JP2020197484A - 満充電容量推定装置 - Google Patents

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博之 野村
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順一 波多野
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隆介 長谷
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祐希 村松
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Abstract

【課題】電池の満充電容量の推定精度を向上させる。【解決手段】各劣化ラインLのうちの1つの劣化ラインLを参照して、現在の電池Bの使用量に対応する満充電容量を求め、その求めた満充電容量に基づいて、現在の電池Bの満充電容量を推定する推定部123と、劣化係数を算出し、劣化係数の第1の積算値を算出する演算部122と、推定部123で参照される劣化ラインLに対応する劣化係数情報Liを参照して、現在の電池Bの使用量に対応する劣化係数の第2の積算値を求め、その第2の積算値を含む範囲Rを求め、第1の積算値が範囲R内にあるか否かを判定する判定処理を行い、第1の積算値が範囲R内にない場合、推定部123で参照される劣化ラインLを他の劣化ラインLに切り替える切替部121とを備えて満充電容量推定装置1を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、電池の満充電容量を推定する満充電容量推定装置に関する。
満充電容量推定装置として、電池に流れる充放電電流の積算値と電池の充放電前後の充電率とを用いて、満充電容量を推定するものがある。
しかしながら、上記満充電容量推定装置では、電池に流れる充放電電流の検出誤差や電池の充放電前後の充電率の推定誤差により、満充電容量の推定精度が低下するおそれがある。
また、他の満充電容量推定装置として、電池の製造時から現在までの経過時間と電池の満充電容量との対応関係を示す劣化ラインを用いて、満充電容量を推定するものもある。例えば、特許文献1参照。
しかしながら、上記他の満充電容量推定装置では、電池の使用方法が変わるなどして電池の劣化の進み具合が変わると、電池の経過時間と電池の満充電容量との対応関係も変わるため、満充電容量の推定精度が低下するおそれがある。
特開2014−7079号公報
本発明の一側面に係る目的は、電池の満充電容量の推定精度を向上させることが可能な満充電容量推定装置を提供することである。
本発明に係る一つの形態である満充電容量推定装置は、記憶部と、演算部と、推定部と、切替部とを備える。
記憶部は、電池の使用量と電池の満充電容量との対応関係を示す劣化ラインを複数記憶するとともに、電池の使用量と電池の劣化に関する指標に基づく劣化係数の積算値との対応関係を示す劣化係数情報を劣化ライン毎に記憶する。
演算部は、劣化係数を算出し、劣化係数の第1の積算値を算出する。
推定部は、各劣化ラインのうちの1つの劣化ラインを参照して、現在の電池の使用量に対応する満充電容量を求め、その求めた満充電容量に基づいて、現在の電池の満充電容量を推定する。
切替部は、推定部で参照される劣化ラインに対応する劣化係数情報を参照して、現在の電池の使用量に対応する劣化係数の第2の積算値を求め、その第2の積算値を含む範囲を求め、第1の積算値が範囲内にあるか否かを判定する判定処理を行い、第1の積算値が範囲内にない場合、推定部で参照される劣化ラインを他の劣化ラインに切り替える。
劣化係数は、電池の劣化に関する指標に基づいているため、劣化係数の第1の積算値は、電池の劣化の進み具合を示すことができる。これにより、電池の劣化の進み具合に応じた劣化ラインを用いて満充電容量を推定することができるため、その推定した満充電容量を実際の満充電容量に近づけることができ、満充電容量の推定精度を向上させることができる。
また、切替部は、各劣化ラインのうちの第1の劣化ラインに対応する劣化係数情報が参照されて求められる、現在の電池の使用量に対応する劣化係数の積算値を含む第1の範囲と、各劣化ラインのうちの第2の劣化ラインに対応する劣化係数情報が参照されて求められる、現在の電池の使用量に対応する劣化係数の積算値を含む第2の範囲とが互いに一部重なるように、第1及び第2の範囲を求めるように構成してもよい。
これにより、ノイズなど電池の劣化以外の要因により第1の積算値が変動しても、第1の積算値が第1の範囲内と第2の範囲内との間を行ったり来たりすることが抑えられるため、推定部により参照される劣化ラインが頻繁に切り替わることを抑えることができる。そのため、推定される満充電容量の変動を抑えることができ、満充電容量を確認しているユーザの違和感を低減することができる。
また、推定部は、推定部で参照される劣化ラインとして第1の劣化ラインから第2の劣化ラインに切り替わった場合、第1の劣化ラインにおいて前回の判定処理の時点の電池の使用量に対応する第1の満充電容量と、第2の劣化ラインにおける第1の満充電容量とが互いに一致するように第2の劣化ラインをオフセットさせるとともに、オフセット後の第2の劣化ラインにおいて今回の判定処理の時点の電池の使用量に対応する第3の満充電容量に基づいて、現在の電池の満充電容量を推定するように構成してもよい。
これにより、劣化ラインを切り替える際に推定される満充電容量の変化量を抑えることができるため、満充電容量を確認しているユーザの違和感を低減することができる。
また、推定部は、推定部で参照される劣化ラインとして第1の劣化ラインから第2の劣化ラインに切り替わった場合、第1の劣化ラインにおいて前回の判定処理の時点の電池の使用量に対応する第1の満充電容量と、第2の劣化ラインにおける第1の満充電容量とが互いに一致するように第2の劣化ラインをオフセットさせるとともに、第1の劣化ラインにおいて今回の判定処理の時点の電池の使用量に対応する第2の満充電容量よりも小さく、かつ、オフセット後の第2の劣化ラインにおいて今回の判定処理の時点の電池の使用量に対応する第3の満充電容量より大きい第4の満充電容量に基づいて、現在の電池の満充電容量を推定した後、オフセット後の第2の劣化ラインの満充電容量と一致するまで徐々に小さくした第4の満充電容量に基づいて、現在の電池の満充電容量を推定するように構成してもよい。
これにより、劣化ラインを切り替える際に推定される満充電容量の変化量をさらに抑えることができるため、満充電容量を確認しているユーザの違和感をさらに低減することができる。
また、演算部は、一定時間経過毎に劣化係数を算出し、劣化係数の第1の積算値を算出するように構成してもよい。
また、演算部は、電池の劣化に関する複数の指標に基づいて、劣化係数を算出するように構成してもよい。
これにより、電池の劣化に関する1つの指標に基づいて、劣化係数を算出する場合に比べて、劣化係数を精度よく算出することができるため、満充電容量の推定精度を向上させることができる。
本発明によれば、電池の満充電容量の推定精度を向上させることができる。
実施形態の満充電容量推定装置を備える電池パックの一例を示す図である。 記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。 プロセッサの動作の一例を示すフローチャートである。 フローチャートのステップS5〜S10を説明するための図である。 実施形態の満充電容量推定装置の変形例1を説明するための図である。 実施形態の満充電容量推定装置の変形例2、3を説明するための図である。
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
図1は、実施形態の満充電容量推定装置を備える電池パックの一例を示す図である。
図1に示す電池パックBPは、プラグインハイブリッド車または電気自動車などの車両Veに搭載され、満充電容量推定装置1(電池ECU(Electronic Control Unit))の他に、電池Bと、電流計2と、温度計3と、スイッチSW1、SW2と、監視ECU4とを備える。なお、車両Veとしては、プラグインハイブリッド車または電気自動車に限られず、例えば電動フォークリフト等の産業車両であってもよい。
車両Veは、電池パックBPの他に、車両Veの走行用のモータMと、モータMを駆動するインバータ回路Invと、インバータ回路Invの動作を制御するとともに車両Veの外部に設けられる充電器Chと通信を行う車両ECU5とを備える。
インバータ回路Invは、スイッチを備え、そのスイッチが繰り返しオン、オフすることにより、電池Bから供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する。また、インバータ回路Invは、スイッチが繰り返しオン、オフすることにより、モータMから供給される交流電力(回生電力)を直流電力に変換して電池Bに供給する。
車両ECU5は、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を変化させることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制御する。なお、車両ECU5の機能を満充電容量推定装置1の機能に含ませて満充電容量推定装置1と車両ECU5とを統合し、その統合後の満充電容量推定装置1を車両Veに設けてもよい。
電池Bは、1つ以上のリチウムイオン電池またはニッケル水素電池などの二次電池により構成される。
電流計2は、シャント抵抗や差動増幅回路などにより構成され、電池Bに流れる電流を検出し、その検出した電流を監視ECU4に送る。
温度計3は、サーミスタなどにより構成され、電池Bの温度を検出し、その検出した温度を監視ECU4に送る。
監視ECU4は、プロセッサや記憶部などを備えて構成され、電池Bの電圧を検出する。また、監視ECU4は、CAN(Controller Area Network)通信などを用いて、検出した電圧、電流計2により検出された電流、及び温度計3により検出された温度を満充電容量推定装置1に送信する。
スイッチSW1、SW2は、それぞれ、半導体リレー(例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))または電磁式リレーなどにより構成される。スイッチSW1の一方端は電流計2を介して電池Bのマイナス端子に接続され、スイッチSW1の他方端はインバータ回路Invのマイナス入力端子に接続されている。スイッチSW2の一方端はスイッチSW1及び電流計2を介して電池Bのマイナス端子に接続され、スイッチSW2の他方端は充電装置Chのマイナス出力端子に接続されている。なお、スイッチSW1の一方端が電池Bのプラス端子に接続され、スイッチSW1の他方端がインバータ回路Invのプラス入力端子に接続され、スイッチSW2の一方端がスイッチSW1を介して電池Bのプラス端子に接続され、スイッチSW2の他方端が充電装置Chのプラス出力端子に接続されていてもよい。
スイッチSW1が導通し、スイッチSW2が遮断すると、電池Bからインバータ回路Invに電力を供給することが可能な状態になるとともに、インバータ回路Invから電池B1に電力を供給することが可能な状態になる。また、スイッチSW1、SW2が導通すると、充電装置Chから電池Bに電力が供給することが可能な状態になる。このとき、充電装置Chからインバータ回路Invに電力が供給されないものとする。インバータ回路Invまたは充電装置Chから電池Bに電力が供給されると、電池Bが充電され電池Bの電圧が上昇し、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されると、電池Bが放電され電池Bの電圧が下降する。
満充電容量推定装置1は、記憶部11と、プロセッサ12とを備える。
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などにより構成される。また、記憶部11は、電池Bの充電率と電池Bの開回路電圧との対応関係を示すSOC(State Of Charge)−OCV(Open Circuit Voltage)特性情報Dを記憶している。また、記憶部11は、電池Bの使用量と電池Bの満充電容量との対応関係を示す劣化ラインLを複数記憶している。また、記憶部11は、電池Bの使用量と劣化係数の積算値との対応関係を示す劣化係数情報Liを劣化ラインL毎に記憶している。なお、劣化ラインLは、電池Bが所定の使用環境あるいは所定の使用方法で繰り返し充放電された場合に劣化する標準的な満充電容量の劣化推移である。使用量としては、例えば、電池Bの製造時から現在までの経過時間[年]、電池Bの使用充電量[Ah]、電池Bの使用放電量[Ah]、または、車両Veの走行距離[km]などを用いることができる。また、劣化係数は、電池Bの劣化に関する1種類または複数種類の指標に基づく値であり、劣化係数の積算値は、現在の電池Bの劣化の進み具合を示す値である。また、劣化ラインと劣化係数情報とが互いに対応しているものとする。これにより、劣化係数の積算値に対応する劣化ライン、すなわち、現在の電池Bの劣化の進み具合に対応する劣化ラインを用いて、満充電容量を推定することで、満充電容量の推定精度を向上させることができる。
図2(a)は、SOC−OCV特性情報Dの一例を示す図である。なお、図2(a)に示す2次元座標の横軸は電池Bの充電率[%]を示し、縦軸は電池Bの開回路電圧[V]を示している。また、図2(a)に示す実線は、電池Bの充電率と開回路電圧との対応関係を示すSOC−OCV特性情報Dを示している。なお、開回路電圧は、監視ECU4から送信される電流がゼロであるときに監視ECU4から送信される電圧とする。
図2(a)に示す情報Dでは、電池Bの開回路電圧が高くなるほど、電池Bの充電率が高くなる。言い換えると、電池Bの開回路電圧が閾値Ath以上になると、電池Bの充電率が閾値Bth以上になり、電池Bの開回路電圧が閾値Athより低くなると、電池Bの充電率が閾値Bthより低くなる。
図2(b)は、電池Bの複数の使用方法にそれぞれ対応する劣化ラインの一例を示す図である。なお、図2(b)に示す2次元座標の横軸は電池Bの使用量として経過時間[年]を示し、縦軸は電池Bの満充電容量[Ah]を示している。電池Bの使用方法の種類としては、車両Veが通勤に使用される場合の電池Bの使用方法、車両Veがレジャーに使用される場合の電池Bの使用方法、車両Veがカーシェアに使用される場合の電池Bの使用方法、及び、車両Veがタクシーに使用される場合の電池Bの使用方法を想定する。図2(b)に示す実線は、車両Veが通勤に使用される場合における経過時間と満充電容量との対応関係を示す劣化ラインL1を示している。また、図2(b)に示す破線は、車両Veがレジャーに使用される場合における経過時間と満充電容量との対応関係を示す劣化ラインL2を示している。また、図2(b)に示す一点鎖線は、車両Veがカーシェアに使用される場合における経過時間と満充電容量との対応関係を示す劣化ラインL3を示している。また、図2(b)に示す二点鎖線は、車両Veがタクシーに使用される場合における経過時間と満充電容量との対応関係を示す劣化ラインL4を示している。また、図2(b)に示す2次元座標の横軸の経過時間を、他の使用量に置き換えてもよい。また、劣化ラインL1〜L4は、実験やシミュレーションなどにより予め求められているものとする。上記の例では、電池Bの複数の使用方法として車両Veの使用形態のそれぞれに対応するように複数の劣化ラインL1〜L4を用意したが、これに限られない。例えば、電池Bの複数の使用方法を車両Veの使用頻度で区分をし、各区分に対応して複数の劣化ラインを用意してもよい。
図2(b)に示す劣化ラインL1〜L4では、それぞれ、経過時間が長くなるほど、満充電容量が小さくなるものとする。言い換えると、劣化ラインL1〜L4は、それぞれ、経過時間が閾値Cth以下である場合、満充電容量が閾値Dth以上になり、経過時間が閾値Cthより長い場合、満充電容量が閾値Dthより小さくなるものとする。また、劣化ラインL2における単位経過時間あたりの満充電容量の減少幅は、劣化ラインL1における単位経過時間あたりの満充電容量の減少幅より大きいものとする。また、劣化ラインL3における単位経過時間あたりの満充電容量の減少幅は、劣化ラインL2における単位経過時間あたりの満充電容量の減少幅より大きいものとする。また、劣化ラインL4における単位経過時間あたりの満充電容量の減少幅は、劣化ラインL3における単位経過時間あたりの満充電容量の減少幅より大きいものとする。そのため、任意の経過時間において、劣化ラインL2の満充電容量が劣化ラインL1の満充電容量より小さくなり、劣化ラインL3の満充電容量が劣化ラインL2の満充電容量より小さくなり、劣化ラインL4の満充電容量が劣化ラインL3の満充電容量より小さくなる。
図2(c)は、劣化ラインL1〜L4にそれぞれ対応する劣化係数情報の一例を示す図である。なお、図2(c)に示す2次元座標の横軸は電池Bの使用量として経過時間[年]を示し、縦軸は劣化係数の積算値を示している。図2(c)に示す実線は、劣化ラインL1に対応する劣化係数情報Li1を示している。また、図2(c)に示す破線は、劣化ラインL2に対応する劣化係数情報Li2を示している。また、図2(c)に示す一点鎖線は、劣化ラインL3に対応する劣化係数情報Li3を示している。また、図2(c)に示す二点鎖線は、劣化ラインL4に対応する劣化係数情報Li4を示している。また、図2(c)に示す2次元座標の横軸の経過時間を、他の使用量に置き換えてもよい。また、劣化係数情報Li1〜Li4は、実験やシミュレーションなどにより予め求められているものとする。
図2(c)に示す劣化係数情報Li1〜Li4では、それぞれ、経過時間が長くなるほど、劣化係数の積算値が大きくなるものとする。言い換えると、劣化係数情報Li1〜Li4は、それぞれ、経過時間が閾値Eth以上である場合、劣化係数の積算値が閾値Fth以上になり、経過時間が閾値Ethより短い場合、劣化係数の積算値が閾値Fthより小さくなるものとする。また、劣化係数情報Li2における単位経過時間あたりの劣化係数の積算値の増加幅は、劣化係数情報Li1における単位経過時間あたりの劣化係数の積算値の増加幅より大きいものとする。また、劣化係数情報Li3における単位経過時間あたりの劣化係数の積算値の増加幅は、劣化係数情報Li2における単位経過時間あたりの劣化係数の積算値の増加幅より大きいものとする。また、劣化係数情報Li4における単位経過時間あたりの劣化係数の積算値の増加幅は、劣化係数情報Li3における単位経過時間あたりの劣化係数の積算値の増加幅より大きいものとする。そのため、任意の経過時間において、劣化係数情報Li2の劣化係数の積算値が劣化係数情報Li1の劣化係数の積算値より大きくなり、劣化係数情報Li3の劣化係数の積算値が劣化係数情報Li2の劣化係数の積算値より大きくなり、劣化係数情報Li4の劣化係数の積算値が劣化係数情報Li3の劣化係数の積算値より大きくなる。
また、図1に示すプロセッサ12は、切替部121と、演算部122と、推定部123とを備える。なお、プロセッサ12が記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、切替部121、演算部122、及び推定部123が実現される。
図3は、プロセッサ12の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、切替部121は、電池Bの工場出荷時または電池Bの使用初期において、電池Bの使用方法に対応する劣化ラインを決定する(ステップS1)。
次に、演算部122は、積算値算出タイミングになると(ステップS2:Yes)、監視ECU4から送信される温度や推定部123により推定される電池Bの充電率などを用いて劣化係数を算出し(ステップS3)、その劣化係数の第1の積算値を算出する(ステップS4)。積算値算出タイミングは、電池Bの充電または放電が終了するタイミングや、使用量が一定量に達したタイミングとする。具体的には、一定時間T1経過毎のタイミング、電池Bの充電中に監視ECU4から送信される電流の積算値(プラスの値)が一定値I11(プラスの値)ずつ増加するときのタイミング、電池Bの放電中に監視ECU4から送信される電流の積算値(マイナスの値)が一定値I12(マイナスの値)ずつ増加するときのタイミング、または、車両Veの走行距離が一定距離D1ずつ増加するときのタイミングとする。
次に、切替部121は、満充電容量推定タイミングになっていないとき(ステップS5:No)、ステップS2〜S4の処理を繰り返し実行する。満充電容量推定タイミングは、電池Bの充電または放電が終了するタイミングや、使用量が一定量に達したタイミングとする。具体的には、一定時間T2経過毎のタイミング、電池Bの充電中に監視ECU4から送信される電流の積算値(プラスの値)が一定値I21(プラスの値)ずつ増加するときのタイミング、電池Bの放電中に監視ECU4から送信される電流の積算値(マイナスの値)が一定値I22(マイナスの値)ずつ増加するときのタイミング、または、車両Veの走行距離が一定距離D2ずつ増加するときのタイミングとする。なお、一定時間T1<一定時間T2、一定値I11<一定値I21、一定値I12<一定値I22、一定距離D1<一定距離D2とする。これにより、満充電容量を推定する間隔を、劣化係数の第1の積算値を算出する間隔より長くすることができる。
一方、切替部121は、満充電容量推定タイミングになると(ステップS5:Yes)、前回の推定処理において推定部123で参照される劣化ラインLに対応する劣化係数情報Liを参照して、現在の電池Bの使用量に対応する劣化係数の積算値を第2の積算値として求め(ステップS6)、その第2の積算値を含む範囲Rを求める(ステップS7)。
次に、切替部121は、ステップS4で算出された第1の積算値がステップS7で求めた範囲R内にあるか否か判定する判定処理を行う(ステップS8)。
次に、切替部121は、第1の積算値が範囲R内にない場合(ステップS8:No)、推定部123で参照される劣化ラインLを、第1の積算値が入る他の劣化ラインLに切り替え(ステップS9)、第1の積算値が範囲R内にある場合(ステップS8:Yes)、推定部123で参照される劣化ラインLを切り替えない。これにより、推定部123で参照される劣化ラインLとして、劣化係数の第1の積算値に応じた劣化ラインL、すなわち、現在の電池Bの劣化の進み具合に応じた劣化ラインLを選択することができる。
そして、推定部123は、記憶部11に記憶されている各劣化ラインLのうちの1つの劣化ラインLを参照して、現在の電池Bの使用量に対応する満充電容量を求め、その求めた満充電容量に基づいて、現在の電池Bの満充電容量を推定する(ステップS10)。
このように、実施形態の満充電容量推定装置1では、前回の判定処理において推定部123で参照される劣化ラインLに対応する劣化係数情報Liを参照して、現在の電池Bの使用量に対応する劣化係数の第2の積算値を求め、その第2の積算値を含む範囲Rを求め、第1の積算値が範囲R内にあるか否かを判定する判定処理を行い、第1の積算値が範囲R内にない場合、推定部123で参照される劣化ラインLを他の劣化ラインLに切り替え、第1の積算値が範囲R内にある場合、推定部123で参照される劣化ラインLを切り替えないようにしている。
これにより、電池Bの劣化の進み具合に応じた劣化ラインLを用いて満充電容量を推定することができるため、その推定した満充電容量を実際の満充電容量に近づけることができ、満充電容量の推定精度を向上させることができる。
以下、図3に示すフローチャートのステップS1〜S10の例を説明する。
<ステップS1の例(劣化ラインL1〜L4について)>
(劣化ラインL1について)切替部121は、現在の電池Bの使用方法が、車両Veが通勤に使われる場合の電池Bの使用方法であると判定すると、推定部123で参照される劣化ラインLとして劣化ラインL1を決定する(ステップS1)。なお、切替部121は、電池Bが1日に1回充電されているとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veが通勤に使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veが平日の朝と晩にそれぞれ1回ずつ使われているとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veが通勤に使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veの温度頻度分布の最も高い頻度における温度が閾値Gth1より高く、かつ、閾値Gth2より低いと、現在の電池Bの使用方法が、車両Veが通勤に使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。閾値Gth1<閾値Gth2とする。
(劣化ラインL2について)切替部121は、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがレジャーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定すると、推定部123で参照される劣化ラインLとして劣化ラインL2を決定する(ステップS1)。なお、切替部121は、電池Bが1週間に1回充電されているとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがレジャーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veの平日の起動頻度が閾値Hth以下であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがレジャーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veの温度頻度分布の最も高い頻度における温度が閾値Gth1以下であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがレジャーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。
(劣化ラインL3について)切替部121は、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使用される場合の電池Bの使用方法であると判定すると、推定部123で参照される劣化ラインLとして劣化ラインL3を決定する(ステップS1)。なお、切替部121は、電池Bが1日に2回以上充電されているとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使用される場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veが一定時間内で使用される頻度が閾値Ith以上であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veが一定距離内で走行する頻度が閾値Jth以上であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、電池Bの充電頻度が閾値Kth以上であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、温度頻度分布の最も高い頻度における温度が閾値Gth1以下であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veに搭載されるGPS(Global Positioning System)により検出される車両Veの放置場所が毎回異なる場所、または、車両Veの放置場所が複数の所定場所の何れかの場所であると、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。また、切替部121は、車両Veの発進時に電池Bからインバータ回路Invに流れる放電電流、もしくは車両Veのアクセル開度信号を用いて、車両Veの起動毎にアクセル開度が異なることが検出されたとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veの減速時にインバータ回路Invから電池Bに流れる充電電流、もしくは車両Veのブレーキ開度信号を用いて、ブレーキ開度が車両Veの起動毎に異なることが検出されたとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがカーシェアに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。
(劣化ラインL4について)切替部121は、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがタクシーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定すると、推定部123で参照される劣化ラインLとして劣化ラインL4を決定する(ステップS1)。なお、切替部121は、電池Bが1日に1回充電され、かつ、充電1回あたりの電池Bの充電率の増加量が閾値Lth以上であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがタクシーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veの起動後の待機時間が閾値Mth以上であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがタクシーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veの1日あたりの走行距離が閾値Nth以上であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがタクシーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。または、切替部121は、車両Veの1週間あたりの稼働日数が閾値Oth以上であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがタクシーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定するように構成してもよい。または、切替部121は、車両Veの温度頻度分布の最も高い頻度における温度が閾値Gth2以上であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがタクシーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定するように構成してもよい。または、切替部121は、車両Veに搭載されるGPSを用いて検出される車両Veの起動後の待機場所が毎回同じ場所であるとき、現在の電池Bの使用方法が、車両Veがタクシーに使われる場合の電池Bの使用方法であると判定する。
<ステップS2〜S4の例1〜例5>
(例1)演算部122は、積算値算出タイミングになると(ステップS2:Yes)、監視ECU4から満充電容量推定装置1に送信される温度が25[℃]以下であるとき、劣化係数として「1.0」を算出し(ステップS3)、その「1.0」を第1の積算値に加算し(ステップS4)、温度が25[℃]より高く、かつ、45[℃]以下であるとき、劣化係数として「1.5」を算出し(ステップS3)、その「1.5」を第1の積算値に加算し(ステップS4)、温度が45[℃]より高いとき、劣化係数として「2.0」を算出し(ステップS3)、その「2.0」を第1の積算値に加算する(ステップS4)。
(例2)演算部122は、積算値算出タイミングになると(ステップS2:Yes)、車両Veが起動しているときの電池Bの充電率が比較的高い充電率の範囲内で変動しているとき、または、電池Bの充電率が比較的低い充電率の範囲内で変動しているとき、劣化係数として「1.5」を算出し(ステップS3)、その「1.5」を第1の積算値に加算し(ステップS4)、それ以外のとき、劣化係数として「1.0」を算出し(ステップS3)、その「1.0」を第1の積算値に加算する(ステップS4)。
(例3)演算部122は、積算値算出タイミングになると(ステップS2:Yes)、車両Veが起動していないときの電池Bの充電率が比較的高い充電率の範囲内で変動しているとき、または、電池Bの充電率が過放電状態であるとき、劣化係数として「1.5」を算出し(ステップS3)、その「1.5」を第1の積算値に加算し(ステップS4)、それ以外のとき、劣化係数として「1.0」を算出し(ステップS3)、その「1.0」を第1の積算値に加算する(ステップS4)。
(例4)演算部122は、積算値算出タイミングになると(ステップS2:Yes)、充電器Chにより電池Bが比較的短い時間で充電されているとき、劣化係数として「1.0」を算出し(ステップS3)、その「1.0」を第1の積算値に加算し(ステップS4)、充電器Chにより電池Bが比較的長い時間で充電されているとき、劣化係数として「1.5」を算出し(ステップS3)、その「1.5」を第1の積算値に加算する(ステップS4)。
(例5)演算部122は、積算値算出タイミングになると(ステップS2:Yes)、電池Bが比較的短い時間で深放電されているとき、劣化係数として「1.5」を算出し(ステップS3)、その「1.5」を第1の積算値に加算し(ステップS4)、それ以外のとき、劣化係数として「1.0」を算出し(ステップS3)、その「1.0」を第1の積算値に加算する(ステップS4)。
なお、演算部122は、上記(例1)〜(例5)の第1の積算値の算出方法のうちの2つ以上の算出方法を組み合わせて、劣化係数を算出し、その劣化係数の第1の積算値を算出するように構成してもよい。すなわち、演算部122は、電池Bの劣化に関する2種類以上の指標に基づいて、劣化係数を算出し、その劣化係数の第1の積算値を算出するように構成してもよい。例えば、演算部122は、積算値算出タイミングになると、監視ECU4から満充電容量推定装置1に送信される温度が45[℃]より高いときで、かつ、車両Veが起動しているときの電池Bの充電率が比較的高い充電率の範囲内で変動しているとき、劣化係数として「2.0」及び「1.5」を算出し、その「2.0」及び「1.5」を第1の積算値に加算する。このように、電池Bの劣化に関する2種類以上の指標に基づいて、劣化係数を算出し、その劣化係数の第1の積算値を算出する場合、電池Bの劣化に関する1つの指標に基づいて、劣化係数を算出し、その劣化係数の第1の積算値を算出する場合に比べて、劣化係数の第1の積算値を精度よく算出することができるため、満充電容量の推定精度を向上させることができる。
<ステップS5〜S7の例>
図4(a)は、図2(c)に示す2次元座標の一部を拡大した図である。なお、説明を簡単にするため、劣化係数情報Li1、Li2のみを示している。
まず、切替部121は、任意の満充電容量推定タイミングである経過時間t1になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li1を参照して、経過時間t1に対応する劣化係数の積算値i11を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i11に一定値α1を加算した値を上限値とするとともに、積算値i11から一定値β1を減算した値を下限値とする範囲R1を求める(ステップS7)。また、切替部121は、経過時間t1になると、劣化係数情報Li2を参照して、経過時間t1に対応する積算値i21を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i21に一定値α1を加算した値を上限値とするとともに、積算値i21から一定値β1を減算した値を下限値とする範囲R2を求める(ステップS7)。なお、一定値α1及び一定値β1は、それぞれ、積算値i21と積算値i11との差を2で除算した値とする。これにより、範囲R1の上限値と範囲R2の下限値とを互いに一致させることができる。また、範囲R1の上限値と範囲R2の下限値とを互いに一致させることが可能であれば、一定値α1及び一定値β1は互いに異なる値でもよい。
次に、切替部121は、経過時間t1から一定時間T2経過後の使用時間t2になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li1を参照して、経過時間t2に対応する積算値i12を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i12に一定値α2を加算した値を上限値とするとともに、積算値i12から一定値β2を減算した値を下限値とする範囲R1を求める(ステップS7)。また、切替部121は、経過時間t2になると、劣化係数情報Li2を参照して、経過時間t2に対応する積算値i22を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i22に一定値α2を加算した値を上限値とするとともに、積算値i22から一定値β2を減算した値を下限値とする範囲R2を求める(ステップS7)。なお、一定値α2及び一定値β2は、それぞれ、積算値i22と積算値i12との差を2で除算した値とする。これにより、範囲R1の上限値と範囲R2の下限値とを互いに一致させることができる。また、範囲R1の上限値と範囲R2の下限値とを互いに一致させることが可能であれば、一定値α2及び一定値β2は互いに異なる値でもよい。
そして、切替部121は、経過時間t2から一定時間T2経過後の経過時間t3になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li1を参照して、経過時間t3に対応する積算値i13を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i13に一定値α3を加算した値を上限値とするとともに、積算値i13から一定値β3を減算した値を下限値とする範囲R1を求める(ステップS7)。また、切替部121は、経過時間t3になると、劣化係数情報Li2を参照して、経過時間t3に対応する積算値i23を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i23に一定値α3を加算した値を上限値とするとともに、積算値i23から一定値β3を減算した値を下限値とする範囲R2を求める(ステップS7)。なお、一定値α3及び一定値β3は、それぞれ、積算値i23と積算値i13との差を2で除算した値とする。これにより、範囲R1の上限値と範囲R2の下限値とを互いに一致させることができる。また、範囲R1の上限値と範囲R2の下限値とを互いに一致させることが可能であれば、一定値α3及び一定値β3は互いに異なる値でもよい。
<ステップS8、S9の例>
図4(b)は、図2(c)に示す2次元座標の一部を拡大した図である。なお、図4(b)に示す複数の黒丸は、積算値算出タイミング毎に演算部122により算出される第1の積算値とする。
まず、切替部121は、任意の満充電容量推定タイミングである経過時間t1になると、経過時間t1において演算部122により算出された第1の積算値が、劣化係数情報Li1と経過時間t1とを用いて求めた範囲R1内にあると判断すると(ステップS8:Yes)、劣化係数情報Li1に対応する劣化ラインL1を、推定部123で参照される劣化ラインLとする。
次に、切替部121は、経過時間t1から一定時間T2経過後の経過時間t2になると、経過時間t2において演算部122により算出された第1の積算値が、前回の推定処理(経過時間t1)において推定部123により参照された劣化ラインL1に対応する劣化係数情報Li1と経過時間t2とを用いて求めた範囲R1内になく、劣化係数情報Li2と経過時間t2とを用いて求めた範囲R2内にあると判断すると(ステップS8:No)、推定部123により参照される劣化ラインLとして、劣化係数情報Li1に対応する劣化ラインL1から劣化係数情報Li2に対応する劣化ラインL2に切り替える(ステップS9)。
そして、切替部121は、経過時間t2から一定時間T2経過後の経過時間t3になると、経過時間t3において演算部122により算出された第1の積算値が、前回の推定処理(経過時間t2)において推定部123により参照された劣化ラインL2に対応する劣化係数情報Li2と経過時間t3とを用いて求めた範囲R2内になく、劣化係数情報Li1と経過時間t3とを用いて求めた範囲R1内にあると判断すると(ステップS8:No)、推定部123により参照される劣化ラインLとして、劣化係数情報Li2に対応する劣化ラインL2から劣化係数情報Li1に対応する劣化ラインL1に切り替える(ステップS9)。
<ステップS10の例>
図4(c)は、図2(b)に示す2次元座標の一部を拡大した図である。なお、説明を簡単にするため、劣化ラインL1、L2のみを示している。
まず、推定部123は、任意の満充電容量推定タイミングである経過時間t1になると、劣化ラインL1を参照して、経過時間t1に対応する満充電容量C11を、現在の電池Bの満充電容量として推定する(ステップS10)。
次に、推定部123は、経過時間t1から一定時間T2経過後の経過時間t2になると、劣化ラインL2を参照して、経過時間t2に対応する満充電容量C22を、現在の電池Bの満充電容量として推定する(ステップS10)。
そして、推定部123は、経過時間t2から一定時間T2経過後の経過時間t3になると、劣化ラインL1を参照して、経過時間t3に対応する満充電容量C13を、現在の電池Bの満充電容量として推定する(ステップS10)。
なお、ステップS10において、推定部123は、劣化ラインLを用いて、満充電容量Cαを推定するとともに、電池Bに流れる電流の積算値と電池Bの充電前後または放電前後の充電率とを用いて、電池Bの満充電容量Cβを推定し、満充電容量Cαと満充電容量Cβとの加算値を2で除算した結果を、現在の電池Bの満充電容量として推定してもよい。
例えば、推定部123は、(充電中に監視ECU4から送信される電流の積算値[Ah]/(充電終了時の電池Bの充電後の充電率[%]−充電開始時の電池Bの充電率[%]))×100を計算することにより、満充電容量Cβを推定する。または、推定部1232は、(放電中に監視ECU4から送信される電流の積算値[Ah]/(放電開始時の電池Bの充電率[%]−放電終了時の電池Bの充電率[%]))×100を計算することにより、満充電容量Cβを推定する。なお、推定部123は、記憶部11に記憶されているSOC−OCV特性情報Dを参照し、充電開始時の電池Bの開回路電圧に対応する充電率を、充電開始時の電池Bの充電率とし、充電終了時の電池Bの開回路電圧に対応する充電率を、充電終了時の電池Bの充電率とする。また、推定部123は、記憶部11に記憶されているSOC−OCV特性情報Dを参照し、放電開始時の電池Bの開回路電圧に対応する充電率を、放電開始時の電池Bの充電率とし、放電終了時の電池Bの開回路電圧に対応する充電率を、放電終了時の電池Bの充電率とする。
<図1に示すプロセッサ12の他の動作例>
プロセッサ12は、スイッチSW1、SW2の動作を制御するとともに、CAN(Controller Area Network)通信などにより監視ECU4及び車両ECU5と通信を行う。
すなわち、プロセッサ12は、イグニッションスイッチがオンした旨を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1を導通させるとともにスイッチSW2を遮断させ、監視ECU4から送信される電圧、電流、及び温度などを用いて電池Bの充電率を算出し、その算出した充電率に応じた出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winを車両ECU5に送信する。
また、プロセッサ12は、充電率が第1の下限閾値以下になると、制限後の出力電力指令値Woutを車両ECU5に送信し、充電率が第1の上限閾値以上になると、制限後の入力電力指令値Winを車両ECU5に送信する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutに応じた電力が電池Bからインバータ回路Invに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御するとともに、入力電力指令値Winに応じた電力がインバータ回路Invから電池Bに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winが制限されると、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を小さくすることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制限する。
また、プロセッサ12は、電池Bの充電率が第1の下限閾値より小さい第2の下限閾値以下になると、または、電池Bの充電率が第1の上限閾値より大きい第2の上限閾値以上になると、スイッチSW1、SW2を遮断することにより、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されること、インバータ回路Invから電池Bに電力が供給されること、及び充電装置Chから電池Bに電力が供給されることを禁止する。なお、第2の下限閾値は、電池Bが過放電状態になる直前の電池Bの充電率とし、第2の上限閾値は、電池Bが過充電状態になる直前の電池Bの充電率とする。これにより、電池Bが過充電状態または過放電状態になることを防止することができる。
また、プロセッサ12は、スイッチSW1を導通させているとともにスイッチSW2を遮断させているとき、監視ECU4から送信される電圧が過電圧閾値以上になると、または、監視ECU4から送信される電流が過電流閾値以上になると、または、監視ECU4から送信される温度が過温度閾値以上になると、電池Bに異常が発生したと判断し、その旨を車両ECU5に送信する。車両ECU5は、電池Bに異常が発生した旨を受信すると、インバータ回路Invを停止させ、電池Bの充電及び放電を禁止する。
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
<変形例1>
図3に示すステップS7において、切替部121は、各劣化ラインLのうちの第1の劣化ラインLに対応する劣化係数情報Liが参照されて求められる、現在の電池Bの使用量に対応する劣化係数の積算値を含む範囲R1´(第1の範囲)と、各劣化ラインLのうちの第1の劣化ラインLと異なる第2の劣化ラインLに対応する劣化係数情報Liが参照されて求められる、現在の電池Bの使用量に対応する劣化係数の積算値を含む範囲R2´(第2の範囲)とが互いに一部重なるように、範囲R1´及び範囲R2´を求めるように構成してもよい。
図5(a)は、実施形態の満充電容量推定装置1の変形例1を説明するための図である。なお、図5(a)は、図2(c)に示す2次元座標の一部を拡大した図である。また、図5(a)に示す複数の黒丸は、積算値算出タイミング毎に演算部122により算出される第1の積算値とする。
まず、切替部121は、任意の満充電容量推定タイミングである経過時間t1になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li1を参照して、経過時間t1に対応する劣化係数の積算値i11を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i11に一定値α1´を加算した値を上限値とするとともに、積算値i11から一定値β1´を減算した値を下限値とする範囲R1´を求める(ステップS7)。また、切替部121は、経過時間t1になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li2を参照して、経過時間t1に対応する積算値i21を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i21に一定値α1´を加算した値を上限値とするとともに、積算値i21から一定値β1´を減算した値を下限値とする範囲R2´を求める(ステップS7)。なお、一定値α1´及び一定値β1´は、それぞれ、積算値i21と積算値i11との差を2で除算した値より大きい値とする。これにより、範囲R1´の一部と範囲R2´の一部を互いに重ねることができる。また、範囲R1´の一部と範囲R2の一部とを互いに重ねることが可能であれば、一定値α1´及び一定値β1´は互いに同じ値でもよいし、互いに異なる値でもよい。
次に、切替部121は、経過時間t1から一定時間T2経過後の使用時間t2になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li1を参照して、経過時間t2に対応する積算値i12を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i12に一定値α2´を加算した値を上限値とするとともに、積算値i12から一定値β2´を減算した値を下限値とする範囲R1´を求める(ステップS7)。また、切替部121は、経過時間t2になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li2を参照して、経過時間t2に対応する積算値i22を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i22に一定値α2´を加算した値を上限値とするとともに、積算値i22から一定値β2´を減算した値を下限値とする範囲R2´を求める(ステップS7)。なお、一定値α2´及び一定値β2´は、それぞれ、積算値i22と積算値i12との差を2で除算した値より大きい値とする。これにより、範囲R1´の一部と範囲R2´の一部を互いに重ねることができる。また、範囲R1´の一部と範囲R2´の一部とを互いに重ねることが可能であれば、一定値α2´及び一定値β2´は互いに同じ値でもよいし、互いに異なる値でもよい。
そして、切替部121は、経過時間t2から一定時間T2経過後の経過時間t3になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li1を参照して、経過時間t3に対応する積算値i13を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i13に一定値α3´を加算した値を上限値とするとともに、積算値i13から一定値β3´を減算した値を下限値とする範囲R1´を求める(ステップS7)。また、切替部121は、経過時間t3になると(ステップS5:Yes)、劣化係数情報Li2を参照して、経過時間t3に対応する積算値i23を第2の積算値として求め(ステップS6)、その積算値i23に一定値α3´を加算した値を上限値とするとともに、積算値i23から一定値β3´を減算した値を下限値とする範囲R2´を求める(ステップS7)。なお、一定値α3´及び一定値β3´は、それぞれ、積算値i23と積算値i13との差を2で除算した値より大きい値とする。これにより、範囲R1´の一部と範囲R2´の一部を互いに重ねることができる。また、範囲R1´の一部と範囲R2´の一部とを互いに重ねることが可能であれば、一定値α3´及び一定値β3´は互いに同じ値でもよいし、互いに異なる値でもよい。
図5(b)は、図2(c)に示す2次元座標の一部を拡大した図である。なお、図5(b)に示す複数の黒丸は、積算値算出タイミング毎に演算部122により算出される第1の積算値とする。
まず、切替部121は、任意の満充電容量推定タイミングである経過時間t1になると、経過時間t1において演算部122により算出された第1の積算値が、劣化係数情報Li1と経過時間t1とを用いて求めた範囲R1´内にある場合(ステップS8:Yes)、劣化係数情報Li1に対応する劣化ラインL1を、推定部123で参照される劣化ラインLとする。
次に、切替部121は、経過時間t1から一定時間T2経過後の経過時間t2になると、経過時間t2において演算部122により算出された第1の積算値が、前回の推定処理(経過時間t1)において推定部123により参照された劣化ラインL1に対応する劣化係数情報Li1と経過時間t2とを用いて求めた範囲R1´内になく、劣化係数情報Li2と経過時間t2とを用いて求めた範囲R2´内にある場合(ステップS8:No)、推定部123により参照される劣化ラインLとして、劣化係数情報Li1に対応する劣化ラインL1から劣化係数情報Li2に対応する劣化ラインL2に切り替える(ステップS9)。
そして、切替部121は、経過時間t2から一定時間T2経過後の経過時間t3になると、経過時間t3において演算部122により算出された第1の積算値が、前回の推定処理(経過時間t2)において推定部123により参照された劣化ラインL2に対応する劣化係数情報Li2と経過時間t3とを用いて求めた範囲R2´内にある場合(ステップS8:Yes)、推定部123により参照される劣化ラインLとして、劣化係数情報Li2に対応する劣化ラインL2から劣化係数情報Li1に対応する劣化ラインL1に切り替えない。
図5(c)は、図2(b)に示す2次元座標の一部を拡大した図である。なお、説明を簡単にするため、劣化ラインL1、L2のみを示している。
まず、推定部123は、満充電容量推定タイミングである経過時間t1になると、劣化ラインL1を参照して、経過時間t1に対応する満充電容量C11を、現在の電池Bの満充電容量として推定する(ステップS10)。
次に、推定部123は、経過時間t1から一定時間T2経過後の経過時間t2になると、劣化ラインL2を参照して、経過時間t2に対応する満充電容量C22を、現在の電池Bの満充電容量として推定する(ステップS10)。
そして、推定部123は、経過時間t2から一定時間T2経過後の経過時間t3になると、劣化ラインL2を参照して、経過時間t3に対応する満充電容量C23を、現在の電池Bの満充電容量として推定する(ステップS10)。
このように、範囲R1´の一部と範囲R2´の一部を互いに重ねることができるため、範囲R1´を図4(a)に示す範囲R1より大きくすることができるとともに範囲R2´を図4(a)に示す範囲R2より大きくすることができる。これにより、変形例1の満充電容量推定装置1は、図1に示す満充電容量推定装置1に比べて、ノイズや、一時的にユーザが変わった場合など電池Bの劣化以外の要因により第1の積算値が変動しても、第1の積算値が範囲R1´内と範囲R2´内との間を行ったり来たりすることが抑えられるため、推定部123により参照される劣化ラインLが頻繁に切り替わることを抑えることができる。そのため、推定される満充電容量の変動を抑えることができ、満充電容量を確認しているユーザの違和感を低減することができる。
<変形例2>
図3に示すステップS10において、推定部123は、推定部123で参照される劣化ラインLとして第1の劣化ラインLから第2の劣化ラインLに切り替わった場合、第1の劣化ラインLにおいて前回の判定処理の時点の電池Bの使用量に対応する第1の満充電容量と、第2の劣化ラインLにおける第1の満充電容量とが互いに一致するように第2の劣化ラインをオフセットさせるとともに、オフセット後の第2の劣化ラインLにおいて今回の判定処理の時点の電池Bの使用量に対応する第3の満充電容量に基づいて、現在の電池Bの満充電容量を推定するように構成してもよい。
図6(a)は、図2(b)に示す2次元座標の一部を拡大した図である。なお、説明を簡単にするため、劣化ラインL1、L2のみを示している。
推定部123は、経過時間t2において、推定部123で参照される劣化ラインL1が劣化ラインL2に切り替わった場合、劣化ラインL1において経過時間t2に対応する満充電容量C11と、劣化ラインL2における満充電容量C11とが互いに一致するように劣化ラインL2を劣化ラインL2´にオフセットさせるとともに、劣化ラインL2´において経過時間t2に対応する満充電容量C22´を、現在の電池Bの満充電容量として推定する。これにより、経過時間t2において劣化ラインL2´を用いて推定される満充電容量C22´を、経過時間t2において劣化ラインL2を用いて推定される満充電容量C22と比べて、経過時間t1において劣化ラインL1を用いて推定される満充電容量C11に近づけることができるため、経過時間t2において劣化ラインL1から劣化ラインL2に切り替える際に推定される満充電容量の変化量を抑えることができる。
このように、劣化ラインLを切り替える際に推定される満充電容量の変化量を抑えることができるため、満充電容量を確認しているユーザの違和感を低減することができる。
<変形例3>
図3に示すステップS10において、推定部123は、推定部123で参照される劣化ラインLとして第1の劣化ラインLから第2の劣化ラインLに切り替わった場合、第1の劣化ラインLにおいて前回の判定処理の時点の電池Bの使用量に対応する第1の満充電容量と、第2の劣化ラインLにおける第1の満充電容量とが互いに一致するように第2の劣化ラインLをオフセットさせるとともに、第1の劣化ラインLにおいて今回の判定処理の時点の電池の使用量に対応する第2の満充電容量よりも小さく、かつ、オフセット後の第2の劣化ラインLにおいて今回の判定処理の時点の電池Bの使用量に対応する第3の満充電容量より大きい第4の満充電容量に基づいて、現在の電池Bの満充電容量を推定した後、オフセット後の第2の劣化ラインLの満充電容量と一致するまで徐々に小さくした第4の満充電容量に基づいて、現在の電池Bの満充電容量を推定するように構成してもよい。
図6(b)は、図2(b)に示す2次元座標の一部を拡大した図である。なお、説明を簡単にするため、劣化ラインL1、L2のみを示している。
推定部123は、経過時間t2において、変形例2と同様に、劣化ラインL2を劣化ラインL2´にオフセットさせた後、劣化ラインL1において経過時間t2に対応する満充電容量C12より小さく、かつ、劣化ラインL2´において経過時間t2に対応する満充電容量C22´より大きい満充電容量C2´を経過時間t2における満充電容量として推定する。また、推定部123は、経過時間t3において、満充電容量C2´を一定容量分小さくした満充電容量C3´を、経過時間t3に対応する満充電容量として推定する。これにより、経過時間t2において推定される満充電容量C2´を、経過時間t2において劣化ラインL2´を用いて推定される満充電容量C22´と比べて、経過時間t1において劣化ラインL1を用いて推定される満充電容量C11に近づけることができるため、経過時間t2において劣化ラインL1から劣化ラインL2に切り替える際に推定される満充電容量の変化量を抑えることができる。
このように、劣化ラインLを切り替える際に推定される満充電容量の変化量をさらに抑えることができるため、満充電容量を確認しているユーザの違和感をさらに低減することができる。
1 満充電容量推定装置
2 電流計
3 温度計
4 監視ECU
5 車両ECU
11 記憶部
12 プロセッサ
121 切替部
122 演算部
123 推定部

Claims (6)

  1. 電池の使用量と前記電池の満充電容量との対応関係を示す劣化ラインを複数記憶するとともに、前記電池の使用量と前記電池の劣化に関する指標に基づく劣化係数の積算値との対応関係を示す劣化係数情報を前記劣化ライン毎に記憶する記憶部と、
    前記劣化係数を算出し、前記劣化係数の第1の積算値を算出する演算部と、
    前記各劣化ラインのうちの1つの劣化ラインを参照して、現在の前記電池の使用量に対応する満充電容量を求め、その求めた満充電容量に基づいて、現在の前記電池の満充電容量を推定する推定部と、
    前記推定部で参照される劣化ラインに対応する劣化係数情報を参照して、現在の前記電池の使用量に対応する劣化係数の第2の積算値を求め、その第2の積算値を含む範囲を求め、前記第1の積算値が前記範囲内にあるか否かを判定する判定処理を行い、前記第1の積算値が前記範囲内にない場合、前記推定部で参照される劣化ラインを他の劣化ラインに切り替える切替部と、
    を備える満充電容量推定装置。
  2. 請求項1に記載の満充電容量推定装置であって、
    前記切替部は、前記各劣化ラインのうちの第1の劣化ラインに対応する劣化係数情報が参照されて求められる、現在の前記電池の使用量に対応する劣化係数の積算値を含む第1の範囲と、前記各劣化ラインのうちの第2の劣化ラインに対応する劣化係数情報が参照されて求められる、現在の前記電池の使用量に対応する劣化係数の積算値を含む第2の範囲とが互いに一部重なるように、前記第1及び第2の範囲を求める
    ことを特徴とする満充電容量推定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の満充電容量推定装置であって、
    前記推定部は、前記推定部で参照される劣化ラインとして第1の劣化ラインから第2の劣化ラインに切り替わった場合、前記第1の劣化ラインにおいて前回の前記判定処理の時点の前記電池の使用量に対応する第1の満充電容量と、前記第2の劣化ラインにおける前記第1の満充電容量とが互いに一致するように前記第2の劣化ラインをオフセットさせるとともに、オフセット後の前記第2の劣化ラインにおいて今回の前記判定処理の時点の前記電池の使用量に対応する第3の満充電容量に基づいて、現在の前記電池の満充電容量を推定する
    ことを特徴とする満充電容量推定装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の満充電容量推定装置であって、
    前記推定部は、前記推定部で参照される劣化ラインとして第1の劣化ラインから第2の劣化ラインに切り替わった場合、前記第1の劣化ラインにおいて前回の前記判定処理の時点の前記電池の使用量に対応する第1の満充電容量と、前記第2の劣化ラインにおける前記第1の満充電容量とが互いに一致するように前記第2の劣化ラインをオフセットさせるとともに、前記第1の劣化ラインにおいて今回の前記判定処理の時点の前記電池の使用量に対応する第2の満充電容量よりも小さく、かつ、オフセット後の前記第2の劣化ラインにおいて今回の前記判定処理の時点の前記電池の使用量に対応する第3の満充電容量より大きい第4の満充電容量に基づいて、現在の前記電池の満充電容量を推定した後、オフセット後の前記第2の劣化ラインの満充電容量と一致するまで徐々に小さくした前記第4の満充電容量に基づいて、現在の前記電池の満充電容量を推定する
    ことを特徴とする満充電容量推定装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の満充電容量推定装置であって、
    前記演算部は、前記使用量が一定量に達する毎に前記劣化係数を算出し、前記劣化係数の第1の積算値を算出する
    ことを特徴とする満充電容量推定装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の満充電容量推定装置であって、
    前記演算部は、前記電池の劣化に関する複数の指標に基づいて、前記劣化係数を算出する
    ことを特徴とする満充電容量推定装置。
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