JP2020194998A - 制御装置、投影システム、制御方法、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

制御装置、投影システム、制御方法、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】位置合わせにかかる時間を短縮し、スクリーンの揺れが発生する環境であっても、複数台のプロジェクタの投影画像の位置合わせを行う。【解決手段】本発明の制御装置は、複数の投影装置それぞれに対してパターン画像を投影させるように制御する制御手段と、前記複数の投影装置が前記パターン画像を同時に投影している状態で、投影面における前記複数の投影装置の投影領域を含む範囲を撮像した第1の撮像画像データを取得する取得手段と、前記第1の撮像画像データに基づいて、前記複数の投影装置それぞれの投影領域の少なくともいずれかを変形するための第1のパラメータを生成する生成手段と、を有し、各パターン画像は、パターンを表示するパターン表示領域を含む画像であって、前記制御手段は、前記複数の投影装置が投影する前記パターン表示領域が前記投影面上で重なり合わないように各パターン画像の前記パターン表示領域を決定する。【選択図】図7

Description

本発明は、制御装置、投影システム、制御方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
近年、複数のプロジェクタを用いて様々な場所にコンテンツを投影することが一般的になっている。例えば、複数台のプロジェクタの投影画像を重ね合わせることによって高輝度、高コントラストを実現するスタック投影や、複数台のプロジェクタの投影画像を一部の領域を重畳させて並べることによって大画面を形成するタイル投影などが行われている。ここで、スタック投影やタイル投影では、各プロジェクタの投影位置を正確に合わせることが必要である。
個々のプロジェクタの投影位置を調整する機能としては、例えば、キーストーン補正機能やレンズシフト機能が用いられている。キーストーン補正機能は、プロジェクタとスクリーンの相対角に起因する台形歪みを画像処理で幾何学的に補正する機能である。レンズシフト機能は、本体位置や角度を変えずに投影可能領域をシフトする機能である。
複数のプロジェクタの投影領域を所望の領域に位置合わせする技術としては、カメラを用いて位置合わせ行うシステムが知られている。特許文献1では、各プロジェクタの投影領域全体をプロジェクタごとに撮像し、撮像画像を解析することで台形歪みを補正するための射影変換パラメータを算出する手法について開示している。このとき、スタック投影の場合は複数の投影領域の大部分の領域が重なり合い、タイル投影の場合は複数の投影領域の一部の領域が重なり合う。そのため、システムを構成する複数のプロジェクタについて、1台ずつ投影領域を撮像している。
特開2005−102277号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、複数のプロジェクタについて1台ずつ画像を投影して当該投影された画像を撮像するため、プロジェクタの台数が増えると位置合わせにかかる時間が増大する。また、投影対象がスクリーン等の柔らかいものである場合、スクリーンの揺れが発生する場合がある。スクリーンの揺れは、例えば、屋外で使用する場合は風によって発生したり、屋内使用する場合は空調の風や人物の移動によって発生する。このとき、プロジェクタに対して1台ずつ投影および撮像して位置合わせを行うと、各プロジェクタの投影画像を撮像した瞬間のスクリーンの状態が上記揺れによってそれぞれ異なる場合、それぞれの補正後の投影画像の位置がずれてしまう虞がある。そのため、スタック投影やタイル投影で複数台のプロジェクタの投影画像を重ね合わせても、ずれが発生してしまう。
本発明は、上記課題に鑑み、位置合わせにかかる時間を短縮し、スクリーンの揺れが発生する環境であっても、複数台のプロジェクタの投影画像の位置合わせが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
複数の投影装置それぞれに対してパターン画像を投影させるように制御する制御手段と、
前記複数の投影装置が前記パターン画像を同時に投影している状態で、投影面における前記複数の投影装置の投影領域を含む範囲を撮像した第1の撮像画像データを取得する取得手段と、
前記第1の撮像画像データに基づいて、前記複数の投影装置それぞれの投影領域の少なくともいずれかを変形するための第1のパラメータを生成する生成手段と、
を有し、
各パターン画像は、パターンを表示するパターン表示領域と、パターンを表示しないパターン非表示領域とを含む画像であって、
前記制御手段は、前記複数の投影装置が投影する前記パターン表示領域が前記投影面上で重なり合わないように各パターン画像の前記パターン表示領域を決定する、
ことを特徴とする制御装置である。
本発明の一態様は、
複数の投影装置それぞれに対してパターン画像を投影させるように制御する制御ステップと、
前記複数の投影装置が前記パターン画像を同時に投影している状態で、投影面における前記複数の投影装置の投影領域を含む範囲を撮像した第1の撮像画像データを取得する取得ステップと、
前記第1の撮像画像データに基づいて、前記複数の投影装置それぞれの投影領域の少なくともいずれかを変形するための第1のパラメータを生成する生成ステップと、
を有し、
各パターン画像は、パターンを表示するパターン表示領域と、パターンを表示しないパターン非表示領域とを含む画像であって、
前記制御ステップでは、前記複数の投影装置が投影する前記パターン表示領域が前記投影面上で重なり合わないように各パターン画像の前記パターン表示領域を決定する、
ことを特徴とする制御方法である。
本発明によれば、位置合わせにかかる時間を短縮し、スクリーンの揺れが発生する環境であっても、複数台のプロジェクタの投影画像の位置合わせを行うことができる。
実施形態1に係る投影システムの構成の一例を示す図である。 実施形態1に係る各装置の構成の一例を示す図である。 実施形態1に係るキーストーン補正の一例を示す図である。 実施形態1に係る制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態1に係るプロジェクタを選択するためのGUIの一例を示す図である。 実施形態1に係る撮像装置選択用GUIの一例を示す図である。 実施形態1に係る位置合わせ処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態1に係るパターン画像及び撮像画像の一例を示す図である。 実施形態1に係るパターン画像及び撮像画像の一例を示す図である。 実施形態1に係るパターン画像及び撮像画像の一例を示す図である。 実施形態1に係る射影変換の一例を示す図である。 実施形態2に係る投影システムの構成の一例を示す図である。 実施形態2に係るパターン画像及び撮像画像の一例を示す図である。
(実施形態1)
<概要>
本実施形態では、スタック投影を行う投影システムの例について説明する。スタック投影は、複数のプロジェクタの投影画像を重ね合わせることによって高輝度、高コントラストを実現する投影方法である。複数のプロジェクタの投影画像を高精度に重ね合わせるために、本実施形態に係る投影システムは、撮像装置、複数のプロジェクタ(投影装置)および投影制御装置を用いて投影画像の位置合わせを行う。具体的には、複数のプロジェクタによって画像(パターン画像)が同時に投影されている状態で投影面を撮像した撮像画像データを用いて、プロジェクタ100の投影領域の少なくともいずれかを変形するための射影変換行列M(第1のパラメータ)を求める。そして、射影変換行列を用いて、各プロジェクタ100の投影領域の位置合わせを行う。投影領域の変形については、後述するキーストーン補正を行うことで実現される。
パターン画像は、パターンを表示するパターン表示領域と、パターンを表示しないパターン非表示領域とを含む画像である。パターン表示領域は、パターン画像内の広い範囲に点在する複数の領域である。本実施形態では、異なるプロジェクタが投影する複数のパターン表示領域が重なり合わないように当該パターン表示領域を設ける。これによって、1枚の撮像画像データに基づいて各プロジェクタが投影する画像に分離することができる。パターン非表示領域は、パターン画像内において上述のパターン表示領域以外の領域であって、パターンが表示されない領域である。本実施形態では、パターン非表示領域内の画素を黒(画素階調値0)にしてパターン画像を生成する。複数のプロジェクタが同時に画像を投影する場合、各プロジェクタは、他のプロジェクタのパターン表示領域を含む範囲に対して画像を投影することになる。ここで、本実施形態では、各プロジェクタのパターン非表示領域は、他のプロジェクタにおけるパターン表示領域に対応している。そこで、他のプロジェクタのパターン表示領域に対して光を投影しないために、各プロジェクタのパターン非表示領域内の画素を黒にしている。
パターンは、本実施形態では、複数色のドットの組み合わせであるドットパターンである。ドットパターンは、パターン画像内の位置によってドットの色、サイズ、配置等が異なるように設けられるものとする。これにより、投影制御装置は、パターン表示領域のドットパターンを解析することによって、当該ドットパターンがパターン画像内のどの位置であるかを識別することができる。なお、ドットパターンは単色でもよい。また、パターンはドットパターンに限定されず、線もしくは図形またはこれらの組み合わせであってもよい。
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る投影システム10の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る投影システム10は、プロジェクタ100a、100b(以下、特に区別する必要がない場合は、単にプロジェクタ100と称する。)、投影制御装置200および撮像装置300等を有する。本実施形態では、投影システム10は、複数のプロジェクタ100を用いて、投影面400(スクリーン)上において当該複数のプロジェクタ100の投影領域を一致させるスタック投影を行う。スタック投影を行うことによって、投影画像(光学像)のダイナミックレンジの拡大、輝度の向上、もしくは3D表示を図る。なお、図1では、プロジェクタ100a、100bの2台を有し、それぞれの投影領域A、Bを一致させる投影システムである例を示しているが、3台以上のプロジェクタを有してもよい。
図2は、投影システム10に含まれるプロジェクタ100、投影制御装置200および撮像装置300の構成例を示す図である。プロジェクタ100と、投影制御装置200および撮像装置300との通信は、有線通信であっても無線通信であってもよく、通信プロトコルも特に限定されない。本実施形態では一例として、プロジェクタ100および投影
制御装置200は、TCP/IPを通信プロトコルとして用いるローカルエリアネットワーク(LAN)で装置間の通信が行われるものとする。また、撮像装置300および投影制御装置200は、ケーブル等を用いて有線で装置間の通信が行われるものとする。
≪プロジェクタ100≫
プロジェクタ100は、投影制御装置200と通信可能に接続される投影装置である。プロジェクタ100は、CPU101、RAM102、ROM103、投影部104、投影制御部105、VRAM106、操作部107、ネットワークIF108、画像処理部109、映像入力部110等を有する。これらは内部バス111によって通信可能に接続されている。それらの機能の一部または全部は、ASICやFPGAなどの専用の論理回路により実現されてもよい。なお、プロジェクタ100は、投影制御装置200から予め定められたコマンドを受信することにより、動作制御されてもよい。この場合、プロジェクタ100は、投影制御装置200から受信したコマンドに応じた動作を行い、動作の結果を投影制御装置200に送信する。
CPU101は、プログラマブルプロセッサの一例であり、例えばROM103に記憶されているプログラムをRAM102に読み込んで実行することにより、プロジェクタ100の動作を実現する。
RAM102は、CPU101がプログラムを実行する際のワークメモリとして用いられる記憶部である。RAM102には、プログラムやプログラムの実行に用いる変数などが記憶される。また、RAM102は、他の用途(例えばデータバッファとして)に用いられてもよい。
ROM103は、CPU101が実行するプログラム、メニュー画面などの表示に用いるためのGUIデータなど各種の設定値などが記憶される記憶部である。ROM103は書き換え可能であってもよい。
投影部104は、光源、投影光学系などを有し、投影制御部105から供給される投影用画像に基づいて光学像を投影する。本実施形態では、投影部104は、液晶パネルを光学変調素子として用いる。そして、投影部104は、光源からの光の反射率もしくは透過率を投影用画像に従って制御することにより、投影用画像に基づく光学像を生成し、投影光学系によって投影面に投影する。
投影制御部105は、画像処理部109から供給される投影用画像のデータを投影部104に供給する。
VRAM106は、外部装置(例えばPCやメディアプレーヤー)から受信した投影用画像のデータを格納するビデオメモリである。
操作部107は、キーボタン、スイッチ、タッチパネルなどの入力デバイスを有し、ユーザからプロジェクタ100への指示を受け付ける。CPU101は操作部107の操作を監視しており、操作部107の操作を検出すると、検出した操作に応じた処理を実行する。なお、プロジェクタ100がリモートコントローラを有する場合、操作部107はリモートコントローラから受信した操作信号をCPU101に通知してもよい。
ネットワークIF108は、プロジェクタ100を通信ネットワークに接続するインタフェースであり、サポートする通信ネットワークの規格に準拠した構成を有する。本実施形態では、プロジェクタ100は、ネットワークIF108を通じて、投影制御装置200と共通のローカルネットワークに接続される。したがって、プロジェクタ100と投影
制御装置200との通信はネットワークIF108を通じて実行される。
画像処理部109は、映像入力部110に供給され、VRAM106に格納された映像信号に対して様々な画像処理を必要に応じて適用し、投影制御部105に供給する。画像処理部109は、例えば画像処理用のマイクロプロセッサであってよい。あるいは、画像処理部109に相当する機能を、CPU101がROM103に記憶されたプログラムを実行することによって実現してもよい。画像処理部109は、例えば、フレーム間引き処理、フレーム補間処理、解像度変換処理、メニュー画面などのOSDを重畳させる処理、キーストーン補正処理、エッジブレンディング処理等の画像処理を行うものとするが、これらに限定されない。
映像入力部110は、外部装置(本実施形態では投影制御装置200)が出力する映像信号を直接または間接的に受信するインタフェースであって、サポートする映像信号に応じた構成を有する。映像入力部110は、例えば、コンポジット端子、S映像端子、D端子、コンポーネント端子、アナログRGB端子、DVI−I端子、DVI−D端子、HDMI(登録商標)端子のうち少なくともいずれか1つ以上を含むものとする。また、映像入力部110は、アナログ映像信号を受信した場合、デジタル映像信号に変換してVRAM106に格納する。
≪投影制御装置200≫
投影制御装置200は、外部ディスプレイが接続可能な汎用コンピュータであって、汎用コンピュータに準じた機能構成を有する。投影制御装置200は、演算装置(プロセッサ)、メモリ、記憶装置、入出力装置等を含む情報処理装置(コンピュータ)と捉えることもできる。投影制御装置200は、CPU201、RAM202、ROM203、操作部204、表示部205、ネットワークIF206、映像出力部207、通信部208等を有する。また、これの機能ブロックは内部バス209によって通信可能に接続されている。それらの機能の一部または全部は、ASICやFPGAなどの専用の論理回路により実現されてもよい。なお、投影制御装置200は、プロジェクタ100aおよび100bに対して、予め定められたコマンドを送信することにより、プロジェクタ100aおよび100bの動作を制御することができる。また、投影制御装置200は、撮像装置300に対して、予め定められたコマンドを送信することにより、撮像装置300の動作を制御することができる。
CPU201は、プログラマブルプロセッサの一例であり、例えばROM203に記憶されているプログラム(OSやアプリケーションプログラム)をRAM202に読み込んで実行することにより、投影制御装置200の動作を実現する。
RAM202は、CPU201がプログラムを実行する際のワークメモリとして用いられる記憶部である。RAM202には、プログラムやプログラムの実行に用いる変数などが記憶される。また、RAM202は、他の用途(例えばデータバッファとして)に用いられてもよい。
ROM203は、CPU201が実行するプログラム、メニュー画面などの表示に用いるためのGUIデータ、各種の設定値などが記憶される記憶部である。ROM203は書き換え可能であってよい。なお、投影制御装置200は、ROM203よりも大容量の記憶装置(HDDやSSD)を有してもよく、この場合OSやアプリケーションプログラムといった容量の大きいプログラムは記憶装置に記憶してもよい。
操作部204は、キーボード、ポインティングデバイス(マウスなど)、タッチパネル、スイッチなどの入力デバイスを有し、ユーザから投影制御装置200への指示を受け付
ける。なお、キーボードはソフトウェアキーボードであってもよい。CPU201は操作部204の操作を監視しており、操作部204の操作を検出すると、検出した操作に応じた処理を実行する。
表示部205は、OSやアプリケーションプログラムが提供する画面の表示を行う表示部であって、例えば液晶パネルや有機ELパネルである。なお、表示部205は外部装置であってもよい。また、表示部205はタッチを検出する機能を備えるタッチディスプレイであってもよい。なお、本実施形態では、プロジェクタ100の投影領域の調整機能を有する投影制御アプリケーションプログラムのUI画面を表示部205に表示するものとするが、後述する映像出力部207に接続された外部機器にUI画面を表示させてもよい。
ネットワークIF206は、投影制御装置200を通信ネットワークに接続するインタフェースであり、サポートする通信ネットワークの規格に準拠した構成を有する。本実施形態において投影制御装置200は、ネットワークIF206を通じて、プロジェクタ100と共通のローカルネットワークに接続される。したがって、投影制御装置200とプロジェクタ100との通信はネットワークIF206を通じて実行される。
映像出力部207は、外部装置(本実施形態ではプロジェクタ100または映像分配器)に映像信号を送信するインタフェースであり、サポートする映像信号に応じた構成を有する。本実施形態では、映像出力部207は、外部装置としてプロジェクタ100に映像信号を送信する例について説明するが、映像分配器等に映像信号を送信してもよい。映像出力部207は、例えば、コンポジット端子、S映像端子、D端子、コンポーネント端子、アナログRGB端子、DVI−I端子、DVI−D端子、HDMI(登録商標)端子のうち少なくとも1つ以上を含むものとする。
通信部208は、外部機器とシリアル通信等の通信を行うための通信インタフェースであって、例えば、USBインタフェースである。通信部208は、RS−232Cなど他の規格に準じた構成を有してもよい。本実施形態では、撮像装置300は通信部208に接続されるものとするが、撮像装置300と投影制御装置200との通信方法に特に制限はなく、両者がサポートしている任意の規格に準拠した有線通信または無線通信を行うことができる。なお、通信部208は、外部機器から撮像画像データなどを取得する取得部と捉えることもできる。
≪撮像装置300≫
撮像装置300は、例えばデジタルカメラ、ウェブカメラ、ネットワークカメラ等の撮像装置である。撮像装置300は、プロジェクタ100または投影制御装置200等の内蔵カメラであってもよい。本実施形態では、撮像装置300は、投影面400の全体を撮像範囲として含むように設置され、撮像範囲が変わらないように固定されているものとする。なお、投影制御装置200等の外部のカメラを用いる場合は、投影制御装置200と通信可能に接続されるものとする。撮像装置300は、投影制御装置200からの要求に応じて撮像を行い、得られた画像データを投影制御装置200に送信することができる。
<キーストーン補正>
図3は、投影画像の台形補正の一例であるキーストーン補正を示す図である。キーストーン補正は、投影面の法線方向と投影方向(一般的には投影光学系の光軸)とのずれに応じて投影画像に生じる台形歪みを相殺するように元画像を幾何学的変換(変形、射影変換)する補正(幾何補正)である。画像の幾何学的変換は射影変換によって実現できるため、キーストーン補正は幾何補正の変換パラメータを決定する処理であると捉えることもできる。例えば、CPU101は、矩形上の元画像の各頂点の移動量と移動方向に基づいて
射影変換行列を決定し、画像処理部109に与えることができる。
例えば、元画像の座標値を(xs,ys)とすると、射影変換による変形後の画像の座標値(xd,yd)は以下の式(1)で表わされる。ここで、Mは、3×3の行列であって、元画像から変形後の画像への射影変換行列である。射影変換行列Mは、一般的に元画像の4隅の座標値と変形後の画像の4隅の座標値とに基づいて決定される。xso、ysoは、元画像(図3の実線310で示す画像)の左上の頂点の座標値である。xdo、ydoは、変形後の画像(図3に一点鎖線320で示す画像)において、元画像の頂点(xso,yso)に対応する頂点の座標値である。
Figure 2020194998
また、変形後の画像の座標値(xd,yd)から元画像の座標値(xs,ys)への変換は、以下の式(2)で表される。射影変換行列M-1は、射影変換行列Mの逆行列である。CPU101は、変形するためのパラメータとして、射影変換行列M-1とオフセット値であるxso、yso、xdo、ydoとを画像処理部109に与える。画像処理部109は、式(2)に従って変形後の座標値(xd,yd)に対応する元画像の座標(xs、ys)を求める。
Figure 2020194998
ここで、式(2)で得られる元画像の座標xs、ysがいずれも整数であれば、画像処理部109は元画像の座標値(xs,ys)をそのままキーストーン補正後の画像の座標値(xd,yd)とすることができる。一方、式(2)で得られる元画像の座標が整数にならない場合、画像処理部109は、元画像の座標値(xs,ys)を、複数の周辺画素の値を用いた補間演算により求めることができる。補間演算は、例えばバイリニア、バイキュービックなど、公知の補間演算のいずれかを用いて行うことができる。なお、式(2)で得られる元画像の座標が、元画像の外部の領域の座標である場合、画像処理部109は、キーストーン補正後の画像の座標値(xd,yd)を黒(画素階調値0)またはユーザが設定した背景色とするとよい。このようにして、画像処理部109は、キーストーン補正後の画像の全座標についての画素値を求め、変形後の画像を作成することができる。ここでは、プロジェクタ100のCPU101から画像処理部109に、射影変換行列M−1が供給されるものとしたが、CPU101は射影変換行列Mを画像処理部109に供給し、画像処理部109が射影変換行列M−1を求めてもよい。
なお、画像処理部109は、キーストーン補正後の画像の頂点の座標は、例えば投影画像の個々の頂点について、頂点が所望の位置に投影されるように操作部107を通じてユーザから移動量を入力させることにより取得してもよい。この際、ユーザから移動量の入力を支援するため、CPU201は、投影制御アプリケーションプログラムの機能を用い、プロジェクタ100にテストパターン(画像)を投影させるようにしてもよい。
<処理内容>
図4は、本実施形態に係る投影制御装置200によって行われる投影制御処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、CPU201が投影制御に関するアプリケーションプログラムを実行することにより後述のステップS401〜S405等の処理が実装される。
≪ステップS401≫
S401では、CPU201は、投影制御装置200が通信可能なプロジェクタ100のうち、位置合わせ処理の対象とする複数のプロジェクタ100の選択を受け付け、レイアウトを設定する。
図5A〜図5Cは、表示部205に表示されるGUI画面の一例を示す図である。ユーザは投影制御装置200の操作部204を通じてGUI画面を操作する。
図5Aは、レイアウト選択画面500の一例を示す図である。ユーザは、まず、レイアウト選択画面500において、所望のレイアウトを選択する。本実施形態では、レイアウトとしてスタック投影を選択するためのボタン501、タイル投影を選択するためのボタン502が表示される例について示す。スタック投影を行う場合はボタン501を押下する。また、タイル投影を行う場合はボタン502を押下する。本実施形態では、スタック投影を行う例について示す。
図5Bは、プロジェクタ選択画面503の一例を示す図である。CPU201は、図5Aに示すボタン501が押下されたことを検出すると、図5Bに示すプロジェクタ選択画面503を表示部205に表示するよう制御を行う。検索ボタン504は、選択可能なプロジェクタ100を検索するための操作部である。リストビュー505は、選択可能なプロジェクタ100を表示するための領域である。初期表示の時点では、リストビュー505にはプロジェクタは表示されていない。Nextボタン506は、後述する撮像装置選択画面へ遷移するための操作部である。本実施形態では、プロジェクタ100を未選択の場合は、例えば、Nextボタン506を非活性にして、押下することができないようにする。CPU201は、ユーザによって検索ボタン504が押下されたことを検出すると、選択可能なプロジェクタ100をリストビュー505に表示する。具体的には以下の処理が行われる。
まず、CPU201は、ネットワークIF206を通じて、プロジェクタ名やIPアドレスに関する情報を要求する所定のコマンドをネットワーク上にブロードキャストする。なお、このときに要求する情報は、プロジェクタ名やIPアドレスに限らず、例えばキーストーン補正の有無、キーストーン補正を行っている場合は変形量、タイル投影の場合にはエッジブレンディングの設定値などを要求してもよい。
ネットワークに接続されている個々のプロジェクタ100のCPU101は、ネットワークIF108を通じて上記のコマンドを受信すると、要求された情報を含むデータを投影制御装置200に対して送信する。CPU201は、コマンドに応答してプロジェクタ100から送信されたデータを受信し、当該データに含まれる情報を抽出してリストビュー505に表示する。なお、リストビュー505に表示されるプロジェクタの並び順は、検出された順であってもよいし、特定の規則に基づいてソートしてもよい。
図5Cは、検索結果の表示の一例を示す図である。図5Cに示すリストビュー505には、投影制御装置200に接続されているプロジェクタ100a、100bの2台が表示されている。なお、スタック投影を構成するプロジェクタ以外のプロジェクタが同一ネットワークに接続されていれば、同様にリスト表示される。
次に、CPU201は、ユーザの操作に応じてプロジェクタ100の選択を受け付ける。チェックボックス507は、プロジェクタ100を選択するための操作部である。図5Cに示す例では、プロジェクタA(IPアドレスがxxx.xxx.xxx.x)は、図1に示すプロ
ジェクタ100aである。また、プロジェクタB(IPアドレスがyyy.yyy.yyy.y)は、
図1に示すプロジェクタ100bである。スタック投影に使用しないプロジェクタがリストビュー505に表示されている場合は、ユーザはチェックボックス507にチェックを入れなければよい。選択されたプロジェクタに関する情報(例えば、プロジェクタ名、IPアドレス、パネル解像度など)は投影制御装置200のRAM202に格納される。CPU201は、ユーザによってNextボタン506が押下されたことを検出すると、は図4のS402の処理に遷移する。
≪ステップS402≫
S402では、CPU201は、S401で選択されたプロジェクタそれぞれに対して、ネットワークIF206を通じてテストパターンの投影を指示するコマンドを送信する。このとき、上述のキーストーン補正によって変形が行われている場合には、キーストーン補正の解除を指示するコマンドも送信するものとする。本実施形態では、テストパターンは、各プロジェクタで生成される例について説明する。表示させるテストパターンは、各プロジェクタ100の投影可能領域の大きさや位置を確認しやすくするためのテストパターンであり、例えばラスタ画像やクロスハッチ画像などが挙げられる。ここで、投影可能領域は、投影できる最大の領域であって、例えばプロジェクタ100が全白画像を変形なしで投影した場合に、投影面に投影される全白画像(投影画像)の範囲(形状)を示す。なお、テストパターンは特に限定されず、直線や図形、文字列等でもよいが、これらだけではなく、投影可能領域の外形が認識できるようなパターンと組み合わせて用いるとよい。プロジェクタ100のCPU101は、ネットワークIF108を通じてコマンドを受信すると、受信したコマンドに従ってVRAM106上にテストパターンを生成し、投影制御部105を制御して当該テスパターンを投影する。なお、プロジェクタ100のCPU101は、投影制御装置200から取得したテストパターンを投影してもよい。具体的には、投影制御装置200は、投影制御装置200が保持している(または生成した)所定のテストパターンの表示を指示するコマンドを個々のプロジェクタ100に対して送信する。そして、プロジェクタ100のCPU101は、投影制御装置200から取得したテストパターンを投影する。S401で選択されたすべてのプロジェクタにテストパターンを投影するコマンドを送信すると、S403の処理に遷移する。
≪ステップS403≫
S403では、CPU201は、位置合わせ処理に用いる撮像装置300の選択を受け付ける。
図6は、投影制御装置200の表示部205に表示される撮像装置選択画面600の一例を示す図である。検索ボタン601は、撮像装置300を検索するための操作部である。ドロップダウンリスト602は、選択可能な撮像装置300を選択するための操作部である。CPU201は、検索ボタン601の操作を検出すると、投影制御装置200に接続された撮像装置の情報を取得し、ドロップダウンリスト602に表示するよう制御を行う。撮像装置の情報は、例えば、撮像装置の製品名や品番等が挙げられる。本実施形態では、ユーザは検索された複数の撮像装置の中から所望の撮像装置を1台選択するものとするが、位置合わせ処理に用いる撮像装置を2台以上選択できてもよい。本実施形態では、図1の撮像装置300を示す「Camera001」が選択されたものとする。
画像領域603は、選択された撮像装置300が撮像した画像を表示するための領域である。CPU201は、撮像装置300が選択されると、撮像装置300に対して撮像を指示するコマンドを送信する。そして、CPU201は、撮像装置300によって撮像された撮像画像データを取得して、撮像画像を画像領域603に表示する。画像領域603に表示される画像は、ライブビュー画像であることが望ましいが、静止画像であってもよい。領域604a、604bは、それぞれプロジェクタ100a、100bの投影画像を示す。この段階では、後述する位置合わせ処理を実行する前であるため、領域604a、
604bの形状や位置は必ずしも一致していない。図6では、各プロジェクタの投影可能領域を区別しやすくするために便宜的にハッチングパターンを変えているが、各プロジェクタが投影するテストパターンは同一であってもよく、異なってもよい。ユーザは、画像領域603を観察することで、撮像装置300の撮像範囲内にプロジェクタ100の投影画像が全て収まるための調整(撮像装置の設置位置の調整やズーム調整等)を容易に行うことができる。
Backボタン605は、プロジェクタ選択画面へ遷移するための操作部である。CPU201は、Backボタン605の操作を検出すると、図5Cに示すプロジェクタ選択画面に戻るよう制御を行う。Adjustボタン606は、撮像装置300の設定を行うための操作部である。CPU201は、Adjustボタン606の操作を検出すると、選択された撮像装置300に対して撮像を促すコマンドを送信して、撮像装置300によって撮像された撮像画像データを取得する。そして、CPU201は、撮像画像データを解析して撮像装置300の各種パラメータ(絞り数値やシャッタースピードなど)を適切に設定する。なお、撮像装置300が各種パラメータを設定してもよい。
≪ステップS404≫
S404では、CPU201は、S402においてテストパターンを投影するコマンドを送信したプロジェクタ100のそれぞれに対して、ネットワークIF206を通じて、テストパターンを非表示にするコマンドを送信する。
≪ステップS405≫
S405では、CPU201は位置合わせ処理を行う。本実施形態に係る位置合わせ処理は、複数のプロジェクタの投影領域を合わせる処理である。
図7は、本実施形態に係る位置合わせ処理の一例を示すフローチャートである。
S701では、CPU201は、ネットワークIF206を通じて、S401で選択されたプロジェクタ100のうちのいずれか1台に対して全白画像を投影させるコマンドを送信する。コマンドを受信したプロジェクタ100のCPU101は、VRAM106上に全白画像を生成して、投影制御部105を制御して全白画面を投影する。ここで、S402においてキーストーン補正は解除されているため、投影面には補正処理を行う前の投影領域が表示される。
なお、S701でCPU201が投影させる画像は全白画像以外でもよく、投影可能領域の位置または形状が認識できる画像であればよい。また、全白画像はプロジェクタ100以外で生成されてもよい。例えば、不図示の信号源を制御することによって生成されてもよい。また、全白画像は、投影制御装置200によって生成されてもよい。この場合、投影制御装置200は映像出力部207を通じて全白画像を出力し、プロジェクタ100は外部入力画像である全白画像を映像入力部110から入力すればよい。
S702では、CPU201は、投影面を撮像した撮像画像データを取得する。具体的には、CPU201は、撮像装置300に対して投影面を撮像させるコマンドを送信する。そして、CPU201は、通信部208を介して、撮像装置300から撮像画像データを取得する。ここで、撮像画像は、1台のプロジェクタ100(プロジェクタ100aまたは100b)が投影可能領域の全体に所定の画像を投影した状態で撮像された画像である。
S703では、CPU201は、S702で取得した撮像画像データを解析して、共通座標系からパネル座標系に変換するための射影変換行列T(第2のパラメータ)を求める
。具体的には、CPU201は、撮像画像データを解析することによりS701で投影させたプロジェクタ100の投影可能領域の形状や位置を検出する。解析手法は、公知の種々の技術を用いることができる。そして、CPU201は、共通座標系における座標値をS701で投影させたプロジェクタ100の投影するパネル座標系の座標値に射影する射影変換行列Tを求める。共通座標系は、本実施形態では、撮像画像データ上の座標系(撮像座標系)である。また、パネル座標系は、各プロジェクタの投影画像データ上の座標系である。射影変換行列Tは、図3を用いて説明したキーストーン補正の射影変換行列の算出と同様の方法で求められる。ここで、キーストーン補正は同一座標平面上での変形であり、S703では異なる座標平面間での座標変換であるが、2つの四角形の間の射影変換という意味では同じである。CPU201は、求めた射影変換行列Tを各プロジェクタ100に対応付けてRAM202に格納する。S703の処理では、S702で取得した投影画像のみが撮像画像中に存在する例について説明したが、実際には撮像画像には外光等が含まれる場合がある。この場合は、あらかじめ、全てのプロジェクタが投影していない状態で撮像し、S702で取得した撮像画像との差分をとることで、投影画像のみが得られるようにしてもよい。
S704では、CPU201は、S401においてユーザに選択されたすべてのプロジェクタ100(プロジェクタ100a、100b)について射影変換行列T(射影変換行列Ta、Tb)が算出されたか否かを判断する。ここで、射影変換行列Taは、共通座標系からプロジェクタ100aのパネル座標系に変換するための射影変換行列である。また、射影変換行列Tbは、共通座標系からプロジェクタ100bのパネル座標系に変換するための射影変換行列である。ユーザに選択されたすべてのプロジェクタ100について射影変換行列Tが算出されている場合はS705に遷移する。ユーザに選択されたすべてのプロジェクタ100について射影変換行列Tが算出されていないプロジェクタ100がある場合はS701に遷移する。
S705では、CPU201は、共通座標系におけるパターン表示領域を決定する。
図8Aは、共通座標系における複数の投影可能領域を示す図である。画像800は、S703で算出した各プロジェクタの投影可能領域を重ね合わせた画像を示す。領域801aは、プロジェクタ100aの投影可能領域を示す。また、領域801bは、プロジェクタ100bの投影可能領域を示す。投影制御装置200のCPU201は、画像800において、全てのプロジェクタの投影可能領域を含む領域に対して各プロジェクタのパターン表示領域を決定する。
図8Bは、共通座標系におけるに各プロジェクタのパターン表示領域を示す図である。図8Bでは、図1に示す投影システムのような2台のプロジェクタを用いた場合のパターン表示領域の一例を示している。領域802内の「1」と記載された領域は、プロジェクタ100aのパターン表示領域を示す。また、領域802内の「2」と記載された領域は、プロジェクタ100bのパターン表示領域を示す。図8Bの例では、プロジェクタ100aおよび100bのパターン表示領域をチェック模様状に配置している例を示しているがこれに限定されず、複数のプロジェクタが投影するパターン表示領域が投影面上で重なり合わなければよい。
ここで、CPU201は、投影可能領域の広範囲にパターン表示領域を分布することが望ましい。これは、パターン表示領域が投影可能領域の一部に偏ると、パターン表示領域が多く存在する領域については高精度に位置合わせできるが、パターン表示領域が少ない領域については位置合わせの精度が低下するからである。本実施形態では、パターン表示領域をチェック模様状に広く分布させることで、パターン表示領域が偏らないようにしている。ここで、撮像装置300の撮像座標系は、スクリーン面の座標系が射影されたもの
であるため、撮像座標系で重ならないように決定したパターン表示領域は、スクリーン面上でも重ならない。そのため、本実施形態では、撮像座標系を共通座標系としてパターン表示領域を決定しているが、スクリーン座標系を共通座標系としてテストパターン表示領域を決定してもよい。
S706では、CPU201は、各プロジェクタ100の射影変換行列Tを用いて、共通座標系におけるパターン表示領域内の座標値をパネル座標系における座標値に変換する。
図8Cは、図8Bに示す共通座標系におけるパターン表示領域を、プロジェクタ100a、100bのパネル座標系に変換した領域の例を示す。図8Cの「1」、「2」で示す領域は、プロジェクタ100a、100bそれぞれのパターン画像803a、803bにおけるパターン表示領域である。図8Cの黒で示す領域は、プロジェクタ100a、100bそれぞれのパターン画像803a、803bにおけるパターン非表示領域である。共通座標系では、パターン表示領域は整列しているが、図8Cに示すように、パネル座標系では、パターン画像803aのパターン表示領域とパターン画像803bのパターン表示領域は歪んでいることがわかる。
S707では、CPU201は、各プロジェクタのパターン表示領域(図8Cの「1」、「2」で示される領域)を表す情報を各プロジェクタに送信して、パターン画像を投影させる指示を行う。プロジェクタ100のCPU101は、自プロジェクタのパターン表示領域を表す情報を受信して、位置合わせ用の基準画像(基準テストパターン)を加工したパターン画像を投影する。基準画像は、全面にパターンが表示された画像である。
図8Dは、本実施形態に係る基準画像804の一例を示す図である。本実施形態では、基準画像804は、プロジェクタ100のROM103に格納されている。また、基準画像804のサイズは、パターン画像のサイズと同じのサイズとする。基準画像804は、当該基準画像804内の位置(座標)に応じて異なるドットパターンを有している。これにより、後述する処理において基準画像804の一部の領域のみが取得される場合でも、CPU201は、ドットパターンを解析することにより、当該一部の領域が基準画像804内のどの領域であるかを特定できる。
プロジェクタ100のCPU101は、上記のパターン表示領域を表す情報および画像投影指示を受け付けると、ROM103から基準画像804を読み出す。そして、CPU101は、パターン表示領域を表す情報を用いて、上記の基準画像の一部をマスクする。具体的には、CPU201は、パターン表示領域と基準画像804とを照らし合わせて、基準画像804のうちパターン非表示領域内の画素を黒(画素階調値0)にする。なお、マスクを行う方法は特に限定されず、パターン非表示領域に光が投影されないように制御すればよい。また、各プロジェクタ100は、それぞれ異なる基準画像を有していてもよい。
図8Eは、各プロジェクタ100によって投影される投影画像データを示す図である。投影画像データ805a、805bは、それぞれプロジェクタ100a、100bによって投影される投影画像データの一例を示す画像である。各プロジェクタ100のCPU101は、それぞれ生成した投影画像データ805a、805bをVRAM106上に展開し、投影制御部105を制御して画像を投影する。
なお、パターン画像の生成は、他の方法により行われても良い。例えば、パターン画像は投影制御装置200によって生成されてもよい。この場合、パターン画像は、映像出力部207を通じて出力され、外部入力画像としてプロジェクタの映像入力部110へ入力
することができる。あるいは、不図示の信号源を制御することにより基準画像(基準テストパターン)を生成して、各プロジェクタでは上記のパターン非表示領域をマスクする処理のみを行ってもよい。
S708では、投影制御装置200のCPU201は、S702と同様に、撮像装置300に対して撮像を指示するコマンドを送信して、投影面を撮像した画像データを取得する。ここで、投影面には、各投影装置100それぞれのパターン画像が投影されている。
図8Fは、S708で取得した撮像画像データの一例を示す図である。画像806は、プロジェクタ100a、100bによって投影された画像である。上述の投影画像データ805a、805bにおけるパターン表示領域が重なることなく投影されるので、画像806が取得される。図8Fでは、便宜的に、各プロジェクタの投影領域、及びパターン表示領域(「1」、「2」)を表示しているが、実際には各プロジェクタから基準画像804の一部が投影されている。
S709では、CPU201は、ネットワークIF206を通じて各プロジェクタ100にコマンドを送信し、投影していたパターン画像を非表示にさせる。
S710では、CPU201は、S708で取得した撮像画像データを解析して、各プロジェクタが投影する画像に分離する。具体的には、S705で決定した各プロジェクタのパターン表示領域に基づいて、各プロジェクタが投影する画像に分離する。これにより、全てのプロジェクタがパターン画像を(同時に)投影している状態で、投影面を1回撮像した撮像画像データのみで、各プロジェクタのパターン画像に相当する画像を取得することができる。よって、各プロジェクタの位置合わせ処理の処理時間を短縮することができる。
S711では、CPU201は、S710で分離した画像から特徴点を検出して、パネル座標系の座標と対応付ける。具体的には、CPU201は、検出した撮像画像のプロジェクタ毎の特徴点と、対応するプロジェクタの投影画像データ805aまたは805bにおけるパターン表示領域の特徴点との組を対応付ける。本実施形態では、上述の通り、基準画像804内の位置(座標)に応じて異なるドットパターンが設けられているため、検出した各特徴点(共通座標系)が、パネル座標系内のどの座標に対応するかを特定できる。これにより、後述の通り、共通座標系からパネル座標系に変換するための射影変換行列を算出することができる。なお、特徴点の取得方法は特に限定されないが、例えば、図8Dに示す基準画像との相関演算を用いてもよい。
S712では、CPU201は、プロジェクタ100a、100bの投影領域が目標領域と一致するように投影領域を変形するための射影変換行列Ma、Mb(第1のパラメータ)を算出する。本実施形態では、射影変換行列Ma、Mbは、パネル座標系における投影画像を、当該パネル座標系における目標領域に変形するための射影変換行列である。
図8Gは、共通座標系における目標領域(領域807)の例を示す図である。目標領域の決定方法は特に限定されない。例えば、CPU201が表示部205にGUIを表示して、ユーザによる目標領域の指定を促してもよい。あるいは、複数台のプロジェクタのうち1台を基準プロジェクタとしてユーザに選択させ、選択されたプロジェクタの投影領域を目標領域としてもよい。また、撮像画像データから投影面400の枠を検知して当該枠内の領域を目標領域としてもよい。
図9は、S712における射影変換行列Ma、Mbの算出方法の一例を示す図である。CPU201は、共通座標系からパネル座標系に変換するための射影変換行列Ta’、T
b’を求める。具体的には、S711で対応付けたプロジェクタごとの4つ以上の特徴点と、対応するプロジェクタの投影画像データ805a、805bの特徴点との組に基づいて射影変換行列Ta’、Tb’を求める。そして、CPU201は、共通座標系における目標領域を射影変換行列Ta’、Tb’で変換して、パネル座標系における目標領域を求める。そして、CPU201は、パネル座標系における全領域を目標領域に変換するための射影変換行列Ma、Mbを求める。本処理では、CPU201は、第1のパラメータを生成する生成部と捉えることもできる。
ここで、基準画像804を用いて投影画像データ805a、805bを生成することにより、S703で算出される射影変換行列Ta、Tb(第2のパラメータ)よりも精度が高い射影変換行列Ta’、Tb’を得ることができる。この理由として、S703で算出される射影変換行列Ta、Tbは、プロジェクタ100ごとに画像を投影した状態で投影面を撮像することにより、それぞれの投影可能領域を取得して、当該投影可能領域の形状に基づいて求められている。それに対して、S712で算出される射影変換行列Ta’、Tb’は、複数のプロジェクタ100がパターン画像を同時に投影している状態で投影面を撮像することにより、それぞれの投影画像から得られる特徴点に基づいて求められている。よって、S712では、同時に投影している状態で投影面を撮像することにより、個別に投影している間の投影面(スクリーン等)の揺れの影響を受けないため、当該揺れによって生じる各プロジェクタ間の位置合わせの誤差を低減している。また、射影変換行列Ta’、Tb’は、多くの(4つ以上の)特徴点を用いて求められることも精度が高い理由として挙げられる。これは、多くの特徴点を用いることで1つの特徴点における計測誤差の影響が少なるためである。誤差が生じる要因としては、例えば、部分的なスクリーンの歪みや障害物等が挙げられる。
図8Hは、パネル座標系における目標領域を示す。領域808a、808bは、それぞれプロジェクタ100a、100bのパネル全面(パネルの表示可能領域)を示す。領域809a、809bは、それぞれプロジェクタ100a、100bのパネル座標系における目標領域を示す。
S713では、CPU201は、S712で算出したプロジェクタ100ごとの射影変換行列Ma、Mbを、ネットワークIF206を通じて各プロジェクタに送信する。各プロジェクタ100のCPU101は、ネットワークIF108を通じて射影変換行列Ma、Mbを受信すると、画像処理部109に対して受信した射影変換行列Ma、Mbを設定して変形処理を実行する。以上により、位置合わせ処理が完了する。
<本実施形態の有利な効果>
本実施形態によれば、複数台のプロジェクタの位置合わせにおいて、各プロジェクタのパターン表示領域を投影面上で重ならない位置に投影することで、1回の撮像で複数台のプロジェクタの投影画像の位置合わせが可能となる。それにより、位置合わせの処理時間を短縮することができるとともに、投影面の揺れが発生した場合の位置合わせ誤差を低減することができる。
(実施形態2)
本実施形態では、タイル投影を行う投影システムの例について説明する。タイル投影は、複数台のプロジェクタの投影面を一部の領域を重畳させて並べることによって大画面を形成する投影方法である。本実施形態では、4台のプロジェクタ100を用いる例について説明する。
<システム構成>
図10は、本実施形態に係る投影システム11の一例を示す図である。本実施形態に係
る投影システム11は、プロジェクタ100a〜100d、投影制御装置200および撮像装置300等を有する。図10では、4台のプロジェクタ100a〜100dそれぞれの投影可能領域A〜Dの一部を投影面400上で重畳させ、位置合わせが完了した状態を示している。図10において、図1と同じ構成要素については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
<処理内容>
本実施形態では、タイル投影を行う場合の位置合わせ処理について説明する。本実施形態の処理は、S401のレイアウト選択で、ユーザによって「タイル投影」が選択された場合の処理である。また、本実施形態では、実施形態1のパターン表示領域を決定する処理(S705)とは、共通座標系におけるパターン表示領域の決定方法が異なる。その他の処理は、上述の実施形態1と同様に図4および図7のフローチャートに示す処理によって実行される。
図11A〜図11Cは、本実施形態に係るパターン画像および撮像画像を示す図である。図11Aは、S703で算出した各プロジェクタの投影可能領域1000a〜1000dを重ね合わせた画像(画像1000)を示す図である。図11Bは、共通座標系におけるパターン表示領域の一例を示す図である。
本実施形態の投影システム11は、4台のプロジェクタ100a〜100dを用いたタイル投影を行う。プロジェクタ100a〜100dのそれぞれ投影領域1000a〜1000dは重畳領域と非重畳領域とを有する。重畳領域とは、複数のプロジェクタからの投影画像が重なっている領域である。非重畳領域とは、複数のプロジェクタからの投影画像が重なっていない領域である。重畳領域では、CPU201は、重なっている領域に対して画像を投影しているプロジェクタの台数に応じてパターン表示領域を割り振る。図11B中の「1」と記載された領域は、プロジェクタ100aのパターン表示領域を示す。同様に、図11B中の「2」〜「4」と記載された領域は、それぞれプロジェクタ100b〜100dのパターン表示領域を示す。
図11Cは、図11Bとは別のパターン表示領域の例を示す図である。図11Cの例では、CPU201は、プロジェクタ100ごとに、重畳領域におけるパターン表示領域の割合を、非重畳領域におけるパターン表示領域の割合よりも高くなるようにパターン表示領域を決定している。一般に、複数の投影領域のずれが顕著に視認されるのは重畳領域であると考えられる。よって、プロジェクタ100ごとの重畳領域におけるパターン表示領域の割合を非重畳領域におけるパターン表示領域の割合より高くすることにより、S711において検出される特徴点も多くなるため、重畳領域の位置合わせがより高精度になる。
なお、タイル投影を行う場合、S712において決定する目標領域はタイル投影の外形であると考えられる。そのため、プロジェクタ100の配置と重畳領域の幅等に基づいて、CPU201が、共通座標系における各プロジェクタ100a〜100dの目標領域を求めてもよい。
<本実施形態の有利な効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、タイル投影時の位置合わせにおいて、パターン表示領域を投影面上で重ならない位置に投影することで、1回の撮像で複数台のプロジェクタの投影画像の位置合わせが可能となる。これにより、位置合わせの処理時間を短縮することができるとともに、投影面の揺れが発生した場合の位置合わせ誤差を低減することができる。
(変形例)
上述の実施形態のS701〜S703では、ユーザに選択されたプロジェクタ100について、1台ずつパターン画像を投影した状態で撮像を行ったが、複数のプロジェクタ100がパターン画像を投影した状態で撮像を行ってもよい。例えば、図1に示す投影システムのように2台のプロジェクタ100を用いる場合、各プロジェクタ100に投影させるパターン画像の色を変えてそれぞれ投影する。そして、2台のプロジェクタ100が異なる色のパターン画像を投影している状態で投影面を撮像し、当該撮像された画像を解析することにより、各プロジェクタの投影可能領域を検出してもよい。このように、プロジェクタ100ごとにパターン画像の色を変える場合は、S701で複数のプロジェクタ100に(同時に)異なるパターン画像を表示させる。そして、S702で、当該複数のプロジェクタ100が投影している状態で撮像する。S703で、各プロジェクタそれぞれの投影可能領域を検出して射影変換行列を算出する。
上述の実施形態のS701〜S703では、投影面の撮像画像データに基づいて、複数の投影可能領域を取得したが、例えば、ユーザがGUIを用いて複数の投影可能領域を指定してもよい。
上述の実施形態では、スタック投影またはタイル投影を行う例について説明したが、複数の投影領域を重畳させる投影であれば上述の処理を適用可能である。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。また、実施形態で説明された構成要素の全てが本発明に必須とは限らない。実施形態における個々の機能(機能ブロック)は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現することができる。また、1つの機能は複数のハードウェアで実現されてもよい。また、1つのハードウェアが複数の機能を実現してもよい。また、1つ以上の機能は、1つ以上のプログラマブルプロセッサ(CPU、MPUなど)がメモリに読み込まれたコンピュータプログラムを実行することにより実現されてもよい。1つ以上の機能をハードウェアで実現する場合、ディスクリート回路や、FPGA、ASICといった集積回路によって実現することができる。
また、実施形態の説明において、GUIを示す図を用いたが、それらは一例であり、GUIのレイアウトやコンポーネントの種類、画面遷移などは本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略、置き換え、変更を行うことができる。
(その他)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:プロジェクタ 105:投影制御部
200:投影制御装置 201:CPU201 207:映像入力部
300:撮像装置

Claims (13)

  1. 複数の投影装置それぞれに対してパターン画像を投影させるように制御する制御手段と、
    前記複数の投影装置が前記パターン画像を同時に投影している状態で、投影面における前記複数の投影装置の投影領域を含む範囲を撮像した第1の撮像画像データを取得する取得手段と、
    前記第1の撮像画像データに基づいて、前記複数の投影装置それぞれの投影領域の少なくともいずれかを変形するための第1のパラメータを生成する生成手段と、
    を有し、
    各パターン画像は、パターンを表示するパターン表示領域と、パターンを表示しないパターン非表示領域とを含む画像であって、
    前記制御手段は、前記複数の投影装置が投影する前記パターン表示領域が前記投影面上で重なり合わないように各パターン画像の前記パターン表示領域を決定する、
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 前記取得手段は、各投影装置がそれぞれの投影可能領域の全体に所定の画像を投影した状態で撮像された前記投影面の第2の撮像画像データを前記投影装置ごとに取得し、
    前記制御手段は、前記第2の撮像画像データに基づいて、前記投影可能領域を前記投影装置ごとに検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記取得手段は、複数の投影装置がそれぞれの投影可能領域の全体に所定の画像を投影した状態で撮像された前記投影面の第2の撮像画像データを取得し、
    前記制御手段は、前記第2の撮像画像データに基づいて、前記投影可能領域を前記投影装置ごとに検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記制御手段は、各投影装置の前記投影可能領域に基づいて、投影装置ごとに各パターン画像の前記パターン表示領域を決定する、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の制御装置。
  5. 前記制御手段は、
    共通座標系における各投影装置の前記投影可能領域に基づいて、共通座標系からパネル座標系に射影変換するための第2のパラメータを前記投影装置ごとに取得し、
    前記共通座標系で前記パターン表示領域が重なり合わないように各パターン表示領域を決定し、
    前記第2のパラメータを用いて、前記共通座標系の前記パターン表示領域を射影変換することで、前記パネル座標系の前記パターン表示領域を前記投影装置ごとに決定する、
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 各パターン表示領域は、前記投影可能領域の広範囲に分布する、
    ことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 各パターン画像は、所定の基準画像に対して、前記パターン非表示領域をマスクした画像である、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
  8. 前記制御手段は、タイル投影を行う場合、前記投影装置ごとに、前記複数の投影装置の投影領域が重畳する領域における前記パターン表示領域の割合を、前記重畳する領域以外
    の領域における前記パターン表示領域の割合より高くする、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記複数の投影装置の投影領域が重畳する領域内に、投影領域が重畳するすべての投影装置の前記パターン表示領域が含まれるように前記パターン表示領域を割り振る、
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置と、
    複数の投影装置と、
    撮像装置と
    を有することを特徴とする投影システム。
  11. 複数の投影装置それぞれに対してパターン画像を投影させるように制御する制御ステップと、
    前記複数の投影装置が前記パターン画像を同時に投影している状態で、投影面における前記複数の投影装置の投影領域を含む範囲を撮像した第1の撮像画像データを取得する取得ステップと、
    前記第1の撮像画像データに基づいて、前記複数の投影装置それぞれの投影領域の少なくともいずれかを変形するための第1のパラメータを生成する生成ステップと、
    を有し、
    各パターン画像は、パターンを表示するパターン表示領域と、パターンを表示しないパターン非表示領域とを含む画像であって、
    前記制御ステップでは、前記複数の投影装置が投影する前記パターン表示領域が前記投影面上で重なり合わないように各パターン画像の前記パターン表示領域を決定する、
    ことを特徴とする制御方法。
  12. コンピュータを、請求項1から9のいずれか一項に記載された制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムを記憶するコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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