JP2020194696A - ヒータおよびカメラモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 レンズを短時間で均等に加熱できるヒータを提供する。【解決手段】 貫通孔11を有する板状の絶縁基体10と、該絶縁基体の内部のヒータ線20と、前記絶縁基体10の表面上の第1端子電極31および第2端子電極32と、を備えており、前記ヒータ線20は、前記貫通孔11に沿って前記貫通孔11を取り囲むように延びる複数の周線部21を含んでおり、複数の前記周線部21は前記第1端子電極31と前記第2端子電極32との間で直列に接続されて前記貫通孔11を多重に取り囲んでいるヒータ100。【選択図】 図2
Description
本開示は、ヒータおよびカメラモジュールに関するものである。
自動車の後方またはドアミラーに後方視認用のカメラが取り付けられているものがある(例えば、特許文献1および特許文献2を参照。)。また、近年では、鏡を用いたドアミラーの代わりにカメラを用いた電子ドアミラーを備えるものもある。このようなカメラは自動車の車外に取り付けられるため、環境によってはカメラのレンズが曇る場合がある。このような曇りを除去するために、特許文献1においてはカメラモジュールが収容されているミラーハウジングに取り付けられた透明カバーに電熱線透明膜がコーティングされている。特許文献2においては、レンズ面に透明導電膜を設けている。このような透明導電膜をレンズ面に設けるのはコスト高となるため、カメラ装置の光源を熱源としたレンズヒータを用いるものもある(例えば、特許文献3を参照。)。
しかしながら、上記従来のレンズヒータは近赤外線照明部を有していない場合には適用できない。また、近赤外線照明がレンズから離れた位置に4つ配置されているものであるため、レンズの周方向において温度差が生じやすく、発熱量も大きくないため、レンズに付着した雪や氷を融解して除去するのには時間を要するものであった。
本開示の1つの態様のヒータは、貫通孔を有する板状の絶縁基体と、該絶縁基体の内部のヒータ線と、前記絶縁基体の表面上の第1端子電極および第2端子電極と、を備えており、前記ヒータ線は、前記貫通孔に沿って前記貫通孔を取り囲むように延びる複数の周線部を含んでおり、複数の前記周線部は前記第1端子電極と前記第2端子電極との間で直列に接続されて前記貫通孔を多重に取り囲んでいる。
本開示の1つの態様のカメラモジュールは、上記構成のヒータと、該ヒータと重なって熱的に接続されているレンズと、撮像素子とを備えている。
本開示の1つの態様のヒータによれば、少なくとも一部が貫通孔の内側に配置されるレンズを短時間で周方向の均熱性良く加熱することができる。
本開示の1つの態様のカメラモジュールによれば、レンズの曇りやレンズに付着した氷等を短時間で除去することができる。
本開示の実施形態のヒータおよびカメラモジュールを、添付の図面を参照して説明する。図1はヒータの一例の外観を示す斜視図である。図2は図1に示すヒータを分解して示す分解斜視図である。図3(a)は図1に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図3(b)は図3(a)のB−B線における断面図である。図4は図3(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図5はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図6(a)は図5に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図6(b)は図6(a)
のB−B線における断面図である。図7は図6(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図8(a)はヒータの他の一例の内部を示す透過平面図であり、図8(b)は図8(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図9(a)はヒータの他の一例の内部を示す透過平面図であり、図9(b)は図9(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図10はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図11(a)は図10に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図11(b)は図11(a)のB−B線における断面図である。図12は図11(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図13はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図14(a)は図13に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図14(b)は図14(a)のB−B線における断面図である。図15は図14(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図16(a)はヒータの他の一例を示す透過平面図であり、図16(b)は図16(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図17はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図18(a)は図17に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図18(b)は図18(a)のB−B線における断面図である。図19は図18(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図20(a)はヒータの他の一例の内部を示す透過平面図であり、図20(b)は図20(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図21はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図22(a)および図22(b)は図21に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図22(c)は図22(a)のC−C線における断面図である。図23(a)は図22(a)のA部を拡大して示す透過平面図であり、図23(b)は図22(b)のB部を拡大して示す透過平面図である。図24(a)はヒータの他の一例の要部を拡大して示す平面図であり、図24(b)は図24(a)のB−B線における断面図である。図25(a)はヒータの他の一例の要部を拡大して示す平面図であり、図25(b)は図25(a)のB−B線における断面図である。図26は比較例のヒータの内部を示す透過平面図である。図27(a)および図27(b)はともにカメラモジュールの一例の外観を示す斜視図である。図28は図27(a)のA−A線における断面の一例を示す断面図である。図29および図30は、いずれもカメラモジュールの他の一例を示す断面図である。上記図面における透過平面図は、絶縁基体10の一部の絶縁層10a、第1端子電極31、第2端子電極32および貫通導体40を透過してヒータ線20を見やすくしたものである。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際にヒータ100およびカメラモジュール600が使用されるときの上下を限定するものではない。
のB−B線における断面図である。図7は図6(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図8(a)はヒータの他の一例の内部を示す透過平面図であり、図8(b)は図8(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図9(a)はヒータの他の一例の内部を示す透過平面図であり、図9(b)は図9(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図10はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図11(a)は図10に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図11(b)は図11(a)のB−B線における断面図である。図12は図11(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図13はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図14(a)は図13に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図14(b)は図14(a)のB−B線における断面図である。図15は図14(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図16(a)はヒータの他の一例を示す透過平面図であり、図16(b)は図16(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図17はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図18(a)は図17に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図18(b)は図18(a)のB−B線における断面図である。図19は図18(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図20(a)はヒータの他の一例の内部を示す透過平面図であり、図20(b)は図20(a)のA部を拡大して示す透過平面図である。図21はヒータの他の一例を分解して示す分解斜視図である。図22(a)および図22(b)は図21に示すヒータの内部を示す透過平面図であり、図22(c)は図22(a)のC−C線における断面図である。図23(a)は図22(a)のA部を拡大して示す透過平面図であり、図23(b)は図22(b)のB部を拡大して示す透過平面図である。図24(a)はヒータの他の一例の要部を拡大して示す平面図であり、図24(b)は図24(a)のB−B線における断面図である。図25(a)はヒータの他の一例の要部を拡大して示す平面図であり、図25(b)は図25(a)のB−B線における断面図である。図26は比較例のヒータの内部を示す透過平面図である。図27(a)および図27(b)はともにカメラモジュールの一例の外観を示す斜視図である。図28は図27(a)のA−A線における断面の一例を示す断面図である。図29および図30は、いずれもカメラモジュールの他の一例を示す断面図である。上記図面における透過平面図は、絶縁基体10の一部の絶縁層10a、第1端子電極31、第2端子電極32および貫通導体40を透過してヒータ線20を見やすくしたものである。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際にヒータ100およびカメラモジュール600が使用されるときの上下を限定するものではない。
ヒータ100は、図1〜図25に示す例のように、貫通孔11を有する板状の絶縁基体10と、絶縁基体10の内部のヒータ線20と、絶縁基体10の表面上の第1端子電極31および第2端子電極32と、を備えている。ヒータ線20は、貫通孔11に沿って貫通孔11を取り囲むように延びる複数の周線部21を含んでおり、複数の周線部21は2つの第1端子電極31と第2端子電極32との間で直列に接続されて貫通孔11を多重に取り囲んでいる。
絶縁基体10はセラミックスからなる複数の絶縁層10aが積層されてなる板状であり、平面視における中央部に貫通孔11を有している。ヒータ100を図27〜図30に示す例のようなカメラモジュール600に用いる場合には、絶縁基体10の貫通孔11内にレンズ200の少なくとも一部が配置される。そのため、貫通孔11は平面視の形状が円形である。絶縁基体10の外形も円形状であるので円環状である。これにより、レンズ200を周縁部から均等に加熱することができる。
ヒータ線20は主として発熱部として機能する部分であり、絶縁層10a・10a間にヒータ線20が配置され、絶縁基体10の内部にヒータ線20が内蔵されたヒータ100となっている。ヒータ線20は、貫通孔11に沿って貫通孔11を取り囲むように延びる複数の周線部21で主に構成されている。周線部21は円形の貫通孔11に沿って延びて
いるので円環状(円形状)である。径の異なる複数の周線部21によって貫通孔11を多重に取り囲んでいる。複数の周線部21は2つの第1端子電極31と第2端子電極32との間で直列に接続されて、1つの長いヒータ線20となっている。
いるので円環状(円形状)である。径の異なる複数の周線部21によって貫通孔11を多重に取り囲んでいる。複数の周線部21は2つの第1端子電極31と第2端子電極32との間で直列に接続されて、1つの長いヒータ線20となっている。
図2〜図4に示す例のヒータ100においては、ヒータ線20は2つの周線部21を有している。すなわち、径が小さく貫通孔11に近い位置にある内周線部21iと、内周線部21iよりも径が大きく貫通孔11から離れている外周線部21oである。内周線部21iの一つの端部と外周線部21oの一つの端部とが直線状の接続部23で接続されている。これにより、内周線部21iと外周線部21oとによって2重の渦巻き状の1つの長いヒータ線20となっている。内周線部21iの別の端部(ヒータ線20の1つの端部)は第1端子電極31に貫通導体40で接続され、外周線部21oの別の端部(ヒータ線20の別の端部)は第2端子電極32に貫通導体40で接続されている。すなわち、内周線部21iと外周線部21oとは第1端子電極31と第2端子電極32との間で直列に接続されている。
これに対して、図5〜図7に示す例のヒータ100においては、内周線部21iの1つの端部と外周線部21oの一つの端部とは折り返し部22で接続されている。折り返し部22は内周線部21iと外周線部21oとを接続するという点では接続部23である。接続部23のうち、隣接する周線部21の間(図2〜図8においては、内周線部21iと外周線部21oとの間)で折り返すように接続するU字状の部分を特に折り返し部22と呼ぶ。この例においても、内周線部21iと外周線部21oとは、折り返し部22および貫通導体40を介して第1端子電極31と第2端子電極32との間で直列に接続されて1つの長いヒータ線20となっている。また、ヒータ線20の形状は渦巻き状ではないが貫通孔11を2重に取り囲んでいる。
また、図8に示す例においては、内周線部21iの1つの端部と外周線部21oの1つの端部とは2つの折り返し部22・22で接続されている。折り返す方向が反対の2つの折り返し部22・22が連続している、z字形状の接続部23ということもできる。この例においても、内周線部21iと外周線部21oとは、折り返し部22・22および貫通導体40を介して第1端子電極31と第2端子電極32との間で直列に接続されて1つの長いヒータ線20となっている。また、ヒータ線20の全体の形状は、図2〜図4に示す例のヒータ100のヒータ線20と同様に2重の渦巻き状である。
図9に示す例においては、ヒータ線20は円形状の内周線部21iと、2つの半円状の周線部で構成されて全体としては円形状である外周線部21oとで構成されている。内周線部21iの両端部はそれぞれ2つの半円状の周線部の1つの端部と折り返し部22で接続されている。2つの折り返し部22・22は、絶縁基体10の第1端子電極31および第2端子電極32が設けられた部分とは貫通孔11を挟んで反対側の部分に配置されている。外周線部21oの2つの半円状の周線部の他の端部は貫通導体40でそれぞれ第1端子電極31および第2端子電極32に接続されている。そして、内周線部21iと外周線部21oとが第1端子電極31と第2端子電極32との間で2つの折り返し部22・22および貫通導体40を介して直列に接続された1つの長いヒータ線20となっている。また、ヒータ線20の形状は渦巻き状ではないが貫通孔11を2重に取り囲んでいる。
このように、内周線部21iと外周線部21oとが、第1端子電極31と第2端子電極32との間で直列に接続されていることから、第1端子電極31および第2端子電極32を介して外部から電圧が印可されることでヒータ線20が発熱し、その熱が絶縁基体10内を伝導して、絶縁基体10に熱的に接続されたレンズ200を加熱することができる。
上記のように、ヒータ100はセラミックからなる絶縁基体10内にヒータ線20が内
蔵されたセラミックヒータである。そのため、ヒータ100は短時間で温度が上昇し、レンズ200を加熱することができる。ヒータ100がより短時間で昇温するためには、ヒータ線20は細長いものであるとよい。上記のように貫通孔11を2重以上の多重にとり囲む形状のヒータ線20とすることで、絶縁基体10内に長いヒータ線20を内蔵させることができる。図26に示す比較例のように、折れ曲がりを繰り返して周方向に伸びる蛇行形状である場合にも細長いヒータ線20を内蔵することができる。しかしながら、貫通孔11内の加熱対象物(レンズ200)を周方向により高い均熱性をもって加熱するには、貫通孔11に沿って貫通孔を取り囲むように伸びる周線部21を有するヒータ線20の方が有利である。貫通孔11に最も近い位置にあるヒータ線20(内周線部21i)が、貫通孔11に沿ってほぼ途切れることなく配置されているからである。
蔵されたセラミックヒータである。そのため、ヒータ100は短時間で温度が上昇し、レンズ200を加熱することができる。ヒータ100がより短時間で昇温するためには、ヒータ線20は細長いものであるとよい。上記のように貫通孔11を2重以上の多重にとり囲む形状のヒータ線20とすることで、絶縁基体10内に長いヒータ線20を内蔵させることができる。図26に示す比較例のように、折れ曲がりを繰り返して周方向に伸びる蛇行形状である場合にも細長いヒータ線20を内蔵することができる。しかしながら、貫通孔11内の加熱対象物(レンズ200)を周方向により高い均熱性をもって加熱するには、貫通孔11に沿って貫通孔を取り囲むように伸びる周線部21を有するヒータ線20の方が有利である。貫通孔11に最も近い位置にあるヒータ線20(内周線部21i)が、貫通孔11に沿ってほぼ途切れることなく配置されているからである。
以上説明した図2〜図9に示す例は、ヒータ線20が貫通孔11を2重に取り囲んでいる例であるが、3重以上とすることもできる。図10〜図12に示す例、図13〜図15に示す例および図16に示す例のヒータ線20は3重であり、図17〜図19および図20に示す例のヒータ線20は4重である。
図10〜図12に示す例のヒータ100では、径の異なるほぼ円形状の3つの周線部21(21i,21c,21o)が2つの折り返し部22・22で接続されて1つの長いヒータ線20となっている。貫通孔11に最も近い内周線部21i、貫通孔11から最も遠い外周線部21oおよび内周線部21iと外周線部21oとの間に位置する中間周線部21cの3つの周線部21である。内周線部21iの1つの端部と中間周線部21cの1つの端部とが折り返し部22で接続され、中間周線部21cの別の端部と外周線部21oの1つの端部とが折り返し部22で接続されている。内周線部21iの別の端部および外周線部21oの別の端部がヒータ線20の端部であり、内周線部21iの別の端部は第1端子電極31に、外周線部21oの別の端部は第2端子電極32にそれぞれ貫通導体40で接続されている。内周線部21i、中間周線部21cおよび外周線部21oは、第1端子電極31と第2端子電極32との間で2つの折り返し部22・22および貫通導体40・40を介して互いに直列に接続されている。2つの折り返し部22・22はいずれも平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に位置している。
これに対して、図13〜図15に示す例のヒータ100においては、内周線部21iは円形状であるが、外周線部21oおよび中間周線部21cは、それぞれ2つの半円状の周線部で構成されて全体としては円形状である。内周線部21iの2つの端部のそれぞれと中間周線部21cの2つの半円状の周線部のそれぞれの1つの端部とが折り返し部22で接続され、中間周線部21cの2つの半円状の周線部のそれぞれの別の端部と外周線部21oの2つの半円状の周線部のそれぞれの1つの端部とが折り返し部22で接続されて1つの長いヒータ線20となっている。外周線部21oの2つの半円状の周線部のそれぞれの別の端部は、接続配線41で絶縁基体10の側面に引き出されて第1端子電極31および第2端子電極32にそれぞれ接続されている。つまり、内周線部21i、中間周線部21cおよび外周線部21oは、第1端子電極31と第2端子電極32との間で4つの折り返し部22および2つの接続配線41を介して互いに直列に接続されている。内周線部21iと中間周線部21cとを接続する2つの折り返し部22・22は平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に位置している。中間周線部21cと外周線部21oとを接続する2つの折り返し部22・22は、絶縁基体10の第1端子電極31および第2端子電極32が設けられた部分とは貫通孔11を挟んで反対側の部分に配置されている。
また、図16に示す例のヒータ100では、径の異なる円形状の3つの周線部21(21i,21c,21o)が1つの折り返し部22と1つの直線状の接続部23で接続されて1つの長いヒータ線20となっている。内周線部21iの1つの端部と中間周線部21
cの1つの端部とが折り返し部22で接続され、中間周線部21cの別の端部と外周線部21oの1つの端部とが直線状の接続部23で接続されている。内周線部21iの別の端部および外周線部21oの別の端部がヒータ線20の端部であり、内周線部21iの別の端部は第2端子電極32に、外周線部21oの別の端部は第1端子電極31にそれぞれ貫通導体40で接続されている。つまり、内周線部21i、中間周線部21cおよび外周線部21oは、第1端子電極31と第2端子電極32との間で1つの折り返し部22、接続部23および貫通導体40を介して互いに直列に接続されている。外周線部21oから中間周線部21cにかけては渦巻き状であるが、中間周線部21cから内周線部21iにかけては渦巻き状ではない。折り返し部22は平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に位置している。
cの1つの端部とが折り返し部22で接続され、中間周線部21cの別の端部と外周線部21oの1つの端部とが直線状の接続部23で接続されている。内周線部21iの別の端部および外周線部21oの別の端部がヒータ線20の端部であり、内周線部21iの別の端部は第2端子電極32に、外周線部21oの別の端部は第1端子電極31にそれぞれ貫通導体40で接続されている。つまり、内周線部21i、中間周線部21cおよび外周線部21oは、第1端子電極31と第2端子電極32との間で1つの折り返し部22、接続部23および貫通導体40を介して互いに直列に接続されている。外周線部21oから中間周線部21cにかけては渦巻き状であるが、中間周線部21cから内周線部21iにかけては渦巻き状ではない。折り返し部22は平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に位置している。
図17〜図19に示す例のヒータ100では、径の異なる円形状の4つの周線部21(21i,21c,21c,21o)が2つの折り返し部22・22と1つの直線状の接続部23で接続されて1つの長いヒータ線20となっている。貫通孔11に最も近い内周線部21i、貫通孔11から最も遠い外周線部21oおよび内周線部21iと外周線部21oとの間に位置する、互いに径の異なる2つの中間周線部21c・21cの4つの周線部21である。内周線部21iの1つの端部とこれに隣接する内側の中間周線部21cの1つの端部とが折り返し部22で接続され、内側の中間周線部21cの別の端部とこれに隣接する外側の中間周線部21cの1つの端部とが直線状の接続部23で接続され、外側の中間周線部21cの別の端部と外周線部21oの1つの端部とが折り返し部22で接続されている。内周線部21iの別の端部および外周線部21oの別の端部がヒータ線20の端部であり、内周線部21iの別の端部は第1端子電極31と、外周線部21oの別の端部は第2端子電極32と貫通導体40で接続されている。つまり、内周線部21i、2つの中間周線部21c・21cおよび外周線部21oは、第1端子電極31と第2端子電極32との間で2つの折り返し部22・22、接続部23および貫通導体40を介して互いに直列に接続されている。2つの折り返し部22・22はいずれも平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に位置している。
これに対して、図20に示す例のヒータ100においては、径の異なる円形状の4つの周線部21(21i,21c,21c,21o)を有している点は同じであるが、これらが3つの折り返し部22で接続されて1つの長いヒータ線20となっている。内周線部21iの1つの端部とこれに隣接する内側の中間周線部21cの1つの端部とが折り返し部22で接続され、内側の中間周線部21cの別の端部とこれに隣接する外側の中間周線部21cの1つの端部とが折り返し部22で接続され、外側の中間周線部21cの別の端部と外周線部21oの1つの端部とが折り返し部22で接続されている。内周線部21iの別の端部および外周線部21oの別の端部がヒータ線20の端部であり、内周線部21iの別の端部は第1端子電極31と、外周線部21oの別の端部は第2端子電極32と貫通導体40で接続されている。つまり、内周線部21i、2つの中間周線部21c・21cおよび外周線部21oは、第1端子電極31と第2端子電極32との間で、3つの折り返し部22・22・22および貫通導体40を介して互いに直列に接続されている。3つの折り返し部22はいずれも平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に位置している。より詳細には、平面透視で、1つの折り返し部22は第1端子電極31と重なり、2つの折り返し部22・22は第1端子電極31と第2端子電極32とに挟まれた位置にある。
上述した例では、ヒータ線20の周線部21が何重であるかによらず、いずれのヒータ100においても第1端子電極31および第2端子電極32は絶縁基体10の表面において、あるいは平面透視で近接して配置されている。そのため、ヒータ線20は、貫通孔11に沿った周方向において取り囲む数がほぼ同じになるので周方向の均熱性が高いものとなっている。例えば、第1端子電極31および第2端子電極32が貫通孔11を挟んで互
いに反対側に配置されていると、ヒータ線20は貫通孔11を2.5重あるいは3.5重に取り囲むことになり、貫通孔11の外側に位置するヒータ線20の数が2本である部分と3本である部分とを有する、あるいは3本である部分と4本である部分を有することになる。これによりヒータ100の半分ともう半分とで発熱量が異なることになってしまう。第1端子電極31と第2端子電極32とが近接して配置されていることで、絶縁基体10におけるヒータ線20の密度が貫通孔11の周方向において均一になり、均熱性が高くなる。
いに反対側に配置されていると、ヒータ線20は貫通孔11を2.5重あるいは3.5重に取り囲むことになり、貫通孔11の外側に位置するヒータ線20の数が2本である部分と3本である部分とを有する、あるいは3本である部分と4本である部分を有することになる。これによりヒータ100の半分ともう半分とで発熱量が異なることになってしまう。第1端子電極31と第2端子電極32とが近接して配置されていることで、絶縁基体10におけるヒータ線20の密度が貫通孔11の周方向において均一になり、均熱性が高くなる。
図2〜図4に示す例のヒータ100、図5〜図7に示す例のヒータ100、図8に示す例のヒータ100および図9に示す例のヒータ100はいずれも貫通孔11を2重に取り囲むヒータ線20を有している。これらのうち、図9に示す例のヒータ100においては、貫通孔11の外側の絶縁基体10内にヒータ線20がない部分がある。2つの折り返し部22・22の間の部分である。しかしながら、この部分は2つの折り返し部22・22に挟まれている。三方をヒータ線20で囲まれた部分である折り返し部22の近傍は、他の部分に比較して温度が高くなりやすい。そのため、ヒータ線20がない部分でも温度が低下し難いので、貫通孔11の周囲の均熱性も低下し難い。また、平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間の部分では、他の部分よりもヒータ線20の数が少ない(密度が小さい)ので温度が低下しやすくなる。これは図2〜図4に示す例のヒータ100においても同様である。第1端子電極31と第2端子電極32との間およびこれに接続される2つの貫通導体40・40間は、これらの間の絶縁性を確保するためにある程度の間隔が設けられるためである。これに対して、図5〜図7に示す例のヒータ100および図8に示す例のヒータ100においては、平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に折り返し部22が配置されているので、この部分におけるヒータ線20の密度の低下が抑えられている。
また、ヒータ100が使用される際には、第1端子電極31および第2端子電極32に外部から電圧を印加するために、後述するようなリード線等の接続部材410が接合される。この接続部材410を介して外部へ熱が逃げてしまう可能性があり、第1端子電極31および第2端子電極32の近傍は他の部分に比較して温度が低下する可能性がある。これに対して、ヒータ線20が、複数の周線部21のうち隣り合う周線部21の1つの端部同士が折り返し部22で接続されており、折り返し部22が平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に位置しているヒータ100とすることができる。上述したようにヒータ100において、三方をヒータ線20で囲まれた部分である折り返し部22の近傍は、他の部分に比較して温度が高くなりやすい。そのため、折り返し部22を第1端子電極31および第2端子電極32の近傍に配置することで第1端子電極31および第2端子電極32の近傍の温度低下が抑えられ、より均熱性の高いヒータ100となる。
ヒータ線20が貫通孔11を2重に取り囲んでいる図5〜図7に示す例のヒータ100および図8に示す例のヒータ100においては、平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32との間に折り返し部22を配置することで、ヒータ線20の密度が向上するとともに第1端子電極31および第2端子電極32の近くに温度の高い部分が設けられて均熱性が向上している。図5〜図7に示す例においては、1つの折り返し部22が、第1端子電極31および第2端子電極32にそれぞれ接続されている2つの貫通導体40・40の間に位置している。図8に示す例においては、2つの折り返し部22・22がそれぞれ貫通導体40・40に近接する位置にある。貫通導体40は金属を主成分とするのでセラミックスからなる絶縁基体10よりも熱伝導率が高い。そのため、折り返し部22が第1端子電極31および第2端子電極32と重なる位置になくても、折り返し部22から第1端子電極31および第2端子電極32への熱伝導は、貫通導体40を介して効率がよく行なわれるので、第1端子電極31および第2端子電極32の温度低下を効率よく抑えることができる。
図10〜図12に示す例のヒータ100、図13〜図15に示す例のヒータ100および図16に示す例のヒータ100においては、いずれもヒータ線20が貫通孔11を3重に取り囲んでいるが、折り返し部22の数は異なっている。図10〜図12に示す例においては、2つの折り返し部22・22は、絶縁基体10の内部における、平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32に挟まれた部分と第1端子電極31または第2端子電極32に重なる部分とにまたがって設けられている。折り返し部22は、2つの周線部21を接続する半円状の部分である。3方をヒータ線20に囲まれ、3方から同程度の距離にある半円の中心部分が折り返し部22の中心部であり、この中心部が第1端子電極31または第2端子電極32の縁と重なっている。折り返し部22によって、第1端子電極31と第2端子電極32に挟まれた部分および第1端子電極31および第2端子電極32の温度低下が抑えられる。図13〜図15に示す例においては、内周線部21iと中間周線部21cとを接続する2つの折り返し部22・22が貫通孔11側(内側)に設けられている。外周線部21oと絶縁基体10の側面の第1端子電極31および第2端子電極32とを接続する部分も折り返し部22と同様の形状であり、外側にも2つの折り返し部22・22が設けられているといえる。内側の2つの折り返し部22・22は、近接して設けられることで貫通孔11内のレンズの加熱の均熱性が低下しない。外側の2つの折り返し部22・22は、それらの間の間隔が広く平面透視で第1端子電極31および第2端子電極32にそれぞれ重なっている。これによって、第1端子電極31および第2端子電極32の温度低下を抑えることができる。第1端子電極31と第2端子電極32との間に位置する内側の折り返し部22・22の半径は、中間周線部21cと外周線部21oとを接続する貫通孔11を挟んで反対側の折り返し部22・22の半径より小さい。これは、中間周線部21cと外周線部21oとの間隔よりも内周線部21iと中間周線部21cとの間隔の方が小さいためである。折り返し部22の半径が小さい方がより温度が高くなりやすいが、内側の折り返し部22・22からは第1端子電極31および第2端子電極32へも伝熱するので、貫通孔11の周囲の均熱性は保たれる。図16に示す例においては、折り返し部22は、絶縁基体10の内部における平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32に挟まれた部分に1つだけ設けられている。この例においては第1端子電極31と第2端子電極32に挟まれた部分におけるヒータ線20(周線部21)の密度が高いので、この周線部21と1つの折り返し部22で第1端子電極31および第2端子電極32の温度低下を抑えることができる。折り返し部22の数、配置および形状等は以上の例に限られるものではない。例えば、ヒータ線20が3つの折り返し部22を備え、1つの折り返し部22・22は第1端子電極31と第2端子電極32との間に設け、別の2つの折り返し部22・22は第1端子電極31および第2端子電極32を設けた部位とは貫通孔を挟んで反対側に設けることもできる。
図17〜図19に示す例のヒータ100、および図20に示す例のヒータ100においては、いずれもヒータ線20が貫通孔11を4重に取り囲んでいる。図17〜図19に示す例においては、2つの折り返し部22・22は、絶縁基体10の内部における平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32に挟まれた部分に設けられている。ヒータ線20(周線部21)が4重であり、絶縁基体10の内部における第1端子電極31と第2端子電極32に挟まれた部分においてもヒータ線20の密度が比較的高い。また、2つの折り返し部22・22は2つの貫通導体40・40のそれぞれに近い位置に設けられている。これらにより、第1端子電極31および第2端子電極32の温度低下を効果的に抑えることができる。これに対して、図20に示す例においては、2つの折り返し部22・22が、絶縁基体10の内部における平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32に挟まれた部分に設けられ、1つの折り返し部22が第1端子電極31と重なる部分に設けられている。第1端子電極31と重なる部分に設けられている折り返し部22は、内周線部21iの端部と第1端子電極31とを接続する貫通導体40に近接している。第1端子電極31と第2端子電極32の間に位置する2つの折り返し部22・22のうちの1つは、外周
線部21oの端部と第2端子電極32とを接続する貫通導体40に近接している。また、もう1つの折り返し部22は、平面透視で2つの貫通導体40・40の間に位置している。このような折り返し部22の配置により、第1端子電極31および第2端子電極32の温度低下を効果的に抑えることができる。折り返し部22の数、配置および形状等は以上の例に限られるものではない。例えば、図17〜図20に示す例と同様にヒータ線20が4つの折り返し部22を備える場合であれば、2つの折り返し部22・22を第1端子電極31と第2端子電極32の間に設け、別の2つの折り返し部22・22を第1端子電極31および第2端子電極32を設けた部分とは貫通孔11を挟んで反対側の部分に設けることもできる。
線部21oの端部と第2端子電極32とを接続する貫通導体40に近接している。また、もう1つの折り返し部22は、平面透視で2つの貫通導体40・40の間に位置している。このような折り返し部22の配置により、第1端子電極31および第2端子電極32の温度低下を効果的に抑えることができる。折り返し部22の数、配置および形状等は以上の例に限られるものではない。例えば、図17〜図20に示す例と同様にヒータ線20が4つの折り返し部22を備える場合であれば、2つの折り返し部22・22を第1端子電極31と第2端子電極32の間に設け、別の2つの折り返し部22・22を第1端子電極31および第2端子電極32を設けた部分とは貫通孔11を挟んで反対側の部分に設けることもできる。
このように、ヒータ線20の周線部21が何重であるかによらず、ヒータ線20の折り返し部22が平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32の間に位置していることで、貫通孔11の周囲における均熱性に優れたヒータ100となる。よって、このようなヒータ100によれば、少なくとも一部が貫通孔11の内側に配置されるレンズ200を短時間で周方向の均熱性良く加熱することができる。そして、均等な加熱によってレンズ200が歪む可能性が低減されるので、画像の歪みの少ない高画質の画像を撮像することのできるカメラモジュール600を得ることができる。折り返し部22が平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32の間に位置しているとは、上述した例のように、折り返し部22の少なくとも一部が、第1端子電極31と第2端子電極32に挟まれた部分および第1端子電極31または第2端子電極32と重なる部分のいずれかにあるということである。折り返し部22は、2つの周線部21・21を接続する半円状の部分である。3方をヒータ線20に囲まれ、3方から同程度の距離にある半円の中心部分が折り返し部22の中心部であり、この中心部が第1端子電極31と第2端子電極32の間に位置していればよい。
上述したように、図2〜図4に示す例および図8に示す例のヒータ線20は渦巻き状である。図示はしていないが、ヒータ線20が3重以上に貫通孔11を取り囲む場合においても渦巻き状にすることはできる。しかしながら、ヒータ線20が渦巻き状であると、ヒータ線20に通電した際にヒータ線20周りに大きい電磁界が発生しやすい。ヒータ100を図27〜図30に示す例のようなカメラモジュール600に用いる場合には、ヒータ100に近接する位置に撮像素子300が配置される。ヒータ100のヒータ線20の周りに大きな電磁界が発生すると、撮像素子300による映像に影響が発生する可能性がある。ヒータ線20の隣接する2つの周線部21・21の間が折り返し部22で接続されていると、これら2つの周線部21・21の間で電流の向きが逆向きになるのでヒータ線20周りに大きい磁界が発生せず、画像に対して影響を与える可能性が低減される。図8に示す例では2つの周線部21(内周線部21i,外周線部21o)の間は折り返し部22で接続されているが、2つの折り返し部22・22が連続しており、ヒータ線20全体としては渦巻き状であり、内周線部21iと外周線部21oとの間で電流の向きは逆にはならない。つまり、ヒータ線20の隣接する2つの周線部21・21の間が1つの折り返し部22、あるいは奇数個の連続した折り返し部22で接続されていると、ヒータ線20の周りに大きな電磁界が発生し難くなり、撮像素子300に影響を与える可能性の低いカメラモジュール600を得ることができる。ヒータ線20の隣接する2つの周線部21・21の間を3個以上の連続した折り返し部22で接続するにはヒータ線20の線幅を小さくしなければ困難であり、折り返し部22だけが高温になって均熱性が低下する可能性がある。そのため、少なくとも1つのU字形の折り返し部22を有するヒータ線20を備えるヒータ100とすることができる。ヒータ線20が3重以上である場合も同様に、ヒータ線20が折り返し部22を有することで、ヒータ線20の周りに大きな電磁界が発生し難くなるので、撮像素子300に影響を与える可能性の低いカメラモジュール600を得ることができる。
以上説明した例は、絶縁基体10の内部に1つのヒータ線20を備えているものであるが、図21〜図23に示す例のように、絶縁基体10の内部において絶縁基体10の厚み方向に複数のヒータ線20を備えていてもよい。図21〜図23に示す例のヒータ100においては、絶縁基体10は3層の絶縁層10aが積層されてなり、2つの層間にそれぞれヒータ線20が設けられている。1つのヒータ線20の1つの端部は1層の絶縁層10aを貫通する貫通導体40で第2端子電極32に接続され、別のヒータ線20の1つの端部は2層の絶縁層10aを貫通する貫通導体40で第1端子電極31に接続され、また1つのヒータ線20の別の端部と別のヒータ線20の別の端部とが1層の絶縁層10aを貫通する貫通導体40で接続されている。これにより2つのヒータ線20は、第1端子電極31と第2端子電極32の間において直列に接続されている。この例における2つのヒータ線20・20はいずれも2つの折り返し部22と3つの円形状の周線部21を備えている。また、2つのヒータ線20・20のそれぞれの2つの折り返し部22・22は、いずれも平面透視で第1端子電極31と第2端子電極32の間に位置している。ヒータ線20の形状、数、第1端子電極31および第2端子電極32の位置等はこの例に限られるものではなく、ヒータ100に求められる加熱性能に応じて設定することができる。
貫通孔11に近い部分がより短時間で昇温するヒータ100であれば、貫通孔11内のレンズ200をより短時間で加熱することができる。そのため、ヒータ線20における、貫通孔11を取り囲む多重の周線部21のうち貫通孔11に最も近い内周線部21iが、貫通孔11から最も遠い外周線部21oよりも単位長さあたりの抵抗が大きいヒータ100とすることができる。
単位長さあたりの抵抗を、外周線部21oよりも内周線部21iの方を大きくするために、内周線部21iの断面積を、外周線部21oの断面積よりも小さくすることができる。ここでいう断面積は周線部21の長さ方向に対して垂直な方向の断面の面積である。内周線部21iの断面積を外周線部21oの断面積よりも小さくするために、図24に示す例のように厚みは同じで内周線部21iが外周線部21oよりも線幅が小さいヒータ100、または図25に示す例のように線幅は同じで内周線部21iが外周線部21oよりも厚みが小さいヒータ100、あるいは内周線部21iが外周線部21oよりも線幅および厚みが小さいヒータ100とすることができる。このときの内周線部21iの材料と外周線部21oの材料とは同じである。図24に示す例のように内周線部21iの線幅のみを小さくする場合には、ヒータ線20の線幅は印刷製版のパターン形状によって容易に設定することができるので、内周線部21iだけの幅を小さいものとするのは容易である。一方、ヒータ線20の両端部は、貫通導体40との接続を確実にするために幅広のパッド状にすることができるが、このパッド状の部分は幅が大きいために他の部分よりも抵抗が小さく発熱が低下しやすい。内周線部21iの厚みを外周線部21oの厚みより小さくする場合には、内周線部21iの端部のパッド状の部分の発熱の低下を抑えることができる。
厚みおよび線幅が急激に変化すると、この部分を境にしてヒータ線20内で温度差が大きくなる場合がある。この温度差が大きいと、絶縁基体10に加わる熱応力が大きくなり、この熱応力によって絶縁基体10にクラックが発生するなどの不具合が発生する可能性がある。これに対して、内周線部21iの厚みまたは線幅を小さくする場合には、内周線部21iが接続されている折り返し部22あるいは接続部23において厚みまたは線幅が徐々に小さくなっているヒータ100とすることができる。これによりヒータ線20および絶縁基体10に温度差が大きくなる部分がなくなるので、熱応力によって絶縁基体10にクラックが発生する可能性が低減される。
また、単位長さあたりの抵抗を、外周線部21oよりも内周線部21iの方を大きくするために、内周線部21iの材料を外周線部21oの材料よりも高抵抗の材料(比抵抗が大きい材料)とすることができる。ヒータ線20は、後述するようにメタライズ導体で形
成される。このメタライズ導体は導体成分である金属の粉末(導体材料)を焼結させたものである。電気抵抗値の調整あるいは焼成収縮率の調整のために、セラミックスやガラスなどを含むことができる。このセラミックスやガラス等の絶縁材料は、導体材料に比較して電気抵抗の高い高抵抗部材である。つまり、内周線部21iが外周線部21oよりも高抵抗部材の含有率が大きいヒータ100とすることができる。上記の断面積による単位長さあたりの抵抗の調整と高抵抗部材の含有率による比抵抗の調整を組み合わせることもできる。このとき、上述した温度差が大きいことでクラックが発生する可能性を低減するために、内周線部21iが接続されている折り返し部22あるいは接続部23において、内周線部21iに近付くにつれて高抵抗部材の含有率が徐々に大きくなっているヒータ100とすることができる。
成される。このメタライズ導体は導体成分である金属の粉末(導体材料)を焼結させたものである。電気抵抗値の調整あるいは焼成収縮率の調整のために、セラミックスやガラスなどを含むことができる。このセラミックスやガラス等の絶縁材料は、導体材料に比較して電気抵抗の高い高抵抗部材である。つまり、内周線部21iが外周線部21oよりも高抵抗部材の含有率が大きいヒータ100とすることができる。上記の断面積による単位長さあたりの抵抗の調整と高抵抗部材の含有率による比抵抗の調整を組み合わせることもできる。このとき、上述した温度差が大きいことでクラックが発生する可能性を低減するために、内周線部21iが接続されている折り返し部22あるいは接続部23において、内周線部21iに近付くにつれて高抵抗部材の含有率が徐々に大きくなっているヒータ100とすることができる。
貫通孔11に近い部分の発熱を大きくするために、ヒータ線20を貫通孔11に近い位置に配置することができる。例えば、図2〜図9に示す例のヒータ100における内周線部21iから貫通孔11(絶縁基体10の内側面)までの距離と外周線部21oから絶縁基体10の外側面までの距離は同程度である。これに対して、内周線部21iをより貫通孔11の近くに配置して、内周線部21iから貫通孔11(絶縁基体10の内側面)までの距離を外周線部21oから絶縁基体10の外側面までの距離より小さくすることができる。例えば、図10〜図12に示す例、図13〜図15に示す例および図16に示す例のヒータ線20はいずれも3重であり、これらの外周線部21oの位置(それぞれの径)は同じである。一方で図10〜図12に示す例と図16に示す例の内周線部21iの位置は同じであるのに対して、図13〜図15に示す例の内周線部21iの位置は、これらよりも貫通孔11に近い。このように、内周線部21iが貫通孔11に近い場合には、全体の発熱量は同じでも、貫通孔11(絶縁基体10の内側面)までの伝熱距離が短いので、貫通孔11内のレンズ200をより短時間で加熱することができる。
さらには、図13〜図15に示す例の中間周線部21cの径は、図10〜図12に示す例および図16に示す例の中間周線部21cの径よりも小さい。言い換えれば、図13〜図15に示す例の中間周線部21cは、図10〜図12に示す例および図16に示す例の中間周線部21cの位置よりも貫通孔11に近い位置にある。この場合は、絶縁基体10の貫通孔11(内側面)と外側面との間において、内側面からの距離と外側面からの距離とが同じである位置を通る、絶縁基体10の幅方向の中心線より内側(内側領域)におけるヒータ線20の密度が高いということもできる。絶縁基体10の外側面から外周線部21oまでの距離と絶縁基体10の内側面から内周線部21iまでの距離とが同じで、中間周線部21cから内側面までの距離が外側面までの距離より小さい場合も、同様に絶縁基体10内におけるヒータ線20の密度は内側の方が大きい。このように内側領域におけるヒータ線20の密度が高いヒータ100とすることでも貫通孔11内のレンズ200をより短時間で加熱することができる。絶縁性、強度および信頼性の確保のために、ヒータ線20と絶縁基体10の内側面および外側面との距離(内周線部21iと内側面との距離および外周線部21oと外側面との距離)を設定したうえで、また隣接する周線部21間の絶縁性を確保できる範囲で、中間周線部21cをより内側に配置して内側領域におけるヒータ線20の密度を高くすることができる。
カメラモジュール600は、図27〜図30に示す例のように、上記構成のヒータ100と、ヒータ100と重なって熱的に接続されているレンズ200と、撮像素子300とを備えている。このようなカメラモジュール600によれば、上記のようなヒータ100を備えているので、レンズ200の曇りやレンズ200に付着した氷等を短時間で除去することができる。
ヒータ100、レンズ200および撮像素子300は筐体500に収容されている。図27〜図30に示す例の筐体500は、内部にレンズ200等を収容する空間を有する箱
型であり、1つの面に開口部501を有している。
型であり、1つの面に開口部501を有している。
レンズ200は、例えば筐体500の開口部501を塞ぐように配置されている。レンズ200と筐体500との間にはパッキンや接着剤等を介在させて筐体500の内部に水分等が浸入しないようにすることができる。レンズ200はヒータ100と重なって熱的に接続されている。図28に示す例では、ヒータ100の貫通孔11内にレンズ200が配置されており、レンズ200はヒータ100と厚み方向に重なっている。また、ヒータ100の貫通孔11の内面とレンズ200の外側面が接触して熱的に接続されている。ヒータ100とレンズ200との間に接着剤を介在させて、接着剤を介して熱的および機械的に接続することもできる。ヒータ100は、例えば筐体500にはめ込んで固定、あるいは接着剤等で接合して固定される。
開口部501からレンズ200を透過して筐体500内に入ってくる光を受光できる位置に撮像素子300が配置されている。言い換えれば、筐体500の開口部501と撮像素子300との間にレンズ200が位置している。図28に示す例では、撮像素子300は回路基板400に搭載されており、回路基板400が筐体500に位置決めされて固定されている。回路基板400の筐体500への固定は、例えば接着剤による接合固定、ねじ止めによる固定等の方法で行なうことができる。図28に示す例では、ヒータ100の第1端子電極31および第2端子電極32は回路基板400の電極と接続部材410を介して電気的に接続されている。接続部材410はリード線やフレキシブル配線基板等を用いることができる。
回路基板400には撮像素子300以外の電子部品430が搭載されていてもよい。図28に示す例では、撮像素子300が搭載されている面とは反対側の面に電子部品430が搭載されている。電子部品430は、例えば、撮像素子300で撮像された画像の画像処理を行なうため、あるいは撮像素子300やヒータ100の動作の制御を行なうため等のLSI(Large Scale Integrated circuit)のような能動素子、コンデンサや抵抗等の受動素子等である。
回路基板400にはケーブル420が接続され、ケーブル420は筐体の外部へ引き出されている。カメラモジュール600が車載カメラとして用いられる場合には、例えば、ケーブル420は車両のECU(Electronic Control Unit)等に接続される。そしてこ
のECUに接続され、車室内に配置されたモニターにカメラモジュール600で撮影された映像が映し出される。
のECUに接続され、車室内に配置されたモニターにカメラモジュール600で撮影された映像が映し出される。
ヒータ100を発熱させるための電圧の供給は、ヒータ100の第1端子電極31および第2端子電極32に接続された接続部材410を介して行なわれる。撮像素子300で撮影された画像または外気温等から、カメラモジュール600内の電子部品430または車両のECUが判断してヒータ100に電圧を印加することができる。あるいは、モニターに映し出された映像を見た運転手が、ECUまたはカメラモジュール600に接続された、車室内のスイッチを操作することによってヒータ100に電圧を印加することができる。
図29および図30に示すカメラモジュール600は、図28に示す例に対してレンズ200の形状およびレンズ200とヒータ100との接続形態等が異なっている。その他の構成は図28に示す例と同様である。
図29に示す例のカメラモジュール600におけるレンズ200は、ヒータ100の厚み方向に重なっており、厚みの半分程度がヒータ100の貫通孔11内に入り込んでいる。この例のヒータ100の貫通孔11は、筐体500の開口部501側、すなわちレンズ
200が重なる側が広がる形状を有しておりこの広がる部分の内側面がレンズ200の開口部501とは反対側の面の周縁部に接している。また、貫通孔11(の内側面)のレンズ200が入り込んでいない部分とレンズ200の下面の外縁部とは接着剤110で接合されている。レンズ200は、貫通孔11の上側部分との接触および貫通孔11の下側部分との接着によってヒータ100と熱的に接続されている。貫通孔11の上側部分とレンズ200との間にも接着剤110が介在していてもよい。
200が重なる側が広がる形状を有しておりこの広がる部分の内側面がレンズ200の開口部501とは反対側の面の周縁部に接している。また、貫通孔11(の内側面)のレンズ200が入り込んでいない部分とレンズ200の下面の外縁部とは接着剤110で接合されている。レンズ200は、貫通孔11の上側部分との接触および貫通孔11の下側部分との接着によってヒータ100と熱的に接続されている。貫通孔11の上側部分とレンズ200との間にも接着剤110が介在していてもよい。
図30に示す例のカメラモジュール600におけるレンズ200は、ヒータ100の貫通孔11より大きい大径部と、貫通孔11と同程度の大きさの小径部とを有している。レンズ200の大径部の外縁部はヒータ100の開口部501側の主面と重なっており、小径部がヒータ100の貫通孔11内に入り込んでいる。レンズ200は、ヒータ100の主面および貫通孔11の内面との接触によってヒータ100と熱的に接続されている。レンズ200とヒータ100との間に接着剤110が介在していてもよい。
以上のようなヒータ100およびカメラモジュール600の各部について、また、製造方法の一例について以下にさらに詳細に説明する。
絶縁基体10は、ヒータ100の基本的な部分であり、中央部に貫通孔11を備えていることで、その内側に配置されるレンズ200に、内蔵するヒータ線20からの熱を伝熱する伝熱体として機能する。また、絶縁基体10は第1端子電極31と第2端子電極32との間等を互いに電気的に絶縁させて配置するための電気絶縁体として機能する。
絶縁基体10は、例えば平面視(上面視)で円環状の板体である。通常、平面視形状が円形であるレンズ200に対して、その外縁部に熱的に接続する部分である貫通孔11の内面が円形であることで、レンズ200を周方向で均等に加熱することができる。絶縁基体10の外形は、図1〜図9および図21〜図23に示す例では円形である。例えば正方形、六角形、八角形等の多角形とすることもできる。絶縁基体10の外形が円形であると、内部のヒータ線20の熱の一部が外側面へ伝熱して放熱されるとき、ヒータ線20の外縁部から外側面までの距離がほぼ一定であり、外側面への伝熱が周方向で均等になるので、ヒータ100の内側における均熱性も高まる。絶縁基体10の外形は、図1〜図9および図21〜図23に示す例のような厳密な円形だけでなく、図10〜図12および図16に示す例のように円形の一部(4箇所)を切欠いて平面部を設けたもの、図13〜図15に示す例のように平面部を設けるために一部が円形から突出したもの、図17〜図20に示す例のように円形の一部を切欠いて平面部を形成するとともに平面部を長くするために突出部を設けた円形状とすることができる。なお、図12,図15,図16(b),図19および図20(b)においては、円形である場合の仮想の外側面を二点鎖線で示している。このような平面部を有する円形状の絶縁基体10の切欠きや突出部は、絶縁基体10の外径に対して小さいものであるため、絶縁基体10の外形が円形である場合と同様に均熱性の高いものとなる。また、このような外側面に平面部を有する円形状のヒータ100は、平面部によってカメラモジュール600の筐体500等との位置合わせが容易となる。
絶縁基体10の寸法は、加熱対象であるレンズ200の大きさに応じて設定される。絶縁基体10が、例えば、平面視(上面視)で円形である場合には、例えば、平面視の寸法は、外径が8mm〜30mmで内径が6mm〜26mmで、厚みが例えば0.3mm〜1.5mmである。
絶縁基体10は、例えば図1〜図25に示す例のように、複数の絶縁層10aが積層されてなるものである。絶縁層10aすなわち絶縁基体10はセラミックスからなるものである。絶縁基体10は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミック焼結体、
窒化アルミニウム質焼結体またはムライト質焼結体等のセラミック焼結体によって形成されている。絶縁基体10は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素等の原料粉末を適当な有機バインダおよび有機溶剤とともにシート状に成形して四角シート状のセラミックグリーンシートを作製する。その後、このセラミックグリーンシートを適当な寸法に切断、成形したセラミックグリーンシートを複数枚積層し、この積層した積層体を1300〜1600℃の温度で焼成することによって絶縁基体10を製作することができる。焼成された複数のセラミックグリーンシートのそれぞれが、絶縁基体10を形成する絶縁層10aになる。
窒化アルミニウム質焼結体またはムライト質焼結体等のセラミック焼結体によって形成されている。絶縁基体10は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素等の原料粉末を適当な有機バインダおよび有機溶剤とともにシート状に成形して四角シート状のセラミックグリーンシートを作製する。その後、このセラミックグリーンシートを適当な寸法に切断、成形したセラミックグリーンシートを複数枚積層し、この積層した積層体を1300〜1600℃の温度で焼成することによって絶縁基体10を製作することができる。焼成された複数のセラミックグリーンシートのそれぞれが、絶縁基体10を形成する絶縁層10aになる。
ヒータ線20は、セラミックグリーンシートと同時焼成で形成されるメタライズ導体で形成することができる。ヒータ線20は、セラミックグリーンシートの所定の位置に、例えばスクリーン印刷により所定形状でメタライズペーストを塗布しておけばよい。メタライズペーストは、例えば、タングステン、モリブデン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケルまたはコバルト等の金属材料、またはこれらの金属材料を含む合金材料の粉体を主成分とし、溶剤や有機バインダ等含有するものである。メタライズペーストは、電気抵抗値の調整あるいは焼成収縮率の調整のために、セラミックスやガラスなどの絶縁材料(高抵抗材料)の粉末を含むことができる。必要な発熱量に応じて、メタライズペースト材料の種類や配合比率を調整し、ヒータ線20の寸法や形状を設定する。
線幅の小さい内周線部21iを有するヒータ線20は、印刷製版のパターンをそのような形状にすることよって形成することができる。内周線部21iが接続されている折り返し部22あるいは接続部23において線幅が徐々に小さくなっているパターンを用いることができる。厚みの小さい内周線部21iを有するヒータ線20は、例えば、内周線部21i以外の部分を複数回重ねて印刷することで形成することができる。内周線部21iが接続されている折り返し部22あるいは接続部23の内周線部21i側の端の位置が異なる複数のパターンを用いることで、折り返し部22あるいは接続部23から内周線部21iにかけて、厚みが徐々に小さくなるヒータ線20を形成することができる。高抵抗部材の含有率が外周線部21oより大きい内周線部21iを有するヒータ線20は、内周線部21i用のメタライズペーストとして、外周線部21o用のメタライズペーストよりも高抵抗部材の含有率が大きいものを用いることで形成することができる。折り返し部22あるいは接続部23において内周線部21iに近付くにつれて高抵抗部材の含有率が徐々に大きくなるヒータ線20は、折り返し部22等において高抵抗部材の含有率の小さいメタライズペーストと内周線部21i用の高抵抗部材の含有率が大きいメタライズペーストとが重なるように印刷することで形成することができる。あるいは、折り返し部22等の部分に内周線部21i用のメタライズペーストよりも高抵抗部材の含有率が小さく、含有率が異なるメタライズペーストを印刷することで形成することができる。また、高抵抗部材として、焼成時に軟化して移動しやすいガラス等を用いると、含有率の大きい内周線部21iから含有率の小さい折り返し部22等へ高抵抗部材が移動して、内周線部21iから折り返し部22等にかけて含有率が徐々に小さいヒータ線20となる。
第1端子電極31および第2端子電極32は、絶縁基体10の表面に設けられている。例えば図2〜図4に示す例では、絶縁基体10の貫通孔が開口する主面のうちの一方に第1端子電極31および第2端子電極32が設けられている。第1端子電極31および第2端子電極32の配置や大きさは、カメラモジュール600の他の部材の配置やヒータ100の大きさ等に応じて適宜設定することができる。例えば、図5〜図7に示す例のように、第1端子電極31および第2端子電極32は絶縁基体10の互いに異なる主面にそれぞれ設けることができる。あるいは、図10〜図12に示す例のように、第1端子電極31および第2端子電極32は絶縁基体10の一方の主面と他方の主面の両方にそれぞれ設けることもできる。また、図13〜図15に示す例のように絶縁基体10の主面から外側面
にかけて、あるいは図17〜図19に示す例のように一方の主面から側面を通って他方の主面にかけて設けることもできる。いずれにしても、絶縁基体10の主面に第1端子電極31および第2端子電極32の全部または一部が設けられる。図10〜図12および図17〜図19に示す例のように、絶縁基体10の一方の主面と他方の主面の両方に第1端子電極31および第2端子電極32が設けられる場合には、ヒータ100の主面の向きによらずカメラモジュール600に組み込むことができる。図10〜図12に示す例のヒータ線20の端部は、絶縁基体10の一方の主面に設けられた第1端子電極31および第2端子電極32と、絶縁基体10の他方の主面に設けられた第1端子電極31および第2端子電極32の両方に貫通導体40で接続されている。これに対して、図17〜図19に示す例のヒータ線20の端部は、絶縁基体10の一方の主面に設けられた第1端子電極31と、絶縁基体10の他方の主面に設けられた第2端子電極32に貫通導体40で接続されている。つまり、ヒータ線20の端部は互いに異なる主面にある第1端子電極31および第2端子電極32に接続されている。絶縁基体10の一方の主面の第1端子電極31と他方の主面の第1端子電極31とは側面で接続されている。第2端子電極32についても同様である。第1端子電極31および第2端子電極32が絶縁基体10の一方の主面から側面を通って他方の主面にかけて設けられている場合には、ヒータ線20の端部は同じ主面にある第1端子電極31および第2端子電極32に接続してもよいし、両主面の第1端子電極31および第2端子電極32に接続することもできる。第1端子電極31および第2端子電極32は、ヒータ線20と同様の材料および方法で形成することができる。あるいは、第1端子電極31および第2端子電極32は、蒸着等による薄膜で形成することができる。また、第1端子電極31および第2端子電極32の表面に、めっきによるNi/Au等の金属皮膜を設けることができる。これにより、第1端子電極31および第2端子電極32の腐食が抑えられるとともに、接続部材410の接続性が向上する。
にかけて、あるいは図17〜図19に示す例のように一方の主面から側面を通って他方の主面にかけて設けることもできる。いずれにしても、絶縁基体10の主面に第1端子電極31および第2端子電極32の全部または一部が設けられる。図10〜図12および図17〜図19に示す例のように、絶縁基体10の一方の主面と他方の主面の両方に第1端子電極31および第2端子電極32が設けられる場合には、ヒータ100の主面の向きによらずカメラモジュール600に組み込むことができる。図10〜図12に示す例のヒータ線20の端部は、絶縁基体10の一方の主面に設けられた第1端子電極31および第2端子電極32と、絶縁基体10の他方の主面に設けられた第1端子電極31および第2端子電極32の両方に貫通導体40で接続されている。これに対して、図17〜図19に示す例のヒータ線20の端部は、絶縁基体10の一方の主面に設けられた第1端子電極31と、絶縁基体10の他方の主面に設けられた第2端子電極32に貫通導体40で接続されている。つまり、ヒータ線20の端部は互いに異なる主面にある第1端子電極31および第2端子電極32に接続されている。絶縁基体10の一方の主面の第1端子電極31と他方の主面の第1端子電極31とは側面で接続されている。第2端子電極32についても同様である。第1端子電極31および第2端子電極32が絶縁基体10の一方の主面から側面を通って他方の主面にかけて設けられている場合には、ヒータ線20の端部は同じ主面にある第1端子電極31および第2端子電極32に接続してもよいし、両主面の第1端子電極31および第2端子電極32に接続することもできる。第1端子電極31および第2端子電極32は、ヒータ線20と同様の材料および方法で形成することができる。あるいは、第1端子電極31および第2端子電極32は、蒸着等による薄膜で形成することができる。また、第1端子電極31および第2端子電極32の表面に、めっきによるNi/Au等の金属皮膜を設けることができる。これにより、第1端子電極31および第2端子電極32の腐食が抑えられるとともに、接続部材410の接続性が向上する。
ヒータ線20と第1端子電極31および第2端子電極32とは貫通導体40で電気的に接続されており、ヒータ100が複数のヒータ線20を有する場合は、ヒータ線20同士も貫通導体40で電気的に接続されている。貫通導体40は、金型等によるパンチング加工あるいはレーザ加工によってセラミックグリーンシートに貫通孔を設けておき、この貫通孔を上記と同様のメタライズペーストを充填しておけばよい。
上述した、接続部材410を介して外部へ熱が逃げてしまうことによる、第1端子電極31および第2端子電極32の近傍の温度低下に対して、貫通導体40を、高抵抗部材を含むものにすることができる。これにより、貫通導体40の電気抵抗が大きくなって貫通導体40でも発熱し、貫通導体40が接続されている第1端子電極31および第2端子電極32を加熱することができる。また、ヒータ線20から貫通導体40への伝熱性が低下するので、ヒータ線20の熱が外部へ散逸する可能性が低減され、ヒータ100の均熱性が向上する。
レンズ200は、ガラスまたは樹脂等の透光性の材料からなるものである。図27〜図30に示す例のカメラモジュール600のレンズ200は、1つのレンズで構成されているが、複数のレンズで構成されるものであってもよい。この場合のヒータ100は、少なくとも1つの、例えばもっとも外側の、筐体500の開口部501の近くに位置するレンズに熱的に接続されていればよい。レンズ200の形状、数および配置等はカメラモジュール600に求められる特性に応じて設定することができる。
ヒータ100とレンズ200とを接合する接着剤110では、エポキシ樹脂等を主成分とする樹脂接着剤を用いることができる。接着剤110は、樹脂材料より熱伝導率の大きい金属やセラミックスの粒子を含み、熱伝導率の高めたものを用いることができる。ヒータ100によるレンズ200の加熱をより短時間で行なうことができる。
撮像素子300は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。撮像素子300の画素数や大きさはカメラモジュール600に求められる特性に応じて選択することができる。
回路基板400は、セラミックスまたは樹脂等からなる絶縁板に、撮像素子300等が接続される電極や配線が設けられたものである。
筐体500は、例えばエポキシ樹脂等の樹脂からなるものである。筐体500の外形状は、図27に示す例のカメラモジュール600では直方体状であるが、筐体500の形状はこれに限られず、例えば円柱状(円筒型)等、カメラモジュール600が設置される位置あるいは筐体500内のレンズ200等の配置に応じた形状とすることができる。
10・・・絶縁基体
10a・・・絶縁層
11・・・貫通孔
20・・・ヒータ線
21・・・周線部
21i・・・内周線部
21o・・・外周線部
21c・・・中間周線部
22・・・折り返し部
23・・・接続部
31・・・第1端子電極
32・・・第2端子電極
40・・・貫通導体
41・・・接続配線
100・・・ヒータ
110・・・接着剤
200・・・レンズ
300・・・撮像素子
400・・・回路基板
410・・・接続部材
420・・・ケーブル
430・・・電子部品
500・・・筐体
501・・・開口部
600・・・カメラモジュール
10a・・・絶縁層
11・・・貫通孔
20・・・ヒータ線
21・・・周線部
21i・・・内周線部
21o・・・外周線部
21c・・・中間周線部
22・・・折り返し部
23・・・接続部
31・・・第1端子電極
32・・・第2端子電極
40・・・貫通導体
41・・・接続配線
100・・・ヒータ
110・・・接着剤
200・・・レンズ
300・・・撮像素子
400・・・回路基板
410・・・接続部材
420・・・ケーブル
430・・・電子部品
500・・・筐体
501・・・開口部
600・・・カメラモジュール
Claims (7)
- 貫通孔を有する板状の絶縁基体と、
該絶縁基体の内部のヒータ線と、
前記絶縁基体の表面上の第1端子電極および第2端子電極と、
を備えており、
前記ヒータ線は、前記貫通孔に沿って前記貫通孔を取り囲むように延びる複数の周線部を含んでおり、複数の前記周線部は前記第1端子電極と前記第2端子電極との間で直列に接続されて前記貫通孔を多重に取り囲んでいるヒータ。 - 前記ヒータ線は、複数の前記周線部のうち隣り合う前記周線部の1つの端部同士が折り返し部で接続されており、該折り返し部は平面透視で前記第1端子電極と前記第2端子電極との間に位置している請求項1に記載のヒータ。
- 前記ヒータ線において、前記貫通孔を取り囲む多重の周線部のうち前記貫通孔に最も近い内周線部は、前記貫通孔から最も遠い外周線部よりも単位長さあたりの抵抗が大きい請求項1または請求項2に記載のヒータ。
- 前記内周線部は前記外周線部よりも線幅が小さい請求項3に記載のヒータ。
- 前記内周線部は前記外周線部よりも厚みが小さい請求項3または請求項4に記載のヒータ。
- 前記内周線部は前記外周線部よりも高抵抗部材の含有率が大きい請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のヒータ。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のヒータと、該ヒータと重なって熱的に接続されているレンズと、撮像素子とを備えているカメラモジュール。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4167558A1 (en) * | 2021-10-15 | 2023-04-19 | Ficosa Adas, S.L.U. | Camera module and assembling method |
-
2019
- 2019-05-28 JP JP2019099475A patent/JP2020194696A/ja active Pending
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