JP2020196755A - 有機酸の組み合わせを含む組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機酸の組み合わせを含む組成物及びその使用方法の提供。【解決手段】バイオフィルムを阻害する方法に使用するための組成物であって、前記方法は前記バイオフィルムを有する表面に前記組成物を適用することを含み、前記組成物はコハク酸とアコニット酸とキャリアとを含み、前記コハク酸及び前記アコニット酸が前記組成物中にコハク酸とアコニット酸との比が0.9:1〜14:1で存在し、前記表面が口腔の表面であり、前記口腔の前記表面が、1以上の歯の表面、歯肉の表面、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され、前記組成物が、マウスウォッシュ又はマウスリンスの形態で前記表面に適用される、組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、有機酸の組み合わせを含む組成物及びその使用に関する。特定の実施形態において、本発明は、コハク酸とアコニット酸との組み合わせを含む組成物及びバイオフィルムを阻害するためのかかる組成物の使用に関する。
有機酸及びその組み合わせは、口腔ケア用の組成物をはじめとする多岐にわたる組成物中での使用が認識されている。例えば国際公開第2012/001347号は、シイタケ、チコリ、及び/又はラズベリーからの抽出物、及びこれらの抽出物に由来する低モル質量画分を含むオーラルヘルス組成物について記載している。記載されるこれらの組成物は、以下の化合物、すなわち、キナ酸、アデノシン、イノシン、trans−アコニット酸、cis−アコニット酸、シュウ酸、アデノシン、及びコハク酸のうちの1つ以上を含むか又はこれを添加することができる。この参照文献は、複数の作用機序によるその組成物の抗バイオフィルム作用について主張しているが、上記の化合物の特定の組み合わせから生じる予想外の効果については何らの開示もない。
出願人らは、有機酸の特定の組み合わせを組み合わせることで、高いバイオフィルムの阻害性をはじめとする、顕著な、かつ予想外の効果をもたらす傾向を有する組成物を調製することが可能であることを予期せずして発見したものである。
特定の実施形態では、本発明は、コハク酸と、アコニット酸と、キャリアとを含む組成物であって、コハク酸及びアコニット酸が約0.9:1〜約40:1の比で存在する組成物に関する。
特定の他の実施形態によれば、本発明は、バイオフィルムを有する表面に特許請求の範囲に記載の発明の組成物を適用することを含む、バイオフィルムを阻害する方法に関する。
特定の他の実施形態によれば、本発明は、バイオフィルムを有する表面に特許請求の範囲に記載の発明の組成物を適用することを含む、表面からバイオフィルムを除去する方法に関する。
特定の他の実施形態によれば、本発明は、表面に特許請求の範囲に記載の発明の組成物を適用することを含む、表面への細菌付着を低減する方法に関する。
コハク酸(SA)及びアコニット酸(AA)を21mMの総濃度(SAとAAとの比に応じて0.25〜0.37重量%、表7を参照)で異なる比で含有する配合物について、細菌付着の低下率(%)(水に対する)に対する複数回処理後のバイオフィルムの除去率(%)(水に対する)をプロットした図である。 コハク酸(SA)及びアコニット酸(AA)を21mMの総濃度(SAとAAとの比に応じて0.25〜0.37重量%、表7を参照)で異なる比(図1の比とは異なる)で含有する配合物について、細菌付着の低下率(%)(水に対する)に対する複数回処理後のバイオフィルムの除去率(%)(水に対する)をプロットした図である。
特に断らないかぎり、本明細書に記載されるすべての百分率は、固体/活性成分量の重量百分率である。
上記に述べたように、出願人らは、キャリア中にコハク酸とアコニット酸両方の組み合わせを含む組成物が、他の有機酸の組み合わせと比較して顕著な効果を示す傾向を有することを予期せずして見出したものである。詳細には、特定の実施形態において、出願人らはかかる組成物がバイオフィルムの阻害性の顕著な増大を示すことを見出したものである。より詳細には、本明細書で以下に述べられ、また表及び図面に示されるように、出願人らは、コハク酸とアコニット酸との組み合わせが他の有機酸の組み合わせと比較して、(a)バイオフィルムの除去率(%)、及び(b)細菌付着低下率(%)の両方の顕著な増大を示す傾向を有することを見出したものである。出願人らは、本明細書で使用するところの「バイオフィルムを阻害する」とは、表面からのバイオフィルムの除去、表面への細菌付着の低下、又はその両方を指すものであることを指摘しておく。
本発明では、任意の適当なコハク酸を使用することができる。IUPACの系統名であるブタン二酸、又は歴史的名称としてコハク精(spirit of amber)としても知られるコハク酸は、化学式C、構造式HOOC−(CH−COOHで表される二塩基のジカルボン酸である。本明細書で使用するコハク酸は、天然由来のものであっても合成由来のものであってもよい。特定の実施形態では、コハク酸は合成由来のものである。市販のコハク酸の供給元としては、Acros Organics、Alfa Aesar、Fisher Chemical、Fluka、MP Biomedicals、Sigma Aldrich、Spectrum Chemicals、及びTCI Fine Chemicalsが挙げられる。
本発明では任意の適当なアコニット酸を使用することができる。IUPACの系統名であるプロプ−1−エン−1,2,3−トリカルボン酸、又は歴史的名称としてアキレア酸(Achilleic acid)、エキセット酸(Equisetic acid)、シトリジン酸(Citridinic acid)、又はピロクエン酸(Pyrocitric acid)としても知られるアコニット酸は、化学式C、構造式HOCCH=C(COH)CHCOHで表され、cis−アコニット酸及びtrans−アコニット酸の2つの異性体を有する有機酸である。特定の実施形態ではtrans−アコニット酸が使用される。他の実施形態ではcis−アコニット酸が使用される。本明細書で使用するアコニット酸は、天然由来のものであっても合成由来のものであってもよい。特定の実施形態では、アコニット酸は合成由来のものである。市販のコハク酸の供給元としては、Alfa Aesar、Fluka、MP Biomedicals、Parchem Fine & Specialty Chemicals、Sigma Aldrich、Spectrum Chemicals、及びTCI Fine Chemicalsが挙げられる。
本発明の組成物中では任意の適当な量及び比のコハク酸とアコニット酸を使用することができる。当業者によれば認識されるように、それぞれのpKa値に基づき、本発明で使用されるコハク酸及びアコニット酸は、ほとんどのpHでそれぞれの塩の形態と平衡状態にある。したがって、本明細書において記載及び特許請求されるコハク酸とアコニット酸のすべての量及び比は、特定の組成物中のかかる酸の、酸及び塩の両方の形態の総量を指す。例えば、0.2重量%のコハク酸を含む組成物では、組成物の総重量に対する酸及び塩の形態の固体/活性コハク酸を合わせた総量が0.2重量%である。コハク酸とtrans−アコニット酸との総合計量が1重量%である組成物では、組成物の総重量に対する酸及び塩の形態のコハク酸と酸及び塩の形態のtrans−アコニット酸とを合わせた固体/活性成分の合計量が1重量%である。
特定の実施形態では、コハク酸とアコニット酸とは、組成物中に、口腔内でのバイオフィルムの形成を予防及び阻害するうえで有効であり、その量において組成物が安定であるような総合計量で存在する。一般的に、組成物は、コハク酸及びアコニット酸を、組成物の総重量(w/w%)に対して約0.1〜約2重量%の総合計量で含む。特定の実施形態では、コハク酸とアコニット酸との総合計量は、組成物の約0.1〜約1重量%、又は組成物の約0.1〜約0.9重量%、又は組成物の約0.1〜約0.5重量%、又は組成物の約0.1〜約0.3重量%である。特定の実施形態では、組成物に含まれるコハク酸とアコニット酸との総合計量は、組成物の約0.13重量%〜約0.89重量%、組成物の約0.13重量%〜約0.52重量%、又は組成物の約0.13重量%〜約0.3重量%である。
一般的に、本発明の組成物中のコハク酸とアコニット酸との比(コハク酸:アコニット酸)は、約0.9:1〜約40:1である。特定の実施形態では、コハク酸とアコニット酸との比は、約0.9:1〜約20:1、又は約0.9:1〜約14:1、又は約0.9:1〜約9:1、又は約0.9:1〜約6:1、又は約0.9:1〜約4:1である。特定の実施形態では、コハク酸とアコニット酸との比は、約1.1:1〜約20:1、又は約2.5:1〜約20:1、又は約6:1〜約20:1、又は約1.1:1〜約14:1、又は約2.5:1〜約14:1、又は約6:1〜約14:1、又は約1.1:1〜約9:1、又は約2.5:1〜約9:1、又は約6:1〜約9:1である。特定の実施形態では、コハク酸とアコニット酸との比は、約1.3:1〜約20:1、又は約1.3:1〜約13:1、又は約1.3:1〜約8.33:1、又は約1.3:1〜約6:1、又は約2.5:1〜約13:1、又は約2.5:1〜約8.33:1、又は約2.5:1〜約6:1、又は約6:1〜約8.33:1、又は約4:1〜約5.5:1である。特定の好ましい実施形態では、コハク酸とアコニット酸との比は、約0.9:1〜約14:1である。
口腔内で許容される各種の溶媒のいずれも本発明の組成物中に使用することができる。溶媒は水性又は非水性のものとすることができる。水性溶媒は一般的には水であるが、水/アルコール混合物を用いることもできる。特定の実施形態では、水は組成物に「q.s.」(Quantum Sufficit(適量)(ラテン語で「必要なだけ」の意味))で加えられる。特定の実施形態では、水相は、組成物の約60重量%〜約95重量%、又は約75重量%〜約90重量%を構成する。特定の組成物では、水は約60%〜約95%、又は約75%〜約90%の量で存在する。また、本発明の組成物は、乾燥粉末、チューインガム、フィルム、半固体、固体又は液体の濃縮物の形態として製剤化してもよい。このような実施形態では、例えば、液体濃縮物又は粉末製剤の場合では水は必要なだけの適量で加えるか、又は当該技術分野では周知の標準的な蒸発法を用いて水を除去することによって乾燥粉末形態の組成物を生成することもできる。蒸発又は凍結乾燥させた形態は保管及び出荷に好都合である。
いくつかの実施形態では、組成物にアルコールを加えることができる。式R−OH(式中、Rは、2〜6個の炭素を有するアルキル基)で表される各種のアルコールのいずれも本発明で使用することができる。式R−OHの適当なアルコールの例としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、及びこれらの2つ以上のものの組み合わせなどが挙げられる。特定の実施形態では、アルコールはエタノールであるか、又はエタノールを含む。
いくつかの実施形態では、アルコールは、組成物中に全組成物の約10.0体積%以上、又は全組成物の約10.0体積%〜約35.0体積%、又は全組成物の約15.0体積%〜約30.0体積%の量で存在してよく、全組成物の約20.0体積%〜約25.0体積%であってよい。
いくつかの実施形態では、組成物は低濃度のアルコールを含むことができる。「低濃度」のアルコールなる語句は、R−OHアルコールの量が、全組成物の約10体積%以下、又は約5%体積%以下、又は約1.0%体積%以下、又は約0.1%体積%以下であることを意味する。特定の実施形態では、本発明の組成物はR−OHアルコールを含まない。
本発明の組成物のpHは7未満であることが好ましい。特定の実施形態では、組成物のpHは、約3〜7未満、又は約3.5〜7未満、又は約3.5〜約6.5、又は約3.5〜約5.5、又は約3.5〜約5である。
当業者には認識されるように、組成物のpHは、組成物を7よりも低いpHとするうえで有効な量の緩衝液を用いて調節するか又は実現することができる。組成物は、場合により少なくとも1種類のpH改変剤を含んでもよく、そのうち、本明細書において有用なものとしては、pHを下げるための酸性化剤、pHを上げるための塩基性化剤、及びpHを所望の範囲に調節するための緩衝剤が挙げられる。例えば、酸性化剤、塩基性化剤、及び緩衝剤から選択される1種類以上の化合物を加えることによってpHを約2〜約7、又は異なる実施形態において約3〜約6、又は約4〜約5とすることができる。カルボン酸及びスルホン酸、酸性塩(例えば、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、リンゴ酸一ナトリウム(monosodium malate)など)、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、イミダゾール、及びこれらの混合物を限定されることなく含む、口腔内で許容される任意のpH改変剤を使用することができる。1種類以上のpH改変剤が、場合により、口腔内で許容されるpH範囲に組成物を維持するうえで有効な総量で存在してもよい。特定の実施形態では、無機酸は、組成物に加えられる緩衝剤として使用することができる。
特定の実施形態では、有機酸は組成物に加えられる緩衝剤として使用することができる。本発明の組成物における使用に適した有機酸としては、これらに限定されるものではないが、アスコルビン酸、ソルビン酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸及び酢酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フェノールスルホン酸、及びこれらの混合物が挙げられ、場合により、有機酸は、安息香酸、ソルビン酸、クエン酸及びこれらの混合物からなる群から選択されるか、又は場合により、有機酸は安息香酸である。
一般的に酸性緩衝液の量は、組成物の約0.001%(又は約0.001重量体積%)〜約5.0%(又は約5.0重量体積%)である。特定の実施形態では、有機酸性緩衝液は、組成物の0.001%(又は約0.001重量体積%)〜1.0重量体積%(又は約1.0重量体積%)、又は組成物の約0.100%(又は約0.100重量体積%)〜約1.0%(又は約1.0重量体積%)の量で存在する。
本発明の組成物は、これらに限定されるものではないが、油性成分、有効成分、更なる界面活性剤、湿潤剤、溶媒、香味剤、甘味料、着色剤、防腐剤、pH調整剤、pH緩衝剤などが挙げられる各種の任意成分のいずれをも更に含んでもよい。
各種の油性成分のいずれも本発明の組成物中に使用することができる。油性成分は、任意の1種類以上の油分、又は非水溶性若しくはほぼ非水溶性の他の物質を含むことができる。ほぼ非水溶性とは、25℃の水中におけるその溶解度が約1重量%未満、又は場合により約0.1重量%未満であることを意味する。特定の実施形態では、本発明の油性成分は、少なくとも1種類の精油、すなわち、揮発性化合物を一般的に含む天然又は合成(又はその組み合わせ)の植物由来の濃縮された疎水性物質、少なくとも1種類の香味油、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含むか、これらから基本的に構成されるか、又はこれらから構成される。適当な精油、香味油、及びそれらの量の例について以下に述べる。特定の実施形態では、組成物は、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、又は約0.2重量%以上の総量の油性成分を含む。
特定の実施形態では、本発明の組成物は精油を含む。精油は、揮発性の芳香油であり、合成されてもよく、又は蒸留、圧搾、若しくは抽出により植物から得られたものであってもよく、通常、それらが得られた植物の香り又は風味を有している。有用な精油は、殺菌活性を提供することができる。これらの精油の一部のものは、香味剤としても働く。有用な精油としては、これらに限定されるものではないが、シトラ、チモール、メントール、サリチル酸メチル(ウィンターグリーン油)、ユーカリプトール、カルバクロール、カンファー、アネトール、カルボン、オイゲノール、イソオイゲノール、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネル、a−サルピネオール、酢酸メチル、酢酸シトロネリル、メチルオイゲノール、シネロ−ル、リナロール、エチルリナラオール、サフロラバニリン、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、月桂樹油、ニオイヒバ油、ゲリアノール、ベルベノーン、アニス油、ベイ油、ベンズアルデヒド、ベルガモット油、苦扁桃、クロロチモール、桂皮アルデヒド、シトロネラ油、クローブ油、コールタール、ユーカリ油、グアヤコール、ヒノキチオールのようなトロポロン誘導体、ラベンダー油、カラシ油、フェノール、サリチル酸フェニル、パイン油、マツ葉油、サッサフラス油、スパイクラベンダー油、ストラックス、タイム油、トルーバルサム、テレビン油、クローブ油、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
特定の実施形態では、精油は、チモール((CHCHC(CH)OH、イソプロピル−m−クレゾールとしても知られる)、ユーカリプトール(C1018O、シネオールとしても知られる)、メントール(CH(C)OH)、ヘキサヒドロチモールとしても知られる)、サリチル酸メチル(COHCOOCH、ウィンターグリーン油としても知られる)、これらの化合物のそれぞれの異性体、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物はチモールを含有する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物はメントールを含有する。いくつかの実施形態では、組成物は、これら4種類の精油すべてを含有する。
特定の実施形態では、チモールは、組成物の約0.0001重量体積%〜約0.6重量体積%、又は約0.005重量体積%〜約0.07重量体積%の量で用いられる。特定の実施形態では、ユーカリプトールは、約0.0001重量体積%〜約0.51重量体積%、又は約0.0085重量体積%〜約0.10重量体積%の量で用いられる。特定の実施形態では、メントールは、組成物の約0.0001重量体積%〜約0.25重量体積%、又は約0.0035重量体積%〜約0.05重量体積%の量で用いられる。特定の実施形態では、サリチル酸メチルは、組成物の約0.0001重量体積%〜約0.28重量体積%、又は約0.004重量体積%〜約0.07重量体積%の量で用いられる。特定の実施形態では、開示される組成物中に存在するこれらの精油すべての総量は、組成物の約0.0004重量体積%〜約1.64重量体積%、又は約0.0165重量体積%〜約0.49重量体積%とすることができる。
特定の実施形態では、本発明のマウスリンス組成物に、フッ化物供給化合物が存在してもよい。これらの化合物はわずかに水溶性であってよいか又は完全に水溶性であってよく、フッ化物イオン又はフッ化物含有イオンを水中に放出する性質によって特徴づけられる。一般的なフッ化物供給化合物は、可溶性アルカリ金属、アルカリ土類金属及び重金属塩などの無機フッ化物塩であり、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第二銅、フッ化亜鉛、フッ化第二スズ、フッ化スズ、フッ化バリウム、ナトリウムヘキサフルオロシリケート、アンモニウムヘキサフルオロシリケート、フルオロジルコニウム酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノ−及びジフルオロリン酸アルミニウム、並びにフッ素化ピロリン酸カルシウムナトリウムが挙げられる。N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−二フッ化水素酸塩及び9−オクタデセニルアミンフッ化水素酸塩などのアミンフッ化物を使用することもできる。特定の実施形態では、フッ化物供給化合物は、組成物の最大で約5重量%、又は約0.001重量%〜約2重量%、又は約0.005重量%〜約1.5重量%のフッ化物を放出するうえで充分な量で一般的に存在する。
特定の実施形態では、硝酸及びシュウ酸のカリウム塩などの過敏性緩和剤を、組成物の0.1重量体積%〜約5.0重量体積%の量で本発明に添加することができる。他のカリウム放出化合物も可能である(例えばKCl)。高濃度のリン酸カルシウムもまた、一定の追加的な過敏性の緩和をもたらすことができる。これらの物質は、閉塞性の表面ミネラル堆積物を歯の表面に形成するか、又は歯の内部の神経にカリウムを供給して神経を脱分極させることによって作用するものと考えられる。適当な過敏性緩和剤のより詳細な考察は、いずれも本明細書にその全容を参照によって援用するところの、Hodoshによる米国特許出願公開第2006/0013778号、及びMarkowitzらによる米国特許第6,416,745号に見ることができる。
特定の実施形態では、歯石予防効果のある化合物(例えば、各種のカルボン酸塩、ポリアスパラギン酸など)を本発明に添加することができる。また、歯石予防剤として有用なものとして、アニオン性高分子ポリカルボン酸塩がある。こうした物質は当該技術分野では周知のものであり、その遊離酸、又は部分的に若しくは好ましくは完全に中和された水溶性アルカリ金属塩(例えばカリウム及び好ましくはナトリウム)又はアンモニウム塩の形で使用される。無水マレイン酸又はマレイン酸と、別の重合性エチレン性不飽和モノマー、好ましくは分子量(M.W.)約30,000〜約1,000,000のメチルビニルエーテル(メトキシエチレン)との1:4〜4:1の重量比のコポリマーが好ましい。これらのコポリマーは、例えば、GAF Chemicals CorporationのGantrez 25 AN139(M.W.500,000)、AN119(M.W.250,000)及び好ましくはS−97医薬品グレード(M.W.70,000)として入手可能である。
更なる歯石予防剤は、ポリリン酸(ピロリン酸を含む)及びその塩;ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)及びその塩;ポリオレフィンスルホン酸及びその塩;ポリビニルリン酸及びその塩;ポリオレフィンリン酸及びその塩;ジホスホン酸及びその塩;ホスホノアルカンカルボン酸及びその塩;ポリホスホン酸及びその塩;ポリビニルホスホン酸及びその塩;ポリオレフィンホスホン酸及びその塩;ポリペプチド;及びそれらの混合物;カルボキシ置換されたポリマー;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。一実施形態では、塩は、アルカリ金属塩、又はアンモニウム塩である。ポリリン酸塩は、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びそれらの混合物などの完全又は部分中和された水溶性アルカリ金属塩として一般的に用いられる。無機ポリリン酸塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)トリポリリン酸、テトラポリリン酸、二酸ジアルキル金属(例えば、二ナトリウム)、一酸トリアルキル金属(例えば、三ナトリウム)、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)ヘキサメタリン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。テトラポリリン酸塩よりも大きいポリリン酸塩は、通常は非晶質のガラス状物質として存在する。一実施形態では、ポリリン酸塩は、Sodaphos(n=約6)、Hexaphos(n=約13)、及びGlassH(n=約21、ヘキサメタリン酸ナトリウム)の商品名で知られる、FMC Corporationにより製造されるもの、並びにこれらの混合物である。本発明において有用なピロリン酸塩としては、アルカリ金属ピロリン酸塩、ピロリン酸の二、三、若しくは一カリウム又はナトリウム塩、ジアルカリ金属ピロリン酸塩、テトラアルカリ金属ピロリン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、ピロリン酸塩は、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na)、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、ピロリン酸四カリウム(K)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。ポリオレフィンスルホン酸としては、オレフィン基が2個以上の炭素原子を有するもの、及びその塩が挙げられる。ポリオレフィンホスホン酸としては、オレフィン基が2個以上の炭素原子を有するものが挙げられる。ポリビニルホスホン酸としては、ポリビニルホスホン酸が挙げられる。ジホスホン酸及びその塩としては、アゾシクロアルカン−2,2−ジホスホン酸及びその塩、アゾシクロアルカン−2,2−ジホスホン酸及びその塩のイオン、アザシクロヘキサン−2,2−ジホスホン酸、アザシクロペンタン−2,2−ジホスホン酸、N−メチル−アザシクロペンタン−2,3−ジホスホン酸、EHDP(エタン−1−ヒドロキシ−1,1,−ジホスホン酸)、AHP(アザシクロヘプタン−2,2−ジホスホン酸)、エタン−1−アミノ−1,1−ジホスホネート、ジクロロメタンジホスホネートなどが挙げられる。ホスホノアルカンカルボン酸、又はそのアルカリ金属塩としては、それぞれが酸、又はアルカリ金属塩である、PPTA(ホスホノプロパントリカルボン酸)、PBTA(ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸)が挙げられる。ポリオレフィンホスホン酸としては、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するものが挙げられる。ポリペプチドとしては、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸が挙げられる。
特定の実施形態では、塩化亜鉛、酢酸亜鉛又はクエン酸亜鉛などの亜鉛塩を、「消毒洗浄」感覚を与える収れん剤として、呼吸保護促進剤として、又は歯石予防剤として、組成物の0.0025重量体積%〜0.75重量体積%の量で加えることができる。
各種の更なる界面活性剤のいずれも本発明で使用することができる。適当な界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。適当な界面活性剤の例は、例えば本明細書にその全容を参照により援用する、Fevolaによる米国特許第7,417,020号に開示されている。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を含む。当業者であれば、1以上の各種の非イオン性界面活性剤のいずれも、アルキレンオキシド基(本質的に親水性)と、本質的に脂肪族又はアルキル芳香族であってよい有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物を含む(ただしこれらに限定されない)点は認識されよう。適当な非イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、アルキルポリグルコシド;アルキルグルコースアミン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーなどのブロックコポリマー、例えばPoloxamers;例えばCRODURET(Croda Inc.,Edison,NJ)の商品名で市販されるエトキシ化硬化ヒマシ油;アルキルポリエチレンオキシド、例えばポリソルベート、及び/又は;脂肪アルコールエトキシレート;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物;エチレンオキシドと、プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物との縮合により誘導される生成物;脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物;長鎖三級アミンオキシド;長鎖三級ホスフィンオキシド;長鎖ジアルキルスルホキシド;並びにそれらの混合物が挙げられる。
例示的な非イオン性界面活性剤は、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマーとして知られる群から選択される。かかるコポリマーは、商業的にはポロキサマーとして知られ、エチレンオキシド含量の異なる広範な構造及び分子量のものが製造されている。これらの非イオン性ポロキサマーは非毒性であり、直接的な食品添加物として許容される。これらの非イオン性ポロキサマーは安定であり、水性系中に容易に分散し、経口製剤用の様々な配合物及び他の成分と相溶性を有する。これらの界面活性剤は、約10〜約30、好ましくは約10〜約25のHLB(親水親油バランス)を有するものでなければならない。例として、本発明において有用な非イオン性界面活性剤としては、ポリマー105、108、124、184、185、188、215、217、234、235、237、238、284、288、333、334、335、338、407として識別されるポロキサマー、及びこれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。特定の好ましい実施形態では、組成物はポロキサマー407を含む。
特定の実施形態では、特許請求される発明の組成物は、約9%未満の非イオン性界面活性剤、5%未満、又は1.5%未満、又は1%未満、又は0.8%未満、0.5%未満、0.4%未満、又は0.3%未満の非イオン性界面活性剤を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物は非イオン性界面活性剤を含まない。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1種類のアルキル硫酸エステル塩界面活性剤も含有する。特定の実施形態では、適当なアルキル硫酸エステル塩界面活性剤としては、これらに限定されるものではないが、アルキル硫酸エステル塩界面活性剤が偶数のC〜C18、場合によりC10〜C16の鎖長を有するように炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウム及びこれらの混合物などの適当な塩基性塩で中和された、硫酸化されたC〜C18、場合により硫酸化されたC10〜C16の偶数の炭素鎖長を有するアルコールが挙げられる。特定の実施形態においては、アルキル硫酸エステル塩は、ラウリル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム及びこれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態では、市販のアルキル硫酸エステル塩の混合物が使用される。市販のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)中のアルキル鎖長によるアルキル硫酸エステル塩の一般的な比率(%)の内訳は以下の通りである。
Figure 2020196755
特定の実施形態では、アルキル硫酸エステル塩界面活性剤は、組成物の約0.001重量体積%〜約6.0重量体積%、又は場合により約0.1重量体積%〜約0.5重量体積%の量で組成物中に存在する。
別の適当な界面活性剤としては、サルコシン酸塩界面活性剤、イセチオン酸塩界面活性剤、及びタウリン酸塩界面活性剤からなる群から選択されるものがある。本明細書で使用するうえで好ましいものとしては、これらの界面活性剤のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、例えば以下のもの、サルコシン酸ラウロイル、サルコシン酸ミリストイル、サルコシン酸パルミトイル、サルコシン酸ステアロイル、及びサルコシン酸オレオイルのナトリウム塩及びカリウム塩がある。サルコシネート界面活性剤は、本発明の組成物中に、全組成物の約0.1重量%〜約2.5重量%、又は約0.5重量%〜約2.0重量%存在してよい。
本発明で有用な双極性イオン性合成界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であってよく、また脂肪族置換基のうちの1つが約8個〜約18個の炭素原子を有し、1つが例えばカルボキシ基、スルホネート基、サルフェート基、ホスフェート基、又はホスホネート基のようなアニオン性水可溶化基を有する、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。
本発明において有用な両性界面活性剤としては、これらに限定されるものではないが、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であってよく、また脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約18個の炭素原子を有し、1つが例えばカルボキシレート基、スルホネート基、サルフェート基、ホスフェート基、又はホスホネート基のようなアニオン性水可溶化基を有する、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体が挙げられる。適当な両性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、アルキルイミノジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ)、アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ)、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)、N−アルキル[3−アミノプロピオン酸、アルキルポリアミノカルボキシレート、リン酸化イミダゾリン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルタイン、アルキルアミドスルタイン、及びこれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、両性界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム等のアンホ酢酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。上記界面活性剤のいずれのものの混合物も使用することができる。アニオン性、非イオン性及び両性界面活性剤のより詳細な考察は、Lennonに付与された米国特許第7,087,650号、Martinらに付与された米国特許第7,084,104号、Sekiguchiらに付与された米国特許第5,190,747号、及びGieskeらに付与された米国特許第4,051,234号に見られ、これらの特許のそれぞれをその全容にわたって参照により本明細書に援用するものである。
特定の実施形態では、特許請求される発明の組成物は、約9%未満の両性界面活性剤、5%未満、又は1.5%未満、又は1%未満、又は0.8%未満、0.5%未満、0.4%未満、又は0.3%未満の両性界面活性剤を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物は両性界面活性剤を含まない。
アルキル硫酸エステル塩界面活性剤と共に更なる界面活性剤を、かかる界面活性剤が精油の生体利用可能性に影響しないという条件で、精油の可溶化を助けるために加えることができる。適当な例としては、更なるアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの混合物が挙げられる。しかしながら、特定の実施形態では、本発明のマウスリンスにおける総界面活性剤濃度(アルキル硫酸エステル塩界面活性剤単独で、又は他の界面活性剤との組み合わせとして含む)は、組成物の約9重量%を上回ってはならないか又は約9重量%以下であり、場合により、総界面活性剤濃度は約5重量%以下、場合により約1重量%以下、場合により約0.5重量%以下の活性界面活性剤でなければならない。
特定の実施形態では、本発明の口腔用組成物には糖アルコール(湿潤剤)も加えられる。糖アルコール溶媒は、口腔用及び摂取可能な製品中に従来より使用されている多ヒドロキシ官能性化合物から選択することができる。特定の実施形態では、糖アルコールは非代謝性及び非発酵性の糖アルコールとする必要がある。具体的な実施形態では、糖アルコールとして、これらに限定されるものではないが、ソルビトール、グリセロール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、イノシトール、アリトール、アルトリトール、ダルシトール、ガラクチトール、グルシトール、ヘキシトール、イジトール、ペンチトール、リビトール、エリスリトール及びこれらの混合物が挙げられる。必要に応じて、糖アルコールはソルビトール及びキシリトール又はこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、糖アルコールはソルビトールである。特定の実施形態では、マウスリンス又は他の成分の分散又は溶解を効果的に補助するために加えられる糖アルコールの総量は、全組成物の約50%w/を上回ってはならない。又は、糖アルコールの総量は、全組成物の約30重量体積%を上回ってはならない。又は、糖アルコールの総量は、全組成物の25重量体積%を上回ってはならない。糖アルコールは、全組成物の約1.0重量体積%〜約24重量体積%、又は約1.5重量体積%〜約22重量体積%、又は約2.5重量体積%〜約20重量体積%の量であることができる。
特定の実施形態では、ポリオール溶媒が組成物に加えられる。このポリオール溶媒は、多価アルカン(プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−プロパンジオールなど);多価アルカンエステル(ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール);ポリアルカングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオール又は多価アルコールを含む。特定の実施形態では、ポリオール溶媒は、組成物の0重量体積%〜約40重量体積%、又は約0.5重量体積%〜約20重量体積%、又は約1.0重量体積%〜約10重量体積%の量で存在してよい。
特定の実施形態では、本発明の組成物は約11以下のpHを有する。いくつかの実施形態では、組成物は、約3〜約7、又は約3.5〜約6.5、又は約3.5〜約5.0のpHを有する。
当業者には認識されるように、組成物のpHは、組成物に11、又はそれよりも低いpHを与えるうえで有効な量の緩衝液を用いて調節するか又は維持することができる。組成物は、場合により少なくとも1種類のpH改変剤を含んでもよく、そのうち、本明細書において有用なものとしては、pHを下げるための酸性化剤、pHを上げるための塩基性化剤、及びpHを所望の範囲に維持するための緩衝剤が挙げられる。例えば、酸性化剤、塩基性化剤、及び緩衝剤から選択される1種類以上の化合物を加えることによってpHを約2〜約7、又は異なる実施形態において約3〜約6、又は約4〜約5とすることができる。塩酸、カルボン酸及びスルホン酸、酸性塩(例えば、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、リンゴ酸一ナトリウム(monosodium malate)など)、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ホウ酸塩、ケイ酸塩、イミダゾール、及びこれらの混合物を限定されることなく含む、口腔内で許容される任意のpH改変剤を使用することができる。1種類以上のpH改変剤が、場合により、口腔内で許容されるpH範囲に組成物を維持するうえで有効な総量で存在してもよい。特定の実施形態では、無機酸は、組成物に加えられる緩衝剤として使用することができる。
特定の実施形態では、有機酸は組成物に加えられる緩衝剤として使用することができる。本発明の組成物における使用に適した有機酸としては、これらに限定されるものではないが、アスコルビン酸、ソルビン酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸及び酢酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フェノールスルホン酸、及びこれらの混合物が挙げられ、場合により、有機酸は、安息香酸、ソルビン酸、クエン酸及びこれらの混合物からなる群から選択されるか、又は場合により、有機酸は安息香酸である。
一般的に緩衝化合物の量は、組成物の約0.001%〜約20.0%である。特定の実施形態では、有機酸緩衝剤は、組成物の約0.001重量体積%〜約10重量体積%、又は組成物の約0.01%〜約1%の量で存在する。
特定の実施形態では、既知の技術のマウスウォッシュ及びマウスリンスのように、従来の成分を追加して添加してよい。アルコールを含むマウスリンスの中には約7.0のpHを有すものがあるが、アルコール濃度を低くしようとすると、pHレベルを低下させるソルビン酸又は安息香酸などの酸性防腐剤の添加が必要となる場合がある。そこで組成物のpHを最適なレベルに調節するには緩衝剤系が更に必要となる。一般的に、緩衝剤系は弱酸とその塩、又は弱塩基とその塩を加えることにより実現される。いくつかの実施形態では、組成物の0.01重量体積%(又は約0.01重量体積%)〜1.0重量体積%(又は約1.0重量体積%)の量の安息香酸ナトリウム及び安息香酸、並びに組成物の0.001重量体積%(又は約0.001重量体積%)〜1.0重量体積%(又は約1.0重量体積%)の量のクエン酸ナトリウム及びクエン酸、並びに組成物の重量で0.01%(又は約0.01%)〜1.0%(又は約1.0%)の量のリン酸及びリン酸ナトリウム/カリウムが有用な系であることが見出されている。特定の実施形態では、緩衝剤はpHレベルを3.0(又は約3.0)〜8.0(又は約8.0)、任意に3.5(又は約3.5)〜6.5(又は約6.5)、任意に3.5(又は約3.5)〜5.0(又は約5.0)に維持する量で添加される。
更なる緩衝剤としては、アルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、有機アンモニウム化合物、炭酸塩、セスキ炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、イミダゾール、及びこれらの混合物が挙げられる。具体的な緩衝剤としては、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属炭酸塩、炭酸ナトリウム、イミダゾール、ピロリン酸塩、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸、及びクエン酸ナトリウムが挙げられる。
アスパルテーム、サッカリンナトリウム(サッカリン)、スクラロース、ステビア、アセスルファムKなどの甘味剤を、味を向上させるために約0.0001重量体積%〜約1.0%重量体積%の量で加えることができる。特定の好ましい実施形態では、甘味剤はスクラロースを含む。
特定の実施形態では、組成物は、組成物の味を改変又は強化する目的で、またチモールなどの成分の強い「刺激」又は「ひりつき」を低減又はマスクする目的で香味剤又は風味剤を更に含む。適当な香味剤としては、これらに限定されるものではないが、アニス油、アネトール、ベンジルアルコール、スペアミント油、柑橘油、バニリンなどの香味油が挙げられる。柑橘油、バニリンなどの他の香味剤を、更なる味の変化を与えるために添加してもよい。これらの実施形態では、組成物に添加される香味油の量は、約0.001重量体積%〜約5重量体積%、又は約0.01重量体積%〜約0.3重量体積%であってよい。使用される特定の香味剤又は風味剤及び他の味覚改善成分は、所望の特定の味及び感覚に応じて変わる。当業者であれば、所望の結果を得るためにこれらの成分の種類を選択してカスタマイズすることができる。
特定の実施形態では、本発明の組成物に好ましい色を与えるために認可された食品用色素を使用することができる。これらは、容認される多くの食品用色素から選択することができるが、それに限定されない。この目的に適した色素としては、FD&Cイエロー5号、FD&Cイエロー10号、FD&Cブルー1号、及びFD&Cグリーン3号が挙げられる。これらの色素は、従来の量、一般的には個々に組成物の約0.00001重量体積%〜約0.0008重量体積%、又は約0.000035重量体積%〜約0.0005重量体積%で加えられる。
当該技術分野において周知であり、使用されている成分を含め、他の従来の成分を本発明の液体又はマウスリンス組成物中に使用してもよい。これらの成分の例としては、増粘剤、懸濁化剤及び柔軟剤が挙げられる。本発明の組成物において有用な増粘剤及び懸濁化剤は、本明細書にその全容を参照により援用するところのPullenらに付与された米国特許第5,328,682号に見ることができる。特定の実施形態では、これらは組成物の約0.1重量体積%〜約0.6重量体積%、又は約0.5重量体積%の量で添加される。
いくつかの実施形態では、組成物に抗微生物性保存剤を加えることができる。使用することができる抗微生物性保存剤としては、これらに限定されるものではないが、カチオン性抗細菌剤、例えば、安息香酸ナトリウム、ポリクオタニウムポリカチオン性ポリマー(すなわち、ポリクオタニウム−42:ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロリド])、第四級アンモニウム塩又は第四級アンモニウム化合物、パラベン(すなわちパラヒドロキシ安息香酸塩又はパラヒドロキシ安息香酸のエステル)、ヒドロキシアセトフェノン、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、クロロヘキシジン、アレキシジン、ヘキセチジン、塩化ベンザルコニウム、臭化ドミフェン、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC)、オクテニジン、ビスビグアニド、亜鉛又はスズイオン剤、グレープフルーツ抽出物、これらの混合物が挙げられる。他の抗細菌又は抗微生物剤としては、これらに限定されるものではないが、一般的にトリクロサンと称される5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール;8−ヒドロキシキノリン及びその塩、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、酢酸銅(II)、フッ化銅(II)、水酸化銅(II)を含むがこれらに限定されない銅(II)化合物;フタル酸マグネシウム一カリウム(magnesium monopotassium phthalate)を含む、米国特許第4,994,262号に開示されるものを含むがそれらに限定されないフタル酸及びその塩;サンギナリン;サリチルアニリド;ヨウ素;スルホンアミド;フェノール類;デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体;ナイアシン製剤;ナイスタチン;リンゴ抽出物、チモール油;チモール;オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、メトロニダゾール、ネオマイシン、カナマイシン、塩化セチルピリジニウム、及びクリンダマイシンなどの抗生物質;上記のものの類似体及び塩;サリチル酸メチル;過酸化水素;亜塩素酸塩の金属塩;ピロリドンエチルココイルアルギン酸塩;エチルラウロイルアルギン酸一塩化水和物;並びに上記のもののすべての混合物が挙げられる。別の実施形態では、組成物は、フェノール樹脂抗微生物剤化合物、及びそれらの混合物を含む。抗微生物成分は、口腔ケア組成物の約0.001重量%〜約20重量%存在してよい。抗微生物剤の別の実施形態は一般的に、本発明の口腔ケア組成物の約0.1重量%〜約5重量%を構成する。
他の抗細菌剤は、塩基性アミノ酸及び塩であってよい。別の実施形態では、アルギニンを含んでもよい。
特定の実施形態では、組成物は、ホワイトニング剤、酸化剤、抗炎症剤、キレート剤、研磨剤、これらの組み合わせ、などを含むことができる。
ホワイトニング剤を本組成物中に有効成分として添加することができる。ホワイトニングに適した有効成分は、アルカリ金属過酸化物及びアルカリ土類金属過酸化物、亜塩素酸金属塩、ポリリン酸塩、一水和物及び四水和物を含む過ホウ酸塩、過リン酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、並びに過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸リチウムなどの過硫酸塩、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。適当な過酸化物化合物としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化ストロンチウム、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、過酸化物化合物は過酸化カルバミドである。適当な亜塩素酸金属塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。更なるホワイトニング有効成分は、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素とすることができる。一実施形態では、亜塩素酸塩は亜塩素酸ナトリウムである。別の実施形態では、過炭酸塩は過炭酸ナトリウムである。一実施形態では、過硫酸塩はオキソンである。これらの物質の濃度は、染みを漂白するためにその分子が提供できる利用可能な酸素又は塩素に応じてそれぞれ決定される。一実施形態では、ホワイトニング剤は、口腔ケア組成物の約0.01重量%〜約40重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約20重量%、別の実施形態では約0.5重量%〜約10重量%、及び別の実施形態では約4重量%〜約7重量%の濃度で存在してよい。
本発明の組成物は、過酸化物源などの酸化剤を含むことができる。過酸化物源は、過酸化水素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、又はこれらの混合物を含みうる。いくつかの実施形態では、過酸化物源は過酸化水素である。他の過酸化物活性物質としては、過炭酸塩、例えば過炭酸ナトリウムのような、水と混合すると過酸化水素を生成するものを挙げることができる。特定の実施形態では、過酸化物源はスズイオン源と同じ相中に存在しうる。いくつかの実施形態では、組成物は、口腔組成物の約0.01重量%〜約20重量%の過酸化物源を含み、他の実施形態では、約0.1重量%〜約5重量%、特定の実施形態では、約0.2重量%〜約3重量%、及び別の実施形態では、約0.3重量%〜約2.0重量%の過酸化物源を含む。過酸化物源は、遊離イオン、塩、錯体、又はカプセル状として提供することができる。組成物中の過酸化物は安定であることが望ましい。過酸化物は、サイクリング染み試験(Cycling Stain Test)、又は他の関連する方法により測定される染みの低減をもたらすことができる。
本発明の組成物中には抗炎症剤もまた存在してよい。そのような薬剤としては、これらに限定されるものではないが、オキシカム系非ステロイド性抗炎症(NSAID)剤、サリチル酸塩、プロピオン酸、酢酸、及びフェナム酸が挙げられる。かかるNSAIDとしては、これらに限定されるものではないが、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナク、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ピロキシカム、ナブメトン、アスピリン、ジフルニサル、メクロフェナム酸、メフェナム酸、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、及びアセトアミノフェンが挙げられる。ケトロラクなどのNSAIDの使用については米国特許第5,626,838号において特許請求されている。当該特許では、有効量のNSAIDの口腔又は中咽頭への局所投与による、口腔又は中咽頭の原発性及び再発性扁平上皮細胞癌を予防及び/又は治療するための方法を開示している。適当なステロイド性抗炎症剤としては、フルオシノロン及びヒドロコルチゾンなどの副腎皮質ホルモンが挙げられる。
本組成物は、キレート剤(chelants)又は金属イオン封鎖剤とも呼ばれるキレート剤(chelating agent)を場合により含んでもよく、これらの多くは歯石予防活性又は歯質強化活性も有する。口腔ケア製品においてキレート剤を使用することは、細菌の細胞壁に見られるようなカルシウムを錯体化する能力により有利である。キレート剤は、歯垢のバイオマスを完全な状態に維持する助けとなるカルシウム架橋からカルシウムを除去することによって歯垢を分解することもできる。キレート剤はまた、金属イオンと錯体を形成する能力も有することから、製品の安定性又は外見に対する金属イオンの悪影響を防止する助けとなる。鉄又は銅などのイオンのキレート化は、最終製品の酸化による劣化を遅らせるのに役立つ。更に、キレート剤は、原理的には、歯の表面に結合することにより染みを除去し、これにより色素体又はクロマゲンを置き換えることができる。これらのキレート剤の定着により、歯の表面上の色素体の結合部位を破壊することによって、染みの発生を防止することもできる。したがって、キレート剤は、染みを軽減させ、洗浄性を高める助けとなりうる。キレート剤は、融合シリカ及び研磨剤が機械的な機構で洗浄するのに対してキレート剤が化学的洗浄作用を与える助けとなることで洗浄性を高める助けとなりうる。融合シリカは優れた機械的洗浄剤であるため、より多くの染みが除去されうることから、染みが歯の表面を再び汚すことができないように染みを保持、浮遊させ、又は染みと錯体を形成するキレート剤が望ましい場合がある。更に、キレート剤は新たな染みを防止する助けとなるように歯の表面をコーティングすることができる。キレート剤は、カチオン性抗細菌剤を含有する配合物に添加することが望ましい場合がある。スズを含有する配合物にキレート剤を添加することが望ましい場合もある。キレート剤はスズを安定化させ、より多くのスズを生体利用可能な状態に維持する助けとなることができる。キレート剤は、約4.0よりも高いpHを有するスズ配合物中に使用することができる。特定の配合物では、スズは、沈殿シリカと比較して融合シリカとより安定であるため、キレート剤を用いずとも安定的でありうる。
適当なキレート剤としては、特にトリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、及びヘキサメタリン酸塩を含む、2個以上のリン酸基を有するフィチン酸塩及び直鎖状ポリリン酸塩などの可溶性リン酸塩化合物が挙げられる。好ましいポリリン酸塩は、Sodaphos(n≒6)、Hexaphos(n≒13)、及びGlass H(n≒21)として商業的に知られるもののように、平均約6〜約21のリン酸基の数nを有するものである。他のポリリン酸化化合物を上記のポリリン酸塩に加えるか又はそれに代えて使用することができ、特にポリリン酸化イノシトール化合物、例えば、フィチン酸、ミオイノシトールペンタキス(二水素リン酸塩);ミオイノシトールテトラキス(二水素リン酸塩)、ミオイノシトールトリキス(二水素リン酸塩)、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩を使用することができる。本明細書では、ミオ−イノシトール1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(二水素リン酸塩)又はイノシトール六リン酸としても知られるフィチン酸、及びそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、若しくはアンモニウム塩が好ましい。本明細書では、「フィチン酸塩」なる用語は、フィチン酸及びその塩、並びに他のポリリン酸化イノシトール化合物を包含する。組成物中のキレート化剤の量は、使用するキレート化剤に応じて決定され、一般的には少なくとも約0.1%〜約20%、好ましくは約0.5%〜約10%、及びより好ましくは約1.0%〜約7%となる。
カルシウムに結合し、これを可溶化し、輸送する能力について本明細書において有用な更に他のリン酸化合物としては、有機リン酸モノ−、ジ−、又はトリエステルを含む、歯質強化剤として有用な上述した界面活性有機リン酸塩化合物がある。
歯垢、歯石、及び染みを制御するうえで使用するためのキレート特性を有する他の適当な薬剤としては、Widderらに付与された米国特許第3,678,154号、White,Jr.に付与された米国特許第5,338,537号、及びZerbyらに付与された米国特許第5,451,401号に記載されるポリホスホン酸塩;Francisに付与された米国特許第3,737,533号に記載のカルボニルジホスホン酸塩;Pyrzらに付与された1989年7月11日発行の米国特許第4,847,070号、及びBenedictらに付与された1987年4月28日発行の米国特許第4,661,341号に記載のアクリル酸ポリマー又はコポリマー;Peraに付与された1988年10月4日発行の米国特許第4,775,525号に記載のアルギン酸ナトリウム;Pinkらに付与された英国特許第741,315号、国際公開第99/12517号、及び米国特許第5,538,714号に記載のポリビニルピロリドン;並びに、Venemaらに付与された米国特許第5,670,138号、及びライオン株式会社による特開2000−063250に記載のビニルピロリドンとカルポキシレートとのコポリマーが挙げられる。
本発明における使用に適した更なる他のキレート剤としては、アニオン性ポリマーポリカルボキシレートがある。こうした物質は当該技術分野では周知のものであり、その遊離酸、又は部分的に若しくは好ましくは完全に中和された水溶性アルカリ金属塩(例えばカリウム及び好ましくはナトリウム)又はアンモニウム塩の形で使用される。例としては、無水マレイン酸又はマレイン酸と、別の重合性エチレン性不飽和モノマー、好ましくは分子量(M.W.)約30,000〜約1,000,000のメチルビニルエーテル(メトキシエチレン)との1:4〜4:1のコポリマーがある。これらのコポリマーは、例えば、GAF Chemicals CorporationのGantrez(登録商標)AN139(M.W.500,000)、AN119(M.W.250,000)及びS−97医薬品グレード(M.W.70,000)として入手可能である。他の機能性ポリマーポリカルボキシレートとしては、無水マレイン酸と、酢酸エチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、N−ビニル−2−ピロリドン、又はエチレンとの1:1のコポリマー(後者は、例えば、MonsantoよりEMA No.1103、M.W.10,000及びEMA Grade 61として入手可能)、並びにアクリル酸と、メタクリル酸メチル又はヒドロキシエチル、アクリル酸メチル又はエチル、イソブチルビニルエーテル、又はN−ビニル−2−ピロリドンとの1:1のコポリマーが挙げられる。更なる機能性ポリマーポリカルボキシレートは、Gaffarに付与された1979年2月6日発行の米国特許第4,138,477号、及びGaffarらに付与された1980年1月15日発行の米国特許第4,183,914号に開示されており、無水マレイン酸と、スチレン、イソブチレン、又はエチルビニルエーテルとのコポリマー;ポリアクリル酸、ポリイタコン酸、及びポリマレイン酸;並びにUniroyal ND−2として入手可能な1000程度の低分子量のスルホアクリル酸オリゴマーが含まれる。他の適当なキレート剤としては、Smithermanに付与された米国特許第5,015,467号、並びにいずれもLukacovicに付与された米国特許第5,849,271号及び米国特許第5,622,689号に記載のポリカルボン酸及びその塩;例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸;コハク酸、ジコハク酸、並びにグルコン酸ナトリウム又はグルコン酸カリウム及びクエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウムなどのそれらの塩;クエン酸/アルカリ金属クエン酸塩の組み合わせ;酒石酸二ナトリウム;酒石酸二カリウム;酒石酸ナトリウムカリウム;酒石酸水素ナトリウム;酒石酸水素カリウム;酒石酸ナトリウムモノサクシネート、酒石酸カリウムジサクシネートの酸又は塩、及びそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、キレート化剤の混合物又は組み合わせが存在してもよい。
本発明での使用に適した研磨剤としては、これらに限定されるものではないが、パーライト、砂及び石英などのシリカ、粉末ガラス、炭化ケイ素、イルメナイト(FeTiO)、酸化ジルコン、ケイ酸ジルコン、トパーズ、TiO、凝集石灰、チョーク、パミス粉末(flour of pumice)、ゼオライト、タルカム、カオリン、珪藻土、酸化アルミニウム、ケイ酸塩、オルトリン酸亜鉛、重炭酸ナトリウム(重曹)、プラスチック粒子、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。シリカ研磨剤は、珪藻土を含む天然非晶質シリカ;又は沈殿シリカなどの合成非晶質シリカ;又はシリカキセロゲルなどのシリカゲル;又はこれらの混合物とすることができる。
一般的に、本発明の組成物における使用に適した研磨剤の量は、当該技術分野では周知の方法にしたがって、許容される程度の洗浄性及び磨き性を与えるように経験的に求められる。一実施形態では、本発明の組成物は研磨剤を含む。一実施形態では、組成物はシリカ研磨剤を含む。一実施形態では、シリカ研磨剤は0.001重量%〜30重量%の量で存在する。一実施形態では、シリカ研磨剤は1重量%〜15重量%の量で存在する。一実施形態では、シリカ研磨剤は4重量%〜10重量%の量で存在する。
他の有用な口腔ケア活性物質及び/又は不活性成分、並びにそれらの更なる例を、Majetiらに付与された米国特許第6,682,722号及びNairらに付与された米国特許第6,121,315号に見ることができるが、当該特許のそれぞれの全容を本明細書に参照により援用するものである。
本発明の組成物は、本明細書に開示され、当該技術分野では周知の様々な方法のいずれによっても製造することができる。一般的に、記載される組成物は、適当な容器内で所望の成分を加え合わせ、例えば、機械的に撹拌されるプロペラ、パドルなどによって、当該技術分野では周知の任意の従来の混合手段を用いて、周囲条件下でこれらを混合することによって調製することができる。
本発明の化合物及び組成物は、哺乳動物の身体を治療するための、具体的には口腔の表面上のバイオフィルムを阻害するための様々な方法で使用することができる。特定の実施形態によれば、本発明は、バイオフィルムを有する表面を本発明の組成物と接触させることにより表面上のバイオフィルムを阻害することを含む。特定の実施形態では、本発明は、バイオフィルムを有する表面を本発明の組成物と接触させることにより表面からバイオフィルムを除去することを含む。特定の実施形態では、本発明は、表面を本発明の組成物と接触させることにより表面への細菌付着を低下させることを含む。
1つ以上の歯の表面、歯肉の表面、これらの2つ以上の組み合わせなどからなる群から選択される1つ以上の表面を含む、口腔の任意の適当な表面を本発明の方法に基づいて接触させることができる。
上記の方法のそれぞれにおいて、特許請求される方法の組成物を、様々な方法のいずれかによって、接触させようとする表面に導入することができる。特定の実施形態では、組成物は、マウスウォッシュ又はマウスリンスとして使用者により口腔内に導入され、表面に適用される。特定の実施形態では、組成物は、口腔内に導入され、歯を磨くための物品、例えば歯ブラシ上の練り歯磨きとして表面に適用される。本発明の組成物は更に、ガム、ドロップ、可溶性ストリップなどとして口から導入し、表面に適用することができる。
更に、本発明の方法の接触させる工程は、任意の適当な長さの時間にわたって表面を組成物と接触させることを含みうる。特定の実施形態では、接触させる工程は、表面を30秒未満接触させることを含む。特定の実施形態では、接触させる工程は、表面を組成物と30秒以上にわたって、例えば約30秒、約40秒、約1分間、又は1分間よりも長い時間にわたって接触させることを含む。
実施例1:化合物のバイオフィルム予防性能
transcis−アコニット酸、コハク酸、アデノシン、キナ酸、イノシン、シキミ酸、ウリジン、シュウ酸、又はエピカテキンの9つの化合物のうちの1つを、エタノール及び安息香酸緩衝液を含む水溶液中に溶解することによって表1に示される配合物A1〜J1を調製した。9つの配合物のそれぞれを、下記に述べるようなバイオフィルム予防アッセイで試験した。
各配合物を使用し、菌膜で覆われたヒドロキシアパタイト製のペグ付きフタを処理溶液としての各配合物中に浸漬することによってフタに処理を行った。次に、ペグ付きフタを処理溶液から取り出し、ヒトの全唾液と一晩培養することによって、混合種唾液誘導バイオフィルムを形成させた。各ペグ付きフタ上で成長したバイオフィルムの量を、バイオルミネセンス反応を用いてATPを測定することによって定量化し、安息香酸/エタノール溶液の陰性対照(試料J)に曝露したペグ付きフタ上で成長したバイオフィルムの量と比較した。結果をRLUの対数値として報告した。なお、より低い値はより少ないバイオフィルムの量に相当する。得られたRLUの対数値を表1に示す。
Figure 2020196755
実施例2:コハク酸/trans−アコニット酸の異なる比及び濃度範囲の検討
コハク酸及びtrans−アコニット酸を全マウスリンス配合物として配合し、その濃度及び比を体系的に変えた。各配合物の量及び材料を表2〜5に示す。コハク酸、trans−アコニット酸、及びコハク酸とtrans−アコニット酸の両方を含む各配合物を調製した。表3〜6に示される各配合物中に使用したコハク酸とtrans−アコニット酸との総濃度はそれぞれ、10.5mM、21mM、42mM、及び63mM(すなわち0.12重量%〜1.1重量%)であった。これらの配合物は、コハク酸、trans−アコニット酸、ポロキサマー407、ラウリル硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、サッカリン、スクラロース、ソルビトール、及びFD&Cグリーン3号を含む水溶性成分を水に溶解することによって調製した。これとは別に、メントール、チモール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、香味剤、及び安息香酸を含むすべての非水溶性成分をプロピレングリコールに溶解した。次いで、このプロピレングリコール溶液を上記の水溶液に加えて混合した。
Figure 2020196755
Figure 2020196755
Figure 2020196755
Figure 2020196755
2つの方法を用いて各配合物の効果を試験した。第1の方法は「前処理を行った複数回処理による静的バイオフィルムアッセイ法(Multi-Treatment Static Biofilm with Pretreatment Assay Method)」であり、第2の方法は「予防アッセイ法(Prevention Assay Method)」である。これらの試験方法について以下に述べる。
前処理を行った複数回処理による静的バイオフィルムアッセイ法
各配合物は、従来の混合技術を用いて上記に述べたのと同様にして調製した。各配合物のpHはいずれも約pH4.2であった。ポリスチレン製ペグ付きプレート(96本のペグ、N=8/群)を唾液に30分間曝露し、35℃の温度で各ペグ上に菌膜を形成させた。次いで、それぞれの配合物について8本のペグ(N=8)に、500RPMに設定したオービタルシェーカーを使用して室温で10分間、配合物で前処理を行った。陰性対照として、8本のペグ(N=8)に滅菌水で10分間前処理を行った。次に、24時間唾液バイオフィルムをこれらのポリスチレン製ペグ付きプレート上に35℃の温度で成長させた。次いで、各ペグに、500RPMに設定したオービタルシェーカーを使用して室温で30秒間、同じ配合物で再処理を行った(N=8)。この再処理は1日2回、2日間にわたって行い、前処理を含めて合計6回の処理を行った。
すべての処理が完了した後、各ペグからのバイオフィルムを中和してすすいだ。431MP4−00マイクロプレートホーンダンパー及び0.5:1逆利得ブースターを備えたQ−Sonica Q700超音波液体処理装置(Q−Sonica,Newtown,CT)を使用し、超音波処理によってバイオフィルムを収穫した。Celsis Rapid Detection RapiScreenキット(Celsis International PLC,Chicago,IL)を使用してCelsis Luminexにより細菌を溶解した後、溶解された菌から放出されたアデノシン三リン酸(ATP)を、バイオルミネッセンスマーカーCelsis Luminate及びBerthold Technologoes(Wildbad,Germany)により供給されるCentro LB960マイクロプレートルミノメーターを使用して測定した。データはRLU(相対発光量)の対数値(log RLU)として報告した。なお、log RLUが低いことは、バイオフィルム基質上に残留する生存細菌が少ないことを示す。
予防アッセイ法
各配合物は、従来の混合技術を用いて上記に述べたのと同様にして調製した。各配合物のpHはいずれも約pH4.2であった。ヒドロキシアパタイトでコーティングされたポリスチレン製ペグ付きプレート(96本のペグ、N=8/群)を唾液に1分間曝露し、35℃の温度で菌膜を形成させた。次いで、それぞれの配合物について8本のペグ(N=8)に、500RPMに設定したオービタルシェーカーを使用して室温で10分間、配合物で前処理を行った。陰性対照として、8本のペグ(N=8)に滅菌水で10分間前処理を行った。次に、16時間唾液バイオフィルムをこれらのポリスチレン製ペグ付きプレート上に35℃の温度で成長させた。
すべての処理が完了した後、各ペグからのバイオフィルムを中和してすすいだ。431MP4−00マイクロプレートホーンダンパー及び0.5:1逆利得ブースターを備えたQ−Sonica Q700超音波液体処理装置(Q−Sonica,Newtown,CT)を使用し、超音波処理によってバイオフィルムを収穫した。Celsis Rapid Detection RapiScreenキット(Celsis International PLC,Chicago,IL)を使用してCelsis Luminexにより細菌を溶解した後、溶解された菌から放出されたアデノシン三リン酸(ATP)を、バイオルミネッセンスマーカーCelsis Luminate及びBerthold Technologoes(Wildbad,Germany)により提供されるCentro LB960マイクロプレートルミノメーターを使用して測定した。データはRLU(相対発光量)の対数値(log RLU)として報告した。なお、log RLUが低いことは、バイオフィルム基質上に残留する生存細菌が少ないことを示す。
配合物のそれぞれについて「前処理を行った複数回処理による静的バイオフィルムアッセイ法」、及び「予防アッセイ法」の結果を表6にまとめる。
図1及び図2は、上記表3に示したコハク酸(SA)及びtrans−アコニット酸(tAA)を含む各配合物A21〜L21について、細菌付着の低下率(%)(水に対する)に対する複数回の処理後のバイオフィルムの除去率(%)(水に対する)をプロットしたものである。図の破線は、SAとtAAとのブレンドの直線による予想結果である。各図は、コハク酸とtrans−アコニット酸とが0.9:1〜14.1:1(コハク酸:trans−アコニット酸)の比で組み合わされた場合、結果が予想結果から驚くほど外れることを示している。
表6は、表中の組み合わされた酸物質の他の濃度についてコハク酸とtrans−アコニット酸とのブレンドの予想結果からの距離を調べた場合に同様の驚くべき結果を示している。
Figure 2020196755
Figure 2020196755
実施例3:化合物のバイオフィルム予防性能
表7に示される各配合物A2〜J2を調製し、バイオフィルム予防アッセイで試験した。各配合物を、インビトロ静的複数回処理混合種バイオフィルムアッセイ(in-vitro static multi-treatment mixed species biofilm assay)で試験した。菌膜で覆われたペグ付きフタを、バイオフィルムを成長させる前に各配合物で前処理した。次いで、処理したペグ付きフタをヒトの全唾液と24時間培養することによって、混合種唾液誘導バイオフィルムを形成させた。このバイオフィルムに、各配合物により、1日2回、60時間にわたり、合計で5回の30秒間の処理を行った。結果をRLUの対数値(log RLU)として報告し、表7に示す。なお、より低い値はより少ないバイオフィルムの量に相当する。次いで、この結果を用いて異なる濃度のコハク酸及びtrans−アコニット酸による活性を最大化する外形表面を作成した。マウスリンスを含有する標準的な精油を含む陽性対照(試料J2)も作製し、試験した。
Figure 2020196755
注:滅菌水のLog RLUは7.39であった。
〔実施の態様〕
(1) バイオフィルムを有する表面に、コハク酸と、アコニット酸と、キャリアとを含む組成物を適用することを含む、バイオフィルムを阻害する方法であって、前記コハク酸及びアコニット酸が前記組成物中にコハク酸とアコニット酸との比が約0.9:1〜約40:1で存在する、方法。
(2) 前記表面が口腔の表面である、実施態様1に記載の方法。
(3) 口腔の前記表面が、1以上の歯の表面、歯肉の表面、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記組成物が、約0.9:1〜約20:1のコハク酸とアコニット酸との比を有する、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記組成物が、約0.9:1〜約14:1のコハク酸とアコニット酸との比を有する、実施態様3に記載の方法。
(6) 前記組成物が、約0.9:1〜約9:1のコハク酸とアコニット酸との比を有する、実施態様3に記載の方法。
(7) 前記組成物のコハク酸とアコニット酸との総合計量が、前記組成物の約0.1〜約2重量%である、実施態様3に記載の方法。
(8) 前記組成物のコハク酸とアコニット酸との総合計量が、前記組成物の約0.1〜約1重量%である、実施態様3に記載の方法。
(9) 前記組成物のコハク酸とアコニット酸との総合計量が、前記組成物の約0.1〜約0.5重量%である、実施態様3に記載の方法。
(10) 前記組成物のコハク酸とアコニット酸との総合計量が、前記組成物の約0.1〜約0.3重量%である、実施態様3に記載の方法。
(11) 前記組成物が、マウスウォッシュ又はマウスリンスの形態で前記表面に適用される、実施態様3に記載の方法。
(12) 前記組成物が、練り歯磨きの形態で前記表面に適用される、実施態様3に記載の方法。
(13) 前記適用する工程が、前記表面を30秒未満にわたって接触させることを含む、実施態様3に記載の方法。
(14) 前記適用する工程が、前記表面を30秒以上にわたって接触させることを含む、実施態様3に記載の方法。
(15) 前記アコニット酸がtrans−アコニット酸である、実施態様3に記載の方法。
(16) 前記キャリアが水/アルコール混合物を含む、実施態様3に記載の方法。
(17) 前記組成物が、全組成物の約10体積%以下の量のアルコールを含む、実施態様3に記載の方法。
(18) 前記組成物がアルコールを含まない、実施態様3に記載の方法。
(19) 前記表面からバイオフィルムを除去することを含む、実施態様3に記載の方法。
(20) 前記表面への細菌付着を低減することを含む、実施態様3に記載の方法。

Claims (3)

  1. バイオフィルムを阻害する方法に使用するための組成物であって、前記方法は前記バイオフィルムを有する表面に前記組成物を適用することを含み、前記組成物はコハク酸とアコニット酸とキャリアとを含み、前記コハク酸及び前記アコニット酸が前記組成物中にコハク酸とアコニット酸との比が0.9:1〜14:1で存在し、
    前記表面が口腔の表面であり、
    前記口腔の前記表面が、1以上の歯の表面、歯肉の表面、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され、
    前記組成物が、マウスウォッシュ又はマウスリンスの形態で前記表面に適用される、組成物。
  2. バイオフィルムを阻害する方法に使用するための組成物であって、前記方法は前記バイオフィルムを有する表面に前記組成物を適用することを含み、前記組成物はコハク酸とアコニット酸とキャリアとを含み、前記コハク酸及び前記アコニット酸が前記組成物中にコハク酸とアコニット酸との比が0.9:1〜14:1で存在し、
    前記表面が口腔の表面であり、
    前記口腔の前記表面が、1以上の歯の表面、歯肉の表面、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され、
    前記組成物が、練り歯磨きの形態で前記表面に適用される、組成物。
  3. バイオフィルムを阻害する方法に使用するための組成物であって、前記方法は前記バイオフィルムを有する表面に前記組成物を適用することを含み、前記組成物はコハク酸とアコニット酸とキャリアとを含み、前記コハク酸及び前記アコニット酸が前記組成物中にコハク酸とアコニット酸との比が0.9:1〜14:1で存在し、
    前記表面が口腔の表面であり、
    前記口腔の前記表面が、1以上の歯の表面、歯肉の表面、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され、
    前記組成物が、全組成物の約10体積%以下の量のアルコールを含む、組成物。
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