JP2020194824A - 回路基板の製造方法、基板、及び回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁信頼性に優れる回路基板を作製可能であり、絶縁層の成形時に不要な樹脂を簡便に除去できる回路基板の製造方法、これに用いられる基板、及び当該基板を用いた回路基板を提供する。【解決手段】回路基板の製造方法は、対向する保護材付き回路と基板との間の空間に、流路を通して樹脂組成物を導入し、前記空間を前記樹脂組成物の硬化物で封止する工程を含み、前記保護材付き回路は、回路と、前記回路の間に配置された保護材とを有し、前記封止する工程において、前記基板の一部は前記流路に面しており、前記基板は、前記保護材付き回路と対向する領域である第一の領域と、前記流路に面する領域の少なくとも一部である第二の領域とを有し、前記封止する工程において、前記第二の領域における前記硬化物に対する接着性は、前記第一の領域における前記硬化物に対する接着性よりも低い。【選択図】図1

Description

本開示は、回路基板の製造方法、基板、及び回路基板に関する。
電子機器の小型化及び高機能化の進展に伴い、電子部品を基板上に高密度実装することが可能な回路基板としてプリント基板が広く用いられている。
一方、電子機器の使用環境の多様化に伴い、回路基板の電流容量の増大、すなわち大電流化が求められている。回路基板を大電流化する方法として、予め回路の状態に加工された金属部材を用いて大電流用回路(厚銅回路等)を作製する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2014/99574号
特許文献1に記載の方法では、大電流化と放熱性を付与するため、回路の状態に加工された金属板とヒートスプレッダの間に絶縁層を配置して、積層構造体の基板を一旦形成する。その後、隣接する回路の間を樹脂で充填する。しかしながらこの方法では、板状ではないリードフレームを一括で絶縁層に貼り付ける手法で回路基板を形成するため、貼り付けのための加圧力のムラによる位置ずれを生じやすい。また、加圧時に絶縁層にかかる圧力が均一となりにくく、絶縁層の盛り上がりが生じたりする結果、高信頼性が要求される金属基板の絶縁性に不安がある。
一方、発明者らは、大電流用回路の絶縁信頼性をより向上させる方法として、回路及び当該回路間に配置される保護材からなる保護材付き回路を作製し、基板となる金属板と当該保護材付き回路との間に絶縁層を成形して回路基板を作製する方法を考案した。このとき、絶縁信頼性を向上させるためには、基板と絶縁層に用いられる樹脂との密着性が高いことが望ましい。一方、基板と絶縁層に用いられる樹脂との密着性が高いと、絶縁層を成形した後に基板に付着した不要な樹脂を除去することが困難となり、後工程における回路基板の取扱いに影響する。
かかる状況に鑑みて、本開示は、絶縁信頼性に優れる回路基板を作製可能であり、絶縁層の成形時に不要な樹脂を簡便に除去できる回路基板の製造方法、これに用いられる基板、及び当該基板を用いた回路基板を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 対向する保護材付き回路と基板との間の空間に、流路を通して樹脂組成物を導入し、前記空間を前記樹脂組成物の硬化物で封止する工程を含み、
前記保護材付き回路は、回路と、前記回路の間に配置された保護材とを有し、
前記封止する工程において、前記基板の一部は前記流路に面しており、
前記基板は、前記保護材付き回路と対向する領域である第一の領域と、前記流路に面する領域の少なくとも一部である第二の領域とを有し、
前記封止する工程において、前記第二の領域における前記硬化物に対する接着性は、前記第一の領域における前記硬化物に対する接着性よりも低い、
回路基板の製造方法。
<2> 前記封止する工程の前に、前記第一の領域に粗化処理が施され前記第二の領域に粗化処理が施されないようにパターニングによる粗化処理が行われる、<1>に記載の回路基板の製造方法。
<3> 前記パターニングが、前記第二の領域が感光性樹脂でマスキングされた前記基板に粗化処理を施すことによって行われる、<2>に記載の回路基板の製造方法。
<4> 前記封止する工程の前に、予め粗化処理又は接着助剤による表面処理が施された基板の前記第二の領域に離型処理を施す工程をさらに含む、<1>に記載の回路基板の製造方法。
<5> 前記離型処理が、離型フィルム又は離型剤の付与によって行われる、<4>に記載の回路基板の製造方法。
<6> 前記離型処理が、前記基板の前記第一の領域をマスキングして前記第二の領域を含むように離型剤を付与することによって行われる、<4>に記載の回路基板の製造方法。
<7> 前記封止する工程の前に、前記基板の前記第二の領域に接着助剤を付与せずに、前記基板の前記第一の領域に接着助剤を付与する工程をさらに含む、<1>に記載の回路基板の製造方法。
<8> 前記封止する工程の後に、前記基板の前記流路に面していた領域上に存在する前記硬化物を除去する工程をさらに含む、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
<9> 前記回路の厚さが350μm以上である、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
<10> 平面視したときに、主面の一部を占める第一の領域と、主面の外周と前記第一の領域との間の領域の少なくとも一部を占める第二の領域と、を有し、
前記第二の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性が、前記第一の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性よりも低い、回路基板を製造するための基板。
<11> 前記第一の領域の表面粗さ(Rz)が、前記第二の領域の表面粗さ(Rz)より大きい、<10>に記載の基板。
<12> 前記第一の領域に粗化処理又は接着助剤による表面処理が施されており、前記第二の領域に離型処理が施されている、<10>に記載の基板。
<13> 前記離型処理が、離型フィルム又は離型剤の付与である、<12>に記載の基板。
<14> <11>に記載の基板と、絶縁層と、保護材付き回路と、がこの順に積層されてなる回路基板。
本開示によれば、絶縁信頼性に優れる回路基板を作製可能であり、絶縁層の成形時に不要な樹脂を簡便に除去できる回路基板の製造方法、これに用いられる基板、及び当該基板を用いた回路基板が提供される。
回路基板の製造方法に用いる金型の具体例を表す斜視図である。 基板の全面に接着性を向上する表面処理を行って回路基板を作製する場合の回路基板の具体例を示す断面図である。 基板の第一の領域及び第二の領域の一例を説明する平面図である。 基板の第一の領域及び第二の領域の一例を説明する平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。また、実質的に同一の機能を有する部材には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
≪回路基板の製造方法≫
本開示の一実施形態における回路基板の製造方法は、対向する保護材付き回路と基板との間の空間に、流路を通して樹脂組成物を導入し、前記空間を前記樹脂組成物の硬化物で封止する工程を含み、
前記保護材付き回路は、回路と、前記回路の間に配置された保護材とを有し、
前記封止する工程において、前記基板の一部は前記流路に面しており、
前記基板は、前記保護材付き回路と対向する領域である第一の領域と、前記流路に面する領域の少なくとも一部である第二の領域とを有し、
前記封止する工程において、前記第二の領域における前記硬化物に対する接着性は、前記第一の領域における前記硬化物に対する接着性よりも低い。
本開示において、「対向する保護材付き回路と基板との間の空間に、流路を通して樹脂組成物を導入し、前記空間を前記樹脂組成物の硬化物で封止する工程」を封止工程ということがある。また、封止工程により形成された、保護材付き回路と基板との間の硬化物を「絶縁層」ということがある。また、樹脂組成物の硬化物を単に「硬化物」又は「樹脂硬化物」ということがある。また、「硬化物に対する接着性」を単に「接着性」ということがある。
本実施形態の回路基板の製造方法によれば、絶縁性に優れる回路基板を得ることができる。この理由としては、保護材付き回路と基板との間に樹脂組成物を導入して絶縁層を成形するため、基板と絶縁層、及び回路と絶縁層の接着性が向上し剥離が抑制されるものと推測される。また、基板の流路に面する領域の接着性が低くなっていることから、絶縁層の成形を行った後に、付着した不要な樹脂の除去が容易となる。
<1.封止工程>
封止工程では、対向する保護材付き回路と基板との間の空間に、流路を通して樹脂組成物を導入し、前記空間を前記樹脂組成物の硬化物で封止する。このとき、基板の一部は流路に面している。
「基板の一部が流路に面している」とは、封止工程において樹脂組成物を保護材付き回路と基板との間に導入する際に、樹脂組成物が「保護材付き回路と基板との間の空間」に到達するまでの流路に、基板が面していることを意味する。
封止工程における具体的態様を、図1を用いて説明する。図1は、封止工程における保護材付き回路6(保護材2及び回路4を含む)、基板8、及び金型(上型10及び下型12を含む)の配置を表す概略斜視図である。図1において、上型10は基板8と接して配置され、下型12には保護材付き回路6が嵌め込まれている。この状態で、上型10及び下型12を、基板8を挟んで接合させると、保護材付き回路6と基板8との間に空間が形成される。樹脂組成物を、流入口14を通して保護材付き回路6と基板8との間の空間に導入する。このとき、基板8の一部は、流路14に面するように配置されている。なお、上型10及び下型12は図1の態様に限定されず、例えば上下を入れ替えた構成としてもよい。
本開示の実施形態とは異なる態様として、片面全面に樹脂硬化物との接着性を向上させるための表面処理を行った基板8を用いる場合の、封止後の回路基板100の概略断面図を図2に示す。図2は、図1の金型を用いて封止を行って作製された回路基板のA−A’線断面図である。基板8には、予め接着性を向上させるための表面処理が施された表面処理層16が設けられている。保護材付き回路6と基板8との間の空間を樹脂硬化物で封止して絶縁層18を成形すると、樹脂組成物の流路となる領域に余分の硬化物20が残存する。しかしながら、基板8上に接着性の高い表面処理層16が存在するため、基板8から余分の硬化物20を除去することが困難になる。余分の硬化物20が残存してしまうと、後工程において部材を配置したり、さらなる封止を行ったりする場合に、取扱い性が低下する可能性がある。
一方、本実施形態の回路基板の製造方法によれば、封止工程において基板の第二の領域の接着性が第一の領域の接着性より低いため、封止後に基板上の余分の硬化物を容易に除去することができ、後工程における取扱い性を向上させることができる。
封止方法は特に制限されず、トランスファー成形、射出成形等によって行ってよい。なかでも、絶縁信頼性をより向上する観点から、トランスファー成形であることが好ましい。トランスファー成形の条件は特に制限されず、例えば、成形温度150℃〜200℃、成形圧力5MPa〜10MPa、及び成形時間1分〜10分の条件にて行うことができる。
以下、封止工程において用いられる各部材及び材料、並びに形成される絶縁層について説明する。
〔基板〕
基板は、回路基板としたときに絶縁層を間に挟んで保護材付き回路と接着する支持体である。基板の材質は特に制限されず、銅、アルミニウム、タングステン銅、モリブデン銅等の銅合金、ニッケルめっき銅などの金属が挙げられる。基板の種類は特に制限されず、ヒートスプレッダ等の放熱機能を有する部材、空気又は水の流路を持ったケースなどであってもよい。
基板は、封止工程において、第二の領域における硬化物に対する接着性が第一の領域における硬化物に対する接着性よりも低くなるように構成されている。ここで第一の領域とは、基板の保護材付き回路と対向する領域、すなわち回路基板を作製したときに絶縁層を間に挟んで保護材付き回路と接着する領域である。第二の領域とは、封止工程において基板が樹脂組成物の流路に面する領域の少なくとも一部である。
以下、第一の領域と第二の領域の具体例を、図3を参照して説明する。図3は本実施形態における基板の一例を表す平面図である。図3において、符号aは回路基板としたときに基板8が保護材付き回路6と対向する領域、すなわち第一の領域である。符号bは、封止工程において基板8が流路に面する領域であり、第二の領域である。第二の領域bは流路に面する領域の全体であってもよく、一部であってもよい。回路基板としたとき、保護材付き回路6は絶縁層18を間に挟んでその底面全体が基板8に接着された状態となることが好ましい。この場合、図3に例示されるように、基板8を平面視したときに第一の領域aは基板8の主面より一回り小さい領域となり、第二の領域bは第一の領域aと基板の外周との間の領域の一部となる。
第二の領域は、流路に面する領域の面積の50%以上を占めていてもよく、70%以上を占めていることが好ましく、90%以上を占めていることがより好ましく、100%を占めていることがさらに好ましい。また、第二の領域は、流路に面する領域の一部を含んでいる限り、流路に面する領域及び第一の領域以外の領域を含んでいてもよい。例えば、図4に示すように、第二の領域bは、基板8の主面のうち、第一の領域a以外の全域を占めていてもよい。また、第二の領域bは、基板8の主面のうち、第一の領域a以外の領域の面積の80%以上を占めていてもよく、第一の領域a以外の領域の60%以上を占めていてもよい。
本開示において、第一の領域は基板の保護材付き回路と対向する領域であるが、基板の保護材付き回路と対向する領域の全域である必要は必ずしもない。例えば、本開示の目的を達成し得る限り、基板の保護材付き回路と対向する領域の一部であってもよく、例えば基板の保護材付き回路と対向する領域の面積の80%以上を占める領域であってもよく、90%以上を占める領域であってもよく、95%以上を占める領域であってもよい。回路基板と絶縁層との剥離を抑制し、絶縁信頼性を向上させる観点からは、第一の領域は、基板の保護材付き回路と対向する領域の全域であることが好ましい。
本実施形態の回路基板の製造方法では、予め第一の領域の接着性よりも第二の領域の接着性が低くなるように処理されている基板を準備して用いてもよく、そのような状態になるように作製した基板を用いてもよい。第一の領域の接着性よりも第二の領域の接着性が低くなるように基板を処理する方法は特に制限されない。好適には、部分的に、接着性を向上させるための表面処理、離型処理(易剥離処理)等を単独で又は組み合わせて行う方法が挙げられる。
接着性を向上させるための表面処理の方法は特に制限されず、例えば、粗化処理、接着助剤の付与等が挙げられる。
基板を粗化処理する方法は特に制限されず、物理的な方法で行っても、化学的な方法で行ってもよい。具体的には、物理的な方法として、やすりがけ、サンドブラスト処理、レーザー照射、フライス加工等が挙げられる。化学的な方法としては、マグダミット処理、CZ処理、黒化処理、エッチング処理等が挙げられる。粗化処理は、いずれか1種の方法により行っても、2種以上を組み合わせてもよい。2種以上を組み合わせる場合は、物理的な方法と化学的な方法を組み合わせて行っても、化学的な方法同士を組み合わせて行っても、物理的な方法同士を組み合わせて行ってもよい。
接着助剤としては、ポリイミド誘導体、ポリアミドイミド誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、イソシアネート誘導体等の窒素系化合物;チオール誘導体、スルフィド誘導体などが挙げられる。
離型処理の方法は特に制限されず、離型フィルム又は離型剤の付与等が挙げられる。
離型剤としては、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、鉱油系又は合成油系離型剤、乳化剤系離型材等が挙げられる。離型剤の付与方式は特に制限されず、スプレー法、スピンコート法、刷毛塗り、内部添加等が挙げられる。簡便性の観点からはスプレー法が好ましい。
離型フィルムとしては、テフロン(登録商標)フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルム;アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、これらの金属の合金箔等の金属箔(アルミ合金箔等)などが挙げられる。これらの樹脂フィルム又は金属箔に離型剤による離型処理が施されたものであってもよい。
以下に、第一の領域の接着性よりも第二の領域の接着性が低くなるように基板を処理する方法の具体例を説明する。
一態様において、封止工程の前に、基板の第一の領域に粗化処理が施され前記第二の領域に粗化処理が施されないようにパターニングによる粗化処理を行なってもよい。当該パターニングは、例えば、第二の領域が感光性樹脂でマスキングされた基板に粗化処理を施すことによって行ってもよい。粗化処理を行った後に感光性樹脂を除去することによって未処理の領域が形成される。
別の一態様において、封止工程の前に、予め粗化処理又は接着助剤による表面処理が施された基板の第二の領域に離型処理を施してもよい。このとき、第二の領域の離型処理は、離型フィルム又は離型剤の付与によって行ってもよい。また、離型処理は、基板の第一の領域をマスキングして、第二の領域を含むように離型剤を付与することによって行ってもよい。この態様によれば、簡便に、第一の領域の接着性よりも第二の領域の接着性が低くなるように基板を処理することが可能である。
別の一態様において、封止工程の前に、基板の第二の領域に接着助剤を付与せずに、基板の第一の領域に接着助剤を付与することによって基板を準備してもよい。
第一の領域の接着性よりも第二の領域の接着性が低いことは、以下の接着力試験によって確認することができる。以下の接着力試験において、硬化物は封止工程で用いる樹脂組成物を用いて成形する。
評価対象となる基板に、底面積10mm×高さ3mmの円錐台状の硬化物をプレス機(例えば、東邦インターナショナル社製、TF15)にて成型する。成形条件は、175℃×120秒、型締め圧1962MPa、トランスファー圧686.7MPaとする。さらに、この試験片を175℃で5時間加熱して後硬化を行う。その後、ボンドテスター(例えば、Dage4000(Dage社製))により基板に対する硬化物のせん断接着力を測定する。一回の成形及び測定に、6個の試験片を作製して測定し、その平均値をせん断接着力とする。なお、せん断接着力を測定する際、測定台の温度は25℃とする。得られたせん断接着力に基づき、第一の領域の接着性と第二の領域の接着性を比較する。
〔保護材付き回路〕
保護材付き回路は、回路と回路の間に配置された保護材を有する。保護材付き回路は回路間に保護材を有することから一体化された状態で扱うことができ、取扱いが容易である。また、保護材付き回路を使用すると、絶縁層を介して基板上に載置する際に回路のずれを抑制できることができ、絶縁性が向上する傾向にある。
(回路)
本開示において回路は、回路の形状に加工されたものをいう。回路は購入したものであっても作製したものであってもよい。回路は、例えば、金属板を所望の形状の回路の状態に加工することで得られる。加工の方法は特に制限されず、打抜き、切削等の公知の方法から選択できる。回路は、加工の便宜に応じて、例えば、回路の周囲に外枠を有する形状に加工されたものであってもよく、外枠のない形状に加工されたものであってもよい。
回路の材質は特に制限されず、銅、銀、クロム銅、タングステン銅、ニッケル、ニッケルメッキ銅、アルミニウム、アルマイトに表面修飾したアルミニウム等が挙げられる。導電性の観点からは、銅を含むことが好ましい。
回路の厚さは特に制限されず、これを用いて製造される回路基板の用途等によって適宜選択してよい。回路基板の大電流化の観点からは、回路の厚さは350μm以上であることが好ましく、500μm以上であることがより好ましく、1000μm以上であることがさらに好ましい。容積及び重量の観点からは、回路の厚さは、例えば、5000μm以下であってよい。回路の場所によって上記の値が異なる場合は、回路の最大厚みを上記の値とする。
回路の幅及び長さは特に制限されず、これを用いて製造される回路基板の用途等に応じて選択できる。例えば、350μm〜70000μmの範囲から選択してよい。
(保護材)
保護材は回路の間に配置される。「回路の間」とは、加工された金属板を回路の形状に配置したときの、回路の内側の空間を表す。保護材は必要に応じて回路の外縁部に配置されていてもよい。
保護材は、回路を構成する複数の金属部材が保持される態様であれば、回路の間の空間の全てに配置されても一部に配置されてもよい。回路の間に配置される保護材の割合は、回路の形状、回路基板の作製条件によって異なってもよく、特に制限されない。絶縁信頼性をより向上させる観点からは、回路の間の空間全体の容積に占める保護材の割合は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
保護材の厚さは、回路の厚さと同じであっても異なってもよい。本実施形態の回路基板の製造方法によれば、基板と保護材付き回路との間の空間に樹脂組成物を導入して絶縁層を形成するため、回路の厚さと保護材の厚さが異なることによって保護材付き回路に凹凸が生じていても、好適に絶縁層を形成し、絶縁信頼性を担保できる傾向にある。保護材の厚さは回路の厚さの80%〜120%であることが好ましく、90%〜110%であることがより好ましく、95%〜105%であることがさらに好ましい。保護材の場所によって上記の値が異なる場合は、任意に選択した5箇所で得られた測定値の算術平均値を上記の値としてもよい。
保護材は、回路の間の空間に加えてさらに回路の外側に配置されていてもよい。この場合、保護材は回路の間の空間に加えてさらに回路の周囲に配置されていることが好ましい。保護材が回路の周囲にも配置されていると、保護材と回路との接着性が向上し、剥離が抑制される傾向にある。
回路の取り扱い性の観点からは、保護材は回路と一体化した状態であることが好ましい。すなわち、保護材付き回路を一枚のシートとして扱うことができることが好ましい。例えば、保護材付き回路における保護材が、回路の間の空間から外縁部まで連続して設けられた状態であることが好ましい。保護材付き回路における回路と保護材が一体化した状態であると、得られる回路の絶縁信頼性及び耐湿信頼性に優れ、沿面放電、部分放電、トラッキング、マイグレーション等の発生が抑制される傾向にある。
回路は、粗化処理されていてもよい。例えば、回路が絶縁層と接する側の面が少なくとも粗化処理されていると、絶縁層と充分に接着できる状態とすることができる。具体的には、回路の絶縁層と接する側の面を粗化し、アンカー効果による引き抜き力を向上させるか密着面積を増大させることで、ファンデルワールス力による密着性を向上することができると考えられる。
回路を粗化処理する方法は特に制限されず、物理的な方法で行っても、化学的な方法で行ってもよい。例えば、回路の材質が銅であれば、物理的な方法としては、やすりがけ、サンドブラスト処理、レーザー照射、フライス加工等が挙げられる。化学的な方法としては、マグダミット処理、CZ処理、黒化処理、エッチング処理等が挙げられる。粗化処理は、いずれか1種の方法により行っても、2種以上を組み合わせてもよい。2種以上を組み合わせる場合は、物理的な方法と化学的な方法を組み合わせて行っても、化学的な方法同士を組み合わせて行っても、物理的な方法同士を組み合わせて行ってもよい。
保護材の材質は特に制限されず、樹脂組成物又はその硬化物であることが好ましい。保護材が樹脂組成物又はその硬化物である場合、樹脂組成物は特に制限されない。樹脂組成物は例えばフィラーを含んでいてもよい。特に、保護材は樹脂組成物のトランスファー成形体であることが好ましい。
保護材が樹脂組成物又はその硬化物である場合、保護材に用いる樹脂は、特に制限されない。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。保護材に用いる樹脂は、1種であっても2種以上であってもよい。電気絶縁性と接着性の観点からは、保護材に用いる樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アミドイミド樹脂及びウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、耐湿性の観点からはエポキシ樹脂、アクリル樹脂及びアミドイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。保護材に用いる樹脂は、1種のみでも2種以上であってもよい。
なかでも、樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、フィラーとを含有するエポキシ樹脂組成物であることが好ましい。
絶縁性保持の観点からは、保護材の線膨張率は、10ppm/K〜50ppm/Kであることが好ましく、12ppm/K〜45ppm/Kであることがより好ましい。
保護材の線膨張率は、熱機械分析法によりサンプルの歪みを温度に対してプロットした場合の接線の傾きであり、サンプルのガラス転移温度以下の温度領域により測定される値である。
保護材付き回路の作製方法は特に制限されない。例えば、以下のようにして作製することができる。
まず、銅版を打抜き、切削等により切断して所望の形状の回路の状態に加工する。次いで、粘着フィルム等の仮基材の上に作製した回路を配置する。必要に応じて回路形成の際に生じたバリ、残渣等を除去してもよい。その後、回路の間の空間及び必要に応じて回路の外縁部に保護材を形成し、必要に応じて硬化処理等を行う。その後、回路から仮基材を剥離する。次いで、必要に応じて保護材の形成時に生じたバリの除去、樹脂の後硬化処理等を行って、回路を得る。
回路の間の空間に保護材を配置する方法は、特に制限されない。例えば、粉末等の固体状の樹脂材料を用いる方法として押出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法、インサート成形方法等が挙げられ、液状の樹脂材料を用いる方法として注型法、塗布法、印刷法、埋め込み法等が挙げられる。回路の間の空間に保護材を配置する際は、回路を樹脂シート等の仮基材上に配置してもよい。特に、トランスファー成形法により保護材を回路に配置すると、回路間に空隙なく保護材を配置することができるため、回路との密着性が向上し、回路と保護材との界面におけるボイド等を抑制することができる傾向にある。そのため、絶縁信頼性が向上する傾向にある。成形時の金型の温度は特に制限されず、150℃〜200℃としてもよい。
保護材は成形後、金型から外した状態の成形物をそのまま使用してもよく、必要に応じてオーブン等で加熱することにより後硬化してから使用してもよい。
成形物を加熱により後硬化すると、成形硬化物が得られる。成形物の加熱条件は、保護材に含有される成分の種類及び量に応じて適宜選択することができる。例えば、成形物の加熱温度は130℃〜200℃が好ましく、150℃〜180℃がより好ましい。成形物の加熱時間は、1時間〜10時間が好ましく、2時間〜6時間がより好ましい。
〔金型〕
金型の構造は、対向する保護材付き回路と基板との間の空間に、流路を通して樹脂組成物を導入することが可能であり、基板の一部が流路に面するような配置とすることが可能な構成であればよく、特に限定されない。
〔樹脂組成物〕
樹脂組成物の組成は特に制限されない。例えば、熱硬化性樹脂、硬化剤、フィラー、及び必要に応じてその他の成分を含有する樹脂組成物を用いてもよい。樹脂組成物は常温(25℃)で個体であっても液状であってもよい。本開示において、樹脂組成物が「液状である」とは、常温(25℃)における粘度が10Pa・s以下であることを意味する。樹脂組成物の粘度は、E型粘度計(例えば、東機産業株式会社、TV−33)を用いて5回転/分(rpm)で測定される値とする。
熱硬化性樹脂の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂等が挙げられる。電気絶縁性と接着性の観点からは、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アミドイミド樹脂及びウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、耐湿性の観点からはエポキシ樹脂、アクリル樹脂及びアミドイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物に含まれてもよい硬化剤の種類は特に制限されず、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、メルカプタン系硬化剤等の重付加型硬化剤、イミダゾール等の潜在性硬化剤などが挙げられる。耐熱性及び密着性の観点からは、アミン系硬化剤又はフェノール系硬化剤が好ましい。保存安定性の観点からは、フェノール系硬化剤が好ましい。硬化剤は1種を単独で用いても2種類以上を併用して用いてもよい。
樹脂組成物に含まれてもよいフィラーの材質は特に制限されず、熱伝導性フィラーであることが好ましい。フィラーは非導電性であっても導電性であってもよい。非導電性のフィラーを使用すると、絶縁性の低下を抑制できる傾向にある。また導電性のフィラーを使用すると絶縁層の熱伝導性がより向上する傾向にある。
非導電性のフィラーとして具体的には、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリカ(酸化ケイ素)、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。また導電性のフィラーとしては、金、銀、ニッケル、銅等が挙げられる。なかでも熱伝導率の観点から、フィラーは、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム及びシリカ(酸化ケイ素)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、窒化ホウ素及び酸化アルミニウム(アルミナ)からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。フィラーは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、「フィラーを2種類以上併用する」とは、例えば、同じ成分で平均粒子径が異なるフィラーを2種類以上用いる場合、平均粒子径が同じで成分の異なるフィラーを2種類以上用いる場合並びに平均粒子径及び種類の異なるフィラーを2種類以上用いる場合が挙げられる。
フィラーの形状は特に限定されず、粉状、球状、繊維状等が挙げられる。成形時の流動性及び金型摩耗性の点からは、球形が好ましい。
樹脂組成物に含まれてもよいその他の成分としては、硬化促進剤、シランカップリング剤、応力緩和剤、着色剤、難燃剤、消泡剤等が挙げられる。樹脂組成物に含まれてもよい各成分は、それぞれ、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
〔絶縁層〕
絶縁層は、封止工程において保護材付き回路と基板との間に成形される樹脂層である。
封止工程において成形される絶縁層の熱伝導率は特に制限されず、3W/(m・K)以上であることが好ましく、5W/(m・K)以上であることがより好ましく、6W/(m・K)以上であることがさらに好ましい。熱伝導率の上限は特に限定されず、例えば15W/(m・K)以下であってもよい。
絶縁層の熱伝導率は以下のように測定される。キセノンフラッシュ法(例えば、NETZSCH社の商品名:LFA447 nanoflash)にて絶縁層の熱拡散率を評価する。この値と、アルキメデス法で測定した密度と、DSC(示差走査熱量測定装置;例えば、Perkin Elmer社の商品名:DSC Pyris1)にて測定した比熱との積から、絶縁層の熱伝導率を求める。
封止工程において成形される絶縁層の厚さは特に制限されず、例えば、10μm〜1000μmであることが好ましく、30μm〜800μmであることがより好ましく、50μm〜500μmであることがさらに好ましい。絶縁層の厚さが1000μm以下であると、充分な放熱性を担保しやすい傾向にある。絶縁層の厚さが10μm以上であると、充分な絶縁性を担保しやすい傾向にある。
<2.その他の工程>
本実施形態の回路基板の製造方法は、封止工程以外に、その他の工程を含んでいてもよい。
例えば、本実施形態の回路基板の製造方法は、前述のように、基板の第一の領域における硬化物に対する接着性よりも基板の第二の領域における硬化物に対する接着性が低くなるように、基板を作製する工程を含んでいてもよい。
また、本実施形態の回路基板の製造方法は、封止工程の後に、基板の流路に面していた領域上に存在する硬化物を除去する工程をさらに含んでいてもよい。本実施形態の回路基板の製造方法によれば、流路に面していた領域上に存在する硬化物を簡便に除去することができる。したがって、後工程における取扱いが容易となる傾向にある。
さらに、本実施形態の回路基板の製造方法は、封止工程の後に、基板上の離型剤又は離型フィルムを除去する工程等をさらに含んでいてもよい。離型剤を除去する方法としては、酸洗浄、溶剤洗浄、レーザーエッチング、サンドブラスト等が挙げられる。
≪基板≫
本開示の一実施形態における基板は、回路基板を製造するために用いられ、平面視したときに、主面の一部を占める第一の領域と、主面の外周と前記第一の領域との間の領域の少なくとも一部を占める第二の領域と、を有し、前記第二の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性が、前記第一の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性よりも低い。
本実施形態の基板において第一の領域の表面粗さ(Rz)は第二の領域の表面粗さ(Rz)より大きくてもよい。基板の表面粗さ(Rz)は、表面粗さ測定装置(例えば、形状解析レーザ顕微鏡 VK−X1000(株式会社キーエンス))により測定することができる。
第一の領域の表面粗さ(Rz)は、0.05μm〜10.0μmであることが好ましく、0.1μm〜5.0μmであることがより好ましく、0.5μm〜3.0μmであることがさらに好ましい。第二の領域の表面粗さ(Rz)は、第一の領域の表面粗さ(Rz)と同程度であるか、第一の領域の表面粗さ(Rz)より小さいことが好ましい。
本実施形態の基板は、第一の領域に粗化処理又は接着助剤による表面処理が施されており、第二の領域に離型処理が施されている基板であってもよい。粗化処理又は接着助剤による表面処理、及び離型処理の詳細は、前述の回路基板の製造方法において述べた方法が適用できる。
エポキシ樹脂硬化物としては、エポキシ樹脂、硬化剤、フィラー、及び必要に応じてその他の成分を含有する樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。樹脂組成物に含有される硬化物、フィラー、及びその他の成分の詳細は前述の回路基板の製造方法における保護材付き回路と基板との間の空間に導入される樹脂組成物の詳細が適用できる。
第一の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性が、前記第二の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性よりも低いか否かは、エポキシ樹脂硬化物を用いた先述の接着力試験によって確認することができる。
本実施形態の基板の材質及び構造の詳細は、前述の回路基板に製造方法において、封止工程前に準備される基板の詳細を適用することができる。
本実施形態における基板は、前述の回路基板の製造方法に用いてもよい。本実施形態における基板を、前述の回路基板の製造方法に用いる場合、「主面の一部を占める第一の領域」は、前述の回路基板の製造方法における第一の領域、すなわち基板が保護材付き回路と対向する領域に相当する。また、同様に、「主面の外周と第一の領域との間の領域の少なくとも一部を占める第二の領域」は、前述の回路基板の製造方法における第二の領域、すなわち基板が流路に面する領域の少なくとも一部に相当する。
≪回路基板≫
本開示の一実施形態における回路基板は、上記基板と、絶縁層と、保護材付き回路と、がこの順に積層されてなる。本実施形態の回路基板は、第二の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性が、第一の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性よりも低い基板を用いているため、回路基板としたときに不要な樹脂を充分に除去することができ、取扱いに優れる傾向にある。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[エポキシ樹脂組成物の調製]
下記に示す成分を表1に示す配合量(質量部)で量り取り、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダーで混練し、冷却し、粉砕して、実施例と比較例のエポキシ樹脂組成物を調製した。
・エポキシ樹脂1…ビスフェノールF型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学株式会社、品名「
YSLV−70XY」)
・エポキシ樹脂2…ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱ケミカル株式会社、品名「YX−4000」)
・硬化剤1…多官能フェノール樹脂、エア・ウォーター株式会社、品名「HE910」
・硬化促進剤…リン系硬化促進剤
・カップリング剤…シランカップリング剤、信越化学工業株式会社、品名「KBM−573」
・無機充填材1…D50体積平均粒子径14.9μmのアルミナ粒子
・無機充填材2…D50体積平均粒子径2.0μmのアルミナ粒子
・無機充填材3…D50体積平均粒子径0.4μmのアルミナ粒子
・離型剤…モンタン酸エステル(リコワックスE、クラリアントジャパン株式会社製)
・着色剤:カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社、商品名MA−100)
(実施例1)
厚さ3.0mmの銅基板にドライフィルムレジスト(DFR、商品名;RY3315、日立化成株式会社製)を真空ラミネーターにより、0.2MPaの圧力で70℃の条件にてラミネートした。ラミネート後、回路基板としたときに銅基板が保護材付き回路と対向する領域である第一の領域(図4の第一の領域aに相当)をマスクし、中心波長365nmの露光機にて、70mJ/cmの条件でマスク露光した。その後、1%重曹水溶液にて現像して、水洗を行い、銅基板上の第一の領域以外の領域である第二の領域(図4の第二の領域bに相当)にレジストを有するレジストパターンを得た。得られた銅基板を脱脂液(NaOH水溶液 50g/L)で1分間浸漬し、十分に水洗を行った。
その後、1次粗化処理として、75重量%硫酸水溶液80ml/L、35重量%過酸化水素水60ml/L、5−アミノテトラゾール2g/L及び1,2,3−ベンゾトリアゾール3g/Lを溶解した化学粗化液に30℃で1分間浸漬した。
続いて、2次粗化液として75重量%硫酸水溶液80ml/L、35重量%過酸化水素水60ml/L、5−アミノテトラゾール2g/L及び1,2,3−ベンゾトリアゾール3g/Lを溶解してなる化学粗化液に30℃で1分間浸漬し水洗した。
続いて、剥離液を用いて、第二の領域のレジストパターンを除去した後、処理温度120℃で1分間遠赤外乾燥させ、第一の領域のみに粗化処理された銅基板を得た。
(実施例2)
厚さ3.0mmの銅基板の一面に、刷毛を用いて、HIMAL(HL−1210−H0001、日立化成株式会社製、ポリアミドイミド系樹脂のN−メチル−2−ピロリドン40質量%/エチレングリコールモノブチルエーテル60質量%混合溶媒溶液)を塗布した。その後、100℃のホットプレート上で5分加熱し、さらに200℃のホットプレート上で1時間加熱し、塗布膜から溶媒を乾燥させて厚さ5μmの接着層を形成した。得られた接着層付き銅基板上に、後述のトランスファー成形において流路に面する領域である第二の領域(図3の第二の領域bに相当)にのみ開口部を設けたマスクを付設し、ダイフリー GA−7500(ダイキン工業株式会社製)をスプレーした。これを70℃で乾燥することによって、第二の領域に離型剤を付設した。
(実施例3)
厚さ3.0mmの銅基板を用いて、実施例1と同様の方法で、銅基板の全面に粗化処理を施した。得られた銅基板上に、後述のトランスファー成形において流路に面する領域である第二の領域(図3の第二の領域bに相当)にのみ開口部を設けたマスクを付設し、ダイフリー GA−7500(ダイキン工業株式会社製)をスプレーした。これを70℃で乾燥し、離型剤を付設し、第一の領域に粗化処理、第二の領域に離型処理された銅基板を得た。
(実施例4)
銅基板上の、後述のトランスファー成形において流路に面する領域である第二の領域(図3の第二の領域bに相当)にカプトンテープを付設した銅基板を作製した。得られた基銅基板の、カプトンテープを付設した面に、実施例2と同様に、接着層を形成した。続いて、第二の領域に付設したカプトンテープを除去した後、処理温度120℃で1分間遠赤外乾燥させ、第二の領域以外に接着層が形成された銅基板を得た。
(比較例1)
第二の領域にレジストパターンを付設しないこと以外は実施例1と同様にして、全面に粗化処理をした基板を作製した。
(比較例2)
第二の領域に離型剤を付設しないこと以外は、実施例2と同様にして、全面に接着層を形成した基板を作製した。
〔離型性の評価〕
回路と、当該回路の間に配置された保護材とを有する保護材付き回路を準備した。実施例1〜4及び比較例1、2の基板と保護材付き回路とを図1に示す構成で積層し、トランスファー成形機を用いて、空隙にエポキシ樹脂組成物を流し込み一体化することで回路基板を作製した。得られた回路基板の、流路に面していた領域に残る余分の硬化物が、金型離型時に自然に脱落するか、又は第一の領域との境界を切断するだけで容易に除去できるものをA、当該余分の硬化物と銅基板が接着し剥離が困難なものをBとした。
2 保護材
4 回路
6 保護材付き回路
8 基板
10 上型
12 下型
14 流路
16 表面処理層
18 絶縁層
20 余分の硬化物
100 回路基板
a 第一の領域
b 第二の領域

Claims (14)

  1. 対向する保護材付き回路と基板との間の空間に、流路を通して樹脂組成物を導入し、前記空間を前記樹脂組成物の硬化物で封止する工程を含み、
    前記保護材付き回路は、回路と、前記回路の間に配置された保護材とを有し、
    前記封止する工程において、前記基板の一部は前記流路に面しており、
    前記基板は、前記保護材付き回路と対向する領域である第一の領域と、前記流路に面する領域の少なくとも一部である第二の領域とを有し、
    前記封止する工程において、前記第二の領域における前記硬化物に対する接着性は、前記第一の領域における前記硬化物に対する接着性よりも低い、
    回路基板の製造方法。
  2. 前記封止する工程の前に、前記第一の領域に粗化処理が施され前記第二の領域に粗化処理が施されないようにパターニングによる粗化処理が行われる、請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記パターニングが、前記第二の領域が感光性樹脂でマスキングされた前記基板に粗化処理を施すことによって行われる、請求項2に記載の回路基板の製造方法。
  4. 前記封止する工程の前に、予め粗化処理又は接着助剤による表面処理が施された基板の前記第二の領域に離型処理を施す工程をさらに含む、請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  5. 前記離型処理が、離型フィルム又は離型剤の付与によって行われる、請求項4に記載の回路基板の製造方法。
  6. 前記離型処理が、前記基板の前記第一の領域をマスキングして前記第二の領域を含むように離型剤を付与することによって行われる、請求項4に記載の回路基板の製造方法。
  7. 前記封止する工程の前に、前記基板の前記第二の領域に接着助剤を付与せずに、前記基板の前記第一の領域に接着助剤を付与する工程をさらに含む、請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  8. 前記封止する工程の後に、前記基板の前記流路に面していた領域上に存在する前記硬化物を除去する工程をさらに含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  9. 前記回路の厚さが350μm以上である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  10. 平面視したときに、主面の一部を占める第一の領域と、主面の外周と前記第一の領域との間の領域の少なくとも一部を占める第二の領域と、を有し、
    前記第二の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性が、前記第一の領域におけるエポキシ樹脂硬化物に対する接着性よりも低い、回路基板を製造するための基板。
  11. 前記第一の領域の表面粗さ(Rz)が、前記第二の領域の表面粗さ(Rz)より大きい、請求項10に記載の基板。
  12. 前記第一の領域に粗化処理又は接着助剤による表面処理が施されており、前記第二の領域に離型処理が施されている、請求項10に記載の基板。
  13. 前記離型処理が、離型フィルム又は離型剤の付与である、請求項12に記載の基板。
  14. 請求項11に記載の基板と、絶縁層と、保護材付き回路と、がこの順に積層されてなる回路基板。
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