JP2020196249A - 透明樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

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俊彦 鈴木
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佳照 石上
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Kazuyoshi Omatsu
一喜 大松
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Abstract

【課題】均質な透明樹脂フィルムを得ることができる透明樹脂フィルムの製造方法の提供。【解決手段】ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含んでなる長尺帯状の透明樹脂フィルムの両端部をそれぞれ把持する工程、把持されたフィルムを搬送する工程、把持されたフィルムの幅を所定の距離(ただし、把持部を距離に含めない)とし、前記樹脂フィルムを乾燥機内で熱処理を行う工程、乾燥機から出た樹脂フィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)を乾燥機から出る直前の樹脂フィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)に対して0.90〜1.20とする工程、及び把持を解除する工程、を有し、把持を解除する工程において、乾燥機から出たフィルムの幅(但し、把持部を幅に含めない)(W)に対するクリップの弛緩量(F)の比が1.6≦F/W×100≦7.0を満たす、透明樹脂フィルムの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、透明樹脂フィルムの製造方法に関する。
フレキシブル表示デバイスにおいて、ガラス代替の透明樹脂フィルムが求められている。このような透明樹脂フィルムの材料としては、ポリイミド系樹脂やポリアミド系樹脂などの、透明性と機械的強度とを有する材料が知られている。
このような透明樹脂フィルムの製造では、所望の品質を得るために、樹脂フィルムの熱処理が行われることがある(例えば、特許文献1を参照。)。
ところで、このような熱処理を例えば乾燥機中で行うと、乾燥機から出た直後にフィルムが室温に急冷されるため、フィルム端部に割れや傷などが発生して透明樹脂フィルムの均一性が得られないことがあった。
特開2010−36414号公報
本発明は、このような事情に鑑みて提案されたものであり、熱処理を行っても、フィルム端部に割れや傷などを生じない透明樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下を提供する。
[1]ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含んでなる長尺帯状の透明樹脂フィルムの両端部をそれぞれ把持する工程、
把持されたフィルムを搬送する工程、
把持されたフィルムの幅を所定の距離(ただし、把持部を距離に含めない)とし、前記樹脂フィルムを乾燥機内で熱処理を行う工程、
乾燥機から出た樹脂フィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)を乾燥機から出る直前の樹脂フィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)に対して0.90〜1.20とする工程、
及び把持を解除する工程、を有し、
把持を解除する工程において、乾燥機から出たフィルムの幅(但し、把持部を幅に含めない)(W)に対するクリップの弛緩量(F)の比が1.6≦F/W×100≦7.0を満たす、
透明樹脂フィルムの製造方法。
[2]把持を複数のクリップによって行う[1]記載の製造方法。
[3]熱処理後の樹脂フィルムに含まれる有機溶媒の含有量が、樹脂フィルムの質量に対して、0.001〜3質量%である、[1]又は[2]記載の製造方法。
以上のように、本発明は、フィルム端部に割れや傷などのない透明樹脂フィルムを得ることができる透明樹脂フィルムの製造方法を提供する。
本発明にかかる透明樹脂フィルムの製造にかかる、乾燥機の例を示す。紙面左側から右側へフィルムが搬送される。(a)は乾燥機の側面図を示し、中央の線は、フィルムが搬送される状況を示す。(b)は、乾燥機の上面図を示し、中央の四角はフィルムが搬送される状況を示す。
以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明は、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含んでなる長尺帯状の透明樹脂フィルムの両端部をそれぞれ把持する工程、把持されたフィルムを搬送する工程、把持されたフィルムの幅を所定の距離(ただし、把持部を距離に含めない)とし、前記樹脂フィルムを乾燥機内で熱処理を行う工程、乾燥機から出た樹脂フィルムの幅を乾燥機から出る直前の樹脂フィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)に対して0.90〜1.20とする工程、及び把持を解除する工程を有する透明樹脂フィルムの製造方法を提供する。
[ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂]
本発明の透明樹脂フィルムは、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む。ポリイミド系樹脂とは、イミド基を含む繰返し構造単位を含有する重合体(以下、ポリイミドと記載することがある)、並びにイミド基及びアミド基の両方を含む繰返し構造単位を含有する重合体(以下、ポリアミドイミドと記載することがある)からなる群から選択される少なくとも1種の重合体を示す。また、ポリアミド系樹脂とは、アミド基を含む繰り返し構造単位を含有する重合体を示す。
ポリイミド系樹脂は、式(10)で表される繰り返し構造単位を有することが好ましい。ここで、Gは4価の有機基であり、Aは2価の有機基である。ポリイミド系樹脂は、G及び/又はAが異なる、2種類以上の式(10)で表される繰り返し構造単位を含んでいてもよい。
Figure 2020196249
ポリイミド系樹脂は、透明樹脂フィルムの各種物性を損なわない範囲で、式(11)、式(12)及び式(13)で表される繰り返し構造単位からなる群から選択される1以上を含んでいてもよい。
Figure 2020196249
式(10)及び式(11)中、G及びGは、それぞれ独立して、4価の有機基であり、好ましくは炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。G及びGとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。透明樹脂フィルムの黄色度(YI値)を抑制しやすいことから、なかでも、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)又は式(27)で表される基が好ましい。
Figure 2020196249
式(20)〜式(29)中、
*は結合手を表し、
Zは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−又は−Ar−SO−Ar−を表す。Arはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。
式(12)中、Gは3価の有機基であり、好ましくは炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Gとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基並びに3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
式(13)中、Gは2価の有機基であり、好ましくは炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Gとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基及び炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
式(10)〜式(13)中、A、A、A及びAは、それぞれ独立して、2価の有機基であり、好ましくは炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。A、A、A及びAとしては、式(30)、式(31)、式(32)、式(33)、式(34)、式(35)、式(36)、式(37)もしくは式(38)で表される基;それらがメチル基、フルオロ基、クロロ基もしくはトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2020196249
式(30)〜式(38)中、
*は結合手を表し、
、Z及びZは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−又は−CO−を表す。
1つの例は、Z及びZが−O−であり、かつ、Zが−CH−、−C(CH−、−C(CF−又は−SO−である。ZとZとの各環に対する結合位置、及び、ZとZとの各環に対する結合位置は、それぞれ、好ましくは各環に対してメタ位又はパラ位である。
ポリイミド系樹脂は、視認性を向上させやすい観点から、好ましくは式(10)で表される繰り返し構造単位と式(13)で表される繰り返し構造単位とを少なくとも有する。また、ポリアミド系樹脂は、好ましくは式(13)で表される繰り返し構造単位を少なくとも有する。
本発明の一実施態様において、ポリイミド系樹脂は、ジアミン及びテトラカルボン酸化合物(酸クロライド化合物、テトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸化合物類縁体)、並びに、必要に応じて、ジカルボン酸化合物(酸クロライド化合物等のジカルボン酸化合物類縁体)、トリカルボン酸化合物(酸クロライド化合物、トリカルボン酸無水物等のトリカルボン酸化合物類縁体)等を反応(重縮合)させて得られる縮合型高分子である。式(10)又は式(11)で表される繰り返し構造単位は、通常、ジアミン及びテトラカルボン酸化合物から誘導される。式(12)で表される繰り返し構造単位は、通常、ジアミン及びトリカルボン酸化合物から誘導される。式(13)で表される繰り返し構造単位は、通常、ジアミン及びジカルボン酸化合物から誘導される。
本発明の一実施態様において、ポリアミド系樹脂は、ジアミンとジカルボン酸化合物とを反応(重縮合)させて得られる縮合型高分子である。すなわち、式(13)で表される繰り返し構造単位は、通常、ジアミン及びジカルボン酸化合物から誘導される。
テトラカルボン酸化合物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸化合物;及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸化合物が挙げられる。テトラカルボン酸化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。テトラカルボン酸化合物は、二無水物の他、酸クロライド化合物等のテトラカルボン酸化合物類縁体であってもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物及び4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物及び4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、環式又は非環式の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、脂環式炭化水素構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、その具体例としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等のシクロアルカンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物及びこれらの位置異性体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。また、環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物を組合せて用いてもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物の中でも、高透明性及び低着色性の観点から、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物及び4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、並びにこれらの混合物が好ましい。また、テトラカルボン酸として、上記テトラカルボン酸化合物の無水物の水付加体を用いてもよい。
トリカルボン酸化合物としては、芳香族トリカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロライド化合物、酸無水物等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸の無水物;2,3,6−ナフタレントリカルボン酸−2,3−無水物;フタル酸無水物と安息香酸とが単結合、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−もしくはフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロライド化合物、酸無水物等が挙げられ、それらを2種以上併用してもよい。
それらの具体例としては、テレフタル酸ジクロリド(テレフタロイルクロリド(TPC));イソフタル酸ジクロリド;ナフタレンジカルボン酸ジクロリド;4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリド;3,3’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリド;4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC);炭素数8以下である鎖式炭化水素のジカルボン酸化合物及び2つの安息香酸が単結合、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−もしくはフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン又はこれらの混合物が挙げられる。なお、本実施形態において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基又はその他の置換基を含んでいてもよい。芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフルオレン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、芳香環がベンゼン環であることが好ましい。また「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香環やその他の置換基を含んでいてもよい。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン等の非環式脂肪族ジアミン及び1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の環式脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
上記ジアミンの中でも、高透明性及び低着色性の観点からは、好ましくはビフェニル構造を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、より好ましくは2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、さらに好ましくは2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンが挙げられる。
ポリイミド系樹脂は、上記ジアミン、テトラカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物等の各原料を慣用の方法、例えば、撹拌等の方法により混合した後、得られた中間体をイミド化触媒及び必要に応じて脱水剤の存在下で、イミド化することにより得られる。ポリアミド系樹脂は、上記ジアミン、ジカルボン酸化合物等の各原料を慣用の方法、例えば、撹拌等の方法により混合することで得られる。
イミド化工程で使用されるイミド化触媒としては、特に限定されないが、例えばトリプロピルアミン、ジブチルプロピルアミン、エチルジブチルアミン等の脂肪族アミン;N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピロリジン、N−ブチルピペリジン、及びN−プロピルヘキサヒドロアゼピン等の脂環式アミン(単環式);アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアザビシクロ[3.2.2]ノナン等の脂環式アミン(多環式);並びに2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3,4−シクロペンテノピリジン、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン、及びイソキノリン等の芳香族アミンが挙げられる。
イミド化工程で使用される脱水剤としては、特に限定されないが、例えば無水酢酸、プロピオン酸無水物、イソ酪酸無水物、ピバル酸無水物、酪酸無水物、イソ吉草酸無水物などが挙げられる。
各原料の混合及びイミド化工程において、反応温度は、特に限定されないが、例えば15〜350℃、好ましくは20〜100℃である。反応時間も特に限定されないが、例えば10分〜10時間程度である。必要に応じて、不活性雰囲気又は減圧の条件下において反応を行ってよい。また、反応は溶媒中で行ってよく、溶媒としては、例えばワニスの調製に使用される溶媒として例示のものが挙げられる。反応後、ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂を精製する。精製方法としては、例えば反応液に貧溶媒を加えて再沈殿法により樹脂を析出させ、乾燥し沈殿物を取りだし、必要に応じて沈殿物をメタノール等の溶媒で洗浄して乾燥させる方法等が挙げられる。
なお、ポリイミド系樹脂の製造は、例えば特開2006−199945号公報又は特開2008−163107号公報に記載の製造方法を参照してもよい。また、ポリイミド系樹脂は、市販品を使用することもでき、その具体例としては、三菱瓦斯化学(株)製ネオプリム(登録商標)、河村産業(株)製KPI−MX300F等が挙げられる。
ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは200,000以上、より好ましくは250,000以上、さらに好ましくは300,000以上であり、好ましくは600,000以下、より好ましくは500,000以下である。ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の重量平均分子量が大きいほど、フィルム化した際の高い耐屈曲性を発現しやすい傾向がある。そのため、透明樹脂フィルムの耐屈曲性を高める観点からは、重量平均分子量が上記の下限以上であることが好ましい。一方、ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の重量平均分子量が小さいほど、ワニスの粘度を低くしやすく、加工性を向上させやすい傾向がある。また、ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の延伸性が向上しやすい傾向がある。そのため、加工性及び延伸性の観点からは、重量平均分子量が上記の上限以下であることが好ましい。なお、本願において重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリスチレン換算により求めることができ、例えば実施例に記載の方法により算出できる。
ポリイミド系樹脂のイミド化率は、好ましくは95〜100%、より好ましくは97〜100%、さらに好ましくは98〜100%、さらにより好ましくは100%である。ワニスの安定性、得られた透明樹脂フィルムの機械物性の観点からは、イミド化率が上記の下限以上であることが好ましい。なお、イミド化率は、IR法、NMR法などにより求めることができる。上記観点から、ワニス中に含まれるポリイミド系樹脂のイミド化率が上記範囲内であることが好ましい。前記イミド化率は、例えば、特願2018−007523号に記載された方法により、求めることができる。
本発明の好ましい一実施形態において、本発明の透明樹脂フィルムに含まれるポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂は、例えば上記の含フッ素置換基等によって導入することができる、フッ素原子等のハロゲン原子を含んでよい。ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂がハロゲン原子を含む場合、透明樹脂フィルムの弾性率を向上させかつ黄色度(YI値)を低減させやすい。透明樹脂フィルムの弾性率が高いと、該フィルムにおけるキズ及びシワ等の発生を抑制しやすく、また、透明樹脂フィルムの黄色度が低いと、該フィルムの透明性を向上させやすくなる。ハロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂にフッ素原子を含有させるために好ましい含フッ素置換基としては、例えばフルオロ基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂におけるハロゲン原子の含有量は、ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の質量を基準として、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。ハロゲン原子の含有量が1質量%以上であると、フィルム化した際の弾性率をより向上させ、吸水率を下げ、黄色度(YI値)をより低減し、透明性をより向上させやすい。ハロゲン原子の含有量が40質量%以下であると、合成が容易になる場合がある。
本発明の一実施形態において、透明樹脂フィルム中におけるポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂の含有量は、透明樹脂フィルムの全質量を基準として、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂の含有量が上記の下限以上であることが、耐屈曲性等を高めやすい観点から好ましい。なお、透明樹脂フィルム中におけるポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂の含有量は、透明樹脂フィルムの全質量を基準として、通常100質量%以下である。
[添加剤]
本発明の透明樹脂フィルムは、フィラー等の添加剤をさらに含んでもよい。このような添加剤としては、例えば、シリカ粒子、紫外線吸収剤、増白剤、シリカ分散剤、酸化防止剤、pH調整剤、及びレベリング剤が挙げられる。
(シリカ粒子)
本発明の透明樹脂フィルムは、添加剤としてシリカ粒子をさらに含んでもよい。シリカ粒子の含有量は、該透明樹脂フィルム100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは45質量部以下である。また、シリカ粒子の含有量は、これらの上限値及び下限値のうち、任意の下限値と上限値とを選択して組合せることができる。シリカ粒子の含有量が上記上限値及び/又は下限値の数値範囲であると、本発明の透明樹脂フィルムにおいて、シリカ粒子が凝集しにくく、一次粒子の状態で均一に分散する傾向にあるため、本発明における透明樹脂フィルムの視認性の低下を抑制することができる。
シリカ粒子の粒子径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上、さらに好ましくは5nm以上、さらにより好ましくは8nm以上であり、好ましくは30nm以下、より好ましくは28nm以下、さらに好ましくは25nm以下、さらにより好ましくは20nm以下である。シリカ粒子の粒子径は、これらの上限値及び下限値のうち、任意の下限値と上限値とを選択して組合せることができる。シリカ粒子の含有量が上記上限値及び/又は下限値の数値範囲であると、本発明における透明樹脂フィルムにおいて、白色光における特定の波長の光と相互作用をしにくいため、該透明樹脂フィルムの視認性の低下を抑制することができる。本明細書において、シリカ粒子の粒子径は、平均一次粒子径を示す。透明樹脂フィルム内のシリカ粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた撮像から測定することができる。透明樹脂フィルムを作製する前(例えば、ワニスに添加する前)のシリカ粒子の粒子径は、レーザー回折式粒度分布計により測定することができる。
シリカ粒子の形態としては、例えば、シリカ粒子が有機溶媒等に分散したシリカゾル、及び気相法で調製したシリカ粉末が挙げられる。これらの中でも、作業性の観点からシリカゾルが好ましい。
シリカ粒子は、表面処理を施してもよく、例えば、水溶性アルコール分散シリカゾルから溶媒(より具体的には、γ−ブチロラクトン等)置換したシリカ粒子であってもよい。
水溶性アルコールは、該水溶性アルコール分子1個においてヒドロキシ基1個当たりの炭素数が3以下のアルコールであり、メタノール、エタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールなどが挙げられる。シリカ粒子とポリイミド系高分子の種類との相性によるが、通常、シリカ粒子が表面処理されると、透明樹脂フィルムに含まれるポリイミド系高分子との相溶性が向上し、シリカ粒子の分散性が向上する傾向にあるため、本発明の視認性の低下を抑制することができる。
(紫外線吸収剤)
本発明における透明樹脂フィルムは、紫外線吸収剤をさらに含んでもよい。例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好適な市販の紫外線吸収剤としては、例えば、住化ケムテックス(株)製のSumisorb(登録商標) 340、(株)ADEKA製のアデカスタブ(登録商標) LA−31、及びBASFジャパン(株)製のチヌビン(登録商標) 1577等が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、本発明における透明樹脂フィルムの質量を基準として、好ましくは1phr以上10phr以下、より好ましくは3phr以上6phr以下である。
(増白剤)
本発明における透明樹脂フィルムは、増白剤をさらに含んでもよい。増白剤は、例えば、増白剤以外の添加剤を添加した場合に、色味を調整するために添加することができる。増白剤としてはモノアゾ系染料、トリアリールメタン系染料、フタロシアニン系染料、及びアンスラキノン系染料が挙げられる。これらの中でもアンスラキノン系染料が好ましい。好適な市販の増白剤としては、例えば、ランクセス社製のマクロレックス(登録商標) バイオレット B、住化ケムテックス(株)製のスミプラスト(登録商標) Violet B、及び三菱化学(株)製のダイアレジン(登録商標) ブルー G等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。増白剤を含む場合、その含有量は、本発明における透明樹脂フィルムの質量を基準として、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜45ppm、さらに好ましくは3〜40ppm、さらにより好ましくは5〜35ppmである。
本発明における透明樹脂フィルムの用途は特に限定されず、種々の用途に使用してよい。該透明樹脂フィルムは、上記に述べたように単層であっても、積層体であってもよく、該透明樹脂フィルムをそのまま使用してもよいし、さらに他のフィルムとの積層体として使用してもよい。該透明樹脂フィルムは、優れた面品質を有するため、画像表示装置等における透明樹脂フィルムとして有用である。
本発明における透明樹脂フィルムは、画像表示装置の前面板、特にフレキシブルディスプレイの前面板(ウィンドウフィルム)として有用である。フレキシブルディスプレイは、例えば、フレキシブル機能層と、フレキシブル機能層に重ねられて前面板として機能する上記ポリイミド系フィルムを有する。すなわち、フレキシブルディスプレイの前面板は、フレキシブル機能層の上の視認側に配置される。この前面板は、フレキシブル機能層を保護する機能を有する。
[透明樹脂フィルムの製造方法]
本発明における透明樹脂フィルムは、特に限定されないが、例えば以下の工程:
(a)前記樹脂及び前記フィラーを含む液(以下、ワニスと記載することがある)を調製する工程(ワニス調製工程)、
(b)ワニスを、基材に塗布して塗膜を形成する工程(塗布工程)、及び
(c)塗布された液(塗膜)を乾燥させて、透明樹脂フィルムを形成する工程(透明樹脂フィルム形成工程)
を含む方法によって製造することができる。
ワニス調製工程において、前記樹脂を溶媒に溶解し、前記フィラー及び必要に応じて他の添加剤を添加して撹拌混合することによりワニスを調製する。なお、フィラーとしてシリカを用いる場合、シリカを含むシリカゾルの分散液を、前記樹脂が溶解可能な溶媒、例えば下記のワニスの調製に用いられる溶媒で置換したシリカゾルを樹脂に添加してもよい。
ワニスの調製に用いられる溶媒は、前記樹脂を溶解可能であれば特に限定されない。かかる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒;γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;及びそれらの組合せが挙げられる。これらの中でも、アミド系溶媒又はラクトン系溶媒が好ましい。これらの溶媒は単独又は二種以上組合せて使用できる。また、ワニスには水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、非環状エステル系溶媒、エーテル系溶媒などが含まれてもよい。ワニスの固形分濃度は、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%である。該固形分は、乾燥減量法により測定できる。
塗布工程において、公知の塗布方法により、基材上にワニスを塗布して塗膜を形成する。公知の塗布方法としては、例えばワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、スプレー法、流涎成形法等が挙げられる。
透明樹脂フィルム形成工程において、塗膜を乾燥し、基材から剥離することによって、長尺帯状の透明樹脂フィルムを形成することができる。剥離後にさらに透明樹脂フィルムを乾燥する熱処理工程を行ってもよい。塗膜の熱処理は、通常50〜350℃の温度にて行うことができる。必要に応じて、不活性雰囲気又は減圧の条件下において塗膜の乾燥を行ってよい。
熱処理においては、長尺帯状の透明樹脂フィルムの両端部をそれぞれ把持し、把持されたフィルムを搬送しつつ、把持されたフィルムの幅を所定の距離として、例えば乾燥機内を搬送しつつ、熱処理を行う。このときに、熱処理前のフィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)に対する熱処理後のフィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)の比を1.2以下とし、そして、乾燥機から出た樹脂フィルムの把持を解除することにより、透明樹脂フィルムの熱処理を行うことができる。
熱処理前のフィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)に対する熱処理後のフィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)の比(以下、延伸倍率ということがある)は、通常0.90〜1.20、好ましくは0.70〜1.10、より好ましくは0.8〜1.05、さらに好ましくは0.80〜1.00である。
フィルムの把持は、例えば、複数のクリップを用いることによって行われる。なお、把持部は、クリップ等で把持されていることから、前述の延伸され得る幅にはなりえないため、延伸倍率を計算する際には、フィルム幅から除いて計算される。
該複数のクリップは、搬送装置の大きさに応じて、所定の長さのエンドレスチェーンに固定されることができ、該チェーンがフィルムと同じ速度で動き、該チェーンの適切な位置に、クリップが設置されており、乾燥機に入る前に透明樹脂フィルムを把持し、乾燥機を出た時点で把持が解除される。
フィルムの一方端に設置される複数のクリップは、その隣接するクリップ間の空間が例えば、1〜50mm、好ましくは3〜25mm、より好ましくは5〜10mmとなるように、設置される。
また、フィルム搬送軸に直交する直線を、フィルムの一方端の任意のクリップの把持部中央に合せたとき、該直線とフィルムの他端との交点と、該交点に最も近いクリップの把持部中央との距離が、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下となるようにできる。該距離が前記の範囲にあることにより、フィルムの左右での例えば、位相差などの光学的性質を均質にすることができる。
熱処理前のフィルムの幅に対する熱処理後のフィルムの幅の比が前記の範囲にあると、フィルム外観が良好となる傾向がある。
熱処理後のフィルム中の溶媒量は、フィルムの質量を基準として、好ましくは0.001〜3質量%、より好ましくは0.001〜2質量%、さらに好ましくは0.001〜1.5質量%、さらにより好ましくは0.001〜1.3質量%である。熱処理後のフィルム中の溶媒量が前記の範囲にあると、フィルム外観が良好となる傾向がある。
熱処理が終わり、乾燥機からフィルムが出るとフィルムの把持が解除され、好ましくはすぐに、フィルム端部をスリットされる。スリットを行うことにより、フィルム端部における、把持部と把持されていなかった部分との間で生じやすい割れをフィルムから除去することにより、その後フィルムが搬送されてその温度が低下することによるフィルムの割れの広がりをあらかじめ防止できる。
フィルムが乾燥機を出ると、フィルムが急冷されて収縮し、割れが生じることがある。そのため、乾燥機出口からフィルムの把持が解放される位置までに一定割合のフィルムを弛緩する工程があることが好ましい。その割合は、乾燥機から出てきたフィルムの幅(但し、把持された幅を除く)(W)と乾燥機出口からフィルムを解放するまでに把持部が弛緩される距離(F)との比が、好ましくは1.6≦F/W×100≦6.9、より好ましくは1.8≦F/W×100≦6.8、さらに好ましくは、1.9≦F/W×100≦6.7、さらにより好ましくは、2.0≦F/W×100≦6.7である。
フィルムの搬送方向に対して一方端側の弛緩される距離をFa、他方端側の弛緩される距離をFbとし、それらを合せて弛緩される距離Fとする。
乾燥機出口からフィルムの把持が解放されるまでの距離は、好ましくは200〜2,000mm、より好ましくは300〜1,500mm、さらに好ましくは300〜1,300mm、さらにより好ましくは300〜1,000mmである。該距離が前記の範囲にあると、フィルムに割れが生じにくく、また弛みなど外観不良が生じにくい傾向にある。
基材の例としては、金属系であれば、SUS製のエンドレスベルト、樹脂系であれば長尺帯状のPETフィルム、PENフィルム、他のポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂フィルム、シクロオレフィン系ポリマー(COP)フィルム、アクリル系フィルム等が挙げられる。中でも、平滑性、耐熱性に優れる観点から、PETフィルム、COPフィルム等が好ましく、さらに透明樹脂フィルムとの密着性及びコストの観点から、PETフィルムがより好ましい。
保護フィルム
本発明において透明樹脂フィルムは、該透明樹脂フィルムに貼合された保護フィルムを含んで積層体としてもよい。保護フィルムは、透明樹脂フィルムの支持体の無い面に貼合される。積層体のロール状に巻き取る際に、ブロッキング等の巻き取り性に問題がある場合は、上記に追加して、支持体の透明樹脂フィルムとは反対側の面に保護フィルムを貼合してもよい。透明樹脂フィルムに貼合される保護フィルムは、透明樹脂フィルムの表面を一時的に保護するためのフィルムであり、透明樹脂フィルムの表面を保護できる剥離可能なフィルムである限り特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム;ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムおよびアクリル系樹脂フィルムからなる群から選択されることが好ましい。積層体の両面に保護フィルムが貼合されている場合、各面の保護フィルムは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、通常、10〜100μm、好ましくは10〜80μmである。積層体の両面に保護フィルムが貼合されている場合、各面の保護フィルムの厚さは同じであってもよく、異なっていてもよい。
積層体フィルムロール
本発明では、上記積層体(支持体、透明樹脂フィルムおよび必要に応じて保護フィルム)が巻芯にロール状に巻回されたものを積層体フィルムロールとよぶ。積層体フィルムロールは、連続的に製造において、スペースその他の制約から一旦フィルムロールの形で保管することが多く、積層体フィルムロールもその一つである。積層体フィルムロールの形態では、積層体がより強く巻き締められているので、支持体上の白濁原因物質が透明樹脂フィルム上に転写されやすくなる。しかし、本発明の所定の対水接触角を有する支持体を用いると、支持体からの白濁物質が透明樹脂フィルムに転写されにくく、それが積層体フィルムロールで巻き締められても、白濁が生じにくい。
積層体フィルムロールの巻芯を構成する材料としては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂;アルミニウム等の金属;繊維強化プラスチック(FRP:ガラス繊維等の繊維をプラスチックに含有させて強度を向上させた複合材料)等が挙げられる。巻芯は円筒状または円柱状等の形状をなし、その直径は、例えば80〜170mmである。また、フィルムロールの巻き取り後の直径は、特に限定されるものではないが、通常200〜800mmである。
また、保護フィルムを透明樹脂フィルムに貼合したのち、所望の幅にスリットすることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(重量平均分子量)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定
(1)前処理方法
試料をγ−ブチロラクトン(GBL)に溶解させて20質量%溶液とした後、DMF溶離液にて100倍に希釈し、0.45μmメンブランフィルターろ過したものを測定溶液とした。
(2)測定条件
カラム:TSKgel SuperAWM−H×2+SuperAW2500×1(6.0mm I.D.×150mm×3本)
溶離液:DMF(10mmol/Lの臭化リチウム添加)
流量:0.6mL/分
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:20μL
分子量標準:標準ポリスチレン
<イミド化率の測定>
実施例および比較例で使用したポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂のイミド化
率は、NMRにより測定し、式(化XXX)に示した部分構造に由来するシグナルを
用いて算出した。測定条件および得られた結果からイミド化率を算出する方法は次の通り
である。
Figure 2020196249
(NMRの測定条件)
測定装置:Bruker製600MHzNMR装置AVANCE600
試料温度:303K
測定手法:H−NMR,HSQC
(ポリイミド樹脂のイミド化率の算出方法)
ポリイミド樹脂を含む溶液を測定試料として得られたH−NMRスペクトルにおいて、式(XXX)中のプロトン(A)に由来するシグナルの積分値をInt、プロトン(B)に由来するシグナルの積分値をIntとした。これらの値から、以下の式(NMR−1)によりイミド化率(%)を求めた。
Figure 2020196249
<全光線透過率(Tt)の測定>
透明樹脂フィルムの全光線透過率は、JIS K 7105:1981に準拠して、スガ試験機(株)社製の全自動直読ヘーズコンピュータHGM−2DPにより測定した。結果を表3に示す。
<ヘーズの測定>
透明樹脂フィルムのヘーズは、JIS K 7105:1981に準拠して、スガ試験機(株)社製の全自動直読ヘーズコンピュータHGM−2DPにより測定した。結果を表3に示す。
<黄色度(YI)の測定>
透明樹脂フィルムのイエローインデックス(黄色度:YI値)を、日本分光(株)製の紫外可視近赤外分光光度計V−670によって測定した。サンプルがない状態でバックグランド測定を行った後、透明樹脂フィルムをサンプルホルダーにセットして、300〜800nmの光に対する透過率測定を行い、3刺激値(X、Y、Z)を求めた。YI値を、下記の式に基づいて算出した。
YI値=100×(1.2769X−1.0592Z)/Y
結果を表3に示す。
<残溶媒量の測定>
TG−DTA(SII(株)製 EXSTAR6000 TG/DTA6300)を用いて、実施例1〜6並びに比較例1〜4で得られた透明樹脂フィルムを30℃から120℃まで昇温し、120℃で5分間保持し、その後5℃/分の昇温速度で400℃まで昇温した。120℃におけるフィルムの質量に対する120℃から250℃でのフィルムの質量減少の比を、フィルム中の溶媒含有量(残溶媒量と称する)として算出した。結果を表3に示す。
<割れ>
フィルムがクリップから離される位置で目視にて、フィルムが50m流れる間フィルムを確認し、割れの有無を確認した。結果を表2に示す。
<擦り傷>
得られたフィルムの表面にポラリオンライト〔ポラリオン社製「PS−X1」〕(3,400ルーメン)を流れ方向(即ち、縦方向)から照射した。その際、フィルム面に対して20〜70°程度の寝かせた角度で照射した。視認する方向は、評価する樹脂フィルムの面のほぼ真上(樹脂フィルム面から90°の角度)からであり、擦り傷の有無を目視して確認した。擦り傷がない場合を良好として〇で示し、擦り傷がある場合を不良として×で、表2に示した。
<製造例1:ポリイミド系樹脂(1)の製造>
セパラブルフラスコにシリカゲル管、攪拌装置及び温度計を取り付けたフラスコと、オイルバスとを準備した。このフラスコ内に、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA) 75.6gと、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB) 54.5gとを投入した。これを400rpmで攪拌しながらN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc) 530gを加え、フラスコの内容物が均一な溶液になるまで攪拌を続けた。続いて、オイルバスを用いて容器内温度が20〜30℃の範囲になるように調整しながらさらに20時間攪拌を続け、反応させてポリアミック酸を生成させた。30分後、撹拌速度を100rpmに変更した。20時間攪拌後、反応系温度を室温に戻し、DMAc 650gを加えてポリマー濃度が10質量%となるように調整した。さらに、ピリジン 32.3g、無水酢酸 41.7gを加え、室温で10.5時間攪拌してイミド化を行った。反応容器からポリイミドワニスを取り出した。得られたポリイミドワニスをメタノール中に滴下して再沈殿を行い、得られた粉体を加熱乾燥して溶媒を除去し、固形分としてポリイミド系樹脂(1)を得た。得られたポリイミド系樹脂(1)について、GPC測定を行ったところ、重量平均分子量は365,000であった。また、ポリイミド系樹脂(1)のイミド化率は99.0%であった。同様にして、ポリイミド系樹脂(1)を大量に得た。
<製造例2:ポリイミド系樹脂(2)の製造)
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB) 45g(140.52mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc) 768.55gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA) 18.92g(42.58mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC) 4.19g(14.19mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC) 17.29g(85.16mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン 4.63g(49.68mmol)と無水酢酸 13.04g(127.75mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3.5時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリイミド系樹脂(2)を得た。ポリイミド系樹脂(2)の重量平均分子量は、455,000であった。また、ポリイミド系樹脂(2)のイミド化率は98.9%であった。同様にして、ポリイミド系樹脂(2)を大量に得た。
<製造例3:分散液1の製造>
メタノール分散有機化処理シリカ(BET法で測定した粒径:27nm)をγ−ブチロラクトン(GBL)に置換し、GBL分散有機化処理シリカ(固形分30.3質量%)を得た。この分散液を分散液1とする。
<製造例4:ワニス(1)の製造>
ワニス1は、表1に示す組成にて、溶媒に樹脂を溶解し、仕込み量から算出される固形分が15.5%であり、25℃における粘度が36,500cpsであるワニス(1)を得た。
<製造例5:ワニス(2)の製造>
ワニス2は、室温にてGBL溶媒に樹脂と分散液中のシリカの質量比が60:40となるように混合し、そこにSumisorb 340(UVA)、Sumiplast Violet B(BA)を樹脂とシリカとの固形分合計質量に対して5.7phr又は35ppmとなるように添加し、均一になるまで攪拌した。固形分10.3質量%、25℃における粘度が38,500cpsであるワニス(2)を得た。
Figure 2020196249
<製造例6:原料フィルム(1)の製膜>
ワニス(1)を、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム(東洋紡(株)製「コスモシャイン(登録商標) A4100」、膜厚188μm、膜厚分布±2μm)上において流涎成形により塗膜を成形した。この時、線速は0.4m/分であり、70℃で8分加熱した後、100℃で10分加熱し、次いで90℃で8分加熱し、最後に80℃で8分加熱するという条件で塗膜を乾燥した。その後、PETフィルムから塗膜を剥離し、厚さ86μm、幅700mmの原料フィルム(1)を得た。原料フィルム(1)の質量減少率Mは9.6%であった。
<製造例7:原料フィルム(2)の製膜>
ワニス(2)を、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム(東洋紡(株)製「コスモシャイン(登録商標) A4100」、膜厚188μm、膜厚分布±2μm)上において流涎成形により塗膜を成形した。この時、線速は0.3m/分であった。また、80℃で10分加熱した後、100℃で10分加熱し、次いで90℃で10分加熱し、最後に80℃で10分加熱するという条件で塗膜を乾燥した。その後、PETフィルムから塗膜を剥離し、厚さ58μm、幅1,190mmの原料フィルム(2)を得た。原料フィルム(2)の質量減少率Mは9.2%だった。
<製造例8:原料フィルム(3)の製膜>
製造例4と同様の方法で、厚さ58μm、幅690mmの原料フィルム(3)を得た。原料フィルム(3)の質量減少率Mは9.3%だった。
<製造例9:原料フィルム(4)の製膜>
線速を0.6m/分に変更した以外、製造例5と同様の方法で、厚さ34μm、幅690mmの原料フィルム(4)を得た。原料フィルム(4)の質量減少率Mは、9.6%だった。
<製造例10:原料フィルム(5)の製膜>
ワニス(1)を、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム(東洋紡(株)製「コスモシャイン A4100」、膜厚188μm、膜厚分布±2μm)上において流涎成形により塗膜を成形した。この時、線速は0.4m/分であった。また、80℃で10分加熱した後、100℃で10分加熱し、次いで90℃で10分加熱し、最後に80℃で10分加熱するという条件で塗膜を乾燥した。その後、PETフィルムから塗膜を剥離し、厚さ90μm、幅865mmの原料フィルム(5)を得た。原料フィルム(5)の質量減少率Mは9.4%だった。
<実施例1>
製造例6の原料フィルム(1)を、把持具としてクリップを用いたテンター式乾燥機(1〜6室構成)を用い、溶媒を除去し、厚さ50μmのポリイミドフィルム1を得た。乾燥機内の温度を200℃に設定し、クリップ把持幅25mm、フィルムの搬送速度0.9m/分、乾燥機入口のフィルム幅(クリップ間距離)と乾燥機出口のフィルム幅との比が0.98となるようにし、各室の風速を13.5m/秒(第1室)、13m/秒(第2室)、11m/秒(第3〜6室)となるように調整し、さらにレールに潤滑油としてNOKクリューバ(株)製、バリエルタJ400Vを用い、加工を行った。乾燥機からフィルムが出てから1mの位置でクリップを離すまでの位置で、フィルムの収縮に合せて52mmの弛緩を行った。これは弛緩割合として4.6%に相当する。フィルムがクリップから離された後、クリップ部をスリットし、そのフィルムにPET系保護フィルムを貼合、ABS製6インチコアに巻きとり、ロールフィルムを得た。テンター式乾燥機処理後のフィルムの光学特性および残溶媒量を表3に示す。
<実施例2>
弛緩割合として3.0%に相当するように、弛緩量を34mmに変更した以外は、実施例1と同様に条件で加工し、厚さ50μmのポリイミドフィルム2を得た。
<比較例1>
弛緩割合として7.2%に相当するように、弛緩量を80mmに変更した以外は、実施例1と同様に条件で加工し、厚さ50μmのポリイミドフィルム3を得た。
<比較例2>
弛緩割合として1.5%に相当するように、弛緩量を17mmに変更した以外は、実施例1と同様に条件で加工し、厚さ50μmのポリイミドフィルム4を得た。
<実施例3>
製造例7で得た原料フィルム(2)を用い、弛緩割合として6.4%に相当するように、弛緩量を40mmとした以外、実施例1と同様に条件で加工し、厚さ50μmのポリイミドフィルム5を得た。
<実施例4>
弛緩割合として3.2%に相当するように、弛緩量を20mmに変更した以外、実施例3と同様に条件で加工し、厚さ50μmのポリイミドフィルム6を得た。
<比較例3>
弛緩割合として12.8%に相当するように、弛緩量を80mmに変更した以外、実施例3と同様に条件で加工し、厚さ50μmのポリイミドフィルム7を得た。
<比較例4>
弛緩をしなかった以外は、実施例3と同様に条件で加工し、厚さ50μmのポリイミドフィルム8を得た。
<実施例5>
製造例9で得た原料フィルム(4)を用いた以外、実施例3と同様の条件で加工し、厚さ30μmのポリイミドフィルム9を得た。
<実施例6>
弛緩割合として1.8%に相当するように、弛緩量を15mm、乾燥機入口のフィルム幅(クリップ間距離)と乾燥機出口のフィルム幅との比を1.00、搬送速度0.6m/分に変更した以外は、実施例1と同様の条件で加工し、厚さ80μmのポリイミドフィルム10を得た。
Figure 2020196249
Figure 2020196249
(a);側面図、(b);上面図、(1);1室、(2);2室、(3);3室、(4);4室、(5);5室、(6);6室、W;乾燥機から出た直後のフィルムの幅、(X);把持を開放する部分、Fa;フィルム搬送方向に対して一方端の弛緩幅、Fb;他方端の弛緩幅、W−(Fa+Fb);弛緩後のフィルム幅

Claims (3)

  1. ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含んでなる長尺帯状の透明樹脂フィルムの両端部をそれぞれ把持する工程、
    把持されたフィルムを搬送する工程、
    把持されたフィルムの幅を所定の距離(ただし、把持部を距離に含めない)とし、前記樹脂フィルムを乾燥機内で熱処理を行う工程、
    乾燥機から出た樹脂フィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)を乾燥機から出る直前の樹脂フィルムの幅(ただし、把持部を幅に含めない)に対して0.90〜1.20とする工程、
    及び把持を解除する工程、を有し、
    把持を解除する工程において、乾燥機から出たフィルムの幅(但し、把持部を幅に含めない)(W)に対するクリップの弛緩量(F)の比が1.6≦F/W×100≦7.0を満たす、
    透明樹脂フィルムの製造方法。
  2. 把持を複数のクリップによって行う請求項1記載の製造方法。
  3. 熱処理後の樹脂フィルムに含まれる有機溶媒の含有量が、樹脂フィルムの質量に対して、0.001〜3質量%である、請求項1又は2記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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