JP2020195784A - 監視装置、監視方法、プログラム、身体当接部材 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明の第1の実施形態による運転手監視装置、運転手監視方法、プログラムを、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態による運転手監視装置とシートベルトを示す図である。
図1で示すように運転手監視装置2はシートベルト1に内蔵されているフレキシブル基板に構成された電気回路と通信ケーブル3を介して接続されている。
シートベルト1は一例として周期配列される複数の電極と、当該複数の電極と並列して周期配列される複数の曲率センサとを少なくとも含んだ電気回路を有している。
また運転手監視装置2は、シートベルト1に内蔵された曲率センサを介して取得される曲率データに基づいて、シートベルト1の形状を推定する。運転手監視装置2はそのシートベルト1の形状に基づいて運転手の状態を判定する。
運転手の状態とは、運転手の意識、断層画像、心拍数、換気状態、体動などであってよい。運転手監視装置2はこれらの運転手の状態の何れか一つまたは複数を用いて運転手の状態の正常または異常を判定する。
図2は、第1の実施形態に係るシートベルトの内部構成を示す第1の図である。
図2に示すように、シートベルト1は、帯状のフレキシブル基板14上において複数の電極パッド12A〜12Hが等間隔の距離Pで並べて配置(周期配列)される構成となっている。また、同じくフレキシブル基板14上において、当該電極パッド12A〜12Hと並列して複数の曲率センサ150A〜150Hが等間隔の距離Pで周期配列されている。複数の電極パッド12A〜12Hを総称して電極パッド12と呼ぶ。また複数の曲率センサ150A〜150Hを総称して曲率センサ150と呼ぶ。これら電極パッド12と曲率センサ150は図2においてはそれぞれ8個が示されているが、さらに多くの数の電極パッド12や曲率センサ150が備えられてよい。
シートベルト1は、曲率センサ150A〜150Hそれぞれの歪ゲージを有していてよい。曲率センサ150は2つの歪ゲージを有し、測定箇所毎の一対の歪ゲージを一つのブリッジ回路に接続する2アクティブゲージ法を用いることで、曲率センサ150A〜150Hの温度補正自動化と高感度化、高精度化を実現することができる。
或いは、シートベルト1は、曲率センサ150A〜150Hそれぞれの裏面の同じ位置に、温度センサを有していてもよい。そして運転手監視装置2は、曲率センサ150A〜150Hによって取得される曲率データを、当該温度センサによって取得される温度データに基づいて、曲率データの温度補正を行ってもよい。このようにすることで、曲率センサ150A〜150Hの高感度化、高精度化を実現することができる。
第1の実施形態に係る運転手監視装置2はコンピュータで構成される。運転手監視装置2カーナビゲーションシステム内に組み込まれてもよい。
また、操作入力部212は、例えば操作ボタン、タッチパネル等から構成され、運転手等のオペレータによる各種操作の入力を受け付ける。画像表示部213は、液晶ディスプレイ等であって、EIT測定時において必要な情報や、取得された断層画像等を表示する。
外部インターフェイス214は、外部装置との通信を行うための通信インターフェイスであり、特に本実施形態においては、専用の通信ケーブル3を介してシートベルト1と接続され、シートベルト1から種々の信号を取得する機能部である。
CPU200、RAM210、HDD211、操作入力部212、画像表示部213、外部インターフェイス214は、システムバス215を介して相互に電気的に接続されている。
状態判定部201は、複数の電極パッド12A〜12Hへの通電、及び、当該電極パッド12A〜12H間に生じる電圧信号の取得をしながら、測定対象部Xの断層画像を取得する。
また、形状推定部202は、曲率センサ150A〜150Hを介して取得される曲率データに基づいて、シートベルト1の形状を推定する。
以下、図4、図5を参照しながら、状態判定部201の機能について説明する。図4に示すように、電極パッド12A〜12Hの間には電流源Iと電圧計Vがそれぞれ接続される。状態判定部201は、この電流源Iと電圧計Vを制御する機能を有している。
図4には電流源Iと電圧計Vをそれぞれ異なる電極パッド12の間に設けられた状況を示しているが、各電極パッド12間に電流源Iと電圧計Vは設けられてよい。各電極パッド12間の電流値や電圧値の測定には4電極法を用いてもよいし、2電極法を用いてもよい。また電極パッド12にはどのような構造の電極パッド12を適用してもよい。
図5は、状態判定部201によって取得された測定対象者の胸部における断層画像であり、電気インピーダンスが高い領域ほど濃い色合いで示している。図5によれば、空気の存在によって電気インピーダンスが高く測定される肺野が、左右に存在している様子を知ることができる。
状態判定部201が断層画像を生成する手法としては、上述した逆投影法の他に有限要素法(Finite Element Method:FEM)を用いる手法、または、有限要素法と逆投影法を組み合わせる手法が考えられる。逆投影法を用いた場合、状態判定部201は、ある状態を基準とした相対的な変化のみしか画像化することができないが、有限要素法を用いることで、断層面における絶対的な電気抵抗率[Ωm]に基づいた断層画像を形成することができる。
曲率センサ150は、曲率センサ150が配置された位置におけるシートベルト1の曲率を測定する。図6に示すように、曲率センサ150は、抵抗152−1,152−2と、歪ゲージ153−1,153−2とを組み合わせたブリッジ(ホイートストンブリッジ)151と、アンプ156とを含んで構成される。ブリッジ151は、曲率の測定時に電源部111から直流電圧の印加を受ける。電源部111からの電流は、ブリッジ151を通ってグラウンド(ゼロ電位点)へ流れる。
以下、抵抗152−1と152−2とを総称して抵抗152と表記する。また、歪ゲージ153−1と153−2とを総称して歪ゲージ153と表記する。
図6で示す各回路の機能はフレキシブル基板14にプリント印刷されていてよい。
同図は、シートベルト1を横からみた断面の例を示しており、矢印B11はシートベルト1の長手方向を示している。
歪ゲージ153はいずれも、歪(ひずみ)を検出する方向がシートベルト1の長手方向に一致する向きに配置されている。また、図7に示すように、歪ゲージ153−1と152−2とはフレキシブル基板14を挟んで配置されている。例えば、歪ゲージ153−1がフレキシブル基板14から見てシートベルト1の表面帯41側に配置され、歪ゲージ153−2がフレキシブル基板14から見てシートベルト1の裏面帯42側に配置されている。
アンプ156は、点P11と点P12との間の電圧を、歪ゲージ153の設置位置におけるシートベルト1の曲率に変換する。具体的には、点P11と点P12との間の電圧とシートベルト1の曲率との関係を示す較正曲線が予め得られており、アンプ156は、点P11と点P12との間の電圧をこの較正曲線に従って増幅するよう設定されている。
一方、図6のようにブリッジ151が1つの歪ゲージ153を備えることで、ブリッジ151が歪ゲージ153を1つだけ備える場合よりも点P11と点P12との間の電圧差が大きくなり、曲率センサ150の精度が向上する。また、ブリッジ151が1つの歪ゲージ153を備えることで、ブリッジ151が歪ゲージ153を1つだけ備える場合よりも温度変化の影響を受けにくい。
図8は歪ゲージに接続する信号線と歪ゲージ内の信号線との太さの比較を示す図である。
同図では、歪ゲージ153内の配線W11と、歪ゲージ153に接続されている配線W12とが示されている。
歪ゲージ153のインピーダンスが変化し易くするために、配線W11の幅を狭くする(配線W11を細くする)。これにより、歪ゲージ153が曲げられて配線W11の幅が変化したときに、元の幅からの変化の割合が大きくなる。
このように、歪ゲージ153内の配線を細くし、歪ゲージ153に接続する配線を太くすることで、曲率センサ150の精度を向上させることができる。
シリアル通信回路114は、A/D変換器157が出力するデジタル信号をシリアル通信にて運転手監視装置2に送信する。これにより、シリアル通信回路114は、A/D変換器157が出力するデジタル信号を運転手監視装置2に送信する。シリアル通信回路114は、例えば曲率センサ150毎に設けられており、第一シリアル通信部110は、これらのシリアル通信回路114を含んで構成される。
シリアル通信回路114がシリアル通信を行うことで、曲率センサ150によるセンサ値を、3〜5本程度の少ない本数の配線で通信することができる。多数の配線が不要なことで、シートベルトを構成する帯が幅広または厚くなるなどシートベルト1の大型化を避けることができる。
ここで、信号変換モジュール181を1つのICチップに構成する、あるいは、信号変換モジュール181を1つの基板にて構成するなど、信号変換モジュール181を1つに纏めた構成にする。これにより、曲率センサ150毎(曲率センサ150のブリッジ151)毎に信号変換モジュール181を設計する必要がない。この点で、シートベルト1を設計する際、信号変換モジュール181を比較的容易に配置することができる。
図9はブリッジと信号変換モジュールとを多対一に接続した接続例を示す図である。
同図の例では、4つのブリッジ151は、マルチプレクサ182を介して信号変換モジュールに接続されている。
形状推定部202は、測定回路11とシリアル通信にて通信を行う。特に、形状推定部202は、曲率の測定値など測定回路11が送信する各種データを受信する。
形状推定部202は、接触範囲Xの検出及びシートベルト形状の推定を開始するか否かを決定する。具体的には、形状推定部202は、測定対象に対するシートベルトの接触範囲Xの検出及びシートベルト形状の推定の処理の開始条件が成立しているか否かを判定する。運転手監視装置2は、例えばシートベルト1を係合するバックルに設けられたスイッチがONになっている場合には開始条件が成立していると判定し、状態判定部201や形状推定部202に通知する。バックルに設けられたスイッチは、シートベルトが利用される際にシートベルトに設けられた金具プレートとバックルとが係合された際にONとなるような構造となっていてよい。開始条件が成立したと判定することで、状態判定部201や形状推定部202は処理を開始する。
図10〜図12を参照して形状推定部202が行う形状推定処理について説明する。
同図は、フレキシブル基板14及びフレキシブル基板14に設けられた複数の曲率センサ150が曲がった状態を示す。フレキシブル基板14の部分形状は、シートベルト1の部分形状(帯部の部分形状)と見做すことができる。ここでは、曲率センサ150を曲率センサ150−1、曲率センサ150−2、曲率センサ150−3、・・・と表記して区別する。
また、曲率センサ150−1の曲率がC1、曲率センサ150−2の曲率がC2、曲率センサ150−3の曲率がC3であるとする。
図11は原点Oを基準とする座標系において、曲率センサ150−1と、曲率センサ150−1を中心とする距離dの範囲の一方の端(点P0)、他方の端(点P1)を示している。距離dの値は既知の値であり、形状推定部202は、曲率センサ150aが測定する曲率C1を取得する。形状推定部202は式(1)に基づいて曲率C1より曲率半径R1を算出する。
曲率半径R1と、曲率C1とに基づいて、形状推定部202は、曲率センサ150−1を中心とする距離dの範囲を近似する円弧の中心角(この円弧を有する扇形状の中心角)θ1を式(2)により算出する。
なお扇形状の中心点O1の座標は、座標系の原点Oと点P0と、曲率半径R1の値とから算出することができる。また曲率センサ150−i(iはi≧0の整数)に隣接する曲率センサ150−(i+1)を中心とする距離dの範囲を近似する円弧の中心点(この円弧を有する扇形状の中心点)Oi+1の座標は、式(4)により算出することができる。
曲率センサ150−iを中心とする距離dの範囲を近似する円弧の一端の点をPi−1とした場合、この円弧の他端の点Piは式(5)により算出することができる。
図12は図11で示す処理を繰り返した場合の例を示している。上述したように、形状推定部202は、曲率センサ150−iが測定した曲率Ci及び距離d(円弧の長さ)に基づいて、点Pi−1の座標から点Piの座標を算出することができる。なお部分形状推定の最初の処理において点P0は座標系において任意に設定した座標であってよい。
形状推定部202は、点P1、P2、P3、・・・の座標を順に算出する。これにより、形状推定部202はシートベルト1のうち曲率センサ150が配置された部分(曲率センサ150と曲率センサ150との間の部分も含む)の形状を連続する円弧で近似して推定することができる。
図2で示す電極パッド12はEITによる断層画像を生成するためにのみ用いられる電極パッド12であってよい。この場合、シートベルト1の基板には、接触範囲Xを検出するための専用の複数の電極パッドがさらに短い間隔を隔てて周期配列されていてもよい。
図13において、図面が煩雑となるのを避けるため、電極パッド12A〜12H及び歪みゲージ13A〜13Hの表記を省略しているが、実際には、第1の実施形態と同様に、フレキシブル基板14上にそれらは周期配列された構成となっている。
図13に示すように、本実施形態に係るシートベルト1は、その長手方向に沿って(電極パッド12A〜12H等と並列して)、間隔Pよりも短い間隔の間隔αで周期配列されながら接触範囲の測用電極パッド301、302、・・・、30fが備えられていてよい。
図14(a)は、シートベルト1が、測定対象に接触している様子を示している。
図14(a)に示すように、シートベルト1が、位置A1から位置A2にかけて、測定対象である人に接触している場合について説明する。シートベルト1は、位置A1から位置A2にかけての接触範囲Xにおいて人体Mに近接しており、それ以外の領域においては、人体Mと離間している。
図14(b)は、図14(a)に示す状態におけるシートベルト1の位置A1付近を詳細に示している。例えば、位置A1付近において、電極パッド301、302、303、304、305、306が図14(b)に示すように配されていたとする。この場合、形状推定部202は、例えば、電極パッド301−302間、電極パッド303−302間、電極パッド303−304間、・・・と、電極パッド対を順に変更しながら、各々の電極パッド対間の電気インピーダンスを取得していく。形状推定部202が取得する電気インピーダンスは、各電極パッド対間に生じる電界E0、E1、・・・、E4(図14(b))に依存した値となる。
すなわち、電極パッド301、302、・・・は、位置A1に向かうにつれて徐々に人体Mに近づくため、電界E0、E1、E2、E3、E4は、その経路において、徐々に人体M内を通過する領域が増えるため、各電界E0〜E4に対応する電気インピーダンスは、徐々に低下していく。
状態判定部201は断層画像を短時間間隔で接触範囲Xの位置に対応する人体の断層画像を生成する。状態判定部201は、断層画像における肺や胸の形状の動きを画像処理によって検出し、その大きさの縮小と拡大の周期を特定し、その周期に基づいて単位時間当たりの心拍数を算出してもよい。また状態判定部201は肺や胸の形状の動きを画像処理によって検出し、その肺や胸の形状の縮小と拡大時の形状の変化を特定し、その変化に基づいて単位時間当たりの換気量を算出してもよい。
状態判定部201は換気量の取得と心拍数の取得の処理を切り替えるように制御する。または状態判定部201は、接触範囲Xに対する心臓範囲と肺範囲を特定できている場合には、肺範囲に位置する電極パッド12の信号から換気量を取得し、心臓範囲に位置する電極パッド12の信号から心拍数を取得するようにしてもよい。
また状態判定部201は断層画像の画像処理によって得られた肺領域の変化に基づいて、呼吸間隔や換気量を検出してもよい。状態判定部201は、呼吸間隔や換気量が運転中の初期期間に検出した呼吸間隔や換気量よりも増加または減少したかどうか、または増加と減少の繰り返しのパターンに基づいて運転手の眠気やその他の体調の状態を判定してもよい。
また状態判定部201は断層画像の画像処理によって得られた単位時間当たりの心拍数を検出する。状態判定部201は、その心拍数が運転中の初期期間に検出した心拍数よりも増加または減少したかどうか、または増加と減少の繰り返しのパターンに基づいて、運転手の眠気やその他の体調の状態を判定してもよい。
また状態判定部201は、呼吸間隔と心拍数の増加や減少のパターンを組み合わせて、運転手の眠気やその他の体調の状態を判定してもよい。
なお、状態判定部201は、心拍数、換気量、体動、呼吸間隔を用いて運転手の状態を判定するにあたり、公知の技術を利用してよい。
運転手監視装置2の形状推定部202は、曲率センサ150から曲率データを取得する(ステップS101)。形状推定部202は曲率データからシートベルトの形状を判定する(ステップS102)。形状推定部202はシートベルトの形状を示す情報を状態判定部201へ出力する。シートベルト1の形状を示す情報は、形状の3Dモデリングデータでもよいし、各曲率センサ150から得られた曲率値そのものであってもよい。状態判定部201はシートベルト1の形状を示す情報から体動、呼吸間隔、換気量などの状態情報を算出する(ステップS103)。状態判定部201は状態情報のうちの1つまたは複数を用いて運転手の状態が悪いかを判定する(ステップS104)。状態判定部201は運転手の状態が悪いと判定した場合には警告情報を出力する(ステップS105)。警告情報は警告センサであるアラームを鳴動させる信号であって。状態判定部201は座席、ハンドルに備わる警告センサである振動装置を振動させて警告を発するようにしてもよい。
運転手監視装置2が図15で示す処理を行う場合には、シートベルト1には電極パッド12が備えられていなくとも、複数の曲率センサ150が備えられていればよい。
運転手監視装置2の形状推定部202は、電極パッド12から電気信号を取得する(ステップS201)。状態判定部201は上述したEITの技術を用いて断層画像を生成する(ステップS202)。状態判定部201は断層画像を用いて、呼吸間隔、換気量、心拍などの状態情報を時間経過に伴った画像の変化に基づいて算出する(ステップS203)。状態判定部201は状態情報のうちの1つまたは複数を用いて運転手の状態が悪いかを判定する(ステップS204)。状態判定部201は運転手の状態が悪いと判定した場合には警告情報を出力する(ステップS205)。警告情報はアラーム音であってよい。状態判定部201は座席、ハンドルに備わる振動装置を振動させて警告を発するようにしてもよい。また警告情報は自動ブレーキなどの制御装置に対する制御信号などであってもよい。このように警報情報を車両を制御する装置へ出力することで、自動操舵(自動運転)技術などと組み合わせてさらにアクティブな危険回避制御を行うようにしてもよい。
運転手監視装置2が図16で示す処理を行う場合には、シートベルト1には曲率センサ150が備えられていなくとも、複数の電極パッド12が備えられていればよい。
運転手監視装置2の形状推定部202は、曲率センサ150から曲率データを取得する(ステップS301)。形状推定部202は曲率データからシートベルト1の形状を判定する(ステップS302)。形状推定部202はシートベルト1の形状を示す情報を状態判定部201へ出力する。シートベルト1の形状を示す情報は、形状の3Dモデリングデータでもよいし、各曲率センサ150から得られた曲率値そのものであってもよい。状態判定部201はシートベルト1の形状を示す情報から体動、呼吸間隔、換気量などのシートベルト1の形状による状態情報を算出する(ステップS303)。
運転手監視装置2の形状推定部202は、曲率センサ150から曲率データを取得する(ステップS401)。形状推定部202は曲率データからシートベルト1の形状を判定する(ステップS402)。形状推定部202はシートベルトの形状を示す情報を状態判定部201へ出力する。シートベルト1の形状を示す情報は、形状の3Dモデリングデータでもよいし、各曲率センサ150から得られた曲率値そのものであってもよい。形状推定部202はシートベルトの形状に基づいて接触範囲Xを特定し(ステップS403)、その範囲の情報を状態判定部201へ出力する。状態判定部201は接触範囲Xに基づいてその範囲に位置する電極パッド12と曲率センサ150とを動作させると決定し通電すると決定する(ステップS404)。その後、状態判定部201や形状推定部202はそれら通電すると決定した電極パッド12や曲率センサ150から信号を受信する。
なお、図15〜図17で示した処理フローでは接触範囲Xを特定する処理を含んでいないが、当該接触範囲Xを特定する処理を含んでいてよい。さらに図15〜図18で示した処理フローにおいて、上述の段落0083〜段落0087に記載された各処理を含んでいてもよい。
上述の運転手監視装置の処理によれば、運転手の体の状態を検出して運転手に警告を発したり、運転操作を補助する制御に利用したりすることができる。運転操作を補助する制御とは例えば自動減速などのブレーキ制御であってもよい。
また上述の運転手監視装置によれば、運転手の運転時の健康状態の異常を特殊な装置なく容易に判定することができる。
運転手監視装置2は、プログラムを実行することにより、さらに記録部203、表示処理部204、補正部205の機能を有していてもよい。
記録部203は、断層画像、心拍数、換気状態、その他の運転手の状態の何れか一つまた複数をHDD211へ記録する。記録部の処理により、運転手の過去の運転時における体や意識の状態を把握することができる。
表示処理部204は、断層画像、心拍数、換気状態、その他の運転手の状態の何れか一つまた複数の情報を画像表示部123などのモニタに表示する。
補正部205は、シートベルト1が利用されていない所定状態にある場合に、当該シートベルト1の形状に基づいて曲率センサの出力する値を補正する。例えば、シートベルト1が利用されていない状況を何等かの検出機能によって検出する。シートベルト1が利用されていない場合には、例えばシートベルト1における曲率センサ150の出力は所定の値である。そしてシートベルト1が利用されていない際に曲率センサ150の値が所定の値でない場合には、所定の値と現在取得できている値との差を補正値として利用する。
シートベルト1の内部構造が回路パターンの印刷されたフレキシブル基板14で構成されているため、上述のようにシートベルトを人体に巻き付けて被測定者の状態をモニタすることができるようになる。
上述のシートベルト1や運転手監視装置2は車、航空機などの様々な被測定者が搭乗する移動体に搭載されていてよい。
図20は第2の実施形態による監視装置と抑制ベルトを示す図である。
上述の説明ではシートベルト1用いて、運転手の状態を検出する運転手監視装置2について説明している。しかし第1の実施形態で説明したシートベルト1の機能と同じ機能を有した抑制ベルト7と、第1の実施形態で説明した運転手監視装置2の機能と同じ機能を有した監視装置6とを用いて、監視装置6が被測定者の状態を監視してもよい。例えば、抑制ベルト7はベッド5に取り付けられている。図20はベッド5の上面図と監視装置6との接続関係を示している。ベッド5に横臥した患者を抑制ベルト7で固定し、監視装置6は、横臥している間の患者の体動、呼吸間隔、換気量、心拍、断層画像などを取得してもよい。
監視装置6の動作は図15〜図18で示した処理フローによる動作と同様である。
上述の監視装置によれば被測定者の状態をベルトにより簡易に測定することができる。
この場合、ベッド5のシーツやマットが複数の電極パッド12と複数の曲率センサ150とを備えている。そして監視装置はシーツやマットに設けられた電極パッド12及び曲率センサ150と電気的に接続される。そして監視装置は、曲率センサ150を介して取得される曲率データに基づいて、シーツやマットの変形を推定する。例えばシーツやマットの形状の変化は被測定者が体を動かした際のシーツやマットにかかる力の変化によるシーツやマットの面の形状の変化であってよい。またはシーツやマットの形状の変化は被測定者の呼吸や鼓動に基づく微小なシーツやマットの面の形状の変化であってよい。そして監視装置はシーツやマットの変形した形状に基づいて被測定者の状態を判定する。また監視装置はシーツやマットに設けられた電極パッド12から得られた電気信号に基づいて被測定者の断層画像、心拍数、換気状態の何れか一つまたは複数の状態情報を算出し、当該状態情報を用いて被測定者の状態の正常または異常を判定する。
第3の実施形態においては、図4で示したシート4に電極パッド12や曲率センサ150などが周期配列されており、それら電極パッド12や曲率センサ150などの信号から被測定者の状態を上記と同様の手法により監視するようにしてもよい。
この場合、シート4が複数の電極パッド12と複数の曲率センサ150とを備えている。そして監視装置はシート4に設けられた電極パッド12及び曲率センサ150と電気的に接続される。そして監視装置は、曲率センサ150を介して取得される曲率データに基づいて、シート4の変形を推定する。例えばシート4の形状の変化は運転手が体を背もたれに寄りかかる力の変化による背もたれの面の形状の変化であってよい。またはシート4の形状の変化は運転手が体を背もたれに密着させたり離したりした行動による当該背もたれの面の形状の変化であってよい。またはシート4の形状の変化は運転手の呼吸や鼓動に基づく微小な背もたれの面の形状の変化であってよい。そして監視装置はシート4の変形した形状に基づいて被測定者の状態を判定する。また監視装置はシート4に設けられた電極パッド12から得られた電気信号に基づいて被測定者の断層画像、心拍数、換気状態の何れか一つまたは複数の状態情報を算出し、当該状態情報を用いて被測定者の状態の正常または異常を判定する。
2…運転手監視装置
3…通信ケーブル
4…シート
5…ベッド
6…監視装置
7…抑制ベルト
11…測定回路
12…電極パッド
114…シリアル通信回路
150…曲率センサ
156…アンプ
157…A/D変換機
181…信号変換モジュール
Claims (8)
- 複数の電極が設けられた身体当接部材と接続され、
前記電極から得られた電気信号に基づいて被測定者の心拍数、換気状態の何れか一つまたは複数の状態情報を算出し、当該状態情報を用いて前記被測定者の状態の正常または異常を判定する状態判定部と、
を備えることを特徴とする監視装置。 - 複数の曲率センサが設けられた身体当接部材と接続され、
ブリッジ回路を構成する歪みゲージのインピーダンスの差により生じた電位差を前記歪みゲージの設置位置における前記身体当接部材の曲率に変換して出力する前記曲率センサから得られた信号に基づいて被測定者の体動、心拍数、換気状態の何れか一つまたは複数の状態情報を算出し、当該状態情報を用いて前記被測定者の状態を判定する状態判定部と、
を備えることを特徴とする監視装置。 - 複数の電極が設けられた身体当接部材と接続された監視装置が、
前記電極から得られた電気信号に基づいて被測定者の心拍数、換気状態の何れか一つまたは複数の状態情報を算出し、当該状態情報を用いて前記被測定者の状態の正常または異常を判定する監視方法。 - 複数の曲率センサが設けられた身体当接部材と接続された監視装置が、
ブリッジ回路を構成する歪みゲージのインピーダンスの差により生じた電位差を前記歪みゲージの設置位置における前記身体当接部材の曲率に変換して出力する前記曲率センサから得られた信号に基づいて被測定者の体動、心拍数、換気状態の何れか一つまたは複数の状態情報を算出し、当該状態情報を用いて前記被測定者の状態を判定する監視方法。 - 複数の電極が設けられた身体当接部材と接続された監視装置のコンピュータを、
前記電極から得られた電気信号に基づいて被測定者の心拍数、換気状態の何れか一つまたは複数の状態情報を算出し、当該状態情報を用いて前記被測定者の状態の正常または異常を判定する状態判定手段
として機能させることを特徴とするプログラム。 - 複数の曲率センサが設けられた身体当接部材と接続された監視装置のコンピュータを、
ブリッジ回路を構成する歪みゲージのインピーダンスの差により生じた電位差を前記歪みゲージの設置位置における前記身体当接部材の曲率に変換して出力する前記曲率センサから得られた信号に基づいて被測定者の体動、心拍数、換気状態の何れか一つまたは複数の状態情報を算出し、当該状態情報を用いて前記被測定者の状態を判定する状態判定手段
として機能させることを特徴とするプログラム。 - 周期配列される複数の電極と、
当該複数の電極と並列して周期配列される複数の曲率センサと、
を備えることを特徴とするシートベルト。 - シートベルトの利用を検出して運転手監視装置へ利用検出信号を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のシートベルト。
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