JP2020194418A - 硬貨処理装置及び自動取引装置 - Google Patents

硬貨処理装置及び自動取引装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020194418A
JP2020194418A JP2019100335A JP2019100335A JP2020194418A JP 2020194418 A JP2020194418 A JP 2020194418A JP 2019100335 A JP2019100335 A JP 2019100335A JP 2019100335 A JP2019100335 A JP 2019100335A JP 2020194418 A JP2020194418 A JP 2020194418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coins
cylinder storage
cylinder
coin
storage unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019100335A
Other languages
English (en)
Inventor
皓太郎 大石
Kotaro Oishi
皓太郎 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2019100335A priority Critical patent/JP2020194418A/ja
Publication of JP2020194418A publication Critical patent/JP2020194418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】運用効率を向上する。【解決手段】現金自動預払機1は、使用者の操作を受け付ける応対部3と、移動可能であり硬貨を重ねて集積可能な筒状の硬貨集積空間SPCを有する複数の筒収納部56と、硬貨集積空間SPC内を移動可能であり硬貨が集積される硬貨集積面67pSが形成されたステージ67と、硬貨が集積される受入位置Prに位置する筒収納部56を切り替え、受入位置Prに位置している筒収納部56に硬貨を集積させる硬貨制御部12とを設け、硬貨制御部12は、集積しようとしている硬貨の枚数である集積予定枚数と、筒収納部56の空き容量とを比較し、集積予定枚数以上の空き容量を有する筒収納部56が存在する場合、該筒収納部56を受入位置Prに移動させてから、該筒収納部56に硬貨の集積を開始する。【選択図】図14

Description

本発明は硬貨処理装置及び自動取引装置に関し、例えば顧客に紙幣や硬貨を投入させて所望の取引を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
従来、金融機関等で使用される現金自動預払機等においては、顧客との取引内容に応じて、例えば顧客に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また顧客へ現金を出金するものが広く普及している。この現金自動預払機としては、例えば硬貨に関する処理を行う硬貨処理装置を内部に有するものがある。硬貨処理装置は、例えば顧客との間で硬貨の授受を行う入出金部と、硬貨を搬送する搬送部と、投入された硬貨の金種や真偽等を識別する識別部(認識部とも呼ぶ)と、金種毎に硬貨を収納する収納部(スタッカ部とも呼ぶ)等を有するものが提案されている。そのような硬貨処理装置においては、筒状のスタッカ部に上方から硬貨を収納するものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
このような硬貨処理装置としては、例えば、図2に示す硬貨処理装置110がある。入金取引において硬貨処理装置110は、顧客によって入出金部13に投入された入金硬貨を上分離部15と認識搬送部16とを通過させて一時保留部23へ搬送する。その後、顧客が入金を承認すると、硬貨処理装置110は、入金硬貨を一時保留部23から上分離部15と認識搬送部16とを通過させてスタッカ部21(スタッカ部21A〜21F)へ搬送することにより、各スタッカ部21において硬貨を一列に重ねて集積する筒収納部が3つ配された筒収納部回転体における、所定の受入位置に位置している筒収納部に集積する。硬貨処理装置110は、入金硬貨を全てスタッカ部21の筒収納部に集積し切るか、又は、何れかのスタッカ部21において集積中の筒収納部がフル状態になるまで、受入位置に位置している筒収納部に入金硬貨を集積する。
ここで硬貨処理装置110は、入金取引における集積中に何れかのスタッカ部21において集積中の筒収納部がフル状態になると、搬送路上に残留している入金硬貨全てを一旦入出金部13に搬送し、その後、筒収納部回転体を回転させてフル状態でない筒収納部を受入位置に移動させ、それから入出金部13にある硬貨を入金取引と同様の搬送ルートで再びスタッカ部21に搬送する。
特開2015−141587号公報
このような硬貨処理装置においては、入金取引における硬貨の搬送中に、受入位置にある筒収納部を切り替えたい場合、単純に筒収納部回転体を回転させる時間だけでなく、最終的な搬送先以外の場所に硬貨を搬送する時間や、搬送が終了するまで待機する時間が余計にかかってしまう。また搬送中における筒収納部の切り替えは、6金種の硬貨全てで発生する可能性があり、発生する度にそのような時間がかかることになるため、取引時間の増大の一因となってしまい、運用効率が低下してしまう可能性があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、運用効率を向上し得る硬貨処理装置及び自動取引装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の硬貨収納装置においては、移動可能であり硬貨を重ねて集積可能な筒状の収納空間を有する複数の筒収納部と、収納空間内を移動可能であり硬貨が集積される載置面が形成されたステージと、硬貨が集積される受入位置に位置する筒収納部を切り替え、受入位置に位置している筒収納部に硬貨を集積させる制御部とを設け、制御部は、集積しようとしている硬貨の枚数である集積予定枚数と、筒収納部の空き容量とを比較し、集積予定枚数以上の空き容量を有する筒収納部が存在する場合、該筒収納部を受入位置に移動させてから、該筒収納部に硬貨の集積を開始するようにした。
本発明は、集積動作において硬貨の搬送中に、受入位置に位置している筒収納部がフル状態になってしまい、筒収納部回転体を回転させて受入位置に位置する筒収納部を切り替える回数を低減できる。
また本発明の硬貨収納装置においては、移動可能であり硬貨を重ねて集積可能な筒状の収納空間を有する複数の筒収納部と、収納空間内を移動可能であり硬貨が集積される載置面が形成されたステージと、硬貨が繰り出される繰出位置に位置する筒収納部を切り替え、繰出位置に位置している筒収納部から硬貨を繰り出させる制御部とを設け、制御部は、繰り出そうとしている硬貨の枚数である繰出予定枚数と、筒収納部の在高とを比較し、繰出予定枚数以上の在高を有する筒収納部が存在する場合、該筒収納部を繰出位置に移動させてから、該筒収納部から硬貨の繰り出しを開始するようにした。
本発明は、繰出動作において硬貨の搬送中に、繰出位置に位置している筒収納部がエンプティ状態になってしまい、筒収納部回転体を回転させて繰出位置に位置する筒収納部を切り替える回数を低減できる。
さらに本発明の自動取引装置においては、使用者の操作を受け付ける操作部と、上述した硬貨処理装置とを設けるようにした。
本発明によれば、運用効率を向上し得る硬貨処理装置及び自動取引装置を実現できる。
現金自動預払機の外観構成を示す斜視図である。 硬貨処理装置の構成を示す右側面図である。 スタッカユニットの構成を示す斜視図である。 筒収納部回転体の構成(1)を示す斜視図である。 筒収納部回転体の構成(2)を示す右側面図である。 筒収納部回転体の構成(3)を示し、図5におけるA−A矢視断面図である。 筒収納部回転体の構成(4)を示し、図6におけるA−A矢視断面図である。 集積機構の構成を示す斜視図である。 繰出機構の構成を示す斜視図である。 入金取引の入金計数処理における硬貨の流れ(1)を示す右側面図である。 入金取引の入金収納処理における硬貨の流れ(2)を示す右側面図である。 出金取引における硬貨の流れを示す右側面図である。 筒収納部が回転する様子を示す平面図である。 集積処理手順を示すフローチャートである。 受入対象筒収納部切替処理手順を示すフローチャートである。 受入対象筒収納部切替処理を示すタイミングチャートである。 ステージ上面位置移動処理手順を示すフローチャートである。 ステージ集積位置移動処理手順を示すフローチャートである。 繰出処理手順を示すフローチャートである。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.現金自動預払機の全体構成]
図1に外観を示すように現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関や各種商業施設等に設置され、使用者(すなわち金融機関や商業施設の顧客等)との間で、入金処理や出金処理等の現金に関する取引を行う。
筐体2は、その前側に使用者が対峙した状態で紙幣又は硬貨の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に応対部3が設けられている。応対部3は、カード入出口4、硬貨入出金口5、操作表示部6、テンキー7及びレシート発行口8が設けられており、使用者との間で例えば現金やカード等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行う。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。硬貨入出金口5は、使用者によって入金される硬貨が投入されると共に、使用者へ出金する硬貨が排出される部分である。また硬貨入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞する。因みに応対部3には、使用者により入金される紙幣が投入されると共に該使用者へ出金する紙幣が排出される紙幣入出金口(図示せず)等も設けられている。
操作表示部6は、取引に際して操作画面や取引内容等を表示する液晶表示パネルと、使用者の入力操作を検知するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルである。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。
以下では、現金自動預払機1のうち使用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、該前側に対峙した使用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2の内部には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、取引対象である硬貨に関する種々の処理を行う硬貨処理装置10や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣処理装置(図示せず)等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金処理や出金処理等の種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
[2.硬貨処理装置の全体構成]
硬貨処理装置10は、図2に模式的な右側面図を示すように、硬貨処理装置筐体11の内部に、硬貨に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。この硬貨は、例えば銅及びニッケルの合金やアルミニウム等、十分な強度を有する種々の材料でなり、薄い円板状に形成されている。
硬貨処理装置筐体11の内部には、比較的上側ないし中央付近に、入出金部13、シュート部14、上分離部15、認識搬送部16、受渡部17、ピンベルト搬送部18、6個のスタッカ部21、出金搬送部22及び一時保留部23が設けられている。また硬貨処理装置筐体11の内部には、比較的下側に、硬貨制御部12、補充回収庫24、第1補充リジェクト庫25、第2補充リジェクト庫26、リジェクト庫27、取忘取込庫28及び下分離部29が設けられている。
硬貨制御部12は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等に関する種々の処理を行い、硬貨処理装置10を統括制御する。また硬貨制御部12は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
[2−1.入出金部、シュート部及び上分離部の構成]
入出金部13は、使用者との間で硬貨を受け渡すことにより、該使用者に硬貨を入金させ、又は該使用者に硬貨を出金する。また入出金部13は、使用者により硬貨が投入されると、投入された硬貨をシュート部14に引き渡して該シュート部14内を下降させ、該シュート部14の下側に設けられた上分離部15内に到達させる。また入出金部13は、ピンベルト搬送部18から硬貨が搬送されてくると、該硬貨を集積した後、使用者に受け取らせる。
シュート部14は、硬貨の直径よりも十分に大きい内径を有する筒状に形成されており、重力を利用して硬貨を入出金部13から上分離部15へ進行させる。すなわちシュート部14は、硬貨を1枚ずつに分離することなく、複数の硬貨が連なった状態やある程度まとまった状態のまま、複数の硬貨を短時間で移動させる。
上分離部15は、大きく分けて、下側の比較的大きい容積を占める部分である集積分離部15Aと、該集積分離部15Aから上方に突出するように形成された分離搬送部15Bとにより構成されている。集積分離部15Aは、シュート部14から硬貨が落下してくると、この硬貨を集積空間内に集積する。また集積分離部15Aは、傾斜円盤15Cを図2中時計回りに回転させることにより、集積された硬貨を適宜撹拌しながら、傾斜円盤15Cに形成された突起に硬貨を1枚ずつ引っ掛け、該硬貨の盤面を該傾斜円盤15Cに対向(すなわち当接)させた姿勢で持ち上げていき、分離搬送部15Bに引き渡す。
分離搬送部15Bは、硬貨を案内する搬送ガイドと、該搬送ガイドに沿って走行するピンベルトとを有している。搬送ガイドは、上方へ進行してから後ろ斜め下方向へ屈曲するような搬送経路に沿って形成されている。また搬送ガイドには、搬送経路の左側において硬貨の盤面と対向するガイド面を貫通するようにして、該搬送経路に沿った溝が形成されている。
ピンベルトは、搬送ガイドの左側に配置されており、図示しないプーリ等によって搬送経路に沿って走行するように張架されている。このピンベルトは、走行方向に沿って所定間隔毎に搬送ピンが設けられており、搬送ピンの先端が搬送ガイドの溝に入り込むように、ガイド面よりも右側に突出している。分離搬送部15Bは、傾斜円盤15Cの回転と同期するようにピンベルトを走行させることにより、集積分離部15Aから引き渡された硬貨を搬送ガイドに沿って上方向へ搬送してから後ろ斜め下方へ搬送し、認識搬送部16に引き渡す。
[2−2.認識搬送部及び受渡部の構成]
認識搬送部16は、シュート部14の右側(図2における紙面の手前側)に位置しており、上分離部15の分離搬送部15Bにより硬貨が搬送されてくると、これを圧接搬送ベルト(図示せず)と搬送ガイド(図示せず)の搬送面との間に挟み込み、圧接搬送ベルトの走行に伴ってこの硬貨を摺動させながら搬送面に沿って後方へ搬送する。やがて認識搬送部16は、この硬貨が撮像部(図示せず)の右側に到達すると、該撮像部により該硬貨を撮像して画像信号を生成し、これを硬貨制御部12へ供給すると共に、引き続き該圧接搬送ベルトの走行によりこの硬貨を後方へ搬送して、後側の受渡部17に引き渡す。
受渡部17は、前側の認識搬送部16と後側のピンベルト搬送部18との間に位置しており、搬送ガイドにより硬貨を後ろ斜め下方へ進行させる。これにより受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨を、ピンベルト搬送部18による硬貨の搬送経路上に位置させて該ピンベルト搬送部18に引き渡す。このとき受渡部17は、硬貨を1枚ずつ受け渡す。すなわち受渡部17は、認識搬送部16において1枚ずつ認識された硬貨を、1枚ずつに分離された状態を維持したまま、且つ受け取った順序も維持したまま、ピンベルト搬送部18に順次引き渡す。
[2−3.ピンベルト搬送部の構成]
ピンベルト搬送部18は、スタッカ部21の前側下部、下側、後側及び上側を取り囲むように配置されている。説明の都合上、以下ではピンベルト搬送部18の前側下部、下側、後側及び上側をそれぞれ前ピンベルト搬送部18F、下ピンベルト搬送部18D、後ピンベルト搬送部18B及び上ピンベルト搬送部18Uと呼ぶ。このうち下ピンベルト搬送部18Dの大部分は、出金搬送部22及び一時保留部23の左側、すなわち図2における紙面の奥側に位置している。
ピンベルト搬送部18は、大きく分けて搬送ガイド及びピンベルト(図示せず)により構成されている。搬送ガイドは、硬貨の搬送面を形成し、搬送面を硬貨の盤面と当接させる。ピンベルト搬送部18のうち上ピンベルト搬送部18Uと下ピンベルト搬送部18Dとは、前後方向に沿って硬貨を案内する。また上ピンベルト搬送部18Uは、前端近傍において、前斜め下方向へ屈曲し、入出金部13と接続されている。一方、ピンベルト搬送部18のうち前ピンベルト搬送部18F及び後ピンベルト搬送部18Bは、概ね上下方向に沿って硬貨を案内する。
ピンベルトは、搬送ベルト及び搬送ピン(図示せず)により構成されている。搬送ベルトは、可撓性を有する材料によって円環状に形成されている。一方、硬貨処理装置筐体11には、主に搬送ガイドが屈曲する箇所の近傍に、複数のプーリがそれぞれ回転可能に設けられている。搬送ベルトは、各プーリを順次結ぶように張架される。ピンベルト搬送部18は、図示しないモータから一部のプーリに駆動力が伝達されると、該プーリを図2中反時計回りに回転させ、これに伴ってピンベルトを図2中反時計回りとなるように走行させる。これに伴いピンベルト搬送部18は、搬送ガイドの搬送面に硬貨の盤面(すなわち左側面)を寄りかからせた状態で、搬送ピンにより該硬貨に対し搬送方向へ力を加え、該搬送ガイドに沿って進行させることにより、搬送する。
このピンベルト搬送部18は、受渡部17から硬貨を受け取ると、この硬貨を前ピンベルト搬送部18Fに沿って下方へ進行させ、さらに下ピンベルト搬送部18Dに沿って後方へ進行させる。続いてピンベルト搬送部18は、この硬貨を後ピンベルト搬送部18Bに沿って上方へ進行させ、さらに上ピンベルト搬送部18Uに沿って前方へ進行させた後、入出金部13へ進行させる。すなわちピンベルト搬送部18は、認識搬送部16から受渡部17を介して受け渡された硬貨を、スタッカ部21の周囲を周回するようにして、概ね環状に形成された搬送経路に沿って入出金部13へ搬送する。
かかる構成に加えてピンベルト搬送部18には、6箇所の分岐部が設けられている。この分岐部は、ピンベルト搬送部18を進行する硬貨の進行先を、それぞれ、補充回収庫24へ切り替え可能な前補回分岐部と、第1補充リジェクト庫25又は第2補充リジェクト庫26へ切り替え可能な前リジェクト分岐部と、一時保留部23へ切り替え可能な一時保留分岐部と、リジェクト庫27へ切り替え可能な後第1リジェクト分岐部と、取忘取込庫28へ切り替え可能な後第2リジェクト分岐部と、補充回収庫24が硬貨処理装置筐体11の後側に取り付けられた場合に該補充回収庫24へ切り替え可能な後補回分岐部とにより構成されている。
各分岐部は、硬貨制御部12の制御に基づいて分岐板(図示せず)を回動させることにより、硬貨を引き続きピンベルト搬送部18に沿って進行させるか、又は該硬貨をピンベルト搬送部18から分岐させてそれぞれの搬送先へ進行させるかを切り替える。
さらにピンベルト搬送部18には、6個のスタッカ部21のそれぞれ上側となる6箇所に、スタッカ分岐部が設けられている。スタッカ分岐部の左側には、硬貨をスタッカ部21へ案内する案内部31が設けられている。各スタッカ分岐部は、硬貨制御部12の制御に基づいて分岐板を回動させることにより、硬貨を引き続きピンベルト搬送部18に沿って進行させるか、又は該硬貨をピンベルト搬送部18から分岐させて各スタッカ部21へ進行させるかを切り替える。
このようにピンベルト搬送部18は、認識搬送部16から受渡部17を介して受け渡された硬貨を搬送経路に沿って搬送し、該硬貨の搬送経路を分岐部又はスタッカ分岐部により適宜分岐させて補充回収庫24やスタッカ部21等へ進行させ、又は入出金部13へ進行させる。
[2−4.スタッカ部、出金搬送部及び一時保留部の構成]
硬貨処理装置10には、前後方向に沿って6個のスタッカ部21(21A、21B、21C、21D、21E及び21F)が整列配置されている。各スタッカ部21は、それぞれ所定の金種の硬貨と対応付けられている。このスタッカ部21は、案内部31の下側においてスタッカ部21の大部分を占める収納部50と、該収納部50の下側に設けられた繰出機構69とにより構成されている。これらのスタッカ部21は、前後方向に隣接する2つのスタッカ部21毎に、1つのスタッカユニット44として一体化するようにまとめられている。具体的に硬貨処理装置10は、スタッカ部21A及び21Bで1つのスタッカユニット44を構成し、スタッカ部21C及び21Dで1つのスタッカユニット44を構成し、スタッカ部21E及び21Fで1つのスタッカユニット44を構成している。
収納部50は、硬貨の盤面をほぼ水平とした姿勢で順次積み上げるようにして、上下方向に沿って集積するための集積空間が形成された円筒形状の筒収納部56を有している。因みに収納部50では、3つの筒収納部56が設けられており、これらを水平面内で移動させ得るようになっている。案内部31は、スタッカ分岐部から引き渡される硬貨を筒収納部56の上端近傍へ案内し、該筒収納部56内に既に集積されている他の硬貨の上側に載置させる。
繰出機構69は、筒収納部56の下端近傍において、該筒収納部56に集積されている硬貨のうち最も下側の1枚を繰り出す。具体的に繰出機構69は、筒収納部56の真下から右側にかけてベルト及びプーリの組み合わせでなる繰出搬送部72(図9)を構成しており、このベルトの上面を右方向へ向けて走行させることにより、筒収納部56内に集積されている最も下側の硬貨を右方向へ搬送して繰り出す。
ここで、スタッカ部21は下ピンベルト搬送部18Dのほぼ真上に位置している。またスタッカ部21における繰出機構69は、ベルトの右端を出金搬送部22の真上に、すなわち下ピンベルト搬送部18Dの右側に位置させている。このためスタッカ部21から繰り出された硬貨は、下ピンベルト搬送部18Dへ落下することなく、出金搬送部22又は一時保留部23へ落下する。
出金搬送部22は、後側から4個のスタッカ部21、すなわちスタッカ部21C〜21Fの右下側に位置している。この出金搬送部22は、上側及び前側が開放された中空の直方体のような形状となっており、内部に硬貨を収容し得る空間を形成している。この出金搬送部22は、硬貨制御部12の制御に基づいてプーリを回転させることにより、ベルトの上面を前方向へ進行させ、該ベルト上に載置若しくは集積されている硬貨を前方向へ搬送し、やがて一時保留部23内へ落下させる。このとき出金搬送部22は、硬貨を1枚ずつに分離することなく、複数の硬貨が連なった状態やある程度まとまった状態のまま、複数の硬貨を短時間で搬送する。
一時保留部23は、硬貨を一時的に集積させる箇所であり、出金搬送部22の前側、すなわちスタッカ部21A及び21Bの右下側に位置している。一時保留部23は、スタッカ部21A及び21Bから硬貨が繰り出されて落下してくると、これらを内部空間に収容し、ベルト上に載置させ、若しくは他の硬貨と共に集積させる。また一時保留部23は、出金搬送部22から搬送されてきた硬貨も、内部空間のベルト上に載置若しくは集積させる。このため一時保留部23は、ピンベルト搬送部18から一時保留分岐部を介して硬貨が引き渡されると、この硬貨も内部空間のベルト上に載置若しくは集積させる。
この一時保留部23は、ベルトを停止させている場合、内部空間に集積している硬貨をそのまま保持する。一方、一時保留部23は、硬貨制御部12の制御に基づいてベルトの上面を前上方向に走行させた場合、集積している硬貨を前斜め上方へ進行させていき、やがて該ベルトの前端部分から繰り出して上分離部15に受け渡すこと、すなわち認識搬送部16へ搬送させる。このとき一時保留部23は、出金搬送部22と同様に、硬貨を1枚ずつに分離することなく、複数の硬貨が連なった状態やある程度まとまった状態のまま、複数の硬貨を短時間で搬送する。
[2−5.補充回収庫、リジェクト庫等及び下分離部の構成]
補充回収庫24は、硬貨処理装置筐体11の下部前側に設けられており、直方体における後上側部分を仕切って第1補充リジェクト庫25及び第2補充リジェクト庫26とした場合の残った部分となっている。この補充回収庫24は、ピンベルト搬送部18から前補回分岐部を介して硬貨が進行してくると、この硬貨を内部に進行させて集積する。また補充回収庫24は、ベルトを停止させている場合には、硬貨を集積した状態を保持する一方、硬貨制御部12の制御に基づいてベルトの上面を後方へ進行させるように走行させた場合、この硬貨を後方へ搬送して該ベルトの後端近傍から補充回収庫24の後方へ繰り出す。
第1補充リジェクト庫25は、補充回収庫24の後上側における右側に位置しており、該補充回収庫24と比較して十分に小さい直方体状に形成されている。また第1補充リジェクト庫25は、補充回収庫24と同様に、内部に硬貨を集積する空間が形成されている。この第1補充リジェクト庫25は、ピンベルト搬送部18から前リジェクト分岐部を介して硬貨が進行してくると、この硬貨を内部に収容する。
第2補充リジェクト庫26は、第1補充リジェクト庫25の左側に位置しており、該第1補充リジェクト庫25とほぼ同様に構成されている。この第2補充リジェクト庫26は、ピンベルト搬送部18から前リジェクト分岐部と、該前リジェクト分岐部よりも下側に設けられた前第2リジェクト分岐部とを順次介して硬貨が進行してくると、この硬貨を内部に収容する。
リジェクト庫27は、第1補充リジェクト庫25と同様に構成されており、後第1リジェクト分岐部を介して硬貨が進行してくると、この硬貨を内部に収容する。取忘取込庫28は、リジェクト庫27の左側に設けられており、第2補充リジェクト庫26と同様に構成されており、後第2リジェクト分岐部を介して硬貨が進行してくると、この硬貨を内部に収容する。
下分離部29は、硬貨処理装置筐体11の下部における中央付近であり、補充回収庫24の後側に隣接する位置に配置されている。この下分離部29は、上分離部15と類似した構成となっており、集積分離部15A、分離搬送部15B及び傾斜円盤15Cとそれぞれ対応する集積分離部29A、分離搬送部29B及び傾斜円盤29Cにより構成されている。集積分離部29Aは、内部の傾斜円盤29Cを回転させることにより、集積されている硬貨を1枚ずつに分離して分離搬送部29Bに引き渡す。分離搬送部29Bは、集積分離部29Aから受け取った硬貨を1枚ずつ上方へ持ち上げるように搬送し、一時保留部23の放出口から内部の空間へ放出する。
このように下分離部29は、硬貨処理装置10内において比較的下側に位置する補充回収庫24から繰り出された硬貨を、これよりも上側に位置する一時保留部23へ搬送する。
[3.各種処理における硬貨の搬送]
次に、硬貨処理装置10において硬貨の搬送を伴う種々の処理、すなわち入金処理及び出金処理等における硬貨の搬送や集積等について説明する。ここでは、現金自動預払機1と顧客との間で入金取引及び出金取引を行う場合における硬貨処理装置10での処理についてそれぞれ説明する。
[3−1.入金取引における硬貨の搬送]
まず、現金自動預払機1(図1)において顧客との間で入金取引が行われる場合について説明する。この場合、硬貨処理装置10は、前段の入金計数処理により、図10に示すように、顧客に入金された硬貨の金種等を認識しながら枚数を計数し、これに続く後段の入金収納処理により、図11に示すように、各硬貨を適切な収納箇所へ搬送して収納する。
具体的に硬貨処理装置10の硬貨制御部12は、現金自動預払機1の主制御部9(図1)と連携することにより、操作表示部6(図1)を介して顧客から入金取引を開始する旨の操作入力を受け付けると、入金計数処理を開始する。
このとき硬貨制御部12は、まず主制御部9と連携して硬貨入出金口5(図1)のシャッタ及び入出金部13の上シャッタを開いて顧客に入出金部13内へ硬貨を投入させる。次に硬貨制御部12は、顧客から操作表示部6(図1)を介して硬貨の取り込みを開始する操作入力を受け付けると、硬貨入出金口5のシャッタ及び入出金部13の上シャッタを閉塞した上で、入出金部13からシュート部14を介して上分離部15に硬貨を引き渡す。
上分離部15は、硬貨を1枚ずつに分離して繰り出し、認識搬送部16へ引き渡す。認識搬送部16は、硬貨を1枚ずつ搬送しながら認識し、受渡部17に引き渡すと共に、得られた認識結果を硬貨制御部12へ通知する。
これに応じて硬貨制御部12は、通知された認識結果を基に、該硬貨を受け入れ得るか否かを判定すると共にその搬送先を決定し、さらに記憶する。このとき硬貨制御部12は、該硬貨が取扱可能な金種であり、且つ正当である(すなわち偽造されていない)と判定した場合にこれを受入可能とし、それ以外の場合を受入不可能とする。また硬貨制御部12は、受入可能と判定した硬貨の金額を逐次加算することにより合計金額を集計する。さらに硬貨制御部12は、受け入れ可能な硬貨が各金種において何枚であるかを判定し、各金種の枚数を、対応する金種を集積するスタッカ部21の集積予定枚数として記憶する。
受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。ピンベルト搬送部18は、該硬貨が受入可能であれば、一時保留分岐部まで搬送して分岐させて一時保留部23へ進行させ、該一時保留部23に集積させる。またピンベルト搬送部18は、該硬貨が受入不可能であれば、入出金部13まで搬送して収容させる。
やがて硬貨制御部12は、上分離部15から全ての硬貨を繰り出し終えると、入出金部13に受入不可能な硬貨を収容していれば、主制御部9(図1)と協働し上シャッタ等を開放させ、該硬貨を顧客に返却して確認させると共に、必要に応じて再投入させる。一方、硬貨制御部12は、入出金部13に受入不可能な硬貨を収容していなければ、入金計数処理を完了し、入金計数処理を完了したこと及び集計した合計金額(以下これを入金額と呼ぶ)を主制御部9に通知する。これに応じて現金自動預払機1の主制御部9は、所定の操作指示画面を操作表示部6(図1)に表示させ、顧客にこの入金額を提示すると共に入金取引を継続するか、又は中止するかを選択させる。
ここで入金取引の中止が選択されると、主制御部9はこのことを硬貨制御部12に通知する。これに応じて硬貨制御部12は、入金返却処理を行うことにより、一時保留部23に集積している硬貨を入出金部13へ搬送して顧客に返却する。
一方、顧客から入金取引の継続が選択されると、主制御部9はこのことを硬貨制御部12に通知する。これに応じて硬貨制御部12は、入金収納処理を行うことにより、一時保留部23に集積している硬貨をスタッカ部21へ搬送して金種毎に集積させる。
具体的に硬貨制御部12は、一時保留部23のベルトを走行させることにより、一時保留部23内に集積している硬貨を前方へ搬送して繰り出し、上分離部15に順次引き渡す。上分離部15及び認識搬送部16は、硬貨を1枚ずつに分離してから認識すると共に、受渡部17へ引き渡す。
これに応じて硬貨制御部12は、得られた認識結果を基に、該硬貨が再利用可能であるか否か、すなわち以降の出金処理において出金可能な硬貨であるか否かを判定し、該硬貨の搬送先を決定する。このとき硬貨制御部12は、該硬貨が再利用可能であれば、その金種に応じたスタッカ部21(スタッカ部21A〜21F)を搬送先とし、再利用不可能であれば、リジェクト庫27を搬送先とする。因みに以下では、再利用不可能と判定された硬貨をリジェクト硬貨とも呼ぶ。
受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。ピンベルト搬送部18は、該硬貨が再利用可能であれば、前ピンベルト搬送部18F、下ピンベルト搬送部18D及び後ピンベルト搬送部18Bにより該硬貨を順次搬送する。やがてピンベルト搬送部18は、該硬貨が上ピンベルト搬送部18Uに到達すると、金種に応じたスタッカ分岐部により該硬貨を分岐させ、案内部31を介して収納部50に集積させる。
ところでスタッカ部21では、収納部50の筒収納部56に集積可能な硬貨の最大枚数が規定されており、既に最大枚数の硬貨が集積されている場合、新たな硬貨を集積することができない。このような場合、硬貨制御部12は、該硬貨を入出金部13まで搬送して繰り出し、さらにシュート部14を介して上分離部15へ進行させる。これにより該硬貨は、やがて搬送経路に沿って再びスタッカ部21まで搬送される。
一方、スタッカ部21は、複数の筒収納部56を水平面内で移動させるための移動機構である図3に示す収納駆動部51を有しており、1個の筒収納部56に最大枚数の硬貨が集積された場合、該筒収納部56を案内部31の下側から他の箇所へ移動させると共に、他の筒収納部56を案内部31の下側に移動させる。すなわちスタッカ部21は、その内部において、案内部31の下側に位置する筒収納部56を交換する。これによりスタッカ部21は、次に硬貨が搬送されてきたときに、該硬貨を集積できる。
一方、ピンベルト搬送部18は、該硬貨が再利用不可能であれば、後第1リジェクト分岐部まで搬送して分岐させてリジェクト庫27へ進行させ、収容させる。やがて硬貨制御部12は、一時保留部23に集積していた全ての硬貨をそれぞれの搬送先に搬送し終えると、入金収納処理を終了する。
[3−2.出金取引における硬貨の搬送]
次に、現金自動預払機1(図1)において顧客との間で出金取引が行われる場合について説明する。この場合、硬貨処理装置10は、出金処理により、図12に示すように、顧客に指示された金額の硬貨を入出金部13へ搬送して出金する。
具体的に硬貨処理装置10の硬貨制御部12は、現金自動預払機1の主制御部9(図1)と連携することにより、操作表示部6を介して顧客から出金取引を開始する旨の操作入力を受け付けると、出金処理を開始する。
このとき硬貨制御部12は、まず主制御部9と連携して操作表示部6を介して出金額を含む所定の操作入力を受け付けると、硬貨制御部12において出金額に応じた硬貨の金種及び枚数を決定する。続いて各スタッカ部21は、決定した金種及び枚数に応じて、収納部50に集積している硬貨を繰出機構69によりそれぞれ繰り出し、下側の出金搬送部22又は一時保留部23内へ落下させ、集積させる。出金搬送部22は、ベルトの上面を前方へ走行させることにより、集積されている硬貨を前方へ搬送し、一時保留部23内へ落下させて集積させる。
その後、硬貨制御部12は、入金返却処理及び入金収納処理の場合と同様に、一時保留部23、上分離部15及び認識搬送部16により硬貨を1枚ずつに分離して順次搬送させ、該硬貨を認識して受渡部17へ引き渡す。受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。
また硬貨制御部12は、得られた認識結果を基に該硬貨が出金可能であるか否かを判定し、その搬送先を決定すると共に記憶する。すなわち硬貨制御部12は、該硬貨が出金可能であれば、入出金部13を搬送先とし、出金不可能であれば、リジェクト庫27を搬送先とする。因みに以下では、出金不可能と判定された硬貨をリジェクト硬貨とも呼ぶ。
ピンベルト搬送部18は、該硬貨が出金可能であれば、入出金部13へ搬送して収容させる。一方、ピンベルト搬送部18は、該硬貨が出金不可能であれば、後第1リジェクト分岐部まで搬送して分岐させてリジェクト庫27へ進行させ、収容させる。因みに硬貨制御部12は、リジェクト硬貨が発生した場合、該硬貨と同一金種の新たな硬貨をスタッカ部21から繰り出させる。
やがて硬貨制御部12は、出金額に応じた金種及び枚数の硬貨を入出金部13内に収容し終えると、主制御部9(図1)と協働して入出金部13の上シャッタ等を開放して顧客に該硬貨が取り出されるのを待ち受ける。その後、硬貨制御部12は、顧客により入出金部13内の硬貨が取り出されたことを検知すると、再び主制御部9と協働して上シャッタ等を閉塞し、出金処理を終了する。
[4.スタッカユニットの全体構成]
3個のスタッカユニット44は何れもほぼ同様に構成されている。図3に示すように1つのスタッカユニット44は、前側のスタッカ部21の収納部50、集積機構59及び繰出機構69と、後側のスタッカ部21の収納部50、集積機構59及び繰出機構69とにより構成されている。以下では、前側のスタッカ部21の収納部50、集積機構59及び繰出機構69について主に説明する。
[4−1.収納部の構成]
図3、図4及び図5に示すように収納部50は、収納駆動部51と筒収納部回転体55とカバー57とにより構成されており、内部に硬貨を収納すると共に、収納駆動部51の駆動力により、筒収納部回転体55が回転する。
[4−1−1.収納駆動部の構成]
収納駆動部51は、収納部モータ52と、ギア53及び54とにより構成されている。収納駆動部51は、収納部モータ52の回転駆動力をギア53とギア54とに順次伝達し、カバー57に設けられた孔部を介してギア54が筒収納部回転体55に噛み合うことにより、筒収納部回転体55を回転させる。
[4−1−2.筒収納部回転体の構成]
筒収納部回転体55は、上下方向に延びる略円筒形状に構成されており、所定の1金種の硬貨を内部に収容する。この筒収納部回転体55は、中心に位置する回転軸55ARを中心として収納駆動部51の駆動力により、図6中時計回りである筒収納部回転体回転方向r1へ回転可能に構成されている。また筒収納部回転体55が回転する際の回転軌道の範囲は、上下方向の範囲が筒収納部回転体55の上端部から下端部までとなっている。
また図6に示すように、筒収納部回転体55の内周側には、回転軸55ARを中心とした円周上に沿って筒収納部56(筒収納部56A、56B及び56C)が互いに対し120[°]の回転角度で3つ形成されている。以下では、筒収納部56A、56B及び56Cをまとめて筒収納部56とも呼ぶ。すなわち筒収納部回転体55は、硬貨を重ねて集積する筒収納部56が3個連結された構成となっている。また筒収納部回転体55は、筒収納部回転体回転方向r1に沿って、筒収納部56A、筒収納部56C、筒収納部56Bの順番で筒収納部56が配置されている。すなわち筒収納部回転体55は、筒収納部回転体回転方向r1の逆方向に沿った場合、筒収納部56A、筒収納部56B、筒収納部56Cの順番で筒収納部56が配置されている。筒収納部56は、収納する硬貨の直径よりも僅かに広い直径であり上下方向に延び硬貨を収納する円筒形状の空間である硬貨集積空間SPCが内部に形成されている。また筒収納部56は、硬貨集積空間SPCの下端部が筒収納部回転体55の外側と連通している。3つの筒収納部56は、互いに同一金種の硬貨を収納するため、互いに同一形状となっている。図4、図5及び図6に示すように、筒収納部回転体55の外周壁には、それぞれの筒収納部56の硬貨集積空間SPCと筒収納部回転体55の外部とを連通させるステージ入れ込みスリット55SLが筒収納部回転体55の上端部から下端部までに亘って形成されている。また筒収納部回転体55の上端に設けられたアッパガイド40には、回転軸55ARを中心とした円周上に沿って2つの筒回転位置検知ディテクタDT1が設けられている。これらの筒回転位置検知ディテクタDT1は、筒収納部回転体回転方向r1に沿って、互いに対し120[°]の回転角度で配置されている。
また筒収納部回転体55には、図6に示すように筒収納部56にピンベルト搬送部18から硬貨を投入させる受入位置Prと、筒収納部56から出金搬送部22又は一時保留部23へ硬貨を繰り出す繰出位置Peとが設定されている。受入位置Prは、筒収納部回転体55の前端部における、ステージ67の硬貨集積面67pSの上方に設定されており、繰出位置Peは、受入位置Prに対し筒収納部回転体回転方向r1へ120[°]回転した、分離ベルト73の左端部の上方に設定されている。このように受入位置Prと繰出位置Peとは、平面視において異なる位置に設定されている。以下では、現在受入位置Prにある筒収納部56を受入対象筒収納部とも呼び、現在繰出位置Peにある筒収納部56を繰出対象筒収納部とも呼ぶ。
硬貨処理装置10は、例えば入金取引等において、現在受入位置Prにある筒収納部56、すなわち受入対象筒収納部に硬貨を投入し集積させる集積動作と、例えば出金取引等において、現在繰出位置Peにある筒収納部56、すなわち繰出対象筒収納部から硬貨を繰り出す繰出動作とを行う。また硬貨処理装置10は、筒収納部回転体55を収納駆動部51により筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより、受入位置Prにある筒収納部56を切り替えると共に、繰出位置Peにある筒収納部56を切り替える。具体的に硬貨処理装置10は、現在の受入対象筒収納部に最大枚数の硬貨が集積された状態であるフル状態になると、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させ、現在受入位置Prにある筒収納部56に対し筒収納部回転体回転方向r1とは逆方向側に位置する筒収納部56を受入位置Prへ移動させることにより、受入対象筒収納部を切り替える。
図4に示すように、筒収納部回転体55の上端部よりも上方における筒回転位置検知ディテクタDT1の移動経路上には、筒回転位置検知ディテクタDT1を検知する筒回転位置検知センサSE1(筒回転位置検知センサSE1A及びSE1B)が設けられている。以下では、筒回転位置検知センサSE1A及びSE1Bをまとめて筒回転位置検知センサSE1とも呼ぶ。筒回転位置検知センサSE1は、筒収納部回転体回転方向r1に沿って、筒回転位置検知センサSE1A、筒回転位置検知センサSE1Bの順番で配置されており、筒回転位置検知センサSE1Aから筒回転位置検知センサSE1Bまでの筒収納部回転体回転方向r1に沿った回転角度は、120[°]となっている。筒回転位置検知センサSE1は、筒回転位置検知ディテクタDT1を通過させる溝を挟んで、検知光を発光する発光部と該検知光を受光する受光部とを対向させて配置したU字状の光学式のセンサである。この筒回転位置検知センサSE1は、検知光の受光結果を硬貨制御部12(図2)に通知する。硬貨制御部12は、この受光結果を基に、筒収納部回転体55の回転位置を判断する。具体的に硬貨制御部12は、図13に示すように、筒収納部56Aが受入位置Prに位置している場合、検知光を受光していないことを示す受光結果(すなわちON状態)を筒回転位置検知センサSE1A及び筒回転位置検知センサSE1Bの両方から取得する。続いて硬貨制御部12は、筒収納部回転体55が筒収納部回転体回転方向r1へ回転し、筒収納部56Bが受入位置Prに位置すると、OFF状態を筒回転位置検知センサSE1Aから、ON状態を筒回転位置検知センサSE1Bからそれぞれ取得する。さらに硬貨制御部12は、筒収納部回転体55が筒収納部回転体回転方向r1へ回転し、筒収納部56Cが受入位置Prに位置すると、ON状態を筒回転位置検知センサSE1Aから、OFF状態を筒回転位置検知センサSE1Bからそれぞれ取得する。
この筒収納部回転体55は、アッパガイド40と、サイドガイド46と、ロアガイド42と、回転軸55ARとにより構成されており、これらアッパガイド40、サイドガイド46及びロアガイド42によって囲まれた空間に、上述した硬貨集積空間SPCが形成されている。
[4−2.集積機構の構成]
図8に示すように集積機構59は、集積駆動部60とステージ67とにより構成されており、集積駆動部60の駆動力により、案内部31(図2)から搬送されてくる硬貨を受入位置Pr(図6)にある筒収納部56に集積させる。
[4−2−1.集積駆動部の構成]
集積駆動部60は、集積機構モータ61と、ステージ駆動ベルト62と、ギア63及び64と、ステージ駆動ベルトプーリ65と、シャフト66とにより構成されている。集積駆動部60は、パルスモータである集積機構モータ61の回転駆動力をギア63とギア64とに順次伝達し、ギア64がステージ駆動ベルトプーリ65に噛み合うことにより、ステージ駆動ベルトプーリ65を回転させる。
ステージ駆動ベルト62は、上端近傍及び下端近傍にそれぞれ配置されたステージ駆動ベルトプーリ65の周囲に掛け回された無端ベルトである。集積駆動部60は、硬貨制御部12の制御に基づき、ステージ駆動ベルトプーリ65を回転させることにより、ステージ駆動ベルト62を回転させ、その右面を上下方向に沿って走行させる。シャフト66は、円筒形状であり、ステージ駆動ベルト62の近傍において上下方向に沿って配設されている。
[4−2−2.ステージの構成]
ステージ67は、図6及び図8に示すように積置部67p、シャフト摺動部67g及び接続部67cが形成されている。積置部67pは、筒収納部56の内部の硬貨集積空間SPCを、硬貨が集積される上下方向である集積方向に沿って移動可能な大きさに形成されており、上面において硬貨を集積させる水平方向に沿った平面形状の硬貨集積面67pSが形成されている。シャフト摺動部67gは、シャフト66に円筒形状の孔部が摺動可能に嵌まり込んでおり、ステージ67の上下移動をガイドする。接続部67cは、積置部67pとシャフト摺動部67gとを接続しており、受入位置Prにある筒収納部56に形成されたステージ入れ込みスリット55SL内を上下方向に移動可能に構成されている。これによりステージ67は、ステージ入れ込みスリット55SLを介し筒収納部56の外部から内部へ入り込み、受入位置Prにある筒収納部56の集積空間内を上下移動する。
[4−2−3.センサの構成]
図7に示すように、ステージ67及び硬貨の移動経路上には、硬貨集積面67pS又は最上位硬貨の上面を検知する残留フル検知センサSE2の残留フル検知センサ光軸L1が配置されている。最上位硬貨は、ステージ67の硬貨集積面67pSに集積された硬貨CNのうち最上位に位置する硬貨CNである。残留フル検知センサSE2は、硬貨集積空間SPCを挟んで、残留フル検知センサ光軸L1に沿って検知光を発光する発光部と該検知光を受光する受光部とを左右に配置した光学式のセンサである。この残留フル検知センサSE2は、検知光の受光結果を硬貨制御部12(図2)に通知する。硬貨制御部12は、この受光結果を基に、硬貨集積面67pS又は最上位硬貨の上面の位置が所定の残留フル検知センサ上面位置にあるか否かを判断し、硬貨集積面67pS又は最上位硬貨の上面の位置が残留フル検知センサ上面位置よりも下側にあるようにステージ67を制御する。
また図7に示すように、筒収納部回転体55の上端部近傍におけるステージ67の移動経路上には、案内部31を落下する硬貨を検知する落下検知センサSE6の落下検知センサ光軸L2が配置されている。落下検知センサSE6は、案内部31を挟んで、落下検知センサ光軸L2に沿って検知光を発光する発光部と該検知光を受光する受光部とを左右に配置した光学式のセンサである。この落下検知センサSE6は、検知光の受光結果を硬貨制御部12に通知する。硬貨制御部12は、この受光結果を基に、硬貨が案内部31を落下していることと、ステージ67が所定の落下検知センサステージ上面位置にあるか否かを判断する。具体的に落下検知センサSE6は、ステージ67が落下検知センサステージ上面位置にあると、検知光がステージ67に設けられた落下検知ディテクタDT2によって遮られ検知光を受光していないことを示す受光結果(すなわちON状態)を硬貨制御部12(図2)に通知する。
筒収納部回転体55の下端部よりも下方におけるステージ67の移動経路上には、ステージ67を検知するステージボトムポジションセンサSE3が設けられている。ステージボトムポジションセンサSE3は、筒回転位置検知センサSE1(図4)と同様の光学式のセンサである。このステージボトムポジションセンサSE3は、検知光の受光結果を硬貨制御部12(図2)に通知する。硬貨制御部12は、この受光結果を基に、ステージ67が所定の下限位置にあるか否かを判断する。具体的にステージボトムポジションセンサSE3は、ステージ67が下限位置にあると、検知光を受光していないことを示す受光結果(すなわちON状態)を硬貨制御部12に通知する。ステージ67が下限位置にあると、ステージ67は筒収納部回転体55が回転する際の回転軌道の範囲よりも下側へ退避するため、筒収納部回転体55が回転してもステージ67は筒収納部回転体55とは干渉しない。
硬貨制御部12は、ステージボトムポジションセンサSE3と残留フル検知センサSE2との両方から同時に、検知光を受光していないことを示す受光結果(すなわちON状態)を取得した場合、現在受入位置Prにある筒収納部56には上限枚数まで硬貨が集積された、すなわち筒収納部56がフル状態であると判断する。
集積機構モータ61(図8)の出力軸には、集積回転位置検知ディテクタDT4が設けられている。集積回転位置検知ディテクタDT4の移動経路上には、集積回転位置検知ディテクタDT4を検知する集積回転位置検知センサSE4が設けられている。集積回転位置検知センサSE4は、筒回転位置検知センサSE1(図4)と同様の光学式のセンサである。この集積回転位置検知センサSE4は、検知光の受光結果を硬貨制御部12(図2)に通知する。硬貨制御部12は、この受光結果を基に、集積機構モータ61の回転位置、すなわちステージ67の上下方向の位置を検出する。
[4−3.繰出機構の構成]
図9に示すように繰出機構69は、繰出駆動部70と、繰出搬送部72と、塞ぎ止め部75と、繰出機構フレーム80とにより構成されており、繰出機構フレーム80に各種部品が取り付けられていると共に、繰出駆動部70の駆動力により、繰出位置Peにある筒収納部56に集積されている硬貨を外部に繰り出す。
[4−3−1.繰出駆動部の構成]
繰出駆動部70は、繰出機構モータ71と、塞ぎ止め部75の塞ぎ止めソレノイド76とにより構成されている。繰出駆動部70は、繰出機構モータ71の回転駆動力を繰出搬送部72の分離ベルトプーリ74dに伝達することにより、分離ベルトプーリ74dを回転させる。また繰出駆動部70は、硬貨制御部12の制御に基づき塞ぎ止め部75の塞ぎ止めソレノイド76を制御することにより、塞ぎ止め部75の塞ぎ止めピン77(図7)を駆動させる。
[4−3−2.繰出搬送部の構成]
図7及び図9に示すように繰出搬送部72は、分離ベルト73と分離ベルトプーリ74(分離ベルトプーリ74d及び74f)とにより構成されている。分離ベルト73は、左端近傍及び右端近傍にそれぞれ配置された分離ベルトプーリ74f及び分離ベルトプーリ74dの周囲に掛け回されたゴム製の無端ベルトである。繰出搬送部72は、硬貨制御部12(図2)の制御に基づき、分離ベルトプーリ74dを回転させることにより、分離ベルト73を図7中時計回りである分離回転方向R1に沿って回転させ、その上面を左右方向に沿って走行させる。説明の都合上、以下では、分離ベルト73における上面部分の走行方向を、該分離ベルト73の走行方向と見なす。
繰出位置Peにある筒収納部56の下端部における右端部と分離ベルト73との間には、筒収納部56から硬貨を1枚ずつ繰り出す硬貨繰出口(図示せず)が形成されている。筒収納部回転体55の下端部の右端部と分離ベルト73との間隔、すなわち硬貨繰出口の上下方向の高さは、硬貨1枚分の厚さよりも僅かに長く設定されている。このため分離ベルト73は、分離回転方向R1(図7)に沿って回転することにより、繰出位置Peにある筒収納部56から硬貨を1枚ずつ繰り出して出金搬送部22又は一時保留部23(図2)へ向けて右方へ搬送する。
[4−3−3.塞ぎ止め部の構成]
図7に示すように塞ぎ止め部75は、塞ぎ止めソレノイド76と塞ぎ止めピン77とにより構成されている。塞ぎ止めソレノイド76は、下端部に設けられた円筒形状の塞ぎ止めピン77を硬貨制御部12(図2)の制御に基づき上下移動させ、硬貨通過可能状態と塞ぎ止め状態とに遷移する。硬貨通過可能状態は、塞ぎ止めピン77の下端部を分離ベルト73の上面から上方へ硬貨の1枚分の厚さだけ離隔させることにより、分離ベルト73に載った硬貨の右方への移動を可能とする状態である。塞ぎ止め状態は、塞ぎ止めピン77の下端部を分離ベルト73の上面に当接させることにより、分離ベルト73に載った硬貨の右方への移動を規制する状態である。
繰出機構69は、繰出動作時において所定の出金枚数分だけ筒収納部56から硬貨を分離して繰り出すと、分離ベルト73の回転を停止させることに加えて、塞ぎ止めピン77を下降させて塞ぎ止め状態とすることにより、筒収納部回転体55の下端部と分離ベルト73との隙間から硬貨が余分に繰り出されてしまうことを防いでいる。
[4−3−4.繰出機構フレームの構成]
図6に示すように繰出機構フレーム80は、金属板が折り曲げられることにより構成されている。この繰出機構フレーム80は、水平方向に沿う平面である繰出機構フレーム天面80USが、上側の板部である繰出機構フレーム天板80Uにおける上面に形成されている。繰出機構フレーム天板80Uは、ステージ67の積置部67p及び接続部67cと、分離ベルト73と、分離ベルトプーリ74dと、分離ベルトプーリ74fとを入り込ませるように、これらの平面視の外形よりも僅かに大きい孔部及び切欠きが穿設されている。これにより繰出機構フレーム天板80Uは、ステージ67の積置部67p及び接続部67cと、分離ベルト73と、分離ベルトプーリ74dと、分離ベルトプーリ74fとを、上面側に露出させている。ステージ67の積置部67pと分離ベルト73の上面とは、ステージ67が下限位置にある状態において繰出機構フレーム天面80USとほぼ面一になっている。
[5.集積処理]
次に、硬貨処理装置10による集積処理の具体的な処理手順について、図14に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。入金計数処理を完了し入金収納処理を開始すると、硬貨処理装置10は、集積処理プログラムを実行することにより図14に示す集積処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。硬貨制御部12は、まず、一時保留部23に集積している硬貨をスタッカ部21へ搬送することに先立ち、スタッカ部21の筒収納部56(筒収納部56A、56B及び56C)の何れを硬貨を集積する受入対象筒収納部とするかを設定する。ステップSP1において硬貨制御部12は、集積すべき金種に対応した全てのスタッカ部21それぞれにおいて、入金計数処理において確定したそれぞれのスタッカ部21に集積する予定の硬貨の枚数である集積予定枚数と、筒収納部56Aの空き容量とを比較し、集積予定枚数が筒収納部56Aの空き容量以下であるか否かを判定する。空き容量とは、現在筒収納部56に集積されている硬貨の枚数から、フル状態になるまでの枚数である。ここで肯定結果が得られると、このことは、筒収納部56Aの空き容量が集積予定枚数以上であるため、集積する予定の硬貨を筒収納部56Aに集積し切れることを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP2へ移る。ステップSP2において硬貨制御部12は、筒収納部56Aを受入対象筒収納部として設定し、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより筒収納部56Aを受入位置Prに移動させ、ステップSP8へ移る。
一方ステップSP1において否定結果が得られると、このことは、筒収納部56Aの空き容量が集積予定枚数未満であるため、集積する予定の硬貨を筒収納部56Aに集積し切れないことを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP3へ移る。
ステップSP3において硬貨制御部12は、集積すべき金種に対応した全てのスタッカ部21それぞれにおいて、入金計数処理において確定したそれぞれのスタッカ部21の集積予定枚数と、筒収納部56Bの空き容量とを比較し、集積予定枚数が筒収納部56Bの空き容量以下であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、筒収納部56Bの空き容量が集積予定枚数以上であるため、集積する予定の硬貨を筒収納部56Bに集積し切れることを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP4へ移る。ステップSP4において硬貨制御部12は、筒収納部56Bを受入対象筒収納部として設定し、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより筒収納部56Bを受入位置Prに移動させ、ステップSP8へ移る。
一方ステップSP3において否定結果が得られると、このことは、筒収納部56Bの空き容量が集積予定枚数未満であるため、集積する予定の硬貨を筒収納部56Bに集積し切れないことを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP5へ移る。
ステップSP5において硬貨制御部12は、集積すべき金種に対応した全てのスタッカ部21それぞれにおいて、入金計数処理において確定したそれぞれのスタッカ部21の集積予定枚数と、筒収納部56Cの空き容量とを比較し、集積予定枚数が筒収納部56Cの空き容量以下であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、筒収納部56Cの空き容量が集積予定枚数以上であるため、集積する予定の硬貨を筒収納部56Cに集積し切れることを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP6へ移る。ステップSP6において硬貨制御部12は、筒収納部56Cを受入対象筒収納部として設定し、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより筒収納部56Cを受入位置Prに移動させ、ステップSP8へ移る。
一方ステップSP5において否定結果が得られると、このことは、筒収納部56Cの空き容量が集積予定枚数未満であるため、集積する予定の硬貨を筒収納部56Cに集積し切れない、すなわち、筒収納部56A、56B及び56C全ての空き容量が集積予定枚数未満であるため、集積する予定の硬貨を筒収納部56A、56B及び56Cの何れか1つだけでは集積し切れないことを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP7へ移る。ステップSP7において硬貨制御部12は、例えば筒収納部56Aを受入対象筒収納部として設定し、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより筒収納部56Aを受入位置Prに移動させ、ステップSP8へ移る。
ステップSP8において硬貨制御部12は、一時保留部23から硬貨を搬送して、受入対象筒収納部の筒収納部56、すなわち受入位置Prにある筒収納部56に、集積すべき硬貨が全て集積されるか又はフル状態になるまで硬貨を集積し、ステップSP9へ移る。ステップSP9において硬貨制御部12は、集積予定枚数を更新し、ステップSP10へ移る。具体的に硬貨制御部12は、最初の集積予定枚数から、ステップSP8においてそれぞれのスタッカ部21における受入対象筒収納部に集積できた硬貨の枚数を減算することにより、各金種の集積予定枚数を更新する。
ステップSP10において硬貨制御部12は、更新した集積予定枚数が0枚よりも大きいスタッカ部21が存在するか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、受入対象筒収納部の空き容量が集積予定枚数よりも少なかったスタッカ部21が存在したため受入対象筒収納部に硬貨を集積し切れなかったことを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP1へ戻り、出金取引(図12)と同様の搬送ルートで、搬送路上に残留している入金硬貨全てを一旦入出金部13に搬送し、その後、筒収納部回転体55を回転させて、更新された集積予定枚数以上の空き容量を有する筒収納部56を受入位置Prへ移動させ、それから入出金部13にある硬貨を入金取引(図10及び図11)と同様の搬送ルートで再びスタッカ部21に搬送し、集積すべき金種に対応した全てのスタッカ部21の集積予定枚数が0枚になるまで上述した処理を繰り返す。
一方ステップSP10において否定結果が得られると、このことは、全てのスタッカ部21において受入対象筒収納部の空き容量が集積予定枚数以上であったため受入対象筒収納部に硬貨を集積し切れた、すなわち、集積すべき硬貨を全て集積したため集積処理を終了させることを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP11へ移り集積処理手順RT1を終了する。
[6.受入対象筒収納部切替処理手順]
次に、硬貨処理装置10による受入対象筒収納部切替処理の具体的な処理手順について、図15に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。硬貨処理装置10は、この受入対象筒収納部切替処理を、集積処理手順RT1(図14)におけるステップSP2、SP4、SP6及びSP7において、受入対象筒収納部の筒収納部56を切り替える際に実行する。
また以下では、受入位置Prに筒収納部56Aが位置している状態を、集積時基準位置とも呼ぶ。また、現在集積しようとしている硬貨が集積されるべき筒収納部56が受入位置Prに位置している状態を、集積時目標位置とも呼ぶ。すなわち、受入位置Prに位置させるべき筒収納部56が例えば筒収納部56Cである、すなわち現在集積しようとしている硬貨は筒収納部56Cに集積させる硬貨である場合、筒収納部56Cが受入位置Prに位置している状態を、集積時目標位置とも呼ぶ。以下では、筒収納部56Cが受入位置Prに位置している状態を、集積時目標位置として説明する。
受入対象筒収納部切替処理を開始すると、硬貨処理装置10の電源が投入された直後や、筒収納部回転体55の回転中に発生した障害から復旧した後等、現在の筒収納部56の位置が不明な場合、硬貨処理装置10は、受入対象筒収納部切替処理プログラムを実行することにより図15に示す受入対象筒収納部切替処理手順RT2を開始し、ステップSP21へ移る。ステップSP21において硬貨制御部12は、筒収納部回転体55を回転させる前に、検知光を受光していないことを示す受光結果(すなわちON状態)を筒回転位置検知センサSE1A及び筒回転位置検知センサSE1B(図4及び図5)の両方から取得したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、筒収納部回転体55は集積時基準位置以外の位置に位置しているため筒収納部回転体基準位置出し制御を行う必要があることを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP22へ移る。
ステップSP22において硬貨制御部12は、図16における時点t1にあるように、収納部モータ52を所定の回転方向へ低速で回転させることにより、筒収納部回転体55の低速での回転を開始させ、ステップSP23へ移る。収納部モータ52は、図16における時点t2にあるように、時点t1から所定時間経過後に低速の一定速度で回転を行う。また硬貨制御部12は、収納部モータ52を低速で回転させているため、筒収納部回転体55が集積時基準位置に到達した際に、即座に収納部モータ52を停止し、筒収納部回転体55を停止できる。硬貨制御部12は、収納部モータ52を低速で回転させている間、筒回転位置検知センサSE1A及び筒回転位置検知センサSE1Bを監視し続ける。ステップSP23において硬貨制御部12は、筒収納部回転体55の回転中に、図16における時点t3にあるように、ON状態を筒回転位置検知センサSE1A及び筒回転位置検知センサSE1Bの両方から取得した、すなわち筒収納部回転体55が集積時基準位置に到達したか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、筒収納部回転体55が集積時基準位置に到達したことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP25へ移る。
ステップSP25において硬貨制御部12は、受入位置Prに位置させるべき筒収納部56が筒収納部56Aであるか、すなわち現在集積しようとしている硬貨は筒収納部56Aに集積させる硬貨であるか否かを判定する。上述したように、現在受入位置Prに位置させるべき筒収納部56が例えば筒収納部56Cである場合、ここで硬貨制御部12は否定結果を得て、ステップSP26へ移る。ステップSP26において硬貨制御部12は、図16における時点t3にあるように、収納部モータ52の回転速度を低速から高速へ切り替えることにより、筒収納部回転体55の高速での回転を開始させ、ステップSP27へ移る。収納部モータ52は、図16における時点t4にあるように、時点t3から所定時間経過後に高速の一定速度で回転を行う。
また硬貨制御部12は、集積時基準位置から集積時目標位置まで筒収納部回転体55を到達させるためには、筒収納部回転体55をどの程度回転させれば良い、すなわち収納部モータ52を何回転されば良いかは予め認識している。このため硬貨制御部12は、集積時目標位置が近づいてくるまで収納部モータ52を高速で回転させ、予め設定された回転数だけ収納部モータ52を回転させると、集積時目標位置に近い状態になるため、図16の時点t5において収納部モータ52を低速に切り替え、筒収納部回転体55が集積時基準位置に到達した際に、即座に収納部モータ52を停止する。
ステップSP27において硬貨制御部12は、筒収納部回転体55の回転中に、図16における時点t6にあるように、ON状態を筒回転位置検知センサSE1Aから、OFF状態を筒回転位置検知センサSE1Bから、それぞれ取得した、すなわち、筒収納部56Cが受入位置Prに到達したため筒収納部回転体55が集積時目標位置に到達したか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、筒収納部回転体55が集積時目標位置に到達したことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP28へ移る。
ステップSP28において硬貨制御部12は、低速で回転している収納部モータ52の回転を停止させることにより、筒収納部回転体55の回転を即座に停止させ、ステップSP29へ移り受入対象筒収納部切替処理手順RT2を終了する。
一方ステップSP23において否定結果が得られると、このことは、収納部モータ52、筒回転位置検知センサSE1A又は筒回転位置検知センサSE1Bが故障しておりいつまで待機しても筒収納部回転体55が集積時基準位置とならない可能性があることを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP24へ移る。ステップSP24において硬貨制御部12は、収納部モータ52を低速で回転させ始めてから、予め設定された所定のタイムアウト時間が経過しても、筒回転位置検知センサSE1A及びSE1BのON状態を検出できなかったか、すなわちタイムアウトであるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、タイムアウトとなったことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP31へ移る。
また一方、ステップSP27において否定結果が得られると、このことは、収納部モータ52、筒回転位置検知センサSE1A又は筒回転位置検知センサSE1Bが故障しておりいつまで待機しても筒収納部回転体55が集積時目標位置とならない可能性があることを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP30へ移る。ステップSP30において硬貨制御部12は、収納部モータ52を高速で回転させ始めてから、予め設定された所定のタイムアウト時間が経過しても、集積時目標位置に対応した筒回転位置検知センサSE1A及びSE1Bの受光結果を検出できなかったか、すなわちタイムアウトであるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、タイムアウトとなったことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP31へ移る。
ステップSP31において硬貨制御部12は、収納部モータ52の回転を停止させることにより、筒収納部回転体55の回転を停止させ、ステップSP32へ移る。ステップSP32において硬貨制御部12は、タイムアウトが発生したことを主制御部9へ通知し、ステップSP33へ移り受入対象筒収納部切替処理手順RT2を終了する。
また一方、ステップSP21において肯定結果が得られると、このことは、筒収納部回転体55は既に集積時基準位置に位置しているため筒収納部回転体基準位置出し制御を行う必要がないことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP25へ移る。
さらに一方、ステップSP25において肯定結果が得られると、このことは、筒収納部回転体55をこれ以上筒収納部回転体回転方向r1へ回転させる必要がないことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP28へ移り、収納部モータ52を回転させずに、ステップSP29へ移り受入対象筒収納部切替処理手順RT2を終了する。
[7.ステージ位置出し制御]
かかる構成において受入対象筒収納部に硬貨を集積する際、硬貨制御部12は、まずステージ位置出し制御を行う。硬貨処理装置10は、このステージ位置出し制御を、集積処理手順RT1(図14)におけるステップSP18において受入位置Prの筒収納部56に硬貨を集積する前に実行する。ステージ位置出し制御において硬貨制御部12は、前段のステージ上面位置移動処理により、ステージ67をステージ上面位置まで上昇させ、これに続く後段のステージ集積位置移動処理により、ステージ67をステージ上面位置からステージ集積位置まで下降させる。ステージ集積位置とは、筒収納部56への硬貨の投入を開始する際のステージ67の位置である。
[7−1.ステージ上面位置移動処理]
硬貨処理装置10によるステージ上面位置移動処理の具体的な処理手順について、図17に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。ステージ上面位置移動処理を開始すると、硬貨処理装置10は、ステージ上面位置移動処理プログラムを実行することにより図17に示すステージ上面位置移動処理手順RT3を開始し、ステップSP41へ移る。ステップSP41において硬貨制御部12は、ステージ67を移動させる前に、検知光を受光していないことを示す受光結果(すなわちON状態)を残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6から取得したか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、ステージ67は既にステージ上面位置に位置しているためこれ以上上昇させる必要がないことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP45へ移りステージ上面位置移動処理手順RT3を終了する。一方ステップSP41において否定結果が得られると、このことは、ステージ67はステージ上面位置よりも下側に位置していることを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP42へ移る。
ステップSP42において硬貨制御部12は、集積機構モータ61を所定のステージ上昇回転方向へ回転させることにより、ステージ67の上昇を開始させ、ステップSP43へ移る。硬貨制御部12は、集積機構モータ61を回転させている間、残留フル検知センサSE2及び落下検知センサSE6を監視し続ける。ステップSP43において硬貨制御部12は、ステージ67の移動中に、ON状態を残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6から取得したか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、ステージ67が上面位置に到達したことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP44へ移る。ステップSP44において硬貨制御部12は、集積機構モータ61の回転を停止させることにより、ステージ67の上昇を停止させ、ステップSP45へ移りステージ上面位置移動処理手順RT3を終了する。一方ステップSP43において否定結果が得られると、このことは、集積機構モータ61、残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6が故障しておりいつまで待機しても残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6がON状態とならない可能性があることを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP46へ移る。
ステップSP46において硬貨制御部12は、集積機構モータ61をステージ上昇回転方向へ回転させ始めてから、予め設定された所定のタイムアウト時間が経過しても、残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6のON状態を検出できなかったか、すなわちタイムアウトであるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、タイムアウトではないことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP43へ戻り、タイムアウト時間が経過するまでは、残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6のON状態の検出を待機する。一方ステップSP46において肯定結果が得られると、このことは、タイムアウトとなったことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP47へ移る。
ステップSP47において硬貨制御部12は、集積機構モータ61の回転を停止させることにより、ステージ67の上昇を停止させ、ステップSP48へ移る。ステップSP48において硬貨制御部12は、タイムアウトが発生したことを主制御部9へ通知し、ステップSP49へ移りステージ上面位置移動処理手順RT3を終了する。
ここで、エンプティ状態、すなわち硬貨が1枚も集積されていない筒収納部56においては、ステージ67が上昇しても残留フル検知センサSE2がON状態になることはないため、ステージ67は、落下検知センサSE6がON状態になった際に停止する。この際のステージ67の位置であるステージ上面位置を落下検知センサステージ上面位置とする。一方、硬貨が1枚以上集積されている筒収納部56においては、ステージ67は、残留フル検知センサSE2がON状態になった際に停止する。この際のステージ67の位置であるステージ上面位置を残留フル検知センサステージ上面位置とする。このとき、硬貨が1枚か2枚程度の少数が集積されている場合であり、且つステージ67の停止位置によっては、落下検知センサSE6がON状態になっている場合もある。
残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6のどちらのON状態を取得したことにより硬貨制御部12がステージ上面位置を検出したかによって、ステージ上面位置は僅かに異なることとなる。このため、ステージ上面位置と、該ステージ上面位置の下側に位置するステージ集積位置との間の距離は、残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6のどちらのON状態を取得したことにより硬貨制御部12がステージ上面位置を検出したかによって、僅かに異なることとなる。すなわち、落下検知センサステージ上面位置からステージ集積位置までの距離と、残留フル検知センサステージ上面位置からステージ集積位置までの距離とは、僅かに異なることとなる。
これに対し硬貨制御部12は、後段のステージ集積位置移動処理において、落下検知センサステージ上面位置からステージ集積位置までの距離と、残留フル検知センサ上面位置からステージ集積位置までの距離との差を吸収しつつ、ステージ67をステージ上面位置(落下検知センサステージ上面位置又は残留フル検知センサステージ上面位置)からステージ集積位置まで下降させる。このため硬貨制御部12は、ステージ67を落下検知センサ上面位置からステージ集積位置まで下降させる際の集積機構モータ61の回転量である落下検知センサ集積位置下降回転量と、ステージ67を残留フル検知センサ上面位置からステージ集積位置まで下降させる際の集積機構モータ61の回転量である残留フル検知センサ集積位置下降回転量とを、予め記憶している。
[7−2.ステージ集積位置移動処理]
上述したステージ上面位置移動処理によってステージ67がステージ上面位置まで上昇すると、硬貨処理装置10は、ステージ集積位置移動処理プログラムを実行することにより図18に示すステージ集積位置移動処理手順RT4を開始し、ステップSP51へ移る。ステップSP51において硬貨制御部12は、ON状態を残留フル検知センサSE2から取得したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、ON状態を残留フル検知センサSE2ではなく落下検知センサSE6により検知した、すなわちステージ67は落下検知センサ上面位置に位置していることを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP52へ移る。ステップSP52において硬貨制御部12は、集積機構モータ61をステージ上昇回転方向とは逆方向のステージ下降回転方向へ回転させる際のモータ回転量として、落下検知センサ集積位置下降回転量を設定し、ステップSP54へ移る。
一方ステップSP51において肯定結果が得られると、このことは、ON状態を残留フル検知センサSE2により検知した、すなわちステージ67は残留フル検知センサステージ上面位置に位置していることを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP53へ移る。ステップSP53において硬貨制御部12は、集積機構モータ61をステージ下降回転方向へ回転させる際のモータ回転量として、残留フル検知センサ集積位置下降回転量を設定し、ステップSP54へ移る。
ステップSP54において硬貨制御部12は、集積機構モータ61をステージ下降回転方向へ回転させることにより、ステージ67の下降を開始させ、ステップSP55へ移る。ステップSP55において硬貨制御部12は、ステップSP52又はSP53において設定されたモータ回転量の分だけ集積機構モータ61をステージ下降回転方向へ回転させたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、設定されたモータ回転量の分だけ集積機構モータ61をステージ下降回転方向へ回転させていないため、ステージ67はステージ集積位置に到達していないことを表し、このとき硬貨制御部12は、設定されたモータ回転量の分だけ集積機構モータ61をステージ下降回転方向へ回転させるまで集積機構モータ61を回転させる。一方ステップSP55において肯定結果が得られると、このことは、設定されたモータ回転量の分だけ集積機構モータ61をステージ下降回転方向へ回転させたため、ステージ67はステージ集積位置に到達したことを表し、このとき硬貨制御部12は、ステップSP56へ移り、ステージ集積位置移動処理手順RT4を終了する。
このようにステージ67がステージ集積位置に位置すると、硬貨処理装置10は、一時保留部23に集積している硬貨のスタッカ部21への搬送を開始し、該硬貨が上ピンベルト搬送部18Uに到達すると、集積対象となる筒収納部回転体55に対応したスタッカ分岐部の分岐板を回動させ、ピンベルト搬送部18から案内部31内に硬貨CNを案内する。硬貨CNは案内部31内を滑落し、筒収納部56内に放出される。
[8.繰出処理]
次に、硬貨処理装置10による繰出処理の具体的な処理手順について、図19に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。出金処理を開始すると、硬貨処理装置10は、繰出処理プログラムを実行することにより図19に示す繰出処理手順RT5を開始し、ステップSP61へ移る。硬貨制御部12は、まず、スタッカ21に集積している硬貨を入出金部13へ搬送することに先立ち、スタッカ部21の筒収納部56(筒収納部56A、56B及び56C)の何れを硬貨を繰り出す繰出対象筒収納部とするかを設定する。ステップSP61において硬貨制御部12は、出金額を含む所定の操作入力を受け付けると、繰り出すべき金種に対応した全てのスタッカ部21それぞれにおいて、確定したそれぞれのスタッカ部21から繰り出す予定の硬貨の枚数である繰出予定枚数と、筒収納部56Aの在高とを比較し、繰出予定枚数が筒収納部56Aの在高以下であるか否かを判定する。在高とは、筒収納部56内に集積されている硬貨の枚数である。ここで肯定結果が得られると、このことは、筒収納部56Aの在高が繰出予定枚数以上であるため、繰り出す予定の硬貨を筒収納部56Aから繰り出し切れることを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP62へ移る。ステップSP62において硬貨制御部12は、筒収納部56Aを繰出対象筒収納部として設定し、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより筒収納部56Aを繰出位置Peに移動させ、ステップSP68へ移る。
一方ステップSP61において否定結果が得られると、このことは、筒収納部56Aの在高が繰出予定枚数未満であるため、繰り出す予定の硬貨を筒収納部56Aから繰り出し切れないことを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP63へ移る。
ステップSP63において硬貨制御部12は、繰り出すべき金種に対応した全てのスタッカ部21それぞれにおいて、確定したそれぞれのスタッカ部21の繰出予定枚数と、筒収納部56Bの在高とを比較し、繰出予定枚数が筒収納部56Bの在高以下であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、筒収納部56Bの在高が繰出予定枚数以上であるため、繰り出す予定の硬貨を筒収納部56Bから繰り出し切れることを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP64へ移る。ステップSP64において硬貨制御部12は、筒収納部56Bを繰出対象筒収納部として設定し、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより筒収納部56Bを繰出位置Peに移動させ、ステップSP68へ移る。
一方ステップSP63において否定結果が得られると、このことは、筒収納部56Bの在高が繰出予定枚数未満であるため、繰り出す予定の硬貨を筒収納部56から繰り出し切れないことを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP65へ移る。
ステップSP65において硬貨制御部12は、繰り出すべき金種に対応した全てのスタッカ部21それぞれにおいて、確定したそれぞれのスタッカ部21の繰出予定枚数と、筒収納部56Cの在高とを比較し、繰出予定枚数が筒収納部56Cの在高以下であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、筒収納部56Cの在高が繰出予定枚数以上であるため、繰り出す予定の硬貨を筒収納部56Cから繰り出し切れることを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP66へ移る。ステップSP66において硬貨制御部12は、筒収納部56Cを繰出対象筒収納部として設定し、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより筒収納部56Cを繰出位置Peに移動させ、ステップSP68へ移る。
一方ステップSP65において否定結果が得られると、このことは、筒収納部56Cの在高が繰出予定枚数未満であるため、繰り出す予定の硬貨を筒収納部56Cから繰り出し切れない、すなわち、筒収納部56A、56B及び56C全ての在高が繰出予定枚数未満であるため、繰り出す予定の硬貨を筒収納部56A、56B及び56Cの何れか1つだけでは繰り出し切れないことを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP67へ移る。ステップSP67において硬貨制御部12は、例えば筒収納部56Aを繰出対象筒収納部として設定し、筒収納部回転体55を筒収納部回転体回転方向r1へ回転させることにより筒収納部56Aを繰出位置Peに移動させ、ステップSP68へ移る。
ステップSP68において硬貨制御部12は、一時保留部23を介して入出金部13へ硬貨を搬送して、繰出対象筒収納部の筒収納部56、すなわち繰出位置Peにある筒収納部56から、繰り出すべき硬貨が全て繰り出されるか、又は筒収納部56内部の硬貨が空であるエンプティ状態になるまで、硬貨を繰り出し、ステップSP69へ移る。ステップSP69において硬貨制御部12は、繰出予定枚数を更新し、ステップSP70へ移る。具体的に硬貨制御部12は、最初 の繰出予定枚数から、ステップSP68においてそれぞれのスタッカ部21における繰出対象筒収納部から繰り出せた硬貨の枚数を減算することにより、各金種の繰出予定枚数を更新する。
ステップSP70において硬貨制御部12は、更新した繰出予定枚数が0枚よりも大きいスタッカ部21が存在するか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、繰出対象筒収納部の在高が繰出予定枚数よりも少なかったスタッカ部21が存在したため繰出対象筒収納部から硬貨を繰り出し切れなかったことを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP61へ戻り、繰出動作を待機して、搬送中の硬貨全てを入出金部13に搬送し、その後、筒収納部回転体55を回転させて、更新された繰出予定枚数以上の在高を有する筒収納部56を繰出位置Peへ移動させ、繰り出すべき金種に対応した全てのスタッカ部21の繰出予定枚数が0枚になるまで上述した処理を繰り返す。
一方ステップSP70において否定結果が得られると、このことは、全てのスタッカ部21において繰出対象筒収納部の在高が繰出予定枚数以上であったため繰出対象筒収納部から硬貨を繰り出し切れた、すなわち、繰り出すべき硬貨を全て繰り出したため繰出処理を終了させることを表し、このとき硬貨制御部12はステップSP71へ移り繰出処理手順RT5を終了する。
[9.効果等]
以上の構成において現金自動預払機1は、集積予定枚数以上の空き容量を有する筒収納部56が存在する場合、集積動作を開始する前に該筒収納部56を受入位置Prに移動させてから、該筒収納部56に集積を開始するようにした。このため現金自動預払機1は、集積する予定の硬貨を、受入位置Prに位置している筒収納部56に集積し切ることができる。これにより現金自動預払機1は、集積動作において硬貨の搬送中に、受入位置Prに位置している筒収納部56がフル状態になってしまい、筒収納部回転体55を回転させて受入位置Prに位置する筒収納部56を切り替える回数を低減できる。すなわち現金自動預払機1は、集積動作において、硬貨の搬送中における筒収納部56の切り替えを極力発生しないようにできる。
これにより現金自動預払機1は、筒収納部56の切り替えの回数と共に、搬送路上に残留している入金硬貨全てを一旦入出金部13に搬送してから筒収納部56へ再び搬送する回数を低減できる。かくして現金自動預払機1は、入金取引の取引時間を短縮できる。さらに現金自動預払機1は、最終的な搬送先以外の場所に硬貨を搬送する回数を低減できるため、搬送中にジャムが発生する可能性も低減できる。
さらに現金自動預払機1は、繰出予定枚数以上の在高を有する筒収納部56が存在する場合、繰出動作を開始する前に該筒収納部56を繰出位置Peに移動させてから、該筒収納部56から繰り出しを開始するようにした。このため現金自動預払機1は、繰り出す予定の硬貨を、繰出位置Peに位置している筒収納部56から繰り出し切ることができる。これにより現金自動預払機1は、繰出動作において硬貨の搬送中に、繰出位置Peに位置している筒収納部56がエンプティ状態になってしまい、筒収納部回転体55を回転させて繰出位置Peに位置する筒収納部56を切り替える回数を低減できる。すなわち現金自動預払機1は、繰出動作において、硬貨の搬送中における筒収納部56の切り替えを極力発生しないようにできる。
これにより現金自動預払機1は、筒収納部56の切り替えの回数と共に、繰り出された硬貨が一時保留部23へ搬送されるまで繰り出しを待機する回数を低減できる。かくして現金自動預払機1は、出金取引の取引時間を短縮できる。
ところで現金自動預払機1においては、装置の電源を入れた直後や、筒収納部回転体55の回転中に発生した障害から復旧した後等、現在の筒収納部56の位置が不明な場合がある。そのような場合、筒収納部回転体回転方向r1へ筒収納部回転体55を回転させた際に、次に受入位置Prに到達する筒収納部56がどれか予測できないため、現金自動預払機1は、高速で筒収納部回転体55を回転させたまま、筒回転位置検知センサSE1A又はSE1Bの検知結果がOFF状態からON状態へ変化することを待ち続け、変化した際の筒回転位置検知センサSE1A及びSE1BにおけるOFF状態とON状態との組み合わせから、現在受入位置Prに位置している筒収納部56が筒収納部56A、56B又は56Cのうちの何れであるのかを判断することも考えられる。
しかしながら、筒回転位置検知センサSE1A及びSE1Bは検知結果が同時に変化するとは限らないため、硬貨制御部12が筒回転位置検知センサSE1A及びSE1Bの検知結果を確認するタイミングによっては、誤検知が発生するという可能性がある。すなわち、例えば、受入位置Prに筒収納部56Aが到達した場合は、筒回転位置検知センサSE1A及びSE1Bの検知結果は両方ともON状態となるが、仮に、筒回転位置検知センサSE1A又はSE1Bの一方がON状態に変化した後であり他方がON状態に変化する前であるOFF状態のタイミングにおいてセンサの検知結果を確認してしまうと、硬貨制御部12は、受入位置Prに筒収納部56B又は56Cが位置していると誤検知してしまう。
これに対し、仮に一定の時間間隔を空けてセンサの検知結果を2回確認することで誤検知を防ぐ方法も考えられる。しかしながらそのような場合、時間間隔を空けた2回目のセンサ確認の後に硬貨制御部12が収納部モータ52の停止指示を出しても、収納部モータ52の速度によっては停止が間に合わず、目標の筒収納部56が受入位置Prを通り過ぎてしまう。また筒収納部回転体55は、筒収納部回転体回転方向r1の逆方向へは回転できないという制約がある。
またこれに対し、現在の筒収納部56の位置が不明な場合、筒収納部回転体回転方向r1へ筒収納部回転体55を終始低速で最大で1回転だけ回転させることにより、目標の筒収納部56が受入位置Prを通り過ぎてしまうことを防止することも考えられる。しかしながらそのような場合、目標の筒収納部56が受入位置Prに位置したことをセンサ状態の変化により検知してから収納部モータ52を停止させても、目標の筒収納部56が受入位置Prを通り過ぎないようにするためには、収納部モータ52を極めて低速で回転させる必要がある。
これに対し現金自動預払機1は、現在の筒収納部56の配置が不明な場合、まず、筒収納部回転体55が集積時基準位置となるまで、すなわち基準である筒収納部56Aが受入位置Prに到達するまで、収納部モータ52を低速で回転させることにより、筒収納部回転体回転方向r1へ筒収納部回転体55を低速で回転させる。このとき現金自動預払機1は、普段はOFF状態である筒回転位置検知センサSE1A及びSE1Bの検知結果の両方がON状態であることを検知しているため、センサ状態がOFF状態からON状態へ変化する前のタイミングで筒回転位置検知センサSE1A又はSE1Bの検知結果を確認してしまうことを防止し、筒収納部回転体55が集積時基準位置であると確実に検出できる。続いて現金自動預払機1は、筒収納部回転体55が集積時基準位置から集積時目標位置となるまで、すなわち集積対象の筒収納部56が受入位置Prに到達するまで、予め設定されている回転量だけ収納部モータ52を高速で回転させることにより、筒収納部回転体回転方向r1へ筒収納部回転体55を高速で回転させるようにした。
このため現金自動預払機1は、現在の筒収納部56の配置が不明な場合であっても、センサ状態の確認を1回行うだけで、筒収納部回転体55を集積時目標位置へ迅速に且つ精度良く移行させることができる。
ところで現金自動預払機1においては、ステージ67が可動領域の上面位置に到達したことを検知するためのステージ上面位置検知センサを別途追加して設けることも考えられる。しかしながらそのようなステージ上面位置検知センサを追加すると、部品が増加して構成が複雑化してしまうと共に低廉化できなくなってしまう。
これに対し現金自動預払機1は、ステージ67を上昇させてステージ位置出し制御を行う際に、ステージ上面位置検知センサが設けられる位置の近傍に設けられている第1センサとしての残留フル検知センサSE2と第2センサとしての落下検知センサSE6との両方を監視し、ステージ67を検出したのが残留フル検知センサSE2又は落下検知センサSE6の何れかであるかによって、ステージ上面位置からステージ集積位置へのステージ67の下降量を変化させるようにした。このため現金自動預払機1は、精度良くステージ集積位置へステージ67を移動させ、位置出しを行うことができる。
これにより現金自動預払機1は、該現金自動預払機1に元々設けられている、筒収納部56内に硬貨が残留しているか又は筒収納部56がフル状態であるかを検知する残留フル検知センサSE2と、案内部31内を硬貨が落下しているかを検知する落下検知センサSE6との両方を流用し、ステージ67の位置出しを行うことができる。かくして現金自動預払機1は、ステージ上面位置検知センサを追加する分のコストを削減できると共に、ステージ上面位置検知センサを設置するスペースを必要としなくできる。
以上の構成によれば現金自動預払機1は、使用者の操作を受け付ける応対部3と、移動可能であり硬貨を重ねて集積可能な筒状の収納空間としての硬貨集積空間SPCを有する複数の筒収納部56と、硬貨集積空間SPC内を移動可能であり硬貨が集積される載置面としての硬貨集積面67pSが形成されたステージ67と、硬貨が集積される受入位置Prに位置する筒収納部56を切り替え、受入位置Prに位置している筒収納部56に硬貨を集積させる硬貨制御部12とを設け、硬貨制御部12は、集積しようとしている硬貨の枚数である集積予定枚数と、筒収納部56の空き容量とを比較し、集積予定枚数以上の空き容量を有する筒収納部56が存在する場合、該筒収納部56を受入位置Prに移動させてから、該筒収納部56に硬貨の集積を開始するようにした。
これにより現金自動預払機1は、集積動作において硬貨の搬送中に、受入位置Prに位置している筒収納部56がフル状態になってしまい、筒収納部回転体55を回転させて受入位置Prに位置する筒収納部56を切り替える回数を低減できる。
また現金自動預払機1は、使用者の操作を受け付ける応対部3と、移動可能であり硬貨を重ねて集積可能な筒状の収納空間としての硬貨集積空間SPCを有する複数の筒収納部56と、硬貨集積空間SPC内を移動可能であり硬貨が集積される載置面としての硬貨集積面67pSが形成されたステージ67と、硬貨が繰り出される繰出位置Peに位置する筒収納部56を切り替え、繰出位置Peに位置している筒収納部56から硬貨を繰り出させる硬貨制御部12とを設け、硬貨制御部12は、繰り出そうとしている硬貨の枚数である繰出予定枚数と、筒収納部56の在高とを比較し、繰出予定枚数以上の在高を有する筒収納部56が存在する場合、該筒収納部56を繰出位置Peに移動させてから、該筒収納部56から硬貨の繰り出しを開始するようにした。
これにより現金自動預払機1は、繰出動作において硬貨の搬送中に、繰出位置Peに位置している筒収納部56がエンプティ状態になってしまい、筒収納部回転体55を回転させて繰出位置Peに位置する筒収納部56を切り替える回数を低減できる。
[10.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、入金取引において、入出金部13から一時保留部23へ硬貨を一旦搬送して保留することにより集積予定枚数を確定してから、一時保留部23から各スタッカ部21へ硬貨を搬送する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば前面補充等、一時保留部23において硬貨を保留せずに、入出金部13から各スタッカ部21へ一気に硬貨を搬送する取引の場合、スタッカ部21へ硬貨を搬送する前に集積予定枚数が確定できない。このような場合、一時保留部23から各スタッカ部21における全ての筒収納部56において互いの空き容量を比較し、最も空き容量が多い筒収納部56を受入位置Prに移動させてから硬貨を集積させても良い。
また上述した実施の形態においては、集積処理において筒収納部回転体基準位置出し制御を行う場合について述べた。本発明はこれに限らず、繰出処理において筒収納部回転体基準位置出し制御を行っても良い。
さらに上述した実施の形態においては、集積処理において、筒収納部56A、56B及び56C全ての空き容量が集積予定枚数未満の場合、筒収納部56Aを受入対象筒収納部として設定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、筒収納部56A、56B及び56C全ての空き容量が集積予定枚数未満の場合、筒収納部56B又は筒収納部56Cの何れかを受入対象筒収納部として設定しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、繰出処理において、筒収納部56A、56B及び56C全ての在高が繰出予定枚数未満の場合、筒収納部56Aを繰出対象筒収納部として設定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、筒収納部56A、56B及び56C全ての在高が繰出予定枚数未満の場合、筒収納部56B又は筒収納部56Cの何れかを繰出対象筒収納部として設定しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、入金取引時において集積動作を行い、出金取引時において繰出動作を行う場合について述べた。本発明はこれに限らず、硬貨処理装置10内部に収納されている硬貨の枚数を計数する精査時や、硬貨処理装置10内部に収納されている硬貨を回収したり補充したりする時等における集積動作と繰出動作とについても、同様の動作を行っても良い。
さらに上述した実施の形態においては、筒収納部56を円周に沿った方向へ移動させ受入対象筒収納部と繰出対象筒収納部とを切り替える場合について述べた。本発明はこれに限らず、筒収納部56を直線状や曲線状等、種々の移動経路に沿って移動させ、受入対象筒収納部と繰出対象筒収納部とを切り替えても良い。
さらに上述した実施の形態においては、1つの筒収納部回転体55に3つの筒収納部56を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、1つの筒収納部回転体55に2つ又は4つ以上の任意の個数の筒収納部56を設けても良い。
さらに上述した実施の形態においては、現金自動預払機1に組み込まれる硬貨処理装置10に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば自動券売機等のように顧客との間で硬貨に関する取引を行う種々の装置や、金融機関の職員や小売店の店員等が現金を管理するために使用する現金管理装置等に本発明を適用しても良い。また、2方向に移動可能なステージと、該ステージの可動領域の端部に媒体の有無を検知するセンサとを有し、同じ種類の媒体を複数の収納部に分けて収納し、媒体の受入位置と繰出位置とを切り替える機構を有する種々の装置にも適用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、操作部としての応対部3と、筒収納部としての筒収納部56と、ステージとしてのステージ67と、制御部としての硬貨制御部12とによって、自動取引装置としての現金自動預払機1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる操作部と、筒収納部と、ステージと、制御部とによって、自動取引装置を構成しても良い。
本発明は、例えば顧客との間で硬貨に関する取引処理を行う現金自動預払機等でも利用できる。
1……現金自動預払機、2……筐体、3……応対部、4……カード入出口、5……硬貨入出金口、6……操作表示部、7……テンキー、8……レシート発行口、9……主制御部、10……硬貨処理装置、11……硬貨処理装置筐体、12……硬貨制御部、13……入出金部、14……シュート部、15……上分離部、15A……集積分離部、15B……分離搬送部、15C……傾斜円盤、16……認識搬送部、17……受渡部、18……ピンベルト搬送部、18F……前ピンベルト搬送部、18D……下ピンベルト搬送部、18B……後ピンベルト搬送部、18U……上ピンベルト搬送部、21……スタッカ部、22……出金搬送部、23……一時保留部、24……補充回収庫、25……第1補充リジェクト庫、26……第2補充リジェクト庫、27……リジェクト庫、28……取忘取込庫、29……下分離部、29A……集積分離部、29B……分離搬送部、29C……傾斜円盤、31……案内部、40……アッパガイド、42……ロアガイド、44……スタッカユニット、46……サイドガイド、50……収納部、51……収納駆動部、52……収納部モータ、53、54……ギア、55……筒収納部回転体、56、56A、56B、56C……筒収納部、55AR……回転軸、55SL……ステージ入れ込みスリット、57……カバー、59……集積機構、60……集積駆動部、61……集積機構モータ、62……ステージ駆動ベルト、63、64……ギア、65……ステージ駆動ベルトプーリ、66……シャフト、67……ステージ、67p……積置部、67pS……硬貨集積面、67g……シャフト摺動部、67c……接続部、69……繰出機構、70……繰出駆動部、71……繰出機構モータ、72……繰出搬送部、73……分離ベルト、74……分離ベルトプーリ、75……塞ぎ止め部、76……塞ぎ止めソレノイド、77……塞ぎ止めピン、80……繰出機構フレーム、80U……繰出機構フレーム天板、80US……繰出機構フレーム天面、SPC……硬貨集積空間、Pr……受入位置、Pe……繰出位置、SE1……筒回転位置検知センサ、DT1……筒回転位置検知ディテクタ、SE2……残留フル検知センサ、L1……残留フル検知センサ光軸、SE3……ステージボトムポジションセンサ、SE4……集積回転位置検知センサ、DT4……集積回転位置検知ディテクタ、SE6……落下検知センサ、L2……落下検知センサ光軸、DT2……落下検知ディテクタ、CN……硬貨。

Claims (12)

  1. 移動可能であり硬貨を重ねて集積可能な筒状の収納空間を有する複数の筒収納部と、
    前記収納空間内を移動可能であり前記硬貨が集積される載置面が形成されたステージと、
    前記硬貨が集積される受入位置に位置する前記筒収納部を切り替え、前記受入位置に位置している前記筒収納部に前記硬貨を集積させる制御部と
    を有し、
    前記制御部は、集積しようとしている前記硬貨の枚数である集積予定枚数と、前記筒収納部の空き容量とを比較し、前記集積予定枚数以上の空き容量を有する前記筒収納部が存在する場合、該筒収納部を前記受入位置に移動させてから、該筒収納部に前記硬貨の集積を開始する
    硬貨処理装置。
  2. 前記制御部は、
    集積動作中において前記受入位置に位置している前記筒収納部がフル状態になると、未だ前記筒収納部に集積されておらず搬送路上に残留している前記硬貨を一旦前記筒収納部以外へ搬送してから、前記受入位置に位置する前記筒収納部を切り替えた後に、前記硬貨を前記受入位置に位置する前記筒収納部に再び集積する
    請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 前記制御部は、
    集積動作中において前記受入位置に位置している前記筒収納部が前記フル状態になると、前記受入位置に位置している前記筒収納部に集積した分だけ枚数が削減された前記集積予定枚数と、前記筒収納部の空き容量とを比較し、前記集積予定枚数以上の空き容量を有する前記筒収納部が存在する場合、該筒収納部を前記受入位置に移動させてから、該筒収納部に前記硬貨に集積する
    請求項2に記載の硬貨処理装置。
  4. 移動可能であり硬貨を重ねて集積可能な筒状の収納空間を有する複数の筒収納部と、
    前記収納空間内を移動可能であり前記硬貨が集積される載置面が形成されたステージと、
    前記硬貨が繰り出される繰出位置に位置する前記筒収納部を切り替え、前記繰出位置に位置している前記筒収納部から前記硬貨を繰り出させる制御部と
    を有し、
    前記制御部は、繰り出そうとしている前記硬貨の枚数である繰出予定枚数と、前記筒収納部の在高とを比較し、前記繰出予定枚数以上の在高を有する前記筒収納部が存在する場合、該筒収納部を前記繰出位置に移動させてから、該筒収納部から前記硬貨の繰り出しを開始する
    を有する硬貨処理装置。
  5. 前記制御部は、
    繰出動作中において前記繰出位置に位置している前記筒収納部がエンプティ状態になると、既に前記筒収納部から繰り出され搬送路上に残留している前記硬貨を搬送するまで待機してから、前記繰出位置に位置する前記筒収納部を切り替えた後に、前記硬貨を前記繰出位置に位置する前記筒収納部から再び繰り出す
    請求項4に記載の硬貨処理装置。
  6. 前記制御部は、
    繰出動作中において前記繰出位置に位置している前記筒収納部が前記エンプティ状態になると、前記繰出位置に位置している前記筒収納部から繰り出した分だけ枚数が削減された前記繰出予定枚数と、前記筒収納部の在高とを比較し、前記繰出予定枚数以上の在高を有する前記筒収納部が存在する場合、該筒収納部を前記繰出位置に移動させてから、該筒収納部から前記硬貨を繰り出す
    請求項5に記載の硬貨処理装置。
  7. 複数の前記筒収納部を含み回転可能な筒収納部回転体と、
    複数の前記筒収納部の配置を検知する複数の筒回転位置検知センサと
    をさらに有し、
    前記制御部は、
    前記筒収納部の配置が不明な場合、前記筒回転位置検知センサの検知結果に基づいて、前記筒収納部が基準となる配置になるまで前記筒収納部回転体を低速で回転させ、前記筒収納部が基準となる配置に到達すると、前記筒収納部が目標となる配置になるまで前記筒収納部回転体を高速で回転させる
    請求項1又は請求項4に記載の硬貨処理装置。
  8. 前記筒収納部回転体を回転させるモータをさらに有し、
    前記制御部は、
    前記筒収納部が基準となる配置になるまで前記モータを低速で回転させ、前記筒収納部が基準となる配置に到達すると、前記筒収納部が目標となる配置になるまでの予め設定された回転数だけ、前記モータを高速で回転させる
    請求項7に記載の硬貨処理装置。
  9. 前記制御部は、前記筒回転位置検知センサの検知結果が両方ともON状態である場合、前記筒収納部が基準となる配置に到達したと判定する
    請求項7に記載の硬貨処理装置。
  10. 前記ステージ上に前記硬貨が残留しているかを検知する第1センサと、
    前記筒収納部へ前記硬貨が投入されたことを検知する第2センサと
    をさらに有し、
    前記制御部は、
    前記ステージを上昇させ、前記第1センサ又は前記第2センサにより前記ステージの上面位置を検知し、前記第1センサにより前記ステージの前記上面位置を検出した場合と、前記第2センサにより前記ステージの前記上面位置を検出した場合とによって、異なる下降量だけ前記ステージを下降させ、集積位置へ到達させる
    請求項1又は請求項4に記載の硬貨処理装置。
  11. 前記ステージの前記上面位置のみを検知するセンサを有していない
    請求項10に記載の硬貨処理装置。
  12. 使用者の操作を受け付ける操作部と、
    請求項1乃至請求項11の何れかに記載の硬貨処理装置と
    を有する自動取引装置。
JP2019100335A 2019-05-29 2019-05-29 硬貨処理装置及び自動取引装置 Pending JP2020194418A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019100335A JP2020194418A (ja) 2019-05-29 2019-05-29 硬貨処理装置及び自動取引装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019100335A JP2020194418A (ja) 2019-05-29 2019-05-29 硬貨処理装置及び自動取引装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020194418A true JP2020194418A (ja) 2020-12-03

Family

ID=73547629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019100335A Pending JP2020194418A (ja) 2019-05-29 2019-05-29 硬貨処理装置及び自動取引装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020194418A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5365344B2 (ja) 自動取引装置
JP2014106791A (ja) 貨幣入出金装置及び貨幣入出金装置の貨幣管理方法
JP2007004684A (ja) 紙幣入出金機
JP5664355B2 (ja) 紙葉類処理装置及び取引装置
JP2012048538A (ja) 紙葉類取扱装置
WO2021106371A1 (ja) 媒体処理装置及び自動取引装置
JP2015056126A (ja) 媒体収容装置及び媒体取引装置
JP2015022615A (ja) 媒体収納装置及び媒体取引装置
JP2007241762A (ja) 紙幣入出金機およびその紙幣入出金機を搭載した自動取引装置
JP2020194418A (ja) 硬貨処理装置及び自動取引装置
JP2006085736A (ja) 自動取引装置
JP6183143B2 (ja) 媒体処理装置
JP7279472B2 (ja) 硬貨処理装置、自動取引装置及び硬貨処理方法
JP7342379B2 (ja) 硬貨処理装置及び自動取引装置
JP7215230B2 (ja) 硬貨処理装置及び自動取引装置
JP6028398B2 (ja) 媒体分離装置及び媒体取扱装置
JP4517464B2 (ja) 自動取引装置
KR102261826B1 (ko) 금융자동화기기
JP6213141B2 (ja) 媒体処理装置
JP3754620B2 (ja) 紙葉取扱装置
JP2007213279A (ja) 紙幣処理装置
KR101781304B1 (ko) 매체 보관 장치와 이를 구비한 금융기기 및 금융기기의 제어방법
JP2023152348A (ja) 硬貨処理装置及び自動取引装置
JP2024078132A (ja) 硬貨処理装置及び自動取引装置
JP5184108B2 (ja) 紙幣処理機

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191115