JP2020193516A - 螺旋状杭 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転力を付与しない施工機による施工が可能な螺旋状杭を提供する。【解決手段】螺旋状杭10は、螺旋部12と、頭部11とを備える。螺旋部12は、地盤への貫入向きに沿う中心軸CLの両側へ突出するとともに中心軸CLに沿って螺旋状の羽根12bを含む。頭部11は、螺旋部12の基端側と連続し、貫入向きの外力である貫入力を受ける。螺旋部12は、螺旋の半回転に相当する中心軸CL沿いの長さであるピッチPを、外径を示す幅Wで除したピッチ幅比PRが、2.0以上、かつ、7.0以下であり、頭部11が貫入力を受けると地盤に対して中心軸CLまわりに回転しながら地盤へ貫入する。【選択図】図1

Description

本発明は、貫入向きの外力である貫入力で地盤へ貫入する螺旋状杭に関する。
従来、中心軸の両側へ突出する突出部位が中心軸に沿って螺旋状に設けられる螺旋状杭(スパイラル杭ともいう)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、螺旋状杭の施工方法としては、重機などを用いて螺旋状杭を回転させることで施工を行う回転貫入工法が一般的である。
特開2016−3431号公報
しかしながら、回転貫入工法は、重機などの大型の施工機を必要とするため、狭い場所での施工が難しいという問題がある。このため、螺旋状杭に対して回転力を付与せずに、打撃や押圧を行う小型の施工機による施工が可能な螺旋状杭が求められている。
本発明は、回転力を付与しない施工機による施工が可能な螺旋状杭を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、地盤への貫入向きに沿う中心軸の両側へ突出するとともに中心軸に沿って螺旋状の羽根を含む螺旋部と、螺旋部の基端側と連続し、貫入向きの外力である貫入力を受ける頭部とを備える螺旋状杭である。螺旋部は、螺旋の半回転に相当する中心軸沿いの長さであるピッチを、外径を示す幅で除したピッチ幅比が、2.0以上、かつ、7.0以下であり、頭部が貫入力を受けると地盤に対して中心軸まわりに回転しながら地盤へ貫入する。
本発明の一態様において、螺旋部は、ピッチ幅比が、2.0以上、かつ、7.0以下である。ピッチ幅比をかかる数値範囲とすることで、貫入力を効率良く螺旋状杭の回転力へ変換することができ、回転力を付与せずともピッチに沿った施工が可能となる。つまり、貫入力に対する貫入量を高めることができ、少ない貫入力で螺旋状杭を地盤へ貫入させることができる。また、ピッチに沿った施工が可能となるので、周辺の地盤を乱しにくく引抜きの際の抵抗力を高めることができる。これらのことから、打撃や押圧を行う小型の施工機による施工が可能となる。
ピッチ幅比は、4.0以上、かつ、6.5以下であることが好ましい。ピッチ幅比をかかる数値範囲とすることで、引抜きの際の抵抗力をさらに高めることができる。
本発明の他の態様は、地盤への貫入向きに沿う中心軸の両側へ突出するとともに中心軸に沿って螺旋状の羽根を含む螺旋部と、基端側が開放され先端側が螺旋部の基端側と連続する円筒状であり、貫入の際には、貫入向きの外力である貫入力を受けるとともに、貫入後には、被支持構造物を円筒内で支持する頭部とを備える螺旋状杭である。螺旋部は、螺旋の半回転に相当する中心軸沿いの長さであるピッチを、外径を示す幅で除したピッチ幅比が、2.0以上、かつ、7.0以下であり、頭部が貫入力を受けると地盤に対して中心軸まわりに回転しながら地盤へ貫入する。
本発明の他の態様において、螺旋部は、ピッチ幅比が、2.0以上、かつ、7.0以下である。ピッチ幅比をかかる数値範囲とすることで、貫入力を効率良く螺旋状杭の回転力へ変換することができ、回転力を付与せずともピッチに沿った施工が可能となる。つまり、貫入力に対する貫入量を高めることができ、少ない貫入力で螺旋状杭を地盤へ貫入させることができる。これにより、打撃や押圧を行う小型の施工機による施工が可能となる。さらに、螺旋状杭の頭部は、基端側が開放され先端側が螺旋部の基端側と連続する円筒状であり、貫入の際には、貫入向きの外力である貫入力を受けるとともに、貫入後には、被支持構造物を円筒内で支持する。したがって、被支持構造物の施工作業が容易となり、施工効率を向上させることができる。
回転力を付与しない施工機による施工が可能な螺旋状杭を提供することができる。
図1は、螺旋状杭の側面図である。 図2は、螺旋状杭の上面図である。 図3は、被支持構造物の一例を示す模式図である。 図4は、地盤へ貫入中の螺旋状杭を示す模式図である。 図5は、試験に用いた模型杭のピッチ幅比の一覧を示す図である。 図6は、試験その1の試験結果を示す図である。 図7は、図6における引抜き過程の拡大図である。 図8は、試験その2の試験結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する螺旋状杭の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下に示す実施形態では、「螺旋」、「円柱」、「円筒」あるいは「鉛直」といった表現を用いるが、厳密にこれらの状態を満たすことを要しない。すなわち、上記した各表現は、製造精度、施工精度などのずれを許容するものとする。また、以下に示す実施形態では、螺旋状杭を貫入向きの打撃によって地盤へ貫入させる場合について主に説明するが、押圧によって地盤へ貫入させることとしてもよい。
まず、実施形態に係る螺旋状杭10の例について図1を用いて説明する。図1は、螺旋状杭10の側面図である。図1には、螺旋状杭10の中心軸CLを示している。また、図1には、螺旋状杭10を地盤へ貫入させる際の貫入向きを示すZ軸を併せて示している。図1に示すように、螺旋状杭10は、中心軸CLが貫入向きに沿う姿勢で地盤へ貫入される。なお、かかるZ軸は、その他の図面においても示す場合がある。
図1に示したように、螺旋状杭10は、螺旋部12と、頭部11とを備える。螺旋部12は、地盤への貫入向き(Z軸正方向)に沿う中心軸CLの両側へ突出するとともに中心軸CLに沿って螺旋状の羽根12bを含む。頭部11は、螺旋部12の基端側(Z軸負方向)と連続し、貫入向きの外力である貫入力を受ける。頭部11の中心軸CLに沿う長さは「h3」である。螺旋状杭10は、頭部11が貫入力を受けると地盤に対して中心軸CLまわりに回転しながら地盤へ貫入する。
ここで、螺旋部12は、螺旋の半回転に相当する中心軸CL沿いの長さであるピッチPを、外径を示す幅Wで除したピッチ幅比PRが、2.0以上、かつ、7.0以下であることが好ましい。ピッチ幅比PRをかかる数値範囲とすると貫入力を効率良く螺旋状杭10の回転力へ変換することができると考えられるためであるが、ピッチ幅比PRの好ましい数値範囲の根拠やその効果については、図5〜図8を用いて後述する。
なお、頭部11は、円柱状や板状などの中実形状とすることとしてもよいが、図1に示したように、頭部11を上面が開放された有底円筒状の中空形状とすることとしてもよい。図1には、円筒状である頭部11の内周面11cと、内底面11bとを示している。このように、頭部11を中空形状とすることで、被支持構造物100(図3参照)などを挿入することによって容易に支持することが可能となり、被支持構造物100の設置作業を簡略化することができる。なお、被支持構造物100の例については図3を用いて後述する。
また、図1に示したように、螺旋部12は、羽根12bと、軸12sとを備える。軸12sは、たとえば、円柱状の中実形状である。軸12sを円柱状などの中実形状とすることで、螺旋状杭10の強度を高めることができる。なお、軸12sを省略することとしてもよい。
羽根12bは、中心軸CLの両側へ突出するとともに中心軸CLに沿って螺旋状の形状である。ここで、羽根12bの中心軸CLに沿う長さは「h1」であり、軸12sの中心軸CLに沿う長さは「h2」である。なお、図1には、螺旋の向きがZ軸正方向に向けて右回りとした場合を例示したが、左回りとすることとしてもよい。
図1に示した螺旋状杭10は、鋳造品とすることができる。螺旋状杭10を鋳造品とすることで頭部11および螺旋部12の形状の自由度を向上させることができる。また、ピッチ幅比PRを任意の値にすることも容易となる。
図2は、螺旋状杭10の上面図である。図2は、図1に示した螺旋状杭10をZ軸負方向からみた図に相当する。図2に示したように、頭部11は、上面が開放された円筒状であり、内周面11cの下端に内底面11bを有する。
図3は、被支持構造物100の一例を示す模式図である。なお、図3には、道路において車両から歩行者等を保護するために設置される防護柵を被支持構造物100として例示したが、被支持構造物100は、道路標識などを支持するポールであってもよく、道路以外の場所にも設置されるフェンス基礎や、看板基礎などであってもよい。また、図3では、2つの脚を有する防護柵を例示したが、脚の数は1つでもよいし、3つ以上であってもよい。螺旋状杭10は、被支持構造物100の脚数に応じて予め地盤へ貫入され、被支持構造物100の各脚をそれぞれ支持する。
図3に示すように、地盤200の地表面GLには、螺旋状杭10の頭部11を収容する程度の穴部GHが設けられる。ここで、被支持構造物100の脚部110の間隔は、たとえば、「w1」である。螺旋状杭10は、地盤200の穴部GHに配置され、頭部11が、Z軸正方向の貫入力を受けることで、頭部11が穴部GHに収容される程度まで地盤200へ貫入される。各螺旋状杭10は、それぞれの中心軸CL間の距離が「w1」となるように地盤200へ貫入される。
このようにして螺旋状杭10の貫入が完了すると、被支持構造物100の脚部110が頭部11の円筒内にそれぞれ挿入され、脚部110と頭部11との隙間はモルタルやコンクリートなどで充填される。つまり、螺旋状杭10の頭部11は、螺旋状杭10の貫入後には、被支持構造物100を円筒内で支持する。なお、頭部11の円筒部分および被支持構造物100の脚部110の対応する位置にそれぞれ貫通孔を設けておき、被支持構造物100の挿入後に頭部11と脚部110とをボルトやナット等の締結具で締結することとしてもよい。
このように、螺旋状杭10の頭部11は、基端側が開放され先端側が螺旋部12の基端側と連続する円筒状であり、貫入の際には、貫入向きの外力である貫入力を受けるとともに、貫入後には、被支持構造物100を円筒内で支持する。したがって、被支持構造物100の設置作業が簡略化され、設置効率を向上させることができる。なお、脚部110の挿入後、地盤200の穴部GHは無収縮モルタルなどの充填材で充填される。
図4は、地盤200へ貫入中の螺旋状杭10を示す模式図である。図4に示すように、螺旋状杭10を地盤200へ貫入させるためには、地盤200への貫入向き(Z軸正方向)の外力である貫入力Fを頭部11へ作用させる。ここで、貫入力Fは、打撃による断続的な外力であってもよいし、押圧による連続的な外力であってもよい。
螺旋状杭10の中心軸CLはZ軸に沿っており、螺旋部12の羽根は中心軸CLに沿って螺旋状であるので、貫入力Fを受けた螺旋状杭10は、中心軸CLまわりに回転する。図4に示した場合では、螺旋の向きがZ軸の正方向に向けて右回りであるので、回転向きRも右回りとなる。なお、螺旋の向きが反対の場合には、回転向きRは左回りとなる。
このように、地盤200の穴部GHの底面に頭部11の外底面が達する程度まで貫入力Fを作用させることで、螺旋状杭10は、中心軸CLまわりに回転しつつ地盤200へ貫入される。ここで、上記したように、螺旋状杭10のピッチ幅比PR(図1参照)を、2.0以上、かつ、7.0以下とすると、ピッチ通りの(周辺の地盤200を乱さない)施工を行いやすいので、地盤200への貫入が行いやすく、また、引抜きへの抵抗力(引抜抵抗力)も大きくすることができる。
次に、ピッチ幅比PR(図1参照)の好ましい数値範囲の根拠について図5〜図8を用いて説明する。まず、ピッチ幅比PRの数値範囲を検証した試験の概略について説明する。従来、螺旋状杭の施工方法としては、杭を回転させることによって施工を行う回転貫入工法が一般的であった。回転貫入工法を行うためには、重機(バックホーや移動式小型クレーンにオーガーを取り付けたもの、あるいは建柱車など)を用いて杭に回転力を与える必要があり、狭い生活道路などでの施工においては、重機の搬入が困難な場合もある。
回転貫入工法以外の施工方法としては、螺旋状杭に対して回転力を付与せずに、杭に打撃力を与える打撃貫入工法があるが、回転貫入工法に用いられる螺旋状杭のピッチ幅比PRは、1.5程度のものが多く、打撃貫入工法を想定したピッチ幅比PRの最適化については未だ不明な点が多かった。そこで、螺旋状杭のピッチ幅比PRをパラメータとして、打撃貫入工法を想定した施工、載荷試験を行い、貫入性や引抜抵抗力を計測した。
具体的には、拘束圧として上載圧を付加した砂地盤タンクに対してピッチ幅比PRをそれぞれ変更した模型杭を載荷装置によって押し付け、貫入力(kN)と、貫入量(mm)との関係を取得した。試験としては、以下に示す2つの試験(試験その1および試験その2)を行った。
試験その1は、貫入過程では螺旋状杭の回転を自由にし、引抜き過程では螺旋状杭の回転を固定した「貫入・引抜き試験」である(図6に対応)。具体的には、載荷装置による連続一方向載荷を行い、鉛直下向きに押込み力を載荷した状態で240mmの貫入の後、鉛直上向きに力を作用させて40mmの引抜きを行った。貫入時の載荷速度は23mm/minであり、引抜き時の載荷速度は8.8mm/minである。
試験その2は、貫入過程で螺旋状杭の回転を自由にした貫入過程につづいて、回転を固定した押込み過程を実行した「貫入・押込み試験」である(図8に対応)。
具体的には、載荷装置による連続一方向載荷を行い、鉛直下向きに押込み力を載荷した状態で200mmの貫入の後、載荷力を一旦0kNとした後にさらに40mmの押込みを行った。貫入時の載荷速度は23mm/minであり、押込み時の載荷速度は8.8mm/minである。
なお、使用した計測機器は以下の通りである。データの取得を行うデータロガーは、製造元が「(株)共和電業」、型式が「TDS−303」である。荷重(貫入力)を計測するロードセルは、製造元が「(株)東京測器研究所」、型式が「TCLP−2B」である。変位(貫入量)を計測する接触式変位計は、製造元が「(株)東京測器研究所」、型式が「TCLP−2B」である。また、砂地盤タンクの容量は、直径750mm、高さ500mmであり、模型地盤の材料は硅砂7号、相対密度75%である。
図5は、試験に用いた模型杭のピッチ幅比PRの一覧を示す図である。模型杭は、図1に示した螺旋状杭10の螺旋部12における軸12sを省略し、頭部11を螺旋部12における羽根12bの厚みと同等の板状(厚みは6mm)としたものである(図5の「概略図」の項目参照)。頭部11は、載荷装置への取付部として機能するとともに、載置装置からの貫入力や引抜力を受ける。「h3」は、「108mm」であり、「h1」は、「200mm」である。また、概略図には、各模型杭の螺旋部12(図1参照)に相当するピッチPおよび幅Wを示している。なお、図5には、8種類のピッチ幅比PRの模型杭と、参考のため、筒状(杭名称が「pp」)および板状(杭名称が「pt」)の2種類の模型杭とを示している。試験では、これらの計10種類の模型杭についてのデータを取得した。なお、模型杭の幅W(図1参照)は、いずれも32mmである。
杭名称が「pw1.5」の模型杭は、ピッチP(図1参照)が48mm、ピッチ幅比PR(図1参照)が1.5(=48/32)である。「pw1.5」は、回転貫入工法に用いられる一般的なピッチ幅比PRである。
杭名称が「pw2.5」の模型杭は、ピッチPが80mm、ピッチ幅比PR2.5(=80/32)である。杭名称が「pw3.5」の模型杭は、ピッチPが112mm、ピッチ幅比PR3.5(=112/32)である。杭名称が「pw4.0」の模型杭は、ピッチPが128mm、ピッチ幅比PR4.0(=128/32)である。杭名称が「pw4.5」の模型杭は、ピッチPが144mm、ピッチ幅比PR4.5(=144/32)である。杭名称が「pw5.0」の模型杭は、ピッチPが160mm、ピッチ幅比PR5.0(=160/32)である。杭名称が「pw5.5」の模型杭は、ピッチPが176mm、ピッチ幅比PR5.5(=176/32)である。杭名称が「pw6.5」の模型杭は、ピッチPが208mm、ピッチ幅比PR6.5(=208/32)である。なお、杭名称が「pp」の模型杭は、幅W(外径)が32mm、筒厚が3mmで、下面が開放された有底円筒状の中空形状を有しており、杭名称が「pt」の模型杭は、幅Wが32mmの板状である。
図6は、試験その1の試験結果を示す図である。試験その1は、上記した「貫入・引抜き試験」に対応する。つまり、240mmの貫入の後、40mmの引抜きを行っている。ここで、図6に示した試験結果は、図5に示した各模型杭について、「貫入・引抜き試験」を3回ずつ行い、模型杭ごとに3回分の平均値をグラフ化したものである。なお、例外的に、「pw6.5」の模型杭については「貫入・引抜き試験」の回数は2回である。
横軸は、貫入力(kN)であり、縦軸は、貫入量(mm)である。以下では、図5に示した杭名称「pw1.5」に対応するグラフを「pw15」、「pw2.5」に対応するグラフを「pw25」、「pp」に対応するグラフを「pp」のように記載する。ここで、貫入力(横軸)が0以上の領域は、「貫入過程」に対応し、貫入力(横軸)が0未満の領域は、「引抜き過程」に対応する。なお、「引抜き過程」については図7の拡大図を用いて後述する。
図6に示したように、各グラフは、貫入力と貫入量との関係が概ね比例関係にある(貫入力は右向きが正、貫入量は下向きが正のため右下がり)。貫入量が240mmに到達した際の貫入力が最大であるのは、ppであり、最小であるのは、ptである。また、ppの次に貫入力が大きいのは、pw15であり、ppの80%程度である。
以下、貫入力が大きい順に、概ね、pw25、pw35、pw45、pw50、pw40、pw55およびpw65となっており、pw25は、pw15の65%程度、pw65は、pw15の45%程度である。つまり、ピッチ幅比PRを2.5以上とすると、ピッチ幅比PRが1.5の場合と比べて貫入力を30%以上削減することができることがわかる。これらのことから、ピッチ幅比PRを2.0とした場合にも、ピッチ幅比PRが1.5の場合と比べて貫入力の削減効果が類推される。また、図6では、ピッチ幅比PRの最大値が6.5である場合を示したが、ピッチ幅比PRが7.0であっても、pw40あるいはpw45と同等以上の貫入力の削減効果が類推される。
図7は、図6における引抜き過程の拡大図である。引抜き過程では貫入量が240mmから200mmまで40mmの引抜きを行っている。図7に示すように、貫入力の負領域において絶対値が最も大きいのは、pw45であり、最も小さいのは、ptである。ここで、貫入力の絶対値が大きいこと(マイナス値が大きいこと)は、引抜きにくいこと、すなわち、引抜抵抗力が大きいことを示している。
また、pw15〜pw65は、概ね、貫入量が230mm〜235mmで貫入力の絶対値が最大となっている。貫入力の絶対値が大きい順に、pw45、pw50、pw55、pw40、pw65、pw35、pw25、pw15、ppおよびptとなっており、pw25は、pw15の2倍程度、pw40およびpw65は、pw15の2.8倍程度、pw55は、pw15の3倍程度、pw50は、pw15の3.3倍程度、pw45は、pw15の3.5倍程度である。つまり、ピッチ幅比PRを2.5以上とすると、ピッチ幅比PRが1.5の場合と比べて引抜抵抗力を2倍以上大きくすることができることがわかる。これらのことから、ピッチ幅比PRを2.0とした場合にも、ピッチ幅比PRが1.5の場合と比べて引抜抵抗力の増大効果が類推される。また、ピッチ幅比PRを4.0以上とするとピッチ幅比PRが3.5以下よりも引抜抵抗力を安定して高めることができる。さらに、ピッチ幅比PRを4.0以上、かつ、6.5以下とすると、引抜抵抗力をさらに高めることができる。さらに、ピッチ幅比PRを4.5以上、かつ、5.0以下とすると、引抜抵抗力をさらに高めることができる。また、図7では、ピッチ幅比PRの最大値が6.5である場合を示したが、ピッチ幅比PRが7.0であっても、pw35あるいはpw25と同等以上の引抜抵抗力の増大効果が類推される。
図6および図7に示したグラフによれば、貫入過程で必要となる貫入力が最も大きいpw15の引抜抵抗力が最も小さくなっているのに対し、ピッチ幅比PRが大きくなると貫入過程で必要となる貫入力が小さくなり、かつ、引抜抵抗力は大きくなっている。このことから、pw15は貫入過程においては周りの地盤を壊しながら(乱しながら)貫入しており、螺旋部12(図1参照)における羽根12bの上面に地盤との間の隙間ができるような貫入をしていることが推測され、その結果として引抜抵抗力が小さくなっているものと考えられる。これに対し、ピッチ幅比PRが大きい場合は、貫入過程における貫入力を効率良く回転に変換しながらの貫入ができており、周辺地盤の乱れが小さい貫入が実現できていると推測される。その結果、貫入に必要な力が小さくなるとともに、羽根12bにおける螺旋状面と地盤との間に隙間が生じにくく、引抜抵抗力が大きくなっていると考えられる。
図8は、試験その2の試験結果を示す図である。試験その2は、上記した「貫入・押込み試験」に対応する。つまり、模型杭を回転自由とした200mmの貫入の後、回転固定として40mmの押込みを行っている。ここで、図8に示した試験結果は、図5に示した各模型杭について、「貫入・押込み試験」を3回ずつ行い、模型杭ごとに3回分の平均値をグラフ化したものである。なお、例外的に、「pw5.0」および「pw6.5」の模型杭については、「貫入・押込み試験」の回数は1回である。
横軸および縦軸については図6と同様である。なお、貫入力の正領域において、貫入量が200mmまでの領域が「貫入過程」に対応し、200mmよりも大きい領域が「押込み過程」に対応する点が図6とは異なる。なお、図6に示した「引抜き過程」はない。また、以下では、図6に示した試験その1と異なる点について主に説明することとする。
図8に示したように、貫入過程において貫入量が200mmに達するといったん貫入力を0として模型杭を回転固定として貫入量が240mmに達するまで押込み過程を実行した。押込み過程を経て貫入量が240mmに到達した際の貫入力が最大であるのは、ppであり、最小であるのは、ptである。また、ppの次に貫入力が大きいのは、pw15であり、ppの95%程度である。以下、貫入力が大きい順に、概ね、pw25、pw35、pw50、pw55、pw45、pw40およびpw65となっており、pw25は、pw15の85%程度、pw65は、pw15の70%程度である。
ここで、押込み過程における貫入力の上昇率(押込み過程完了時の貫入力/貫入過程完了時の貫入力)は、pw15の1.3倍程度に対してpw25では1.8倍程度に上昇した。つまり、ピッチ幅比PRを2.5以上とすると、ピッチ幅比PRが1.5の場合と比べ、押込み過程における貫入力の貫入過程における貫入力に対する上昇率が大きいことがわかる。つまり、ピッチ幅比PRが大きいほど、回転自由な貫入過程における貫入力、すなわち、施工に必要な力が小さくてすむことがわかる。また、回転固定では地盤へ貫入しにくいこと、すなわち、沈み込みにくいこともわかる。これらのことから、ピッチ幅比PRを2.0とした場合にも、ピッチ幅比PRが1.5の場合と比べて沈み込み防止効果が類推される。
図8におけるpw15によれば、貫入過程と押込み過程の貫入力が、貫入量200mmの線を境にして階段状にはならず、ほぼ連続の線になっている。つまり、pw15においては、貫入過程と押込み過程との貫入状況がほとんど同じになっていると推測される。つまり、pw15の貫入過程では回転を自由にしているにもかかわらず、ほぼ回転することなく地盤を壊しながら(乱しながら)貫入していると考えられる。このため、回転を強制的に固定にした押込み過程との違いが生じにくいと考えられる。これに対して、ピッチ幅比PRを大きくした模型杭の場合は、貫入過程と押込み過程の貫入力の線が貫入量200mmの線を境にして明らかに不連続になっている。貫入時に必要な押込み力が小さくなっているのは、模型杭が回転してピッチに沿った施工ができているからであり、その後の押込み過程では回転を固定したことによって、貫入時の抵抗力が階段状に上昇していると考えられる。このことから、ピッチ幅比を大きくすることは、貫入過程においては押込み力を効率良く回転に変換することで、周辺地盤を乱さない貫入を実現するとともに、回転を固定した後は、階段状に大きな支持力を得られるという効果を奏することがわかる。
上述したように、ピッチ幅比PRを2.0以上、かつ、7.0以下とすることで、貫入力を効率良く螺旋状杭10の回転力へ変換することができ、回転力を付与せずともピッチPに沿った施工、すなわち、周辺の地盤を乱しにくい施工が可能となる。つまり、貫入力に対する貫入量を高めることができ、少ない貫入力で螺旋状杭10を地盤へ貫入させることができる。これにより、打撃や押圧を行う小型の施工機による施工が可能となる。なお、貫入の際に地盤を乱しにくいことは、引抜きの際の抵抗力を高めることをも意味する。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した代表的な実施例に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
10 螺旋状杭、 11 頭部、 11b 内底面、 11c 内周面、 12 螺旋部、 12b 羽根、 12s 軸、 100 被支持構造物、 110 脚部、 200 地盤、 CL 中心軸、 GL 地表面、 F 貫入力、 GH 穴部、 P ピッチ、 PR ピッチ幅比、 R 回転向き、 W 幅。

Claims (3)

  1. 地盤への貫入向きに沿う中心軸の両側へ突出するとともに前記中心軸に沿って螺旋状の羽根を含む螺旋部と、
    前記螺旋部の基端側と連続し、前記貫入向きの外力である貫入力を受ける頭部と
    を備え、
    前記螺旋部は、
    螺旋の半回転に相当する前記中心軸沿いの長さであるピッチを、外径を示す幅で除したピッチ幅比が、2.0以上、かつ、7.0以下であり、前記頭部が前記貫入力を受けると前記地盤に対して前記中心軸まわりに回転しながら前記地盤へ貫入する、螺旋状杭。
  2. 前記螺旋部は、
    前記ピッチ幅比が、4.0以上、かつ、6.5以下である、請求項1に記載の螺旋状杭。
  3. 地盤への貫入向きに沿う中心軸の両側へ突出するとともに前記中心軸に沿って螺旋状の羽根を含む螺旋部と、
    基端側が開放され先端側が前記螺旋部の基端側と連続する円筒状であり、貫入の際には、前記貫入向きの外力である貫入力を受けるとともに、貫入後には、被支持構造物を円筒内で支持する頭部と
    を備え、
    前記螺旋部は、
    螺旋の半回転に相当する前記中心軸沿いの長さであるピッチを、外径を示す幅で除したピッチ幅比が、2.0以上、かつ、7.0以下であり、前記頭部が前記貫入力を受けると前記地盤に対して前記中心軸まわりに回転しながら前記地盤へ貫入する、螺旋状杭。
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