JP2020197595A - 光拡散制御フィルム - Google Patents

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彰朗 福元
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健太郎 草間
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Abstract

【課題】近赤外線に対する透過性を確保しながらも、優れた隠蔽性を達成することのできる、汎用性の高い光拡散制御フィルムを提供する。【解決手段】光学機能層を備える光拡散制御フィルムであって、前記光学機能層の、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値が、75%以上であり、前記光学機能層の、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値が、15%以上である光拡散制御フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、波長に依存して入射光を拡散透過または直進透過させることができる光学機能層を備える光拡散制御フィルムに関するものである。
生体認証技術においては、人体から発せられる近赤外線を検出することで、指紋等の生体情報を識別することが行われている。近年では、このような生体認証技術を備えたスマートフォン等の小型電子機器の開発が進められている。
上記生体認証技術では、近赤外線を検出するためのセンサーが使用されるが、スマートフォン等の小型電子機器においては、意匠性や機能性の観点から、当該センサーが使用者に対して隠蔽されることが望まれている。このような観点から、近赤外線に対する透過性を確保しながらも、可視光を拡散透過させることが可能な光学物品によって、上述したセンサーを覆うことが検討されている。
ここで、特許文献1には、可視光域の光を散乱反射させて白色を発色する機能、および可視光域の光の透過を抑制する機能を備えた赤外線通信用光学物品が開示されている。
特開2012−89593号公報
ところで、近年、スマートフォン等の小型電子機器においては、薄型化や、筐体やディスプレイの曲面形成、さらには折り曲げ可能なフレキシブル性の実現も図られており、上述したセンサーを覆うため光学物品には、このような要請にも対応可能な汎用性が求められている。
しかしながら、特許文献1においては、上述した赤外線通信用光学物品の具体例として2mmといった厚さを有するものが開示されており、このような比較的厚い厚さを有する光学物品は、近年開発される小型電子機器に好適に使用することができない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、近赤外線に対する透過性を確保しながらも、優れた隠蔽性を達成することのできる、汎用性の高い光拡散制御フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、光学機能層を備える光拡散制御フィルムであって、前記光学機能層の、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値が、75%以上であり、前記光学機能層の、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値が、15%以上であることを特徴とする光拡散制御フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る光拡散制御フィルムは、可視光領域(400〜700nmの波長領域)における透過光拡散率および近赤外光領域(800〜900nmの波長領域)における直進透過率について、上述した条件を満たすことにより、優れた隠蔽性と、近赤外線に対する優れた透過性とを達成することができる。また、光拡散制御フィルムは、フィルム状であるため、組み込まれる製品の様々な形状に対応させることが可能となり、優れた汎用性を有する。
上記発明(発明1)において、前記光学機能層の、400〜700nmの波長領域における直進透過率の平均値が、15%以下であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記光学機能層の、400〜700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が、50%以上であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記光学機能層の、800〜900nmの波長領域における全光線透過率の平均値が、70%以上であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記光学機能層の、800〜900nmの波長領域における透過光拡散率の平均値が、75%以下であることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)において、前記光学機能層が、(メタ)アクリル酸エステル重合体および拡散微粒子を含有する粘着性組成物から形成される粘着剤からなることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明6)において、前記拡散微粒子の平均粒径が、0.1μm超、0.8μm未満であることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明6,7)において、前記拡散微粒子の前記粘着性組成物中における含有量が、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下であることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明6〜8)において、前記光学機能層の一方の面を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに積層するとともに、前記光学機能層の他方の面を無アルカリガラス板に積層してなる積層体において、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを前記光学機能層から剥離した際に測定される粘着力が、0.001N/25mm以上、50N/25mm以下であることが好ましい(発明9)。
上記発明(発明6〜9)において、前記光学機能層の一方の面を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに積層するとともに、前記光学機能層の他方の面を無アルカリガラス板に積層してなる積層体において、前記光学機能層を前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとともに前記無アルカリガラスから剥離した際に測定される粘着力が、0.001N/25mm以上、50N/25mm以下であることが好ましい(発明10)。
上記発明(発明1〜10)において、前記光学機能層の厚さが、1μm以上、250μm以下であることが好ましい(発明11)。
上記発明(発明1〜11)においては、近赤外線領域の光を利用した生体認証機能を備える装置に使用されることが好ましい(発明12)。
本発明に係る光拡散制御フィルムは、近赤外線に対する透過性を確保しながらも、優れた隠蔽性を達成することができ、さらに汎用性が高い。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、光学機能層を備える。当該光学機能層は、後述するように、所定の粘着性を発揮できる粘着剤層であってもよい。また、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、上記光学機能層とともに、基材や剥離シートを備えていてもよい。本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、フィルム状であるため、光拡散制御フィルムが組み込まれる製品の形状に対応させ易く、また、薄型化が望まれる製品にも好適に使用することができる。すなわち、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、高い汎用性を有する。
1.光拡散制御フィルムの物性
(1)光学特性
本実施形態における光学機能層では、400〜700nmの波長領域(可視光領域)における透過光拡散率の平均値が75%以上であるとともに、800〜900nmの波長領域(近赤外光領域)における直進透過率の平均値が15%以上である。これにより、本実施形態に係る光拡散制御フィルムでは、可視光が拡散透過し、その一方で、近赤外光が直進透過するものとなる。そのため、本実施形態に係る光拡散制御フィルムによれば、当該光拡散制御フィルムの背面に配置された、近赤外光の光源や受光センサーが視認されることを抑制しながらも、当該光源から発せられる近赤外光や、当該受光センサーに向かう近赤外光を良好に透過させることができる。その結果、本実施形態に係る光拡散制御フィルムを用いることで、例えば、生体認証のための近赤外光センサーを、その機能を損なうことなく隠蔽することが可能となる。
本実施形態における光学機能層において、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値が75%未満であると、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、可視光を直進透過させる傾向が強くなり、十分な隠蔽性を達成できないものとなる。この観点から、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値は、80%以上であることが好ましく、特に85%以上であることが好ましく、さらには90%以上であることが好ましい。なお、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値の上限値については特に限定されず、例えば、100%以下であってもよく、特に99%以下であってもよく、さらには97%以下であってもよく、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値との関係性を考慮すると、95%以下であってもよく、特に92%以下であってもよい。なお、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における光学機能層において、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値が15%未満であると、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、近赤外光を十分に直進透過させることができないものとなる。この観点から、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値は、20%以上であることが好ましく、特に25%以上であることが好ましく、さらには30%以上であることが好ましい。なお、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値の上限値については特に限定されず、例えば、100%以下であってもよく、特に75%以下であってもよく、さらには50%以下であってもよく、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値との関係性を考慮すると、45%以下であってもよく、特に38%以下であってもよい。なお、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における光学機能層では、400〜700nmの波長領域における直進透過率の平均値が、15%以下であることが好ましく、特に12%以下であることが好ましく、さらには10%以下であることが好ましい。400〜700nmの波長領域における直進透過率の平均値が15%以下であることで、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、その背面に配置された物体をより効果的に隠蔽し易いものとなる。なお、400〜700nmの波長領域における直進透過率の平均値の下限値については特に限定されず、例えば、0%以上であってもよく、特に1%以上であってもよく、さらには2%以上であってもよい。なお、400〜700nmの波長領域における直進透過率の平均値の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における光学機能層では、400〜700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が、50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、特に60%以上であることが好ましく、さらには65%以上であることが好ましい。400〜700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が50%以上であることで、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、可視光を遮蔽することなく透過させ易いものとなる。これにより、本実施形態に係る光拡散制御フィルムの利用性がより高いものとなる。すなわち、例えば、本実施形態に係る光拡散制御フィルムをタッチパネルのバックライト上に積層する場合には、バックライトの機能を損なうことなく、本実施形態に係る光拡散制御フィルムの機能を発揮することができる。なお、400〜700nmの波長領域における全光線透過率の平均値の上限値については特に限定されず、例えば、100%以下であってもよく、特に90%以下であってもよく、さらには85%以下であってもよく、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値をより好適な範囲にできる観点から、80%以下であってもよく、特に75%以下であってもよい。なお、400〜700nmの波長領域における全光線透過率の平均値の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における光学機能層では、800〜900nmの波長領域における全光線透過率の平均値が、70%以上であることが好ましく、特に74%以上であることが好ましく、さらには79%以上であることが好ましい。800〜900nmの波長領域における全光線透過率の平均値が70%以上であることで、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、近赤外光を遮蔽することなく透過させ易いものとなり、当該フィルムの背面に配置されるセンサー等が、その機能をより効果的に発揮し易いものとなる。なお、800〜900nmの波長領域における全光線透過率の平均値の上限値については特に限定されず、例えば、100%以下であってもよく、特に95%以下であってもよく、さらには90%以下であってもよく、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値をより好適な範囲にできる観点から、86%以下であってもよく、特に82%以下であってもよい。なお、800〜900nmの波長領域における全光線透過率の平均値の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における光学機能層では、800〜900nmの波長領域における透過光拡散率の平均値が、75%以下であることが好ましく、特に70%以下であることが好ましく、さらには65%以下であることが好ましい。800〜900nmの波長領域における透過光拡散率の平均値が75%以下であることで、本実施形態に係る光拡散制御フィルムを透過する近赤外光は、より直進透過し易いものとなり、当該フィルムの背面に配置されるセンサー等が、その機能をより効果的に発揮し易いものとなる。なお、800〜900nmの波長領域における透過光拡散率の平均値の下限値については特に限定されず、例えば、0%以上であってもよく、20%以上であってもよく、特に40%以上であってもよく、さらには55%以上であってもよい。なお、800〜900nmの波長領域における透過光拡散率の平均値の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
(2)粘着力
本実施形態における光学機能層が所定の粘着性を発揮できる粘着剤層である場合、当該光学機能層の一方の面を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに積層するとともに、当該光学機能層の他方の面を無アルカリガラス板に積層してなる積層体において、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを光学機能層から剥離した際に測定される粘着力(対PETフィルム粘着力)が、0.001N/25mm以上であることが好ましく、0.01N/25mm以上であることがより好ましく、特に0.1N/25mm以上であることが好ましく、さらには1N/25mm以上であることが好ましい。上記粘着力が、0.001N/25mm以上であることで、光学機能層が積層される対象に対し、当該光学機能層が良好に固定され易いものとなり、本実施形態に係る光拡散制御フィルムを用いて製造される製品が、所望の性能を発揮し易いものとなる。なお、上記粘着力の上限値については、必要に応じて適宜設定することができ、例えば、50N/25mm以下であってもよく、25N/25mm以下であってもよく、10N/25mm以下であってもよく、特に5N/25mm以下であってもよく、さらには2.5N/25mm以下であってもよい。なお、上記粘着力の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における光学機能層が所定の粘着性を発揮できる粘着剤層である場合、当該光学機能層の一方の面を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに積層するとともに、当該光学機能層の他方の面を無アルカリガラス板に積層してなる積層体において、前記光学機能層を前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとともに前記無アルカリガラスから剥離した際に測定される粘着力(対ガラス板粘着力)が、0.001N/25mm以上であることが好ましく、0.01N/25mm以上であることがより好ましく、特に0.1N/25mm以上であることが好ましく、さらには1N/25mm以上であることが好ましく、10N/25mm以上であることが最も好ましい。上記粘着力が、0.001N/25mm以上であることで、光学機能層が積層される対象に対し、当該光学機能層が良好に固定され易いものとなり、本実施形態に係る光拡散制御フィルムを用いて製造される製品が、所望の性能を発揮し易いものとなる。なお、上記粘着力の上限値については、必要に応じて適宜設定することができ、例えば、50N/25mm以下であってもよく、30N/25mm以下であってもよく、特に20N/25mm以下であってもよく、さらには15N/25mm以下であってもよい。なお、上記粘着力の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
2.光拡散制御フィルムの構成部材
(1)光学機能層
本実施形態における光学機能層は、前述した光学特性を達成することができる限り限定されない。例えば、光学機能層は、所定の粘着性を発揮できる粘着剤層であってもよい。通常、光学機能層が組み込まれる製品は、所定の部材同士が粘着剤層によって貼合されたものであることが多いが、当該粘着剤層として、本実施形態における光学機能層を使用することで、上記製品を構成する部材の数を効果的に減らすことが可能となる。
本実施形態における光学機能層が粘着剤層である場合、当該粘着剤層は、(メタ)アクリル酸エステル重合体および拡散微粒子を含有する粘着性組成物から形成される粘着剤からなることが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。また、「重合体」には「共重合体」の概念も含まれるものとする。
(1−1)(メタ)アクリル酸エステル重合体
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、所望の粘着力を発現し易いという観点から、当該重合体を構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することが好ましく、特に、アルキル基の炭素数が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することが好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、粘着性をより向上させる観点から、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸n−ブチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルがより好ましく、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましく、アクリル酸n−ブチルがさらに好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、当該重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、75質量%以上含有することが好ましく、85質量%以上含有することがより好ましく、特に90質量%以上含有することが好ましく、さらには95質量%以上含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量の下限値が上記であると、(メタ)アクリル酸エステル重合体は好適な粘着性を発揮し易くなり、得られる光学機能層(粘着剤層)は、所望の粘着力を発揮することができる。また、後述する拡散微粒子の粘着剤中における分散性が良好となる傾向があり、得られる光学機能層(粘着剤層)は、前述した光学物性を達成し易くなる。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体は、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、99.9質量%以下で含有することが好ましく、特に99質量%以下で含有することが好ましく、さらには98質量%以下で含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量の上限値が上記であると、(メタ)アクリル酸エステル重合体中に反応性官能基含有モノマー等の他のモノマー成分を好適な量導入することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、当該重合体を構成するモノマー単位として、反応性官能基を分子内に有する反応性官能基含有モノマーを含んでもよい。特に、粘着性組成物が架橋剤を含有する場合には、反応性官能基含有モノマーが有する反応性官能基が架橋剤と反応するものとなり、得られる粘着剤の凝集力を制御し易いものとなる。これにより、得られる光学機能層(粘着剤層)が所望の粘着力を発揮し易いものとなる。
上記反応性官能基含有モノマーとしては、分子内にカルボキシ基を有するモノマー(カルボキシ基含有モノマー)、分子内にヒドロキシ基を有するモノマー(ヒドロキシ基含有モノマー)、分子内にアミノ基を有するモノマー(アミノ基含有モノマー)などが好ましく挙げられる。中でも、後述する拡散微粒子の分散性が良好となり易くなる観点から、カルボキシ基含有モノマーおよびヒドロキシ基含有モノマーが好ましく、特にカルボキシ基含有モノマーがより好ましい。これらの反応性官能基含有モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。中でも、後述する拡散微粒子の分散性をより良好なものとできる観点から、アクリル酸が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルアミノエチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、当該重合体を構成するモノマー単位として、反応性官能基含有モノマーを、0.1質量%以上含有することが好ましく、特に1質量%以上含有することが好ましく、さらには2質量%以上含有することが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体は、反応性官能基含有モノマーを、25質量%以下で含有することが好ましく、15質量%以下で含有することがより好ましく、特に10質量%以下で含有することが好ましく、さらには5質量%以下で含有することが好ましい。反応性官能基含有モノマーを上記の範囲で含有すると、後述する拡散微粒子の粘着剤中における分散性が良好となる傾向があり、得られる光学機能層(粘着剤層)は、前述した光学物性を達成し易いものとなる。また、得られる粘着剤の粘着性を向上させ易くなって、得られる光学機能層(粘着剤層)は、所望の粘着力を発現し易くなる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、上述した(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび反応性官能基含有モノマーとともに、その他のモノマーを共重合したものであってもよい。その他のモノマーとしては、反応性官能基含有モノマーの前述した作用を阻害しないためにも、反応性官能基を含有しないモノマーが好ましい。かかるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、当該重合体の重合態様については、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、当該重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体の酸価は、0.5mgKOH/g以上であることが好ましく、5mgKOH/g以上であることがより好ましく、特に15mgKOH/g以上であることが好ましく、特に30mgKOH/g以上であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体の酸価の下限値が上記であると、得られる粘着剤の粘着性を向上させ易くなって、得られる光学機能層(粘着剤層)は、所望の粘着力を発現し易くなる。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体の酸価は、400mgKOH/g以下であることが好ましく、300mgKOH/g以下であることが好ましく、200mgKOH/g以下であることがより好ましく、特に120mgKOH/g以下であることが好ましく、さらには80mgKOH/g以下であることが好ましく、40mgKOH/g以下であることが最も好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体の酸価の上限値が上記であると、後述する拡散微粒子の粘着剤中における分散性が良好となる傾向があり、得られる光学機能層(粘着剤層)は、前述した光学物性を達成し易いものとなる。
ここで、本明細書における酸価は、基本的には(メタ)アクリル酸エステル重合体の配合割合から導き出される理論値とし、当該理論値が導き出せない場合には、JIS K0070に基づいて測定した値とする。
(メタ)アクリル酸エステル重合体の重量平均分子量は、40万以上であることが好ましく、100万以上であることがより好ましく、特に150万以上であることが好ましく、さらには180万以上であることが好ましい。また、上記重量平均分子量は、300万以下であることが好ましく、特に250万以下であることが好ましく、さらには220万以下であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体の重量平均分子量の値が上記であると、得られる粘着剤の凝集力が良好なものとなって、これにより、得られる光学機能層(粘着剤層)は、所望の粘着力を発揮し易くなる。また、後述する拡散微粒子の粘着剤中における分散性が良好となる傾向があり、得られる光学機能層(粘着剤層)は、前述した光学物性を達成し易いものとなる。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
(1−2)拡散微粒子
本実施形態における光学機能層が前述した粘着性組成物から形成される粘着剤からなる場合、当該粘着性組成物が拡散微粒子を含有することにより、得られる光学機能層(粘着剤層)は、前述した光学特性を達成し易いものとなる。なお、本実施形態における拡散微粒子の形状や材料等としては、前述した光学特性を達成することができる限り、特に限定されない。
本実施形態における拡散微粒子の平均粒径は、0.1μm超であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、特に0.3μm以上であることが好ましく、さらには0.4μm以上であることが好ましい。また、当該平均粒径は、0.8μm未満であることが好ましく、0.7μm以下であることがより好ましく、特に0.6μm以下であることが好ましく、さらには0.5μm以下であることが好ましい。拡散微粒子の平均粒径が上記範囲であることにより、得られる光学機能層(粘着剤層)は、前述した光学特性を達成し易くなり、特に、可視光領域における透過光拡散率についての条件および近赤外光領域における直進透過率についての条件を満たし易くなる。なお、本明細書における拡散微粒子の平均粒径は、動的光散乱法により測定した値である。
本実施形態における拡散微粒子の形状としては、球状等の定形であってもよく、または形状が特定されない不定形であってもよいが、均一な光拡散性を発揮し易い球状の微粒子が好ましい。
本実施形態における拡散微粒子の例としては、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂等の有機系の拡散微粒子;シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系の拡散微粒子;無機と有機の中間的な構造を有するケイ素含有化合物からなる拡散微粒子等が挙げられる。これらの中でも、前述した光学特性を達成し易いという観点から、有機系の拡散微粒子が好ましく、特にメラミン樹脂が好ましい。上述した拡散微粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前述した粘着性組成物中における拡散微粒子の含有量は、前述した(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、特に6質量部以上であることが好ましく、さらには12質量部以上であることが好ましい。また、上記含有量は、前述した(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、特に25質量部以下であることが好ましく、さらには20質量部以下であることが好ましい。拡散微粒子の含有量が上記範囲であることで、得られる光学機能層(粘着剤層)が前述した光学特性を達成し易いものとなる。
(1−3)活性エネルギー線硬化性成分
前述した粘着性組成物は、活性エネルギー線硬化性成分を含有してもよい。この場合、当該粘着性組成物の塗膜に対して活性エネルギー線を照射することで、当該塗膜を硬化させることが可能となり、これにより得られる光学機能層(粘着剤層)が比較的高い被膜強度を有するものとなる。
上記活性エネルギー線硬化性成分としては、活性エネルギー線の照射によって粘着性組成物を硬化させることができる成分であれば特に制限されず、モノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれであってもよいし、それらの混合物であってもよい。中でも、(メタ)アクリル酸エステル重合体等との相溶性に優れる多官能アクリレート系モノマーを用いることが好ましい。
多官能アクリレート系モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等の2官能型;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能型;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能型;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能型;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能型などが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル重合体等との相溶性を更に向上させる観点から、分子量1000未満の多官能アクリレート系モノマーを使用することが好ましく、特に、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートを使用することが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前述した粘着性組成物中における活性エネルギー線硬化性成分の含有量は、前述した(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、特に4質量部以上であることが好ましく、さらには8質量部以上であることが好ましい。活性エネルギー線硬化性成分の含有量の下限値が上記であると、得られる粘着剤の凝集力が好適なものとなり易い。これにより、得られる光学機能層(粘着剤層)は、比較的高い被膜強度を有しつつ、所望の粘着力を発揮し易いものとなる。また、上記含有量は、前述した(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、25質量部以下であることが好ましく、特に18質量部以下であることが好ましく、さらには12質量部以下であることが好ましい。活性エネルギー線硬化性成分の含有量の上限値が上記であると、粘着剤中における(メタ)アクリル酸エステル重合体との相溶性および拡散微粒子の分散性の関係がともに良好な傾向となる。これにより、得られる光学機能層(粘着剤層)は、所望の被膜強度を有しながら、所望の粘着力を発揮し易くなるとともに、前述した光学特性を達成し易いものとなる。
(1−4)光重合開始剤
前述した粘着性組成物が、前述した活性エネルギー線硬化性成分を含有するものであり、当該粘着剤組成物を硬化するための活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、粘着剤組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤を含有することにより、活性エネルギー線硬化性成分を効率良く重合して硬化させることができ、また重合硬化時間および活性エネルギー線の照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前述した粘着性組成物中における光重合開始剤の含有量は、前述した活性エネルギー線硬化性成分100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、特に4質量部以上であることが好ましく、さらには8質量部以上であることが好ましい。また、上記含有量は、前述した活性エネルギー線硬化性成分100質量部に対して、25質量部以下であることが好ましく、特に18質量部以下であることが好ましく、さらには12質量部以下であることが好ましい。
(1−5)各種添加剤
前述した粘着性組成物には、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えば、架橋剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、屈折率調整剤などを添加することができる。
(1−6)粘着性組成物の製造
前述した粘着性組成物は、(メタ)アクリル酸エステル重合体、拡散微粒子、ならびに所望により活性エネルギー線硬化性成分、光重合開始剤、およびその他の添加剤を混合することにより調製することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、重合体を構成するモノマー単位の混合物を通常のラジカル重合法で重合することにより製造することができる。(メタ)アクリル酸エステル重合体の重合は、所望により重合開始剤を使用して、溶液重合法等により行うことができる。重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。アゾ系化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
なお、上記重合工程において、2−メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を配合することにより、得られる重合体の重量平均分子量を調節することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体が得られたら、(メタ)アクリル酸エステル重合体の溶液に、拡散微粒子、ならびに所望により活性エネルギー線硬化性成分、光重合開始剤、およびその他の添加剤を添加し、十分に混合することにより、溶剤で希釈された粘着性組成物(塗布溶液)を得る。
粘着性組成物を希釈して塗布溶液とするための希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤などが用いられる。
このようにして調製された塗布溶液の濃度・粘度としては、コーティング可能な範囲であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。例えば、粘着性組成物の濃度が10〜40質量%となるように希釈する。なお、塗布溶液を得るに際して、希釈溶剤等の添加は必要条件ではなく、粘着性組成物がコーティング可能な粘度等であれば、希釈溶剤を添加しなくてもよい。
(1−7)厚さ
本実施形態における光学機能層の厚さは、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、特に10μm以上であることが好ましく、さらには15μm以上であることが好ましく、25μm以上であることが最も好ましい。光学機能層の厚さが1μm以上であることで、良好な隠蔽性を有し易いものとなる。さらに、本実施形態における光学機能層が粘着剤層である場合、当該厚さが1μm以上であることで、所望の粘着力を発現し易くなる。また、本実施形態における光学機能層の厚さは、250μm以下であることが好ましく、180μm以下であることが好ましく、120μm以下であることがより好ましく、特に80μm以下であることが好ましく、さらには40μm以下であることが好ましく、35μm以下であることが最も好ましい。光学機能層の厚さが250μm以下であることで、近赤外光に対する良好な透過性を有し易くなる。また、光学機能層の厚さが250μm以下であることで、本実施形態に係る光拡散制御フィルムを、それが組み込まれる製品の形状に対応させ易くなり、より優れた汎用性を達成することが可能となる。
(2)基材
本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、光学機能層とともに、基材を備えていてもよい。この場合、例えば、光学機能層の片面に上記基材を積層することができる。基材の構成や材料については特に限定されないものの、光の透過性に優れ、光学機能層の光学特性を損ない難いという観点から、基材は、樹脂系の材料を主成分とする樹脂系シートから構成されることが好ましい。
上述した樹脂系シートの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ノルボルネン系重合体フィルム、環状オレフィン系重合体フィルム、環状共役ジエン系重合体フィルム、ビニル脂環式炭化水素重合体フィルム等のプラスチックフィルムまたはそれらの積層フィルムが挙げられる。
また、基材においては、その表面に設けられる光学機能層との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、プライマー処理、酸化法、凹凸化法等により表面処理を施すことができる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれる。
基材の厚さは、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、特に25μm以上であることが好ましく、さらには50μm以上であることが好ましい。また、基材の厚さは、190μm以下であることが好ましく、特に160μm以下であることが好ましく、さらには120μm以下であることが好ましい。
(3)剥離シート
本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、光学機能層とともに、剥離シートを備えていてもよい。特に、光学機能層が前述した粘着剤層である場合、当該光学機能層の片面または両面に対して剥離シートを積層することで、光学機能層が製品に組み込まれるまでの間、光学機能層の表面を剥離シートで保護することが好ましい。
上記剥離シートとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
また、上記剥離シートの剥離面(特に光学機能層と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。
剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
3.光拡散制御フィルムの製造方法
本実施形態に係る光拡散制御フィルムの製造方法は特に限定されず、従来の方法により光拡散制御フィルムを製造してもよい。光学機能層が前述した粘着剤層である光拡散制御フィルムの製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。まず、前述した粘着性組成物の塗布溶液を、第1の剥離シートの剥離面に塗布して塗膜を形成する。続いて、当該塗膜を加熱乾燥させた後、当該塗膜における第1の剥離シートとは反対側の面に、第2の剥離シートの剥離面を積層する。その後、第1の剥離シートおよび第2の剥離シートのいずれか一方を介して、塗膜に対して活性エネルギー線を照射し、上記塗膜を硬化させて、光学機能層(粘着剤層)を形成する。これにより、第1の剥離シートと、光学機能層(粘着剤層)と、第2の剥離シートとがこの順に積層されてなる光拡散制御フィルムを得ることができる。
上述した加熱乾燥の条件としては、加熱温度が、50℃以上であることが好ましく、特に70℃以上であることが好ましい。また、当該加熱温度は、150℃以下であることが好ましく、特に120℃以下であることが好ましい。加熱時間は、10秒以上であることが好ましく、特に50秒以上であることが好ましい。また、加熱時間は、10分以下であることが好ましく、特に2分以下であることが好ましい。
上述した活性エネルギー線の例としては、紫外線や電子線などが挙げられ、中でも、取扱いが容易な紫外線が好ましい。紫外線の照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができ、紫外線の照射量は、照度が50〜1000mW/cm程度であることが好ましい。また、光量は、50mJ/cm以上であることが好ましく、特に80mJ/cm以上であることがより好ましく、さらには200mJ/cm以上であることが特に好ましい。また、光量は、10000mJ/cm以下であることが好ましく、特に5000mJ/cm以下であることが好ましく、さらには2000mJ/cm以下であることが好ましい。
一方、電子線の照射は、電子線加速器等によって行うことができる。電子線の照射量は、10〜1000krad程度が好ましい。
粘着性組成物の塗布液を塗布する方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を利用することができる。
4.光拡散制御フィルムの使用
本実施形態に係る光拡散制御フィルムの使用方法は特に限定されないものの、例えば、所望の製品の製造のために使用することができる。その場合、光拡散制御フィルムにおける光学機能層をその他の部材と積層させることで、当該光学機能層が組み込まれた製品が得られる。本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、フィルム状であるため、光拡散制御フィルムが組み込まれる製品の形状に良好に対応させることができる。そのため、特殊な形状を有する製品にも対応することができ、また、製品の薄型化にも貢献することができる。
さらに、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、前述した通り、可視光を拡散透過させる一方で、近赤外光を直進透過させることができる。これにより、光拡散制御フィルムの背面に位置する物品を隠蔽しながらも、当該物品から発せられる近赤外光や、当該物品に向かう近赤外光を良好に透過させることができる。そのため、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、近赤外光の光源や受光センサーを備え、且つ、このような光源や受光センサーが隠蔽されることが望まれる製品に組み込まれることが好適である。特に、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、近赤外線領域の光を利用した生体認証機能を備える装置に組み込まれることに好適である。当該生体認証の例としては、指紋認証、光彩認証、静脈認証等が挙げられる。
本実施形態に係る光拡散制御フィルムが組み込まれる製品の好適な一例としては、指紋認証機能を有するスマートフォンが挙げられる。この場合、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、例えば、表面カバーと近赤外線センサーとの間の位置に設けることが好適である。あるいは、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、表面カバーにおける近赤外線センサーとは反対の面側の位置に設けることが好適である。後者のように、表面カバーの表面に設けられる光拡散制御フィルムは、表面カバーの表面の傷つき防止をするための表面保護フィルムを兼ねることもできる。また、表面カバーの表面に設けられる光拡散制御フィルムは、表面カバーがガラス等割れやすい材質の場合には、割れたときにガラスの飛散を防止可能な飛散防止フィルムを兼ねることができる。さらに、本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、液晶ディスプレイを備える装置における、当該液晶ディスプレイとバックライトとの間に設けることも好適である。本実施形態に係る光拡散制御フィルムは、可視光を遮断することなく、拡散透過させることもできるため、光拡散制御フィルムをバックライト上に設けた場合であっても、当該バックライトの機能を損なわない。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
1.(メタ)アクリル酸エステル重合体の調製
アクリル酸n−ブチル95質量部およびアクリル酸5質量部を共重合させて、(メタ)アクリル酸エステル重合体を調製した。なお、上記配合より、当該(メタ)アクリル酸エステル重合体の酸価は、38.9mgKOH/gと計算される。この(メタ)アクリル酸エステル重合体の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)し、さらにポリスチレン換算することで算出したところ、200万であった。
<測定条件>
・測定装置:東ソー社製,HLC−8320
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK gel superH−H
TSK gel superHM−H
TSK gel superH2000
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
2.粘着性組成物の調製
上記工程1で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、活性エネルギー線硬化性成分としてのトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート10質量部と、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびベンゾフェノンの質量比1:1の混合品(BASF社製,製品名「OMNIRAD 500」)1質量部と、拡散微粒子としてのメラミン微粒子A(日本触媒社製,製品名「エポスターS6」,平均粒径:0.4μm)15質量部とを、溶媒としてのメチルエチルケトン中にて十分に撹拌し、固形分濃度約13質量%の粘着性組成物の塗布溶液を得た。
3.光学機能層の形成
上記工程2で得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した第1の剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET752150」)の剥離処理面に、ナイフコーターで塗布した。これにより得られた塗膜を90℃で1分間加熱処理した後、当該塗膜における第1の剥離シートとは反対側の面に、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した第2の剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET381031」)における剥離面を積層した。その後、上記塗膜に対して、第1の剥離シートを介して下記の条件で紫外線を照射し、上記塗膜が硬化してなる厚さ20μmの光学機能層(粘着剤層)を形成した。
[紫外線照射条件]
・光源:高圧水銀灯
・光量:200mJ/cm
・照度:200mW/cm
なお、照度および光量は、アイグラフィックス社製のUV照度・光量計「UVPF−36」により確認した。
以上により、第1の剥離シートと、光学機能層(粘着剤層)と、第2の剥離シートとがこの順に積層されてなる光拡散制御フィルムを得た。
〔実施例2〜3,比較例1〜2〕
拡散微粒子の種類および含有量、ならびに光学機能層の厚さを表1に示すように変更した以外、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
〔試験例1〕(光学機能層の光学特性の測定)
実施例および比較例で形成した光学機能層について、分光光度計(島津製作所社製,製品名「紫外可視近赤外分光光度計UV−3600」)を用いて、300〜1500nmの波長領域について、1nmピッチの各波長における全光線透過率(%)および拡散透過率(%)を測定した。
続いて、上記の通り測定された全光線透過率(%)から、上記の通り測定された拡散透過率(%)を減ずることで、300〜1500nmの波長領域についての1nmピッチの各波長における直進透過率(%)を算出した。また、1nmピッチの各波長における拡散透過率(%)を全光線透過率(%)によってそれぞれ除することで、300〜1500nmの波長領域についての1nmピッチの各波長における透過光拡散率(%)も算出した。
上記の通り、300〜1500nmの波長領域について1nmピッチの各波長にて測定された全光線透過率(%)から、400〜700nmの波長領域(可視光領域)における測定値の平均値、および800〜900nmの波長領域(近赤外光領域)における測定値の平均値をそれぞれ算出した。また、直進透過率(%)および透過光拡散率(%)についても同様に、400〜700nmの波長領域(可視光領域)における測定値の平均値および800〜900nmの波長領域(近赤外光領域)における測定値の平均値を算出した。これらの結果を表2に示す。
〔試験例2〕(隠蔽性の評価)
実施例および比較例で作製した光拡散制御フィルムから第2の剥離シートを剥離し、露出した光学機能層の露出面をガラス板に貼付した。さらに、当該光学機能層から第1の剥離シートを剥離し、得られた光学機能層とガラス板との積層体を測定サンプルとした。
続いて、近赤外光光源を備えたテレビ用リモコンを、上記測定サンプル越しに視認可能かどうか目視にて確認した。ここで、テレビ用リモコンにおける近赤外光光源側の面と、測定サンプルにおける光学機能層側の面とが向き合うように配置した。また、近赤外光光源と測定サンプルとの距離、および測定サンプルと試験者の目との距離が、それぞれ5cmとなるように配置した。確認した結果から、以下の基準に基づいて隠蔽性を評価した。その評価結果を表3に示す。
◎:テレビ用リモコンの細部だけでなく、輪郭についても視認不能であった。
〇:テレビ用リモコンの輪郭を視認することはできたが、細部を視認することはできなかった。
×:テレビ用リモコンの輪郭および細部を視認可能であった。
〔試験例3〕(近赤外光の検出性能の評価)
試験例2に続き、テレビ用リモコンおよび測定サンプルの配置を変更することなく、試験者の目があった位置に、デジタルカメラ搭載型携帯電話のカメラのレンズを配置した。そして、デジタルカメラ搭載型携帯電話のカメラ機能を起動させた状態で、テレビ用リモコンの任意のボタンを押して近赤外光光源を発光させた。そして、近赤外光光源から発せられる近赤外光を、デジタルカメラ搭載型携帯電話におけるカメラによって受像できた否かを、デジタルカメラ搭載型携帯電話の表示画面にて確認し、以下の基準にて、近赤外光の検出性能を評価した。その評価結果を表3に示す。
◎:近赤外光の明瞭な像を確認できた。
〇:近赤外光の像を、やや不明瞭ではあるが確認できた。
×:近赤外光の像を確認できなかった。
〔試験例4〕(粘着力の測定)
実施例および比較例で作製した光拡散制御フィルムから第2の剥離シートを剥離し、露出した光学機能層の露出面を、50μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに貼付した後、幅25mm、長さ100mmに裁断した。これにより得られた裁断片から第1の剥離シートを剥離し、露出した光学機能層の露出面を、無アルカリガラス板に貼付した。その後、常圧、23℃、50%RHの条件下で24時間放置することで、測定サンプルとした。
上記測定サンプルについて、引張試験機(オリエンテック社製,製品名「テンシロン」)を用い、JIS Z0237:2009に準じて、剥離速度300mm/min、剥離角度180°の条件で粘着力(N/25mm)を測定した。但し、実施例1、比較例1および比較例2については、光学機能層からPETフィルムを引き剥がす際の粘着力(対PETフィルム粘着力)を測定し、実施例2および実施例3については、PETフィルムと光学機能層との積層体を無アルカリガラス板から剥がす際の粘着力(対ガラス板粘着力)を測定した。これらの結果を表3に示す。
なお、表1に記載の名称等の詳細は以下の通りである。
[拡散微粒子の種類]
A:メラミン微粒子(日本触媒社製,製品名「エポスターS6」,平均粒径:0.4μm)
B:メラミン微粒子(日本触媒社製,製品名「エポスターS12」,平均粒径:1.2μm)
Figure 2020197595
Figure 2020197595
Figure 2020197595
表3から明らかな通り、実施例に係る光拡散制御フィルムでは、当該フィルムの背面に配置した近赤外光光源を良好に隠蔽することが可能でありながらも、当該光源から発せられる近赤外光を良好に透過させることが可能であった。
本発明の光拡散制御フィルムは、近赤外領域の光を検出するためのセンサーを備える小型電子機器において、当該センサーを隠蔽するために好適に使用することができる。

Claims (12)

  1. 光学機能層を備える光拡散制御フィルムであって、
    前記光学機能層の、400〜700nmの波長領域における透過光拡散率の平均値が、75%以上であり、
    前記光学機能層の、800〜900nmの波長領域における直進透過率の平均値が、15%以上である
    ことを特徴とする光拡散制御フィルム。
  2. 前記光学機能層の、400〜700nmの波長領域における直進透過率の平均値が、15%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散制御フィルム。
  3. 前記光学機能層の、400〜700nmの波長領域における全光線透過率の平均値が、50%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散制御フィルム。
  4. 前記光学機能層の、800〜900nmの波長領域における全光線透過率の平均値が、70%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光拡散制御フィルム。
  5. 前記光学機能層の、800〜900nmの波長領域における透過光拡散率の平均値が、75%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光拡散制御フィルム。
  6. 前記光学機能層が、(メタ)アクリル酸エステル重合体および拡散微粒子を含有する粘着性組成物から形成される粘着剤からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光拡散制御フィルム。
  7. 前記拡散微粒子の平均粒径が、0.1μm超、0.8μm未満であることを特徴とする請求項6に記載の光拡散制御フィルム。
  8. 前記拡散微粒子の前記粘着性組成物中における含有量が、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の光拡散制御フィルム。
  9. 前記光学機能層の一方の面を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに積層するとともに、前記光学機能層の他方の面を無アルカリガラス板に積層してなる積層体において、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを前記光学機能層から剥離した際に測定される粘着力が、0.001N/25mm以上、50N/25mm以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の光拡散制御フィルム。
  10. 前記光学機能層の一方の面を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに積層するとともに、前記光学機能層の他方の面を無アルカリガラス板に積層してなる積層体において、前記光学機能層を前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとともに前記無アルカリガラスから剥離した際に測定される粘着力が、0.001N/25mm以上、50N/25mm以下であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の光拡散制御フィルム。
  11. 前記光学機能層の厚さが、1μm以上、250μm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光拡散制御フィルム。
  12. 近赤外線領域の光を利用した生体認証機能を備える装置に使用されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の光拡散制御フィルム。
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