含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有する組成物(Q)を70℃以上で加熱する工程を含む、乳化組成物の製造方法を提供するものである。
(A)スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物
(B)融点が20〜150℃である油性成分
(C)グリセリン脂肪酸エステル
(D)セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度が90%以上である、ポリマー
本発明の製造方法によれば、保湿効果に優れる乳化組成物を製造することができる。
本発明の製造方法は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の合計に対する成分(D)の含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)、(B)、(C)、及び(D)を含有する組成物(Q)を70℃以上で加熱する工程を含むものである。
まず、本発明の製造方法で得られる乳化組成物について説明する。
<成分(A)>
本発明で用いる成分(A)の化合物のうち、スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンとしては、下記一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類が挙げられる。
Figure 2020199467
〔式(1)中、
1は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
Yは、メチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;
1、X2、及びX3は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、
4は、水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Yがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。);
2及びR3は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;
a個のRは、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
aは2又は3の数を示し;
破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。〕
式(1)中、R1は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示すが、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましい。
この中でも、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、Y側末端にヒドロキシル基を持つ炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、また、分岐鎖アルキル基の場合は分岐鎖がメチル分岐のもの等が好ましい。好適な具体例としては、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、1−ヒドロキシトリデシル基、1−ヒドロキシペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソステアリル基が挙げられる。
Yは、メチレン基(CH2)、メチン基(CH)又は酸素原子のいずれかを示す。
1、X2、及びX3は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は、水素原子、アセチル基、グリセリル基、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成する置換基を示す。
1、X2、及びX3の組み合わせとしては、X1、X2、及びX3のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子である組み合わせが好ましい。X4としては、水素原子が好ましい。
なお、Yがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。
2及びR3は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示す。R3の中では、水素原子が特に好ましい。
また、aは2又は3の数を示し、aが2のときRはR4及びR5を示し、aが3のときRはR4、R5及びR6を示す。
4、R5及びR6は、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。この炭化水素基に置換し得るヒドロキシアルコキシ基としては、炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のヒドロキシアルコキシ基が好ましい。また、アルコキシ基としては、炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましい。
4、R5及びR6としては、例えば、水素原子;アミジノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、2−エチルへキシル基、イソプロピル基等の直鎖又は分岐鎖アルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシへキシル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2−メトキシエチル基、1−メチル−2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル基等の、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる1〜6個が置換した総炭素数1〜8の炭化水素基が挙げられる。
これらの中でも、R4、R5及びR6としては、水素原子、又はメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基等の、ヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいアルキル基が好ましい。
一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類としては、次の一般式(2)で表わされる天然由来のスフィンゴシン類若しくは同構造の合成物、及びその誘導体(以下、天然型スフィンゴシンともいう。)、又は次の一般式(3)で表わされる擬似型スフィンゴシン類(以下、擬似型スフィンゴシンともいう。)が好ましい。
Figure 2020199467
〔式(2)中、
7は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
1は、メチレン基又はメチン基を示し;
5、X6及びX7は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;
8は、水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Y1がメチン基のとき、X5とX6のいずれか一方が水素原子を示し、他方は存在しない。X8がオキソ基を形成するとき、X7は存在しない。);
8は、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;
a個のR1は、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
aは2又は3の数を示し;
破線部は不飽和結合があってもよいことを示す。〕
Figure 2020199467
〔式(3)中、
9は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
9は、水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
a個のR2は、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
aは2又は3の数を示す。〕
ここで、一般式(2)で表わされる天然型スフィンゴシンについて説明する。
式(2)中、R7としては、炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましく、炭素数13〜15の直鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基がより好ましい。また、式(2)中のaとしては2が好ましく、式(2)中のR1としては、各々独立して水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が好ましい。
一般式(2)で表わされる天然型スフィンゴシンとしては、具体的には、スフィンゴシン(天然のスフィンゴシン)、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、及びこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)等が挙げられる。
これらのスフィンゴシンは天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(−)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。
このような天然型スフィンゴシンの中でも、下記式で表わされる化合物群(α)から選ばれるものが好ましく、PHYTOSPHINGOSINE(INCI名;8th Edition)がより好ましい。
Figure 2020199467
これらは、天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
天然型スフィンゴシンの市販のものとしては、例えば、D−Sphingosine(4−Sphingenine)(SIGMA−ALDRICH社製)、DS−phytosphingosine(DOOSAN社製)、phytosphingosine(コスモファーム社製)が挙げられる。
次に、一般式(3)で表わされる擬似型スフィンゴシン類について説明する。
式(3)中、R9としては、炭素数14〜20のイソ分岐アルキル基が好ましく、イソステアリル基が特に好ましい。イソステアリル基としては、動植物油由来の脂肪酸を用いたダイマー酸製造時の副生成物由来のイソステアリルアルコールを原料油として得られるイソステアリル基がもっとも好ましい。
また、式(3)中、aが2のときR2はRa10及びRa11を示し、aが3のときR2はRa10、Ra11及びRa12を示す。
a10、Ra11及びRa12としては、例えば、水素原子;アミジノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、2−エチルへキシル基、イソプロピル基等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシへキシル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2−メトキシエチル基、1−メチル−2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル基等の、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる置換基を有する総炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。なお、置換基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。
a10及びRa11の組み合わせとしては、Ra10及びRa11のうちいずれか1つが水素原子で、他方が、2−ヒドロキシエチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、又は2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基である組み合わせ(2級アミン)が好ましい。
擬似型スフィンゴシンとしては、式(3)中のR9がイソステアリル基であり、X9が水素原子であり、Ra10が水素原子であり、Ra11が、2−ヒドロキシエチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、又は2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基等の、ヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換したアルキル基であるものが好ましい。
擬似型スフィンゴシンの好適な具体例としては、次の擬似型スフィンゴシン(i)〜(iv)が挙げられる。これらの中では、擬似型スフィンゴシン(ii)が好ましく、1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノールがより好ましい。
なお、擬似型スフィンゴシンは、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。
Figure 2020199467
これらのスフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸塩;アルギニン等の塩基性アミノ酸塩;リン酸、塩酸等の無機酸塩;酢酸等のモノカルボン酸塩;コハク酸等のジカルボン酸塩;クエン酸、乳酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシンの塩としては、コハク酸塩、乳酸塩、アルギニン塩、グルタミン酸塩が好ましく、グルタミン酸塩がより好ましい。
上記のようなスフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩のうち、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩の中では、保存安定性等の観点から、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩が好ましい。
また、成分(A)の化合物のうち、アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の脂肪酸塩(好ましくは炭素数12〜24の脂肪酸塩);ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩(好ましくは炭素数12〜24のアルキル硫酸エステル塩);ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(好ましくはポリオキシエチレン炭素数12〜24アルキルエーテル硫酸エステル塩);ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩(好ましくは炭素数12〜24のアシル基を有するN−アシルサルコシン塩);モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩(好ましくは炭素数12〜24のアルキルリン酸塩);ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩(好ましくはポリオキシエチレン炭素数12〜24アルキルエーテルリン酸塩);ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩(好ましくはジ(炭素数6〜12アルキル)スルホコハク酸塩);N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等のN−アルキロイルメチルタウリン塩(好ましくは炭素数12〜24のアルキロイル基を有するN−アルキロイルメチルタウリン塩);N−ラウロイル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン等のN−アシルグルタミン酸塩(好ましくは炭素数12〜24のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸塩)などが挙げられる。これらのアニオン界面活性剤のうち、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのアニオン界面活性剤の中では、炭素数12〜24のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸塩、炭素数12〜24の脂肪酸塩、ポリオキシエチレン炭素数12〜24アルキルエーテルリン酸塩が好ましく、炭素数12〜24のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸塩がより好ましく、炭素数12〜20のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸塩が更に好ましく、N−ステアロイル−L−グルタミン酸塩が特に好ましい。
なお、アニオン界面活性剤は、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。
また、成分(A)の化合物のうち、カチオン界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、アミン塩型カチオン界面活性剤が挙げられるが、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が好ましい。なお、アミン塩型カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩が挙げられる。
このようなカチオン界面活性剤の中でも、下記一般式(7)で表わされる第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が好ましい。
Figure 2020199467
〔式(7)中、
31は、炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、
32は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、
33及びR34は、各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6以上の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示し、
AN-は、塩形成アニオンを示す。〕
式(7)中、R31、R33及びR34で示される「直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基」の炭素数は、好ましくは6〜30、より好ましくは8〜24、更に好ましくは12〜22、特に好ましくは16〜20である。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基が挙げられる。これらの中では、アルキル基、アルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
上記アルキル基の炭素数は、上記と同様に、好ましくは6〜30、より好ましくは8〜24、更に好ましくは12〜22、特に好ましくは16〜20である。また、上記アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルデシル基、ドデシル基、1−メチルウンデシル基、1−エチルデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基等が挙げられる。
上記アルケニル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。例えば、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基等が挙げられる。
上記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
32、R33及びR34で示される「炭素数1〜4のアルキル基」の炭素数は、好ましくは1又は2、特に好ましくは1である。また、このアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
33及びR34の組み合わせとしては、R33及びR34がともに、炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせ、R33及びR34のうち1つが炭素数1〜4のアルキル基であり、残余が炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である組み合わせ、R33及びR34がともに、炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である組み合わせが挙げられる。これら組み合わせの中では、R33及びR34がともに、炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせ、R33及びR34のうち1つが炭素数1〜4のアルキル基であり、残余が炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である組み合わせが好ましく、R33及びR34のうち1つが炭素数1〜4のアルキル基であり、残余が炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である組み合わせがより好ましい。
また、式(7)中、AN-は、塩形成アニオンを示す。例えば、ハロゲン化物イオン(例えば塩化物イオン、ヨウ化物イオン)、硫酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、モノアルキル硝酸イオン(例えばメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン)等が挙げられ、ハロゲン化物イオンが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩類;塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジアルキルジメチルアンモニウム塩類;トリアルキルメチルアンモニウム塩類などが挙げられる。これらのカチオン界面活性剤のうち、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、カチオン界面活性剤は、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。
成分(A)の化合物は、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよいが、スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン及び擬似スフィンゴシンの塩から選ばれる1種又は2種以上を少なくとも用いるのが、保存安定性等の観点から好ましい。中でも、フィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンの塩、擬似型スフィンゴシン(ii)、及び擬似型スフィンゴシン(ii)の塩から選ばれる1種又は2種以上を少なくとも用いるのがより好ましく、フィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンの塩、1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノール、及び1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノールの塩から選ばれる1種又は2種以上を少なくとも用いるのが特に好ましい。
なお、スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン及び擬似スフィンゴシンの塩から選ばれる1種又は2種以上を少なくとも用いる場合、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を更に含有せしめてもよい。
成分(A)の含有量は、保存安定性、安全性、保湿効果の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.2質量%以上である。また、保存安定性、安全性、保湿効果の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.6質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明で得られる乳化組成物中、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下が更に好ましく、0.2質量%以上0.6質量%以下が特に好ましい。
なお、本明細書において、成分(A)のうち、スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤の乳化組成物中の含有量については、酸換算の質量を示す。以下、成分(A)と他の成分との含有質量比などにおいても同様である。
また、70℃以上で加熱する組成物(Q)中の各成分の含有量や含有質量比は、乳化組成物中の含有量や含有質量比と同様の範囲が好ましい。
また、本発明で得られる乳化組成物中、成分(D)のポリマーに対する成分(A)の含有質量比〔(A)/(D)〕は、保湿効果の観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.05以上、特に好ましくは0.1以上である。また、保湿効果の観点から、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1以下、特に好ましくは0.5以下である。具体的な範囲としては、0.005以上2以下が好ましく、0.01以上1.5以下がより好ましく、0.05以上1以下が更に好ましく、0.1以上0.5以下が特に好ましい。
<成分(B)>
本発明で得られる乳化組成物は、(B)融点が20〜150℃である油性成分を含有する。
成分(B)の「融点が20〜150℃である油性成分」は、油性成分のうち融点が20〜150℃のものであるが、成分(A)、(C)及び成分(D)を除く概念である。融点が20〜150℃である油性成分としては、25℃で固体状のものが好ましく、融点が40〜125℃のものがより好ましく、融点が45〜100℃のものが特に好ましい。
融点が20〜150℃である油性成分としては、セラミド類;コレステロール、デヒドロコレステロール、β−シトステロール、ステアロイルコレステリルエステル、イソステアロイルコレステリルエステル、植物油脂肪酸コレステリルエステル等のステロール類及びその類縁化合物;ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、キミルアルコール等の高級アルコール及びその類縁化合物等が挙げられる。これらのうち、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、保湿効果の観点から、(b−1)セラミド類及び(b−2)高級アルコールから選ばれる1種以上が好ましく、(b−1)セラミド類及び(b−2)高級アルコールを組み合わせて用いることがより好ましい。
(b−1)セラミド類としては、一般式(4)で表わされるものが挙げられる。
Figure 2020199467
〔式(4)中、
11は、ヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、又は水素原子を示し;
Zは、メチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;
11、X12及びX13は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、
14は、水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X14がオキソ基を形成するとき、X13は存在しない。);
12及びR13は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)又はアセトキシメチル基を示し;
14は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよく、また、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
15は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(なお、R11が水素原子、Zが酸素原子のとき、R15は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数10〜30の炭化水素基が好ましく、また、R11が炭化水素基のとき、R15は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい);
破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。〕
式(4)中、R11で示される「ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基」としては、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましい。
Zは、メチレン基、メチン基又は酸素原子を示す。
11、X12及びX13は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示す。X11、X12及びX13の組み合わせとしては、X11、X12及びX13のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子である組み合わせが好ましい。Zがメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。
また、X14としては、水素原子、グリセリル基が好ましい。
12及びR13は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR12は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR13は水素原子である。
14は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよく、また、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。R14としては、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
15は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。
11が水素原子、Zが酸素原子のとき、R15は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数10〜30の炭化水素基が好ましい。また、R11が炭化水素基のとき、R15は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基がより好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
セラミド類としては、次の一般式(5)で表わされる天然由来のセラミド類若しくは同構造の合成物及びその誘導体(以下、天然型セラミドともいう。)、又は次の一般式(6)で表わされる擬似型セラミド類(以下、擬似型セラミドともいう。)が好ましい。天然型セラミド、擬似型セラミドの中では、生産性等の観点から、擬似型セラミドが好ましい。
Figure 2020199467
〔式(5)中、
21は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
1は、メチレン基又はメチン基を示し;
15、X16、及びX17は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;
18は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基のとき、X15とX16のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X18がオキソ基を形成するとき、X17は存在しない。);
22は、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)又はアセトキシメチル基を示し;
23は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;
24は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)であるか、又は該炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。〕
Figure 2020199467
〔式(6)中、
25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、又は水素原子を示し;
19は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
26はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)であるか、又は該炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30の炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)を示す。〕
ここで、一般式(5)で表わされる天然型セラミドについて説明する。
式(5)中、R21で示される炭化水素基の炭素数は7〜19であるが、好ましくは11〜15、より好ましくは13〜15である。また、R21で示される炭化水素基としては、直鎖アルキル基が好ましい。
18は、水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成する。
また、R24としては、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数9〜27の直鎖アルキル基、又は該アルキル基のω末端にリノール酸がエステル結合した基が好ましい。R24としては、トリコシル基、1−ヒドロキシペンタデシル基、1−ヒドロキシトリコシル基、ヘプタデシル基、1−ヒドロキシウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基、ペンタコシル基がより好ましい。
天然型セラミドの具体例としては、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びヒトのセラミド類)が挙げられる。
更にこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)も、天然型セラミドに含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。
天然型セラミドの中では、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが特に好ましい。
Figure 2020199467
これらは、天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、例えば、Ceramide I、Ceramide II、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC−001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS−Ceramide VI、DS−CLA−Phytoceramide、C6−Phytoceramide、DS−ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)が挙げられる。
Figure 2020199467
次に、一般式(6)で表わされる擬似型セラミド類について説明する。
式(6)中、R26としては、へプチル基、1−ヒドロキシへプチル基、ノニル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
また、R25が水素原子の場合、R27としては、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30の炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)が好ましく、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10〜30の炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)がより好ましく、総炭素数12〜20のアルキル基が特に好ましい。
25が、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合には、R27としては、水素原子であるか、或いはヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
27におけるヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては、炭素数1〜7のものが好ましい。
擬似型セラミド類の中では、一般式(6)中のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;一般式(6)中のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;一般式(6)中のR25がヘキサデシル基、X19がグリセリル基、R26がトリデシル基、R27が3−メトキシプロピル基のもの;一般式(6)中のR25が水素原子、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がドデシル基のもの;一般式(6)中のR25が水素原子、X19が水素原子、R26が1−ヒドロキシへプチル基、R27がドデシル基のものが好ましく、
一般式(6)中のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;一般式(6)中のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;一般式(6)中のR25がヘキサデシル基、X19がグリセリル基、R26がトリデシル基、R27が3−メトキシプロピル基のものがより好ましく、
一般式(6)中のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの(N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド(融点:約75℃))が特に好ましい。
Figure 2020199467
Figure 2020199467
成分(b−1)のセラミド類は、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(b−2)高級アルコールとしては、炭素数10〜24の1価アルコール、グリセロールモノC10〜24アルキルエーテルが挙げられる。この中では、炭素数10〜24の1価アルコールが好ましく、炭素数12〜22の1価アルコールがより好ましく、炭素数14〜22の1価アルコールが特に好ましい。また、高級アルコールは、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、また、飽和アルコールでも不飽和アルコールでもよいが、直鎖状の飽和又は不飽和アルコールが好ましい。
(b−2)高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、バチルアルコール、キミルアルコール等が挙げられる。これらの中では、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましく、セタノール(融点:約50℃)、ベヘニルアルコールがより好ましい。
なお、(b−2)の高級アルコールは、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成分(B)の含有量は、保存安定性、安全性、保湿効果の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上である。また、保存安定性、安全性、保湿効果の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明で得られる乳化組成物中、0.001質量%以上15質量%以下が好ましく、0.05質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上7質量%以下が更に好ましく、2質量%以上5質量%以下が特に好ましい。
また、本発明で得られる乳化組成物中、成分(D)のポリマーに対する成分(B)の含有質量比〔(B)/(D)〕は、保湿効果の観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.5以上、特に好ましくは0.75以上である。また、保湿効果の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下、特に好ましくは7.5以下である。具体的な範囲としては、0.05以上20以下が好ましく、0.1以上15以下がより好ましく、0.5以上10以下が更に好ましく、0.75以上7.5以下が特に好ましい。
<成分(C)>
本発明で得られる乳化組成物は、(C)グリセリン脂肪酸エステルを含有する。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、乳化安定性の点から、グリセリンモノ脂肪酸エステルが好ましい。グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、炭素数10〜24の脂肪酸の残基を有するものが好ましく、炭素数16〜24の脂肪酸の残基を有するものがより好ましく、炭素数18〜24の脂肪酸の残基を有するものが特に好ましい。また、グリセリンモノ脂肪酸エステルを構成する「脂肪酸」は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、飽和脂肪酸の残基を有するものが好ましく、直鎖の飽和脂肪酸の残基を有するものがより好ましい。
グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンモノイソステアリン酸エステル、グリセリンモノリノール酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステルが好ましい。
なお、成分(C)のグリセリン脂肪酸エステルは、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成分(C)の含有量は、保存安定性、安全性、保湿効果の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上である。また、保存安定性、安全性、保湿効果の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明で得られる乳化組成物中、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.05質量%以上7質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以上3質量%以下が特に好ましい。
また、本発明で得られる乳化組成物中、成分(D)のポリマーに対する成分(C)の含有質量比〔(C)/(D)〕は、保湿効果の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.3以上である。また、保湿効果の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、特に好ましくは1以下である。具体的な範囲としては、0.01以上10以下が好ましく、0.05以上5以下がより好ましく、0.1以上3以下が更に好ましく、0.3以上1以下が特に好ましい。
また、成分(B)として成分(b−1)及び(b−2)を組み合わせて用いた場合において、本発明で得られる乳化組成物中、成分(b−1)、(b−2)及び(C)の合計に対する成分(b−1)の含有質量比〔(b−1)/{(b−1)+(b−2)+(C)}〕は、α型構造のゲルとし保存安定性に優れたものとする観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上である。また、α型構造のゲルとし保存安定性に優れたものとする観点から、好ましくは1以下、より好ましくは0.75以下、特に好ましくは0.6以下である。具体的な範囲としては、0.1以上1以下が好ましく、0.1以上0.75以下がより好ましく、0.2以上0.6以下が特に好ましい。
また、成分(B)として成分(b−2)を用いた場合において、本発明で得られる乳化組成物中、成分(b−2)及び(C)の合計に対する成分(C)の含有質量比〔(C)/{(b−2)+(C)}〕は、α型構造のゲルとし保存安定性に優れたものとする観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.25以上である。また、α型構造のゲルとし保存安定性に優れたものとする観点から、好ましくは1以下、より好ましくは0.75以下、特に好ましくは0.65以下である。具体的な範囲としては、0.1以上1以下が好ましく、0.1以上0.75以下がより好ましく、0.25以上0.65以下が特に好ましい。
<成分(D)>
本発明で得られる乳化組成物は、(D)セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度が90%以上であるポリマーを含有する。
上記の光透過度は、保湿効果の観点から、好ましくは92.5%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは96%以上、特に好ましくは98%以上である。また、上記の光透過度は通常100%未満である。
なお、本明細書において、上記の光透過度は、セタノール100質量部に対してポリマー25質量部を85℃で混合し、この混合液について、以下の装置・条件で測定した光透過度をいう。
(光透過度の測定装置・測定条件)
装置:分光光度計
波長:555nm
光路長:1cm
また、成分(D)のポリマーとしては、主鎖のガラス転移温度Tgが25℃以下のものが好ましい。
主鎖のガラス転移温度Tgは、保湿効果の観点から、より好ましくは15℃以下、更に好ましくは0℃以下、更に好ましくは−25℃以下、更に好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−100℃以下である。主鎖のガラス転移温度Tgの下限値は特に限定されないが、例えば−150℃である。
なお、本明細書において、主鎖のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量測定(DSC)等で測定されたものをいい、例えば、成分(D)のポリマーの主鎖部分に対応する、成分(D)のポリマーの原料ポリマーのガラス転移温度TgをDSCで測定する、或いは成分(D)のポリマーから化学反応により主鎖部分以外を脱離させたポリマーのガラス転移温度TgをDSCで測定するなどして求めることができる。但し、成分(D)のポリマーが末端変性シリコーンのような末端変性ポリマーの場合、末端に導入されているセグメントは、主鎖のガラス転移温度Tgを測定する上においては「主鎖」に包含されないものとする。例えば、シリコーン鎖とポリエーテル基とを有する共重合体の側鎖又は末端にアルキル基を導入したポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、シリコーン鎖とポリグリセリル基とを有する共重合体の側鎖又は末端にアルキル基を導入したポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン、両末端型ポリエーテル変性シリコーンの「主鎖のガラス転移温度Tg」は、これらポリマーのシリコーン鎖(オルガノポリシロキサンセグメント)のガラス転移温度Tgを意味するものとする。
また、成分(D)のポリマーは、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、両性ポリマーのいずれでもよいが、保湿効果の観点から、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーが好ましく、カチオン性ポリマーがより好ましい。
カチオン性ポリマーは、カチオン性基を有するものであればよく、カチオン性基を主鎖に有するものでもカチオン性基を側鎖に有するものでもよい。この中では、カチオン性基を側鎖に有するものが好ましい。
ここで、本明細書において、カチオン性基は、第4級アンモニウム基のようなカチオンを有する基の他、系内にプロトンが存在する場合にカチオンとなり得る基を包含する概念である。例えば、第1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム基、ビグアニド残基等が挙げられる。これらの中では、保湿効果の観点から、第1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム基が好ましく、第1〜3級アミノ基がより好ましく、第2級アミノ基が特に好ましい。
成分(D)のポリマーがカチオン性ポリマーである場合、当該ポリマーの電荷密度は、保湿効果の観点から、好ましくは0.01meq/g以上、より好ましくは0.03meq/g以上、更に好ましくは0.05meq/g以上、更に好ましくは0.08meq/g以上、更に好ましくは0.1meq/g以上、更に好ましくは0.15meq/g以上、特に好ましくは0.2meq/g以上である。また、保湿効果の観点から、好ましくは10.0meq/g以下、より好ましくは9.0meq/g以下、更に好ましくは8.0meq/g以下、特に好ましくは2.0meq/g以下である。具体的な範囲としては、0.01meq/g以上10.0meq/g以下が好ましく、0.1meq/g以上9.0meq/g以下がより好ましく、0.15meq/g以上8.0meq/g以下が更に好ましく、0.2meq/g以上2.0meq/g以下が特に好ましい。
なお、本明細書において、カチオン性ポリマーの電荷密度とは、単位体重量当たりの電荷の分布量をいい、ゼータ電位測定装置等で測定することができる。
また、成分(D)のポリマーとしては、オルガノポリシロキサンセグメント、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント、ポリオキシアルキレンセグメント、ポリグリセリンセグメント、アルキルセグメント、ヒドロキシアルキルセグメント(例えばヒドロキシプロピルセグメント)及び不飽和モノマー由来の構造単位の繰り返しを含むセグメントから選ばれる1種又は2種以上のセグメントを有するものが好ましい。不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマー、スチレン系モノマー等が挙げられる。これら不飽和モノマーの中では、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー(好ましくは炭素数12〜20の(メタ)アクリレート系モノマー)が好ましい。
成分(D)のポリマーは、上記のセグメントを主鎖に有していても側鎖に有していてもよいが、保湿効果の観点から、オルガノポリシロキサンセグメント、ポリオキシアルキレンセグメント及び不飽和モノマー由来の構造単位の繰り返しを含むセグメントから選ばれる1種又は2種以上のセグメントを主鎖として有するものが好ましく、オルガノポリシロキサンセグメントを主鎖として有するものがより好ましい。なお、成分(D)のポリマーが、オルガノポリシロキサンセグメントを主鎖に含む場合(シリコーン系ポリマーの場合)、「主鎖のガラス転移温度Tg」における「主鎖」はオルガノポリシロキサンセグメントである。
また、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント、ポリオキシアルキレンセグメント、ポリグリセリンセグメント及びアルキルセグメントから選ばれる1種又は2種以上のセグメントを側鎖として有するものが好ましい。
このようなポリマー種の中でも、成分(D)のポリマーとしては、保湿効果の観点から、オルガノポリシロキサンセグメントを主鎖として有し、且つポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント、ポリオキシアルキレンセグメント、ポリグリセリンセグメント及びアルキルセグメントから選ばれる1種又は2種以上のセグメントを側鎖として有するグラフトポリマーが好ましい。
また、成分(D)のポリマーとしては、具体的には、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン(例えばオキサゾリン変性シリコーン);アミノ変性シリコーン;ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン;ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン;両末端型ポリエーテル変性シリコーン;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(好ましくは数平均分子量1000〜30000のポリアルキレングリコール、より好ましくは数平均分子量3000〜15000のポリアルキレングリコール);ポリラウリル(メタ)アクリレート、ポリミリスチル(メタ)アクリレート、ポリステアリル(メタ)アクリレート、ポリベヘニル(メタ)アクリレート等のポリアルキル(メタ)アクリレート(好ましくは炭素数12〜20のアルキル(メタ)アクリレートのホモポリマー)等が挙げられる。なお、これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中では、保湿効果の観点から、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、ポリアルキレングリコールが好ましく、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンが特に好ましい。
(ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン)
上記ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンとしては、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(11)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が10000〜200000である、オルガノポリシロキサン(以下、このオルガノポリシロキサンを、オルガノポリシロキサン(OX)ともいう)が好ましい。
Figure 2020199467
〔式(11)中、R41は、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、tは2又は3を示す。〕
ここで、オルガノポリシロキサン(OX)について詳細に説明する。
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントは、オルガノポリシロキサンセグメントを構成する任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して少なくとも2つ結合しているが、オルガノポリシロキサンセグメントの両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合しているのが好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合しているのがより好ましい。
ヘテロ原子を含むアルキレン基は、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの連結基として機能する。
ヘテロ原子を含むアルキレン基としては、例えば、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられる。この中でも、保湿効果の観点から、下記式(A1)〜(A7)のいずれかで表される基が好ましく、式(A1)又は(A2)で表される基がより好ましく、式(A1)で表される基が特に好ましい。
なお、式中、An-は、第4級アンモニウム塩の対イオンを示す。例えば、ハロゲン化物イオン(例えば塩化物イオン、ヨウ化物イオン)、硫酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、モノアルキル硝酸イオン(例えばメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン)等が挙げられる。
Figure 2020199467
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを構成するN−アシルアルキレンイミン単位において、一般式(11)中、R41で示されるアルキル基の炭素数は1〜22であるが、好ましくは1〜14、より好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3である。また、上記アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
41で示されるアラルキル基としては、炭素数7〜15のアラルキル基が好ましい。例えば、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等が挙げられる。
41で示されるアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましい。例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、フェナントリル基等が挙げられる。
これらの中でも、R41としては、水素原子、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
式(11)中のtは2又は3を示すが、2が好ましい。
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメント(a)と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント(b)との質量比(a/b)としては、保湿効果の観点から、45/55〜82/18が好ましく、60/40〜80/20がより好ましく、65/35〜80/20が更に好ましく、68/32〜80/20が更に好ましく、70/30〜79/21が特に好ましい。
なお、本明細書において、質量比(a/b)は、オルガノポリシロキサン(OX)を重クロロホルム中に5質量%溶解させ、核磁気共鳴(1H−NMR)分析により、オルガノポリシロキサンセグメント中のアルキル基又はフェニル基と、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント中のメチレン基の積分比より求めた値をいう。
オルガノポリシロキサン(OX)において、隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(以下、「MWg」ともいう)は、保湿効果の観点から、好ましくは1000〜40000、より好ましくは1500〜30000、特に好ましくは1750〜5000である。
本明細書において、「隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式(12)に示すように、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接するポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR42SiO単位と、1つのR43と、y+1個の(R422SiO単位とから構成されるセグメントをいう。また、「ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント」とは、上記R43に結合する−Z11−R44をいう。
Figure 2020199467
〔式(12)中、R42はそれぞれ独立に炭素数1〜22のアルキル基又はフェニル基を示し、R43はヘテロ原子を含むアルキレン基を示し、−Z11−R44はポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントを示し、R44は重合開始剤の残基又は水素原子を示し、yは正の数を示す。なお、複数のR42、R43、R44は、同じであっても異なっていてもよい。〕
MWgは、上記式(12)において破線で囲まれた部分の分子量であるが、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができる。なお、原料化合物の変性オルガノポリシロキサンの官能基がポリ(N−アシルアルキレンイミン)で100%置換されると、変性オルガノポリシロキサンの官能基当量(g/mol)と一致する。
また、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの分子量は、N−アシルアルキレンイミン単位の分子量と重合度から算出するか、又はゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)法により測定することができるが、本明細書においては、後記の測定条件で行なったGPCにより測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(以下、MNoxともいう)をいうものとする。MNoxは、保湿効果の観点から、好ましくは800〜3500、より好ましくは1000〜3000である。
また、MWgは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの含有率(質量%)(以下、Csiともいう)を用いて、下記式(I)により求めることができる。
MWg = Csi×MNox/(100−Csi) (I)
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(以下、MWsiともいう)は、保湿効果の観点から、好ましくは15000〜160000、より好ましくは20000〜150000、特に好ましくは25000〜100000である。
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントは、原料化合物の変性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiは、原料化合物の変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量と略同一である。なお、原料化合物の変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、下記の測定条件で行なったGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量の測定条件)
カラム:Super HZ4000+Super HZ2000(東ソー株式会社製)
溶離液:1mMトリエチルアミン/THF
流量 :0.35mL/min
カラム温度:40℃
検出器:UV
サンプル:50μL
オルガノポリシロキサン(OX)の重量平均分子量(以下、MWtともいう)は、保湿効果の観点から、好ましくは12000〜200000、より好ましくは25000〜160000、特に好ましくは35000〜150000である。MWtは、後記の測定条件で行なったGPCにより測定されるポリスチレン換算の値をいうものとする。
(MNox及びMWtの測定条件)
カラム:K‐804L(東ソー社製)2つを直列につないで使用
溶離液:1mMジメチルドデシルアミン/クロロホルム
流量 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
サンプル:50μL
なお、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントがポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)セグメントの場合、質量比(a/b)算出のための1H−NMR測定は、例えば、下記の条件で行うことができる。
1H−NMR測定条件)
ポリマーサンプル0.5gを測定溶剤(重クロロホルム)2gで溶解させたものについて、1H−NMR(400MHz Varian製)により測定する。そして、各積分値よりシリコーンとポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の比率を算出する。
PULSE SEQUENCE
・Relax.delay: 30秒 ・Pulse: 45degrees ・積算回数: 8回
確認ピーク 0ppm付近:ポリジメチルシロキサンのメチル基、
3.4ppm付近:エチレンイミンのメチレン部分。
オルガノポリシロキサン(OX)は、特開2008−143820号公報、特開2009−24114号公報、特開2015−67603号公報等に記載の方法に従って合成して得たものを用いてもよい。例えば、上記の「ヘテロ原子を含むアルキレン基」を誘導する官能基で変性されたオルガノポリシロキサンと、一般式(11)で表される繰り返し単位に対応する環状イミノエーテルを開環重合して得られる末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン)とを反応させることにより製造できる。
具体的に本発明に用いられるオルガノポリシロキサン(OX)としては、特開2009−24114号公報 実施例8の記載に準じて調製したもの(主鎖のTg:−121℃、セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度:98%、電荷密度:0.3meq/g)や、特開2008−143820号公報 合成例1の記載に準じて調製したもの(主鎖のTg:−121℃、セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度:96%、電荷密度:0.045meq/g)等が挙げられる。
(アミノ変性シリコーン)
上記アミノ変性シリコーンとしては、下記一般式(13)で表されるものが挙げられる。
Figure 2020199467
〔式(13)中、
51〜R53は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基、又は炭素数1〜20の1価の有機基を示し、
54は、下記一般式(14)で表される基を示し、
55〜R56は、各々独立して、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の1価の有機基、又は下記一般式(14)で表される基を示し、
57〜R60は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の1価の有機基、又は下記一般式(14)で表される基を示し、
dは、10≦d≦10000の数を示し、
eは、0.1≦e≦1000の数を示す。〕
Figure 2020199467
〔式(14)中、
61〜R62は、各々独立して、炭素数1〜8のアルカンジイル基を示し、
63〜R65は、各々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の1価の有機基を示し、
fは、0≦f≦6の数を示し、
*は、結合手を示す。〕
式(13)中、R51〜R53、R55〜R56、R57〜R60で示される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基等のハロゲノアルキル基などが挙げられる。
また、R51〜R53としては、炭素数1〜20の1価の有機基が好ましい。また、式(13)中に含まれる全てのR51〜R53のうち、90モル%以上がメチル基であるのが好ましい。
55〜R56、R57〜R60で示されるアルコキシ基の炭素数は1〜20であるが、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6である。また、アルコキシ基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
55〜R56、R57〜R60としては、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の1価の有機基が好ましく、ヒドロキシル基、メトキシ基、メチル基がより好ましい。
また、dは、10≦d≦10000の数であるが、100≦d≦2000が好ましい。
また、eは、0.1≦e≦1000の数であるが、1≦e≦100が好ましい。
また、d及びeの和としては、数平均で10以上1000未満が好ましく、数平均で30以上1000未満がより好ましく、数平均で40以上800未満が特に好ましい。
式(14)中、R61〜R62は、各々独立して、炭素数1〜8のアルカンジイル基を示す。
61で示されるアルカンジイル基の炭素数は、好ましくは1〜6である。一方、R62で示されるアルカンジイル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。
61〜R62で示されるアルカンジイル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルカンジイル基としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。これらの中でも、R61としては、プロパン−1,3−ジイル基(トリメチレン基)が好ましく、R62としては、エタン−1,2−ジイル基(ジメチレン基)が好ましい。
また、R63〜R65は、各々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の1価の有機基を示す。R63〜R65で示される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;アセチル基、プロピオニル基等のアルカノイル基の他、これらの基の水素原子の一部又は全部を、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる置換基で置換した基、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基等のハロゲノアルキル基;酸無水物、エポキシ化合物、アクリル化合物との反応により得られる1価の有機基(例えば−COCH3、−CH2CH(OH)CH2OH、−CH2CH(OH)CH2OCH2CH2OH)などが挙げられる。
63〜R65としては、水素原子が特に好ましいが、R63〜R65の少なくとも1つが水素原子の場合に、残りの基の一部又は全部が、上記の酸無水物、エポキシ化合物、アクリル化合物との反応により得られる1価の有機基などの基であってもよい。
また、fは、0≦f≦6の数を示すが、好ましくは0≦f≦3の数である。
このようなR54としては、具体的に下記のものが挙げられる。
Figure 2020199467
また、アミノ変性シリコーンのアミノ当量は、好ましくは200g/mol〜3万g/mol、より好ましくは400g/mol〜1万g/mol、特に好ましくは600g/mol〜5000g/molである。
アミノ変性シリコーンとしては、アモジメチコン、アミノエチルアミノプロピルジメチコン、アミノプロピルジメチコンが好ましい。
アミノ変性シリコーンは、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。アミノ変性シリコーンの市販品としては、SF8451C、SF8452C、SF8457C(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KF8003、KF867(以上、GE東芝シリコーン社製)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等のアモジメチコーンエマルションが挙げられる。また、アミノ変性シリコーンオイルは、エマルションの形で配合してもよい。なお、アミノ変性シリコーンのエマルションは、機械的乳化(アミノ変性シリコーンと水との高剪断機械混合)、化学的乳化(アミノ変性シリコーンを水及び乳化剤で乳化)、若しくはこれらの組み合わせによって、又は乳化重合によっても調製することができる。
(ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン)
上記ポリエーテル・アルキル共変性シリコーンは、シリコーン鎖とポリエーテル基とを有する共重合体の側鎖又は末端にアルキル基(好ましくは炭素数6〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基)を導入したものである。また、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーンには、更にシリコーンデンドロン基を側鎖又は末端に導入したものも包含される。
ポリエーテル・アルキル共変性シリコーンに含まれるポリエーテル基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられ、これらを組み合わせて含んでいてもよい。
ポリエーテル・アルキル共変性シリコーンのHLBは、好ましくは2以上6以下、より好ましくは3以上5以下である。
ここで、本明細書において、HLBは、親水性−親油性のバランス(Hydrophile−Lipophile Balance)を示す指標であり、小田・寺村らによる次式により定義される。
HLB = (Σ無機性値 / Σ有機性値) × 10
ポリエーテル・アルキル共変性シリコーンとしては、具体的には、セチルPEG/PPG10−1ジメチコン[ABIL EM90、EM180(いずれもエボニックジャパン社製)、KF−6048(信越化学工業社製)]、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン[KF−6038(信越化学工業社製)]、ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン[DC5200(東レ・ダウコーニング社製)]、ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン[ES−5300(東レ・ダウコーニング社製)]等が挙げられる。
(ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン)
上記ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンは、シリコーン鎖とポリグリセリル基とを有する共重合体の側鎖又は末端にアルキル基(好ましくは炭素数6〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基)を導入したものである。また、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンには、更にシリコーンデンドロン基を側鎖又は末端に導入したものも包含される。
ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンの25℃における粘度は、好ましくは1000mm2/s以上6000mm2/s以下である。
ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンのHLBは、好ましくは2以上6以下、より好ましくは3以上5以下である。
ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンとしては、具体的には、ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン[KF−6105(信越化学工業社製)]、セチルジグリセリルトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン[ES−5600(東レ・ダウコーニング社製)]等が挙げられる。
(両末端型ポリエーテル変性シリコーン)
上記両末端型ポリエーテル変性シリコーンは、シリコーン鎖とポリエーテル基とを有する共重合体であり、共重合の形態として、シリコーン鎖の双方の末端にポリエーテル基が結合したものである。
両末端型ポリエーテル変性シリコーンに含まれるポリエーテル基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられ、これらを組み合わせて含んでいてもよい。
両末端型ポリエーテル変性シリコーンのHLBは、好ましくは2以上6以下、より好ましくは3以上5以下である。
両末端型ポリエーテル変性シリコーンとしては、具体的には、ビス(PEG/PPG−14/14)ジメチコン[ABIL EM97(エボニックジャパン社製)]等が挙げられる。
なお、成分(D)のポリマーは、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成分(D)の含有量は、保湿効果の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上である。また、保湿効果の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7.5質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明で得られる乳化組成物中、0.01質量%以上15質量%以下が好ましく、0.05質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上7.5質量%以下が更に好ましく、1質量%以上5質量%以下が特に好ましい。
本発明で得られる乳化組成物は、成分(A)、(B)及び(C)の合計に対する成分(D)の含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下のものである。
また、本発明で得られる乳化組成物中、含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕は、保湿効果の観点から、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.2以上である。また、保湿効果の観点から、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.9以下、更に好ましくは0.85以下、特に好ましくは0.8以下である。具体的な範囲としては、0.03以上0.95以下が好ましく、0.05以上0.9以下がより好ましく、0.1以上0.85以下が更に好ましく、0.2以上0.8以下が特に好ましい。
<成分(E)>
本発明で得られる乳化組成物としては、保存安定性、使用感、保湿効果等の観点から、成分(A)〜(D)に加えて、更に(E)水を含有するものが好ましい。
水の含有量は、肌改善効果等の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。また、使用感等の観点から、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは99.99質量%以下、より好ましくは97.5質量%以下、特に好ましくは95質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明で得られる乳化組成物中、30質量%以上99.99質量%以下が好ましく、50質量%以上97.5質量%以下がより好ましく、60質量%以上95質量%以下が特に好ましい。
<成分(F)>
本発明で得られる乳化組成物としては、保存安定性、使用感、肌へののび広がり等の観点から、成分(A)〜(D)に加えて、更に(F)多価アルコールを含有するものが好ましい。なお、(E)水と(F)多価アルコールを組み合わせて含有せしめてもよい。なお、成分(F)の多価アルコールは、成分(B)を除く概念である。
多価アルコールとしては、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、ソルビタン、グルコース、フルクトース、シュークロース、マルトース等が挙げられる。これらの中では、グリセリンが特に好ましい。
なお、多価アルコールは、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
多価アルコールの含有量は、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、特に好ましくは5質量%以上である。また、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
また、本発明で得られる乳化組成物は、その他の水性基剤(例えばエタノール、プロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコール)等を含んでいてもよい。
また、本発明で得られる乳化組成物は、更に、融点20℃未満の油性成分を含んでいてもよい。融点20℃未満の油性成分の含有量は、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0質量%以上20質量%以下である。
また、本発明で得られる乳化組成物は、化粧料に通常用いられる前記以外の有効成分や添加剤等含んでいてもよい。
このような有効成分や添加剤としては、例えば、アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸等の水溶性ビタミン類;オウバクエキス、カンゾウエキス、アロエエキス、スギナエキス、茶エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、海藻エキス、マロニエエキス、ユズエキス、アスナロエキス、ローヤルゼリーエキス、ユーカリエキス、アスナロ抽出液等の動・植物抽出液;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、アルギニン等の塩基;クエン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタミン酸等の酸;カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルキトサン、ヒアルロン酸ナトリウム等の増粘剤などが挙げられる。これらは、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ここで、本発明において、「組成物(Q)を70℃以上で加熱する」とは、成分(A)〜(D)を含有する組成物(Q)が70℃以上で加熱される状態が直接的に又は間接的に作出されることをいう。すなわち、各成分を混合器に仕込む順序は任意であり、成分(A)〜(D)のうち2種以上の成分を同時に仕込んでもよく、また、成分(A)〜(D)が共存する状態の作出と、加熱との順番の先後も問わない。例えば、成分(A)〜(C)を含有する組成物と、成分(D)(なお、この成分(D)として成分(D)を含有する組成物を用いてもよい)とを、それぞれ70℃以上で加熱しておき、これらを混合すること、成分(A)〜(C)を含有する組成物と、成分(D)(なお、この成分(D)として成分(D)を含有する組成物を用いてもよい)とを混合した後、70℃以上で加熱すること、成分(A)〜(D)を含有する組成物に水等を加えた後、70℃以上で加熱することなども、成分(A)〜(D)を含有する組成物(Q)が70℃以上で加熱される状態が作出される限り、「組成物(Q)を70℃以上で加熱する」ことに包含される。
組成物(Q)の加熱温度は70℃以上であるが、保湿効果、肌改善効果、使用感等の観点から、好ましくは75℃以上、より好ましくは80℃以上、特に好ましくは85℃以上である。また、保湿効果、製造安全性等の観点から、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下である。具体的な範囲としては、70℃以上95℃以下が好ましく、75℃以上90℃以下がより好ましく、85℃以上90℃以下が特に好ましい。
また、組成物(Q)の加熱時間は、保湿効果、肌改善効果等の観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.2時間以上、特に好ましくは0.5時間以上である。また、保湿効果、使用感等の観点から、好ましくは3時間以下、より好ましくは2時間以下、特に好ましくは1時間以下である。具体的な範囲としては、0.1時間以上3時間以下が好ましく、0.2時間以上2時間以下がより好ましく、0.5時間以上1時間以下が特に好ましい。
このような組成物(Q)を加熱する工程を含む本発明の製造方法としては、具体的には、以下の方法(PR−1)、(PR−2)が挙げられる。これらの中では、保湿効果、処方安定性等の観点から、方法(PR−1)が好ましい。なお、方法(PR−1)、(PR−2)は、乳化工程の後に、必要に応じて冷却工程を含んでいてもよい。
(PR−1) 成分(A)〜(D)及び(E)水(更に必要に応じて(F)多価アルコール)を含有し、含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)〜(D)及び(E)水(更に必要に応じて(F)多価アルコール)を含有する組成物(Q)を70℃以上で加熱混合して乳化させる工程を含む、乳化組成物の製造方法。
(PR−2) 成分(A)〜(D)及び(E)水(更に必要に応じて(F)多価アルコール)を含有し、含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)〜(D)を含有する組成物(Q)(油相成分)を70℃以上で加熱混合する工程2−A、及び工程2−Aで加熱された組成物(Q)と、水を含有する水相成分(成分(F)を用いる場合は、水及び成分(F)を含有する水相成分)とを乳化させる工程2−Bを含む、乳化組成物の製造方法。なお、工程2−Bは、加熱混合して行うのが好ましく、70〜90℃にて加熱混合して行うのがより好ましい。
また、方法(PR−1)においては、成分(A)〜(C)を含有する油相成分、水を含有する水相成分(成分(F)を用いる場合は、水及び成分(F)を含有する水相成分)のどちらに成分(D)を含有せしめてもよい。中でも、製造安定性等の観点から、成分(D)及び水(必要に応じて更に成分(F))を含有する組成物を加熱混合して水相成分を調製し、次いで、当該水相成分と、成分(A)〜(C)を含有する油相成分とを70℃以上で加熱混合して乳化させるのが好ましい。なお、方法(PR−1)において、乳化に用いる油相成分、水相成分は、それぞれ加熱混合(好ましくは70〜90℃にて加熱混合)により調製するのが好ましい。
そして、本発明の製造方法によれば、保湿効果に優れる乳化組成物を簡便に且つ効率よく製造することができる。本発明で得られる乳化組成物は、化粧料(より具体的にはスキンケア用化粧料)として用いるのに適したものである。例えば、乳液、ジェル、美容液などとすることができる。また、皮膚(好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等)に塗布して使用することができる。
また、本発明で得られる乳化組成物の乳化のタイプは特に限定されないが、水中油型、油中水型が挙げられ、使用感、肌改善効果等の観点から、水中油型乳化組成物が好ましい。
また、本発明で得られる乳化組成物は、保存安定性、安全性、保湿効果の観点から、α型構造のゲルであるものが好ましい。
α型構造は、X線による構造解析で確認することができる。α型構造は六方晶系のことであり、親油基が親水基層の面に対して直角に配向しており、Bragg角21〜23°付近に鋭い一本の回折ピークが現れるのが特徴である。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の製造方法を開示する。
<1> 下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の合計に対する成分(D)の含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)、(B)、(C)、及び(D)を含有する組成物(Q)を70℃以上で加熱する工程を含む、乳化組成物の製造方法。
(A)スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物
(B)融点が20〜150℃である油性成分
(C)グリセリン脂肪酸エステル
(D)セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度が90%以上である、ポリマー
<2> 下記成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有し、成分(A)、(B)、及び(C)の合計に対する成分(D)の含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)を含有する組成物(Q)を70℃以上で加熱混合して乳化させる工程を含む、乳化組成物の製造方法。
(A)スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物
(B)融点が20〜150℃である油性成分
(C)グリセリン脂肪酸エステル
(D)セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度が90%以上である、ポリマー
(E)水
<3> 成分(A)が、好ましくは次の一般式(2)で表わされる天然型スフィンゴシン、当該天然型スフィンゴシンの塩、次の一般式(3)で表わされる擬似型スフィンゴシン、当該擬似型スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物である、<1>又は<2>に記載の乳化組成物の製造方法。
Figure 2020199467
〔式(2)中、
7は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
1は、メチレン基又はメチン基を示し;
5、X6及びX7は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;
8は、水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Y1がメチン基のとき、X5とX6のいずれか一方が水素原子を示し、他方は存在しない。X8がオキソ基を形成するとき、X7は存在しない。);
8は、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;
a個のR1は、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
aは2又は3の数を示し;
破線部は不飽和結合があってもよいことを示す。〕
Figure 2020199467
〔式(3)中、
9は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
9は、水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
a個のR2は、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
aは2又は3の数を示す。〕
<4> 天然型スフィンゴシンが、好ましくはスフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、及びこれらのN−アルキル体から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはフィトスフィンゴシンである、<3>に記載の乳化組成物の製造方法。
<5> 擬似型スフィンゴシンが、好ましくは次の擬似型スフィンゴシン(i)〜(iv)から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは擬似型スフィンゴシン(ii)である、<3>又は<4>に記載の乳化組成物の製造方法。
Figure 2020199467
<6> アニオン界面活性剤が、好ましくは炭素数12〜24のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸塩、炭素数12〜24の脂肪酸塩、及びポリオキシエチレン炭素数12〜24アルキルエーテルリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは炭素数12〜24のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸塩であり、更に好ましくは炭素数12〜20のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸塩であり、更に好ましくはN−ステアロイル−L−グルタミン酸塩である、<1>〜<5>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<7> カチオン界面活性剤が、好ましくは第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤であり、より好ましくは次の一般式(7)で表わされる第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤である、<1>〜<6>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
Figure 2020199467
〔式(7)中、
31は、炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、
32は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、
33及びR34は、各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6以上の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示し、
AN-は、塩形成アニオンを示す。〕
<8> 成分(A)の含有量が、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.2質量%以上であり、また、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.6質量%以下である、<1>〜<7>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<9> 成分(B)が、好ましくは(b−1)セラミド類及び(b−2)高級アルコールから選ばれる1種以上であり、より好ましくは(b−1)セラミド類及び(b−2)高級アルコールの組み合わせである、<1>〜<8>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<10> (b−1)セラミド類が、好ましくは次の一般式(4)で表わされるものであり、より好ましくは次の一般式(5)又は(6)で表わされるものである、<9>に記載の乳化組成物の製造方法。
Figure 2020199467
〔式(4)中、
11は、ヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、又は水素原子を示し;
Zは、メチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;
11、X12及びX13は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、
14は、水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X14がオキソ基を形成するとき、X13は存在しない。);
12及びR13は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)又はアセトキシメチル基を示し;
14は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよく、また、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
15は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(なお、R11が水素原子、Zが酸素原子のとき、R15は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数10〜30の炭化水素基が好ましく、また、R11が炭化水素基のとき、R15は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい);
破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。〕
Figure 2020199467
〔式(5)中、
21は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;
1は、メチレン基又はメチン基を示し;
15、X16、及びX17は、各々独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;
18は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基のとき、X15とX16のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X18がオキソ基を形成するとき、X17は存在しない。);
22は、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等)又はアセトキシメチル基を示し;
23は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;
24は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)であるか、又は該炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。〕
Figure 2020199467
〔式(6)中、
25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、又は水素原子を示し;
19は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
26はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)であるか、又は該炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30の炭化水素基(炭化水素基は、好ましくはアルキル基)を示す。〕
<11> (b−2)高級アルコールが、好ましくは炭素数10〜24の1価アルコール及びグリセロールモノC10〜24アルキルエーテルから選ばれる1種以上であり、より好ましくは炭素数10〜24の1価アルコールであり、更に好ましくは炭素数12〜22の1価アルコールであり、更に好ましくは炭素数14〜22の1価アルコールである、<9>又は<10>に記載の乳化組成物の製造方法。
<12> 成分(B)の含有量が、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上であり、また、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である、<1>〜<11>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<13> 成分(C)が、好ましくは炭素数10〜24の脂肪酸の残基を有するグリセリンモノ脂肪酸エステルであり、より好ましくは炭素数16〜24の脂肪酸の残基を有するグリセリンモノ脂肪酸エステルであり、更に好ましくは炭素数18〜24の飽和脂肪酸の残基を有するグリセリンモノ脂肪酸エステルである、<1>〜<12>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<14> 成分(C)の含有量が、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上であり、また、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である、<1>〜<13>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<15> 成分(D)のポリマーの主鎖のガラス転移温度Tgが、好ましくは25℃以下、より好ましくは15℃以下、更に好ましくは0℃以下、更に好ましくは−25℃以下、更に好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−100℃以下である、<1>〜<14>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<16> セタノール100質量部に対して成分(D)のポリマー25質量部を85℃で混合したときの光透過度が、好ましくは92.5%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは96%以上、特に好ましくは98%以上である、<1>〜<15>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<17> 成分(D)のポリマーが、好ましくはカチオン性ポリマーであり、より好ましくはカチオン性基を主鎖又は側鎖に有するカチオン性ポリマーであり、更に好ましくはカチオン性基を側鎖に有するカチオン性ポリマーである、<1>〜<16>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<18> 成分(D)のポリマーの電荷密度が、好ましくは0.01meq/g以上、より好ましくは0.03meq/g以上、更に好ましくは0.05meq/g以上、更に好ましくは0.08meq/g以上、更に好ましくは0.1meq/g以上、更に好ましくは0.15meq/g以上、特に好ましくは0.2meq/g以上であり、また、好ましくは10.0meq/g以下、より好ましくは9.0meq/g以下、更に好ましくは8.0meq/g以下、特に好ましくは2.0meq/g以下である、<17>に記載の乳化組成物の製造方法。
<19> 成分(D)のポリマーが、好ましくはオルガノポリシロキサンセグメント、ポリオキシアルキレンセグメント及び不飽和モノマー由来の構造単位の繰り返しを含むセグメントから選ばれる1種又は2種以上のセグメントを主鎖として有するポリマーであり、より好ましくはオルガノポリシロキサンセグメントを主鎖として有するポリマーである、<1>〜<18>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<20> 成分(D)のポリマーが、好ましくはポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン、両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ポリアルキレングリコール、及びポリアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種以上のポリマーであり、より好ましくはポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、及びポリアルキレングリコールから選ばれる1種又は2種以上のポリマーであり、特に好ましくはポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンである、<1>〜<16>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<21> ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンが、好ましくは主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも2つに、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(11)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合してなるオルガノポリシロキサンであって、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの数平均分子量が500〜4000であり、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量が10000〜200000である、オルガノポリシロキサンである、<20>に記載の乳化組成物の製造方法。
Figure 2020199467
〔式(11)中、R41は、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、tは2又は3を示す。〕
<22> 成分(D)の含有量が、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、また、本発明で得られる乳化組成物中、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7.5質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である、<1>〜<21>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<23> 本発明で得られる乳化組成物中、含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.2以上であり、また、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.9以下、更に好ましくは0.85以下、特に好ましくは0.8以下である、<1>〜<22>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<24> 組成物(Q)の加熱温度が、好ましくは75℃以上、より好ましくは80℃以上、特に好ましくは85℃以上であり、また、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下である、<1>〜<23>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<25> 組成物(Q)の加熱時間が、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.2時間以上、特に好ましくは0.5時間以上であり、また、好ましくは3時間以下、より好ましくは2時間以下、特に好ましくは1時間以下である、<1>〜<24>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<26> 乳化組成物が、好ましくは水中油型乳化組成物又は油中水型乳化組成物であり、より好ましくは水中油型乳化組成物である、<1>〜<25>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<27> 乳化組成物が、α型構造のゲルである、<1>〜<26>のいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
<28> <1>〜<27>のいずれかに記載の製造方法で得られる乳化組成物。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例3 水中油型乳化化粧料の製造)
表1に示す処方に従い、以下の方法にて水中油型乳化化粧料を調製した。
すなわち、表1中のラメラ固体脂相成分を均一に混合し、85℃に加熱し溶解させた。別途、表1中のポリマー成分及び水相成分を85℃で混合して均一にした。この混合物を、85℃に加熱しておいた上記のラメラ固体脂相成分に加えて、引き続き85℃で30分間撹拌して均一にした後、撹拌しながら25℃まで冷却した。
(比較例1〜2 水中油型乳化化粧料の製造)
表1に示す処方に従い、以下の方法にて水中油型乳化化粧料を調製した。
すなわち、表1中のラメラ固体脂相成分を均一に混合し、85℃に加熱し溶解させ、引き続き85℃で撹拌したまま、このラメラ固体脂相成分に、表1中の水相成分を加えて均一にした。次いで、この混合物を撹拌しながら25℃まで冷却した後、表1中のポリマー成分を加えて30分間撹拌して均一にした。
上記実施例1〜7、比較例1〜3で得た化粧料について、以下の方法及び基準に従って保湿効果の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(評価方法)
専門パネラー7名に、実施例又は比較例で得た化粧料を1回あたり600mg、朝夕の2回/日、7日間、全顔に塗布してもらった。この7日間連用した部位を十分に洗浄及び馴化した後、この部位について、アイ・ビイ・エス(株)社製SKICON200を用いて電気伝導度を測定した。この電気伝導度と、予め測定しておいた連用前の電気伝導度とを比較し、保湿効果(皮膚水分量の改善)を以下の基準で評価した。
(評価基準)
1点:電気伝導度が増加したパネラーは7名中1名で、他のパネラーについては、電気伝導度が減少した
2点:電気伝導度が増加したパネラーは7名中2〜3名で、他のパネラーについては、電気伝導度が減少した
3点:電気伝導度が増加したパネラーは7名中4名で、他のパネラーについては、電気伝導度が減少した
4点:電気伝導度が増加したパネラーは7名中5〜6名で、他のパネラーについては、電気伝導度が減少した
5点:パネラー7名全員の電気伝導度が増加した
Figure 2020199467
表中の記号は、それぞれ以下を示す。
*1:特開2009−24114号公報 実施例8の記載に準じて調製したもの(主鎖のTg:−121℃、セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度:98%、電荷密度:0.3meq/g)
*2:特開2008−143820号公報 合成例1の記載に準じて調製したもの(主鎖のTg:−121℃、セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度:96%、電荷密度:0.045meq/g)
*3:信越化学工業株式会社製KF−6048(主鎖のTg:−121℃、セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度:98%)
*4:東邦化学工業社製PEG6000(Tg:−23℃、セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度:95%)
*5:アクゾノーベル社製Structure XL(セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度:30%)

Claims (4)

  1. 下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の合計に対する成分(D)の含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有する組成物(Q)を70℃以上で加熱する工程を含む、乳化組成物の製造方法。
    (A)スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物
    (B)融点が20〜150℃である油性成分
    (C)グリセリン脂肪酸エステル
    (D)セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度が90%以上である、ポリマー
  2. 下記成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の合計に対する成分(D)の含有質量比〔(D)/{(A)+(B)+(C)}〕が、0.01以上1以下である乳化組成物の製造方法であって、成分(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)を含有する組成物(Q)を70℃以上で加熱混合して乳化させる工程を含む、乳化組成物の製造方法。
    (A)スフィンゴシン、スフィンゴシンの塩、擬似スフィンゴシン、擬似スフィンゴシンの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の化合物
    (B)融点が20〜150℃である油性成分
    (C)グリセリン脂肪酸エステル
    (D)セタノール100質量部に対して25質量部を85℃で混合したときの光透過度が90%以上である、ポリマー
    (E)水
  3. 成分(D)のポリマーが、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン、両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ポリアルキレングリコール、及びポリアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種以上のポリマーである、請求項1又は2に記載の乳化組成物の製造方法。
  4. 乳化組成物が水中油型乳化組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳化組成物の製造方法。
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