以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態にかかる歩行訓練装置100の概略斜視図である。歩行訓練装置100は、リハビリ訓練システムの一例であり、一方の脚に麻痺を患う片麻痺患者である訓練者900が、歩行訓練を行うための装置である。歩行訓練装置100は、主に、全体の骨格を成すフレーム130に取り付けられた制御盤133と、訓練者900が歩行するトレッドミル131と、訓練者900の麻痺側の脚部である患脚に装着する歩行補助装置120とを備える。
フレーム130は、床面に設置されるトレッドミル131上に立設されている。トレッドミル131は、不図示のモータによりリング状のベルト132を回転させる。トレッドミル131は、訓練者900の歩行を促す装置である。歩行訓練を行う訓練者900は、ベルト132に乗り、ベルト132の移動に合わせて歩行動作を試みる。
フレーム130は、モータやセンサの制御を行う全体制御部210を収容する制御盤133や、訓練の進捗状況や評価コメントを訓練者900へ呈示する例えば液晶パネルである訓練用モニタ138などを支持している。訓練用モニタ138は、訓練者900がトレッドミル131のベルト132上を歩行しながら視認できるように設置されている。また、フレーム130は、訓練者900の頭上部前方付近で前側引張部135を、頭上部付近でハーネス引張部112を、頭上部後方付近で後側引張部137支持している。また、フレーム130は、訓練者900が掴むための手摺り130aを含む。
正面カメラユニット140は、正面から訓練者900の歩容が認識できる画角で訓練者900を撮像する。側面カメラユニット141は、側面から訓練者900の歩容が認識できる画角で訓練者900を撮像する。本実施形態における正面カメラユニット140と側面カメラユニット141は、それぞれが、ベルト132上に立つ訓練者900の頭部を含む全身を捉えられる画角となるようなレンズと撮像素子のセットを含む。撮像素子は、例えばCMOSイメージセンサであり、結像面に結像した光学像を画像信号に変換する。正面カメラユニット140は、訓練用モニタ138の近傍に、訓練者900と相対するように設置されている。側面カメラユニット141は、手摺り130aに、訓練者900を側方から捉えるように設置されている。
前側ワイヤ134は、一端が前側引張部135の巻取機構に連結されており、他端が歩行補助装置120に連結されている。前側引張部135の巻取機構は、不図示のモータをオン/オフさせることにより、患脚の動きに応じて前側ワイヤ134を巻き取ったり繰り出したりする。同様に、後側ワイヤ136は、一端が後側引張部137の巻取機構に連結されており、他端が歩行補助装置120に連結されている。後側引張部137の巻取機構は、不図示のモータをオン/オフさせることにより、患脚の動きに応じて後側ワイヤ136を巻き取ったり繰り出したりする。このような前側引張部135と後側引張部137の連携した動作により、歩行補助装置120の荷重が患脚の負担とならないように当該荷重を相殺し、更には、設定の程度に応じて患脚の振り出し動作をアシストする。
訓練補助者であるオペレータ910は、重度の麻痺を抱える訓練者に対しては、アシストするレベルを大きく設定する。オペレータ910は、歩行訓練装置100の設定項目を選択したり、修正したり、追加したりする権限を有する理学療法士や医師である。アシストするレベルが大きく設定されると、前側引張部135は、患脚の振り出しタイミングに合わせて、比較的大きな力で前側ワイヤ134を巻き取る。訓練が進み、アシストが必要でなくなったら、オペレータは、アシストするレベルを最小に設定する。アシストするレベルが最小に設定されると、前側引張部135は、患脚の振り出しタイミングに合わせて、歩行補助装置120の自重をキャンセルするだけの力で前側ワイヤ134を巻き取る。
歩行訓練装置100は、安全装具110、ハーネスワイヤ111、ハーネス引張部112を主な構成要素とする安全装置を備える。安全装具110は、訓練者900の腹部に巻き付けられるベルトであり、例えば面ファスナによって腰部に固定される。ハーネスワイヤ111は、一端が安全装具110に連結されており、他端がハーネス引張部112の巻取機構に連結されている。ハーネス引張部112の巻取機構は、不図示のモータをオン/オフさせることにより、ハーネスワイヤ111を巻き取ったり繰り出したりする。このような構成により、安全装置は、訓練者900が体勢を大きく崩した場合に、その動きを検知した全体制御部210の指示に従ってハーネスワイヤ111を巻き取り、安全装具110により訓練者900の上体を支える。
管理用モニタ139は、フレーム130に取り付けられており、オペレータ910が監視および操作するための表示装置である。管理用モニタ139は、例えば液晶パネルであり、その表面にはタッチパネル142が重畳されている。管理用モニタ139は、訓練設定に関する各種メニュー項目や、訓練時における各種パラメータ値、訓練結果などを呈示する。また、オペレータ910は、タッチパネル142や不図示のキーボード等を介して設定項目を選択したり、修正したり、追加したりする。
歩行補助装置120は、訓練者900の患脚に装着され、患脚の膝関節における伸展および屈曲の負荷を軽減することにより訓練者900の歩行を補助する。図2は、歩行補助装置120の概略斜視図である。歩行補助装置120は、主に、制御ユニット121と、患脚の各部を支える複数のフレームと、足裏に掛かる荷重を検出するための荷重センサ222とを備える。
制御ユニット121は、歩行補助装置120の制御を行う補助制御部220を含み、また、膝関節の伸展運動および屈曲運動を補助するための駆動力を発生させる不図示のモータを含む。患脚の各部を支えるフレームは、上腿フレーム122と、上腿フレーム122に回動自在に連結された下腿フレーム123と、下腿フレーム123に回動自在に連結された足平フレーム124と、前側ワイヤ134を連結するための前側連結フレーム127と、後側ワイヤ136を連結するための後側連結フレーム128とを含む。前側連結フレーム127は、上腿の前側を左右方向に伸延し、両端で上腿フレーム122に接続するように設けられている。後側連結フレーム128は、下腿の後側を左右方向に伸延し、両端でそれぞれ上下に伸延する下腿フレーム123に接続するように設けられている。
上腿フレーム122と下腿フレーム123は、図示するヒンジ軸Ha周りに相対的に回動する。制御ユニット121のモータは、補助制御部220の指示に従って回転して、上腿フレーム122と下腿フレーム123がヒンジ軸Ha周りに相対的に開くように加勢したり、閉じるように加勢したりする。制御ユニット121に収められた角度センサ223は、例えばロータリエンコーダであり、ヒンジ軸Ha周りの上腿フレーム122と下腿フレーム123の成す角を検出する。下腿フレーム123と足平フレーム124は、図示するヒンジ軸Hb周りに相対的に回動する。相対的に回動する角度範囲は、調整機構126によって事前に調整される。
上腿フレーム122は、上腿ベルト129を備える。上腿ベルト129は、上腿フレームに一体的に設けられたベルトであり、患脚の上腿部に巻き付けて上腿フレーム122を上腿部に固定する。これにより、歩行補助装置120の全体が訓練者900の脚部に対してずれることを防止している。
荷重センサ222は、足平フレーム124に埋め込まれた荷重センサである。荷重センサ222は、訓練者900の足裏が受ける垂直荷重の大きさと分布を検出する。荷重センサ222は、例えば、電極がマトリックス状に配置された抵抗変化検出型の荷重検出シートである。
次に歩行訓練装置100のシステム構成について説明する。図3は、歩行訓練装置100のシステム構成図である。全体制御部210は、例えばMPUであり、記憶部217から読み込んだ制御プログラムを実行することにより、装置全体の制御を実行する。トレッドミル駆動部211は、ベルト132を回転させるモータとその駆動回路を含む。全体制御部210は、トレッドミル駆動部211へ駆動信号を送ることにより、ベルト132の回転制御を実行する。例えば、設定された訓練レベルに応じて、ベルト132の回転速度を調整する。
操作受付部212は、訓練者900やオペレータ910からの入力操作を受け付けて、操作信号を全体制御部210へ送信する各種入力装置を含む。タッチパネル142は、操作受付部212のひとつである。訓練者900やオペレータ910は、操作受付部212を構成する操作ボタンやタッチパネル、付属するリモコン等を操作して、電源のオン/オフやトレーニングの開始の指示を与えたり、設定に関する数値の入力やメニュー項目の選択を行ったりする。操作受付部212は、音声対話装置や画像認識装置を含んでも良い。
表示制御部213は、全体制御部210からの制御信号に従って表示映像を生成し、訓練用モニタ138または管理用モニタ139に表示する。表示制御部213は、トレーニングの進捗を示す映像等を生成する。具体的には後に詳述するが、表示制御部213は、訓練者900が行った訓練試行に対する評価コメントを表示映像に変換して訓練用モニタ138へ表示する。また、表示制御部213は、訓練者900の情報や評価コメントの候補を表示映像に変換して管理用モニタ139へ表示する。
引張駆動部214は、前側ワイヤ134を引張するためのモータとその駆動回路と、後側ワイヤ136を引張するためのモータとその駆動回路とを含む。全体制御部210は、引張駆動部214へ駆動信号を送ることにより、前側ワイヤ134の巻き取りと後側ワイヤ136の巻き取りをそれぞれ制御する。また、巻き取り動作に限らず、モータの駆動トルクを制御することにより、各ワイヤの引張力を制御する。全体制御部210は、例えば、荷重センサ222の検出結果から患脚が立脚状態から遊脚状態に切り替わるタイミングを同定し、そのタイミングに同期して各ワイヤの引張力を増減させることにより、患脚の振り出し動作をアシストする。
ハーネス駆動部215は、ハーネスワイヤ111を引張するためのモータとその駆動回路を含む。全体制御部210は、ハーネス駆動部215へ駆動信号を送ることにより、ハーネスワイヤ111の巻き取りと、ハーネスワイヤ111の引張力を制御する。全体制御部210は、例えば、訓練者900が体勢を大きく崩した場合に、ハーネスワイヤ111を一定量巻き取って、訓練者の転倒を防止する。
画像処理部216は、全体制御部210からの制御信号に従って、正面カメラユニット140および側面カメラユニット141から受け取った画像信号を画像処理して画像データを生成する。また、画像処理部216は、全体制御部210からの指示に従って、正面カメラユニット140および側面カメラユニット141から受け取った画像信号に画像処理を施して、特定の画像解析を実行することもできる。例えば、抽出されたエッジ等の情報から、両肩位置や股関節位置を検出することができる。これらの位置情報は、訓練者900の運脚中における体幹や脚、足平等の様子を評価する基礎情報となる。
記憶部217は、不揮発性の記憶媒体であり、例えばソリッドステートドライブが用いられる。記憶部217は、歩行訓練装置100を制御するための制御プログラムの他にも、制御や演算に用いられる様々なパラメータ値、関数、ルックアップテーブル等を記憶している。特に、歩行訓練装置100を利用する訓練者に関する個別情報を蓄積したデータベースである訓練者情報DB217aと、訓練者に対して呈示可能な評価コメントを蓄積したデータベースであるコメントDB217bとを記憶している。なお、これらのデータベースは、例えばネットワークに接続された記憶装置に記憶されても良く、その場合は、歩行訓練装置100が、必要に応じて当該記憶装置から必要な個別情報や評価コメントをこれらのデータベースから取得する。
正面カメラユニット140および側面カメラユニット141は、全体制御部210からの制御信号に従って撮像動作を繰り返し、画像処理部216へ画像信号を出力する。全体制御部210は、制御に関わる様々な演算や制御を実行する機能実行部としての役割も担う。評価部210aは、訓練者900が実行するリハビリ訓練を評価する。例えば、画像処理部216の解析結果を用いて歩行動作の正常さを評価したり、トレッドミル131の駆動情報を用いて歩行距離や歩行速度を評価したりする。選択部210bは、評価部210aの評価に対応する評価コメントであって、訓練者900へ呈示するものを、後述する評価コメントリストから選択する。全体制御部210は、選択部210bが選択した評価コメントを、表示制御部213を介して訓練用モニタ138へ表示する。この場合において訓練用モニタ138は、評価コメントを呈示する呈示部としての機能を担う。
上述のように、歩行補助装置120は訓練者900の患脚に装着されるが、歩行訓練装置100は、歩行補助装置120に指令を与えたり、センサ情報を受け取ったりするために、全体制御部210に接続された通信接続IF219を備える。歩行補助装置120も、通信接続IF219と有線または無線によって接続される通信接続IF229が設けられている。通信接続IF229は、歩行補助装置120の補助制御部220に接続されている。通信接続IF219、229は、通信規格に則った例えば無線LAN等の通信インタフェースである。
補助制御部220は、例えばMPUであり、全体制御部210から与えられた制御プログラムを実行することにより、歩行補助装置120の制御を実行する。また、歩行補助装置120の状態を、通信接続IF219、229を介して全体制御部210へ通知する。また、全体制御部210からの指令を受けて、歩行補助装置120の起動/停止等を実行する。
関節駆動部221は、制御ユニット121のモータとその駆動回路を含む。補助制御部220は、関節駆動部221へ駆動信号を送ることにより、上腿フレーム122と下腿フレーム123がヒンジ軸Ha周りに相対的に開くように加勢したり、閉じるように加勢したりする。このような動作により、膝の伸展動作および屈曲動作をアシストしたり、膝折れを防止したりする。荷重センサ222は、上述の通り訓練者900の足裏が受ける垂直荷重の大きさと分布を検出して、検出信号を補助制御部220へ送信する。
補助制御部220は、当該検出信号を受け取り解析することにより、遊脚/立脚の状態判別や切替り推定等を行う。角度センサ223は、上述の通りヒンジ軸Ha周りの上腿フレーム122と下腿フレーム123の成す角を検出して、検出信号を補助制御部220へ送信する。補助制御部220は、検出信号を受け取って膝関節の開き角を演算する。
ここで、評価部210aによる評価手法の一例について、さらに説明する。評価部210aは、正面カメラユニット140および側面カメラユニット141が撮像した訓練者画像を画像処理部216が解析した結果から、歩行中である訓練者900の体幹の傾きを演算する。具体的には、画像処理部216が解析した両肩位置や股関節位置などの主要骨格の基準位置を接続して画像中の体幹を決定し、当該体幹の伸延方向と歩行面の鉛直軸が成す角を傾斜角として演算する。評価部210aは、演算した体幹の傾きを用いて訓練者900の歩容を評価する。評価部210aは、画像処理部216による画像解析や荷重センサ222、距離センサ等のセンサ出力から検出される引摺り歩行や躓き、手摺り130aの把持等についても、評価の対象として考慮する。距離センサとしては、測定対象にパターン光を投射してその歪み具合から複数のポイントの距離を取得するデプスセンサ等を利用し得る。
歩容の異常判断は、例えば、次の7つを基準とすることができる。1つ目の基準は、患脚が遊脚期を終えて着地したときの股関節から足関節までの歩行方向に沿う距離が、基準値以上であるか否かである。基準値未満であれば、患脚を十分に振り出せなかったとして異常歩行と評価する。2つ目の基準は、患脚の遊脚期間に足裏荷重が検出されるか否かである。検出されれば、引き摺り歩行があったとして異常歩行と評価する。3つ目の基準は、患脚の立脚中における膝関節の屈曲角度が基準角度以上であるか否かである。基準角度未満であれば、膝関節が上体を支える力が不足しているとして異常歩行と評価する。
4つ目の基準は、患脚が立脚期から遊脚期に切り替わる振り出し時の、股関節から足関節までの歩行方向に沿う距離が、基準値以上であるか否かである。基準値未満であれば、上体の体重移動が自由に行えなかったとして異常歩行と評価する。5つ目の基準は、患脚の立脚中における体幹の前方向への傾斜角度が基準角度以上であるか否かである。基準角度以上であれば、前のめりの姿勢であるとして異常歩行と評価する。6つ目の基準は、患脚の立脚中における体幹の患脚側への傾斜角度が基準角度以上であるか否かである。基準角度以上であれば、左右方向へのブレが大きいとして異常歩行と評価する。
7つ目の基準は、患脚の遊脚中における体幹の前方向への傾斜角度が基準角度以上であるか否かである。基準角度未満であれば、上体の体重移動が自由に行えずにのけぞっているとして異常歩行と評価する。なお、それぞれの基準値および基準角度は、訓練者900の年齢や訓練試行のレベル等に応じて変更しても良い。評価部210aは、このように判定した異常歩行とその程度の他、歩行距離、歩行速度、歩行継続時間、平均歩幅、前側引張部135および後側引張部137によるアシストの程度、ハーネス引張部112による救済の有無、歩行補助装置120によるアシストの程度等の、予め定められた評価項目に対する評価を決定して選択部210bへ引き渡す。
コメントDB217bには、評価部210aが決定する評価に応じた評価コメントがそれぞれ用意されている。呈示される評価コメントは、訓練者900に大きな影響を与え得る。訓練者900は、気持ちの良いコメントを与えられればリハビリ訓練に対する意欲を向上させ、気分を害するコメントを与えられれば意欲を削がれることもある。歩行訓練装置100を利用するそれぞれの訓練者が如何なるコメントにどのような影響を受けるかは、その訓練者の性格や患部の状態、前回の訓練試行結果等に依存する。聞き心地の良いコメントを呈示すれば訓練者の気分を害することはないが、そればかりでは、どのような点に注意してリハビリ訓練に臨めば良いか訓練者に理解させることができず、却って訓練効果を低減させてしまう。
そこで、本実施形態における歩行訓練装置100では、オペレータ910が、これから訓練を行う訓練者900(特定訓練者)の個別の事情を考慮して、コメントDB217bに用意された評価コメントのうち訓練者900への呈示を制限する評価コメントの指定を行う。図4は、オペレータ910による評価コメントの指定の様子を示す図である。具体的には、管理用モニタ139に表示された、評価コメントの指定に関するインタフェース画面を示している。オペレータ910は、タッチパネル142を介して入力操作を行うことができる。
評価コメントの指定に関するインタフェース画面は、図示するように、訓練者ウィンドウ301、遷移ボタン302、コメントリスト303、新規作成ボタン304を主に含む。訓練者ウィンドウ301は、対象とする訓練者を示している。オペレータ910が訓練者ウィンドウ301をタップすると、対象となり得る訓練者のリストウィンドウがポップアップし、オペレータ910は、これからリハビリ訓練を行う訓練者をその中から選択する。
遷移ボタン302は、訓練者ウィンドウ301に示される訓練者に関する情報を表示させるためのボタンであり、オペレータ910が遷移ボタン302をタップすると、訓練者情報の画面に遷移する。オペレータ910は、訓練者情報を確認して、当該訓練者に対する評価コメントの指定を考慮することができる。例えば、訓練者情報に医師の見解として「悲観的に考える傾向あり」との記載があれば、厳しい評価コメントが呈示されないように考慮することができる。
コメントリスト303は、コメントDB217bに記憶された評価コメントとそれぞれの評価コメントに対する条件項目とを列挙している。具体的な内容は後述する。オペレータ910が条件項目の表示をタップすると、当該条件項目を変更するための指定ボックス303aがポップアップする。オペレータ910は、指定ボックス303aに表示された候補からひとつを選択することにより、あるいは、テキスト入力を行うことにより、当該条件項目の内容を変更することができる。
新規作成ボタン304は、コメントDB217bに記憶されていない新規の評価コメントを追加する場合に利用する。オペレータ910が新規作成ボタン304をタップすると、テキスト入力ウィンドウがポップアップする。オペレータ910は、追加したい評価コメントをテキスト入力ウィンドウに入力する。入力された新規の評価コメントは、コメントリスト303に追加され、当該評価コメントに対する条件項目の設定が促される。オペレータ910が条件項目を設定すると、当該評価コメントは、設定された条件項目に従って呈示の候補となり、コメントDB217bに追加される。コメントDB217bに追加された評価コメントは、他の訓練者に対しても呈示の候補となり得る。
図5は、コメントリストの例を示す図である。図示するように、コメントリストは、訓練者(図の例では、「鈴木太郎」)ごとに定義され、訓練者情報DB217aに記憶された訓練者に関する個別情報に紐付けられる。
コメントリストは、評価コメントと、その評価コメントに対応付けられる「タイミング」「感情属性」「レベル」「呈示可否」「条件」の条件項目を含む。「タイミング」は、その評価コメントが呈示されるタイミングを規定する。具体的には、各評価コメントは、一連の訓練試行が開始される時点を示す「O」、訓練試行と訓練試行の間の時点を示す「H」、一連の訓練試行が終了した時点を示す「F」の何れかが規定されている。例えば、「H」が規定されている評価コメント「アシスト量が下がりましたよ」は、訓練試行と訓練試行の間のタイミングで呈示される。
「感情属性」は、その評価コメントが訓練者の感情に与え得る種別を規定する。具体的には、各評価コメントは、肯定的な評価を示すポジティブコメントである「G」、否定的な評価を示すネガティブコメントである「B」、いずれでもないニュートラルコメントである「N」のいずれかが規定されている。例えば、「G」が規定されている評価コメント「転ばずに歩けましたね」は、ポジティブコメントであり、「B」が規定されている評価コメント「腰がふらつきました」は、ネガティブコメントであり、「N」が規定されている評価コメント「こんにちは」は、ニュートラルコメントである。
「レベル」は、呈示する対象となる訓練試行のレベルを規定する。訓練試行のレベルは、リハビリ訓練の進展段階に対応し、本実施形態においては1から5までのレベルを想定しており、数値が大きくなるほど高度な訓練メニューが実行される。レベルが上がれば、例えば、トレッドミル131の回転速度が速くなったり、及第とされる歩容の条件が厳しくなったりする。各評価コメントは、いずれのレベルでも呈示対象とする「A」、もしくは呈示対象とする個別のレベルのいずれかが規定されている。例えば、「4、5」が規定されている評価コメント「膝が十分に上がっていました」および「膝が上がっていません」は、訓練試行のレベルが4と5の場合に呈示の対象となる。換言すれば、レベルが1から3の場合はリハビリ訓練の初期段階であるとして、訓練試行中に膝が十分上がっているか否かを評価として問わない。
「レベル」は、訓練者の状態に合わせて呈示対象とするレベルの指定を受け付けても良い。例えば、ある部位の回復状況が好ましい場合には、オペレータ910は、その部位に関連する評価コメントを初期設定より早めに呈示されるように指定することができる。逆に、ある部位の疾患が重く、他の部位よりも回復が遅れている場合には、その部位に関連する評価コメントを初期設定より遅めに呈示されるように指定することができる。
条件項目「タイミング」「感情属性」「レベル」の3項目は、原則的には評価コメントの性質に対応するものであるので、オペレータが訓練者の個別の事情を考慮してその内容を変更しなくても良い。したがって、これらの項目については、評価コメントの指定に関するインタフェース画面で変更できないように構成しても良い。
「呈示可否」は、訓練者の個別の事情を考慮して、その評価コメントの呈示を許可するか禁止するかを規定する。例えば、初期設定としては全ての評価コメントに対して呈示を許可する「○」が与えられており、オペレータの個別の指定により呈示を禁止する「×」に変更される。具体的には、オペレータは、上述のように、評価コメントの指定に関するインタフェース画面の指定ボックス303aにより変更を行う。例えば、評価コメント「やる気を出しましょう」は、訓練者「鈴木太郎」のモチベーションを大きく下げてしまう可能性が高いと考えられ、呈示の対象から外す「×」が指定されている。
また、評価コメント「前回より速く歩けました」は、例えば、訓練者「鈴木太郎」が高齢であることから速く歩けるようになることを目標としないので、呈示の対象から外す「×」が指定されている。また、評価コメント「膝が上がっていません」等は、例えば、訓練者「鈴木太郎」の疾患の状況から、リハビリ訓練を行っても膝を十分に上げられるようになることが期待できないので、「×」が指定されている。この「呈示可否」の指定により、訓練者ごとに相応しいコメントを呈示することができる。これにより、訓練者がモチベーションを失うことなく自身の訓練結果を冷静に受け入れることが期待できる。
「条件」は、コメントに数値が組み入れられる場合にそのコメントを呈示する基準値等を規定する。例えば、ポジティブコメントとして「合計○○mも歩けました」と呈示する場合に、訓練者が具体的に何m歩けたらこのコメントを呈示するかの基準値として「100m以上」が指定されている。逆に、ネガティブコメントとして「合計○○mしか歩けませんでした」と呈示する場合には、基準値として「50m未満」が指定されている。訓練者が歩いた距離が、例えば20mであった場合には、ネガティブコメント「合計20mしか歩けませんでした」が呈示される。なお、訓練者が50m以上100m未満の距離を歩いた場合には、ニュートラルコメントである「合計○○m歩きました」と呈示される。
「条件」は、コメントに数値が組み入れられる場合でなくても、基準値を必要とするようなコメントを呈示する場合にはその条件の指定を受け付けても良い。また、指定を受け付ける条件は基準値に限らず、例えば、他の評価項目を達成した場合に限って呈示の対象とするときには、当該他の評価項目の達成を条件として受け付けても良い。
次に、これらの評価コメントが一連の訓練試行において訓練用モニタ138でどのように呈示されるかについて説明する。図6は、訓練試行と訓練試行の間のタイミングで呈示されるコメント画面の様子を示す図である。一連の訓練試行は、個々の訓練試行であるステージが連続するように構成されており、図6は、訓練試行と訓練試行の間であるステージ2の終了時点で中間コメントを表示する様子を示す。
訓練用モニタ138の最上部にはステータス領域310が設けられており、訓練試行におけるステータス情報が表示されている。ステータス情報は、試行継続時間、歩行距離、訓練レベル、得点インジケータ等を含む。試行継続時間は、試行開始からの時間であり、継続時間は、不図示のタイマーによって計測される。歩行距離は、トレッドミル駆動部211がベルト132を回転させた積算量から計測される。訓練レベルは、訓練試行の難易度を表わし、訓練者900が予め設定された基準を満たすごとに更新される。得点インジケータは、獲得ポイントの加算、減算に応じて増減される。
訓練用モニタ138のうちステータス領域310以外の領域には、カメラ画像320が映し出されている。カメラ画像320は、正面カメラユニット140または側面カメラユニット141によって撮像された訓練者900の全身画像であり、例えば60fpsのリアルタイム映像として表示される。訓練者900は、訓練試行中の自身の姿をリアルタイム映像として確認することができる。なお、正面カメラユニット140が撮像した画像を表示する場合は、訓練者900は訓練用モニタ138に相対しているので、カメラ画像320は、視認性の観点から図示するように鏡像反転されていることが好ましい。
カメラ画像320には、ステージ進捗321、呈示コメント322および属性アイコン323が、それぞれCGとして重畳されている。ステージ進捗321は、個々のステージが終了したことを示し、ここでは「ステージ2」が終了したことを訓練者900に報せている。
呈示コメント322は、訓練者900用のコメントリストから選択部210bが選択した評価コメントを表わし、当該評価コメントを表示制御部213がCG化したものである。選択部210bは、直前の訓練試行の評価に応じて、コメントリストのタイミング項目で「H」として規定され、レベル項目が現在の訓練レベルと合致し、かつ呈示可否項目で「○」として規定されたものから呈示する評価コメントを選択する。ここでは、ステージ1の訓練試行に比べてステージ2の訓練試行では歩行速度が向上したことを肯定的に評価する「歩く速度があがりましたよ」の評価コメントが呈示されている。属性アイコン323は、呈示コメント322がポジティブコメントであるかネガティブコメントであるかを一見して認識できるように表わすアイコンである。ここでは「歩く速度があがりましたよ」のコメントがコメントリストで「G」に属することから、「Good!!」の属性アイコン323が重畳されている。
図7は、全訓練試行が終了したタイミングで呈示されるコメント画面の様子を示す図である。全訓練試行が終了したタイミングでは、訓練試行全体に対する総合コメントが表示される。総合コメントを表示するコメント画面も、中間コメントを表示するコメント画面と同様に、ステータス領域310とカメラ画像320の領域に分割されている。そして、カメラ画像320には、ステージ進捗321、呈示コメント322および属性アイコン323が、それぞれCGとして重畳されている。ステージ進捗321は、ここでは全ステージが終了したことを訓練者900に報せている。
ここで呈示される呈示コメント322は、訓練試行全体に対しての当てはまる評価についてのコメントである。選択部210bは、コメントリストのタイミング項目で「F」として規定され、レベル項目が現在の訓練レベルと合致し、かつ呈示可否項目で「○」として規定されたものから呈示する評価コメントを選択する。図においては、ポジティブコメントとして「合計1200mも歩けました」「中断無く完了できました」が呈示され、それぞれの呈示コメント322の横には、「Good!!」の属性アイコン323が重畳されている。また、ネガティブコメントとして「膝折れが4回ありました」が呈示され、その呈示コメント322の横には、「Bad」の属性アイコン323が重畳されている。また、ニュートラルコメントとして「ゆっくり休んで下さいね」が呈示されている。ニュートラルコメントである呈示コメント322に対しては、属性アイコン323は重畳されない。
総合コメントを表示するコメント画面においては、ネガティブコメントよりもポジティブコメントが多く呈示されると良い。すなわち、選択部210bは、ネガティブコメントよりもポジティブコメントを多く選択する。このように、ポジティブコメントを多く呈示することにより、訓練者900に否定的な評価も気分を害さずに受け入れられることが期待できる。否定的な評価コメントも気持ちよく受け入れられれば、次の訓練試行での改善を期待できる。
なお、中間コメントを表示するコメント画面においても、ネガティブコメントよりもポジティブコメントが多く呈示されるようにしても良い。ただし、該当するポジティブコメントが存在しない場合には、ネガティブコメントのみを呈示しても良い。この場合は、たくさんのネガティブコメントが呈示されないように、呈示数を制限しても良い。
図8は、一連の訓練試行における歩行訓練装置100の処理フローを示す図である。全体制御部210は、ステップS101で、表示制御部213に、図4を用いて説明した評価コメントの指定に関するインタフェース画面を管理用モニタ139へ表示させる。具体的には、全体制御部210は、コメントDB217bに用意された評価コメントを読み出し、訓練者ウィンドウ301を介して指定された訓練者900へ呈示可能な候補コメントであるコメントリスト303を表示する。ステップS102へ進み、全体制御部210は、タッチパネル142等を介して、オペレータ910からコメントリスト303への指定を受け付ける。より具体的には、これから訓練試行を行う訓練者900への呈示を制限する評価コメントの指定を少なくとも受け付ける。なお、ステップS102までの処理は、訓練者900に認識されないように、訓練者900が歩行訓練装置100に到達する前に、あるいは少なくとも訓練者900が訓練用モニタ138に対峙している状態で実行されることが好ましい。
訓練者900がトレッドミル131上に立ち訓練試行の準備が整ったら、全体制御部210は、一連の訓練試行を開始する(ステップS103)。具体的には、訓練者900やオペレータ910がスタートボタンを押したり、訓練者900の姿勢が整ったことを評価部210aが認識したりした場合に、訓練試行を開始する。このとき、全体制御部210は、例えば「今日も頑張りましょう」など、選択部210bが状況に応じて選択した評価コメントを訓練用モニタ138に呈示する。なお、選択部210bは、この時点では、タイミング項目で「O」が規定された評価コメントの中から呈示するものを選択する。
訓練試行が開始されると、全体制御部210は、ステップS104で、訓練状況の取得を行う。具体的には、正面カメラユニット140および側面カメラユニット141が撮像した撮像画像を取り込み、画像処理部216に画像処理を行わせ、併せて歩容を解析する解析処理を実行させる。また、トレッドミル駆動部211からの情報を用いて歩行距離や歩行速度を取得したり、荷重センサ222等からの情報を用いて平均歩幅を取得したりする。また、前側引張部135および後側引張部137からの情報を用いて歩行補助装置120によるアシストの程度を取得したり、ハーネス引張部112からの情報を用いて救済措置を行ったか否かを把握したりする。
評価部210aは、ステップS105で、画像処理部216が行った解析処理結果から現在の訓練者900の歩容を評価する。具体的には、例えば上述の7つの基準に当てはめて歩容の異常判断を行う。全体制御部210は、ステップS106で、中間ポイントに到達したか否かを判断する。中間ポイントは、一つのステージが終了した時点である。中間ポイントに到達したと判断したらステップS107へ進み、到達していないと判断したらステップS107からS109をスキップしてステップS110へ進む。
ステップS107へ進んだら、評価部210aは、直前のステージにおける訓練試行の評価を行う。そして、ステップS108へ進み、選択部210bは、評価部210aがステップS107で行った評価に基づき、コメントリストから中間コメントを選択する。
ここで、ステップS108をより具体的に説明する。図9は、中間コメントの選択に関するステップS108の具体的な処理フローを示す図である。選択部210bは、まずステップS1081で、評価部210aが行った中間評価に合致する評価コメントをコメントリストから抽出する。なお、ここでは、コメントリストにおいてタイミング項目が「H」と規定され、レベル項目が現在の訓練レベルと合致している評価コメントが抽出の対象となる。
選択部210bは、ステップS1082へ進み、抽出した評価コメントの中に呈示不可の評価コメントが含まれるか否かをチェックする。具体的には、コメントリストにおいて呈示可否項目が「×」と規定された評価コメントが含まれているか否かをチェックする。含まれていればステップS1083へ進み、当該呈示不可コメントを除外してステップS1084へ進む。含まれていなければ、ステップS1083をスキップしてステップS1084へ進む。
選択部210bは、ステップS1084へ進むと、ポジティブコメントがネガティブコメントよりも多いか否かをチェックする。具体的には、コメントリストにおいて感情属性項目が「G」と規定された評価コメントの数が、「B」と規定された評価コメントの数よりも多いか否かをチェックする。「G」と規定された評価コメントの数が「B」と規定された評価コメントの数より多ければ、ここまでの処理で抽出された評価コメントを中間コメントとして確定し、ステップS1085をスキップしてメインの処理へ戻る。「G」と規定された評価コメントの数が「B」と規定された評価コメントの数より多くなければステップS1085へ進む。
選択部210bは、ステップS1085へ進むと、感情属性項目が「B」と規定された評価コメントの一部をランダムに除外して、ポジティブコメントがネガティブコメントよりも多くなるように調整する。そして、残った評価コメントを中間コメントとして確定してメインの処理へ戻る。
図8へ戻る。全体制御部210は、ステップS109へ進んだら、選択部210bがステップS108で選択した評価コメントを、図6に示す態様で、表示制御部213を介して訓練用モニタ138に呈示する。中間コメントの呈示は、予め設定された時間が経過するまで継続される。
全体制御部210は、ステップS110で、一連の訓練試行が終了したか否かを判断する。終了していないと判断したらステップS104へ戻る。なお、全回のステージが終了している場合は、新たなステージの訓練試行がステップS104から開始される。終了したと判断したら、ステップS111へ進む。
評価部210aは、ステップS111で、一連の訓練試行を通じた総合評価を行う。そして、ステップS112へ進み、選択部210bは、評価部210aがステップS111で行った評価に基づき、コメントリストから総合コメントを選択する。
ここで、ステップS112をより具体的に説明する。図10は、総合コメントの選択に関するステップS112の具体的な処理フローを示す図である。選択部210bは、まずステップS1121で、評価部210aが行った総合評価に合致する評価コメントをコメントリストから抽出する。なお、ここでは、コメントリストにおいてタイミング項目が「F」と規定され、レベル項目がこれまで行った訓練レベルと合致している評価コメントが抽出の対象となる。
選択部210bは、ステップS1122へ進み、抽出した評価コメントの中に呈示不可の評価コメントが含まれるか否かをチェックする。具体的には、コメントリストにおいて呈示可否項目が「×」と規定された評価コメントが含まれているか否かをチェックする。含まれていればステップS1123へ進み、当該呈示不可コメントを除外してステップS1124へ進む。含まれていなければ、ステップS1123をスキップしてステップS1124へ進む。
選択部210bは、ステップS1124へ進むと、ポジティブコメントがネガティブコメントよりも多いか否かをチェックする。具体的には、コメントリストにおいて感情属性項目が「G」と規定された評価コメントの数が、「B」と規定された評価コメントの数よりも多いか否かをチェックする。「G」と規定された評価コメントの数が「B」と規定された評価コメントの数より多ければ、ここまでの処理で抽出された評価コメントを総合コメントとして確定し、ステップS1125をスキップしてメインの処理へ戻る。「G」と規定された評価コメントの数が「B」と規定された評価コメントの数より多くなければステップS1125へ進む。
選択部210bは、ステップS1125へ進むと、感情属性項目が「B」と規定された評価コメントの一部をランダムに除外して、ポジティブコメントがネガティブコメントよりも多くなるように調整する。そして、残った評価コメントを総合コメントとして確定してメインの処理へ戻る。
図8へ戻る。全体制御部210は、ステップS113へ進んだら、選択部210bがステップS112で選択した評価コメントを、図7に示す態様で、表示制御部213を介して訓練用モニタ138に呈示する。総合コメントの呈示は、予め設定された時間が経過するまで、あるいは訓練終了の指示を受け付けるまで継続される。そして、一連の処理を終了する。
以上、歩行訓練装置100をリハビリ訓練システムの例として本実施形態を説明したが、訓練者が訓練試行を行い、その訓練試行に対して評価を評価コメントとして呈示するリハビリ訓練システムであれば、上記の概念を適用し得る。このようなリハビリ訓練システムは、訓練者にモチベーションを失わせず、目的効果を認識させて気持ちよくリハビリ訓練に臨ませることができる。
また、リハビリ訓練システムは、それぞれの機能要素のすべてがリハビリ訓練装置としての歩行訓練装置100に集約された構成でなくても良い。例えば、異常歩行を判定する評価部210aの機能は、歩行訓練装置100とネットワークを介して接続されたサーバが備える演算部が担っても良い。この場合、サーバは、評価した結果を歩行訓練装置100へ送信する。歩行訓練装置100の全体制御部210は、送られてきた判定結果を利用して、上述の実施形態と同様の呈示を実現する。このように、サーバと歩行訓練装置100(リハビリ訓練装置)を含むようにリハビリ訓練システムを構成しても良い。